(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/335 20190101AFI20231219BHJP
G06F 16/35 20190101ALI20231219BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231219BHJP
【FI】
G06F16/335
G06F16/35
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019127753
(22)【出願日】2019-07-09
【審査請求日】2021-09-16
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-11
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増山 毅司
(72)【発明者】
【氏名】小林 隼人
(72)【発明者】
【氏名】村尾 一真
(72)【発明者】
【氏名】小林 健
(72)【発明者】
【氏名】日暮 立
(72)【発明者】
【氏名】谷塚 太一
(72)【発明者】
【氏名】田渕 義宗
【合議体】
【審判長】吉田 美彦
【審判官】林 毅
【審判官】稲垣 良一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-109787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F16/33-16/335
G06Q50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力情報
と、当該入力情報を
入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に、当該性格特性に応じた特徴語または表示態様に関する
態様情報の分類を行い、当該性格特性と、特徴語または態様情報とを対応付けて記憶する分類結果記憶部と、
提供
主が入力した提供対象の情
報を、
当該提供
主が指定
した性格
特性に
対応付けて前記
分類結果記憶部に
記憶された
特徴語または態様情報の表示態様に変換する変換部と
、
前記変換部により表示態様が変換された提供対象の情報を、前記提供主に提示する提示部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記変換部は、1以上
の性格特性の指定とともに、どれだけ当該性格特性を前記提供対象の情報に反映させるかの度合いを示す指標値の指定が受け付けられた場合には、
提供対象の
情報の表示態様
を、指定された指標値に応じた分だけ当該指標値に対応する性格特性が反映された表示態様へ
と変換する
ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提供対象の情報に対応する言葉の特徴を示す特徴量であって、指定された性格特性に対応する特徴量に、所定の重み値で重み付けする重み付け部をさらに有し、
前記変換部は、前記重み値で重み付けされた後の特徴量に基づいて、変換後の前記提供対象の情報の表示態様が指定された指標値に応じた分だけ当該指標値に対応する性格特性が反映された表示態様となるよう、前記提供対象の情報に対応する言葉の中から変換に用いる言葉を抽出する
ことを特徴とする請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記重み付け部は、前記提供対象の情報に対応する言葉のうち、指定された性格特性および当該性格特性に対応する指標値に応じた言葉を特定し、特定した言葉が有する前記特徴量に対して、所定の重み値で重み付けする
ことを特徴とする請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
入力情報を入力した
ユーザの性格特性を
、当該入力情報に基づいて推定する
推定部をさらに有する
ことを特徴とする請求項1
~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記
変換部は
、提供対象の
テキスト情報
、または、画像情報の表示態様を、指定された性格特性に応じた表示態様へと変換
する
ことを特徴とする請求項1~
5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
入力情報
と、当該入力情報を
入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に、当該性格特性に応じた特徴語または表示態様に関する
態様情報の分類を行い、当該性格特性と、特徴語または態様情報とを対応付けて記憶する分類結果記憶工程と、
提供
主が入力した提供対象の情
報を、
当該提供
主が指定
した性格
特性に
対応付けて前記
分類結果記憶工程に
おいて記憶された
特徴語または態様情報の表示態様に変換する変換工程と
、
前記変換工程により表示態様が変換された提供対象の情報を、前記提供主に提示する提示工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
入力情報
と、当該入力情報を
入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に、当該性格特性に応じた特徴語または表示態様に関する
態様情報の分類を行い、当該性格特性と、特徴語または態様情報とを対応付けて記憶する分類結果記憶手順と、
提供
主が入力した提供対象の情
報を、
当該提供
主が指定
した性格
特性に
対応付けて前記
分類結果記憶手順に
おいて記憶された
特徴語または態様情報の表示態様に変換する変換手順と
、
前記変換手順により表示態様が変換された提供対象の情報を、前記提供主に提示する提示手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文章作成を支援する様々な技術が知らている。例えば、特許文献1には、文章の表現形態の変更を支援する技術が開示されている。また、特許文献2には、文章の文体を当該文章の読み手側との関係に従って変換する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-297581号公報
【文献】特開平4-199263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、提供対象の情報の態様を、当該提供対象の情報を入力した入力元の所望する性格に応じた適切な態様へと変換することができるとは限らない。
【0005】
例えば、特許文献1では、表現を異にする同一の概念の語や句を関連付けして記憶しておくことで、入力された文章の表現が統一ものとなるよう、入力された文章を文節単位で再構成しているに過ぎず、文章の入力元や文章の読み手の性格が一切考慮されていない。また、特許文献2では、文章の書き手側の条件(例えば、年齢、地位、性別等)、読み手側の条件(例えば、年齢、地位、性別等)、書き手側と読み手側の関係(目上、有人、師弟等)、文章の種類(公用文、商用文、手紙等)に基づいて、文章の文体を変換しているに過ぎず、同様に、文章の入力元や文章の読み手の性格が一切考慮されていない。
【0006】
このようなことから、上記の従来技術では、提供対象の情報の態様を当該提供対象の情報を入力した入力元の所望する性格に応じた適切な態様へと変換することができるとは限らない。
【0007】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、提供対象の情報の態様を当該提供対象の情報を入力した入力元の所望する性格に応じた適切な態様へと変換することのできる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願にかかる情報処理装置は、提供対象の情報を取得する取得部と、前記提供対象の情報の態様を、任意の性格に応じた態様へと変換する変換部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、提供対象の情報の態様を当該提供対象の情報を入力した入力元の所望する性格に応じた適切な態様へと変換することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる第1の情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の情報処理にかかる変形例の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態にかかる第2の情報処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態にかかる第3の情報処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態にかかる情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態にかかる情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態にかかる情報処理の情報処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
