(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】無線電力送信システム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/27 20160101AFI20231219BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231219BHJP
H02J 50/23 20160101ALI20231219BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20231219BHJP
【FI】
H02J50/27
H02J7/00 301D
H02J50/23
H02J50/80
(21)【出願番号】P 2020005233
(22)【出願日】2020-01-16
(62)【分割の表示】P 2017075466の分割
【原出願日】2011-08-17
【審査請求日】2020-02-17
【審判番号】
【審判請求日】2022-01-07
(32)【優先日】2010-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513045518
【氏名又は名称】オッシア インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハテム アイ.ゼイン
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】寺谷 大亮
【審判官】衣鳩 文彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/156571(WO,A2)
【文献】特開平8-37743(JP,A)
【文献】特表2009-524399(JP,A)
【文献】特開2005-304154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00- 7/12
H02J50/00-50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波エネルギーを介して電子/電気デバイスに無線充電および/または主電力を供給するためのシステムであって、
前記電子/電気デバイスに設置される無線マイクロ波電力受信機と、
電力送信信号を前記無線マイクロ波電力受信機に送信する無線マイクロ波電力送信機と、
を備え、
前記無線マイクロ波電力受信機は、前記無線マイクロ波電力送信機から前記電力送信信号を受信して、前記無線マイクロ波電力受信機を充電するように構成された1つまたは複数のレクテナを含み、前記無線マイクロ波電力送信機は、前記マイクロ波電力送信信号を送信するための複数のマイクロ波アレイ送受信機を有するコントローラおよび位相アレイアンテナを含み、前記送受信機は、それぞれの選択された位相において前記電力送信信号を送信するように前記コントローラによって適応位相され、
各々の送受信機は、前記マイクロ波電力受信機から較正信号を受信し、前記較正信号の各々が前記送受信機によって受信される位相を検出するように更に動作可能であり、前記較正信号は、前記マイクロ波電力受信機と前記マイクロ波電力送信機との間の複数のパスをトラバースし、それにより、前記マイクロ波電力受信機と前記マイクロ波電力送信機との間の複数のパスのすべてが確立され、
前記マイクロ波電力受信機は、前記マイクロ波電力送信機に前記較正信号を送信するように構成された送信機を更に備え、
各々のレクテナは、判定された位相を有する電力送信信号を受信するように更に構成され、前記マイクロ波電力送信機において前記コントローラの制御の下に生成された前記電力送信信号の前記判定された位相は、前記複数のパスをトラバースする前記較正信号の検出された位相の実質的に複素共役であり、
前記マイクロ波電力送信機および前記無線マイクロ波電力受信機は、相互に見通し線にあることを必要とされず、
前記コントローラは、予め定義された基準に基づいて、前記無線マイクロ波電力受信機への前記電力送信信号の送信のための優先順位を判定するように更に構成されており、前記優先順位
の選好は、前記無線マイクロ波電力送信機に事前にインストールされ、前記無線マイクロ波電力送信機のインストーラによって却下される能力を用いて、前記システムが所有者又はユーザの優先順位で送出することを確保する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記判定された位相は、前記複数のパスをトラバースする前記較正信号の前記検出された位相の前記複素共役からの偏差限界内の位相角であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記判定された位相は、前記複数のパスをトラバースする前記較正信号の前記検出された位相の前記複素共役のプラスマイナス36度内の位相角であることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記予め定義された基準は、前記無線マイクロ波電力受信機が前記無線電力送信機とペアになること、前記無線マイクロ波電力受信機が別の無線マイクロ波電力受信機よりも大きな電力を必要とすること、または前記無線マイクロ波電力受信機が別の無線マイクロ波電力受信機よりも高いランクを含むこと、のうちのいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
少なくとも1つの環境状態を検知するように構成された検知デバイスと、
前記検知された環境状態に関する情報を送信するように構成された送受信機と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年6月14日に出願された米国特許出願第11/812060号の一部継続出願である、2010年8月23日に出願された米国仮特許出願第12/861526号の利益を主張するものであり、各開示は、すべて記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般には、電力送信システムおよび充電器に関し、特に、マイクロ波送信によって、電力を必要とするデバイスに電力を供給する無線電力送信の方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの携帯用電子デバイスは、バッテリーによって電力が供給される。再充電可能なバッテリーは、従来の乾電池を交換するコストを省き、そして貴重な資源を節約するのに使用されることが多い。しかしながら、従来の再充電可能なバッテリー充電器を用いてバッテリーを再充電するには、交流(AC)の電源コンセントに接続する必要があり、当該コンセントを使用できないかまたは不便なこともある。したがってバッテリー充電器の電力を電磁放射から得ることが望ましい。
【0004】
太陽発電によるバッテリー充電器が知られているが、太陽バッテリーは高価であり、大容量のバッテリーを充電するのに太陽バッテリーの大型アレイが必要になる。AC主電源から離れた位置にあるバッテリー充電器に電力を供給する電磁エネルギーの別の潜在的な電力源は、マイクロ波エネルギーであり、そのエネルギーは、太陽発電衛星から得られて、マイクロ波ビームによって地上に送信されるか、またはセル電話などの送信機による環境無線周波数エネルギーから得られる場合もある。しかし、マイクロ波送信による効率的な電力送出に関連したいくつかの問題があり、そのために地上マイクロ波専用の電力送信機の使用を不可能にしている。
【0005】
電磁(EM)信号が単一の電力源から電力送信されると仮定すると、EM信号は、距離rに対して係数1/r2の割合で強度が減少する。従って、EM送信機から遠く離れたところで受信される電力は、送信された電力のうちのほんのわすかである。
【0006】
受信信号の電力を増大するには、送信電力を上げなければならないであろう。送信信号がEM送信機から3センチメートル離れた位置で効率的に受信されると仮定すると、同じ信号電力を3メートルの有用な距離から受信するには、送信される電力を10,000倍に上げることが必要であろう。そのような電力送信は、ほとんどのエネルギーが送られても目的のデバイスによって受け取られないであろうし、生体組織に有害の恐れがあり、すぐ近くの電子デバイスのほとんどと干渉する可能性が高いし、熱として散逸する場合もあるので、無駄である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
