(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20231219BHJP
G05G 5/03 20080401ALI20231219BHJP
G05G 1/02 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G06F3/041
G05G5/03 Z
G05G1/02 A
(21)【出願番号】P 2020100243
(22)【出願日】2020-06-09
【審査請求日】2023-03-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(72)【発明者】
【氏名】建川 勉
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-068823(JP,A)
【文献】特開2015-133019(JP,A)
【文献】特開2012-173896(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G05G 5/03
G05G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作検知部を有する操作ユニットと、前記操作ユニットを支持する支持部材と、前記操作ユニットに応答力を与える応答力付与機構と、が設けられた操作装置において、
前記支持部材が金属板で形成されて、前記支持部材
の一部が、弾性変形部を有する連結支持部
とされ、前記操作ユニットが前記連結支持部に固定されており、
前記支持部材には、前記連結支持部に隙間を介して対向する規制部が設けられ、前記操作ユニットに外力が作用して前記弾性変形部が変形したときに、前記連結支持部が前記規制部に当たることで、前記操作ユニットの動きが規制されることを特徴とする操作装置。
【請求項2】
操作検知部を有する操作ユニットと、前記操作ユニットを支持する支持部材と、前記操作ユニットに応答力を与える応答力付与機構と、が設けられた操作装置において、
弾性変形部を有する連結支持部が、金属板によって、前記支持部材と別体に形成され
て、前記連結支持部が前記支持部材に固定され
、前記操作ユニットが前記連結支持部に固定されており、
前記支持部材には、前記連結支持部に隙間を介して対向する規制部が設けられ、前記操作ユニットに外力が作用して前記弾性変形部が変形したときに、前記連結支持部が前記規制部に当たることで、前記操作ユニットの動きが規制されることを特徴とする操作装置。
【請求項3】
前記支持部材に前記連結支持部が距離を空けて固定されており、前記支持部材の前記連結支持部との対向部が前記規制部となっている
請求項2記載の操作装置。
【請求項4】
前記連結支持部が前記規制部に当たって、前記操作ユニットを前記支持部材から離す方向への動きが規制される
請求項1ないし3のいずれかに記載の操作装置。
【請求項5】
複数の前記規制部と前記連結支持部とが異なる複数の方向で対向しており、
前記連結支持部と前記規制部とが当たって、前記操作ユニットの前記支持部材から離す方向への動きと、それ以外の方向の動きの双方が規制される
請求項1ないし3のいずれかに記載の操作装置。
【請求項6】
前記支持部材と前記連結支持部のいずれか一方に凹部が形成され、他方が前記凹部の内部に位置して、複数の前記規制部が構成されている
請求項5記載の操作装置。
【請求項7】
前記応答力付与機構から前記操作ユニットに応答力が付与され、前記弾性変形部は、前記応答力が作用する向きへ変形する際の弾性係数が、
前記応答力が作用する向きと直交する向きに変形する際の弾性係数よりも小さい
請求項1ないし6のいずれかに記載の操作装置。
【請求項8】
前記操作ユニットが前記支持部材に向けて押圧されたことを検知する押圧検知部が設けられており、前記弾性変形部の押圧方向に沿う向きへ変形する際の弾性係数が、応答力の付与方向へ変形する際の弾性係数よりも大きい
請求項7記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作検知部と応答力付与機構とを備えた操作ユニットが、連結支持部を介して支持部材に支持されている操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、フィードバック機構を有する操作装置に関する発明が記載されている。
この操作装置では、表面にタッチセンサを有しフィードバック機構を搭載した装置本体が設けられ、この装置本体が支持金属板を介して基台に支持されている。装置本体と基台との間に、装置本体が押圧されたことを検知する検知部材が設けられている。支持金属板は、フィードバック機構で発揮されるフィードバック力の作用方向と、装置本体が押圧されたときの移動方向の双方に弾性変形可能である。
【0003】
この操作装置は、装置本体に表示される画像を参照しながらタッチセンサによって操作される。指で装置本体が押されると、検知部材が動作して入力操作を行うことができる。入力操作が行われると、フィードバック機構が始動する。このとき、支持金属板が弾性変形することで、装置本体をフィードバック方向へ振動させることができ、装置本体に触れた指にフィードバック力を感じさせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された装置本体は、パネル部と筐体部とが一体化されて質量が大きくなっているため、車体振動などの外力が作用したときに、装置本体が振動しやすくなる。そのため、
図2に示されるように、装置本体をインストルメントパネルの開口部の内部に設置し、開口部の内面を装置本体に隙間を介して対向させることによって、装置本体の動きを規制できるようにしている。
【0006】
