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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】太陽熱ルーフィングシステム
(51)【国際特許分類】
   F24S 20/69 20180101AFI20231219BHJP
   F24S 10/50 20180101ALI20231219BHJP
   F24S 60/30 20180101ALI20231219BHJP
   F24S 20/40 20180101ALI20231219BHJP
   E04D 1/30 20060101ALI20231219BHJP
   E04D 13/18 20180101ALI20231219BHJP
   E04B 1/76 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
F24S20/69
F24S10/50
F24S60/30 010
F24S20/40
E04D1/30 603G
E04D13/18
E04B1/76 200A
【請求項の数】 23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021174448
(22)【出願日】2021-10-26
(62)【分割の表示】P 2020109125の分割
【原出願日】2015-03-05
(65)【公開番号】P2022017383
(43)【公開日】2022-01-25
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】61/949,482
(32)【優先日】2014-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516121903
【氏名又は名称】ジニアテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ヘインズ、 アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】パートリッジ、 アシュトン
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス、 ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】クバスニッカ、 ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ベイツ、 デビッド
(72)【発明者】
【氏名】モロー、 クリス
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-062317(JP,A)
【文献】特開2005-290933(JP,A)
【文献】特開2005-226925(JP,A)
【文献】特開平09-310453(JP,A)
【文献】実開昭60-060652(JP,U)
【文献】特開平09-032141(JP,A)
【文献】特開平06-212742(JP,A)
【文献】特開平08-068566(JP,A)
【文献】国際公開第2013/043633(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2004/0020528(US,A1)
【文献】米国特許第04281639(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0117166(US,A1)
【文献】米国特許第09518391(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24S 20/69
F24S 10/50
F24S 60/30
F24S 20/40
E04D 1/30
E04D 13/18
E04B 1/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
構造物の外面に結合されるように構成された膜であって、前記外面と前記膜との間にキャビティが形成され、前記膜はさらに、太陽エネルギーを受けて前記キャビティの中の空気を加熱するべく構成され、前記膜は複数のタイルを含み、前記複数のタイルはそれぞれが、前記複数のタイルの少なくとも一つのタイルが他の一つのタイルによって縦方向に少なくとも部分的にオーバーラップされるように構成され、又は前記複数のタイルの他の一つのタイルを縦方向に少なくとも部分的にオーバーラップするように配列される、膜と、
前記外面に形成された第1外面開口を介して前記外面に結合されるように構成される熱収集ユニットであって、前記第1外面開口は前記膜により覆われ、前記熱収集ユニットは前記第1外面開口を介して前記キャビティに接続されるように構成される、熱収集ユニットと、
前記膜が前記外面に結合されるときに前記キャビティを周囲環境から分離するべく前記複数のタイルの一つのタイルに結合されるように構成されるシールと
を含み
前記熱収集ユニットは、前記第1外面開口から延びるように構成される第1ダクトを含み、
前記複数のタイルは、横方向に隣接する一対をなす2つのタイルを含み、
前記横方向に隣接する前記2つのタイルはそれぞれが、対応するタイルを前記外面の上において支持する複数の脚を含み、
前記複数の脚は、前記2つのタイルの一方の下から前記2つのタイルの他方の下への前記外面に沿った前記熱収集ユニットに向かう前記空気の横方向の流れを促すように構成される、システム。
【請求項2】
前記複数のタイルの前記一つのタイルは、前記複数のタイルの他のタイルのいずれによってもオーバーラップされることがない、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記外面は、最も高い箇所を有するスロープに沿って配置され、
前記複数のタイルの前記一つのタイルは、前記複数のタイルの前記他のタイルよりも前記最も高い箇所の近くに位置決めされる、請求項1のシステム。
【請求項4】
前記熱収集ユニットは、前記第1外面開口の中に受容されるように構成されたフードを含み、
前記フードは、前記キャビティから空気を受けるべく構成されたフード開口を画定する、請求項1のシステム。
【請求項5】
前記フードは、前記フード開口にわたって延びるリブを含み、
前記シールは、前記複数のタイルの前記一つのタイルに対向するように前記リブに結合され、
前記複数のタイルの前記一つのタイルと前記リブとの間に気密シールが形成される、請求項4のシステム。
【請求項6】
前記複数のタイルの前記一つのタイルは、前記熱収集ユニットに結合されるように構成された固定箇所を含む、請求項1のシステム。
【請求項7】
前記固定箇所は、前記第1外面開口の上に位置決めされるべく構成される、請求項6のシステム。
【請求項8】
前記熱収集ユニットは、前記第1外面開口の中に受容されるように構成されたフードを含み、
前記フードは、前記キャビティから空気を受けるべく構成されたフード開口を画定し、前記フード開口にわたって延びるリブを含み、
前記固定箇所は前記リブに結合される、請求項7のシステム。
【請求項9】
前記熱収集ユニットはさらに、前記外面の第1部分に形成された第2外面開口を介して前記キャビティに接続され、
前記キャビティは、前記膜が前記外面に結合されるときに前記第1部分にわたって延び、
記熱収集ユニットは、前記第2外面開口から延びるように構成される第2ダクトをさらに含み
前記キャビティ、前記第1ダクト及び前記第2ダクトは、前記周囲環境から分離された閉ループを形成するように構成される、請求項1のシステム。
【請求項10】
前記熱収集ユニットは、前記膜が前記外面に結合されるときに前記外面の前記第1部分を第1温度に到達させ、前記膜が前記外面に結合されるときに前記外面の、前記第1部分を含まない第2部分を前記第1温度よりも低い第2温度に到達させるべく動作可能な熱源をさらに含む、請求項9のシステム。
【請求項11】
前記第2温度と前記第1温度との差により前記膜において雪又は氷の少なくとも一方の溶融が促される、請求項10のシステム。
【請求項12】
システムであって、
構造物の外面に結合されるように構成された膜であって、前記外面と前記膜との間にキャビティが形成され、前記膜はさらに、太陽エネルギーを受けて前記キャビティの中の空気を加熱するべく構成され、前記膜は複数のタイルを含み、前記複数のタイルはそれぞれが、前記複数のタイルの少なくとも一つのタイルが他の一つのタイルによって縦方向に少なくとも部分的にオーバーラップされるように構成され、又は前記複数のタイルの他の一つのタイルを縦方向に少なくとも部分的にオーバーラップするように配列され、前記複数のタイルはそれぞれが、前記複数のタイルのそれぞれの下面に沿って互い違いにされた複数の脚を含み、前記複数のタイルの一つのタイルが固定箇所を含む、膜と、
前記固定箇所に結合されるように構成される熱収集ユニットであって、前記外面に形成された第1外面開口の中に受容され、前記第1外面開口は前記膜により覆われ、前記熱収集ユニットは前記第1外面開口を介して前記キャビティに接続されるように構成される、熱収集ユニットと
を含み
前記熱収集ユニットは、前記第1外面開口から延びるように構成される第1ダクトをみ、
前記第1ダクトは、前記第1外面開口の中に受容されるように構成されたフードを含み、
前記フードは、前記キャビティから空気を受けるべく構成されたフード開口を画定し、かつ、前記フード開口にわたって延びるリブを含み、
前記固定箇所は、前記第1外面開口の上に位置決めされるように構成され、
前記固定箇所は前記リブに結合される、システム。
【請求項13】
前記膜が前記外面に結合されるときに前記キャビティを周囲環境から分離するべく前記複数のタイルの一つのタイルに結合されるように構成されたシールをさらに含む、請求項12のシステム。
【請求項14】
前記複数のタイルの前記一つのタイルは、前記複数のタイルの他のタイルのいずれによってもオーバーラップされることがない、請求項13のシステム。
【請求項15】
前記外面は、最も高い箇所を有するスロープに沿って配置され、
前記複数のタイルの前記一つのタイルは、前記複数のタイルの前記他のタイルよりも前記最も高い箇所の近くに位置決めされる、請求項13のシステム。
【請求項16】
