(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】商品購入システム及び商品購入方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20231219BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20231219BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20231219BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07G1/00 301D
G07G1/12 321Z
G07G1/01 301D
(21)【出願番号】P 2022184024
(22)【出願日】2022-11-17
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】桂 啓介
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-185550(JP,A)
【文献】特開2012-194735(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0283925(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/00
G07G 1/12
G07G 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が商品を購入したい場合は、商品登録機の読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、その後、所定期間内に、前記顧客が前記商品コードを前記読み取り部の読み取り領域からフレームアウトさせることで、前記商品登録機の表示部は、前記商品を購入確定商品としてリストに表示し、
前記顧客が商品の購入を保留したい場合は、前記商品登録機の前記読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を顧客に報知するとともに、更に、前記読み取り部の読み取り領域に前記商品コードの読み取り状態のまま前記商品を所定時間維持することで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、前記商品登録機の表示部は、前記商品を購入保留商品としてリストに表示するように構成されている、商品購入システム。
【請求項2】
前記顧客が商品の購入を保留したい場合は、前記商品登録機の前記読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は第1読み取り完了音により顧客に報知するとともに、更に、前記読み取り部の読み取り領域に前記商品コードの読み取り状態のまま前記商品を所定時間維持することで、前記商品登録機は前記第1読み取り完了音とは異なる第2読み取り完了音により前記顧客に報知する、請求項1に記載の商品購入システム。
【請求項3】
前記購入保留商品は、前記購入確定商品と区別可能に前記表示部の画面上にリスト表示される、請求項1に記載の商品購入システム。
【請求項4】
前記顧客は、会計前は、前記商品登録機への操作を介して、購入確定商品、購入保留商品、及び購入キャンセル商品の間で商品のステータスを変更することができる、請求項1に記載の商品購入システム。
【請求項5】
店舗は、買い物エリアと会計エリアを含み、
前記顧客は、前記会計エリアにおいて、前記購入保留商品を所持している場合、商品のステータスを購入確定商品に変更するように、又は前記顧客が未購入商品を持って退店しないように第1警告メッセージを出力する、請求項4に記載の商品購入システム。
【請求項6】
店舗は、買い物エリアと会計エリアを含み、
前記顧客は、前記会計エリアにおいて、購入キャンセル商品を所持している場合、前記購入キャンセル商品を返却するように前記顧客に促す第2警告メッセージを出力する、請求項4に記載の商品購入システム。
【請求項7】
前記顧客が、前記会計エリアにおいて、前記購入保留商品及び購入キャンセル商品を所持している場合に、前記商品登録機又は精算機は、商品のステータスを購入確定商品に変更するように、又は前記顧客が未購入商品を持って退店しないように第1警告メッセージを出力するとともに、前記第1警告メッセージとは異なる、前記購入キャンセル商品を返却するように前記顧客に促す第2警告メッセージを出力する、請求項5又は6に記載の商品購入システム。
【請求項8】
前記第1及び第2警告メッセージは、前記商品登録機の商品登録データを前記精算機と連携したタイミングで出力させる、請求項7に記載の商品購入システム。
【請求項9】
前記商品登録機は、ショッピングカート、又は携帯端末に搭載される、請求項1に記載の商品購入システム。
【請求項10】