指向性アンテナを利用するにはいくつかの課題があり、その一部として、アンテナがどこを示しているかを認識することと、アンテナを追跡するのに必要な機械デバイスにノイズがあって信頼性に欠けることと、送信の見通し線にあるデバイスの干渉が発生することがある。
【0008】
指向性電力送信は、一般に、信号を正しい方向で示して電力送信効率を高めることができるようにデバイスの位置を知る必要がある。しかし、デバイスが正しい位置にあるときでさえ、受信するデバイスのパスまたは近くにある物体の反射および干渉により、効率的な送信は保証されない。
【0009】
従って、前述の問題を解決する無線電力送信システムが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
無線電力送信は、マイクロ波エネルギーを介して電子/電気デバイスに無線充電および/または主電力を供給するためのシステムである。マイクロ波エネルギーは、1または複数の適応位相マイクロ波アレイエミッタを有する電力送信機によってビーコンデバイスからビーコン信号が受信されるのに応答する位置に集中する。充電されるデバイス内のレクテナは、マイクロ波エネルギーを受け取って整流し、それをバッテリーの充電および/または主電力用に使用する。
【0011】
充電されるデバイスは、レクテナで受信されたビームの信号強度を、サイドチャネルを介して電力源に報告する。この情報は、充電されるデバイスによってマイクロ波の最大エネルギーが報告されるまで、マイクロ波アレイエミッタの送信位相を調整するシステムによって使用される。
【0012】
代替として、充電されるデバイスから較正信号を受信するようにアレイ素子を設定することができる。各アレイ素子は、受信した較正信号から位相情報を検出/報告することができる。その後、各アレイ素子は、その素子用に検出された位相を、充電されるデバイスに送信位相を返すための指針として使用する。
【0013】
例えば、平坦な二次元アレイによって生じる反射焦点(mirror focal points)は、マイクロ波アレイエミッタを実質的に不均等で同一平面上にない方法で物理的に構成することによって最小化される。
【0014】
本発明のこれらおよび他の特徴は、以下の明細書および図面をさらに精査すれば容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1A】本発明に従った、無線電力送信システムの第1の実施形態の環境を示す斜視図である。
【
図1B】本発明に従った、無線電力送信システムの第2の実施形態の環境を示す斜視図である。
【
図2A】本発明に従った、無線電力送信システムのマイクロ波送信機用の位相アレイネットアンテナを示す斜視図である。
【
図2B】本発明に従った、無線電力送信システムの電力送信ノードを示す線図である。
【
図3A】本発明に従った、無線電力送信システムの第1の実施形態を示すブロック図である。
【
図3B】本発明に従った、無線電力送信システムの第2の実施形態を示すブロック図である。
【
図4】第1の代替的実施形態の電力送信機を示すブロック図である。
【
図5】第2の代替的実施形態の電力送信機を示すブロック図である。
【
図7】第1の実施形態に従った、代替的受信機を示すブロック図である。
【
図8】第2の実施形態に従った、代替的受信機を示すブロック図である。
【
図9】受信機のバッテリーシステムを示すブロック図である。
【
図10】例示的なバッテリーシステムの電力線を示す図である。
【
図11】第1の実施形態に従った、代替的受信機を示す図である。
【
図12】第2の実施形態に従った、代替的受信機を示す図である。
【0016】
同様の参照文字は、対応する特徴が添付図面全体にわたって一貫していることを表す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1Aおよび
図1Bに示すように、本発明は、マイクロ波エネルギーを介して、ラップトップコンピュータ102などの、電子/電気デバイスに無線充電および/または主電力を供給するためのシステム100aあるいはシステム100bを含む。システム100aあるいはシステム100bのいずれかにおいて、電力送信グリッド101aあるいは電力送信グリッド101bは、電源コンセントOに差し込まれた電力コードPを介して、AC主電源から動作電力を得ることができる。マイクロ波送信周波数は、好ましくは、適した波長を有する、FCCが規制していない使用可能な周波数である。その波長は、位相アレイ101aあるいは位相アレイ101bの分解能を制限することがあり得るので、システムが動作することができるその他の周波数の選択を制限するわけではないが、好ましい周波数は、5.8GHz(波長5.17cm)と判定されていて、その周波数は、部屋、公会堂などの規模の距離においてラップトップ、セル電話、PDAなどのデバイスの電力送信に適している。
【0018】
図1A乃至
図3Bに示すように、マイクロ波エネルギーは、1または複数の適応位相マイクロ波アレイエミッタ204、即ち、アンテナまたはラジエータに接続された電力源300によって充電されるデバイスに集中する。本発明に従って、適応位相マイクロ波アレイエミッタ204からのマイクロ波エネルギーを、デバイスの位置を知る必要なくそのデバイスに集中させることが可能である。
図1A、
図1B、
図3Aおよび
図3Bに示すように、充電されるデバイス102内の、好ましい高効率のレクテナ340(レクテナは、マイクロ波エネルギーを直流(DC)電力に直接変換する整流アンテナである。そのようなデバイスは、当業者には周知であり、本明細書では詳述しない)は、マイクロ波エネルギーを受け取って整流し、コントロールロジック350によって判定される時に、それをバッテリー370の充電用および/またはデバイス102の主電力用に使用する。第1の実施形態において、無線電力源100aと充電されるデバイス102の電力受信機330bとの間の通信チャネルは、電力を送るのに使用される周波数以外の周波数で開かれる。
【0019】
充電されるデバイス102は、通信チャネル110a上でレクテナ340において受信されたビームの信号強度を、電力受信機330bの通信デバイス360の送信機部からの信号を介して、システム100aの電力送信機330aの通信デバイス320の受信機部に中継する。この情報は、充電されるデバイス102によって報告されるときに、アレイ110aによってマイクロ波エネルギーの最大ビーム301が放射されるまで、マイクロ波アレイエミッタノード204の送信位相の出力を上げたり、出力を下げたり、調整したりするのにシステム100aのコントロールロジック310によって使用される。
【0020】
所望の送信周波数の単一の電力源に接続された各エミッタ204は、π/2の倍数である、特定の位相差を用いて信号を送信することができる。π/2の位相増分は、単なる例示であり、π/4、π/8、π/16などの、他の位相増分も可能である。好ましくは、エミッタ204の動作をオフまたはオンにして所望の位相になるようにする以外は、電力は、調整されない。
【0021】
図2Aおよび
図2Bで最も明確に示すように、垂直ケーブルと水平ケーブルは、各アレイノード204で交差する。この構成は、アレイ101aかアレイ101bのいずれかに適用する。垂直ケーブル202内で、ワイヤ210は、ゼロ位相の給電線である。ワイヤ212は、1/2π位相の給電線であり、ワイヤ209は、垂直制御線である。同様に、水平ケーブル200において、ワイヤ214は、π位相の給電線である。ワイヤ216は、3/2π位相の給電線であり、ワイヤ211は、水平制御線である。制御線209および211をコントローラ310に接続して、どの位相を所与のノード204上でアクティブにするかを制御することができる。単一のアンテナ制御をチップ206上で行うことができる一方、実際のノードラジエータまたはアンテナ208は、ノード204の幾何学的中心を囲む円形素子として形成される。単一のコントローラか複数のコントローラのいずれかは、電力送信グリッドのうちの1または複数を制御できることを理解されるべきである。
