(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】管理型護岸の遮水構造および遮水シート端部の遮水構造。
(51)【国際特許分類】
E02B 3/18 20060101AFI20231219BHJP
B09B 1/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
E02B3/18 F
B09B1/00 F
(21)【出願番号】P 2019232545
(22)【出願日】2019-12-24
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】594067368
【氏名又は名称】ワールドエンジニアリング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000232508
【氏名又は名称】日本道路株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000230711
【氏名又は名称】日本海上工事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】和木 多克
(72)【発明者】
【氏名】岡本 信人
(72)【発明者】
【氏名】弓木 宏之
(72)【発明者】
【氏名】大渕 正一郎
【審査官】柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-107603(JP,A)
【文献】特開2011-156535(JP,A)
【文献】特開2004-181394(JP,A)
【文献】特許第5728206(JP,B2)
【文献】特開2003-071401(JP,A)
【文献】特開2001-212538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/18
B09B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不透水性改良基盤の上に構築された構造物と、
不透水性の遮水シート本体と、この遮水シート本体を覆っている保護マットとを備えて構成されており、前記構造物と、前記不透水性改良基盤の前記構造物の近傍部位とを覆っている遮水シートと、
前記不透水性改良基盤の上で前記構造物の近傍部位に設置されているとともに、前記遮水シートの前記不透水性改良基盤側の端部で前記遮水シートに直接接触している遮水材と、
を有し、前記遮水シートの前記遮水材に直接接触している部位のうちの少なくとも一部では、前記保護マットが削除されていることで、前記遮水シート本体が前記遮水材に直接接触しており、前記遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位は、お互いの向きが異なっている複数の面を備えて
おり、
前記遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位のうちの少なくとも一部は、前記遮水材の内部に入り込んでおり、前記遮水材の内部に入り込んでいる遮水シート本体の部位の厚さ方向の両面が前記遮水材に直接接触していることを特徴とする管理型護岸の遮水構造。
【請求項2】
透水性地盤から起立している鉛直遮水壁と、
不透水性の遮水シート本体と、この遮水シート本体を覆っている保護マットとを備えて構成されており、前記鉛直遮水壁のところから前記鉛直遮水壁から離れる方向に延びており、前記透水性地盤を覆っている遮水シートと、
前記鉛直遮水壁に接して前記透水性地盤の上で前記透水性地盤の前記鉛直遮水壁近傍部位に設置されているとともに、前記遮水シートの前記鉛直遮水壁側の端部で前記遮水シートに直接接触している遮水材と、
を有し、前記遮水シートの前記遮水材に直接接触している部位のうちの少なくとも一部では、前記保護マットが削除されていることで、前記遮水シート本体が前記遮水材に直接接触しており、前記遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位は、お互いの向きが異なっている複数の面を備えて
おり、
前記遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位のうちの少なくとも一部は、前記遮水材の内部に入り込んでおり、前記遮水材の内部に入り込んでいる遮水シート本体の部位の厚さ方向の両面が前記遮水材に直接接触していることを特徴とする管理型護岸の遮水構造。
【請求項3】
請求項1
または請求項2に記載の管理型護岸の遮水構造であって、
前記遮水シートが前記遮水材のところで曲がっていることを特徴とする管理型護岸の遮水構造。
【請求項4】
請求項1~
請求項3のいずれか1項に記載の管理型護岸の遮水構造であって、
2枚の前記遮水シート本体が前記遮水材に直接接触しており、
2枚の前記遮水シート本体のうちの一枚目の遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位の面の向きと、2枚の前記遮水シート本体のうちの二枚目の遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位の面の向きとはお互いが異なっていることを特徴とする管理型護岸の遮水構造。
【請求項5】
不透水性の遮水シート本体と、この遮水シート本体を覆っている保護マットとで構成されている遮水シートと、
前記遮水シートの端部で前記遮水シートに直接接触している遮水材と、
を有し、前記遮水シートの前記遮水材に直接接触している部位のうちの少なくとも一部では、前記保護マットが削除されていることで、前記遮水シート本体が前記遮水材に直接接触しており、前記遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位は、お互いの向きが異なっている複数の面を備えて
おり、
前記遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位のうちの少なくとも一部は、前記遮水材の内部に入り込んでおり、前記遮水材の内部に入り込んでいる遮水シート本体の部位の厚さ方向の両面が前記遮水材に直接接触していることを特徴とする遮水シート端部の遮水構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理型護岸の遮水構造および遮水シート端部の遮水構造に係り、特に、遮水材を用いた遮水シートの端部の遮水に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、
図26で示すような遮水シートを用いた管理型護岸の遮水シート端部の遮水構造301が知られている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
管理型護岸の遮水シート端部の遮水構造301は、不透水性改良基盤303上に設置された捨石堤305と、捨石堤305と不透水性改良基盤303とを覆っている遮水シート307と、遮水シート307の端部に設置されている遮水材(たとえばアスファルトマスチック)309とを備えて構成されている。
【0004】
遮水シート307は、遮水シート本体311と保護マット313とを備えて構成されており、一般的には、遮水シート本体311の上下に保護マット313を有する3層構造になっている。遮水シート307は、捨石堤305や不透水性改良基盤303の上に設置されており、捨石堤305と不透水性改良基盤303の捨石堤305の近傍部位とを覆っている。
【0005】
遮水シート307の端部は、不透水性改良基盤303の上で水平に展開しているとともに遮水材309で覆われている。遮水シート307の端部の下面315では、不透水性改良基盤303に遮水シート本体311が直接接するようにするために保護マット313が削除されている。
【0006】
また、遮水シート307の端部の上面317でも、遮水シート307の端部に設置される遮水材309に遮水シート本体311が直接接ようにするために保護マット313が削除されている。遮水材309は、捨石堤305から離れて不透水性改良基盤303上に設置されている一対のコンクリート製型枠ブロック319の間で、不透水性改良基盤303や遮水シート307の上に設置されている。
【0007】
そして、遮水シート307の端部の上面(遮水シート本体311の上面)317が一対のコンクリート製型枠ブロック319の間に設置されている遮水材309に直接接していることで、遮水シート307の端部での遮水がされている。
【0008】
また、
図27で示すような遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造351が知られている。
【0009】
管理型護岸の遮水シート端部の遮水構造351は、透水性地盤(捨石堤を含む)369から起立している鉛直遮水壁353と、透水性地盤369とを覆っている遮水シート307と、遮水シート307の端部に設置されている遮水材309とを備えて構成されている。
【0010】
遮水シート307は、2層の遮水シート本体311(311A、311B)と3層の保護マット313(313A、313B、313C)とを備えて構成されており、たとえば5層構造の一体型遮水シートになっている。遮水シート307は、鉛直遮水壁353からわずかに離れて透水性地盤369上に設置されており、透水性地盤369を覆っている。
【0011】
また、管理型護岸の遮水構造351では、透水性地盤369や遮水シート307の上であって鉛直遮水壁353から離れたところにコンクリート製型枠ブロック319が設置されている。遮水材309は、透水性地盤369や遮水シート307の上であって鉛直遮水壁353とコンクリート製型枠ブロック319の間に設置されている。
【0012】
ここで、
図27の左右方向で鉛直遮水壁353とコンクリート製型枠ブロック319の間にある遮水シート307を、3つの部位357、359、361に分けて説明する。
【0013】
1つ目の部位357は、鉛直遮水壁353側(左側)に位置している。1つ目の部位357では、保護マット313Bと遮水シート本体311Bと保護マット313Cとが削除されており、遮水シート本体311Aの上面363が遮水材309に直接接している。
【0014】
2つ目の部位359は、中間部に位置している。2つ目の部位359では、保護マット313Cが削除されており、遮水シート本体311Bの上面365が遮水材309に直接接している。
【0015】
3つ目の部位361は、コンクリート製型枠ブロック319側(右側)に位置している。3つ目の部位361では、遮水シート307からなにも削除されておらず、保護マット313Cの上面367が遮水材309に直接接している。これは、コンクリート製型枠ブロック319が保護マットの無い遮水シートと直接接することを避けるためにされているものである。
【0016】