〔1.情報処理の一例〕
図1~4を用いて、実施形態にかかる情報処理の一例について説明する。以下では、実施形態にかかる情報処理を第1の情報処理、第2の情報処理、および、第3の情報処理に分けて説明する。
図1および
図2は、第1の情報処理を説明する図に対応する。
図3は、第2の情報処理を説明する図に対応する。
図4は、第3の情報処理を説明する図に対応する。
図1~4を用いて実施形態にかかる情報処理の一例を説明する前に、まずは、実施形態にかかる情報処理の概要を示すことにする。
【0013】
まず、
図5を用いて、実施形態にかかる情報処理システムについて説明する。
図5は、実施形態にかかる情報処理システム1の構成例を示す図である。実施形態にかかる情報処理システム1は、
図5に示すように、端末装置10と、外部装置30と、情報処理装置100とを含む。端末装置10、外部装置30、情報処理装置100は、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図5に示す情報処理システム1には、複数台の端末装置10や、複数台の外部装置30や、複数台の情報処理装置100が含まれてよい。
【0014】
端末装置10は、ユーザによって利用される情報処理装置である。端末装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。端末装置10は、ユーザによるインターネット上の行動に応じて、様々な情報処理を実行する。例えば、端末装置10は、表示画面に各種のコンテンツを表示することによりユーザによる閲覧行動を可能にする。また、例えば、端末装置10は、表示画面に各種の商品情報を表示することによりユーザによる購買行動を実現する。もちろん、ユーザによるインターネット上の行動は、閲覧行動や購買行動に限定されるものではない。例えば、インターネット上の行動としては、所定のSNSサイトに対して投稿される文章の入力行動等も挙げられる。
【0015】
また、端末装置10には、情報入力(例えば、文章の入力)を受け付け、受け付けた文情報が所定の態様に変換された変換結果を提示するアプリケーション(アプリAPとする)が予めインストールされているものとする。このようなことから、端末装置10は、アプリAPの制御に従って、ユーザにより入力された情報を、実施形態にかかる情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、以下に説明する実施形態にかかる情報処理を行うことで、入力情報の態様を任意の性格に応じた態様へと変換し、変換結果を端末装置10に返す。そして、端末装置10は、変換結果を表示画面に表示する。
【0016】
なお、アプリAPは、所定のサービス(例えば、SNSサービス)に関するアプリケーションとして実現されてもよい。これにより、ユーザは、例えば、いかにも自身の性格とは異なる性格の人物が書いたような文章で相手とやり取りしたり、コメント投稿することができるようになる。また、ユーザがストアの従業員で自店舗の商品を広告したい場合、アプリAPを活用することで、例えば、自身の文章を広告配信先が好みそうな文章に変換させることができる。
【0017】
外部装置30は、各種サービスを提供するサーバ装置である。例えば、外部装置30は、サービスの数だけ存在するが、本実施形態では、説明を簡単にするために、1台の外部装置30が各種サービスを提供しているものとする。例えば、外部装置30は、ニュース記事等の記事コンテンツが一覧表示されるようなポータルサイトを提供する。また、外部装置30は、例えば、ショッピングサービス、オークションサービス、検索サービス、情報共有サービス、動画配信サービス等の各種サービスを提供する。また、これらサービスに対応するページでは、適宜、広告コンテンツの表示も行われる。また、外部装置30、および、後述する情報処理装置100を管理する事業者は同一であるものとする。したがって、上記の各種サービスは、かかる事業者に運営されるサービスとも言い換えることができる。
【0018】
ここで、実施形態にかかる情報処理が行われるにあたっての前提について説明する。例えば、面識のない相手と文章のやり取りをする際に、文章作成の不慣れなユーザは、相手に対する自分の性格や人柄等を語句の使用により文章表現することが難しく、文章作成に時間が掛かる場合がある。また、ユーザは、相手に向けて文章を提示する際に、例えば、所望する性格に応じた文章を提示したい場合があるが、所望する性格が自身と異なればそのような性格に応じた文章を書くのは非常に困難である。このようなことから、文章の態様(例えば、文章表現、言い回し、スタイル等)を、当該文章を入力した入力元の所望する性格に応じた適切な態様へと変換することができれば便利である。
【0019】
ユーザの「性格」についても触れておく。本実施形態でいう「性格」は、嗜好性のような単なるユーザの属性情報とはべつものである。つまり、性格は、ユーザの人間性を形成するうえでベースとなっているもので、先天的傾向に基づく意欲や行動の傾向である。したがって、長期的にみると、性格は、一様なものと解することができる。
【0020】
上記の前提を踏まえて、実施形態にかかる情報処理装置100は、以下の情報処理を行う。具体的には、情報処理装置100は、提供対象の情報を取得する取得部と、提供対象の情報の態様を、任意の性格に応じた態様へと変換する。例えば、情報処理装置100は、性格毎に当該性格に応じた情報の分類を行い、分類された情報のうち、任意の性格に応じた情報を用いて、提供対象の情報の態様を任意の性格に応じた態様へと変換する。例えば、情報処理装置100は、入力された情報と、当該情報を入力したユーザの性格との関係性に基づいて、性格毎に当該性格に応じた言葉、または、文字の表示態様に関する態様情報の分類を行う。一例としては、情報処理装置100は、入力された文字列が有する特徴と、当該文字列を入力したユーザの性格との関係性に基づいて、性格毎に当該性格に応じた言葉、または、文字の表示態様に関する態様情報の分類を行う。
【0021】
このような状態において、情報処理装置100は、第1の情報処理では、どのような性格に応じた態様への変換を希望するのか性格の指定を受け付ける。そして、情報処理装置100は、任意の性格として、指定された性格に応じた態様へと提供対象の情報の態様を変換する。また、情報処理装置100は、第2の情報処理では、提供対象の情報を入力した入力者の性格をこの提供対象の情報に基づいて推定し、提供対象の情報の態様を、推定された性格に応じた態様へと変換する。また、情報処理装置100は、第3の情報処理では、提供対象の情報が提供される提供先の性格を提供先に関する所定の情報に基づき推定し、提供対象の情報の態様を、推定された性格に応じた態様へと変換する。
【0022】
〔2.第1の情報処理の一例〕
さて、ここからはまず、
図1を用いて第1の情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態にかかる第1の情報処理の一例を示す図である。
図1では、実施形態にかかる第1の情報処理の一例を手順を追って説明する。また、情報処理装置100が有する記憶部についても適宜説明する。なお、
図1の例では、提供対象の情報は、情報処理装置100から見てユーザという立場にある広告主Ux1により入力された文章TX1であるものとする。文章TX1は、情報処理装置100により変換された状態で、エンドユーザに提供される可能性があるため、提供対象の情報の一例といえる。また、広告主Ux1により利用される端末装置10にはアプリAPがインストールされている。また、第2の情報処理および第3の情報処理でも同様の例を採用することにする。
【0023】
また、広告主が文章変換のために情報処理装置100を利用するというのは一例であり、例えば、所定のSNSサービスに投稿するにあたって、自身の文章の態様を所定の性格に応じた態様に変換したいエンドユーザが情報処理装置100を利用するということもあり得る。また、以下の実施形態では、情報処理装置100が、入力された文章の態様を変換する例を示すが、情報処理装置100は、入力された画像の態様を変換することもできる。
【0024】
まず、情報処理装置100は、サンプルユーザの性格を推定する推定処理を行う(ステップS11)。サンプルユーザとは、後述するモデルや正解データを生成するために情報が利用されるユーザである。また、以下では、サンプルユーザを「Sユーザ」と表記する場合がある。
【0025】
