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特許7405447廃棄物処理システム、及び廃棄物処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】廃棄物処理システム、及び廃棄物処理方法
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/40 20220101AFI20231219BHJP
   B09B 3/30 20220101ALI20231219BHJP
   F23G 5/027 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B09B3/40 ZAB
B09B3/30
F23G5/027 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021212878
(22)【出願日】2021-12-27
(65)【公開番号】P2023096858
(43)【公開日】2023-07-07
【審査請求日】2022-07-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521568306
【氏名又は名称】株式会社環境デザイン設計事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】小川 紀
【審査官】岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-163833(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0054289(US,A1)
【文献】特開2013-126642(JP,A)
【文献】特開2009-136195(JP,A)
【文献】特開2004-089770(JP,A)
【文献】国際公開第2021/171634(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 3/40
B09B 3/30
F23G 5/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物を低温熱分解処理する廃棄物処理システムであって、
前記廃棄物処理システムにおける前記廃棄物の処理状況により前記廃棄物の搬入量及び搬入速度の制御を行う搬入手段と、
前記搬入手段により搬入された前記廃棄物を、前記廃棄物の前処理を行う前処理機構に投入する投入手段と、
予め取得された過去の廃棄物処理結果と、前記過去の廃棄物処理結果に紐づく廃棄処理の要因に関する参照情報との間における連関性を有する学習モデルが記憶された参照データベースと、
前記投入手段により投入された前記廃棄物に含まれる水分量を測定し、前記水分量と、廃棄物処理施設に関する情報、前記廃棄物処理施設ごとのエリアを特定する設置情報、及び廃棄物種別の処理結果に基づいて、前記参照データベースを参照し、前記廃棄物処理施設における廃棄物処理の効率を評価する評価手段と、
前記廃棄物を処理する廃棄物処理施設に関する情報、廃棄処理される廃棄物を識別する情報、前記廃棄物の粉砕の程度が設定された情報、粉砕された粉砕物の乾燥に関する情報、前記廃棄物の投入に関する情報、及び廃棄物の廃棄処理の結果に関する情報が記憶された廃棄物処理情報データベースと、
前記廃棄物処理情報データベースを参照し、前記評価手段による前記廃棄物処理の評価結果に基づいて、前記廃棄物を粉砕物に粉砕する程度及び粉砕する時間を含む粉砕情報と、前記粉砕情報に対応する前記粉砕物の乾燥の程度及び乾燥する時間を含む乾燥情報と、を決定する前処理手段と、
前記前処理手段により決定された前記粉砕情報に基づいて、前記廃棄物を粉砕物に粉砕する粉砕手段と、
前記粉砕手段により粉砕された前記粉砕物を、前記乾燥情報に基づいて乾燥させる乾燥手段と、
前記乾燥手段により乾燥された前記粉砕物を磁力、及び低温熱分解処理する廃棄物処理手段と、
前記廃棄物処理手段による廃棄物処理により排出される排ガスを、前記排ガスを吸着させる吸着方式、前記排ガスを加熱させる加熱方式、または水分を噴射させる湿式のいずれかにより処理する排ガス処理手段と、
を備えること
を特徴とする廃棄物処理システム。
【請求項2】
前記前処理手段は、
前記粉砕手段により粉砕された前記粉砕物に含まれる水分量、及び前記乾燥手段により乾燥される前記粉砕物の水分量を測定する第1測定手段を備え、
前記排ガス処理手段は、
前記廃棄物処理手段により排出される前記排ガスの臭気、煙粒子、水分量、及び成分の少なくとも何れかを測定する第2測定手段をさらに備えること
を特徴とする請求項1記載の廃棄物処理システム。
【請求項3】
前記廃棄物処理手段は、
前記粉砕手段により粉砕された前記粉砕物に外気を含ませ、永久磁石又は電磁石で構成され磁力線を発生させる磁力手段と、
前記磁力手段により処理された前記粉砕物を、所定の温度に保ち、前記粉砕物を低温熱分解により処理する分解処理手段をさらに備えること
を特徴とする請求項1記載の廃棄物処理システム。
【請求項4】
前記廃棄物処理手段は、
前記粉砕物の低温熱分解を行うための点火、及び低温熱分解を一定に保つための温度制御を行う加温手段を備えること
を特徴とする請求項1又は3記載の廃棄物処理システム。
【請求項5】
前記廃棄物処理手段は、
前記分解処理手段により低温熱分解された前記粉砕物を排出する排出手段を備えること
を特徴とする請求項3記載の廃棄物処理システム。
【請求項6】
前記排ガス処理手段は、
第2測定手段による測定結果に基づいて、前記排ガス処理手段により排出される排ガス、又は排水に活性酸素を放射して活性化させる活性化手段を備えること
を特徴とする請求項2記載の廃棄物処理システム。
【請求項7】
前記学習モデルは、
前記過去の廃棄物処理結果と、前記参照情報とを学習データとして用いた機械学習により構築されること
を特徴とする請求項1記載の廃棄物処理システム。
【請求項8】
前記過去の廃棄物処理結果と、前記参照情報との間の関係を新たに取得した場合には、前記関係を前記連関性に反映させる更新手段を更に備えること
を特徴とする請求項1記載の廃棄物処理システム。
【請求項9】
廃棄物を低温熱分解処理する廃棄物処理システムにおける廃棄物処理方法であって、
前記廃棄物処理システムにおける前記廃棄物の処理状況により前記廃棄物の搬入量及び搬入速度の制御を行う搬入ステップと、
前記搬入ステップにより搬入された前記廃棄物を、前記廃棄物の前処理を行う前処理機構に投入する投入ステップと、
予め取得された過去の廃棄物処理結果と、前記過去の廃棄物処理結果に紐づく廃棄処理の要因に関する参照情報との間における連関性を有する学習モデルを参照データベースに記憶する参照データベース記憶ステップと、
前記投入ステップにより投入された前記廃棄物に含まれる水分量を測定し、前記水分量と、廃棄物処理施設に関する情報、前記廃棄物処理施設ごとのエリアを特定する設置情報、及び廃棄物種別の処理結果に基づいて、前記参照データベースを参照し、前記廃棄物処理施設における廃棄物処理の効率を評価する評価ステップと、
前記廃棄物を処理する廃棄物処理施設に関する情報、廃棄処理される廃棄物を識別する情報、前記廃棄物の粉砕の程度が設定された情報、粉砕された粉砕物の乾燥に関する情報、前記廃棄物の投入に関する情報、及び廃棄物の廃棄処理の結果に関する情報を廃棄物処理情報データベースに記憶する廃棄物処理情報記憶ステップと、
前記廃棄物処理情報データベースを参照し、前記評価ステップによる評価結果に基づいて、前記廃棄物を粉砕物に粉砕する程度及び粉砕する時間を含む粉砕情報と、前記粉砕情報に対応する前記粉砕物の乾燥の程度及び乾燥する時間を含む乾燥情報と、を決定する前処理ステップと、
前記前処理ステップにより決定された前記粉砕情報に基づいて、前記廃棄物を粉砕物に粉砕する粉砕ステップと、
前記粉砕ステップにより粉砕された前記粉砕物を、前記乾燥情報に基づいて乾燥させる乾燥ステップと、
前記乾燥ステップにより乾燥された前記粉砕物を磁力、及び低温熱分解処理する廃棄物処理ステップと、
前記廃棄物処理ステップによる廃棄物処理により排出される排ガスを、前記排ガスを吸着させる吸着方式、前記排ガスを加熱させる加熱方式、または水分を噴射させる湿式のいずれかにより処理する排ガス処理ステップと、
