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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】カップホルダ
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/10 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
B60N3/10 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020160237
(22)【出願日】2020-09-24
(65)【公開番号】P2022053406
(43)【公開日】2022-04-05
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 正隆
(72)【発明者】
【氏名】坂井 勝
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-144875(JP,A)
【文献】特開2006-021780(JP,A)
【文献】特開平07-159664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付対象に取り付けられる筒状のケースと、
前記ケース内に前記ケースの軸方向に移動可能に収容され、保持対象物を保持するホルダと、
前記ホルダの外面に設けられた被ガイド部と、
前記ケースの内面に設けられ、前記ケースの周方向に対して斜めに延びて前記ホルダの移動にともなう前記被ガイド部の移動をガイドするガイド部と、
前記ホルダに取り付けられ、前記ケースの軸方向に延びる回転軸を中心に回転するギアと、
前記ギアに回転力を付与する付与部材と、
前記ケースの内面に設けられ、前記ギアと噛み合うと共に歯部が前記ケースの周方向に間隔をあけて形成されたラック部と、
を備えるカップホルダ。
【請求項2】
前記ギアは、平歯車であり、
前記ラック部の歯部は、前記ケースの内面から該ケースの中心に向けて突出する突部である、請求項1に記載のカップホルダ。
【請求項3】
前記付与部材は、前記ギアの内側に収容されている、請求項1又は請求項2に記載のカップホルダ。
【請求項4】
前記付与部材がねじりばねである、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のカップホルダ。
【請求項5】
前記ガイド部は、前記ケースの内面から該ケースの中心に向けて突出する突条部であり、
前記被ガイド部は、前記ホルダの外面から前記ケースの内面に向けて突出し、前記ガイド部に接触する突起である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のカップホルダ。
【請求項6】
前記ガイド部と前記被ガイド部が面接触している、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のカップホルダ。
【請求項7】
前記ガイド部は、前記ケースの内面に該ケースの周方向に等間隔で複数設けられており、
前記被ガイド部は、前記ホルダの前記ガイド部に対応した位置にそれぞれ設けられている、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のカップホルダ。
【請求項8】
前記保持対象物が載せられる底部と、前記底部の周縁部から立ち上がる周壁部とを有する前記ホルダと、
前記ホルダの周壁部の内側に挿入される筒状部と、前記筒状部の上端部から径方向外側へ張り出し、前記ケースの開口部を覆うフランジ部とを有するカバー部材と、を備える請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のカップホルダ。
【請求項9】
前記ホルダは、保持対象物を保持し、前記ケースの軸方向に沿って移動する保持部と、前記保持部の下側に配置され、前記ケースの軸方向に延びる回転軸を中心に回転する回転部と、を備えており、
前記回転部内に前記ギアが配置され、前記回転部の外面に前記被ガイド部が設けられている、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載のカップホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カップホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ホルダを昇降させる昇降機能を有するカップホルダが開示されている。このカップホルダでは、ホルダの下部にバネの付勢力で横向きに回転する駆動ギアが設けられている。そして、駆動ギアの回転力が駆動ギアに噛み合い縦向きに回転する中間ギアに伝わり、中間ギアが噛み合うラックに沿って駆動ギアと共にホルダが上昇するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-144875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のカップホルダでは、駆動ギアの回転力を、ラックを昇る力に変換するために、駆動ギアとラックとの間に中間ギアを設けている。