記シールは、前記複数のタイルの前記一つのタイルに対向するように前記リブに結合され、
前記複数のタイルの前記一つのタイルと前記リブとの間に気密シールが形成される、請求項13のシステム。
【請求項17】
前記熱収集ユニットはさらに、前記外面の第1部分に形成された第2外面開口を介して前記キャビティに接続され、
前記キャビティは、前記膜が前記外面に結合されるときに前記外面の第1部分にわたって延び、
記熱収集ユニットは、前記第2外面開口から延びるように構成される第2ダクトをさらに含み
前記キャビティ、前記第1ダクト及び前記第2ダクトは、前記周囲環境から分離された閉ループを形成する、請求項13のシステム。
【請求項18】
前記閉ループは、前記膜が前記外面に結合されるときに前記外面の前記第1部分を第1温度に到達させ、前記膜が前記外面に結合されるときに前記外面の、前記第1部分を含まない第2部分を前記第1温度よりも低い第2温度に到達させるべく、熱源からの熱を前記キャビティの中へと向けるように構成され、
前記第2温度と前記第1温度との差により前記膜において雪又は氷の少なくとも一方の溶融が促される、請求項17のシステム。
【請求項19】
システムであって、
構造物の外面に結合されるように構成された膜であって、前記外面と前記膜との間にキャビティが形成され、前記膜はさらに、太陽エネルギーを受けて前記キャビティの中の空気を加熱するべく構成され、前記膜は複数のタイルを含み、前記複数のタイルはそれぞれが、前記複数のタイルの少なくとも一つのタイルが他の一つのタイルによって縦方向に少なくとも部分的にオーバーラップされるように構成され、又は前記複数のタイルの他の一つのタイルを縦方向に少なくとも部分的にオーバーラップするように配列され、前記複数のタイルの一つのタイルが固定箇所を含み、前記キャビティは前記外面の第1部分にわたって延びる、膜と、
前記固定箇所に結合されるように構成される熱収集ユニットであって、記外面の、前記第1部分を含まない第2部分に形成された第1外面開口の中に受容され、前記第1外面開口は前記膜により覆われ、前記熱収集ユニットは前記第1外面開口を介して前記キャビティに接続されるように構成される、熱収集ユニットと
を含み、
前記熱収集ユニットは、前記外面の前記第1部分に形成された第2外面開口を介して前記キャビティに接続されるように構成され、
前記熱収集ユニットは、前記第1外面開口の中に受容されるように構成されたフードを含み、
前記フードは、前記キャビティから空気を受けるべく構成されたフード開口を画定し、かつ、前記フード開口にわたって延びるリブを含み、
前記固定箇所は、前記第1外面開口の上に位置決めされるように構成され、
前記固定箇所は前記リブに結合され、
前記キャビティと前記熱収集ユニットとの間には閉ループが形成され、
前記複数のタイルは、横方向に隣接する一対をなす2つのタイルを含み、
前記横方向に隣接する前記2つのタイルはそれぞれが、対応するタイルを前記外面の上において支持する複数の脚を含み、
前記複数の脚は、前記2つのタイルの一方の下から前記2つのタイルの他方の下への前記外面に沿った前記熱収集ユニットに向かう前記空気の横方向の流れを促すように構成される、システム。
【請求項20】
前記閉ループは、前記膜が前記外面に結合されるときに前記外面の前記第1部分を第1温度に到達させ、前記膜が前記外面に結合されるときに前記外面の、前記第1部分を含まない第2部分を前記第1温度よりも低い第2温度に到達させるべく、熱源からの熱を前記キャビティの中へと向けるように構成され、
前記第2温度と前記第1温度との差により前記膜において雪又は氷の少なくとも一方の溶融が促される、請求項19のシステム。
【請求項21】
システムであって、
構造物の外面に結合されるように構成された膜であって、前記外面と前記膜との間にキャビティが形成され、前記膜はさらに、太陽エネルギーを受けて前記キャビティの中の空気を加熱するべく構成され、前記膜は複数のタイルを含み、前記複数のタイルはそれぞれが、前記複数のタイルの少なくとも一つのタイルが他の一つのタイルによって縦方向に少なくとも部分的にオーバーラップされるように構成され、又は前記複数のタイルの他の一つのタイルを縦方向に少なくとも部分的にオーバーラップするように配列される、膜と、
前記外面に形成された第1外面開口を介して前記外面に結合されるように構成される熱収集ユニットであって、前記第1外面開口は前記膜により覆われ、熱収集ユニットは前記第1外面開口を介して前記キャビティに接続されるように構成される、熱収集ユニットと、
前記膜が前記外面に結合されるときに前記キャビティを周囲環境から分離するべく前記複数のタイルの一つのタイルに結合されるように構成されたシールと
を含み
前記熱収集ユニットは、前記第1外面開口から延びるように構成されるダクトを含み、
前記ダクトは、前記第1外面開口の中に受容されるように構成されたフードを含み、
前記フードは、前記キャビティから空気を受けるべく構成されたフード開口を画定し、
前記フードは、前記フード開口にわたって延びるリブを含み、
前記シールは、前記複数のタイルの前記一つのタイルに対向するように前記リブに結合され、
前記複数のタイルの前記一つのタイルと前記リブとの間に気密シールが形成される、システム。
【請求項22】
システムであって、
構造物の外面に結合されるように構成された膜であって、前記外面と前記膜との間にキャビティが形成され、前記膜はさらに、太陽エネルギーを受けて前記キャビティの中の空気を加熱するべく構成され、前記膜は複数のタイルを含み、前記複数のタイルはそれぞれが、前記複数のタイルの少なくとも一つのタイルが他の一つのタイルによって縦方向に少なくとも部分的にオーバーラップされるように構成され、又は前記複数のタイルの他の一つのタイルを縦方向に少なくとも部分的にオーバーラップするように配列される、膜と、
前記外面に形成された第1外面開口を介して前記外面に結合されるように構成される熱収集ユニットであって、前記第1外面開口は前記膜により覆われ、前記熱収集ユニットは前記第1外面開口を介して前記キャビティに接続されるように構成される、熱収集ユニットと、
前記膜が前記外面に結合されるときに前記キャビティを周囲環境から分離するべく前記複数のタイルの一つのタイルに結合されるように構成されたシールと
を含み
前記熱収集ユニットは、前記第1外面開口から延びるように構成されるダクトを含み、
前記ダクトは、前記第1外面開口の中に受容されるように構成されたフードを含み、
前記フードは、前記キャビティから空気を受けるべく構成されたフード開口を画定し、かつ、前記フード開口にわたって延びるリブを含み、
前記複数のタイルの前記一つのタイルが、前記熱収集ユニットに結合されるように構成された固定箇所を含み、
前記固定箇所は、前記第1外面開口の上に位置決めされるように構成され、
前記固定箇所は前記リブに結合される、システム。
【請求項23】
システムであって、
構造物の外面に結合されるように構成された膜であって、前記外面と前記膜との間にキャビティが形成され、前記膜はさらに、太陽エネルギーを受けて前記キャビティの中の空気を加熱するべく構成され、前記膜は複数のタイルを含み、前記複数のタイルはそれぞれが、前記複数のタイルの少なくとも一つのタイルが他の一つのタイルによって縦方向に少なくとも部分的にオーバーラップされるように構成され、又は前記複数のタイルの他の一つのタイルを縦方向に少なくとも部分的にオーバーラップするように配列され、前記複数のタイルはそれぞれが脚を含み、前記複数のタイルの一つのタイルが固定箇所を含む、膜と、
前記固定箇所に結合されるように構成される熱収集ユニットであって、前記外面に形成された第1外面開口の中に受容され、前記第1外面開口は前記膜により覆われ、前記熱収集ユニットは前記第1外面開口を介して前記キャビティに接続されるように構成される、熱収集ユニットと
記膜が前記外面に結合されるときに前記キャビティを周囲環境から分離するべく前記複数のタイルの一つのタイルに結合されるように構成されたシールと
を含み、
前記熱収集ユニットは、前記第1外面開口から延びるように構成されるダクトを含み、
前記ダクトは、前記第1外面開口の中に受容されるように構成されたフードを含み、
前記フードは、前記キャビティから空気を受けるべく構成されたフード開口を画定し、
前記フードは、前記フード開口にわたって延びるリブを含み、
前記固定箇所は、前記第1外面開口の上に位置決めされるように構成され、
前記固定箇所は前記リブに結合され、
前記シールは、前記複数のタイルの前記一つのタイルに対向するように前記リブに結合され、
前記複数のタイルの前記一つのタイルと前記リブとの間に気密シールが形成される、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2014年3月7日に出願された「太陽熱ルーフィングシステム」との名称の
米国仮出願第61/949,482号の利益を主張し、2013年9月6日に出願された
「ルーフィング、クラッディング又はサイディング製品、その製造、及びその太陽エネル
ギー回収システムの一部としての使用」との名称の米国特許出願第14/003,741
号に関連する。これらの開示はここに、その全体がすべての目的のために参照により組み
入れられる。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、特許請求の範囲に記載される本発明の背景又は文脈を与えることを
意図する。ここでの記載は、追及され得る概念を含み得るが、必ずしも、以前に着想され
又は追及されてきたものではない。したがって、ここに特に示されない限り、このセクシ
ョンに記述されることは、本願の明細書及び許請求の範囲に対する先行技術というわけで
はなく、このセクションに含まれることによって先行技術として認められるわけでもない
【0003】
太陽熱収集システムは、集熱器を介して太陽スペクトルから太陽エネルギーを熱として
収集する。例えば、太陽熱収集システムは、建物内の水又は環境を加熱するべく使用され
る太陽エネルギーを収集するために、建物のルーフすなわち屋根に設置され得る。しかし
ながら、このシステムは、取り付けブラケット又は他のハードウェアにより、既存の屋根
及び/又は壁にボルト留めされ得る。こうしたタイプのシステムは、建物の構造物に統合
されることがないのが典型的であり、太陽エネルギーを効率的に収集して建物に提供する