しかしながら、装置本体をインストルメントパネルの開口部以外の場所に設置した場合には、インストルメントパネルなどによって装置本体を規制できなくなるため、装置本体の動きを規制するストッパ機構を新たに設けなくてはならなくなる。また、装置本体を、前後および左右上下の各方向へ動かないように規制しようとすると、さらにストッパ機構が複雑になる。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、複雑なストッパ機構を新たに設けることなく、操作ユニットの余分な動きを規制することができる操作装置を提供することを目的としている。
【0008】
また本発明は、複雑なストッパ機構を新に設けることなく、操作ユニットの多方向への余分な動きを規制することができる操作装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、操作検知部を有する操作ユニットと、前記操作ユニットを支持する支持部材と、前記操作ユニットに応答力を与える応答力付与機構と、が設けられた操作装置において、
前記支持部材が金属板で形成されて、前記支持部材の一部が、弾性変形部を有する連結支持部とされ、前記操作ユニットが前記連結支持部に固定されており、
前記支持部材には、前記連結支持部に隙間を介して対向する規制部が設けられ、前記操作ユニットに外力が作用して前記弾性変形部が変形したときに、前記連結支持部が前記規制部に当たることで、前記操作ユニットの動きが規制されることを特徴とするものである。
【0011】
または、本発明の操作装置は、前記連結支持部が、金属板によって、前記支持部材と別体に形成されており、前記連結支持部が前記支持部材に固定されているものである。
【0012】
本発明の操作装置は、例えば、前記支持部材に前記連結支持部が距離を空けて固定されており、前記支持部材の前記連結支持部との対向部が前記規制部となっている。
【0013】
本発明の操作装置は、前記連結支持部が前記規制部に当たって、前記操作ユニットを前記支持部材から離す方向への動きが規制される。
【0014】
または、本発明の操作装置は、複数の前記規制部と前記連結支持部とが異なる複数の方向で対向しており、前記連結支持部と前記規制部とが当たって、前記操作ユニットの前記支持部材から離す方向への動きと、それ以外の方向の動きの双方が規制されるものである。
【0015】
本発明の操作装置は、前記支持部材と前記連結支持部のいずれか一方に凹部が形成され、他方が前記凹部の内部に位置して、複数の前記規制部が構成されていることが好ましい。
【0016】
本発明の操作装置は、前記応答力付与機構から前記操作ユニットに応答力が付与され、前記弾性変形部は、前記応答力が作用する向きへ変形する際の弾性係数が、前記方向と直交する向きに変形する際の弾性係数よりも小さいことが好ましい。
【0017】
また、本発明の操作装置は、前記操作ユニットが前記支持部材に向けて押圧されたことを検知する押圧検知部が設けられており、前記弾性変形部の押圧方向に沿う向きへ変形する際の弾性係数が、応答力の付与方向へ変形する際の弾性係数よりも大きいことが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の操作装置は、支持部材に、弾性変形部を有する連結支持部が設けられて、操作ユニットが連結支持部に支持されているため、弾性変形部の変形によって、操作ユニットを応答力の作用方向などに移動させることができる。また、支持部材に連結支持部の移動を規制する規制部が設けられているため、ストッパ機構を新たに設けることなく、操作ユニットの余分な動きを規制することができる。
【0019】
特に、規制部を連結支持部に対して手前側に対向させることで、操作ユニットが手前側に引っ張られたときの動きを規制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1実施形態の操作装置を、手前側から見た斜視図、
【
図2】本発明の第1実施形態の操作装置を、後方から見た分解斜視図、
【
図3】本発明の第1実施形態の操作装置を、後方から見た分解斜視図、
【
図4】
図2に示されたIV部分のユニット連結部を拡大して示す拡大斜視図、
【
図5】
図4に示された拡大斜視図をV-V線で切断した拡大断面図、
【
図6】
図4に示された拡大斜視図をVI-VI線で切断した拡大断面図、
【
図7】本発明の第2実施形態の操作装置を、後方から見た斜視図、
【
図8】
図7に示されたVIII部分のユニット連結部を拡大して示す拡大斜視図、
【
図9】
図8に示された拡大斜視図をIX-IX線で切断した拡大断面図、
【
図10】支持部材および連結支持部と規制部とを前方(
図9のX方向)から見た部分斜視図、
【
図11】支持部材および連結支持部と規制部とを前方(
図9のX方向)から見た部分正面図、
【
図12】
図11に示された部分正面図をXII-XII線で切断した拡大断面図、
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
図1および
図2に、本発明の第1実施形態に係る操作装置1の全体構造が示されている。操作装置1は、車載用表示装置として使用される。操作装置1は、Z1-Z2方向が前後方向である。Z1方向が前方で手前側であり、Z2方向が後方である。車載用表示装置として使用される場合には、Z1方向が車室内に向けられ、Z2方向が車両の進行方向に向けられる。X1-X2方向が左右方向である。X1方向が左方向でX2方向が右方向である。Y1-Y2方向が上下方向であり、Y1方向が上方向でY2方向が下方向である。
【0022】
図2と
図3に示されるように、操作装置1は、操作ユニット10と、操作ユニット10を後方(Z2方向)から支持する支持部材30とを有している。さらに
図1と
