(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】電極組立体およびそれを含む二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/654 20140101AFI20231219BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20231219BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231219BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20231219BHJP
H01M 10/655 20140101ALI20231219BHJP
H01M 50/591 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/595 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/531 20210101ALI20231219BHJP
H01M 50/586 20210101ALI20231219BHJP
【FI】
H01M10/654
H01M10/04 W
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/655
H01M50/591 101
H01M50/595
H01M50/531
H01M50/586
(21)【出願番号】P 2022521766
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(86)【国際出願番号】 KR2020012903
(87)【国際公開番号】W WO2021091082
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2022-04-13
(31)【優先権主張番号】10-2019-0142204
(32)【優先日】2019-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミン、スン ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジュン ジン
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-012812(JP,A)
【文献】特開平10-241737(JP,A)
【文献】特開2011-023334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/60-10/667
H01M 10/00-10/04
H01M 10/06-10/34
H01M 50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セパレータを介在した状態で第1電極と第2電極がゼリーロール状に巻き取られる電極組立体であって、
巻取開始点に備えられ、第1電極活物質が存在しない第1巻取開始部、巻取末端点に備えられ、前記第1電極活物質が存在しない第1巻取末端部、および前記第1巻取開始部と前記第1巻取末端部との間に備えられ、前記第1電極活物質がコーティングされた第1コーティング部を含む第1電極と、
巻取開始点に備えられ、第2電極活物質が存在しない第2巻取開始部、巻取末端点に備えられ、前記第2電極活物質が存在しない第2巻取末端部、および前記第2巻取開始部と前記第2巻取末端部との間に備えられ、前記第2電極活物質がコーティングされた第2コーティング部を含む第2電極と、
前記第1電極の第1巻取末端部に備えられる第1電極タブを含む電極タブ部と、
前記第1電極タブと対面する前記第2電極の第2巻取末端部の表面に付着される第1保護部材とを含
み、
前記第1保護部材は、前記第2巻取末端部の全表面に付着される、電極組立体。
【請求項2】
前記第1保護部材は、放熱性を有する素材からなる、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記第1保護部材は、前記第1巻取末端部内に位置した前記第1電極タブの面積より大きい面積を有する、請求項1または請求項2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記第2電極の巻取開始部に備えられる第2電極タブと、前記第2電極タブと対面する前記第1電極の前記第1巻取開始部の表面に付着される第2保護部材と、をさらに含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記第2保護部材は、放熱性を有する素材からなる、請求項4に記載の電極組立体。
【請求項6】
前記第2保護部材は、前記第2巻取開始部内に位置した前記第2電極タブの面積より大きい面積を有する、請求項4または請求項5に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記第1保護部材は、前記第2保護部材より大きい面積を有する、請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記第1巻取開始部と前記第1巻取末端部は、前記第1電極の長さ方向から見た時に、互いに異なる長さを有し、
