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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】車両用撮像ユニット
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/26 20220101AFI20231219BHJP
【FI】
B60R1/26 200
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019151146
(22)【出願日】2019-08-21
(65)【公開番号】P2021030809
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】517089662
【氏名又は名称】フィコミロース, エセ. ア. ウ.
【氏名又は名称原語表記】Ficomirrors, S.A.U.
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】澤田 真
(72)【発明者】
【氏名】エスピノサ モラレス, ホセ マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス ティモネダ, ダビド
(72)【発明者】
【氏名】メンドーサ ビシオソ, ホセ
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-159998(JP,A)
【文献】特開2008-168715(JP,A)
【文献】特開2019-131097(JP,A)
【文献】特開2014-231334(JP,A)
【文献】特開2013-112298(JP,A)
【文献】特開2006-290184(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/00
B60R 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の周囲を撮像する一以上の撮像装置と、
前記撮像装置を収納するとともに、車体の側部に取り付けられるハウジングと、
前記撮像装置を支持して前記ハウジングに取り付けられるフレームと、を備えた車両用撮像ユニットであって、
前記フレームは、前記撮像装置を固定する一以上のカメラ固定部を備えるとともに、先端が前記ハウジングに当接する自由端とされた第1弾性変形部が設けられており、
前記第1弾性変形部は、前記車両用撮像ユニットに対して衝撃荷重が入力される側に配置した前記カメラ固定部から前記ハウジングに向かうように延設され
前記ハウジングは、車体の側部に取り付けられる内側ハウジングと、前記内側ハウジングの車幅方向外側に配置される外側ハウジングとを備え、前記外側ハウジングが前記内側ハウジングに対して脱着可能に取り付けられており、
前記第1弾性変形部は、前記先端が前記内側ハウジング側から前記外側ハウジング側に向かうように延設され、且つ、前記先端が前記外側ハウジングに当接するように設けられるとともに、前記車両用撮像ユニットに対して衝撃荷重が入力される側に配置した前記撮像装置の光軸と交差する方向で延設するように配置され、
前記外側ハウジングには、前記先端が当接する位置で、該先端を係止させる第1係止部が設けられていることを特徴とする車両用撮像ユニット。
【請求項2】
前記フレームは、前記第1弾性変形部の近傍に、前記外側ハウジングに係合する係止爪が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用撮像ユニット。
【請求項3】
前記フレームは、さらに、先端が前記外側ハウジングに対して当接する第2弾性変形部を備え、前記外側ハウジングに設けられた第2係止部に対して前記第2弾性変形部の先端が係止されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用撮像ユニット。
【請求項4】
前記外側ハウジングは、前記第1係止部及び前記第2係止部を、前記フレーム側に設けられた前記第1弾性変形部又は前記第2弾性変形部と対向して当接するように配置し、それぞれ係止されることを特徴とする請求項3に記載の車両用撮像ユニット。
【請求項5】
前記ハウジングは、さらに、前記内側ハウジングと前記外側ハウジングの下壁に跨って脱着可能に取り付けられる底部ハウジングを備え、
前記外側ハウジング、前記内側ハウジング及び前記底部ハウジングが前記撮像装置を囲むように配置されていることを特徴とする請求項1~請求項4の何れか一項に記載の車両用撮像ユニット。
【請求項6】
前記フレームには、前記撮像装置として、少なくとも、車両の側部後方を撮像するように光軸が向けられた後方撮像装置が固定されていることを特徴とする請求項1~請求項5の何れか一項に記載の車両用撮像ユニット。
【請求項7】
前記フレームには、前記撮像装置として、さらに、車両の側部下方を撮像するように光軸が向けられた下方撮像装置が固定されていることを特徴とする請求項6に記載の車両用撮像ユニット。
【請求項8】
前記フレームは、さらに、前記車両用撮像ユニットを前記車体の側部に固定する固定部を有することを特徴とする請求項1~請求項7の何れか一項に記載の車両用撮像ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の側部後方を撮像する撮像装置を備えた車両用撮像ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の側部後方を撮像する撮像装置を有する撮像ユニット(カメラ)と、撮像装置で撮像した画像を表示するモニタとが一体化され、その一体化されたモニタユニットがフロントサイドドアの前部の三角窓部分に取り付けられたものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に記載のモニタユニットによれば、フロントサイドドアの三角窓部分に取り付けられた状態において、モニタが車室内に配置され、撮像ユニットが車室外に配置されている。また、特許文献1のモニタユニットにおいては、撮像ユニットの撮像レンズが、光軸が車両の側部後方に向くようにハウジングの後面に設置されている。
【0004】
