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特許7405784作業管理システム、プログラム、及び作業管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】作業管理システム、プログラム、及び作業管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20120101AFI20231219BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
G06Q50/02
G08G1/00 D
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021017306
(22)【出願日】2021-02-05
(65)【公開番号】P2022120421
(43)【公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】西田 雄介
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭志
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-165922(JP,A)
【文献】特開2020-123402(JP,A)
【文献】特開2020-202791(JP,A)
【文献】国際公開第2015/072238(WO,A1)
【文献】特開2019-169088(JP,A)
【文献】特開2013-210195(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0223419(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場を移動して作業を行う作業装置に取り付けられる作業機械に設けられた発信機が送信する複数の識別情報と、前記作業装置に設けられた受信機が前記複数の識別情報を受信した時刻に対応する複数の記憶時刻と、前記複数の記憶時刻における前記作業装置の複数の位置とを関連付けた稼働データを記憶するデータ記憶部と、
前記複数の位置と前記複数の記憶時刻とに基づき、前記複数の記憶時刻のうちの第2記憶時刻に対応する第2識別情報を、前記複数の記憶時刻のうちの第1記憶時刻に対応する第1識別情報に補正するデータ補正部と、
を備える作業管理システム。
【請求項2】
前記データ補正部は、前記複数の記憶時刻から前記第2記憶時刻を抽出し、
前記第2記憶時刻に対応する前記第2識別情報は、前記第2記憶時刻に隣接する第3記憶時刻に対応する第3識別情報と異なり、
前記第2記憶時刻において、前記稼働データに基づき、前記作業装置が移動していると判定される
請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項3】
前記データ補正部は、
前記稼働データに基づき、対応する前記識別情報が同じであり、所定の数以上連続した記憶時刻により表される基準期間を抽出し、
前記基準期間に含まれる前記記憶時刻を前記第1記憶時刻として、前記第2識別情報を前記第1記憶時刻に対応する前記第1識別情報に補正する
請求項1または2に記載の作業管理システム。
【請求項4】
前記データ補正部は、前記基準期間から前記第2記憶時刻までの間、前記作業装置が移動しているときに、前記基準期間に含まれる前記記憶時刻を前記第1記憶時刻として、前記第2識別情報を前記第1記憶時刻に対応する前記第1識別情報に補正する
請求項3に記載の作業管理システム。
【請求項5】
前記データ補正部は、前記第2識別情報が受信不能を表すとき、前記第2記憶時刻に隣接する前記記憶時刻を前記第1記憶時刻として、前記第2識別情報を前記第1記憶時刻に対応する前記第1識別情報に補正する
請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項6】
補正された前記第2識別情報を含む前記稼働データに基づき、前記作業装置が行った前記作業に関する作業情報を判定する作業判定部を備える
請求項1から5のいずれか1項に記載の作業管理システム。
【請求項7】
前記データ記憶部は、判定された前記作業情報を記憶し、前記作業情報を要求する要求信号に応じて、前記作業情報を表す応答信号を送信する
請求項6に記載の作業管理システム。
【請求項8】
圃場を移動して作業を行う作業装置に取り付けられる作業機械に設けられた発信機が送信する複数の識別情報と、前記作業装置に設けられた受信機が前記複数の識別情報を受信した時刻に対応する複数の記憶時刻と、前記複数の記憶時刻における前記作業装置の複数の位置とを関連付けた稼働データを記憶することと、
前記複数の位置と前記複数の記憶時刻とに基づき、前記複数の記憶時刻のうちの第2記憶時刻に対応する第2識別情報を、前記複数の記憶時刻のうちの第1記憶時刻に対応する第1識別情報に補正することと、
を演算装置に実行させるプログラム。
【請求項9】
圃場を移動して作業を行う作業装置に取り付けられる作業機械に設けられた発信機が送信する複数の識別情報と、前記作業装置に設けられた受信機が前記複数の識別情報を受信した時刻に対応する複数の記憶時刻と、前記複数の記憶時刻における前記作業装置の複数の位置とを関連付けた稼働データを記憶することと、
前記複数の位置と前記複数の記憶時刻とに基づき、前記複数の記憶時刻のうちの第2記憶時刻に対応する第2識別情報を、前記複数の記憶時刻のうちの第1記憶時刻に対応する第1識別情報に補正することと、
を演算装置が実行する作業管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業管理システム、プログラム、及び作業管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、栽培管理の分析に圃場における農作業に関する情報を用いることが研究されている。
