(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】障害がある多層リンク復旧方法およびコントローラ
(51)【国際特許分類】
H04L 45/28 20220101AFI20231219BHJP
H04L 47/41 20220101ALI20231219BHJP
H04L 45/42 20220101ALI20231219BHJP
【FI】
H04L45/28
H04L47/41
H04L45/42
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022021842
(22)【出願日】2022-02-16
(62)【分割の表示】P 2020526119の分割
【原出願日】2019-08-27
【審査請求日】2022-04-04
(31)【優先権主張番号】201811001018.8
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ジア
(72)【発明者】
【氏名】フー、ツィリン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、チェンバオ
(72)【発明者】
【氏名】スン、チャンシェン
【審査官】大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-111477(JP,A)
【文献】特開2008-160227(JP,A)
【文献】国際公開第2013/161366(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 45/28
H04L 47/41
H04L 45/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラによって、第1のネットワークデバイス上の第1のポートを通過する第1の多層リンク上に障害が生じていることを取得する段階であって、前記第1の多層リンクは、前記第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスとの間のリンクアグリゲーショングループ内のリンクであり、前記第1の多層リンクはクロス層リンクを有し、前記クロス層リンクは、異なるネットワークにわたる、段階と、
前記コントローラによって、前記第1のネットワークデバイス上の第1のアイドルポートとターゲットネットワークデバイス上の第2のアイドルポートとに基づいて、第2の多層リンクを確立する段階と、
前記コントローラによって、前記第1のネットワークデバイスと前記ターゲットネットワークデバイスとの間のターゲットリンクアグリゲーショングループに前記第2の多層リンクを追加する段階と、を備える、トラブルシューティング方法。
【請求項2】
前記トラブルシューティング方法は、
前記コントローラによって、前記第1の多層リンクの光層リソースを解放する段階と、
前記コントローラによって、前記リンクアグリゲーショングループから前記第1の多層リンクを削除する段階と、を備える、請求項1に記載のトラブルシューティング方法。
【請求項3】
前記第1のネットワークデバイス上の前記第1のアイドルポートと前記ターゲットネットワークデバイス上の前記第2のアイドルポートとに基づき、前記第2の多層リンクを確立する段階は、
前記第1の多層リンク上に前記障害が生じていることを取得することに対応して、前記第1のネットワークデバイス上の前記第1のアイドルポートと前記ターゲットネットワークデバイス上の前記第2のアイドルポートとに基づき、前記第2の多層リンクを確立する段階を含む、請求項1または2に記載のトラブルシューティング方法。
【請求項4】
前記第1のネットワークデバイス上の前記第1のアイドルポートと前記ターゲットネットワークデバイス上の前記第2のアイドルポートとに基づき、前記第2の多層リンクを確立する段階は、
前記コントローラによって、前記第1のネットワークデバイスおよび前記ターゲットネットワークデバイスに指示メッセージを送信する段階であって、前記指示メッセージは、前記第1のネットワークデバイス上の前記第1のアイドルポートと前記ターゲットネットワークデバイス上の前記第2のアイドルポートとに基づき、前記第2の多層リンクを確立することを示す、段階を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のトラブルシューティング方法。
【請求項5】
第1のネットワークデバイス上の第1のポートを通過する第1の多層リンク上に障害が生じていることを取得する前記段階は、
前記第1のネットワークデバイス上の前記第1のポート上に障害が生じていることを取得する段階と、
前記第1のポート上の前記障害に基づき、前記第1の多層リンクに前記障害が生じていることを判定する段階と、を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のトラブルシューティング方法。
【請求項6】
前記ターゲットネットワークデバイスは前記第2のネットワークデバイスであり、前記第1のアイドルポートは前記第1のネットワークデバイス上にあり且つ前記リンクアグリゲーショングループ外のポートであり、前記第2のアイドルポートは前記第
2の
ネットワークデバイス上のポートである、請求項5に記載のトラブルシューティング方法。
【請求項7】
第1のネットワークデバイス上の第1のポートを通過する第1の多層リンク上に障害が生じていることを取得する前記段階は、
前記第2のネットワークデバイス上にノード障害が生じていることを取得する段階と、
前記第1の多層リンクが、前記第1のポートおよび前記第2のネットワークデバイスを通過することを判定する段階と、
前記第1の多層リンク上に前記障害が生じていることを判定する段階と、を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のトラブルシューティング方法。
【請求項8】
前記ターゲットネットワークデバイスは第3のネットワークデバイスであり、前記第1のアイドルポートは前記第1のポートであり、前記第2のアイドルポートは前記第3のネットワークデバイス上のポートである、請求項
2に記載のトラブルシューティング方法。
【請求項9】
第1のネットワークデバイス上の第1のポートを通過する第1の多層リンク上に障害が生じていることを取得する前記段階は、
前記第2のネットワークデバイス上の前記第1の多層リンク上にポート障害が生じていることを取得する段階と、
前記第1の多層リンク上に前記障害が生じていることを判定する段階と、を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のトラブルシューティング方法。
【請求項10】
前記ターゲットネットワークデバイスは前記第2のネットワークデバイスであり、前記第1のアイドルポートは前記第1のポートであり、前記第2のアイドルポートは、前記第2のネットワークデバイス上にあり且つ前記リンクアグリゲーショングループ外のポートである、請求項
2に記載のトラブルシューティング方法。
【請求項11】
前記第1のネットワークデバイス上の前記第1のアイドルポートと前記ターゲットネットワークデバイス上の前記第2のアイドルポートとに基づき、前記第2の多層リンクを確立する段階の前に、
前記コントローラによって、前記リンクアグリゲーショングループ
外の1または複数のポートから前記第1のアイドルポートを決定する段階を備える、請求項1、2、3、4、7および9のいずれか一項に記載のトラブルシューティング方法。