例えば、情報処理装置100は、所定の性格診断手法により、各Sユーザの性格を診断(各Sユーザがどの性格特性であるか診断)し、診断結果を診断結果記憶部121に格納する。例えば、情報処理装置100は、Big5とよばれる性格診断手法を用いて、開放性、真面目さ、外向性、協調性、精神安定性といった5項目の性格特性毎にスコアを算出し、算出したスコアに基づいて、各Sユーザがどの性格特性に最も当てはまるかを診断することができる。例えば、情報処理装置100は、Sユーザのうち、ユーザU1についてBig5を行った結果、開放性で最も高いスコアが得られたとすると、ユーザU1は性格特性「開放的」との診断結果を得る。言い換えれば、情報処理装置100は、ユーザU1は開放的な性格(開放性が高い性格)との診断結果を得る。
【0026】
なお、情報処理装置100は、エコグラムと呼ばれる性格診断手法により、「厳しさ度」、「優しさ度」、「冷静度」、「自由気まま度」、「従順度」といった性格特性のスコアを算出し、算出したスコアに基づいて、各Sユーザがどの性格特性に最も当てはまるかを診断してもよい。また、情報処理装置100は、OKグラムと呼ばれる性格診断手法により、「他者否定性」、「他者肯定性」、「自己否定性」、「自己肯定性」といった性格特性のスコアを算出し、算出したスコアに基づいて、各Sユーザがどの性格特性に最も当てはまるかを診断してもよい。
【0027】
また、このような性格診断結果は、例えば、予め各Sユーザに対していくつかの質問を行い、質問に対する回答に基づき得られた情報であってもよい。また、このような性格診断結果は、例えば、占いサイトやお見合いサイト等、Sユーザに対して提供された各種サービスにおける利用履歴から推定されたものであってもよい。本実施形態では、Big5に基づく性格診断結果を例に説明することにする。
【0028】
診断結果記憶部121は、各Sユーザに対する性格診断で得られた性格診断結果を記憶する。
図1の例では、診断結果記憶部121は、「性格特性」、「ユーザID」といった項目を有する。「性格特性」は、Big5と呼ばれる性格診断での診断結果で得られる性格特性の候補を示す。「性格特性」には、開放的、真面目、外向的、協調的、精神不安定といった5項目が存在する。「ユーザID」は、対応する「性格特性」に属するSユーザを識別する識別情報を示す。
【0029】
図1に示す診断結果記憶部121の例では、性格特性「開放的」に対して、ユーザID「U1、U3、U5」等が対応付けられている。かかる例は、情報処理装置100が、Big5により、ユーザU1、ユーザU3、ユーザU5に対して性格特性「開放的」との診断結果を得たことを示す。つまり、ユーザU1、U3、U5は、「開放的な性格」との診断結果が得られたことを示す。
【0030】
次に、情報処理装置100は、入力情報と、入力情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉、または、(文字や画像の)表示態様に関する態様情報の分類を行う(ステップS12)。
【0031】
まず、文字の分類について説明する。例えば、情報処理装置100は、ステップS11で性格診断が行われたSユーザが商品レビューのための入力欄に入力した文章(コメント)や、所定のSNSサイトに投稿した文章(コメント)を入力情報として取得する。例えば、情報処理装置100は、外部装置30から入力情報を取得する。そして、情報処理装置100は、入力情報と、入力情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉の分類を行う。例えば、情報処理装置100は、入力情報に含まれる文字列が有する特徴と、当該情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉の分類を行う。例えば、情報処理装置100は、性格特性毎に当該性格特性に応じた単語、語句、または、文章表現の少なくともいずれかの分類を行う。
【0032】
ステップS12での分類処理の一例として、情報処理装置100は、相互情報量という指標を用いることができる。具体的には、情報処理装置100は、入力情報に含まれる言葉と、当該入力情報を入力したSユーザの性格特性との間での相互情報量を算出し、算出した相互情報量が所定値以上の言葉を、当該性格特性に応じた特徴語として分類する。例えば、情報処理装置100は、同一性格特性に属するSユーザに入力された検索クエリ、質問、回答、SNSに投稿した情報、プロフィール、各種のコメント等といった各種のUGC(User Generated Contents)を収集する。なお、情報処理装置100は、例えば、同一性格特性に属するSユーザが投稿した質問に対する回答のうち、かかるSユーザがベストアンサーとして選択した回答、すなわち、かかるSユーザが最も気に入った回答をUGC情報として収集してもよい。また、性格特性毎に分類された特徴語は、その性格特性を有するユーザがよく使い傾向にある(使用頻度の高い傾向にある)言葉といえる。
【0033】
そして、情報処理装置100は、入力情報から単語や頻出する表現等といった文字列を抽出し、抽出した文字列と性格特性との間の相互情報量を計算する。そして、情報処理装置100は、相互情報量の値が高い方から順に所定の数の特徴語をその性格特性に応じた特徴語として分類(選択)する。このような処理を性格特性毎に実行することで、情報処理装置100は、各性格特性と対応する特徴語を過去ログの特徴として得ることができる。また、情報処理装置100は、特徴語を分類結果記憶部122に格納する。
【0034】
次に、態様情報の分類について説明する。例えば、情報処理装置100は、性格特性と、この性格特性のSユーザにより入力された入力情報(例えば、文章や画像)との関係性を分析することにより、性格特性毎に当該性格特性のSユーザはどのようなスタイルや見た目の文字あるいは画像を好む傾向にあるかといった、その行動傾向(嗜好性の傾向)に基づくスタイルの特徴を分析し、分析結果として得られたスタイルや見た目を示す態様情報当該性格特性に対して分類する。また、情報処理装置100は、態様情報を分類結果記憶部122に格納する。
【0035】
分類結果記憶部122は、性格特性毎に分類された特徴語(単語、語句、文章表現等)や態様情報を記憶する。
図1の例では、分類結果記憶部122は、「性格特性」、「特徴語」、「態様情報」といった項目を有する。「性格特性」は、Big5での診断結果で得られる性格特性の候補を示す。「性格特性」には、開放的、真面目、外向的、協調的、精神不安定といった5項目が存在する。「特徴語」は、対応する「性格特性」に対して分類された特徴語であって、対応する「性格特性」に応じた特徴語を示す。「態様情報」は、対応する「性格特性」に対して分類された態様情報であって、対応する「性格特性」に応じた態様情報を示す。
【0036】
図1に示す分類結果記憶部122の例では、性格特性「開放的」に対して、特徴語「W12、W32」が対応付けられている。かかる例は、性格特性「開放的」のユーザ(開放的な性格のユーザ)は、「W12、W32」を使用する傾向にあることを示す。かかる例では、「W12、W32」といったように概念的な記号を用いているが、実際には、特定の単語、語句、文章表現等が記憶される。また、
図1に示す分類結果記憶部122の例では、性格特性「開放的」に対して、態様情報「AS12、AS32」が対応付けられている。かかる例は、性格特性「開放的」のユーザ(開放的な性格のユーザ)は、「AS12、AS32」によって示される文字スタイルや見た目を好む傾向にあることを示す。かかる例では、「AS12、AS32」といったように概念的な記号を用いているが、実際には、態様を示す情報が記憶される。
【0037】
上記のように分類することで、情報処理装置100は、例えば、性格特性が未知の未知ユーザの入力情報が得られた場合には、この入力情報と分類結果記憶部122の分類結果とを照らし合わせることで、未知ユーザの性格特性を推定することができるようになる。このようなことから、分類結果記憶部122内の分類結果は正解データといえる。
【0038】
また、情報処理装置100は、ステップS12での分類結果を用いて、性格特性が未知のユーザであって、Big5用の回答も得られていないような未知ユーザについて、性格特性を推定するためのモデルを生成することもできる。
【0039】
例えば、情報処理装置100は、性格特性と、この性格特性のユーザによる過去ログ(の特徴、すなわち、当該性格特性に対応する特徴語との関係性を学習したモデルを生成する。具体的には、情報処理装置100は、性格特性と、当該性格特性に対応する特徴語との関係性を学習することにより、未知ユーザによって入力された情報が入力された場合に、この未知ユーザの性格特性を示す情報を出力するモデルを生成する。例えば、情報処理装置100は、特徴語をモデルに入力した際に、その特徴語と対応する性格特性を示す情報を出力するように、バックプロパゲーション等の技術を用いてモデルの学習を行うことでモデルを生成する。なお、情報処理装置100は、性格特性毎に、入力された特徴語と当該性格特性とが対応する確度を示すスコアを出力するようなモデルの学習を行ってもよい。また、情報処理装置100は、UGC情報が入力された場合に、そのUGC情報に含まれる特徴語と対応する性格特性を示す情報を出力するように、モデルの学習を行ってもよい。