【0003】
特許文献1には、農作業に使用している作業装置を特定することで、圃場で行われている農作業の種類を判定する作業管理システムが開示されている。この作業管理システムは、作業装置を判定するために、作業装置に取り付けられた通信装置が送信する識別情報を用いる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-091231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
圃場内において、作業装置を牽引する複数のトラクターが作業を行う場合がある。この場合、トラクターがすれ違うと、トラクターに取り付けられた受信装置が、他のトラクターが牽引する作業装置の識別情報を受信する場合がある。また、作業装置に取り付けられた通信装置が送信する電波特性は、安定して保持できない場合がある。
【0006】
このため、特許文献1に記載の技術では、トラクターに設けられた受信装置が通信装置から送信された識別情報を正常に受信できない場合がある。
【0007】
上記の状況に鑑み、本開示は、正確性の高い作業情報をユーザに提供する作業管理システムを提供することを目的の1つとする。他の目的については、以下の記載及び実施の形態の説明から理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0009】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理システム(1000)は、データ記憶部(150)と、データ補正部(160)とを備える。データ記憶部(150)は、圃場を移動して作業を行う作業装置(200)に取り付けられる作業機械(210)に設けられた発信機(215)が送信する複数の識別情報(414)と、作業装置(200)に設けられた受信機(226)が複数の識別情報(414)を受信した時刻に対応する複数の記憶時刻と、複数の記憶時刻における作業装置(200)の複数の位置とを関連付けた稼働データ(410)を記憶する。データ補正部(160)は、複数の位置と複数の記憶時刻とに基づき、複数の記憶時刻のうちの第2記憶時刻に対応する第2識別情報を、複数の記憶時刻のうちの第1記憶時刻に対応する第1識別情報に補正する。
【0010】
上記目的を達成するための一実施の形態によるプログラムは、圃場を移動して作業を行う作業装置(200)に取り付けられる作業機械(210)に設けられた発信機(215)が送信する複数の識別情報(414)と、作業装置(200)に設けられた受信機(226)が複数の識別情報(414)を受信した時刻に対応する複数の記憶時刻と、複数の記憶時刻における作業装置(200)の複数の位置とを関連付けた稼働データ(410)を記憶することを演算装置(120、222)に実行させる。また、プログラムは、複数の位置と複数の記憶時刻とに基づき、複数の記憶時刻のうちの第2記憶時刻に対応する第2識別情報を、複数の記憶時刻のうちの第1記憶時刻に対応する第1識別情報に補正することを演算装置(120、222)に実行させる。
【0011】
上記目的を達成するための一実施の形態による作業管理方法は、演算装置(120、222)が、圃場を移動して作業を行う作業装置(200)に取り付けられる作業機械(210)に設けられた発信機(215)が送信する複数の識別情報(414)と、作業装置(200)に設けられた受信機(226)が複数の識別情報(414)を受信した時刻に対応する複数の記憶時刻と、複数の記憶時刻における作業装置(200)の複数の位置とを関連付けた稼働データ(410)を記憶することを含む。また、作業管理方法は、演算装置(120、222)が、複数の位置と複数の記憶時刻とに基づき、複数の記憶時刻のうちの第2記憶時刻に対応する第2識別情報を、複数の記憶時刻のうちの第1記憶時刻に対応する第1識別情報に補正することを含む。
【発明の効果】
【0012】
上記の形態によれば、作業管理システムは、正確性の高い作業情報をユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施の形態における作業管理システムの概略図である。
図2】一実施の形態における作業装置の概略図である。
図3】一実施の形態におけるデータ送信装置の構成図である。
図4】一実施の形態における作業管理システムが実行する機能ブロックを表す図である。
図5】一実施の形態における作業管理装置の構成図である。
図6】一実施の形態における稼働データの構成を表す図である。
図7】一実施の形態における端末の構成図である。
図8A】一実施の形態における作業管理システムによる処理を表すフローチャートである。
図8B】一実施の形態における作業管理システムによる処理を表すフローチャートである。
図9】一実施の形態において、識別情報を補正する処理を行っているときの稼働データの構成を表す図である。
図10】一実施の形態において、識別情報を補正する処理を行っているときの稼働データの構成を表す図である。
図11】一実施の形態において、識別情報を補正する処理を行っているときの稼働データの構成を表す図である。
図12】一実施の形態において、識別情報を補正する処理を行っているときの稼働データの構成を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
本発明の本実施の形態による作業管理システム1000を、図面を参照して説明する。本実施の形態において、図1に示すように、作業管理システム1000は、作業管理装置100と、作業装置200と、端末300とを備える。作業管理装置100は、ネットワーク20、例えばインターネットを介して、作業装置200と、端末300と通信可能に接続されている。
【0015】