そして、遮水シート本体311Aの上面363が遮水材309に直接接し、遮水シート本体311Bの上面365が遮水材309に直接接していることで、遮水シート307の端部の遮水がされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで、
図26で示す管理型護岸の遮水構造301での遮水シート307の端部では、遮水シート本体311の一面である平面状の上面が遮水材309に直接接することで、遮水シート307と遮水材309との間の遮水をしている。したがって、遮水性能を維持するためには、寸法L26a、L26bの値を大きくする必要がある。これによって、遮水材309の使用量が多くなってしまうという問題がある。
【0019】
また、
図27で示す管理型護岸の遮水構造351での遮水シート307の端部では、遮水シート本体311Aの一面である平面状の上面363および遮水シート本体311Bの一面である平面状の上面365が遮水材309に直接接することで、遮水シート307と遮水材309との間の遮水をしている。したがって、遮水性能を維持するためには、寸法L27a、L27b、L27cの値を大きくする必要がある。これによって、遮水材309の使用量が多くなってしまうという問題がある。
【0020】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、遮水材の使用量を低減することができる管理型護岸の遮水構造および遮水シート端部の遮水構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
請求項1に記載の発明は、不透水性改良基盤の上に構築された構造物と、不透水性の遮水シート本体と、この遮水シート本体を覆っている保護マットとを備えて構成されており、前記構造物と、前記不透水性改良基盤の前記構造物の近傍部位とを覆っている遮水シートと、前記不透水性改良基盤の上で前記構造物の近傍部位に設置されているとともに、前記遮水シートの前記不透水性改良基盤側の端部で前記遮水シートに直接接触している遮水材とを有し、前記遮水シートの前記遮水材に直接接触している部位のうちの少なくとも一部では、前記保護マットが削除されていることで、前記遮水シート本体が前記遮水材に直接接触しており、前記遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位は、お互いの向きが異なっている複数の面を備えており、前記遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位のうちの少なくとも一部は、前記遮水材の内部に入り込んでおり、前記遮水材の内部に入り込んでいる遮水シート本体の部位の厚さ方向の両面が前記遮水材に直接接触している管理型護岸の遮水構造である。
【0022】
請求項2に記載の発明は、透水性地盤から起立している鉛直遮水壁と、不透水性の遮水シート本体と、この遮水シート本体を覆っている保護マットとを備えて構成されており、前記鉛直遮水壁のところから前記鉛直遮水壁から離れる方向に延びており、前記透水性地盤を覆っている遮水シートと、前記鉛直遮水壁に接して前記透水性地盤の上で前記透水性地盤の前記鉛直遮水壁近傍部位に設置されているとともに、前記遮水シートの前記鉛直遮水壁側の端部で前記遮水シートに直接接触している遮水材とを有し、前記遮水シートの前記遮水材に直接接触している部位のうちの少なくとも一部では、前記保護マットが削除されていることで、前記遮水シート本体が前記遮水材に直接接触しており、前記遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位は、お互いの向きが異なっている複数の面を備えており、前記遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位のうちの少なくとも一部は、前記遮水材の内部に入り込んでおり、前記遮水材の内部に入り込んでいる遮水シート本体の部位の厚さ方向の両面が前記遮水材に直接接触している管理型護岸の遮水構造である。
【0024】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の管理型護岸の遮水構造であって、前記遮水シートが前記遮水材のところで曲がっているこ管理型護岸の遮水構造である。
【0025】
請求項4に記載の発明は、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の管理型護岸の遮水構造であって、2枚の前記遮水シート本体が前記遮水材に直接接触しており、2枚の前記遮水シート本体のうちの一枚目の遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位の面の向きと、2枚の前記遮水シート本体のうちの二枚目の遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位の面の向きとはお互いが異なっている管理型護岸の遮水構造である。
【0026】
請求項5に記載の発明は、不透水性の遮水シート本体と、この遮水シート本体を覆っている保護マットとで構成されている遮水シートと、前記遮水シートの端部で前記遮水シートに直接接触している遮水材とを有し、前記遮水シートの前記遮水材に直接接触している部位のうちの少なくとも一部では、前記保護マットが削除されていることで、前記遮水シート本体が前記遮水材に直接接触しており、前記遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位は、お互いの向きが異なっている複数の面を備えており、前記遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位のうちの少なくとも一部は、前記遮水材の内部に入り込んでおり、前記遮水材の内部に入り込んでいる遮水シート本体の部位の厚さ方向の両面が前記遮水材に直接接触している遮水シート端部の遮水構造である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、遮水材の使用量を低減することができる管理型護岸の遮水構造および遮水シート端部の遮水構造を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る管理型護岸に遮水シートによる遮水構造が施工された管理型護岸の断面図(管理型護岸の延伸方向に対して直交する平面による断面図)である。
【
図5】
図2に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造を示す図である。
【
図6】
図3に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水シートによる遮水構造を示す図である。
【
図7】
図2、
図3に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水シートによる遮水構造を示す図である。
【
図8】
図7に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水シートによる遮水構造を示す図である。
【
図9】
図7に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水シートによる遮水構造を示す図である。
【
図10】
図7に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水シートによる遮水構造を示す図である。
【
図11】
図7に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水シートによる遮水構造を示す図である。
【
図12】
図7に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水シートによる遮水構造を示す図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係る管理型護岸の遮水構造が使用される遮水シートを用いた管理型護岸の断面図(管理型護岸の延伸方向に対して直交する平面による断面図)である。
【
図15】
図14に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造を示す図である。
【
図16】
図14に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造を示す図である。
【
図17】
図14に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造を示す図である。
【
図18】
図14に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造を示す図である。
【
図19】
図14に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造を示す図である。
【
図20】
図14に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造を示す図である。
【
図21】
図14に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造を示す図である。
【
図22】
図14に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造を示す図である。
【
図23】
図14に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造を示す図である。
【
図24】
図14に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造を示す図である。
【
図25】
図14に対応した図であって、応用例に係る遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造を示す図である。
【
図26】従来の遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造を示す図である。
【
図27】従来の遮水シートを用いた管理型護岸の遮水構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る管理型護岸の遮水構造(たとえば、管理型廃棄物埋立護岸の遮水構造)1は、たとえば、
図1で示すように、廃棄物処分場3の管理型護岸(遮水護岸)5に採用されるものであり、
図1~
図4で示すように、構造物(たとえば、捨石堤)7と遮水シート9と遮水材11とを備えて構成されている。
【0030】
ここで、説明のために上下方向に対して直交する所定の一方向を内外方向とし、上下方向と内外方向とに対して直交する方向を横方向とする。管理型護岸5は、
