IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーティー・アンド・ジー・コーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20231219BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20231219BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020558496
(86)(22)【出願日】2020-06-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 KR2020008351
(87)【国際公開番号】W WO2021006508
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2020-11-10
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】10-2019-0081513
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ヨン ジョーン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、チュル ホ
(72)【発明者】
【氏名】リム、ガ ヒー
(72)【発明者】
【氏名】ジン、スン ジン
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】竹下 和志
【審判官】槙原 進
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208941044(CN,U)
【文献】中国実用新案第207653580(CN,U)
【文献】中国実用新案第206923676(CN,U)
【文献】特表2018-504134(JP,A)
【文献】特表2015-513393(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0049406(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シガレットが挿入可能な収容部と、
前記収容部の底面に形成されたホールを貫通して前記収容部内部に突出し、前記収容部に挿入された前記シガレットを加熱する加熱要素と、を含み、
前記底面上で、前記加熱要素の断面積に対する前記ホールの断面積の比率は、1.8以上2.1以下であり、
前記底面上で、前記シガレットの断面積に対する前記ホールの断面積の比率は、0.2以上0.3以下であり、
前記加熱要素及び前記ホールの断面積差によって形成される間隙を介して前記収容部内部に空気が流入される、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記加熱要素及び前記ホールの断面積差によって形成された間隙を介して前記収容部内部を通過する空気に対する吸引抵抗が24mmH 0以上29mmH 0以下の範囲で安定化される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記収容部は、一軸に沿って延び、
前記収容部の底面は、前記一軸に垂直な平面にある、請求項1または2に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記収容部は、一軸に沿って延び、
前記加熱要素は、前記一軸の第1方向に沿って前記ホールを貫通し、
前記シガレットは、前記一軸の第2方向に沿って前記収容部に挿入される、請求項1からのいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記ホールは、前記加熱要素が貫通するように前記加熱要素の形状に沿って形成された、請求項1からのいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記加熱要素は、細長型であり、前記加熱要素の断面積は、円形である、請求項1からのいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記ホールは、円形である、請求項1からのいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
ユーザのパフ時、外部空気が流入される流入口をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記加熱要素に電力を供給するバッテリと、
前記加熱要素の加熱動作を制御する制御部と、をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記加熱要素は、前記シガレット内部に挿入されて加熱されることで、前記シガレット内で前記加熱要素からの距離によって変化する温度分布を形成し、
前記シガレットの断面積に対する前記ホールの断面積の比率によって、前記ホールを介して前記シガレット内に空気が流入される領域が決定される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、ヒータの加熱要素が挿入されるホールが形成され、シガレットが収容される収容部を含むエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成される方法に関する需要が増加している。これにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が活発に進行されている。
【0003】
そのようなエアロゾル生成装置のシガレットが収容される収容部には、ヒータの加熱要素が挿入されるホールが形成され、ユーザのパフによって外部空気は、ホールを通じて収容部に流入され、その後、シガレット内部を通過して、ユーザにエアロゾルを伝達することができる。この際、ユーザに向上した喫煙感を提供するために、適切なエアロゾル移行量及び吸引抵抗によってエアロゾル生成装置が設計される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、適切なエアロゾル移行量及び吸引抵抗が提供されるようにシガレットが挿入される収容部、加熱要素及び収容部に形成され、加熱要素が挿入されるホールの関係を考慮して設計されたエアロゾル生成装置を提供することである。
【0005】
