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  • 特許-テーパ面の形状及び面性状検査装置 図1
  • 特許-テーパ面の形状及び面性状検査装置 図2
  • 特許-テーパ面の形状及び面性状検査装置 図3
  • 特許-テーパ面の形状及び面性状検査装置 図4
  • 特許-テーパ面の形状及び面性状検査装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】テーパ面の形状及び面性状検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20231219BHJP
   G01B 11/30 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G01B11/24 D
G01B11/30 102G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019220176
(22)【出願日】2019-12-05
(65)【公開番号】P2021089226
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002103
【氏名又は名称】弁理士法人にじいろ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沼津 匡俊
【審査官】櫻井 仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-020212(JP,A)
【文献】特開2000-088545(JP,A)
【文献】特開2013-061255(JP,A)
【文献】特開2007-033169(JP,A)
【文献】特開2017-164801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01B 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源の光軸上に配置されるビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタの透過光路又は反射光路上に配置される、テーパ面を有する検査対象を載置するための載置台と、
前記ビームスプリッタの反射光路又は透過光路上に設置される、前記検査対象と同一の仕様に従って製造された製造物であって、テーパ面の面形状及び面性状が所定の規格を満足する比較対象と、
前記載置台に載置された前記検査対象及び前記比較対象に対して前記ビームスプリッタを介して対峙し、前記検査対象のテーパ面で反射された反射光と前記比較対象のテーパ面で反射された反射光とは前記ビームスプリッタで重ね合わされ、その位相差に応じた干渉画像を撮像する撮像部と、
前記ビームスプリッタと前記撮像部との間に配置されるテレセントリックレンズと
前記干渉画像に基づいて、前記比較対象に対する前記検査対象の面形状及び面性状の一致の程度を表すスコアを計算する計算部と、
前記スコアを表示する表示部と、
を具備するテーパ面の形状及び面性状検査装置。
【請求項2】
前記光源と前記ビームスプリッタとの間には他のテレセントリックレンズが配置される、請求項1記載のテーパ面の形状及び面性状検査装置。
【請求項3】
前記ビームスプリッタから前記検査対象までの距離と、前記ビームスプリッタから前記比較対象までの距離とは同一である、請求項1又は請求項2に記載のテーパ面の形状及び面性状検査装置。
【請求項4】
前記載置台は、前記ビームスプリッタから前記検査対象までの光路長を調整するために前記透過光路又は前記反射光路と平行な方向に前記検査対象を移動する機構を有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のテーパ面の形状及び面性状検査装置。
【請求項5】
前記光源は前記ビームスプリッタとともに同軸落射照明を構成する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のテーパ面の形状及び面性状検査装置。
【請求項6】
前記光源は白色光またはレーザ光を発生する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のテーパ面の形状及び面性状検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テーパ面の形状及び面性状検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械の加工精度を向上させるためには、工作機械の主軸のテーパ孔と、ツーリングとの嵌め合いを高精度に調整する必要がある。例えば、特許文献1には、ワークのテーパ形状を正確に測定できる形状測定方法及び形状測定装置が開示されている(例えば特許文献1)。
【0003】
工作機械の主軸のテーパ孔が所定の規格を満たしているかの検査には、例えば、あたり検査が行われる。あたり検査では、規格に応じて高精度に仕上げられているテーパゲージを用いて、テーパ孔の内外径や直径の長さの比(テーパ比)、テーパ角(断面と母線の角度)が規格を満たしているかが検査される。検査結果として、主軸テーパ孔のテーパ面がテーパゲージの外周のテーパ面に対してどれだけ触れているかを示す「あたり率」が評価される。あたり率は高いほど、その製品は精度が高いと判断される。
