(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ライトガイドベースの照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20231219BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20231219BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231219BHJP
【FI】
F21S2/00 444
F21V23/04 500
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019570123
(86)(22)【出願日】2018-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2018065165
(87)【国際公開番号】W WO2018234065
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-06-04
(32)【優先日】2017-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ネイカンプ リック ゲルハルドゥス
(72)【発明者】
【氏名】ケッテラレイ ヘンドリク ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ギーレン ヴィンセント ステファン デイヴィッド
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102014104189(DE,A1)
【文献】実開平05-025891(JP,U)
【文献】特表2014-517472(JP,A)
【文献】特開2007-299674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 23/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を透過する光学スタックと、前記光学スタックの周りのフレームとを備える照明器具であって、
前記光学スタックは、光出口窓を含む第1の表面と、前記第1の表面に対向するさらなる表面とを含み、前記光学スタックは、前記第1の表面に面する又は前記第1の表面を画定する第1の主面、前記さらなる表面に面する又は前記さらなる表面を画定する対向する第2の主面、及び対向する前記第1の主面及び前記第2の主面の間に延びる少なくとも1つの端面を有する面状ライトガイドを含み、
前記フレームは、前記ライトガイドの前記端面の1つ以上に光学的に結合される少なくとも1つの光源を担持し、前記フレームは、前記光出口窓、及び前記光出口窓に対向する前記さらなる表面の露出部分の境界を定め、前記光出口窓及び前記露出部分は、前記光学スタックを通る前記電波のための導管の境界を定め、
当該照明器具は、前記電波を生成する又は受信するための少なくとも1つのコンポーネントを含むモジュールを備え、前記少なくとも1つのコンポーネントは、前記少なくとも1つの光源のための制御信号を受信するための無線受信機、センサ及び少なくとも1つのさらなるデバイスと通信するための送信機のうちの少なくとも1つを含み、
前記モジュールは、前記さらなる表面上に置かれる、又は、前記さらなる表面に取り付けられる、照明器具。
【請求項2】
前記少なくとも1つの光源は、複数の固体照明要素を含む、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記光学スタックは、前記ライトガイドの前記第1の主面に面状ディフューザを含む、請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記光学スタックは、前記ライトガイドの前記第2の主面に面状リフレクタを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記フレームは、前記フレームを形成するように協働する複数のフレーム要素を含み、前記フレーム要素の少なくともいくつかは、前記端面の1つに面する細長い表面を含み、前記光源の少なくともいくつかは、前記細長い表面に設けられる、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記光源は、前記細長い表面に接着される接着ストリップによって担持される固体要素である、請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】
各フレーム要素は、光学スタックが固定されるU字状のプロファイルを有する、請求項5又は6に記載の照明器具。
