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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】流路構造体、および燃料供給装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 37/10 20060101AFI20231219BHJP
   F02M 37/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
F02M37/10 D
F02M37/00 321B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020018877
(22)【出願日】2020-02-06
(65)【公開番号】P2021124072
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福岡 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】岡薗 哲郎
【審査官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-173627(JP,A)
【文献】特開2019-173625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 37/00-37/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンク(40)の内部に取り付けられる燃料供給装置(100)に用いられる流路構造体(60)であって、
燃料を供給するポンプ(22)の送出口(222)と接続されるポンプ接続部(61)と、
前記燃料供給装置の外部に燃料を送出するための送出管(150)が接続される送出管接続口(631)と、前記ポンプから圧送される燃料を受け入れる供給側接続口(630)と、前記送出管接続口と前記供給側接続口とを連通する送出流路(632)と、前記送出流路における燃料の圧力を調整する弁体を収容するための弁収容部(633)と、を有するバルブユニット(63)と、
前記ポンプ接続部と、前記バルブユニットとを繋ぐ燃料供給管(62)であって、前記ポンプの送出口および前記供給側接続口を連通する燃料供給管と、
前記バルブユニットから前記燃料供給管と平行して前記ポンプ接続部に向かって延伸する平板状の延伸部(76)と、前記延伸部の上面に備えられ、前記燃料供給管から離間する向きに突出するタンク当接部(72)と、を備えるガイド部(70)であって、前記燃料供給管から予め定められる距離(L1)だけ離間して、前記延伸部の下面と前記燃料供給管との間に配線を通過させることができる空間(SP2)を規定するガイド部と、を備える、
燃料供給装置用の流路構造体。
【請求項2】
前記ガイド部が、さらに、前記ポンプ接続部から予め定められる距離(L2)だけ離間して、前記延伸部の下面と前記ポンプ接続部との間に配線を通過させることができる空間(SP3)を規定する、請求項1に記載の燃料供給装置用の流路構造体。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の燃料供給装置用の流路構造体であって、
前記ガイド部は、さらに、前記延伸部において、前記バルブユニットから前記タンク当接部までの間となる位置に配線(WH1)を配索するためのクランプ部(74)を備える、
燃料供給装置用の流路構造体。
【請求項4】
請求項3に記載の燃料供給装置用の流路構造体であって、
前記クランプ部は、
前記燃料供給管から離れる向きに突出する突出部(741)と、
前記突出部と対向する位置に配置され、前記燃料供給管から離れる向きに突出するフック形状の突出爪部(742)と、を備え、
前記突出部と、前記突出爪部とが、前記配線の断面の幅よりも小さい距離(L3)だけ離間している、
燃料供給装置用の流路構造体。
【請求項5】
前記バルブユニットの少なくとも前記弁収容部を含む一部と、前記ガイド部とが一体的な成形部品である、請求項3または請求項4に記載の燃料供給装置用の流路構造体。
【請求項6】
請求項3から請求項5までのいずれか一項に記載の燃料供給装置用の流路構造体と、前記ポンプと、燃料の残量を取得するセンダゲージ(23)と、を有するポンプユニット(20)と、
信号を入出力するためのコネクタ(16)を有する蓋体(10)と、
前記蓋体を固定する連結支柱(30)と、
前記連結支柱および前記ポンプユニットを連結する連結軸(220)であって、前記連結支柱を前記ポンプユニットに対して軸周りに回転可能に連結する連結軸と、
前記コネクタおよび前記センダゲージを繋ぎ、信号を伝送するための配線と、を備え、
前記配線は、前記コネクタから、前記クランプ部、前記燃料供給管から前記ガイド部との間、前記センダゲージ、の順に配索されている、