しかしながら、中間ギアは、縦向きに回転するため、ホルダとケースとの間、すなわち、ホルダ下部のスペースを確保する必要がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、保持対象物の保持高さの変更が容易であり、省スペースで設置可能なカップホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のカップホルダは、取付対象に取り付けられる筒状のケースと、前記ケース内に前記ケースの軸方向に移動可能に収容され、保持対象物を保持するホルダと、前記ホルダの外面に設けられた被ガイド部と、前記ケースの内面に設けられ、前記ケースの周方向に対して斜めに延びて前記ホルダの移動にともなう前記被ガイド部の移動をガイドするガイド部と、前記ホルダに取り付けられ、前記ケースの軸方向に延びる回転軸を中心に回転するギアと、前記ギアに回転力を付与する付与部材と、前記ケースの内面に設けられ、前記ギアと噛み合うと共に歯部が前記ケースの周方向に間隔をあけて形成されたラック部と、を備える。
【0007】
第1態様のカップホルダでは、付与部材から回転力が付与されたギアが回転軸を中心に回転すると、ギアがラック部上を移動する。このギアの移動にともないホルダがケース内で回転する。ホルダの回転は、被ガイド部がガイド部によってガイドされることで、ケースの軸方向(以下、適宜「ケース軸方向」と称する。)への移動力に変換される。このようにカップホルダでは、付与部材からギアに付与された回転力が、ホルダをケース軸方向へ移動させる移動力へ変換されるため、例えば、ギアに回転力を付与する部材を設けない構成と比べて、保持対象物の保持高さの変更が容易になる。
また、上記カップホルダでは、ケース軸方向に延びる回転軸を中心に回転するギアが、ラック部のケースの周方向(以下、適宜「ケース周方向」と称する。)に間隔をあけて形成された歯部に噛み合うため、例えば、ラック部の歯部がケース軸方向に間隔をあけて形成される構成ようにギアとラックとの間にギアからラック部への力伝達用に他のギアを設ける必要がなく、小型化を図ることができる。これにより、上記カップホルダは、省スペースで設置可能となる。
【0008】
本発明の第2態様のカップホルダは、第1態様のカップホルダにおいて、前記ギアは、平歯車であり、前記ラック部の歯部は、前記ケースの内面から該ケースの中心に向けて突出する突部である。
【0009】
第2態様のカップホルダでは、ラック部の歯部がケースの内面から該ケースの中心に向けて突出する突部であることから、例えば、ケース内面に形成した隣接する凹部間の部分を歯部とする構成と比べて、ケースの厚みを全体として薄くすることができる。これにより、上記カップホルダでは、ケースの薄肉化により、軽量化及び材料削減を図ることができる。
【0010】
本発明の第3態様のカップホルダは、第1態様又は第2態様のカップホルダにおいて、
前記付与部材は、前記ギアの内側に収容されている。
【0011】
第3態様のカップホルダでは、付与部材がギアの内側に収容されていることから、例えば、付与部材がギアの外側に配置されている構成と比べて、ギア周りのスペースを有効に利用できる。
【0012】
本発明の第4態様のカップホルダは、第1態様~第3態様のいずれか一態様のカップホルダにおいて、前記付与部材がねじりばねである。
【0013】
第4態様のカップホルダでは、付与部材としてねじりばねを用いるため、例えば、付与部材としてつるまきばねを用いる構成と比べて、ホルダのケース軸方向の位置毎の荷重操作の差を小さくできるため、ケースに対してホルダを移動させる操作が容易になる。
【0014】
本発明の第5態様のカップホルダは、第1態様~第4態様のいずれか一態様のカップホルダにおいて、前記ガイド部は、前記ケースの内面から該ケースの中心に向けて突出する突条部であり、前記被ガイド部は、前記ホルダの外面から前記ケースの内面に向けて突出し、前記ガイド部に接触する突起である。
【0015】
第5態様のカップホルダでは、ガイド部がケースの内面から該ケースの中心に向けて突出していることから、例えば、ガイド部をケース内面に形成した溝部とした構成と比べて、ケースの厚みを全体として薄くすることができる。これにより、上記カップホルダでは、ケースの薄肉化により、軽量化及び材料削減を図ることができる。
【0016】
本発明の第6態様のカップホルダは、第1態様~第5態様のいずれか一態様のカップホルダにおいて、前記ガイド部と前記被ガイド部が面接触している。
【0017】
第6態様のカップホルダでは、ガイド部と被ガイド部とが面接触していることから、例えば、ガイド部と被ガイド部が線接触する構成と比べて、被ガイド部がガイド部にガイドされるときのガタ付きが抑制される。これにより、上記カップホルダでは、ホルダがケースに対してスムーズに移動できる。
【0018】
本発明の第7態様のカップホルダは、第1態様~第6態様のいずれか一態様のカップホルダにおいて、前記ガイド部は、前記ケースの内面に該ケースの周方向に等間隔で複数設けられており、前記被ガイド部は、前記ホルダの前記ガイド部に対応した位置にそれぞれ設けられている。
【0019】
