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特許7405409燃料載置具、燃料載置具の組み合わせ及び屋外用燃焼装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】燃料載置具、燃料載置具の組み合わせ及び屋外用燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   F24B 1/191 20060101AFI20231219BHJP
   A47J 37/07 20060101ALI20231219BHJP
   F24B 3/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
F24B1/191
A47J37/07
F24B3/00 E
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020017634
(22)【出願日】2020-02-05
(65)【公開番号】P2021124239
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】391036404
【氏名又は名称】株式会社ロゴスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100104569
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 正夫
(72)【発明者】
【氏名】浜西 千尋
【審査官】宮部 菜苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-041455(JP,A)
【文献】実公昭36-029246(JP,Y1)
【文献】登録実用新案第3014099(JP,U)
【文献】特開2015-084889(JP,A)
【文献】国際公開第2011/089316(WO,A1)
【文献】特開平07-204104(JP,A)
【文献】特開2018-028425(JP,A)
【文献】特開平11-104020(JP,A)
【文献】特開2016-221043(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0283092(US,A1)
【文献】米国特許第3279453(US,A)
【文献】米国特許第6435172(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第108209611(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0206146(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24B 1/00-1/28、3/00、13/00-13/02
A47J 33/00、37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外用燃焼装置の火床内に配置される耐熱板で構成された燃料載置具であって、
複数の突脈と、
少なくとも一つの連結板とを備えており、
前記複数の突脈は、第1方向に延びており且つ前記第1方向に略直交する第2方向に間隔をあけて配置されており、且つ前記第2方向で隣り合う二つの突脈を少なくとも一組含んでおり、前記複数の突脈は、固形燃料が載置される天板部と、この天板部の前記第2方向の両端から当該天板部から離反するように延びた一対の側板部とを各々有しており、
前記少なくとも一つの連結板は、前記隣り合う二つの突脈の間に配置されており且つ前記隣り合う二つの突脈の前記側板部の下端間を連結しており、
前記複数の突脈の前記天板部の前記第2方向の寸法は、前記少なくとも一つの連結板の前記第2方向の寸法よりも大きく、
前記複数の突脈の前記天板部は、前記第1方向及び前記第2方向においてフラットであり、前記天板部のみに、当該天板部を貫通する通気孔が設けられている燃料載置具。
【請求項2】
屋外用燃焼装置の火床内に配置される耐熱板で構成された燃料載置具であって、
複数の突脈と、
少なくとも一つの連結板とを備えており、
前記複数の突脈は、第1方向に延びており且つ前記第1方向に略直交する第2方向に間隔をあけて配置されており、且つ前記第2方向で隣り合う二つの突脈を少なくとも一組含んでおり、前記複数の突脈は、固形燃料が載置される天板部と、この天板部の前記第2方向の両端から当該天板部から離反するように延びた一対の側板部とを各々有しており、
