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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
D06F39/02 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020047880
(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2021020048
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】P 2019139781
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】長野 佑太
(72)【発明者】
【氏名】池田 陽祐
(72)【発明者】
【氏名】椎橋 貞人
(72)【発明者】
【氏名】黒田 恵
(72)【発明者】
【氏名】長井 智
(72)【発明者】
【氏名】西村 博司
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-037722(JP,A)
【文献】特開2011-024667(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0135780(US,A1)
【文献】実開平07-009284(JP,U)
【文献】特開2006-087454(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外箱と、
前記外箱の内部に設けられた衣類処理槽と、
運転に際して所定量の衣類処理剤を前記衣類処理槽内に自動で投入する装置であって、複数回分の衣類処理剤を貯留可能な処理剤タンク、及びその処理剤タンク内の衣類処理剤を前記衣類処理槽へ投入するために駆動される駆動手段を有する自動投入装置と、
を備え、
前記駆動手段の駆動により前記衣類処理剤を前記処理剤タンクから前記衣類処理槽へ導く投入用経路において、当該処理剤タンク外部の導出口に接続される接続部材が設けられ、
前記接続部材と前記導出口との接続部分の外周囲に位置させて、または前記接続部分の下側に位置させて、前記接続部分から漏れ出た衣類処理剤を受けることが可能な受け部が設けられており、
前記駆動手段において、前記導出口は、前記接続部材に接続されるように下方へ向けて突設されており、
前記受け部は、前記接続部材の上面を凹ませた樋形状の凹部である衣類処理装置。
【請求項2】
外箱と、
前記外箱の内部に設けられた衣類処理槽と、
運転に際して所定量の衣類処理剤を前記衣類処理槽内に自動で投入する装置であって、複数回分の衣類処理剤を貯留可能な処理剤タンク、及びその処理剤タンク内の衣類処理剤を前記衣類処理槽へ投入するために駆動される駆動手段を有する自動投入装置と、
を備え、
前記駆動手段の駆動により前記衣類処理剤を前記処理剤タンクから前記衣類処理槽へ導く投入用経路において、当該処理剤タンク外部の導出口に接続される接続部材が設けられ、
前記接続部材と前記導出口との接続部分の外周囲に位置させて、または前記接続部分の下側に位置させて、前記接続部分から漏れ出た衣類処理剤を受けることが可能な受け部が設けられており、
前記接続部材は、前記駆動手段に接続されており、
前記受け部は、前記接続部材に対して一体的に設けられている衣類処理装置。
【請求項3】
前記受け部は、前記衣類処理剤を受けることが可能な樋形状をなしている請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記受け部は、前記接続部分の外周囲または下側の位置から、前記外箱の内壁側へ延びるように延設されるとともに、その延設方向に沿って前記衣類処理剤を前記外箱の内壁側へ導くガイド壁を有する請求項1から3の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記受け部は、前記接続部分の外周囲又は下側の位置から、前記外箱の内壁側へ延びるように延設されるとともに、その外箱の内壁側へ向かうに従い下方に向けて傾斜するように形成されている請求項1から3の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記受け部が受けた前記衣類処理剤を前記衣類処理槽側に流れるように誘導する誘導部を備えている請求項1からの何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項7】
前記誘導部は、
前記受け部の外周部を囲むように設けられた壁部と、
前記壁部に設けられ、前記受け部が受けた前記衣類処理剤を前記衣類処理槽側に誘導する切り欠き部と、
を備える請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項8】
前記誘導部は、前記切り欠き部を最も低い位置に有する傾斜面を有する請求項に記載の衣類処理装置。
【請求項9】
前記誘導部の下方に、さらに追加誘導部を備え、
前記追加誘導部は、前記誘導部から受けた前記衣類処理剤を前記衣類処理槽側に誘導する誘導壁を有する請求項からの何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項10】
前記誘導部の下方に、さらに追加誘導部を備え、
前記追加誘導部は、前記誘導部側から前記衣類処理槽側に向かって下降する追加傾斜面を有する請求項からの何れか1項に記載の衣類処理装置。
【請求項11】
前記受け部は、少なくとも前記駆動手段よりも下方に備えられている請求項1から10の何れか1項に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類に所定の処理を施す衣類処理装置の一例である洗濯機に関し、近年の洗濯機においては、ユーザの利便性向上の要望に応えるため、洗剤や柔軟剤などの洗濯処理剤を自動投入用のタンク内に予め複数回分貯留しておき、運転中に必要量をタンクから自動的に水槽内へ投入する構成が開発されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-37722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の自動投入用のタンクには、当該タンク内の洗濯処理剤を水槽へ投入する際に駆動されるポンプなどが付設される。このポンプの吐出口部分、つまりはタンク外部の導出口部分において、シール材の経年劣化などに起因した液漏れを完全に無くすことが望ましい。しかしながら、仮に例えば、係る経年劣化やポンプの振動などにより、導出口側から洗濯処理剤が漏れ出たとすると、自動投入の用に供される電気部品などに当該洗濯処理剤が接触し、或いは固着する虞がある。
【0005】
そこで、本実施形態は、衣類処理剤の自動投入用のタンクにおける導出口側からの液漏れに関する問題を解消することができる衣類処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る衣類処理装置は、外箱と、前記外箱の内部に設けられた衣類処理槽と、運転に際して所定量の衣類処理剤を前記衣類処理槽内に自動で投入する装置であって、複数回分の衣類処理剤を貯留可能な処理剤タンク、及びその処理剤タンク内の衣類処理剤を前記衣類処理槽へ投入するために駆動される駆動手段を有する自動投入装置と、を備え、前記駆動手段の駆動により前記衣類処理剤を前記処理剤タンクから前記衣類処理槽へ導く投入用経路において、当該処理剤タンク外部の導出口に接続される接続部材が設けられ、前記接続部材と前記導出口との接続部分の外周囲に位置させて、または前記接続部分の下側に位置させて、前記接続部分から漏れ出た衣類処理剤を受けることが可能な受け部が設けられている。そして、前記駆動手段において、前記導出口は、前記接続部材に接続されるように下方へ向けて突設されており、前記受け部は、前記接続部材の上面を凹ませた樋形状の凹部である。あるいは、前記接続部材は、前記駆動手段に接続されており、前記受け部は、前記接続部材に対して一体的に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態における洗濯機の構成例を概略的に示す縦断側面図