顧客が商品を購入したい場合は、商品登録機の読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、その後、所定期間内に、前記顧客が前記商品コードを前記読み取り部の読み取り領域からフレームアウトさせることで、前記商品を購入確定商品としてリストに表示させ、
前記顧客が商品の購入を保留したい場合は、前記商品登録機の前記読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を顧客に報知するとともに、更に、前記読み取り部の読み取り領域に前記商品コードの読み取り状態のまま前記商品を所定時間維持することで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、前記商品を購入保留商品としてリストに表示させる、
商品購入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は商品購入システム及び商品購入方法に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客は、店舗でショッピングカート等を移動させて買い物をし、セルフで会計を済ませて退店する、商品購入システムが開発されている。
【0003】
特許文献1には、予め設定された購入予定商品リストに含まれる商品のうち所望の商品について、前記ユーザが購入を保留状態とする旨を設定可能な保留設定手段が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうしたシステムにおいて、顧客は、会計を済ませるまで、商品を購入するか否かを考慮する場合もある。この場合、顧客は、購入保留商品のように、購入確定商品とは異なる内容の登録を行いたい場合、カート等の商品登録機に搭載された「保留」ボタンを押す、または商品コードとは別の「保留」コードを、商品登録機の読み取り部で読み込む等の別の操作を行う必要があった。
【0006】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、商品の購入の確定及び保留を容易に行うことができる商品購入システム及び商品購入方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様にかかる商品購入システムは、
顧客が商品を購入したい場合は、商品登録機の読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、その後、所定期間内に、前記顧客が前記商品コードを前記読み取り部の読み取り領域からフレームアウトさせることで、前記商品登録機の表示部は、前記商品を購入確定商品としてリストに表示し、
前記顧客が商品の購入を保留したい場合は、前記商品登録機の前記読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を 顧客に報知するとともに、更に、前記読み取り部の読み取り領域に前記商品コードの読み取り状態のまま前記商品を所定時間維持することで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、前記商品登録機の表示部は、前記商品を購入保留商品としてリストに表示するように構成されている。
【0008】
本開示の一態様にかかる商品購入方法は、
顧客が商品を購入したい場合は、商品登録機の読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、その後、所定期間内に、前記顧客が前記商品コードを前記読み取り部の読み取り領域からフレームアウトさせることで、前記商品を購入確定商品としてリストに表示させ、
前記顧客が商品の購入を保留したい場合は、前記商品登録機の前記読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を顧客に報知するとともに、更に、前記読み取り部の読み取り領域に前記商品コードの読み取り状態のまま前記商品を所定時間維持することで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、前記商品を購入保留商品としてリストに表示させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、商品の確定及び保留を容易に行うことができる商品購入システム及び商品購入方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】いくつかの実施の形態にかかる本商品購入システムを説明する図である。
【
図2】いくつかの実施の形態にかかるカートの構成を説明する図である。
【
図3】いくつかの実施の形態にかかる商品登録機の表示部の画面上の購入商品リストを説明する図である。
【
図4】いくつかの実施の形態にかかる商品のステータスを説明する図である。
【
図5】いくつかの実施の形態にかかる商品購入方法を示すフローチャートである。
【
図6】いくつかの実施の形態にかかる商品のステータスと警告メッセージの関係を説明する図である。
【
図7】いくつかの実施の形態にかかる警告メッセージの例を説明する図である。
【