図2に示されるように、支持部材30の後方に支持カバー部材50が固定されている。操作装置1が車載用として使用されるときには、支持部材30と支持カバー部材50が、インストルメントパネルなどの内部に位置する車体の一部に固定され、支持部材30に固定された操作ユニット10は、インストルメントパネルからやや手前側(Z1側)の位置、すなわち車室内側に浮き出た位置に設置される。
【0023】
操作ユニット10は、ユニットシャーシ11を有している。ユニットシャーシ11はマグネシウム合金やアルミニウム合金などの軽金属を材料としダイキャスト成型されている。ユニットシャーシ11は内部が空洞部であり、
図1に示されるように、手前側(Z1側)には矩形状で大きな面積で開口する開口部11aが形成されている。
【0024】
ユニットシャーシ11の内部に表示ユニット3が収納されている。
図5と
図6の断面図に示されるように、表示ユニット3は複数の部材が重ねられて構成されている。表示ユニット3は最も手前側(Z1側)に、透明なカバーパネル4が設けられている。カバーパネル4はガラス板やアクリル系樹脂などの透明な樹脂材料で形成されている。カバーパネル4の手前側の表面が操作面3aとなっている。
【0025】
カバーパネル4の後方(Z2方向)に向く表面に操作検知部5が接着されている。操作検知部5は静電容量検知式のタッチパネルである。操作検知部5はカバーパネル4の後方の表面に接着されたPETシートなどの透明基板と、透明基板の表面に設けられた複数の透明電極とで構成されている。表示ユニット3の操作面3aに操作者の指が触れまたは接近すると、透明電極で検知される静電容量が変化し、このときの静電容量の分布の変化により、指が触れまたは接近した座標位置が判定される。
【0026】
操作検知部5は、カバーパネル4の手前側(Z1側)の表面に設置された抵抗式センサパネルであってもよい。抵抗式センサパネルは、カバーパネル4の表面に、全面に透明電極が形成された透明基板が接着され、透明基板の手前側に全面に透明電極が形成された透明フィルムが重ねられており、透明フィルムの手前側の表面が操作面3aとなっている。操作面3aのいずれかの箇所が押されると、透明フィルムに形成された透明電極と、透明基板に形成された透明電極とが短絡し、透明電極の縁部に設けられた電極部から短絡部までの抵抗値の変化が検知されて、指が触れた座標位置が判定される。
【0027】
図5と
図6に示されるように、表示ユニット3では、カバーパネル4の後方(Z2方向)に向く表面に、静電容量検知式の操作検知部5を挟んで表示セル6が接着されている。表示セル6は透光性のカラー液晶表示セルである。表示セル6の後方にバックライト装置7が設けられている。バックライト装置7は、ユニットシャーシ11の空洞部の内部において固定面11bに固定されたケースと、その内部に設けられた導光部材およびLEDなどの光源とを有している。バックライト装置7から発せられる表示光が表示セル6とカバーパネル4とを透過し、操作面3aのほぼ全面を表示面として画像が表示される。なお、表示セルとしてエレクトロルミネッセンス表示セルを使用することも可能である。
【0028】
図3に、操作ユニット10と支持部材30とが分離された状態が示されている。操作ユニット10を構成するユニットシャーシ11の後方(Z2方向)に向く表面に2個の応答力付与機構20が固定されている。応答力付与機構20は、ユニットシャーシ11の後方に向く表面に固定された金属製のケース21を有している。ケース21の内部に、所定の質量を有する磁性材料製の可動ヨークと、可動ヨークに巻かれたコイルとが収納されている。可動ヨークはケース21の内部でばね部材によって左右方向(X1-X2方向)へ往復移動自在に支持されている。ケース21の内部には、可動ヨークに対向する磁石が固定されている。
【0029】
コイルに通電されると可動ヨークが磁化されてその極性が所定の周期で変化し、可動ヨークの極性と磁石の極性とによって、可動ヨークに対して吸引力と反発力が交互に作用し、可動ヨークが振動する。所定の質量の可動ヨークの振動の反力がケース21からユニットシャーシ11に伝達されて、操作ユニット10に左右方向(X1-X2方向)への応答力が与えられ、その応答力を操作面3aに触れた指で感じることができる。応答力付与機構20から操作ユニット10に与えられる応答力の作用方向は、左右方向(X1-X2方向)である。
【0030】
図2に示されるように、支持部材30は板金製である。支持部材30の手前側(Z1側)に向く面に回路基板が固定されている。ユニットシャーシ11と回路基板との間に押圧検知部15が設けられている。
図3に示されるように、ユニットシャーシ11の後方(Z2方向)に向く面の4か所に、押圧検知部15の一方を構成する検知突起16が設けられている。検知突起16は、ユニットシャーシ11と一体に形成されており、マグネシウム合金やアルミニウム合金で形成されている。前記回路基板の手前側(Z1側)に向く面に、押圧検知部15の他方を構成する検知素子が実装されている。検知素子は4か所に設けられ、それぞれが検知突起16と対向している。検知素子には検知コイルが設けられている。検知コイルから交流磁界が発せられ、交流磁界が検知突起16に与えられたときの渦電流損によるインピーダンスの変化が検知素子で検知され、検知突起16と検知素子との距離の変化が測定される。
【0031】
なお、押圧検知部15として、光学式の距離センサを使用してもよく、あるいは支持部材30に、検知突起16で押圧される機構式のスイッチや圧電素子などが設けられていてもよい。
【0032】