図2】外箱内上部における処理剤タンクの配置例を示す斜視図
図3】自動投入装置を給水経路とともに示す斜視図
図4】同平面図
図5】同左側面図
図6】自動投入装置の周りの給水経路をカバー部材で覆った状態で示す平面図
図7】洗剤用のタンクの導出口と接続部材における受け部の構成を概略的に示す左側面図
図8】柔軟剤用のタンクの導出口と受け部近傍を断面図として表す右側面図
図9】受け部近傍の構成を外箱の内壁とともに示す斜視図
図10】受け部が形成された接続部材上半部の斜視図
図11】第2実施形態に係るタンクの導出口と受け部の構成を概略的に示す左側面図
図12】第3実施形態に係るタンクの導出口と受け部の構成を概略的に示す右側面図
図13】第4実施形態に係る洗濯機の構成例を概略的に示す側面図
図14】第4実施形態に係る自動投入装置およびその周辺部分の構成例を概略的に示す斜視図
図15】第4実施形態に係る受け部およびその周辺部分の構成例を概略的に示す平面図
図16】第4実施形態に係る受け部およびその周辺部分の構成例を概略的に示す斜視図
図17】第4実施形態の変形例に係る受け部の構成例を概略的に示す平面図(その1)
図18】第4実施形態の変形例に係る受け部の構成例を概略的に示す平面図(その2)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、衣類処理装置に係る複数の実施形態について、図面に基づき説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付す等して説明を省略する。
<第1実施形態>
第1実施形態について図1図10を参照しながら説明する。本実施形態の洗濯機1は、洗濯物たる衣類に対する所定の処理、この場合少なくとも、洗い処理、すすぎ処理、及び脱水処理を含む洗濯運転の実行が可能な衣類処理装置の一例である。また、図1に模式図として示すように、洗濯機1は、回転槽の回転中心軸5aが水平方向に延び或は水平方向に対して傾斜する方向に延びる、所謂横軸型のドラム式洗濯機とする。
【0009】
洗濯機1において、その外郭を構成する外箱2は矩形箱状をなしている。外箱2の前面部2aは、やや前下がりの傾斜状に形成されており、この前面部2aには、図示しない洗濯物出入口を開閉する扉3が設けられている。なお、図2では説明の便宜上、外箱2について上面部2b及び左側面部2cだけを表している。
外箱2の内部には、前記回転槽と、この回転槽を収容する水槽5(図1のみ図示)とが設けられている。図示は省略するが、回転槽は、内部に洗濯物を収容することが可能な有底円筒状をなすドラムであり、その内周面には、洗濯物をかき上げるための周知のバッフルが設けられている。水槽5は、水を溜めることが可能な有底円筒状をなす槽である。
【0010】
洗濯機1は、水槽5内に水を供給するための給水経路を含む給水装置6、及び水槽5内の水を機外に排水するための排水経路を含む排水装置(図示略)を備えている。給水装置6は、例えば水道などの水源(図示略)から水槽5に延びる給水経路の途中に、後述する給水弁ユニット21などを備えた構成となっている。また、排水装置は、水槽5の底部から機外に延びる排水経路の途中に、排水弁などを備えた構成となっている。
【0011】
続いて、上記給水装置6について、図2から図6も参照しながら説明する。給水装置6は、図示しない外部の水源に接続されるホース接続口7a(図2図3参照)から、水槽5上部の接続口7b(図3図5の二点鎖線参照)へ延びる給水経路7の途中に注水ケース10を備える。図3図5などに示すように、注水ケース10は、洗濯機1の前後方向に長い矩形箱状をなしており、注水ケース本体部11とタンク収容部12とを有する。注水ケース本体部11及びタンク収容部12は、例えば何れも合成樹脂製のものであり、当該ケース本体部11とタンク収容部12とが一体的に成形されている。
【0012】
注水ケース10において、本体部分を構成する注水ケース本体部11は、略矩形の容器状をなしている。また、注水ケース本体部11の底部は、図5に示すように前側から後側に向かって傾斜しており、その最底部分が給水ホース13を介して水槽5上部の接続口7bに接続されている。タンク収容部12は、注水ケース本体部11の後方寄りの上部に一体的に設けられている。
【0013】
注水ケース本体部11の内部には、その前端側に位置させて手動投入用ケース14が収容されている。手動投入用ケース14は、注水ケース本体部11の内部に前後方向に出し入れ可能に収容される、所謂引出し式の手動投入部として構成されている。
【0014】
図6の平面図で示すように、手動投入用ケース14の内部には、洗剤投入部15および柔軟剤投入部16が左右に並ぶようにして設けられている。この場合、手動投入用ケース14内の前側左部に位置する洗剤投入部15には、使用者による手動により、例えば洗剤などの洗濯処理剤が投入される。一方、手動投入用ケース14内の前側右部に位置する柔軟剤投入部16には、使用者による手動により、例えば柔軟剤などの洗濯処理剤が投入される。
【0015】
タンク収容部12は、上面側が開放した略矩形箱状をなしている。タンク収容部12の内部には、複数の処理剤タンクとして、例えば洗剤タンク17と柔軟剤タンク18との一対のタンクが着脱可能に収容される。この場合、図2に例示するように、洗剤タンク17及び柔軟剤タンク18は何れも、外箱2上面部2bに形成された開口2dを介して、タンク収容部12に対して上方から着脱される。
即ち、給水装置6は、外箱2内の左側上部に配設されていて、手動投入用ケース14が外箱2前面部2aの開口(図1図2参照)に臨み、タンク収容部12が外箱2上面部2bの開口2dに臨む形態とされている。上面部2bの開口2dは、タンク収容部12に対応する大きさの矩形状に開口しており、これに合わさる蓋8によって開閉可能に構成されている。
【0016】
洗剤タンク17は、水槽5内の洗濯物を洗浄するための洗濯処理剤としての洗剤を貯留する。洗剤タンク17は、その内部に運転複数回分の洗剤を貯留可能な寸法形状をなす、矩形容器状の処理剤タンクである。洗剤タンク17内への洗剤の補給は、当該タンク17上部に設けられた補給口(図6等に示す補給窓17a)を開いて行うことができる。
【0017】
また、柔軟剤タンク18は、水槽5内の洗濯物に柔軟処理を施すための洗濯処理剤としての柔軟剤を貯留する。柔軟剤タンク18は、その内部に運転複数回分の柔軟剤を貯留可能な寸法形状をなす、矩形容器状の処理剤タンクである。柔軟剤タンク18内への柔軟剤の補給は、当該タンク18上部に設けられた補給口(補給窓18a)を開いて行うことができる。
これら洗剤タンク17及び柔軟剤タンク18は、タンク収容部12内において洗濯機1の前後方向に沿うように収容され、且つ左右方向に並んで収容されるようになっている。
【0018】
給水装置6において、上記した洗剤タンク17及び柔軟剤タンク18は、それらタンク17,18内の洗濯処理剤を水槽5へ夫々投入するために駆動されるポンプ23,24とともに自動投入装置19を構成する。
