(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】冷蔵庫用の収容容器、及び冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 25/00 20060101AFI20231219BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
F25D25/00 E
F25D23/00 302M
(21)【出願番号】P 2021208870
(22)【出願日】2021-12-23
【審査請求日】2023-03-10
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】阪上 亮輔
【審査官】庭月野 恭
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-286358(JP,A)
【文献】特開平09-280719(JP,A)
【文献】特開平07-071865(JP,A)
【文献】特開2017-003184(JP,A)
【文献】特開2011-085380(JP,A)
【文献】特開2005-300004(JP,A)
【文献】国際公開第2006/009190(WO,A1)
【文献】特開2000-274922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 25/00
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵物を出し入れ可能な開口部を有し内部に貯蔵物を収容可能な容器本体と、
前記容器本体に着脱可能に設けられ前記容器本体に装着された場合に前記開口部を覆う蓋部材と、を備え、
前記蓋部材は、
前記蓋部材を厚み方向に貫いて形成されて気体を通過可能に構成された通気部と、
前記通気部を通過する気体に特定の効果を発揮する機能性部材を、前記蓋部材における前記通気部を覆う位置に着脱可能に取り付ける取付部と、
前記通気部以外の領域に設けられて透明な材料で構成された透明部と、を有し、
前記取付部は、前記通気部と重なる位置に設けられ前記通気部を通過した空気を前記容器本体の中心部から離れる方向へ案内する案内部を有する、
冷蔵庫用の収容容器。
【請求項2】
前記蓋部材は、
ガラス製の前記透明部と、
樹脂製でかつ前記透明部が取り付けられる蓋本体と、を有している、
請求項
1に記載の冷蔵庫用の収容容器。
【請求項3】
請求項1
または2に記載の冷蔵庫用の収容容器を備える冷蔵庫。
【請求項4】
前記収容容器を配置可能な少なくとも1つの貯蔵室と
前記貯蔵室内に設けられて、前記透明部を通して前記収容容器の内部に除菌効果を有する光を照射可能な照射部と、
を備える請求項
3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
貯蔵物を収容可能な収容容器と、
前記収容容器を配置可能な少なくとも1つの貯蔵室と、
前記貯蔵室内に設けられて、前記貯蔵室内の後側から前記収容容器の内部に除菌効果を有する光を照射可能な照射部と、を備え、
前記収容容器は、
貯蔵物を出し入れ可能な開口部を有し内部に貯蔵物を収容可能な容器本体と、
前記容器本体に着脱可能に設けられ前記容器本体に装着された場合に前記開口部を覆う蓋部材と、を備え、
前記蓋部材は、
前記蓋部材を厚み方向に貫いて形成されて気体を通過可能に構成された通気部と、
前記通気部を通過する気体に特定の効果を発揮する機能性部材を、前記蓋部材における前記通気部を覆う位置に着脱可能に取り付ける取付部と、
前記通気部以外の領域に設けられて透明な材料で構成されて前記照射部から照射された光を通す透明部と、を有し、
前記容器本体及び前記蓋部材は、平面視で長方形状に形成され、
前記透明部は、前記容器本体の中心部を跨ぐ領域に設けられており、前記中心部に対して一方側の領域の面積は他方側の領域の面積と異なっている、
冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫用の収容容器、及び冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷蔵庫内に生鮮食品等の貯蔵物を収納する際に用いる蓋付きの収容容器がある。しかしながら、従来の収容容器は、ユーザの利便性等に関して更なる工夫の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、ユーザの利便性の向上を図った冷蔵庫用の収容容器、及び冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫用の収容容器は、貯蔵物を出し入れ可能な開口部を有し内部に貯蔵物を収容可能な容器本体と、前記容器本体に着脱可能に設けられ前記容器本体に装着された場合に前記開口部を覆う蓋部材と、を備える。前記蓋部材は、前記蓋部材を厚み方向に貫いて形成されて気体を通過可能に構成された通気部と、前記通気部を通過する気体に特定の効果を発揮する機能性部材を、前記蓋部材における前記通気部を覆う位置に着脱可能に取り付ける取付部と、前記通気部以外の領域に設けられて透明な材料で構成された透明部と、を有している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について斜め上方から見た外観を示す斜視図
【
図2】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について斜め上方から見た図であって蓋部材及び内側容器を取り出した状態を示す斜視図
【
図3】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図2の状態から更に蓋部材を分解して示す斜視図
【
図4】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について斜め下方から見た外観を示す斜視図
【
図5】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について斜め下方から見た図であって蓋部材及び内側容器を取り出した状態を示す斜視図