【請求項8】
電波を透過する光学スタックと、前記光学スタックの周りのフレームとを備える照明器具であって、
前記光学スタックは、光出口窓を含む第1の表面と、前記第1の表面に対向するさらなる表面とを含み、前記光学スタックは、前記第1の表面に面する又は前記第1の表面を画定する第1の主面、前記さらなる表面に面する又は前記さらなる表面を画定する対向する第2の主面、及び対向する前記第1の主面及び前記第2の主面の間に延びる少なくとも1つの端面を有する面状ライトガイドを含み、
前記フレームは、前記ライトガイドの前記端面の1つ以上に光学的に結合される少なくとも1つの光源を担持し、前記フレームは、前記光出口窓、及び前記光出口窓に対向する前記さらなる表面の露出部分の境界を定め、前記光出口窓及び前記露出部分は、前記光学スタックを通る前記電波のための導管の境界を定め、
当該照明器具は、前記電波を生成する又は受信するための少なくとも1つのコンポーネントを含むモジュールを備え、前記少なくとも1つのコンポーネントは、前記少なくとも1つの光源のための制御信号を受信するための無線受信機、センサ及び少なくとも1つのさらなるデバイスと通信するための送信機のうちの少なくとも1つを含み、
前記モジュールは、前記さらなる表面上に置かれる、又は、前記さらなる表面に取り付けられ、
前記フレームは、前記フレームを形成するように協働する複数のフレーム要素を含み、前記フレーム要素の少なくともいくつかは、前記端面の1つに面する細長い表面を含み、前記光源の少なくともいくつかは、前記細長い表面に設けられ、
前記複数のフレーム要素は、溝部を含む第1のフレーム要素と、前記溝部内に固定されるような寸法である舌部を含む第2のフレーム要素とを含む
、照明器具。
【請求項9】
前記溝部は、前記細長い表面を含む、請求項8に記載の照明器具。
【請求項10】
前記複数のフレーム要素は、終端面を有する細長い線形要素であり、前記終端面は、前記細長い線形要素の伸長方向と45°の角度をなし、隣接する前記細長い線形要素の前記終端面は当接し、前記複数のフレーム要素は、締結部材を用いて互いに固定される、請求項5、6又は7に記載の照明器具。
【請求項11】
前記少なくとも1つの光源のためのドライバを含む、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項12】
前記光学スタックは、1つ以上のポリマ材料で作られる、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項13】
前記フレームは、金属又はポリマフレームである、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光出口表面と、光出口表面に対向するさらなる表面とを含む光学スタックを備える照明器具であって、光学スタックは、光出口表面に面する又は光出口表面を画定する第1の主面、さらなる表面に面する又はさらなる表面を画定する対向する第2の主面、並びに対向する第1の主面及び第2の主面の間に延びる複数の端面を有する面状ライトガイド(planar light guide)を含む、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
固体照明(SSL: solid state lighting)、例えば、LEDの出現により、ライトガイドベースの照明器具はますます一般的になっている。
【0003】
ライトガイドは、1つ以上の光源、例えばSSL要素からの光を受け、この光を、例えば、光をライトガイドから出させる該ライトガイドの出力面上のマイクロレンズ又はペイントドット等の光学要素のアレイによって、斯かるライトガイドの光出力が該ライトガイドの入力よりも多く配光されるように該ライトガイドの出力面に広げる、面状構造(planar structure)であってもよい。
【0004】
このようにして、生成される発光出力は、光源、例えばSSL要素等の点光源によって生成されるよりも均質な外観を与えられ、これは、斯かる光源を含む照明器具の審美的魅力を改善し、例えば(点)光源がかなり明るい場合に生じ得る、グレア等の望ましくない副作用を減らすのに役立つことができる。
【0005】