図1等の紙面に直交する方向(横方向)に延びている。なお、管理型護岸5は、必ずしも直線状になって延びだけでなく、湾曲しもしくは屈曲して延びている場合もある。
【0031】
捨石堤(護岸本体部)7は、
図1で示すように、地盤(たとえば海底地盤)23の上に構築されている。地盤(不透水性改良基盤)23は、岩盤等で構成された不透水性層(不透水性基盤)13と、不透水の改良処理がされた層(不透水性改良基盤)15、17と、不透水の改良処理がされていない層(透水性海底地盤)19、21とを備えている。
【0032】
遮水シート9は、遮水シート本体25と保護マット27とを備えて構成されている。遮水シート本体25は、不透水性を備え薄板状に形成されている。保護マット27も、薄板状に形成されており、遮水シート本体25の両面(厚さ方向における一方の面と他方の面)を覆っている。
【0033】
遮水シート本体25は、合成樹脂系・合成ゴム系・アスファルト系等の材料で構成されているが、たとえばメッシュ状に形成されている補強材(図示せず)が心材として遮水シート本体25内に入っている場合もある。保護マット27は、遮水シート本体25を保護するものであり不織布や合成樹脂で構成されている。遮水シート9は、捨石堤(捨石マウンド)7と、不透水性改良基盤23の捨石堤7の近傍部位とを覆っている。
【0034】
遮水シート9では、遮水シート本体25の厚さ方向と保護マット27の厚さ方向とがお互いに一致している。保護マット27はたとえば接着材によって遮水シート本体25に設置されており、遮水シート本体25と保護マット27とは一体化している。また、遮水シート9は若干の可撓性を備え薄板状に形成されている。
【0035】
なお、
図4では、遮水シート本体25や保護マット27を、厚さ寸法を備えてものとして描いているが、
図2や
図3等では、1枚の遮水シート本体25を1本の実線で示しており、1枚の保護マット27を1本の破線で示している。また、
図4では、
図3で示している摩擦増大用マット77、79の表示を省略している。
【0036】
捨石堤7と不透水性改良基盤23の捨石堤7の近傍部位とを覆っている遮水シート9は、捨石堤7から不透水性改良基盤23まで連続して設置されている。すなわち、遮水シート9は、捨石堤7と不透水性改良基盤23との平面視における境界(不透水性改良基盤23から捨石堤7が立ち上がっている内側の箇所)29から、捨石堤7側(外側)と不透水性改良基盤23側(内側)とに展開している。
【0037】
さらに、捨石堤7を覆っている遮水シート9の厚さ方向は、捨石堤7の表面(斜面)の展開方向に対して直交しており、不透水性改良基盤23を覆っている遮水シート9の厚さ方向は、不透水性改良基盤23の表面の展開方向に対して直交している。なお、不透水性改良基盤23の表面の展開方向は水平方向になっているので、不透水性改良基盤23を覆っている遮水シート9の厚さ方向は、上下方向になっている。
【0038】
遮水材11は、変形追従性と不透水性とを備えた材料で構成されており、たとえば、アスファルト混合物等のアスファルト系遮水材やコンクリート系遮材や土質系遮水材やケミカル系遮水材で構成されている。遮水材11は、
図2~
図4で示すように、不透水性改良基盤23の捨石堤7の近傍部位で捨石堤7に接して、地盤23の上に設置されている。また、遮水材11は、遮水シート9の不透水性改良基盤23側の端部で遮水シート9に直接接触している。
【0039】
遮水シート本体25と遮水材11との接触面積を増やして、遮水シート本体25と遮水材11とがお互いに接している箇所の不透水性を高めるために、遮水シート9の遮水材11に直接接触している部位のうちの少なくとも一部では、保護マット27が削除されている。そして、遮水シート本体25が遮水材11に直接接触している。
【0040】
さらに、遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位は、
図4で示すように、お互いの向きが異なっている複数の面31、33、35、37を備えている。すなわち、各面31、33、35、37の法線ベクトルのそれぞれは、これらの方向がお互いに異なっている。
【0041】
遮水シート本体25が遮水材11に直接接触している部位では、遮水シート本体25と遮水材11とがお互いに直接接触しており、遮水シート本体25と遮水材11との境界に水等が入り込めないようになっている。
【0042】
さらに説明すると、管理型護岸の遮水構造1では、遮水シート本体25が遮水材11に直接接触している部位で水等を遮断するために、遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位が、お互いの向きが異なっている複数の面を備えている。
【0043】
詳しくは後述するが、これらの複数の面は、遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位が折れ曲がっていることで、もしくは/および、遮水シート本体25が2枚以上になっていることで、2つの平面になっている場合もあるし、3つの平面になっている場合もあるし、4つの平面になっている場合もあるし、5つの平面になっている場合もあるし、6つの平面になっている場合もあるし、7つ以上の平面になっている場合もある。
【0044】
また、上記説明では、遮水シート9が急激に曲がっている(屈曲している)こととしているが、遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位が湾曲していことで、遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位が、お互いの向きが異なっている複数の面になっていてもよい。
【0045】
さらに、遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位の複数の平面のうちの少なくとも1つの平面の向き(平面の法線ベクトルの向き)が、上下方向に対して斜めになっていたり、直交している場合もある。
【0046】
また、
図2~
図4で示すように、遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位(密着している部位)のうちの少なくとも一部が、遮水材11の内部に所定の長さだけ入り込んでいる。そして、遮水材11の内部に入り込んでいる遮水シート本体25の部位の厚さ方向の両面が遮水材11に直接接触している。
【0047】
これによって、遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位がお互いの向きが異なっている複数の面を備えていることになる。すなわち、厚さ方向の両面が遮水材11に直接接触している遮水シート本体25の部位が、平面状に形成されているとすると、遮水シート本体25の厚さ方向の一方の面の法線ベクトルの向きに対して、遮水シート本体25の厚さ方向の他方の面の法線ベクトルの向きが逆向きになっており、各法線ベクトルの向きがお互いに異なっていることになる。
【0048】
また、横方向に対して直交する平面による断面で見て、遮水シート9もしくは遮水シート本体25が遮水材11のところで屈曲もしくは湾曲して曲がっている。すなわち、横方向に対して直交する平面による断面をとると、
図2や
図3で示すように、遮水シート9は薄いので遮水シート9が線状に見える。この線状に見える遮水シート9や遮水シート本体25が曲がっている。
【0049】
管理型護岸の遮水構造1は、遮水材11のところで遮水シート9や遮水シート本体25が曲がっていることで遮水シート9や遮水シート本体25が遮水材11の内部に入り込んでいる態様、遮水材11のところで遮水シート9や遮水シート本体25が曲がっていることで遮水シート9や遮水シート本体25が遮水材11の内部で曲がっている態様、遮水材11のところで遮水シート9や遮水シート本体25が曲がっていることで遮水シート9や遮水シート本体25が遮水材11の外周に沿って延びている態様のうちの少なくとも1つの態様で構成されている。
【0050】
ここで、
図1で示す管理型護岸5ついてさらに詳しく説明する。管理型護岸5の内側(
図1の右側)が廃棄物処分場3になる。管理型護岸の遮水構造1は、たとえば、管理型護岸5の内側に採用されている。
【0051】
図1に、参照符号41で示すものは被覆ブロックであり、参照符号43で示すものは上部工基部コンクリートブロックであり、参照符号45で示すものは上部コンクリートであり、参照符号47で示すものは砕石で構成された遮水シート下地処理層であり、参照符号49で示すものは砕石で構成された中間保護層であり、参照符号51で示すものは、砕石で構成された被覆層である。
【0052】
図1に示すように、捨石堤7は、概ね台形状に形成されている。被覆ブロック41は、所定の厚さの層状になって、台形状の捨石堤7の一方の斜面(外側の斜面)を覆っている。遮水シート下地処理層47は、所定の厚さの層状になって、台形状の捨石堤7の他方の斜面(内側の斜面)を覆っている。上部工基部コンクリートブロック43と上部コンクリート45とは、台形状の捨石堤7の上底に設置されている。
【0053】
遮水シート9として、第1の遮水シート9Aと第2の遮水シート9Bとが設けられている。第1の遮水シート9Aは、
図2で示すように、保護マット27(下側の保護マット27A)と遮水シート本体25と保護マット27(上側の保護マット27B)との3層構造になっている。第2の遮水シート9Bも第1の遮水シート9Aと同様にして、
図3や
図4で示すように、保護マット27(下側の保護マット27A)と遮水シート本体25と保護マット27(上側の保護マット27B)との3層構造になっている。
【0054】
第1の遮水シート9Aは、遮水シート下地処理層47を覆っているともに、不透水性改良基盤23の捨石堤7の近傍部位を覆っている。中間保護層49は、平行四辺形に近似した形状になっており、第1の遮水シート9Aを覆っているとともに、第1の遮水シート9Aの近傍の不透水性改良基盤23の部位を覆っている。第2の遮水シート9Bは、中間保護層49を覆っているともに、不透水性改良基盤23の中間保護層49の近傍の部位を覆っている。
【0055】
次に、
図2を参照しつつ、第1の遮水シート9Aによる管理型護岸の遮水構造1についてさらに詳しく説明する。
【0056】
図2に、参照符号53で示すものは不陸調整用水中コンクリートであり、参照符号55で示すものはコンクリート製型枠ブロックであり、参照符号57で示すものもコンクリート製型枠ブロックであり、参照符号59で示すものは摩擦増大用マットであり、参照符号61で示すものも摩擦増大用マットである。不陸調整用水中コンクリート53は、深層混合処理工法(C.D.M)等を用いて改良された不透水性基盤の表面の凹凸を平らにする目的で打設されたものである。
【0057】
コンクリート製型枠ブロック55は、内外方向で遮水シート下地処理層47の端(内側の端)63から内側に離れたところに設けられている。コンクリート製型枠ブロック57は、内外方向でコンクリート製型枠ブロック55から内側に離れたところに設けられている。