図8】いくつかの実施の形態にかかる警告メッセージの例を説明する図である。
【
図9】いくつかの実施の形態にかかる警告メッセージの例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載および図面は、適宜、簡略化されている。
【0012】
実施の形態1
以下、
図1~
図3を参照して本実施の形態について説明する。
図1は、本商品購入システムの全体構成を説明する図である。
図2は、商品登録機を搭載可能なカートの一例を説明する図である。
図3は、商品登録機の表示部の例を示す。
本商品購入システムは、例えば、店舗において、ショッピングカート(
図1では、K1)等を持って買い物をする顧客C1が、購入するか否かを考慮している商品(購入保留商品とも呼ばれる)も登録することができる仕組みを提供する。
【0013】
顧客C1が商品(例えば、ビール)を購入したい場合は、商品登録機K10の読み取り部K11に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機K10は読み取り完了を顧客C1に報知する。その後所定期間内に、顧客C1が前記商品コードを前記読み取り部K11の読み取り領域RA1からフレームアウトさせることで、前記商品登録機の表示部K15は、前記商品(例えば、ビール)を購入確定商品としてリストに表示する。
【0014】
一方、顧客C1が商品(例えば、牛乳)の購入を保留したい場合は、前記商品登録機K10の前記読み取り部K11に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機K10は読み取り完了を顧客に報知する。更に、商品登録機K10は前記読み取り部K11の読み取り領域RA1に前記商品コードの読み取り状態のまま前記商品を所定時間維持することで、前記商品登録機K10は読み取り完了を前記顧客に報知し、商品登録機K10の表示部K15は、前記商品(例えば、牛乳)を購入保留商品としてリストに表示する。
【0015】
上記した読み取り完了を顧客に報知する方法は、音声による報知であってもよいし、表示部へのメッセージ表示などによる報知であってもよい。購入を保留する場合、1回目の読み取り完了と2回目の読み取り完了が報知されるが、これらの報知方法は、同一であってもよいし、異なってもよい。
【0016】
また、上記した商品登録機は、ショッピングカート、又は携帯端末に搭載され得る。商品登録機は、表示部、スピーカ、プロセッサ、メモリなどを有するコンピュータであり得る。携帯端末としては、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、スマートウォッチなどの、顧客が携帯しながら移動可能な各種デバイスであり得る。携帯端末の場合は、商品登録機の機能は、アプリとして携帯端末にインストールして利用され得る。また、この場合、後述する商品登録データは、携帯端末の記憶部に記憶されてもよいし、あるいは、携帯端末から管理サーバに無線通信され、管理サーバ内に格納されてもよい。
【0017】
言い換えると、顧客が、購入保留商品として購入登録しカートに入れる際に、購入保留対象商品そのものの商品コードを読み取る処理の中で区別する手段を提供する。具体的には、商品コードをスキャンした際、スキャン完了時にスキャン完了音1を出力後、一定の時間そのまま商品コードを読ませ続ける(商品を動かさない)ことで、「購入保留」商品として商品登録すると認識して、スキャン完了音2を追加出力させることを行う。なお、本例では、スキャン完了音1とスキャン完了音2は通常、異なる。
【0018】
また、いくつかの実施形態では、前記購入保留商品の支払処理(すなわち、会計)を実施する際に、顧客が購入確定商品としてステータス変更せず、購入保留商品または購入キャンセル商品のステータスのままの商品があった場合は、顧客が意図せずまたは意図的に未支払い品を持ち帰らないように警告メッセージを出力することができる。
【0019】
本商品購入システムにおいては、顧客はスーパーマーケット等の店舗へ入店後、買い物エリアで購入したい商品を、商品登録機にて自らスキャン(登録)しながらカートに入れていく。その後、顧客が全ての商品を選んだ後、会計エリアにおいてセルフで会計を行い、店舗の店員を介することなく退店することができる。本開示は特に、買い物エリアにおける商品の購入の確定と保留を容易に行うことに関する。
【0020】
実施の形態2
図1に示すように、本商品購入システムにおける店舗は買い物エリアAR1と会計エリアAR2とを含む。
【0021】
顧客C1が店舗で買い物を開始する場合、顧客C1は買い物エリアAR1に設置されているショッピングカートK1(以下、単にカートと称される)と共に移動する。顧客C1が買い物エリアAR1で購入したい商品を自ら登録しカートK1に入れた後、会計を行う場合は、顧客C1はカートK1と共に会計エリアAR2へ移動し、会計エリアAR2に設置されている精算機PY1で自ら会計処理を行う。顧客C1が会計エリアAR2において商品の購入を止めたい場合に対象商品を返却棚R1に返却する。
【0022】