前記少なくとも一つの連結板は、前記隣り合う二つの突脈の間に配置されており且つ前記隣り合う二つの突脈の前記側板部の下端間を連結しており、
前記天板部の前記第2方向の寸法は、前記隣り合う二つの突脈の前記天板部間の前記第2方向の距離よりも大きく、
前記複数の突脈の前記天板部は、前記第1方向及び前記第2方向においてフラットであり、前記天板部のみに、当該天板部を貫通する通気孔が設けられている燃料載置具。
【請求項3】
請求項1又は2記載の燃料載置具において、
前記複数の突脈の各々において、前記一対の側板部は、その間の距離が前記天板部から離反するにしたがって漸次拡大するように、傾斜している燃料載置具。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の燃料載置具において、
前記複数の突脈は、前記燃料載置具の前記第1方向の一端から前記第1方向の他端まで延びている燃料載置具。
【請求項5】
請求項記載の燃料載置具において、
前記一対の側板部の第3方向の寸法は、前記隣り合う二つの突脈の前記天板部間の前記第2方向の距離よりも大きく、
前記第3方向は、前記第1方向及び前記第2方向に略直交している燃料載置具。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載の燃料載置具において、
前記燃料載置具は、屋外用燃焼装置の火床の底部上に載置されるようになっており、
前記燃料載置具が前記火床の底部上に載置された状態で、前記燃料載置具の前記少なくとも一つの連結板及び前記複数の突脈の前記一対の側板部の前記下端が前記火床の底部に当接している燃料載置具。
【請求項7】
請求項1~4の何れかに記載の燃料載置具において、
前記燃料載置具は、屋外用燃焼装置の火床内で、前記火床内に設けられた支持部に支持されるようになっている燃料載置具。
【請求項8】
複数の燃料載置具を備えており、
前記複数の燃料載置具の各々は、屋外用燃焼装置の火床内に配置される耐熱板で構成された燃料載置具であって、
複数の突脈と、
少なくとも一つの連結板とを備えており、
前記複数の突脈は、第1方向に延びており且つ前記第1方向に略直交する第2方向に間隔をあけて配置されており、且つ前記第2方向で隣り合う二つの突脈を少なくとも一組含んでおり、前記複数の突脈は、固形燃料が載置される天板部と、この天板部の前記第2方向の両端から当該天板部から離反するように延びた一対の側板部とを各々有しており、
前記少なくとも一つの連結板は、前記隣り合う二つの突脈の間に配置されており且つ前記隣り合う二つの突脈の前記側板部の下端間を連結しており、
前記複数の燃料載置具は、第1燃料載置具及び第2燃料載置具を有しており、
前記第1燃料載置具及び前記第2燃料載置具の前記複数の突脈は、前記第1方向の一端部と、前記第1方向の他端部とを各々有しており、
前記第1燃料載置具の前記複数の突脈の各々は、前記天板部及び前記一対の側板部によ
って内部空間が区画されており、且つ、前記内部空間が前記第1方向の一方に開放されており、
前記第1燃料載置具の前記複数の突脈の前記一端部内に、前記第2燃料載置具の前記複数の突脈の前記他端部が各々前記第1方向にスライド自在に嵌合している燃料載置具の組み合わせ
【請求項9】
複数の燃料載置具を備えており、
前記複数の燃料載置具の各々は、屋外用燃焼装置の火床内に配置される耐熱板で構成された燃料載置具であって、
複数の突脈と、
少なくとも一つの連結板とを備えており、
前記複数の突脈は、第1方向に延びており且つ前記第1方向に略直交する第2方向に間隔をあけて配置されており、且つ前記第2方向で隣り合う二つの突脈を少なくとも一組含んでおり、前記複数の突脈は、固形燃料が載置される天板部と、この天板部の前記第2方向の両端から当該天板部から離反するように延びた一対の側板部とを各々有しており、
前記少なくとも一つの連結板は、前記隣り合う二つの突脈の間に配置されており且つ前記隣り合う二つの突脈の前記側板部の下端間を連結しており、
前記複数の燃料載置具は、第1燃料載置具及び第2燃料載置具を有しており、
前記第1燃料載置具の前記複数の突脈の各々は、前記天板部及び前記一対の側板部によって内部空間が区画されており、
