(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】導波路の側面照射のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/26 20060101AFI20231219BHJP
G02B 6/02 20060101ALI20231219BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G02B6/26
G02B6/02 411
G02B6/42
(21)【出願番号】P 2022535153
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(86)【国際出願番号】 US2020064053
(87)【国際公開番号】W WO2021119153
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-06-08
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522228735
【氏名又は名称】エガロン,クラウディオ,オリヴェイラ
【氏名又は名称原語表記】EGALON, CLAUDIO, OLIVEIRA
【住所又は居所原語表記】4117 TIVOLI AVENUE, LOS ANGELES, CA 90066, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】エガロン,クラウディオ,オリヴェイラ
【審査官】堀部 修平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0034457(US,A1)
【文献】特開2013-113890(JP,A)
【文献】国際公開第2011/119104(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0054263(US,A1)
【文献】米国特許第08463083(US,B2)
【文献】米国特許第04898444(US,A)
【文献】中国特許出願公開第110231714(CN,A)
【文献】特開平02-141640(JP,A)
【文献】米国特許第05894535(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02-6/10
6/26-6/27
6/30-6/34
6/42-6/44
G01M 11/00-11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1末端面と第2末端面との間に側面を有する集光導波路の前記側面を照射する、異な
る入射角度を試験する方法であって、
異なる入射角度で、
ビームを
前記集光導波路の
前記側面
に照射する
照射装置を提供するステップ;
および
前記
集光導波路を照射することに応答して、
前記集光導波路の前記第1末端面
又は前記第2末端面の一方で発せられる
前記ビームの強度から、所望の入射角度を決定するステップ、を含む、方法。
【請求項2】
前記ビームが、電磁波
を含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記集光導波路が、円筒形光ファイバまたはテーパ形光ファイバである、請求項
1に記載の方法。
【請求項4】
前記照射装置が、平行光源を備えたゴニオメーターである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記照射装置が、前記集光導波路の支持体であり、前記支持体は異なる角度で配置された少なくとも1つの孔を有し、前記孔が光源から光を前記集光導波路に向けて導く、請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
第1
末端面と第2
末端面との間に配置された側面を有する集光導波路中に、光のビームをカップリングさせるためのシステムであって、前記システムが、
前記ビームを生成するように構成された光源と、
前記ビームを、前記集光導波路の前記側面に向けて、直角ではない複数の異なる角度で
配向するように構成された
照射装置と、
前記集光導波路の前記第1末端面及び/又は前記第2末端面にある検出器と、を備える
、システム。
【請求項7】
前記集光導波路は、前記ビームが
支持体内の孔に沿って
前記集光導波路の前記側面に向かって伝播するように前記
支持体の上部に取り付けられている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記孔が、
前記支持体の
前記上部から前記
支持体の底部に向かって角度がつけられている、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
法線から外れた複数の異なる角度で前記集光導波路の前記側面に向かって前記ビームを配向するように構成されたゴニオメーターをさらに備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記照射装置の少なくとも1つの前記孔の各々は、照射導波路で満たされている、請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記照射装置の少なくとも1つの前記孔の各々は、照射導波路で満たされている、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記孔が、円筒形状または円錐形状のうちの1つである、請求項5に記載の方法。
【請求項13】
前記孔が、円筒形状または円錐形状のうちの1つである照射導波路で満たされている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記照射導波路は、前記照射導波路の軸に対して垂直または角度をなす端面を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記孔は、前記集光導波路に対して垂直であり、前記孔は、照射導波路で満たされ、前記照射導波路は法線から外れた角度に向かって前記光を屈折させるような角度の遠位端面を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記孔が、円筒形状または円錐形状のうちの1つである、請求項7に記載のシステム。
【請求項17】