【請求項12】
前記第1の多層リンクは、異なるタイプのネットワークを通過する多層リンクである、請求項1から11のいずれか一項に記載のトラブルシューティング方法。
【請求項13】
前記異なるタイプのネットワークは、インターネットプロトコル(IP)ネットワークおよび光ネットワークを含む、請求項12に記載のトラブルシューティング方法。
【請求項14】
コンピュータ可読命令を格納するように構成されたメモリと、
前記メモリと通信するプロセッサであって、前記プロセッサは、前記コンピュータ可読命令を読み出して、
第1のネットワークデバイス上の第1のポートを通過する第1の多層リンク上に障害が生じていることを取得することであって、前記第1の多層リンクは、前記第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスとの間のリンクアグリゲーショングループ内のリンクであり、前記第1の多層リンクはクロス層リンクを有し、前記クロス層リンクは、異なるネットワークにわたる、ことと、
前記第1のネットワークデバイス上の第1のアイドルポートとターゲットネットワークデバイス上の第2のアイドルポートとに基づき、第2の多層リンクを確立することと、
前記第1のネットワークデバイスと前記ターゲットネットワークデバイスとの間のターゲットリンクアグリゲーショングループに前記第2の多層リンクを追加することと、を行うよう構成される、プロセッサと、を備えるコントローラ。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記コンピュータ可読命令を読み出して、
前記第1の多層リンクの光層リソースを解放することと、
前記リンクアグリゲーショングループから前記第1の多層リンクを削除することと、を行うよう構成される、請求項14に記載のコントローラ。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記コンピュータ可読命令を読み出して、
前記第1の多層リンク上に前記障害が生じていることを取得することに対応して、前記第1のネットワークデバイス上の前記第1のアイドルポートと前記ターゲットネットワークデバイス上の前記第2のアイドルポートとに基づき、前記第2の多層リンクを確立することを行うよう構成される、請求項14または15に記載のコントローラ。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記コンピュータ可読命令を読み出して、
前記第1のネットワークデバイスおよび前記ターゲットネットワークデバイスに指示メッセージを送信することであって、前記指示メッセージは、前記第1のネットワークデバイス上の前記第1のアイドルポートと、前記ターゲットネットワークデバイス上の前記第2のアイドルポートとに基づき、前記第2の多層リンクを確立することを示す、ことを行うよう構成される、請求項14から16のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項18】
前記プロセッサは、前記コンピュータ可読命令を読み出して、
前記第1のネットワークデバイス上の前記第1のポート上に障害が生じていることを取得することと、
前記第1のポート上の前記障害に基づいて、前記第1の多層リンク上に前記障害が生じていることを判定することと、を行うよう構成される、請求項14から17のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項19】
前記ターゲットネットワークデバイスは前記第2のネットワークデバイスであり、前記第1のアイドルポートは前記第1のネットワークデバイス上にあり且つ前記リンクアグリゲーショングループ外のポートであり、前記第2のアイドルポートは前記第
2の
ネットワークデバイス上のポートである、請求項18に記載のコントローラ。
【請求項20】
前記プロセッサは、前記コンピュータ可読命令を読み出して、
前記第2のネットワークデバイス上にノード障害が生じていることを取得することと、
前記第1の多層リンクが、前記第1のポートおよび前記第2のネットワークデバイスを通過することを判定することと、
前記第1の多層リンク上に前記障害が生じていることを判定することと、を行うよう構成される、請求項14から17のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項21】
前記ターゲットネットワークデバイスは第3のネットワークデバイスであり、前記第1のアイドルポートは前記第1のポートであり、前記第2のアイドルポートは前記第3のネットワークデバイス上のポートである、請求項
15に記載のコントローラ。
【請求項22】
前記プロセッサは、前記コンピュータ可読命令を読み出して、
前記第2のネットワークデバイス上の前記第1の多層リンク上にポート障害が生じていることを取得することと、
前記第1の多層リンク上に前記障害が生じていることを判定することと、を行うよう構成される、請求項14から17のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項23】
前記ターゲットネットワークデバイスは前記第2のネットワークデバイスであり、前記第1のアイドルポートは前記第1のポートであり、前記第2のアイドルポートは前記第2のネットワークデバイス上にあり且つ前記リンクアグリゲーショングループ外のポートである、請求項
15に記載のコントローラ。
【請求項24】
前記プロセッサは、前記コンピュータ可読命令を読み出して、
前記リンクアグリゲーショングループ
外の1または複数のポートから前記第1のアイドルポートを決定することを行うよう構成される、請求項14、15、16、17、20および22のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項25】
前記第1の多層リンクは、異なるタイプのネットワークを通過する多層リンクである、請求項14から24のいずれか一項に記載のコントローラ。
【請求項26】
前記異なるタイプのネットワークは、インターネットプロトコル(IP)ネットワークおよび光ネットワークを含む、請求項25に記載のコントローラ。
【請求項27】
ネットワークシステムに適用されるトラブルシューティング方法であって、前記ネットワークシステムは、コントローラと、第1のネットワークデバイスと、第2のネットワークデバイスとを有し、前記トラブルシューティング方法は、
前記第1のネットワークデバイスによって、第1の多層リンク上に障害が生じていることを取得する段階であって、前記第1の多層リンクは、前記第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスとの間のリンクアグリゲーショングループ内のリンクであり、前記第1の多層リンクはクロス層リンクを有し、前記クロス層リンクは、異なるネットワークにわたる、段階と、
前記第1のネットワークデバイスによって、前記第1のネットワークデバイス上の第1のアイドルポートとターゲットネットワークデバイス上の第2のアイドルポートとに基づき、第2の多層リンクを確立する段階と、
前記第1のネットワークデバイスによって、前記第1のネットワークデバイスと前記ターゲットネットワークデバイスとの間のターゲットリンクアグリゲーショングループに前記第2の多層リンクを追加する段階と、を備える、トラブルシューティング方法。
【請求項28】
前記トラブルシューティング方法は、
前記第1のネットワークデバイスによって、前記第1の多層リンクの光層リソースを解放する段階と、
