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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】麺線カット投入装置
(51)【国際特許分類】
   A21C 11/00 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
A21C11/00 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020122491
(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公開番号】P2022018996
(43)【公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】308032699
【氏名又は名称】日清食品株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 輝行
(72)【発明者】
【氏名】北方 大貴
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-018995(JP,A)
【文献】国際公開第2011/158944(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1005116(KR,B1)
【文献】特開平11-346641(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106172583(CN,A)
【文献】特開昭63-129946(JP,A)
【文献】実開平07-005386(JP,U)
【文献】実公昭42-010877(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 11/00
A23L 7/109
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
纏まり状態にある複数列の麺線群を垂下させた状態で連続的にカットし、当該カット後の麺線群を所定の型枠に収納するための麺線カット投入装置において、当該麺線カット投入装置が、
水平方向に配置されたカッター部と、
当該カッター部の下に垂直状に配置された背板領域と、
前記背板領域より突出、埋没可能であって、前記纏まり状態にある複数列の麺線群の列ごとの区分部材と、
を備えた麺線カット投入装置。
【請求項2】
前記区分部材の近接領域において気体噴射機構を備えた請求項1に記載の麺線カット投入装置。
【請求項3】
前記区分部材が、略山型形状である請求項1又は2に記載の麺線カット投入装置。
【請求項4】
前記区分部材の下方に位置し、前記背板領域に設けられた、不要な麺線群を型枠へ送られる経路から排除する排除機構
を備えた請求項1~3のいずれかに記載の麺線カット投入装置。
【請求項5】
前記背板領域においてパンチング加工されている領域を備えた請求項1~4のいずれかに記載の麺線カット投入装置。
【請求項6】
前記背板領域が平坦な平面を形成可能な請求項1~5のいずれかに記載の麺線カット投
入装置。
【請求項7】
前記麺線カット投入装置が、カット後の麺線群が経由するシュート部及び/又は水車部
を備えた、請求項1~6のいずれかに記載の麺線カット投入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、即席麺の製造において麺線群を所定間隔でカットし、当該カットした麺線群を乾燥のためのカップ状等の型枠に順次、投入するための麺線カット投入装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
即席麺の麺塊の連続的な生産においては、麺線を製造するために原料配合(小麦粉及び澱粉、塩類等)を混練しドウを調製した後、当該ドウを複合・圧延して薄膜状の麺帯を調製し、当該麺帯を切り出して麺線を調製する。そして、当該麺線をネットコンベア上で搬送しながら蒸煮してα化し、必要に応じて着味し、カットした後、型枠に麺線群を投入し型詰めし、乾燥(油熱乾燥や熱風乾燥)して麺塊を調製する。
【0003】