ことができない。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一実施形態は、太陽熱制御システムに関する。制御システムは、太陽エネルギ
ーを受けるべく構成された膜を含む。膜は、当該膜と構造物の外面との間に、当該外面に
結合することによってキャビティを形成するべく構成される。太陽エネルギーはキャビテ
ィ内の空気を加熱するべく構成される。膜は、当該外面に接触して当該外面の上方に一定
距離だけ当該膜を持ち上げて当該キャビティを形成するべく構成された(例えばパッカー
として一体的又は別個に設置される)脚を含んでよい。外面上方の距離、及びキャビティ
のサイズは、脚の高さに直接関連し得る。
【0005】
制御システムはまた、キャビティに接続されて当該キャビティからの空気を受けて方向
付けするべく構成された熱収集ユニットを含む。熱収集ユニットは、当該外面に取り付け
られるように構成されたフランジを有するフードを含み得る。フランジは、外面のピッチ
に整合するように構成される。熱収集ユニットはまた、熱交換モジュール及びファンモジ
ュールを含み得る。ファンモジュールは空気を、システムを通るように駆動する。システ
ムはまた、熱収集ユニットに結合されたダクトシステムを含む。ダクトシステムは、熱収
集ユニットからの空気を、構造物の内部及びベントの少なくとも一方へと方向付けるよう
に構成される。システムはまた、熱収集ユニットからの空気を受けて当該空気を外気中に
排出させるべく構成されたベントリッジも含み得る。ベントリッジは、空気をベントする
ための一以上の抽出点を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示は、同じ参照番号が同じ要素を言及する添付図面と併用される以下の詳細な説明
からより十分に理解される。
図1】典型的な一実施形態に係る太陽熱制御システムの模式的な例示である。
図2】典型的な一実施形態に係る太陽熱制御システムのためのルーフィングタイルの底面図である。
図3図2のルーフィングタイルの側面図である。
図4A】典型的な一実施形態に係る一連のオーバーラップするルーフィングタイルの側面図である。
図4B】他実施形態に係る平坦なルーフ膜のためのオーバーラップするルーフィングタイルの正面斜視図である。
図5】典型的な一実施形態に係る太陽熱制御システムのための熱収集ユニットの等角図である。
図6】典型的な一実施形態に係る熱収集ユニットのためのフードの等角図である。
図7】典型的な一実施形態に係る修正構成のフードの等角図である。
図8】典型的な一実施形態に係る追加の機能モジュールを有する熱収集ユニットの分解図である。
図9図8の熱収集ユニットの等角図である。
図10】典型的な一実施形態に係る太陽熱制御システムのベントリッジのためのリッジクリップの斜視図である。
図11】典型的な一実施形態に係るベントリッジのためのリッジタイルの斜視図である。
図12】典型的な一実施形態に係るベントリッジの斜視図である。
図13】一実施形態に係る太陽熱制御システムの模式的な例示である。
図14】一実施形態に係る可撓性ダクトシステムを有する太陽熱制御システムの模式的な例示である。
図15】一実施形態に係る逆空気流を有する太陽熱制御システムの模式的な例示である。
図16】一実施形態に係る逆空気流を有する他の太陽熱制御システムの模式的な例示である。
図17】第1のルーフィングタイル試験環境の例示である。
図18】第2のルーフィングタイル試験環境の例示である。
図19】一実施形態に係る双方のルーフィングタイル試験環境において測定された、雲のない日の温度のグラフ表現である。
図20】一実施形態に係る5日間にわたる熱交換器の前段及び後段における温度の相関のグラフ表現である。
図21】一実施形態に係る周囲空気との熱交換器の前段及び後段における温度のグラフ表現である。
図22】一実施形態に係る熱交換器に接続された温水シリンダとの熱交換器の前段及び後段における温度のグラフ表現である。
図23】一実施形態に係る一定期間の日々にわたるエネルギー及び効率の計算を示す表である。
図24】一実施形態に係る異なるルーフスパンに対するルーフキャビティ空気温度のグラフ表現である。
図25】一実施形態に係るルーフキャビティを通る空気流のグラフ表現である。
図26】一実施形態に係る水タンクを加熱するシミュレーションのグラフ表現である。
図27】一実施形態に係る太陽熱制御システムの模式的表現である。
図28】一実施形態に係る制御センサを有する太陽熱制御システムの模式的表現である。
図29】一実施形態に係るファン速度制御を有する太陽熱制御システムの模式的表現である。
図30】一実施形態に係る水循環を有する太陽熱制御システムの模式的表現である。
図31A】一実施形態に係る空間加熱を有する太陽熱制御システムの模式的表現である。
図31B】一実施形態に係る太陽熱制御システムのための閉ループ構成の模式的表現である。
図32】一実施形態に係るハイブリッド水加熱特徴部を有する太陽熱制御システムの模式的表現である。
図33】一実施形態に係るハイブリッド太陽熱制御システムの模式的表現である。
図34A】一実施形態に係る太陽熱制御システムのための様々な構成の模式的表現である。
図34B】一実施形態に係る太陽熱制御システムのための様々な構成の模式的表現である。
図34C】一実施形態に係る太陽熱制御システムのための様々な構成の模式的表現である。
図34D】一実施形態に係る太陽熱制御システムのための様々な構成の模式的表現である。
図35A】一実施形態に係る太陽熱制御システムの異なる構成に関連付けられた様々な性能統計値のグラフ表現である。
図35B】一実施形態に係る太陽熱制御システムの異なる構成に関連付けられた様々な性能統計値のグラフ表現である。
図36】一実施形態に係る吸収ベースの空間冷却を有する太陽熱制御システムの模式的表現である。
図37A】一実施形態に係る太陽熱制御システムの様々な構成に関連付けられた加熱性能のグラフ表現である。
図37B】一実施形態に係る太陽熱制御システムの様々な構成に関連付けられた加熱性能のグラフ表現である。
図37C】一実施形態に係る太陽熱制御システムの様々な構成に関連付けられた加熱性能のグラフ表現である。
図37D】一実施形態に係る太陽熱制御システムの様々な構成に関連付けられた加熱性能のグラフ表現である。
図38A】一実施形態に係る水加熱プロセス中の太陽熱制御システムの様々な構成に関連付けられた性能統計値のグラフ表現である。
図38B】一実施形態に係る水加熱プロセス中の太陽熱制御システムの様々な構成に関連付けられた性能統計値のグラフ表現である。
図39】一実施形態に係る太陽熱制御システムの模式的表現である。
図40】典型的な一実施形態に係る太陽熱制御システムのための熱収集ユニットの側面図である。
図41図40の熱収集ユニットの分解等角図である。
図42】典型的な一実施形態に係る図40に示された熱収集ユニットのためのフードの分離側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
典型的な実施形態を詳細に例示する図面を参照する前に理解すべきことだが、本願は、
明細書に記載された又は図面に示された詳細又は方法論に限定されない。またも理解すべ
きことだが、用語は説明のみを目的としており、制限と認めるべきではない。
【0008】
一般に図面を参照すると、太陽熱システムが示される。太陽熱システムが図面全体を通
してルーフ設置として示されるにもかかわらず、このシステムは、建物又は構造物の任意
の下支え材料(例えば壁、ルーフ等)に、当該構造物において太陽エネルギーを収集する
べく取り付けられ又は結合されてよい。太陽熱システムは、建物構造物の下支え材料とと
もにキャビティを形成する外側クラッディング又は外部膜(例えば一以上のルーフィング
タイル)からなる太陽収集器を含み得る。このシステムは、キャビティから空気を抽出す
ることによって態様エネルギーから熱を収集するべく構成される。太陽熱システムはまた
、熱収集ユニット(例えば保熱箱)も含む。熱収集ユニットは、外部膜の下に取り付けら
れてキャビティに接続され、当該キャビティからの空気流を収集及び方向付けすることが
できる。このシステムはまた、太陽熱システムの中で空気の流れを方向付けるダクト(す
なわちダクトシステム)も含み得る。ここに記載されるシステムは、暖かい季節の間に建
物又は他の関連構造物の中への熱負荷を低減することと、寒い季節の間に建物又は他の構
造物の中で生成される熱エネルギーの逃避を低減することとにより、建物の効率(例えば
エネルギー効率)を与えるという付加的な利益を与える。
【0009】
図1を参照すると、典型的な一実施形態に係る太陽熱制御システム100が示される。
システム100は、建物又は他の構造物の最も外側の(例えば最上位の)表面を形成する
べく構成され得る。システム100は、関連建物の下支え材料112(例えば建築用紙、
合板、乾式壁材)を覆うべく構成されたルーフィング膜102を含む。ルーフィング膜1
02は少なくとも部分的に、下材料112を含む構造物を風雨から保護するべく全天候型
材料から作ることができる。ルーフィング膜102は、太陽光を吸収するべく構成された
ソーラーパネルのような材料から作ることもできる。典型的な一実施形態において、ルー
フィング膜102は、図2から4に示されるように複数のオーバーラップするセクション
(例えばタイル、屋根板等)から作られる。
【0010】
ルーフィング膜102は、空気が膜102と下材料112との間を流れるキャビティ1
08を形成するべく構成される。典型的な一実施形態において、キャビティ108内の空
気は、ルーフィング膜102が捕捉した太陽光(すなわち太陽エネルギー)によって加熱
される。暖かい空気が、キャビティ108から引き出され、保熱箱104として示される
熱収集ユニットの中に入る。暖かい空気の典型的な経路が図1の矢印で例示される。保熱
箱104は、キャビティ108に流体接続され、キャビティ108から暖かい空気を受け
るべく構成される。保熱箱104及び他の同様の収集ユニットは、図5から9に具体的に
示されるとともに以下にさらに詳述される。
【0011】
空気は熱収集ユニット104から引き回されて(図1によれば下方の)建物の中に入り
、建物内の水又は環境を加熱するべく使用されるか、又は、空気は、システム100のベ