作業装置200は、圃場内を移動しながら作業を行うように構成されている。作業装置200、例えばトラクターには、図2に示すように、作業機械210、例えばロータリー、バーチカルハロー、ブロードキャスタなどが取り付けられている。作業装置200は、作業機械210を牽引して圃場内を移動することで、農作業を行う。行われる農作業は、作業機械210の種類または機種により、特定することができる。
【0016】
作業機械210には、発信機215が設けられている。発信機215は、所定の間隔で発信機215の各々を区別するために設定された識別情報を送信する。発信機215は、例えばビーコンである。識別情報は、作業装置200に設けられたデータ送信装置220を介して、図1に示す作業管理装置100に送信される。
【0017】
作業管理装置100は、発信機215からの識別情報に基づき、作業装置200により行われた作業に関する作業情報、例えば作業期間、作業種別、作業領域などを特定する。作業種別は、圃場で行われた作業の種類、例えば耕起、整地、施肥、植付などを表す。作業領域は、作業が行われた領域を表し、例えば圃場内で作業が行われた領域や、作業が行われた圃場全体の領域を表す。
【0018】
端末300は、作業管理装置100で特定された作業情報を表示する。これにより、ユーザは、圃場で行われた作業を確認して、栽培管理の分析を効率良く行うことができる。
【0019】
ここで、識別情報は、データ送信装置220により正常に受信されない場合がある。例えば、大気環境により、図2に示す発信機215の電波が減衰して、データ送信装置220が識別情報を受信できない場合がある。また、作業装置200は、牽引している作業機械210と異なる他の作業機械210に接近する場合がある。この場合、データ送信装置220は、他の作業機械210に設けられた発信機215が送信する識別情報を受信する。このように、データ送信装置220は、識別情報を受信できない場合や、他の発信機215の識別情報を受信する場合がある。
【0020】
このため、作業管理装置100は、識別情報を補正することで、作業装置200により行われた作業の作業期間、作業種別、作業領域などを特定する。これにより、作業管理システム1000は、正確性の高い作業情報をユーザに提供することができる。
【0021】
データ送信装置220の構成を説明する。データ送信装置220は、図3に示すように、入出力装置221と、演算装置222と、通信装置223と、記憶装置224と、測位装置225と、受信機226とを備える。データ送信装置220は、例えば、タブレット、携帯電話などの携帯端末、コンピュータを含む。入出力装置221には、演算装置222が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置221は、演算装置222が処理を実行した結果を出力する。入出力装置221は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0022】
通信装置223は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置223は、作業管理装置100から取得する信号を演算装置222に転送する。また、演算装置222が生成した信号を作業管理装置100に転送する。通信装置223は、例えば、無線LAN(Local Area Network)の送受信機、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0023】
測位装置225は、各時刻における自機の位置、例えば緯度と、経度とを測定する。測定された位置を表す位置情報は、演算装置222に送信される。測位装置225は、データ送信装置220が作業装置200に設けられることにより、作業装置200の各時刻における位置を測定する。測位装置225は、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)の受信機である。
【0024】
受信機226は、図2に示す作業機械210に設けられた発信機215が送信する識別情報を受信する。図3に示す受信機226は、受信した識別情報を演算装置222に送信する。
【0025】
記憶装置224は、作業管理装置100に稼働情報、例えば発信機215の識別情報と、作業装置200の位置情報とを送信するための様々なデータ、例えばデータ送信プログラム400を格納する。記憶装置224は、データ送信プログラム400を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。データ送信プログラム400は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体1に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。
【0026】
演算装置222は、データ送信プログラム400を読み出し実行することで、図4に示すように、データ送信部250を実現する。データ送信部250は、作業装置200の稼働情報を作業管理装置100に送信する。稼働情報は、作業装置200の識別情報と、発信機215の識別情報と、受信機226が識別情報を受信した時刻に対応する記憶時刻と、識別情報を受信したときの受信感度と、記憶時刻における作業装置200の位置情報とを含む。また、稼働情報は、圃場で作業を行っているときの作業装置200の状態を表す情報を含み、例えば作業装置200の速度、操舵角、エンジン回転数、各種クラッチのON/OFF状況、作業装置200の各時刻の位置情報、作業期間などを表す情報を含む。稼働情報には、作業装置200から作業機械210に動力を伝達するときのPTO(power take-off)回転数、作業機械210の姿勢を示すヒッチ高さやリフトアーム角度などの情報が含まれてもよい。
【0027】