前記第1燃料載置具の前記複数の突脈のうちの前記第2方向の一方側の一又は複数の突脈内に、前記第2燃料載置具の前記複数の突脈のうちの前記第2方向の他方側の一又は複数の突脈が前記第1方向にスライド自在に嵌合している燃料載置具の組み合わせ
【請求項10】
請求項1~7の何れかに記載の燃料載置具と、
前記燃料載置具が収容された火床とを備えている屋外用燃焼装置
【請求項11】
請求項8又は9記載の燃料載置具の組み合わせと、
前記燃料載置具の組み合わせが収容された火床とを備えており、
前記火床の底部上に前記組み合わせが載置されている屋外用燃焼装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料載置具、燃料載置具の組み合わせ及び屋外用燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の屋外用燃焼装置が下記特許文献1に記載されている。この燃焼装置は、焚火台であって、上方に開口した箱型の火床と、固形燃料が載置される燃料載置具(ロストル)とを有している。燃料載置具は、火床の底部に設置される金属板であって、その短手方向に複数の突脈が連続している。各突脈は、断面視において上下逆のV字状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-28425号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の突脈は、その線状の頂部で固形燃料を支持するため、固形燃料を燃料載置具上に載置する際や固形燃料を燃料載置具上で燃焼中に、固形燃料の一部又は全部が、複数の突脈のうちの隣り合う二つの突脈間に落ち込む可能性が高くなる。すなわち、この燃料載置具は、固形燃料を安定的に支持することができない。
【0005】
本発明は、固形燃料を安定的に支持できる燃料載置具、燃料載置具の組み合わせ及び屋外用燃焼装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の燃料載置具は、屋外用燃焼装置の火床内に配置される耐熱板で構成されている。この燃料載置具は、複数の突脈と、少なくとも一つの連結板とを備えている。複数の突脈は、第1方向に延びており且つ第1方向に略直交する第2方向に間隔をあけて配置されている。複数の突脈は、第2方向で隣り合う二つの突脈を少なくとも一組含んでいる。複数の突脈は、固形燃料が載置される天板部と、この天板部の第2方向の両端から当該天板部から離反するように延びた一対の側板部とを各々有している。少なくとも一つの連結板は、隣り合う二つの突脈の間に配置されており且つ隣り合う二つの突脈の側板部の先端間を連結している。
【0007】
このような態様の燃料載置具は、固形燃料を安定して支持できる。なぜなら、複数の突脈の天板部上で固形燃料を支持できるからである。
【0008】
複数の突脈の各々において、一対の側板部は、その間の距離が天板部から離反するにしたがって漸次拡大するように、傾斜していても良い。
【0009】
複数の突脈の天板部の第2方向の寸法は、少なくとも一つの連結板の第2方向の寸法よりも大きくすることが可能である。
【0010】
天板部の第2方向の寸法は、隣り合う二つの突脈の第2方向の天板間の距離よりも大きくすることが可能である。
【0011】
複数の突脈の天板部は、第1方向及び第2方向においてフラットであっても良い。複数の突脈の天板部は、第1方向及び第2方向に略直交する第3方向の一方側に凸の凸曲面状とすることも可能である。
【0012】
天板部には、当該天板部を貫通する通気孔が設けられていても良い。
【0013】
複数の突脈は、燃料載置具の第1方向の一端から第1方向の他端まで延びた構成とすることが可能である。
【0014】
上記何れかの態様の燃料載置具は、屋外用燃焼装置の火床の底部上に載置されるようになっていても良い。燃料載置具が火床の底部上に載置された状態で、燃料載置具の少なくとも一つの連結板及び複数の突脈の一対の側板部の下端が火床の底部に当接するようになっていても良い。又は、上記何れかの態様の燃料載置具は、屋外用燃焼装置の火床内で、火床内に設けられた支持部に支持されるようになっていても良い。この場合、燃料載置具の両外側の側板部が、支持部に支持されるようになっていても良い。
【0015】
本発明の一態様の燃料載置具の組み合わせは、上記した何れかの態様の複数の燃料載置具を備えている。この複数の燃料載置具は、第1燃料載置具及び第2燃料載置具を有している。第1燃料載置具の複数の突脈の各々は、天板部及び一対の側板部によって内部空間が区画されていると良い。