また、ハウジング本体と、該ハウジング本体の下部を覆う下部カバーを有し、ハウジング本体に取付けられる複数のカバーとでミラーハウジングが構成され、下部カバーの内面に、上下方向に延びる複数の下部カバー側係合爪が立設され、ハウジング本体に、複数の下部カバー側係合爪を係合させる下部カバー用係止部と、該係止部に係合した状態の前記下部カバー側係合爪の少なくとも一部に上方から近接、対向する係合爪用規制部とが設けられた車両用ドアミラーが提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0005】
特許文献2には、第2及び第4の下部カバー用係止部43,45に係合した状態にある第2及び第4の下部カバー側係合爪39,41に、それぞれ上方から当接する第1及び第2の係合爪用規制部46,47がハウジング本体19に設けられることが記載されている(特許文献2の発明を実施するための形態)。特許文献2に記載の車両用ドアミラーによれば、上記構成により、上方に向けて入力される衝撃が下部カバー20に作用したとき、少なくとも第2及び第4の下部カバー側係合爪39,41の上方への移動、即ち、下部カバー20の上方への移動が、第1及び第2の係合爪用規制部46,47によって規制されることになる。これにより、ハウジング本体19への下部カバー20の係合状態が維持され、ハウジング本体19から下部カバー20が簡単に外れてしまうことがないという効果が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5580435号公報
【文献】特許第5995103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一方、車両用のドアミラーにおいては、車両に取り付けられる用途上及び構造上の理由により、外部から衝撃荷重が加わる(入力される)場合がある。このように、ドアミラーに衝撃荷重が加わると、例えば、内部に設けられた撮像装置や各種ミラーに光軸のずれが生じることから、車両内に正確な視覚情報が伝わりにくくなるおそれがある。
【0008】
しかしながら、特許文献1には、モニタユニットに外部から衝撃荷重が加えられた場合に、撮像装置の光軸がずれるのを抑制できる構成は記載されていない。
また、特許文献2に記載の構成によれば、車両用ドアミラーに衝撃荷重が加えられたときに、カバーが外れるのを防止できるとされている。しかしながら、引用文献2においても、衝撃荷重が加えられた場合に、ミラーの光軸がずれるのを抑制できる技術については、何ら記載されていない。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、外部から衝撃荷重が加えられた場合においても、内部に収容された撮像装置の光軸がずれるのを抑制することが可能な車両用撮像ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る車両用撮像ユニットは、上記課題を解決するために、以下の構成を採用したものである。
即ち、本発明に係る車両用撮像ユニットは、車両の周囲を撮像する一以上の撮像装置(例えば、実施形態の後方撮像装置15)と、前記撮像装置を収納するとともに、車体(例えば、実施形態の車体B)の側部に取り付けられるハウジング(例えば、実施形態のハウジング19)と、前記撮像装置を支持して前記ハウジングに取り付けられるフレーム(例えば、実施形態のフレーム50)と、を備えた車両用撮像ユニット(例えば、実施形態の車両用撮像ユニット12)であって、前記フレームは、前記撮像装置を固定する一以上のカメラ固定部(例えば、実施形態のカメラ固定部51)を備えるとともに、先端(例えば、実施形態の先端52a)が前記ハウジングに当接する自由端とされた第1弾性変形部(例えば、実施形態の第1弾性変形部52)が設けられており、前記第1弾性変形部は、前記車両用撮像ユニットに対して衝撃荷重が入力される側に配置した前記カメラ固定部から前記ハウジングに向かうように延設されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、フレームに、先端が前記ハウジングに当接する自由端とされた第1弾性変形部が備えられることにより、車両用撮像ユニットに外部(後方)から衝撃荷重が入力されたときに、第1弾性変形部が当該衝撃荷重を受けて変形することで、フレームに設けられたカメラ固定部が変形するのを抑制できる。このように、撮像装置とフレームとの結合部であるカメラ固定部の変形が抑制されることで、撮像装置の光軸がずれ難くなる。
また、車両用撮像ユニットに対し、より大きな衝撃荷重が加わった場合には、ハウジングも変形又は破損するので、車両のドライバーに対して、外観上の変化に応じて、撮像装置に光軸のずれが生じたことや、車両用撮像ユニット全体の故障の有無に関わる予見性を与えることができる。
【0014】
本発明に係る車両用撮像ユニットは、上記構成において、前記ハウジングが、車体の側部に取り付けられる内側ハウジング(例えば、実施形態の内側ハウジング19i)と、前記内側ハウジングの車幅方向外側に配置される外側ハウジング(例えば、実施形態の外側ハウジング19o)とを備え、前記外側ハウジングが前記内側ハウジングに対して脱着可能に取り付けられており、前記第1弾性変形部は、前記先端が前記内側ハウジング側から前記外側ハウジング側に向かうように延設され、且つ、前記先端が前記外側ハウジングに当接するように設けられるとともに、前記車両用撮像ユニットに対して衝撃荷重が入力される側に配置した前記撮像装置の光軸と交差する方向で延設するように配置され、前記外側ハウジングには、前記先端が当接する位置で、該先端を係止させる第1係止部(例えば、実施形態の第1係止部19a)が設けられていることがより好ましい。
【0015】
本発明によれば、第1弾性変形部が、車両用撮像ユニットに対して衝撃荷重が入力される側に配置した撮像装置の光軸と交差する方向(斜め後方)で延設されるように配置され、外側ハウジングに第1弾性変形部の先端を係止させる第1係止部を備えることで、フレームとハウジングとの脱着時に干渉による外れが生じ難くなる。このような外れにくいハウジング構造を備えることにより、内側ハウジング及び外側ハウジングが一体構造(モノコック構造)となり、車両用撮像ユニットの全体的な強度及び剛性が向上し、また、分割構造の各ハウジング間の一体化も促進できる。
【0016】
本発明に係る車両用撮像ユニットは、上記構成において、前記フレームが、前記第1弾性変形部の近傍に、前記外側ハウジングに係合する係止爪(例えば、実施形態の係止爪53)が設けられていることがより好ましい。
【0017】
本発明によれば、フレームが上記の係止爪を備えることにより、フレームに対して外側ハウジングを強固且つ容易に固定できる。
【0018】