次に、作業管理装置100の構成を説明する。作業管理装置100は、図5に示すように、入出力装置110と、演算装置120と、通信装置130と、記憶装置140とを備える。作業管理装置100は、例えば、コンピュータである。入出力装置110には、演算装置120が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置110は、演算装置120が処理を実行した結果を出力する。入出力装置110は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。入出力装置110は省略されてもよい。
【0028】
通信装置130は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置130は、作業装置200から取得する稼働情報を演算装置120に転送する。また、演算装置120が生成した信号を端末300に転送する。通信装置130は、例えば、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0029】
記憶装置140は、作業種別を判定するための様々なデータ、例えば稼働データ410と、作業データ420と、作業管理プログラム430とを格納する。記憶装置140は、作業管理プログラム430を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。作業管理プログラム430は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体2に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。作業管理プログラム430は、図3に示す記憶媒体1に記録されて提供されてもよい。
【0030】
図5に示す稼働データ410は、作業装置200から受信する稼働情報を格納する。稼働データ410は、図6に示すように、作業装置番号411と、時刻情報412と、位置情報413と、識別情報414と、受信感度415とを含む。作業装置番号411は、稼働情報を送信した作業装置200の各々を区別するための識別子を表し、作業装置200
ごとに異なる識別子が割り当てられている。時刻情報412は、図3に示すデータ送信装置220に設けられた受信機226が発信機215の識別情報414を受信した時刻に対応する時刻を表す。位置情報413は、受信機226が発信機215の識別情報414を受信したときの作業装置200の位置を表す。識別情報414は、発信機215の各々を区別するための識別子を表し、発信機215ごとに異なる識別子が割り当てられている。受信感度415は、受信機226が発信機215の識別情報414を受信したときの受信感度415を表す。
【0031】
図5に示す作業データ420は、圃場の作業に関するデータ、例えば作業装置200からの稼働情報から算出されるデータを含む。例えば、作業データ420は、作業期間を表す作業期間情報と、作業領域を表す作業領域情報と、作業種別を表す作業種別情報とを含む。作業期間情報と、作業領域情報と、作業種別情報とは、作業データ420に関連付けて登録されている。作業期間は、圃場の作業を開始した時刻と終了した時刻とを表す。作業領域は、圃場の作業が行われた領域、例えば位置と形状とを表す。作業種別は、圃場で行われた作業の種類、例えば耕起、整地、施肥、植付などを表す。
【0032】
稼働データ410と、作業データ420とは、演算装置120に読み出され、作業種別を判定するための様々なデータ処理に使用される。演算装置120は、作業管理プログラム430を記憶装置140から読み出し実行して、圃場で行われた作業の作業種別を判定する。例えば、演算装置120は、中央演算処理装置(CPU;Central Processing Unit)などを含む。
【0033】
演算装置120は、作業管理プログラム430を読み出し実行することで、図4に示すように、データ記憶部150と、データ補正部160と、作業判定部170とを実現する。データ記憶部150は、稼働データ410と、作業データ420とを記憶する。また、データ記憶部150は、端末300の表示部350に作業データ420に格納された作業情報を送信する。データ補正部160は、稼働データ410に格納された稼働情報を補正する。作業判定部170は、作業装置200から得られた稼働情報に基づき、作業情報を判定して、作業データ420に登録する。
【0034】
次に、端末300の構成を説明する。端末300は、図7に示すように、入出力装置310と、演算装置320と、通信装置330と、記憶装置340とを備える。端末300は、例えば、コンピュータ、タブレット、携帯電話などを含む。入出力装置310には、演算装置320が処理を実行するための情報が入力される。また、入出力装置310は、演算装置320が処理を実行した結果を出力する。入出力装置310は、様々な入力装置と出力装置とを含み、例えば、キーボード、マウス、マイク、ディスプレイ、スピーカー、タッチパネルなどを含む。
【0035】
通信装置330は、ネットワーク20に電気的に接続され、ネットワーク20を介して各々の装置との通信を行う。通信装置330は、作業管理装置100から取得する作業情報を演算装置320に転送する。また、演算装置320が生成した信号を作業管理装置100に転送する。通信装置330は、例えば、無線LAN(Local Area Network)の送受信機、NIC(Network Interface Card)、USB(Universal Serial Bus)などの種々のインタフェースを含む。
【0036】
記憶装置340は、作業管理装置100から取得された作業情報を表示するための様々なデータ、例えば表示プログラム440を格納する。記憶装置340は、表示プログラム440を記憶する非一時的記憶媒体(non-transitory tangible storage medium)として用いられる。表示プログラム440は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体3に記録されたコンピュータプログラム製品(computer program product)として提供されてもよく、または、サーバからダウンロード可能なコンピュータプログラム製品として提供されてもよい。表示プログラム440は、図3に示す記憶媒体1に記録されて提供されてもよい。