燃料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流路構造体、および燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料タンク内に取り付けられる燃料供給装置において、燃料タンクの開口部と係合するフランジと、フランジを固定する支柱と、ポンプユニットと、支柱およびポンプユニットを回転可能に連結する連結軸と、信号を電送するためのワイヤハーネスとを備える技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-080677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料供給装置を燃料タンク内に挿入する作業の弊害とならないように、ワイヤハーネスを適切な位置に配索したいといった要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
本開示の一形態によれば、燃料タンク(40)の内部に取り付けられる燃料供給装置(100)に用いられる流路構造体(60)が提供される。この流路構造体は、燃料を供給するポンプ(22)の送出口(222)と接続されるポンプ接続部(61)と、前記燃料供給装置の外部に燃料を送出するための送出管(150)が接続される送出管接続口(631)と、前記ポンプから圧送される燃料を受け入れる供給側接続口(630)と、前記送出管接続口と前記供給側接続口とを連通する送出流路(632)と、前記送出流路における燃料の圧力を調整する弁体を収容するための弁収容部(633)と、を有するバルブユニット(63)と、前記ポンプ接続部と前記バルブユニットとを繋ぐ燃料供給管(62)であって、前記ポンプの送出口および前記供給側接続口を連通する燃料供給管と、前記バルブユニットから前記燃料供給管と平行して前記ポンプ接続部に向かって延伸する平板状の延伸部(76)と、前記延伸部の上面に備えられ、前記燃料供給管から離間する向きに突出するタンク当接部(72)と、を備えるガイド部(70)であって、前記燃料供給管から予め定められる距離(L1)だけ離間して、前記延伸部の下面と前記燃料供給管との間に配線を通過させることができる空間(SP2)を規定するガイド部と、を備える。
【0007】
この形態の流路構造体によれば、バルブユニットから燃料供給管と平行してポンプ接続部に向かって延伸する延伸部と、燃料供給管から離間する向きに突出するタンク当接部と、を備えるガイド部が備えられる。ガイド部の延伸部は、燃料供給管から予め定められる距離だけ離間している。そのため、燃料供給管と延伸部との間に形成される空間に、配線を通過させることができる。タンク当接部を回避して配線を配索することにより、タンク当接部に配線が引っかかることを抑制または防止することができる。したがって、燃料タンクへの燃料供給装置の取り付け時に、タンク当接部と燃料タンクとの間に配線が挟まれる不具合を抑制または防止することができる。タンク当接部は、バルブユニットよりもポンプ接続部側に位置するため、燃料供給装置を燃料タンクに設置する際に、燃料タンクがバルブユニットに接触する不具合を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】流路構造体を備える燃料供給装置を示す斜視図。
図2】燃料供給装置を示す背面図。
図3】流路構造体を示す正面図。
図4】ガイド部を拡大して示す斜視図。
図5】クランプ部を拡大して示す正面図。
図6】流路構造体に対する配線の配索経路を示す正面図。
図7】燃料供給装置をタンクに取り付ける様子を示す説明図。
図8】燃料供給装置をタンクに取り付ける様子を示す説明図。
図9】燃料供給装置をタンクに取り付ける様子を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
A.第1実施形態:
図1および図2を用いて、第1実施形態としての流路構造体60を備える燃料供給装置100の全体構成について説明する。図1に示すように、流路構造体60は、燃料供給装置100に備えて用いられる。図2に示すように、燃料供給装置100は、車両などの移動体に設置された燃料タンク40の内部に取り付けられて用いられる。燃料タンク40の上壁40aには、開口部42が形成されている。開口部42は、燃料タンク40の上壁40aに形成された開口42bと、開口42bの周縁部において上方に突出した突出部42cとを備える。開口42bは、燃料タンク40に取り付けられた燃料供給装置100の一部によって塞がれる。
【0010】
燃料タンク40内の燃料は、燃料供給装置100によって燃料タンク40外の図示しない高圧ポンプに供給される。高圧ポンプに供給された燃料は、高圧ポンプにより高圧化され、車両の内燃機関に燃料を噴射するインジェクタに供給される。燃料供給装置100は、燃料タンク40内の燃料をインジェクタに直接供給してもよい。図1および図2には、互いに直交する3つの方向であるX方向、Y方向、およびZ方向が表されている。X方向とは、+X方向と-X方向の総称であり、Y方向とは+Y方向と-Y方向の総称であり、Z方向とは+Z方向と-Z方向の総称である。X-Y平面は、後述するポンプユニット20の底面部20Bと略平行な面である。本実施形態において、+X方向は、燃料供給装置100を燃料タンク40に取り付ける際に、開口42bからポンプユニット20を挿入する方向(以下、「挿入方向」とも呼ぶ。)と一致する。図2では、燃料供給装置100が燃料タンク40に取り付けられた状態において、X-Y平面が水平面と略平行となり、+Z方向が重力方向と略一致する状態を例として示した。図3以降の図面におけるX方向、Y方向およびZ方向は、いずれも図1および図2のX方向、Y方向およびZ方向に対応する。