実施例を通じて解決しようとする課題は、上述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は、本明細書及び添付図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
エアロゾル生成装置は、シガレットが挿入可能な収容部と、収容部の底面に形成されたホールを貫通して収容部内部に突出し、収容部に挿入されたシガレットを加熱する加熱要素と、を含み、底面上で、加熱要素の断面積対比ホールの断面積の比率は、1.8以上でもある。
【発明の効果】
【0007】
本発明の効果は、シガレットが挿入される収容部、加熱要素、及び収容部に形成され、加熱要素が挿入されるホールの関係を考慮してエアロゾルが設計されることで、適切なエアロゾル移行量及び吸引抵抗を通じて、ユーザに向上した喫煙感が提供される。
【0008】
実施例による効果が上述した効果に制限されず、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例によるエアロゾル生成装置の正面図である。
図2図1のエアロゾル生成装置の分解図である。
図3】エアロゾル生成物質を含むシガレットに係わる図面である。
図4図1のエアロゾル生成装置のA-A'断面図である。
図5図1のエアロゾル生成装置のB-B'断面図である。
図6図1のエアロゾル生成装置にシガレットが挿入された状態のB-B'断面図である。
図7】A-A'断面において収容部に挿入されたシガレット内の温度分布を示すグラフである。
図8】エアロゾル移行量に係わるグラフである。
図9】吸引抵抗に係わるグラフである。
図10】収容部及び加熱要素の他の実施例に係わる図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
一実施例によるエアロゾル生成装置は、シガレットが挿入可能な収容部と、収容部の底面に形成されたホールを貫通して収容部内部に突出し、収容部に挿入されたシガレットを加熱する加熱要素と、を含み、底面上で、加熱要素の断面積対比ホールの断面積の比率は、1.8以上でもある。
【0011】
また、加熱要素の断面積対比ホールの断面積の比率は、3.6以下でもある。
【0012】
また、加熱要素の断面積対比ホールの断面積の比率が1.8以上であるとき、加熱要素及びホールの断面積差によって形成された間隙を通じて収容部内部を通過する空気に対する吸引抵抗が安定化される。
【0013】
また、加熱要素の断面積対比ホールの断面積の比率が1.8以上であるとき、シガレットを介したエアロゾル移行が促進される。
【0014】
また、加熱要素の断面積対比ホールの断面積の比率が3.6以下であるとき、加熱要素及びホールの断面積差によって形成された間隙を介したシガレットから離脱されたエアロゾル生成物質の漏れが防止される。
【0015】
また、収容部は、一軸に沿って延びて、収容部の底面は、軸に垂直な平面にある。
【0016】
また、収容部は、一軸に沿って延びて、ヒータは、軸の第1方向に沿ってホールを貫通して、シガレットは、軸の第2方向に沿って収容部に挿入される。
【0017】
また、ホールは、加熱要素が貫通するように加熱要素の形状に沿って形成されうる。
【0018】
また、加熱要素は、細長型であり、加熱要素の断面積は、円形でもある。
【0019】
また、ホールは、円形でもある。
【0020】
また、エアロゾル生成装置は、ユーザのパフ時、外部空気が流入される流入口をさらに含んでもよい。
【0021】
また、エアロゾル生成装置は、加熱要素に電力を供給するバッテリ及び加熱要素の加熱動作を制御する制御部をさらに含んでもよい。
【0022】
他の一実施例によれば、シガレットが挿入可能な収容部及び収容部の底面に形成されたホールを貫通して収容部内部に突出し、収容部に挿入されたシガレットを加熱する加熱要素と、を含み、底面上で、シガレットの断面積対比ホールの断面積の比率は、0.2以上でもある。
【0023】
また、底面上で、シガレットの断面積対比ホールの断面積の比率は、0.3以下でもある。
【0024】
また、加熱要素は、シガレット内部に挿入されて加熱されることで、シガレット内で加熱要素からの距離によって変化する温度分布を形成し、シガレットの断面積対比ホールの断面積の比率によってホールを通じてシガレット内に空気が流入される領域が決定されうる。
【0025】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に携わる技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0026】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0027】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態としても具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0028】
明細書全体においてエアロゾル生成装置は、ユーザの口を介して、ユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生させるために、エアロゾル生成物質を用いてエアロゾルを生成する装置でもある。例えば、エアロゾル生成装置は、ホルダー(holder)でもある。
【0029】
明細書全体において「パフ」とは、ユーザの吸入を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を通じて、ユーザの口腔内、鼻腔内または肺に吸い込む状況を意味することができる。
【0030】
以下、添付した図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態としても具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0031】
図1は、実施例によるエアロゾル生成装置の正面図であり、図2は、図1のエアロゾル生成装置の分解図である。
【0032】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置1000は、バッテリ1100、制御部1200、ヒータ1300及び収容部1400を含む。また、エアロゾル生成装置1000の内部空間には、シガレット2000が挿入される。
【0033】
図1に図示されたエアロゾル生成装置1000には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、図1に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置1000にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0034】