前記第1巻取末端部は、前記第1巻取開始部より大きい長さを有する、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記第2巻取開始部と前記第2巻取末端部は、前記第2電極の長さ方向から見た時に、互いに異なる長さを有し、
前記第2巻取末端部は、前記第2巻取開始部より大きい長さを有する、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項10】
前記第1電極タブには第1保護テープが付着され、
前記第1保護テープは、放熱性を有する素材からなる、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項11】
前記第2電極タブには第2保護テープが付着され、
前記第2保護テープは、放熱性を有する素材からなる、請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項12】
前記第1電極は正極であり、前記第2電極は負極である、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項13】
前記第1保護部材は、前記第1電極タブと対面する前記第2電極の第2巻取末端部の一面に付着され、
前記第1保護部材に対応する前記第2電極の前記第2巻取末端部の他面に補助部材が付着され、
前記第1保護部材と前記補助部材は、前記第2巻取末端部を貫通する連結部によって連結される、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項14】
前記第1保護部材、前記補助部材および前記連結部は、一体に形成され、放熱性素材からなる、請求項13に記載の電極組立体。
【請求項15】
セパレータを介在した状態で第1電極と第2電極がゼリーロール状に巻き取られる電極組立体と、
前記電極組立体を収容するケースとを含み、
前記電極組立体は、
巻取開始点に備えられ、第1電極活物質が存在しない第1巻取開始部、巻取末端点に備えられ、前記第1電極活物質が存在しない第1巻取末端部、および前記第1巻取開始部と前記第1巻取末端部との間に備えられ、前記第1電極活物質がコーティングされた第1コーティング部を含む第1電極と、
巻取開始点に備えられ、第2電極活物質が存在しない第2巻取開始部、巻取末端点に備えられ、前記第2電極活物質が存在しない第2巻取末端部、および前記第2巻取開始部と前記第2巻取末端部との間に備えられ、前記第2電極活物質がコーティングされた第2コーティング部を含む第2電極と、
前記第1電極の第1巻取末端部に備えられる第1電極タブを含む電極タブ部と、
前記第1電極タブと対面する前記第2電極の第2巻取末端部の表面に付着される第1保護部材とを含
み、
前記第1保護部材は、前記第2巻取末端部の全表面に付着される、二次電池。
【請求項16】
前記第2電極の巻取開始部に備えられる第2電極タブをさらに含む、請求項15に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年11月8日付けの韓国特許出願第10-2019-0142204号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、放熱性を高めた電極組立体およびそれを含む二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、二次電池(secondary battery)は、充電が不可能な一次電池とは異なり、充電および放電が可能な電池を意味し、このような二次電池は、スマートフォン、ノート型パソコンおよびカムコーダなどの先端電子機器分野において広く使用されている。
【0004】
上述の二次電池は、電極組立体が金属缶に内蔵される缶型二次電池と、電極組立体がパウチに内蔵されるパウチ型二次電池とに分けられ、前記缶型二次電池は、電極組立体、電極組立体を収容する缶、および缶の開口部に実装されるキャップ組立体を含み、前記電極組立体は、電極とセパレータが交互に積層される構造を有する。また、前記電極は、第1電極と第2電極を含み、前記第1電極は、第1電極タブを介して前記カンに結合し、前記第2電極は、第2電極タブを介してキャップ組立体に結合する。
【0005】
しかし、上述の二次電池は、第1電極と第2電極が接触してショートが発生すると、電極組立体の温度が上昇するが、この際、電極組立体に発生した熱が迅速に放出されない場合、電極組立体の温度が急上昇して爆発または発火する問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題を解決するために発明されたものであり、本発明は、電極組立体に発生した熱を迅速に外部に放出することができ、これにより、電極組立体の爆発または発火を防止することができる電極組立体およびそれを含む二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記のような目的を達成するための本発明の電極組立体は、セパレータを介在した状態で第1電極と第2電極がゼリーロール状に巻き取られるものであって、巻取開始点に備えられ、第1電極活物質が存在しない第1巻取開始部、巻取末端点に備えられ、第1電極活物質が存在しない第1巻取末端部、および前記第1巻取開始部と前記第1巻取末端部との間に備えられ、第1電極活物質がコーティングされた第1コーティング部を含む第1電極と、巻取開始点に備えられ、第2電極活物質が存在しない第2巻取開始部、巻取末端点に備えられ、第2電極活物質が存在しない第2巻取末端部、および前記第2巻取開始部と前記第2巻取末端部との間に備えられ、第2電極活物質がコーティングされた第2コーティング部を含む第2電極と、前記第1電極の第1巻取末端部に備えられる第1電極タブを含む電極タブ部と、前記第1電極タブと対面する前記第2電極の第2巻取末端部の表面に付着される第1保護部材とを含むことができる。