図2に示されるように、操作ユニット10を構成しているユニットシャーシ11と支持部材30は4か所のユニット連結部31,32,33,34によって互いに連結されている。ユニット連結部31は右下側に位置し、ユニット連結部32は左下側に位置し、ユニット連結部33は右上側に位置し、ユニット連結部34は左上側に位置している。ユニット連結部31,32,33,34のそれぞれは、検知突起16を有する押圧検知部15に接近した位置に設けられている。
図4ないし
図6には、右下側のIV部分に位置するユニット連結部31の構造が示されている。
【0033】
図2と
図3に示されるように、支持部材30は圧延鋼板などの板金をプレス加工して形成されている。支持部材30はX-Y平面に平行な後方板部35を有している。後方板部35の上辺から手前側(Z1側)に上側板部36が一体に折り曲げられ、後方板部35の下辺から手前側に下側板部37が一体に折り曲げられている。同様に後方板部35の左辺と右辺から手前側に左側板部38と右側板部39が一体に折り曲げられている。
【0034】
ユニット連結部31は、下側板部37と右側板部39との間の角部に設けられ、ユニット連結部32は、下側板部37と左側板部38との間の角部に設けられている。また、ユニット連結部33は上側板部36と右側板部39との間の角部に設けられ、ユニット連結部34は、上側板部36と左側板部38との間の角部に設けられている。
【0035】
図4ないし
図6に示されるように、ユニット連結部31では、支持部材30に連結支持部40が一体に形成されている。連結支持部40は、後方板部35と一体に形成されてX-Y平面と平行で右方向(X2方向)に延びる第1弾性変形部41と、第1弾性変形部41のX2側の自由端から手前側(Z1側)に直角に折り曲げられた第2弾性変形部42とを有している。さらに、連結支持部40では、第2弾性変形部42のZ1側の自由端から、X2方向に直角に折り曲げられた固定片43が一体に形成されている。
図3に示されるように、固定片43に固定穴43aが開口している。
【0036】
図3に示されるように、ユニットシャーシ11の後方に向く面の4か所に、雌ねじ穴22、23,24,25が形成されている。雌ねじ穴22,23,24,25は、押圧検知部15を構成する検知突起16と接近した位置に形成されている。
【0037】
図3に示されるように、右下側のユニット連結部31では、連結支持部40の先部の固定片43に開口する固定穴43aに固定ねじ26が挿入されて雌ねじ穴22に螺着され、固定片43がユニットシャーシ11に固定されている。他のユニット連結部32,33,34においても、支持部材30に連結支持部40が一体に形成されている。左下側のユニット連結部32では、固定ねじ27によって固定片43がユニットシャーシ11に固定され、右上側のユニット連結部33では、固定ねじ28によって固定片43がユニットシャーシ11に固定されている。左上側のユニット連結部34では、固定ねじ29によって固定片43がユニットシャーシ11に固定されている。
【0038】
支持部材30と支持カバー部材50が、インストルメントパネルなどの内部に位置する車体の一部に固定されると、操作ユニット10は、4か所の連結支持部40によって支持される。
【0039】
支持部材30が車体の一部に固定されている状態で、操作ユニット10に前後方向(Z1-Z2方向)の外力が作用すると、ユニット連結部31,32,33,34では、連結支持部40の主に第1弾性変形部41が前後方向に撓み変形する。操作ユニット10に左右方向(X1-X2方向)の外力が作用すると、主に第2弾性変形部42が左右方向に撓み変形する。
【0040】
連結支持部40では、第2弾性変形部42が左右方向(X1-X2方向)に撓み変形する際の弾性係数(曲げ弾性係数)が、上下方向(Y1-Y2方向)へ変形する際の弾性係数および前後方向(Z1-Z2方向)へ変形する際の弾性係数のいずれのよりも小さい。すなわち連結支持部40は、応答力付与機構20から操作ユニット10に与えられる応答力の作用方向である左右方向に変形する際の弾性係数が、左右方向と直交するいずれの方向の変形での弾性係数よりも小さい。
【0041】
連結支持部40では、第1弾性変形部41が前後方向(Z1-Z2方向)へ変形する際の弾性係数が、第2弾性変形部42が左右方向(X1-X2方向)へ変形する際の弾性係数よりも大きい。すなわち、連結支持部40は、操作ユニット10を前後方向へ移動させる際の弾性係数が、応答力の付与方向である左右方向へ変形する際の弾性係数よりも大きい。
【0042】
図3に示され、また
図4に拡大して示されているように、支持部材30の右側板部39の下方側(Y2側)の端部に、規制片44が一体に形成されている。規制片44は、後方(Z2方向)に向く縁面が前方規制部44aとなっている。連結支持部40に設けられた固定片43の一部は前方当接部43bとなっている。
図5に示されるように、操作ユニット10に外力が作用していない状態で、前方規制部44aと前方当接部43bとが、前後方向(Z1-Z2方向)に距離δ1を空けて対向している。
図5に示されるように、規制片44の下方(Y2方向)に向く縁面は上方規制部44bとなっている。ユニットシャーシ11には、固定ねじ26が螺着される雌ねじ穴22の近傍に、上方(Y1方向)に向く上方当接部45が形成されている。操作ユニット10に外力が作用していない状態で、上方規制部44bと上方当接部45とが、上下方向(Y1-Y2方向)に距離δ2を空けて対向している。
【0043】
図6は
図4をVI-VI線で切断した断面図である。
図6に示されるように、支持部材30の下側板部37の右端部が規制片46となっている。規制片46の前方(Z1方向)を向く縁面が後方規制部46aであり、同じく規制片46の右方向(X2方向)を向く縁面が左方規制部46bである。ユニットシャーシ11には、固定ねじ26が螺着されている雌ねじ穴22の近傍に、後方(Z2方向)に向く後方当接部47aと、左方向(X1方向)に向く左方当接部47bが設けられている。後方規制部46aと後方当接部47aは前後方向(Z1-Z2方向)に距離δ3を空けて対向しており、左方規制部46bと左方当接部47bは左右方向(X1-X2方向)に距離δ4を空けて対向している。