【0058】
不陸調整用水中コンクリート53は、遮水シート下地処理層47の端63とコンクリート製型枠ブロック57との間の不透水性改良基盤23の不陸を調整している。これによって、遮水シート下地処理層47の端63とコンクリート製型枠ブロック57との間にある不透水性改良基盤23の上面は平面状になっている。
【0059】
遮水材11は、層状になって、遮水シート下地処理層47の端63とコンクリート製型枠ブロック57との間で不陸調整用水中コンクリート53の上に設けられている。なお、遮水シート下地処理層47の端63とコンクリート製型枠ブロック55(コンクリート製型枠ブロック55の外側の端)の間における遮水材11は、コンクリート製型枠ブロック55とコンクリート製型枠ブロック57との間における遮水材11よりも薄くなっている(低くなっている)。
【0060】
コンクリート製型枠ブロック55は、第1の遮水シート9Aとシート状の摩擦増大用マット59を間にして遮水材11の上に載っている。コンクリート製型枠ブロック57は、シート状の摩擦増大用マット61を間にして不陸調整用水中コンクリート53の上に設けられている。
【0061】
上下方向で、コンクリート製型枠ブロック55の上面の位置と、コンクリート製型枠ブロック55とコンクリート製型枠ブロック57との間の遮水材11の上面の位置と、コンクリート製型枠ブロック57の上面の位置とは、お互いが一致している。
【0062】
第1の遮水シート9Aは、斜めに展開している部位(斜め展開部位)65と、水平方向に展開している部位(水平展開部位)67と、起立している部位(起立部位)69とを備えて構成されている。
【0063】
斜め展開部位65は、遮水シート下地処理層47を覆っている。水平展開部位67は、斜め展開部位65の端(内側の端)からコンクリート製型枠ブロック55とコンクリート製型枠ブロック57と間の部位まで延びている。起立部位69は、コンクリート製型枠ブロック55とコンクリート製型枠ブロック57との間で、水平展開部位67の端(内側の端)から遮水材11の上面まで延びている。
【0064】
第1の遮水シート9Aについてさらに説明する。第1の遮水シート9Aの遮水シート本体25は、斜め展開部位65と水平展開部位67と起立部位69とにわたって延びている。
【0065】
第1の遮水シート9Aの下側保護マット27Aは、斜め展開部位65と、水平展開部位67の斜め展開部位65側の部位とに設けられている。すなわち、下側保護マット27Aは、
図2に参照符号27Aaと参照符号27Abとで示すところに設けられている。参照符号27Abで示す保護マットの右端(内側の端)は、内外方向で、遮水シート下地処理層47の端63とコンクリート製型枠ブロック55との間で遮水シート下地処理層47の端63側に位置している。
【0066】
第1の遮水シート9Aの上側保護マット27Bは、斜め展開部位65と、水平展開部位67の斜め展開部位65側の部位とに設けられている。すなわち、上側保護マット27Bは、
図2に参照符号27Baと参照符号27Bbとで示すところに設けられている。参照符号27Bbで示す保護マット27Bの右端(内側の端)は、内外方向で、コンクリート製型枠ブロック55と起立部位69との間に位置している。
【0067】
このように、保護マット27の一部が削除されており、また、第1の遮水シート9Aが、水平展開部位67と起立部位69との境界で90°曲がっていることで、
図2で示すように、遮水シート本体の面25a(31)、25b(33)、25c(35)、25d(37)が遮水材11に直接接している。また、遮水シート9やコンクリート製型枠ブロック55や遮水材11(コンクリート製型枠ブロック55とコンクリート製型枠ブロック57との間の遮水材11)やコンクリート製型枠ブロック57は、中間保護層49で覆われている。
【0068】
次に、
図3、
図4を参照しつつ、第2の遮水シート9Bによる管理型護岸の遮水構造1についてさらに詳しく説明する。なお、すでに理解されるように、管理型護岸5では、第1の遮水シート9Aとで二重の遮水がされている。
【0069】
図3、
図4に、参照符号71で示すものは不陸調整用水中コンクリートであり、参照符号73で示すものはコンクリート製型枠ブロックであり、参照符号75で示すものもコンクリート製型枠ブロックであり、参照符号77で示すものは摩擦増大用マットであり、参照符号79で示すものも摩擦増大用マットである。
【0070】
コンクリート製型枠ブロック73は、内外方向で中間保護層49の端(内側の端)81から内側に離れたところに設けられている。コンクリート製型枠ブロック75は、内外方向でコンクリート製型枠ブロック73から内側に離れたところに設けられている。
【0071】
不陸調整用水中コンクリート71は、中間保護層49の端81とコンクリート製型枠ブロック75との間の不透水性改良基盤23の不陸を調整している。これによって、中間保護層49の端81とコンクリート製型枠ブロック75との間にある不透水性改良基盤23の上面は平面状になっている。
【0072】
遮水材11は、層状になって、中間保護層49の端81とコンクリート製型枠ブロック75との間で不陸調整用水中コンクリート53の上に設けられている。なお、中間保護層49の端81とコンクリート製型枠ブロック73(コンクリート製型枠ブロック73の外側の端)の間における遮水材11は、コンクリート製型枠ブロック73とコンクリート製型枠ブロック75との間における遮水材11よりも薄くなっている(低くなっている)。
【0073】
コンクリート製型枠ブロック73は、第2の遮水シート9Bとシート状の摩擦増大用マット77を間にして遮水材11の上に載っている。コンクリート製型枠ブロック75は、シート状の摩擦増大用マット79を間にして不陸調整用水中コンクリート71の上に設けられている。
【0074】
上下方向で、コンクリート製型枠ブロック73の上面の位置と、コンクリート製型枠ブロック73とコンクリート製型枠ブロック75との間の遮水材11の上面の位置と、コンクリート製型枠ブロック75の上面の位置とは、お互いが一致している。
【0075】
第2の遮水シート9Bは、斜めに展開している部位(斜め展開部位)83と、水平方向に展開している部位(水平展開部位)85と、起立している部位(起立部位)87とを備えて構成されている。
【0076】
斜め展開部位83は、中間保護層49を覆っている。水平展開部位85は、斜め展開部位83の端(内側の端)からコンクリート製型枠ブロック73とコンクリート製型枠ブロック75と間の部位まで延びている。起立部位87は、水平展開部位85の端(内側の端)から遮水材11の上面まで延びている。
【0077】
第2の遮水シート9Bについてさらに説明する。第2の遮水シート9Bの遮水シート本体25は、斜め展開部位83と水平展開部位85と起立部位87とにわたって延びている。
【0078】
第2の遮水シート9Bの下側保護マット27Aは、斜め展開部位83と、水平展開部位85の斜め展開部位87側の部位とに設けられている。すなわち、
図3、
図4に参照符号27Aaと参照符号27Abとで示すところに設けられている。参照符号27Abで示す保護マットの右端(内側の端)は、内外方向で、中間保護層49の端81とコンクリート製型枠ブロック73との間で中間保護層49の端81側に位置している。
【0079】
第2の遮水シート9Bの上側保護マット27Bは、斜め展開部位83と、水平展開部位85の斜め展開部位83側の部位とに設けられている。すなわち、
図3、
図4に参照符号27Baと参照符号27Bbとで示すところに設けられている。参照符号27Bbで示す保護マット27Bの右端(内側の端)は、内外方向で、コンクリート製型枠ブロック73と起立部位87との間に位置している。
【0080】
このように、保護マット27の一部が削除されており、また、第2の遮水シート9Bが、水平展開部位85と起立部位87との境界で90°曲がっていることで、
図3、
図4で示すように、遮水シート本体の面25a(31)、25b(33)、25c(35)、25d(37)が遮水材11に直接接している。なお、第2の遮水シート9Bやコンクリート製型枠ブロック73や遮水材11(コンクリート製型枠ブロック73とコンクリート製型枠ブロック75との間の遮水材11)やコンクリート製型枠ブロック73は、被覆層51で覆われている。
【0081】
ここで、管理型護岸の遮水構造1の遮水作用(遮水シート9の下側の端部での遮水作用)について説明する。
【0082】
図1や
図3や
図4で示す廃棄物が投入される空間89に水が存在すると、遮水シート9等が設けられていなければ、捨石堤7等を通って、空間89の水が、管理型護岸5の左側に洩れ出てしまう。しかし、遮水シート9等が設けられていることで上記水の通過が阻止され遮水性を有した管理型護岸5が構成される。
【0083】
すなわち、管理型護岸の遮水構造1が設けられていることで、空間89の水が、
図2や
図3や
図4で示す面31、33、35、37で止められ、遮水シート9の下側の端部(遮水材11と直接接触している部位)での遮水がされる。
【0084】
次に、
図5を参照しつつ、第1の遮水シート9Aによる管理型護岸の遮水構造1について詳しく説明する。
図5で示す管理型護岸の遮水構造1は、
図2で示す遮水構造1の応用例である。
【0085】
図5で示す遮水構造1は、第1の遮水シート9Aの起立部位69がコンクリート製型枠ブロック57に近接している点が、
図2で示す遮水構造1と異なり、その他の点は、
図2で示す遮水構造1と同様に構成されている。
【0086】
なお、
図5で示す遮水構造1では、起立部位69とコンクリート製型枠ブロック57との間に、薄い膜状の遮水材11Aを設けていることで、遮水をしているとともに起立部位69をコンクリート製型枠ブロック57にくっつけているが、薄い膜状の遮水材11Aを削除して、起立部位69(遮水シート本体25)がコンクリート製型枠ブロック57に直接接するようにしてもよいし、薄い膜状の遮水材11Aの代わりに接着材や粘着剤を設けてもよい。
【0087】
次に、
図6を参照しつつ、第2の遮水シート9Bによる管理型護岸の遮水構造1について詳しく説明する。
図6で示す管理型護岸の遮水構造1は、
図3や
図4で示す遮水構造1の応用例である。
【0088】
図6で示す遮水構造1は、
図5で示す管理型護岸の遮水構造1と同様にして、第2の遮水シート9Bの起立部位87がコンクリート製型枠ブロック75に近接している点が、
図3や
図4で示す遮水構造1と異なり、その他の点は、
図3や
図4で示す遮水構造1と同様に構成されている。
【0089】
また、
図6で示す遮水構造1において、
図5で示す遮水構造1と同様に、薄い膜状の遮水材11Aに変更を加えてもよい。
【0090】
次に、
図7を参照しつつ、第1の遮水シート9Aと第2の遮水シート9Bとを用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1について詳しく説明する。