ントリッジ106を介して外気へと排気される。そうでなければ空気はまた、この実施形
態又は他実施形態における建物から(例えば切妻端のような外壁へのダクトを介して)ベ
ントされてもよい。ベントリッジ106は、ルーフィング膜102の一部分を覆うべく構
成され、少なくとも一つの抽出箇所を与える。この抽出箇所は、過剰な暖かい空気をシス
テム100から(例えば保熱箱104から)排気する開口114として示される。システ
ム100は、他実施形態において任意数の抽出箇所(例えば開口、排気エリア等)を含み
得る。抽出箇所の数は、ルーフ若しくは関連建物のサイズ及び/若しくは形状、並びに/
又は熱制御システム100の特定アプリケーションに依存し得る。典型的な一実施形態に
おいて、抽出箇所の数は、熱制御システム100の特定の機能又はアプリケーションに役
立つように最小限にされる。例えば、一実施形態において、システム100は、ルーフの
リッジ線沿いの中心に位置決めされた一つの抽出箇所を含み得る。ベントリッジ106及
びその主要コンポーネントは、図10から12に具体的に示されるとともに以下にさらに
詳述される。
【0012】
ここで図2及び3を参照すると、典型的な一実施形態に係るルーフィングタイル200
が示される。この実施形態において、図4に示されるように、ルーフィング膜102、又
はシステム100のための他の同様の外側クラッディング若しくはカバーを形成するべく
、2つ以上のルーフィングタイル200を組み合わせる(例えば結合、積層、重ね合わせ
等をする)ことができる。各ルーフィングタイル200は、アンダーラップセクション2
02(例えば底部セクション、下方セクション等)及び例えば204(例えば頂部セクシ
ョン、上方セクション等)を含む。これらのセクション202及び204は同様の材料か
ら作られてよい。典型的な一実施形態において、これらのセクション202及び204は
、膜102を形成するべく当該セクション202及び204がオーバーラップするように
、同様の寸法を有し、同様のエリアを含む。
【0013】
アンダーラップセクション202は、関連建物の下材料112(又は他の外面)上に載
置される脚206を含む。脚206は、アンダーラップセクション202の残りの部分を
、下材料112から一定距離だけ持ち上げる。脚206が下材料112上に載置されてい
るとき、アンダーラップセクション202と下材料112との間に(すなわち脚206ま
わりに又は脚206同士の間に)キャビティ108が形成される。脚206は、所望の又
は必要なキャビティ108に応じた形状とされ得る。例えば、脚206の高さは、キャビ
ティ108を通るように意図される空気流に関連し、高さが高くなると空気流が多くなる
。脚206の形状及びサイズは、理想的な空気流のために最適化することができる。一例
として、脚206のような脚は、空気が収集ユニット(例えば保熱箱104)に向かって
横切っている間の最大限の熱利用を目的として層流をかく乱するように配置され得る。脚
は、当該脚及び/又はシステム100の特定のアプリケーション及び要件に応じて中実又
は中空としてよい。脚206は、空力抵抗を最小限にして脚206まわりの及びキャビテ
ィ108を通る空気流を増進させ得る。例えば、脚206は、丸まった前縁を有してよく
、近似的にU字形状としてよい。典型的な一実施形態において、脚206は、(例えば脚
206及び/又はキャビティが近似的に20ミリメートルの高さを有する場合)ルーフィ
ングタイル200と下材料112との間に近似的に20ミリメートルの空隙を与えるサイ
ズ及び形状である。空隙(例えばキャビティ108)は、空気を一セクション(例えばル
ーフィングタイル200)又はルーフ(例えば膜102)全体から、中心に位置決めされ
た熱収集ユニット(例えば保熱箱104)へと引き込むことが意図される。しかしながら
、建物構造物のルーフは、熱エネルギー取り出しを最適化するべく複数の収集ユニットを
包含してよい。例えば、一実施形態において、太陽熱エネルギーは、第1ルーフ表面から
収集して(例えばダクト及びダンパーのシステムを介して)第2ルーフ表面へと向けて当
該第2ルーフ表面上の雪を溶融することができる。他実施形態において、複数ルーフ表面
の第1ルーフ表面又は一セクションを水加熱に利用することができ、複数ルーフ表面の第
2ルーフ表面又は一セクションを空間加熱に利用することができる。
【0014】
アンダーラップセクション202は、システム100の特定のアプリケーションに適切
な任意数の脚206を含み得る。例えば、アンダーラップセクション202は、大量の空
気流がキャビティ108を通る必要がある場合(すなわちキャビティ108内に大きな空
気空間をもたらすべく)少ない脚206を含み得る。アンダーラップセクション202は
また、ルーフィングタイル200が特に重い材料から作られている場合(すなわちタイル
200の重量を支持するべく)多くの脚206を含んでもよく、ルーフの、歩行往来が相
対的に高いエリアに(例えば任意のサービス要員又は他の人のルーフ上の重量を支持する
べく)配置される。脚206は、下材料112の上方にアンダーラップセクション202
を適切な距離だけ持ち上げてキャビティ108をもたらすべく、アンダーラップセクショ
ン202にわたって近似的に等間隔とされ得る。
【0015】
アンダーラップセクション202はまた、セクション202と204との間の分割線2
10近くに位置決めされる固定箇所208も含む。固定箇所208は、ルーフィングタイ
ル200を保熱箱104のような熱収集ユニットに取り付ける取り付け箇所を与え得る。
固定箇所208は、サイズが決められて、例えばタイル200をユニット104に取り付
けるように、関連熱収集ユニット104の一以上の特徴物に対してアンダーラップセクシ
ョン202に位置決めされる。固定箇所208は、熱収集ユニットを参照して以下にさら
に詳述される(図5から9を参照)。
【0016】
ここで図4A及び4Bを参照すると、典型的な一実施形態に係るルーフィング膜102
が示される。ルーフィング膜102は、傾斜した若しくは角度付きのルーフ(図4A)又
は実質的に平坦なルーフ(図4B)のために構成することができる。図4Aの実施形態に
おいて、ルーフィング膜102は、複数のオーバーラップするルーフィングタイル200
から形成される。各タイル200のオーバーラップセクション204は、隣接タイルのア
ンダーラップセクション202を覆う。一実施形態において、タイル200のセクション
202及び204は、ルーフィング膜102を安定にするべく互いに結合され得る。例え
ば、セクション202及び204はそれぞれが、タイル200を結合するべく互いに連動
するように構成された対応ロックアセンブリを含み得る。さらに、ロックアセンブリは、
上基板表面と下基板表面との間の熱伝達を最適化するように構成することができる。
【0017】
ルーフィング膜102は、この実施形態においてシール116を含む。シール116は
、キャビティ108(すなわちルーフィング膜102と下材料112との間の空間)を、
シール116のエリアにおいてシールするように構成される。典型的な一実施形態におい
て、シール116は、キャビティ108内の空気の方向付け及び収集を支援するべく、ル
ーフの最も高い箇所においてルーフィング膜102の下に設置される(例えば図4Aのル
ーフのような傾斜ルーフにおいて)。他実施形態において、システム100は、空気をシ
ステム100内に(例えばキャビティ108内に)シールするべく、シール402と同様
の他のシールも含み得る。このシールは、空気及びデブリ双方と水分の浸入を防止及び大
幅に低減するべく構成された雨よけを含む。加えて、空気の通過を許容しながらデブリ及
び水分の浸入を防止するべく(例えば開始段のタイルの下に)フィルタを設置してもよい
【0018】
ここで図5を参照すると、典型的な一実施形態に係る熱収集ユニット104が示される
。熱収集ユニット104は、キャビティ108に流体接続され、キャビティ108から方
向付けされた空気(例えば加熱された空気)を収集するべく構成される。 この空気は、
関連建物内で使用される水を加熱するべく、又は熱若しくは他のエネルギーを建物環境に
与える(例えば建物内の周囲温度を上昇させる)べく、熱収集ユニット104から方向転
換させてもよい。他実施形態において、熱収集ユニット104は、空気から熱、ひいては
湿度(例えば水分)を除去する。その後、除湿かつ冷却された排気は、関連建物の居住可
能空間を冷却するべく使用することができる。除去された熱は、水塊(例えばタンク、プ
ール、スパ等)又は他の流体若しくは媒体に伝達され得る。熱収集ユニット104は、関
連建物の外側から設置してよい。熱収集ユニット104は典型的に、ルーフィング膜10
2の取り付け又は設置に先立って設置される。例えば、建物のルーフの中に(例えば下材
料112を通るように)、熱収集ユニット104にフィットするサイズとされた開口が形
成され得る。この開口は、下材料112に孔を開けることによって形成してよい。熱収集
ユニット104は、開口の中に置かれ、当該開口をシールするルーフィング膜102によ
り覆われる。熱収集ユニット104が特に、例示のルーフ内に設置されるように構成され
、ルーフィングタイル200により形成されたキャビティ108から空気を受けるように
構成されるにもかかわらず、ユニット104は、波形の鉄タイル又はテラコッタタイルを
含む下側部に同様のキャビティを与える任意の同様な熱制御システムとともに使用してよ
い。
【0019】
図5に例示の実施形態において、熱収集ユニット104は、複数のリブ504とベース
506とを有するフード502を含む。ベース506からは空気がダクト通気される。フ
ード502は、熱収集ユニット104を設置するときに、建物のルーフのピッチ(例えば
、勾配、角度、険しさ等)に近似的に整合させる必要があり得る。フード502は、ベー
ス506と結合して熱収集ユニット104を形成するように構成される。リブ504は、
熱収集ユニット104が建物に設置された後にフード502に付加してよい。リブ504
は、ルーフィングタイル200の固定箇所を与え得る。例えば、タイル200のうちの一
つの固定箇所208は、タイル200をユニット104に結合するべくリブ504に取り
付け又は結合することができる。これにより、タイル200及び/又はユニット104を