【0008】
前記第1保護部材は、放熱性を有する素材からなることができる。
【0009】
前記第1保護部材は、前記第1巻取末端部内に位置した前記第1電極タブの面積より大きい面積を有することができる。
【0010】
前記第2電極の巻取開始部に備えられる第2電極タブと、前記第2電極タブと対面する前記第1電極の第1巻取開始部の表面に付着される第2保護部材と、をさらに含むことができる。
【0011】
前記第2保護部材は、放熱性を有する素材からなることができる。
【0012】
前記第2保護部材は、前記第2巻取開始部内に位置した前記第2電極タブの面積より大きい面積を有することができる。
【0013】
前記第1保護部材は、前記第2保護部材より大きい面積を有することができる。
【0014】
前記第1巻取開始部と前記第1巻取末端部は、前記第1電極の長さ方向から見た時に、互いに異なる長さを有し、前記第1巻取末端部は、前記第1巻取開始部より大きい長さを有することができる。
【0015】
前記第2巻取開始部と前記第2巻取末端部は、前記第2電極の長さ方向から見た時に、互いに異なる長さを有し、前記第2巻取末端部は、前記第2巻取開始部より大きい長さを有することができる。
【0016】
前記第1電極タブには第1保護テープが付着され、前記第1保護テープは、放熱性を有する素材からなることができる。
【0017】
前記第2電極タブには第2保護テープが付着され、前記第2保護テープは、放熱性を有する素材からなることができる。
【0018】
前記第1電極は正極であり、前記第2電極は負極であることができる。
【0019】
前記第1保護部材は、前記第1電極タブと対面する前記第2電極の第2巻取末端部の一面に付着され、前記第1保護部材に対応する前記第2電極の第2巻取末端部の他面に補助部材が付着され、前記第1保護部材と前記補助部材は、第2巻取末端部を貫通する連結部によって連結されることができる。
【0020】
前記第1保護部材、補助部材および連結部は、一体に形成され、放熱性素材からなることができる。
【0021】
一方、本発明の二次電池は、セパレータを介在した状態で第1電極と第2電極がゼリーロール状に巻き取られる電極組立体と、前記電極組立体を収容するケースとを含み、前記電極組立体は、巻取開始点に備えられ、第1電極活物質が存在しない第1巻取開始部、巻取末端点に備えられ、第1電極活物質が存在しない第1巻取末端部、および前記第1巻取開始部と前記第1巻取末端部との間に備えられ、第1電極活物質がコーティングされた第1コーティング部を含む第1電極と、巻取開始点に備えられ、第2電極活物質が存在しない第2巻取開始部、巻取末端点に備えられ、第2電極活物質が存在しない第2巻取末端部、および前記第2巻取開始部と前記第2巻取末端部との間に備えられ、第2電極活物質がコーティングされた第2コーティング部を含む第2電極と、前記第1電極の第1巻取末端部に備えられる第1電極タブを含む電極タブ部と、前記第1電極タブと対面する前記第2電極の第2巻取末端部の表面に付着される第1保護部材とを含むことができる。また、本発明の二次電池は、前記第2電極の巻取開始部に備えられる第2電極タブをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の電極組立体は、第1電極タブと対面する前記第2電極の第2巻取末端部の表面に付着される第1保護部材を含むことを特徴とする。このような特徴により、第1電極タブと第2電極が接触することを防止することができ、これにより、ショートの発生を予め防止することができ、その結果、安定性を高めることができる。
【0023】
特に、本発明の電極組立体において、第1保護部材は、放熱性を有する素材からなることを特徴とする。このような特徴により、電極組立体に発生した熱を迅速に外部に放出することができ、これにより、電極組立体の温度上昇を抑制することができ、二次電池が爆発するかまたは発火することを防止することができる。特に、第1保護部材は、第1電極タブと第2電極との間に発生した熱を効果的に放出することができる。
【0024】
また、本発明の電極組立体において、第1保護部材は、前記第1電極の第1巻取末端部内に位置した前記第1電極タブの面積より大きい面積を有することを特徴とする。このような特徴により、電極組立体の放熱性を大幅に高めることができ、特に、第1電極タブだけでなく、第1電極タブが付着された第1電極の第1巻取末端部に発生した熱も迅速に外部に放出することができる。
【0025】
また、本発明の電極組立体は、第2電極タブと対面する第1電極の第1巻取開始部の表面に第2保護部材をさらに付着することを特徴とする。このような特徴により、第2電極タブと第1電極が接触することを防止することができ、電極組立体の温度上昇を抑制することができ、電極組立体が爆発するかまたは発火することを防止することができる。
【0026】
