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  • 特許-ラップホルダ 図1
  • 特許-ラップホルダ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ラップホルダ
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/20 20060101AFI20231219BHJP
   B65D 25/52 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B65D25/20 E
B65D25/52 E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022117893
(22)【出願日】2022-07-25
【審査請求日】2023-06-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522295483
【氏名又は名称】小林 秀樹
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】小林 秀樹
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-14933(JP,A)
【文献】特開2017-43411(JP,A)
【文献】特開2003-300525(JP,A)
【文献】特開2003-341683(JP,A)
【文献】国際公開第2000/69731(WO,A1)
【文献】特開2006-335363(JP,A)
【文献】特開2016-620(JP,A)
【文献】特開2002-002677(JP,A)
【文献】実開昭61-144039(JP,U)
【文献】登録実用新案第3222221(JP,U)
【文献】登録実用新案第3086803(JP,U)
【文献】米国特許第04648536(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/20
B65D 25/52
B65D 5/72
B65D 83/00
B65D 85/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜状のラップが巻かれたラップロールを収納するラップカートンに着脱自在に装着されるラップホルダにおいて、
前記ラップカートンの少なくとも一部を外側から覆うように、当該ラップカートンに装着されるホルダ本体と、
前記ホルダ本体に設けられ、前記ラップカートンから引き出された前記ラップの帯電状態を利用し、静電気を帯びた当該ラップを付着させる付着部とを備え、
引き出された前記ラップを前記付着部に静電気を利用して付着させることにより、当該ラップの巻戻りを規制し、
さらに、前記ラップカートンに前記ホルダ本体が装着された状態において、前記ラップが前記ラップカートンから引き出される際に当該ラップと接触する部位には、当該ラップの帯電を促進する樹脂製の帯電促進部が設けられているラップホルダ。
【請求項2】
前記帯電促進部は、前記付着部が設けられた部位から前記ラップロール側に延びる板状の部位である請求項に記載のラップホルダ。
【請求項3】
前記ホルダ本体は、前記ラップカートンの底部が挿入される箱部であって、上部が開放された箱状の部位を有しており、
前記箱部の側壁内面には、当該箱部に挿入された前記ラップカートンに圧接する弾性変形可能な押圧部が設けられている請求項1又は2に記載のラップホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ラップカートンに着脱自在に装着されるラップホルダに関する。なお、ラップカートンは、膜状のラップが巻かれたラップロールが収納されたケースである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載のラップカートンには、ラップカートンから引き出されたラップの巻戻りを規制するストッパが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-76825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、特許文献と異なる手法にてラップカートンから引き出されたラップの巻戻りを規制することが可能なラップホルダの一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
薄膜状のラップ(2)が巻かれたラップロール(3)を収納するラップカートン(1)に着脱自在に装着されるラップホルダは、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。
【0006】
すなわち、当該構成要件は、ラップカートン(1)の少なくとも一部を外側から覆うように、当該ラップカートン(1)に装着されるホルダ本体(11)と、ホルダ本体(11)に設けられ、ラップカートン(1)から引き出されたラップ(2)の帯電状態を利用し、静電気を帯びた当該ラップ(2)を付着させる付着部(13)とを備えることである。
【0007】
ラップロール(3)から引き出されたラップ(2)は、剥離帯電現象により帯電した状態となる。したがって、当該帯電したラップ(2)は、静電気により自動的に付着部(13)に付着する。したがって、ラップカートン(1)から引き出されたラップ(2)の巻戻りを確実に規制することが可能となり得る。