【0011】
図1に示すように、燃料供給装置100は、蓋体10と、ポンプユニット20と、連結支柱30とを備える。図2に示すように、蓋体10は、円板状の外観形状を有し、燃料タンク40の開口42bを塞いで上壁40aに取り付けられている。
【0012】
蓋体10は、平板部12と、台部11とを備える。平板部12は、略円板形状を有している。平板部12の外径は、燃料タンク40の開口42bの内径よりも大きい。平板部12の外周部には、係合部121が設けられている。係合部121は、燃料タンク40の突出部42cと係合する。平板部12の一方の面である第一面が突出部42cに接することにより、開口42bが塞がれる。
【0013】
台部11は、略円筒状の外観形状を有しており、平板部12の第一面から連結方向に向かって延出している。「連結方向」とは、蓋体10からポンプユニット20の連結軸220に向かう方向を意味する。本実施形態において、連結方向と、連結支柱30の長手方向とは略平行である。
【0014】
図1に示すように平板部12における台部11が形成されている第一面とは反対側の面である第二面には、コネクタ16と、燃料吐出口17とが備えられている。コネクタ16は、燃料タンク40の外部側に露呈しており、図示しない配線を介して、車両に備えられる図示しないECU(Electronic Control Unit)に電気的に接続される。図1に示すように、コネクタ16は、連結支柱30に沿って配索される配線WH1および配線WH2と接続されている。配線WH1や配線WH2としては、例えば、フレキシブル配線が用いられる。なお、図2では、技術の理解を容易にするため、配線WH1および配線WH2の図示は省略されている。配線WH1は、後述するセンダゲージ23に電気的に接続されており、センダゲージ23によって取得される燃料残量の検出信号等の信号をECUに伝送する。配線WH2は、燃料ポンプ22に電気的に接続されており、ECUから入力される燃料ポンプ22の駆動信号を燃料ポンプ22に伝送する。
【0015】
燃料吐出口17は、図2に示すように、台部11に設けられた燃料供給ポート140と連通している。燃料供給ポート140には、図1に示すように、ポンプユニット20に接続される送出管150が取り付けられている。図2では、技術の理解を容易にするため、送出管150の図示は省略されている。燃料供給ポート140は、ポンプユニット20から送出管150を介して供給される燃料を、燃料吐出口17へと導く。燃料吐出口17は、図示しない管により燃料タンク40外の図示しない高圧ポンプに接続されており、ポンプユニット20から供給される燃料を、高圧ポンプへと供給する。
【0016】
連結支柱30は、蓋体10を固定し、ポンプユニット20と連結される。連結支柱30は、蓋体10と接続される上側支柱部310と、ポンプユニット20と接続される下側支柱部330とを備える。
【0017】
上側支柱部310において、図1に示すように、フック部312が形成されている。フック部312には、配線WH1および配線WH2が掛けられる。これにより、配線WH1および配線WH2は、フック部312により束ねられ、連結支柱30に沿って配索される。したがって、燃料タンク40への燃料供給装置100を取り付ける際に、配線WH1および配線WH2が燃料タンク40に引っかかる不具合を抑制または防止することができる。また、燃料タンク40への燃料供給装置100の装着後において、配線WH1および配線WH2の位置が燃料の揺動に伴って大きく変化することを抑制することができる。
【0018】
下側支柱部330は、連結方向と、連結方向とは反対方向との双方向に往復移動が可能な状態で、上側支柱部310に嵌め合わされている。下側支柱部330が上側支柱部310に対してスライド可能に嵌め合わされることにより、連結支柱30の長手方向の長さは、伸縮自在となる。下側支柱部330の連結方向側には、回転板部332が備えられている。回転板部332は、連結方向に垂直かつポンプユニット20側に向かう向きを軸方向とする連結軸220を介して、ポンプユニット20と連結されている。連結軸220の軸方向を回転軸Axとも呼ぶ。図2に示すように、回転板部332は、ポンプユニット20の上側部材212の側壁に対して、回転軸Axを中心に回転することができる。
【0019】
下側支柱部330がポンプユニット20に対して回転可能に係合することにより、ポンプユニット20に対する連結支柱30の接続角度が変化し得る。「接続角度」とは、ポンプユニット20の長手方向に対する連結支柱30の長手方向のなす角度を意味する。本実施形態において、図1に示すように、ポンプユニット20に対する連結支柱30の位置は、接続角度が略90度となる直立状態である位置P1から、直立状態よりも-X方向側に傾斜し接続角度が最大となる最大傾斜角状態である位置P2までのいずれかの位置に変化させることができる。図1には、最大傾斜角状態での燃料供給装置100が示され、図2には、直立状態での燃料供給装置100が示されている。