本発明に係る車両用撮像ユニットは、上記構成において、前記フレームが、さらに、先端(例えば、実施形態の先端55a)が前記外側ハウジングに対して当接する第2弾性変形部(例えば、実施形態の第2弾性変形部55)を備え、前記外側ハウジングに設けられた第2係止部(例えば、実施形態の第2係止部19c)に対して前記第2弾性変形部の先端が係止される構成を採用することができる。
【0019】
本発明によれば、フレームに備えられる第2弾性変形部の先端が、外側ハウジングに備えられる第2係止部に係止される構成を採用することで、外側ハウジングの他方側に外部(車両の後方)からの衝撃荷重が入力された場合でも、この衝撃荷重を受けた第2弾性変形部が変形するので、カメラ固定部や、その他の車載部品に変形や破壊、故障が生じるのを防止できる。
【0020】
本発明に係る車両用撮像ユニットは、上記構成において、前記外側ハウジングが、前記第1係止部及び前記第2係止部を、前記フレーム側に設けられた前記第1弾性変形部又は前記第2弾性変形部と対向して当接するように配置し、それぞれ係止されることが好ましい。
【0021】
本発明によれば、外側ハウジングに備えられる第1係止部及び第2係止部が、フレームに備えられる第1弾性変形部又は第2弾性変形部と係止される構成を採用することで、車両の前後方向における外側ハウジングの自由度の規制が、第1弾性変形部及び第2弾性変形部との係止により、簡便な構成で行うことができる。
【0022】
本発明に係る車両用撮像ユニットは、上記構成において、前記ハウジングが、さらに、前記内側ハウジングと前記外側ハウジングの下壁に跨って脱着可能に取り付けられる底部ハウジング(例えば、実施形態の底部ハウジング19b)を備え、前記外側ハウジング、前記内側ハウジング及び前記底部ハウジングが前記撮像装置を囲むように配置されていることが好ましい。
【0023】
本発明によれば、さらに、底部ハウジングを備え、外側ハウジング、内側ハウジング及び底部ハウジングが撮像装置を囲むように配置されていることで、外側ハウジングを外すだけの操作で、車両用撮像ユニット内部のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0024】
本発明に係る車両用撮像ユニットは、上記構成において、前記フレームには、前記撮像装置として、少なくとも、車両の側部後方を撮像するように光軸が向けられた後方撮像装置(例えば、実施形態の後方撮像装置15)が固定されている構成を採用できる。
【0025】
本発明によれば、上記のように、車両の側部後方を撮像するように光軸が向けられた後方撮像装置を備えた構成を採用することで、その他の車載部品をハウジング内に効率よく収納できる。
【0026】
本発明に係る車両用撮像ユニットは、上記構成において、前記フレームには、前記撮像装置として、さらに、車両の側部下方を撮像するように光軸が向けられた下方撮像装置(例えば、実施形態の下方撮像装置17)が固定されている構成を採用できる。
【0027】
本発明によれば、上記のように、後方撮像装置に加え、さらに、車両の側部下方を撮像するように光軸が向けられた下方撮像装置を備えた構成を採用することで、その他の車載部品をハウジング内に効率よく収納できる。
【0028】
本発明に係る車両用撮像ユニットは、上記構成において、前記フレームが、さらに、前記車両用撮像ユニットを前記車体の側部に固定する固定部(例えば、実施形態の固定部60)を有する構成を採用することができる。
【0029】
本発明によれば、上記のように、車体の側部に固定するための固定部を備えることにより、車両用撮像ユニットを車体の側部に安定して固定できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る車両用撮像ユニットによれば、上記構成の第1弾性変形部が備えられることにより、車両用撮像ユニットに外部(後方)から衝撃荷重が加わったときに、第1弾性変形部が当該衝撃荷重を受けて変形する。
これにより、フレームに設けられるカメラ固定部が変形するのを抑制できるので、撮像装置の光軸がずれ難くなり、衝撃荷重によって車両用撮像ユニットの視認性が低下するのを防止できる。
また、車両用撮像ユニットに対し、より大きな衝撃荷重が加わった場合には、ハウジングも変形又は破損するので、車両のドライバーに対して、外観上の変化に応じて、撮像装置に光軸のずれが生じたことや、車両用撮像ユニット全体の故障の有無に関わる予見性を与えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットが備えられる車両の車室内を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットが備えられる車両の側面図である。
図3図3は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットが備えられる車両の上面図である。
図4図4は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットが備えられる車両の前面図である。
図5図5は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットが備えられる車両の後面図である。
図6図6は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットが備えられる車両において、車室内に設けられた後方表示システムによるモニタ表示の一例を示す概略図である。
図7図7は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する上面図である。
図8図8は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する図であり、図7中に示した要部の部分破断図である。
図9図9は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する図であり、図8中に示した要部を、図8中のA方向から見た概略図である。
図10図10は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する図であり、図8中に示した要部における、撮像装置の光軸と第1弾性変形部の延伸方向との関係を示す部分破断図である。
図11図11は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する図であり、第1弾性変形部と第1係止部との係止状態を示す部分破断図である。