図7では、コンクリート製型枠ブロック91と不透水性改良基盤23との間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0091】
コンクリート製型枠ブロック91は、内外方向で遮水シート下地処理層47の端(内側の端)63から内側に離れたところに設けられている。不陸調整用水中コンクリート53は、遮水シート下地処理層47の端63とコンクリート製型枠ブロック91との間の不透水性改良基盤23の不陸を調整している。これによって、遮水シート下地処理層47の端63とコンクリート製型枠ブロック91との間にある不透水性改良基盤23の上面は平面状になっている。
【0092】
第1の遮水シート9Aは、斜めに展開している部位(斜め展開部位)65と、水平方向に展開している部位(水平展開部位)67とを備えて構成されている。
【0093】
斜め展開部位65は、遮水シート下地処理層47を覆っている。水平展開部位67は、斜め展開部位65の端から斜め展開部位65とコンクリート製型枠ブロック91との間の部位であってコンクリート製型枠ブロック91側の部位まで延びている。すなわち、第1の遮水シート9Aの端(内側の端)は、コンクリート製型枠ブロック91の近傍に位置している。
【0094】
第1の遮水シート9Aについてさらに説明する。第1の遮水シート9Aの遮水シート本体25は、斜め展開部位65と水平展開部位67とにわたって延びている。
【0095】
第1の遮水シート9Aの下側保護マット27Aは、斜め展開部位65と、水平展開部位67の斜め展開部位65側の部位とに設けられている。すなわち、
図7に参照符号27Aaと参照符号27Abとで示すところに設けられている。参照符号27Abで示す保護マットの右端は、内外方向で、遮水シート下地処理層47の端63とコンクリート製型枠ブロック91との間で遮水シート下地処理層47の端63の近傍に位置している。
【0096】
第1の遮水シート9Aの上側保護マット27Bは、斜め展開部位65と、水平展開部位67のコンクリート製型枠ブロック91側の部位とに設けられている。すなわち、
図7に参照符号27Baと参照符号27Bbとで示すところに設けられている。
【0097】
参照符号27Bbで示す保護マットの右端は、内外方向で、コンクリート製型枠ブロック91と、次に述べる中間保護層49および遮水材11との境界95との間に位置している。
【0098】
第1の遮水シート9Aの上側に所定の厚さの層状の中間保護層49と遮水材11とが設けられていることで、第1の遮水シート9Aは、中間保護層49と遮水材11とで覆われている。
【0099】
中間保護層49は、第1の遮水シート9Aの斜め展開部位65と水平展開部位67の斜め展開部位65側の部位とを覆っている。遮水材11は、中間保護層49とコンクリート製型枠ブロック91との間に設けられており、第1の遮水シート9Aの水平展開部位67の残りの部位と、不陸調整用水中コンクリート53とを覆っている。
【0100】
上下方向で、コンクリート製型枠ブロック91の上面の位置と、遮水材11の上面の位置と、中間保護層49上面の位置とは、お互いが一致している。
【0101】
第2の遮水シート9Bは、中間保護層49と遮水材11の上側で中間保護層49と遮水材11とを覆っている。
【0102】
第2の遮水シート9Bも、第1の遮水シート9Aと同様にして、斜めに展開している部位(斜め展開部位)83と、水平方向に展開している部位(水平展開部位)85とを備えて構成されている。
【0103】
斜め展開部位83は、中間保護層49を覆っている。水平展開部位85は、斜め展開部位83の端から斜め展開部位83とコンクリート製型枠ブロック91のところまで延びている。
【0104】
第2の遮水シート9Bについてさらに説明する。第2の遮水シート9Bの遮水シート本体25は、斜め展開部位83と水平展開部位85とにわたって延びている。
【0105】
第2の遮水シート9Bの下側保護マット27Aは、斜め展開部位83と、水平展開部位85の斜め展開部位83側の部位とに設けられている。すなわち、
図7に参照符号27Acと参照符号27Adとで示すところに設けられている。参照符号27Adで示す保護マットの右端は、内外方向で、遮水材11の中間に位置している。
【0106】
第2の遮水シート9Bの上側保護マット27Bは、削除されておらず、第2の遮水シート9Bの遮水シート本体25と同様に斜め展開部位83と水平展開部位85とにわたって延びている。
【0107】
また、内外方向で、遮水シート下地処理層47の端63と、第1の遮水シート9Aの保護マット27Aの右端93と、中間保護層49と遮水材11との境界95と、第1の遮水シート9Aの保護マット27Bの右端97と、第2の遮水シート9Bの保護マット27Aの右端99と、第1の遮水シート9Aの遮水シート本体25の右端101とコンクリート製型枠ブロック91とが、外側から内側に向かってことの順にならんでいる。
【0108】
なお、内外方向での第1の遮水シート9Aの保護マット27Bの右端97と第2の遮水シート9Bの保護マット27Aの右端99との位置がお互いに一致していてもよいし、入れ替わっていてもよい。また、
図7には、参照符号103、105で示す薄い間隙が描かれているが、これらの間隙103、105には、遮水材11が存在している。なお、間隙103に設けられている遮水材11は、第1の遮水シート9Aを不透水性改良基盤23に固定しているものである。
【0109】
また、
図7および
図7以外の図で示している間隙103に遮水材11を設けている理由についてさらに説明する。不陸調整用水中コンクリート53は、水中分離性コンクリートを用いても、その表面不陸が±5cm程度発生してしまう。この不陸が解消されないと遮水シート9との直接接触ができない箇所が発生する。これによって、いわゆる水道(みずみち)できてしまい、保有水が通りぬけてしまう。そこで、遮水材11としてのアスファルトマスチックを不陸調整用水中コンクリート53の表面に厚さ15cmくらいで薄く打設する。アスファルトマスチックは、粘弾性体であるので、遮水シート9の上の遮水材11等の荷重により、遮水シート9がアスファルトマスチック(不陸調整用水中コンクリート53の表面に薄く打設されたアスファルトマスチック)に密着し、水道(みずみち)の発生が防止される。
【0110】
このように保護マット27の一部が削除されていることで、
図7で示すように、遮水シート本体の面25a、25b、25cが遮水材11に直接接している。
【0111】
なお、
図7で示す構成において、第1の遮水シート9Aの上側保護マット27Bの、遮水材11に直接接触している部位が削除されていてもよいし、第2の遮水シート9Bの下側保護マット27Aの、遮水材11に直接接触している部位が削除されていてもよい。第2の遮水シート9B等は、被覆層51で覆われている。
【0112】
次に、
図8を参照しつつ、遮水シート9を用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1について詳しく説明する。
図8でも、コンクリート製型枠ブロック91と不透水性改良基盤23との間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0113】
図7で示す遮水構造1は、三層一体型の遮水シート9A、9B等を用いて遮水構造を形成しているが、
図8で示す遮水構造1では、五層一体型の遮水シート9C等を用いて遮水構造を形成している点が、
図7で示す遮水構造1と異なり、その他の点は、
図7で示す遮水構造1とほぼ同様に構成されている。
【0114】
五層一体型の遮水シート9Cでは、下側保護マット27A、第1の遮水シート本体25A、中間保護マット27C、第2の遮水シート本体25B、上側保護マット27Bがこの順に積層されている。
【0115】
コンクリート製型枠ブロック91は、内外方向で遮水シート下地処理層47の端(内側の端)63から内側に離れたところに設けられている。不陸調整用水中コンクリート53は、遮水シート下地処理層47の端63とコンクリート製型枠ブロック91との間の不透水性改良基盤23の不陸を調整している。これによって、遮水シート下地処理層47の端63とコンクリート製型枠ブロック91との間にある不透水性改良基盤23の上面は平面状になっている。
【0116】
遮水シート9Cは、非分離部位9Dと下側分離部位9Eと上側分離部位9Fとを備えて構成されている。非分離部位9Dでは、下側保護マット27A、第1の遮水シート本体25A、中間保護マット27C、第2の遮水シート本体25B、上側保護マット27Bがこの順に積層されている。
【0117】
下側分離部位9Eでは、下側保護マット27A、第1の遮水シート本体25A、中間保護マット27Cがこの順に積層されている。上側分離部位9Fでは、中間保護マット27C、第2の遮水シート本体25B、上側保護マット27Bがこの順に積層されている。
【0118】
非分離部位9Dと、下側分離部位9Eおよび上側分離部位9Fとの境界107は、遮水シート下地処理層47(捨石堤7)の斜面の中間部であって不透水性改良基盤23側の箇所に位置している。
【0119】
非分離部位9Dは、斜めに展開している部位(斜め展開部位)109を備えて構成されている。下側分離部位9Eは、斜めに展開している部位(斜め展開部位)111と、水平方向に展開している部位(水平展開部位)113とを備えて構成されている。上側分離部位9Fは、水平方向に展開している部位(水平展開部位)115を備えて構成されている。
【0120】
非分離部位9Dの斜め展開部位109は、遮水シート下地処理層47を覆っている。下側分離部位9Eの斜め展開部位111も、遮水シート下地処理層47を覆っている。下側分離部位9Eの水平展開部位113は、斜め展開部位111の端(内側の端)から斜め展開部位111とコンクリート製型枠ブロック91との間の部位であってコンクリート製型枠ブロック91側の部位まで延びている。すなわち、下側分離部位9Eの水平展開部位113の端(内側の端)113Aは、コンクリート製型枠ブロック91の近傍に位置している。
【0121】
非分離部位9Dと下側分離部位9Eとについてさらに説明する。非分離部位9Dと下側分離部位9Eとの第1の遮水シート本体25Aは、斜め展開部位109、111と水平展開部位113とにわたって延びている。
【0122】
非分離部位9Dと下側分離部位9Eとの下側保護マット27Aは、斜め展開部位109、111と、水平展開部位113の斜め展開部111側の部位とに設けられている。すなわち、
図8に参照符号27Aaと参照符号27Abとで示すところに設けられている。参照符号27Abで示す保護マットの右端は、内外方向で、遮水シート下地処理層47の端63とコンクリート製型枠ブロック91との間で遮水シート下地処理層47の端63の近傍に位置している。なお。参照符号27Abで示す部位の保護マットを削除してもよい。
【0123】
非分離部位9Dと下側分離部位9Eとの中間保護マット27Cは、斜め展開部位109、111と、水平展開部位113のコンクリート製型枠ブロック91側の部位とに設けられている。すなわち、