【0040】
次に、情報処理装置100は、性格特性毎の特徴語に基づいて、標準言語毎に、各性格特性での変換候補を生成し、生成した変換候補を対応表記憶部123に格納する(ステップS13)。例えば、「〇〇という商品が今人気です」といった文章を例に挙げると、性格特性「開放的」のユーザに対してはこの性格に合わせて「〇〇という商品が今とっても人気なんだって!」と変換することが好ましいとする。そうすると、情報処理装置100は、例えば、「人気です」を「とっても人気なんだって!」と変換できるよう、分類結果記憶部122に記憶される分類結果に基づいて、標準言語「人気です」に対応する変換候補であって、性格特性「開放的」に対応する変換候補として「とっても人気なんだって!」を対応付ける作業を行う。具体的には、情報処理装置100は、分類結果記憶部122に記憶される分類結果のうち、性格特性「開放的」に対応する特徴語に基づいて、標準言語「人気です」に対応する変換候補であって、性格特性「開放的」に対応する変換候補として「とっても人気なんだって!」を対応付ける作業を行う。そして、情報処理装置100は、この対応付けを対応表記憶部123に格納する。このような処理がステップS13では行われる。
【0041】
したがって、対応表記憶部123は、上記のような対応付けを記憶する。
図1の例では、対応表記憶部123は、「性格特性」、「標準言語」、「変換候補」といった項目を有する。「性格特性」は、Big5と呼ばれる性格診断での診断結果で得られる性格特性の候補を示す。「性格特性」には、開放的、真面目、外向的、協調的、精神不安定といった5項目が存在する。「標準言語」は、性格特性の影響を受けていない最も標準的な単語、語句、文章表現を示す。「変換候補」は、対応する「性格特性」に応じて「標準言語」が変換される変換候補を示す。「変換候補」は、単語、語句、文章表現である。
【0042】
図1に示す対応表記憶部123の例では、性格特性「開放的」に対して、標準言語「W1」および変換候補「W111」が対応付けられている。かかる例は、標準言語「W1」を含む文章の態様を、性格特性「開放的」に応じた態様へと変換する場合、標準言語「W1」を変換候補「W111」へと変換するよう指定されている例を示す。
【0043】
さて、ここまでの説明は、提供対象の情報の態様を任意の性格に応じた態様へと変換する変換処理を実現するための前段階の処理といえる。これらの処理は、第1~第3の情報処理において共通して行われる。
【0044】
このような状態において、情報処理装置100は、第1の情報処理では、ユーザから提供対象の情報の入力と、この提供対象の情報の態様(例えば、文章表現)がどのような性格特性に応じた態様(例えば、文章表現)へと変換されることを希望するのか性格特性の指定を受け付ける(ステップS14)。冒頭で説明したように、
図1の例では、情報処理装置100は、広告主Ux1から文章TX1の入力を受け付けるとともに、性格特性「開放的」の指定を受け付けたものとする。文章TX1は、広告主Ux1が端末装置10を用いて書いた文章である。また、文章TX1は、実際には、「〇〇という商品が今人気です」という文章であるものとする。
図1では不図示であるが、情報処理装置100は、受け付けた情報を所定の記憶部に格納しておくことができる。
【0045】
次に、情報処理装置100は、文章TX1の態様を、広告主Ux1により指定された性格特性「開放的」に応じた態様に変換するための変換処理を行う(ステップS15)。変換処理の一例について、より詳細に説明する。例えば、情報処理装置100は、文章TX1の表現を、標準的な表現の標準文章へと変換する(ステップS15-1)。例えば、非常に癖のある表現の文章が入力される場合もあり、このような文章からダイレクトに性格特性に応じた態様への変換を行うと高精度な変換が行われない可能性がある。このため、情報処理装置100は、ステップS15-1で一旦、標準的な表現に戻す作業を行う。
図1の例では、説明を簡単にするため、ステップS15-1での変換後の文章も「〇〇という商品が今人気です」のままであるものとする。
【0046】
次に、情報処理装置100は、標準的な表現に戻された文章TX1の表現を、広告主Ux1により指定された性格特性「開放的」に応じた表現に変換する(ステップS15-2)。例えば、情報処理装置100は、対応表記憶部123を参照し、文章TX1から標準言語を抽出し、抽出した標準言語に対応する変換候補であって、指定された性格特性「開放的」に応じた変換候補を選択する。そして、情報処理装置100は、抽出した標準言語を、選択した変換候補に置き換える。このような処理により、情報処理装置100は、文章TX1「〇〇という商品が今人気です」の表現を、性格特性「開放的」に応じた表現「〇〇という商品が今とっても人気なんだって!」という表現に変換する。
【0047】
また、文章TX1の表現が、その他の性格特性に応じた表現に変換された場合の変換後の一例も示す。例えば、情報処理装置100は、性格特性「真面目」の場合には「〇〇という商品が今売れているとのことです」という表現の文章に変換する。また、例えば、情報処理装置100は、性格特性「外交的」の場合には「〇〇という商品が今日本で話題沸騰です」という表現の文章に変換する。また、例えば、情報処理装置100は、性格特性「協調的」の場合には「〇〇という商品を今多くの人が使っています」という表現の文章に変換する。また、例えば、情報処理装置100は、性格特性「精神不安定」の場合には変換を行わない。
【0048】
なお、情報処理装置100は、表現の変換だけではなく、文字スタイルの変換を行うこともできる。例えば、分類結果記憶部122において、性格特性「開放的」には、態様情報「AS11」が対応付けられているが、態様情報「AS11」は文字スタイル「太文字」を示すものとする。そうすると、かかる例は、性格特性「開放的」のユーザは、「太文字」を使う傾向にある、あるいは、太文字を好む傾向にあることを意味する。したがって、情報処理装置100は、広告主Ux1が性格特性「開放的」を指定していることに応じて、例えば、「〇〇という商品が今とっても人気なんだって!」という表現に変換したうえで、さらに、かかる文字列の少なくとも一部の文字列(例えば、強調すべき文字列)を太文字に変更する。
【0049】
また、説明の便宜上、情報処理装置100は、ステップS14において、文章TX1ではなく所定の画像情報GX1の入力と、性格特性「開放的」の指定を受け付けたとする。また、分類結果記憶部122において、性格特性「開放的」には、態様情報「AS32」が対応付けられているが、態様情報「AS32」は見た目「赤系の派手な色合い」を示すものとする。かかる例は、性格特性「開放的」のユーザは、「赤系の派手な色合い」の見た目を好む傾向にあることを意味する。したがって、情報処理装置100は、広告主Ux1が性格特性「開放的」を指定していることに応じて、例えば、画像情報GX1の現在の色合いを、「赤系の派手な色合い」に変更する。
【0050】
また、
図1では不図示であるが、情報処理装置100は、変換後の文章TX1を広告主Ux1の端末装置10に送信する。そして、端末装置10は、受信した変換後の文章TX1を表示する。これにより、広告主Ux1は、例えば、変換後の文章TX1を参考にすることができるため、スムーズに商品「〇〇」の広告コンテンツを作成することができるようになる。
【0051】
さて、これまで説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置100は、第1の情報処理では、提供対象の情報の入力を受け付けるととともに、どのような性格に応じた態様への変換を希望するのか性格の指定を受け付ける。そして、情報処理装置100は、指定された性格に応じた態様へと提供対象の情報の態様を変換する。これにより、情報処理装置100は、入力元(
図1の例では、広告主Ux1)の所望する性格に応じた適切な態様へと変換することができる。この結果、例えば、入力元は文章作成に頭を悩ませる必要がなくなるため、情報処理装置100は、文章作成においてユーザを効果的に支援することができる。
【0052】
〔3.第1の情報処理のバリエーション〕
上記第1の情報処理では、情報処理装置100は、どのような性格特性に応じた態様への変換を希望するのかその希望する性格特性を1つ受け付けている。しかし、情報処理装置100は、1以上の性格特性(例えば、異なる2つの性格特性)の指定とともに、どれだけ当該性格特性を提供対象の情報に反映させるかの度合いを示す指標値の指定を受け付けてもよい。また、情報処理装置100は、1以上の性格特性(例えば、異なる2つの性格特性)の指定とともに、指標値の指定を受け付けた場合には、指定された指標値に応じた分だけ当該指標値に対応する性格特性が反映された態様へと提供対象の情報の態様を変換する。
【0053】