具体的には、図4図6等に示す洗剤用計量ポンプ23は、例えばモータやソレノイドなどのアクチュエータによってピストンを駆動することにより液体を吸引して送出する構成のポンプ23である。洗剤用計量ポンプ23は、洗剤タンク17内から所定量、この場合、1回の運転に使用する量の洗剤を吸引し、その吸引した洗剤を自動投入用経路25内へ送出する。
【0019】
同様に、柔軟剤用計量ポンプ24は、例えばモータやソレノイドなどによってピストンを駆動することにより液体を吸引して送出する構成のポンプ24である。柔軟剤用計量ポンプ24は、柔軟材タンク18内から1回の運転に使用する量の柔軟剤を吸引し、その吸引した柔軟剤を自動投入用経路25内へ送出する。
洗剤用計量ポンプ23及び柔軟剤用計量ポンプ24は、何れも洗濯機1全体の制御を司る図示しない制御装置(つまり前記洗濯運転を制御する制御装置)によって駆動制御される駆動手段に相当する。
【0020】
前記自動投入用経路25は、図5に示す基端側25aの接続部材35を介して洗剤用計量ポンプ23及び柔軟剤用計量ポンプ24に夫々接続され、先端側25bにおいて注水ケース10の底部に接続されている。この場合、自動投入用経路25の先端側25bは、前記注水ケース本体部11における手動投入用ケース14の底面よりも下方となる位置に接続されるものとする。
【0021】
これにより、洗剤用計量ポンプ23によって洗剤タンク17内から引き出された所定量の洗剤、或いは、柔軟剤用計量ポンプ24によって柔軟剤タンク18内から引き出された所定量の柔軟剤は、接続部材35と自動投入用経路25とを順に経由して注水ケース10内に供給され、さらに当該注水ケース10内から給水ホース13を介して水槽5内へ自動的に投入される。
なお、自動投入用経路25の基端側25aにおける接続部材35に係る構成について、詳しくは後述する。
【0022】
給水装置6は、上記した自動投入装置19や自動投入用経路25の他、さらに、注水経路部20、給水弁ユニット21、風呂水ポンプ22などを備えている。
【0023】
図3図4に示すように、注水経路部20は、メイン注水経路31、ソフター注水経路32、風呂水注水経路33といった複数の経路を一体的に備える。メイン注水経路31、ソフター注水経路32、風呂水注水経路33は、何れも手動投入用経路であり、注水ケース10内の手動投入用ケース14に水を供給するための注水経路を構成している。
【0024】
メイン注水経路31は、手動投入用ケース14内の洗剤投入部15に、例えば水道水などの前記ホース接続口7aから供給される水を注ぐための注水経路である。ソフター注水経路32は、手動投入用ケース14内の柔軟剤投入部16に、ホース接続口7aから供給される水を注ぐための注水経路である。風呂水注水経路33は、手動投入用ケース14内の洗剤投入部15に、例えば浴槽などの洗濯機1外部の水源から供給される風呂水を注ぐための注水経路である。
【0025】
給水弁ユニット21は、例えば、電磁的に開閉動作可能な液体用の開閉弁により構成されている。詳しい図示は省略するが、給水弁ユニット21は、例えば4つの給水弁21a~21d(図4図6参照)を一体的に備える。
【0026】
給水弁21aの先端部は、メイン注水経路31の基端側に連通接続されており、当該給水弁21aの開放により、ホース接続口7aから供給される水をメイン注水経路31内に導入する。メイン注水経路31は、導入された水を、注水ケース本体部11上部の前側左部へ導くように延設されている。つまり、図3図4図6に示すように、メイン注水経路31の先端部は、注水ケース本体部11内に収容された手動投入用ケース14のうち洗剤投入部15の上方に位置し、当該経路31内に導入された水を、洗剤投入部15に対し上方から供給する複数の注水孔31a(図4参照)を底壁に有する。
【0027】
給水弁21bの先端部は、ソフター注水経路32の基端側に連通接続されており、当該給水弁21bの開放により、ホース接続口7aから供給される水をソフター注水経路32内に導入する。ソフター注水経路32は、導入された水を、注水ケース本体部11上部の前側右部へ導くように延設されている。つまり、図3図4図6に示すように、ソフター注水経路32の先端部は、注水ケース本体部11内に収容された手動投入用ケース14のうち柔軟剤投入部16の上方に位置し、当該経路32内に導入された水を、柔軟剤投入部16に対し上方から供給する複数の注水孔32a(図4参照)を底壁に有する。
【0028】
給水弁21cの先端部は、後述する図8の連通部34を介して、洗剤用計量ポンプ23及び柔軟剤用計量ポンプ24と接続される前記接続部材35に連通接続されている。当該給水弁21cの開放により、ホース接続口7aから供給される水を、連通部34を介して接続部材35内に導入する。また、洗剤用計量ポンプ23が接続部材35内に送出した洗剤、或いは、柔軟剤用計量ポンプ24が接続部材35内に送出した柔軟剤は、給水弁21cにより供給される水によって(或いは当該水とともに)自動投入用経路25を経由して注水ケース10内へ導入される。こうして、注水ケース10内に導入された洗剤或いは柔軟剤は、給水弁21cから供給される水とともに給水ホース13を介して水槽5内に供給される。
【0029】
給水弁21dの先端部は、例えば洗濯機1が備える図示しないダクトを洗浄するための洗浄水を供給するための給水弁として当該ダクトに接続されている。
【0030】
風呂水ポンプ22の先端部は、風呂水注水経路33の基端部に連通接続されており、当該ポンプ22の駆動により、前記風呂水を吸引し、その吸引した風呂水を風呂水注水経路33内に導入する。風呂水注水経路33は、注水ケース本体部11上部の前側に延設されている。この場合、風呂水注水経路33の先端部は、図4に示すようにメイン注水経路31の先端部及びソフター注水経路32の先端部の後方側に位置して、左右方向へ直線状に延びており、その底壁に複数の注水孔33aを有する。
【0031】
さて、洗剤用計量ポンプ23により洗剤タンク17から送出される洗剤、或いは柔軟剤用計量ポンプ24により柔軟剤タンク18から送出される柔軟剤を水槽5へ導く自動投入用経路25において、特には接続部材35の部分における液漏れを完全に無くすことが望ましい。
【0032】
しかしながら、仮に例えば、自動投入用経路25における接続部材35と洗剤用計量ポンプ23の吐出口23bとの間のシール材41a(後述の図7参照)の欠品や経年劣化、或いは当該ポンプ23駆動時の振動などに起因して、吐出口23bから洗剤が漏れ出たとすると、自動投入の用に供される電気部品などに当該洗剤が接触し、固着する虞がある。そこで、本実施形態では、自動投入用経路25における接続部材35に、洗剤などを受けることが可能な受け部37を設けて、液漏れの問題を解消するようにしている。
この接続部材35を含む自動投入用経路25と、洗剤用計量ポンプ23の吐出口23bといった導出口(つまり接続部分)に係る構成について、図7図10も参照しながら詳述する。
【0033】
なお、以下では説明の便宜上、自動投入用経路25を「投入用経路25」、洗剤用計量ポンプ23及び柔軟剤用計量ポンプ24を夫々「ポンプ23」及び「ポンプ24」、洗剤タンク17及び柔軟剤タンク18を夫々「タンク17」及び「タンク18」とも称する。
また便宜上、図7は、図6のVII-VIIに沿う断面図で、洗剤用のタンク17及びポンプ23を模式的に表し、図8は、図6のVIII-VIIIに沿う断面図で、柔軟剤用のタンク18及びポンプ24を拡大して表し、併せて接続部材35の接続部分を表すものとする。
【0034】
さらに、ポンプ23,24やタンク17,18は夫々、上記のように左右で対をなす同様の構成を採用しているものとする。
即ち先ず、図7の模式図で示すように、洗剤用のポンプ23は、タンク収容部12の外部にあって当該収容部12の後壁12a側に配置されている。洗剤用のポンプ23において、その吸入口23aはタンク17に接続されるように前方へ向けて突設され、吐出口23bは、接続部材35に接続されるように下方へ向けて突設されている。この吐出口23bは、タンク17内の洗剤をポンプ23の駆動により外部へ導出させるための導出口に相当する。