【0022】
システム100a用のコントロールロジック310の例示的なアルゴリズムは、以下の通りになるであろう。(1)電力受信機330は、通信チャネル110aを使用して、近傍にある任意の送信機330aにその受信機の存在を宣言することができる。(2)電力送信機330aは、通信チャネル110a上でその送信機の存在を伝達して、その送信機のアンテナ208またはノード204のうちの1つのみを使用して送信を開始することができる。(3)電力受信機330bは、通信チャネル110a上で微弱信号を受信したことを確認することができる。(4)電力送信機330aは、ゼロのデフォルト位相にして別のアンテナ208またはノード204を作動させて、通信チャネル110a上で受信機330bに信号強度を求めることができる。(5)電力受信機330bは、受信した信号が以前よりも強い、同じ、または弱いことを示す信号を送信し返すことができる。(6)その信号が以前よりも弱いまたは同じである場合、コントローラ310は、ノード204における位相を1/2πに増加させて、別の信号強度を送信するように要求できる。(7)全位相に対してステップ5および6が繰り返される。(8)信号強度の増加が見られない場合、その特定のノード204の作動を終了させ、別のノードが、ステップ4から繰り返されるプロセスにおいて使用される。(9)すべてのエミッタのノードが使用中になるまでステップ4から6までが繰り返される。
【0023】
別の例において、ステップ(6)は、位相を弧度0、1/2π、および5π/4を含む3位相サイクルで増加させることを含む。この方法において、全正弦曲線のおおよその形が判定される。従って、ピーク電力の位相角度を判定することができる。さらに、同調アンテナが合計される時点から、次に加算されるアンテナの受信電力は、受信された総電力のわずかな割合になる場合がある。従って、2番目のアンテナを加算することにより、電力が4倍に増加する一方、101番目のアンテナを加算することにより、その受信された総電力の2%に増加して、1001番目のアンテナを加算することにより、その電力の0.2%に増加する。これは、調査されるアンテナから実際の電力ゲイン/損失を検出するのが困難になる場合がある。従って、検査サイクル中に、わずかなアンテナだけの出力を上げて、検査される各アンテナの位相を記憶することができる。全アレイの位相が決定されると、すべての素子を作動させて、電力を送出することができる。
【0024】
代替として、電力送信されるすべてのアンテナを再同調することができ、それは、アンテナの位相をそのアンテナの電流値付近にわずかに移動させて、受信した信号のインパクトを検出することによって可能である。再同調が1方向で(例えば、位相を前進または後退させて)改善する場合、どちらの側でも改善しなくなるまで位相のサイクル/増分が継続される。これは、大規模なアレイの受信電力レベルの変化を検出する能力に依存するであろうし、そうでなければ、すべてのアレイの電源を切り、位相を一から再構築するように要求されるかもしれない。
【0025】
第2の実施形態において、
図2Bおよび
図3Bで最も明確に示すように、各アレイ素子またはノード204を、電力受信システム330bの較正送信機460から較正信号を受信するように設定することができる。各アレイ素子またはノード204は、そのノード204において検出された受信較正信号を、データ線303を介してコントロールロジック310に送信することができる。その後、最適化された電力送信301を電力受信機330bに送信し返すために、コントローラ310またはコントローラ206のいずれか、または両方のコントローラの組み合わせを、各アレイ素子またはノード204に対し、その素子用に検出された位相を送信位相として設定できる。実施形態100aおよび100bの両方において、充電されるデバイス102に最初に通信する必要はなく、アレイが特定の位置または「ホットスポット」に電力送信することを可能にするために、構成メモリデバイスをコントロールロジック310と通信可能な状態にすることができる。この機能は、充電されるデバイス102に通信チャネル110aまたは110bを確立する予備電力がない場合に、電力送信301を充電されるデバイス102に送信するときに有用である。
【0026】
代替として、第2の実施形態は、送受信機にあるような、受信機とそれぞれの送信機アンテナとの双方向能力を利用する以下の動作を行うことができる。コントローラは、それぞれの送受信機に、電力受信機(即ち、充電されるデバイス)からビーコン信号を受信するように準備させることができる。その後充電されるデバイスは、ビーコン信号(例えば、位相調整アレイと同じ周波数にできる較正信号であり、例えば、そのアレイと受信機との間の無線通信を介してそれらのクロックに同期させる較正信号)を送信して、その信号は、充電されるデバイスと電力送信機との間のすべてのオープンパスをトラバースする。電力送信機で受信される信号は、受信機と、送信機の各アンテナに接続する送信機のアンテナとの間のすべてのオープンパスの合計に等しく、特定の電力レベルとそれぞれの特定の電力送信機アンテナの位相とが合計された各パスの合計である。
【0027】
送信機アレイの各アンテナは、受信された位相を検出するために着信信号と内部信号を比較する。受信された位相がすべての送信機のアンテナによって確立されると、各アンテナは、その全出力を用いて、受信された位相を複素共役で送信し返す。
【0028】
さらに、上記のアレイの同調は、考えられるすべてのパスを考慮する(例えば、アレイと受信機との間で直接のオープンパスがあることまたは受信機が環境内を滑らかな直線運動で移動することを仮定していない)ので、環境の構成の変更は、移動される受信機または変更される電力送信機アレイの物理的構成に等しいであろう。従って、アレイの頻繁な再同調が絶えず要求されるであろう(例えば、1秒当たりの同調が10回以上になる)。
【0029】
アンテナの再同調は、受信機のビーコン信号を「リスン(listen)する」ために、送信される出力を停止するように要求されるので、アレイに電力を供給するのに使用されたであろう時間が損失する。従って、受信機への電力送出を最大にするために、アレイは、受信機の電力レベルが大きく変わらない場合、再同調の頻度を減らすことができる。受信機の電力の受け取りが低下する場合、アレイは、受信機の電力が再度安定するまで、更新の頻度を増やすことができる。同調の頻度に対する特定の制限を、最小10tsp(1秒当たりの同調)から最大500tpsなどにして設定できる。同調の頻度を著しくすると、電力転送の効率を下げる恐れがあるので、有用でない。
【0030】
代替として、いくつかの数(n)のアンテナの同調を以下のように実行することができる。すべてのアンテナの電源を切ることができる。その後n個のアンテナのうちの1つの動作をオンにして、他のn個のアンテナのそれぞれが同調するための参照としてそのアンテナをそのままにする。その後残りのnアンテナのそれぞれの動作をオンにして、それらのアンテナの最適位相が記録され、その後それらのアンテナの動作をオフにする。このシーケンスがn番目のアンテナで実行されるときに、すべてのアンテナは、それぞれが最適位相で動作をオンにする。
【0031】
移動する受信機を有する第1の実施形態について、すべての送信機アンテナは、例えば、そのアンテナの位相をそのアンテナの電流値付近にわずかに移動させて、受信した信号のインパクトを検出することによって再同調される必要がある。再同調が1方向で改善する場合、位相のサイクル/増分は、どちらの側でも改善しなくなるまで継続する。これは、大規模なアレイの受信電力レベルの変化を検出する能力に依存するであろうし、そうでなければ、すべてのアレイの電源を切り、位相を最初から再構築するように要求されるかもしれない。
【0032】
典型的なアレイ101aまたは101bは、1辺当たりおよそ1メートルの30×30のグリッド網とし、ワイヤの各交点は、単一の送信アンテナ204を有する。好適には、アレイグリッド101aまたは101bは、柔軟な/柔らかい素材で作られる。グリッド素材の柔軟性は、ユーザが、マイクロ波アレイエミッタグリッド101aまたは101bを実質的に不均等で同一平面上にない方法、即ち、平らにならないように広げて物理的に構成することができるようにして、例えば、平坦な二次元アレイによって生じる反射焦点、および個別の位相差を有する平坦で定期的に処理されるアレイで通常起こる盲点を最小にする。