第7態様のカップホルダでは、ガイド部がケースにケース周方向に等間隔で設けられ、被ガイド部がホルダのガイド部に対応した位置にそれぞれ設けられていることから、例えば、ガイド部及び被ガイド部が一組の構成と比べて、ホルダの回転動作が安定する。これにより、上記カップホルダでは、ホルダがケースに対してスムーズに移動できる。
【0020】
本発明の第8態様のカップホルダは、第1態様~第7態様のいずれか一態様のカップホルダにおいて、前記保持対象物が載せられる底部と、前記底部の周縁部から立ち上がる周壁部とを有する前記ホルダと、前記ホルダの周壁部の内側に挿入される筒状部と、前記筒状部の上端部から径方向外側へ張り出し、前記ケースの開口部を覆うフランジ部とを有するカバー部材と、を備える。
【0021】
第8態様のカップホルダでは、ホルダが底部と周壁部を有することから、保持対象物が液体容器でありこの液体容器から液体がこぼれたとしても、ホルダで液体を受け止めることができる。このため、ホルダを移動させる機構が濡れることによる不具合の発生を抑制することができる。さらに、上記カップホルダでは、ケースの開口部を覆うようにカバー部材を設けており、このカバー部材のフランジ部によってホルダの周壁部の端部が覆われている。このため、ケース内面とホルダ外面との間の隙間に液体や固形物が入るのが抑制される。これにより、ホルダを移動させる機構に不具合が発生するのをさらに抑制することができる。
【0022】
本発明の第9態様のカップホルダは、第1態様~第8態様のいずれか一態様のカップホルダにおいて、前記ホルダは、保持対象物を保持し、前記ケースの軸方向に沿って移動する保持部と、前記保持部の下側に配置され、前記ケースの軸方向に延びる回転軸を中心に回転する回転部と、を備えており、前記回転部内に前記ギアが配置され、前記回転部の外面に前記被ガイド部が設けられている。
【0023】
第9態様のカップホルダでは、回転部が回転軸を中心に回転すると、回転部の被ガイド部がガイド部にガイドされて保持部と共にケース軸方向に移動する。このとき、保持対象物を保持する保持部は、回転部と共に回転せずに、回転部のケース軸方向の移動にともなってケース軸方向に沿って移動する。このように、カップホルダでは、ホルダのケース軸方向の移動時に、保持部が回転部と共に回転しないため、保持部で保持する保持対象物の向きをホルダのケース軸方向の移動の前後で同じ向きに維持できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、保持対象物の保持高さの変更が容易であり、省スペースで設置可能なカップホルダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係るカップホルダの分解斜視図である。
図2図1に示されるカバー部材の斜視図である。
図3図1に示されるホルダの斜視図である。
図4図1に示されるホルダの斜視図である。
図5図1に示されるギアの平面図である。
図6図5に示されるギアの側面図である。
図7図1に示されるホルダの回転部を構成する下ハウジングの斜視図である。
図8図7に示される下ハウジングの斜視図である。
図9図7に示される下ハウジングの平面図である。
図10図1に示されるケースの平面図である。
図11図10に示されるケースの側面図である。
図12図10に示されるケースの側面図である。
図13図10に示されるケースの斜視図である。
図14図10に示されるケースの斜視図である。
図15図1に示されるホルダの回転部を構成する上ハウジングの斜視図である。
図16図15に示される上ハウジングの斜視図である。
図17図15に示される上ハウジングの平面図である。
図18図1に示されるカップホルダのホルダが上位置にある状態を示す斜視図である。
図19図18に示されるカップホルダの縦断面図である。
図20図18に示されるカップホルダに保持対象物を保持させた状態を示す斜視図である。
図21図1に示されるカップホルダのホルダが下位置にある状態を示す斜視図である。
図22図21に示されるカップホルダの縦断面図である。
図23図21に示されるカップホルダに保持対象物を保持させた状態を示す斜視図である。
図24図1に示されるカップホルダが取付対象に取り付けられた状態を示す斜視図である。
図25】ギアダンパの動作を説明するためのホルダの側面図である。
図26】(A)ホルダが上位置にあるときのスイングピンと係合部との関係を説明するためのホルダの側面図である。(B)ホルダが下位置にあるときのスイングピンと係合部との関係を説明するためのホルダの側面図である。
図27】上ハウジングの回転軸とギアと付与部材との関係を説明するための斜視図である。
図28】その他の実施形態に係るカップホルダの一部部品の分解斜視図である。
図29図28に示されるカップホルダのホルダが下位置にある状態を示す分解斜視図である。
図30図28に示されるカップホルダのホルダが上位置にある状態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の一実施形態に係るカップホルダを図1図27を用いて説明する。
【0027】
図20図23及び図24に示されるように、本実施形態のカップホルダ20は、保持対象物Hを保持する装置である。保持対象物Hとしては、例えば、液体容器としてのペットボトルや紙パック等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0028】