【0044】
左下側に設けられたユニット連結部32においても、支持部材30に連結支持部40が一体に形成されている。ユニット連結部32の連結支持部40は、ユニット連結部31に設けられたものと同様に、第1弾性変形部41と第2弾性変形部42が連続して形成されており、第2弾性変形部42の先部に固定片43が折り曲げられている。ユニット連結部32では、固定片43が固定ねじ27によってユニットシャーシ11に固定されている。
【0045】
ユニット連結部31とユニット連結部32はX1-X2方向で対称な構造である。すなわち、ユニット連結部31とユニット連結部32は、Y1-Y2方向に延びる仮想中心線を挟んで線対称な構造である。ユニット連結部32では、支持部材30に設けられた左側板部38の下方部分に
図4に示されたのと同じ前方規制部44aと上方規制部44bとが設けられている。ユニット連結部32においても、
図5と同様に、前方当接部43bと前方規制部44aとが距離δ1を空けて対向し、上方規制部44bと上方当接部45とが距離δ2を空けて対向している。ユニット連結部32では、
図6と同様に、後方規制部46aと後方当接部47aとが距離δ3を空けて対向している。ただし、ユニット連結部31とユニット連結部32とが左右方向に線対称な構造であるため、ユニット連結部32では、
図6の左方規制部46bおよび左方当接部47bの代わりに、これらとは左右対称な構造の、右方規制部と右方当接部とが距離δ4を空けて対向している。
【0046】
図2において、右上側に位置するユニット連結部33と、左上側に位置するユニット連結部34においても、支持部材30に連結支持部40が一体に形成されている。ユニット連結部33とユニット連結部34の連結支持部40も、第1弾性変形部41と第2弾性変形部42が連続して形成されており、第2弾性変形部42の先部に固定片43が折り曲げられている。ユニット連結部33では、固定片43が固定ねじ28によってユニットシャーシ11に固定されている。ユニット連結部34では、固定片43が固定ねじ29によってユニットシャーシ11に固定されている。ユニット連結部33とユニット連結部34には、
図5に示された前方規制部44aと前方当接部43b、および上方規制部44bと上方当接部45が設けられていない。また、
図6に示された後方規制部46aと後方当接部47aおよび左方規制部46bと左方当接部47bも設けられていない。さらに、右方規制部と右方当接部も設けられていない。ただし、ユニット連結部33,34にもこれら規制部や当接部が設けられていてもよい。
【0047】
また、ユニット連結部31,32,33,34のいずれかにおいて、支持部材の一部に下方規制部が設けられ、ユニットシャーシ11の一部に下方当接部が設けられて、下方規制部と下方当接部とが上下方向(Y1-Y2方向)に距離を空けて対向しいていることが好ましい。
【0048】
図2に示されるように、支持部材30の後方に支持カバー部材50が固定されている。支持カバー部材50は軽金属材料でダイキャスト成型されたものであり、または硬質樹脂材料で射出成形されたものである。支持部材30の後方板部35には、5か所に雌ねじ穴51が形成されている。支持部材30の後方(Z2方向)に支持カバー部材50が重ねられた状態で、支持カバー部材50に挿通された5個の固定ねじ52がそれぞれ雌ねじ穴51に螺着されて、支持カバー部材50が支持部材30に固定されている。操作装置1が車載用として使用されるときには、支持部材30と支持カバー部材50が、インストルメントパネルなどの内部に位置する車体の一部に固定される。
【0049】
(第1実施形態の動作)
次に、第1実施形態の操作装置1の動作を説明する。
図1に示されるようにユニットシャーシ11の手前側(Z1側)に向く側では、開口部11aの内側が表示画面であり、開口部11aに位置するカバーパネル4の表面が操作面3aとなっている。操作ユニット10の内部の表示ユニット3が動作すると、表示ユニット3で生成される表示画像が前記表示画面に表示される。操作者が表示画像を見ながら手を操作面3aに接近させて動かし、または指を操作面3aに接触させて動かすと、
図5に示される表示ユニット3に設けられた操作検知部5でこれが検知され、表示画像が変化するなどの操作が行われる。
【0050】
操作面3aに表示されている操作釦の画像などに触れた指で、操作ユニット10が後方(Z2方向)に向けて押されると、
図2に示される4か所のユニット連結部31,32,33,34において、連結支持部40の第1弾性変形部41が撓み変形し、操作ユニット10が後方へ移動する。操作ユニット10が後方へ押され、ユニットシャーシ11に形成された検知突起16と支持部材30に設けられた検知素子との対向距離が所定値だけ減少すると、押圧検知部15において操作ユニット10が押圧操作されたことが検知される。前記所定値は、
図6に示される後方規制部46aと後方当接部47aとの対向距離δ3よりも短く設定される。
【0051】
図示しない制御部で、押圧検知部15からの検知出力が得られると、
図3に示される応答力付与機構20に駆動信号が与えられ、応答力付与機構20が動作する。応答力付与機構20が動作すると、操作ユニット10に対して左右方向(X1-X2方向)の応答力が与えられる。
図2に示されるユニット連結部31,32,33,34では、
図4に示される連結支持部40の第2弾性変形部42が撓み変形して、操作ユニット10の左右方向へ動きが許容される。操作ユニット10の左右の振動によって、操作面3aに触れている操作者の指に応答力を感じさせることができる。
