(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】コンピュータで実行される見積もり方法、見積もり装置、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20231219BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20231219BHJP
G06F 30/10 20200101ALI20231219BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06T7/00 350B
G06F30/10 200
(21)【出願番号】P 2020568293
(86)(22)【出願日】2019-06-13
(86)【国際出願番号】 CN2019091122
(87)【国際公開番号】W WO2020007177
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】201810731140.4
(32)【優先日】2018-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】フー ションガン
(72)【発明者】
【氏名】ホウ ジャン
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-164274(JP,A)
【文献】特開2018-081401(JP,A)
【文献】特開2018-073087(JP,A)
【文献】特開2009-048244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06T 7/00
G06F 30/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータで実行される見積もり方法であって、
ローカルメモリまたはクラウドメモリから、または無線ネットワークに基づく無線デバイスを介して、製品の構造パラメータと電気的パラメータとを取得するステップと、
前記コンピュータにインストールされている作図ソフトウェアを用いて、前記製品の構造パラメータにより前記製品の外観図を作成
するステップであって、前記外観図は、前記製品の形状、サイズ、材質、および外観デザインのパラメータにより構成されて、前記外観図は、同じ縮尺で描かれた前記製品の六面図または三次元の立体構造図であり、
前記製品の前記外観図に対して、信号変換およびノイズ低減の前処理を実行するステップと、
前記製品の前記外観図を検出し、前記製品の外観図内の構造的特徴を抽出するステップと、
再帰的特徴除去アルゴリズムに基づいて、前記コンピュータにアクセス可能なデータベースから取得された過去製品の外観図内の構造的特徴と、前記製品の前記外観図内の構造的特徴との間の類似性を、分類器を用いてランク付けして、構造的特徴の類似性のランキングを取得するステップと、
前記製品の電気的パラメータと
前記過去製品の電気的パラメータとに対して、類似性を比較して、電気的パラメータの類似性のランキングを取得するステップと、
前記過去製品に基づく構造部材及び電気素子のコストの重みと、外観の類似性のランキングと、電気的パラメータの類似性のランキングとに基づいて、構造パラメータと電気的パラメータとに基づく総合的なランキングを取得するステップと、
前記総合的なランキングに基づいて、前記製品の部品表を決定し、前記製品の部品表に基づいて、前記製品の見積もりを算出するステップと、を含む、
コンピュータで実行される見積もり方法。
【請求項2】
製品の外観図に対して、信号変換とノイズ低減の前処理を実行するステップをさらに含む、
請求項
1に記載のコンピュータで実行される見積もり方法。
【請求項3】
製品の外観図を検出するステップは、
製品の外観図においてスキャンサブウィンドウを移動するステップと、
スキャンサブウィンドウが移動中に決定された製品の外観図における位置ごとに、該位置の構造的特徴を算出するステップと、を含む、
請求項
1に記載のコンピュータで実行される見積もり方法。
【請求項4】
再帰的特徴除去アルゴリズムに基づいて、過去製品の外観図における構造的特徴と製品の外観図における構造的特徴に対して、類似性にランク付けるステップは、
構造的特徴に対応するパラメータ値を座標値に変換し、初期特徴配列を取得するステップと、
各構造的特徴に対応する重みを算出し、
【数1】
(ただし、wは、構造的特徴に対応する重みであり、mは、該構造的特徴を持つ過去製品の総数であり、α
iは、重み比であり、(x
i,y
i)は、画像の構造的特徴を表すための座標値である)の式で前記重みを算出するステップと、
各構造的特徴に対応する重みに基づいて、各構造的特徴に対応する配列スコアを、c
j=(w
j)
2;(ただし、w
jがj番目の構造的特徴に対応する重みであり、c
jがj番目の構造的特徴に対応する配列スコアである)の式で算出するステップと、
最小の配列スコアを持つ特徴を初期特徴配列から除去し更新することにより、新しい特徴配列を取得するステップと、
前記特徴配列に特徴が1つのみ含むことになるまで上記の循環プロセスを繰り返し、特徴の除去順番に基づいて、構造的特徴の類似性のランキングを取得するステップと、を含む、
請求項
1に記載のコンピュータで実行される見積もり方法。
【請求項5】
検出対象構造的特徴を含むポジティブサンプルと、検出対象構造的特徴を含まないネガティブサンプルと、を含むトレーニングサンプルデータにより、ナレッジベース又は制限条件に基づいて、前記分類器をトレーニングするステップをさらに含む、
請求項
1に記載のコンピュータで実行される見積もり方法。
【請求項6】
製品の電気的パラメータと過去製品の電気的パラメータとに対して、類似性を比較して、電気的パラメータの類似性のランキングを取得するステップは、
過去製品における、製品の電気的パラメータと同じな電気的パラメータの数を決定するステップと、
同じである電気的パラメータの数に基づいて、過去製品をランク付けるステップと、を含む、
請求項1に記載のコンピュータで実行される見積もり方法。
【請求項7】
前記過去製品に基づく構造部材及び電気素子のコストの重みと、外観の類似性のランキングと、電気的パラメータの類似性のランキングとに基づいて、構造パラメータと電気的パラメータとに基づく総合的なランキングを算出して取得するステップは、
構造部材と電気素子のコストの重みとに基づいて、外観の類似性のランキングと電気的パラメータの類似性の重みとを決定するステップと、
前記外観の類似性のランキングと電気的パラメータの類似性の重みとに基づいて、構造パラメータと電気的パラメータとに基づく総合的なランキングを算出して取得するステップと、を含む、
請求項1に記載のコンピュータで実行される見積もり方法。
【請求項8】
前記製品の部品表を決定するステップは、
前記製品の構造パラメータと電気的パラメータとに基づいて、製品の部品表を調整し、製品の構造パラメータと電気的パラメータとを満たす製品の部品表を取得するステップさらに含む、
請求項1に記載のコンピュータで実行される見積もり方法。
【請求項9】
前記製品の見積りは、製品の見積り=Σ(部品のコスト)×処理レート×その他のレート、の式で算出され、
ただし、部品のコストは、前記製品の部品表に基づいて算出して得られ、処理レートとその他のレートとは、企業資源計画システムから得られる、
請求項1に記載のコンピュータで実行される見積もり方法。
【請求項10】