また、カップホルダ20は、図20及び図23に示されるように、保持対象物Hの保持高さを変更可能とされている。言い換えると、カップホルダ20は、保持対象物Hの保持高さを変更するための昇降機能を有している。昇降機能の詳細については後述する。
【0029】
また、カップホルダ20は、図24に示されるように、取付対象ATとしての車両用内装部に取り付けられるものである。具体的には、カップホルダ20は、車両としての自動車における内装を構成する部位(車両用内装部)に取り付けられるものであって、本実施形態では、自動車のセンターコンソールに取り付けられる。なお、本実施形態では、自動車用のセンターコンソールにカップホルダ20を取り付けているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、自動車のドアの下部に取り付けてもよい。また、航空機や電車において液体容器等を保持させる部分に、本実施形態のカップホルダ20を適用してもよい。
なお、図24における矢印Uは、カップホルダ20を取付対象ATに取り付けた状態での上方を指す。本実施形態では、カップホルダ20を車両のセンターコンソールに取り付けるため、矢印Uは、車両上方と同じ方向である。
【0030】
カップホルダ20は、図1に示されるように、ケース30と、ホルダ40と、被ガイド部50と、ガイド部60と、ギア70と、付与部材80と、ラック部90と、を備えている。
【0031】
(ケース30)
ケース30は、カップホルダ20の取付対象ATに取り付けられる部分である。このケース30は、図1及び図13に示されるように、筒状とされている。具体的には、ケース30は、有底筒状とされており、筒状部32と底部34とを有している。このケース30の内側(内部空間)にホルダ40が収容されている。また、ケース30の軸方向(以下、適宜「ケース軸方向」と称する。)ADは、カップホルダ20を取付対象ATに取り付けた状態では、車両上下方向に一致する。
【0032】
筒状部32は、図1及び図13に示されるように、円筒状とされている。この筒状部32の軸方向(ケース軸方向ADと同じ)の一端部には、筒状部32を閉塞する円板状の底部34(図14参照)が設けられている。この底部34の中央部には貫通孔が形成されている。一方、筒状部32の軸方向の他端部には、該他端部から径方向外側へ張り出すフランジ部35が設けられている。このフランジ部35には、後述するカバー部材100をケース30に取り付けるための取付孔35Aが形成されている。なお、カップホルダ20を取付対象ATに取り付けた状態では、筒状部32の一端部は、車両上下方向における上側の端部となり、筒状部32の他端部は、車両上下方向における上側の端部となる。
【0033】
筒状部32の内面32Aには、図13及び図14に示されるように、ガイド部60及びラック部90が設けられている。具体的には、ガイド部60及びラック部90は、筒状部32の底部34側の内面32Aに設けられている。なお、ガイド部60及びラック部90の詳細については後述する。
【0034】
筒状部32の底部34と反対側の内面32Aには、図13に示されるように、ガイド溝36と、収容凹部37と、収容凹部38とが設けられている。
【0035】
ガイド溝36は、図13に示されるように、ケース軸方向ADに沿って延びる溝状の凹部であり、筒状部32の内面32Aに筒状部32の周方向(以下、適宜「ケース周方向CD」と称する。)に等間隔で形成されている(図10参照)。なお、本実施形態では、ガイド溝36が筒状部32の中心軸を挟んで対向する位置にそれぞれ配置されている。これらのガイド溝36は、後述するホルダ40の一対のガイド部44をそれぞれガイドする。具体的には、一対のガイド溝36は、一対のガイド部44を溝延在方向であるケース軸方向ADに沿ってガイドする。これにより、ガイド部44が設けられたホルダ40の保持部41がガイド溝36によって筒状部32の軸方向に沿って移動可能となる。
【0036】
収容凹部37は、図13に示されるように、ケース軸方向ADに沿って延びる溝状の凹部である。この収容凹部37は、筒状部32に対してケース周方向で一対のガイド溝36と異なる位置に設けられている。また、収容凹部37の凹壁面37Aには、ラック部37Bが形成されている。具体的には、凹壁面37Aには、ケース軸方向ADに間隔をあけてラック部37Bの歯部37Cが形成されている。この歯部37Cには、ホルダ40の保持部41に設けられたギアダンパ110のギア112の歯部112Aが噛み合う。なお、ギアダンパ110のギア112は、収容凹部37内に収容され、保持部41のケース軸方向に沿った移動にともなって、回転しながら収容凹部37内を移動する(図25参照)。
【0037】