【0016】
第1燃料載置具及び第2燃料載置具の複数の突脈は、第1方向の一端部と、第1方向の他端部とを各々有する構成とすることが可能である。第1燃料載置具の複数の突脈の各々は、内部空間が第1方向の一方に開放された構成とすることが可能である。第1燃料載置具の複数の突脈の一端部内に、第2燃料載置具の複数の突脈の他端部が各々嵌合していると良い。このように第1燃料載置具の複数の突脈の一端部内に、第2燃料載置具の複数の突脈の他端部を各々嵌合させることにより、第1方向において第1燃料載置具と第2燃料載置具とを組み合わせることができる。屋外用燃焼装置の火床の底部の第1方向の寸法が、燃料載置具の第1方向の寸法よりも大きい場合であっても、当該火床内に組み合わせられた第1燃料載置具と第2燃料載置具が収容されることによって、当該組み合わせの第1方向の寸法を、当該火床の底部の第1方向の寸法に合わせる又は近づけることが可能になる。
【0017】
第1燃料載置具の複数の突脈のうちの第2方向の一方側の一の突脈内に、第2燃料載置具の複数の突脈のうちの第2方向の他方側の一の突脈が嵌合していても良い。又は、第1燃料載置具の複数の突脈のうちの第2方向の一方側の複数の突脈内に、第2燃料載置具の複数の突脈のうちの第2方向の他方側の複数の突脈が各々嵌合していても良い。このように第1燃料載置具の第2方向の一方側の一又は複数の突脈内に、第2燃料載置具の第2方向の他方側の一又は複数の突脈を嵌合させることにより、第2方向において第1燃料載置具と第2燃料載置具とを組み合わせることができる。屋外用燃焼装置の火床の底部の第2方向の寸法が、燃料載置具の第2方向の寸法よりも大きい場合であっても、当該火床内に組み合わせられた第1燃料載置具と第2燃料載置具が収容されることによって、当該組み合わせの第2方向の寸法を、当該火床の底部の第2方向の寸法に合わせる又は近づけることが可能になる。
【0018】
第2燃料載置具の突脈は、第1燃料載置具の突脈に対して第1方向にスライド自在に嵌合していても良い。
【0019】
本発明の一態様の屋外用燃焼装置は、上記何れかの態様の燃料載置具と、この燃料載置具が収容された火床とを備えている。
【0020】
本発明の別の態様の屋外用燃焼装置は、上記何れかの態様の燃料載置具の組み合わせと、この燃料載置具の組み合わせが収容された火床とを備えている。この燃料載置具の組み合わせは、火床の底部上に載置される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施例1に係る燃料載置具の正面、平面及び右側面から表した斜視図である。
図2】前記燃料載置具の正面図である。
図3】前記燃料載置具の平面図である。
図4】前記燃料載置具の底面図である。
図5】前記燃料載置具の右側面図である。
図6A】前記燃料載置具及びこれを収容した屋外用燃焼装置の火床の第1態様を示す概略的側面図である。
図6B】前記第1態様の前記燃料載置具及び前記火床を示す概略的平面図である。
図6C】前記燃料載置具及びこれを収容した屋外用燃焼装置の火床の第2態様を示す概略的側面図である。
図7】複数の前記燃料載置具の組み合わせの第1態様を示す平面図である。
図8】複数の前記燃料載置具の組み合わせの第2態様を示す平面図である。
図9A】前記第1態様の燃料載置具の組み合わせが屋外用燃焼装置の火床内に収容された状態を示す概略的平面図である。
図9B】前記第1態様の燃料載置具の組み合わせが屋外用燃焼装置の火床内に収容された状態を示す概略的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例1及びその設計変形例に係る燃料載置具、その燃料載置具の組み合わせ、及び、燃料載置具又は組み合わせを備えた屋外用燃焼装置について説明する。なお、後述する実施例及び設計変更例の各構成要素は、互いに矛盾しない限り、相互に組み合わせることが可能であることに留意されたい。また、後述する実施例の各態様及び設計変形例における各構成要素を構成する素材、形状、寸法、数及び配置等はその一例を説明したものであって、同様の機能を実現し得る限り任意に設計変更することが可能であることにも留意されたい。
【0023】
「燃料載置具R」