図1には、バッテリ1100、制御部1200、ヒータ1300及び収容部1400が一列に配置されていると図示されているが、それに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置1000の設計によって、バッテリ1100、制御部1200、ヒータ1300及び収容部1400の配置は変更されうる。
【0035】
シガレット2000がエアロゾル生成装置1000に挿入されれば、エアロゾル生成装置1000は、ヒータ1300を加熱する。シガレット2000内のエアロゾル生成物質は、加熱されたヒータ1300によって温度が上昇し、これにより、エアロゾルが生成される。生成されたエアロゾルは、シガレット2000のフィルタ2200を介して、ユーザに伝達される。
【0036】
必要に応じて、シガレット2000がエアロゾル生成装置1000に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置1000は、ヒータ1300を加熱することができる。
【0037】
バッテリ1100は、エアロゾル生成装置1000の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ1100は、ヒータ1300が加熱されるように電力を供給し、制御部1200の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ1100は、エアロゾル生成装置1000に設けられたディスプレイ、センサー、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0038】
制御部1200は、エアロゾル生成装置1000の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部1200は、バッテリ1100及びヒータ1300だけでなく、エアロゾル生成装置1000に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部1200は、エアロゾル生成装置1000の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置1000が動作可能な状態であるか否かを判断してもよい。
【0039】
制御部1200は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとしても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアとしても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0040】
ヒータ1300は、バッテリ1100から供給された電力によって加熱される。例えば、シガレット2000がエアロゾル生成装置1000に挿入されれば、ヒータ1300は、シガレット2000の内部に位置してもよい。したがって、加熱されたヒータ1300は、シガレット2000内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0041】
ヒータ1300は、加熱要素1320を含んでもよい。加熱要素1320は、その表面を通じて熱を発散することができる。加熱要素1320は、シガレット2000内部に挿入されてタバコロッド2100を始めとするエアロゾル生成物質と接触または近接し、熱によってエアロゾル生成物質を気化させることができる。加熱要素1320は、例えば、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素でもある。
【0042】
ヒータ1300は、支持部1340を含んでもよい。支持部1340は、加熱要素1320が収容部1400のホール1400hを貫通してシガレット2000内部に挿入されるように固定することができる。支持部1340が収容部1400にかかることで、加熱要素1320が収容部1400に挿入される長さが決定されうる。
【0043】
一実施例によれば、支持部1340は、バッテリ1100から供給された電力を加熱要素1320に伝達するための電気配線または接続端子が配置される空間を提供することができる。
【0044】
ヒータ1300は、電気抵抗性ヒータ1300でもある。例えば、ヒータ1300には、電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ1300が加熱される。しかし、ヒータ1300は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置1000に既に設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0045】
一方、他の例において、ヒータ1300は、誘導加熱式ヒータ1300でもある。具体的に、ヒータ1300には、シガレット2000を誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含み、シガレット2000は、誘導加熱式ヒータ1300によって加熱されるサセプタを含んでもよい。
【0046】
また、エアロゾル生成装置1000には、ヒータ1300が複数個配置されてもよい。この際、複数個のヒータ1300は、シガレット2000の内部に挿入されるように配置され、シガレット2000の外部に配置されてもよい。また、複数個のヒータ1300の一部は、シガレット2000の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット2000の外部に配置される。また、ヒータ1300の形状は、図1に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製される。
【0047】
収容部1400は、一軸に沿って延びる形態であり、内部に空き空間を含む構造体である。収容部1400の空き空間には、シガレット2000が挿入されて収容される。シガレット2000は、軸に沿って上側から下側に挿入される。
【0048】
空き空間の形状及び大きさは、シガレット2000の形状及び大きさによっても作製される。例えば、空き空間は、円筒状のシガレット2000を収容するように円筒状でもあり、シガレット2000が空き空間の内部で固定されるようにシガレット2000の大きさと一致ないし類似した大きさを有する。