図1に示すように、顧客の数に対応して多数のカートKが設けられる。また、多数のカートKに対応して多数の精算機PY及び返却棚Rが設けられている。
【0023】
図2はカートの構成を説明する図である。
カートK1には商品登録機K10が搭載されており、商品登録機K10は読み取り部K11が搭載されている。読み取り部は、商品コードを読み取り可能な、カメラなどの各種センサであり得る。読み取り部を起動させることで、例えば、表示部には、「商品コードを読み取ってください」、「2秒以上読み込ませることで購入保留商品として登録できます。ピピッと音が鳴ると登録完了です。」と表示され得る。
【0024】
読み取り部K11は読み取り領域RA1内にある商品の商品コード(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)などの各種識別コード)を読み取ることができる。また、読み取り完了した時にスピーカを介して出力音S1を出力し、その後所定時間(例えば、2秒以上)、商品を動かさないでそのまま商品コードを読み取り続けた時には出力音S2を出力する。出力音S1と出力音S2は、異なる音(例えば、「ピッ」及び「ピピッ」など異なるビープ音)、異なる音声(例えば、「読み取りが完了しました」、「購入保留商品として登録しました」)などであり得る。
図2では、例として、カートK1内に、商品PD1「ビール」と、商品PD2「牛乳」が入っている。また、店舗にある多数又は全てのカートKは、カートK1と同様に商品登録機、読み取り部、スピーカ等を備え得る。
【0025】
図3は、商品登録機の表示部の画面上の購入商品リストを説明する図である。
顧客C1が買い物エリアAR1で商品を読み取り機K11により購入商品として登録する場合、当該顧客C1が購入することを決めている「A.購入確定」商品と、購入するかどうかを迷っている「B.購入保留」商品とが存在しうる。そのため、
図2に示すカートK1に搭載された商品登録機K10は、「A.購入確定」商品と、「B.購入保留」商品とを区別するよう制御及び表示することができる。
【0026】
例えば、
図3においては、商品登録機K10の購入商品リストを示す画面300において、項目301には商品名「ビール」、価格情報「228円」及びその商品画像が購入確定商品として示されている。一方、項目302には商品名「牛乳」、価格情報「218円」及びその商品画像が購入保留商品として示されている。購入保留商品である牛乳には、保留アイコン303も表示されている。また、購入保留商品は、他の購入確定商品と区別できるように、例えば、商品名「牛乳」、価格情報「218円」を含む行全体領域310が所定の色(例えば、赤)でオーバーレイされ、文字314、315が白抜きで表示されていてもよい。なお、購入保留商品は、様々な方法により、購入確定商品と区別可能に表示部K15の画面300上にリスト表示され得る。
【0027】
図4は、本商品購入システムにおける商品のステータスの遷移を説明する図である。
顧客が商品の購入を止めたい場合は、商品登録機への操作等を介して、商品のステータスを「C.購入キャンセル」商品に変更することもできる。これにより、顧客は、商品をカートに入れながら、途中で、別の商品の方が、先に選んだ商品よりも購入したくなった場合に、先に選んだ商品のステータスを購入キャンセル商品に変更することもできる。また、顧客は、会計前であれば、(例えば、買い物エリアにおいて)商品登録機の画面上のタッチ操作等により、「B.購入保留」商品、「A.購入確定」商品、及び「C.購入キャンセル」商品の間で、商品のステータスを変更することができる。
【0028】
図6は、商品のステータスと警告メッセージの関係を説明する図である。
本商品購入システムでは、商品のステータスに応じて、様々な警告メッセージを出力することができる。例えば、顧客C1が会計エリアAR2の精算機PY1で精算を行う場合、精算対象外の位置づけとなる「B.購入保留」商品または「C.購入キャンセル」商品のステータスのままの状態がある場合は、商品登録機K10は、以下のような「警告メッセージ」を出力することができる。警告メッセージの一例は、精算されないままカートに入れっぱなしで退店されないよう、「A.購入確定」商品へのステータスの変更を顧客に促すことができる。また、警告メッセージの他の例は、「C.購入キャンセル」商品としてされている商品そのものをカートから取り出して、返却棚等に商品の返却を顧客に促すことができる。上記した警告メッセージの例は、単なる例示であり、様々な変形が考えられ得る。
【0029】
ここで、
図5のフローチャートを参照して、顧客C1が買い物エリアAR1内にある、購入することを決めている商品PD1または購入するかどうかを迷っている商品PD2を、商品登録機K10を用いて登録し、カートK1へ入れる場合をそれぞれ説明する。
【0030】
図1に示すように、本商品購入システムにおける店舗で顧客C1が買い物を開始するため、顧客C1は買い物エリアAR1に設置されているカートK1と共に移動する。顧客は、買い物エリアAR1において、商品棚から、購入したい商品を選ぶ(ステップS101)。