【
図6】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図5の状態から更に蓋部材を分解して示す斜視図
【
図7】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について収容容器の短手方向の中心を通りかつ収容容器の長手方向に延びる面に沿って切断して示す縦断面図
【
図8】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について脚部材の中心を通りかつ収容容器の長手方向に延びる面に沿って切断して示す縦断面図
【
図9】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図6の矢印X9に示す部分を拡大して示す図
【
図10】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図8の矢印X10に示す部分を拡大して示す図
【
図11】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図10のX11-X11線に沿って示す断面図
【
図12】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図10において容器本体から脚部材が外された状態を示す断面図
【
図13】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図7のX13-X13線に沿って部分的に示す断面図
【
図14】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図13のX14-X14線に沿って示す断面図
【
図15】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図14の矢印X15に示す部分を拡大して示す図
【
図16】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について本体容器の底部周辺の構成を示すもので、隣接する2つの膨出部を結んだ仮想領域を概念的に示す平面図
【
図17】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図7の矢印X17に示す部分を拡大して示す図
【
図18】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図13の矢印X18に示す部分を拡大して示す図
【
図19】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図14の矢印X19に示す部分を拡大して示す図
【
図20】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図13のX20-X20線に沿って示す断面図
【
図21】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図20の矢印X21に示す部分を拡大して示す図
【
図22】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図8のX22-X22線に沿って示す断面図
【
図23】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図22の矢印X23に示す部分を拡大して示す図
【
図24】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図8の矢印X24に示す部分を拡大して示す図
【
図25】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図7の矢印X25に示す部分を拡大して示す図
【
図26】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について取付部及び機能性部材を示す斜視図
【
図27】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図7の矢印X27に示す部分を拡大して示す図
【
図28】一実施形態による冷蔵庫の一例について概略構成を示す縦断面図
【
図29】一実施形態による冷蔵庫の一例について収容容器が配置される貯蔵室周辺の概略構成を拡大して示す縦断面図
【
図30】一実施形態による冷蔵庫用の収容容器の一例について
図29の矢印X30に示す部分を拡大して示す図
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1及び
図2等に示す収容容器1は、冷蔵庫用であり、例えば冷蔵庫の付属品又は別売品として構成することができる。収容容器1は、内部に例えば生鮮食品等の貯蔵物を収容した状態で冷蔵庫内に出し入れ可能に構成されている。なお、以下の説明において、収容容器1の使用状態における上下方向を収容容器1の上下方向と称する場合がある。
【0008】
収容容器1は、
図2及び
図5等にも示すように、外側容器2、内側容器3、及び蓋部材4を備えており、全体として平面視で矩形の箱状、例えば全体として平面視で長方形の箱状に構成されている。外側容器2、内側容器3、及び蓋部材4は、それぞれ分離可能に構成されている。内側容器3は、外側容器2の内部に出し入れ可能に構成されている。また、蓋部材4は、外側容器2に対して着脱可能に構成されている。この場合、蓋部材4は、外側容器2内に内側容器3を収容した状態で外側容器2に装着可能に構成されている。
【0009】
外側容器2は、
図3から
図8に示すように、容器本体10及び脚部材20を有している。容器本体10は、全体として平面視で矩形の箱状、例えば平面視で長方形の箱状であって、一方の面に開口部11が形成されている。内側容器3又は貯蔵物は、容器本体10の開口部11を通して容器本体10に出し入れされる。容器本体10は、底部12及び側部13を有している。底部12は、容器本体10の底面を構成する。側部13は、容器本体10の周囲の側面を構成する。なお、以下の説明において、容器本体10の底部12を容器本体底部12と称し、容器本体10の側部13を容器本体側部13と称することがある。