前記第1のネットワークデバイスによって、前記リンクアグリゲーショングループから前記第1の多層リンクを削除する段階と、を備える、請求項27に記載のトラブルシューティング方法。
【請求項29】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体はソフトウェアプログラムを格納し、前記ソフトウェアプログラムが1または複数のプロセッサに読み取りおよび実行されて、請求項1から13のいずれか一項に記載のトラブルシューティング方法を実装する、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項30】
プログラムであって、前記プログラムが通信デバイスによって実行されると、前記通信デバイスは、請求項1から13のいずれか一項に記載のトラブルシューティング方法を実行できるようにされる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年5月11日に提出された日本の特許出願である特願2020‐526119の分割出願である。特願2020‐526119は、2019年8月27日に出願された国際出願のPCT/CN2019/102682の継続である。当該国際出願は、2018年8月30日に中国国家知識財産権局へ出願された、「障害がある多層リンク復旧方法およびコントローラ」と題する中国特許出願第CN 201811001018.8号に基づく優先権を主張する。上記したこれら特許出願は、参照により、それらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、通信分野、特に、障害がある多層リンク復旧方法およびコントローラに関する。
【背景技術】
【0003】
リンクアグリゲーションは、物理インタフェースのグループを論理インタフェースへ共にバンドルする方法であり、この方法により、帯域幅および信頼性を増やすことができる。複数の物理リンクを共にバンドルすることにより形成される論理リンクは、リンクアグリゲーショングループLAGまたはトランクと称される。これらのバンドルされたリンクの全てがイーサネット(登録商標)リンクである場合、当該アグリゲーションは、イーサネット(登録商標)リンクアグリゲーショングループと称され、イーサトランクと略され得る。アグリゲーションのインタフェースが、イーサトランクインタフェースと称され、イーサトランク内の複数のインタフェースが、複数のメンバインタフェースと称される。イーサトランクインタフェースは、共通イーサネット(登録商標)インタフェースとして用いられ得る。イーサトランクインタフェースと共通イーサネット(登録商標)インタフェースとの間の差は、転送中にイーサトランクがメンバインタフェースから1または複数のインタフェースを選択する必要がある、という点のみにある。従って、イーサトランク論理インタフェースは、物理イーサネット(登録商標)インタフェースにのみ構成されなければならないいくつかの特徴を除き、共通イーサネット(登録商標)インタフェースと同じ態様で構成され得る。イーサトランクの物理リンクに障害が生じた場合、障害物理リンクは、復旧される必要がある。そうでなければ、ネットワーク性能が低下するか、またはネットワーク内のデータ伝送が失敗する。
【発明の概要】
【0004】
本願の実施形態の目的は、リンクトラブルシューティング方法およびコントローラを提供することである。
【0005】
本願の態様は、トラブルシューティング方法を提供する。
方法は、
コントローラが、第1のネットワークデバイス上の第1のポートを通過する第1の多層リンクに障害が生じている、と判定する段階であって、第1の多層リンクは、第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスとの間のリンクアグリゲーショングループ内のリンクである、判定する段階と、
コントローラが第1の多層リンクの光層リソースを解放する段階と、
コントローラがリンクアグリゲーショングループから第1の多層リンクを削除する段階と、
コントローラが、第1のネットワークデバイス上の第1のアイドルポートとターゲットネットワークデバイス上の第2のアイドルポートとに基づいて、第1の多層リンクの復旧のために用いられる第2の多層リンクを確立する段階と、
コントローラが、第1のネットワークデバイスとターゲットネットワークデバイスとの間のターゲットリンクアグリゲーショングループに第2の多層リンクを追加する段階と
を備える。
【0006】
可能な設計において、ターゲットネットワークデバイスは、第2のネットワークデバイスである。
【0007】
可能な設計において、第1のネットワークデバイス上の第1のポートを通過する第1の多層リンクに障害が生じている、と判定する段階は、
第1のネットワークデバイス上の第1のポートに障害が生じている、と判定する段階と、
第1のポートでの障害に基づいて、第1の多層リンクに障害が生じている、と判定する段階と
を有する。
【0008】
可能な設計において、ターゲットネットワークデバイスは、第3のネットワークデバイスである。
【0009】
可能な設計において、第1のネットワークデバイス上の第1のポートを通過する第1の多層リンクに障害が生じている、と判定する段階は、
第2のネットワークデバイスにノード障害が生じている、と判定する段階と、
第1の多層リンクは、第1のポートおよび第2のネットワークデバイスを通過している、と判定する段階と、
第1の多層リンクに障害が生じている、と判定する段階と
を有する。
【0010】
可能な設計において、第1のアイドルポートは、第1のポートである。
【0011】
可能な設計において、第1のアイドルポートは、第1のポートではない。
【0012】
可能な設計において、第1の多層リンクおよび第2の多層リンクは、異なるタイプのネットワークを通過するリンクである。
【0013】
本願の別の態様は、コントローラを提供する。コントローラは、メモリおよびプロセッサを備える。メモリは、コンピュータ可読命令を格納するように構成される。
プロセッサは、メモリと通信し、コンピュータ可読命令を読み出すことにより、
第1のネットワークデバイス上の第1のポートを通過する第1の多層リンクに障害が生じている、と判定することであって、第1のリンクは、第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスとの間のリンクアグリゲーショングループ内のリンクである、判定することと、
第1の多層リンクの光層リソースを解放することと、
リンクアグリゲーショングループから第1の多層リンクを削除することと、
第1のネットワークデバイス上の第1のアイドルポートとターゲットネットワークデバイス上の第2のアイドルポートとに基づいて、第1の多層リンクの復旧のために用いられる第2の多層リンクを確立することと、
第1のネットワークデバイスとターゲットネットワークデバイスとの間のターゲットリンクアグリゲーショングループに第2の多層リンクを追加することと
を行うように構成される。
【0014】
可能な設計において、ターゲットネットワークデバイスは、第2のネットワークデバイスである。
【0015】
可能な設計において、プロセッサは、コンピュータ可読命令を読み出すことにより、
第1のネットワークデバイス上の第1のポートに障害が生じている、と判定することと、
第1のポートでの障害に基づいて、第1の多層リンクに障害が生じている、と判定することと
を行うように構成される。
【0016】