【0031】
購入することを決めている商品PD1については(ステップS102で購入確定)、顧客C1は、読み取り部K11の読み取り領域RA1へ商品PD1の商品コードをフレームインさせることで、読み取り部K11は商品コードの読み取りを開始する(ステップS103)。読み取りが完了した時に、商品登録機K10は、出力音S1を出力する(ステップS104)。顧客C1は、その出力音S1を聞き、読み取り領域RA1から該商品の商品コードをフレームアウトさせ、その後、当該商品をカートK1内へ入れる(ステップS105)。商品登録機K10は商品PD1が「A.購入確定」商品であると認識し、表示部K15の購入商品リストへ商品名、価格情報、商品画像(
図3では、ビール、228円)を表示する(ステップS106)。
【0032】
一方、購入するかどうかを迷っている商品PD2については(ステップS102で購入検討中)、読み取り部K11の読み取り領域RA1へ商品PD2の商品コードをフレームインすると、読み取り部K11は商品コードの読み取りを開始する(ステップS113)。読み取りが完了した時に、商品登録機K10は出力音S1を出力する(ステップS114)。ここまでは商品PD1時の処理と同一であるが、顧客C1は、その出力音S1を聞いた後も、読み取り領域RA1から商品PD2の商品コードをフレームアウトせず、商品PD2を動かさないままとする(ステップS115)。商品登録機K10は、商品PD2の商品コードを読み取った状態のまま、商品PD2を動かさないで、所定時間が経過すると、出力音S2を出力する(ステップS116)。顧客C1は、その出力音S2を聞き、読み取り領域RA1から商品PD2の商品コードをフレームアウトさせ、その後、商品PD2をカートK1内へ入れる。商品登録機K10は商品PD2が「B.購入保留」商品であると認識し、表示部K15の購入商品リストへ商品名、価格情報、商品画像と共に、「B.購入保留」商品であることが明確に分かるような表示(例えば、
図3のように保留アイコンや白抜き表示等)を行う(ステップS117)。
【0033】
なお、顧客C1がカートK1に入れている商品、つまり商品登録機K10に登録中の商品について、買い物エリアAR1で商品選定中に購入を止めたくなった場合は、顧客C1は商品登録機K10上で対象商品を「C.購入キャンセル」商品へステータスを変更することができる。
図4に示すように、「B.購入保留」商品、「A.購入確定」商品、及び「C.購入キャンセル」商品の各ステータスは、精算機PY1での会計前であれば顧客による商品登録機K10上の操作で相互に変更することができる。
【0034】
買い物エリアで買い物を続ける場合は(ステップS120で買い物を続ける)、上述のステップS101の処理に戻り、前述した一連の処理を繰り返す。一方、顧客C1が買い物エリアAR1で商品登録を済ませ、会計をする場合は(ステップS120で買い物終了)、会計エリアAR2に移動する(ステップS122)。
【0035】
ここで一般的には会計エリアAR2の精算機PY1で精算を行う前に、顧客C1は商品登録機K10の「B.購入保留」商品のステータスを「A.購入確定」商品または「C.購入キャンセル」商品に変更してから、精算を行うこととなる。しかし、顧客C1が、意図せずまたは意図的に「B.購入保留」商品のステータスのまま精算を開始した場合、商品登録機K10および精算機PY1は、
図7に示すように、「B.購入保留」つまり精算対象外商品にもかかわらず商品を持ったまま退店しないよう「警告メッセージ1」を出力することができる。例えば、
図7に示す第1警告メッセージ701には、『保留商品があります。「確定」又は「キャンセル」商品へ登録変更してください。「キャンセル」の場合は返却棚に商品を戻してください』と表記され得る。
【0036】
また、「C.購入キャンセル」商品に対しては、一般的には顧客C1は会計エリアAR2で対象商品をカートK1から取り出して、返却棚R1へ返却したうえで精算機PY1にて精算を開始する流れとなる。しかし、顧客C1が、意図せずまたは意図的に「C.購入キャンセル」商品のステータスのまま精算を開始した場合、商品登録機K10および精算機PY1は、
図8に示すように、「C.購入キャンセル」つまり精算対象外商品にもかかわらず未購入商品を持ったまま退店しないよう「警告メッセージ2」を出力する。例えば、
図8に示す第2警告メッセージ801には、『「キャンセル」商品があります。商品を戻しましたか?』と表記され得る。
【0037】
また、他の実施形態では、カート内に「B.購入保留」商品及び「C.購入キャンセル」商品がある場合は、商品登録機K10および精算機PY1は、
図9に示すように、上記した第1警告メッセージ701及び第2警告メッセージ801を表記した警告メッセージを出力することができる。
【0038】