【0020】
ポンプユニット20は、燃料タンク40の底壁40dに載置され、燃料タンク40内の燃料を吸引し、燃料タンク40の外部へと圧送する。ポンプユニット20は、本実施形態の流路構造体60と、サブタンク21と、図1に示す燃料ポンプ22と、センダゲージ23と、を備える。
【0021】
サブタンク21は、下側部材211と、上側部材212とを備える。サブタンク21も蓋体10などと同様、ポリアセタール等の種々の樹脂により形成することができる。下側部材211は、平板形状を有している。下側部材211の一方の面は、ポンプユニット20を燃料タンク40の底壁40dに載置するためのポンプユニット20の底面部20Bとして機能する。下側部材211には、複数の流入孔211aが設けられている。流入孔211aは、下側部材211を厚さ方向に貫く貫通孔である。下側部材211の底面部20B側の外表面には、複数の突部211bが設けられている。突部211bは、燃料タンク40の底壁40dに接触することにより、底面部20Bと底壁40dとの間に燃料を複数の流入孔211aへ流入するための隙間を形成する。下側部材211と上側部材212との境界部分には、図示しないフィルタが配置されている。フィルタは、扁平した袋状の外観形状を有し、燃料をろ過して燃料中の異物を取り除く。フィルタの外周部は、下側部材211と上側部材212とにより挟持されている。フィルタは、例えば多孔質樹脂、織布、不織布、樹脂メッシュ及び金属メッシュ等の濾過機能を有する材料により形成することができる。流入孔211aに流入した燃料は、上側部材212内に流動する際にフィルタによってろ過された後に上側部材212に貯留される。
【0022】
燃料ポンプ22は、本実施形態において、X方向を中心軸方向とする略円柱の外観形状を有する電動ポンプである。燃料ポンプ22には、例えば、図示しないインペラを内部に備えるウエスコ式のポンプを採用することができる。燃料ポンプ22には、例えば、インペラに代えてトロコイドギヤを用いるトロコイドポンプや、ベーンポンプ等の種々の電動ポンプが用いられてよい。
【0023】
燃料ポンプ22には、図1に示すように、ポンプ吸引口221が備えられる。燃料ポンプ22は、インペラの回転で発生する吸引力によって、サブタンク21内に貯留されている燃料を、ポンプ吸引口221から吸引する。燃料ポンプ22において、ポンプ吸引口221とは逆側となる位置にはポンプ送出口222が備えられている。ポンプ送出口222には、本実施形態の流路構造体60が接続されている。燃料ポンプ22は、吸引した燃料を、ポンプ送出口222から本実施形態の流路構造体60に送出する。流路構造体60に供給された燃料は、流路構造体60に接続される送出管150を介して燃料供給ポート140へと圧送される。図1に示すように、燃料ポンプ22には、配線WH2を燃料ポンプ22に電気的に接続するための接続部C2が備えられている。接続部C2は、燃料ポンプ22のうち流路構造体60に面する位置に配置されている。これにより、接続部C2とガイド部70との距離を短くし、配線WH2の長さを短くすることができ、配線WH2の配索を容易に行うことができる。
【0024】
センダゲージ23は、フロート231と、アーム232とを有する。センダゲージ23は、燃料タンク40内の燃料の液面に浮かぶフロート231に接続されたアーム232の角度を利用して、燃料タンク40内の燃料の残量を取得する。図1に示すように、センダゲージ23には、配線WH1を電気的に接続するための接続部C1が備えられている。センダゲージ23は、ポンプユニット20の中央よりも+X方向側に配置されており、接続部C1は、ガイド部70や、連結支柱30のフック部312とは離間している。そのため、接続部C1からコネクタ16間において配線WH1が適切に配索されていない場合には、配線WH1が連結支柱30の回動時に連結支柱30とポンプユニット20との間に巻き込まれる不具合や、燃料供給装置100を燃料タンク40内に取り付ける際に配線WH1がガイド部70と燃料タンク40との間に巻き込まれる不具合が発生し得る。
【0025】
図3を用いて、本実施形態の流路構造体60の詳細について説明する。流路構造体60は、燃料ポンプ22から送出される燃料の圧力を調整して送出管150へと供給する。図3に示すように、流路構造体60は、ポンプ接続部61と、燃料供給管62と、バルブユニット63と、ガイド部70とを備えている。
【0026】
ポンプ接続部61は、燃料ポンプ22のポンプ送出口222に取り付けられて、流路構造体60を燃料ポンプ22に固定する。ポンプ接続部61は、ポンプハウジング611を有している。ポンプハウジング611は、中心軸がX方向と平行な略円筒状の外観形状を有しており、内部の空間に燃料ポンプ22を収容する。
【0027】