【0049】
空き空間の上側は、開口である挿入孔1004pは、カバー1002の外孔1002pと連結され、シガレット2000が挿入される通路を提供することができる。収容部1400の底壁または、底面1400b、1400bは、シガレット2000が挿入される限界位置を設定することができる。
【0050】
収容部1400は、ヒータ1300と結合することができる。収容部1400は、ヒータ1300と結合されてケース1004の上部に設けられる。ケース1004の上部及び収容部1400は、カバー1002の結合時に隠蔽されうる。
【0051】
収容部1400の底面1400bには、ホール1400hが形成される。ヒータ1300の加熱要素1320は、ホール1400hを貫通して収容部1400内部に突出する。ホール1400hの形状及び大きさは、加熱要素1320の形状及び大きさに対応する。例えば、加熱要素1320が円形断面を有する場合、ホール1400hも円形の断面形状を有し、ホール1400hの断面積S1は、加熱要素1320の断面積S2よりも大きく形成され、ホール1400hの内面が加熱要素1320の外側面から離隔されうる。ホール1400h及び加熱要素1320の断面積差によって発生した間隙を通じて気流が移動することができる。これについては、図4ないし図6を参照してさらに詳細に後述する。
【0052】
一実施例によれば、収容部1400の底壁または、底面1400b、1400bは、軸に垂直な平面である。シガレット2000は、収容部1400が延びる軸に沿って上側から下側に挿入され、加熱要素1320は、軸に沿って下側から上側にホール1400hを貫通することができる。これにより、加熱要素1320は、軸に沿ってシガレット2000内部に進入し、加熱要素1320の外表面がシガレット2000内部のエアロゾル生成物質に接触する長さが最大化されうる。
【0053】
収容部1400の側壁は、内部の熱が外部に放出されないように、断熱機能を行うことができる。一実施例によれば、エアロゾル生成装置1000は、収容部1400を取り囲むことで保護するホルダーをさらに含んでもよい。
【0054】
ユーザがシガレット2000を収容部1400に挿入すれば、シガレット2000が収容通路1004hに沿って移動していて、シガレット2000の端部が収容部1400の底面1400b、1400bに到逹すれば、シガレット2000を手にしているユーザの手に底壁1004bとシガレット2000の端部とが接触する感じが伝達される。したがって、ユーザは、シガレット2000を手にして収容部1400の挿入孔1004pにシガレット2000を押し込む簡単な動作を実施することで、シガレット2000をエアロゾル生成装置1000に簡便に装着することができる。
【0055】
エアロゾル生成装置1000は、シガレット2000が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が流出される構造によっても作製される。
【0056】
エアロゾル生成装置1000は、ケース1004とカバー1002とを含んでもよい。カバー1002がケース1004の一側端部に結合されることで、カバー1002は、ケース1004と共に、エアロゾル生成装置1000の外観を形成する。カバー1002は、必須構成ではなく、必要に応じて、カバー1002を設置しない。
【0057】
ケース1004には、ヒータ1300、制御部1200及びバッテリ1100が設けられる。ケース1004は、エアロゾル生成装置1000の外観を形成し、内部に形成された空間に多様な構成要素を収容して保護する機能を行う。
【0058】
カバー1002とケース1004は、熱をよく伝達しないプラスチック素材や、表面に熱遮断物質がコーティングされた金属素材によっても作製される。カバー1002とケース1004は、例えば、射出成形方式や、3Dプリンティング方式や、射出成形によって作製された小型部属を組付ける方式によっても作製される。
【0059】
カバー1002の上面には、シガレット2000が挿入される外孔1002pが形成される。カバー1002の上面には、移動可能なドア1003が設けられる。
【0060】
ドア1003が移動することで、シガレット2000がカバー1002を通過してケース1004に挿入可能にする外孔1002pと挿入孔1004pとを外部に露出させる機能を行う。
【0061】
ドア1003によって外孔1002pが外部に露出されれば、ユーザがシガレット2000の端部を外孔1002pと挿入孔1004pに挿入させ、シガレット2000を収容部1400に装着することができる。
【0062】
ドア1003は、レールに沿って摺動してもよく、またはヒンジ組立体を通じてカバー1002に回転自在に設けられる。ドア1003は、カバー1002の上面の延長方向に沿って外孔1002pの側面にも回転し、そうではなければ、ドア1003がカバー1002の上面から遠くなる方向に回転することもできる。
【0063】
ケース1004には、ボタン1009が設けられる。ボタンは、ケース1004の一側に形成される。ボタン1009が操作されることにより、エアロゾル生成装置1000の動作が制御される。ボタンは、プッシュボタン、スライドボタン及びタッチセンサーなど多様な方式を採用してもよい。
【0064】
一方、エアロゾル生成装置1000は、上述した構成要素以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置1000は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1000は、少なくとも1つのセンサー(パフ感知センサー、温度感知センサー、シガレット2000挿入感知センサーなど)を含んでもよい。
【0065】
図1及び図2には、図示されていないが、エアロゾル生成装置1000は、別途のクレードルと共に、システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1000のバッテリ1100の充電に用いられる。または、クレードルとエアロゾル生成装置1000とが結合された状態でヒータ1300が加熱されてもよい。
【0066】
図3は、エアロゾル生成物質を含むシガレットに係わる図面である。
【0067】
図3を参照すれば、シガレット2000は、タバコロッド2100及びフィルタロッド2200を含む。図3には、フィルタロッド2200が単一セグメントとして図示されているが、それに限定されない。すなわち、フィルタロッド2200は、複数のセグメントで構成されてもよい。例えば、フィルタロッド2200は、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含んでもよい。また、必要に応じて、フィルタロッド2200には、他の機能を行う少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0068】