図12図12は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する図であり、図11中に示した要部を、図11中のX方向から見た図で、外側ハウジングに係合した係止爪を示す概略図である。
図13図13は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する図であり、図7中に示した要部の部分破断図である。
図14図14は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する下面図である。
図15図15は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する後面図である。
図16図16は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する下面図である。
図17図17は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する図であり、図16中に示したC-C断面図である。
図18図18は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する図であり、図16中に示したD-D断面図である。
図19図19は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する図であり、図16中に示したE-E断面図である。
図20図20は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する部分斜視図である。
図21図21は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する図であり、図15中に示したF-F断面図である。
図22図22は、本発明の実施形態である車両用撮像ユニットを説明する図であり、図15中に示したG-G断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態である車両用撮像ユニットの例を挙げ、その構成について図1図22を適宜参照しながら詳述する。なお、以下の説明において、前後や上下、左右については、特別に断らない限り、車両における前後や上下、左右を意味するものとする。また、各図面中の適所に、車両の上方を指す矢印UPと、車両の前方を指す矢印FRと、車両の左側方を指す矢印LHを記している。
【0033】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用撮像ユニットが取り付けられる車両1の車室内を示す図である。図1は、車両の前席(運転席と助手席)の前方を後斜め上方から見た図である。
図1中の符号2は、図示略の運転席用のシートの前方に配置されたステアリングホイールであり、符号3は、インストルメントパネル、符号4は、車室前方のウインドシールドガラス、符号5は、運転席側のフロントサイドドア(サイドドア)である。また、符号6は、フロントサイドドア5に昇降可能に設けられたドアガラスである。
【0034】
また、本実施形態の車両1は、車両の側部後方を車室内に表示する後方表示システム10を装備している。後方表示システム10は、車両の左右後方を後方撮像装置15(撮像装置;図7等を参照。)によって撮像し、その撮像を車室内のモニタ11(表示装置)に表示する。
【0035】
後方表示システム10は、左右の各フロントサイドドア5の外側に配置された後方撮像装置15と、左右の後方撮像装置15に対応して車室内に設置された一対のモニタ11と、後方撮像装置15とモニタ11を制御する図視略の制御装置とを備えている。左右の後方撮像装置15に対応するモニタ11は、車室内の左右のフロントピラー7の下端付近に設置されている。車両の左後方の撮像は、左側のフロントピラー7の下端のモニタ11に表示され、車両の右後方の撮像は、右側のフロントピラー7の下端のモニタ11に表示される。
【0036】
図2は、車両1を左側方から見た図であり、図3は、車両1の左半領域を上方から見た図である。また、図4は、車両1の左半領域を前方から見た図であり、図5は、車両の左半領域を後方から見た図である。
これらの各図に示すように、左側のフロントサイドドア5の外側面には、上記の後方撮像装置15及び下方撮像装置17を内蔵する車両用撮像ユニット12(以下、「撮像ユニット12」と称することがある。)が取り付けられている。なお、右側のフロントサイドドア5の外側面にも、左側と同様の撮像ユニット12が取り付けられている。
【0037】
図6は、車室内に設置されるモニタ11の表示画面13を示す図である。
モニタ11の表示画面13には、後方撮像装置15によって撮像された側部後方の画像が、自車両の側部の車体Bの一部とともに映し出される。
【0038】
図示例の表示画面13においては、車両1が平坦な路面を走行しているときに、車両後方の水平線hと車両の所定距離後方の路面rが同時に映し出されるように設定されている。この場合における表示画面13に映り込む撮像対象は、表示画面13のサイズ、後方撮像装置15の設置高さ及び前後方向位置、画角等によって適宜設定される。また、表示画面13での自車両の映り込み量は、例えば、表示画面13全体の10%以下に設定される。
【0039】
図7は、左側のフロントサイドドア5に設置される撮像ユニット12の上面図であり、図8は、図7中における要部を部分的に示した破断図である。図9は、図8中における要部を、図8中のA方向から見た概略図であり、図10は、図8中に示した要部における、後方撮像装置15の光軸oa1と第1弾性変形部52の延伸方向Kとの関係を部分的に示す破断図である。図11は、第1弾性変形部52と第1係止部19aとの係止状態を部分的に示した破断図であり、図12は、図11中に示した要部を、図11中のX方向から見た図であって、外側ハウジング19oに係合した係止爪53を示す概略図である。また、図13は、図7中の要部を部分的に示した図であり、第2弾性変形部55を示す破断図である。
【0040】
また、図14は本実施形態の撮像ユニット12を、内部構成の一部を破線で示しながら説明する下面図であり、図15は後面図である。また、図16は、撮像ユニット12の全体構成を説明する下面図であり、図17は、図16中に示したC-C断面図、図18は、図16中に示したD-D断面図、また、図19は、図16中に示したE-E断面図である。
【0041】