【0004】
従来のあたり検査では、ブリューペーストを塗布したテーパゲージをテーパ孔に挿し込むことにより、テーパゲージに塗布されたブリューペーストがテーパ孔のテーパ面に転写され、テーパ面に転写されたブリューペーストを目視で確認することによって「あたり率」を判断していた。しかしながら、あたり検査では、「テーパゲージにブリューペーストを速やかに一様に塗布しなければならない」、「テーパゲージを他の部分に接触させないようにテーパ孔に挿入しなければならない」、「テーパゲージをテーパ孔に一様な力で押し付けながら回転させなければならない」など、あたり検査に係る作業自体の難易度が高いものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-061248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
テーパ面の形状及び面性状の検査を安定的に行えることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るテーパ面の形状及び面性状検査装置は、光源と、光源の光軸上に配置されるビームスプリッタと、ビームスプリッタの透過光路又は反射光路上に配置される、テーパ面を有する検査対象を載置するための載置台と、ビームスプリッタの反射光路又は透過光路上に設置される、検査対象と同一の仕様に従って製造された製造物であって、テーパ面の面形状及び面性状が所定の規格を満足する比較対象と、載置台に載置された検査対象及び比較対象に対してビームスプリッタを介して対峙し、検査対象のテーパ面で反射された反射光と比較対象のテーパ面で反射された反射光とはビームスプリッタで重ね合わされ、その位相差に応じた干渉画像を撮像する撮像部と、ビームスプリッタと撮像部との間に配置されるテレセントリックレンズと、干渉画像に基づいて、比較対象に対する検査対象の面形状及び面性状の一致の程度を表すスコアを計算する計算部と、スコアを表示する表示部と、を具備する。
【発明の効果】
【0008】
本態様によれば、テーパ面の形状及び面性状の検査を安定的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係るテーパ面の形状及び面性状検査装置の外観を示す斜視図である。
図2図2は、図1のテーパ面の形状及び面性状検査装置の検査対象となる工作機械の主軸をツーリングとともに示す斜視図である。
図3図3は、図1のテーパ面の形状及び面性状検査装置の検査原理を説明するための補足図である。
図4図4は、図1のテーパ面の形状及び面性状検査装置から出力される干渉画像の一例を示す図である。
図5図5は、図1のテーパ面の形状及び面性状検査装置から出力される干渉画像の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係るテーパ面の形状及び面性状検査装置(以下、単に検査装置と称する)を説明する。以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0011】
本実施形態に係る検査装置は、テーパ面の面形状及び面性状を検査するための装置である。図1図2に示すように、ここでは、検査対象をテーパ形状の孔601を有する工作機械の主軸60(以下、単に検査対象60と称する)とする。検査対象60のテーパ孔601のテーパ面603は、所定の規格、例えばJIS規格やISO規格において、その面形状(テーパ比又はテーパ角)及び面性状(表面粗さ)が規定されている。検査対象60のテーパ面603の良否を判定するための比較対象は、面形状、面性状及び素材に関して検査対象60と同一の仕様に従って製造された工作機械の主軸50(以下、単に比較対象50と称する)とする。なお、比較対象50のテーパ面503は所定の規格を満たすものであって、三次元座標測定機や真円度測定機、輪郭形状測定機、表面粗さ計などの精密測定機により、テーパ面の形状や、面性状が正確に値付けされていることが望ましい。本実施形態に係る検査装置は、所定の規格を満たす比較対象50のテーパ面503に対して検査対象60のテーパ面603を直接的に比較し、その比較結果を画像として出力することを1つの特徴としている。検査装置から出力される画像には、比較対象50のテーパ面503に対する検査対象60のテーパ面603の細かい寸法差が干渉縞の歪みとしてあらわれる。検査員は、干渉縞を確認することで、検査対象60のテーパ面603の良否を判定することができる。
【0012】
なお、検査対象は工作機構の主軸のテーパ面に限定されることはなく、例えば工作機械の主軸のテーパ孔に挿入され、取り付けられるツーリング100のテーパ形状の凸部103であってもよい。もちろん、テーパ面を有するものであれば、面形状及び面性状を規定する統一規格のない製品であってもよい。この場合、比較対象は、検査対象と同一の仕様に従って製造され、社内規格、製品規格等の規格を満たす製造物とすることができる。
【0013】
(検査装置10の概要)