図1Aおよび1Bに示すように、アレイ101aまたはアレイ101bのいずれかは、鉢植えSなどの、支持構造物を覆うことができるように、好適には、不均等で同一平面上にない構成にするために十分柔軟である。
【0033】
この方法において、位相アンテナに指向性があることによって、受信するデバイス102において受信することができる構造位相された(constructively phased)ビーム信号を介してゲインが発生するので、逆二乗の法則にうまく対応する。加えて、101aまたは101bなどの位相調整アレイの使用は、物理的指向性アンテナ、即ち、パラボラアンテナ、八木アンテナなどの、扱いにくく、外観の悪いデバイスを使用する必要性をなくす。さらに、環境を害し、または他の場所に位置するデバイスとの干渉を引き起こさないようにするために、電力送信プロセスの効率性によって、電磁(EM)信号をあらゆる所に広げることなくそのほとんどを受信するデバイスに近似の信号強度にすることができるように、低電力による送信が使用される。
【0034】
信号が受信されて、その電力が使用可能になると、アンテナから来るおよそ5.80GHzのAC電流をDC電流に変換して、バッテリー370、蓄電キャパシタなどを充電するプロセスは、そのタスクを実行できる電圧の低い整流器で行われる。これらの整流器は、狭い範囲のショットキーダイオードに基づくか、または受信した信号と同じ位相の5.80GHzの発振回路との共振を利用することができるので、整流器の電力を、レクテナ340の整流器部で使用されるダイオードの電圧低下を克服する時点まで強めることができる。複数のビーム構成をシミュレートするために、複数のデバイスを、そのアレイを時間共有することによって、またはアンテナの位相を重ね合わせることによって充電できることに留意されたい。
【0035】
上記の充電メカニズムは、送信機と受信機が互いに通信しているときに動作する。しかし、通信する電力がない受信機を充電するための方法も有益である。これを実現するために、周期的な電力送信バーストを受信する1つの位置または複数の位置が確立されてよい。
【0036】
バッテリー電力がないデバイスを充電する方法の一例において、ビーコンデバイス、またはレザレクタ(resurrector)(図示せず)を、周期的な電力送信バーストを受信する位置またはユーザの要求に応じた位置に置くことができる。ビーコンデバイスは、ビーコン信号を送信するなどによって、電力送信グリッドと通信して、その電力送信グリッドは、そのビーコン信号位相の構成を、周期的な電力送信バースト(例えば、10分毎に1秒間のバースト、または10分毎に1秒間のバーストと同時に行う毎分0.1秒間のバースト)を送信する位置として認識する。ビーコンデバイスから送信されるビーコン信号は、その信号が電力送信グリッドに到達する前にさまざまな媒体を介して反射および/または屈折する。従って、複数のビーコン信号は、電力送信グリッドによって受信される。電力送信グリッドが1または複数のビーコン信号を受信すると、ビーコンデバイスの位置から電力送信グリッドまでのオープンパスが確立される。
【0037】
電力送信グリッドはその後、ビーコン信号を集めて、送信されたビーコン信号の波形を再現することができる。この再現された波形から、電力送信グリッドはその後、電力送信バーストを、例えば、再現された波形の逆波形として送信して、ビーコンデバイスによって確立された位置に電力バーストを供給することができる。一実施形態において、この逆波形は、ビーコンデバイスから受信された波形を複素共役、または数学的な等価変換を用いることによって判定されてよい。周期的な電力送信バーストを受信する位置が確立されると、ビーコンデバイスの動作をオフにすることができる。
【0038】
バッテリー電力がない充電されるデバイス102を、その後、上記の充電プロセスを経るために電力送信グリッドと通信するのに十分な電力を有するまで、周期的な電力送信バーストを受信する位置に置くことができる。そのデバイスをその後、その位置」から移動することができる。
【0039】
充電されるデバイス102がある位置から別の位置に移動されるか、または電力送信グリッドが移動されると、電力送信グリッドは、自身を再同調して(例えば、送信アンテナを再整列する)充電されるデバイス102への最適な電力送信を確立できる。この再同調は、電力の低下を報告するデバイス102に応答して、または定期的な間隔(例えば、1マイクロ秒-10秒間隔)で発生させることができる。しかし、定期的な間隔は、信号電力が受信機によって維持されている程度に応じて、短くまたは長くされてもよいし、一方で電力の低下にかかわらず定期的に再同調を継続してもよい。
【0040】
送信機アンテナは、さまざまな形状およびデザインで構成して使用できる細長い「位相ワイヤ」を作り出すために、回路を単一のチップに含めて、ワイヤでチップをデイジーチェーン接続する形をとることもできる。数千ものアンテナおよび「位相制御」チップの列を介して関連するコントローラを有する複雑なアレイを構築するには、チップ間のワイヤは、チップを共通のコントローラに接続するデータパスとして機能することができ、一方それと同時に、ワイヤは、自身を送信/受信アンテナとしても機能することができる。各チップは、アンテナとして機能する、チップから延びたより多くのワイヤを有することができる。各アンテナは、チップが他のアンテナから独立した各アンテナの位相を制御できるようにするアドレス(例えば、a、b、cなど)が付与されてもよい。さらに、ワイヤは、アレイの同調がアンテナの位置および配置に影響されないので、使用可能な空間に応じてあらゆる配置で構成されてよい。
【0041】
アンテナチップのコントローラは、短いワイヤを介して接続され、そのワイヤを、いくつかの方法でアンテナとして利用できる。例えば、ワイヤ自体は、発振器および/または増幅器によって駆動されてよいし、またはシールドをワイヤの周りに使用して、シールド自体を駆動してアンテナとして使用することができるので、通信ワイヤが多層アレイの信号を遮断するのを防ぐことができる。
【0042】
図4は、第1の代替的実施形態の電力送信機のブロック図である。送信機は、コントロールロジック410、位相シフタ420(Nカウント)、信号ジェネレータ/乗算器430、増幅器440(Nカウント)、および(N)アンテナ450を含む、アンテナコントローラ400であってよい。アンテナコントローラ400は、電力およびベース周波数制御信号、ならびに他のコマンドおよび通信信号を、すべてのアンテナコントローラを制御する単一のコントローラから、または前のアンテナコントローラ400からの共通バス上で受信する。例えば、電力信号は、送信機400の電源(図示せず)によって受信されてもよいし、一方、ベース周波数制御信号は、信号ジェネレータ/乗算器430によって受信されてもよいし、通信信号およびコマンドは、コントロールロジック410によって受信されてもよい。各々の前のアンテナコントローラ400が電力およびベース周波数制御信号を供給する場合において、それらの信号を搬送するバスは、次のアンテナコントローラ400まで継続することができる。コントロールロジック410は、位相シフタ420を制御して、増幅器440の位相を調整させるようにすることができる。信号ジェネレータ/乗算器は、バスからの信号を、例えば、10MHzで受信して、その信号を無線送信用に例えば、2.4、5.8GHzなどに変換する。
【0043】
図5は、第2の代替的実施形態の電力送信機のブロック図である。送信機は、コントロールロジック510、位相シフタ520(Nカウント)、信号ジェネレータ/乗算器530、送受信機540(Nカウント)、(N)アンテナ550、および位相比較器560(Nカウント)を含む、アンテナコントローラ500であってよい。送受信機540は、受信機から較正信号またはビーコン信号を受信して、その信号を位相比較器560に転送する。位相比較器560は、位相比較器のそれぞれの送受信機540が受信した信号の位相を判定して、電力信号を送信する最適な位相角度を判定する。この情報は、コントロールロジック510に提供され、その後位相シフタ520に、送受信機の位相を(例えば、受信したビーコン/較正信号の複素共役で)設定して、その設定された位相で電力を送信するようにさせる。信号ジェネレータ/乗算器530は、実質的にアンテナコントローラ400の信号ジェネレータ/乗算器430と同様の機能を実行する。さらに、バス信号は、送信機400のバス信号と同様であり、例えば、送信機500の相当するコンポーネントによって受信される信号と同様である。