【0035】
図8に示すように、柔軟剤用のポンプ24は、洗剤用のポンプ23と左右に並ぶように、タンク収容部12の後壁12a外側に配置されている。柔軟剤用のポンプ24において、その吸入口24aはタンク18に接続されるように前方へ向けて突設され、吐出口24bは、接続部材35に接続されるように下方へ向けて突設されている。この吐出口24bは、タンク18内の柔軟剤をポンプ24の駆動により外部へ導出させるための導出口に相当する。
【0036】
接続部材35は、図5図8に示すように、注水ケース本体部11後部において、前記給水弁21cと連通する連通部34と、投入用経路25を構成するホース25hとの間を接続するように設けられている。
接続部材35は、上下に組合わされる下半部35Dと上半部35Uとの二つの部材で構成されている(図8図10参照)。接続部材35において、その下半部35Dと上半部35Uとは何れも合成樹脂材料(例えばPPから)からなり、当該下半部35Dと上半部35Uとが相互に組合わされ、接合される。これにより、接続部材35の内部には、給水弁21cから供給される水或いは水洗剤や柔軟剤を流す空間(投入用経路25´)が形成されている(図8図10参照)。
【0037】
接続部材35の上半部35Uには、図8に示すように基端側(後側たる上流側)に位置させて、連通部34に接続される円筒状の上流側接続部40が一体成形されている。また、接続部材35の下半部35Dには、図9に示すように先端側(前側たる下流側)に位置させて、ホース25hに接続される円筒状の下流側接続部43が一体形成されている(図5参照)。
【0038】
また、接続部材35の上半部35Uには、図7に示す洗剤用のポンプ23の吐出口23bと対応する位置に接続部41が一体形成され、図8に示す柔軟剤用のポンプ24の吐出口24bと対応する位置に接続部42が一体形成されている(図9参照)。
ここで、図10は、接続部材35の上半部35Uを拡大した斜視図を示している。同図に示すように、洗剤用の接続部41及び柔軟剤用の接続部42は何れも筒状をなしており、上方へ突出するように形成されている。接続部材35は、洗剤用の接続部41にてシール材41a(図7参照)を介して吐出口23bと接続されるとともに、柔軟剤用の接続部42にてシール材42a(図8参照)を介して吐出口24bと接続される。
【0039】
図8図10に示すように、接続部材35は、上流側接続部40から柔軟剤用接続部42にわたって前後方向に延び、柔軟剤用接続部42から下流側接続部43にわたって左右方向に延びており、全体としてL字状に屈曲した形状をなしている。この場合、接続部材35は、柔軟剤用の接続部42から下流側接続部43までの部分が、外箱2の左側面部2c内壁側へ延びるように延設されている(図9参照)。
【0040】
また、接続部材35には、図10に示すように上半部35Uの外側に張出す複数のねじ孔部44が設けられている。接続部材35は、各ねじ孔部44に挿通されたねじ46(図9参照)が、注水ケース本体部11のボス部(図示略)に対し下側から螺挿されることにより、取付け固定される。この場合、接続部材35は、その全体(上半部35Uの上面を含む)が外箱2の前記内壁側(図9中、左側たる下流側)へ向かうに従い下方に向けて緩やかに傾斜する取付け状態とされている。
【0041】
そして、接続部材35の上半部35Uには、液体を受けるための受け部37が一体形成されている。図10に示すように、受け部37は、各吐出口23b,24bとの接続部分となる接続部41,42を囲う形状をなしており、その接続部41,42の何れかから漏れ出た液体を受けることが可能である。
【0042】
具体的には、受け部37は、各接続部41,42の外側に拡がる上半部35U上面(上壁)に形成された底壁37aと、当該底壁37a縁部に立設された前壁37b、後壁37c、及び右壁37dとで樋形状をなしている。図9図10に示すように、前壁37b、後壁37c、及び右壁37dは、上方へ突起したリブ状のものである。このうち、右壁37dの高さ寸法は、各接続部41,42の上端よりも高くなるように設定されているが、前壁37b及び後壁37cの高さ寸法も、各接続部41,42の上端よりも高くなるように設定してもよい。
【0043】
また、図9に示すように、受け部37において、前壁37b及び後壁37cは、各接続部41,42の外周囲の位置から、上半部35Uに沿って外箱2の左側面部2c内壁側へ延びるように延設されている。また、受け部37において左壁が存せず、つまり外箱2の左側面部2c内壁側が開放されており、底壁37aを含む受け部27全体が、当該内壁側へ向かうに従い下方に向けて傾斜している。
【0044】
図10に示すように、受け部37の底壁37aにおける、隆起部45は、内部の投入用経路25´を確保するために上方へ膨出させた形態をなしている。受け部37の底壁37aは、同図の如く隆起部45(投入用経路25´)の外側へ面積を広げた形態をなすものといえる。殊に、受け部37は、少なくとも周壁37b~37dの一部(図7図8に例示する前壁37b)がタンク収容部12の後壁12aと密接するように形成されているため、比較的狭い設置スペースにあっても、両壁37b,12a間での液体の漏れを抑制し、又、前記漏れ出た液体を受けることができる。
【0045】
受け部37の底壁37aの形状は、隆起部45における投入用経路25´と直交する断面形状が例えば山形状をなすように形成することで、前壁37b側や後壁37c側へ液体を寄せるようにしてもよい。何れにしても、仮に、接続部41から洗剤が漏れ出し又は接続部42から柔軟剤が漏れ出したとしても、受け部37における前壁37bや後壁37c或いは底壁37aは、その延設方向に沿って洗剤又は柔軟剤を外箱2の左側面部2c内壁側へ導くガイド壁として機能する。
【0046】
他方、図1に示す外箱2において底面部2dを構成する台板には、スポンジ48が設けられるとともに、底面部2dを貫通する排出孔49が設けられている。
スポンジ48は、洗剤又は柔軟剤といった液体を吸収するための吸水性を有する液体吸収部材である。この場合、スポンジ48は、外箱2内における受け部37の下方であって、前記左側面部2c内壁に寄せて配置されており、その左側面部2c内壁を伝って流下する液体を吸収することが可能である。
排出孔49は、スポンジ48の近傍にあって、液体を機外へ排出可能な排出孔として形成されている。このため、排出孔49は、受け部37の下方において、スポンジ48により液体を吸収できなくても、その液体を底面部2d上に溜めることなく当該排出孔49を通して外部へ排出することが可能である。
【0047】
以上説明したように本実施形態の洗濯機1では、駆動手段たるポンプ23,24の駆動により、洗剤や柔軟剤といった洗濯処理剤をタンク17,18から水槽5へ導く投入用経路25,25´において、当該タンク17,18外部の吐出口23b,24bに接続される接続部材35が設けられ、その接続部材35と吐出口23b,24bとの接続部分(つまり接続部41,42の部分)の外周囲に位置させて、その接続部41,42から漏れ出た洗濯処理剤を受けることが可能な受け部37が設けられている。
【0048】
これによれば、仮に例えば、接続部材35の接続部41,42におけるシール材41a,42aの欠品や経年劣化、或いはポンプ23,24駆動時の振動などに起因して、接続部41,42から洗濯処理剤が漏れ出たとしても、これを受け部37で受けることができる。よって、受け部37によって、洗濯処理剤が周辺へ流出するのを抑制することが可能となり、ポンプ23,24のリード線を含む自動投入装置19の電気部品或いは外箱2内の他の電気部品などに洗濯処理剤が接触しないようにすることができる。
