(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】車両通信装置接続判定システム
(51)【国際特許分類】
B60R 16/023 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
B60R16/023 P
(21)【出願番号】P 2020119842
(22)【出願日】2020-07-13
【審査請求日】2023-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 亨
(72)【発明者】
【氏名】関 晃一
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】永田 将
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-83874(JP,A)
【文献】国際公開第2013/084998(WO,A1)
【文献】特開2004-61448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/023
H04L 12/28 ; 12/40
G05B 23/00 - 23/02
G01R 31/08 - 31/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子制御機器が多重通信ラインの本線に接続されて構築された車載通信ネットワークに対して、外部機器の接続を判定する車両通信装置接続判定システムであって、
前記多重通信ラインの前記本線の一方の終端位置に接続された第1終端抵抗と、
前記多重通信ラインの前記本線の他方の終端位置に接続された第2終端抵抗と、
前記第1終端抵抗および前記第2終端抵抗に対して、任意のタイミングで前記多重通信ラインとの接続を切り替える接続切り替え手段と、
前記多重通信ラインの前記本線に並列に接続された抵抗を検出する抵抗監視手段と、
前記抵抗監視手段により検出された抵抗の抵抗値により外部機器の接続有無判定を行う判定手段と、
を備え、
前記抵抗監視手段は、前記接続切り替え手段により、前記第1終端抵抗および前記第2終端抵抗が、前記多重通信ラインと切断されたときに、前記多重通信ラインの抵抗値を検出し、
前記判定手段は、前記抵抗監視手段により検出された抵抗値が、想定されている抵抗値と所定の誤差以上の差異がある場合に、外部機器の接続があったことを判定する、
ことを特徴とする車両通信装置接続判定システム。
【請求項2】
前記第1終端抵抗と、前記第2終端抵抗と、を同一装置内に配置し、
前記接続切り替え手段が、前記第1終端抵抗および前記第2終端抵抗の、前記多重通信ラインとの切断を同時に行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両通信装置接続判定システム。
【請求項3】
前記判定手段に外部機器の接続があったことが判定された場合に、前記多重通信ラインの機能を停止する不正時機能停止手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両通信装置接続判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両通信装置接続判定システムに関し、特に、不正な端末の接続を判定する車両通信装置接続判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車などの車両に搭載される電装品や電気装置の数は、車両の高機能化および高性能化に伴って増加の一途をたどっており、電装品や電気装置を接続する配線が複雑かつ大規模化してきている。そこで、複数の装置を通信線によって互いに接続し、各装置間で通信を行うようにした多重通信システムが実用化されている。
【0003】
このような多重通信システムを車両に搭載した車載通信システムでは、通信プロトコルとして、CAN(登録商標:Controller Area Network)が標準的に使用されている。
この車載通信システムにおいて、通信ネットワーク内に故障(異常)が発生した場合に、その異常部位を特定する車両用通信ネットワーク(車載通信ネットワーク)の故障診断方法が提供されている。この車両用通信ネットワークの故障診断方法では、まず、CANバス本線の抵抗値を測定し、測定された抵抗値に応じた異常部位の特定が行われる。具体的には、4つの抵抗値(抵抗値120Ω、抵抗値0Ω、抵抗値∞、抵抗値60Ω)に切り分けており、CANバス本線の断線(抵抗値120Ω)、CANバス本線、支線、各種センサのショート(抵抗値0Ω)、ダイアグテスタ接続コネクタに繋がる支線の断線(抵抗値∞)であれば、抵抗値によって、異常部位の特定を行う。また、各種センサに繋がる支線の断線、ECU、各種センサの単体故障を示す抵抗値(抵抗値60Ω)であった場合には、テスタによって異常コードを確認し、異常コードによって異常部位を特定するようにしている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記車両用通信ネットワークの故障診断方法では、CANバス本線の断線や、すでに繋がれている電子制御機器に対する支線のショート等を検出することはできるものの、CANバスに、想定外の装置を接続された場合、このような装置を容易に検出することができない。すなわち、上記の車両用通信ネットワークの故障診断方法では、抵抗値が大きく変わることで各種の故障部位の特定を行うことができるが、CANバスに新たな機器が接続されたとしても、抵抗値の変化は小さく、誤差範囲の値しか変化が表れない。このため、不正に機器が追加されたとしても、検出することができない。