ローカルメモリまたはクラウドメモリから、または無線ネットワークに基づく無線デバイスを介して、製品の構造パラメータと電気的パラメータとを取得するように構成されるパラメータ取得ユニットと、
コンピュータにインストールされている作図ソフトウェアを用いて、前記製品の構造パラメータにより前記製品の外観図を作成し、
前記製品の前記外観図に対して、信号変換およびノイズ低減の前処理を実行し、前記製品の前記外観図を検出して、前記製品の外観図内の構造的特徴を抽出し、再帰的特徴除去アルゴリズムに基づいて、前記コンピュータにアクセス可能なデータベースから取得された過去製品の外観図内の構造的特徴と、前記製品の前記外観図内の構造的特徴との間の類似性を、分類器を用いてランク付けして、構造的特徴の類似性のランキングを取得するように構成される外観類似性のランキングユニットと、
前記外観図は、前記製品の形状、サイズ、材質、および外観デザインのパラメータにより構成され、
前記外観図は、同じ縮尺で描かれた前記製品の六面図または三次元の立体構造図であり、
前記製品の電気的パラメータと過去製品の電気的パラメータとに対して、類似性を比較して、電気的パラメータの類似性のランキングを取得するように構成される電気的パラメータ類似性のランキングユニットと、
前記過去製品に基づく構造部材及び電気素子のコストの重みと、外観の類似性のランキングと、電気的パラメータの類似性のランキングとに基づいて、構造パラメータと電気的パラメータとによる総合的なランキングを取得するように構成される総合的なランキングユニットと、
前記総合的なランキングに基づいて、前記製品の部品表を決定し、前記製品の部品表に基づいて、前記製品の見積もりを算出するように構成される製品見積もりユニットと、を備える、
見積もり装置。
【請求項11】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリと、を備え、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、請求項1
に記載のコンピュータで実行される見積もり方法を前記少なくとも1つのプロセッサに実行させることができる、
電子機器。
【請求項12】
命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
プロセッサによって前記命令が実行されるとき、請求項1
に記載のコンピュータで実行される見積もり方法を前記プロセッサに実行させる、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製品の見積もり方法技術分野に関し、特にコンピュータで実行される見積もり方法、見積もり装置、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、よく用いられるB2B製品の見積もり過程(例えば、ディスプレイ製品)は、まず、顧客から製品の外観と電気仕様に関連する要求事項を提出し、続いて、企業の業務担当者が顧客のニーズを分析することによって、研究開発員と実行の可能性を確認した後、製品の外観仕様に基づいて、ソフトウェアツールで製品の外観図を作成する。最後に、業務担当者と研究開発員とが協力し、経験に基づいて類似した過去製品を選択し、そのBOMコスト(Bill of Material、部品表)を決定し、その他のコストに影響を与える要素を加えて、総合的な製品の見積もりを算出する。しかしながら、現在用いられる製品の見積もり方法は、研究開発エンジニアへの依存性が大きすぎるだけでなく、このような選択方法はすべての過去製品をトラバースすることが困難であるので、見積もり周期が長すぎるという問題を引き起こし、必ず製品の見積もり正確さに悪影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様によれば、製品の構造パラメータと電気的パラメータとを取得するステップと、製品の構造パラメータにより前記製品の外観図を作成し、前記製品の外観図と過去製品の外観図とに対して、類似性を比較して、外観の類似性のランキングを取得するステップと、製品の電気的パラメータと過去製品の電気的パラメータとに対して、類似性を比較して、電気的パラメータの類似性のランキングを取得するステップと、構造部材及び電気素子のコストの重みと、外観の類似性のランキングと、電気的パラメータの類似性のランキングとに基づいて、構造パラメータと電気的パラメータとに基づく総合的なランキングを取得するステップと、前記総合的なランキングに基づいて、前記製品の部品表を決定し、前記製品の部品表に基づいて、前記製品の見積もりを算出するステップと、を含むコンピュータで実行される見積もり方法を提供する。
【0004】
本開示の実施例によれば、前記製品の外観図と過去製品の外観図とに対して、類似性を比較して、外観の類似性のランキングを取得するステップは、製品の外観図を検出して、製品の外観図における構造的特徴を抽出するステップと、分類器により、過去製品の外観図における構造的特徴と製品の外観図における構造的特徴に対して、類似性にランク付け、外観の類似性のランキングを取得するステップと、を含む。
【0005】
本開示の実施例によれば、前記見積もり方法は、製品の外観図に対して、信号変換とノイズ低減の前処理を実行するステップをさらに含む。
【0006】
本開示の実施例によれば、製品の外観図を検出するステップは、製品の外観図においてスキャンサブウィンドウを移動するステップと、スキャンサブウィンドウが移動中に決定された製品の外観図における位置ごとに、該位置の構造的特徴を算出するステップと、を含む。
【0007】
本開示の実施例によれば、分類器により、過去製品の外観図における構造的特徴と製品の外観図における構造的特徴に対して、類似性にランク付けるステップは、分類器により、再帰的特徴除去アルゴリズムに基づいて、過去製品の外観図における構造的特徴と製品の外観図における構造的特徴に対して、類似性にランク付けるステップを含む。
【0008】
本開示の実施例によれば、再帰的特徴除去アルゴリズムに基づいて、過去製品の外観図における構造的特徴と製品の外観図における構造的特徴に対して、類似性にランク付けるステップは、構造的特徴に対応するパラメータ値を座標値に変換し、初期特徴配列を取得するステップと、各構造的特徴に対応する重みを算出し、次の式で前記重みを算出するステップであって、
【0009】
【0010】
ただし、wは、構造的特徴に対応する重みであり、mは、該構造的特徴を持つ過去製品の総数であり、αiは、重み比であり、(xi,yi)は、画像の構造的特徴を表すための座標値である、ステップと、各構造的特徴に対応する重みに基づいて、各構造的特徴に対応する配列スコアを、次の式で算出するステップであって、cj=(wj)2;ただし、wjは、j番目の構造的特徴に対応する重みであり、cjは、j番目の構造的特徴に対応する配列スコアである、ステップと、初期特徴配列から最小の配列スコアを持つ特徴を除去して更新し、新しい特徴配列を取得するステップと、前記特徴配列に特徴が1つのみ含むようになるまで、上記の循環プロセスを繰り返し、特徴の除去序に基づいて、構造的特徴の類似性のランキングを取得するステップと、を含む。
【0011】
本開示の実施例によれば、前記見積もり方法は、トレーニングサンプルデータを使用して、ナレッジベース又は制限条件に基づいて、前記分類器をトレーニングするステップをさらに含み、前記トレーニングサンプルデータは、ポジティブサンプルとネガティブサンプルとを含み、前記ポジティブサンプルは、検出対象構造的特徴を含むサンプルであり、前記ネガティブサンプルは、検出対象構造的特徴を含まないサンプルである。