【0049】
受け部37は、洗濯処理剤を受けることが可能な樋形状をなしている。これによれば、液体を受け或いは導くのに効果的な受け部37の形状とすることができる。
受け部37は、接続部41,42部分の外周囲から、外箱2の内壁側へ延びるように延設されるとともに、その延設方向に沿って洗濯処理剤を外箱2の内壁側へ導くガイド壁(例えば上記した前壁37bや後壁37c或いは底壁37a)を有する。これによれば、接続部41,42からの洗濯処理剤の漏れ量が多くても、その洗濯処理剤を受け部37の前壁37bや後壁37c或いは底壁37aにより外箱2内壁側へ導き、その内壁を伝って流下させることができる。
【0050】
なお、外箱2の底面部2dには、受け部37の下方であって外箱2内壁側へ寄せた位置にスポンジ48を配置するとともに、底面部2dを貫通する排出孔49を設けている。このため、洗濯処理剤を、受け部37により外箱2内壁側へ導き、その内壁を伝って流下させるものとしても、その流下した液体をスポンジ48で吸収して底面部2dに液体を溜めないようにすることができ、又、スポンジ48で吸収できなかった液体を排出孔49を通して機外へ排出することができる。
【0051】
受け部37は、接続部41,42部分の外周囲から、外箱2の内壁側へ延びるように延設されるとともに、その外箱2の内壁側へ向かうに従い下方に向けて傾斜するように形成されている。これによれば、接続部41,42から漏れ出た洗濯処理剤を、その洗濯処理剤を受け部37の傾斜により外箱2内壁側へ導くことができ、受け部37に洗濯処理剤が溜まったり固着したりすることがないようにすることができる。
【0052】
受け部37は、接続部材35に対して一体的に設けられているため、投入用経路25,25´において部品点数を増加させることなく、受け部37を設置することができる。
受け部37は、接続部材35の上面側に設けられた樋形状の凹部である。つまり、接続部材35における上半部35U上面を凹ませた底壁37aの部分は、樋形状の凹部として把握することができる。これによれば、受け部37を簡単且つ安価な構成とすることができるとともに、部品点数を増加させずに済むなど、上記と同様の効果を得ることができる。
【0053】
<第2実施形態>
図11は、本第2実施形態における洗剤用ポンプ50の吐出口50bと、接続部材35の接続部51との接続部分近傍を拡大した模式図を示している。
同図に示すように、本第2実施形態の洗剤用のポンプ50は、その吐出口50bが水平方向を指向する点で、第1実施形態のポンプ23と相違する。また、図示は省略するが、本第2実施形態の柔軟剤用のポンプも、吐出口が水平方向を指向するものとする。
【0054】
接続部材35の側面部には、洗剤用のポンプ50の吐出口50bと対応する位置に接続部51が設けられるとともに、図示しない柔軟剤用のポンプの吐出口と対応する位置に接続部が設けられている。この場合、洗剤用の吐出口50bは、シール材41a(図11では図示略)を介して接続部51に接続され、柔軟剤用の吐出口も、シール材42a(図11では図示略)を介して接続部に接続されている。以下では説明の便宜上、前者の吐出口50bと後者の吐出口との双方を「各吐出口50b」と称し、前者の接続部51と後者の接続部との双方を「各接続部51」と称する。
【0055】
そして、接続部材35の側面部には、各接続部51の下側に位置させて、図11にて「L」字状をなす受け部52が一体成形されている。受け部52は、接続部材35の側面部から側方(前方)へ突設された底壁52aと、底壁52a前縁から上方へ折返すようにして形成された前壁52bとを一体に有する。
【0056】
受け部52において、底壁52aと前壁52bとは、各接続部51の前端よりも前方へ張出す凹溝状(凹部)をなしており、各接続部51から漏れ出た洗濯処理剤を受けることが可能である。また、受け部52において、その底壁52a及び前壁52bは図11の紙面と直交する方向に延びる樋形状をなしており、各接続部51の下側の位置から、外箱2の左側面部2c内壁側へ延びるように延設されている。つまり、受け部52における底壁52a及び前壁52bは、第1実施形態と同様、その延設方向に沿って前記洗濯処理剤を外箱2の内壁側へ導くガイド壁として機能する。また、受け部52全体が外箱2の内壁側へ向かうに従い下方に向けて傾斜するように形成されている。
【0057】
以上説明したように、本第2実施形態の洗濯機1では、接続部材37と各吐出口50b(導出口)との接続部分である各接続部51の下側に位置させて、当該各接続部51から漏れ出た洗濯処理剤を受けることが可能な受け部52が設けられている。これによれば、各接続部51から洗濯処理剤が漏れ出て流下したとしても、これを下側の受け部52で受けることができる。
【0058】
受け部52は、各接続部51の下側から、外箱2の内壁側へ延びるように延設されるとともに、その延設方向に沿って洗濯処理剤を外箱2の内壁側へ導くガイド壁として底壁52a及び前壁52bを有する。よって、各接続部51からの洗濯処理剤の漏れ量が多くても、その洗濯処理剤を受け部52の底壁52a或いは前壁52bにより外箱2内壁側へ導き、その内壁を伝って流下させることができる。
【0059】
なお、受け部52は、その全体が外箱2の内壁側へ向かうに従い下方に向けて傾斜する構成としたが、少なくとも底壁52aに当該傾斜が設けられていればよい。この場合でも、底壁52aの傾斜により、洗濯処理剤を外箱2内壁側へ導くことができるなど、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0060】
<第3実施形態>
図12は、本第3実施形態における柔軟材用のポンプ60や接続部材59の近傍部分を拡大した模式図を示しており、接続部材61はポンプ60の上方に配置されるものとする。
即ち、柔軟剤用のポンプ60において、その吸入口60aはタンク18に接続されるように前方へ向けて突設される一方、吐出口60bは、接続部材59に接続されるように上方へ向けて突設されている。また、図示は省略するが、本第3実施形態の洗剤用のポンプも、吸入口が水平方向を指向し、吐出口が垂直方向を指向するものとする。
【0061】
接続部材59の下面部には、柔軟剤用のポンプ60の吐出口60bと対応する位置に接続部61が設けられるとともに、図示しない洗剤用のポンプの吐出口と対応する位置に接続部が設けられている。この場合、柔軟剤用の吐出口60bは、シール材42a(図12では図示略)を介して接続部61に接続され、洗剤用の吐出口も、シール材41a(図11では図示略)を介して接続部に接続されている。以下では説明の便宜上、前者の吐出口60bと後者の吐出口との双方を「各吐出口60b」と称し、前者の接続部61と後者の接続部との双方を「各接続部61」と称する。
【0062】
そして、各接続部61の下側の位置であって、ポンプ60よりも下方の位置には、図12に示すような樋形状の受け部62が配置されている。詳しい図示は省略するが、受け部62は、注水ケース本体部11の下部に設けられていて、ポンプ60の下方の位置から外箱2の左側面部2c内壁側(図12の紙面と直交する方向)へ延びるように延設されている。
【0063】
具体的には、受け部62は、ポンプ60の外形よりも面積が広くなるように形成された底壁62aと、当該底壁62aの縁部に形成された前壁62b、後壁62c、及び右壁62dとを一体的に有し、前記内壁側(左側)が開放されている。これにより、受け部62において、底壁62aと前壁62bと後壁62cと右壁62dとが樋形状の凹部として、各接続部61から漏れ出た洗濯処理剤をポンプ60の下側にて受けることが可能である。また、受け部62は、上記した実施形態と同様、少なくとも底壁62aと前壁62bと後壁62cとが洗濯処理剤を外箱2の内壁側へ導くガイド壁として機能し、又、少なくとも底壁62aが外箱2の内壁側へ向かうに従い下方に向けて傾斜するように形成されている。