例えば、情報処理装置100は、提供対象の情報に対応する言葉の特徴を示す特徴量であって、指定された性格に対応する特徴量に対して所定の重み値で重み付けする。そして、情報処理装置100は、重み値で重み付けされた後の特徴量に基づいて、変換後の提供対象の情報の態様が指定された指標値に応じた分だけ当該指標値に対応する性格が反映された態様となるよう、提供対象の情報に対応する言葉の中から変換に用いる言葉を抽出する。重み付けの一例として、情報処理装置100は、提供対象の情報に対応する言葉のうち、指定された性格特性および当該性格特性に対応する指標値に応じた言葉を特定し、特定した言葉が有する特徴量に対して、所定の重み値で重み付けする。この点について、
図2の例を用いて説明する。
【0054】
図2は、第1の情報処理にかかる変形例の一例を示す図である。
図2の例では、端末装置10の表示画面に各種指定を受け付けるためのページP1が表示されている。ページP1には、変換候補の文章の入力を受け付けるために入力欄AR11、および、どの性格特性をどれだけ変換候補の文章に反映させるかの度合いを示す指標値の指定を受け付けるための入力欄AR12が含まれる。また、
図2に示すように、入力欄AR12は、5つの性格特性に合わせて5分割されている。例えば、ユーザは、変換候補の文章の態様を、性格特性「開放的」のニュアンスが「70%」反映され、かつ、性格特性「真面目」のニュアンスが「30%」反映されたような態様へと変換させたいとする。かかる場合、ユーザは、5つの入力欄のうち、性格特性「開放的」に対応する入力欄に「70」を入力し、性格特性「真面目」に対応する入力欄に「30」を入力する。
【0055】
図2の例は、広告主Ux1が入力欄AR1に文章TX1「〇〇という商品が今人気です」を入力した例を示す。また、
図2の例は、広告主Ux1が性格特性「開放的」に対応する入力欄に「70」を入力し、性格特性「真面目」に対応する入力欄に「30」を入力すた例を示す。かかる例は、広告主Ux1は、文章TX1「〇〇という商品が今人気です」の表現を、性格特性「開放的」に応じた表現が「70%」反映され、かつ、性格特性「真面目」に応じた表現が「30%」反映されたような態様へと変換するよう指定していることを示す。また、このように入力したうえで、広告主Ux1は、下部の「送信ボタン」を押下したとする。
【0056】
かかる場合、情報処理装置100は、広告主Ux1から指定を受け付ける(ステップS24)。具体的には、情報処理装置100は、文章TX1の入力を受け付ける。また、情報処理装置100は、異なる複数の性格特性(開放的および真面目)の指定とともに、文章TX1の表現を、開放的を70%反映させて変換するよう指示する指定、および、真面目を30%反映させて変換するよう指示する指定を受け付ける。また、ステップS24は、
図1のステップS14に対応する。
【0057】
次に、情報処理装置100は、文章TX1の態様を、広告主Ux1により指定された性格情報に応じた態様に変換するための変換処理を行う(ステップS25)。ステップS25は、
図1のステップS15に対応する。変換処理の一例について、より詳細に説明する。
【0058】
まず、情報処理装置100は、文章TX1の表現を、標準的な表現の標準文章へと変換する(ステップS25-1)。ここで、情報処理装置100は、ステップS12の段階で、文章TX1に含まれる単語や表現について、性格特性毎に当該性格特性との間の相互情報量を算出しているものとする。つまり、文章TX1に含まれる単語や表現についても、性格特性毎に当該性格特性との間の相互情報量が算出されている。そうすると、情報処理装置100は、指定された性格特性に対応する変換候補それぞれの相互情報量(特徴量の一例)に基づいて、各変換候補の中から、指定された性格特性のユーザが、対応する割合分だけ使用しそうな変換候補を特定する(ステップS25-2)。例えば、情報処理装置100は、文章TX1に含まれる単語や表現に対応する変換候補のうち、性格特性「開放的」のユーザが「70%」程度の確率で使用しそうな相互情報量が算出された単語や表現を特定する。また、情報処理装置100は、文章TX1に含まれる単語や表現に対応する変換候補のうち、性格特性「真面目」のユーザが「30%」程度の確率で使用しそうな相互情報量が算出された単語や表現を特定する。
【0059】
このような状態において、情報処理装置100は、ステップS25-2で特定した変換候補が優先的に選択されるよう、この変換候補の相互情報量に対して所定の重み値で重み付けする(ステップS25-3)。次に、情報処理装置100は、文章TX1に含まれる単語や表現に対応する変換候補のうち、例えば、相互特徴量の最も高い変換候補を特徴語として抽出(選択)する(ステップS25-4)。ステップS25-2で特定された各変換候補には重み付けがされているため、情報処理装置100は、結果的に、変換候補の1つを70%に対応する特徴語として抽出し、変換候補のもう1つを30%に対応する特徴語として抽出する、あるいは抽出する可能性が高くなる。
【0060】
そして、情報処理装置100は、抽出した特徴語を用いて変換を行う(ステップS25-5)。例えば、情報処理装置100は、標準文章に直された文章TX1に含まれる標準言語を、当該標準言語に対応する特徴語であって、ステップS25-4で抽出した特徴語に置き換えることにより、文章TX1の表現を
図2のように広告主Ux1に指定された内容が反映された表現に変換する。
【0061】
このように、情報処理装置100は、ユーザから単に1つの性格特性の指定を受け付けるのではなく、複数の性格特性の指定とともに、各性格特性をどれだけ影響させるかの度合いを示す指標値を受け付ける。そして、情報処理装置100は、入力情報の態様を、受け付けた指標値分だけこの指標値に対応する性格特性の影響を受けた態様へと変換する。これにより、情報処理装置100は、変換に対するユーザのより細かな指定にも対応することができるため、利便性の高い文章作成支援を実現することができる。
【0062】
〔4.第2の情報処理の一例〕
次に、
図3を用いて第2の情報処理の一例について説明する。
図3は、実施形態にかかる第2の情報処理の一例を示す図である。
図3では、実施形態にかかる第2の情報処理の一例を手順を追って説明する。第1の情報処理は、提供対象の情報の入力を受け付けるとともに、希望する性格特性の指定を受け付けることで、提供対象の情報の態様を、指定された性格特性に応じた態様へと変換するものであった。これに対して、情報処理装置100は、第2の情報処理では、性格特性の指定を受け付けることはせず、提供対象の情報(変換候補の情報)を入力したユーザの性格特性を動的に推定することで、提供対象の情報の態様を、推定した性格特性に応じた態様へと変換する。
【0063】
また、第1の情報処理と共通する処理手順については、
図1と同様のステップ番号を用いることにする。また、第1の情報処理と共通する処理手順については、詳細な説明を省略する。また、
図3に示す第2の情報処理に対応する情報処理装置100は、
図1に示す情報処理装置100と同一の記憶部を有しているため、
図3では記憶部の図示を省略している。
【0064】
まず、情報処理装置100は、Sユーザの性格を推定する推定処理を行う(ステップS11)。次に、情報処理装置100は、入力情報と、入力情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉、または、(文字や画像の)表示態様に関する態様情報の分類を行う(ステップS12)。次に、情報処理装置100は、性格特性毎の特徴語に基づいて、標準言語毎に、各性格特性での変換候補を生成し、生成した変換候補を対応表記憶部123に格納する(ステップS13)。
【0065】
このような状態において、情報処理装置100は、第2の情報処理では、ユーザから提供対象の情報の入力を受け付ける(ステップS34)。
図3の例では、情報処理装置100は、広告主Ux1から文章TX1の入力を受け付けたとする。先にも触れたが、情報処理装置100は、第2の情報処理では、性格特性の指定を受け付けることは行ってない。
【0066】
次に、情報処理装置100は、入力文章である文章TX1の特徴に基づいて、広告主Ux1の性格特性を推定する性格推定処置を行う(ステップS35)。ここで、広告主Ux1は、Big5等の所定の性格診断手法で性格診断が行われておらず、現時点において、性格特性が未知の未知ユーザである。したがって、情報処理装置100は、このような未知ユーザについて次の2つの手法のいずれかで性格特性を推定することができる。
【0067】
1つの手法は、情報処理装置100は、文章TX1の中から、単語や表現といった文字列を抽出し、分類結果記憶部122において、抽出した文字列が特徴語として定められている性格特性を広告主Ux1の性格特性と推定する。他の手法としてはモデルを用いる者が挙げられる。情報処理装置100は、性格特性と、当該性格特性に対応する特徴語との関係性を学習することにより、未知ユーザによって入力された情報が入力された場合に、この未知ユーザの性格特性を示す情報を出力するモデルを生成してもよい旨先に説明した。したがって、情報処理装置100は、このモデルに対して文章TX1を入力することで、出力された性格特性を広告主Ux1の性格特性と推定する。