SSL要素等の光源には、例えば強度及びスペクトル組成、例えば、色の観点で、高度にコンフィギュラブルな発光出力を生成できるというさらなる利点があり、無線制御を通じてユーザによって遠隔制御されることができるスマート照明システムを生み出している。これは、例えば、専用のリモートコントローラを使用して、又は携帯電話若しくはタブレットコンピュータ等のポータブル通信デバイスにインストールされるソフトウェアプログラム(アプリ)を通じて実現されてもよい。このために、照明器具は、斯様な無線制御信号を受信するための受信機を備える。しかしながら、ライトガイドは、典型的には、光出口窓から離れてライトガイドを囲む金属ハウジング内に設けられるため、斯かる受信機は、無線周波数無線制御信号が受信され得ることを保証するために照明器具の前面に設けられなければならない。なぜなら、斯様な金属ハウジングは電波をブロックするからである。これは、斯かる受信機は見苦しいと見なされ、照明器具の美的外観を破壊する恐れがあるため、美的観点から理想的ではない。
【0006】
中国特許出願公開第105 065 990 A号は、フレーム部、ランプホルダ及びパネルを備えるLEDランプシステムであって、フレーム部が内部キャビティを備え、ランプホルダが内部キャビティ内に着脱可能に配置され、コントローラ及び取付プレートを備え、複数のLEDが取付プレート上に固定して配置される、LEDランプシステムを開示している。しかしながら、この構成には多くの不利な点がある。第一に、取付プレート上のLEDの配置に起因して、斯かるランプシステムを用いて均質な発光出力を達成することはより困難である。さらに、ドライバ及び無線受信機等のコンポーネントがフレームに設けられるため、フレームは、これらのコンポーネント用の取り付けスペースを含む必要があり、これは、フレームのフォームファクタを増加させ、美的観点からは理想的ではない。また、照明器具のための遠隔に生成される無線制御信号がフレーム内の無線受信機に到達できるように、フレームは電波に対して透過的でなければならず、フレームに使用されることができる材料を制限する。
【0007】
欧州特許出願公開第2924354号は、背面と反対側に開口部を有するハウジングを備える照明デバイスを開示している。ハウジングの開口部は、シーリング要素を介して開口部に結合されるフレームを有する。発光面手段が、ハウジングの開口部に位置し、フレームの背後にあり、発光面手段は、光をアウトカップリングする(outcoupling)ための前面、並びに反射アセンブリ及びカラーアセンブリを備える後面を持つ、ポリカーボネート製の導光板を含む。照明デバイスは、2つの互いに対向する周面を介して導光板に光を照射するための発光ユニットを有する。発光ユニットは、複数の発光ダイオードを備える2つのLED PCBを備える。ハウジングの外側の検出領域内の物体の動き及び/又は存在を検出するための高周波レーダセンサが、発光面手段の真後ろの、ハウジングの背面に配設されている。照明デバイスは、さらに、高周波レーダセンサの検出信号に応じて発光ユニットの動作状態に影響を与えるための制御デバイスを有する。上述したのと同様に、高周波レーダセンサはハウジングの内側に位置するので、後者は取り付けスペースを含む必要があり、これは、フォームファクタを増加させ、美的観点からは理想的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、これらの不利な点の少なくともいくつかに対処した照明器具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様によれば、電波を透過する光学スタックと、光学スタックの周りのフレームとを備える照明器具であって、
光学スタックは、光出口窓を含む第1の表面と、第1の表面に対向するさらなる表面とを含み、光学スタックは、第1の表面に面する又は第1の表面を画定する第1の主面、さらなる表面に面する又はさらなる表面を画定する対向する第2の主面、及び対向する第1の主面及び第2の主面の間に延びる少なくとも1つの端面を有する面状ライトガイド(planar light guide)を含み、
フレームは、ライトガイドの端面の1つ以上に光学的に結合される少なくとも1つの光源を担持し、フレームは、光出口窓、及び光出口窓に対向するさらなる表面の露出部分の境界を定め(delimit)、光出口窓及び露出部分は、光学スタックを通る電波のための導管(conduit)の境界を定める、照明器具が提供される。
【0010】
本発明の一部の実施形態によれば、フォトフレームスタイルのフレームが、照明器具の光学スタックの縁部の周りに設けられ、光学スタックは、電波を透過する材料からなり、少なくとも、フレームによって区切られた光学スタックの中央領域、すなわち、導管が、斯かる電波に対して透過的である。その結果、無線受信機によって受信される無線周波数(RF)信号が、光学スタックのこの中央領域を通過できるため、光源の制御信号を受信するための無線受信機等の、電波を生成する又は受信するための少なくとも1つのコンポーネントを含むモジュールは、光学スタックの背後に、すなわち、光学スタックのさらなる表面に面して置かれてもよい。これにより、モジュールが、斯かるRF信号を受信することができるために光学スタックの前に設けられる必要がなくなるため、照明器具の外観が向上し、フレームは、少なくとも無線受信機がフレームに組み込まれる必要がなくなるという事実に起因して、例えば中国特許出願公開第105 065 990 A号に開示されているフレームよりもスリムになることが可能である。これにより、フレームは金属で作られることもできる。これは、審美的に好ましい場合があり、斯様な金属フレームはRF信号がフレーム内の無線受信機に到達するのを阻止し得るため、本発明の従来技術では問題であった。