を有すること
を特徴とする廃棄物処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は廃棄物を低温熱分解処理する廃棄物処理システム、及び廃棄物処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、廃棄物の低温熱処理装置として、例えば特許文献1~3の廃棄物処理装置等が提案されている。
【0003】
特許文献1に開示された廃棄物の低温熱処理装置では、熱処理炉で酸素濃度を制限して発生させた250℃~400℃の活性熱気体を、熱処理炉に収容した各種廃棄物の中へ継続して吹き込み、廃棄物を低温燃焼させて悉く灰にする。活性熱気体は、強化磁場により常温空気を流入させ、酸素を活性化させることにより、廃棄物を低温熱処理して灰を生成する。
【0004】
また、特許文献2に開示された磁気処理装置では、流体発磁機は、塩化ビニール樹脂からなる複数の円形断面短管が螺合接続されてなり、第一中心軸線を有して空気が流通する管部と、第二中心軸線を有して円管状に形成される。流体発磁機は、磁化方向が第一中心軸線及び第二中心軸線と略同一となるように配された磁石部とを備え、これにより処理速度を向上して長期間の運転を可能とする。
【0005】
また、特許文献3に開示された有機物分解処理装置では、椀状の分解釜内に、磁化空気を導入する磁化空気導入管の空気導入口を、分解釜を貫通して設置する。さらに、分解釜内に有機物を投入し、分解釜内に設置された着火棒により着火された該有機物に対して、磁化空気導入管から火が消えない程度の燃焼用の磁化空気を導入し、有機物を低温度で磁力燃焼させて燃焼分解処理を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許2008-190733号公報
【文献】特開2009-113008号公報
【文献】特開2010-075823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、低温熱分解による廃棄物処理は、廃棄物の含水率が高いと熱分解による適切な処理ができない。ここで、安定した、効率のよい廃棄物処理を行うためには、予め廃棄物に段ボールなどを混在させ、含水率を下げてから廃棄物処理する必要がある。しかしながら、特に含水率の高い廃棄物(例えば使用済みオムツ、未開封の飲料物など)を処理するような場合は、廃棄物よりも多めの混在物を混在させる必要があるが、廃棄物に段ボールなどの混在物を混在させる処理は、処理能力の低下や処理後に発生する残渣の増加等があるため、熟練の作業者の経験や勘によるところが大きい。このため、混在させる混在物の確認、混在物の投入に時間がかかり、適切な温度での燃焼処理を行えないという懸念が挙げられる。この点、特許文献1~3の開示技術では、廃棄物の含水率を評価することができない。このような事情により、廃棄物を燃焼させる温度が下がり、廃棄物の適切な廃棄物処理が行えないという問題があった。
【0008】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる廃棄物処理システム、廃棄物処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明に係る廃棄物処理システムは、前記廃棄物処理システムにおける前記廃棄物の処理状況により前記廃棄物の搬入量及び搬入速度の制御を行う搬入手段と、前記搬入手段により搬入された前記廃棄物を、前記廃棄物の前処理を行う前処理機構に投入する投入手段と、予め取得された過去の廃棄物処理結果と、前記過去の廃棄物処理結果に紐づく廃棄処理の要因に関する参照情報との間における連関性を有する学習モデルが記憶された参照データベースと、前記投入手段により投入された前記廃棄物に含まれる水分量を測定し、前記水分量と、廃棄物処理施設に関する情報、前記廃棄物処理施設ごとのエリアを特定する設置情報、及び廃棄物種別の処理結果に基づいて、前記参照データベースを参照し、前記廃棄物処理施設における廃棄物処理の効率を評価する評価手段と、前記廃棄物を処理する廃棄物処理施設に関する情報、廃棄処理される廃棄物を識別する情報、前記廃棄物の粉砕の程度が設定された情報、粉砕された粉砕物の乾燥に関する情報、前記廃棄物の投入に関する情報、及び廃棄物の廃棄処理の結果に関する情報が記憶された廃棄物処理情報データベースと、前記廃棄物処理情報データベースを参照し、前記評価手段による前記廃棄物処理の評価結果に基づいて、前記廃棄物を粉砕物に粉砕する程度及び粉砕する時間を含む粉砕情報と、前記粉砕情報に対応する前記粉砕物の乾燥の程度及び乾燥する時間を含む乾燥情報と、を決定する前処理手段と、前記前処理手段により決定された前記粉砕情報に基づいて、前記廃棄物を粉砕物に粉砕する粉砕手段と、前記粉砕手段により粉砕された前記粉砕物を、前記乾燥情報に基づいて乾燥させる乾燥手段と、前記乾燥手段により乾燥された前記粉砕物を磁力、及び低温熱分解処理する廃棄物処理手段と、前記廃棄物処理手段による廃棄物処理により排出される排ガスを、前記排ガスを吸着させる吸着方式、前記排ガスを加熱させる加熱方式、または水分を噴射させる湿式のいずれかにより処理する排ガス処理手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
第2発明に係る廃棄物処理システムは、第1発明において、前記前処理手段は、前記粉砕手段により粉砕された前記粉砕物に含まれる水分量、及び前記乾燥手段により乾燥される前記粉砕物の水分量を測定する第1測定手段を備え、前記排ガス処理手段は、前記廃棄物処理手段により排出される前記排ガスの臭気、煙粒子、水分量、及び成分の少なくとも何れかを測定する第2測定手段をさらに備えること、を特徴とする。
【0011】
第3発明に係る廃棄物処理システムは、第1発明において、前記廃棄物処理手段は、前記粉砕手段により粉砕された前記粉砕物に外気を含ませ、永久磁石又は電磁石で構成され磁力線を発生させる磁力手段と、前記磁力手段により処理された前記粉砕物を、所定の温度に保ち、前記粉砕物を低温熱分解により処理する分解処理手段をさらに備えること、を特徴とする。
【0012】
第4発明に係る廃棄物処理システムは、第1発明又は第3発明において、前記廃棄物処理手段は、前記粉砕物の低温熱分解を行うための点火、及び低温熱分解を一定に保つための温度制御を行う加温手段を備えること、を特徴とする。
【0013】
第5発明に係る廃棄物処理システムは、第3発明において、前記廃棄物処理手段は、前記分解処理手段により低温熱分解された前記粉砕物を排出する排出手段を備えること、を特徴とする。
【0014】
第6発明に係る廃棄物処理システムは、第2発明において、前記排ガス処理手段は、前記第2測定手段の測定結果に基づいて、前記排ガス処理手段により排出される排ガス、又は排水に活性酸素を放射して活性化させる活性化手段を備えることを特徴とする。
【0015】
第7発明に係る廃棄物処理システムは、第1発明において、前記学習モデルは、前記過去の廃棄物処理結果と、前記参照情報とを学習データとして用いた機械学習により構築されること、を特徴とする。
【0016】
第8発明に係る廃棄物処理システムは、第1発明において、前記過去の廃棄物処理結果と、前記参照情報との間の関係を新たに取得した場合には、前記関係を前記連関性に反映させる更新手段を更に備えること、を特徴とする。
【0017】
発明に係る廃棄物処理システムは、第発明又は第発明において、前記過去の廃棄物処理結果と、前記参照情報との間の関係を新たに取得した場合には、前記関係を前記連関性に反映させる更新手段を更に備えること、を特徴とする。
【0018】