上記工程のうち、カット→型枠への麺線群を投入の工程においてはコンベア搬送され、当該コンベアの端部より排出された麺線群が複数列の麺線群の纏まりごとに垂下した状態となり、回転するカット刃によってカットされ、所定列ごとに下方に落下しながら移動して、最終的に乾燥用の型枠に収納される。
ここで、前記のカット→型枠への麺線群を投入の工程においては、特に麺線群のカットの際において従来まで図16示すように、固定された仕切部が設けられた背板を利用する態様が一般的であった(図16(1))。
【0004】
しかし、当該固定された区分部材であると、当該区分部材に麺線群が引っ掛かる等の問題が生じる場合があった(図16(2))。さらに、引っ掛かった状態のまま生産を継続すると、区分部材に引っ掛かる麺線がさらに蓄積され、下方に落下したりすることがあり、カット後の麺線の型枠への供給が不安定になるという点が指摘されていた。
このような問題に対応する直接の先行技術は無く、カット・投入に関するものとして特許文献1が開示されている程度である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第05479588号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明者らは、上記のような麺線カット投入装置において、垂下する麺線群の区分部材の構造について新たな構成を開発することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らの鋭意研究の結果、区分部材を背板領域より所定のタイミングに応じて出入可能とすることが有効であることを確認した。すなわち、区分部材を突出・埋没の状態を適宜繰り返して実施することによって、区分部材に引っ掛かる麺線を排除することができることを見出した。
すなわち、麺線群が通過する等の区分部材が必要なタイミングにおいては、区分部材を“出”の状態(すなわち、突出させる)とするが、麺線群が区分部を通過後においては、区分部材を“入”の状態(すなわち、埋没させる)とする。
【0008】
このように、当該区分部材を通常は、背板領域内に埋没させておき、必要なタイミングに応じて突出させて、これらの埋没→突出のステップを繰り返すことで麺線群の区分部材への引っ掛かりを少なくしつつ、安定したカット後の麺線群の乾燥用の枠体への供給を可能とできること見出し、本発明を完成させたのである。
すなわち、本願第一の発明は、
“纏まり状態にある複数列の麺線群を垂下させた状態で連続的にカットし、当該カット後の麺線群を所定の型枠に収納するための麺線カット投入装置において、当該麺線カット投入装置が、
水平方向に配置されたカッター部と、
当該カッター部の下に垂直状に配置された背板領域と、
前記背板領域より出入可能な区分部材と、
を備えた麺線カット投入装置。“、である。
【0009】
次に、前記区分部材の近接領域において、区分部材に引っ掛かった麺線を排除するために気体噴射機構を備えることが好ましい。
すなわち、本願第二の発明は、
“前記区分部材の近接領域において気体噴射機構を備えた請求項1に記載の麺線カット投入装置。”、である。
【0010】
次に、前記区分部材は、略山型形状であることが落下する麺線群の広がりを防止することができて好ましい。
すなわち、本願第三の発明は、
“前記区分部材が、略山型形状である請求項1又は2に記載の麺線カット投入装置。”、である。
【0011】
次に、本発明においては、区分部材の下方に不要な麺線群を排除する排除機構を背板領域に備えることが好ましい。
すなわち、本願第四の発明は、
“前記区分部材の下方に位置し、前記背板領域に設けられた麺線群の排除機構を備えた請求項1~3のいずれかに記載の麺線カット投入装置。”、である。
【0012】
次に、前記背板領域においては、当該背板領域と麺線群が接触した際に麺線が背板領域に付着することを防止することが好ましい。この点、パンチング加工することによって多くの孔を設けることが効果的である。
すなわち、本願第五の発明は、
“前記背板領域においてパンチング加工されている領域を備えた請求項1~4のいずれかに記載の麺線カット投入装置。”、である。
【0013】
次に、本発明においては、前記背板領域において突起物が無く、フラット(略平坦状)な平面の状態を形成させることが麺線群の落下をスムースに実施することができ好適である。
すなわち、本願第六の発明は、
“前記背板領域が平坦な平面を形成可能な請求項1~5のいずれかに記載の麺線カット投入装置。”、である。
【0014】