可能な設計において、ターゲットネットワークデバイスは、第3のネットワークデバイスである。
【0017】
可能な設計において、プロセッサは、コンピュータ可読命令を読み出すことにより、
第2のネットワークデバイスにノード障害が生じている、と判定することと、
第1の多層リンクは、第1のポートおよび第2のネットワークデバイスを通過している、と判定することと、
第1の多層リンクに障害が生じている、と判定することと
を行うように構成される。
【0018】
可能な設計において、第1のアイドルポートは、第1のポートである。
【0019】
可能な設計において、第1のアイドルポートは、第1のポートではない。
【0020】
可能な設計において、第1の多層リンクおよび第2の多層リンクは、異なるタイプのネットワークを通過するリンクである。
【0021】
本願において、コントローラは、リンクアグリゲーショングループ内の障害がある多層リンクを判定した後に、光ネットワークおよびIPネットワークのリソースの協調管理を実行するために、リンクアグリゲーショングループから障害がある多層リンクを削除するだけでなく、多層リンクの光ネットワークリソースを解放し、次に、障害があるリンクの復旧のために用いられる新しい多層リンクをアイドルポートに基づいて確立する必要もあり、これにより障害がある多層リンクの効率的な復旧を実装する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態によるネットワークの概略図である。
【0023】
【
図2】本発明の実施形態によるトラブルシューティング方法のフローチャートである。
【0024】
【
図3】本発明の実施形態によるネットワークの概略図である。
【0025】
【
図4】本発明の実施形態によるトラブルシューティング方法のフローチャートである。
【0026】
【
図5】本発明の実施形態によるネットワークの概略図である。
【0027】
【
図6】本発明の実施形態によるトラブルシューティング方法のフローチャートである。
【0028】
【
図7】本発明の実施形態によるコントローラの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、添付図面および具体的な実施形態を参照して、本発明を詳細に説明する。しかしながら、以下の実施形態は、技術的解決手段を理解しやすくするためにのみ与えられる例であり、本発明を限定することは意図されていないことに留意すべきである。
【0030】
図1は、本発明の実施形態によるネットワークの概略図である。
図1に示されるように、ネットワーク100は、コントローラ120、IPネットワーク140および光ネットワーク160を含む。
【0031】
コントローラ120は、多層管理モジュール122、IPドメイン管理モジュール124および光ドメイン管理モジュール126を含む。これら3つのモジュールは、複数の実装を有する。いくつかの実施形態において、多層管理モジュール122、IPドメイン管理モジュール124および光ドメイン管理モジュール126は、3つの独立のデバイスまたはソフトウェア製品であってよい。この場合、コントローラ120は、複数の独立のデバイスまたはソフトウェア製品を含むシステムとして理解され得る。コントローラ120が、複数の独立のデバイス含むシステムである場合、多層管理モジュール122、IPドメイン管理モジュール124および光ドメイン管理モジュール126は、実際にはそれぞれ、多層管理デバイス122、IPドメイン管理デバイス124および光ドメイン管理デバイス126である。これら3つの管理デバイスは全て、コントローラである。加えて、多層管理モジュール122、IPドメイン管理モジュール124および光ドメイン管理モジュール126は、代替的に、1つの独立のデバイスまたはソフトウェア製品で実装され得る。コントローラ120は、ソフトウェア定義ネットワークSDNコントローラ製品であってよい。
【0032】
IPネットワーク140は、複数のネットワークデバイス、例えば、ルータ141から144を含む。これらのルータは、互いに直接または間接的に接続されており、コントローラ120により送信された構成コマンド情報に基づいてこれらのルータの転送挙動を構成して、受信したデータをルーティングする。光ネットワーク160は、複数の光ネットワーク要素ONE、例えば、ONE161から164を含む。
図1に示されるネットワークにおいて、ONE161から164は、ルータ141から144と1対1の対応関係にある。ルータ、例えば、ルータ141が、別のルータ、例えば、ルータ142へデータを送信する必要がある場合、当該データを送信する当該ルータは、転送速度を上げるべく、まず、当該ルータに対応するONE、例えば、ONE161へデータを送信してよく、次に、当該ONEが、光ネットワークを用いることにより、ターゲットルータ、例えば、ルータ142に対応するONE、すなわち、例えば、ONE162へ当該データを送信し、次に、ターゲットルータに対応するONEが、受信した当該データをターゲットルータへ送信する。当該データが通過するリンクは、ルータ141および142が位置するIPネットワーク140と、ONE161およびONE162が位置する光ネットワーク160とにわたる。IPネットワーク140は、IP層ネットワークと称され得る。光ネットワーク160は、光層ネットワークと称され得る。従って、当該リンクは、多層リンクと称され得る。ここで、IPネットワーク140および光ネットワーク160を接続するリンク、例えば、ルータ141およびONE161を接続するリンクが、パッチコードとも称されるクロスリンクである。
【0033】
IPドメイン管理モジュール124は、IPネットワーク140内のルータへ制御情報を送信するように構成されており、さらに、IPネットワーク140により報告されるIPネットワークステータス情報を受信し得る。光ドメイン管理モジュール126は、光ネットワーク160内のONEへ制御情報を送信するように構成されており、さらに、光ネットワーク160により報告される光ネットワークステータス情報を受信し得る。
【0034】
図2は、本発明の実施形態によるトラブルシューティング方法のフローチャートである。
図2に示されるトラブルシューティングは、
図3に示されるネットワークに基づいて実行される。
図3に示されるネットワーク構造は、
図1に示されるネットワークのネットワーク構造と同じである。
図3に示されるネットワークにおいて、コントローラ120は、コントローラ120に格納されたIPネットワーク140のネットワークステータス情報に基づいて、ルータ141上にはポートP1、P2およびP3が存在しており、ルータ142上にはポートP4、P5およびP6が存在している、と判定し得る。ポートP1およびP4は、多層リンクを通じて接続され、ポートP2およびP5は、多層リンクを通じて接続され、ポートP3およびP6は、アイドル状態である。これら2つの多層リンクの両方が、1つのリンクアグリゲーショングループに属する。ネットワークステータス情報は、コントローラの多層管理モジュールに格納され得る。加えて、IPドメイン管理モジュール124が、IPネットワーク140についてのネットワークステータス情報の一部分を格納し得て、光ドメイン管理モジュール126が、光ネットワーク160についてのネットワークステータス情報の一部分を格納し得る。
【0035】
図2に示されるトラブルシューティング方法は、以下の内容を含む。
【0036】
205.コントローラ120が、ルータ141上のポートP2に障害が生じている、と判定する。
【0037】