【0052】
連結支持部40は、左右方向(X1-X2方向)の変形での弾性係数が、上下方向(Y1-Y2方向)の変形での弾性係数よりも小さい。そのため、応答力付与機構20が動作したときに、操作ユニット10が左右方向へ動きやすくなり、操作面3aに触れた指で大きな振幅の応答力を感じることができる。また第1弾性変形部41の左右方向(X1-X2方向)の長さ寸法は、第2弾性変形部42の前後方向(Z1-Z2方向)の長さ寸法よりも短いため、連結支持部40では、前後方向(Z1-Z2方向)の変形での弾性係数が、左右方向(X1-X2方向)の変形での弾性係数よりも大きい。したがって、操作面3aに触れた指で操作ユニット10を後方(Z2方向)に押したときに、指で十分な押圧抵抗力を感じることができる。
【0053】
図6に示されるように、支持部材30に設けられた左方規制部46bとユニットシャーシ11の一部である左方当接部47bとが距離δ4を空けて対向している。左下部のユニット連結部32では、右方規制部と右方当接部とが距離δ4を空けて対向している。この距離δ4は、応答力付与機構20の駆動力によって操作ユニット10に与えられる左右方向の振幅よりも大きく形成されている。そのため、応答力付与機構20によって操作ユニット10が左右方向に駆動されたときに、左方規制部46bと左方当接部47bとが当たることがなく、右方規制部と右方当接部が当たることがない。
【0054】
操作装置1は、支持部材30と支持カバー部材50が車両の一部に固定された状態で、操作ユニット10がインストルメントパネルなどから手前側(Z1側)に少し浮き出た姿勢で設置される。そのため、誤って手で操作ユニット10が手前側(Z1側)に引っ張られるなどして、操作ユニット10に手前方向(Z1方向)すなわち支持部材30から離れる方向への大きな外力が作用することがある。このとき、ユニット連結部31とユニット連結部32では、
図5に示されるように、支持部材30の固定片43と一体の前方当接部43bが、右側板部39に形成された前方規制部44aに当たる。これにより、操作ユニット10の手前側への移動が規制され、連結支持部40が過剰に変形して塑性変形するのを防止することができる。
【0055】
操作ユニット10が押されるなどして、後方(Z2方向)に向く大きな力が作用すると、
図6に示されるユニットシャーシ11の一部である後方当接部47aが支持部材30の一部である後方規制部46aに当たって、操作ユニット10の動きを規制することができる。操作ユニット10に左方向(X1方向)に向く大きな力が作用したときは、
図6に示される左方当接部47bが左方規制部46bに当たって、操作ユニット10の動きを規制することができる。左下側のユニット連結部32では、ユニット連結部31とは対称構造の右方規制部と右方当接部とが当たることで、操作ユニット10の右方向(X2方向)への動きを規制することができる。さらに、ユニット連結部31,32,33,34のいずれかで、支持部材30に下方規制部が設けられ、ユニットシャーシ11に下方当接部が設けられていると、操作ユニット10の下方向(Y2方向)への動きを規制することができる。
【0056】
第1実施形態の操作装置1では、
図4と
図5に示されるように、同じ支持部材30に、前方当接部43bと前方規制部44aとが形成されている。そのため、前方規制部44aを支持部材30とは別個の部材として設ける必要がなく部品数を削減できる。また、前方規制部44aを、支持部材30の固定作業と独立させてユニットシャーシ11に位置決めしながら固定する作業が不要になるため、組立工数を削減することができる。また、前方規制部44aと前方当接部43bの対向距離δ1を正確に設定することが可能である。
【0057】
(第2実施形態)
図7は、本発明の第2実施形態の操作装置101を後方から見た斜視図である。
図7は、
図2に示した第1実施形態の斜視図において支持カバー部材50の図示を省略したものに対応している。
【0058】
図7に示される操作ユニット10は
図1と
図2などに示された第1実施形態のものと同じである。操作ユニット10はダイキャスト成型されたユニットシャーシ11を有している。操作ユニット10には表示ユニット3が収納されており、その断面構造は
図9に示されている。また、
図3に示された第1実施形態と同様に、
図7の操作ユニット10にも左右方向(X1-X2方向)の応答力を与える応答力付与機構20が搭載されている。
図3と同様に、ユニットシャーシ11には4か所に検知突起16が一体に形成されており、支持部材30の回路基板に実装された検知素子と前記検知突起16とで押圧検知部15が構成されている。
【0059】
図7に示される支持部材30は圧延鋼板で形成されたものであり、後方板部35と、上側板部36と下側板部37および左側板部38と右側板部39を有している。ユニットシャーシ11と支持部材30は、ユニット連結部131,132,133,134において互いに連結されている。ユニット連結部131は、支持部材30の右下側の角部に位置し、ユニット連結部132は左下側の角部に位置する。また、ユニット連結部133は右上側の角部に位置し、ユニット連結部134は左上側の角部に位置している。
【0060】
図8は、
図7のVIII部を拡大したものであり、右下側のユニット連結部131の構造を示している。
図10と
図11には、ユニット連結部131において、支持部材30をユニットシャーシ11の側(
図9のX側)から見た構造が示されている。ユニット連結部131では、支持部材30の手前側(Z1側)に向く内側に連結支持部60が固定されている。連結支持部60は、支持部材30よりもばね性に優れた金属板で形成されている。すなわち、連結支持部60を構成する金属板材料は、支持部材30を構成する金属板材料よりも、曲げ方向での降伏応力が大きく、弾性域が広く、延性に優れ、さらに弾性係数が高いものが使用される。