【0037】
図7に示す演算装置320は、表示プログラム440を読み出し実行することで、図4に示すように、入出力装置310と協働して、作業管理装置100から取得された作業情報を表示する表示部350を実現する。
【0038】
(作業管理システムの動作)
図3に示すデータ送信装置220の演算装置222は、作業装置200のエンジンが起動されると、データ送信プログラム400を読み出し実行することで、作業管理方法の一部を実行する。演算装置222により実現されるデータ送信部250は、発信機215から発信機215の識別情報414を受信機226を介して取得する。また、データ送信部250は、発信機215の識別情報414を受信したときの受信感度415を受信機226から取得する。さらに、データ送信部250は、測位装置225により測定された作業装置200の位置情報413を取得する。データ送信部250は、取得される発信機215の識別情報414と、受信感度415と、作業装置200の位置情報413とを所定の時間間隔、例えば1分間隔で記憶装置224に稼働情報として記憶する。データ送信部250は、発信機215の識別情報414と、受信感度415と、作業装置200の位置情報413と、これらを記憶装置224に記憶したときの記憶時刻とを関連付けて記憶する。また、作業装置200を表す作業装置200の識別情報も記憶装置224に記憶される。作業装置200のエンジンが停止されると、データ送信部250は、記憶装置224に記憶した稼働情報を作業管理装置100の演算装置120に送信する。
【0039】
図5に示す作業管理装置100の演算装置120は、例えば作業管理装置100が起動したときに、作業管理プログラム430を読み出し実行する。作業管理プログラム430を実行することで、演算装置120は、作業管理方法の一部である図8A、8Bに示す処理を実行する。ステップS110において、演算装置120で実現されるデータ記憶部150は、作業装置200から稼働情報を受信して、受信した稼働情報を稼働データ410に格納する。
【0040】
ステップS120おいて、データ補正部160は、格納された稼働情報において、隣接する記憶時刻に対応する識別情報414が変化する記憶時刻を抽出する。例えば、データ補正部160は、図6に示す稼働データ410に格納された稼働情報を、時刻情報412の表す記憶時刻の順番に抽出する。抽出された稼働情報に含まれる識別情報414(以下、抽出識別情報と呼ぶ)は、直前に抽出した稼働情報に含まれる識別情報414(以下、隣接識別情報と呼ぶ)と比較される。抽出識別情報が隣接識別情報と異なるとき、データ補正部160は、識別情報414が変化したと判定し、抽出識別情報に対応する時刻情報412(以下、変化時刻情報と呼び、変化時刻情報が表す記憶時刻を変化記憶時刻と呼ぶ)を抽出する。
【0041】
図6に示す例において、第1稼働情報510に含まれる識別情報414の「-」は、受信不能を表す。受信不能は、図4に示すデータ送信装置220のデータ送信部250が稼働情報を記憶する時間間隔に発信機215から識別情報414を正常に受信できなかったことを表す。例えば、データ送信部250が記憶する時間間隔に識別情報414を受信しなかったとき、識別情報414は受信不能を表す。また、受信感度415が所定の値より小さいとき、正常に受信できなかったとして、識別情報414は受信不能を表す。
【0042】
一方、図6に示す第1稼働情報510の直前の稼働情報に含まれる識別情報414は、「A」を表す。このため、第1稼働情報510に含まれる識別情報414は、直前の稼働情報に含まれる識別情報414と異なるため、データ補正部160は、第1稼働情報510に含まれる時刻情報412から記憶時刻を抽出する。
【0043】
図8Aに示すステップS130において、データ補正部160は、識別情報414が変化する変化記憶時刻を抽出したかを判定する。データ補正部160は、変化記憶時刻を抽出したとき、ステップS140の処理を実行する。識別情報414が変化する変化記憶時刻が存在しないとき、データ補正部160は処理を終了する。例えば、図6に示す例において、第1稼働情報510において、識別情報414が変化しているため、データ補正部160はステップS140の処理を実行する。
【0044】
図8Aに示すステップS140において、データ補正部160は、変化後の識別情報414(以下、変化識別情報と呼ぶ)が受信不能を表すかを判定する。データ補正部160は、変化識別情報として、稼働データ410から抽出された変化記憶時刻に対応する識別情報414を抽出する。データ補正部160は、抽出された識別情報414である変化識別情報が受信不能を表さないとき、図8Bに示すステップS160を実行する。変化識別情報が受信不能を表すとき、データ補正部160は、図8Aに示すステップS150の処理を実行する。図6に示す例において、第1稼働情報510に含まれる識別情報414が受信不能を表すため、データ補正部160は、ステップS150の処理を実行する。
【0045】
図8Aに示すステップS150において、データ補正部160は、変化識別情報を、変化記憶時刻に隣接する記憶時刻に対応する識別情報414に補正する。例えば、データ補正部160は、受信不能を表す識別情報414を、直前または直後の記憶時刻に対応する識別情報414に補正する。図6に示す例において、第1稼働情報510に含まれる識別情報414は、図9に示すように、直前の記憶時刻に対応する識別情報414である「A」に補正される。また、第1稼働情報510に含まれる受信感度415も、直前の記憶時刻に対応する受信感度415である「-86」に補正される。データ補正部160は、識別情報414を補正すると、ステップS120に戻って、処理を実行する。
【0046】