ルータ141は、ポートP2に障害が生じていることを検出した後に、コントローラ120へ報告情報を送信して、ポートP2の障害を報告する。報告情報に基づいて、コントローラ120は、ルータ141上のポートP2に障害が生じている、と判定する。例えば、IPドメイン管理モジュール124は、報告情報を受信して多層管理モジュール122へ報告情報を送信し、多層管理モジュール122は、報告情報に基づいて、ポートP2に障害が生じている、と判定する。
【0038】
210.コントローラ120が、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを保持している、ネットワーク160の光層リソースを解放する。
【0039】
例えば、コントローラ120は、光ネットワーク160へ解放通知を送信することで、光ネットワーク160に、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを保持している、光ネットワーク160の光層リソースを解放するよう命令する。コントローラ120の内部で、多層管理モジュール122は、光ドメイン管理モジュール126を駆動することで、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを保持している、光ネットワーク160の光層リソースを解放する。これに応じて、光ドメイン管理モジュール126が光ネットワーク160へ解放通知を送信することにより、光ネットワーク160は、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを保持している光層リソースを解放する。光ネットワーク160は、解放通知を受信した後に、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを伝送するために用いられる光リソースを解放する。解放通知は、ONE161およびONE162へ送信される2つの情報を含み得る。これら2つの情報は、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを伝送するために用いられる光リソースを解放するようONE161およびONE162に命令するために別々に用いられる。コントローラ120は、コントローラ120に格納された光ネットワーク160の光ネットワークステータス情報を更新し得る。光ネットワーク160の更新済みの光ネットワークステータス情報は、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを伝送するために用いられる光リソースがアイドル状態であることを示す。更新済みの光ネットワークステータス情報は、多層管理モジュール122に格納され得るか、もしくは、光ドメイン管理モジュール126に格納され得るか、または、多層管理モジュール122および光ドメイン管理モジュール126に格納され得る。
【0040】
215.コントローラ120が、ポートP2およびP5を接続する多層リンクをリンクアグリゲーショングループ170から削除する。
【0041】
例えば、コントローラ120は、IPネットワーク140のルータへ削除通知を送信することで、IPネットワーク140に、多層リンクに属するリンクアグリゲーショングループ170から、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを削除するよう命令し得る。削除通知は、ルータ141および142へ別々に送信される2つの情報を含み得る。これら2つの情報は、多層リンクが属するリンクアグリゲーショングループ170から、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを削除するよう、ルータ141および142に命令するために別々に用いられる。削除通知は、多層管理モジュール122により駆動されるIPドメイン管理モジュール124により送信され得るか、または、IPドメイン管理モジュール124により単独で送信され得る。
【0042】
220.コントローラ120が、ルータ141および142上のアイドルポートに基づいて、ルータ141および142を接続する多層リンクを確立する。
【0043】
コントローラ120は、コントローラ120に格納されたIPネットワーク140のステータス情報に基づいて、ポートP3がさらにルータ141上で利用可能である、と判定し得ると共に、アイドルポートP3を用いてルータ142との新しい多層リンクを確立することを決定し得る。具体的には、新しい多層リンクが、ポートP3およびP5を用いることにより確立され得ると共に、新しいIPリンクP3からP6が、ポートP3とルータ142上の別のアイドルポートP6とを用いることにより確立され得る。ルータ141および142を接続する多層リンクを確立するために、IPネットワーク140および光ネットワーク160の両方が構成され得ることにより、IPドメイン管理モジュール124および光ドメイン管理モジュール126は、多層管理モジュールの制御下で、IPネットワーク140および光ネットワーク160へ制御情報を送信し得る。このようにして、ルータ141および142を接続する多層リンクは確立される。
【0044】
225.コントローラ120が、確立された多層リンクをリンクアグリゲーショングループ170に追加して、リンクアグリゲーショングループ170内の障害があるリンクを復旧する。例えば、IPドメイン管理モジュール124が、多層管理モジュール122の制御下で、ルータ141および142へ制御情報を送信し得ることにより、ルータ141および142は、220で確立された多層リンクをリンクアグリゲーショングループ170に追加する。
【0045】
図4は、本発明の実施形態によるトラブルシューティング方法のフローチャートである。
図4に示されるトラブルシューティングは、
図5に示されるネットワークに基づいて実行される。
図5に示されるネットワークのネットワーク構造は、
図1に示されるネットワークのネットワーク構造と同じである。
図5に示されるネットワークにおいて、コントローラ120は、コントローラ120に格納されたネットワークステータス情報に基づいて、ルータ141上にはポートP1、P2およびP3が存在しており、ルータ142上にはポートP4、P5およびP6が存在しており、ルータ144上にはポートP7およびP8が存在している、と判定し得る。ポートP2およびP5を接続する動作リンクと、ポートP3およびP8を接続する保護リンクとは、コントローラ120用に構成される。動作リンクおよび保護リンクの両方が多層リンクである。保護リンクは、動作リンクを保護するために用いられる。例えば、動作リンクが障害である場合、ルータ141は、トラフィックを動作リンクから保護リンクへ切り替える。ネットワークステータス情報は、コントローラの多層管理モジュール122に格納され得る。加えて、IPドメイン管理モジュール124は、IPネットワーク140についてのネットワークステータス情報の一部分を格納し得て、光ドメイン管理モジュール126は、光ネットワーク160についてのネットワークステータス情報の一部分を格納し得る。
【0046】
【0047】
405.コントローラ120が、ルータ142または光ネットワーク要素162にノード障害が生じている、と判定する。例えば、コントローラ120は、IPドメイン管理モジュール124を用いることにより、ルータ142でのノード障害を感知し得ると共に、光ドメイン管理モジュール126を用いることにより、光デバイス162でのノード障害を感知し得る。ルータ142および光ネットワーク要素162の両方が、データ伝送のために用いられるネットワークデバイスである。