以下、本発明の実施例1及びその設計変形例を含む複数の実施例に係る燃料載置具Rについて図1図5を参照しつつ説明する。図1図5には、実施例1の燃料載置具Rが示されている。図1には、Y-Y’方向(第1方向)と、X-X’方向(第2方向)と、Z-Z’方向(第3方向)とが示されている。X-X’方向は、Y-Y’方向に略直交しており、Z-Z’方向は、Y-Y’方向及びX-X’方向に略直交している。
【0024】
燃料載置具Rは、金属板やセラミック板等の耐熱板で構成されている。燃料載置具Rは、耐熱板をプレス成形することによって製造されるものであっても良いし、鋳造、焼結又は3Dプリンタで製造されるものであっても良い。
【0025】
燃料載置具Rは、複数の突脈100と、少なくとも一つの連結板200とを備えている。複数の突脈100は、Y-Y’方向に延びており且つX-X’方向に間隔をあけて配置されている。複数の突脈100は、X-X’方向で隣り合う二つの突脈100を少なくとも一組含んでいる。複数の突脈100の各々は、X-X’方向及びZ-Z’方向によって規定される断面視において、台形の上底と一対の脚とを有する形状(図1図5参照)、上下逆の略U字状(図示なし)又は上下逆の凹字状(図示なし)である。以下、複数の突脈100の各々の断面視の形状を複数の突脈100の断面形状ともいう。複数の突脈100は、燃料載置具RのY方向の端からY’方向の端まで延びていても良いし、燃料載置具RのY方向の端又はY’方向の端まで延びていても良いし、燃料載置具RのY方向の端及びY’方向の端まで延びていなくても良い。なお、Y-Y’方向は、複数の突脈100の各々の長手方向に相当し、X-X’方向は、複数の突脈100の各々の短手方向に相当し、Z-Z’方向は複数の突脈100の各々の高さ方向に相当している。
【0026】
複数の突脈100の各々は、天板部110と、一対の側板部120とを有している。
【0027】
天板部110は、Y-Y’方向に延びた板である。天板部110は、Y-Y’方向及びX-X’方向においてフラットであっても良いし(図1図5参照)、Z方向側に凸の凸曲面状であっても良い(図示なし)。天板部110のX-X’方向の寸法W1は、少なくとも一つの連結板200のX-X’方向の寸法W2よりも大きいと良い(図5参照)が、これに限定されるものではない。例えば、天板部110の寸法W1は、少なくとも一つの連結板200の寸法W2と略同じ又は大きくすることが可能である。また、天板部110の寸法W1は、隣り合う二つの突脈100の天板部110間のX-X’方向の距離Dよりも若干小さくても良いし、略同じであっても良いし、若干大きくても良い。天板部110は、X-X’方向の両端を有する。天板部110には、当該天板部110をZ-Z’方向に貫通する一又は複数の貫通孔111(通気孔)が設けられていても良いが、設けられていなくても良い。
【0028】
一対の側板部120は、天板部110の両端から天板部110から離反するように延びている。一対の側板部120は、一対の側板部120間の距離が天板部110から離反するにしたがって(Z’方向にいくにしたがって)漸次拡大するように、傾斜していても良いし(図1図5参照)、一対の側板部120が天板部110の両端からZ’方向に延びていても良い(図示なし)。一対の側板部120のY-Y’方向の寸法は、天板部110のY-Y’方向の寸法と略同じであると良い。一対の側板部120は、上端と、下端とを有する。一対の側板部120の上端は天板部110の両端に連接されている。
【0029】
天板部110及び一対の側板部120によって、突脈100の内部空間101が区画されている。突脈100の内部空間101は、Z’方向に開放されている。突脈100が燃料載置具RのY方向の端からY’方向の端まで延びている場合(図1図5参照)、突脈100の内部空間101は、Y方向及びY’方向に開放されている。突脈100が燃料載置具RのY方向の端又はY’方向の端まで延びている場合(図示なし)、突脈100の内部空間101は、Y方向又はY’方向に開放されており、Y’方向又はY方向が閉塞されている。突脈100が燃料載置具RのY方向の端及びY’方向の端まで延びていない場合(図示なし)、突脈100の内部空間101は、Y方向及びY’方向が閉塞されている。
【0030】
少なくとも一つの連結板200は、Y-Y’方向に延びた板であって、隣り合う二つの突脈100の間に配置されており且つ隣り合う二つの突脈100の側板部120の下端間を連結している。少なくとも一つの連結板200のY-Y’方向の寸法は、天板部110のY-Y’方向の寸法と略同じであると良いが、天板部110のY-Y’方向の寸法より短くても良いし、天板部110のY-Y’方向の寸法より長くても良い。