前記孔が、円筒形状または円錐形状のうちの1つである照射導波路で満たされている、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記照射導波路は、前記照射導波路の軸に対して垂直または角度をなす端面を有する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記孔は、前記集光導波路に対して垂直であり、前記孔は、照射導波路で満たされ、前記照射導波路は法線から外れた角度に向かって前記光を屈折させるような角度の遠位端面を有する、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年12月9日に出願された米国仮出願第62/945,584号に対する優先権を主張する。本明細書で特定されるすべての外部資料は、その全体が参照により援用される。
【0002】
本発明の分野は、一般に、導波路の側面カップリング、側面照射、または側面注入(軸方向カップリング、軸方向照射または軸方向注入とは対照的)に関する。より詳細には、本発明の分野は、側面カップリング、側面照射、または側面注入によって、導波路に沿って任意の波のカップリングを増加させ、その結果、伝送を増加させることに関する。さらに、本発明は、以下の波の、それぞれの導波路に沿った、側面カップリングによる、シグナル伝送の増加に関する:
a.電波、マイクロ波、赤外線、可視光線、紫外線、X線、およびガンマ線などの電磁波、
b.音響、低周波、および超音波などの音響波、
c.物質波、ならびに
d.その他あらゆる種類の波。
【背景技術】
【0003】
背景の説明には、本発明を理解する上で有用であり得る情報が含まれている。本明細書で提供される情報のいずれかが先行技術であるかまたは現在請求されている発明に関連していること、あるいは具体的または暗黙的に参照される刊行物が先行技術であること、を認めるものではない。
【0004】
現在、光ファイバなどの導波路の横からの(側面)照射は、導波路側面の法線に対して0度の角度で行われるのが一般的である。しかし、このようなタイプの照射では、導波路に沿って入射および伝送される光はごく一部となり、(1)短い伝播長(例えば、最大2メートル)、(2)低シグナルの光ファイバセンサ、その結果としての低感度および低分解能、ならびに(3)低効率カプラーなど、の原因となる可能性がある。
【0005】
側面照射型光ファイバおよび側面照射型導波路については、一般にほとんど研究されていない。Egalon(米国特許第8,463,083号、第8,909,004号、および第10,088,410号)は、側面照射型光ファイバを開示している。Pulido and Esteban(C.Pulido,O.Esteban,"Multiple fluorescence sensing with lateral tapered polymer fiber",Sensors and Actuators B,157(2011),pp.560-564)は、側面照射型蛍光クラッド光ファイバを開示している。カップリング蛍光がより高くなる照射角度を測定するために、ゴニオメーターが使用されている。最後に、Grimesら(米国特許第4,898,444号)は、フレネル反射による損失を最小化するために、接続媒体を用いて第2ファイバを横から照射するために使用される第1ファイバ、を開示している。
【0006】
これらおよび本書で論じる他のすべての外部資料は、参照することによりその全体が援用される。援用される参考文献における用語の定義または使用が、本明細書に規定されるその用語の定義と矛盾するかまたは反対である場合、本明細書に規定されるその用語の定義が適用され、参考文献におけるその用語の定義は適用されない。
【0007】
これらの参考文献は、側面照射導波路の分野に貢献しているが、側面照射によって導波路にカップリングする改良されたシステムおよび方法に対する必要性が依然として存在する。
【0008】
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様および利点は、同様の番号が同様の構成要素を表す添付の図面図とともに、以下の実施形態の詳細な説明から、より明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0009】
本発明の主題は、側面照射によって導波路(例えば、光ファイバ)中にカップリングされる光量を数倍に増加させる装置、システム、および方法を提供することである。また、導波路の側面の法線に対する側面照射角度が非常に急な(steep)場合、この量を最大100倍まで増加させることが可能であることが、側面照射の実験により測定されている。以下の利点が認識されている:
a.カップリング効率が高くなると、前記ファイバに沿った伝播長が長くなる;
b.より高い感度と優れた分解能を有する光ファイバセンサ;
c.より高効率の側面照射型カプラー;および
d.光を注入するレンズが不要な、よりシンプルな構成。
【0010】
さらに、カップリング効率を向上させることにより、以下の利点が得られる:
i.強度の低い安価な光源を、ファイバセンサやカプラーなどの一般的な導波路デバイス一と組み合わせて使用することが可能になる。
ii.導波路に沿って光の長距離伝播を必要とするアプリケーションなど、側面照射型導波路のより広い範囲のアプリケーションが、利用可能になる。
iii.カップリング効率の向上により、より大きなシグナルが得られるため、感度がより低く、低コストの検出システムが必要となる。
【0011】
したがって、本発明の実施形態は、先行技術よりも、よりシンプルであり、より多くの光を運ぶ側面照射型導波路を提供する。1つまたは複数の態様の、これらおよびその他の利点は、確実なものにするための説明および添付の図面の考察から、明らかになる。
【0012】
簡潔にするため、本明細書では、以下の用語が、それぞれの広い意味で使用される:
a.光は、電磁波、音響波、物質波など、あらゆるタイプの波として定義される。
b.ファイバオプティックスは、波を導くことができる任意のタイプの導波路構造体として定義される。物質波の場合、レーザービームは、その長さにそって物質波を捕捉して導くことができるので、導波路とみなすこともできる。
c.導波路の側面は、導波路内の波の伝播全体に対して平行な面を指す。
d.導波路の末端は、導波路内の波の伝播全体に対して垂直な導波路の面を指す。
e.「側面照射」という用語は、任意のタイプの導波路への任意のタイプの波の側面照射、側面カップリング、および側面注入と同義語として用いられる。また、側面照射は、導波路の側面の照射と呼ばれる。側面照射は、導波路の末端を照射する軸方向照射と対照的である。
【0013】
以下は、本明細書に記載され示される実施形態の概要である:
a.