発明に係る廃棄物処理方法は、廃棄物を低温熱分解処理する廃棄処理システムにおける廃棄物処理方法であって、前記廃棄物処理システムにおける前記廃棄物の処理状況により前記廃棄物の搬入量及び搬入速度の制御を行う搬入ステップと、前記搬入ステップにより搬入された前記廃棄物を、前記廃棄物の前処理を行う前処理機構に投入する投入ステップと、予め取得された過去の廃棄物処理結果と、前記過去の廃棄物処理結果に紐づく廃棄処理の要因に関する参照情報との間における連関性を有する学習モデルを参照データベースに記憶する参照データベース記憶ステップと、前記投入ステップにより投入された前記廃棄物に含まれる水分量を測定し、前記水分量と、廃棄物処理施設に関する情報、前記廃棄物処理施設ごとのエリアを特定する設置情報、及び廃棄物種別の処理結果に基づいて、前記参照データベースを参照し、前記廃棄物処理施設における廃棄物処理の効率を評価する評価ステップと、前記廃棄物を処理する廃棄物処理施設に関する情報、廃棄処理される廃棄物を識別する情報、前記廃棄物の粉砕の程度が設定された情報、粉砕された粉砕物の乾燥に関する情報、前記廃棄物の投入に関する情報、及び廃棄物の廃棄処理の結果に関する情報を廃棄物処理情報データベースに記憶する廃棄物処理情報記憶ステップと、前記廃棄物処理情報データベースを参照し、前記評価ステップによる評価結果に基づいて、前記廃棄物を粉砕物に粉砕する程度及び粉砕する時間を含む粉砕情報と、前記粉砕情報に対応する前記粉砕物の乾燥の程度及び乾燥する時間を含む乾燥情報と、を決定する前処理ステップと、前記前処理ステップにより決定された前記粉砕情報に基づいて、前記廃棄物を粉砕物に粉砕する粉砕ステップと、前記粉砕ステップにより粉砕された前記粉砕物を、前記乾燥情報に基づいて乾燥させる乾燥ステップと、前記乾燥ステップにより乾燥された前記粉砕物を磁力、及び低温熱分解処理する廃棄物処理ステップと、前記廃棄物処理ステップによる廃棄物処理により排出される排ガスを、前記排ガスを吸着させる吸着方式、前記排ガスを加熱させる加熱方式、または水分を噴射させる湿式のいずれかにより処理する排ガス処理ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
第1発明~第9発明によれば、評価手段は、投入された廃棄物に含まれる水分量を測定し、水分量と、廃棄物処理施設に関する情報、廃棄物処理施設ごとのエリアを特定する設置情報、及び廃棄物種別の処理結果に基づいて、廃棄物処理施設における廃棄物処理の評価行う。このため、廃棄物を粉砕物に粉砕する程度及び粉砕する時間を含む粉砕情報と、粉砕情報に対応する粉砕物の乾燥の程度及び乾燥する時間を含む乾燥情報と、を決定することができる。これにより、予め廃棄物に段ボールなどを混在させ、含水率を下げてから廃棄物処理する必要がなく、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0020】
第1発明~第9発明によれば、前処理手段は、廃棄物を粉砕物に粉砕する程度及び粉砕する時間を含む粉砕情報と、粉砕情報に対応する粉砕物の乾燥の程度及び乾燥する時間を含む乾燥情報乾燥情報と、を決定する。このため、廃棄物を粉砕物に粉砕でき、さらに粉砕物を乾燥情報に基づいて乾燥させることができる。これにより、廃棄物に段ボールなどの混在物を混在させる処理で、熟練の作業者の経験や勘を必要とせず、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0021】
特に、第1発明によれば、廃棄物処理手段は、乾燥手段により乾燥された粉砕物を磁力、及び低温熱分解処理する。このため、混在させる混在物の確認、混在物の投入に時間がかかり、適切な温度での燃焼処理を行えないという予め廃棄物に段ボールなどを混在させ、含水率を下げてから廃棄物処理する必要がない。これにより、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0022】
特に、第2発明によれば、前処理手段は、第1測定手段と第2測定手段を備える。このため、廃棄物、及び粉砕物の状態を適切に測定することができる。これにより、安定した廃棄物処理を行うことができ、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0023】
特に、第3発明によれば、磁力手段は、粉砕物に外気を含ませ、永久磁石又は電磁石で構成され磁力線を発生させる。さらに分解処理手段は、磁気化された粉砕物を、所定の温度に保ち、粉砕物を低温熱分解により処理する。これにより、安定した廃棄物処理を行うことができ、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0024】
特に、第4発明によれば、加温手段は、粉砕物の低温熱分解を行うための点火、及び低温熱分解を一定に保つための温度制御を行う。このため、始動時や廃棄物処理の最中においても適切な温度での燃焼処理を行うことができる。これにより、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0025】
特に、第5発明によれば、排出手段は、低温熱分解された粉砕物を排出する。このため、新しい廃棄物を投入することが可能となる。これにより、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0026】
特に、第6発明によれば、活性化手段は、第2測定手段による測定結果に基づいて、排出手段により排出される排水に活性酸素を放射して活性化させる。このため、クリーンな排水を行うことができる。これにより、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0028】
特に、第発明によれば、連関性は、過去の廃棄物処理結果と、参照情報とを学習データとして用いた機械学習により構築される。このため、過去の廃棄物処理結果とは異なる未知の廃棄物処理結果を評価する場合においても、定量的な評価を実施することができる。これにより、廃棄物の処理効率を向上することができる。
【0029】
特に、第発明によれば、更新手段は、過去の廃棄物処理結果と、参照情報との間の関係を新たに取得した場合には、関係を連関性に反映させる。このため、連関性を容易に更新することができる。これにより、継続した廃棄物処理の実施精度を向上することが可能となる。
【0030】
発明によれば、評価ステップは、投入された廃棄物に含まれる水分量を測定し、水分量の評価を行う。このため、廃棄物を粉砕物に粉砕する程度を示す粉砕情報と、粉砕情報に対応する粉砕物の乾燥の程度を示す乾燥情報と、を決定することができる。これにより、予め廃棄物に段ボールなどを混在させ、含水率を下げてから廃棄物処理する必要がなく、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本実施形態における廃棄物処理システムの一例を示す模式図である。
図2図2は、本実施形態における廃棄物処理システムの動作の一例を示す模式図である。
図3図3(a)は、本実施形態における廃棄物処理システムの構成の一例を示す模式図であり、図3(b)は、本実施形態における廃棄物処理装置の機能の一例を示す模式図である。
図4図4は、本実施形態におけるデータベースの一例を示す模式図である。
図5図5は、本実施形態における参照データベースの一例を示す模式図である。
図6図6は、本実施形態における廃棄物処理システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を適用した実施形態における廃棄物処理システム、及び廃棄物処理方法の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0033】
(本実施形態:廃棄物処理システム100)
図1図6を参照して、本実施形態における廃棄物処理システム100の構成の一例について説明する。図1は、本実施形態における廃棄物処理システム100の構成の一例を示す模式図である。
【0034】
<廃棄物処理システム100>
廃棄物処理システム100は、例えば図1に示すように、廃棄物処理装置1を有する。廃棄物は、例えば有機性の廃棄物であり、貴金属、ガラス等の有機性以外の廃棄物などを含んでもよい。廃棄物処理装置1は、例えば複数のエリア(例えばエリアa:病院、エリアb:事業所、エリアc:離島)にそれぞれに設置される(例えば廃棄物処理装置1a~1cなど)。複数に廃棄物処理装置1(例えば1a~1c)は、例えば通信網4を介して、廃棄物処理装置1における廃棄物処理の管理を行う管理サーバ2と接続する。
【0035】