【0012】
本開示の実施例によれば、前記外観図には、製品の形状と、サイズと、材質と、外観設計パラメータとが含まれ、また前記外観図は、同じ縮尺で描かれた製品の6面図である。
【0013】
本開示の実施例によれば、製品の電気的パラメータと過去製品の電気的パラメータとに対して、類似性を比較して、電気的パラメータの類似性のランキングを取得するステップは、過去製品における、製品の電気的パラメータと同じである電気的パラメータの数を決定するステップと、同じである電気的パラメータの数に基づいて、過去製品に対して、ランク付けしたリストを作成するステップと、を含む。
【0014】
本開示の実施例によれば、構造部材及び電気素子のコストの重みと、外観の類似性のランキングと、電気的パラメータの類似性のランキングとに基づいて、構造パラメータと電気的パラメータとに基づく総合的なランキングを算出して取得するステップは、構造部材と電気素子のコストの重みとに基づいて、外観の類似性のランキングと電気的パラメータの類似性の重みとを決定するステップと、前記外観の類似性のランキングと電気的パラメータの類似性の重みとに基づいて、構造パラメータと電気的パラメータとに基づく総合的なランキングを算出して取得するステップと、を含む。
【0015】
本開示の実施例によれば、前記製品の部品表を決定するステップは、前記製品の構造パラメータと電気的パラメータとに基づいて、製品の部品表を調整し、製品の構造パラメータと電気的パラメータとを満たす製品の部品表を取得するステップさらに含む。
【0016】
本開示の実施例によれば、前記製品の見積りは、次の式で算出され、
製品の見積り=Σ(部品のコスト)×処理レート×その他のレート、ここで、部品のコストは、前記製品の部品表に基づいて算出して得られ、処理レートとその他のレートとは、企業資源計画システムから得られる。
【0017】
本開示のもう一つの態様によれば、前記製品の構造パラメータと電気的パラメータとを取得するように構成されるパラメータ取得ユニットと、製品の構造パラメータにより前記製品の外観図を作成し、前記製品の外観図と過去製品の外観図とに対して、類似性を比較して、外観の類似性のランキングを取得するように構成される外観の類似性のランキングユニットと、製品の電気的パラメータと過去製品の電気的パラメータとに対して、類似性を比較して、電気的パラメータの類似性のランキングを取得するように構成される電気的パラメータの類似性のランキングユニットと、構造部材及び電気素子のコストの重みと、外観の類似性のランキングと、電気的パラメータの類似性のランキングとに基づいて、構造パラメータと電気的パラメータとに基づく総合的なランキングを取得するように構成される総合的なランキングユニットと、前記総合的なランキングに基づいて、前記製品の部品表を決定し、前記製品の部品表に基づいて、前記製品の見積もりを算出するように構成される製品見積もりユニットと、を備える見積もり装置をさらに提供する。
【0018】
本開示のさらにもう一つの態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、前記少なくとも1つのプロセッサと通信接続されるメモリと、を備え、前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記少なくとも1つのプロセッサが前述のようなコンピュータで実行される見積もり方法を実行することができる電子機器をさらに提供する。
【0019】
本開示のさらにもう一つの態様によれば、前記命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記命令がプロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサが前述のようなコンピュータで実行される見積もり方法を実行するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】本開示の実施例によるコンピュータで実行される見積もり方法を示すフローチャート模式図である。
【
図1B】本開示により提供されるコンピュータで実行される見積もり方法を示すフローチャート模式図である。
【
図2】本開示により提供されるコンピュータで実行される見積もり方法を示すブロック図である。
【
図3】本開示により提供される特徴抽出及び分類器トレーニングを示す図である。
【
図4】本開示により提供される特徴配列算出を示す図である。
【
図5】本開示により提供される見積もり装置を示す概略構成図である。
【
図6】本開示により提供される見積もり方法を実行する機器のハードウェア構成を示す図である。
【
図7】本開示により提供される例示的な算出装置のアーキテクチャを示す図である。
【
図8】本開示により提供される記憶媒体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の目的、技術的解決手段及びメリットをさらに明確にするために、以下において本発明の具体的な実施例と共に、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、本開示で使用されるすべての「第1」、「第2」用語は、同じである名称が2つの同じであるエンティティーやパラメータではないことを区別するためのものに過ぎない。したがって、「第1」、「第2」という用語は、単に表現を便利にするためだけのものであり、限定的な意味に解釈されてはならず、以下の各実施例はこれと同様であるため、詳細な説明が省略される。
【0022】
本発明の目的は、製品の見積もりを迅速かつ正確に実現することができ、研究開発エンジニアへの依存を大幅に低減し、製品の見積もりに要する人力物力コストをさらに低減することができるコンピュータで実行される見積もり方法、見積もり装置及び電子機器を提供することである。
【0023】
図1Aは、本開示の実施例によるコンピュータで実行される見積もり方法を示すフローチャート模式図である。前記見積もり方法は、製品の見積もりを実現することができる。前記製品は、見積もりを提供する必要がある新製品であると、本開示の見積もり方法によれば、コンピュータが前記製品(即ち、新製品)の構造パラメータと、電気的パラメータと、過去製品のパラメータとを結合して製品の見積もりを算出することができ、見積もりレート、正確度を向上させるとともに、人工見積もりの人力物力の消費を回避した。
【0024】
まず、ステップS101において、製品の構造パラメータと電気的パラメータとを取得する。例えば、製品に対する顧客のニーズに基づいて製品に対応する構造パラメータと電気的パラメータとを取得することができる。ここで、前記構造パラメータは、製品の構造設計に関するパラメータであり、例えば、テレビを例にとると、その構造パラメータは、前面枠、スクリーン、背面筐体、ボタン、ブラケット、スタンドなどの複数の主要材料、及び形状、サイズ、材質、外観などの各主要材料に関する属性パラメータに区分することができる。前記電気的パラメータは、製品の電気設計に関するパラメータであり、例えば、ディスプレイ製品を例にとると、その電気パラメータは、ディスプレイ製品の液晶パネルのコア技術、硬度、輝度、ボードパワー、サイズなどが含まれる。また、ある製品に対応するいくつかのパラメータは、構造パラメータ及び電気的パラメータのいずれも属しなく、または、構造パラメータ及び電気的パラメータの特徴を同時に有する可能性があり、この場合、統一的な区分を達成するために、構造パラメータまたは電気的パラメータの一方に予め分類されることができる。例えば、前記取得プロセスは、ユーザーが入力デバイスを介してコンピュータなどのプロセッサに前記構造パラメータ及び電気的パラメータを入力することに対応することができる。前記コンピュータは、前記パラメータを受信した後には、ローカルやグラウンドのメモリに記憶することができる。または、前記コンピュータは、無線デバイスを介して無線ネットワークに基づいて前記パラメータを取得することもできる。