【0010】
容器本体10は、例えば剛性を有する樹脂材で構成することができる。容器本体10は、
図9及び
図10にも示すように、窪み部14、突出部15、及び膨出部16を有している。容器本体10は、窪み部14、突出部15、及び膨出部16を例えば樹脂部材によって一体成型した構成とすることができる。窪み部14は、容器本体10に対する脚部材20の取付け位置を規定する機能を有する。容器本体10は、例えば複数個の窪み部14を有している。本実施形態の場合、容器本体10は、
図5及び
図6に示すように4つの窪み部14を有している。各窪み部14は、容器本体底部12の外側に設けられており、容器本体底部12の面内における外側寄りに位置している。
【0011】
窪み部14は、容器本体底部12の外側面121を容器本体10の内側へ向かって窪ませた形状に形成されている。本実施形態の場合、窪み部14は、容器本体底部12の外側面121を円形に窪んだ形状に形成されている。この場合、
図12に示すように、窪み部14の底面143から容器本体底部12の外側面121までの寸法Dを、窪み部14の深さ寸法Dとする。窪み部14の深さ寸法Dは、例えば容器本体底部12の厚み寸法Tよりも大きく、また、容器本体底部12の厚み寸法Tの2倍以下に設定することができる。
【0012】
窪み部14は、少なくとも2つの異なる内径によって段差部144を有する形状に形成されている。すなわち、本実施形態の窪み部14は、第1内径R1の円筒形状に形成された第1円筒部141と、第1内径R1よりも小さい第2内径R2の円筒形状に形成された第2円筒部142とを有することによって、段差形状に形成されている。換言すると、容器本体底部12の面方向に見た場合、段差部144は、第1円筒部141の内側でかつ第2円筒部142の外側に形成されている。また、容器本体底部12の厚み方向について見た場合、段差部144は、窪み部14の底面143と容器本体底部12の外側面121との間に形成されている。段差部144は、脚部材20が窪み部14に装着された状態で、容器本体10の外部から視認可能な位置に設けられている。
【0013】
第1内径R1は、例えば第2内径R2の2倍以下に設定することができる。また、容器本体底部12の外側面121から段差部144までの深さ寸法D1は、段差部144から窪み部14の底面143までの深さ寸法D2の1/2以上で、かつ、段差部144から窪み部14の底面143までの深さ寸法D2以下に設定することができる。
【0014】
突出部15は、各窪み部14に対応して設けられている。すなわち、本実施形態の容器本体10は、4つの突出部15を有している。各突出部15は、窪み部14の内側に設けられており、窪み部14の底面143から外方へ突出している。すなわち、突出部15は、窪み部14の底面143から下方、つまり底面143から離れる方向へ突出している。突出部15は、例えば全体として円柱棒状に形成することができる。この場合、突出部15の外径は、第1内径R1及び第2内径R2よりも小さい。また、突出部15の突出寸法H、つまり窪み部14の底面143から突出部15の先端部までの寸法Hは、窪み部14の深さ寸法Dよりも大きくすることができる。すなわち、この場合、突出部15は、容器本体底部12の外側面121よりも外方つまり下方へ突出している。
【0015】
また、突出部15は、溝部151を有する構成とすることもできる。溝部151は、
図9から
図12に示すように、突出部15の外周面を突出部15の径方向の内側へ向かって窪ませて形成されている。また、溝部151は、突出部15の先端から基端つまり窪み部14の底面143に亘って、突出部15の延伸方向に沿って延びている。溝部151は、突出部15を脚部材20に挿入する際に、脚部材20内に溜まっている空気を外部へ排出するための空気の逃げ道として機能する。
【0016】
膨出部16は、
図2、及び
図3に示すように、各窪み部14に対応して設けられている。すなわち、本実施形態において、容器本体10は、4つの膨出部16を有している。膨出部16は、容器本体底部12の内側面122つまり容器本体10の内部側の面のうち窪み部14に対応した部分を容器本体10の内側へ向かって膨出させた形状に形成されている。この場合、容器本体底部12の内側面122は、例えば大部分が平坦面に形成されているが、膨出部16部分は容器本体10の内側へ向かって盛り上がっている。なお、
図12に示すように、容器本体底部12の内側面122から膨出部16の頂上部分までの寸法Kを、膨出部16の突出寸法Kとする。この場合、膨出部16の突出寸法Kは、窪み部14の深さ寸法Dに等しい値に設定することができる。
図12に二点鎖線で示した仮想円Aは、半径Tの円である。この場合、膨出部16の厚み寸法は、膨出部16の全域に亘って容器本体底部12の厚み寸法T以上に維持されている。
【0017】
脚部材20は、各窪み部14に取り付けられて、容器本体10を支持する機能を有する。脚部材20は、窪み部14に対して着脱可能に構成することができる。脚部材20は、容器本体10と異なる材質の材料で構成されている。脚部材20は、容器本体10よりも柔らかい材料、例えば柔軟性を有する樹脂材や弾性を有するゴム材等で構成することができる。なお、以下の説明において、脚部材20を窪み部14に装着した場合に、脚部材20のうち窪み部14の底面143側に位置する方を脚部材20の基端側と称し、窪み部14の底面143とは反対側に位置する方を脚部材20の先端側と称することがある。
【0018】
脚部材20は、
図9及び
図12に示すように、径小部21、径大部22、平坦部23、及び挿入部24を有している。径小部21は、脚部材20の先端側に設けられており、収容容器1が設置された場合に配置面と接触する。径小部21は、脚部材20のうち先端部分を構成している。径小部21は、例えば半球状に形成することができる。この場合、径小部21の外径のうち最も大きい部分を径小部21の外径寸法U1と称することがある。なお、径小部21は、半球状に限られず、例えば円柱状や角柱状とすることもできる。