【0011】
好ましい実施形態では、照明器具はさらに、電波を生成する又は受信するための少なくとも1つのコンポーネントを含むモジュールを備える。斯かる少なくとも1つのコンポーネントは、少なくとも1つの光源のための制御信号を受信するための無線受信機を含んでもよい。斯かるコンポーネントは、光学スタックを介してセンサ刺激を受けることができる1つ又は複数のセンサ、及び、少なくとも1つの光源のための1つ又は複数のドライバを含んでもよい。さらに、コンポーネントは、例えば制御信号を他の照明器具等の他のデバイスに送信するための送信機を含み、本発明の照明器具は、斯かる他のデバイスのための制御信号中継エンティティ又はコントローラとして機能してもよい。モジュールは、壁取り付け照明器具の場合、照明器具の背後に置かれてもよく、天井取り付け照明器具、例えば、トロファ等の場合、照明器具の上部に置かれてもよい。壁取り付け照明器具の場合、フレームは、照明器具を壁(又は他の表面)に取り付けた際、モジュールが収まる取り付け面と照明器具との間の隙間が形成されるような寸法であってもよい、すなわち、モジュールは、上記の隙間に収まるような寸法であってもよい。
【0012】
モジュールは、照明器具から物理的に分離されてもよく、例えば、無線方式で照明器具に制御信号を供給してもよい。代替的に、モジュールは、1つ又は複数のケーブルのみによって照明器具に接続されてもよく、ケーブルは、モジュールを少なくとも1つの光源に接続してもよく、この場合、モジュールは、垂直に取り付けられる照明器具、すなわち、光学スタックの光軸が水平に整列されるように取り付けられる照明器具の場合、モジュールがフレームの一部によって支持されるように、又は、水平に取り付けられる照明器具、すなわち、光学スタックの光軸が垂直に整列されるように取り付けられる照明器具の場合、モジュールが光学スタックのさらなる表面の一部によって支持されるように、光学スタックのさらなる表面側に置かれてもよい。代替的に、モジュールは、さらなる表面に取り付けられる、例えばさらなる表面に接着される、又は、さねはぎ構成(tongue and groove arrangement)等の構成を通じて、取り付けねじ等の固定部材を用いて、等々、さらなる表面上に固着されてもよい。
【0013】
少なくとも1つの光源は、光学スタックの1つ以上の端面に沿って配置される複数の固体照明要素を含むことが好ましい。光学スタックはさらに、ライトガイドの発光出力をさらに拡散するため、例えば、ライトガイドの発光出力をさらに均質化するため、及び/又はグレアを低減するために、ライトガイドの第1の主面に面状ディフューザ(planar diffuser)を含んでもよい。光学スタックはさらに、光学スタックのさらなる表面を通る光損失を低減することにより照明器具の光学効率を高めるために、ライトガイドの第2の主面に面状リフレクタ(planar reflector)を含んでもよい。
【0014】
フレームは、フレームを形成するように協働する複数のフレーム要素を含み、フレーム要素の少なくともいくつかは、端面の1つに面する細長い表面を含み、光源の少なくともいくつかは、光がライトガイドにカップリングされることを可能にするために細長い面に設けられてもよい。例えば、光源は、細長い面に接着される接着ストリップ(adhesive strip)によって担持される固体要素であってもよい。これは、接着ストリップの低製造コスト及び照明器具の簡単なアセンブリのために、とりわけ費用対効果の高い、光源を斯かる細長い表面に取り付ける方法である。
【0015】
各フレーム要素は、光学スタックが固定されるU字状のプロファイルを有してもよい。これは、フレーム要素内に光学スタックを固定する直接的な方法(straightforward manner)を促す。
【0016】