図1図3に示すように、検査装置10は光源20を有する。典型的には、光源20としては白色光を発生するLED又はレーザ光を発生する半導体レーザを使用することができる。なお、光源20として半導体レーザを使用した場合、後述の第1テレセントリックレンズ30に代わって、レーザを拡大するビームエキスパンダを使用してもよい。光源20の光軸上にはビームスプリッタ40を載置する載置台41が配置される。ビームスプリッタ40は、入射光を反射光と透過光とに分岐する。ビームスプリッタ40は、透過光路が光源20の光軸と平行になり、反射光路が光源20の光軸と直交する向きに配置される。それにより、光源20はビームスプリッタ40とともに同軸落射照明を構成する。
【0014】
光源20とビームスプリッタ40との間には、光源20からの照射光を平行光に変換する第1テレセントリックレンズ30が配置される。第1テレセントリックレンズ30は載置台31に載置される。典型的には、第1テレセントリックレンズ30としては、物体側(ここではビームスプリッタ40側)のみテレセントリック構造を有する物体側テレセントリックレンズを使用することができる。なお、後述の撮像部80により撮影された干渉画像で干渉縞を観測できるのであれば、第1テレセントリックレンズ30は構成要素から除外してもよい。
【0015】
ビームスプリッタ40の透過光路上には比較対象50が配置される。比較対象50は、そのテーパ面503(テーパ孔501の開口)がビームスプリッタ40を向くように比較対象載置台51に載置される。ビームスプリッタ40の反射光路上には検査対象60が配置される。検査対象60は、そのテーパ面603(テーパ孔601の開口)がビームスプリッタ40を向くように検査対象載置台61に載置される。典型的には、比較対象載置台51及び検査対象載置台61としては、3軸移動ステージを使用することができる。検査員は、比較対象載置台51を操作することで比較対象50を透過光路と平行な向きなどに移動させることができる。同様に、検査員は、検査対象載置台61を操作することで検査対象60を反射光路と平行な向きなどに移動させることができる。
【0016】
ビームスプリッタ40を挟んで検査対象載置台61の反対側の、ビームスプリッタ40の干渉光路上には撮像部80としてのカメラ80が配置されている。カメラ80は、その光軸が干渉光路と平行になる向きに配置されている。カメラ80とビームスプリッタ40との間にはビームスプリッタ40からの干渉光をカメラ80に収束させるための第2テレセントリックレンズ70が配置される。第2テレセントリックレンズ70は直交3軸に沿って移動可能な機構を有する載置台71に載置される。第2テレセントリックレンズ70は、典型的には物体側及び像側がともにテレセントリック構造を有する両側テレセントリックレンズである。なお、第2テレセントリックレンズ70は、物体側テレセントリックレンズであってもよい。また、各載置台31,41,51,61,71は、載置物の位置及び向きを微調整可能な機構を有する移動ステージ、典型的には、直交3軸に沿って平行移動可能であって、ピッチ角とヨー角とが調整可能な5軸移動ステージを使用することができる。もちろん、各載置台31,41,51,61,71のうち1つ又は複数が他の移動機構、例えば直交3軸に沿って平行移動可能な3軸移動ステージであってもよい。
【0017】
(検査装置10を用いた検査方法)
検査装置10において、ビームスプリッタ40から検査対象60の所定の基準面までの光路長(検査対象側の光路長)とビームスプリッタ40から比較対象50の所定の基準面までの光路長(比較対象側の光路長)とが同一になるように、また、カメラ80から出力される干渉画像上において検査対象60のテーパ孔601の中心線と比較対象50のテーパ孔501の中心線とが一致するように、比較対象載置台51及び検査対象載置台61が調整されている。なお、所定の基準面とは、典型的には比較対象50のテーパ孔501の開口面及び検査対象60のテーパ孔601の開口面とする。上記の事前調整は、例えば、検査対象60と同一の仕様に従って製造された製造物であって、テーパ面が規格を満たす2つの製造物を比較対象載置台51及び検査対象載置台61にそれぞれ配置し、カメラ80からの干渉画像が図4に示す干渉画像となるように行われる。
【0018】
図3に示すように、光源20からの照射光は第1テレセントリックレンズ30により平行光に変換されビームスプリッタ40に照射される。第1テレセントリックレンズ30からの平行光の一部はビームスプリッタ40を透過し、透過光路上の比較対象50に照射され、一部はビームスプリッタ40で反射し、反射光路上の検査対象60に照射される。
【0019】
比較対象50のテーパ面503で反射された反射光(参照光)は、再びビームスプリッタ40に照射され、その一部はビームスプリッタ40で反射され、干渉光路に導かれる。同様に、検査対象60のテーパ面603で反射された反射光(検査光)は、再びビームスプリッタ40に照射され、その一部はビームスプリッタ40を透過し、干渉光路に導かれる。このようにして、参照光と検査光とはビームスプリッタ40により重ね合わされ、干渉光としてカメラ80に入射される。カメラ80は、第2テレセントリックレンズ70を介してビームスプリッタ40からの干渉光を受光し、参照光と検査光との位相差に応じた干渉画像のデータを発生する。干渉画像は図示しない表示部に表示され、検査員は干渉画像を観察して検査対象60のテーパ面603の良否を判断することができる。
【0020】