燃料供給管62は、バルブユニット63とポンプ接続部61とを繋ぐ管路である。燃料供給管62は、中心軸がX方向と略平行な略円筒形状を有する。燃料供給管62の一端は、ポンプハウジング611と接続されており、ポンプ接続口620を介してポンプハウジング611の内部空間と連通している。これにより、燃料ポンプ22のポンプ送出口222から送出される燃料は、ポンプ接続口620を介して燃料供給管62内に供給される。燃料供給管62は、燃料供給管62の中心軸と交差する位置に配置されるバルブユニット63に接続されている。
【0028】
バルブユニット63は、燃料ポンプ22から送出される燃料の圧力を調整し、送出管150に供給する。バルブユニット63は、供給側接続口630と、送出流路632と、送出管接続口631と、弁収容部633と、循環側接続口638と、循環流路639とを備える。本実施形態において、バルブユニット63は、上側成形部63Tと、下側成形部63Bとの二つの部材が互いに溶着されて形成されている。
【0029】
上側成形部63Tには、送出流路632の一部と、弁収容部633と、送出管接続口631とが含まれるとともに、後述するガイド部70が含まれる。本実施形態において、上側成形部63Tは、ひとつの成形部品であり、ガイド部70を含めて、ポリアセタール(POM)やポリフェニレンサルファイド(PPS)等の種々の樹脂材料を用いた樹脂成形により一体的に形成されている。下側成形部63Bには、送出流路632の一部と、供給側接続口630と、循環流路639と、循環側接続口638とが含まれる。上側成形部63Tと、下側成形部63Bとの溶着により、上側成形部63Tが有する送出流路632の一部と、下側成形部63Bが有する送出流路632の一部とが連結されて、バルブユニット63の内部に一つの送出流路632が形成される。
【0030】
送出流路632は、バルブユニット63の内部に形成された燃料の流路である。送出流路632の一端は、供給側接続口630を介して燃料供給管62と接続されている。送出流路632の他端は、送出管接続口631を介して、送出管150と接続される。
【0031】
循環流路639は、バルブユニット63の内部に形成された燃料の流路である。本実施形態において、循環流路639は、下側成形部63Bの内部に形成されている。循環流路639の一端は、循環側接続口638を介して燃料供給管62と接続されている。循環流路639の他端は、図示しない排出口を介して燃料タンク40内に連通している。
【0032】
弁収容部633は、送出流路632の一部に設けられており、図示しない弁体が収容される。弁体としては、例えば、送出流路632内の燃料の圧力を予め定められた圧力以内に調整するリリーフバルブを用いることができる。例えば、燃料ポンプ22から送出されて燃料供給管62に供給された燃料がリリーフバルブに予め定められた設定圧力以内である場合には、燃料は、送出流路632を経由して送出管接続口631に送出される。燃料が予め定められた設定圧力よりも大きい場合には、燃料は、循環流路639を経由し、図示しない排出口から燃料タンク40内に送出される。弁収容部633に収容される弁体は、リリーフバルブのほか、燃料供給装置100から燃料タンク40の外部に送出される燃料の圧力を調整するために、送出流路632内の燃料の圧力を調節するレギュレータであってもよい。
【0033】
図4とともに適宜に図3を用いて、本実施形態の流路構造体60が備えるガイド部70の構成について説明する。ガイド部70は、弁収容部633とともに上側成形部63Tとして一体的に形成されている。ガイド部70は、延伸部76と、タンク当接部72と、クランプ部74とを備えている。
【0034】
延伸部76は、上側成形部63Tのうち、バルブユニット63側からポンプ接続部61側に向かって延伸する平板状の部位である。延伸部76は、図3に示すように、一方の面が燃料供給管62と対向し、燃料供給管62と略平行となるように配置されている。延伸部76の面のうち、燃料供給管62と対向する面を下面76Bとも呼び、下面76Bとは逆側の面を上面76Tとも呼ぶ。延伸部76の下面76Bは、燃料供給管62から距離L1だけ離間している。これにより、下面76Bと燃料供給管62との間には、空間SP2が規定されている。また、本実施形態において、延伸部76は、ポンプ接続部61とは接触せず、下面76Bは、ポンプハウジング611から距離L2だけ離間している。これにより、下面76Bとポンプ接続部61との間に、空間SP3が規定されている。延伸部76の上面76Tには、タンク当接部72と、クランプ部74とが形成されている。
【0035】
タンク当接部72は、延伸部76のうちポンプ接続部61側となる先端76Eに設けられている。タンク当接部72は、燃料供給管62から離間する向き(本実施形態において、-Z方向側)に突出する平板状の外観形状を有している。タンク当接部72の挿入方向側(本実施形態において、+方向側)に面する壁面を「壁面72S1」とも呼び、タンク当接部72の壁面72S1とは逆側の壁面を「壁面72S2」とも呼ぶ。本実施形態において、延伸部76は、図4に示すように、平面視で先端76Eに向かって屈曲するフック形状をしており、延伸部76において、タンク当接部72の壁面72S2側には凹部76Rが備えられている。