1つの例示的な実施形態では、複数のフレーム要素は、溝部を含む第1のフレーム要素と、溝部内に固定されるような寸法である舌部を含む第2のフレーム要素とを含む。この実施形態において、光学スタックは、第1のフレーム要素と第2のフレーム要素との間にクランプされ、2つのフレーム要素は、第2のフレーム要素の舌部を第1のフレーム要素の溝部に固定することにより、例えば、舌部上の1つ又は複数のかえし(barb)が、溝部内の弾性リングを介して押し付けられることにより、又は他の任意の適切な方法で、互いに固定されてもよい。溝部は、細長い表面を含んでもよい、すなわち、少なくとも1つの光源に対するライトガイドの端面に面する表面を有してもよく、例えば、固体照明要素のストリップ等の線形アレイが位置付けられてもよい。
【0017】
他の例示的な実施形態では、複数のフレーム要素は、終端面(terminal surface)を有する細長い線形要素であり、終端面は、細長い線形要素の伸長方向と45°の角度をなし、隣接する細長い線形要素の終端面は当接し、複数のフレーム要素は、締結部材を用いて互いに固定される。本発明の文脈において、線形要素は、光学スタックの単一の縁部に沿って延びる要素である。この実施形態では、フレームは、典型的なフォトフレームに似ており、例えば、フレームに収められる物体(ここでは光学スタック)の4つの縁部に沿った4つのフレーム要素が、物体にスロット付けされ(slotted)、ネジ等の固定部材を用いて互いに固定される。
【0018】
光学スタックの様々なコンポーネントは、個別に1つ以上のポリマ材料で作られてもよい。なぜなら、斯かるポリマ材料は、典型的には、電波に対してとりわけ透過的であるからである。対照的に、フレームは、任意の適切な材料で作られてもよく、例えば、金属又はポリマフレームであってもよい。なぜなら、フレームは、電波に対して透過的である必要がなく、照明器具に所望の外観を与えるために任意の適切な材料がフレームに使用されてもよいからである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施形態が、添付図面を参照して、非限定的な例としてより詳細に述べられる。
【
図1】一実施形態による照明器具の一部の分解図を概略的に示す。
【
図2】一実施形態による照明器具の正面図を概略的に示す。
【
図3】一実施形態による照明器具の断面図を概略的に示す。
【
図4】別の実施形態による照明器具の断面図を概略的に示す。
【
図5】さらに別の実施形態による照明器具の一部の断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図は単に概略的であり、縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。また、同じ又は同様の部分を示すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用されることも理解されたい。
【0021】
図1は、本発明の一部の実施形態による照明器具10の一部の分解図を概略的に示している。照明器具10は、少なくとも、その間に1つ以上の端面310が延びる対向する主面を有する面状ライトガイド300を含む光学スタック200を備える。例えば、円形のライトガイド300の場合、ライトガイドは、単一の端面310を有し、多角形のライトガイド300の場合、ライトガイドは、多角形の辺の数に一致する複数の端面310、例えば、
図1に概略的に示されるような矩形のライトガイド300の場合、4つの端面310を有する。誤解を避けるために、本発明の実施形態は、ライトガイド300が典型的には面状ライトガイドであること以外は特定の形状のライトガイド300に限定されないことに留意されたい。
【0022】
照明器具10はさらに、面状ライトガイド300の端面310に沿って配置される少なくとも1つの光源100を備え、光源100は、端面310を通してライトガイド300に結合される発光出力を生成するように配置される。少なくともいくつかの実施形態では、照明器具10は、面状ライトガイド300の対向する端面310に沿って配置される少なくとも一対の斯かる光源100を含むが、さらに別の実施形態のセットでは、ライトガイド300の各端面310が、当該端面に沿って配置される光源100を有する。好ましい実施形態では、少なくとも1つの光源は、ライトガイド300の斯かる端面310に沿って配置される複数の固体照明(SSL)要素、例えば、LEDを含むが、本発明の実施形態は、光源としてSSL要素を使用することに限定されない。
【0023】
光学スタック200は、光出口面211を含む第1の表面210及びさらなる表面220を有し、これらの表面は、光学スタック200がライトガイド300のみを含む場合、ライトガイド300の対向する主面によって形成される。しかしながら、光学スタック200はさらに、ライトガイド300とさらなる表面220との間に反射体又は反射シート600を含んでもよく、及び/又は、ライトガイド300と光出口窓211を含む第1の表面210との間に面状ディフューザ500を含んでもよい。
【0024】