収容凹部38は、図13に示されるように、ケース軸方向ADに沿って延びる凹部である。この収容凹部38は、筒状部32に対してケース周方向で一対のガイド溝36及び収容凹部37と異なる位置に設けられている。具体的には、収容凹部38は、筒状部32の中心軸を挟んで収容凹部37と対向する位置に配置されている。この収容凹部38には、ホルダ40の保持部41に取り付けられたスイングピン120が収容されている。また、収容凹部38の底面には、ガイド溝39が形成されている。このガイド溝39には、図26(A)に示されるように、スイングピン120の先端部120Aにある係合ピン122が挿入されている。そして、ガイド溝39は、ホルダ40のケース軸方向の移動に際して、スイングピン120の係合ピン122をガイドする。より具体的には、ホルダ40をケース30の奥(ケース軸方向の他端側)に押し込むと、ガイド溝39は、係合ピン122をガイド溝39の途中に形成された係合部39Aまでガイドする。そして、図26(B)に示されるように、スイングピン120の係合ピン122が係合部39Aに係合する(引っ掛かる)と、ホルダ40のケース30に対するケース軸方向ADの移動が制限される。なお、係合ピン122が係合部39Aに係合した状態で、ホルダ40をケース30の奥に再度押し込むと、係合ピン122が係合部39Aから外れるようになっている。なお、本実施形態では、ガイド溝39の途中に係合ピン122が係合する係合部を一箇所形成しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ガイド溝39の途中に係合ピン122が係合する係合部を複数箇所に形成してもよい。このような構成とすることで、ホルダ40をケース30に対してケース軸方向の複数位置で拘束することができる。
【0038】
なお、本実施形態のケース30は、樹脂の一体成形品であるが、本発明はこれに限定されない。
【0039】
(ホルダ40)
ホルダ40は、カップホルダ20の保持対象物Hを保持する部分である。このホルダ40は、図19及び図22に示されるように、ケース30内にケース軸方向ADに移動可能に収容されている。なお、本実施形態では、ホルダ40は、図18図20に示される位置(上位置)と図21図23に示される位置(下位置)との間を移動可能とされている。
【0040】
ホルダ40は、図1図19及び図22に示されるように、保持部41と回転部45とを有している。なお、保持部41は、ホルダ40の上部を構成し、回転部45はホルダ40の下部を構成している。また、ホルダ40を構成する保持部41と回転部45は、それぞれ別体とされている。
【0041】
保持部41は、図1及び図3に示されるように、ホルダ40の保持対象物Hを保持する部分である。そして、保持部41は、ケース軸方向ADに沿って移動するように構成されている。この保持部41は、保持対象物Hが載せられる円板状の底部42と、底部42の周縁部から立ち上がる周壁部43とを有している。すなわち、保持部41は、有底円筒状とされている。
【0042】
保持部41の下面(底部42の下面)42Aには、下端側に向けて突出する円筒部42Bが形成されている。この円筒部42Bの中心軸は、底部42の中心軸と一致している。この円筒部42Bは、後述する回転部45の貫通孔45Aを貫通している。
【0043】
保持部41の外面(周壁部43の外面)43Aには、一対のガイド部44と、取付部41Aと、取付部41Bとが設けられている。
【0044】
一対のガイド部44は、図3及び図4に示されるように、周壁部43の軸方向(ホルダ40の軸方向と同じ)に沿って延びる突状部であり、ケース30の一対のガイド溝36内にそれぞれ挿入されている。このガイド部44は、ガイド溝36によってケース軸方向ADへの移動がガイドされる。なお、本実施形態では、ホルダ40の軸方向とケース30の軸方向は一致している。
【0045】
取付部41Aは、図4に示されるように、保持部41の内面(周壁部43の内面)43Bに設けられた凹状部であり、ギアダンパ110のハウジング114が収容されて取り付けられている。この取付部41Aの底面(周壁部43の一部)には、ギア112が通り抜ける貫通孔41Cが設けられている。取付部41Aにギアダンパ110のハウジング114を取り付けた状態では、ギア112が周壁部43の外側に位置し、ラック部37Bの歯部37Cと噛み合う。
【0046】
取付部41Bは、図3に示されるように、保持部41の外面43Aに設けられた円筒状部であり、スイングピン120のリング状に形成された基端部120Bが外装されている。この取付部41Bによってスイングピン120が基端部120Bを中心として回転可能に支持されている。
【0047】
回転部45は、図1図3及び図4に示されるように、ホルダ40のケース軸方向ADに延びる回転軸を中心にして回転する部分である。具体的には、回転部45は、保持部41の円筒部42Bを回転軸として回転する。
【0048】
回転部45は、図7及び図8に示されるように、中心部に貫通孔45Aを有しており、この貫通孔45Aに保持部41の円筒部42Bが挿入されている。
【0049】
この回転部45は、上ハウジング46と、下ハウジング47とを有している。また、回転部45の内側(内部空間)には、ギア70及び付与部材80が収容されている。この回転部45の内部空間は、上ハウジング46と、下ハウジング47とを組み立てることで形成されている。
【0050】
上ハウジング46は、図15図17に示されるように、天井がある円筒状とされており、天井部46Aから下方に向けて突出する円形の回転軸48を備えている。この回転軸48は、回転部45において、ギア70の内側に挿入されてギア70を回転支持する部分である。また、回転軸48の中心軸は、回転部45の回転中心に対して偏心している。すなわち、回転軸48の中心軸と円筒部42Bの中心軸は一致していない。