【0019】
径大部22は、脚部材20の基端側に設けられており、脚部材20が窪み部14に装着された場合に窪み部14の底面143と接触する。径大部22は、脚部材20のうち基端部分を構成している。径大部22は、例えば円柱状に形成することができる。径大部22の外径寸法U2は、窪み部14の第2内径R2の内径寸法よりも小さい。また、径大部22の外径寸法U2は、径小部21の外径寸法U1よりも大きい。この場合、径小部21と径大部22との境界部分、つまり径小部21と径大部22との接続部分には、平坦な段差形状が形成されている。平坦部23は、この段差形状によって形成されている。平坦部23は、脚部材20が窪み部14に装着された状態で、容器本体10の外部から視認可能な位置に設けられている。
【0020】
また、脚部材20が窪み部14に装着された状態において、平坦部23は、容器本体10の底部12のうち平坦部23と隣接する隣接部分、この場合、段差部144と同一面となる。すなわち、この場合、容器本体10の底部12のうち平坦部23と隣接する隣接部分は、段差部144に設定されている。なお、容器本体10が段差部144を有しない構成の場合、つまり例えば窪み部14が第2内径R2の窪みのみで構成されている場合、容器本体10の底部12のうち平坦部23と隣接する隣接部分は、容器本体底部12の外側面121に設定することができる。
【0021】
ここで、収容容器1が設置された状態における脚部材20の上下方向の寸法を脚部材20の高さ寸法Lと称し、径小部21の上下方向の寸法を径小部21の高さ寸法L1と称し、径大部22の上下方向の寸法を径大部22の高さ寸法L2と称することがある。この場合、
図10に示すように、脚部材20を容器本体10に装着した状態において容器本体底部12の外側面121からの突出量Mは、脚部材20の高さ寸法Lから窪み部14の深さ寸法Dを減じた値となる。また、本実施形態の場合、径小部21の高さ寸法L1は、窪み部14の深さ寸法Dとほぼ等しい。更に、径大部22の高さ寸法L2は、段差部144から窪み部14の底面143までの深さ寸法D2とほぼ等しい。なお、本実施形態の説明において、数値等がほぼ等しいとする場合には、完全に一致している必要はなく、製造上生じる誤差等を含んでいても良い。
【0022】
挿入部24は、脚部材20を窪み部14に取り付ける際に突出部15の挿入を受ける機能を有する。すなわち、挿入部24は、突出部15が挿入可能に構成されている。挿入部24は、例えば全体として径大部22の基端側の面から先端側に向かって掘り下げられた円筒形状に形成されている。挿入部24は、例えば脚部材20を貫通することなく形成することができる。すなわち、挿入部24は、脚部材20の先端部分を貫通しない非貫通の円筒形状に形成することができる。挿入部24の深さ寸法Nは、突出部15の突出寸法Hと同程度かやや小さい値に設定されている。
【0023】
挿入部24は、
図12に示すように径縮部241を更に有する構成とすることができる。径縮部241は、挿入部24のうちの一部の内径が他の部分の内径よりも小さく、かつ、突出部15の外径よりも小さく形成された部分である。径縮部241は、挿入部24に突出部15が挿入された場合に突出部15を強く押圧して保持することで、脚部材20が突出部15から脚部材20の自重で外れ落ちてしまうことを抑制する機能を有する。径縮部241は、挿入部24の周方向に向かって連続的な環状に又は断続的に配置されるとともに、挿入部24の径方向の内側へ向かって突出した形状に形成することができる。
【0024】
ここで、挿入部24のうち径縮部241の内径寸法F1以外の部分の内径を、挿入部24の内径寸法Fとする。この場合、挿入部24の内径寸法Fは、突出部15の外径寸法Qと同程度、すなわち挿入部24に突出部15が挿入された場合に挿入部24が突出部15を強く押圧しない程度の寸法に設定されている。また、径縮部241の内径寸法F1は、突出部15の外径寸法Qよりも小さい値、すなわち挿入部24に突出部15が挿入された場合に径縮部241が突出部15を強く押圧できる程度の寸法に設定されている。そして、本実施形態の場合、径縮部241は、挿入部24の基端側部分、つまり挿入部24の深さ方向の中心に対して径大部22側に設けられている。
【0025】
脚部材20を容器本体10に取り付ける際、作業者は、例えば径小部21を摘まみ、突出部15を挿入部24に挿入しながら、径大部22が窪み部14の底面143に突き当たるまで径大部22を窪み部14内に押し込む。ここで、脚部材20が正しい位置まで押し込まれた場合、段差部144と平坦部23とはほぼ同一面となる。そのため、作業者は、段差部144と平坦部23との上下方向のずれつまり窪み部14の深さ方向のずれを見ることで、脚部材20が正しい位置に取り付けられているか否かを判断することができる。
【0026】
そして、脚部材20が窪み部14に取り付けられた場合、脚部材20の外周面の少なくとも一部と窪み部14の内周面の少なくとも一部とが対向する。この場合、
図10に示すように、脚部材20のうち径大部22の外周面と、窪み部14のうち第2内径R2部分つまり第2円筒部142の内周面とが対向する。
【0027】
内側容器3は、全体として平面視で矩形の箱状、例えば平面視で長方形の箱状であって、一方の面に開口部31が形成されている。内側容器3は、容器本体10の内部に出し入れ可能に構成されている。貯蔵物は、開口部31を通して内側容器3内に出し入れされる。内側容器3は、底部32及び側部33を有している。底部32は、内側容器3の底面を構成する。側部33は、内側容器3の周囲の側面を構成する。なお、以下の説明において、内側容器3の底部32を内側容器底部32と称し、内側容器3の側部33を内側容器側部33と称することがある。
【0028】
内側容器3は、例えば剛性を有する樹脂材で構成することができる。内側容器底部32は、多数の通水部322を有している。通水部322は、例えば内側容器底部32を厚み方向に貫いて形成されている。通水部322は、内側容器3に収容された貯蔵物から生じた水分等の液体を内側容器3の外部へ排出することで、内側容器3内に液体が溜まることを抑制する機能を有する。この場合、内側容器3は、いわゆる水切りかごとして機能する。