これらの各図(図1図6も参照)に示すように、本実施形態の撮像ユニット12は、車両の周囲を撮像するように光軸oa1が向けられた後方撮像装置15、及び、車両の側部下方を撮像するように光軸が向けられた下方撮像装置17(撮像装置)を収納するとともに、車体Bの側部に取り付けられるハウジング19と、後方撮像装置15及び下方撮像装置17を支持してハウジング19に取り付けられるフレーム50と、を備えて概略構成されている。また、図7等に示す例の撮像ユニット12においては、さらに、ターンランプや車幅灯等を構成する灯体ユニット18がハウジング19内に収容されている。ハウジング19は、図示略のベース部材を介してフロントサイドドア5の前部寄りの外面に取り付けられている。
【0042】
また、撮像ユニット12においては、フレーム50が、後方撮像装置15を固定するカメラ固定部51、及び、下方撮像装置17を固定するカメラ固定部54を備えるとともに、先端52aがハウジング19に当接する自由端とされた第1弾性変形部52が設けられている。そして、本実施形態の撮像ユニット12においては、第1弾性変形部52が、撮像ユニット12に対して衝撃荷重Fが入力される側に配置した後方撮像装置15が固定されるカメラ固定部51からハウジング19に向かうように延設されている。また、図9等に示す例のように、本実施形態の撮像ユニット12においては、第1弾性変形部52が、断面V字状の折り曲げ形状とされている。
【0043】
また、図7等に示す例においては、ハウジング19は、車両1の側部、即ち、フロントサイドドア5の外面(車体Bの側部)に取り付けられる内側ハウジング19iと、この内側ハウジング19iの車幅方向で外側に組み付けられる外側ハウジング19oとを備え、外側ハウジング19oが内側ハウジング19iに対して脱着可能に取り付けられている。さらに、本実施形態で説明するハウジング19は、図14に示す例のように、内側ハウジング19iと外側ハウジング19oの下壁に跨り、且つ、内側ハウジング19iと外側ハウジング19oの底部の開口20に脱着可能に組み付けられる底部ハウジング19bを備えている。上記構成により、本実施形態においては、外側ハウジング19o、内側ハウジング19i及び底部ハウジング19bが、後方撮像装置15及び下方撮像装置17を囲むように配置されている。
【0044】
内側ハウジング19i、外側ハウジング19o、及び底部ハウジング19bは、それぞれ、ビス止めやクリップ止め、凹凸嵌合等によって相互に脱着可能に組み付けられている。図17図16中のC-C断面)、図18図16のD-D断面)、及び図19図16のE-E断面)の各断面図においては、内側ハウジング19i、外側ハウジング19o、及び底部ハウジング19bが、それぞれ、凹凸嵌合によって組み付けられている。
【0045】
また、これら内側ハウジング19i、外側ハウジング19o、及び底部ハウジング19bは、例えば、硬質の樹脂材料によって形成されている。このような硬質の樹脂材料としては、特に限定されず、車両の外側に設けられる部材に一般的に用いられる樹脂材料を何ら制限無く採用できる。
【0046】
ハウジング19は、図7に示すように、フロントサイドドア5に取り付けられる車幅方向内側の内側辺aに対して車幅方向外側の外側辺bの幅が狭い、上面視で概略台形状に形成されている。内側辺aの前端部と外側辺bの前端部とは、傾斜辺cによって接続されている。傾斜辺cは、内側辺aの前端部から後方側に向かって車幅方向外側に傾斜している。傾斜辺cと外側辺bとは滑らかな湾曲によって接続されている。本実施形態においては、ハウジング19の外側面のうちの、傾斜辺cと、傾斜辺cと外側辺bを接続する湾曲部分に相当する部分を、ハウジング19の傾斜領域21と称する。また、ハウジング19の外側面のうちの、内側辺aと外側辺bの後端部同士を結ぶ辺dに相当する部分を、ハウジング19の後端領域22と称する。
【0047】
図7中に示すように、ハウジング19の上面側には、内側ハウジング19iと外側ハウジング19oの分割境界部23が配置されている。ハウジング19の上面側の分割境界部23は、車両前後方向に略沿って直線状に延びている。ハウジング19の上面側の分割境界部23は、ハウジングの車幅方向の中央(図7中の中心線cl)よりも車幅方向外側に偏った位置に配置されている。また、ハウジング19の外面は、分割境界部23を挟んで車幅方向内側と外側とで異なる色に設定されている。ただし、内側ハウジング19iの外面と外側ハウジング19oの外面とは、分割境界部23を挟んで滑らかに連続した面によって構成されている。
【0048】
また、内側ハウジング19iと外側ハウジング19oの分割境界部23は、内側ハウジング19iと外側ハウジング19oの前後の各端部を跨いで下面側に延びている。図14に示すように、外側ハウジング19oの下面には、分割境界部23よりも車幅方向外側に入り込むように上記の開口20が形成されている。外側ハウジング19oの開口20の車幅方向外側に入り込んだ部分は、底部ハウジング19bと外側ハウジング19oの分割境界部24とされている。底部ハウジング19bは、内側ハウジング19iと外側ハウジング19oの両下壁に跨って脱着可能に組み付けられている。
また、外側ハウジング19oの内面側には、フレーム50に備えられる第1弾性変形部52の先端52aが当接する位置で、この先端52aを係止させる第1係止部19aが設けられている。
【0049】
図7中に示すように、後方撮像装置15は、イメージセンサや各種の処理回路を内蔵する装置本体15Aと、撮像対象の像を取り込む撮像レンズ15Bと、を備えている。後方撮像装置15は、ハウジング19内の後部の車幅方向外側寄り部分に配置されている。撮像レンズ15Bは、ハウジング19の後端領域22の車幅方向外側寄り部分において、車体外部に露出している。ハウジング19(外側ハウジング19o)の後端領域22の車幅方向外側寄り部分には、車両の側部後方に指向する後傾斜面22Aが設けられている。後傾斜面22Aには、撮像レンズ15Bを外部に露出させるための第1レンズ露出孔25(レンズ配置部;図14を参照)が設けられている。また、撮像レンズ15Bの光軸oa1は、車幅方向外側に若干傾斜した状態で車両後方側に向いている。
【0050】
また、下方撮像装置17は、運転席からの死角となる車両の側部下方を運転席側の図示略のモニタに映し出す、所謂ブラインドモニタシステム等に用いられる。下方撮像装置17は、イメージセンサや各種の処理回路を内蔵する装置本体17Aと、撮像対象の像を取り込む撮像レンズ17Bと、を備えている。撮像レンズ17Bは、ハウジング19の車両前後方向の中央領域の下面において、車体外部に露出している。底部ハウジング19bの下面には、撮像レンズ17Bを外部に露出させるための第2レンズ露出孔26が設けられている。なお、詳細な図示を省略するが、撮像レンズ17Bの光軸は、車幅方向外側に若干傾斜した状態で車両下方側に向いている。