【0051】
下ハウジング47は、図7図9に示されるように、有底筒状(底がある筒状)とされている。この下ハウジング47の筒状部47Aの外面47Bには、後述する被ガイド部50が設けられている。
【0052】
(被ガイド部50)
被ガイド部50は、図8及び図9に示されるように、ホルダ40の外面(筒状部47Aの外面)47Bに設けられた部分であり、後述するガイド部60でガイドされる部分である。
【0053】
被ガイド部50は、ホルダ40の外面47Bからケース30の内面に向けて突出し、ガイド部60に接触する突起である。具体的には、被ガイド部50は、外面47Bから突出し、ホルダ40の周方向(ケース周方向と同じ)に対して斜めに延びている。そして、被ガイド部50の下面50Aがガイド部60に接するようになっている。この被ガイド部50は、ケース30のガイド部60に対応した位置にそれぞれ設けられている。具体的には本実施形態のカップホルダ20では、ガイド部60と被ガイド部50は、それぞれ3つずつ設けられている。すなわち、被ガイド部50は、ホルダ40の周方向に等間隔で3箇所に形成されている。
【0054】
(ガイド部60)
ガイド部60は、図13に示されるように、ケース30の内面32Aに設けられた部分であり、被ガイド部50をガイドする部分である。
【0055】
ガイド部60は、ケース30の内面32Aからケース30の中心に向けて突出し、被ガイド部50に接触する突条部である。このガイド部60は、内面32Aから突出し、ケース周方向に対して斜めに延びている(図11図14参照)。そして、ガイド部60の上面60Aが被ガイド部50の下面50Aに接するようになっている。なお、ガイド部60の上面60Aと被ガイド部50の下面50Aは面接触するように構成されている。具体的には、下面50Aが上面60Aに沿った形状とされている。これにより、上面60Aと下面50Aとが面接触する。
【0056】
また、ガイド部60は、ケース30の内面32Aにケース周方向に等間隔で複数設けられている。具体的には、ガイド部60は、ケース30の内面32Aに3つ設けられている。そして、ガイド部60は、ケース30に対するホルダ40のケース軸方向への移動にともない被ガイド部50の移動をガイドする。
【0057】
(ギア70)
ギア70は、図5図6及び図16に示されるように、ホルダ40に取り付けられてケース軸方向に延びる回転軸を中心に回転する部材である。具体的には、ギア70は、回転部45の内側に収容され、回転軸48によって回転可能に支持されている。このギア70は、円環状部72と、円環状部72の外周に間隔をあけて形成された複数の歯部74とを有している。すなわち、本実施形態のギア70は、平歯車である。そして、円環状部72の内側に回転軸48が挿入されている(嵌め込まれている。)。なお、回転軸48の先端には、円環状部72の抜け止め防止機構が設けられている。
【0058】
(付与部材80)
付与部材80は、図16及び図27に示されるように、ギア70に回転力を付与する部材である。本実施形態の付与部材80は、ねじりばねであり、回転軸48に外装されている。具体的には、付与部材80の一端(ねじりばねの一端)が回転軸48に取り付けられ、付与部材80の他端(ねじりばねの他端)がギア70に取り付けられている。このため、ギア70を回転すると、ねじりばねである付与部材80に反発力が蓄積される。また、ねじりばねである付与部材80は、ギア70の内側(円環状部72の内側)に収容されている。言い換えると、付与部材80は、円環状部72の内側で且つ回転軸48の外側に配置されている。
【0059】
(ラック部90)
ラック部90は、図13図14及び図26に示されるように、カップホルダ20のギア70と噛み合う部分である。
【0060】
ラック部90は、ケース30の内面32Aに設けられ、ギア70と噛み合うと共に歯部92がケース周方向に間隔をあけて形成されている。このラック部90の歯部92は、ケース30の内面32Aからケース30の中心に向けて突出する突部である。また、歯部92は、ケース軸方向に延びている。なお、本実施形態では、ギア70の移動軌跡に対応する部分にラック部90の歯部92を設けている。
【0061】
また、カップホルダ20は、カバー部材100をさらに備えている。
【0062】
(カバー部材100)
カバー部材100は、図1及び図2に示されるように、カップホルダ20において、ケース30の開口部33を覆う部分である。
【0063】
カバー部材100は、図19及び図22に示されるように、筒状部102と、フランジ部104とを有している。筒状部102は、円筒状とされており、ホルダ40の周壁部43の内側に挿入されている。そして、フランジ部104は、筒状部102の上端部から径方向外側へ張り出して、ケース30の開口部33を覆っている。また、フランジ部104には、ケース30の取付孔35Aに挿入される円筒部105が形成されている。この円筒部105を取付孔35Aに挿入した状態で、取付孔35Aの下側から円筒部105の内側に捩じ込まれたねじ部材によってフランジ部104とフランジ部35とが締結されている。言い換えると、ケース30にカバー部材100が取り付けられている。
【0064】
また、カップホルダ20は、ギアダンパ110と、スイングピン120とをさらに備えている。
【0065】