【0008】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係るラップホルダを示す図である。
図2】第1実施形態に係るラップホルダの側面図である。
図3】ラップカートンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0011】
なお、各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び各部材又は部位の形状を理解し易くするために記載されたものである。したがって、本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されない。
【0012】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。本開示に示されたラップホルダは、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位のうち少なくとも1つを備える。
【0013】
(第1実施形態)
<1.ラップホルダの概要>
本実施形態は、一般家庭用の食品包装のラップ(例えば、「サランラップ(登録商標)」)に適用されるラップホルダに本開示に係るラップホルダの一例が適用されたものである。
【0014】
本実施形態に係るラップホルダ10は、図1に示されるように、ラップカートン1に着脱自在に装着されて利用されるものである。なお、ラップカートン1とは、図3に示されるように、薄膜状のラップ2が巻かれたラップロール3が収納されたケースである。
【0015】
ラップカートン1は、カートン本体4及び蓋部5等を有して構成されている。カートン本体4は、上部が開放された箱状の部位であって、ラップロール3が載置された部位である。蓋部5は、カートン本体4の上部開口部4Aを開閉する部位である。
【0016】
蓋部5の前側下端部には切断刃6が設けられている。切断刃6は、ラップ2を切断するための刃である。本実施形態に係る切断刃6は、鋸刃状のものである。
なお、一般家庭用の食品包装のラップは、通常、紙製のラップカートン1に収納された状態で販売されている。以下、特に断りをした場合を除き、ラップカートン1とは、ラップロール3が収納されたケースを意味する。
【0017】
<2.ラップホルダの詳細>
ラップホルダ10は、図1に示されるように、ホルダ本体11、付着部13、帯電促進部15及び押圧部17等を少なくとも備える。
【0018】
<ホルダ本体>
ホルダ本体11は、ラップカートン1の少なくとも一部を外側から覆うように、当該ラップカートン1に装着される部位である。当該ホルダ本体11は、箱部11A及び立ち上がり部11B等を有する。
【0019】
箱部11Aは、ラップカートン1の底部が挿入される部位であって、上部が開放された箱状の部位である。立ち上がり部11Bは、ラップカートン1の底部が箱部11Aに挿入された状態において、カートン本体4の前面壁に沿うように上方側に延びる板状の部位である。
【0020】
換言すれば、立ち上がり部11Bは、ラップカートン1のうち切断刃6が設けられた部位に沿うように上方側に延びる板状の部位である。なお、本実施形態では、箱部11A及び立ち上がり部11Bは、樹脂(例えば、アクリルやポリカーボネート等)にて一体成形された一体品である。
【0021】
<付着部>
付着部13は、立ち上がり部11Bに設けられている。当該付着部13は、静電気を利用してラップカートン1から引き出されたラップ2を付着させる部位である。つまり、付着部13は、ラップカートン1から引き出されたラップ2の帯電状態を利用し、静電気を帯びた当該ラップ2を付着させるための部位である。
【0022】
なお、本実施形態に係る付着部13は、アクリルやポリカーボネート等の樹脂材にて構成された板状の部材である。因みに、付着部13の下端辺には傾斜部13A、13Bが設けられている。傾斜部13A、13Bは、切断刃6の頂部を連ねた仮想線Loに対して傾斜した部位である。
【0023】
傾斜部13Aの傾斜の向きと傾斜部13Bの傾斜の向きとは、付着部13の長手方向中央に対して反対向きである。そして、傾斜部13A、13Bは、それぞれの左右方向略中央にて仮想線Loと交差するように傾斜している。
【0024】
なお、付着部13の長手方向中央下部には、上方側に向けて窪んだ凹部13Cが設けられている。凹部13Cは、付着部13に付着したラップ2を利用者が摘む際に利用される部位である。さらに、付着部13の端部のうち傾斜部13A、13B以外の部位には、テーパ部13d~13Fが設けられている。
【0025】
<帯電促進部>
帯電促進部15は、ラップ2の帯電を促進するための樹脂製の部位である。すなわち、帯電促進部15は、ラップカートン1にホルダ本体11が装着された状態において、ラップ2がラップカートン1から引き出される際に当該ラップ2と接触する部位に設けられた樹脂製の部位である。
【0026】
なお、本実施形態に係る帯電促進部15は、箱部11Aと協働してラップカートン1を上下方向から挟み込みようにして当該ラップカートン1を挟持する。つまり、帯電促進部15は、ホルダ本体11をラップカートン1に装着固定するための装着片としても機能する。
【0027】