【0044】
図6は、例えば、
図4および
図5のアンテナコントローラを制御するためのコントローラ600のブロック図である。コントローラ600は、コントロールロジック610、電力源620、アンテナ660に接続された通信ブロック630、アンテナ670に接続されたベース信号クロック640、およびバスコントローラ650を含む。コントロールロジック610は、Mバス上からの信号をM個のアンテナコントローラ(例えば、400および500)に送信する、バスコントローラ650を制御する。電力源620は、電力源をバスコントローラ650に供給する。通信ブロック630は、通信ブロックのそれぞれのアンテナ660を介して受信機からのデータを送受信する。ベース信号クロック640は、ベース信号を他のコントローラに送信し、受信機が同期するための送信も送信/受信することができる。1つのコントローラ600を利用して、すべての送信機アンテナを制御してもよいし、または1つのコントローラ600が一群のアンテナを制御する場所でいくつかのコントローラを使用してもよい。さらに、それぞれのアンテナを有している、別個の通信ブロックおよびベース信号クロックを示しているが、それらの機能性は、1つのブロック(例えば、通信ブロック630)に組み込まれてよいことに留意されたい。
【0045】
図7は、第1の実施形態に従った、代替的受信機700のブロック図である。受信機700は、コントロールロジック710、バッテリー720、通信ブロック730および関連するアンテナ760、電力メータ740、および整流器750および関連するアンテナ770を含む。コントロールロジック710は、通信ブロック730からのデータ信号をデータ搬送周波数で送受信する。このデータ信号は、上記のサイドチャネルを介して送信される電力強度信号の形式であってよい。整流器750は、電力送信機から電力送信信号を受信し、その信号は、電力メータ740を通って充電用のバッテリー720に供給される。電力メータ740は、受信した電力信号の強度を測定して、この測定値をコントロールロジック710に提供する。コントロールロジック710は、バッテリー720自体からバッテリーの電力レベルを受信することもできる。
【0046】
受信機700は、例えば、コントローラ600がアンテナ670を介してベース周波数信号を送信することによって、コントローラ600と同期されてもよい。受信機はその後、この信号を使用してビーコン信号または較正信号を同期することができ、それらの信号は、受信機によってコントローラに送信し返される。この技術は、複数のコントローラにも利用されてよいことにも留意されたい。つまり、複数の送信アレイが利用されている場所で、コントローラは、コントローラのうちの1つから送信されたベース周波数信号を利用することによって、互いに同期されてよい。
【0047】
図8は、第2の実施形態に従った、代替的受信機800のブロック図である。受信機800は、コントロールロジック810、バッテリー820、通信ブロック830および関連するアンテナ870、電力メータ840、整流器850、ビーコン信号ジェネレータ860および関連するアンテナ880、および整流器850またはビーコン信号ジェネレータ860を関連するアンテナ890に接続するスイッチ865含む。整流器850は、電力送信機から電力送信信号を受信し、その信号は、電力メータ840を通って充電用のバッテリー820に供給される。電力メータ840は、受信した電力信号の強度を測定して、この測定値をコントロールロジック810に提供する。コントロールロジック810は、バッテリー820自体からバッテリーの電力レベルを受信することもできる。コントロールロジック810は、通信ブロック830を介して、クロックを同期化するベース信号クロックなどの、データ信号をデータ搬送周波数で送信/受信することもできる。ビーコン信号ジェネレータ860は、アンテナ880またはアンテナ890のいずれかを使用して、ビーコン信号または較正信号を送信する。バッテリー820は、電力が受信され、その電力を受信機800に供給するために図示されているが、受信機は、その電力を整流器850から直接受信することもできることに留意されたい。この電力は、バッテリー820に充電電流(charging current)を供給する整流器850に加えてもよいし、または充電する代わりにされてもよい。さらに、複数のアンテナの使用は、一つの例示的な実装であり、その構造を1つの共有アンテナに縮小してもよい。
【0048】
送信機のアンテナの制御回路と受信機の電力および制御回路を、集積チップ(IC)として組み込むことができ、いくつかの主要な回路コンポーネントを共有できるので、2つのチップの機能性を単一のチップとして設計することができ、異なるパッケージングまたは構成を選択することによって、そのチップは、送信機または受信機のいずれにも機能することができる。つまり、同じチップのある部分を機能させるまたは機能させないようにして、送信アンテナのコントローラまたは受信機のコントローラとして利用することができる。このことは、2つの異なるチップを組み立てて検査するコストを削減できるだけでなく、高額になりうるチップの製造コストも節約することができる。
【0049】
上記のように、送信グリッドの形状は、さまざまな種類であってよい。従って、アンテナのパッキング(packing)は、およそ送信される電力信号の波長の半分からその波長の数倍まで十分対応できるであろう。二次元配置は、アレイがカーペットの下に平らに敷かれ、屋根裏の断熱材を覆うことも可能である。例えば、複数の送信アンテナを包含する複数のワイドワイヤ(例えば、細長い2次元アレイ)を採用してもよい。これらのワイドワイヤを床または壁の中に設置することも可能である。代替として、電力送信グリッドは、ループアンテナの形状、またはその他の形状にすることも可能である。
【0050】
三次元配置は、最大数のアンテナをパックすることができ、オフィスの天井タイル、ドア、絵およびテレビなどの、便利な形状に組み込むことができる。従って、アレイを見えないように、目立たないようにする。さらに、グリッドアレイは、いくつかの層が互いに重なった形状にすることができるので、高密度のアンテナが実現可能である。この例において、アレイは、単一の転送ビームの背面の反射ビームを最小にする「位相体積」と同様の働きをする。反射ビームは、位相体積の厚さが増すにつれて減衰する。
【0051】
つまり、全指向性アンテナを使用した完全に平坦な位相調整アレイは、(例えば、自由空間またはアレイの反対側で同一の環境がある場合)アレイ面の周りで対称的に形成された波面の2つの「像」を作り出す。これは、電力送出が減少する望ましくない結果になるおそれがある(例えば、背面に流れる電力が50%になる)、従って転送効率が低下する。アレイアンテナを同一平面上にない形式で配置することは、この対称波面が、たとえ三次元アレイの対称デザインであっても、アンテナがアレイの対称面で異なる位相を有し、その信号が非対称および非「反射」になるという事実によって、対称波面が減衰する。
【0052】
アレイの位相が特定の受信機用に同調される場合、アレイのそれぞれのアンテナは、その特定の受信機に到達する信号を生成するために送信する特定の位相を有する。2以上の受信機を、以下の技術のうちの1つまたはその組み合わせによって電力を受信するように構成することができる。
【0053】
第1の技術において、電力送出の時間共有を異なる受信機間で利用することができる。これは、アレイのアンテナを1つの受信機に同調させて、その後次の受信機に移行し、各受信機に均一な(または不均一な)時間量を付与することによって行うことができる。アレイを各受信機に同調させることは、メモリから行われるか、または第2の実施形態と同様のプロセスを用いてアレイを再同調することによって行われる。