図1に示される第1の実施形態は、非接続媒体(空気、真空、水など)を通って集光導波路に向かって伝播する、レーザーなどの光源からの平行光を説明するものである。光は、導波路表面の法線に対して85度という高角度で集光導波路の側面に入射するが、より低い角度でも許容可能な結果が得られる。
b.第2の実施形態は、必ずしも平行化されて(collimated)いない光源を使用し、この光源は、光源から集光導波路の表面に向かって、ストリップを貫通して開けた孔またはトンネルを通って伝播する光を放射する。この孔は光を導き、導波路表面の法線に対して最大85度の角度を成すことができるが、これより低い角度でも許容できる結果を得ることができる。孔の断面は、その長さに沿って均一なものとテーパ状のものがあり、
図6のような円形断面を有する円筒孔、長方形断面、正多角形や不規則多角形からなる断面など、任意の形状を有してもよい。テーパ孔は、その名が示すように、好ましくは、光源から集光導波路(側面照射される導波路)の側面に向かって、断面寸法が大きくなっている。
図7に示すようなストリップに開けられた円錐形孔は、このテーパ形状の一例で、小さい方の直径が光源に面し、大きい方の直径が集光導波路の側面に面している。他の断面形状も、許容される。孔またはトンネルの内壁は、側面照射される集光導波路に向かって導かれる光量を増やすために、研磨されるか、または反射材料でコーティングされ得る。これらのすべての場合において、前記孔またはトンネルは、集光導波路の側面の法線に対して最大85度の角度を成す。
c.第3の実施形態は、
図9~
図10に示すように、光源からの光を集光導波路に向けて導くために、第2導波路である照射導波路を用いる。この照射導波路は、集光導波路の側面の法線に対して急角度となるように斜め方向に配置される。前記照射導波路は、前項目の孔と同様の断面(円筒ファイバのように均一な断面、または円錐ファイバのように光源から集光導波路の表面に向かって断面寸法が大きくなるような断面)を有し得る。光源から、照射される集光導波路の側面へ導かれる光の量を増やすために、前記照射導波路の表面は、反射材料でコーティングされ得る。光源に面する照射導波路の近位端は、好ましくは、光源の表面に接して(tangent to)おり、一方、前記集光導波路に面する末端は、好ましくは、前記照射導波路の軸に対して垂直である。
d.第4の実施形態は、
図12~13に示すように、光を光源から集光導波路に向けて導くために、直立照射導波路を用いる。この照射導波路は、光源からの光を、より急な角度で集光導波路に向けるために、水平線に対して角度を成す末端を有する。この構成は、斜め導波路と孔の構成(上記b、cの項目)に比べて、長手方向の占有スペースが少ないという利点がある。
e.第5の実施形態は、第3および第4の構成の特徴を統合する、
図15~16に示されるような角度で末端を有する斜め照射導波路である。
【0014】
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様、および利点は、同様の番号が同様の構成要素を表す添付の図面図と共に、好ましい実施形態の以下の詳細な説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】平行光ビームにより集光導波路を照射する、レーザーポインタなどの光源の1つの実施形態の斜視図である。前記光源はゴニオメーター上に取り付けられ、異なる角度θ、位置xで前記集光導波路を照射し得る。
【
図2】
図1の設定に従って、前記集光導波路に沿った3つの異なる位置xに関して、集光導波路表面の法線に対する照射角度θについての光強度のプロットであり、前記集光導波路はテーパ形状を有している。位置xは、光検出器に最も近い導波路の先端(端部)を基準として測定されている。すべての場合において、ある角度まで、照射点での導波路のテーパ角度にも依存し得る角度に対する、指数関数的な強度の増加が見られる。
【
図3】
図2に示されたプロットを、対数スケールでプロットしたものである。
【
図4】集光導波路がテーパ形状を有する、
図1の設定に従った、照射角度と、集光導波路に沿った位置とに対する強度のプロットである。
【
図5】所与の位置xに対する、最大強度I
最大と、照射のゼロ度角における強度I
0との間の比、すなわちI
最大/I
0°のプロットである。
【
図6】集光導波路を照射するために特定の角度でそれぞれ円筒形孔を有する、ストリップの斜視図である。
【
図7】集光導波路を照射するための円錐形孔を有するストリップの1つの実施形態の斜視図である。
【
図8A】斜め円筒形照射導波路の1つの実施形態を示す説明図である。
【
図8B】斜め円錐形照射導波路の1つの実施形態を示す説明図である。
【