【0051】
ここで、図7に示すように、後方撮像装置15は、ハウジング19を上方から見たときに、下方撮像装置17よりも車両後方側に位置され、且つ、撮像レンズ15Bの車幅方向の外側端が下方撮像装置17よりも車幅方向の外側に位置されるように、ハウジング19の内部に配置されている。また、詳細な図示は省略するが、後方撮像装置15及び下方撮像装置17は、ハウジング19がフロントサイドドア5の側部に取り付けられた状態において、両者の装置本体15A,17Aの中心部の位置が概略水平になるようにハウジング19内に配置されている。
【0052】
フレーム50は後方撮像装置15及び下方撮像装置17が固定され、ハウジング19の内部において、撮像ユニット12全体のフレームとして機能し、例えば、ハウジング19と同様、硬質の樹脂材料等から形成される。
フレーム50には、上記のように、後方撮像装置15や下方撮像装置17を固定するためのカメラ固定部51,54が備えられる。カメラ固定部51,54は、それぞれ、後方撮像装置15又は下方撮像装置17を収容可能な凹状に形成されている(図9に示すカメラ固定部51を参照)。また、これらカメラ固定部51,54には、それぞれ、図視略のボルト孔が設けられている。
また、フレーム50には、図7等に示すように、第1弾性変形部52が設けられている。
【0053】
第1弾性変形部52は、フレーム50において、後方撮像装置15が固定されるカメラ固定部51からハウジング19側に向かうように延設されている。第1弾性変形部52は、図9に示す例では、屈曲部52bの位置で断面V字状に折れ曲がったアーム形状とされ、屈曲部52bの位置を中心に弾性変形可能に構成されている。
また、第1弾性変形部52は、ハウジング19に当接する先端52aが、ハウジング19に対して完全には固定されず、外側ハウジング19o(ハウジング19)の裏面側に当接しながら摺動自在な、概略テーパ状の先端形状とされた自由端として構成されている。
即ち、第1弾性変形部52は、図7及び図8中に示すように、撮像ユニット12に対して車両の後方からの衝撃荷重F1が入力される側に配置した後方撮像装置15が固定されるカメラ固定部51側に、弾性変形可能な第1弾性変形部52が配置されている。
【0054】
また、図10に示す例では、第1弾性変形部52は、内側ハウジング19i側から外側ハウジング19o側に向かうように延設されるとともに、後方撮像装置15の光軸oa1と交差する延伸方向K(斜め後方)で延設されるように配置されている。
さらに、第1弾性変形部52は、外側ハウジング19oに設けられた2箇所のリブからなる第1係止部19aに先端52aが当接している。即ち、図8等に示すように、第1弾性変形部52と、外側ハウジング19oに設けられた第1係止部19aとは、先端52aが第1係止部19aに挟み込まれるように係合されている。
【0055】
また、図12に示す例では、フレーム50における第1弾性変形部52の近傍に、外側ハウジング19oに係合する係止爪53が設けられている。図示例においては、係止爪53は突起状に形成されており、外側ハウジング19o側に設けられたレバー状の係止片19dに対し、孔部19eに係合するように設けられる。
【0056】
また、図7及び図13に示すように、本実施形態の撮像ユニット12は、フレーム50が、さらに、先端55aが外側ハウジング19oの内面側に対して当接するように設けられる、板状の第2弾性変形部55を備える。また、第2弾性変形部55の先端55aは、外側ハウジング19oに設けられた2箇所のリブからなる第2係止部19cに対して、この第2係止部19cに挟み込まれるように係止されている。図示例においては、第2弾性変形部55は板状に形成されているが、例えば、上述した第1弾性変形部52と同様に、断面V字状とすることも可能である。
【0057】
上記構成により、本実施形態の撮像ユニット12は、外側ハウジング19oにおいて、第1係止部19a及び第2係止部19cが、フレーム50側に設けられた第1弾性変形部52又は第2弾性変形部55と対向して当接するように配置され、それぞれ係止されている。
【0058】
また、図14に示すように、フレーム50には、さらに、撮像ユニット12を車体の側部に固定するための固定部60が、撮像ユニット12の外部に向けて突出するように設けられている。図示例においては、固定部60は、フレーム50から、車両への取付面側に設けられたフレームカバー65を貫くように、外部に向けて棒状で突出しており、それぞれ、長さや太さが異なる複数の固定部61,62,63,64が、合計で4箇所に設けられている。また、図14等においては詳細な図示を省略しているが、固定部60(61~64)は、先端部側が概略円錐状に形成されるとともに、所定の位置にねじ切り加工が施され、ボルト状に形成されている。
【0059】
さらに、図7等に示すように、本実施形態の撮像ユニット12においては、上記の各構成に加え、灯体ユニット18が備えられている。灯体ユニット18は、ハウジング19の内部に取り付けられるベースブロック27と、ベースブロック27に保持される図視略の回路基板と、回路基板に実装されたLED等からなる図視略の灯体と、ベースブロック27に保持され、灯体の光をハウジング19の外面の所定部位に導く長尺な導光体30とを備えて構成される。導光体30は、ベースブロック27から車体後方側に向かって車幅方向外側に傾斜して延びる傾斜部30aと、傾斜部30aの後端部から車両後方に直線状に延びる光照射部30bとを有している。
【0060】
図20は、撮像ユニット12の後端領域22を車幅方向外側の下方から見た部分斜視図であり、図21は、図15中に示したF-F線に沿う断面を示す図である。
ハウジング19の車幅方向外側の側面は、上下方向に湾曲した円弧面から形成されている。車幅方向外側の側面のうちの、車幅方向外側への最大膨出部31よりも若干下方位置には、断面略矩形状の溝32(切欠き部)が車体前後方向に略沿って形成されている。このハウジング19の溝32には、上述した灯体ユニット18の導光体30のうちの光照射部30bが配置されている。なお、導光体30の光照射部30bの後端部は、ハウジング19の溝32のうちの後傾斜面22Aに臨む位置の手前側に配置されている。つまり、ハウジング19の溝32の後端部付近には光照射部30bが配置されていない。これにより、光照射部30bから発された光が、後方撮像装置15の撮像レンズ15Bに入射するのを未然防止することができる。