特に、本発明の電極組立体において、第2保護部材は、第1保護部材と同じ放熱性を有する素材からなることを特徴とする。このような特徴により、電極組立体に発生した熱を迅速に外部に放出することができ、これにより、電極組立体の温度上昇を抑制することができ、電極組立体が爆発するかまたは発火することを防止することができる。特に、第2保護部材は、第2電極タブと第1電極との間に発生した熱を効果的に放出することができる。
【0027】
また、本発明の電極組立体において、第2電極は、第2巻取開始部と前記第2巻取末端部を含み、前記第2巻取末端部は、前記第2巻取開始部より大きい長さを有することを特徴とする。このような特徴は、第1および第2保護部材によって電極組立体の内部に発生した熱を効果的に放熱できることから、第2巻取開始部の長さを最小化し、第2巻取末端部の長さを増大させて、第1保護部材の付着力と放熱性を高めることができる。
【0028】
また、本発明の電極組立体において、第1および第2電極タブには、放熱性を有する第1および第2保護テープが付着されることを特徴とし、このような特徴により、第1および第2電極タブに発生した熱を効果的に放熱することができ、これにより、電極組立体の温度上昇を大幅に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第1実施形態による電極組立体の巻取前の状態を図示した分離斜視図である。
【
図3】
図2に示されているA-A線の断面図である。
【
図4】
図2に示されているB-B線の断面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態による二次電池に含まれた電極組立体の第1保護テープを図示した正面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態による二次電池に含まれた電極組立体の第2保護テープを図示した正面図である。
【
図7】本発明の第2実施形態による二次電池を図示した断面図である。
【
図8】本発明の第3実施形態による電極組立体を図示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付の図面を参照して、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施することができるように、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明は、各種の相違する形態に実現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、図面において、本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書の全体にわたり類似する部分に対しては、類似する図面符号を付けた。
【0031】
[本発明の第1実施形態による電極組立体]
本発明の第1実施形態による電極組立体100は、
図1~
図6に図示されているように、セパレータを介在した状態で、第1電極と第2電極がゼリーロール状に巻き取られる構造を有する。
【0032】
一例として、本発明の第1実施形態による電極組立体100は、第1電極110、セパレータ120、第2電極130およびセパレータ140が
図1で見た時に、前後方向に沿って順次に積層され、巻取開始点(
図1で見た時に左側端)から巻取末端点(
図1で見た時に右側端)までゼリーロール状に巻き取られる構造を有する。
【0033】
第1電極
前記第1電極110は、巻取開始点に備えられ、第1電極活物質が存在しない第1巻取開始部111と、巻取末端点に備えられ、第1電極活物質が存在しない第1巻取末端部112と、前記第1巻取開始部111と前記第1巻取末端部112との間に備えられ、第1電極活物質がコーティングされた第1コーティング部113とを含む。
【0034】
第2電極
第2電極130は、巻取開始点に備えられ、第2電極活物質が存在しない第2巻取開始部131と、巻取末端点に備えられ、第2電極活物質が存在しない第2巻取末端部132と、前記第2巻取開始部131と前記第2巻取末端部132との間に備えられ、第2電極活物質がコーティングされた第2コーティング部133とを含む。
【0035】
一方、本発明の第1実施形態による電極組立体100は、電極タブ部150を含む。
【0036】
電極タブ部
前記電極タブ部150は、前記第1電極110の第1巻取末端部112に備えられる第1電極タブ151と、前記第2電極130の巻取開始部131に備えられる第2電極タブ152とを含む。
【0037】
一方、第1電極110は正極であり、第2電極130は負極である。また、第1電極タブ151は正極タブであり、第2電極タブ152は負極タブである。
【0038】
ここで、本発明の第1実施形態による電極組立体100は、第1電極タブ151である正極タブを第1電極110の第1巻取末端部112に備えることで、ショートの発生時に、正極タブに発生した熱を電極組立体100の外部に迅速に排出させることができ、これにより、電極組立体100が爆発するか発火することを予め防止することができる。すなわち、ショートの発生時に、負極タブより正極タブに熱が多く発生するため、正極タブを電極組立体の外側に位置した第1電極110の第1巻取末端部112に備えることで、正極タブに発生する熱を迅速に外部に排出させることができる。
【0039】
第1保護部材