上記した警告メッセージは、顧客C1が会計エリアAR2に移動し精算機PY1で精算するために、商品登録機K10の商品登録データを精算機PY1と、例えば、無線通信等により、連携(又は同期)したタイミングで、商品登録機K10及び精算機PY1の少なくとも一方に出力させることができる。連携及び同期方法の例としては、商品登録機K10の表示部K15にQRコード(登録商標)を表示し、精算機PY1の読み取り部でそのQRコード(登録商標)を読み取ることで実現してもよい。また、他の例では、RFIDやBluetooth、Wi-Fi等の無線通信により、商品登録機K10と精算機PY1の距離が一定範囲に近付いたことが検知されたとき、商品登録データの連携及び同期が実現されてもよい。商品登録データの「B.購入保留」、「C.購入キャンセル」商品の有無により、警告メッセージをする否か、および警告メッセージの種類が決まる。「A.購入確定」商品のみの場合は警告メッセージを出力しない。
【0039】
<効果の説明>
顧客は、「購入保留」商品としたい時の操作として、「購入保留」商品とするための追加操作なしで、商品コードを読み込む時間の違いのみで行うことができる。ここでいう、これまで必要であった追加操作としては、例えば、商品登録機の表示上の「保留」ボタンを押す、または商品コードとは別の「保留」コードを読み込む等の他の操作を行ってから、商品コードを読み込むという操作であり得る。
【0040】
店舗は、顧客が意図せずまたは意図的に、精算対象外商品となる購入保留商品または購入キャンセル商品を、店舗へ返却せず、精算しないまま所持し退店しないよう「警告メッセージ」を出力することができる。
【0041】
他の実施形態
店舗が用意したセルフカートおよび商品登録機の運用の他、顧客が個人的に所有するスマートフォンなどの各種携帯端末に、店舗の商品登録機にインストールされているものと同様のアプリを入れて、商品登録機と同様のデバイスとして使用することもできる。携帯端末は、表示部、スピーカ、タッチ入力パネル又はボタンなど操作部、プロセッサ、メモリなどを有する汎用コンピュータであり得る。
【0042】
他の実施形態では、読み取り部が、商品コード読み取り後、読み取り完了音を出力し、その後、読み取り領域からフレームアウトせずに所定時間が経過した後に購入保留商品の登録完了を示す出力音を出力し、さらに商品コードをフレームアウトせず所定時間が経過した場合は、顧客が意図せず読み取り続けていると判断し、エラーメッセージを出力することもできる。また、更に他の実施形態では、1回目の読取り完了は保留商品として登録し、2回目の読取り完了は確定商品として登録してもよい。
【0043】
商品コード読み取り完了後の出力音、および読み取り完了後の保留確定後の出力音は「読み取り完了しました」、「保留商品として登録しました」等の、音声メッセージでの案内とすることもできる。
【0044】
さらに、上述した様々な実施の形態において、商品購入システムにおける処理の手順を説明したように、本開示は商品購入方法としての形態も採り得る。この商品購入方法は、次のステップを含む。顧客が商品を購入したい場合は、商品登録機の読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知するステップと、その後、所定期間内に、前記顧客が前記商品コードを前記読み取り部の読み取り領域からフレームアウトさせることで、前記商品を購入確定商品としてリストに表示させるステップと、前記顧客が商品の購入を保留したい場合は、前記商品登録機の前記読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を顧客に報知するとともに、更に、前記読み取り部の読み取り領域に前記商品コードの読み取り状態のまま前記商品を所定時間維持することで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、前記商品を購入保留商品としてリストに表示させるステップと、である。なお、その他の例については、上述した様々な実施の形態で説明した通りである。
【0045】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0046】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
顧客が商品を購入したい場合は、商品登録機の読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、その後、所定期間内に、前記顧客が前記商品コードを前記読み取り部の読み取り領域からフレームアウトさせることで、前記商品登録機の表示部は、前記商品を購入確定商品としてリストに表示し、
前記顧客が商品の購入を保留したい場合は、前記商品登録機の前記読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を顧客に報知するとともに、更に、前記読み取り部の読み取り領域に前記商品コードの読み取り状態のまま前記商品を所定時間維持することで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、前記商品登録機の表示部は、前記商品を購入保留商品としてリストに表示するように構成されている、商品購入システム。
(付記2)