安定にすることができる。一実施形態において、シール116は、第1端が当該リブ50
4のうちの一つに結合され、第2端がルーフィング膜102に結合されるように構成され
る。これにより、近似的に気密なシールが膜102と熱収集ユニット104との間に形成
される。他実施形態において、様々なルーフピッチに適合してシールするべく可撓性かつ
アコーディオン状の材料を使用してよい。
【0020】
フード502はまた、熱収集ユニット104の頂部にあるリブ504同士の間に配置さ
れた開口508、510及び512を含む。開口508、510及び512は、ベントリ
ッジ106における抽出箇所を通してキャビティ108から空気を受け及び/又は建物の
外側に空気を方向転換若しくは排気するように構成してよい。他実施形態において、フー
ド502は、これよりも多い又は少ない開口を含んでよく、当該開口は、それ以外に、太
陽熱制御システム100及び/又は熱収集ユニット104の特定のアプリケーションに応
じて構成してよい。例えば、開口は、特定の建物のエネルギー要求及びベント要求に応じ
たサイズとして位置決めしてよい。典型的な一実施形態において、熱収集ユニット104
は、開口508及び510を通して空気を収集し又は受け、開口512を通してベントリ
ッジ106まで空気を送るように構成される。他実施形態において、空気は、閉じた系を
形成するべく膜102の下にあるルーフの低い部分へと排気される。かかる実施形態は、
寒い気候(例えば、赤道から離れた地域、高度が高い環境等)において好ましくなり得る
。空気は、ひとたびフード502の中に受け入れられると、ベース506を通して建物の
中へと方向転換され得る。ベース506の頂部開口516は、フード502からの空気を
受けるべく構成され、その空気は、ベース506の底部開口514を通して関連建物の中
へ方向転換され得る。
【0021】
熱収集ユニット104を建物の中に設置するべく、下材料112に(例えばユニット1
04の一以上の寸法に応じて)ユニット104の近似形状の孔を開けてもよい。ユニット
104はその後、開口の部位に設置され得る。ユニット104は、ユニット104を下材
料112に取り付け又は結合するべく構成された一以上の特徴物を含み得る。ここで図6
及び7を参照すると、熱収集ユニット104のためのフード602が示される。フード6
02は、フード502と同様としてよく、フード502を参照して記載されたいずれかの
特徴物又は機能を含んでよい。図6は、予め修正された(例えばフランジのない)構成の
フード602を示す。図7は、修正された(例えばフランジ付き)構成のフード602を
示す。この構成は、フード602を建物の中に設置するのに有用となり得る。
【0022】
図6に示されるように、フード602は、熱収集ユニットを建物のルーフに固定するフ
ランジ606をもたらすべく曲げられる余剰材料604(図7参照)を含む。余剰材料6
04は、フランジ606をもたらすときの支援となる一連のマーキング608を含む。例
えば、各マーキング608は、標準の又は典型的なピッチのような、ルーフの固有のピッ
チに対応し得る。図7に示されるように、余剰材料604は、フランジ606を形成する
べく曲げられ及び/又は切断され得る。例えば、余剰材料604は、フード602の後方
コーナー610に沿って切断されてよく、側部612は、図7の構成に近似するように曲
げられてよい。ひとたびフード602がルーフピッチに合わせて修正されると、フード6
02は、ベース(例えばベース506)に接続してよく、完全な熱収集ユニット104が
ルーフの中に(例えば下材料112にある孔を通して)挿入される。フランジ606はそ
の後、熱収集ユニット104を所定位置に保持又は固定するべく関連建物のルーフに(例
えば下材料112に接触するように)取り付けられ得る。その後リブ504が設置され、
ユニット104は、ルーフィング膜102によって覆われる。代替的に、適切なシールを
維持しながらルーフピッチに自動的に合わせるべく、可撓性材料(例えばアコーディオン
スタイル)を使用してもよい。
【0023】
ここで図8及び9を参照すると、一実施形態に係る他の熱収集ユニット800が示され
る。ユニット800は、ユニット104と同様であるが、付加的な特徴物及び/又は機能
を含むように修正されている。この実施形態において、ユニット800は、リブ804を
有するフード802を含む。これらは、熱収集ユニット104のフード502及びリブ5
04と同様である。熱収集ユニット800はまた、ユニット104のベース506と同様
の態様でフード802の底に結合される熱交換モジュール806も含む。熱交換モジュー
ル806は、フード802から空気を受けるように構成される。明確性を目的として、熱
交換モジュール806は、一つのコンポーネント又はセクションに包含された媒体から、
他のコンポーネント又はセクションに包含された媒体へと熱エネルギー又は熱を伝達する
モジュールであり、システム100の特定のアプリケーションに適した熱交換器、蒸発器
(例えばヒートポンプ)、ヒートシンク、及び他のコンポーネントのようなコンポーネン
トを含んでよい。エネルギーの流れは、一方向性、多方向性、及び/又は可逆性であり得
る。ファンモジュール808が、熱交換モジュール806の底部分に結合されるように構
成される。ファンモジュール808は、キャビティ108から受けた空気流を建物の中へ
と駆動するべく構成されたファンを含み得る。ファンはまた、フード802を通って、及
びベントリッジ106の抽出箇所を通って戻るように、空気流を反対方向に駆動するよう
に構成されてもよい。ユニット800はまた、フード802、交換モジュール806及び
ファンモジュール808の後ろ部分に結合されるように構成されたダクトモジュール81
0も含む。ダクトモジュール810は、ベントリッジ106の下に着座するように構成さ
れ、過剰な空気を、ベントリッジ106の一以上の抽出箇所を通るように方向付け又は排
気若しくはベントする。
【0024】
ここで図10から12を参照すると、典型的な一実施形態に係るベントリッジ106が
示される。リッジ106は、ルーフィング膜102に結合され、太陽熱制御システム10
0をシール(例えば防塵防滴シール)するように構成される。リッジ106はまた、建物
の天井空間から受けた空気を排気又はベントするべく構成され、熱収集ユニットから受け
た任意の排気を収容するべく構成される。リッジ106はリッジクリップ1000を含む
。リッジクリップ1000は、リッジ106の頂部に固定され、リッジタイル1100を
受容するべく構成される。ベントリッジ106はまた、システム100から外側大気中へ
と排気される空気をフィルタリングするべく構成されたフィルタも含んでよい。このフィ
ルタは、リッジクリップ1000のスロット1002内に嵌め込まれる。
【0025】
ここで図13~15を参照すると、他実施形態に係る太陽熱制御システムが示される。
図13のシステム1300は、代替構成の熱収集ユニット1302を含む。この構成にお
いて、熱収集ユニット1302は、建物の天井部分1304に結合される。空気は、建物
の中へと下降するのではなく、ルーフ膜の下のキャビティ1306から横方向へと向けら
れる。空気はその後、建物の中へと向けられ、又はベントリッジ1308へと向けられて
外側大気中に排気される。図14のシステム1400は、可撓性ダクトシステム1402
として示される熱収集ユニットを含む。可撓性ダクトシステム1402は、ルーフ下のキ
ャビティ1412から引き回しユニット1406の中に空気を引き回すべく構成された第
1ダクト1404を含む。引き回しユニット1406からの空気は、建物環境を加熱する
べく使用されるようにダクト1408に引き回され、又は外側大気中に排気されるように
ダクト1410の中に引き回される。図15のシステム1500は、逆方向の空気流を有
する。例えば、降雪がある場所において、加熱された空気が建物から引き回され、熱収集
ユニット1502を通って上昇し、ルーフィング膜1506の下のキャビティ1504へ
と向かい、当該建物のルーフ上の雪及び/又は氷の溶融を支援することができる。
【0026】
ここで図16を参照すると、雪/氷溶融システムのための、一実施形態に係る閉ループ
構成システム1600が示される。システム1600は、ここに記載されるいずれかの熱
交換システムと同様としてよい。この実施形態(すなわちシステム1600)において、
熱交換モジュール1602(すなわち熱収集ユニット)は、発熱又は蓄熱要素(例えば温
水タンク)からの熱を、閉ループを通過する空気へと伝達するべく、「反転して」動作又
は機能し得る。一実施形態において、関連水ポンプが、熱交換モジュール1602を通る
最も熱い液体を循環させるべく反転され、空気を加熱して雪/氷を溶融させる。加熱され
た空気は、熱交換モジュール1602からルーフデッキとルーフ膜との間の空間(例えば
キャビティ1504)の中へと排気されて当該ルーフ上の雪/氷を溶融させる。最も熱い
空気は、最も低い箇所(例えばひさし、谷等)において排気され、熱収集ユニット(例え
ばモジュール1602)のファンを介してルーフの上へと又はルーフを横切るように吸引
される。この空気はその後、システム1600を通って戻る途上で再加熱され得る。
【0027】
ここで図17及び18を参照すると、ルーフィング環境の例が示される。以下に記載さ
れるのは、図17及び18それぞれに別個に示される各ルーフィング環境において行われ
た測定の結果である。図17は、900mmのルーフィングタイル1702の5平方メー
トル列を有するルーフトップ1700を示す。ルーフィングタイル1702は、タイル2
00と同様としてよい。図18に示されるのは、4メートル×3.5メートルの片側ルー
フ1800である。図17及び18はまた、ルーフ1700及び1800の下に又は頂部
上に様々な(番号付きの)温度センサ1704が配置されるのを示す。図17及び18の
例において、温度は、例えば空気入口において空気が保熱箱(例えばユニット104)の
熱交換器に入る前、及び(例えば空気出口において)空気が熱交換器から出た後の双方に
おいて測定された。
【0028】
ここで図19を参照すると、グラフ1900に、(A)ルーフ1700(図17のルー
フタイル)の頂点におけるルーフィングタイル1702の表面温度と、(B)保熱箱の吸