【0031】
「燃料載置具Rを備えた屋外用燃焼装置D1」
以下、本発明の実施例1を含む複数の実施例に係る屋外用燃焼装置D1について図6A図6Cを参照しつつ説明する。屋外用燃焼装置D1は、バーベキューグリルや焚火台等である。屋外用燃焼装置D1は、上記した何れかの態様の燃料載置具Rと、燃料載置具Rを収容する火床10とを備えている。
【0032】
火床10は、金属板で構成されたZ方向側に開口した箱体又はZ方向及びZ’方向に開口した筒体であって、燃料載置具Rを収容している。火床10が箱体である場合、底部11と、この底部11の外周部上に設けられた円筒状又は多角筒状の周壁12とを有している。火床10が筒体である場合、円筒状又は多角筒状の周壁12を有している。周壁12が円筒状である場合、周壁12は、Z-Z’方向に延びていても良いし、内径が漸次拡大するようにZ方向に傾斜しつつ延びていても良い。周壁12が多角筒状である場合、周壁12は、複数の壁を有している。周壁12の壁の全てが、Z-Z’方向に延びていても良いし、周壁12の壁のうちの少なくとも一組の相対する二つの壁が、その二つの壁間の距離が漸次拡大するようにZ方向に傾斜しつつ延びていても良い。
【0033】
上記何れかの態様の火床10は、周壁12に設けられた支持部13を更に備えていても良い。支持部13は、略L字状の金属板やフックで構成可能である。上記何れかの態様の周壁12には、当該周壁12を貫通する図示しない一又は複数の通気孔が設けられていても良い。
【0034】
上記何れかの態様の火床10は、図示しない耐熱ケース内に収容されていても良いし、互いに対向する一対の耐熱板によって支持され、前記耐熱板間に配置されていても良い。この耐熱ケース又は耐熱板には、図示しない複数の脚が取り付けられている。脚が地面やテーブル等に設置されることにより、耐熱ケース又は耐熱板と火床10とが中空で支持される。
【0035】
なお、耐熱ケース及び耐熱板は省略可能である。この場合、図示しない複数の脚が火床10に取り付けられていても良いし、図示しない上下逆の錐台状のフレーム又は枠体内に火床10が入れ子状に嵌合していてもよい。この場合、複数の脚、フレーム又は枠対が地面やテーブルに設置されることにより、火床10が中空支持される。
【0036】
火床10が底部11を有する場合、燃料載置具Rが火床10の底部11上に載置された構成とすることが可能である。この場合、燃料載置具Rの複数の突脈100の一対の側板部120の下端及び少なくとも一つの連結板200が火床10の底部11に当接している。燃料載置具Rの複数の突脈100のY方向の端及びY’方向の端の少なくとも一方が、周壁12に当接していても良いし、周壁12に対して間隙を有して対向配置されていても良い。燃料載置具Rの複数の突脈100の内部空間101が、Y方向及びY’方向の少なくとも一方に開放されている場合、内部空間101が前記間隙を通じて火床10の燃料載置具Rよりも上側の空間に連通していても良いし、内部空間101が前記間隙を通じて火床10の周壁12の通気孔に連通していても良い。この場合、前記間隙を通じて内部空間101への空気の取り込むことが可能になる。
【0037】
火床10が支持部13を有する場合、燃料載置具Rが火床10の支持部13に支持された構成とすることが可能である。この場合、燃料載置具Rの最もX方向側の側板部120の下端及び最もX’方向側の側板部120の下端が、支持部13に支持されると良いが、これに限定されるものではない。
【0038】
以上のような燃料載置具Rによる場合、上述の何れかの通りに火床10内に収容された状態で、燃料載置具Rの複数の突脈100の天板部110上に炭や薪等の固形燃料が載置される。固形燃料が燃料載置具Rの複数の突脈100の天板部110によって安定して支持される。特に、天板部110がフラットである場合、固形燃料が燃料載置具Rによってより安定して支持される。
【0039】
天板部110のX-X’方向の寸法W1が、少なくとも一つの連結板200のX-X’方向の寸法W2よりも大きい場合、複数の突脈100の間の空間が小さくなるため、燃料載置具Rは、複数の突脈100間に固形燃料の一部又は全部が落ち込む可能性を低減できる。これに加えて、燃料載置具Rの複数の突脈100の一対の側板部120が、一対の側板部120間の距離が天板部110から離反するにしたがって漸次拡大するように、傾斜していている場合、複数の突脈100の間の空間が更に小さくなり且つ複数の突脈100間の空間が天板部110から離反するにしたがって漸次狭くなるため、燃料載置具Rは、複数の突脈100間に固形燃料の一部又は全部が落ち込む可能性をより低減できる。