次に、本発明においては、カットされ、区分部材及び排除機構を通過して落下する麺線群が乾燥用の型枠に投入される前に、水車部やシュート部を経由することが好ましい。
すなわち、本願第七の発明は、
“前記麺線カット投入装置が、カット後の麺線群が経由するシュート部及び/又は水車部を備えた、請求項1~6のいずれかに記載の麺線カット投入装置。”、である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の麺線カット投入装置を利用することで、即席麺の生産ラインにおいてカットの麺線群を好適に乾燥用の型枠に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第一の実施態様の麺線カット投入装置の正面図及び側面断面図である。
図2】本発明の第一の実施態様の麺線カット投入装置の正面図(麺線群なし(1)、麺線群あり(2))である。
図3】本発明の第一の実施態様の麺線カット投入装置において麺線群を処理している状態の上部側の斜視図である。
図4】本発明の第一の実施態様における背板領域のパンチングを状態を示す正面図である。
図5】本発明における区分部材の役割を示すための斜視図である。
図6】本発明の第一の実施態様において背板領域から区分部材が出現している状態(1)及び背板領域に区分部材が隠れている状態(2)を示す斜視図である。
図7】本発明の第一の実施態様における出入可能な区分部材の動作を示した斜視図である。
図8】本発明の第一の実施態様における出入可能な区分部材において気体噴射機構の動作について示した斜視図である。
図9】本発明における区分部材の位置が異なる他の実施態様を示した斜視図である。
図10】本発明の第一の実施態様における排除機構の動作を示した斜視図である。
図11】本発明の第一の実施態様における排除機構の動作を示した他の斜視図である。
図12】本発明における排除機構の他の実施態様を示した斜視図である。
図13】本発明における排除機構の他の実施態様を示した斜視図である。
図14】本発明における排除機構の他の実施態様を示した斜視図である。
図15】本発明の第一の実施態様におけるシュート、水車、ホッパーの構成を経由させる態様を示した斜視図である。
図16】従来までの麺線カット投入装置の上方部分を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0017】
3 カッター部
5 背板領域
7 区分部材
9 排除機構
11 回収フレーム
13 水車
15 シュート
17 ホッパ
19 パンチングによる孔部
21 回転カッター
23 受動ロール
25 排除ダンパー
27 第一板状体
29 第二板状体
31 気体噴射機構
CV コンベア
MS 麺線群
CL コンベアライン
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではないことは勿論である。図1は、本発明の麺線カット・投入装置の第一実施態様についての主要構成を示した模式図である。
本発明の第一の実施態様は図1に示すように、麺線群の搬送コンベアCVより供給される麺線群MSをカットし、型枠RTに投入するための麺線カット投入装置として、カッター部3、背板領域5、背板領域5に設けられた区分部材7を有している。また、第一の実施態様においては、特に麺線群MSの排除機構9も備えている。
【0019】
さらに、区分部材7、排除機構9を通過した麺線群MSは、回収フレーム11、水車13、シュート15及びホッパ17を経由するようにこれらの構成を備えている。
尚、各図面は主要な構成部分のみを示しているため、回転のためのモータ部や制御構造、各種支持部材等は省略している。これらは適宜公知又は慣用手段で実現できる。
さらに、図1に示す第一の実施態様においては、カッター部3に対して麺線群MSを供給するコンベア装置CVも開示している。
【0020】
当該コンベア装置CVより順次供給される麺線群MSは、カット後に落下した各麺線群MSが区分部材7、排除機構9(排除ダンパー)を備えた背板領域5を経て各列ごとに区分けされた回収フレーム11に落下し、当該回収フレーム11を経て、水車13の枠体に落下して一旦ストックされる。各列の麺線群がストックされ、タイミングに応じて水車13が回転することで、シュート15及びホッパ17を経由して一斉にすべての列に型枠に麺線群MSが供給される構成を採用している。
【0021】