廃棄物処理システム100は、例えば複数の廃棄物処理装置1a~1cおける廃棄物の廃棄物処理の制御及び管理を行う管理サーバ2と、管理サーバ2に接続されるデータベース3を備える。データベース3は、例えば廃棄物処理装置1における廃棄物処理に関する各種の設定情報を記憶する廃棄物処理情報データベース、廃棄物処理結果を保存、評価するための情報を記憶する参照情報データベース、廃棄物処理装置1による廃棄物処理結果を一時的に格納する一時保存データベースの他、例えば廃棄物の搬入、投入、粉砕、乾燥、さらに排出等の各廃棄物処理工程における各種のキャプチャ画像を撮影し、撮影したキャプチャ画像を記録するデータベースなどにより構成されてもよい。
【0036】
廃棄物処理システム100は、例えば廃棄物処理装置1a~1cにより廃棄物処理される各種の情報を、管理サーバ2と接続される一時保存用のデータベース(図示せず)に集約する。廃棄物処理システム100は、例えば管理サーバ2を介して複数の廃棄物処理装置1a~1cにより取得された各種の情報を、廃棄物処理装置1a~1cに接続されるデータベースに記憶するようにしてもよい。各廃棄物処理装置1a~1cは、例えば廃棄物の搬入、投入、粉砕、乾燥、さらに排出等の各廃棄物処理工程における各種のキャプチャ画像を、一時保存用のデータベースとは別のキャプチャ画像用のデータベース(図示せず)に記憶するようにしてもよい。
【0037】
廃棄物処理システム100は、図2に示すように、有機物である廃棄物の低温熱分解を廃棄物処理装置1により廃棄物処理する。廃棄物処理システム100は、例えば廃棄物処理装置1の搬入部11により廃棄物の搬入を行う。搬入部11により搬入された廃棄物は、例えば投入部12により廃棄物の前処理を行う前処理機構に投入される。搬入部11,及び投入部12は、評価部13により測定された廃棄物に含まれる水分量の評価結果により、例えば廃棄物処理に適した廃棄物であるか否かの評価を行うようにしてもよい。
【0038】
廃棄物処理システム100は、例えば廃棄物処理装置1の前処理部14により廃棄物処理される廃棄物の廃棄物処理に関する情報が記憶されたデータベース3(廃棄物処理情報データベース)を参照し、評価部13により評価された評価結果に基づいて、廃棄物を粉砕物に粉砕する程度を示す粉砕情報と、粉砕情報に対応する粉砕物の乾燥の程度を示す乾燥情報と、を決定する。
【0039】
廃棄物処理装置1の前処理部14は、例えば粉砕部14aと乾燥部14bとを備える。粉砕部14aは、例えば前処理部14により決定された粉砕情報に基づいて、廃棄物を粉砕物に粉砕する。乾燥部14bは、粉砕部14aにより粉砕された粉砕物を、乾燥情報に基づいて乾燥させる。乾燥部14bにより乾燥された粉砕物は、廃棄物処理部16により磁力、及び低温熱分解処理される。
【0040】
廃棄物処理装置1の廃棄物処理部16により廃棄物処理された際に排出される排ガスは、排ガス処理部17において、例えば排ガスを吸着させる吸着方式、排ガスを加熱させる加熱方式、または水分を噴射させる湿式のいずれかにより処理される。
【0041】
廃棄物処理システム100は、例えば前処理部14の第1測定部15aにおいて、粉砕部14aにより粉砕された粉砕物に含まれる水分量、及び乾燥部14bにより乾燥される粉砕物の水分量を測定する。廃棄物処理部16の磁力部16aにおいて、例えば粉砕部14aにより粉砕された粉砕物に外気を含ませ、永久磁石又は電磁石で構成され磁力線を発生させ、分解処理部16bにおいて粉砕物を、例えば所定の温度(200℃~500℃)に保ち、粉砕物を低温熱分解する。
【0042】
廃棄物処理システム100は、例えば廃棄物処理部16の加温部16cにより、粉砕物の低温熱分解を行うための点火、及び低温熱分解を一定に保つための温度制御を行う。これにより、例えば安定した廃棄物処理を行うことができ、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。さらに例えば廃棄物処理部16の排出部18により、低温熱分解された粉砕物が排出される。排出部18により排出された排水は、活性化部17aにより活性酸素を放射され、活性化される。
【0043】
廃棄物処理システム100は、例えば予め取得された過去の廃棄物処理結果と、過去の廃棄物処理結果に紐づく参照情報との間における連関性を有する学習モデルが記憶された参照データベースを備え、評価部13、前処理部14は、参照データベースを参照し、廃棄物処理結果に対する評価結果、最適な粉砕情報及び乾燥情報などを生成する。学習モデルは、例えば過去の廃棄物処理結果と、参照情報とを学習データとして用いた機械学習により構築されるようにしてもよい。これにより、安定した廃棄物処理を行うことができ、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0044】
廃棄物処理システム100は、参照データベースを参照し、過去の廃棄物処理結果に対する評価結果を生成する。廃棄物処理システム100は、廃棄物処理結果の他に、例えば生成された評価結果を廃棄物処理装置1、又は管理者端末の表示部109等に出力する。また廃棄物処理システム100は、例えば廃棄物処理装置1で解析された廃棄物処理結果に基づいて、各種の情報を、管理者端末の各々の表示部109等に出力するようにしてもよい。
【0045】
<廃棄物処理装置1>
次に、図3を参照して、本実施形態における廃棄物処理装置1の一例を説明する。図3(a)は、本実施形態における廃棄物処理装置1の構成の一例を示す模式図であり、図3(b)は、本実施形態における廃棄物処理装置1の機能の一例を示す模式図である。
【0046】
廃棄物処理装置1として、例えばスーパーコンピュータ、サーバーコンピュータ、又はメインフレーム・汎用コンピュータ等の電子機器が用いられる。廃棄物処理装置1は、例えば管理者端末、他の周辺機器等と接続されてもよい。廃棄物処理装置1は、例えば図3(a)に示すように、筐体10と、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、保存部104と、I/F105~107とを備える。各構成101~107は、内部バス110により接続される。
【0047】
CPU101は、廃棄物処理装置1全体を制御する。ROM102は、CPU101の動作コードを格納する。RAM103は、CPU101の動作時に使用される作業領域である。保存部104は、設定情報データベースや参照データベース等の各種情報が保存される。保存部104として、例えばHDD(Hard Disk Drive)の他、SSD(Solid State Drive)等のデータ保存装置が用いられる。なお、例えば廃棄物処理装置1は、図示しないGPU(Graphics Processing Unit)を有してもよい。GPUを有することで、通常よりも高速演算処理が可能となる。
【0048】
I/F105は、例えばインターネット等の通信網4を介して、必要に応じて管理者端末、データベース3、Web検索サービス、その他のウェブサイト等との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。I/F106は、入力部108との情報の送受信を行うためのインターフェースである。入力部108として、例えばキーボードが用いられ、廃棄物処理装置1の使用者等は、入力部108を介して、各種情報、又は廃棄物処理装置1の制御コマンド等を入力する。I/F107は、表示部109との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。表示部109は、保存部104に保存された各種情報、順位計測、又は評価結果等を表示する。表示部109として、ディスプレイが用いられ、例えばタッチパネル式の場合、入力部108と一体に設けられる。
【0049】
図3(b)は、廃棄物処理装置1の機能の一例を示す模式図である。廃棄物処理装置1は、搬入部11、投入部12、評価部13、前処理部14、粉砕部14a、乾燥部14b、第1測定部15a、第2測定部15b、廃棄物処理部16、磁力部16a、分解処理部16b、加温部16c、排ガス処理部17、活性化部17a、排出部18、更新部19、記憶部20を備えてもよく、例えば学習部21を有してもよい。なお、図3(b)に示した各機能は、CPU101が、RAM103を作業領域として、保存部104等に記憶されたプログラムを実行することにより実現され、例えば人工知能等により制御されてもよい。
【0050】
<搬入部11>