図3の例では、情報処理装置100は、広告主Ux1の性格特性として「開放的」を推定したものとする。
【0068】
次に、情報処理装置100は、文章TX1の態様を、広告主Ux1に対して推定された性格特性「開放的」に応じた態様に変換するための変換処理を行う(ステップS36)。例えば、情報処理装置100は、文章TX1の表現を、標準的な表現の標準文章へと変換する(ステップS36-1)。この点についてはステップS15-1で説明済みであるため省略する。
【0069】
次に、情報処理装置100は、標準的な表現に戻された文章TX1の表現を、広告主Ux1に対して推定された性格特性「開放的」に応じた表現に変換する(ステップS36-2)。例えば、情報処理装置100は、対応表記憶部123を参照し、文章TX1から標準言語を抽出し、抽出した標準言語に対応する変換候補であって、推定された性格特性「開放的」に応じた変換候補を選択する。そして、情報処理装置100は、抽出した標準言語を、選択した変換候補に置き換える。このような処理により、情報処理装置100は、文章TX1「〇〇という商品が今人気です」の表現を、性格特性「開放的」に応じた表現「〇〇という商品が今とっても人気なんだって!」という表現に変換する。
【0070】
また、情報処理装置100は、広告主Ux1の性格特性として「開放的」ではなく、「真面目」、「外交的」、「協調的」、「精神不安定」のいずれかを推定した場合には、例えば、
図1の例と同様に、各性格特性に合わせて態様を変換する。また、情報処理装置100は、推定した性格特性に合わせてスタイル変換や見た目の変換を行ってもよい。
【0071】
さて、これまで説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置100は、第2の情報処理では、提供対象の情報の入力を受け付けると、入力元の性格特性を動的に推定する。そして、情報処理装置100は、推定された性格に応じた態様へと提供対象の情報の態様を変換する。これにより、入力元は、相手に対する自分の性格や人柄等が上手く反映された文章を容易に得ることができるようになる。このようなことから、情報処理装置100は、例えば、文章で相手とコミュニケーションしたいという状況下において、コミュニケーションを円滑化することができる。また、この結果、情報処理装置100は、コミュニケーションにおけるトラブルを減少させることができる。
【0072】
〔5.第3の情報処理の一例〕
次に、
図4を用いて第3の情報処理の一例について説明する。
図4は、実施形態にかかる第3の情報処理の一例を示す図である。
図4では、実施形態にかかる第3の情報処理の一例を手順を追って説明する。第1の情報処理は、提供対象の情報の入力を受け付けるとともに、希望する性格特性の指定を受け付けることで、提供対象の情報の態様を、指定された性格特性に応じた態様へと変換するものであった。これに対して、情報処理装置100は、第3の情報処理では、性格特性の指定を受け付けることはせず、提供対象の情報(変換候補の情報)が提供される提供先の性格特性を動的に推定することで、提供対象の情報の態様を、推定した性格特性に応じた態様へと変換する。
【0073】
また、第1の情報処理と共通する処理手順については、
図1と同様のステップ番号を用いることにする。また、第1の情報処理と共通する処理手順については、詳細な説明を省略する。また、
図4に示す第3の情報処理に対応する情報処理装置100は、
図1に示す情報処理装置100と同一の記憶部を有しているため、
図4では記憶部の図示を省略している。
【0074】
まず、情報処理装置100は、サンプルユーザの性格を推定する推定処理を行う(ステップS11)。次に、情報処理装置100は、入力情報と、入力情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉、または、(文字や画像の)表示態様に関する態様情報の分類を行う(ステップS12)。次に、情報処理装置100は、性格特性毎の特徴語に基づいて、標準言語毎に、各性格特性での変換候補を生成し、生成した変換候補を対応表記憶部123に格納する(ステップS13)。
【0075】
このような状態において、情報処理装置100は、第3の情報処理では、ユーザから提供対象の情報の入力を受け付ける(ステップS44)。
図4の例では、情報処理装置100は、ユーザUx2から文章TX2の入力を受け付けたとする。先にも触れたが、情報処理装置100は、第3の情報処理では、性格特性の指定を受け付けることは行ってない。また、これまで提供対象の情報の提供元は広告主である例を示してきたが、説明をわかりやすくするため、今回の例では、所定のSNSサービスを用いて、ユーザUx2が特定の相手(ユーザUx3とする)と文章でやりとりしている状況を想定する。
【0076】
そして、情報処理装置100は、提供先の入力情報(例えば、提供先が入力した文章)を取得し、提供先の入力情報に基づいて、提供先の性格特性を推定する推定処置を行う(ステップS45)。ここで、提供先であるユーザUx3は、Big5等の所定の性格診断手法で性格診断が行われておらず、現時点において、性格特性が未知の未知ユーザであるとする。したがって、情報処理装置100は、このような未知ユーザについて次の2つの手法のいずれかで性格特性を推定することができる。
【0077】
1つの手法は、情報処理装置100は、まず、ユーザUx3を入力情報を取得する。例えば、情報処理装置100は、ユーザUx3に入力された検索クエリ、質問、回答、SNSに投稿した情報、プロフィール、各種のコメント等といった各種のUGCを入力情報として収集する。そして、情報処理装置100は、この入力情報の中から、単語や表現といった文字列を抽出し、分類結果記憶部122において、抽出した文字列が特徴語として定められている性格特性をユーザUx3の性格特性と推定する。
【0078】
他の手法としてはモデルを用いるものが挙げられる。情報処理装置100は、性格特性と、当該性格特性に対応する特徴語との関係性を学習することにより、未知ユーザによって入力された情報が入力された場合に、この未知ユーザの性格特性を示す情報を出力するモデルを生成済みである。したがって、情報処理装置100は、このモデルに対してユーザUx3の入力情報を入力することで、出力された性格特性をユーザUx3の性格特性と推定する。
図4の例では、情報処理装置100は、ユーザUx3の性格特性として「開放的」を推定したものとする。
【0079】
次に、情報処理装置100は、文章TX2の態様を、ユーザUx3に対して推定された性格特性「開放的」に応じた態様に変換するための変換処理を行う(ステップS46)。例えば、情報処理装置100は、文章TX2の表現を、標準的な表現の標準文章へと変換する(ステップS46-1)。この点についてはステップS15-1で説明済みであるため省略する。
【0080】
次に、情報処理装置100は、標準的な表現に戻された文章TX2の表現を、ユーザUx3に対して推定された性格特性「開放的」に応じた表現に変換する(ステップS46-2)。例えば、情報処理装置100は、対応表記憶部123を参照し、文章TX2から標準言語を抽出し、抽出した標準言語に対応する変換候補であって、推定された性格特性「開放的」に応じた変換候補を選択する。そして、情報処理装置100は、抽出した標準言語を、選択した変換候補に置き換える。このような処理により、情報処理装置100は、文章TX2「〇〇という商品が今人気です」の表現を、性格特性「開放的」に応じた表現「〇〇という商品が今とっても人気なんだって!」という表現に変換する。
【0081】
また、情報処理装置100は、ユーザUx3の性格特性として「開放的」ではなく、「真面目」、「外交的」、「協調的」、「精神不安定」のいずれかを推定した場合には、例えば、
図1の例と同様に、各性格特性に合わせて態様を変換する。また、情報処理装置100は、推定した性格特性に合わせてスタイル変換や見た目の変換を行ってもよい。
【0082】
さて、これまで説明してきたように、実施形態にかかる情報処理装置100は、第3の情報処理では、提供対象の情報の入力を受け付けると、提供先の性格特性を動的に推定する。そして、情報処理装置100は、推定された性格に応じた態様へと提供対象の情報の態様を変換する。これにより、入力元は、相手の性格や人柄等が上手く反映された文章を容易に得ることができるようになる。このようなことから、情報処理装置100は、例えば、文章で相手とコミュニケーションしたいという状況下において、コミュニケーションを円滑化することができる。また、この結果、情報処理装置100は、コミュニケーションにおけるトラブルを減少させることができる。
【0083】
〔6.情報処理装置の構成〕
次に、