【0054】
別の技術において、すべてのアレイアンテナの位相を変調して複数の電力スポットを生成する技術を利用することができる。各アンテナに対し、受信信号は、受信角度である位相のベクトル信号であり、一方その強度は、受信信号の電力レベルである。複数のアンテナに戻る信号を生成するために、送信の位相は、受信ベクトルの合計角度として判定される。受信信号の強度を利用して、通常の送信電力で各アンテナから送信する必要がないかもしれないが、マルチパス信号が考慮されるときに良く機能する多焦点偏向信号(biased multi-focus signal)を生成するために、各受信機からピーク受信信号電力を見つけ出して、ベクトル加算は、正規化スケール(例えば、各受信機からのピーク電力をそのピーク電力に対して強度1.0と見なす)と対照にベクトルをスケーリングすることによって偏向される。ベクトルの加算は、各アンテナが、より多くの電力を送出しまたはより多くの電力を受信する受信機に、より多くの電力を供給することを確保する。
【0055】
アンテナの共有がもう1つの技術である。アレイ全体を複数のサブアレイに分割することによって、各アレイは、その電力を特定の受信機に割り当てることができる。この手法は、アレイが分割されるときに、当該アレイが効率のよい十分な大きさであるときに有益であろう。
【0056】
別個のアレイは、統一して使用されてもよく、そこにおいて個々のアレイのユニットは、そのベース信号クロックを共有無線周波数を使用して同期して、すべての「スレーブ(slave)」送信機のコントローラユニットがそれらの波形をコヒーレントに合計できるようにする、指定された「マスタ(master)」ユニットから連続信号を得る。これによって、別個のアレイが環境内で分散されることが可能になり、ユーザが、建物、住居、製造工場またはオフィスの周囲に複数のアレイを柔軟に配置することができる。これらのコントローラの起動中、インストーラ/マネージャは、どんなに多くのアレイが不具合になっても、システムが、使用可能なアレイを使用して機能を継続するようにする、フェイルオーバーシーケンスと共にマスターユニットを指定することによって、異なるコントローラアレイを互いにリンクさせることができる。例えば、アレイは、原子時計を使用してそれらを同期することによって設定されてよい。つまり、別個のアレイユニットが、電力送信に使用する単一の周波数を利用する場合、別個のアレイユニットは、精密な原子時計(例えば、1:10^10より高い精度)を使用することによって、ベース周波数に同期せずに機能することができる。この場合、それらのアレイユニットは、数分の1秒で同位相になり、位相/信号のコヒーレンスを維持することが可能になるであろう。
【0057】
別の電力送信技術において、送信機は、その存在をすべての受信機にブロードキャストするサイド通信チャネルで通常の信号を送信する。その送信機は、近くに他の送信機がある場合、取り決めた周波数のうちの1つを使用することを確保するか、または他の送信機の信号をモニタすることによって信号の衝突を避ける。このようなブロードキャスト告知は、1分当たり数周波数から1分当たり1未満の周波数まで異なる場合がある。受信機は、その存在を告知する信号を送信することができ、送信機は、どの受信機が電力転送に最も適しているかを見つけるためにネゴシエートすることができる。ひとたび決まると、受信機は、単一の送信機を「ロック」する。これは、各送信機が、論理的(単一のコントローラ)デバイスとして定義されることを要求することができる。そのデバイスを複数にリンクされた送信機から構成することが可能である。コントローラが、電力エンベロープ(power envelope)が変更した(即ち、受信機が同じ電力を要求していない)ことを検出する場合、コントローラは、受信機が機能を停止しないように、電力の供給を継続することができる。
【0058】
別の電力送信技術において、送信機を、電力を求めている任意のデバイスに電力を供給するために開放するように設定することができ、またはそれらの送信機が供給しなければならないデバイスと「ペアになる」ことができる。ペアリングは、送信機の所有者の観点から、効率性に影響を与えるおそれのある、近隣機同士から無意識に借りる電力の問題を回避する。送信機が複数の受信機と衝突する場合、送信機は、電力を最も必要とするデバイスに最初に電力を供給するなどの、順位の優先度付けを確立することを求めてよいし、それを1または複数の所定の基準で確立することもできる。
【0059】
例えば、いくつかの基準は、以下を含む。デバイスは、その所有者にとって(例えば、セル電話はおもちゃとは対照的に)非常に重要であることと、デバイスは、典型的には、送信機の近くで一日中何もしない(例えば、セル電話と比較したテレビのリモート制御)ことはないことと、デバイスは、すぐに電力を供給する必要があり、そうしないと機能が停止すると見なされること、を含む。そのようなデバイスは、危機的でない電力に達するまで、他のデバイスよりも高い優先度が付与されてよい。代替として、ユーザがカスタマイズした優先度が利用されてもよく、それによって、ユーザは、どのデバイスに最も高い優先度を与えるべきかを決定する。
【0060】
上記の例示的な優先度付けの選好は、送信機システム(例えば、コントロールロジックにおいて)に事前にインストールされてよく、アレイのインストーラによって却下される(overruled)能力を用いて、システムが所有者/ユーザの優先度付けで送出することを確保する。所有者またはユーザは、アレイを開放して任意のデバイスに電力を送出するかどうかを望んでもよいし、または特定のデバイスを、優先度が最も高いまたは優先度が最も低いデバイスとして登録することを望んでもよい。さらに、ユーザまたは所有者は、特定のデバイスが動いていても、そのデバイスに電力の供給を維持するか否かを判定することを望んでよい。
【0061】
第2の実施形態のアレイ同調アルゴリズムにおいて、電力の送信は、アレイが受信機の新しい位置に再同調する時に停止されなければならない。受信機の高速移動のためまたは環境の構成の素早い変化のために、このような再同調の動作が高周波数で行われる場合、新しいビーコン信号を受信する間にアレイの動作をオフにし続けるのに必要な時間によって、電力送出の効率が低下するおそれがある。従って、これに対抗するために、2以上の周波数をアレイ/受信機によって使用することができる。1つの周波数が同調されている間、もう1つの周波数は、電力の送信を継続することができ、その後、後続の周波数は、すべての周波数が再同調されるまで同調されるので、送信によって停止されるギャップを回避することができる。
【0062】
大規模な位相調整アレイを設計するときに、要求される周波数をそれぞれのアンテナに送信することは、ケーブル(例えば、同軸ケーブル)の数が多いために困難になるかもしれない。これは、アンテナの数が1000を超える場合にさらに困難になるかもしれない。従って別の代替において、高周波数信号(>1GHz)をすべてのアンテナに送信する代わりに、低周波数信号(~10MHz)をすべてのアンテナを介して送信することができ、それぞれのアンテナは、位相ロックループ(PLL)および位相シフタなどの、周波数乗算回路を有するであろう。
【0063】
さらに、電力を受信して、自身で再充電する能力を有する標準フォーマットのバッテリー(例えば、AA、AAA、C-バッテリー、D-バッテリーなど)は、電子/電気デバイスに使用される使い捨ての(disposable)または再充電可能なバッテリーに代わるものとして望ましいであろう。これは、バッテリーが、送信機アレイと通信するのに必要なすべての回路を有するだけでなく、バッテリーが供給するデバイスを稼動させるのに使用される充電/エネルギーのキャパシタンスを有することが必要になるであろう。
【0064】
デバイスは、コンポーネントを活性化するための電圧または電流、または単一のバッテリーの能力を上回る、バッテリー交換までの長時間の動作を確保するためのバッテリーのキャパシタンスを要求することが多い。従って、複数のバッテリーは、直列または並列で使用されることが多い。しかし、単一の受信機のバッテリーでは、デバイスの動作に必要なバッテリーは1つのみであり、そのバッテリーは、必要な電圧を送出することができ、そのバッテリーを充電する必要なく永久的に動作を維持する大量のエネルギーを受信できるので、エネルギー容量は、議論の余地のある問題になる。