【0061】
図12は、
図11をXII-XII線で切断した断面図である。
図8および
図12に示されるように、ユニット連結部131では、支持部材30の後方板部35に、手前側(Z1側)に突出する隆起部35aが3か所にプレス加工されている。
図10に示されるように、連結支持部60の左側(X1側)の端部は基部固定片64となっており、基部固定片64が隆起部35aの上に設置され、スポット溶接部65において、基部固定片64の3か所と隆起部35aとが固定されている。なお、スポット溶接部65の代わりにかしめ加工部によって基部固定片64と隆起部35aとが固定されてもよい。
【0062】
図10に示されるように、連結支持部60は、基部固定片64と一体の第1弾性変形部61と第2弾性変形部62および固定片63を有している。第1弾性変形部61はX-Y平面と平行で右方向(X2方向)に延びている。第2弾性変形部62は第1弾性変形部61から手前側(Z1側)に向けて直角に折り曲げられ、Y-Z平面と平行で手前側(Z1側)に向けて延びている。また、固定片62は、第2弾性変形部62の先部から右方向(X2方向)に向けて直角に折り曲げられている。
【0063】
図7に示される左下側のユニット連結部132と右上側のユニット連結部133および左上側のユニット連結部134でも、支持部材30に連結支持部60が固定されて設けられている。ユニット連結部131の固定片63は固定ねじ26でユニットシャーシ11に固定され、ユニット連結部132の固定片63は固定ねじ27でユニットシャーシ11に固定されている。ユニット連結部133の固定片63は固定ねじ28でユニットシャーシ11に固定され、ユニット連結部134の固定片63は固定ねじ29でユニットシャーシ11に固定されている。
【0064】
図8に示されるように、右下方のユニット連結部131では、支持部材30の右側板部39の下方(Y2方向)の一部が規制片70となっている。
図9に示されるように、規制片70に、後方(Z2方向)向けられた前方規制部71と、下方(Y2方向)に向けられた上方規制部72とが形成されている。前方規制部71と上方規制部72は、規制片70の縁面であり、前方規制部71と上方規制部72は互いに連続して直角に形成されている。
図11では、ユニット連結部131における支持部材30が
図9に示すX方向から示されている。前記規制片70は、左方向(X1方向)に向く表面が右方規制部73であり、右方向(X2方向)に向く表面が左方規制部74となっている。
【0065】
図8と
図10および
図11に示されるように、連結支持部60に設けられた固定片63に、上方(Y1方向)に開口する矩形状の当接凹部66が形成されている。
図9と
図10に示されるように、固定片63の手前側(Z1側)に向く表面のうち、当接凹部66に隣接する領域が前方当接部67となっている。
図9に示されるように、規制片70に形成された前方規制部71と、固定片63の一部である前方当接部67は前後方向(Z1-Z2方向)に距離δ11を空けて対向している。
図9と
図10に示されるように、当接凹部66の下方側(Y2側)の底辺は上方(Y1方向)に向けられた上方当接部66aとなっている。右側板部39に設けられた規制片70の一部が当接凹部66の内部に入り込んでおり、
図9と
図10に示されるように、規制片70に形成された上方規制部72と当接凹部66に形成された上方当接部66aとが、上下方向(Y1-Y2方向)に距離δ12を空けて対向している。
【0066】
図11に示されるように、当接凹部66の左側(X1側)の内側辺は、右方向(X2方向)に向く右方当接部66bであり、右側(X2側)の内側辺は、左方向(X1方向)に向く左方当接部66cである。規制片70の表面である右方規制部73と右方当接部66bは、左右方向(X1-X2方向)に距離δ14を空けて対向し、左方規制部74と左方当接部66cは左右方向(X1-X2方向)に距離δ14を空けて対向している。
【0067】
図12に示されるように、連結支持部60の基部固定片64が、支持部材30の後方板部35の内面に形成された隆起部35aの上に設置されて固定されている。連結支持部60の第1弾性変形部61の後方(Z2方向)に向く表面が後方当接部68であり、後方板部35の内面のうちの第1弾性変形部61に対向する領域が後方規制部75となっている。後方規制部75と後方当接部68は前後方向に距離δ13を空けて対向している。
【0068】
図7に示されるように、操作装置101では、ユニット連結部132,133,134においても、連結支持部60と支持部材30との間で、
図9と同様に、前方規制部71と前方当接部67が距離δ11を空けて対向し、
図12と同様に、後方規制部75と後方当接部68が距離δ13を空けて対向している。また、
図11と同様に、右方規制部73と右方当接部66bとが距離δ14を空けて対向し、左方規制部74と左方当接部66cとが距離δ14を空けて対向している。
【0069】
右下側のユニット連結部131と左下側のユニット連結部132は、左右方向(X1-X2方向)に離れており、上下方向に延びる仮想中心線を挟んで線対称の構造である。右下側のユニット連結部131と右上側のユニット連結部133は、上下方向(Y1-Y2方向)に離れており、左右方向に延びる仮想中心線を挟んで線対称の構造である。同様に、左下側のユニット連結部132と左上側のユニット連結部134は、上下方向に離れて線対称の構造である。下側のユニット連結部131と132では、
図9に示されるように、上方規制部72と上方当接部66aが距離δ12を空けて対向しているが、上側のユニット連結部133,134では、
図9の構造が上下逆向きになり、上方規制部72が上向きの下方規制部となり、上方当接部66aが下向きの下方当接部となる。