(ギアダンパ110)
ギアダンパ110は、図25に示されるように、ラック部37Bの歯部37Cに噛み合う歯部112Aを有するギア112と、ギア112を回転支持し、ホルダ40の保持部41に設けられた取付部41Aに取り付けられるハウジング114とを備えている。このハウジング114内には、粘性流体(例えば、シリコンオイル等)が充填されており、ギア112の回転には、粘性流体による粘性抵抗が作用するようになっている。このため、ギアダンパ110のギア112には、粘性抵抗による減衰力が作用し、ギア112は静かに回動する。
【0066】
(スイングピン120)
スイングピン120は、図26に示されるように、ホルダ40の保持部41の外面に形成された円筒状の取付部41Bによって基端部120Bが回転可能に支持されている。また、スイングピン120の先端部120Aには、ガイド溝39に向けて突出してガイド溝39に入り込む係合ピン122が形成されている。このスイングピン120は、基端部120Bを回転中心にして係合ピン122がガイド溝39にガイドされ、係合ピン122がガイド溝39の途中にある係合部39Aに到達することで、係合部39Aと係合する。そして、係合ピン122が係合部39Aに係合することで、ホルダ40のケース30に対するケース軸方向ADの移動が制限される。
【0067】
次に本実施形態の作用について説明する。
カップホルダ20では、付与部材80から回転力が付与されたギア70が回転軸48を中心に回転すると、ギア70がラック部90上を移動する。具体的には、ギア70の歯部74がラック部90の歯部92に噛み合いながら回転する。このとき、ギア70は、回転軸48がケース軸方向に沿って延びていることから、ケース軸方向に対して横向きに回転する。そして、ギア70の回転によるラック部90上の移動にともないホルダ40の回転部45が保持部41の円筒部42Bを回転軸としてケース30内で回転する。なお、回転部45の回転もギア70と同様に横向きの回転である。ここで、ホルダ40の回転部45の回転は、被ガイド部50がガイド部60によってガイドされることで、ケース軸方向ADへの移動力に変換される。このようにカップホルダ20では、付与部材80からギア70に付与された回転力が、ホルダ40をケース軸方向ADへ移動させる移動力へ変換されるため、例えば、ギアに回転力を付与する部材を設けない構成と比べて、保持対象物Hの保持高さの変更が容易になる。
【0068】
また、カップホルダ20では、回転軸48を中心に回転するギア70が、ラック部90の歯部92に噛み合うため、例えば、ラック部の歯部がケース軸方向に間隔をあけて形成される構成ようにギアとラックとの間にギアからラック部への力伝達用に他のギアを設ける必要がなく、小型化を図ることができる。これにより、カップホルダ20は、省スペースで設置可能となる。
【0069】
また、カップホルダ20では、ラック部90の歯部92がケース30の内面32Aからケース30の中心に向けて突出する突部であることから、例えば、ケース内面に形成した隣接する凹部間の部分を歯部とする構成と比べて、ケース30の厚みを全体として薄くすることができる。これにより、カップホルダ20では、ケース30の薄肉化により、軽量化及び材料削減を図ることができる。
【0070】
また、カップホルダ20では、付与部材80がギア70の内側に収容されていることから、例えば、付与部材80がギアの外側に配置されている構成と比べて、ギア70周りのスペースを有効に利用できる。
【0071】
また、カップホルダ20では、付与部材80としてねじりばねを用いるため、例えば、付与部材80としてつるまきばねを用いる構成と比べて、ホルダ40のケース軸方向の位置毎の荷重操作の差を小さくできるため、ケース30に対してホルダ40を移動させる操作が容易になる。
【0072】
また、カップホルダ20では、ガイド部60がケース30の内面32Aから該ケース30の中心に向けて突出していることから、例えば、ガイド部60を内面32Aに形成した溝部とした構成と比べて、ケース30の厚みを全体として薄くすることができる。これにより、カップホルダ20では、ケース30の薄肉化により、軽量化及び材料削減を図ることができる。
【0073】
また、カップホルダ20では、ガイド部60と被ガイド部50とが面接触していることから、例えば、ガイド部と被ガイド部が線接触する構成と比べて、被ガイド部50がガイド部60にガイドされるときのガタ付きが抑制される。これにより、上記カップホルダ20では、ホルダ40がケース30に対してスムーズに移動できる。
【0074】
カップホルダ20では、ガイド部60がケース30にケース周方向に等間隔で設けられ、被ガイド部50がホルダ40のガイド部60に対応した位置にそれぞれ設けられていることから、例えば、ガイド部及び被ガイド部が一組の構成と比べて、ホルダ40の回転動作が安定する。これにより、カップホルダ20では、ホルダ40がケース30に対してスムーズに移動できる。なお、ガイド部60と被ガイド部50の組み合わせは3組とすることがホルダ40の回転動作の安定性の観点で好ましい。
【0075】