【0025】
次に、ステップS102において、製品の構造パラメータにより製品の外観図を作成し、前記製品の外観図と過去製品の外観図とに対して、類似性を比較して、外観の類似性のランキングを取得する。例えば、前記コンピュータは、製品の構造パラメータに基づいて、コンピュータにインストールされている作図ソフトウェアで製品の外観図を作成することができる。前記過去製品の外観図は、コンピュータアクセス可能なデータベースなどに格納されてもよい。ここで、製品の外観図は、製品の大きさ、外部構造、色、デザイン、形状などを反映した総合的な表現に用いられ、製品の品質を反映するためにも用いられる。本開示の実施例によれば、製品の構造パラメータにより作成された外観図は、同じ縮尺で描かれた製品の6面図であってもよく、その外観図で製品の形状、サイズ、材質、外観設計パラメータなどの構造パラメータを直感的に表現することが可能となる。本開示のもう一つの実施例によれば、製品の構造パラメータにより作成された外観図は、製品の形状、サイズ、材質、外観設計パラメータなどの構造パラメータを立体的に表示するための3次元立体構造図であってもよい。前記外観の類似性のランキングは、過去製品と製品との外観上の類似性を反映するために用いられ、前記外観は、構造的特徴で具現化されることができる。
【0026】
本開示の実施例によれば、前記製品の外観図を検出する前に、製品の外観図に対して、信号変換とノイズ低減の前処理を実行することができ、信号中のノイズ及び干渉要素を除去して後の認識正確さを向上させる。例えば、前記信号変換は、外観図の画像信号を電気信号に変換することを含むことができる。
【0027】
本開示の実施例によれば、前記製品の外観図と過去製品の外観図とに対して、類似性を比較して、外観の類似性のランキングを取得するステップは、製品の外観図を検出して、製品の外観図における構造的特徴を抽出するステップを含むことができる。ここで、製品の外観図を検出するステップは、製品の外観図においてスキャンサブウィンドウを移動するステップと、スキャンサブウィンドウが移動中に決定された製品の外観図における位置ごとに、該位置の構造的特徴を算出するステップと、を含む。本開示の実施例によれば、前記製品の外観図と過去製品の外観図に対して、類似性を比較して、外観の類似性のランキングを取得するステップは、分類器により、過去製品の外観図における構造的特徴と製品の外観図における構造的特徴に対して、類似性にランク付け、外観の類似性のランキングを取得するステップをさらに含むことができる。本開示の実施例によれば、分類器により、再帰的特徴除去アルゴリズムに基づいて、過去製品の外観図における構造的特徴と製品の外観図における構造的特徴に対して、類似性にランク付けることができる。
【0028】
本開示の実施例によれば、再帰的特徴除去アルゴリズムに基づいて、過去製品の外観図における構造的特徴と製品の外観図における構造的特徴に対して、類似性にランク付けるステップは、構造的特徴に対応するパラメータ値を座標値に変換し、初期特徴配列を取得するステップと、各構造的特徴に対応する重みを算出し、次の式で前記重みを算出するステップであって、
【0029】
【0030】
ただし、wは、構造的特徴に対応する重みであり、mは、該構造的特徴を持つ過去製品の総数であり、αiは、重み比であり、(xi,yi)は、画像の構造的特徴を表すための座標値である、ステップと、各構造的特徴に対応する重みに基づいて、各構造的特徴に対応する配列スコアを、次の式で算出するステップであって、cj=(wj)2;ただし、wjは、j番目の構造的特徴に対応する重みであり、cjは、j番目の構造的特徴に対応する配列スコアである、ステップと、初期特徴配列から最小の配列スコアを持つ特徴を除去して更新し、新しい特徴配列を取得するステップと、前記特徴配列に特徴が1つのみ含むようになるまで、上記の循環プロセスを繰り返し、特徴の除去序に基づいて、構造的特徴の類似性のランキングを取得するステップと、を含むことができる。
【0031】
本開示の実施例によれば、前記コンピュータで実行される見積もり方法は、トレーニングサンプルデータを使用して、ナレッジベース又は制限条件に基づいて、前記分類器をトレーニングするステップをさらに含むことができる。ここで、前記トレーニングサンプルデータは、ポジティブサンプルとネガティブサンプルとを含み、前記ポジティブサンプルは、検出対象構造的特徴を含むサンプルであり、前記ネガティブサンプルは、検出対象構造的特徴を含まないサンプルである。
【0032】
図1Aに示すように、次に、ステップS103において、製品の電気的パラメータと過去製品の電気的パラメータとに対して、類似性を比較して、電気的パラメータの類似性のランキングを取得する。ここで、製品の外観図と過去製品の外観図との比較に基づいて取得した外観の類似性のランキングは、製品の機械系部品構造的特徴に関し、これ以外に、製品のコストに影響を与える重要な要素としては、液晶パネル、内部回路の素子などをさらに含む。これらの特徴に基づいて、製品の電気的パラメータと過去製品の電気的パラメータとに対して、類似性を比較して、電気的パラメータの類似性のランキングを取得するために、製品に対応する電気パラメータのリストを作成することができる。前記電気的パラメータの類似性のランキングは、過去製品と製品との電気的パラメータ上の類似性を反映するためのものであり、ランキングが上位になるほど、該過去製品が電気的パラメータにおいて製品に近いことを表す。
【0033】
本開示の実施例によれば、先に過去製品における、製品の電気的パラメータと同じである電気的パラメータの数を決定し、同じである電気的パラメータの数に基づいて、過去製品に対して、ランク付けしたリストを作成することができる。例えば、製品における、10個の電気的パラメータを含むことができ、比較(例えば、リストに基づく)によって過去製品1における、8個の製品の電気的パラメータと同じである電気的パラメータを有し、過去製品2における、6個の製品の電気的パラメータと同じである電気的パラメータを有し、過去製品3における、5個の製品の電気的パラメータと同じである電気的パラメータを有することを決定することにより、同じである電気的パラメータの数に基づいて、過去製品に対して、ランク付けしたリストを作成することができる。取得されたランキングは、過去製品1、過去製品2、過去製品3などであってもよい。
【0034】
図1Aに示すように、次に、ステップS104において、構造部材及び電気素子のコストの重みと、外観の類似性のランキングと、電気的パラメータの類似性のランキングとに基づいて、構造パラメータと電気的パラメータとに基づく総合的なランキングを算出して取得する。構造パラメータと電気的パラメータとに基づく総合的なランキングを取得するために、外観の類似性のランキングと、電気的パラメータの類似性のランキングとを取得した後に、外観の類似性のランキングと、電気的パラメータの類似性のランキングとに基づいて、総合的なランキングを実行する必要がある。即ち、過去製品と製品との外観の類似性及び電気的パラメータの類似性を総合的に考慮する必要がある。前記構造パラメータと電気的パラメータとに基づく総合的なランキングは、構造部材(即ち、機械系部品)及び電気素子のコストの重みとに基づいて算出することができる。