【0006】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、車載通信ネットワークに対して、想定外の装置が接続されたことを容易に検出することができる車両通信装置接続判定システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両通信装置接続判定システムは、複数の電子制御機器が多重通信ラインの本線に接続されて構築された車載通信ネットワークに対して、外部機器の接続を判定する車両通信装置接続判定システムであって、
前記多重通信ラインの前記本線の一方の終端位置に接続された第1終端抵抗と、前記多重通信ラインの前記本線の他方の終端位置に接続された第2終端抵抗と、前記第1終端抵抗および前記第2終端抵抗に対して、任意のタイミングで前記多重通信ラインとの接続を切り替える接続切り替え手段と、前記多重通信ラインの前記本線に並列に接続された抵抗を検出する抵抗監視手段と、前記抵抗監視手段により検出された抵抗の抵抗値により外部機器の接続有無判定を行う判定手段と、を備え、
前記抵抗監視手段は、前記接続切り替え手段により、前記第1終端抵抗および前記第2終端抵抗が、前記多重通信ラインと切断されたときに、前記多重通信ラインの抵抗値を検出し、前記判定手段は、前記抵抗監視手段により検出された抵抗値が、想定されている抵抗値と所定の誤差以上の差異がある場合に、外部機器の接続があったことを判定する、ことを特徴とする。
【0008】
また、車両通信装置接続判定システムは、前記第1終端抵抗と、前記第2終端抵抗と、を同一装置内に配置し、前記接続切り替え手段が、前記第1終端抵抗および前記第2終端抵抗の、前記多重通信ラインとの切断を同時に行う、ようにしてもよい。
【0009】
さらに、車両通信装置接続判定システムは、前記判定手段に外部機器の接続があったことが判定された場合に、前記多重通信ラインの機能を停止する不正時機能停止手段と、を備える、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車載通信ネットワークに対して、想定外の装置が接続されたことを容易に検出することができる車両通信装置接続判定システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態における車両通信装置接続判定システムを用いる車載通信ネットワークの概略を示す図である。
【
図2】本実施の形態における車載通信ネットワークに接続される各電子制御機器の抵抗値を示す図である。
【
図3】比較例のための車載通信ネットワークに接続される各電子制御機器の抵抗値を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態における車両通信装置接続判定システムを用いる車載通信ネットワークの概略を示す図である。また、
図2は、本実施の形態における車載通信ネットワークに接続される各電子制御機器の抵抗値を示す図である。また、
図3は、比較例のための車載通信ネットワークに接続される各電子制御機器の抵抗値を示す図である。
【0013】
図1に示すように、車載通信ネットワークは、複数の電子制御機器201、202、203、204が多重通信ラインの本線(CANバス)に接続されて構築されている。具体的には、車載通信ネットワークは、CAN Highライン(以下、CAN-Hラインという)21およびCAN Lowライン(以下、CAN-Lラインという)22を有している。CAN-Hライン21およびCAN-Lライン22の一方の終端位置には、第1終端抵抗41が接続され、CAN-Hライン21およびCAN-Lライン22の他方の終端位置には、第2終端抵抗42が接続されて、閉回路となっている。なお、CAN-Hライン21およびCAN-Lライン22は、多重通信ラインの本線(CANバス)に相当する。本発明の実施の形態における車両通信装置接続判定システム1は、このような車載通信ネットワークに用いる。
【0014】