【0065】
しかし、いくつかのバッテリーの代わりに単一のバッテリーを使用することは、デバイスのバッテリー記憶領域の構成のために、動作しないかもしれない。従って、これを克服するために付加的な技術を採用することができる。
【0066】
図9は、受信機バッテリーシステム900のブロック図である。システム900は、少なくとも1つの受信機バッテリー910を含み、任意の数の空バッテリー920を含んでもよい。例示目的として、1つの受信機バッテリー910と2つの空バッテリー920を示しているが、任意の数のバッテリーが利用されてよいことに留意されたい。受信機バッテリー910は、電力キャパシタ911、制御回路912、および電圧制御発振器913を含む。空バッテリー920は、インダクションロジック(induction logic)921を含む。
【0067】
従って、バッテリーシステム900は、以下の通りに動作することができる。「受信機」が使用可能なバッテリー(即ち、910)を有する1つのみのバッテリーが供給される。しかし、性能の良いバッテリーと直列に置かれて使用される通常のバッテリーは、時間とともに抵抗が生じることもあり、とりわけ起こり得る問題として、通常のバッテリーは、バッテリーの使用期限が過ぎると漏電するおそれがある。
【0068】
代替として、「空」バッテリー(即ち、920)を、「電力セレクタ」とともに受信機バッテリー910上で使用することができる。一つの例の空バッテリー920は、正確なバッテリー寸法(battery dimensions)を有するデバイスであるが、アノードが短いので、受信バッテリー910の電圧によってそのデバイスを自力で駆動させる。受信機バッテリー910は、制御回路またはスライダ912または他の選択機構を利用して、ユーザが取り替えるバッテリーの数をユーザが選択することが可能にさせる。受信機バッテリー910は、その後、空バッテリー920を補うのに望ましい電圧を出力する。
【0069】
別の技術において、知的空バッテリー920ならびに知的受信機バッテリー910を使用することができる。受信機バッテリーは、最初に、1KHz(または同様の他の周波数)の低電圧発振(<0.1V発振を、使用される空バッテリーの数を検出する期間で用いる)と同じ程度の所望のフォーマット1つのバッテリーの電圧を出力し、知的空バッテリー920は、1KHzを使用して自身に誘導して電力を供給する。空バッテリーは、抵抗、キャパシタンスまたは受信機バッテリーが検出することができる他の手段によって、電力線に効果(effect)を発生させる。知的空バッテリー920の周波数の効果は、静的付加である特性を有する内蔵擬似乱数ジェネレータ(例えば、論理921)によって行われる。従って、擬似ランダムジェネレータのカウントを電力線上で判定することができる。このうちの1つの実施形態では、電力線上で効果「ブリップ」をトリガするのに使用されるシフトビットなどの、周知の間隔で実行する32ビット線形フィードバックシフトレジスタが使用されるであろう。フィードバックシフトレジスタを出力するシード番号は、統一して機能しないように、すべての空バッテリー920上で異なる番号にしなければならない。
【0070】
図10は、「ブリップ」1010を含む、例示的なバッテリーシステムの電力線の
図1000である。受信機バッテリー910は、電力線上でブリップ1010をカウントして、知的空バッテリー920の数を判定する。ブリップ1010は、高周波数パルスまたはキャパシタンス修正器になり得る。ほとんどの電子/電気デバイスによってマスクアウトされないブリップが選択される。このプロセスは、例えば、1ミリ秒未満の短い時間期間で実行される。その後、受信機バッテリー910は、異なる電力が必要な異なるデバイスで行われる次の出力増(power-up)まで電圧の検出を要求しない。受信機バッテリー910によって生成される1KHz「電力」周波数が停止して、空バッテリー920は、休止状態になり、電力が供給されるデバイスに透過的になる。
【0071】
再度
図10を参照するが、ランダムブリップ1010は、システム900の電力システム線を介して2つの空バッテリー920のそれぞれによって生成される。ランダムブリップ1010を使用して、受信機バッテリー910によってランダムブリップジェネレータの数を判定する。ブリップを時間でカウントして、単一の空バッテリー920から予想される数で割ることによって、直列で設置される空バッテリー920の数を判定することができる。しかし、並列のバッテリー設置システムにおいて、並列の電力線毎に1つの受信機バッテリー910が要求される。
【0072】
デバイスが上記の500MHzを超える高周波数で電力を受け取る場合、受け取る位置は、(入ってくる)放射のホットスポットになる場合がある。従ってデバイスが人の手にある時、放射のレベルは、FCCの規制の範囲を超えるか、または医療/産業局によって設定された受け入れ可能な放射レベルを超えるかもしれない。過剰照射の問題を回避するために、デバイスは、加速度計などのモーション検出機構または同等の機構を統合することができる。デバイスが、移動中であると検出すると、デバイスが手荒に扱われていると仮定することができ、アレイにデバイスへの電力送信を停止するか、受信可能な電力の一部に受信される電力を低下させるいずれかの信号をアレイにトリガする。デバイスが車、電車または飛行機などの移動環境で使用される事例において、デバイスにすべての使用可能な電力がほとんど残ってない場合を除いて、電力は、断続的または低下したレベルでのみ送信されるかもしれない。
【0073】
図11は、上記のようなモーション検出を含む第1の実施形態に従った、代替的受信機1100である。受信機1100は、コントロールロジック1110、バッテリー1120、通信ブロック1130および関連するアンテナ1160、電力メータ1140、整流器1150および関連するアンテナ1170、およびモーションセンサ1180を含む。モーションサンサ1180を除いて、残りのコンポーネントは、受信機700のそれぞれのコンポーネントと同様の機能で動作する。モーションセンサ1180は、上記のようなモーションを検出して、上記の技術に従って動作するための信号をコントロールロジック1110に送信する。
【0074】
図12は、上記のようなモーション検出を含む第2の実施形態に従った、代替的受信機1200である。受信機1200は、コントロールロジック1210、バッテリー1220、通信ブロック1230および関連するアンテナ1170、電力メータ1240、整流器1250、ビーコン信号ジェネレータ1260および関連するアンテナ1280、および整流器1250またはビーコン信号ジェネレータ1260を関連するアンテナ1290に接続するスイッチ1265を含む。モーションサンサ1280を除いて、残りのコンポーネントは、受信機800のそれぞれのコンポーネントと同様の機能で動作する。モーションセンサ1280は、上記のようなモーションを検出して、上記の技術に従って動作するための信号をコントロールロジック1210に送信する。
【0075】
セル電話またはメディアプレーヤなどの、WiFi通信またはBluetooth(登録商標)などによって使用される周波数で電力を受信するように設計されたデバイスは、電力送信周波数で電力を受信する能力があるアンテナをすでに有しているかもしれない。従って、電力を受信する付加的なアンテナを有する代わりにWiFi通信などに使用される同じ通信アンテナを使用して、必要な回路を通信ハードウェアに付加する(例えば、整流回路、コントロールロジック回路などを付加する)ことによって電力を受信することができる。
【0076】
無線電力送信システムのいくつかの使用例は、商品の棚に値札を付けるスーパーマーケットまたは消費者用小売店を含む。これらの値札の価格番号を管理することは、費用がかかり、手間を要する作業になる。さらに、特売品および宣伝広告では、値札が日々変更されることになる。
【0077】