一方、本発明の第1実施形態による電極組立体100は、前記第1電極タブ151と対面する前記第2電極130の第2巻取末端部132の表面に付着される第1保護部材160を含み、前記第1保護部材160は、第1電極タブ151によって前記第2電極130の第2巻取末端部132が変形することを防止することができ、これにより、第1電極タブ151と第2電極130が接触することを防止することができ、その結果、安定性を高めることができる。
【0040】
ここで、第1保護部材160の縁部には、第2巻取末端部132の縁部の外に延びる延長部をさらに含み、前記延長部は、第1保護部材160の縁部に沿って折り曲げられた後、第1保護部材160が付着されていない前記第2巻取末端部132の他の面に付着される。これにより、第2巻取末端部132の縁部の強度を高めることができる。
【0041】
一方、第1保護部材160は、放熱性を有する素材からなることができる。すなわち、電極組立体100は、充放電の時またはショートの発生時に高熱が発生するが、この高熱によって電極組立体100が爆発するかまたは発火することがある。これを防止するために、本発明の第1実施形態による電極組立体100は、第1保護部材160を放熱性を有する素材で形成し、これにより、電極組立体100の外側に発生した熱を第1保護部材160を介して迅速に外部に放出することができ、その結果、電極組立体100の温度上昇を抑制することができ、電極組立体100が爆発するかまたは発火することを防止することができる。
【0042】
特に、第1保護部材160は、第2巻取末端部132の全表面に付着され、これにより、電極組立体100の外部面の上部から下部まで放熱性を高めることができる。
【0043】
また、前記第1保護部材160は、前記第1巻取末端部112内に位置した前記第1電極タブ151の面積より大きい面積を有し、これにより、第1電極タブ151によって第2電極130の第2巻取末端部132が壊されることを防止することができ、第1電極タブ151に発生した熱を第1保護部材160を介して効果的に吸収した後、外部に放出することができる。
【0044】
一方、第1保護部材160の表面は、凹凸状を有し、これにより、第1保護部材160を容易に折り曲げることができ、凹凸を介して熱を効果的に放出することができる。
【0045】
第2保護部材
一方、本発明の第1実施形態による電極組立体100は、前記第2電極タブ152と対面する前記第1電極110の第1巻取開始部111の表面に付着される第2保護部材170を含み、前記第2保護部材170は、第1電極タブ151を支持することで、第2電極タブ151によって前記第2電極130の第2巻取末端部132が変形することを防止することができ、これにより、第1電極タブ151と第2電極130が接触することを防止することができ、その結果、安定性を高めることができる。
【0046】
一方、前記第2保護部材170は、放熱性を有する素材からなることができる。すなわち、電極組立体100は、充放電の時またはショートの発生時に高熱が発生するが、この高熱によって電極組立体100が爆発するかまたは発火することがある。特に、前記第2保護部材170は、電極組立体100の巻心部分に発生した熱を効果的に放出させることができ、これにより、電極組立体100の温度上昇を大幅に抑制することができる。
【0047】
ここで、第2保護部材170は、第2電極タブ152の面積より大きい面積を有し、これにより、第2電極タブ152による第1巻取開始部111の変形を防止することができる。
【0048】
一方、第2保護部材170は、凹凸状を有し、これにより、第2保護部材170を容易に折り曲げることができ、凹凸を介して熱を効果的に放出することができる。すなわち、第2保護部材170は、第1電極110の長さ方向に複数個の溝が形成され、前記溝は、第1電極の幅方向に長く形成される。これにより、前記溝を介して第2保護部材170を容易に折り曲げることができ、その結果、第2保護部材170が付着された第1電極110の第1巻取開始部111が容易に巻き取ることができる。
【0049】
一方、前記第1保護部材160は、前記第2保護部材170より大きい面積を有し、これにより、電極組立体100の外部を包む第1保護部材160の面積を増大させることができ、その結果、電極組立体100に発生した熱をより容易に放出させることができる。一方、前記第2保護部材170は、前記第1保護部材160より小さい面積を有し、これにより、電極組立体100の巻心部分の体積の増大を大幅に減少させることができる。
【0050】
一方、前記第1巻取開始部111と前記第1巻取末端部112は、前記第1電極110の長さ方向から見た時に互いに異なる長さを有するが、前記第1巻取末端部112は、前記第1巻取開始部111より大きい長さを有する。すなわち、第1巻取開始部111に電極タブが付着されないことから、大きさを最小化し、前記第1巻取末端部112に電極タブが付着されることから、大きさを最大に増大させる。これにより、電極タブを安定的に付着することができる。
【0051】
前記第2巻取開始部131と前記第2巻取末端部132は、前記第2電極130の長さ方向から見た時に互いに異なる長さを有するが、前記第2巻取末端部132は、前記第2巻取開始部131より大きい長さを有する。ここで、第2巻取末端部132は、第1巻取末端部112に対応する大きさを有する。これにより、第2巻取末端部132は、第1巻取末端部112を効果的にカバーすることができ、特に、第1保護部材160の面積を大幅に増大させることができ、その結果、電極組立体100の放熱性を高めることができる。