このCAN-Hライン21およびCAN-Lライン22には、複数の電子制御機器(正規端末)201、202、203、204が接続されている。電子制御機器201は、CAN-Hライン21と支線31aで、CAN-Lライン22と支線31bと、でそれぞれ接続されている。同様に、電子制御機器202は、支線32aと、支線32bと、でCAN-Hライン21と、CAN-Lライン22とに接続される。さらに、電子制御機器203は、支線33aと、支線33bと、でCAN-Hライン21と、CAN-Lライン22とに接続され、電子制御機器204は、支線34aと、支線34bと、でCAN-Hライン21と、CAN-Lライン22とに接続される。なお、電子制御機器201、202、203、204は、例えば、カーナビゲーションシステムや、通信ユニット等である。
【0015】
第1終端抵抗41および第2終端抵抗42は、セントラルゲートウェイ(以下、CGWという)100内に配置されている。すなわち、第1終端抵抗41と、第2終端抵抗42と、は同一装置内に配置されている。
CGW100は、第1終端抵抗41に対して、CAN-Hライン21およびCAN-Lライン22による多重通信ライン(CANバス)から切断することができるようになっている。また、CGW100は、第1終端抵抗41に対して、CAN-Hライン21およびCAN-Lライン22による多重通信ライン(CANバス)に接続することもできるようになっている。すなわち、CGW100は、第1終端抵抗41に対して、CAN-Hライン21およびCAN-Lライン22による多重通信ライン(CANバス)との接続および切断を、任意のタイミングで切り替えることができるようになっている。
【0016】
また、CGW100は、第2終端抵抗42に対しても、CAN-Hライン21およびCAN-Lライン22による多重通信ライン(CANバス)との接続および切断を、任意のタイミングで切り替えることができるようになっている。
なお、CGW100は、第1終端抵抗41および第2終端抵抗42を、CAN-Hライン21およびCAN-Lライン22による多重通信ライン(CANバス)から、同時に切断、接続を行うことができるようになっている。
【0017】
また、CGW100は、複数の電子制御機器201、202、203、204が並列に接続された、CAN-Hライン21およびCAN-Lライン22による多重通信ラインの抵抗(回路全体の抵抗値)を検出することができるようになっている。
なお、CANバスに接続される各電子制御機器201、202、203、204の抵抗値は、「2.6KΩ」となっている。また、第1終端抵抗41および第2終端抵抗42は、その性質上、各電子制御機器201、202、203、204の抵抗値よりも大変小さくなければならず、CANバスの場合、「120Ω」となっている。
【0018】
さらに、CGW100は、上記検出した抵抗値により、外部機器の接続有無判定を行う。すなわち、CGW100は、CANバスの抵抗値を定期的に監視し、検出された抵抗値が、想定されている抵抗値と所定の誤差以上の差異がある場合には、外部機器の接続があったと判定する。これにより、CGW100は、想定外の外部機器が、CANバスに接続された場合に、検出することができる。
なお、このような回路における標準的な誤差範囲、すなわち、抵抗許容差は、「±5%」程度である。したがって、検出した抵抗値が通常の値、または、想定した値の「±5%」を大きく超える値であれば、外部機器の接続を判定することができるが、抵抗値が「±5%」以内であると、外部機器の接続を判定することはできない。
【0019】
また、CGW100は、外部機器が接続されたと判定した場合には、多重通信ラインの機能停止を行う。これにより、車両などへの不正アクセスを防止することができ、データの不正流出や、不正な操縦を未然に防止することができる。
【0020】
また、CGW100は、抵抗値の検出の際に、第1終端抵抗41および第2終端抵抗42を、CANバスから切り離して(切断)、抵抗値を検出する。また、CGW100は、第1終端抵抗41および第2終端抵抗42のCANバスから切断を、同時に行う。第1終端抵抗41および第2終端抵抗42は、CGW100内にあるので、容易に同時切断を行うことができる。
【0021】
また、例えば、CANバスの抵抗値の検出は、イグニッションがオンとされたときに、行う。これにより、車両を動かそうとしたときに、想定外に接続された外部機器を検出することができるので、乗車中の不正アクセスなどを防止することができる。また、外部機器の接続判定を短時間で行うことができる。さらに、車両走行中に、外部機器が不正に接続されることは、可能性として低いので、イグニッションオン時の検出は最適であるといえる。
【0022】
また、第1終端抵抗41および第2終端抵抗42が、CGW100内にあるので、多重通信ラインを用いた通信を行う前に、検査を行うことができ、セキュリティ効果を高めることができる。
【0023】
以下、具体的な数値に基づき、説明する。
図1、
図2に示すように、本実施形態の場合、多重通信ラインに接続されている電子制御機器201,202,203,204の数は、「4つ」である。電子制御機器201,202,203,204の抵抗値は、前述のように、それぞれ「2.6kΩ」である。また、第1終端抵抗41、第2終端抵抗42の抵抗値は、前述のように、それぞれ「120Ω」である。