図9】斜め円筒形照射導波路を有する支持体の斜視図である。
【
図10】斜め円錐形照射導波路を有する支持体の斜視図である。
【
図11A】直立円筒形照射導波路を示す説明図である。
【
図12】いくつかの直立円筒形照射導波路を有する、支持体の斜視図である。
【
図13】いくつかの直立円錐形照射導波路を有する、支持体の斜視図である。
【
図14A】円筒形照射光導波路を示す説明図である。
【
図17】予め決められた角度で集光導波路を照射するために固定角度で取り付けられた光源の配列を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明は、本発明の主題の例示的な実施形態を提供する。各実施形態は、発明要素の単一の組み合わせを示すが、本発明主題は、開示された要素のすべての可能な組み合わせを含むと見なされる。したがって、ある実施形態が要素A、B、およびCを含み、第2の実施形態が要素BおよびDを含む場合、本発明の主題はまた、たとえ明示的に開示されていなくても、A、B、C、またはDの、他の残りの組み合わせも含むものと見なされる。
【0017】
図1は、本発明課題の一実施形態を示している。光源100は、平行光ビーム120で集光導波路110の側面を照射する。平行光ビーム120の一部分は、集光された光ビーム130として集光導波路110中にカップリングされ、かかる集光された光ビーム130は、集光導波路110の先端に向かって導かれ、光検出器140が、集光された光ビーム130の光強度を測定する。
【0018】
図1に示されるように、集光導波路10は円筒形であり得る。しかし、集光導波路110がテーパ形状(例えば、その長さに沿って減少する直径を有する円筒体)を有し得ることが企図される。集光導波路110は、波(例えば、電磁波、音響波、または粒子波)を受信および誘導することができる任意の材料の、光ファイバまたは任意の他の構造体であり得ることが企図されている。同様に、前記光源は、電磁波、音響波、または粒子波など任意のタイプの波の、発生源であり得る。さらに、
図1には光ビーム120が示されているが、任意のタイプの波(例えば、電磁波;音響波;物質波または他の任意のタイプ)が企図される。
【0019】
光源100は、異なる角度θで導波路110を照射するように光源100を位置決めすることができるゴニオメーター150上に取り付けられている。ゴニオメーター150は、最も多くの光量を集光導波路110中にカップリングする照射角度を測定するために、使用され得る。
図1に示すように、集光導波路110の照射点160は、ゴニオメーター150の軸と一致する。光ビーム120は、50度の照射角度θで集光導波路を照射するものとして示されているが、照射角度は1~89度、より好ましくは40~60度であることが企図される。テーパ状である集光導波路110を有する実施形態では、正確な角度は、(1)照射点における集光導波路のテーパ角度、および(2)急角度で集光導波路を照射することの実用性、によって異なることを理解されたい。
【0020】
図2は、
図1のゴニオメーターで得られた一連の実験結果である。テーパ状の集光導波路、このケースでは光ファイバを、いくつかの異なる角度で、かつx=12cm、x=16cm、x=18cmの3つの異なる位置で、照射した。
図1に示すように、位置xは、光検出器140に最も近い集光導波路110の端部から、集光導波路100の長さに沿った位置(例えば、12cm、16cm、18cmなど)まで測定される。収集されたデータは、集光導波路中への最大カップリングの角度θ
最大が約83度であることを示す。この構成を理論的にモデル化すると、この最大カップリング角は、側面照射型集光導波路のテーパ角の違いによって異なる、言い換えれば、照射点における集光導波路の側面の法線に対する角度の関数である、ことがわかる。また、
図2は、シグナルにおける増加が、最大カップリングの角度まで、指数関数的であることを示している。
【0021】
図3は、対数スケールの強度軸を有する、
図2の同じデータを示し、角度とともに強度の指数関数的増加が確認される、このスケールにおける、強度の明らかな直線的増加が示されている。
【0022】
図4は、位置xと照射角度とに対する強度を示している。最も高い強度I
最大は139,320Hzで、位置x=18cm、照射角度θ
最大=83度で発生している。
【0023】
図5は、各照射位置xにおける最大強度I
最大と、0度角度の強度(または法線照度)l
0oとの比であるI
最大/I
0°をプロットしたもので、このデータによると、17cm、20cm、および13cmの位置で3つの大きな比が生じ、それぞれの値は92.56、89.06、および82.11とほぼ100倍である。これらの明確な変化は、集光導波路に沿って見られる、異なるテーパ角によるものである。