尚、落下した麺線群MSの型枠RTまでの供給経路については上記は一例であり、他の態様であってもよいことは勿論である。例えば、シュート15がない場合や、水車13がなく、直接に麺線群MSを供給する態様でも可能である。さらに、水車13を二段階で設定してもよいことは勿論である。これらの構成については適宜設定することができる。
以下に本発明の内容を詳細に説明する。
【0022】
○ 麺線群のカット投入装置。
本発明は、纏まり状態にある複数列の麺線群MSを垂下させた状態で連続的にカットし、当該カット後の麺線群MSを所定の型枠RTに収納するための麺線カット投入装置に関するものである。
即席麺の製造においては、麺線を製造するために原料配合(小麦粉及び澱粉、塩類、水等)を混練しドウを調製した後、当該ドウを複合・圧延して薄膜状の麺帯を調製し、当該麺帯を切り出して麺線を調製する。そして、当該麺線をネットコンベア上で搬送しながら蒸煮してα化し、着味・カット・計量・型詰め等を経て乾燥して麺塊を調製する。
【0023】
ここで、麺線群MSはそれぞれ一本の長い状態となっているため、複数本の纏まった状態として一食分ごとに所定の長さで順次カットする必要がある。そして、カット後の麺線群MSを所定の枠体RTに収納して乾燥等の処理を行うことによって一食分の麺塊を調製する。
上記のうち、麺線群MSのカットから乾燥のための型枠RTへの収納の過程においては図2に示すように麺線群MSをコンベアCVで搬送して、その端部から垂下させた状態として順次カッター部3でカットする方法が一般的である。
【0024】
図2は本願の第一の実施態様の麺線カット投入装置を示している。図2(1)は麺線群MSを処理していない状態を示し、図2(2)麺線群MSを処理している状態を示す。また、図3は麺線群MSを処理している状態の上部側の斜視図である。
【0025】
○ カッター部
本発明においては、垂下される麺線群MSを所定長さに順次切断するカッター部3を有する。本発明の第一の実施態様においては回転する回転カッター21によって順次カットする回転カッター21の場合を示している。すなわち、刃部が一回転するごとに麺線をカットするタイプである。尚、刃部の受け部として受動ロール23が設けられている。尚、回転カッター21の場合についての刃部の装着枚数は、図1に示すように1カ所のみならず、2カ所以上あってもよいことは勿論である。1~4カ所程度が一般的である。
【0026】
また、図1においては回転カッター21によるカット方式を明示しているが、カット方法はこれに限られない。所定長さに麺線群MSをカットする方式であればいずれも可能である。例えば、カット刃を水平に繰り返して往復移動させることによってカットすること(いわゆる包丁切り)でも可能であることは勿論である。
【0027】
○ 当該カッター部の下に垂直状に配置された背板領域
本発明においては、カッター部3より下方に背板領域5を有する。当該背板領域5とは、カット後の麺線群MSが落下する際、当該麺線群MSの落下の方向を規定するためにカッター部3の背後側に在する垂直状の平板状領域である(図1)。カットされた麺線群MSが当該背板領域5に近接又は接触しながら落下するためその落下方向を規制することができる。
尚、当該背板領域5は板状体の領域のみならず、後に述べる排除ダンパー25の側面部等の複数の構成を含める。すなわち、板状体の領域及び排除ダンパーの側面部等を含めて、これらによって当該背板領域5を形成している。
【0028】
図1の本発明の第一の実施態様においては、第一板状体部27と、当該第一板状体27に続いて、排除ダンパー25の側面部、そして、次の第二板状体29が設けられており、これらの複数の構成により背板領域5を形成している。尚、当該背板領域5はステンレス等の金属又はプラスチック等の素材で形成することが可能である。
次に、背板領域5は、麺線群MSの広がりを抑える区分部材7等の必要最小限の突起物を除いて、可能な限りフラットであること、すなわち、突起部が少ない平坦な平面状であることが好ましい。これらの突起物が存在すると、落下する麺線群が引っ掛かる原因となることがあるためである。次に、当該背板領域5は図4に示すようにパンチングを有することが好ましい。
すなわち、多数の孔部19を設けることで背板領域5との麺線群MSの接触を減らし、麺線群MSの背板領域5への付着によるイレギュラーな麺線群MSの乱れを防止することが可能となる。
【0029】