【0029】
内側容器3は、
図5、
図7、
図13、
図15、及び
図16に示すように、支持部34、35、及び補助部36を更に有している。支持部34、35は、内側容器底部32の外側面321から外方すなわち下方へ突出して設けられている。支持部34、35は、例えば一方向へ直線状に延びる棒状又は薄い板状であって、内側容器底部32と一体に形成することができる。
図16には、隣接する2つの膨出部16を結んだ領域を仮想領域Iとして、破線の斜線で示している。本実施形態の場合、仮想領域Iは、矩形枠形状、すなわち中央部分が除かれた矩形状を形成する。各支持部34、35は、仮想領域I内に設けられている。
【0030】
本実施形態の場合、内側容器3は、内側容器底部32の長手方向に延びる2つの支持部34と、内側容器底部32の短手方向に延びる2つの支持部35と、を有している。以下の説明では、内側容器底部32の長手方向に延びる支持部34を長支持部34と称し、内側容器底部32の短手方向に延びる支持部35を短支持部35と称することがある。2つの長支持部34は、内側容器底部32の長辺側の縁部寄りに設けられており、相互に平行に配置されている。また、2つの短支持部35は、内側容器底部32の短辺側の縁部寄りに設けられており、相互に平行に配置されている。そして、長支持部34の延長線と短支持部35の延長線とは直交している。
【0031】
図15に示すように、内側容器底部32の外側面321から支持部34、35の先端部までの寸法を、支持部34、35の突出寸法Jとする。長支持部34の突出寸法Jと短支持部35の突出寸法Jは、同一の値に設定されている。また、支持部34、35の突出寸法Jは、膨出部16の突出寸法Kよりも大きく設定されている。この場合、容器本体底部12の内側面122には、膨出部16よりも高く突出した構造は設けられていない。そのため、内側容器3を外側容器2の容器本体10内に収容した場合に、支持部34、35が容器本体底部12の内側面122に接触する。これにより、内側容器3は、内側容器底部32の外側面321が膨出部16に接することなく容器本体10内に収容される。すなわち、内側容器3を容器本体10内に収容した状態では、内側容器底部32と膨出部16との間には隙間が形成されている。
【0032】
補助部36は、
図5から
図7、
図13から
図16に示すように、隣接する2つの支持部34、35の間に設けられている。すなわち、補助部36は、2つの長支持部34、34の間でかつ2つの短支持部35、35の間に設けられている。この場合、補助部36は、
図16に示すように、仮想領域I以外の部分に設けられている。補助部36は、内側容器底部32の外側面321から外方すなわち下方へ突出して設けられている。補助部36は、例えば一方向へ直線状に延びる棒状又は薄い板状であって、内側容器底部32と一体に形成することができる。
【0033】
本実施形態の場合、内側容器3は、2つの補助部36を有している。この場合、2つの補助部36は、内側容器底部32の短手方向の中心C1に設けられている。また、2つの補助部36は、内側容器底部32の長手方向の中心部C2を挟んで相互に離れた位置で、かつ内側容器底部32の長手方向に沿って直線上に並んで設けられている。また、本実施形態の場合、短手方向における補助部36全体の長さ寸法よりも、長手方向における補助部36全体の長さ寸法の方が長い。
【0034】
また、
図17に示すように、内側容器底部32の外側面321から補助部36の先端部つまり下端部までの寸法Eを、補助部36の突出寸法Eとする。補助部36の突出寸法Eは、支持部34、35の突出寸法Jよりも小さい値に設定されている。内側容器3内に収容された貯蔵物が軽く内側容器底部32が撓んでいない場合、補助部36は、容器本体底部12の内側面122に接触しない。一方、内側容器3内に収容された貯蔵物の重量によって内側容器底部32が撓んだ場合、補助部36は、容器本体底部12の内側面122に接触して容器本体底部12の撓みを抑制する。これにより、補助部36は、内側容器3内に重い貯蔵物が収容されて内側容器底部32が撓んだ場合に、内側容器底部32の外側面321が容器本体底部12の内側面122に接触することを抑制する機能を有する。
【0035】
すなわち、内側容器3内が空の状態又は内側容器3内に内側容器底部32が撓まない程度の重量の貯蔵物が収容されている状態で、内側容器3が容器本体10内に収容されると、支持部34、35が容器本体底部12の内側面122に接触するが、補助部36は容器本体底部12の内側面122に接触しない。一方、内側容器3内に比較的重い貯蔵物が収容されている状態で、内側容器3が容器本体10内に収容されると、その貯蔵物の重量によって容器本体底部12が撓む。このとき、補助部36は、容器本体底部12の内側面122に接触することで容器本体底部12が更に撓むことを防ぐ。これにより、内側容器底部32の外側面321が容器本体底部12の内側面122に接触することを抑制できる。
【0036】
ここで、本実施形態の場合、容器本体10は、形状を維持するために剛性の高い材料で構成することが好ましい。しかし、容器本体10を高剛性の部材で構成した場合、冷蔵庫内において容器本体10が配置される配置面に容器本体10が接触して擦り合わさると、その配置面に傷がついてしまうおそれがある。
【0037】
そこで、本実施形態の収容容器1は、外側容器2の構成要素として容器本体10と脚部材20とを備えている。容器本体10は、内部に貯蔵物を収容可能に構成されている。脚部材20は、容器本体10と異なる材質の材料で構成されており、容器本体10に取り付けられて容器本体10を支持する。このため、冷蔵庫内において収容容器1が配置されている配置面に、容器本体10が直接触れてしまうことを抑制できる。そして、脚部材20を、容器本体10よりも柔らかい材料、例えば柔軟性を有する樹脂材や弾性を有するゴム材等で構成することで、容器本体10が冷蔵庫内の配置面に直接触れて、収容容器1が配置される配置面を傷つけてしまうことを抑制できる。
【0038】