シガレット2000は、一般の燃焼型シガレット2000と類似している。例えば、シガレット2000は、エアロゾル生成物質を含むタバコロッド2100とフィルタなどを含むフィルタロッド2200に区分されうる。または、シガレット2000のフィルタロッド2200にもエアロゾル生成物質が含まれる。例えば、顆粒またはカプセル状に作製されたエアロゾル生成物質がフィルタロッド2200にも挿入される。
【0069】
エアロゾル生成装置1000の内部には、タバコロッド2100全体が挿入され、フィルタロッド2200が外部に露出されうる。または、エアロゾル生成装置1000の内部にタバコロッド2100の一部だけ挿入され、タバコロッド2100及びフィルタロッド2200の一部が挿入されてもよい。ユーザは、フィルタロッド2200を口にした状態でエアロゾルを吸い込むことができる。この際、エアロゾルは、外部空気がタバコロッド2100を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、フィルタロッド2200を通過して、ユーザの口に伝達される。
【0070】
シガレット2000は、少なくとも1枚のラッパ2400によっても包装される。ラッパ2400には、外部空気が流入されるか内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成される。一例として、シガレット2000は、1枚のラッパ2400によっても包装される。他の例として、シガレット2000は、2以上のラッパ2400によって重畳的に包装されてもよい。例えば、第1ラッパによってタバコロッド2100が包装され、第2ラッパによってフィルタロッド2200が包装される。そして、個別ラッパによって包装されたタバコロッド2100及びフィルタロッド2200が結合され、第3ラッパによってシガレット2000全体が再包装される。もし、タバコロッド2100または、フィルタロッド2200それぞれが複数のセグメントで構成されていれば、それぞれのセグメントが個別ラッパによっても包装される。そして、個別ラッパによって包装されたセグメントが結合されたシガレット2000全体が異なるラッパによっても再包装される。
【0071】
タバコロッド2100は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それらに限定されない。また、タバコロッド2100は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド2100には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド2100に噴射されることで添加することができる。
【0072】
タバコロッド2100は、多様に作製されうる。例えば、タバコロッド2100は、シート(sheet)によって作製され、ストランド(strand)によって作製されてもよい。また、タバコロッド2100は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによって作製されてもよい。また、タバコロッド2100は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド2100を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド2100に伝達される熱を均一に分散させてタバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、これにより、タバコ味を向上させうる。また、タバコロッド2100を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータ1300によって加熱されるサセプタとしての機能が可能である。この際、図面に図示されていないが、タバコロッド2100は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0073】
フィルタロッド2200は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド2200の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド2200は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド2200は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド2200が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0074】
フィルタロッド2200は、香味が発生するように作製されてもよい。一例として、フィルタロッド2200に加香液が噴射され、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタロッド2200の内部にも挿入される。
【0075】
また、フィルタロッド2200には、少なくとも1つのカプセル2300が含まれる。ここで、カプセル2300は、香味を発生させる機能を行い、エアロゾルを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセル2300は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル2300は、球状または円筒状を有するが、それに制限されない。
【0076】
もし、フィルタロッド2200にエアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸のみによっても作製されるが、それに限定されない。または、冷却セグメントは、複数の孔があいた酢酸セルロースフィルタによっても作製される。しかし、冷却セグメントは、上述した例に限定されず、エアロゾルが冷却する機能を行うことができれば、制限なしに該当しうる。
【0077】
図4は、図1のエアロゾル生成装置のA-A'断面図である。
【0078】