【0052】
第1保護テープ
一方、本発明の第1実施形態による電極組立体100は、前記第1電極タブ151に第1保護テープ180が付着され、前記第1保護テープ180は、第1電極タブ151と第1巻取末端部112との間の段差を除去することができ、第1電極タブ151によってセパレータ120が壊されることを防止することができる。
【0053】
また、第1保護テープ180は、放熱性を有する素材からなり、これにより、電極組立体100の巻心部分に発生した熱を迅速に外部に放出することができる。
【0054】
一方、第1保護テープ180と第1保護部材160は、同じ大きさ、厚さおよび素材からなり、これにより、第1保護テープ180と第1保護部材160によって電極が変形することを防止することができる。
【0055】
第2保護テープ
一方、本発明の第1実施形態による電極組立体100は、前記第2電極タブ152に第2保護テープ190が付着され、前記第2保護テープ190は、第2電極タブ152と第2巻取開始部131との間の段差を除去することができ、第2電極タブ152によってセパレータ140が壊されることを防止することができる。
【0056】
特に、前記第2保護テープ190は、放熱性を有する素材からなり、これにより、第2電極タブ152に発生した熱を効果的に放出することができる。
【0057】
ここで、第2保護テープ190と第2保護部材は、同じ大きさ、厚さおよび素材からなる。
【0058】
したがって、本発明の第1実施形態による電極組立体100は、電極組立体の外側および内側に発生した熱を迅速に外部に放出することができ、これにより、電極組立体が爆発するかまたは発火することを防止することができる。
【0059】
以下、本発明の他の実施形態を説明するに際し、上述の実施形態と同じ機能を有する構成に対しては、同じ構成符号を使用し、重複する説明は省略する。
【0060】
[本発明の第2実施形態による二次電池]
本発明の第2実施形態による二次電池は、
図7に図示されているように、セパレータを介在した状態で第1電極と第2電極がゼリーロール状に巻き取られる電極組立体100と、前記電極組立体100を収容するケース200とを含む。
【0061】
ここで、前記電極組立体は、第1電極と、セパレータと、第2電極と、セパレータとを含む。
【0062】
ここで、前記第1電極は、巻取開始点に備えられ、第1電極活物質が存在しない第1巻取開始部と、巻取末端点に備えられ、第1電極活物質が存在しない第1巻取末端部と、前記第1巻取開始部と前記第1巻取末端部との間に備えられ、第1電極活物質がコーティングされた第1コーティング部とを含む。
【0063】
前記第2電極は、巻取開始点に備えられ、第2電極活物質が存在しない第2巻取開始部と、巻取末端点に備えられ、第2電極活物質が存在しない第2巻取末端部と、前記第2巻取開始部と前記第2巻取末端部との間に備えられ、第2電極活物質がコーティングされた第2コーティング部とを含む。
【0064】
また、電極組立体は、電極タブ部が備えられ、前記電極タブ部は、前記第1電極の第1巻取末端部に備えられる第1電極タブと、前記第2電極の巻取開始部に備えられる第2電極タブとを含む。
【0065】
ここで、電極組立体は、前記第1電極タブと対面する前記第2電極の第2巻取末端部の表面には第1保護部材を含み、前記第2電極タブと対面する前記第1電極の第1巻取開始部の表面に付着される第2保護部材を含む。これにより、第1および第2保護部材によって電極組立体に発生した熱を効果的に放出することができる。
【0066】
したがって、本発明の第2実施形態による二次電池は、電極組立体に発生した熱を効果的に放出することができる。
【0067】
[本発明の第3実施形態による電極組立体]
本発明の第3実施形態による電極組立体100は、
図8に図示されているように、第2電極130の第2巻取末端部132の一面に第1保護部材160が付着され、前記第1保護部材160に対応する第2電極130の第2巻取末端部132の他面に補助部材161が付着され、前記第1保護部材160と前記補助部材161は、第2巻取末端部132を貫通する連結部162によって連結される構造を有する。
【0068】
ここで、第1保護部材160、前記補助部材161、前記連結部162は、一体に形成され、放熱性を有する素材で形成される。
【0069】
したがって、本発明の第3実施形態による電極組立体100は、第1保護部材160に伝達された熱を前記連結部162を介して前記補助部材161にまで分散させることで、電極組立体100に発生した熱をより効果的に放熱することができる。
【0070】
一方、前記連結部162は、複数個が備えられ、これにより、複数個の連結部162を介して第1保護部材160と補助部材161を連結することができ、これにより、第1保護部材160に伝達された熱を補助部材161により迅速に分散させることができる。
【0071】
本発明の範囲は、上記の詳細な説明よりも後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および範囲、またその均等概念から導き出される様々な実施形態が可能である。
【符号の説明】
【0072】
100 電極組立体
110 第1電極
120、140 セパレータ
130 第2電極
150 電極タブ部
160 第1保護部材
170 第2保護部材
180 第1保護テープ
190 第2保護テープ