図8に参照符号27Caと参照符号27Cbとで示すところに設けられている。
【0124】
下側分離部位9Eの上側には、所定の厚さの層状の中間保護層49と遮水材11とが設けられていることで、下側分離部位9Eは、中間保護層49と遮水材11とで覆われている。
【0125】
中間保護層49は、下側分離部位9Eの斜め展開部位111と水平展開部位113の斜め展開部位111側の部位とを覆っている。遮水材11は、中間保護層49とコンクリート製型枠ブロック91との間に設けられており、下側分離部位9Eの水平展開部位113の残りの部位と、不陸調整用水中コンクリート53とを覆っている。
【0126】
上下方向で、コンクリート製型枠ブロック91の上面の位置と、遮水材11の上面の位置と、中間保護層49の上面の位置とは、お互いが一致している。
【0127】
参照符号27Cbで示す保護マットの右端は、内外方向で、境界(中間保護層49と遮水材11との境界)95と、コンクリート製型枠ブロック91との間に位置している。なお、参照符号27Cbで示す保護マット27Cの部位のうちのコンクリート製型枠ブロック91と境界95との間の部位を削除してもよい。
【0128】
上側分離部位9Fは、上述したように、水平方向に展開している部位(水平展開部位)115を備えて構成されており、中間保護層49と遮水材11の上側で中間保護層49と遮水材11とを覆っている。
【0129】
上側分離部位9Fは、非分離部位9Dと、下側分離部位9Eおよび上側分離部位9Fとの境界107のところからとコンクリート製型枠ブロック91のところまで延びている。
【0130】
上側分離部位9Fについてさらに説明する。上側分離部位9Fの第2の遮水シート本体25Bは、上側分離部位9F(水平展開部位115)の全体にわたって延びている。
【0131】
上側分離部位9Fの中間保護マット27Cは、水平展開部位115に設けられている。参照符号27Ccで示す保護マットの右端は、内外方向で、遮水材11の中間に位置している。
【0132】
上側分離部位9Fの上側保護マット27Bは、削除されておらず、上側分離部位9Fの第2の遮水シート本体25Bと同様に水平展開部位115の全体にわたって延びている。
【0133】
また、内外方向で、下側分離部位9Eおよび上側分離部位9Fとの境界107と、遮水シート下地処理層47の端63と、下側分離部位9Eの保護マット27Aの右端93と、中間保護層49と遮水材11との境界95と、下側分離部位9Eおよび上側分離部位9Fの右端97、99と、コンクリート製型枠ブロック91とが、外側から内側に向かってことの順にならんでいる。
【0134】
なお、上記説明では、内外方向で、下側分離部位9Eの右端99と上側分離部位9Fの右端97との位置がお互いに一致しているが、下側分離部位9Eの右端99の位置と上側分離部位9Fの右端97との位置とが若干ずれていてもよい。また、
図8には、参照符号103、105で示す薄い間隙が描かれているが、これらの間隙103、105には、遮水材11が存在している。
【0135】
このように保護マット27の一部が削除されていること等で、
図8で示すように、遮水シート本体の面25a、25b、25cが遮水材11に直接接している。また、非分離部位9Dと上側分離部位9Fとコンクリート製型枠ブロック91は被覆層51で覆われている。
【0136】
なお、
図8で示す構成において、下側分離部位9Eの中間保護マット27Cの、遮水材11に接触している部位が削除されていてもよいし、上側分離部位9Fの中間保護マット27Cの、遮水材11に接触している部位が削除されていてもよい。
【0137】
次に、
図9を参照しつつ、第1の遮水シート9Aと第2の遮水シート9Bとを用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1について詳しく説明する。
図9でも、コンクリート製型枠ブロック91と不透水性改良基盤23との間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0138】
図9で示す管理型護岸の遮水構造1は、49の領域を小さくして11を63の近くに持ってきた点、遮水シート9Cの下側分離部位9Eがコンクリート製型枠ブロック91よりも内側に延びている点が、
図7に示す管理型護岸の遮水構造1と異なり、その他の点は、
図7に示す管理型護岸の遮水構造1と同様に構成されている。
【0139】
コンクリート製型枠ブロック91は、内外方向で遮水シート下地処理層47の端(内側の端)63から内側に離れたところに設けられている。不陸調整用水中コンクリート53は、遮水シート下地処理層47の端63とコンクリート製型枠ブロック91との間の不透水性改良基盤23と、コンクリート製型枠ブロック91よりも内側の所定の部位の不陸を調整している。これによって、遮水シート下地処理層47の端63とコンクリート製型枠ブロック57との間にある不透水性改良基盤23の上面と、コンクリート製型枠ブロック91よりも内側の所定の範囲の不透水性改良基盤23の上面とは平面状になっている。
【0140】
第1の遮水シート9Aは、斜めに展開している部位(斜め展開部位)65と、水平方向に展開している部位(水平展開部位)67とを備えて構成されている。水平展開部位67は、コンクリート製型枠ブロック91の下を通って内側に延びている。
【0141】
第1の遮水シート9Aについてさらに説明する。第1の遮水シート9Aの遮水シート本体25は、斜め展開部位65と水平展開部位67とにわたって延びている。
【0142】
第1の遮水シート9Aの下側保護マット27Aは、斜め展開部位65と、水平展開部位67の斜め展開部位65側の部位とに設けられている。すなわち、
図9に参照符号27Aaと参照符号27Abとで示すところに設けられている。参照符号27Abで示す保護マットの右端は、内外方向で、遮水シート下地処理層47の端63とコンクリート製型枠ブロック91との間で遮水シート下地処理層47の端63の近傍に位置している。なお。参照符号27Abで示す部位の保護マット27Aを削除してもよい。
【0143】
第1の遮水シート9Aの上側保護マット27Bは、第1の遮水シート9Aの遮水シート本体25と同様に、斜め展開部位65と水平展開部位67とにわたって延びている。すなわち、
図9に参照符号27Baと参照符号27Bbとで示すところに設けられている。
【0144】
第1の遮水シート9Aの上側には、所定の厚さの層状の中間保護層49と遮水材11と被覆層51とが設けられていることで、第1の遮水シート9Aは、中間保護層49と遮水材11と被覆層51とで覆われている。
【0145】
中間保護層49は、第1の遮水シート9Aの斜め展開部位65と水平展開部位67の斜め展開部位65側の僅かな部位とを覆っている。遮水材11は、中間保護層49とコンクリート製型枠ブロック91との間に設けられており、第1の遮水シート9Aの水平展開部位67の残りの部位(中間保護層49と9コンクリート製型枠ブロック1との間の部位)を覆っている。
【0146】
上下方向で、コンクリート製型枠ブロック91の上面の位置と、遮水材11の上面の位置とは、お互いが一致している。
【0147】
第2の遮水シート9Bは、中間保護層49と遮水材11の上側で中間保護層49と遮水材11とを覆っている。
【0148】
第2の遮水シート9Bも、第1の遮水シート9Aと同様にして、斜めに展開している部位(斜め展開部位)83と、水平方向に展開している部位(水平展開部位)85とを備えて構成されている。
【0149】
斜め展開部位83は、中間保護層49を覆っている。水平展開部位85は、斜め展開部位83の端(内側の端)から斜め展開部位83とコンクリート製型枠ブロック91のところまで延びている。
【0150】
第2の遮水シート9Bについてさらに説明する。第2の遮水シート9Bの遮水シート本体25は、斜め展開部位83と水平展開部位85とにわたって延びている。
【0151】
第2の遮水シート9Bの下側保護マット27Aは、斜め展開部位83と、水平展開部位85の斜め展開部位83側の部位とに設けられている。すなわち、
図9に参照符号27Acと参照符号27Adとで示すところに設けられている。参照符号27Adで示す保護マットの右端は、内外方向で、遮水材11の中間に位置している。
【0152】
第2の遮水シート9Bの上側保護マット27Bは、削除されておらず、第2の遮水シート9Bの遮水シート本体25と同様に斜め展開部位83と水平展開部位85とにわたって延びている。
【0153】
また、
図9には、参照符号103、105で示す薄い間隙が描かれているが、これらの間隙103、105には、遮水材11が存在している。
【0154】
このように保護マット27の一部が削除されていることで、
図7で示すように、遮水シート本体の面25a、25bが遮水材11に直接接している。
【0155】
なお、
図9で示す構成において、第1の遮水シート9Aの上側保護マット27Bの、遮水材11に接触している部位が削除されていてもよいし、第2の遮水シート9Bの下側保護マット27Aの、遮水材11に接触している部位が削除されていてもよい。
【0156】
次に、
図10を参照しつつ、遮水シート9を用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1について詳しく説明する。
図10でも、コンクリート製型枠ブロック91と不透水性改良基盤23との間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0157】
図10で示す遮水シート9を用いた管理型護岸の遮水構造1は、第1の遮水シート9Aと第2の9Bとの間の中間保護層49が削除されている点、遮水シート9Cの下側分離部位9Eがコンクリート製型枠ブロック91よりも内側に延びている点、
図8で示す遮水シート9を用いた管理型護岸の遮水構造1と異なり、その他の点は、
図8で示す遮水シート9を用いた管理型護岸の遮水構造1と同様に構成されている。なお、
図9、
図10で示す管理型護岸の遮水構造1において、遮水材11に接している下側分離部位9Eの一部で保護マット27Cが削除されていてもよい。
【0158】
次に、
図11を参照しつつ、遮水シート9を用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1について詳しく説明する。
図11でも、コンクリート製型枠ブロック91と不透水性改良基盤23との間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0159】
図11で示す遮水シート9を用いた管理型護岸の遮水構造1は、第2の遮水シート9Bが、水平展開部位を備えておらず、第2の遮水シート9Bの端部が遮水材11内に入り込んでいる点が、
図7で示す遮水シート9を用いた管理型護岸の遮水構造1と異なり、その他の点は、
図7で示す遮水シート9を用いた管理型護岸の遮水構造1と同様に構成されている。