光ネットワーク要素162は、ルータ142に対応する光ネットワーク要素である。なぜなら、光ネットワーク要素162は、ルータ142と1または複数のルータ間で相互に通信されるデータを光ネットワーク上で送信および受信するように構成されるからである。
【0048】
410.コントローラ120が、ルータ142または光デバイス162での障害に基づいて、ポートP2およびポートP5を接続する多層リンクが障害である、と判定する。ルータ142でノード障害が生じた場合、コントローラ120の多層管理モジュール122は、IPドメイン管理モジュール124により報告される、ルータ142にノード障害が生じていることを通知するために用いられる障害情報に基づいて、ルータ142に障害が生じている、と判定し得る。多層管理モジュール122は、ポートP5がルータ142上にあり、ポートP2およびP5を接続する多層リンクが存在することを既に認識しているので、ポートP2およびP5を接続する多層リンクに障害が生じている、と判定し得る。光ネットワーク要素162にノード障害が生じた場合、コントローラ120の多層管理モジュール122は、光ドメイン管理モジュール126により報告される、光ネットワーク要素162にノード障害が生じていることを通知するために用いられる障害情報に基づいて、光ネットワーク要素162に障害が生じている、と判定し得る。多層管理モジュール122は、光ネットワーク要素がルータ142のためにデータを送信および受信するように構成されており、ポートP5がルータ142上にあり、ポートP2およびP5を接続する多層リンクが存在することを既に認識しているので、ポートP2およびP5を接続する多層リンクに障害が生じている、と判定し得る。
【0049】
415.コントローラ120が、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを保持している、光ネットワーク160の光層リソースを解放する。例えば、コントローラ120は、光ネットワーク160へ解放通知を送信することで、光ネットワーク160に、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを保持している、光ネットワーク160の光層リソースを解放させる。特定の実装中に、解放通知は、ルータ142を通過する各多層リンクを保持している、光ネットワーク160の光層リソースを解放するよう光ネットワーク160に命令するために用いられ得るか、または、ポートP2およびP5を接続する多層リンクのみを保持している、光ネットワーク160の光層リソースを解放するよう光ネットワーク160に命令するために用いられ得る。解放通知を送信するために、多層管理モジュール122は、光ドメイン管理モジュール126を駆動して、解放通知を送信し得るか、または、光ドメイン管理モジュール126は、解放通知の送信を自身で決定し得る。ルータ142に障害が生じていることをノード障害が意味する場合、解放通知は、光ネットワーク要素161または162へ送信される1つの情報であってもよく、光ネットワーク要素161および162を含む複数の光ネットワーク要素へ送信される複数の情報を含んでもよい。光ネットワーク要素162に障害が生じていることをノード障害が意味する場合、解放通知は、光ネットワーク要素161へ送信される1つの情報であってもよく、光ネットワーク要素161を含む複数の光ネットワーク要素へ送信される複数の情報を含んでもよい。光ネットワーク要素162に障害が生じているので、コントローラ120は、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを保持している光層リソースを解放するよう光ネットワーク要素162に命令するために用いられる情報を光ネットワーク要素162へ送信しないことがある。しかしながら、光ネットワーク要素162が処理機能を有し得るので、コントローラ120は、代替的に、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを保持している光層リソースを解放するよう光ネットワーク要素162に命令するために用いられる情報を光ネットワーク要素162へ送信し得る。
【0050】
420.コントローラ120が、ルータ141と142との間のリンクアグリゲーショングループ170から、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを削除する。例えば、コントローラ120が削除通知をIPネットワーク140へ送信することにより、IPネットワーク140は、ルータ141と142との間のリンクアグリゲーショングループ170から、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを削除する。加えて、コントローラ120は、代替的に、コントローラ120に格納されたリンクアグリゲーショングループの構成情報から、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを削除し得ることにより、正確なネットワークステータス情報を格納する。ルータ141と142との間のリンクアグリゲーショングループがイーサネット(登録商標)アグリゲーションイーサトランクである場合、ポートP2およびP5を接続する多層リンクは、イーサトランクから削除される必要がある。削除通知を送信するために、多層管理モジュール122は、IPドメイン管理モジュール144を駆動して、削除通知を送信し得るか、または、IPドメイン管理モジュール144は、削除通知の送信を自身で決定し得る。ルータ142に障害が生じていることをノード障害が意味する場合、削除通知は、ルータ141へ送信される1つの情報であってもよく、ルータ141を含む複数のルータへ送信される複数の情報を含んでもよい。ルータ142に障害が生じているので、コントローラ120は、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを削除するようルータ142に命令するために用いられる情報をルータ142へ送信しないことがある。しかしながら、ルータ142が処理機能を有し得るので、コントローラ120は、代替的に、ポートP2およびP5を接続する多層リンクを削除するようルータ142に命令するために用いられる情報をルータ142へ送信し得る。
【0051】
425.コントローラ120が、ルータ141上のアイドルポートとルータ144上のアイドルポートとに基づいて、ルータ141およびルータ144を接続する多層リンクを確立する。ルータ144は、保護リンク上のポートP8が位置するルータであってもよく、ポートP8が位置するルータでなくてもよい。ルータ141およびルータ144を接続する多層リンクは、ルータ141上のアイドルポート、例えば、ポートP1またはポートP1とは異なるアイドルポートと、ルータ144上のアイドルポート、例えば、ポートP7とを接続し得る。コントローラ120は、ルータ141および144および光ネットワーク要素161および164へ構成情報を送信し得ることにより、ルータ141およびルータ144の多層リンクを確立する。
【0052】
430.コントローラ120が、保護リンクが属するリンクアグリゲーショングループ180に、ポートP1およびP4を接続する多層リンクを追加する。このようにして、ポートP2およびP5を接続するリンクは、ポートP2およびP7を接続する多層リンクで置換でき、ポートP2およびP5を接続する障害があるリンクは復旧される。ポートP2およびP5を通過する多層リンクに障害が生じた後に、トラフィックが、当該リンクから、ポートP3およびP8を通過する保護リンクへ切り替えられ得る。トラフィックが保護リンクへ切り替えられた場合、コントローラ120は、トラフィックを、段階425において確立された多層リンクへ、切り替えてもよく、切り替えなくてもよい。