【0064】
以上説明したように、本第3実施形態の洗濯機1においても、接続部材59と各吐出口60b(導出口)との接続部分である各接続部61の下側に位置させて、当該各接続部61から漏れ出た洗濯処理剤を受けることが可能な受け部62が設けられている。よって、各接続部61から洗濯処理剤が漏れ出て流下したとしても、これを下側の受け部62で受けることができる。
【0065】
また、受け部62は、各接続部51の下側から、外箱2の内壁側へ延びるように延設されるとともに、その延設方向に沿って洗濯処理剤を外箱2の内壁側へ導くガイド壁として底壁62aと前壁62bと後壁62cとを有する。これにより、洗濯処理剤を当該ガイド壁によって外箱2内壁側へ導き、その内壁を伝って流下させることができるなど、上記した実施形態と同様の効果を奏する。
【0066】
<第1実施形態,第2実施形態,第3実施形態の変形例>
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や拡張を行うことができる。
例えば、導出口は、上記した吐出口23b,24b,50b,60bに限らず、タンク17,18外部へ当該タンク内の洗濯処理剤を導出する導出部であればよい。即ち、導出口は、ポンプ23,24の吐出口でなくてもよく、当該ポンプの種類を適宜変更することができ、当該ポンプ以外の駆動手段(例えば液体を押し出す構成の駆動手段)により、タンク17,18外部へ洗濯処理剤を導出する導出口であればよい。
【0067】
受け部37,52,62は、上記した樋形状に限らず、前記接続部分から漏れ出た洗濯処理剤を受けることが可能な寸法形状をなすものであればよい。例えば、受け部37,52,62は、その四辺の周壁のうち一辺側(外箱2内壁側)を開放したが、全周を囲うものとしてもよい。また、受け部における夫々の周壁が接続部分よりも高い位置まで囲うように形成してもよい。
【0068】
タンク収容部12内において、タンク17,18を、洗濯機1の左右方向に沿って取り付けるようにしてもよい。また、タンク17,18の形状は、直方体状に限られるものではなく、種々の形状を適用することができ、一方のタンク17の形状や大きさなどと、他方のタンク18の形状や大きさなどとが異なっていてもよい。
【0069】
また、処理剤タンクは、洗剤や柔軟剤を貯留するタンク17,18に限られるものではなく、例えば、消臭剤を貯留する消臭剤タンク、除菌剤を貯留する除菌剤タンクなど、洗濯運転に際して何らかの処理を施す種々の洗濯処理剤を貯留するタンクであれば、種々の種類のタンクを適宜採用することができる。また、タンク収容部12内に収容される複数のタンクは、同じ種類の処理剤を貯留するタンクであってもよいし、タンク収容部12内に1つのタンクを収容する構成としてもよい。
【0070】
接続部材は、こうしたタンクの形態或いはその導出口の形態に応じて、当該導出口に接続される部材であればよく、その接続部材の配置や形状などは、上記した接続部材35,59に限定するものではない。また、接続部材は、下半部35Dと上半部35Uとの二つの部材で構成することなく、一つの部材で構成してもよい。
【0071】
また、上記した各実施形態においては、回転槽の回転中心軸が鉛直方向に延びる、いわゆる縦軸型の洗濯機にも適用することができ、又、乾燥機能を有する洗濯機にも、乾燥機能を有しない洗濯機にも適用することができる。何れの洗濯機であっても、その洗濯機の外箱2底面部2dに、スポンジ48と排出孔49との少なくとも何れか一方を設けることで、底面部2dに或いは外箱2内に、流下した洗濯処理剤を溜めないようにすることができる。
【0072】
<第4実施形態>
図13に例示する洗濯機101は、回転槽の回転中心軸が鉛直方向に延びる、いわゆる縦軸型の洗濯機である。洗濯機101は、衣類に所定の処理、この場合、衣類を洗う洗い処理、衣類をすすぐすすぎ処理、衣類を脱水する脱水処理などを施すことが可能な衣類処理装置の一例であり、装置本体の外郭を構成する外箱102の内部に水槽103を備えている。水槽103は、衣類が収容される衣類処理槽の一例であり、上部が開放した有底円筒状をなしている。水槽103の内部には、上部が開放した有底円筒状の図示しない回転槽が回転可能に備えられている。また、この回転槽の底部には、当該回転槽内の衣類や水槽103内の水を撹拌するための図示しないパルセータが回転可能に備えられている。また、水槽103の上部には、当該水槽103の振動を抑制するための図示しないバランスリングが設けられている。なお、水槽103の上面開口部には、内蓋を設けてもよいし、設けなくてもよい。
【0073】
外箱102は、上部が開放したほぼ矩形箱状の外箱本体部102Aの上部にトップカバー102Bが取り付けられた構成となっている。トップカバー102Bのほぼ中央部には、衣類を出し入れするための衣類出入口104が設けられている。この衣類出入口104は、外箱102の上部において回動可能に設けられた蓋105によって開閉されるようになっている。また、トップカバー102B内には、衣類出入口104の後方に位置して、機械室106が設けられている。機械室106の内部には、自動投入装置107や図示しない注水ケース、給水弁ユニットなどの駆動系の構成要素が収容されている。自動投入装置107は、例えば衣類を洗浄する周知の洗濯運転に際して、給水弁ユニットから供給される水とともに、所定量の衣類処理剤を水槽103内に自動で投入するための装置である。
【0074】
次に、この自動投入装置107の構成例について詳細に説明する。図14に例示するように、自動投入装置107は、トップカバー102B内の後部の左方側、より具体的には、機械室106内の左方側に位置して配置されている。なお、機械室106内には、この自動投入部107の右方側に位置して、図示しない注水ケースおよび給水弁ユニットが配置されている。
【0075】
自動投入装置107は、前面が開放したほぼ矩形箱状のケース収容部108を備えている。このケース収容部108は、機械室106の底面を構成する例えば金属製の底板106aに固定されている。ケース収容部108の前面開放部は、衣類出入口104の後壁部に固定されており、且つ、当該衣類出入口104の後壁部において、前方に向かって開放されている。このケース収容部108内には、上面が開放したほぼ矩形箱状の図示しないケースが洗濯機101の前後方向に沿って引き出し可能に収容される。また、このケースには、図示しない洗剤タンクおよび柔軟剤タンクが着脱可能に収容される。
【0076】
洗剤タンクには、衣類処理剤の一例として、水槽103内の衣類を洗浄するための洗剤が貯留されている。洗剤タンクは、その内部に運転複数回分の洗剤を貯留可能な寸法形状をなす、ほぼ矩形容器状の処理剤タンクである。洗剤タンク内への洗剤の補給は、当該タンク上部に設けられた補給口を開いて行うことができる。柔軟剤タンクには、衣類処理剤の一例として、水槽103内の衣類に柔軟処理を施すための柔軟剤が貯留されている。柔軟剤タンクは、その内部に運転複数回分の柔軟剤を貯留可能な寸法形状をなす、ほぼ矩形容器状の処理剤タンクである。柔軟剤タンク内への柔軟剤の補給は、当該タンク上部に設けられた補給口を開いて行うことができる。
【0077】
また、自動投入装置107は、ケース収容部108の後方に洗剤用計量ポンプ109および柔軟剤用計量ポンプ110を備えている。洗剤用計量ポンプ109は、例えばモータやソレノイドなどのアクチュエータによってピストンを駆動することにより液体を吸引して送出する構成のポンプである。洗剤用計量ポンプ109は、ケース収容部108内に収容されている洗剤タンク内から所定量、この場合、運転1回分の量の洗剤を吸引し、その吸引した洗剤を導出口109aから自動投入用経路111内へ送出する。導出口109aは、洗剤用計量ポンプ109の下部から下方に指向して設けられている。