【0160】
なお、
図11で示す遮水シート9を用いた管理型護岸の遮水構造1で、遮水材11内に入り込んでいる第2の遮水シート9Bの端部では、保護マットが削除されており、遮水シート本体25が遮水材11に直接接触している。
【0161】
次に、
図12を参照しつつ、遮水シート9を用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1について詳しく説明する。
図12でも、コンクリート製型枠ブロック91と不透水性改良基盤23との間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0162】
図12で示す遮水シート9を用いた管理型護岸の遮水構造1は、遮水材11が、第1の遮水シート9Aの斜め展開部位83まで達している点が、
図9で示す遮水シート9を用いた管理型護岸の遮水構造1と異なり、その他の点は、
図9で示す遮水シート9を用いた管理型護岸の遮水構造1と同様に構成されている。
【0163】
なお、
図7、
図8、
図9、
図10、
図12は、2枚の遮水シート本体25が遮水材11に直接接触しており、2枚の遮水シート本体25のうちの一枚目の遮水シート本体の遮水材11に直接接触している部位の面の向きと、2枚の遮水シート本体25のうちの二枚目の遮水シート本体の遮水材11に直接接触している部位の面の向きとはお互いが異なっている管理型護岸の遮水構造の例である。
【0164】
なお、
図7等では、一枚目の遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位の面と、二枚目の遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位の面とはお互いが平行になっているが、一枚目の遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位の面の法線ベクトルに対して、二枚目の遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位の面の法線ベクトルが逆向きになっている。そして、一枚目の遮水シート本体25と二枚目の遮水シート本体25との間には、遮水材11が存在している。
【0165】
管理型護岸の遮水構造1によれば、遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位が、お互いの向きが異なっている複数の面を備えているので、
図26や
図27で示したものに比べて寸法L26a、L27a等の値を小さくしても、遮水シート本体25と遮水材11との接触面積を大きくして、遮水シート本体25と遮水材11との接触部からの水等の侵入を防止することができる。
【0166】
これにより、遮水材11の使用量を少なくし、使用する遮水シート9の長さを短くすることができる。また、管理型護岸の遮水構造1を廃棄物処分場として使用する場合、遮水材11の使用量等が少なくなることで、廃棄物を蓄える容積を増やすことができる。また、遮水材11の下側において地盤改良が必要な場合にあっては、使用する遮水材11の体積が少なくなることで、地盤改良の範囲を小さくすることがきる。
【0167】
さらに、管理型護岸の遮水構造1では、上述したように遮水材11の使用量を少なくすること等によって、工期を短縮し、コストが低減される。
【0168】
また、管理型護岸の遮水構造1によれば、遮水材11の内部に入り込んでいる遮水シート本体25の部位の厚さ方向の両面が遮水材11に直接接触しているので、遮水シート本体25の厚さ方向の一方の面のみが遮水材11に接している場合に比べて、遮水シート本体25と遮水材11との接触面積を大きくすることできる。
【0169】
また、管理型護岸の遮水構造1によれば、遮水シート9が遮水材11のところで曲がっているので、遮水シート本体25の厚さ方向の一方の面のみが遮水材11に接している場合に比べ遮水材11の使用量を少なくしても、遮水シート本体25と遮水材11との接触面積を大きくすることできる。
【0170】
また、管理型護岸の遮水構造1によれば、一枚目の遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位の面の向きと、二枚目の遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位の面の向きとはお互いが異なっているので、2枚の遮水シート9を用いて遮水をする廃棄物処分場にあっても、遮水シート本体25の厚さ方向の一方の面のみが遮水材11に接している場合に比べ遮水材11の使用量を少なくしても、遮水シート本体25と遮水材11との接触面積を大きくすることできる。
【0171】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る管理型護岸の遮水構造1aは、たとえば、
図13で示すように、廃棄物処分場3の管理型護岸5に採用されるものであり、地盤(透水性地盤)23aから起立している鉛直遮水壁119のところに設けられている点が、本発明の第1の実施形態に係る管理型護岸の遮水構造1と異なっているが、本発明の第1の実施形態に係る管理型護岸の遮水構造1同様な作用効果を有する。
【0172】
なお、
図13に、参照符号121で示すものは基礎捨石であり、参照符号123で示すものは捨石であり、参照符号125で示すものは被覆層であり、参照符号127で示すものは捨石であり、参照符号129で示すものは被覆ブロックである。
【0173】
また、
図13に、参照符号131で示すものはケーソンであり、参照符号133で示すものは中詰砂であり、参照符号135で示すものは上部コンクリートであり、参照符号137で示すものは裏込石であり、参照符号139で示すものは腹付土であり、参照符号141で示すものは、鉛直遮水壁119の倒れを防ぐためのタイロッドである。
【0174】
図13では、基礎捨石121とケーソン131との間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0175】
本発明の第2の実施形態に係る管理型護岸の遮水構造1aは、
図14で示すように、鉛直遮水壁(矢板;コンクリート壁)119と遮水シート9と遮水材11とを備えて構成されている。
【0176】
矢板119は、地盤(たとえば海底地盤)23aから起立している。遮水シート9は、矢板119のところから矢板119から離れる方向(内側)に延びており、地盤23aを覆っている。
【0177】
遮水材11は、矢板119に接して地盤23aの上で地盤23aの矢板119の近傍部位に設置されているとともに、遮水シート9の矢板119側の端部で遮水シート9に直接接触している。
【0178】
また、遮水構造1aでも、遮水シート9の遮水材11に直接接触している部位のうちの少なくとも一部で保護マット27が削除されていることで、遮水シート本体25が遮水材11に直接接触している。遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位は、お互いの向きが異なっている複数の面を備えている。
【0179】
すなわち、遮水構造1aでも、上記複数の面が、遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位が折れ曲がっていることで、もしくは/および、遮水シート本体25が2枚以上になっていることで、2つの平面になっている場合もあるし、3つの平面になっている場合もあるし、4つの平面になっている場合もあるし、5つの平面になっている場合もあるし、6つの平面になっている場合もあるし、7つ以上の平面になっている場合もある。
【0180】
また、遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位が湾曲していことで、遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位が、お互いの向きが異なっている複数の面になっている場合もある。
【0181】
さらに、遮水シート本体25の遮水材11に直接接触している部位の複数の平面のうちの少なくとも1つの平面の向き(平面の法線ベクトルの向き)が、上下方向に対して斜めになっていたり、直交している場合もある。
【0182】
ここで、
図14で示す遮水構造1aについて詳しく説明する。矢板119は地盤23aから上側に起立している。コンクリート製型枠ブロック91は、内外方向で、矢板119から内側にわずかに離れたところに設けられている。
【0183】
五層一体型の遮水シート9Cは、コンクリート製型枠ブロック91のところ(コンクリート製型枠ブロック91の矢板119に面している端)で、非分離部位9Dから下側分離部位9Eと上側分離部位9Fとに分離されている。非分離部位9Dと下側分離部位9Eとは水平方向に展開しており、上側分離部位9Fは上下方向に展開している。
【0184】
下側分離部位9Eの外側の端は、矢板119とコンクリート製型枠ブロック91との間に位置しているともに、矢板119からわずかに離れているが、矢板119に接していてもよい。
【0185】
五層一体型遮水シート9Cや下側分離部位9Eが、地盤23aに接して地盤23aを覆っている。コンクリート製型枠ブロック91は、五層一体型遮水シート9C(非分離部位9D)の上に設置されている。なお、非分離部位9Dとコンクリート製型枠ブロック91との間には、摩擦増大用マット59が設置されている。
【0186】
上側分離部位9Fは、厚さ方向の一方の面がコンクリート製型枠ブロック91に接しているとともに、下側分離部位9Eと上側分離部位9Fと分離されている箇所から上方に延びている。
【0187】
遮水材11は、矢板119とコンクリート製型枠ブロック91との間に設けられている。遮水材11は、地盤23aの上面や下側分離部位9Eの上面に直接接しているとともに、上側分離部位9Fの厚さ方向の他方の面(コンクリート製型枠ブロック91側の面)に直接接している。
【0188】
下側分離部位9E、上側分離部位9Fについてさらに説明する。下側分離部位9Eでは上側の保護マットが削除されており、上側分離部位9Fでも、厚さ方向の他方の面(矢板119側の面)の保護マットが削除されている。これによって、遮水シート9の遮水シート本体25が、2つの面で遮水材11に直接接している。
【0189】
なお、
図14では、コンクリート製型枠ブロック91に上側分離部位9Fが接しているが、コンクリート製型枠ブロック91と上側分離部位9Fとの間に間隙を設け、この間隙を遮水材11で充填してもよい。さらに、上側分離部位9Fとコンクリート製型枠ブロック91との間の保護マットを削除してもよい。
【0190】
次に、
図15を参照しつつ、遮水シート9を用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1aについて詳しく説明する。