【0040】
燃料載置具Rの複数の突脈100の一対の側板部120が、一対の側板部120間の距離が天板部110から離反するにしたがって漸次拡大するように、傾斜していている場合、複数の燃料載置具RをZ-Z’方向においてスタッキングさせ易くなる。
【0041】
更に、天板部110に一又は複数の貫通孔111が設けられている場合、内部空間101及び貫通孔111から天板部110上で支持された固形燃料に空気を供給することが可能になるので、固形燃料の燃焼効率を向上させることができる。
【0042】
「燃料載置具Rの組み合わせ」
以下、上記した何れかの態様の複数の燃料載置具Rの組み合わせについて図7及び図8を参照しつつ説明する。この組み合わせは、複数の燃料載置具Rを備えている。複数の燃料載置具Rは、少なくとも二つの燃料載置具Rを有している。以下、この二つの燃料載置具Rを第1燃料載置具R及び第2燃料載置具Rと称する。
【0043】
第1燃料載置具Rの複数の突脈100の一対の側板部120が、一対の側板部120間の距離が天板部110から離反するにしたがって漸次拡大するように、傾斜していている場合、第1燃料載置具Rの複数の突脈100の断面形状、断面寸法が、第2燃料載置具Rの複数の突脈100の断面形状、断面寸法と同じにできるが、第1燃料載置具Rの複数の突脈100の断面寸法が、第2燃料載置具Rの複数の突脈100の断面寸法よりも一回り大きくても構わない。
【0044】
第1燃料載置具Rの複数の突脈100の一対の側板部120がZ-Z’方向に延びている場合、第1燃料載置具Rの複数の突脈100の断面形状が、第2燃料載置具Rの複数の突脈100の断面形状と同じであるが、第1燃料載置具Rの複数の突脈100の断面寸法が、第2燃料載置具Rの複数の突脈100の断面寸法よりも一回り大きいと良い。
【0045】
第1燃料載置具Rの複数の突脈100は、Y方向側の第1端部(一端部)と、Y’方向側の第2端部(他端部)とを有する。第2燃料載置具Rの複数の突脈100は、Y方向側の第1端部(一端部)と、Y’方向側の第2端部(他端部)とを有する。
【0046】
第1燃料載置具R及び第2燃料載置具Rは、図7に示すように、Y-Y’方向において組み合わせ可能である。この場合、第1燃料載置具Rの複数の突脈100の内部空間101が、少なくともY方向に開放されていると良い。上記何れかの態様の第1燃料載置具Rの複数の突脈100の第1端部内に、上記何れかの態様の第2燃料載置具Rの複数の突脈100の第2端部が各々嵌合することによって、第1燃料載置具R及び第2燃料載置具RがY-Y’方向において組み合わせられる。
【0047】
複数の燃料載置具Rが3以上である場合も、3以上の燃料載置具Rを二つずつ、第1燃料載置具R及び第2燃料載置具Rと同じように、Y-Y’方向において組み合わせることが可能である。この場合、3以上の燃料載置具Rの複数の突脈100の内部空間101は、Y方向及びY’方向に開放されていると良い。
【0048】
第2燃料載置具Rの複数の突脈100は、第1燃料載置具Rの複数の突脈100に対してY-Y’方向にスライド自在に嵌合していても良い。この場合、第2燃料載置具Rの複数の突脈100の内部空間101は、Y方向及びY’方向の少なくとも一方に開放されていても良い。又は、第1燃料載置具Rの複数の突脈100のY-Y’方向の寸法が、第2燃料載置具Rの複数の突脈100のY-Y’方向の寸法よりも大きくすると良い。この場合、第2燃料載置具Rの複数の突脈100の内部空間101は、Y方向及びY’方向に開放されていなくても構わない。
【0049】
第1燃料載置具R及び第2燃料載置具Rは、図8に示すように、X-X’方向において組み合わせ可能である。第1燃料載置具Rの複数の突脈100のうちのX方向側の一の突脈100内(内部空間101内)に、第2燃料載置具Rの複数の突脈100のうちのX’方向側の一の突脈が嵌合することによって、第1燃料載置具R及び第2燃料載置具RがX-X’方向において組み合わせられる。又は、第1燃料載置具Rの複数の突脈100のうちのX方向側の複数の突脈100内(内部空間101内)に、第2燃料載置具Rの複数の突脈100のうちのX’方向側の複数の突脈が嵌合することによって、第1燃料載置具R及び第2燃料載置具RがX-X’方向において組み合わせられる。