【0070】
前記第2実施形態のユニット連結部131,132,133,134では、連結支持部60の固定片63に当接凹部66が形成され、支持部材30の一部である規制片70が当接凹部66の内部に距離δ12,δ14を空けて介入している。ただし、これとは逆に、支持部材30の右側板部39に規制凹部が形成され、連結支持部60の固定片63の一部が当接片となって、前記規制凹部の内部に当接片が距離δ12,δ14を空けて介入していてもよい。
【0071】
(第2実施形態の動作)
第2実施形態の操作装置101においても、操作ユニット10の表示画面である操作面3aに手を接近させ、または指を触れると、表示ユニット3に設けられた操作検知部5でこれが検知されて、表示画像を見ながらの操作が行なわれる。また、操作面3aに触れた指で操作ユニット10が押されると、操作ユニット10と連結されている連結支持部60の第1弾性変形部61が撓み変形し、操作ユニット10が後方(Z2方向)へ移動する。
図12に示されている後方規制部75と後方当接部68との対向距離δ13の範囲内で、操作ユニット10がZ2方向へ移動したことが押圧検知部15で検知されると、図示しない制御部で押圧操作が行われたものと判定される。
【0072】
押圧操作が行われたと判定されると操作ユニット10に搭載された応答力付与機構20が動作し、操作ユニット10に左右方向への応答力が与えられる。連結支持部60の第2弾性変形部62が変形して、
図11に示されている右方規制部73と右方当接部66bとの対向距離δ14および左方規制部74と左方当接部66cとの対向距離δ14の範囲内で、操作ユニット10が左右方向へ振動し、操作面3aに触れている指で応答力を感じることができる。第2実施形態においても、連結支持部60は、左右方向(X1-X2方向)へ変形するときの弾性係数が、上下方向(Y1-Y2方向)へ変形するときの弾性係数よりも小さい。また前後方向(Z1-Z2方向)へ変形するときの弾性係数は、左右方向へ変形するときの弾性係数よりも大きい。
【0073】
操作ユニット10が手で手前方向へ引っ張られるなどして、操作ユニット10に手前方向(Z1方向)への大きな力、すなわち支持部材30から離れる方向への大きな力が作用したときは、4か所のユニット連結部131,132,133,134において、操作ユニット10と共に後方へ移動する
図9に示される前方当接部67が前方規制部71に当たり、操作ユニット10のそれ以上の移動が規制される。操作ユニット10に後方(Z2方向)への大きな力が作用すると、
図12に示される後方当接部68が後方規制部75に当たり、操作ユニット10の後方への移動が規制される。
【0074】
操作ユニット10に左右方向への大きな力が作用すると、
図11に示される右方当接部66bが右方規制部73に当たり、あるいは左方当接部66cが左方当接部74に当たって操作ユニット10の移動が規制される。操作ユニット10に上向き(Y1方向)への大きな力が作用すると、下側のユニット連結部131,132において、
図9に示される上方当接部66aが上方規制部72に当たって、操作ユニット10の移動が規制される。操作ユニット10に下向き(Y2方向)の大きな力が作用すると、上側のユニット連結部133,134において、上方当接部66aと対称な向きの下方当接部が、上方規制部72と対称な向きの下方規制部に当たり、操作ユニット10の下向きの動きが規制される。上記規制により、連結支持部60が塑性変形するのを防止することができる。
【0075】
第2実施形態の操作装置101では、ユニット連結部131,132,133,134において、ばね性に優れた連結支持部60が支持部材30に固定されて、連結支持部60に形成された当接部と、支持部材30に形成された規制部とが複数の方向で距離を空けて対向している。そのため、操作ユニット10を支持部材30に固定するときに、規制部を構成する別部材を支持部材30との相互位置を位置決めしながらユニットシャーシ11などに固定することが不要になる。そのため、部品数を削減でき組立て工数も削減できる。
【0076】
第2実施形態では、支持部材30とこれに固定された連結支持部60との間で、前後方向の動きの規制と、左右方向の動きの規制、および上下方向の動きの規制の、3方向の規制ができる。また、連結支持部60と支持部材30とを固定することによって、各方向での規制部と当接部との距離δ11、δ12、δ13、δ14を高精度に設定することが可能である。特に、連結支持部60に形成された当接凹部66内に、支持部材30の一部である規制片を介入させることで、あるいはこれとは逆に、支持部材30に形成された規制凹部内に連結支持部60に形成された当接片を介入させることで、複数方向で当接部と規制部とを均一な距離で対向させることが可能になる。
【符号の説明】
【0077】
1 操作装置
3a 操作面
5 操作検知部
10 操作ユニット
11 ユニットシャーシ
15 押圧検知部
16 検知突起
20 応答力付与機構
30 支持部材
31,32,33,34 ユニット連結部
35a 隆起部
40 連結支持部
41 第1弾性変形部
42 第2弾性変形部
43 固定片
43b 前方当接部
44 規制片
44a 前方規制部
44b 上方規制部
45 上方当接部
46a 後方規制部
46b 左方規制部
47a 後方当接部
47b 左方当接部
60 連結支持部
61 第1弾性変形部
62 第2弾性変形部
63 固定片
64 基部固定片
65 スポット溶接部
66 当接凹部
66a 上方当接部
66b 右方当接部
66c 左方当接部
67 前方当接部
68 後方当接部
71 前方規制部
72 上方規制部
73 右方規制部
74 左方規制部
75 前方規制部
101 操作装置
131,132,133,134 ユニット連結部