ライトガイド300に結合され、さらなる表面220に面する主面を通してライトガイド300から出ようとする光が、反射体又は反射シート600によってライトガイド300に結合し戻されるように、反射体又は反射シート600は、ライトガイド300に面する主面上に白色ペイントコーティング等の反射コーティングを含んでもよく、それにより、1つ以上の光源100によって生成され、端面310の1つ以上を通ってライトガイド300に結合される光の大部分が、光出口窓211を通って照明器具10を出るため、照明器具10の光損失が低減され、光学効率が改善される。
【0025】
拡散体又は拡散シート500は、光出口窓211に面する主面を通してライトガイド300を出る光をさらに拡散するために、例えば、照明器具10の光出口窓211を直接見る観察者が経験するグレアを防止又は低減するために含まれてもよい。
【0026】
以下でさらに詳細に説明されるように、光学スタック200は、(少なくとも一部の実施形態ではフォトフレームに似ている)フレームに保持される。フレームは、明瞭さだけを目的として、
図1には示されていないが、その存在は、光出口窓211の周りの第1の表面210の周部が、典型的には、このフレームの一部によって覆われるため、光出口窓211が第1の表面210よりも小さい面積を有していることから、
図1において見られることができる。同様に、さらなる表面220は、さらなる表面220の残りを覆うフレームの縁部によって区切られる中央領域221を含む。少なくとも1つの光源100は、典型的には、フレームに組み込まれる。
【0027】
本発明によれば、光学スタック200が、光出口窓211の形態の入口面とさらなる表面220の中央領域221の形態の出口面とを有する光学スタック200を通る斯かる電波のための導管230を含むように、光学スタック200を構成する様々なコンポーネント、すなわち、ライトガイド300並びに任意選択にディフューザ500及び/又はリフレクタ600は、電波に対して(実質的に)透過性の材料で作られる。例えば、光学スタック200の様々な要素は、ポリカーボネート、PMMA、PET又は他の適切な光学グレードのポリマ等のポリマで個別に作られてもよく、これらは、任意の適切なポリマがこの目的に使用されてもよいと言えば十分であるように本質的に当業者によく知られているであろう。
【0028】
電波に対して透過的な光学スタック200を有することの重要な結果は、無線周波数信号、例えば、少なくとも1つの光源100のための制御信号を受信するための無線受信機を含むモジュール400が、導管230の経路内で光学スタック200の背後に、例えば、さらなる表面220に対して位置付けられてもよいことである。モジュール400は、1つ以上のワイヤ若しくはケーブル(図示せず)を介して、又は無線方式で少なくとも1つの光源に接続されてもよい。無線受信機は、リモートコントロールデバイスから制御信号を受信するように構成されてもよい。リモートコントロールデバイスは、専用リモートコントローラ等のユーザ制御リモートコントロールデバイス、又は例えばアプリ等によって、斯かるリモートコントロールデバイスとして実行するように構成される、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、タブレットコンピュータ等のポータブルコンピューティングデバイスであってもよい。代替的に、リモートコントロールデバイスは、ユーザ制御信号が照明器具10にルーティングされる、照明器具10を含むスマート照明システムのブリッジデバイスであってもよい。照明器具10の他のリモートコントロール構成は、当業者に直ちに明らかであろう。
【0029】
モジュール400は、追加的又は代替的に、照明器具10が応答する1つ以上のセンサ、及び照明器具10内の少なくとも1つの光源100のための1つ以上のドライバを含んでもよい。斯かるセンサは、UV又はIR信号等のRF信号に応答するセンサであってもよく、光学スタック200が斯かる信号に対して透過的である光学スタック200の背後に置かれてもよい。モジュール400は、追加的又は代替的に、送信機を含んでもよい。送信機は、斯かる送信機の通信範囲内の、他のデバイス、例えば、他の照明器具に無線信号を送信するように構成されてもよい。例えば、送信機は、それ自体よく知られているように、斯かる他のデバイスに制御信号、データ、設定又は他のタイプの通信を中継又は生成するために使用されてもよい。複数の照明器具を含む構成が設けられる場合、各照明器具は、自身のモジュール400を含んでもよく、又は斯かる照明器具の1つ以上が、斯かる構成内の、複数の照明器具、例えば、照明器具のクラスタを制御するためのモジュール400を含んでもよい。
【0030】