ここで、例えば脚部材20を両面テープや接着剤等で容器本体10に取り付けた場合、外側容器2が移動される際に脚部材20が何らかの構造物に引っ掛かるなどして脚部材20に対して外力が作用すると、脚部材20が容器本体10から外れてしまうおそれがある。一方で、脚部材20を容器本体底部12により強固に固定するためには、例えば容器本体底部12にねじ穴等を開けて脚部材20をねじ等の締結部材で固定することも考えられる。しかしながら、この場合、容器本体底部12に穴等を開けると、収容容器1内に収容した貯蔵物から生じた水分が、容器本体底部12に開けた穴から漏れ出てしまい、冷蔵庫内の設置面を汚してしまう可能性がある。このため、容器本体底部12に脚部材20を取り付けるために容器本体底部12に穴等を開けることは好ましくない。
【0039】
これに対し、本願発明者は、例えば外側容器2が移動される際に脚部材20が何らかの構造物に引っ掛かるなどして脚部材20に対して外力が作用した場合において、その外力の方向が突出部15の延伸方向に完全に一致することは極めて稀であることに着目した。このような外力は、そのほとんどの場合、突出部15の延伸方向に対して傾斜する方向の成分を含んでおり、脚部材20を傾ける方向へ力を作用させる。そのため、このような外力を受けた脚部材20は、突出部15の延伸方向に対して傾こうとする。
【0040】
そこで、本実施形態において、容器本体10は、窪み部14と、突出部15と、を有する。窪み部14は、容器本体底部12の外側面121を容器本体10の内側へ向かって窪ませて形成されている。突出部15は、窪み部14の内側に設けられて窪み部14の底面143から外方へ突出して形成されている。
【0041】
また、脚部材20は、挿入部24を有している。挿入部24は、容器本体10と異なる材質の材料で構成されており、突出部15が挿入可能に構成されている。脚部材20は、突出部15が挿入部24に挿入された状態で窪み部14に取り付けられて容器本体10を支持する。そして、挿入部24に突出部15が挿入されて脚部材20が窪み部14に取り付けられた状態で脚部材20の外周面の少なくとも一部と窪み部14の内周面の少なくとも一部とが対向する。
【0042】
すなわち、本実施形態によれば、収容容器1は、脚部材20が窪み部14に取り付けられた場合に、脚部材20の外周面の少なくとも一部と窪み部14の内周面の少なくとも一部とが対向する構成としている。これによれば、まず、脚部材20は、突出部15と挿入部24との接触面に生じる摩擦力によって容器本体10に固定される。更に、脚部材20に外力が作用して脚部材20が傾くと、脚部材20の外周面と窪み部14の内周面との対向している部分が接触する。これにより、脚部材20の外周面と窪み部14の内周面との接触部分において摩擦力が働き、その結果、窪み部14から脚部材20が意図せず外れてしまうことを抑制できる。このように、本実施形態によれば、収容容器1の配置面に傷が生じることを抑制しつつ、脚部材20が外れてしまうことを抑制でき、その結果、ユーザの利便性等の向上を図ることができる。また、突出部15と挿入部24との摩擦力を増大するために突出部15も長くする必要がないため、収容容器1の高さ寸法も極力抑えることができる。
【0043】
突出部15は、容器本体底部12の外側面121よりも外方つまり下方へ突出している。これによれば、突出部15を極力長くすることができる。このため、突出部15が脚部材20の挿入部24から抜けて、脚部材20が窪み部14から外れてしまうことを更に効果的に抑制することができる。
【0044】
脚部材20の基端側は、
図10等に示すように、窪み部14に挿入される。そのため、作業者等が脚部材20を容器本体10に取り付ける際に脚部材20の基端側を摘まんで作業すると、脚部材20を摘まんでいる自己の手指が邪魔となって脚部材20を窪み部14に挿入し難くなり、その結果、作業性が低下する。
【0045】
そこで、脚部材20は、径小部21と径大部22とを更に有している。径小部21は、脚部材20の先端側に設けられている。径大部22は、径小部21に対して容器本体10側つまり容器本体底部12側となる基端側に設けられており、かつ、径小部21よりも外径が大きい。これによれば、作業者等が脚部材20を容器本体10に取り付ける際に、作業者は、径小部21を摘まんで作業することができる。そして、径小部21と径大部22との外径の差によって生じる平坦部23がいわゆる鍔として機能し、作業者が、径小部21を摘まもうとした場合に誤って径大部22を摘まんでしまうことを抑制できる。これにより、脚部材20を摘まんでいる自己の手指が邪魔となって脚部材20を窪み部14に挿入が難しくなることを抑制でき、その結果、作業性の向上を図ることができる。
【0046】
脚部材20は、平坦部23を更に有している。平坦部23は、径小部21と径大部22との境界部分に設けられて平坦面に形成されている。平坦部23は、脚部材20が容器本体10に装着された状態で外部から視認可能に構成されている。そして、脚部材20が容器本体10に装着された状態で平坦部23と、容器本体10の底部12のうち平坦部23と隣接する段差部144とが同一面となる。
【0047】
これによれば、作業者等は、脚部材20を窪み部14に取り付ける際に、段差部144と平坦部23との上下方向のずれつまり窪み部14の深さ方向のずれを見ることで、脚部材20が正しい位置に取り付けられているか否かを判断することができる。すなわち、作業者等は、段差部144と平坦部23とが同一面となることを、脚部材20を取り付ける際の目印とすることができる。このため、脚部材20が正しい位置に取り付けられているか否かの確認作業が簡単になり、その結果、脚部材20を取り付ける際の作業性を更に向上させることができる。
【0048】
窪み部14は、少なくとも2つの異なる内径、例えば第1内径R1と第2内径R2とによって段差部144を有する形状に形成されている。そして、隣接部分となる段差部144は、段差部144に設定されている。これによれば、上述した目印としての機能を得つつ、径大部22の厚み寸法L2を小さくして径小部21の厚み寸法L1を大きくすることができる。すなわち、径小部21の厚み寸法L1を大きくすることで、作業者が径小部21を摘まむ際の摘まみ代を大きくして摘まみ易くすることができる。
【0049】