【0035】
本開示の実施例によれば、構造部材と電気素子のコストの重みとに基づいて、外観の類似性のランキングと電気的パラメータの類似性の重みとを決定することができ、前記外観の類似性のランキングと電気的パラメータの類似性の重みとに基づいて、構造パラメータと電気的パラメータとに基づく総合的なランキングを算出して取得することができる。前記コストの重みは、外観の類似性のランキング及び電気的パラメータの類似性のランキングにおいて、上位にある複数の過去製品に対応する構造部材と電気素子が占めるコストの重みから平均値を求め、外観の類似性のランキングと電気的パラメータの類似性の重みとを決定し、構造パラメータと電気的パラメータとに基づく総合的なランキングを取得することができる。
【0036】
図1Aに示すように、ステップS105において、前記総合的なランキングに基づいて、前記製品の部品表を決定し、前記製品の部品表に基づいて、前記製品の見積もりを算出する。前記製品の部品表(Bill of Material、BOM)は、製品の製造をするのに要する部品の情報及び製品の構造情報である。一例を挙げると、前記総合的なランキングにおける最も上位にある過去製品の部品表に基づいて、前記製品の部品表とすることができる。前記過去製品に対して、その部品表を該過去製品の電気的パラメータと構造パラメータとを一緒にコンピュータアクセス可能なデータベースに格納されることができる。総合的なランキングにおける最も上位にある過去製品を決定した後には、コンピュータがそのデータベースに直接アクセスし、前記過去製品の部品表を提出することができる。ここで、前記部品表は、組立ユニットを構成するすべてのサブ部品、部品及び原材料の一覧表であり、1つの組立ユニットを製造するのに要する部品の数量一覧表でもある。また、部品表は、製品の各部品の単価とを関連づけることができる。そして、前記製品の部品表に基づいて前記製品の見積もりを算出する。例えば、製品の部品表に記載した各部品の数及び単価に基づいて、前記製品の見積もりを決定する。
【0037】
本開示の実施例によれば、前記製品の部品表を決定するステップは、前記製品の構造パラメータと電気的パラメータとに基づいて、製品の部品表を調整し、製品の構造パラメータと電気的パラメータとを満たす製品の部品表を取得するステップさらに含むことができる。つまり、取得された製品の部品表は、製品のすべてのパラメータ要求を完全に満たすことができない場合であると、部品表における部品が構造パラメータ及び電気的パラメータに対する製品のニーズを完全に満たすことができるように、部品表に対してある程度修正または増補や削除する必要がある。そして、調整した後の製品の部品表に基づいて製品の見積もりを決定することができる。
【0038】
本開示の実施例によれば、前記製品の見積りは、次の式で算出され、
製品の見積り=Σ(部品のコスト)×処理レート×その他のレート、ここで、部品のコストは、前記製品の部品表に基づいて算出して得られ、処理レートとその他のレートとは、企業資源計画システムから得られる。例えば、前記処理レートは、機械のトン数、機械のコスト/時間、製品成形周期などの機器損耗、処理周期などが含まれ、前記その他のレートは、管理費、輸送費及び梱包費などが含まれる。また、処理レートとその他のレートとは、一般に企業資源計画システム(ERP)から得られることができる。
【0039】
図1Bは、本開示により提供される見積もり方法の一実施例を示すフローチャート模式図である。以下、
図1Bを参照しながら本開示の実施例に係る見積もり方法について詳細に説明する。
【0040】
図1Bに示すように、まず、ステップS1において、製品に対する顧客のニーズに基づいて製品の構造パラメータと電気的パラメータとを取得する。次に、ステップS2において、製品の構造パラメータにより製品の外観図を作成し、前記製品の外観図と過去製品の外観図とに対して、類似性を比較して、外観の類似性のランキングを取得する。具体的には、前記ステップS2は、ステップS21-S23を含むことができる。
図1Bに示すように、ステップS21において製品の外観図を検出して、製品の製品タイプ及び構造的特徴に基づいて、製品の外観図における構造的特徴を抽出する。例えば、スキャンサブウィンドウの方法を使用して、製品の外観図の検出を実現することができる。具体的には、検出対象製品の外観図においてスキャンサブウィンドウを絶えず移動するステップと、スキャンサブウィンドウが移動中に決定された製品の外観図における位置ごとに、該位置の構造的特徴を算出するステップと、を含む。前記製品の外観図を検出する前に、製品の外観図に対して、信号変換とノイズ低減の前処理を実行することもできる。ステップS22において、抽出された構造的特徴を予め構築した分類器に入力して分類処理を行い、各構造的特徴のランキングを取得する。ここで、異なる過去製品に対してランク付けることを実現するためには、対応する構造的特徴のランキングを取得する必要があり、前記各構造的特徴のランキングとは、各構造的特徴の各に対して、過去製品と製品との該構造的特徴のランキングを決定することである。言い換えると、ステップS22において、各構造的特徴に基づくランキングを取得することができる。
【0041】
本開示においては、再帰的特徴除去アルゴリズムに基づいて、構造的特徴のランキングを算出することができる。具体的なステップは、まず、構造的特徴に対応するパラメータ値を座標値に変換し、初期特徴配列R=[]を取得するステップと、ここで、R=[]は、1つの特徴データによって形成される配列である。そのうちのRは、複数の特徴サブセットS={1,2,…,n}を含むことができ、即ち、特徴配列には多くの特徴分類が含まれ、その上で、各特徴分類には特徴サブセットが含まれている。
各構造的特徴に対応する重みを算出するステップと、
次の式で前記重みを算出し、
【0042】
【0043】
ただし、wは、構造的特徴に対応する重みであり、mは、該構造的特徴を持つ過去製品の総数であり、αiは、重み比であり、(xi,yi)は、画像の構造的特徴を表すための座標値であり、例えば、画像の特徴を表すために利用することができる。なお、ここでは、構造的特徴に対応するパラメータ値を座標値に変換する方法は、現在任意の実行可能な変化方案を選択できるものであればよく、その具体的な方法については特に限定されない。各構造的特徴に対応する重みに基づいて、各構造的特徴に対応する配列スコアを算出するステップと、を含む。
前記配列スコアは、次の式で算出する。
cj=(wj)2;ただし、wjは、j番目の構造的特徴に対応する重みであり、cjは、j番目の構造的特徴に対応する配列スコアである。
初期特徴配列R=[]から最小の配列スコアを持つ特徴を除去して更新し、新しい特徴配列を取得する。具体的な更新アルゴリズムは、次の式を用いてもよい:e=arg min(c);R=[e,R];S=S-[e]。即ち、1つの配列スコアが最低である構造的特徴を排除するたびに、構造的特徴の重要度のランキングを逆に取得することができる。
特徴配列が1つの特徴のみを含むまで上記の循環過程を繰り返し、即ち、特徴配列には1つの特徴が残り、特徴除去の順序に基づいて、構造的特徴に対応するランキングを取得する。
【0044】
図4は、本開示により提供される特徴配列算出原理を示す図である。