【0036】
タンク当接部72は、燃料供給装置100が燃料タンク40に取り付けられる際に、壁面72S1が、燃料タンク40の突出部42cと接触することにより、ポンプユニット20の進行方向を回転方向に案内する機能を果たす。壁面72S1を突出部42cに接触しやすくするために、タンク当接部72は、突出長さが長い方が好ましく、燃料供給装置100の取り付け作業を容易にするために、少なくともポンプユニット20の軸方向における垂直断面の外形よりも外側まで突出していることが好ましい。
【0037】
クランプ部74は、延伸部76の上面76Tにおいて、バルブユニット63の弁収容部633とタンク当接部72との間となる位置に設けられている。クランプ部74は、配線WH1および配線WH2を引っかけて束ねる機能を有する。
【0038】
図5を用いて、クランプ部74の具体的な構成について説明する。本実施形態において、クランプ部74は、第一突出部741と、突出爪部742とを備えている。第一突出部741は、燃料供給管62から離れる向きに突出する平板状の構造体である。第一突出部741の先端には、突出爪部742側に向かうに従い高さが低くなる傾斜部741Kが備えられる。
【0039】
突出爪部742は、燃料供給管62から離れる向きに突出するいわゆるフック形状の構造体である。突出爪部742は、第二突出部742Hと、上側突出部742Tと、先端爪部742Eとを有する。第二突出部742Hは、燃料供給管62から離れる向きに突出する平板状の構造体である。上側突出部742Tは、第二突出部742Hの先端から連続し、第一突出部741に向かって延伸する。先端爪部742Eは、上側突出部742Tの先端から連続し、延伸部76側に向かって延伸する。先端爪部742Eの先端EEは、延伸部76から離間している。第一突出部741と、突出爪部742とは、互いに対向するように配置されている。これにより、クランプ部74には、第一突出部741と、突出爪部742とで囲まれる空間SP1が規定される。本実施形態において、第一突出部741と、突出爪部742とは、距離L3だけ離間している。距離L3とは、第一突出部741と突出爪部742との最短距離のことを意味し、本実施形態において、第一突出部741と、先端爪部742Eとの最短距離である。距離L3は、配線WH1および配線WH2の断面の幅よりも小さい。
【0040】
空間SP1には、配線WH1および配線WH2が掛けられて束ねられる。配線WH1および配線WH2を空間SP1に掛ける場合には、配線WH1および配線WH2を第一突出部741の先端の傾斜部741Kに配置する。配線WH1および配線WH2に対して空間SP1側に向かって荷重をかけることにより、配線WH1および配線WH2は傾斜部741Kに沿って空間SP1側に移動する。距離L3は、配線WH1および配線WH2の幅よりも小さいため、配線WH1および配線WH2を挿入する際に突出爪部742にかかる負荷により、第二突出部742Hが第一突出部741から離間する向きに一時的に弾性変形する。そのため、配線WH1および配線WH2を空間SP1側に導くことができる。第二突出部742Hへの負荷が解消されると、第二突出部742Hが原点位置に戻ることにより、配線WH1および配線WH2は、クランプ部74の空間SP1に不可逆的に固定される。
【0041】
図6とともに、適宜に図1および図4を用いて、本実施形態の流路構造体60に対する配線WH1および配線WH2の配索位置について説明する。図6および図4に、配線WH1および配線WH2の配索位置を方向D1から方向D4として概念的に示した。なお、方向D1から方向D4は、配線WH1および配線WH2の配索の順序や向きを指定するものではない。
【0042】
配線WH1および配線WH2は、図1に示すように、コネクタ16に接続されるとともにフック部312に掛けられ、上述した手順によりクランプ部74の空間SP1に、方向D1に沿って掛けられる。クランプ部74に掛けられた配線WH1および配線WH2は、燃料供給管62側に向かう方向D2に沿って屈曲された状態で、延伸部76の凹部76Rに掛けられる。延伸部76をフック形状とし、凹部76Rを設けることにより配線WH1および配線WH2を引っかけやすくし、配線WH1および配線WH2の配索を容易にすることができる。クランプ部74は、空間SP1の位置が延伸部76の凹部76Rに近くなるように配置されることが好ましい。このように構成された流路構造体60によれば、配線WH1および配線WH2の配索経路が短縮されて、配線WH1および配線WH2の全長を短くすることができ、配線WH1および配線WH2を効率よく配索することができる。クランプ部74の位置は、タンク当接部72の壁面72S2よりもバルブユニット63側(本実施形態において、-X方向側)に備えられることが好ましい。クランプ部74に対して配線WH1および配線WH2が掛けられる方向は、壁面72S2と平行であることが好ましい。このように構成された流路構造体60であれば、配線WH1および配線WH2がタンク当接部72の壁面72S1側に回り込むことを抑制することができ、燃料供給装置100を燃料タンク40に取り付ける際に、配線WH1および配線WH2がタンク当接部72に引っかかることを抑制することができる。