図6を用いて、実施形態にかかる情報処理装置100について説明する。
図6は、実施形態にかかる情報処理装置100の構成例を示す図である。
図6に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。例えば、情報処理装置100は、
図1~
図4で説明した情報処理を行うサーバ装置である。
【0084】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、例えば、端末装置10、外部装置30との間で情報の送受信を行う。
【0085】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、診断結果記憶部121と、分類結果記憶部122と、対応表記憶部123とを有する。これらの記憶部については
図1で説明済みであるため、ここでの説明は省略する。
【0086】
なお、情報処理装置100は、入稿された各種コンテンツ(例えば、記事コンテンツや広告コンテンツ)を記憶する記憶部を有してもよい。
【0087】
(制御部130について)
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0088】
図6に示すように、制御部130は、取得部131と、推定部132と、分類部133と、生成部134と、受付部135と、変換部136と、提示部137とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図6に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0089】
(取得部131について)
取得部131は、各種情報を取得する。例えば、取得部131は、提供対象の情報を取得する。例えば、取得部131は、提供対象の情報として、情報処理装置100に対して変換を行わせる候補の情報を取得する。例えば、取得部131は、提供対象の情報として、ユーザによって入力された情報を取得する。例えば、取得部131は、ユーザによって入力された情報として、ユーザによって入力された文章や画像を取得する。
【0090】
また、取得部131は、推定部132により推定された性格特性を示す情報や、分類部133により分類された分類結果を取得する。例えば、診断結果記憶部121に記憶される性格特性(診断結果)や、分類結果記憶部122に記憶される特徴語あるいは態様情報(分類結果)が情報処理に利用される際には、取得部131は、これらの記憶部から処理に必要な情報を取得し、対応する処理部へと送信する。
【0091】
また、取得部131は、生成部134により生成された変換候補を取得する。例えば、対応表記憶部123に記憶される変換候補が情報処理に利用される際には、取得部131は、対応表記憶部123から処理に変換候補を取得し、対応する処理部へと送信する。
【0092】
(推定部132について)
推定部132は、ユーザの性格を推定する。例えば、所定の性格診断手法(Big5、エコグラム、OKグラム等)で性格特性を診断するのに必要な情報が揃っているユーザ、すなわちサンプルユーザについては、かかる情報を用いて、所定の性格診断手法により性格特性を推定する。
【0093】
また、推定部132は、性格特性と、当該性格特性に対応する特徴語との関係性を学習することにより、未知ユーザによって入力された情報が入力された場合に、この未知ユーザの性格特性を示す情報を出力するモデルが生成されている場合には、このモデルを用いて処理対象のユーザの性格特性を推定してもよい。例えば、処理対象のユーザについて、上記所定の性格診断手法で性格特性を診断するのに必要な情報が揃っていない場合には、推定部132は、処理対象のユーザによって入力された情報を取得し、取得した入力情報をモデルに入力することにより処理対象のユーザの性格特性を推定する。このようなことから、推定部132は、例えば、
図1で説明したステップS11の処理を行う。
【0094】
(分類部133について)
分類部133は、性格特性毎に当該性格特性に応じた情報の分類を行う。例えば、分類部133は、入力された情報と、当該情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉、または、表示態様に関する態様情報の分類を行う。例えば、分類部133は、入力された文字列が有する特徴と、当該文字列を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉、または、文字の表示態様に関する態様情報の分類を行う。例えば、分類部133は、性格特性毎に当該性格特性に応じた単語、語句、または、文章表現の少なくともいずれかの分類を行う。このようなことから、分類部133は、例えば、
図1で説明したステップS12の処理を行う。
【0095】
図1の例によると、分類部133は、入力情報と、入力情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉の分類を行う。例えば、分類部133は、性格診断が行われたユーザが商品レビューのための入力欄に入力した文章(コメント)や、所定のSNSサイトに投稿した文章(コメント)を入力情報として取得する。そして、分類部133は、入力情報と、入力情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉の分類を行う。例えば、分類部133は、入力情報に含まれる文字列が有する特徴と、当該情報を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉の分類を行う。例えば、分類部133は、性格特性毎に当該性格特性に応じた単語、語句、または、文章表現の少なくともいずれかの分類を行う。
【0096】
この分類処理の一例として、分類部133は、相互情報量という指標を用いることができる。具体的には、分類部133は、入力情報に含まれる言葉と、当該入力情報を入力したユーザの性格特性との間での相互情報量を算出し、算出した相互情報量が所定値以上の言葉を、当該性格特性に応じた特徴語として分類する。また、分類部133は、分類結果を分類結果記憶部122に格納する。
【0097】
(生成部134について)
次に、生成部134は、性格特性毎の特徴語に基づいて、標準言語毎に、各性格特性での変換候補を生成する。例えば、「〇〇という商品が今人気です」といった文章を例に挙げると、性格特性「開放的」のユーザに対してはこの性格に合わせて「〇〇という商品が今とっても人気なんだって!」と変換することが好ましいとする。そうすると、生成部134は、例えば、「人気です」を「とっても人気なんだって!」と変換できるよう、分類結果記憶部122に記憶される分類結果に基づいて、標準言語「人気です」に対応する変換候補であって、性格特性「開放的」に対応する変換候補として「とっても人気なんだって!」を対応付ける作業を行う。このようなことから、生成部134は、例えば、
図1で説明したステップS13の処理を行う。
【0098】
(受付部135について)
受付部135は、提供対象の情報の入力を受け付ける。例えば、受付部135は、アプリAPがインストールされた端末装置10を用いて入力された入力情報であって、変換候補の入力情報をユーザ(入力元)から受け付ける。例えば、受付部135は、提供対象の情報として、文章や画像に入力を受け付ける。
【0099】
また、受付部135、どのような性格特性に応じた態様への変換を希望するのか性格特性の指定も受け付けることができる。また、受付部135は、性格特性の指定とともに、どれだけこの性格特性を提供対象の情報に反映させるかの度合いを示す指標値の指定も受け付けることができる。
【0100】
(変換部136について)
変換部136は、提供対象の情報の態様を、任意の性格に応じた態様へと変換する。具体的には、変換部136は、分類部133により分類された情報のうち、任意の性格に応じた情報を用いて、提供対象の情報の態様を任意の性格に応じた態様へと変換する。
【0101】
例えば、変換部136は、例えば、変換部136は、
図1で説明したように、どのような性格特性に応じた態様への変換を希望するのか性格特性の指定が受け付けられた場合には(第1の情報処理)、任意の性格として、指定された性格に応じた態様へと提供対象の情報の態様を変換する。例えば、変換部136は、受付部135により受け付けられた文章の表現を、標準的な表現へと変換する(戻す)ことで標準文章を得る。そして、変換部136は、標準的な表現に戻された文章の表現を、文章の入力元により指定された性格特性に応じた表現に変換する。例えば、変換部136は、対応表記憶部123を参照し、標準文章から標準言語を抽出し、抽出した標準言語に対応する変換候補であって、指定された性格特性に応じた変換候補を選択する。そして、変換部136は、抽出した標準言語を、選択した変換候補へと置き換える。このような処理により、変換部136は、標準文章の表現を、性格特性に応じた表現に変換する。このようなことから、変換部136は、例えば、