変化後の変化識別情報が受信不能を表さないとき、図8Bに示すステップS160において、データ補正部160は、稼働データ410に基づき、抽出された変化記憶時刻に作業装置200が移動しているかを判定する。データ補正部160は、抽出された変化記憶時刻に作業装置200が移動していないと判定すると、図8Aに示すステップS120に戻って、処理を実行する。抽出された変化記憶時刻に作業装置200が移動していると判定すると、データ補正部160は、ステップS170の処理を実行する。
【0047】
例えば、データ補正部160は、変化記憶時刻に対応する位置情報413と、変化記憶時刻に隣接する記憶時刻に対応する位置情報413とに基づき、変化記憶時刻に作業装置200が移動しているかを判定する。例えば、データ補正部160は、図9に示す稼働データ410から、変化記憶時刻に対応する位置情報413(以下、変化位置情報と呼ぶ)と、変化記憶時刻に隣接する記憶時刻に対応する位置情報413(以下、隣接位置情報と呼ぶ)とを抽出する。抽出された変化位置情報と隣接位置情報とが異なるとき、データ補正部160は、変化記憶時刻において作業装置200が移動していると判定する。データ補正部160は、変化位置情報が表す位置と隣接位置情報が表す位置との距離が所定の閾値より大きいとき、抽出された記憶時刻において作業装置200が移動していると判定してもよい。隣接位置情報は、変化記憶時刻を含む連続する複数の記憶時刻に対応する複数の位置情報413を含んでもよい。この場合、データ補正部160は、連続する複数の記憶時刻で表される期間のうち、所定の期間より長く、作業装置200が継続して停止しているかを判定する。所定の時間より長く、作業装置200が継続して停止していないとき、データ補正部160は、変化記憶時刻において作業装置200が移動していると判定する。
【0048】
図9に示す例において、データ補正部160は、ステップS120において、識別情報414が変化する記憶時刻に対応する稼働情報として、第2稼働情報520を抽出し、ステップS130、S140、S160の順番に実行する。ステップS160において、データ補正部160は、第2稼働情報520に含まれる位置情報413(以下、第2位置情報と呼ぶ)と、第2稼働情報520に含まれる記憶時刻(以下、第2記憶時刻と呼ぶ)に隣接する稼働情報の位置情報413とに基づき、作業装置200が移動していると判定する。例えば、第2位置情報と、直前の稼働情報に含まれる位置情報413とを比較して、第2位置情報と、直前の稼働情報に含まれる位置情報413が異なるときに、データ補正部160は作業装置200が移動していると判定する。また、データ補正部160は、第2位置情報から直前の稼働情報に含まれる位置情報413までの距離が所定の距離より大きいときに、作業装置200が移動していると判定してもよい。
【0049】
図8Bに示すステップS170において、データ補正部160は、稼働データ410に基づき、対応する識別情報414が同じであり、所定の数以上連続した記憶時刻により表される基準期間を抽出する。例えば、データ補正部160は、識別情報414が同じであり、ステップS120で抽出された変化記憶時刻に最も近く、所定の数、例えば5以上連続した記憶時刻により表される基準期間を抽出する。基準期間は、変化記憶時刻よりも前、かつ、最も近い期間でもよい。
【0050】
図9に示す例において、データ補正部160は、変化記憶時刻である第2稼働情報520の第2記憶時刻よりも前、かつ、最も近く、連続して5回以上同じ識別情報414を表す基準期間を抽出する。このため、データ補正部160は、第2稼働情報群525に表される期間を基準期間として抽出する。
【0051】
図8Bに示すステップS180において、データ補正部160は、抽出された基準期間から変化記憶時刻までの間、作業装置200が連続して移動しているかを判定する。基準期間から変化記憶時刻までの間で、作業装置200が停止している期間があるとき、データ補正部160は、図8Aに示すステップS120に戻って、処理を実行する。基準期間から変化記憶時刻までの間、作業装置200が連続して移動しているとき、データ補正部160は、図8Bに示すステップS170の処理を実行する。データ補正部160が作業装置200の移動を判定する方法は、ステップS160の処理で説明した方法を用いる。例えば、データ補正部160は、基準期間から変化記憶時刻までの期間から、記憶時刻が互いに隣接する2つの稼働情報を抽出し、抽出された2つの稼働情報に基づき、作業装置200が停止しているかを判定する。
【0052】
図9に示す例において、データ補正部160は、第2稼働情報群525に対応する基準期間から第2稼働情報520に対応する第2記憶時刻までの間で、作業装置200が連続して移動しているかを判定する。データ補正部160は、作業装置200が連続して移動していると判定すると、ステップS190の処理を実行する。
【0053】
図8Bに示すステップS190において、データ補正部160は、変化記憶時刻に対応する変化識別情報を、基準期間に対応する識別情報414に補正する。変化識別情報が補正されると、データ補正部160は、図8Aに示すステップS120に戻って、処理を実行する。
【0054】
図9に示す例において、第2稼働情報520における識別情報414は、図10に示すように、第2稼働情報群525における識別情報414である「A」に補正される。データ補正部160は、ステップS120に戻って、処理を実行することで、第3稼働情報530は、第2稼働情報520と同様に処理されて、図11に示すように、第3稼働情報530の識別情報414は、「A」に補正される。
【0055】