【0024】
図6は、予め決められた角度で集光導波路210を側面照射するために使用され得るストリップ270の斜視図である。ストリップ270は、特定の角度でいくつかの円筒形孔280を有する。円筒形孔280の各々は、それぞれの光源200から第1端部282を通って第2端部283(そこから光285は、集光導波路210に伝送される)に光285を運ぶように設計されている。光源200は、光源200の配列を形成する支持体201に、取り付けられる。円筒形孔280のそれぞれの内壁281は、好ましくは、それぞれの光源200からの光285を集光導波路210へより良好に導くために、研磨されるかまたは反射面でコーティングされることが、企図される。
【0025】
図2、
図3、
図4に示すように、一般に、集光導波路軸の法線に対する照射角度θが急であるほど、前記集光導波路中へのカップリング度は高くなる。この場合、円筒形孔280の各々の角度は同じであるように図示されているが、異なる角度を設定することができることが企図される。さらに、または代替的に、円筒形孔280によって提供される照射角度θは、1~89度の間であり、より好ましくは、40~60度の間であることが企図される。
【0026】
図7は、それぞれの光源300から集光導波路310に向かって広がる円錐形孔390、を有するストリップ370の1つの実施形態を示す。前記円錐形孔390は、光源300からの光385のコリメーションを増加させる能力を有するため、円筒形孔280のより良い代替であることを理解されたい。
図7に示すように、円錐形孔390の直径は、第1端部382から第2端部383まで増加する。光源300は、光源300の配列を形成する支持体301に、取り付けられている。円錐形孔390のそれぞれの内壁381は、好ましくは、それぞれの光源300から光385を集光導波路310へ、より良好に導くために、研磨されるかまたは反射面でコーティングされることが企図される。
【0027】
図8Aは、斜め円筒形照射導波路(例えば、光ファイバ)410を示し、
図8Bは、斜め円錐形照射導波路(例えば、光ファイバ)550を示す。これらの近位端420および520は、光源に面し、一方、それらの末端430および530は、集光導波路に面する。いずれの場合も、近位端420および520は、光源からの集光を増加させるために、研磨され、光源の表面に対して平行であるかまたは接している(tangent to):言い換えると、近位端は必ずしも平坦である必要はない。一方、末端430および530は、集光導波路への照射導波路の出力を減少させるフレネル反射の量を少なくするために、照射導波路の軸に対して垂直である。
【0028】
図9は、集光導波路610を照射するために支持体640の内部に配置される、
図8Aの斜め円筒形照射導波路410を示す。円筒形照射導波路410は、集光導波路610中にカップリングされる光685の量を増加させるために、集光導波路610の側面に対して、予め決められた角度で配置される。前記予め決められた角度は、1~89度の間であり、より好ましくは40~60度の間であることが企図される。光685は光源600から、円筒形照射導波路410を通って、最終的に集光導波路610に到達するように伝播することが、示されている。照射角度θは、1~89度の間であり、より好ましくは、40~60度の間であることが企図される。
【0029】
図10は、支持体740に設置された
図8Bの斜め円錐形照射導波路550を示す。円錐形照射導波路550は、集光導波路710中にカップリングされる光785の量を増加させるために、集光導波路710の側面に対して予め決められた角度で、配置される。前記予め決められた角度は、1~89度の間であり、より好ましくは40~60度の間であることが企図される。円錐形照射導波路550は、好ましい照射角度θで集光導波路710を照射するために使用され、前記照射角度θは、1度から89度の間であり、より好ましくは、40度から60度の間であることが企図されている。前述したように、円錐形照射導波路550の円錐形状は、光源700からの光785を平行化させるのに有用である。
【0030】
図11Aは、直立円筒形照射導波路(例えば、光ファイバ)860を示し、
図11Bは、直立円錐形導波路(例えば、光ファイバ)980を示す。これらの導波路は、水平面に対して角度を成すそれぞれの末端830および末端930を有する。この特徴は、集光導波路の表面の法線に対して予め決められた角度に照射光を屈折させるように、設計されている。この角度である参照符号870および参照符号970は、集光導波路の表面の法線に対して高入射角度を成すのに十分なほど急であり、かつ、それぞれの末端830および末端930の界面で照射光の全内反射を防止するのに十分なほど浅いことが好ましい。参照符号870および参照符号970の最大角度は、(1)照射導波路860および照射導波路980の屈折率、および(2)末端830および末端930での照射光の入射角度、によって異なる。1.5の屈折率、および照射導波路860と照射導波路980の軸に平行な照射光の入射角度の場合、参照符号870および参照符号970の角度は41.8度を超えないことが企図される。