また、窪み部14を、異なる内径R1、R2によって段差部144を有する形状に形成することで、
図12に示すように、膨出部16を含む容器本体底部12全体の厚み寸法を一定の厚み寸法Tに維持することができる。これにより、容器本体10を例えば樹脂成型する場合に、膨出部16にヒケ等が生じて外観不良となってしまうことを抑制できる。その結果、本実施形態によれば、容器本体10の製造性の向上を図ることができる。
【0050】
また、作業者が脚部材20を窪み部14から取り外す場合、例えば作業者は径小部21の付け根当たりを軽く摘まむ。すると、脚部材20が変形して径縮部241が広がり、径縮部241による突出部15の保持力が弱まる。そして、作業者は、脚部材20を摘まみながら突出部15の延伸方向の下方へ向かって引っ張ることで、窪み部14から脚部材20を簡単に取り外すことができる。このため、本構成によれば、脚部材20を取り外したいときは簡単に取り外すことができ、また、取り外したくないときは外れ難い構成とすることができる。
【0051】
更に、脚部材20は、接着材や両面テープ等の接着部材を用いることなく容器本体10に取り付けされている。脚部材20を窪み部14に取り付ける際に接着材や両面テープ等を用いる工程を省くことができるため、組み立て時の作業性の向上を図ることができる。
【0052】
挿入部24は、脚部材20を貫通することなく形成されている。これによれば、挿入部24に挿入された突出部15が脚部材20の先端から飛び出て配置面に接触し、これにより配置面が傷つくことを抑制できる。しかし、挿入部24を非貫通とすると、挿入部24内に突出部15を挿入する際に、挿入部24内に残っている空気が圧縮されて、挿入部24に対する突出部15の挿入を阻害する。このため、脚部材20が窪み部14に対して正しい位置まで押し込まれずに、取付け不良となってしまう可能性がある。
【0053】
そこで、本実施形態において、突出部15は、溝部151を更に有している。溝部151は、突出部15の外周面を突出部15の径方向の内側へ向かって窪ませるとともに突出部15の延伸方向に沿って延びている。これによれば、突出部15を脚部材20に挿入する際に、脚部材20内に溜まっている空気を外部へ排出するための空気の逃げ道として機能する。その結果、脚部材20の取付け不良を抑制できて、製造性の向上を図ることができる。
【0054】
挿入部24は、径縮部241を更に有している。径縮部241は、挿入部24のうちの一部の内径が他の部分の内径よりも小さくかつ突出部15の外径よりも小さく形成されている。径縮部241は、挿入部24に突出部15が挿入された場合に突出部15を強く押圧して保持することで、脚部材20が突出部15から脚部材20の自重で外れ落ちてしまうことを抑制する機能を有する。したがって、本実施形態によれば、容器本体10から脚部材20を更に外れ難くすることができる。
【0055】
収容容器1は、内側容器3を更に備えている。内側容器3は、容器本体10の内部に出し入れ可能に構成されている。内側容器3は、支持部34、35を更に有する。支持部34、35は、内側容器底部32の外側面321から外方へ突出して設けられており、内側容器3が容器本体10内に収容された状態において容器本体底部12の内側面122に接して内側容器3を支持する機能を有する。
【0056】
これによれば、内側容器3の底部32は、支持部34、35によって容器本体底部12から離されている。このため、内側容器3を水切りかごとして利用する場合に、内側容器底部32が容器本体底部12に接触して通水部322が塞がれてしまうことを回避でき、内側容器3の液体を確実に排出することができる。これにより、内側容器3内に液体が溜まって内側容器3内の貯蔵物が痛んでしまうことを抑制し、鮮度の高い状態で保存することができる。また、内側容器3内に溜まった水を排出する手間も省くことができる。その結果、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
【0057】
ここで、容器本体10は、膨出部16を更に有している。膨出部16は、容器本体底部12の内側面122のうち窪み部14に対応した部分を容器本体10の内側へ向かって膨出させて形成されている。この場合、内側容器底部32が膨出部16の天面部分に接触すると、通水部322が塞がれてしまう。そこで、本実施形態において、支持部34、35の突出寸法Jは、膨出部16の突出寸法Kよりも大きく設定されている。
【0058】
これによれば、内側容器3を外側容器2の容器本体10内に収容した場合に、支持部34、35が容器本体底部12の内側面122に接触する。このため、内側容器3は、内側容器底部32の外側面321が膨出部16に接することなく容器本体10内に収容可能に構成されている。すなわち、内側容器3を容器本体10内に収容した状態では、内側容器底部32と膨出部16との間には隙間が形成されている。
【0059】
これによれば、容器本体10に膨出部16が形成されている場合であっても、内側容器底部32が膨出部16に接触して通水部322が塞がれてしまうことを回避でき、その結果、内側容器3の液体を確実に排出することができる。その結果、内側容器3内に液体が溜まってしまうことをより確実に抑制し、その結果、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
【0060】
支持部34、35は、隣接する2つの膨出部16を結んだ領域内、この場合、
図16に示す仮想領域I内に設けられている。これによれば、対向する支持部34、35の間隔を極力広くすることができるため、支持部34、35による内側容器3の支持を安定したものとすることができる。
【0061】
内側容器3、補助部36を更に有している。補助部36は、隣接する2つの支持部34、35の間において内側容器底部32の外側面321から下方へ突出して設けられている。補助部36の突出寸法Eは、支持部34、35の突出寸法Jよりも小さい値に設定されている。
【0062】