搬入部11は、例えば廃棄物の搬入を行う。搬入部11は、例えばコンベア(図示せず)であり、コンベアの稼働により廃棄物を投入部12まで搬入する。搬入部11は、例えば複数のコンベアを直線状に連結して1列とした形状の他、例えば半円状にカーブしたコンベアであってもよく、上向き/下向きの傾斜を備えたコンベアの他、昇降機構を備えていてもよい。搬入部11は、例えば廃棄物処理装置1の大きさ、廃棄物処理装置1が設置される空間に応じて適宜に配置されてもよく、どのように接続され、配置されるかは任意である。
【0051】
搬入部11は、例えば搬入される廃棄物の種別や形状を判別するセンサー(図示せず)、重量を計測する計量センサーをコンベア上に設けてもよい。搬入部11は、例えばこれらセンサーにより取得された廃棄物の判別結果、または計量結果を搬入データとして、通信網4介して管理サーバ2に送信するようにしてもよい。管理サーバ2は、例えば廃棄物処理装置1から取得した搬入データに基づき、後述する参照データベースを参照し、廃棄物処理の適/不適を評価(例えば含水率70%を閾値として設定し、閾値未満で「適」、閾値以上で「不適」と評価)以上としてもよい。これにより、安定した廃棄物処理を行うことができ、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0052】
<投入部12>
投入部12は、搬入部11により搬入された廃棄物を、廃棄物の前処理を行う前処理機構に投入する。投入部12は、例えば搬入部11により搬入された廃棄物を廃棄物処理装置1の上部に配置される前処理部14に投入する。投入部12は、例えば前処理部14にダンパー等が備わる開閉扉・開閉シャッター等が備わる場合は、廃棄物の投入前に開閉扉・シャッターを開ける制御を行い、その後に廃棄物を投入するようにしてもよい。開閉扉・開閉シャッターの開閉は、例えば公知のダンパーを備えた持ち上げ機構、スライド機構など稼働させることにより、開閉扉の開閉を制御するようにしてもよい。
【0053】
<評価部13>
評価部13は、投入部12により投入された廃棄物に含まれる水分量を測定し、水分量の評価を行う。評価部13は、予め取得された過去の廃棄物処理結果と、過去の廃棄物処理結果に紐づく参照情報との間における連関性を有する学習モデルが記憶された参照データベースを参照し、廃棄物処理結果に対する評価結果を生成する。
【0054】
ここで、図4を参照して、本実施形態における参照データベースの一例を説明する。参照データベースには、予め取得された過去の廃棄物処理結果と、過去の廃棄物処理結果に紐づく参照情報との間における連関性を有する学習モデルが記憶される。
【0055】
評価部13は、参照データベースを参照し、例えば評価対象の廃棄物処理結果情報に含まれるデータと同一又は類似するデータ(例えば「データA」:第1データとする)を選択する。第1データとして、廃棄物処理結果情報と一部一致又は完全一致するデータが選択されるほか、例えば類似するデータが選択される。廃棄物処理結果情報が行列等の数値で表される場合、選択される第1データに含まれる数値範囲を、予め設定してもよい。
【0056】
評価部13は、選択した第1データに紐づく参照情報、及び選択した第1データと参照情報との間における連関度(第1連関度)を選択し、選択した参照情報及び第1連関度に基づき評価結果を生成する。なお、第1連関度は、予め構築された連関性から選択されるほか、評価部13によって算出されてもよい。
【0057】
評価部13は、例えば廃棄物処理施設と、廃棄物処理施設ごとのエリアを特定するエリアIDからの設置情報、設置される廃棄物処理施設に備わる周辺装置や機器、廃棄物処理装置に関する廃棄物処理性能・能力・スペック、廃棄物処理装置の稼働年数、廃棄物(廃棄物など)を搬入する施設情報、搬入量、廃棄物種別の処理結果(燃焼結果、排ガス結果、排出物種別など)、磁力性能、管理者数、天候、廃棄物のストック量などにより評価されてもよい。
【0058】
参照データベースには、例えば第1データ「データA」に紐づく参照情報に含まれるデータ「参照A」、及び「データA」と「参照A」との間における第1連関度(連関度AA)「85%」などが記憶されており、参照情報及び第1連関度は、複数のデータを含んでもよい。この場合、評価部13は、「参照A」及び「85%」に加えて、例えば第1データ「データA」に紐づく参照情報「参照B」、及び「データA」と「参照B」との間における第1連関度(連関度AB)「73%」を選択し、「参照A」及び「85%」、並びに、「参照B」及び「73%」に基づき評価結果を生成してもよい。
【0059】
評価結果は、廃棄物処理結果情報を含んでもよい。評価結果は、例えば参照情報及び連関度を用いて、確率で表された廃棄物処理の効率の向上結果の順位(処理効率順位の要因)を示してもよい。
【0060】
評価部13は、例えば予め保存部104等に記憶された出力用フォーマット等の形式データを用いて、上述選択した参照情報及び第1連関度等を、管理者や操作者等が理解できる形式(例えば文字列)を示す評価結果を生成する。なお、評価結果を生成する際における形式の設定等は、例えば公知の技術を用いてもよい。
【0061】
評価部13は、例えば選択した第1連関度に基づいて、評価結果の内容を決定する。例えば評価部13は、「50%」以上の第1連関度に紐づく参照情報に基づいて、評価結果を生成し、「50%」未満の第1連関度に紐づく参照情報を評価結果に反映しないように設定されてもよい。なお、第1連関度に基づく判定基準は、例えば評価者等が予め閾値等を設定してもよく、閾値の範囲等は任意に設定できる。また、評価部13は、例えば2以上の第1連関度を演算した結果や、2以上の第1連関度の比較に基づいて、評価結果の内容を決定してもよい。
【0062】
評価部13は、参照データベースを参照し、予め取得された過去の廃棄物処理結果の他、例えば過去の廃棄物処理施設ごとのエリアを特定するエリアIDからの設置情報、設置される廃棄物処理施設に備わる周辺装置や機器、廃棄物処理装置に関する廃棄物処理性能・能力・スペック、廃棄物処理装置の稼働年数、廃棄物(例えば有機性廃棄物、その他の非有機性廃棄物など)を搬入する施設情報、搬入量、廃棄物種別の処理結果(燃焼結果、排ガス結果、排出物種別など)、磁力性能、管理者数、天候、廃棄物のストック量などの結果に紐づく参照情報との間における連関性を有する学習モデルにより、評価結果を生成する。これにより、例えば廃棄物の廃棄物処理を向上できるパラメータや設定などの上位を表示するように出力してもよい。
【0063】
<前処理部14>
前処理部14は、例えば廃棄物処理情報データベースを参照し、評価部13により評価された評価結果に基づいて、廃棄物を粉砕物に粉砕する程度を示す粉砕情報と、粉砕情報に対応する粉砕物の乾燥の程度を示す乾燥情報と、を決定する。前処理部14は、例えば廃棄物処理装置1の上側に配置されてもよく、さらに廃棄物を投入する開閉扉・開閉シャッター等の機構を備える。開閉扉・開閉シャッターは、例えば投入部12により開閉される。
【0064】
前処理部14は、例えば投入された廃棄物を粉砕物に粉砕する粉砕部14aと、粉砕部14aにより粉砕された粉砕物を乾燥させる乾燥部14bを備える。さらに前処理部14は、例えば粉砕部14aにより粉砕された粉砕物に含まれる水分量と、乾燥部14bにより乾燥された粉砕物の水分量を測定する第1測定部15aとを備える。
【0065】
<粉砕部14a>
粉砕部14aは、例えば前処理部14により決定された粉砕情報に基づいて、廃棄物を粉砕物に粉砕する。粉砕部14aは、例えばカッター・シュレッダー等の刃部と刃部を回転・往復運動等する可動機構を備え、それら可動機構を稼働させることで廃棄物を粉砕するようにしてもよい。粉砕部14aは、例えば後述する粉砕設定情報データテーブルで設定される各種の粉砕パターンIDごとの粉砕条件に応じて粉砕を行う。
【0066】
<乾燥部14b>
乾燥部14bは、例えば粉砕部14aにより粉砕された粉砕物を、例えば前処理部14により決定された乾燥情報に基づいて乾燥させる。乾燥部14bは、例えば粉砕物を乾燥させるドラム式、真空式等の乾燥機構を備え、それら乾燥機構を稼働させることで粉砕された粉砕物を乾燥させる。乾燥部14bは、例えば公知の乾燥機構であってもよい。乾燥部14bは、例えば後述する乾燥設定情報データテーブルで設定される各種の乾燥パターンIDごとの乾燥条件に応じて乾燥を行う。