モジュール400は、照明器具10の一体部分を形成してもよく、又は照明器具10と別個に供されてもよい。モジュール400は、一部の実施形態では、さらなる表面220又はフレーム700に取り付けられてもよいが、これは必須ではない。例えば、照明器具10が水平に設けられる、すなわち、光出口窓211が水平面にある場合、モジュール400は、さらなる表面220の上部に単に置かれてもよい。代替的に、照明器具10が垂直に設けられる、すなわち、光出口窓211が垂直面にある場合、モジュール400は、さらなる表面220と照明器具10が取り付けられる取り付け面との間に挟まれてもよく、又は光学スタック200を保持するフレームの一部によって支持されてもよい。
【0031】
光学スタック200を保持するフレームは特に限定されず、この目的のために任意の適切なフレームが使用されてもよい。例えば、
図2に概略的に示されるように、フレーム700が矩形の光学スタック200の周りに用いられる場合、フレーム700は、各々が光学スタック200の縁部の1つに沿って配置される複数の線形フレーム要素710を含む典型的なフォトフレームとして成形され、各線形フレーム要素710は、線形フレーム要素710の伸長方向と45°の角度が付けられた対向する角度付き表面縁部712において終端し、隣接するフレーム要素710が互いに当接される、すなわち、フレーム要素710が光学スタック200の垂直縁部に沿って互いに90°をなす場合、傾斜(角度付き)表面縁部712が組み合わさって、光学スタック200の周りに閉じたフレーム700を形成してもよい。
【0032】
それぞれのフレーム要素710は、例えば、ネジ、クリップ、ブラケット又は任意の他の適切なタイプの締結要素を使用することにより、フォトフレームと同様の方法等、任意の適切な方法で互いに固定されてもよい。フレーム700は、金属又は金属合金等の電波を阻止する材料を含む任意の適切な材料で作られてもよいが、他の材料、例えば、ポリマ材料、木、複合材料等が代替的に使用されてもよい。
【0033】
線A-A'に沿った
図2の照明器具10の断面図が、
図3に概略的に示されている。
図3では、光学スタック200の周りの2つの対向するフレーム要素710の断面が見える。フレーム要素710は、一般に、光学スタック200が押し込まれるU字状のプロファイルを有し、このプロファイルは、光学スタック200の縁部に面する内面713を含む。内面713は、光源100、例えば、内面713に接着される接着ストリップに設けられた複数のSSL要素を担持する。光源100は、光源100によって生成される光がライトガイド300に結合され、
図3の矢印で示されるように光学スタック200の光出口窓211に方向付けられるように、ライトガイド300の端面310に面して配置される。
【0034】
フレーム要素710は、フレーム要素710のU字状のプロファイルにおいて先端に配置される終端部分又はクランプ部分714及び716が、離れる場合に、例えば、光学スタック200がそれぞれのクランプ部714、716によってフレーム700に固定されるように光学スタック200がU字状のプロファイル内に押し込まれる場合に、互いに押し合うように弾力性があってもよい。しかしながら、代替実施形態では、クランプ部分714、716は、例えば、フレーム要素710のU字状のプロファイルが光学スタック200の周囲に密な嵌合(tight fit)を提供する場合、フレーム要素710から省略されてもよいことを理解されたい。前述のモジュール400は、照明器具10の背後に、例えば、さらなる表面220の中央領域221に面して位置付けられてもよく、又はこの中央領域上に位置付けられてもよい。
【0035】
図4は、本発明の別の例示的な実施形態による照明器具10の一部の断面を概略的に示している。この実施形態では、フレーム700は、各々が光学スタック200の全体を囲む一対のフレーム要素710及び710'を含み、第1のフレーム要素710は、光学スタック200の第1の表面210に面し、第2のフレーム要素710'は、光学スタック200のさらなる表面220に面する。この実施形態では、フレーム要素710及び710'は、光学スタック200が固定されたフレーム要素710及び710'の間に挟まれる又はクランプされるように、互いに固定されてもよい。これは、例えば、第1フレーム要素710が、溝部(チャネル)720を含み、溝部(チャネル)720内に、第2フレーム要素710'の舌部(リップ)722が、舌部(リップ)を溝部に挿入することによって固定されることができる、さねはぎ固定機構を使用して達成されてもよい。
【0036】