【0053】
図6は、本発明の実施形態によるトラブルシューティング方法のフローチャートである。トラブルシューティング方法は、以下の内容を含む。
【0054】
605.コントローラが、第1のネットワークデバイス上の第1のポートを通過する第1の多層リンクに障害が生じている、と判定する。第1のリンクは、第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスとの間のリンクアグリゲーショングループ内のリンクである。
【0055】
コントローラは、第1の多層リンクの2つの端部のいずれかにおけるネットワークデバイスに障害が生じているかどうかを検出することにより、第1の多層リンクに障害が生じているかどうかを判定し得る。コントローラは、第1のポートに障害が生じている、と判定した場合、第1の多層リンクに障害が生じている、と判定し得る。例えば、
図3におけるポートP2に障害が生じている場合、ポートP2およびポートP5を接続するリンクに障害が生じている、と判定できる。加えて、コントローラは、第2のネットワークデバイスにノード障害が生じている、と判定した場合、代替的に、第1の多層リンクに障害が生じている、と判定し得る。
【0056】
コントローラは、2つの端部におけるネットワークデバイスのいずれかに対応する光ネットワーク要素での障害を用いることにより、代替的に、第1の多層リンクに障害が生じている、と判定し得る。例えば、光ネットワーク要素162にノード障害が生じた場合、コントローラは、光ネットワーク要素162に対応するネットワークデバイス142にノード障害が生じている、と判定し得て、さらに、ネットワークノード142とネットワークノード141との間の全ての多層リンクに障害が生じている、と判定し得る。第1のポートが、ネットワークノード142に接続された、ネットワークノード141のポートである場合、コントローラは、第1のポートを通過する第1の多層リンクに障害が生じている、と判定し得る。
【0057】
610.コントローラが第1の多層リンクの光層リソースを解放する。
【0058】
第1の多層リンクがIPネットワークおよび光ネットワークを通過するので、コントローラは、光層リソースの浪費を回避するために、第1の多層リンクの光層リソースを解放する必要がある。第1の多層リンクの光層リソースは、第1の多層リンク上の2つのIP層ネットワークデバイスにそれぞれ対応する2つの光ネットワーク要素間の光リソースであってよい。例えば、
図5において、P2およびP5を接続する多層リンクに障害が生じた場合、コントローラ120は、ポートP2およびP5を接続する多層リンクの光層リソースを解放する必要がある、すなわち、ポートP2およびP5を接続する多層リンク上でデータを伝送するために用いられる、光ネットワーク要素161および162の光リソースを解放する必要がある。コントローラは、これら2つの光伝送ノードへの光リソースの解放についての情報を送信するだけでなく、コントローラによりローカルに記録された、ポートP2およびP5を接続する多層リンク上でデータを伝送するために用いられる光リソースの解放もし得る。
【0059】
615.コントローラがリンクアグリゲーショングループから第1の多層リンクを削除する。
【0060】
第1の多層リンクが既に障害なので、第1の多層リンクは、データ損失を回避するために、リンクアグリゲーショングループから削除される必要がある。コントローラが、第1の多層リンクを用いることにより接続された2つのネットワークデバイスへ削除通知を送信し得ることにより、これら2つのネットワークデバイスは、コントローラに格納されたリンクアグリゲーショングループの構成情報から第1の多層リンクを削除する。コントローラは、代替的に、コントローラに格納されたリンクアグリゲーショングループの構成情報から第1の多層リンクを削除し得る。
【0061】
620.コントローラが、第1のネットワークデバイス上の第1のアイドルポートとターゲットネットワークデバイス上の第2のアイドルポートとに基づいて、第1の多層リンクの復旧のために用いられる第2の多層リンクを確立する。
【0062】
第1のアイドルポートは、第1のネットワークデバイス上の第1のポートであってもよく、第1のネットワークデバイス上の別のアイドルポートであってもよい。
【0063】
ターゲットネットワークデバイスは、障害タイプに基づいて選択される必要がある。第2のネットワークデバイスにノード障害が生じた場合、ターゲットネットワークデバイスは、第2のネットワークデバイスでなくてもよいが、第1のネットワークデバイスおよび第2のネットワークデバイスとは異なる第3のネットワークデバイスである必要がある。第3のネットワークデバイスは、第2のネットワークデバイスのバックアップデバイスである。第2のネットワークデバイスにノード障害が生じており、第1のリンクでの障害がポートの障害によりもたらされている場合、ターゲットネットワークデバイスは、第2のネットワークデバイスまたは第3のネットワークデバイスのいずれであってもよい。
【0064】
625.コントローラが、第1のネットワークデバイスとターゲットネットワークデバイスとの間のターゲットリンクアグリゲーショングループに第2の多層リンクを追加する。
【0065】
このようにして、障害がある第1の多層リンクは、第2の多層リンクにより復旧される。第1の多層リンクでの障害によりもたらされる帯域幅損失が、ターゲットリンクアグリゲーショングループに第2の多層リンクを追加することにより補償され得る。
【0066】
図7は、本発明の実施形態によるコントローラ700の構造のブロック図である。
図7に示されるように、コントローラ700は、プロセッサ710と、プロセッサ710と通信するメモリ720と、送受信機730とを含む。
図1、
図3または
図5における多層管理モジュール122、IPドメイン管理モジュール124および光ドメイン管理モジュール126が1つのデバイスにおける3つのモジュールであるが、3つのディスクリートデバイスではない場合、コントローラ700は、
図1、
図3または
図5におけるコントローラ120であってよい。
図1、
図3または
図5における多層管理モジュール122、IPドメイン管理モジュール124および光ドメイン管理モジュール126が3つの独立のデバイスである場合、コントローラ120は、実際には、制御システムである。この場合、コントローラ700は、実際には多層管理デバイス122である多層管理モジュール122であってよい。
【0067】