【0067】
<第1測定部15a>
第1測定部15aは、例えば粉砕部14aにより粉砕された粉砕物に含まれる水分量と、乾燥部14bにより乾燥された粉砕物の水分の含量を示す水分量を測定する。第1測定部15aは、例えば水分量を測定する公知のセンサーを各々備え(図示せず)、粉砕物における水分量を測定するようにしてもよい。水分量の測定は、例えば粉砕物中にセンサーを挿入して計測する他、空気中の水分量を粉砕物と非接触の状態で計測してもよい。さらに、例えば公知の光学的なセンサー、またはマイクロウェーブセンサー等、各種のセンサーを用いて測定するようにしてもよい。
【0068】
<廃棄物処理部16>
廃棄物処理部16は、例えば乾燥部14bにより乾燥された粉砕物を磁力、及び低温熱分解処理する。廃棄物処理部16は、例えば廃棄物処理装置1において、磁化された空気を導入(図示せず)して廃棄物を熱処理する。廃棄物処理装置1は、例えば空気を磁化するための供給部と、例えば鉄製の側部及び底部を有し、粉砕物(または廃棄物)が投入されて貯留される処理室と、粉砕物の投入口が投入部12に設けられた上壁部と、投入口を覆う蓋部等を備える。
【0069】
廃棄物処理部16は、例えば公知の磁化流体供給機構(図示せず)を備えてもよい。廃棄物処理部16は、例えば磁化流体供給機構機と連通されるとともに、先端が処理室の側部及び底部から処理室の内部に向かって突出して配された複数の流体供給管部と、熱処理後に生じたダイオキシン等の有害物質含む空気を浄化するための気体浄化機と、をさらに備えてもよい。
【0070】
廃棄物処理部16は、例えば公知の磁力線を生じて空気(流体)を磁化(マイナスイオン化)させる流体発磁機と、流体発磁機が複数配されるとともに空気を取り込む吸入口が設けられた箱体部と、を備えてもよい。流体発磁機は、例えば公知の複数の円形断面短管が螺合接続されており、空気が流通する管部と、磁石部と、磁石部に内挿された内管などと、を備えてもよい。
【0071】
<磁力部16a>
磁力部16aは、例えば粉砕部14aにより粉砕された粉砕物に外気を含ませ、前述の永久磁石又は電磁石で構成され磁力線を発生させる。
【0072】
<分解処理部16b>
分解処理部16bは、例えば磁力部16aにより処理された粉砕物を、所定の温度(例えば200~500℃)に範囲の状態を保ち、さらに粉砕物を低温熱分解により処理する。分解処理部16bは、例えば温度センサーを備え、温度の制御を後述する加温部16cにより制御を行う。分解処理部16bは、例えば酸素センサーを備え、外気からの空気注入量を制御し、酸素濃度量の制御を行うようにしてもよい。これにより、安定した廃棄物処理を行うことができ、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0073】
<加温部16c>
加温部16cは、例えば粉砕物の低温熱分解を行うための点火、及び低温熱分解を一定に保つための温度制御を行う。加温部16cは、例えば温度制御を、公知の温度センサーを用いて低温熱分解の範囲の温度内で低温熱分解が進行するための温度制御を行う。
【0074】
<排ガス処理部17>
排ガス処理部17は、例えば廃棄物処理部16による廃棄物処理により排出される排ガスを、排ガスを吸着させる吸着方式、排ガスを加熱させる加熱方式、または水分を噴射させる湿式のいずれかにより処理する。排ガス処理部17は、例えば後述する廃棄物処理結果データテーブルを参照し、排出される排ガスの濃度、成分などの状態を評価し、評価結果に応じて、吸着方式、加熱方式、または湿式の中から最適な排ガス処理の方式を決定し、排ガス処理を行うようにしてもよい。
【0075】
<第2測定部15b>
第2測定部15bは、例えば廃棄物処理部16により排出される排ガスの臭気、煙粒子、水分量、及び成分の少なくとも何れかを測定する。第2測定部15bは、例えば排ガスに含まれる臭気、煙粒子、水分量、及び成分などを測定する公知のセンサーを各々備え(図示せず)、排出物における排ガスを測定するようにしてもよい。
【0076】
<活性化部17a>
活性化部17aは、第2測定部15bにより測定された測定結果に応じて、例えば排ガス処理部17、排出部18により排出される廃棄物(排ガス、排水など)に活性酸素を放射して活性化させる。活性化部17aは、例えば活性酸素を蓄積するタンクを備え(図示せず)、活性化酸素を廃棄物に放射するようにしてもよい。活性化部17aは、例えば測定結果が一定基準を超える場合は、放射する活性酸素の放射量、放射時間を多くするように放射を制御するようにしてもよく、活性化酸素の放射量、放射時間は任意である。
【0077】
<排出部18>
排出部18は、例えば分解処理部16bにより低温熱分解された粉砕物を排出物として排出する。排出部18は、例えば排出される排出物の量を、投入された廃棄物の種別、量、廃棄物処理における処理の経過情報等から予測し、排出するようにしてもよい。これにより、安定した廃棄物処理を行うことができ、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0078】
<出力部>
出力部は、廃棄物処理結果情報に対する評価結果を出力する。出力部は、例えば廃棄物処理結果情報に対して選択された参照データを出力してもよい。
【0079】
出力部は、例えば保存部104に予め記憶された表示用のフォーマットを用いて、評価結果を使用者等が理解できる文字列等に変換した廃棄物処理結果を生成し、出力する。出力部は、I/F107を介して表示部109に評価計測結果、廃棄物処理状態を送信するほか、例えばI/F105を介して、廃棄物処理装置1等に廃棄物処理結果を送信するようにしてもよい。
【0080】
<更新部19>
更新部19は、例えば参照データベースを更新する。更新部19は、過去の廃棄物処理結果情報と、参照情報との間の関係を新たに取得した場合には、関係を連関性に反映させる。例えば評価部13により生成された評価結果を踏まえ、評価者等が評価結果の内容における精度を判定し、判定結果を廃棄物処理装置1が取得した場合、更新部19は、判定結果に基づき参照データベースに含まれる連関性を更新する。
【0081】
<記憶部20>
記憶部20は、保存部104に保存されたデータベース等の各種データを必要に応じて取出す。記憶部20は、各構成11~18、20により取得又は生成された各種データを、必要に応じて保存部104に保存する。
【0082】
<学習部21>
学習部21は、例えばテストデータと、判定結果に基づく参照データと、を一対の学習データとして、複数の学習データを用いた機械学習によりデータベースを生成する。機械学習には、例えば上述した畳み込みニューラルネットワーク等が用いられる。
【0083】
学習部21は、例えば評価部13により評価された判定結果に基づき、参照データを生成してもよい。学習部21は、例えば判定結果を導出した評価モデルに関する識別情報を有する参照データを生成する。識別情報は、例えば評価モデルに紐づく識別情報リスト等を予め保存部104に記憶させておき、必要に応じてリスト等を参照して生成されてもよく、予め判定結果に含まれるように設定してもよい。
【0084】
学習部21は、例えば判定結果に対して、正否結果、判定精度、及び判定に費やした時間の少なくとも何れかを算出し、それらを有する参照データを生成してもよい。正否結果、及び判定精度は、例えばテストデータに対する正解や閾値等を予め保存部104に記憶させておき、必要に応じて正解等を参照して生成されてもよい。
【0085】
<データベース3>
次に、図5を参照して、本実施形態におけるデータベース3に記憶されるデータテーブルの一例を説明する。
【0086】
図5は、各種の設定情報などを記憶(格納)するデータベースであり、例えば図5に示すような『廃棄物処理施設情報データテーブル』、『廃棄物処理情報データテーブル』、『粉砕設定情報データテーブル』、『乾燥設定情報テーブル』、『投入設定情報データテーブル』、さらに『廃棄物処理結果データテーブル』を少なくとも含む各種のデータテーブルにより構成される。
【0087】