斯かる固定は、本質的によく知られているような、任意の適切な方法で達成されてもよい。例えば、溝部720は、舌部722を溝部720に挿入する場合に舌部722が押される弾性リング等を含んでもよい。舌部722は、溝部720への舌部722のこの挿入が溝部720内に舌部722を固定し、これにより、第1フレーム要素710を第2フレーム要素710'にクランプし、フレーム700のそれぞれのフレーム要素間に光学スタック200を捕捉するするように、一方向に弾性リングを貫通することしかできないかえし等の突起を担持してもよい。誤解を避けるために、明瞭さを目的として、光学スタック200の1つの縁部しか
図4に示されていないことに留意されたい。しかしながら、斯かるさねはぎ構成は、光学スタック200の複数の縁部に沿って、例えば、光学スタック200の各縁部に沿って提供されてもよいことを理解されたい。また、第1フレーム要素710が舌部722を含み、第2フレーム要素710'が溝部720を含むこと、又は第1フレーム要素710及び第2フレーム要素710'の各々が光学スタック200の異なる縁部に沿って1つ以上の舌部及び溝部を含むことも等しく実現可能であることを理解されたい。
【0037】
上記と同様、フレーム700は弾力性があり、光学スタック200が、互いに係合される場合に第1フレーム要素710と第2フレーム要素710'との間に位置付けられる際に押し離されるクランプ部材714、716を含んでもよく、その結果、クランプ部材714、716は、斯かる弾性力によって光学スタック200を適所に保持する。
【0038】
少なくとも1つの光源100は、第1のフレーム要素710又は第2のフレーム要素710'の任意の適切な表面部分に位置付けられてもよい。例えば、光源100は、ライトガイド300の端面310に面する溝部720の表面に接着されてもよい、又は代替的には、
図4に概略的に示されるように、第2のフレーム要素710'の部分724に接着されてもよい、接着ストリップ等のキャリア110に設けられる複数のSSL要素を含んでもよい。上記と同様、少なくとも1つの光源100は、典型的には、発光出力が前述のように端面310の1つ以上を介してライトガイド300に結合されるように配置される。前述したモジュール400は、光出口窓211を通って光学スタック200に入る電波が、さらなる表面220の中央領域221を介して光学スタック200を出る、すなわち、導管230を通過し、それによりモジュール400に到達することができるように、さらなる表面220の中央領域221に面して又は中央領域221と接触して位置付けられてもよい。
【0039】
一部の実施形態では、フレーム700は、照明器具10を取り付け面に取り付ける際に、取り付け面と光学スタック200のさらなる表面220との間に隙間が形成されるような寸法であってもよい。斯かるシナリオにおけるモジュール400は、典型的には、この隙間に収まるような寸法である。これは、例えば、照明器具10と壁との間にモジュール400が隠され得るように、照明器具10が壁に取り付けられるべき場合に有用であり得る。
【0040】
前述したように、モジュール400は、さらなる表面220の中央領域221上にルーズに(loosely)置かれてもよく、又は代替的には、垂直に取り付けられる照明器具10の場合、フレーム700の一部、例えば、フレーム700の底部によって支持されてもよい。さらなる代替例として、モジュール400は、例えば両面テープ等の接着剤を使用して、さらなる表面220の中央領域221に取り付けられてもよい。一部の実施形態では、さらなる表面220の中央領域221は、
図5に概略的に示されるような取り付け構成235、例えば、溝部、チャネル等の対向する対を含んでもよく、取り付け構成235内に、モジュール400から延びる対向する舌部405が、光学スタック200に対してモジュール400を固定するために位置付けられる、例えば、スライドされてもよい。
【0041】
上記の実施形態は、本発明を限定するのではなく例示するものであり、当業者は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく多くの代替実施形態を設計できることに留意されたい。クレームでは、括弧の間に置かれた参照符号は、クレームを限定するものとして解釈されてはならない。「含む」という言葉は、クレームにリストされているもの以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素に先行する単語「a」又は「an」は、複数のそのような要素の存在を排除しない。本発明は、いくつかの別個の要素を含むハードウェアによって実施することができる。いくつかの手段を列挙するデバイスクレームでは、これらの手段のいくつかは、ハードウェアの同一のアイテムによって具現化することができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。