また、稼働データ410は、図11の第4稼働情報540と第5稼働情報550とに示すように、同じ記憶時刻に異なる発信機215から識別情報414を受信する場合がある。この場合も、データ補正部160は、図8Aに示すステップS120において、識別情報414が変化する記憶時刻に対応する稼働情報として、第5稼働情報550を抽出する。ここで、図11に示す第5稼働情報550は、第4稼働情報540と比較されても、第4稼働情報540の示す記憶時刻の直前の稼働情報と比較されてもよい。データ補正部160は、抽出された第5稼働情報550に対応する記憶時刻(以下、第5記憶時刻と呼ぶ)を変化記憶時刻として、ステップS130、S140、S160の順番に実行する。
【0056】
データ補正部160は、図8Bに示すステップS170において、変化記憶時刻である第5稼働情報550の第5記憶時刻よりも前、かつ、最も近く、連続して5回以上同じ識別情報414を表す基準期間を抽出する。このため、データ補正部160は、図11に示す第5稼働情報群555に表される期間を基準期間として抽出する。第5稼働情報群555は、第4稼働情報540を含む期間でもよい。
【0057】
データ補正部160は、図8Bに示すステップS180、S190の処理を実行して、図12に示すように、第5稼働情報550の識別情報414は、第5稼働情報群555の識別情報414である「A」に補正される。その後、データ補正部160は、ステップS120に戻って、処理を実行し、変化記憶時刻が抽出されなくなると、処理を終了する。
【0058】
このように、作業管理装置100のデータ補正部160は、稼働データ410の稼働情報を補正することができる。
【0059】
図8A、8Bに示す処理が終了すると、作業管理方法は、図5に示す稼働データ410に基づき、作業データ420に登録される作業情報を判定する。具体的には、図4に示す作業判定部170は、補正された稼働データ410に基づき、作業情報、例えば作業期間、作業種別、作業領域などを判定して、判定された作業情報をデータ記憶部150に記憶する。作業判定部170は、例えば、作業装置200が起動された時刻から作業装置200が停止された時刻までを作業期間として判定する。また、作業判定部170は、作業装置200の作業を開始する時刻と終了する時刻と、例えば作業装置200に牽引される作業機械210が駆動する時刻と停止する時刻とに基づき、作業期間を判定してもよい。作業期間は、作業装置200が圃場に入った時刻と圃場から出た時刻とに基づき判定されてもよい。また、作業期間は、作業装置200のエンジンが始動する時刻と、作業装置200が停止、例えばエンジンが停止する時刻とに基づき判定されてもよい。
【0060】
作業領域は、判定された作業期間における作業装置200の位置情報413に基づき、判定される。具体的には、作業判定部170は、稼働データ410の位置情報413に基づき、作業領域を判定する。例えば、作業領域は、位置情報413に表される位置を含む任意の閉じた図形、例えば多角形、矩形などで表される。例えば、作業領域は、取得した位置情報413により表される位置のすべてを囲むような図形で表される。
【0061】
作業種別は、判定された作業期間において作業装置200に牽引された作業機械210、例えば作業機械210の種類または機種に基づき、判定される。具体的には、作業判定部170は、図2に示す稼働データ410の識別情報414に基づき、作業種別を判定する。データ記憶部150は、発信機215の識別情報414と、発信機215が設けられた作業機械210、例えば作業機械の種類、機種、シリアル番号などとを関連づけて記憶する。また、データ記憶部150は、作業機械210、例えば作業機械210の種類、機種、シリアル番号などと、この作業機械210を使用して行われる作業種別とを関連づけて記憶する。作業判定部170は、稼働データ410の識別情報414と、データ記憶部150に記憶された情報とから、作業種別を判定する。
【0062】
このようにデータ記憶部150に記憶された作業情報は、図4に示す端末300の表示部350により、端末300の入出力装置310に表示される。例えば、端末300は、ユーザの操作、例えば作業情報を表示するための操作に応じて、作業管理装置100のデータ記憶部150に、作業情報を要求するための要求信号を生成する。データ記憶部150は、端末300の表示部350からの要求信号に応じて、作業データ420に含まれる作業情報を表す応答信号を生成して、応答信号を端末300の表示部350に送信する。端末300の表示部350は、応答信号に基づき、作業情報を入出力装置310に表示する。ユーザは、入出力装置310を確認することにより、補正された稼働情報を用いて判定された作業情報を確認することができる。
【0063】
また、作業管理装置100は、稼働データ410に基づき、作業機械210の保管位置を判定してもよい。図2に示す作業機械210は、作業装置200から取り外されて保管場所に置かれる。その後、作業装置200が作業機械210から離れると、作業装置200に設けられたデータ送信装置220の受信機226は、作業機械210に設けられた発信機215から離れ、発信機215の識別情報414を受信できなくなる。このため、受信機226が発信機215から識別情報414を受信できなくなったときから、図2に示す稼働データ410において、識別情報414は受信不能を表す。稼働データ410において、所定の期間連続して、識別情報414が受信不能であるときの位置情報413に基づき、作業機械210の保管位置が判定される。
【0064】
例えば、図4に示すデータ補正部160は、稼働データ410において、所定の期間連続して、識別情報414が受信不能であるとき、識別情報414が受信不能に変化した記憶時刻を取得する。データ補正部160は、図2に示す稼働データ410において、取得した記憶時刻に対応する位置情報413を取得して、取得された位置情報413により表される位置を作業機械210の保管場所としてデータ記憶部150に記録する。図4に示すデータ記憶部150は、端末300の表示部350からの要求に応じて、記録された作業機械210の保管場所を表す保管位置情報を送信する。端末300の表示部350は、受信された作業機械210の保管場所を表す保管位置情報に基づき、作業機械210の保管位置を表示することができる。