【0043】
凹部76Rに掛けられた配線WH2は、方向D4に沿って燃料タンク40の接続部C2に接続される。図4および図6に示すように、凹部76Rに掛けられた配線WH1は、延伸部76の下面76Bに沿って、センダゲージ23の接続部C1に向かう方向D3に屈曲される。配線WH1は、空間SP2および空間SP3を通過し、センダゲージ23の接続部C1に接続される。延伸部76とポンプ接続部61とが接続または当接されているなど、下面76Bがポンプハウジング611から距離L2だけ離間せず、流路構造体60が空間SP3を備えない場合には、配線WH1は、空間SP2のみを通過してセンダゲージ23の接続部C1に接続されてよい。
【0044】
図7から図9を用いて燃料タンク40への燃料供給装置100の取り付け方法を説明する。図7に示すように、連結支柱30を回転させて最大傾斜角状態とした燃料供給装置100において、ポンプユニット20を、燃料タンク40の開口42bから挿入方向(+X方向)に沿って燃料タンク40内へと挿入する。図7に示すように、ポンプユニット20が燃料タンク40に挿入されると、ガイド部70のタンク当接部72の壁面72S1が、開口部42の突出部42cに当接し、ポンプユニット20の挿入方向への進行が規制される。タンク当接部72の壁面72S1と、開口部42の突出部42cとが当接する接点を接点CNとも呼ぶ。連結支柱30の連結方向がポンプユニット20の挿入方向と平行になるように、連結支柱30は、接点CNを中心に矢印M1の方向に回転される。ガイド部70を突出部42cに当接させた状態の燃料供給装置100を、荷重をかけて燃料タンク40の底壁40dに向かって進行させると、ガイド部70の壁面72S1が突出部42cからの抗力を受けることにより、ポンプユニット20は、回転軸Axを中心に矢印M2の方向にさらに回転される。図8に示すように、ポンプユニット20が矢印M2に向かって継続して回転することにより、燃料供給装置100は直立状態に近づく。
【0045】
図9に示すように、ポンプユニット20が燃料タンク40の底壁40dに載置された状態では、下側支柱部330の長手方向の長さは、燃料タンク40の底壁40dから開口42b(突出部42cの上方端部)までの長さよりも長い。蓋体10および上側支柱部310を下側支柱部330に向かって押し下げることにより、蓋体10の平板部12は、燃料タンク40の突出部42cに載置され、平板部12の係合部121は、突出部42cの外周表面に係合する。これにより、燃料タンク40への燃料供給装置100の取り付けが完了する。
【0046】
以上、説明したように、本実施形態の流路構造体60によれば、バルブユニット63から燃料供給管62と平行してポンプ接続部61に向かって延伸する延伸部76と、燃料供給管62から離間する向きに突出するタンク当接部72と、を備えるガイド部70が備えられる。ガイド部70の延伸部76は、燃料供給管62から予め定められる距離L1だけ離間している。そのため、燃料供給管62と延伸部76の下面76Bとの間に形成される空間SP2に、配線WH1を通過させることができる。タンク当接部72の壁面72S1を回避して配線WH1および配線WH2を配索することにより、壁面72S1に配線WH1や配線WH2が引っかかることを抑制または防止することができる。したがって、燃料タンク40への燃料供給装置100の取り付け時に、タンク当接部72と燃料タンクの開口部42との間に配線WH1および配線WH2が挟まれる不具合を抑制または防止することができる。タンク当接部72は、バルブユニット63よりもポンプ接続部61側に位置するため、燃料供給装置100を燃料タンク40に挿入する際に、開口部42がバルブユニット63に接触する不具合を防ぐことができる。
【0047】
本実施形態の流路構造体60によれば、さらに、ガイド部70の延伸部76はポンプ接続部61とは接触せず、下面76Bはポンプハウジング611から距離L2だけ離間している。これにより、延伸部76が燃料供給管62およびポンプ接続部61から離間し、延伸部76の先端76Eと、ポンプ接続部61との間に空間SP2および空間SP3が規定される。延伸部76の上面76T側に配索された配線WH1を、延伸部76の先端76E側から回り込ませて、下面76B側の空間SP2および空間SP3に向けて屈曲させることができる。そのため、タンク当接部72の壁面72S1を回避しつつ、延伸部76に配線WH1を引っ掛けることが容易となる。したがって、延伸部76とポンプ接続部61とが当接している場合に比べて、タンク当接部72の壁面72S1を回避する配線WH1の配索が容易となる。
【0048】
本実施形態の流路構造体60によれば、延伸部76の上面76Tにおいて、バルブユニット63からタンク当接部72までの間となる位置にクランプ部74が設けられている。配線WH1および配線WH2を燃料タンク40と当接する壁面72S1とは逆側であるタンク当接部72の壁面72S2側に配索させることにより、タンク当接部72の壁面72S1と、燃料タンク40の開口部42との間に配線WH1および配線WH2が挟まれる不具合をより確実に抑制または防止することができる。