今日の電子インク標識を用いれば、各値札を価格/広告宣伝をかなり効果的に表示する小型の電子デバイスで作ることが可能であり、電子インクは、静的画像を表示する間は電力をまったく消費しない。しかし、電力は、新しいデータを表示するのに要求され、さらに電子インク標識を変更するのにも電力が必要である。ワイヤをそれぞれのタグにつなげるのは、実現可能な解決策でもなければ、各値札にバッテリーを入れるのも実現的ではない。それは、定期的な充電または交換が必要になるからである。無線電力送信を利用することによって、数千もの値札を、天井または棚に置かれた無線送信機アレイによって動作可能に維持する、つまり、値札を定期的に充電するならびに値札が移動した時に充電することができる。値札が所望の目的場所に置かれると、その値札を、初期電力を用いて有線または無線のいずれかで活性化することができる。
【0078】
別の例において、製造工場は、多数のセンサおよびコントローラを利用して、製造、製造される商品全体の生産性および品質を同時に維持する。無線通信の使用にかかわらず、それは、いまだにそれぞれのデバイスにワイヤを搬送する電力を稼動しなければならず、それによってデバイスが1または複数のコンポーネントに依存して、不具合になる傾向になり、例えば、石油製油所などの、かなり燃えやすい環境で使用するデバイスが設置される前に、デバイスに電線を通す穴をあける必要であるので、デバイスを密封することができない。従って、このようなデバイスに上記の無線電力受信機のうちの1つを組み込むことによって、無線の電力を供給することができる。
【0079】
無線電力システムは、モーション検出にも利用されてよい。電力送信システムが起動しているときに、環境内の小さな外乱は、転送の効率を変化させることがあり、その変化が送信の見通し線にない場合もある。この無線電力システムは、環境内の複数のパス(マルチパス)を活用するので、それをモーション検出器として使用することができる。ローカライズされたまたは環境に分散されたアレイから受信される電力を測定することによって、受信された電力レベルのどの変化も、環境の電磁構成の変更の表示になる。そのような使用において、ワイヤが受信機に電力を供給することができるので、電力転送レベルは非常に低くなるが、アレイを同調する手段としてのみ動作することに留意されたい。環境の構成の変化が検出されると、セキュリティシステム/アラームは、その変化を通知できる。
【0080】
別の例において、中身の温度が規制される個々の飲料および食べ物の容器は、常に電力源が必要である。このような容器が頻繁に移動する場合、電力源の可用性を維持することが困難になる。無線電力を使用して、電力源の可用性を維持することができるので、容器の温度を望ましい温度に維持することができる。容器を、使用可能な電力を使用して、中身の温度、中身の液量または重量を報告するのに使用することもできる。この例として、冷たい/熱い飲み物が暑い日に出される場合、またはそれらを飲むときに冷たい/熱いのが最良である場合、この能力を用いれば、飲む人は、自分達の飲み物が周囲の温度に達する前に飲み終える必要がないばかりか、長期間自分達の飲み物を楽しめる。さらに、飲み物が減りだすと、ホスト役は、信号受信機を介して無線で通知されることがでるし、飲み物がなくなる前に注ぎ足すことができる。
【0081】
別の例において、電力受信機を使用してデバイスの電力使用量をモニタすることができるときに、デバイスの機能が停止する前に機能が低下したデバイスを検出することが可能である。例えば、火災報知器は、その報知器が使用する公称電力を消費していないときに機能が停止したと見なされてもよく、またはデバイスの機能が停止する寸前に通常起きる、デバイスの電力消費が急激に変化するときに、デバイスの機能が停止したと見なされてもよい。
【0082】
本発明は、上記の実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲の範囲において一部およびすべての実施形態を網羅することを理解されたい。例えば、5.8GHzの周波数が上述されているが、100MHzを超える任意の周波数を電力送信周波数として利用してよい。
【0083】
再充電可能な任意のタイプのバッテリーを利用して、標準サイズの再充電可能なバッテリーまたは特定の電子デバイスに使用される再充電可能なカスタムバッテリー(即ち、セル電話、PDAなど)を含む、電力送信グリッドから充電を受け取ることができる。このような再充電可能なバッテリーを利用して、現在の既存のバッテリーに置き換えることができ、受信機の電子機器が、電力送信信号を受信して、その信号を、バッテリーを再充電する信号に変換することを可能にする、電子機器を含むことができる。
【0084】
実施形態
1、無線マイクロ波電力送信機。
2、マイクロ波電力送信信号を送信する複数のマイクロ波アレイ送受信機を有するコントローラおよび位相アレイアンテナをさらに備えることを特徴とする実施形態1の無線マイクロ電力波送信機。
3、前記送受信機は、選択された位相において前記送受信機のそれぞれの電力送信信号を送信するように前記コントローラによって適応位相されることを特徴とする先行実施形態のいずれかにおける無線マイクロ波電力送信機。
4、各送受信機は、充電されるデバイスから較正信号を受信し、および前記較正信号が前記送受信機によって受信される位相を検出するようにさらに動作可能であることを特徴とする先行実施形態のいずれかにおける無線マイクロ波電力送信機。
5、前記コントローラは、前記電力送信信号を、判定された位相に送信する時に使用される前記選択された位相を調整するようにさらに構成され、前記検出された位相に基づく前記判定された位相であって、前記判定された位相は、充電される前記デバイスに送信される前記電力送信信号に対して最適位相を示すことを特徴とする先行実施形態のいずれかにおける無線マイクロ波電力送信機。
6、前記電力送信信号は、もしあれば、充電される前記デバイスからの、充電される前記デバイスの前記位置を示す位置信号を利用することなく送信されることを特徴とする先行実施形態のいずれかにおける無線マイクロ波電力送信機。
7、前記判定された位相は、前記検出された位相の前記複素共役であることを特徴とする先行実施形態のいずれかにおける無線マイクロ波電力送信機。
8、前記コントローラは、前記較正信号を内部信号と比較して、前記較正信号の前記受信された位相を検出するように構成されることを特徴とする先行実施形態のいずれかにおける無線マイクロ波電力送信機。
9、前記コントローラは、判定された位相において前記電力送信信号を送信する時に使用される前記選択された位相を調整するようにさらに構成され、前記判定された位相は、実質的に、充電される前記デバイスに送信される前記電力送信信号用に、前記検出された位相の複素共役であることを特徴とする先行実施形態のいずれかにおける無線マイクロ波電力送信機。
10、前記コントローラであって、前記判定された位相は、前記検出された位相の前記複素共役からの偏差限界内の位相角であることを特徴とする先行実施形態のいずれかにおける無線マイクロ波電力送信機。
11、前記コントローラであって、前記判定された位相は、前記検出された位相の前記複素共役のプラスマイナス36度内の位相角であることを特徴とする先行実施形態のいずれかにおける無線マイクロ波電力送信機。
12、無線マイクロ波電力受信機。
13、電力送信信号を受信して充電受信機を充電するように構成されたレクテナをさらに備えることを特徴とする実施形態12の無線マイクロ波電力送信機。
14、較正信号をマイクロ波電力送信機に送信するように構成された送信機をさらに備えることを特徴とする実施形態12乃至13のいずれかにおける無線マイクロ波電力受信機。
15、前記レクテナは、判定された位相を有する電力送信信号を受信するようにさらに構成され、前記電力送信信号の前記判定された位相は、実質的に前記較正信号の検出された位相の記複素共役であることを特徴とする実施形態12乃至14のいずれかにおける無線マイクロ波電力受信機。
16、前記判定された位相は、前記較正信号の前記検出された位相の前記複素共役からの偏差限界内の位相角であることを特徴とする実施形態12乃至15のいずれかにおける無線マイクロ波電力受信機。
17、前記判定された位相は、前記較正信号の前記検出された位相の前記複素共役のプラスマイナス36度内の位相角であることを特徴とする実施形態12乃至16のいずれかにおける無線マイクロ波電力送信機。