【0031】
直立照射導波路の直立性により、
図6、7、9、および10の対応する支持体と比較して、より小さな支持体を使用することができるので、直立照射導波路が有益であることを理解されたい。
【0032】
図12および
図13は、照射導波路860および照射導波路980が、それぞれの支持体1040および支持体1140に設置された状態を示す。
図12および13に示すように、光1085および光1185は、最初に、光源1000および光源1100からそれぞれの照射導波路(860および980)の軸に沿って末端830および末端930まで伝播し、この末端で向きを変え、集光導波路1010および集光導波路1110に向かい、予め決められた照射角度θでの照射が生じる。この照射角度θが1~89度、より好ましくは40~60度の間にあることが、企図されている。
【0033】
図14Aおよび
図14Bは、
図8A-Bおよび
図11A-Bの、それぞれの斜めおよび直立光ファイバの特徴を組み合わせた照射導波路(例えば、光ファイバ)の異なる構成1282および1384を、図示している。このハイブリッド構成では、集光導波路の照射角度をさらに大きくするために、
図8A-Bの導波路の斜めの構成および近位端1220、近位端1320と、
図11A-Bの角度のある末端1230、末端1330とが組み合わされている。
【0034】
図15および
図16は、それぞれの支持体1440および支持体1540の内部に配置された照射導波路1282および照射導波路1384と、それぞれの照射光1485および照射光1585の挙動とを示す。これらの図において、光1485および光1585は、
a.光源1400および光源1500から伝播し;
b.近位端1220および近位端1320に対してそれぞれ0~89度の間の角度、より好ましくは40~60度の間の角度で、照射導波路1282および照射導波路1384の近位端1220および近位端1320で入射し;
c.照射導波路1282および照射導波路1384を通って末端1230および末端1330へ伝播し;そして、
d.集光導波路1410および集光導波路1510の表面の法線方向に対して1~89度の間の角度で、より好ましくは40~60度の間の角度で、集光導波路1410および集光導波路1510の表面へ、屈折される。
【0035】
図17は、集光導波路1610を直接照射する傾斜光源1601の実施形態を示す。この構成により、他の実施形態における支持体の必要性がなくなることを理解されたい。傾斜光源1601は、プリント回路基板上に設置され得ることが企図される。傾斜光源1601は、予め決められた照射角度θで、光1685により集光導波路1610を照射するために、固定角度で取り付けられている。この照射角度θは、1~89度の間、より好ましくは、40~60度の間であることが企図される。光1685は、非接続媒体(unbound medium)を通って伝送されることを理解されたい。企図された非接続媒体には、空気、真空、および水が含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
すべての図において、光源からの光は平行化されていることが示されているが、これは本発明の要件ではない。
【0037】
本明細書および以下の特許請求の範囲全体で使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「前記(the)」の意味は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の参照を含む。また、本明細書で使用される場合、「中(in)」の意味は、文脈が明らかに他に指示しない限り、「中(in)」および「上(on)」を含む。
【0038】
当業者には、本明細書の発明概念から逸脱することなく、既に説明したもの以外の多くの変更が可能であることが明らかであろう。したがって、本発明の主題は、本開示の精神を除いて制限されるべきでない。さらに、本開示を解釈する際に、すべての用語は、文脈と一致する最も広い方法で解釈されるべきである。特に、用語「含む」および「備える」は、非排他的な方法で要素、構成要素、またはステップを指すと解釈されるべきであり、参照される要素、構成要素、またはステップが、明示的に参照されていない他の要素、構成要素、またはステップと共に存在し得る、または利用され得る、または組み合わせられ得ることを示す。