なお、ハウジング19の溝32の後端部は、光透過性を持たない部材によって閉塞した構成としても良い。
【0061】
一方、灯体ユニット18の導光体30のうちの傾斜部30aと、ベースブロック27や図視略の回路基板、灯体等は、ハウジング19の内部に配置されている(図7も参照)。導光体30の傾斜部30aは、ハウジング19の外側面の傾斜領域21に概略沿うように配置されている。下方撮像装置17は、ハウジング19内のうちの、導光体30の傾斜部30aの車幅方向内側部分に配置されている。下方撮像装置17の撮像レンズ17Bは、装置本体17Aから車幅方向外側に向かって斜め下方に傾斜している。導光体30の傾斜部30aの車幅方向内側部分には、撮像レンズ17Bの斜め下方に傾斜した部分が配置されている。また、灯体ユニット18は、詳細な図示は省略するが、ハウジング19がフロントサイドドア5の側部に取り付けられた状態において、灯体ユニット18の上下方向の中心部の位置が、後方撮像装置15及び下方撮像装置17の各装置本体15A,17Aの中心の位置と概略水平になるようにハウジング19内に配置されている。
【0062】
なお、底部ハウジング19bの車幅方向外側領域には、下方に膨出する凸部33が設けられている(図16も参照)。凸部33は、車両前後方向に長い紡錘形状に形成されている。凸部33には、下方撮像装置17の撮像レンズ17Bを底部ハウジング19bの下方に露出させるための第2レンズ露出孔26が形成されている。第2レンズ露出孔26は、凸部33のうちの、当該第2レンズ露出孔26の車幅方向の幅よりも広い領域、例えば、第2レンズ露出孔26の車幅方向の幅よりも2倍以上広い領域に配置されている。凸部33は、第2レンズ露出孔26(撮像レンズ17B)よりも車両後方側に延びる領域を有している。
また、下方撮像装置17の撮像レンズ17Bは、その外表面が底部ハウジング19bの凸部33の表面形状に連続するように配置されている。また、紡錘状に収斂する凸部33の後端部は、車幅方向において、後方撮像装置15の撮像レンズ15Bの一部と重なる位置に配置されている。
【0063】
図22は、図15中に示したG-G線に沿う断面を示す図である。
図20図22に示すように、ハウジング19(外側ハウジング19o)の後端の第1レンズ露出孔25には、後方撮像装置15の撮像レンズ15Bの周域を覆うレンズフード37が取り付けられている。レンズフード37は、撮像レンズ15Bの周域から撮像方向に向かって径方向外側に傾斜して延びる截頭円錐状のフード壁38を有している。フード壁38の撮像レンズ15Bの光軸oa1に対する傾斜角度は、光軸oa1を挟んでハウジング19の溝32(切欠き部)のある外領域と、外領域と逆側の内領域とで異なって設定されている。
【0064】
具体的には、図21に示すように、外領域の傾斜角度α1は、撮像レンズ15Bの画角以上で、且つ、内領域の傾斜角度α2よりも小さく設定されている。そして、フード壁38の円周方向においては、内領域の傾斜角度α1と外領域の傾斜角度α2が最も角度差が大きく、内領域と外領域の間では傾斜角度が連続的に変化している。また、光軸oa1に対するフード壁38の傾斜角度は、ハウジング19を後方から視認した際に、フード壁38の放射方向の幅が外領域と内領域で同幅に見えるように設定されている。
【0065】
また、図20,22に示すように、レンズフード37のフード壁38うちの、撮像レンズ15Bの光軸oa1の方向から見て、撮像レンズ15Bの上方領域には、撮像方向に指向する略鉛直面39aを有する段部39が形成されている。段部39は、フード壁38の傾斜面に対し、撮像方向に突出する突条40によって形成されている。突条40は、光軸oa1の方向から見て、フード壁38の外周縁部に略沿った円弧状に形成されている。
なお、突条40は、光軸oa1の方向から見て、円環状に形成することも可能である。
突条40(段部39)は、レンズフード37の外周端部37a(撮像対象方向の端部)よりも前方側に窪んで形成されている。
【0066】
本実施形態の撮像ユニット12は、車両1の側部の以下の高さに配置されている。
以下、図2を参照して説明する。なお、図2において、符号35は、車体側部のキャラクターラインであり、符号36は、ドアウェスト部である。キャラクターライン35は、フロントサイドドア5を含む車体側部の外面に隆起して設けられた凸状の稜線部であり、車両前後方向に略沿って延びている。また、ドアウェスト部36は、フロントサイドドア5のドア本体の上辺部分であり、ドアガラス6の昇降する窓枠部の外観上の下辺を構成している。
【0067】
撮像ユニット12は、フロントサイドドア5のキャラクターライン35の高さh1よりも上方で、且つ、地面から925mm以上、最大車高h2以下の高さ範囲に配置されている。これにより、図2に示すように、車両走行時に自車両の前輪Wfが跳ね上げた飛沫sは、キャラクターライン35の隆起部分によって遮られ、撮像ユニット12に付着しにくい構成とされている。
【0068】
本実施形態で説明する例においては、撮像ユニット12の設置高さが地面から925mm以上に設定されていることで、後続車両のヘッドライトの光によるハレーションが生じ難い。つまり、本実施形態では、公道で使用される一般的な車両のヘッドライドの最大設置高さが50mmであるのに対し、ヘッドライトの光軸の下方傾斜を考慮した925mm以上の高さで撮像ユニット12が配置されるので、後続車両のヘッドライトの光が後方撮像装置15に直接入射して、モニタ11の映像にハレーションが生じるのを抑制することができる。
【0069】
また、本実施形態の場合、撮像ユニット12は、フロントサイドドア5のドアウェスト部36よりも下方位置に配置されている。これにより、撮像ユニット12が、フロントサイドドア5の窓枠部を通して運転者の視界に入るのが抑制される。
【0070】
また、図2に示すように、フロントサイドドア5の外面の後縁部には、格納式のフラッシュドアハンドル45が設けられている。フラッシュドアハンドル45は、車両の側面視で横長の長方形状に形成されている。フロントサイドドア5の外面の前縁部に取り付けられた撮像ユニット12は、車両の側面視がフラッシュドアハンドル45と同サイズ、ほぼ同形状の横長の長方形状に形成されている。そして、撮像ユニット12とフラッシュドアハンドル45とは、車両の側面視において、キャラクターライン35上の点を中心とした点対称位置に配置されている。
【0071】