前記顧客が商品の購入を保留したい場合は、前記商品登録機の前記読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は第1読み取り完了音により顧客に報知するとともに、更に、前記読み取り部の読み取り領域に前記商品コードの読み取り状態のまま前記商品を所定時間維持することで、前記商品登録機は前記第1読み取り完了音とは異なる第2読み取り完了音により前記顧客に報知する、付記1に記載の商品購入システム。
(付記3)
前記購入保留商品は、前記購入確定商品と区別可能に前記表示部の画面上にリスト表示される、付記1に記載の商品購入システム。
(付記4)
前記顧客は、会計前は、前記商品登録機への操作を介して、購入確定商品、購入保留商品、及び購入キャンセル商品の間で商品のステータスを変更することができる、付記1に記載の商品購入システム。
(付記5)
店舗は、買い物エリアと会計エリアを含み、
前記顧客は、前記会計エリアにおいて、前記購入保留商品を所持している場合、商品のステータスを購入確定商品に変更するように、又は前記顧客が未購入商品を持って退店しないように第1警告メッセージを出力する、付記4に記載の商品購入システム。
(付記6)
店舗は、買い物エリアと会計エリアを含み、
前記顧客は、前記会計エリアにおいて、購入キャンセル商品を所持している場合、前記購入キャンセル商品を返却するように前記顧客に促す第2警告メッセージを出力する、付記4に記載の商品購入システム。
(付記7)
前記顧客が、前記会計エリアにおいて、前記購入保留商品及び購入キャンセル商品を所持している場合に、前記商品登録機又は精算機は、商品のステータスを購入確定商品に変更するように、又は前記顧客が未購入商品を持って退店しないように第1警告メッセージを出力するとともに、前記第1警告メッセージとは異なる、前記購入キャンセル商品を返却するように前記顧客に促す第2警告メッセージを出力する、付記5又は6に記載の商品購入システム。
(付記8)
前記第1及び第2警告メッセージは、前記商品登録機の商品登録データを前記精算機と連携したタイミングで出力させる、付記7に記載の商品購入システム。
(付記9)
前記商品登録機は、ショッピングカート、又は携帯端末に搭載される、付記1に記載の商品購入システム。
(付記10)
前記顧客が商品の購入を保留したい場合は、前記商品登録機の前記読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を顧客に報知するとともに、更に、前記読み取り部の読み取り領域に前記商品コードの読み取り状態のまま前記商品を所定時間維持することで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、前記商品登録機の表示部は、前記商品を購入保留商品としてリストに表示し、更に、所定時間以上前記商品コードの読み取り状態が継続した場合は、エラーを報知するように構成されている、付記1に記載の商品購入システム。
(付記11)
顧客が商品を購入したい場合は、商品登録機の読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、その後、所定期間内に、前記顧客が前記商品コードを前記読み取り部の読み取り領域からフレームアウトさせることで、前記商品を購入確定商品としてリストに表示させ、
前記顧客が商品の購入を保留したい場合は、前記商品登録機の前記読み取り部に、当該商品の商品コードを読み込ませることで、前記商品登録機は読み取り完了を顧客に報知するとともに、更に、前記読み取り部の読み取り領域に前記商品コードの読み取り状態のまま前記商品を所定時間維持することで、前記商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、前記商品を購入保留商品としてリストに表示させる、
商品購入方法。
【符号の説明】
【0047】
AR1 買い物エリア
AR2 会計エリア
C 顧客
K1 カート
K10 商品登録機
K11 読み取り部
K15 表示部
PD 商品
PY 精算機
R 返却棚
RA1 読み取り領域
301 商品画像
302 商品画像
303 保留アイコン
300 画面
700 画面
701 第1警告メッセージ
800 画面
801 第2警告メッセージ
900 画面
【要約】
【課題】商品の確定及び保留を容易に行うことができる商品購入システム等を提供する。
【解決手段】顧客が商品を購入したい場合は、商品登録機K10の読み取り部K11に当該商品の商品コードを読み込ませることで、商品登録機は読み取り完了を前記顧客に報知し、その後所定期間内に顧客が商品コードを読み取り部の読み取り領域からフレームアウトさせることで、商品登録機の表示部K15は商品を購入確定商品としてリストに表示し、顧客が商品の購入を保留したい場合は、商品登録機の前記読み取り部に当該商品の商品コードを読み込ませることで、商品登録機は読み取り完了を顧客に報知するとともに、更に読み取り部の読み取り領域に商品コードの読み取り状態のまま商品を所定時間維持することで、商品登録機は読み取り完了を顧客に報知し、商品登録機の表示部は商品を購入保留商品としてリストに表示する。
【選択図】
図5