図4を参照すれば、ユーザのパフ時、外部空気は、流入口1001pを通じてエアロゾル生成装置1000内部に流入される。流入口1001pは、エアロゾル生成装置1000の一側に形成されたホールでもあり、または、流入口1001pは、カバー1002及びケース1004が結合されるとき、カバー1002とケース1004との間に形成される間隙でもある。流入口1001pは、一側に単数で形成され、または、エアロゾル生成装置1000の周り方向に沿って複数個形成されてもよい。
【0079】
一実施例によれば、エアロゾル生成装置1000に形成された流入口1001pの開閉及び/または流入口1001pの大きさは、ユーザによっても調節される。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによっても調節される。
【0080】
流入口1001pを通じて流入された空気は、エアロゾル生成装置1000内部の気流経路に沿って、ヒータ1300に到逹することができる。気流経路は、多様な形態に提供されうる。例えば、気流経路は、エアロゾル生成装置1000の外郭から中心方向に向かって空気の移動をガイドすることができる。または、気流経路は、流入口1001pから上側方向に空気の移動をガイドし、または、下側方向に空気の移動をガイドしてもよい。
【0081】
ヒータ1300に到逹した空気は、加熱要素1320及びホール1400hの断面積差によって形成された間隙を通じて収容部1400内部に移動することができる。この際、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2によって収容部1400内部に移動する空気の量、速度、圧力及び吸引抵抗などが決定されうる。また、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2によってシガレット2000から離脱されたタバコ物質のようなエアロゾル生成物質が収容部1400の外部に漏れる程度が決定されうる。また、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2によってシガレット2000内の温度分布を考慮するとき、気流が形成される領域、及びそれによるエアロゾル移行量が決定されうる。これについて、図7及び図8を通じてさらに詳細に説明する。
【0082】
以後、空気は、シガレット2000内部に移動し、加熱要素1320の加熱によって気化されたエアロゾルを上側に伝達することができる。この際、シガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3が調節されることにより、シガレット2000内の温度分布を考慮するとき、気流が形成される領域、及びそれによるエアロゾル移行量が決定されうる。これについては、図7及び図8を通じてさらに詳細に説明する。
【0083】
以後、空気は、エアロゾル生成物質から気化されたエアロゾルと共に、上側に伝達されうる。
【0084】
図5は、図1のエアロゾル生成装置のB-B'断面図である。
【0085】
図5を参照すれば、ヒータ1300の加熱要素1320が収容部1400の底面1400bに形成されたホール1400hを貫通して挿入される。図5では、加熱要素1320が円形の断面積S2を有すると図示されているが、加熱要素1320の形状は、それに限定されず、多様な形状を有する。これについては、図10を通じてさらに詳細に説明する。
【0086】
B-B'断面は、底面1400bに平行な平面である。これは、B-B'断面が、底面1400bを含む平面でもあるということを包括する意味である。底面1400bは、収容部1400が延びる軸に実質的に垂直な平面である。
【0087】
ユーザのパフ時、空気は、加熱要素1320及びホール1400hの断面積差によって形成された間隙を通じて収容部1400内部に移動し、シガレット2000内部に移動してエアロゾルをユーザに伝達することができる。
【0088】
B-B'断面上で、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が大きいほど加熱要素1320及びホール1400hの間隙が大きくなり、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が小さいほど加熱要素1320及びホール1400hの間隙が狭くなる。
【0089】
したがって、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が大きいほど、シガレット2000内に流入される気流が増加し、これによってエアロゾル移行量が増加することができる。すなわち、十分なエアロゾル移行量を確保するために、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2の最小値が決定されうる。
【0090】
一方、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が所定値以上であれば、シガレット2000内に流入される空気が、図7を参照して後述するように、シガレット2000の温度分布内の低温の領域を通過し、エアロゾル移行量がそれ以上増加しない。すなわち、エアロゾル移行量の増加が停滞されることを考慮して、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2の最大値が決定されうる。
【0091】
また、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2によって、加熱要素1320とホール1400hとの間隙を通じて収容部1400内部を通過する空気に対する吸引抵抗が安定化される。
【0092】
また、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2によって加熱要素1320とホール1400hとの間隙を介したシガレット2000から離脱されたエアロゾル生成物質の漏れが防止される。すなわち、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が所定値以上であれば、加熱要素1320とホール1400hとの間隙を通じてエアロゾル生成物質が漏れ、それを防止するための加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が最大値が決定されうる。
【0093】
図6は、図1のエアロゾル生成装置にシガレットが挿入された状態のB-B'断面図である。
【0094】
B-B'断面上で、シガレット2000の断面積S3は、底面1400bに形成されたホール1400hの断面積S1よりも大きく、底面1400bによってシガレット2000が挿入される限界点が設定される。