上記のような構成を有する本実施形態の撮像ユニット12によれば、フレーム50に第1弾性変形部52が設けられていることで、この第1弾性変形部52が、例えば、図7及び図8中に示すような、車両の後方からの衝撃荷重F1が入力されたときに、この衝撃荷重F1を受けて弾性変形する。このように、第1弾性変形部52が弾性変形することで衝撃荷重F1が吸収され、フレーム50に設けられたカメラ固定部51が変形するのを抑制できるので、後方撮像装置15の光軸がずれ難くなる。従って、車両の後方からの衝撃荷重F1によって撮像ユニット12の視認性が低下するのを防止できる。
【0072】
さらに、撮像ユニット12に対して、より大きな衝撃荷重F1が加わった場合には、ハウジング19が変形又は破損するので、車両のドライバーに対して、外観上の変化に応じて、後方撮像装置15に光軸のずれが生じたことや、撮像ユニット12全体の故障の有無に関わる予見性を与えることが可能になる。
【0073】
また、第1弾性変形部52が、断面V字状の折り曲げ形状とされていることで、撮像ユニット12に外部(後方)から衝撃荷重F1が入力されたときに、第1弾性変形部52が衝撃荷重F1を受けてより効果的に弾性変形する。これにより、後方撮像装置15とフレーム50との結合部であるカメラ固定部51の変形を抑制し、後方撮像装置15の光軸がずれ難くなる効果がより顕著に得られる。
【0074】
また、カメラ固定部51を、例えば、図視略のボルトによってハウジング19に締結した場合には、この箇所の剛性がより高められるので、衝撃荷重F1が入力されたときの第1弾性変形部52の変形がより促進され、カメラ固定部51に変形が生じるのをより効果的に防止できる。
【0075】
また、第1弾性変形部52が、衝撃荷重F1が入力される側に配置した後方撮像装置15の光軸oa1と交差する延伸方向Kで延設するように配置され、且つ、外側ハウジング19oの内面側に、第1弾性変形部52の先端52aを係止させる第1係止部19aを備える構成を採用することで、ハウジング19の脱着時に干渉による外れが生じ難くなる。即ち、フレーム50とハウジング19とが外れにくいハウジング構造を備えることで、内側ハウジング19i及び外側ハウジング19oが一体構造(モノコック構造)となり、撮像ユニット12全体の強度及び剛性が向上する。また、分割構造とされた内側ハウジング19iと外側ハウジング19oとの一体化も促進できる。
【0076】
また、図12中に示すように、フレーム50における第1弾性変形部52の近傍に、外側ハウジング19oに係合する係止爪53が設けられ、この係止爪53が外側ハウジング19o側に設けられた係止片19dに係合する構成を採用することで、フレーム50に対して外側ハウジング19oを強固且つ容易に固定できる。
【0077】
また、フレーム50に第2弾性変形部55が備えられ、その先端55aが、外側ハウジング19oに備えられる第2係止部19cに係止される構成を採用することで、外側ハウジング19oの他方側に外部(車両の後方)からの衝撃荷重F1が入力されたとき、この衝撃荷重F1を受けた第2弾性変形部55が弾性変形する。これにより、カメラ固定部51,54や、その他の車載部品(例えば、灯体ユニット18等)に変形や破壊、故障が生じるのを防止できる。
【0078】
また、上述したように、第2弾性変形部55を、第1弾性変形部52と同様に断面V字状に形成した場合には、外側ハウジング19oの他方側に外部からの衝撃荷重F1が入力されたときに、第2弾性変形部55が衝撃荷重F1を受けてより効果的に弾性変形する。これにより、カメラ固定部51,54や灯体ユニット18等に変形や破壊、故障が生じるのをより確実に防止できる。
【0079】
また、外側ハウジング19oに備えられる第1係止部19a及び第2係止部19cが、フレームに備えられる第1弾性変形部52又は第2弾性変形部55と係止される構成を採用することで、車両の前後方向における外側ハウジングの自由度の規制を、簡便な構成で行うことができる。即ち、外側ハウジング19oの車両の前後方向の規制を、第1弾性変形部52及び第2弾性変形部55との係止と、例えば、少なくとも1箇所のボルト締結等との方法等を併用することにより、簡便な構成で確実に行うことができる。この場合、例えば、図14中に示すように、ボルト66を用いて、外側ハウジング19oをフレーム50に締結することが好ましい。
【0080】
また、車両の側部後方を撮像するように光軸oa1が向けられた後方撮像装置15を備えた構成とすることで、その他の車載部品(例えば、灯体ユニット18)をハウジング内に効率よく収納できる(図10も参照)。
また、後方撮像装置15に加え、さらに、車両の側部下方を撮像するように光軸が向けられた下方撮像装置17を備えた構成とした場合においても、例えば、灯体ユニット18等の車載部品をハウジング19内に効率よく収納できる。
【0081】
また、本実施形態では、車体の側部に固定するための固定部60を備えることにより、撮像ユニット12を、車体の側部に、高い固定強度で安定して固定することが可能になる。
【0082】
さらに、本実施形態で説明した撮像ユニット12は、ハウジング19が底部ハウジング19bを含み、外側ハウジング19o、内側ハウジング19i及び底部ハウジング19bが、後方撮像装置15及び下方撮像装置17を囲むように配置されている。また、ハウジング19は、外側ハウジング19oが内側ハウジング19iに対して脱着可能に取り付けられた構成とされている。これにより、外側ハウジング19oのみを外すだけの操作で、車幅方向外側からハウジング内19の部品に容易にアクセスすることができるので、撮像ユニット12のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0083】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0084】
1…車両
10…後方表示システム
11…モニタ
12…撮像ユニット(車両用撮像ユニット)
13…表示画面
15…後方撮像装置(撮像装置)
17…下方撮像装置(撮像装置)
19…ハウジング
19i…内側ハウジング
19o…外側ハウジング
19a…第1係止部
19c…第2係止部
19d…係止片
19e…孔部
19b…底部ハウジング
50…フレーム
51…カメラ固定部
52…第1弾性変形部
52a…先端
52b…屈曲部
53…係止爪
54…カメラ固定部
55…第2弾性変形部
55a…先端
60(61,62,63,64)…固定部
65…フレームカバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22