データベース3を構成する各種のデータテーブルは、各々のデータが紐づけられて構成される。また、データベース3は、例えば前述の一時保存用のデータが集約されるデータベース(図示せず)、さらに例えば廃棄物処理装置1a~1cにおける廃棄物の搬入経路、投入口、さらに排出物などの評価のための廃棄物、粉砕物などの各種の画像、又は動画を保存するデータベース(図示せず)を備えるようにしてもよい。
【0088】
<<廃棄物処理施設情報データテーブル>>
廃棄物処理施設情報データテーブルは、例えば廃棄物処理施設を識別する「廃棄物処理施設ID」、廃棄物処理施設の設置場所やエリア(例えば病院、事業所、離島など)を識別する「エリアID」、各社ごとの廃棄物処理装置を識別する「廃棄物処理装置ID」、さらに廃棄物処理装置で廃棄物処理が行える廃棄物、その他廃棄物を識別する「廃棄物ID」などを各々対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0089】
<<廃棄物処理情報データテーブル>>
廃棄物処理情報データテーブルは、例えば廃棄物処理装置1a~1cで廃棄物処理される廃棄物を識別する「廃棄物ID」、廃棄物(例えば廃棄物、その他廃棄物)を識別する「廃棄物名」、センサー(図示せず)で計測された廃棄物に含まれる含水量を識別する「水分量」、各種の廃棄物の混在の有無を示す「混在有無」、廃棄物の重量を示す「重量」、さらに廃棄物の外観画像や内部画像である「画像」などを各々対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0090】
<<粉砕設定情報データテーブル>>
粉砕設定情報データテーブルは、例えば前処理部14により決定された粉砕情報に基づいて、廃棄物を粉砕物に粉砕する程度を示す粉砕情報などの各種の設定情報を記憶する。粉砕設定情報データテーブルは、例えば投入された廃棄物を粉砕物に粉砕するパターンを識別する「粉砕パターンID」、粉砕する廃棄物に含まれる水分に関する「水分量」、廃棄物を粉砕する各種の条件(粉砕時間、粉砕物の粒度など)を示す「粉砕条件A(時間・粒度)」、「粉砕条件B(時間・粒度)」などを各々対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0091】
<<乾燥設定情報データテーブル>>
乾燥設定情報データテーブルは、例えば前処理部14により決定された粉砕情報に基づいて、粉砕された粉砕物の乾燥の程度を示す乾燥情報などの各種の設定情報を記憶する。乾燥設定情報データテーブルは、例えば粉砕物を乾燥させるパターンを識別する「乾燥パターンID」、乾燥させる廃棄物に含まれる水分に関する「水分量」、粉砕物を乾燥させる各種の条件(乾燥時間、乾燥温度など)を示す「乾燥条件A(時間・温度)」、「乾燥条件B(時間・温度)」などを各々対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0092】
<<投入設定情報データテーブル>>
投入設定情報データテーブルは、例えば廃棄物処理装置1により投入する廃棄物の投入に関する各種の情報を記憶する。投入設定情報データテーブルは、例えば廃棄物を投入する各種のパターンを識別する「投入パターンID」、投入する廃棄物の重量の範囲、廃棄物の混在可否などの各種のパターンを示す「投入条件A(○○~○○Kg、混在可/混在不可)」、「投入条件B(○○~○○Kg、混在可/混在不可)」などを各々対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0093】
<<廃棄物処理結果データテーブル>>
乾燥設定情報データテーブルは、例えば廃棄物の廃棄物処理に関する結果を識別する「廃棄物処理結果ID」、廃棄物処理結果の状態を示す「良好(燃焼温度、酸素濃度、排ガス状態など)」、「不良(燃焼温度、酸素濃度、排ガス状態など)」などを各々対応付けて記憶するようにしてもよい。
【0094】
<通信網4>
通信網4は、例えば廃棄物処理装置1a~1cが通信回路を介して管理サーバ2に接続されるインターネット網等である。通信網4は、いわゆる光ファイバ通信網で構成されてもよい。また、通信網4は、有線通信網のほか、無線通信網等の公知の通信技術で実現してもよい。
【0095】
(廃棄物処理システム100の動作の一例)
次に、本実施形態における廃棄物処理システム100の動作の一例について説明する。図6は、本実施形態における廃棄物処理システム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0096】
<搬入手段S110>
搬入部11は、廃棄物の搬入を行う(搬入手段S110)。搬入部11は、例えばベルトコンベアー等により各種の廃棄物を搬入するようにしてもよい。搬入部11は、例えば複数のベルトコンベアーが連結するように配置してもよく、投入部12、評価部13、前処理部14、粉砕部14a、乾燥部14b、第1測定部15a、第2測定部15b、磁力部16a、分解処理部16b、排ガス処理部17、活性化部17a、または排出部18に少なくとも何れかの処理の状況を示すデータに基づき、搬入する廃棄物の搬入量や搬入速度を制御するようにしてもよい。これにより、廃棄物を効率良く搬入することができ、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0097】
<投入手段S120>
投入部12は、搬入部11により搬入された廃棄物を、廃棄物の前処理を行う前処理機構に投入する(投入手段S120)。投入部12は、例えばダンパー機構を備える公知の二重ダンパーなどを備えるようにしてもよい。投入部12は、例えば後工程の各ステップにおける処理経過に基づき判断された投入可否を示す投入指示を、廃棄物処理装置1に備わるモニター(図示せず)などに表示するようにしてもよい。
【0098】
<評価手段S130>
評価部13は、投入部12により投入された廃棄物に含まれる水分量を測定し、水分量の評価を行う(評価手段S130)。評価部13は、例えば公知の光学的なセンサー、またはマイクロウェーブセンサー等、各種のセンサーを用いて測定するようにしてもよい。
【0099】
<前処理手段S140>
前処理部14は、廃棄物処理情報データベースを参照し、評価部13により評価された評価結果に基づいて、廃棄物を粉砕物に粉砕する程度を示す粉砕情報と、粉砕情報に対応する粉砕物の乾燥の程度を示す乾燥情報と、を決定する(前処理手段S140)。前処理部14は、乾燥情報に基づいて、例えば粉砕部14a、乾燥部14bの何れか、または両方を使用するようにしてもよい。さらに、前処理部14は、例えば粉砕情報と乾燥情報を示す値が、例えば廃棄物が十分に粉砕されており(細かい)、乾燥されているような場合は、粉砕部14a、乾燥部14bにおける処理を行わないようにするようにしてもよい。これにより、例えば廃棄物の粉砕と乾燥を効率良く処理することができ、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0100】
<粉砕手段S141>
粉砕部14aは、前処理部14により決定された粉砕情報に基づいて、廃棄物を粉砕物に粉砕する(粉砕手段S141)。粉砕部14aは、例えば乾燥部14bと並列に配置されるようにしてもよい。
【0101】
<乾燥手段S142>
乾燥部14bは、粉砕部14aにより粉砕された粉砕物を、例えば前処理部14により決定された乾燥情報に基づいて乾燥させる(乾燥手段S142)。乾燥部14bは、例えば粉砕部14aと並列に配置されるようにしてもよい。
【0102】
<第1測定手段S151>
第1測定部15aは、粉砕部14aにより粉砕された粉砕物に含まれる水分量、及び乾燥部14bにより乾燥された粉砕物の水分の含量を示す水分量を測定する(第1測定手段S151)。第1測定部15aは、例えば公知の光学的なセンサー、またはマイクロウェーブセンサー等、各種のセンサーを用いて測定するようにしてもよい。
【0103】
<第2測定手段S152>
第2測定部15bは、廃棄物処理部16により排出される排ガスの臭気、煙粒子、水分量、及び成分の少なくとも何れかを測定する(第2測定手段S152)。第2測定部15bは、例えば二酸化炭素、ダイオキシン、硫黄酸化物(SOx)、または窒素酸化物(NOx)などを測定するようにしてもよい。
【0104】
<廃棄物処理手段S160>