【0024】
初めに、CGW100は、第1終端抵抗41および第2終端抵抗42を、CAN-Hライン21およびCAN-Lライン22による多重通信ラインから切断した状態で、回路全体の抵抗値を検出する。電子制御機器201,202,203,204の4つ抵抗値は、それぞれ「2.6kΩ」であるので、回路全体の抵抗値は、「650.0Ω」となり、この値をあらかじめ記憶しておく。
【0025】
CGW100は、イグニッションがオンされると、第1終端抵抗41および第2終端抵抗42を、CAN-Hライン21およびCAN-Lライン22による多重通信ラインから切断する。そして、この第1終端抵抗41および第2終端抵抗42が切断された多重通信ラインの、回路全体の抵抗値を検出する。CGW100は、ここで、検出した抵抗値が「650.0Ω」であれば、あらかじめ記憶していた抵抗値「650.0Ω」と同じであるので、多重通信ラインは、正常であり、想定外の端末は接続されていないと判断する。なお、検出した抵抗値は、あらかじめ記憶していた抵抗値「650.0Ω」と完全に一致していなくても、所定の誤差範囲内であれば、多重通信ラインは正常であると判断する。
【0026】
一方、CGW100は、検出した抵抗値が、あらかじめ記憶していた抵抗値「650.0Ω」ではない、より正確には、「650.0Ω」から所定の誤差範囲内の値ではない場合には、想定外の電子制御機器が、多重通信ラインに接続されたと判断する。
そして、CGW100は、多重通信ラインの機能を停止させる。これにより、想定外に接続された電子制御機器などにより、不正操作や不正な情報の流出が行われることを防止することができる。
【0027】
ここで、多重通信ラインに想定外の電子制御機器211(不正端末)が接続されていた場合、「2.6kΩ」の端末の数が「5つ」となるので、回路全体の抵抗値が「520.0Ω」となる。これは、正常の場合の抵抗値「650.0Ω」に対して、「20.00%」も差があるので、明らかに誤差範囲を超えるので、容易に検出することができる。
【0028】
一方、
図3(a)に示すように、第1終端抵抗41および第2終端抵抗42をCANバスから切り離さずに、CANバス抵抗値を検出した場合、正常値の値は「54.93Ω」となる。そして、想定外の電子制御機器211がCANバスに接続された場合の抵抗値は「53.79Ω」となる。この場合のCABバス抵抗値の差の割合は、「2.07%」に過ぎない。前述のように、回路内の抵抗値は、「±5%」程度の変化は誤差として発生してしまうので、「2.07%」程度では、誤差範囲に入り、想定外の電子制御機器211が接続されたか否かを適切に判断することができない。
【0029】
また、
図3(b)に示すように、第1終端抵抗41(または第2終端抵抗42のいずれか一方)をCANバスから切り離して、CANバス抵抗値を検出した場合、正常値の値は「101.3Ω」となる。そして、想定外の電子制御機器211がCANバスに接続された場合の抵抗値は「97.5Ω」となる。この場合のCABバス抵抗値の差の割合は、「3.75%」となる。この値は、第1終端抵抗41および第2終端抵抗42のいずれも切り離さなかった場合の「2.07%」よりは、大きな値となるが、「3.75%」程度ではやはり誤差範囲となり、想定外の電子制御機器211が接続されたか否かを適切に判断することができない。
【0030】
これに対し、本実施の形態のように、第1終端抵抗41および第2終端抵抗42の双方を、CANバスから切り離して、CANバス抵抗値を検出することにより、想定外の電子制御機器211が接続されると、「20.00%」も差が出るので、想定外の電子制御機器211の接続を容易に判断することができる。
【0031】
また、想定外の電子制御機器211が、CANバスに接続されたと判断すると、CGW100は、多重通信ラインの機能を停止させる。したがって、想定外に接続された電子制御機器211などにより、不正操作や不正な情報の流出が行われることを防止することができる。
【0032】
なお、CGW100が複数の多重通信ラインを管理している場合には、所定の範囲外の抵抗値を検出した多重通信ラインのみの機能を停止すればよい。また、他の多重通信ラインに対しても、不正の可能性があるため、管理している全ての多重通信ラインの機能を停止させるようにしてもよい。また、車両を最低限走行させることができる機能を有するラインを、別系統にしておくと、修理や所定機器の取り外しまでの間の仮走行も行うことができる。
【0033】
なお、本実施の形態において、CGW100は、本願の接続切り替え手段、抵抗監視手段、判定手段、および、不正時機能停止手段を構成する。
【符号の説明】
【0034】
1 車両通信装置接続判定システム、21 CAN-Hライン、22 CAN-Lライン、31a、31b、32a、32b、33a、33b、34a、34b、35a、35b 支線、41 第1終端抵抗、42 第2終端抵抗、100 CGW、201、202、203、204 電子制御機器(正規端末)、211 電子制御機器(不正端末)