○ 前記背板領域より出入可能な複数の区分部材
本発明における区分部材とは、垂下した麺線群MSがカットされた後に下方に落下する際に、麺線群MSの纏まり状態を修正するための部材である。すなわち、図5に示すようにカット後の麺線群MS(麺束)の広がりを抑制し、纏まり状態を好適にすることができる。広がりを抑えることで後述する下方に配置された回収フレーム11や水車13等へのカット後の麺線群MSの収まりが良好となり、水車13の回転盤や回収フレーム11の区分への麺線の引っ掛かり等を防止することができる。
【0030】
尚、本発明における区分部材7の区分の対象はカット前の垂下状態の麺線群とカット後の麺線群のいずれか一方、又はこれらの両方となる。
当該区分部材7の形状は特に限定されないが、図4に示すように下方に従って、通過する麺線群MSの通り道が狭くなっていく形状が好ましい。従って区分部材7の形状は山型形状や三角形の形状であることが例として挙げられる。
【0031】
次に、本発明においては、当該区分部材7について図6に示すように背板領域5から出入を繰り返すことができるように構成されている。すなわち、図6(1)は背板領域5から区分部材5が出現している状態、すなわち、“出”の状態を示している。また、図6(2)は背板領域5に区分部材7が隠れている状態、すなわち、“入”の状態を示している。尚、当該出入の制御機構については公知の装置を用いることによって実現できる。
【0032】
より具体的には、上部のカッター部3(本発明の第一の実施態様における回転カッター部3)によりカットする前後の麺線群MSが背板領域5の区分部材7の付近を通過する際においては、当該区分部材7は出現しており(突出しており)、麺線群MSの広がりを狭める役割を果たす。そして、麺線群MSが区分部材7を通過すると、当該区分部材7は背板領域5内に隠れる(埋没する)。
そして、麺線群MSが通過時に区分部材7に引っ掛かり等が起こっても(図7(1))、当該区分部材が背板領域5内に引っ込んで隠れる際に引っ掛かり麺線MSは下方に落下する
【0033】
このようにして、区分部材7が出入を繰り返すことによって、区分部材7に対する麺線MSの引っ掛かりを適宜、排除することができる。
さらに、本発明における背板領域5より出入可能な複数の区分部材7については、当該区分部材7付近に区分部材7に引っ掛かった麺線群を除去するために区分部材の近接領域に気体噴射機構31を有することが好ましい。すなわち、気体噴射機構31によって前記区分部材7に引っ掛かった麺線群MSをより効果的に除去することが可能となる。
【0034】
特に、麺線群MSの通過時に背板領域5から区分部材7を背板領域5に引っ込める際に気体を噴射することによって区分部材に引っ掛かった麺線群を前方に吹き飛ばす方法が有効である(図8(1)及び(2))。このようにして不要な麺線MSを装置の前方側に移動させることによって装置から不要な麺線MSを有効に排除することが可能となる。すなわち、下方に引っ掛かった麺線が真下に落下せずに装置より離すことができるため、当該麺線MSが生産上の障害となりにくくすることができる。
尚、区分部材の位置は、図6の場合以外にも例えば、回転するカッター部3により近接していてもよいことは勿論である(図9
【0035】
○ 当該区分部の下方に位置し、前記背板領域に設けられた排除機構
本発明においては、前記区分部材7の下方部に排除機構9を有していてもよい。ここで排除機構9とは、不要な麺線群MSの排除したり、麺線群MSの供給先である乾燥用の型枠RTにおけるトラブルによって特定列の麺線群MSの供給を一時的に中止したい場合等に必要となる。
【0036】
具体的な麺線排除機構9の態様としては本願の第一実施態様が挙げられる(図1図10)。当該態様においては、麺線群MSの排出の必要性が生じた際に通常はフラットな状態を維持する背板領域5から排除機構としての排除ダンパー25が出てくる。すなわち、当該排除ダンパー25の上方部側を背板領域5の手前側に傾斜させて麺線群を排除経路に移すという方法を採用している。
【0037】
このように、第一の実施態様の排除機構9は、麺線群の排除が必要な場合のみに背板領域5より排除ダンパー25が出現し、不要な麺線群MSの排除経路に導く態様となり、通常の状態では排除ダンパー25が背板側に隠れている。
図10(1)は特定の列の麺線群MSのみを排除する場合、図10(2)は全列の麺線群MSを排除する場合の状態を示している。また、図11は全列の麺線群MSを排除する場合の状態を示している。