廃棄物処理部16は、乾燥部14bにより乾燥された粉砕物を磁力、及び低温熱分解処理する(廃棄物処理手段S160)。廃棄物処理部16は、例えば公知のリミットスイッチを備えるホッパー、スライドシャッターを備えるようにしてもよい。
【0105】
<磁力手段S161>
磁力部16aは、粉砕部14aにより粉砕された粉砕物に外気を含ませ、永久磁石又は電磁石で構成され磁力線を発生させる(磁力手段S161)。磁力部16aは、例えば複数台を設置するようにしてもよい。
【0106】
<分解処理手段S162>
分解処理部16bは、磁力部16aにより処理された粉砕物を、所定の温度(例えば200℃~500℃)に保ち、粉砕物を低温熱分解により処理する(分解処理手段S162)。分解処理部16bは、例えば公知のリミットスイッチを備えるスライドシャッターを備えるようにしてもよい。
【0107】
<排ガス処理手段S170>
排ガス処理部17は、廃棄物処理部16による廃棄物処理により排出される排ガスを、排ガスを吸着させる吸着方式、排ガスを加熱させる加熱方式、または水分を噴射させる湿式のいずれかにより処理する(排ガス処理手段S170)。排ガス処理部17は、例えば活性酸素を放射する機能を備えるようにしてもよい。
【0108】
<活性化手段S171>
活性化部17aは、排出部18により排出される排水に活性酸素を放射して活性化させる(活性化手段S171)。活性化部17aは、例えば活性酸素を放射する放射口(図示せず)を複数を備えるようにしてもよい。
【0109】
<排出手段S180>
排出部18は、分解処理部16bにより低温熱分解された粉砕物を廃棄物として排出する(排出手段S180)。排出部18は、例えば公知のスクリュウコンベアー、リミットスイッチ付きダンパーなどを備えるようにしてもよい。
【0110】
これにより、本実施形態における廃棄物処理システム100の動作が終了する。なお、更新部19による更新を実施する場合のタイミングは、任意である。
【0111】
また、本実施形態によれば、評価手段S130は、投入された廃棄物に含まれる水分量を測定し、水分量の評価を行う。このため、廃棄物を粉砕物に粉砕する程度を示す粉砕情報と、粉砕情報に対応する粉砕物の乾燥の程度を示す乾燥情報と、を決定することができる。これにより、予め廃棄物に段ボールなどを混在させ、含水率を下げてから廃棄物処理する必要がなく、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0112】
また、本実施形態によれば、前処理手段S140は、廃棄物を粉砕物に粉砕する程度を示す粉砕情報と、粉砕情報に対応する粉砕物の乾燥の程度を示す乾燥情報と、を決定する。このため、廃棄物を粉砕物に粉砕でき、さらに粉砕物を乾燥情報に基づいて乾燥させることができる。これにより、廃棄物に段ボールなどの混在物を混在させる処理で、熟練の作業者の経験や勘を必要とせず、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0113】
また、本実施形態によれば、廃棄物処理手段S160は、乾燥部14bにより乾燥された粉砕物を磁力、及び低温熱分解処理する。廃棄物処理部16は、例えば公知のリミットスイッチを備えるホッパー、スライドシャッターを備えるようにしてもよい。
【0114】
また、本実施形態によれば、廃棄物処理手段S160は、磁力部16aにおいて、粉砕物に外気を含ませ、永久磁石又は電磁石で構成され磁力線を発生させる。さらに分解処理部16bにおいて、磁気化された粉砕物を、所定の温度に保ち、粉砕物を低温熱分解により処理する。これにより、安定した廃棄物処理を行うことができ、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。さらに加温部16cにおいて、粉砕物の低温熱分解を行うための点火、及び低温熱分解を一定に保つための温度制御を行う。このため、始動時や廃棄物処理の最中においても適切な温度での燃焼処理を行うことができる。これにより、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0115】
また、本実施形態によれば、活性化手段S171は、排出手段により排出される排水に活性酸素を放射して活性化させる。このため、クリーンな排水を行うことができる。これにより、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0116】
また、本実施形態によれば、排出手段S180は、低温熱分解された粉砕物を排出する。このため、新しい廃棄物を投入することが可能となる。これにより、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0117】
また、本実施形態によれば、参照データベースは、予め取得された過去の廃棄物処理結果と、過去の廃棄物処理結果に紐づく参照情報との間における連関性を有する学習モデルが記憶する。このため、取得された廃棄物処理結果を、予め取得された過去の廃棄物処理結果により評価することができる。これにより、安定した廃棄物処理を行うことができ、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0118】
また、本実施形態によれば、連関性は、過去の廃棄物処理結果と、参照情報とを学習データとして用いた機械学習により構築される。このため、過去の廃棄物処理結果とは異なる未知の廃棄物処理結果を評価する場合においても、定量的な評価を実施することができる。これにより、廃棄物の処理効率を向上することができる。
【0119】
また、本実施形態によれば、更新手段は、過去の廃棄物処理結果と、参照情報との間の関係を新たに取得した場合には、関係を連関性に反映させる。このため、連関性を容易に更新することができる。これにより、継続した廃棄物処理の実施精度を向上することが可能となる。
【0120】
また、本実施形態によれば、評価ステップは、投入された廃棄物に含まれる水分量を測定し、水分量の評価を行う。このため、廃棄物を粉砕物に粉砕する程度を示す粉砕情報と、粉砕情報に対応する粉砕物の乾燥の程度を示す乾燥情報と、を決定することができる。これにより、予め廃棄物に段ボールなどを混在させ、含水率を下げてから廃棄物処理する必要がなく、廃棄物の処理効率の向上を図ることができる。
【0121】
また、本実施形態によれば、廃棄物の低温熱分解処理を行う廃棄処理システムにおける廃棄物処理方法は、搬入手段S110を行う搬入ステップ、投入手段S120を行う投入ステップ、評価手段S130を行う評価ステップ、廃棄物の廃棄物処理に関する情報を廃棄物処理情報データベースに記憶する廃棄物処理情報記憶ステップ、前処理手段S140を行う前処理ステップ、粉砕手段S141を行う粉砕ステップ、乾燥手段S142を行う乾燥ステップ、廃棄物処理手段S160を行う廃棄物処理ステップ、排ガス処理手段S170を行う排ガス処理ステップにより提供することができる。
【0122】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0123】
1 :廃棄物処理装置
1a :廃棄物処理装置
1b :廃棄物処理装置
1c :廃棄物処理装置
2 :管理サーバ
3 :データベース
4 :通信網
10 :筐体
11 :搬入部
12 :投入部
13 :評価部
14 :前処理部
14a :粉砕部
14b :乾燥部
15a :第1測定部
15b :第2測定部
16 :廃棄物処理部
16a :磁力部
16b :分解処理部
16c :加温部
17 :排ガス処理部
17a :活性化部
18 :排出部
19 :更新部
20 :記憶部
21 :学習部
100 :廃棄物処理システム
101 :CPU
102 :ROM
103 :RAM
104 :保存部
105 :I/F
106 :I/F
107 :I/F
108 :入力部
109 :表示部
110 :内部バス
S110:搬入手段
S120:投入手段
S130:評価手段
S140:前処理手段
S141:粉砕手段
S142:乾燥手段
S151:第1測定手段
S152:第2測定手段
S160:廃棄物処理手段
S161:磁力手段
S162:分解処理手段
S170:排ガス処理手段
S171:活性化手段
S180:排出手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6