【0050】
複数の燃料載置具Rが3以上である場合も、3以上の燃料載置具Rを二つずつ、第1燃料載置具R及び第2燃料載置具Rと同じように、X-X’方向において組み合わせることが可能である。
【0051】
第2燃料載置具Rの一又は複数の突脈100が、第1燃料載置具Rの一又は複数の突脈100に対してY-Y’方向にスライド自在に嵌合していても良い。この場合、第2燃料載置具Rの複数の突脈100の内部空間101は、Y方向及びY’方向の少なくとも一方に開放されていても良い。又は、第1燃料載置具Rの複数の突脈100のY-Y’方向の寸法が、第2燃料載置具Rの複数の突脈100のY-Y’方向の寸法よりも大きくすると良い。この場合、第2燃料載置具Rの複数の突脈100の内部空間101は、Y方向及びY’方向に開放されていなくても構わない。
【0052】
「組み合わせ備えた屋外用燃焼装置D2」
以下、本発明の実施例1を含む複数の実施例に係る屋外用燃焼装置D2について図9A及び図9Bを参照しつつ説明する。屋外用燃焼装置D2は、バーベキューグリルや焚火台等である。屋外用燃焼装置D2は、燃料載置具Rの組み合わせと、この燃料載置具Rの組み合わせを収容する火床10とを備えている。
【0053】
屋外用燃焼装置D2は、火床10が底部11と周壁12とを有しており且つ燃料載置具Rの組み合わせを収容できる大きさになっている点で屋外用燃焼装置D1の火床10と相違する以外、屋外用燃焼装置D1と同様の構成である。底部11のY-Y’方向の寸法は、燃料載置具RのY-Y’方向の寸法よりも大きく及び/又は底部11のX-X’方向の寸法は、燃料載置具RのX-X’方向の寸法よりも大きい。
【0054】
火床10の底部11のY-Y’方向の寸法が、燃料載置具RのY-Y’方向の寸法よりも大きい場合、複数の燃料載置具RをY-Y’方向において組み合わせた状態で、火床10の底部11上に載置されている(図9A参照)。
【0055】
火床10の底部11のX-X’方向の寸法が、燃料載置具RのX-X’方向の寸法よりも大きい場合、複数の燃料載置具RをX-X’方向において組み合わせた状態で、火床10の底部11上に載置されている(図9B参照)。
【0056】
以上のような燃料載置具Rの組み合わせによる場合、火床10の底部11のY-Y’方向の寸法が燃料載置具RのY-Y’方向の寸法よりも大きい場合であっても、複数の燃料載置具Rを上記の通りY-Y’方向において組み合わせることによって、火床10の底部11のY-Y’方向の大きさに合わせる又は近づけることが可能である。また、火床10の底部11のX-X’方向の寸法が燃料載置具RのX-X’方向の寸法よりも大きい場合であっても、複数の燃料載置具Rを上記の通りY-Y’方向において組み合わせることによって、火床10の底部11のX-X’方向の大きさに合わせる又は近づけることが可能である。
【0057】
上記の通り、第2燃料載置具Rの一又は複数の突脈100が、第1燃料載置具Rの一又は複数の突脈100に対してY-Y’方向にスライド自在に嵌合している場合、第2燃料載置具Rを第1燃料載置具Rに対してスライドさせることによって、その組み合わせのY-Y’方向の寸法を調整することできる。
【0058】
なお、上記した燃料載置具、燃料載置具の組み合わせ及び屋外用燃焼装置は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載範囲において任意に設計変更することが可能である。
【0059】
本発明の火床の底部は、火床内に配置されており、且つ上記した何れかの態様の燃料載置具又は上記した何れかの態様の燃料載置具を載置することができる板、網又は台座等を含む。
【0060】
なお、本発明の第1方向は、本発明の複数の突脈の長手方向である限り任意に設定可能である。本発明の第2方向は、第1方向に略直交する限り任意に設定可能である。本発明の第3方向は、第1方向及び第2方向に略直交する限り任意に設定することができる。
【符号の説明】
【0061】
D1、D2:屋外用燃焼装置
10:火床
11:底部
12:周壁
13:支持部
R:燃料載置具
100:突脈
101:内部空間
110:天板部
111:貫通孔
120:側板部
200:連結板
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9A
図9B