【0095】
ユーザのパフ時、外部空気は、ホール1400hを通過してシガレット2000に流入される。この際、シガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3によって空気が流入されるシガレット2000の断面積S3内の領域が決定されうる。図7において後述するように、シガレット2000の断面積S3内の空気が流入される領域は、エアロゾル移行量に影響を与えることができる。
【0096】
また、シガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3によって吸引抵抗が変化し、吸引抵抗が安定化される加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が決定されうる。例えば、シガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3が大きいほど吸引抵抗は減少する。
【0097】
図7は、A-A'断面で収容部に挿入されたシガレット内の温度分布を示すグラフである。図7を参照すれば、シガレット2000内部には、加熱要素1320の加熱によって温度が上昇しながら、加熱要素1320と近いシガレット2000の中心部から加熱要素1320と遠いシガレット2000の外郭部分まで変化する温度分布が形成される。
【0098】
例えば、温度分布曲線は、加熱要素1320と近いシガレット2000中心部では、所定の高温に保持されるが、加熱要素1320と遠くなるほど温度が下降する。この際、温度下降勾配は変化する。例えば、温度下降勾配は、中心部では緩く、中心部から第1所定の距離以上離れた所では、温度が急降する。以後、中心部から第2所定の距離以上離れた所から温度は、相対的に低温に平坦に保持される。
【0099】
図7に図示された温度分布曲線は、一例に過ぎず、エアロゾル生成物質の種類、加熱要素1320の熱伝導度、及び加熱要素1320の形状など多様な要因によって変化することができる。
【0100】
エアロゾル生成物質は、所定の温度以上に加熱されるとき、エアロゾルとして気化され、かつ加熱温度によって気化されたエアロゾルの流動性は変化する。したがって、シガレット2000内の温度分布を考慮して、パフ時、所定の温度以上に加熱された領域に対して気流が提供されることは、エアロゾル移行量に影響を与えることができる。
【0101】
加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2及びシガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3によって、シガレット2000の断面上に気流が流入される領域が決定され、これにより、エアロゾル移行量が変化する。
【0102】
例えば、気流が流入されるシガレット2000の断面上領域がシガレット2000内の温度が所定の温度以上に保持される領域であるとき、エアロゾル移行量は、最大になり、一方、気流が流入される領域がシガレット2000内の温度が低温に保持される領域であるとき、エアロゾル移行量は減少する。
【0103】
例えば、直径2000dを有するシガレット2000内部に挿入され、直径1300dを有する加熱要素1320によってシガレット2000内部に加熱要素1320の中心からの距離によって変化する温度分布が形成され、加熱要素1320の中心部周辺で高温に保持される領域に対応する領域について直径1400dを有するホール1400hが形成されることで、エアロゾル移行量が最大となる。
【0104】
図8は、加熱要素の断面積S2に対するホールの断面積S1の比率S1/S2及びシガレットの断面積S3に対するホールの断面積S1の比率S1/S3によるエアロゾル移行量に係わるグラフである。
【0105】
図8を参照すれば、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が増加することにより、エアロゾル移行量が増加する。次いで、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が第1値a1以上になれば、エアロゾル移行量は、第1エアロゾル移行量値v1よりも大きく、第2エアロゾル移行量値v2よりも小さい範囲で安定化される。
【0106】
次いで、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が第2値a2以上になれば、エアロゾル移行量は、その増加勢が緩和され、一定値に停滞される。または、エアロゾル移行量は減少する。これは、図7を通じて上述したように空気がシガレット2000内に流入されるシガレット2000断面上の領域及びシガレット2000内の温度分布に起因したものでもある。
【0107】
図8に図示されたグラフは、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2、及びシガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3によるエアロゾル移行量を示す一実施例であり、グラフは、エアロゾル生成物質の種類、加熱要素1320の熱伝導度、及び加熱要素1320の形状など多様な要因によっても変化する。
【0108】
また、図8に図示されたエアロゾル移行量の変化は、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2だけではなく.シガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3によっても変化し、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2を基準に上述した事項は、シガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3によるエアロゾル移行量の変化にも適用される。
【0109】
表1は、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2、及びシガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3によるエアロゾル移行量に係わる表である。
【0110】
【表1】
【0111】