なお、本出願の前述実施例で使用された特徴選択アルゴリズムは、サポートベクターマシーン(Support Vector Machine)に基づく再帰的特徴除去アルゴリズムである。
SVM-RFEは、2ノルムSVMに基づくものであり、その数学モデルは:
【0045】
【0046】
ただし、(xi,yi)は、構造的特徴を表すための空間の座標値である。Cは、1つの定数であり、ξiは、誤差であり、yi(wi*xi+b)は、関数間隔であり、制約の判断を実現するためのものである。wは、構造的特徴に対応するパラメータ重みベクトルであり、変形により、上式で記載した2次計画問題を解く過程が1つの凸最適化問題を解くことであることが分かる。この2次計画問題を算出することにより、特徴の重みベクトルwを取得することができ、特徴を除去するたびに、データを代入して再算出する必要がある。反復毎に、特徴の除去は、SVMの配列基準に基づくことであり、j番目最小配列スコアcj=(wj)2を持つ特徴を除去され、Wjは、SVMによって算出されたj番目特徴に対応する重みである。
ここで、配列基準としてcj=(wj)2を選択した理由は、このような基準によって除去された固有値が目的関数に最小の影響を与えるためである。SVM-RFEにおける目的関数は、
【0047】
【0048】
であり、目的関数の二次テイラー級数を展開することにより、特徴を除去することによる目的関数への変化を推定することができる。
【0049】
【0050】
一次導関数は無視しても良いが、
【0051】
【0052】
を代入する場合、上記の式は、ΔJ(j)=(Δwj)2となる。
したがって、特徴集合が1つの特徴のみが残るまでこの循環過程を繰り返す場合、結果として特徴の重要度に基づいて配列される構造的特徴順番リストが得られる。SVM-RFEアルゴリズムは、後ろ向きアルゴリズムであり、全循環過程において、構造的特徴の配列スコアに基づいて、冗長な構造的特徴を除去した後に、分類結果に最大影響を与える構造的特徴からなるサブセットが残るまで再反復算出することで、1組み新しい配列スコアを取得することができる。このように、構造的特徴の次元数を減らし、分類の正確さを向上させることが分かる。
【0053】
図1Bに示すように、ステップS23において、異なる過去製品に対して、製品の構造的特徴のランキングと、過去製品の構造的特徴とに基づいて、過去製品の構造的特徴に基づく類似性のランキングを総合的に算出し、過去製品の製品に基づく外観の類似性のランキングを取得する。
【0054】
本開示の実施例によれば、前記過去製品の構造的特徴に基づく類似性のランキングを算出するステップは、各過去製品に対して、対応する製品の構造的特徴のランキングから現在の過去製品を持つ構造的特徴及び対応するランキングを抽出して取得するステップと、過去製品の構造的特徴及びランキングに対応する算出から現在の過去製品と製品との類似性を取得するステップと、過去製品の構造的特徴及び現在製品の構造的特徴のランキングから過去製品が製品構造的特徴に対する総合的なランキングを取得するステップと、をさらに含むことができる。つまりすべての過去製品と現在の製品との外観類似性のランキングを取得する。
【0055】
本開示の実施例によれば、分類器により、再帰的特徴除去アルゴリズムに基づいて、過去製品の外観図における構造的特徴と製品の外観図における構造的特徴に対して、類似性にランク付けることができる。
【0056】
図3は、本開示により提供される特徴抽出及び分類器トレーニングを示す図である。
図3から分かるように、上記の分類器により、分類を実現する前に、分類器をトレーニングする必要がある。前記分類器のトレーニングサンプルデータは、ポジティブサンプルとネガティブサンプルとを含み、ここで、前記ポジティブサンプルは、検出対象構造的特徴を含むサンプルであり、前記ネガティブサンプルは、検出対象構造的特徴を含まないサンプルである。また、ナレッジベースや制約条件に基づいて分類器をトレーニングすることも可能である。サンプルデータのデータ量が多く、抽出される特徴のデータ量も非常に大きくなるため、分類器のトレーニング過程を短縮するために、ナレッジベース(例えば、ルール)を加えたり、制約条件を導入したりすることにより、検索範囲を縮小することができる。例えば、ナレッジベースにより、1枚のテレビの図面のある位置がボタンを表す確率が大きいと判断でき、これにより、検索範囲を大きく縮小することができる。
【0057】
図1Bに示すように、ステップS3において、製品の電気的パラメータと過去製品の電気的パラメータとに対して、類似性を比較して、電気的パラメータの類似性のランキングを取得する。次に、ステップS4において、過去製品における構造部材及び電気素子のコストの重みと、外観の類似性のランキングと、電気的パラメータの類似性のランキングとに基づいて、構造パラメータと電気的パラメータとに対応する過去製品の総合的なランキングを取得する。
ステップS5において、総合的なランキングが上位にある過去製品の部品表に基づいて、製品の部品表を抽出して取得し、対応する製品の製品見積もりを算出する。本願のいくつかの代替実施例においては、前記製品の部品表を抽出して取得するステップは、製品の構造パラメータと電気的パラメータとに基づいて、製品の部品表を調整して修正し、製品の構造パラメータと電気的パラメータとを満たす製品の部品表を取得するステップさらに含む。つまり、取得された製品の部品表は、製品のすべてのパラメータ要求を完全に満たすことができない場合であると、部品表における部品が構造パラメータ及び電気的パラメータに対する製品のニーズを完全に満たすことができるように、部品表に対してある程度修正または増補や削除する必要がある。
【0058】
さらに、前記製品の見積りは、次の式で算出される。製品の見積り=Σ(部品のコスト)×処理レート×その他のレート。製品の見積りを算出する時に、原材料価格と、処理レートと、その他のレートとを総合的に考慮する必要がある。ここで、部品のコストは、主に原材料の価格であり、具体的には、原材料仕様、原材料価格、製品の正味重量、ゲート、損耗などが含まれる。本明細書に記載されたコンピュータで実行される見積もり方法において、製品の構造パラメータから対応する製品の外観図を取得し、さらに、過去製品の外観図との識別と比較(例えば、分類器により)によって外観の類似性のランキングを取得するとともに、電気的パラメータの比較を使用して、過去製品の電気的パラメータの類似性のランキングを取得することができる。そして、2つのランキングに対して、総合的な分析を行うことで、過去製品の構造パラメータと電気的パラメータとに基づく総合的なランキングを取得し、これにより、製品と比較的に類似した過去製品をランク付ける方法で直接に抽出することができ、さらに、後の過去製品の部品を使用して、対応する製品の見積もりを算出することに有利であり、同時に、前述の具体的なパラメータに基づく比較によって取得されるランキングもより正確で、算出効率がより高くなり、人工スクリーニングと比べて、より良い正確度と見積もりレートを有する。したがって、本開示の実施例による方法は、製品の見積もりを迅速かつ正確に実現することができるだけでなく、製品の見積もりの研究開発エンジニアへの依存を大幅に低減し、製品の見積もりに要する人力物力コストをさらに低減することができる。
【0059】
図2は、本開示により提供されるコンピュータで実行される見積もり方法を示すブロック図である。