図1で説明したステップS15の処理を行う。
【0102】
また、変換部136は、
図2で説明したように、1以上の性格特性の指定とともに、どれだけ当該性格特性を提供対象の情報に反映させるかの度合いを示す指標値の指定が受け付けられた場合には、任意の性格に応じた態様として、指定された指標値に応じた分だけ当該指標値に対応する性格特性が反映された態様へと提供対象の情報の態様を変換する。例えば、変換部136は、提供対象の情報に対応する言葉の特徴を示す特徴量であって、指定された性格特性に対応する特徴量に、所定の重み値で重み付けする重み付けする。例えば、変換部136は、提供対象の情報に対応する言葉のうち、指定された性格特性および当該性格特性に対応する指標値に応じた言葉を特定し、特定した言葉が有する特徴量に対して、所定の重み値で重み付けする。
【0103】
そして、変換部136は、重み付けされた後の特徴量に基づいて、変換後の提供対象の情報の態様が指定された指標値に応じた分だけ当該指標値に対応する性格特性が反映された態様となるよう、提供対象の情報に対応する言葉の中から変換に用いる言葉を抽出する。そして、変換部136は、抽出した言葉を用いて提供対象の情報の態様を変更する。このようなことから、変換部136は、例えば、
図2で説明したステップS25の処理を行う。なお、重み付けは、変換部136以外の処理部(例えば、重み付け部)によって行われてもよい。
【0104】
また、変換部136は、第2の情報処理としての変換処理も行う。第2の情報処理では、推定部132は、任意の対象者に関する所定の情報に基づいて、任意の性格として、当該任意の対象者の性格特性を推定する。例えば、推定部132は、任意の対象者として、提供対象の情報を入力した入力者の性格特性をこの提供対象の情報に基づいて推定する。このようなことから、推定部132は、例えば、
図3で説明したステップS35の処理を行う。そして、変換部136は、提供対象の情報の態様を、推定部132により推定された性格特性に応じた態様へと変換する。
【0105】
また、変換部136は、第3の情報処理としての変換処理も行う。第3の情報処理では、推定部132は、任意の対象者に関する所定の情報に基づいて、任意の性格として、当該任意の対象者の性格特性を推定する。例えば、推定部132は、任意の対象者として、提供対象の情報が提供される提供先の性格特性を当該提供先に関する所定の情報に基づいて推定する。このようなことから、推定部132は、例えば、
図4で説明したステップS45の処理を行う。そして、変換部136は、提供対象の情報の態様を、推定部132により推定された性格特性に応じた態様へと変換する。
【0106】
(提示部137について)
提示部137は、変換部136により態様が変換された後の提供対象の情報を、かかる情報の入力元に提示する。例えば、提示部137は、態様が変換された後の提供対象の情報を入力元の端末装置10に送信する。また、この場合、入力元は、態様が変換された後の提供対象の情報を実際に相手に提供する。
【0107】
〔7.処理手順〕
次に、
図7を用いて、実施形態にかかる情報処理の手順について説明する。
図7は、実施形態にかかる情報処理の情報処理手順を示すフローチャートである。なお、
図7の例では、提供対象の情報は文章であるものとする。
【0108】
まず、推定部132は、ユーザ(サンプルユーザ)の性格診断を行う(ステップS101)。例えば、推定部132は、Big5等の性格診断手法を用いて、ユーザがどのような性格特性に属する性格であるかを診断(推定)する。また、推定部132は、ユーザに対する診断結果を診断結果記憶部121に格納する。
【0109】
次に、分類部133は、性格診断したユーザにより入力された情報と、当該ユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉、または、表示態様に関する態様情報の分類を行う(ステップS102)。例えば、分類部133は、入力された文字列が有する特徴と、当該文字列を入力したユーザの性格特性との関係性に基づいて、性格特性毎に当該性格特性に応じた言葉(特徴語)、または、文字の表示態様に関する態様情報の分類を行う。
【0110】
次に、生成部134は、性格特性毎の特徴語に基づいて、標準言語毎に、各性格特性での変換候補を生成する(ステップS103)。
【0111】
次に、受付部135は、ユーザから文章の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS104)。受付部135は、ユーザから文章の入力を受け付けていない場合には(ステップS104;No)、受け付けるまで待機する。一方、受付部135は、ユーザから文章の入力を受け付けた場合には(ステップS104;Yes)、希望する性格特性の指定を受け付けたか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、受付部135は、どのような性格特性に応じた態様への変換を希望するのかその希望する性格特性の指定を受け付けたか否かを判定する。
【0112】
変換部136は、受付部135により性格特性の指定が受け付けられた場合には(ステップS105;Yes)、ステップS104で受け付けられた入力情報の態様を、この性格特性に応じた態様へと変換する変換処理を行う(ステップS201)。かかる変換処理は、
図1のステップS15で説明した変換処理に対応する。また、提示部137は、変換後の入力情報を入力元のユーザに提示する。
【0113】
一方、受付部135は、希望する性格特性の指定を受け付けていないと判定した場合には(ステップS105;No)、希望する対象者の指定を受け付けたか否かを判定する(ステップS301)。具体的には、受付部135は、どのような対象者の性格特性に応じた態様への変換を希望するのかその対象者の指定を受け付けたか否かを判定する。例えば、受付部135は、「あなたの性格に合わせて変換しますか」といった質問と、「提供先の性格に合わせて変換しますか」といった質問を入力元のユーザに提示する。これにより、受付部135は、入力元のユーザ自身の性格特性、または、提供先の性格特性のうち、どちらの性格特性に応じた態様への変換を希望するのかを示す指定を受け付けたか否かを判定する。
【0114】
受付部135は、希望する対象者の指定を受け付けていないと判定した場合には(ステップS301;No)、希望する対象者の指定を受け付けていないので何も変換しない情報を変換後の入力情報として提示し(ステップS106)、処理を終了する。一方、推定部132は、希望する対象者の指定を受け付けられた場合には(ステップS301;Yes)、この対象者に関する所定の情報に基づいて、この対象者の性格特性を推定する(ステップS302)。
【0115】
そして、変換部136は、ステップS104で受け付けられた入力情報の態様を、ステップS302で推定された性格特性に応じた態様へと変換する変換処理を行う(ステップS303)。かかる変換処理は、
図3のステップS35で説明した変換処理、あるいは、
図4のステップS45で説明した変換処理に対応する。また、提示部137は、変換後の入力情報を入力元のユーザに提示する(ステップS106)。
【0116】
〔8.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態にかかる情報処理装置100は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0117】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0118】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0119】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0120】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0121】
例えば、コンピュータ1000が実施形態にかかる情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0122】
〔9.その他〕
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0123】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0124】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0125】
1 情報処理システム
10 端末装置
30 外部装置
100 情報処理装置
120 記憶部
121 診断結果記憶部
122 分類結果記憶部
123 対応表記憶部
130 制御部
131 取得部
132 推定部
133 分類部
134 生成部
135 受付部
136 変換部
137 提示部