図15では、コンクリート製型枠ブロック91と地盤23aとの間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0191】
図15で示す遮水構造1aは、下側分離部位9Eの端部(コンクリート製型枠ブロック119側の端部)が折れ曲がって上側に延びている点が、
図14で示す遮水構造1aと異なり、その他の点は、
図14で示す遮水構造1とほぼ同様に構成されている。
【0192】
なお、
図15で示す遮水構造1aでは、下側分離部位9Eの上下方向に延びている端部では、保護マットが削除されており、遮水シート本体25の厚さ方向の両面が遮水材11に直接接している。
【0193】
次に、
図16を参照しつつ、遮水シート9を用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1aについて詳しく説明する。
図16でも、コンクリート製型枠ブロック91と地盤23aとの間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0194】
図16で示す遮水構造1aは、上側分離部位9Fが折れ曲がって斜め上側に延びている点が、
図14で示す遮水構造1aと異なり、その他の点は、
図14で示す遮水構造1とほぼ同様に構成されている。
【0195】
なお、
図16で示す遮水構造1aでは、上側分離部位9Fでは、保護マットが削除されており、遮水シート本体25の厚さ方向の両面が遮水材11に直接接している。
【0196】
次に、
図17を参照しつつ、遮水シート9を用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1aについて詳しく説明する。
図17でも、コンクリート製型枠ブロック91と地盤23aとの間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0197】
図17で示す遮水構造1aは、上側分離部位9Fのさらなる端部(コンクリート製型枠ブロック119側の端部)が折れ曲がって水平に延びている点が、
図15で示す遮水構造1aと異なり、その他の点は、
図15で示す遮水構造1とほぼ同様に構成されている。
【0198】
なお、
図17で示す遮水構造1aでは、上側分離部位9Fのさらなる端部も、保護マットが削除されていることで遮水材11に直接接している。
【0199】
次に、
図18を参照しつつ、遮水シート9を用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1aについて詳しく説明する。
図18でも、コンクリート製型枠ブロック91と地盤23aとの間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0200】
図18で示す管理型護岸の遮水構造1aでは、コンクリート製型枠ブロック91が、内外方向で、矢板119から内側にわずかに離れたところに設けられている。五層一体型の遮水シート9Cは、矢板119とコンクリート製型枠ブロック91との中間部から内側方向にコンクリート製型枠ブロック91の下を通過して水平方向に延びている。
【0201】
矢板119とコンクリート製型枠ブロック91との間には、遮水材11が設けられている。五層一体型遮水シート9Cの矢板119側の端部は、保護マットが削除されており、遮水材11内で上側に延びている。
【0202】
保護マットが削除されている五層一体型遮水シート9Cの矢板119側の端部では、下側遮水シート本体25Aと上側遮水シート本体25Bとがお互いに接しており、下側遮水シート本体25Aの矢板119側の面と、上側遮水シート本体25Bのコンクリート製型枠ブロック91側の面とが、遮水材11に直接接している。
【0203】
なお、
図19で示すように、下側遮水シート本体25Aの端部と、上側遮水シート本体25Bの端部との間に間隙を設け、この間隙に遮水材11を充填してもよい。
【0204】
次に、
図20を参照しつつ、遮水シート9を用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1aについて詳しく説明する。
図20でも、コンクリート製型枠ブロック91と地盤23aとの間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0205】
矢板119は地盤23aから上側に起立している。コンクリート製型枠ブロック91は、内外方向で、矢板119から内側にわずかに離れたところに設けられている。
【0206】
第1の遮水シート9Aは、矢板119の近傍からコンクリート製型枠ブロック91の下側を通過し内側に向かって延びており、地盤23aを覆っている。また、コンクリート製型枠ブロック91よりも内側の部位では、中間保護層49が第1の遮水シート9Aを覆っている。
【0207】
矢板119とコンクリート製型枠ブロック91との間には、遮水材11が設けられている。遮水材11の上面とコンクリート製型枠ブロック91の上面と中間保護層49の上面とはお互いが一致している。
【0208】
第2の遮水シート9Bは、矢板119の近傍からコンクリート製型枠ブロック91の上側を通過し内側に向かって延びており、遮水材11とコンクリート製型枠ブロック91と中間保護層49とを覆っている。
【0209】
第1の遮水シート9A、第2の遮水シート9Bでは、保護マットの一部が削除されており、第1の遮水シート9Aの遮水シート本体25の上面が遮水材11に直接接している。
図20で示す間隙105も、遮水材11で充填されており、第2の遮水シート9Bの遮水シート本体25の下面が遮水材11に直接接している。
【0210】
次に、
図21を参照しつつ、遮水シート9を用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1aについて詳しく説明する。
図21でも、コンクリート製型枠ブロック91と地盤23aとの間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0211】
図21で示す遮水構造1aは、第2の遮水シート9Bの端部が折れ曲がって下側に延びている点が、
図20で示す遮水構造1aと異なり、その他の点は、
図20で示す遮水構造1とほぼ同様に構成されている。
【0212】
なお、
図21で示す遮水構造1aでは、第2の遮水シート9Bの端部で保護マットが削除されており、第2の遮水シート9Bの端部の両面で遮水シート本体25が遮水材11に直接接している。
【0213】
次に、
図22を参照しつつ、遮水シート9を用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1aについて詳しく説明する。
図22でも、コンクリート製型枠ブロック91と地盤23aとの間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0214】
図22で示す遮水構造1aは、第2の遮水シート9Bの端部がコンクリート製型枠ブロック91に接している点が、
図21で示す遮水構造1aと異なり、その他の点は、
図21で示す遮水構造1とほぼ同様に構成されている。
【0215】
なお、
図22で示す遮水構造1aでは、第2の遮水シート9Bの下側に延伸している端部がコンクリート製型枠ブロック91に直接接しているが、第2の遮水シート9Bの下側に延伸している端部をコンクリート製型枠ブロック91からわずかに離し、第2の遮水シート9Bの下側に延伸している端部とコンクリート製型枠ブロック91との間に遮水材11を充填してもよい。
【0216】
また、
図22で示す遮水構造1aでは、第2の遮水シート9Bの水平方向に展開している部位で保護マット27が遮水材11に接しているが、この保護マット27を削除してもよい。
【0217】
次に、
図23、
図25を参照しつつ、遮水シート9を用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1aについて詳しく説明する。
図23でも、コンクリート製型枠ブロック91と地盤23との間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0218】
図23や
図25で示す遮水構造1aは、第1の遮水シート9Aの端部が折れ曲がって上側に延びている点が、
図21で示す遮水構造1aと異なり、その他の点は、
図21で示す遮水構造1aとほぼ同様に構成されている。
【0219】
なお、
図23や
図25で示す遮水構造1aでは、第1の遮水シート9Aの上下方向に延びている端部で、保護マットが削除されている。これによって、第1の遮水シート9Aの上下方向に延びている端部の両面で遮水シート本体25が遮水材11に直接接している。
【0220】
なお、
図23で示す遮水構造1aでは、内外方向で、第1の遮水シート9Aの端部が、第2の遮水シート9Bの端部よりも、矢板119側に位置している。
【0221】
また、
図25で示す遮水構造1aでは、内外方向で、第1の遮水シート9Aの端部が、第2の遮水シート9Bの端部よりも、コンクリート製型枠ブロック91側(内側)に位置している。
【0222】
次に、
図24を参照しつつ、遮水シート9を用いた応用例に係る管理型護岸の遮水構造1aについて詳しく説明する。
図24でも、コンクリート製型枠ブロック91と地盤23aとの間にある摩擦増大用マットの表示を省略している。
【0223】
図24で示す遮水構造1aは、第1の遮水シート9Aの端部が削除されている点が、
図23や
図25で示す遮水構造1aと異なり、その他の点は、
図23や
図15示す遮水構造1とほぼ同様に構成されている。
【0224】
また、
図24で示す遮水構造1aでは、内外方向で、第2の遮水シート9Bの端部と、第1の遮水シート9A端(内側の端)とが、ほぼ同じところに位置しているが、これらの位置がお互いに若干ずれていてもよい。
【0225】
なお、上記説明では、地盤23aのところに遮水構造1、1aが設置されているが、地盤以外の物体(たとえば、捨石堤の上部や建築構造物)のところに遮水構造1、1aが設置されていてもよい。
【0226】
また、上述した遮水構造1、1aは、不透水性の遮水シート本体と、この遮水シート本体を覆っている保護マットとで構成されている遮水シートと、前記遮水シートの端部で前記遮水シートに直接接触している遮水材とを有し、前記遮水シートの前記遮水材に直接接触している部位のうちの少なくとも一部では、前記保護マットが削除されていることで、前記遮水シート本体が前記遮水材に直接接触しており、前記遮水シート本体の前記遮水材に直接接触している部位は、お互いの向きが異なっている複数の面を備えている遮水シート端部の遮水構造の例である。
【符号の説明】
【0227】
1、1a 管理型護岸の遮水構造
7 構造物(捨石堤)
9 遮水シート
11 遮水材
23 不透水性改良基盤
23a 透水性地盤
25 遮水シート本体
25a、25b 遮水材に接している遮水シート本体の複数の面
27 保護マット
119 鉛直遮水壁(矢板)