図2から分かるように、本開示の実施例による見積もり方法は、2つの主要部分を含むことができる。1つは、画像認識技術により、製品の外観図と過去製品の外観図とを比較して、外観の類似性のランキングを取得することである。例えば、画像認識技術により過去製品の外観図と製品の外観図とを比較することができる。もう1つは、過去製品の電気的パラメータと製品のパラメータとを比較して、電気的パラメータの類似性のランキングを取得し、外観の類似性のランキングと電気的パラメータの類似性のランキングとに基づいて、過去製品の総合的な類似性のランキングを取得することである。次に、総合的な類似性のランキングに上位にある過去製品を選択し、そのBOM及び対応する価格情報を呼び出して、製品の部品表とする。最後に、製品BOMにおける各部品のコストを式によって算出し、見積もりを取得する。
【0060】
本開示の見積もり方法によれば、解決できる課題は、(1)現在の製品の見積もりが不合理で、不正確な問題を解決することができることと、(2)販売と研究開発部門との間の障壁を打破し、コミュニケーション時間を減少させ、見積もりの参考用の近似製品を迅速にクエリすることができることと、(3)科学的な算出方法によって正確な製品の見積もりを取得することができることと、(4)企業がよりも多くの利益を獲得するとともに、できるだけ早く成功入札を実現することをサポートすることと、(5)過去製品の価格情報を人工による検索する作業量を減少させること、とを含む。
【0061】
本開示により提供される見積もり方法、見積もり装置及び電子機器は、製品の構造パラメータから製品の外観図を取得し、さらに、過去製品の外観図との外観類似性の比較から外観の類似性のランキングを取得するとともに、電気的パラメータの比較を使用して、電気的パラメータの類似性のランキングを取得する。そして、2つのランキングの総合的な分析を通じて、過去製品の総合的なランキングを取得して、製品と比較的に類似した過去製品を抽出し、過去製品の部品表を使用して、対応する製品の見積もりを算出する。前述の具体的なパラメータに基づく比較によって取得されたランキングは、より正確で、算出効率がより高くなり、人工スクリーニングと比べて、より良い正確度と見積もりレートを有する。したがって、本開示に記載された方法は、製品の見積もりを迅速かつ正確に実現することができるだけでなく、製品の見積もりの研究開発エンジニアへの依存を大幅に低減し、製品の見積もりに要する人力物力コストをさらに低減することができる。
【0062】
図5は、本開示により提供される見積もり装置を示す概略構成図である。
図5に示すように、前記製品見積もり装置は、パラメータ取得ユニット1と、外観類似性のランキングユニット2と、電気的パラメータ類似性のランキングユニット3と、総合的なランキングユニット4と、製品見積もりユニット5と、を備える。
【0063】
前記パラメータ取得ユニット1は、前記製品の構造パラメータと電気的パラメータとを取得するように構成されることができる。また、パラメータ取得ユニット1は、取得された構造パラメータと電気的パラメータとを外観類似性のランキングユニット2と電気的パラメータ類似性のランキングユニット3とに伝送するように構成されることもできる。
【0064】
前記外観類似性のランキングユニット2は、製品の構造パラメータにより前記製品の外観図を作成し、前記製品の外観図と過去製品の外観図とに対して、類似性を比較して、外観の類似性のランキングを取得するように構成されることができる。
【0065】
前記電気的パラメータ類似性のランキングユニット3は、製品の電気的パラメータと過去製品の電気的パラメータとに対して、類似性を比較して、電気的パラメータの類似性のランキングを取得するように構成されることができる。
【0066】
前記総合的なランキングユニット4は、構造部材及び電気素子のコストの重みと、外観の類似性のランキングと、電気的パラメータの類似性のランキングとに基づいて、構造パラメータと電気的パラメータとに基づく総合的なランキングを取得するように構成されることができる。
【0067】
前記製品見積もりユニット5は、前記総合的なランキングに基づいて、前記製品の部品表を決定し、前記製品の部品表に基づいて、前記製品の見積もりを算出するように構成されることができる。
【0068】
本開示の製品見積もり装置によれば、製品の外観図と電気的パラメータとに基づいて、既存の過去製品とを比較して、総合的な類似性のランキングが比較的高い過去製品の部品表を取得し、製品の部品表とし、新製品の見積もりを算出することができる。また、過去製品の部品表に対してある部品の調整を行うことができ、調整した後の部品表を製品の部品表とし、見積もりの正確さを向上させることもできる。
【0069】
本開示の一実施例によれば、算出された製品の見積もりを市場側に伝送することができ、迅速な見積もりの効果を達成し、販売側と研究開発側とのコミュニケーションの難しさ及び作業量を低減し、さらに、顧客が製品の見積もりを迅速に取得させることができ、これによって、注文協商の速度を加速させることができる。
【0070】
図6は、本開示により提供される見積もり方法を実行する電子機器のハードウェア構成を示す図である。前記電子機器は、少なくとも1つのプロセッサ201と、メモリ202と、を備える。
図6では、1つのプロセッサ201を例に挙げて説明する。前記メモリ202には、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令が記憶され、前記少なくとも1つのプロセッサで前述した見積もり方法を実行することができる。
【0071】
見積もり方法を実行する電子機器は、入力装置203と、出力装置204とをさらに備えるものとしてもよい。プロセッサ201と、メモリ202と、入力装置203と、出力装置204とは、バスまたは他の方法で接続されてもよく、
図6では、バスを介して接続されていることを例に挙げて説明する。
【0072】
メモリ202は、不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、不揮発性ソフトウェアプログラム、不揮発性コンピュータ実行可能なプログラム、及び本開示の実施例における見積もり方法に対応するプログラム命令/モジュールのようなモジュールを記憶するために使用することができる。プロセッサ201は、メモリ202に記憶された不揮発性ソフトウェアプログラム、命令、及びモジュールを実行することにより、サーバの各種機能性アプリケーション及びデータ処理を実行し、即ち、前述した実施例の見積もり方法を実現する。
【0073】
メモリ202は、プログラム記憶ゾーンとデータ記憶ゾーンと、を含むことができ、ここで、プログラム記憶ゾーンは、オペレーティングシステムと、少なくとも1つの機能に要するアプリケーションとを記憶することができる。データ記憶ゾーンは、製品の見積もり装置の使用に基づいて作成されているデータなどを記憶することができる。例として、これに限定するもので無いものとして、前記メモリは、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、または他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記録デバイス、または命令またはデータ構造の形で所望のプログラムコードを搬送または保持するために使用され、そしてコンピュータによってアクセスできる他の任意の媒体を含むことができる。また、メモリ202は、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュデバイス、または他の不揮発性固体メモリのような不揮発性メモリを含むこともできる。いくつかの実施例において、メモリ202は、任意で、プロセッサ201に対してリモート配置されたメモリを含み、これらのリモートメモリは、ネットワークを介して製品の見積もり装置に接続されることができる。前述したネットワークの例として、限定はされないが、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動体通信ネットワーク、及びそれらの組み合わせなどがある。