カップホルダ20では、ホルダ40が底部42と周壁部43を有することから、保持対象物Hが液体容器であり、この液体容器から液体がこぼれたとしても、ホルダ40で液体を受け止めることができる。このため、ホルダ40を移動させる機構が濡れることによる不具合の発生を抑制することができる。さらに、上記カップホルダ20では、ケース30の開口部33を覆うようにカバー部材100を設けており、このカバー部材100のフランジ部35によってホルダ40の周壁部43の上端部43Cが覆われている。このため、ケース30の内面32Aとホルダ40の外面43Aとの間の隙間に液体や固形物が入るのが抑制される。これにより、ホルダ40を移動させる機構に不具合が発生するのをさらに抑制することができる。
なお、本実施形態のカップホルダ20では、ホルダ40で液体を受け止めることができるため、こぼれた液体の排出路や機構に不具合を生じた場合の保守用の取り外し機構などをカップホルダ20に設ける必要がなく、省スペース化を図ることができる。また、カップホルダ20をケース30の開口部33側から見た場合に、ホルダ40の周壁部43の上端部43Cがカバー部材100によって覆われる(目隠しされる)ため、見栄えが良くなる。
【0076】
また、カップホルダ20では、回転部45が回転軸である円筒部42Bを中心に回転すると、回転部45の被ガイド部50がガイド部60にガイドされて保持部41と共にケース軸方向ADに移動する。このとき、保持対象物Hを保持する保持部41は、回転部45と共に回転せずに、回転部45のケース軸方向ADの移動にともなってケース軸方向ADに沿って移動する。このように、カップホルダ20では、ホルダ40のケース軸方向ADの移動時に、保持部41が回転部45と共に回転しないため、保持部41で保持する保持対象物Hの向きをホルダ40のケース軸方向ADの移動の前後で同じ向きに維持できる。
【0077】
以上より、本実施形態のカップホルダ20は、保持対象物Hの保持高さの変更が容易で且つ省スペースで設置することが可能となる。
【0078】
前述の実施形態では、ラック部90の歯部92がケース30の内面32Aから突出する構成としているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ケース30の内面32Aにギア70の歯部72が挿入される凹部をケース周方向に間隔をあけて形成し、ケース30の隣接する凹部間の部分をラック部の歯部としてもよい。
【0079】
前述の実施形態では、ガイド部60をケース30の内面32Aから突出する突条部としているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ガイド部をケース30の内面32Aに形成された溝状部とし、この溝状部に沿ってホルダ40の被ガイド部50がガイドされてもよい。また、ガイド部60をケース30の内面32Aから突出する突起とし、被ガイド部50をホルダ40の外面に設けられて溝状部としてもよい。
【0080】
前述の実施形態では、被ガイド部50とガイド部60とを面接触させているが、本発明はこれに限定さない。例えば、被ガイド部50とガイド部60とを線接触させる構成としてもよい。具体的には、被ガイド部を円形のころとして、ガイド部60に沿ってころを回転移動させる構成としてもよい。
【0081】
前述の実施形態では、被ガイド部50とガイド部60をケース周方向に間隔をあけて複数設けているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ガイド部60をケース30の内面32Aに螺旋状に形成し、この螺旋状のガイド部60で複数の被ガイド部をガイドする構成としてもよい。
【0082】
前述の実施形態では、付与部材80がギア70の内側に収容されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、付与部材80をギア70の外側に配置してもよい。
【0083】
前述の実施形態では、ホルダ40を構成する保持部41と回転部45をそれぞれ別体としているが、本発明はこれに限定されない。例えば、ホルダ40を構成する保持部41と回転部45を一体としてもよい。この場合には、ギア70の回転にともなってホルダ40全体が回転する。
【0084】
前述の実施形態では、カバー部材100の筒状部102を円筒状としているが、本発明これに限定されない。例えば、筒状部102の内側を、保持対象物Hの形状などに応じて異ならせてもよい。また、図28図30に示されるように、ホルダ40に板バネ130の基端130Aを取り付け、自由端130B側でカバー部材100の内側に配置された弾性シート132を介して保持対象物Hを保持する構成としてもよい。
【0085】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0086】
20 カップホルダ
30 ケース
32 筒状部
33 開口部
34 底部
36 フランジ部
40 ホルダ
41 保持部
42 底部
43 周壁部
45 回転部
50 被ガイド部
52 被ガイド面
60 ガイド部
62 ガイド面
70 ギア
72 円盤部
74 歯部
80 付与部材
90 ラック部
92 歯部
100 カバー部材
102 筒状部
104 フランジ部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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