加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が1.8以上であり、3.6以下であるとき、ニコチン(Nicotine)の移行量が1.05mg/stick以上と測定され、グリセロール(Glycerol)の移行量が3.50mg/stick以上と測定されることを確認することができる。また、シガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3が0.2以上で、0.3以下であるとき、ニコチンの移行量が1.05mg/stick以上と測定され、グリセロールの移行量が3.50mg/stick以上と測定されることを確認することができる。
【0112】
図9は、加熱要素の断面積S2に対するホールの断面積S1の比率S1/S2及びシガレットの断面積S3に対するホールの断面積S1の比率S1/S3による吸引抵抗に係わるグラフである。
【0113】
図9を参照すれば、吸引抵抗は、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が増加することにより、減少する。加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が第1値以上第2値以下において、吸引抵抗は、第1吸引抵抗値P1以下第2吸引抵抗値P2以上の範囲で安定化される。次いで、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が第2値b2以上になれば、吸引抵抗は、第2吸引抵抗値よりも小さい値に急減する。
【0114】
図9に図示されたグラフは、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2、及びシガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3による吸引抵抗を示す一実施例であり、グラフは、エアロゾル生成物質の種類、加熱要素1320の熱伝導度、及び加熱要素1320の形状など多様な要因によっても変化する。
【0115】
また、図9に図示された吸引抵抗の変化は、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2だけではなく、シガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3によっても変化し、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2を基準に上述した事項は、シガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3による吸引抵抗の変化にも適用される。
【0116】
表2は、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2、及びシガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3による吸引抵抗に係わるグラフである。
【0117】
【表2】
【0118】
表2は、シガレット2000が収容部1400に未挿入状態で流入口1001p及び収容部1400を含む気流パスを通過する気流の吸引抵抗A、シガレット2000を独立して通過する気流の吸引抵抗B、シガレット2000が収容部1400に挿入状態で流入口1001p、収容部1400及びシガレット2000を通過する気流の吸引抵抗C、及びシガレット2000を独立して通過する気流の吸引抵抗Bとシガレット2000が収容部1400に挿入された状態で流入口1001p、収容部1400及びシガレット2000を通過する気流の吸引抵抗Cの差値(D=C-B)を開示する。表2によれば、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が増加することにより、シガレット2000が収容部1400に挿入された状態で吸引抵抗は、全体として減少する傾向を示すことを確認することができる。
【0119】
表2によれば、加熱要素1320の断面積S2に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S2が1.8以上であり、3.6以下であるとき、シガレット2000が挿入された状態の吸引抵抗C及びシガレット2000の吸引抵抗Bの差値Dが24mmH0以上29mmH0以下に安定化されることを確認することができる。
【0120】
また、シガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3が0.2以上であり、0.3以下であるとき、シガレット2000が挿入された状態の吸引抵抗C及びシガレット2000の吸引抵抗Bの差値Dが24mmH0以上29mmH0以下に安定化されることを確認することができる。
【0121】
表2は、シガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3が小さいときには、シガレット2000の挿入によって増加する吸引抵抗の差値Dが大きく、一方、シガレット2000の断面積S3に対するホール1400hの断面積S1の比率S1/S3が0.2以上0.3以下の範囲内にあるときには、シガレット2000の挿入によって増加する吸引抵抗の差値Dが相対的に小さく、安定化された値であることを示す。
【0122】
図10は、収容部1400及び加熱要素1320の他の実施例に係わる図面である。
【0123】
図10を参照すれば、ホール1400hは、加熱要素1320が貫通するように加熱要素1320の形状に沿って形成されうる。
【0124】
例えば、加熱要素1320の断面積S2は、円形であるとき、ホール1400hは、円形でもあり、図10における(a)のように加熱要素1320の断面積S2が楕円形であるとき、ホール1400hは、加熱要素1320の断面積S2に対応するように楕円形である。または、図10における(b)のように加熱要素1320の断面積S2は、多角形でもあり、この際、ホール1400hは、加熱要素1320の断面積S2に対応する多角形である。
【0125】
図10に図示された形状は、加熱要素1320及びホール1400hの実施例に過ぎず、その他にも、スリット状及び図10に図示されていない他の多角形など多様な形状にも作製されうるということは言うまでもない。
【0126】
以上、本発明による実施例を基準に本発明の構成と特徴を説明したが、本発明は、それに限定されず、本発明の思想と範囲内で多様に変更または変形可能であるということは、本発明が属する技術分野の当業者に明白なものであり、よって、そのような変更または変形は、特許請求の範囲に属することを明らかにしておく。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10(a)】
図10(b)】