【0074】
入力装置203は、入力された数字や文字情報を受信することができ、さらに製品の見積もり装置のユーザー設定と機能制御とに関する押圧された信号入力を生成することができる。出力装置204は、ディスプレイなどの表示デバイスを備えることができる。1つまたは複数の前記モジュールは、前記メモリ202に記憶され、1つまたは複数の前記プロセッサ201で実行される場合、前述した実施例における見積もり方法を実行する。
【0075】
本開示の実施例の電子機器は、多種多様な形態で実施できるが、これらに限定されない。
【0076】
(1)モバイル通信装置:モバイル通信機能を内蔵した装置であり、音声、データ通信の提供を主な目標とすることを特徴とする。このような端末は、スマートフォン(例えば、iPhone)、マルチメディア機能搭載携帯電話、機能性携帯電話、ローエンド携帯電話などが含まれる。
【0077】
(2)ウルトラモバイルPC:このような機器は、パーソナルコンピューターの範疇に属し、算出機能と、処理機能と、を備え、一般にモバイルインターネットに接続できる特性も備えている。このような端末は、iPadなどのPDA、MID、UMPCデバイスなどが含まれる。
【0078】
(3)携帯型娯楽デバイス:マルチメディアコンテンツを表示して再生することができるデバイスである。このようなデバイスは、オーディオ/ビデオプレーヤー(例えば、iPod)、携帯型ゲーム、電子書籍、スマート玩具、携帯型車両ナビゲーション装置が含まれる。
【0079】
(4)サーバ:コンピューティングサービスを提供する機器である。サーバの構成には、プロセッサ、ハードディスク、メモリ、システムバスなどを備え、サーバは、汎用的なコンピュータ・アーキテクチャと類似しているが、信頼性の高いサービスを提供する必要があるため、処理能力、安定性、信頼性、安全性、拡張性、管理性などの方面に対して非常に高い要求を提出されている。
【0080】
(5)その他のデータ交換機能を備える電子機器。
【0081】
本開示の実施例による方法または装置は、
図7に示す算出装置3000のアーキテクチャによって実装されてもよい。
図7に示すように、算出装置3000は、バス3010と、1つまたは複数のCPU3020と、読取り専用メモリ(ROM)3030と、ランダムアクセスメモリ(RAM)3040と、ネットワークに接続されている通信ポート3050と、入力/出力コンポーネント3060と、ハードディスク3070などと、を備えることができる。算出装置3000に搭載されているROM3030やハードディスク3070には、本開示により提供される見積もり方法の処理及び/または通信に使用される各種データやファイル、及びCPUで実行されるプログラム命令が記憶されることができる。算出装置3000は、ユーザーインターフェース3080をさらに含むことができる。当然のことながら、
図7に示すアーキテクチャは、例示的なものに過ぎず、異なるデバイスを実装する場合、実際の必要に応じて、
図7に示す算出装置のうちの1つまたは複数の構成要素を省略することができる。本開示の一態様によれば、命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記命令がプロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサが前述した見積もり方法を実行するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0082】
図8は、本開示により提供される記憶媒体を示す
図4000である。
図8に示すように、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体4020には、コンピュータ読み取り可能な命令4010が記憶されている。前記コンピュータ読み取り可能な命令4010がプロセッサで実行される場合、前述した図面を参照しながら説明した本開示の実施例による見積もり方法を実行することができる。前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、揮発性メモリ及び/または不揮発性メモリを含むが、これらのメモリに限定されない。前記揮発性メモリは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/またはキャッシュメモリ(cache)などを含むことができる。前記不揮発性メモリは、例えば、読取り専用メモリ(ROM)、ハードディスク、フラッシュメモリなどを含むことができる。
【0083】
本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、前述した任意の実施例の議論は例示に過ぎず、本開示の範囲(請求項を含む)の制限を示唆することを意味するものではないことと了解される。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、前述した実施例または異なる実施例における技術特徴は、任意の適切な形態で組み合わされることが可能であり、実装ステップは、任意の適切な順序で実装されることが可能であり、また、上記のように、本開示の異なる方面で多くの他の変形例が含まれ、説明簡略化のために、ここでは詳細な説明が省略される。
【0084】
なお、本開示の説明、議論の簡略化、及び本開示を分かりやすく説明するために、提供される図面では、集積回路(IC)のチップ及びその他の構成要素との公知の電源/接地接続を有していてもよいし、有していなくてもよい。また、本開示を分かりやすく説明するために、装置をブロック図の形式で表してもよく、さらに、これらのブロック図で実装される装置の実施例に関する詳細が、本開示を実現するプラットフォームに大きく依存するという事実も考慮された(即ち、これらの詳細は、当業者の理解範囲に十分に収まる。)。本開示の例示的な実施例を説明するために、具体的な詳細(例えば、回路)が記載されている場合、本発明は、これらの具体的な詳細なしに実施できることは当業者には明らかであろう。したがって、これらの記載されている内容は、単なる例に過ぎず、制限的なものとみなされるべきでない。
具体的な実施例によって本開示に関して説明されるけれども、この開示から当業者には様々な変更、置き換え及び変形が明らかとなろう。例えば、別の実施形態のメモリアーキテクチャ(例えば、動的RAM(DRAM))は、記載された実施例を使用することができる。
【0085】
本開示の実施例は、特許請求の範囲の精神及びスコープ内にあるそのようなすべての置き換え、変更及び変形を含むことが意図される。したがって、本開示の趣旨および範囲内に入るすべての省略、変更、均等置き換え、改良は、特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【0086】
本願は、2018年07月05日に出願された中国特許出願第201810731140.4号の優先権の利益を主張する。当該中国特許出願の全文を援用して、本願の一部となる。