【0078】
柔軟剤用計量ポンプ110は、例えばモータやソレノイドなどによってピストンを駆動することにより液体を吸引して送出する構成のポンプである。柔軟剤用計量ポンプ110は、ケース収容部108内に収容されている柔軟材タンク内から所定量、この場合、運転1回分の量の柔軟剤を吸引し、その吸引した柔軟剤を導出口110aから自動投入用経路111内へ送出する。導出口110aは、柔軟剤用計量ポンプ110の下部から下方に指向して設けられている。
【0079】
洗剤用計量ポンプ109及び柔軟剤用計量ポンプ110は、何れも、洗濯機101の動作全般を制御する図示しない制御装置によって制御される駆動手段の一例である。
【0080】
自動投入用経路111は、図示しない給水弁ユニットから混合室形成部材112を経由して図示しない注水ケースに接続する投入用経路を構成している。混合室形成部材112は、接続部材の一例であり、上述した洗剤用計量ポンプ109及び柔軟剤用計量ポンプ110の下方に位置して設けられている。混合室形成部材112は、内部に空間を有しており、この空間を、水と衣類処理剤とを混合するための混合室として備えている。また、混合室形成部材112の上部には、混合室に連通する複数、この場合、2つの接続口112a,112bを備えている。接続口112a,112bは、混合室形成部材112の上部から上方に指向して設けられている。
【0081】
このうち、一方の接続口112aは、洗剤用計量ポンプ109の導出口109aに接続され、他方の接続口112bは、柔軟剤用計量ポンプ110の導出口110aに接続されている。よって、洗剤用計量ポンプ109の導出口109aから導出される洗剤は、接続口112aから混合室内に導入され、柔軟剤用計量ポンプ110の導出口110aから導出される柔軟剤は、接続口112bから混合室内に導入される。
【0082】
また、混合室形成部材112は、上方に設けられた上流側接続部112cおよび下方に設けられた下流側接続部112dを備えている。上流側接続部112cは、図示しない給水弁ユニットに接続されている。また、下流側接続部112dは、図示しない注水ケースに接続されている。給水弁ユニットから供給される水は、上流側接続部112cから混合室形成部材112の混合室内に流入し、その後、下流側接続部112dから注水ケースに流出する。このように給水弁ユニットから供給される水が混合室形成部材112を経由して注水ケースまで流れる過程において、混合室形成部材112の混合室内では、給水弁ユニットから流入した水と洗剤用計量ポンプ109や柔軟剤用計量ポンプ110から供給された衣類処理剤とが混合される。これにより、注水ケースには、衣類処理剤が混合された水が供給されるようになる。そして、注水ケースに供給された衣類処理剤を含有する水は、当該注水ケースから水槽103内に供給される。
【0083】
以上の通り、自動投入装置107は、例えば衣類を洗浄する周知の洗濯運転に際して、給水弁ユニットから供給される水とともに、所定量の衣類処理剤を水槽103内に自動的に投入可能に構成されている。なお、注水ケース内には、使用者が手動で洗剤や柔軟剤などの衣類処理剤を投入する手動投入部が出し入れ可能に収容されている。また、給水弁ユニットは、注水ケースにも接続されており、当該注水ケースにも水を供給可能に構成されている。よって、洗濯機101は、使用者が手動で投入した衣類処理剤も水とともに水槽103内に供給可能に構成されている。
【0084】
以上のように構成される洗濯機101は、図15及び図16に例示するように、さらに受け部120を備えている。受け部120は、この場合、混合室形成部材112の上部において当該混合室形成部材112に一体的に設けられている。なお、受け部120は、混合室形成部材112とは別体の部品として構成してもよい。受け部120は、少なくとも洗剤用計量ポンプ109および柔軟剤用計量ポンプ110よりも下方に位置して備えられている。
【0085】
より具体的に説明すると、受け部120は、洗剤用計量ポンプ109の導出口109aと混合室形成部材112の接続口112aとの接続部分および柔軟剤用計量ポンプ110の導出口110aと混合室形成部材112の接続口112bとの接続部分よりも下側に位置して設けられている。よって、受け部120は、洗剤用計量ポンプ109の導出口109aと混合室形成部材112の接続口112aとの接続部分から仮に洗剤が漏れ出た場合には、その漏れ出た洗剤を受けることが可能である。また、受け部120は、柔軟剤用計量ポンプ110の導出口110aと混合室形成部材112の接続口112bとの接続部分から仮に柔軟剤が漏れ出た場合には、その漏れ出た柔軟剤を受けることが可能である。
【0086】
受け部120は、さらに誘導リブ121を備えている。誘導リブ121は、誘導部の一例であり、受け部120が衣類処理剤を受けた場合に、その受けた衣類処理剤を水槽103側に流れるように誘導するための構成要素である。即ち、誘導リブ121は、受け部120の外周部を囲むように設けられた誘導壁部122を備えている。誘導壁部122は、壁部の一例であり、受け部120の上部において、上述した接続口112a,112bや上流側接続部112cの外周囲を囲むようにして設けられている。そして、誘導リブ121は、この誘導壁部122の一部に、少なくとも1つ以上の切り欠き部を備えている。
【0087】
誘導リブ121は、複数、この場合、2つの切り欠き部123,124を備えている。このうち、一方の切り欠き部123は、メイン切り欠き部として形成されたものであり、誘導壁部122のうち水槽103側に近い位置となる前側部分であって、且つ、水槽103の左右方向の中央側に近い位置となる右側部分に位置して設けられている。また、他方の切り欠き部124は、サブ切り欠き部として形成されたものであり、誘導壁部122のうち水槽103の左右方向の外端側に近い位置となる左側部分に位置して設けられている。また、受け部120の底面、換言すれば、混合室形成部材112の上面は、複数の切り欠き部123,124のうちの一部、この場合、切り欠き部123に向かって緩やかに下降傾斜する傾斜面となっている。即ち、受け部120の底面は、切り欠き部123を最も低い位置に有する緩やかな傾斜面として構成されている。
【0088】
このように構成される受け部120によれば、仮に当該受け部120が衣類処理剤を受けた場合には、その受けた衣類処理剤は、当該受け部120の底面上を切り欠き部123に向かって流れるようになり、当該切り欠き部123から受け部120の外部に流出させることができる。また、特に洗剤用計量ポンプ109の導出口109aと混合室形成部材112の接続口112aとの接続部分から仮に洗剤が漏れ出た場合には、その漏れ出た洗剤を、切り欠き部124からも受け部120の外部に流出させることができる。
【0089】
また、洗濯機101は、さらに、混合室形成部材112の下方、換言すれば、誘導リブ121の下方に位置して中継誘導部125を備えている。中継誘導部125は、上述した誘導リブ121によって水槽103側に誘導された衣類処理剤を、さらに水槽103側に誘導するために追加的に備えられる追加誘導部の一例である。
【0090】
中継誘導部125は、ほぼ平面状に形成されており、その上面に中継誘導リブ126を備えている。中継誘導リブ126は、上述した誘導リブ121に加えて、さらに追加的に洗濯機101に備えられる誘導壁の一例であり、上流部126aおよび下流部126bを有している。上流部126aは、中継誘導部125の後部の左方側から右方に向かって延びるとともに、右方に向かうほど水槽103側に向かうように延びている。下流部126bは、上流部126aの右端部から水槽103側に向かって延びるとともに、水槽103側に向かうほど、流路が狭くなるように延びている。上流部126aと下流部126bとの間は、滑らかな円弧状に接続されている。