【0049】
本実施形態の流路構造体60によれば、燃料供給管62から離れる向きに突出する第一突出部741と、第一突出部741と対向する位置に配置されるフック形状の突出爪部742とを備える。互いに離間する第一突出部741と、突出爪部742との間に配線WH1および配線WH2を通過させることができるので、配線WH1および配線WH2をクランプ部74に配索する作業を容易にすることができる。第一突出部741と、突出爪部742とが、配線WH1および配線WH2の断面の幅よりも小さい距離L3だけ離間していることにより、配線WH1および配線WH2を、クランプ部74の空間SP1に不可逆的に固定することができる。
【0050】
本実施形態の流路構造体60によれば、送出流路632の一部、弁収容部633、ならびに送出管接続口631を含むバルブユニット63の一部と、ガイド部70とが、樹脂成形により一体的に形成されている。そのため、流路構造体60の部品点数を低減し、流路構造体60の生産性を高めることができる。
【0051】
本実施形態の燃料供給装置100によれば、バルブユニット63から燃料供給管62と平行してポンプ接続部61に向かって延伸する延伸部76と、燃料供給管62から離間する向きに突出するタンク当接部72と、を備えるガイド部70が備えられる。ガイド部70の延伸部76は、燃料供給管62から予め定められる距離L1だけ離間している。そのため、燃料供給管62と延伸部76の下面76Bとの間に形成される空間SP2に、配線WH1を通過させることができる。タンク当接部72の壁面72S1を回避して配線WH1および配線WH2を配索することにより、壁面72S1に配線WH1や配線WH2が引っかかることを抑制または防止することができる。したがって、燃料タンク40への燃料供給装置100の取り付け時に、タンク当接部72と燃料タンクの開口部42との間に配線WH1および配線WH2が挟まれる不具合を抑制または防止することができる。タンク当接部72は、バルブユニット63よりもポンプ接続部61側に位置するため、燃料供給装置100を燃料タンク40に挿入する際に、開口部42がバルブユニット63に接触する不具合を防ぐことができる。配線WH1および配線WH2を、コネクタ16から、クランプ部74、燃料供給管62からガイド部70との間である空間SP2および空間SP3、センダゲージ23の接続部C1、の順に配索することにより、配線WH1および配線WH2を燃料供給装置100に効率よく配索し、配線WH1および配線WH2の長さを短縮することができる。
【0052】
B.他の実施形態:
(B1)上記実施形態において、流路構造体60は、クランプ部74を備える。これに対して、流路構造体60は、クランプ部74を備えなくてもよい。この形態の流路構造体60において、配線WH1および配線WH2は、クランプ部74を経由せず、例えば、タンク当接部72の壁面72S2から凹部76Rを経由し、下面76Bと燃料供給管62との間の空間SP2を経由して配索する。この形態の流路構造体60であっても、空間SP2に、配線WH1を通過させることができる。タンク当接部72の壁面72S1を回避して配線WH1および配線WH2を配索することにより、壁面72S1に配線WH1や配線WH2が引っかかることを抑制または防止することができる。
【0053】
(B2)上記実施形態において、延伸部76は、平面視で先端76Eに向かって屈曲するフック形状をしており、タンク当接部72の壁面72S2側には凹部76Rが備えられている。これに対して、延伸部76は、凹部76Rを備えなくてもよく、延伸部76は、平面視が矩形状や円形状などの種々の形状を有する平板で構成されてよい。また、延伸部76は、平板状には限定されず、円柱や多角柱などの柱状、枠体、錐状などの種々の立体的形状であってもよい。
【0054】
(B3)上記実施形態において、クランプ部74は、第一突出部741と、フック形状の突出爪部742とを備える。これに対して、クランプ部74は、例えば、突出爪部742のみを備えてもよく、貫通孔のみを備えるクランプなど、配線WH1および配線WH2を通過または固定するための種々の形状を採用してもよい。
【0055】
(B4)上記実施形態において、弁収容部633を含むバルブユニット63の一部と、ガイド部70とが、樹脂成形により一体的に形成されている。これに対して、例えば、バルブユニット63とは別部材のガイド部70がバルブユニット63に取り付けられるなど、ガイド部70と、バルブユニット63とが別体で構成されてもよい。
【0056】
本開示は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
22…燃料ポンプ、40…燃料タンク、60…流路構造体、61…ポンプ接続部、62…燃料供給管、63…バルブユニット、70…ガイド部、76…延伸部、100…燃料供給装置、150…送出管、222…ポンプ送出口、630…供給側接続口、631…送出管接続口、632…送出流路、633…弁収容部、L1…距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9