【0065】
(変形例)
実施の形態において説明した構成は一例であり、機能を阻害しない範囲で構成を変更することができる。例えば、図8Aに示すステップS160において、データ補正部160は、作業装置200がステップS120において抽出された変化記憶時刻に移動しているかを判定できれば、任意の方法を用いてもよい。例えば、データ補正部160は、変化記憶時刻を含む連続する複数の稼働情報における位置情報413に基づき、作業装置200が移動していると判定してもよい。データ補正部160は、例えば、稼働データ410に基づき、変化記憶時刻以前の所定の期間、例えば変化記憶時刻からその5分前までの期間における作業装置200の複数の位置情報413を取得する。取得された複数の位置情報413に基づき、データ補正部160は、作業装置200が移動しているかを判定する。
【0066】
例えば、取得された複数の位置情報413が表す位置のうち、最も離れた2つの位置の間の距離が所定の距離より大きいとき、データ補正部160は、作業装置200が移動していると判定する。
【0067】
また、データ補正部160は、複数の位置情報413から、対応する記憶時刻が互いに隣接する2つの位置情報413の組み合わせをすべて抽出する。抽出したすべての組み合わせについて、2つの位置情報413が表す位置の間の距離が算出される。算出された距離のうち、少なくとも1つが所定の距離より大きいとき、データ補正部160は、作業装置200が移動していると判定してもよい。
【0068】
図8Bに示すステップS180において、ステップS160と同様に、データ補正部160は、ステップS170において抽出された基準期間から変化記憶時刻までの間、作業装置200が停止している期間があるかを判定できれば、任意の方法を用いてもよい。例えば、データ補正部160は、基準期間から変化記憶時刻までの間で、所定の期間以上、例えば5分間以上、作業装置200が停止しているかを判定してもよい。データ補正部160は、所定の期間以上、作業装置200が停止しているときに、作業装置200が停止している期間があると判定する。所定の期間以上、作業装置200が停止していないとき、データ補正部160は、作業装置200が停止している期間がないと判定する。また、ステップS180における作業装置200の移動を判定する方法は、ステップS160における判定方法と同じでもよく、異なってもよい。
【0069】
図4に示すデータ送信部250により送信される稼働情報の記憶時刻は、発信機215の識別情報414を記録した時刻を表す例を示したが、発信機215の識別情報414を受信した時刻に対応する時刻を表せれば、任意の形式で表されてもよい。例えば、記憶時刻は、発信機215の識別情報414を受信した時刻でもよい。
【0070】
図8Bに示すステップS170からS190において、データ補正部160は、識別情報414をより確からしい識別情報414に補正できれば、任意の方法を用いてもよい。例えば、データ補正部160は、ステップS120で抽出された変化記憶時刻を含み、作業装置200が移動し続けている期間を抽出して、判定した期間における識別情報414に基づき、変化記憶時刻に対応する変化識別情報を補正してもよい。
【0071】
具体的には、データ補正部160は、稼働データ410に基づき、変化記憶時刻を含み、作業装置200が移動し続けている期間を抽出する。作業装置200が移動し続けているかを判定する方法は、図8Bに示すステップS160、またはステップS170と同じ方法を用いてもよい。抽出された期間における識別情報414に基づき、データ補正部160は、変化識別情報を補正する。例えば、変化識別情報は、抽出された期間における識別情報414のうち、最も多く受信機226に受信された識別情報414に補正される。
【0072】
以上において説明した実施の形態および変形例は一例であり、各実施の形態および変形例で説明した構成は、機能を阻害しない範囲で、任意に変更してもよく、または/および、任意に組み合わせてもよい。さらに、必要となる機能を実現できれば、実施の形態および変形例で説明した一部の機能を省略してもよい。例えば、図4に示す表示部350は、データ送信装置220で実現されてもよい。また、データ記憶部150と、データ補正部160とは、データ送信装置220で実現されてもよい。
【0073】
データ補正部160は、受信機226が所定の数以上連続して同じ識別情報414を受信しているとき、この識別情報414が正しいと判定してもよい。この場合、図8Bに示すステップS180は省略されてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1、2、3:記憶媒体
20 :ネットワーク
100 :作業管理装置
110 :入出力装置
120 :演算装置
130 :通信装置
140 :記憶装置
150 :データ記憶部
160 :データ補正部
170 :作業判定部
200 :作業装置
210 :作業機械
215 :発信機
220 :データ送信装置
221 :入出力装置
222 :演算装置
223 :通信装置
224 :記憶装置
225 :測位装置
226 :受信機
250 :データ送信部
300 :端末
310 :入出力装置
320 :演算装置
330 :通信装置
340 :記憶装置
350 :表示部
400 :データ送信プログラム
410 :稼働データ
411 :作業装置番号
412 :時刻情報
413 :位置情報
414 :識別情報
415 :受信感度
420 :作業データ
430 :作業管理プログラム
440 :表示プログラム
510 :第1稼働情報
520 :第2稼働情報
525 :第2稼働情報群
530 :第3稼働情報
540 :第4稼働情報
550 :第5稼働情報
555 :第5稼働情報群
1000 :作業管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12