プロセッサ710は、中央演算処理装置CPU、ネットワークプロセッサNPまたはCPUとNPとの組み合わせであってよい。プロセッサは、代替的に、特定用途向け集積回路ASIC、プログラマブル論理デバイスPLDまたはそれらの組み合わせであってよい。PLDは、コンプレックスプログラマブルロジックデバイスCPLD、フィールドプログラマブルゲートアレイFPGA、ジェネリックアレイロジックGALまたはそれらの任意の組み合わせであってよい。プロセッサ710は、1つのプロセッサであってもよく、複数のプロセッサを含んでもよい。メモリ720は、1つのメモリであってもよく、複数のメモリを含んでもよい。メモリ720は、揮発性メモリ、例えば、ランダムアクセスメモリRAMを含み得るか、または、当該メモリは、不揮発性メモリ、例えば、リードオンリメモリROM、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブHDDまたはソリッドステートドライブSSDを含み得る。当該メモリは、前述のタイプのメモリの組み合わせをさらに含み得る。メモリ720は、コンピュータ可読命令を格納する。コンピュータ可読命令は、複数のソフトウェアモジュールを含む。プロセッサ710は、各ソフトウェアモジュールを実行した後に、各ソフトウェアモジュールのインジケーションに従って、対応するオペレーションを実行し得る。プロセッサ710は、メモリ720内のコンピュータ可読命令を実行した後に、コンピュータ可読命令のインジケーションに従って、コントローラ120、または独立のデバイスとして機能する多層管理モジュール122により実行される全てのオペレーションを実行し得る。加えて、
図1、
図3または
図5における多層管理モジュール122、IPドメイン管理モジュール124および光ドメイン管理モジュール126が1つのデバイスにおける3つのモジュールである場合、多層管理モジュール122は、プロセッサ710と、メモリ720と、メモリ720に格納された多層管理ソフトウェアモジュールとに基づいて実装されるものと理解され得る。同様に、IPドメイン管理モジュール124は、プロセッサ710と、メモリ720と、メモリ720に格納されたIPドメイン管理ソフトウェアモジュールとに基づいて実装されるものと理解され得る。光ドメイン管理モジュール126は、プロセッサ710と、メモリ720と、メモリ720に格納された光ドメイン管理ソフトウェアモジュールとに基づいて実装されるものと理解され得る。前述の説明は、本発明の特定の実装方式の例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するよう意図されてはいない。本発明において開示された技術的範囲内で当業者が容易に想到するあらゆる変形例または置換例は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
[項目1]
コントローラが、第1のネットワークデバイス上の第1のポートを通過する第1の多層リンクに障害が生じている、と判定する段階であって、前記第1の多層リンクは、前記第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスとの間のリンクアグリゲーショングループ内のリンクである、判定する段階と、
前記コントローラが前記第1の多層リンクの光層リソースを解放する段階と、
前記コントローラが前記リンクアグリゲーショングループから前記第1の多層リンクを削除する段階と、
前記コントローラが、前記第1のネットワークデバイス上の第1のアイドルポートとターゲットネットワークデバイス上の第2のアイドルポートとに基づいて、前記第1の多層リンクの復旧のために用いられる第2の多層リンクを確立する段階と、
前記コントローラが、前記第1のネットワークデバイスと前記ターゲットネットワークデバイスとの間のターゲットリンクアグリゲーショングループに前記第2の多層リンクを追加する段階と
を備えるトラブルシューティング方法。
[項目2]
前記ターゲットネットワークデバイスは、前記第2のネットワークデバイスである、項目1に記載の方法。
[項目3]
第1のネットワークデバイス上の第1のポートを通過する第1の多層リンクに障害が生じている、と判定する前記段階は、
前記第1のネットワークデバイス上の前記第1のポートに障害が生じている、と判定する段階と、
前記第1のポートでの前記障害に基づいて、前記第1の多層リンクに前記障害が生じている、と判定する段階と
を有する、
項目1または2に記載の方法。
[項目4]
前記ターゲットネットワークデバイスは、第3のネットワークデバイスである、項目1に記載の方法。
[項目5]
第1のネットワークデバイス上の第1のポートを通過する第1の多層リンクに障害が生じている、と判定する前記段階は、
前記第2のネットワークデバイスにノード障害が生じている、と判定する段階と、
前記第1の多層リンクは、前記第1のポートおよび前記第2のネットワークデバイスを通過している、と判定する段階と、
前記第1の多層リンクに前記障害が生じている、と判定する段階と
を有する、
項目1または4に記載の方法。
[項目6]
前記第1のアイドルポートは、前記第1のポートである、項目1から5のいずれか一項に記載の方法。
[項目7]
前記第1のアイドルポートは、前記第1のポートではない、項目1から5のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]
前記第1の多層リンクおよび前記第2の多層リンクは、異なるタイプのネットワークを通過するリンクである、項目1から7のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
コンピュータ可読命令を格納するように構成されたメモリと、
前記メモリと通信するプロセッサであって、前記コンピュータ可読命令を読み出すことにより、
第1のネットワークデバイス上の第1のポートを通過する第1の多層リンクに障害が生じている、と判定することであって、前記第1のリンクは、前記第1のネットワークデバイスと第2のネットワークデバイスとの間のリンクアグリゲーショングループ内のリンクである、判定することと、
前記第1の多層リンクの光層リソースを解放することと、
前記リンクアグリゲーショングループから前記第1の多層リンクを削除することと、
前記第1のネットワークデバイス上の第1のアイドルポートとターゲットネットワークデバイス上の第2のアイドルポートとに基づいて、前記第1の多層リンクの復旧のために用いられる第2の多層リンクを確立することと、
前記第1のネットワークデバイスと前記ターゲットネットワークデバイスとの間のターゲットリンクアグリゲーショングループに前記第2の多層リンクを追加することと
を行うように構成される、プロセッサと
を備えるコントローラ。
[項目10]
前記ターゲットネットワークデバイスは、前記第2のネットワークデバイスである、項目9に記載のコントローラ。
[項目11]
前記プロセッサは、前記コンピュータ可読命令を読み出すことにより、
前記第1のネットワークデバイス上の前記第1のポートに障害が生じている、と判定することと、
前記第1のポートでの前記障害に基づいて、前記第1の多層リンクに前記障害が生じている、と判定することと
を行うように構成される、
項目9または10に記載のコントローラ。
[項目12]
前記ターゲットネットワークデバイスは、第3のネットワークデバイスである、項目9に記載のコントローラ。
[項目13]
前記プロセッサは、前記コンピュータ可読命令を読み出すことにより、
前記第2のネットワークデバイスにノード障害が生じている、と判定することと、
前記第1の多層リンクは、前記第1のポートおよび前記第2のネットワークデバイスを通過している、と判定することと、
前記第1の多層リンクに前記障害が生じている、と判定することと
を行うように構成される、
項目9または12に記載のコントローラ。
[項目14]
前記第1のアイドルポートは、前記第1のポートである、項目9から13のいずれか一項に記載のコントローラ。
[項目15]
前記第1のアイドルポートは、前記第1のポートではない、項目9から13のいずれか一項に記載のコントローラ。
[項目16]
前記第1の多層リンクおよび前記第2の多層リンクは、異なるタイプのネットワークを通過するリンクである、項目9から15のいずれか一項に記載のコントローラ。