【0091】
また、中継誘導部125の上面は、誘導リブ121側である中継誘導リブ126の上流部126aから水槽103側である中継誘導リブ126の上流部126bに向かって緩やかに下降傾斜する傾斜面となっている。このように傾斜する中継誘導部125の上面は、上述した受け部120の底面に加えて、さらに追加的に洗濯機101に備えられる追加傾斜面の一例である。
【0092】
以上に例示した洗濯機101によれば、ポンプ109,110の駆動により、洗剤や柔軟剤といった衣類処理剤をタンクから水槽103へ導く自動投入用経路111において、洗剤用計量ポンプ109の導出口109aと混合室形成部材112の接続口112aとの接続部分および柔軟剤用計量ポンプ110の導出口110aと混合室形成部材112の接続口112bとの接続部分の下方に位置させて、その接続部分から漏れ出た衣類処理剤を受けることが可能な受け部120を備えている。
【0093】
この構成によれば、仮に、例えば、接続部材におけるシール材の欠品や経年劣化、或いはポンプ109,110の駆動時に発生する振動などに起因して、接続部分から衣類処理剤が漏れ出たとしても、これを受け部120で受けることができる。よって、受け部120によって、衣類処理剤が周辺へ流出することを抑制することが可能となり、ポンプ109,110のリード線などを含む自動投入装置107の電気部品や外箱102内の他の電気部品などに衣類処理剤が付着あるいは接触しないようにすることができる。
【0094】
また、洗濯機101によれば、受け部120が受けた衣類処理剤を水槽103側に流れるように誘導する誘導リブ121を備えている。この構成によれば、受け部120が受けた衣類処理剤を、洗濯機101において衣類処理剤が接触しても差し支えない構成要素である水槽103側に効率良く導くことができ、電気部品やリード線などに衣類処理剤が付着あるいは接触してしまうことを一層抑制することができる。
【0095】
また、洗濯機101によれば、誘導リブ121は、誘導壁部122に切り欠き部123,124を設けた構成となっている。この構成によれば、受け部120から衣類処理剤を流出させる位置や方向を特定の位置や方向、この場合、水槽103側に向かいやすい位置や方向に規制することができ、水槽103側への衣類処理剤の導出を一層精度良く行うことができる。
【0096】
また、洗濯機101によれば、誘導リブ121は、切り欠き部123を最も低い位置に有する傾斜面を有している。この構成によれば、受け部120で受けた衣類処理剤が切り欠き部123側に流れやすくなり、受け部120から水槽103側への衣類処理剤の流出を一層促進することができる。
【0097】
また、洗濯機101によれば、誘導リブ121の下方つまり水槽103側に、さらに中継誘導部125を備えている。この構成によれば、受け部120、より具体的には、誘導リブ121の切り欠き部123や切り欠き部124から流出した衣類処理剤を、中継誘導部125で受けて水槽103側に流すことができる。これにより、受け部120から水槽103側への衣類処理剤の流出を一層確実に行うことができる。また、受け部120から流出した衣類処理剤が、当該受け部120よりも下方に設けられている電気部品やリード線に付着あるいは接触してしまうことを阻止することができる。
【0098】
また、洗濯機101によれば、中継誘導部125は、受け部120から流出した衣類処理剤、より具体的には、誘導リブ121の切り欠き部123や切り欠き部124から流出した衣類処理剤を水槽103側に誘導する中継誘導リブ126を有している。この構成によれば、中継誘導部125が受けた衣類処理剤を、中継誘導リブ126に沿うようにして水槽103側に流出させることができ、水槽103側への衣類処理剤の流出を一層効率良く行うことができる。
【0099】
また、洗濯機101によれば、中継誘導部125の上面は、誘導リブ121側である中継誘導リブ126の上流部126aから水槽103側である中継誘導リブ126の下流部126bに向かって緩やかに下降傾斜する傾斜面となっている。この構成によれば、中継誘導部125で受けた衣類処理剤が水槽103側に流れやすくなり、中継誘導部125から水槽103側への衣類処理剤の流出を一層促進することができる。
【0100】
また、洗濯機101によれば、受け部120は、少なくともポンプ109,110よりも下方に備えられている。この構成においては、ポンプ109,110から漏れ出た衣類処理剤は、重力を受けて下方に向かって進むので、仮にポンプ109,110から衣類処理剤が漏れ出たとしても、その衣類処理剤を受け部120によって確実に受けることができる。
【0101】
なお、図17に例示するように、誘導リブ121は、切り欠き部124を備えない構成としてもよい。この構成によれば、受け部120で受けた衣類処理剤を切り欠き部123から集中的に流出させることができる。
【0102】
また、図18に例示するように、誘導リブ121は、右部や後部にも切り欠き部123a,123bを備える構成としてもよい。この構成によれば、受け部120の多方面から衣類処理剤を流出させることができ、衣類処理剤の排出を迅速に行うことができる。
【0103】
また、中継誘導部125に貫通孔を設け、この貫通孔から衣類処理剤を流出させるようにしてもよい。また、受け部120の表面や中継誘導部125の表面に、衣類処理剤が流れやすくするための表面加工、例えば、撥水材を塗布する撥水加工、撥油材を塗布する撥油加工などを施してもよい。
【0104】
<その他の実施形態>
なお、本実施形態は、上述した複数の実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように拡張または変形することができる。例えば、上述した複数の構成例を適宜組み合わせて実施することができる。
【0105】
また、本実施形態は、乾燥機能を有する洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、乾燥機能を有しない洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、いわゆる横軸型の洗濯機やいわゆる縦軸型の洗濯機に限らず、他のタイプの洗濯機にも適用することができる。また、本実施形態は、例えば、衣類の消臭、脱臭、除菌、漂白など、衣類に対して何らかの処理を施す装置であれば、種々の衣類処理装置に適用することができる。
【0106】
以上、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0107】
図面中、1,101は洗濯機(衣類処理装置)、2,102は外箱、5,103は水槽(衣類処理槽)、17,18はタンク(処理剤タンク)、19,107は自動投入装置、23,24,109,110はポンプ(駆動手段)、23b,24b,50b,60b,109a,109bは吐出口(導出口)、25,25a´,111は投入用経路、35,59は接続部材、37,52,62は受け部(凹部)、37a,37b,37c,52a,52b,62a,62b,62cはガイド壁、112は混合室形成部材(接続部材)、120は受け部、121は誘導リブ(誘導部)、122は誘導壁部(壁部)、123,123a,123b,124は切り欠き部、125は中継誘導部(追加誘導部)、126は中継誘導リブ(誘導壁)を示す。
図1
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