検査対象60の開口面からビームスプリッタ40までの距離と、比較対象50の開口面からビームスプリッタ40までの距離を等しく配置し、かつ検査対象60の中心軸と検査光の光軸が一致するように配置し、かつ比較対象50の中心軸と参照光の光軸が一致するように配置したとき、参照光と検査光との位相差は、ビームスプリッタ40から検査対象60のテーパ面603の所定の位置までの距離及び比較対象50のテーパ面503の所定の位置までの距離の差、つまり、光路長の差に対応する。
【0021】
上記のように比較対象50及び検査対象60が配置された状態で、比較対象50のテーパ面503に対して検査対象60のテーパ面603の面形状及び面性状が完全に一致している場合、参照光と検査光とは、その間の位相差がゼロであり、強め合うため、図4に示すように、干渉画像は、干渉画像を構成する各画素の輝度値が同一となり、一様に明るい画像として表れる。図4に示すように、干渉画像に干渉縞が表れていないとき、検査員は、検査対象60のテーパ面603は、あたり率が100%に相当する高精度な良品であると判断することができる。しかしながら、比較対象50のテーパ面503に対して検査対象60のテーパ面603の形状及び面性状の少なくとも一方が一致していないとき、干渉画像には干渉縞が発生する。
【0022】
例えば、比較対象50のテーパ面503に対して検査対象60のテーパ面603が部分的に粗い場合、図5に示すように、干渉画像において干渉縞が部分的に表れる。干渉画像上において干渉縞が表れている部分505、506,507の位置は、比較対象50のテーパ面503に対して検査対象60のテーパ面603に寸法差が生じている位置に対応する。検査員は、テーパ面の全体に対して干渉縞が表れた部分がどの程度の割合であるかを干渉画像を確認して判断し、検査対象60の良否を判定することができる。
【0023】
本実施形態に係る検査装置10は、検査員が干渉画像を一見して検査対象60の良否を判断できないときのために、カメラ80からの干渉画像のデータに基づいて自動的に検査対象60のテーパ面603の比較対象50のテーパ面503に対する一致度を計算する一致度計算部(処理装置)90を備える。
【0024】
例えば、一致度計算部90は、干渉画像において、テーパ面を構成する画素数に対する干渉縞が表れている部分の画素数の割合を一致度として計算する。一致度計算部90により計算された一致度は、図示しない表示部に干渉画像とともに表示される。検査員は、図5に示すように、干渉画像を見ても検査対象60の良否が判断できないような場合においても、一致度計算部90により計算された一致度を確認して、検査対象60の良否を判断することができる。
【0025】
なお、干渉画像において、比較対象50のテーパ面503に対する検査対象60のテーパ面603の寸法差が干渉縞や画像の濃淡として表れたとしても、その寸法差が、寸法公差や幾何公差等の形状や、表面粗さ等の面性状の規格を満たしている場合がある。一致度計算部90は、位相シフト法などの既知の手法を応用して、干渉画像のデータから比較対象50のテーパ面503に対する検査対象60のテーパ面603の各位置の寸法差を計算する。計算した比較対象50のテーパ面503に対する検査対象60のテーパ面603の各位置の寸法差と、既知の比較対象50のテーパ面503の寸法とに基づいて、検査対象60のテーパ面603の各位置の寸法を計算する。そして、一致度計算部90は、テーパ面の全体に対して、所定の規格を満たすテーパ部分の割合を一致度として計算するようにしてもよい。
【0026】
以上説明したテーパ面の形状及び面性状検査装置10を用いることで、検査員は、カメラ80で撮影された干渉画像を確認して検査対象60の良否を判断することができる。また、検査員は、干渉画像を一見して検査対象60の良否を判断できない場合であっても、干渉画像とともに数値で表示される一致度を補助的に活用することで、検査対象60の良否を判断することができる。検査前に、検査装置10を構成する各部品の位置及び向きを調整しておけば、検査中に検査員が実質的に行う作業は、検査対象載置台61に検査対象60を載置する作業だけである。この作業は、検査対象載置台61に対して検査対象60の位置を合わせるための治具等を用いることで、熟練した作業員ではなくても、検査対象載置台61に対して検査対象60を常に同じ位置に簡単に固定することができる。すなわち、本実施形態に係るテーパ面の形状及び面性状検査装置10によれば、検査員は、テーパ面の面形状及び面性状の検査を、安定的に、且つ短時間で行うことができる。
【0027】
なお、検査装置10は、比較対象50が設置される位置と検査対象60が設置される位置とを入れ替えて構成することができる。また、検査員が干渉画像を確認できればよいだけであれば、カメラ80に代わって干渉画像が投影されるスクリーンを配置するようにしてもよい。また、本実施形態では、比較対象50は検査対象60と同一仕様に従って製造された製造物としたが、検査のために仕上げられたテーパ面を有する検査専用品であってもよい。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0029】
10…テーパ面の形状及び面性状検査装置、20…光源、30、70…テレセントリックレンズ、31、41,51,61,71…載置台、40…ビームスプリッタ、50…比較対象、60…検査対象、80…撮像部、90…一致度計算部(処理装置)。
図1
図2
図3
図4
図5