気セクション(図18のルーフトップ1800)における空気温度との相関が示される。
グラフ1900に描かれる結果は、周囲温度が摂氏26度のニュージーランドのオークラ
ンドにおける晴れた夏の日に、近似的に100立方メートル/時の流速を使用して取得さ
れた。
【0029】
ここで図20を参照すると、グラフ2000に、ニュージーランドのオークランドにお
ける冬の5日間の、熱交換器前段の(例えば空気入口での)温度と、熱交換器後段の(例
えば空気出口での)温度との相関が、周囲空気温度とともに示される。これらの結果は、
近似的に252立方メートル/時の流速を使用して取得された。
【0030】
ここで図21及び22を参照すると、グラフ2100及び2200に、(A)熱交換器
前後と周囲空気との温度(グラフ2100に示される)、及び(B)熱交換器前後と熱交
換器に接続された45リットルの温水シリンダとの温度(グラフ2200に示される)の
、1日の相関が示される。これらの結果は、近似的に252立方メートル/時の流速を使
用して取得された。グラフ2100に関連付けられた条件によれば、空気温度が20℃を
上回るとファンがオンになる。
【0031】
ここで図23を参照すると、表2300に、ニュージーランドのオークランドにおける
連続した冬の日の間に収集されたエネルギー及び効率の計算値が示される。ルーフィング
タイルは、積層タイル/構造の中に太陽電池を含み、動作温度と電池効率との相関が良好
に確立されている。キャビティ内の空気流によるルーフィングタイルの頂面(例えばタイ
ル200)の冷却効果を決定するべく、一連の実験が行われ、静止系と比較したときに近
似的に1.4m/秒の流速で摂氏6℃の温度低下が達成されることが示された。リアルタ
イム測定と平行して、一連のシミュレーションも行われた。空気の温度勾配に及ぼすルー
フ長さの影響を推定するべく、オブジェクト指向シミュレーションツールが使用された。
【0032】
ここで図24を参照すると、グラフ2400に、空気の温度勾配に及ぼすルーフ長さの
影響を推定するべく使用されたシミュレーションの結果が示される。この結果は、所与の
日のルーフキャビティ内の温度勾配の形状を予測する。シミュレーションは、異なるルー
フスパンに対して異なるルーフキャビティ空気温度とし、空気速度を近似的に1m/秒と
して行われた。結果は、所与の流量(1メートル/秒)においてはルーフが長ければ長い
ほど、キャビティを通る経路に沿った加熱が大きくなることを示す。しかしながら、この
関係は最適点に到達し、その最適点を超えるとさらなる熱利得が最小になる(例えば熱伝
達率を制限する漸近線に近づく)ので、その最適点においては増加した流量を使用する必
要がある。
【0033】
ここで図25を参照すると、ルーフキャビティを通る空気流を模擬するべく、流体力学
シミュレーションが使用された。タイル脚の簡略化モデル2500がソフトウェアにおい
て構築された。頂部にあるタイルによって近似的に4メートル×2メートルのチャンバが
作られた。実験条件には、本開示の太陽熱収集器における設定を模擬する試みとして、チ
ャンバの頂部中心にある一つの出口に対し、ゼロ(0)パスカルの入口空気圧力、2メー
トル/秒の空気速度が含まれた。結果は、空気流によりベル形状の温度分布がもたらされ
ることを示し、出口近くの境界における速度が、頂部エッジにおける速度よりも高い。出
口からの垂直距離が増大されると空気流が均衡状態となる。この均衡状態は、頂部から2
メートルにおいて許容される。この結果が、同様の分布を示した寸法4メートル×4メー
トルの実験ルーフと比較された。
【0034】
ここで図26を参照すると、シミュレーションソフトウェアが使用されて、200リッ
トルの水タンクを摂氏15度から45度まで加熱するのにかかる時間が推定された。8メ
ートル×4メートル(500立方メートル/時)のルーフ及び1メートル/秒の流速が使
用された。結果は、摂氏50度及び60度の気温に対して図26のグラフ2600に示さ
れる。摂氏45度を達成するのに、それぞれ2.4時間及び4.2時間かかることが示さ
れる。
【0035】
ここで図27~32を参照すると、様々な実施形態に係る様々な特徴物及びコンポーネ
ントを有する太陽熱制御システムが示される。特に図27を参照すると、一実施形態に係
る太陽熱制御システム2700(すなわち熱制御システム)が示される。太陽熱制御シス
テム2700は、ファン速度制御コンポーネント(例えばファン速度制御部2712、熱
収集ユニット2728)、水タンク2702及び水ポンプ2704を含む水循環コンポー
ネント、空間加熱コンポーネント(例えば供給プレナム2714)、従来の加熱コンポー
ネント(例えば水加熱器2706)、並びに従来のHVACコンポーネント(例えばHV
ACシステム2708)を含み又はこれらに結合されてよい。熱収集ユニット2728は
、ユニット104及び800を含む他の熱収集ユニットと同様としてよい。ファン速度制
御部2712は、熱収集ユニット2728を含む制御システム2700を空気が通って循
環する速度を制御するべく使用することができる。
【0036】
制御システム2700はまた、いくつかの(包括的な)機能特徴部を含んでよい。例え
ば、制御システム2700は、水加熱、空間加熱、床下加熱、プール・スパ加熱、及び他
の加熱のアプリケーションを目的として利用可能な特徴部を含んでよい。制御システム2
700はまた、一以上のプール・スパ加熱特徴部に結合され得る熱駆動空調特徴部を組み
入れることもでき、又は様々な吸収技術を利用することもできる。制御システム2700
はまた、アクティブなルーフエリアから雪及び氷のダムを除去する特徴部を組み入れるこ
ともできる。制御システム2700はまた、方向依存ルーフ勾配熱最適化のための特徴部
を組み入れることもできる。
【0037】
制御システム2700はまた、夏季の(すなわち暖かい)月の間に熱負荷を低減するベ
ントルーフ2710のような受動的特徴部、及び冬季の(すなわち寒い)月の間に熱損失
を低減する特徴部を含んでよい。一実施形態において、制御システム2700は、冬モー
ド及び夏モードを含む一を超える動作モードを含む。冬モードは、空間加熱、水加熱、雪
溶融、及びレジオネラ(すなわちバクテリア)制御を含み得る。夏モードは、ルーフ冷却
、水加熱、空調、プール・スパ加熱、及びレジオネラ(すなわちバクテリア)制御を含み
得る。
【0038】
ここで図28を参照すると、太陽熱制御システム2700は、様々な制御センサを含む
。これらは、熱収集ユニット2728に又はその近くにあってファン速度制御部2712
が利用する空気温度センサ2716(図28のAに示される)、供給プレナム2714に
又はその近くにある排気空気温度センサ2718(図28のBに示される)、HVACシ
ステム2708に又はその近くにある室温センサ2720(図28のCに示される)、水
タンク2702に又はその近くにある底部水タンク温度センサ2722(図28のDに示
される)、水タンク2702に又はその近くにある頂部水タンク温度センサ2724(図
28のEに示される)、及び水ポンプ2704に又はその近くにある水流センサ2726
図28のFに示される)を含む。他実施形態において、制御システム2700はまた、
とりわけ、太陽全天放射センサ、周囲温度センサ、外部表面温度センサ、風速及び/又は
風向センサ、並びに雨センサのような付加的な制御センサを含んでもよい。
【0039】
ここで図29を参照すると、太陽熱制御システム2700がファン速度制御部2712
及び空気温度センサ2716を含むように示される。(例えばファンモジュール808又
は熱交換モジュール806のための)ファン速度制御部2712は、0~10ボルト(V
)の制御信号を有し得る。ファン速度制御部2712は、不変の空気流を維持して制御シ
ステム2700を介した熱伝達を最大化するべく使用することができる。ファン速度制御
部2712はまた、制御システム2700内の過剰加熱を回避するべく使用することもで
きる。例えば、ファン速度制御部2712を利用する第1オプションは、不変の空気流を
制御システム2700内に維持することにある。この第1オプションは、最低空気温度(
例えば25℃)に到達したときに制御システム2700(例えばファンモジュール808
、熱交換モジュール806等)のファンをオンにして予め設定された速度にすることを含
む。空気温度は、空気温度センサ2716から受信した信号に基づいて熱収集ユニット2
728において又はその近くで決定することができる。第2オプションは、ファン速度の
制御を含み得る。第2オプションは、最低空気温度に到達したときにファンをオンにして
予め設定された速度にすることと、最高温度(例えば65℃)(未満又はその温度)を維
持するべく高温のときにファンの速度を制御することとを含み得る。比例積分微分(PI
D)コントローラを、第1オプション及び第2オプション内の機能のいずれかを実行する
目的のために構成することができる。
【0040】
ここで図30を参照すると、太陽熱制御システム2700が、その制御システム270
0の水循環機能に関連する様々なコンポーネントを含むように示される。水循環機能を果
たすべく、少なくとも空気温度センサ2716、底部水タンク(冷)温度センサ2722
、頂部水タンク(熱)温度センサ2724、水流センサ2726、及び格子状連結(ガス
又は電気)加熱要素2730を利用することができる。制御システム2700はまた、空
気において適切な温度に到達したときに循環水ポンプ2704をアクティブにするべく構
成された水ポンプコントローラを含み得る。水ポンプコントローラは、オン・オフ電磁リ
レー及び1アンペア(A)の最大スイッチング電流を有する制御信号を含み得る。一実施
形態において、水ポンプコントローラは、空気(すなわち空気温度センサ2716による
)とタンク2702内の水(すなわち温度センサ2722及び2724の一以上による)
との最小温度差に到達したときに水ポンプ2704をオンにして水を循環させる。例えば
、水ポンプ2704は、8℃の温度差に到達したときに起動し、その後4℃の温度差に到
達したときに起動解除してよい。
【0041】
ここで図31Aを参照すると、太陽熱制御システム2700が、制御システム2700
の空間加熱機能に関連する様々なコンポーネントを含むように示される。空間加熱機能を