そして、本実施形態に係る帯電促進部15は、図2に示されるように、付着部13が設けられた部位からラップロール3側に延びる板状の部位にて構成されている。なお、本実施形態に係る付着部13は、立ち上がり部11Bと一体成形された一体品である。
【0028】
<押圧部>
押圧部17は箱部11Aの側壁内面に設けられている。当該押圧部17は、箱部11Aに挿入されたラップカートン1に圧接する弾性変形可能な部位である。
【0029】
なお、押圧部17がラップカートン1に圧接するとは、例えば、押圧部17がラップカートン1を立ち上がり部11B側に押圧し、箱部11A内でラップカートン1が大きくがたつかない程度の押圧力を発揮することをいう。
【0030】
押圧部17は、箱部11Aと一体成形された一体品である。つまり、本実施形態では、箱部11A、立ち上がり部11B、帯電促進部15及び押圧部17は、樹脂(例えば、アクリルやポリカーボネート等)にて一体成形された一体品である。
【0031】
<3.本実施形態に係るラップホルダの特徴>
ラップロール3から引き出されたラップ2は、剥離帯電現象により帯電した状態となる。したがって、当該帯電したラップ2は、静電気により自動的に付着部13に付着する。したがって、ラップカートン1から引き出されたラップ2の巻戻りを確実に規制することが可能となり得る。
【0032】
当該ラップホルダ10では、ラップカートン1から引き出される際にラップ2と接触する部位に、当該ラップ2の帯電を促進する帯電促進部15が設けられている。これにより、ラップ2が確実に摩擦帯電するので、当該ラップ2を確実に付着部13に付着させることが可能となる。
【0033】
帯電促進部15は、ラップロール3側に延びる板状の部位にて構成されている(図2参照)。これにより、帯電促進部15によりラップロール3を押さえることが可能となり得る。したがって、ラップロール3の直径が小さくなった場合においても、ラップカートン1内におけるラップロール3の位置及び姿勢を適切な状態に保持でき得る。
【0034】
このため、引き出されるラップ2を確実に帯電促進部15に接触させることができ得る。延いては、ラップ2が確実に摩擦帯電するので、ラップ2を確実に付着部13に付着させることが可能となる。なお、「ラップロール3の位置及び姿勢の適切な状態」とは、少なくとも当該効果を得られる位置及び姿勢をいう。
【0035】
箱部11Aの側壁内面には、当該箱部11Aに挿入されたラップカートン1に圧接する押圧部17(図2参照)が設けられている。これにより、箱部11Aがラップカートン1より大きい場合であっても、ラップホルダ10をラップカートン1に確実に装着でき得る。
【0036】
さらに、ホルダ本体11は、弾性変形可能な樹脂材に構成されている。延いては、押圧部17の存在と相まって、様々な大きさのラップカートン1に対しても当該ラップホルダ10を確実に装着でき得る。
【0037】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係る付着部13には、傾斜部13A、13Bが設けられていた。しかし、本開示に係る付着部13の形状はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、傾斜部13A、13Bが設けられていない単純な矩形状の付着部であってもよい。
【0038】
上述の実施形態では、付着部13が設けられた部位からラップロール3側に延びる板状の帯電促進部15が設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、帯電促進部15が廃止された構成、又は付着部13が設けられた部位からラップロール3側に延びる部分が無い帯電促進部15であってもよい。
【0039】
上述の実施形態では、箱部11Aに挿入されたラップカートン1に圧接する押圧部17が設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、押圧部17が廃止された構成であってよい。
【0040】
上述の実施形態に係るラップホルダ10は、箱部11A及び立ちが上がり部11Bを有し、当該立ち上がり部11Bに付着部13が設けられた構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、付着部13がラップカートン1の前面に装着可能であれば十分である。
【0041】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0042】
1… ラップカートン
2… ラップ
3… ラップロール
4… カートン本体
5… 蓋部
6… 切断刃
10… ラップホルダ
11… ホルダ本体
11A… 箱部
11B… 立ち上がり部
13… 付着部
15… 帯電促進部
17… 押圧部
【要約】
【課題】 ラップカートンから引き出されたラップの巻戻りを規制することが可能なラップホルダの一例を開示する。
【解決手段】 ラップカートン1の少なくとも一部を外側から覆うように、当該ラップカートン1に装着されるホルダ本体11と、ホルダ本体11に設けられ、ラップカートン1から引き出されたラップ2の帯電状態を利用し、静電気を帯びた当該ラップを付着させる付着部13とを備える。そして、ラップロールから引き出されたラップは、剥離帯電現象により帯電した状態となる。したがって、当該帯電したラップは、静電気により自動的に付着部13に付着する。したがって、ラップカートン1から引き出されたラップの巻戻りを確実に規制することが可能となり得る。
【選択図】 図1
図1
図2
図3