【0038】
排除すべき麺線群MSは当該排除ダンパー25の開口部を通過して排出される。また、本第一の実施態様の場合、通常時の麺線群MSを供給する際には背板領域5が平坦な平面状の状態(フラットな状態)を維持できるために麺線群MSの不要な引っ掛かりも防止することができるというより好ましい利点を有する。
尚、図10及び図11では、麺線群MSの纏まりごとの各列ごとに排除ダンパー25を設けているが、図12に示すように、全列をまとめて排除するタイプや2、3列ごとの特定のまとめた列ごとに排除する態様でも可能である。
【0039】
次に、本発明の実施態様は上述の態様に限定されず、例えば、図13に示すように通常では麺線群MSが通過するトンネル型の排除ダンパー25の形態にしておき、排除したい場合には、当該排除ダンパー25の下方部を背板領域5の背後側(麺線群が通過しない方の側)に傾斜させて排除経路に移すという方法も可能である。このような態様によっても麺線群MSの排除を実現することができる。尚、図13(1)は全列の麺線群が通常状態として排除機構を通過する場合、図13(2)は特定の列の麺線群のみを排除する場合を示している。
尚、図13(2)は排除ダンパーの下方部が背板側に向かって回転する場合を示したが、図14に示すように排除ダンパーの下方部が正面側に回転することによって排除することも可能である。
【0040】
○ その他の構成(排除領域以下の構成要素)
本発明においては、区分部材7を通過した麺線群MSは、直接に型枠RTに投入することも可能であるが、型枠RTへの正確・的確な麺線群MSの供給のため、水車13、ホッパー17等の構成を経由させることも可能である。
具体的には図1図15に示す本発明の第一の実施態様においては、回収フレーム11→水車13→シュート15→ホッパ17の順に麺線群MSが通過してから、型枠RTに投入される。
【0041】
但し、区分部材7又は、区分部材7及び排除機構9を通過した麺線群MSを型枠RTに投入するまでの構成は上記の第一実施態様に限定されるものではなく、例えば、回収フレーム11、水車13、シュート15及びホッパ17のうち、いずれか又は全てが無い場合であっても可能であるし、これらの一部又は複数が無い場合であってもよい。これらの構成は必要に応じて適宜組み合わせ行うことが可能である。
【0042】
まず、本発明の第一の実施態様においては、カット後の麺線群MSは、各列ごとに区切りされた回収フレーム11に落下する。当該回収フレーム11は各列ごとに区分けされており、各区切りられた領域ごとに各列の麺線群MSが通過する。回収フレーム11は麺線群MSを纏まりよく水車13に供給するための枠体である。そして、回収フレーム11を通過した麺線群MSが次に水車13に投入される。
【0043】
水車13は、各列ごとに区分けされており各列ごとの麺線群MSが投入される。水車13は同一の回転軸を有し所定間隔を隔てて配置される複数の円盤体と、隣接する円盤体の間隙を回転軸を包含し直交する平板体によって4つに区分けしている。そして、上方より供給される麺線群MSを受け入れて平板体上に一旦保持し、各列ごとの乾燥のための型枠RTへの供給タイミングを同時することができ、全ての列の麺線群MSが収納された時点で回転することで下方に麺線群MSを落下することができる。
【0044】
すなわち、各列に麺線群が投入された時点で水車が90°回転することによって、水車13から連続するシュート15に麺線群MSが移動する。各列ごとのシュート15が設けられている。シュート15は筒状の麺線群MSが通過する導管で、当該シュート15内を水車13から排出された麺線群MSが滑降して下方に移動する。当該シュート15の方向を調整することでコンベアラインCLに装着された型枠RTの間隔に合わせて各列の麺線群MSの間隔を変更することができる。
【0045】
また、シュート15を滑降した麺線群MSはホッパー17で落下の方向が整えられ、これを介してコンベアラインCL上の型枠RTに投入される。
このように、本発明の第一の実施態様においては、回収フレーム11→水車13→シュート15→ホッパ17を通過してリテーナRTに麺線群が収納される。麺線群MSが供給された枠体RTは順次、矢印の方向に移動しており、次の乾燥工程等に進む。





図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16