利用するべく、少なくとも排気温度センサ2718、部屋(又は建物)温度センサ272
0、及び供給プレナム2714を利用してよい。空間加熱制御要求の一部として、制御シ
ステム2700は、ルーフ2710に形成された(ベント)リッジ2732から出るよう
に排気をベントしてよい。リッジ2732は、ベントリッジ106と同様としてよい。
【0042】
図31Bは、上述した空間加熱機能を果たすべく利用され得る他の太陽熱制御システム
3100を示す。太陽熱制御システム3100は、制御システム2700と同様としてよ
く、同様のコンポーネントを含み得る。しかしながら、制御システム2700とは異なり
、制御システム3100は閉ループ構成を有する。制御システム3100は、排気をリッ
ジ2732のようなリッジへとベントするのではなく、排気を関連建物のひさしへと再循
環させることができる。例えば、高い高度の又は赤道から遠く離れた場所に設置される場
合、特に寒い季節には、閉ループ構成から、温度の増大を得るとの利益が得られる。さら
に、閉ループ構成には、雪/氷の溶融のための装備を与えることができる。
【0043】
制御システム2700及び3100は、関連建物の空間温度(例えば室温センサ272
0が測定する温度)を制御するサーモスタットを含み得る。排気中の空気が目標温度を上
回ると、サーモスタット(又はコントローラ)は、排気の換気システムへの接続を許容す
るダンパーを起動する。換気システムは、排気をベントリッジ(例えばリッジ2732)
から出るようにベントするべく構成され、又は制御システムが閉ループ構成を利用するか
否かに応じて排気をひさしまでリサイクルするべく構成され得る。サーモスタットは、建
物において(室温センサ2720が測定する)目標温度が達成されると、又は(排気温度
センサ2718が測定する)排気温度が建物における温度(すなわち空間温度)を下回る
と、空気ダンパーを起動解除する。雪/氷の溶融を目的として、ダンパーは、保熱箱の排
気をHVAC循環から結合解除して直接ルーフのひさしマニホルドへと向かわせる。水タ
ンク2702の中の水を加熱するべく、格子状連結加熱要素(例えば要素2730)を利
用してよい。水ポンプ2704はその後、温水を熱交換器(例えば熱収集ユニット272
8)へともたらすべく起動され、循環している空気を温める。
【0044】
ここで図32を参照すると、他実施形態に係る太陽熱制御システム2700が示される
。この実施形態において、制御システム2700は、制御システム2700のハイブリッ
ド/従来の水加熱システム又は機能に関連する様々なコンポーネントを含む。この実施形
態において、制御システム2700は、電気加熱器、ガスボイラー、オイルボイラー、ヒ
ートポンプ等のようなバックアップ又は代替の水加熱器を含んでよい。バックアップ水加
熱器は、水タンク2702における水を加熱するべく、オン・オフ電磁リレー及び近似的
に10アンペア(A)の最大スイッチング電流を有する制御信号によるトリガを受ける。
例えば、コントローラは、バックアップ水加熱システムの一部としてのバックアップ水加
熱器に結合され、このバックアップ水加熱器を、制御信号の通信によって制御するように
構成される。バックアップ水加熱器は、予め設定された時刻にトリガを受け(すなわち水
を加熱し)、予め設定されたスイッチオン温度及び/又は予め設定されたスイッチオフ温
度を有し得る。一実施形態において、例えば、バックアップ水加熱器は、24時間以内の
所定数の予め設定された期間(例えば3つの期間)の間にトリガを受け得る。これらの期
間のうち一つの間に、バックアップ水加熱器(すなわちバックアップ水加熱システム)は
、水タンク2702の頂部の温度(すなわち頂部水タンク温度センサ2724が測定する
温度)が予め設定されたスイッチオン温度を下回るときにオンになる。バックアップ水加
熱器はその後、水タンク2702の頂部の温度が(予め設定された)スイッチオフ温度に
到達するとオフにされる。いくつかの実施形態において、例えば温度センサ2724が存
在しない場合、バックアップ水加熱器をオンにするか又はオフにするかを決定するべく、
水タンク2702の底部の温度(すなわち底部水タンク温度センサ2722が測定する温
度)が使用されてよい。一実施形態において、従来の水加熱システムは、タンク2702
内の水の加熱プロセスを終了させる。
【0045】
ここで図33を参照すると、一実施形態に係るハイブリッド水加熱システム3300が
示される。ハイブリッドシステム3300は、制御システム2700の任意のコンポーネ
ント、並びにヒートポンプ水加熱器3302及び水格納タンク3304を含み得る。水加
熱器3302は、冷水入口3306及び温水出口3308を含む。水加熱器3302は、
太陽熱制御システム(例えば制御システム2700)の水加熱能力を補うことができる。
水加熱器3302の性能係数(coefficient of performance
(COP))を改善するべく、暖かい排気を熱収集ユニット(例えばユニット2728)
から水加熱器3302の空気入口へと送達することができる。COPは、一コンポーネン
トにおいて受容又は利用されるエネルギー量と、当該一コンポーネントが与える(すなわ
ち供給する)エネルギー量との関係を言及し得る。熱収集ユニットにおける周囲空気取り
込みのためのダンパーが、熱収集ユニットから水加熱器3302へと向かう空気温度を最
適化することができる。水加熱器3302はその後、空調に適した冷たい空気を排気し得
る。水格納タンク3304は、スイミングプール又はスパのような補助加熱を伴わない格
納タンクとしてよい。格納タンク3304からの温水/冷水を、水加熱器3302の冷水
入口3306まで送達することができる。水加熱器3302はその後、加熱プロセスを終
了させ、温水出口3308を介して必要なだけの温水を送達する。なお、ハイブリッドシ
ステム3300は、結合解除されて特定のルーフ面に割り当てられてもよい。例えば、温
水を、ルーフの南面を加熱するべく使用し、当該ルーフの北面において、ヒートポンプ及
び格納タンクを有する空調を使用してよい。
【0046】
太陽熱制御システム及びヒートポンプを有するハイブリッド水加熱システム3300又
は他のハイブリッドシステムは、空気から熱を抽出するべく使用することができる。例え
ば、空気源水ヒートポンプを、水加熱及び空気冷却の補助システムとして使用することが
できる。熱ルーフを介した太陽放射は水を予熱し、この水は一次飲料水タンク(例えばタ
ンク2702)に格納され得る。システム3300はこの場合、ヒートポンプを通して水
を循環させる。ヒートポンプは、(1)一次水タンクにおいて所望温度を達成させるべく
、(2)当該空気からの熱を二次格納タンク3304へとダンプするべく、及び(3)シ
ステム3300に関連付けられた居住空間に冷たい乾燥した空気を与えるべく、保熱箱排
気又は周囲空気から熱を抽出している。保熱箱(例えば熱収集ユニット2728)からの
排気は、ヒートポンプの熱源として使用され、ヒートポンプのCOPを増大させる。ヒー
トポンプは、水の加熱を終了させてよい。必要な又は所望の温度にヒートポンプが到達で
きない場は、電気加熱コイルが一次温水タンクに存在してよい。
【0047】
ここで図34A~D及び図35A~Bを参照すると、様々な実施形態に係る「ハイブリ
ッド」太陽熱制御システムのための潜在的な構成が図示及び記載される。第1構成は熱交
換器を含む。第2構成は周囲空気によるヒートポンプを含む。第3構成はルーフ空気によ
るヒートポンプを含む。第4構成は熱交換器及びヒートポンプを並列に含む。第5構成は
熱交換器及びヒートポンプを直列に含む。図35A~Bは、図34A~Dに示されるハイ
ブリッド太陽熱制御システムの様々な構成に対する性能統計値を示す。図35Aの表1は
、様々な構成の全体的な性能を示し、当該様々な構成に関連付けられた熱エネルギー(k
Wh)、消費エネルギー(kWh)及び性能係数(COP)を含む。図35Bの表2は、
様々な構成の水加熱性能を示し、初期水温(℃)、最終水温(℃)、及び最終水温到達時
間(分)を含む。
【0048】
ここで図36を参照すると、一実施形態に係る吸収ベースの空間冷却を有する太陽熱制
御システム3600が示される。制御システム3600は、ここに記載される制御システ
ムのいずれかと同様としてよく、同コンポーネントのいずれも含んでよい。制御システム
3600は、吸収器3602、並びに空気供給部3612及び空気戻り部3614を有す
る蒸発器3604を含むように示される。空気戻り部3614は、居住空間からの空気を
蒸発器3604に戻し、空気供給部3612は蒸発器3604からの空気を居住空間に供
給する。制御システム3600はまた、冷却材供給部3616及び冷却材戻り部3618
を有する凝縮器3606を含むように示される。冷却材戻り部3618は、加熱された冷
却材を凝縮器3606に戻し、冷却材供給部3616は、システム3600に関連付けら
れた他の場所(例えば水タンク、周囲空気、プール又はスパ等)に冷却材を供給する。制
御システム3600はまた、ジェネレータ3608として示される加熱要素、及び水ポン
プ3610も含む。加熱要素(すなわちジェネレータ3608)は従来のガス又は電気と
してよい。代替的に、システム3600は、COPを増大させるべく、熱供給を目的とし
て太陽加熱空気を受容する並列ヒートポンプを利用し得る。
【0049】
ここで図37A~Dを参照すると、様々なタイプの太陽熱制御システムのための冷却に
関連する様々な性能統計値が示される。図37Aのグラフ3700は、周囲空気によるヒ
ートポンプを有する制御システムの加熱性能を示し、経時的なヒートポンプの空気出口及
び空気源の空気温度を含む。図37Bのグラフ3702は、ルーフ空気によるヒートポン
プを有する制御システムの加熱性能を示し、経時的なヒートポンプの空気出口及び空気源
の空気温度を含む。図37Cのグラフ3704は、熱交換器及びヒートポンプを有する制
御システムの加熱性能を示す。グラフ3704は、経時的な加熱コンポーネントの空気出
口及び空気源の空気温度を含み、双方とも並列及び直列で使用された。図37Dのグラフ
3706は、熱交換器を有する制御システムの加熱性能を示し、経時的な熱交換器の空気
出口及び空気源の空気温度を含む。
【0050】
ここで図38A~Bを参照すると、グラフ3800及び3802が、様々なタイプの太
陽熱制御システムのための水加熱に関連する様々な性能統計値を描く。図38Aのグラフ
3800は、ヒートポンプ(HP)及び熱交換器(HEX)を直列に有する制御システム
、ヒートポンプ及び熱交換器を並列に有する制御システム、ルーフ空気によるヒートポン
プ、周囲空気によるヒートポンプ、及び熱交換器のみを含む様々な水加熱構成を使用して
の経時的な水の温度を描く。図38Bのグラフ3802は、水加熱プロセス中の様々な水
加熱構成のそれぞれに対する経時的な総合COP(すなわちシステムCOP)を描く。こ
れは、水加熱デバイスが使用するエネルギー量対水加熱デバイスが生成又は供給するエネ
ルギー量に基づき得る。
【0051】
ここで図39を参照すると、一実施形態に係る太陽熱制御システム3900が示される
。制御システム3900は、制御システム2700と同様としてよく、又はここに開示さ
れる他の制御システム若しくはルーフィングシステムのいずれかと同様としてよい。制御
システム3900のこの実施形態において、熱エネルギーは、システム3900内で方向
が変えられ、他のルーフスロープ3902(例えば熱エネルギーを収集するべく使用され
るもの以外のルーフスロープ)へと向かう。例えば、熱エネルギーは、第2ルーフスロー
プ上の雪又は氷を溶融するべく使用してよい。同様のシステムは図16にも示される。
【0052】
ここで図40及び41を参照すると、典型的な一実施形態に係る熱収集ユニット400
(すなわち保熱箱、熱交換ユニット)が示される。熱収集ユニット400は、ユニット1
04、800、1302、1502、1602及び2728を含むここに記載される熱収
集ユニット又はモジュールのいずれかと同様としてよい。熱収集ユニット400は、キャ
ビティ108のようなキャビティに流体接続して当該キャビティから向けられた加熱され
た空気を取集することができる。ユニット400は、その加熱された空気を方向転換して
、関連建物内の水を加熱し、又は熱若しくは他のエネルギーを建物環境に与えことができ
る。熱収集ユニット400はまた、空気から熱を除去し、ひいては湿分(例えば水分)を
除去するべく構成してよい。その後、除湿かつ冷却された排気は、関連建物の居住可能空
間を冷却するべく使用することができる。熱収集ユニット400は、ユニット104と同
様の態様で関連建物の外側から設置してよい。
【0053】
ユニット400は、フード428(すなわちフードアセンブリ)を含む。フード428
は、第1(枢動可能)フードセクション402(部分、セグメント、片、部等)及び第2
フードセクション406(すなわちフードベース)を含み得る。例示の実施形態において
、第1フードセクション402は、第2フードセクション406の頂部に配置されてこれ
に結合される。フード428は、熱収集ユニット400が関連建物に設置されるときに当
該建物のルーフのピッチ(勾配、角度、険しさ等)に実質的に整合することが要求される
。第1フードセクション402はそれゆえ、ユニット400の第2フードセクション40
6又は他のコンポーネントに対して枢動して、ユニット400のいずれの部分も切断又は
除去することなく関連ルーフのピッチに実質的に整合するように構成され得る。例えば、
第1フードセクション402は、枢動して第2フードセクション406に結合されてよく
、ルーフのピッチに整合するように第2フードセクション406に対して枢動するべく構
成されてよい。一実施形態において、フードセクション402及び/又は406を様々な
ルーフピッチに適合させるべく、フードセクション402及び406の少なくとも一つに
おいて可撓性のアコーディオン状材料を使用することができる。第1フードセクション4
02の可動域430の一例が図42に示される。
【0054】
フード428はまた、リブ404も含む。リブ404は、熱収集ユニット400が建物
に設置された後にフード428に付加してよい。リブ404は、ルーフィングタイル20
0の固定箇所を与え得る。例えば、タイル200のうちの一つの固定箇所208は、タイ
ル200をユニット400に結合するべくリブ404に取り付け又は結合することができ
る。これにより、タイル200及び/又はユニット400を安定にすることができる。一
実施形態において、シール116は、第1端が当該リブ404のうちの一つに結合され、
第2端がルーフィング膜102に結合されるように構成される。これにより、近似的に気
密なシールが膜102と熱収集ユニット400との間に形成される。フード428はまた
、熱収集ユニット400を建物のルーフに固定する(すなわち取り付ける)べく使用され
るフランジ414及び422も含む。フランジ414は第1フードセクション402に位
置決めしてよく、フランジ422は第2フードセクション406に位置決めしてよい。
【0055】
フード428はまた、各リブ404間にかつ第1フードセクション402内に位置決め
された開口416、418及び420も含む。開口416、418及び420は、ベント
リッジ106における抽出箇所を通してキャビティ108から空気を受容し及び/又は建
物の外側に空気を方向転換若しくは排気するように構成してよい。典型的な一実施形態に
おいて、熱収集ユニット400は、開口416及び418を通して空気を収集又は受容し
、開口420を通してベントリッジ106まで空気を送るように構成される。他実施形態
において、空気は、閉じた系を形成するべく膜102の下にあるルーフの低い部分へと排
気される。空気は、ひとたび第1フードセクション402の中に受け入れられると、第2
フードセクション406を通して建物の中へと方向転換され得る。第2フードセクション
406の頂部開口424は、第1フードセクション402からの空気を受けるべく構成さ
れ、その空気は、第2フードセクション406の底部開口426を通して関連建物の中へ
方向転換され得る。
【0056】
熱収集ユニット400はまた、フード428に結合されたベース部分434も含む。ベ
ース部分434は、フード428からの空気を受けるべく構成された熱交換モジュール4
08を含む。ベース部分434はまた、キャビティ108から受けた空気流を建物の中へ
と駆動するべく構成されたファンを含み得るファンモジュール412も含む。ファンはま
た、フード428を通って、及びベントリッジ106の抽出箇所を通って戻るように、空
気流を反対方向に駆動するように構成されてもよい。ベース部分434はまた、ダクトモ
ジュール410も含む。ダクトモジュール410は、ベントリッジ106の下に着座する
ように構成され、過剰な空気を、ベントリッジ106の一以上の抽出箇所を通るように方
向付け又は排気若しくはベントする。
【0057】
ここで図42を参照すると、フード428の可動域が示される。図示のように、フード
428(例えば第1フードセクション402)は、第1フードセクション402がユニッ
ト400の他のコンポーネントに対して枢動(例えば回転、拡大、伸縮等)を可能にする
べく構成された後ろ部分432を含み得る。例えば、後ろ部分432(又はフード428
の他のコンポーネント)は、フード428のピッチを調整するべく可撓性のアコーディオ
ン状材料から作ることができる。一例の実施形態において、第1フードセクション402
は、少なくとも図42に示される範囲430の可動域を有する。いくつかの実施形態にお
いて、第1フードセクション402は、第2フードセクション406に対して実質的に平
坦なピッチ(すなわち角度)から、第1フードセクション402が実質的に垂直かつ第2
フードセクション406の前縁に平行となるピッチまで延びる枢動可能範囲を有し得る。
【0058】
ここに記載される制御システムはいずれも、未塩素処理水に対する抗レジオネラを含む
付加的な制御機能を含んでよい。タンク頂部の温度が一定期間低いときに水タンク内でバ
クテリアが発生するのを防ぐために、コントローラは7日ごとに自動的に水の温度をチェ
ックする。この期間中に温度が目標温度(例えば70℃)を決して超えないのであれば、
バックアップシステムは、バクテリアが死滅する当該目標温度まで水を加熱するトリガを
受ける。その後、この機能はリセットされる。他の付加的な制御機能には、同制御システ
ムをバックアップシステムとして使用する空調(ヒートポンプの使用が必要)、反転可能
ファン又は空気再循環を使用する溶雪、同制御システムを水循環として使用するプール/
スパ加熱、熱エネルギー測定、電力消費、及び光起電力エネルギー測定が含まれ得る。
【0059】
典型的な一実施形態によれば、本開示の太陽熱システムは有利なことに、建物の外部パ
ネルを空気流チャンバ(例えばキャビティ)と統合し、空気の太陽加熱を使用して建物用
の熱源を与え又は増強する。太陽熱システムが、ルーフパネル(例えばタイル)を含む例
として示されるが、このシステムは、他の建築材料(例えばサイディング、ファサード等
)に統合されてもよい。このようなバリエーションはすべてが、本開示の範囲内にあるこ
とが意図される。
【0060】
様々な典型的実施形態に示される太陽熱システムの構造及び配列は、例示にすぎない。
本開示において、少数の実施形態のみが詳細に記載されているにもかかわらず、ここに記
載される主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの修正が可能で
ある(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び比率のバリエーション、パラ
メータの値、取り付け配列、材料の使用、色、配向等)。一体的に形成されるように示さ
れるいくつかの要素を、多数の部品又は要素から構成してよく、要素の位置を反転又は変
化させてよく、個別の要素又は位置の性質又は数を改変又は変化させてよい。任意のプロ
セス、論理アルゴリズム、又は方法ステップの順序又は配列は、代替実施形態に応じて変
化させ又は再配列することができる。本発明の範囲から逸脱することなく、様々な典型的
実施形態の設計、動作条件及び構成において、他の置換、修正、変更及び省略を行うこと
もできる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31A
図31B
図32
図33
図34A
図34B
図34C
図34D
図35A
図35B
図36
図37A
図37B
図37C
図37D
図38A
図38B
図39
図40
図41
図42