これによれば、内側容器3内に収容された貯蔵物の重量によって内側容器底部32が撓んだ場合に、補助部36が容器本体底部12の内側面122に接触することで、内側容器底部32が更に撓むことを抑制し、その結果、内側容器底部32の外側面321が容器本体底部12の内側面122に接触することを抑制することができる。これにより、内側容器底部32が膨出部16に接触して通水部322が塞がれてしまうことを回避でき、その結果、内側容器3の液体をより確実に排出することができる。
【0063】
また、収容容器1は、例えば
図28に示すように、冷蔵庫70内に設けられた載置面821に設置可能に構成される。冷蔵庫70は、収容容器1を配置可能な少なくとも1つの貯蔵室を備えている。
図28に示す冷蔵庫70は、収容容器1を配置可能な貯蔵室として、例えば冷蔵室71、野菜室72、及び冷凍室73、74を備えている。また、冷蔵庫70は、冷気を生成するための蒸発器75、76や、冷気を送風するための送風機77、78等を備えている。
【0064】
収容容器1は、例えば野菜室72に設けられた複数段式の引き出し容器81、82のうちの一つの引き出し容器、例えば上段の引き出し容器82に載置することができる。この場合、載置面821は、上段の引き出し容器82の底面となる。載置面821は、例えば
図30に示すように、複数の受け部821aを有する構成とすることができる。各受け部821aは、例えば冷蔵庫70の幅方向に延びる溝状に形成されており、それぞれ所定の間隔W2で平行に配置されている。各受け部821aは、溝状の内側で脚部材20を受けることが可能となっている。
【0065】
この場合、受け部821aの間隔W2は、隣接する受け部821aのうち幅方向の中心間の距離を意味する。また、受け部821aの幅寸法W1は、脚部材20の径小部21の外径寸法U1よりも大きい値に設定されている。ここで、
図8、
図14、及び
図16に示すように、4つの脚部材20のうち、長手方向に沿って配置された脚部材20の間隔を長手間隔P1とし、短手方向に沿って配置された脚部材20の間隔を短手間隔P2とする。この場合、長手間隔P1及び短手間隔P2は、隣接する突出部15の径方向の中心間の距離に一致する。
【0066】
長手間隔P1及び短手間隔P2のうち少なくとも長手間隔P1は、受け部821aの配置間隔W2の整数倍に設定されている。このため、例えば
図28に示すように、収容容器1の長手方向を冷蔵庫70の前後方向に一致させた姿勢で収容容器1を載置面821に載置することで、各脚部材20が
図30に示すように受け部821aの内側に入り込む。これにより、脚部材20の位置がずれ難くなり、収容容器1を安定させることができる。
【0067】
更に、本実施形態の場合、長手間隔P1及び短手間隔P2の両方が、受け部821aの配置間隔W2の整数倍に設定されている。収容容器1の短手方向を冷蔵庫70の前後方向に一致させた姿勢で、つまり収容容器1を
図30の状態から90°回転させた姿勢で収容容器1を載置面821に載置した場合でも、各脚部材20が
図30に示すように受け部821aの内側に入り込む。そのため、収容容器1の向きにかかわらず、脚部材20の位置がずれ難くなり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0068】
蓋部材4は、
図1及び
図2等に示すように、外側容器2の容器本体10に装着されて、容器本体10の開口部11を密閉又は半密閉で覆う機能を有する。本実施形態の蓋部材4は、容器本体10の開口部11を半密閉で覆う。なお、本実施形態において半密閉とは、完全な密閉状態ではなくかつ完全な開放状態でもないことを言い、例えば収容容器1の一部が大気開放されている状態を意味する。
【0069】
蓋部材4は、
図1から
図7に示すように、全体として矩形の板状又は浅い容器状に構成されている。蓋部材4は、蓋本体41及び固定部42を有している。蓋本体41は、蓋部材4の主体となる部品であり、例えば矩形の板状又は枠状の部材で構成することができる。固定部42は、例えば蓋本体41とは分離可能な構成であって、蓋本体41に取り付けられている。この場合、蓋本体41及び固定部42は、例えば樹脂材で構成することができる。また、固定部42は、樹脂成型等によって蓋本体41と一体に形成した構成、つまり相互に分離不可能な構成としても良い。
【0070】
固定部42は、蓋部材4が容器本体10に被せられた状態でユーザからの操作力等の外力を受けて動作し、これにより容器本体10に作用する。容器本体10に対して固定部42が作用すると、固定部42は、蓋部材4が容器本体10から外れないように蓋部材4を容器本体10に固定する。また、固定部42は、例えばユーザからの操作力等の外力を受けて動作し、容器本体10に対する蓋部材4の固定を解除する。
【0071】
固定部42は、蓋本体41のうち対向する2つの辺部に設けられている。本実施形態の場合、蓋部材4は、2つの固定部42を有している。そして、2つの固定部42は、蓋本体41のうち対向する短辺に設けられている。なお、固定部42は、蓋本体41のうち対向する2つの長辺に更に設けられていても良いし、短辺には設けられておらず長辺にのみ設けられていても良い。固定部42は、蓋部材4が容器本体10に装着された状態で容器本体10に係止することで蓋部材4を容器本体10に固定するとともに、容器本体10に対する係止を解除することで蓋部材4を容器本体10から取り外し可能な状態にする機能を有する。なお、以下の説明では、蓋部材4が容器本体10に被せられてかつ固定部42によって蓋部材4が容器本体10に固定された状態を装着状態と称することがある。
【0072】
蓋本体41は、
図13、
図18、及び
図21等に示すように、規定部411を有している。規定部411は、蓋部材4が容器本体10に被せられてかつ固定部42によって蓋部材4が容器本体10に固定された装着状態で、容器本体10の開口部11周辺に接触することで、蓋部材4と容器本体10との相対的な位置を規定する機能を有する。この場合、規定部411は、容器本体10に対して蓋部材4が蓋部材4の面方向へ移動することを規制する。また、規定部411は、容器本体10に対して蓋部材4が容器本体10の深さ方向へ移動すること、つまり蓋部材4が容器本体10の開口部11周辺全体に密着することを規制する。
【0073】
そして、蓋部材4が装着状態である場合に、
図13、
図18、
図19、及び
図25に示すように、規定部411が設けられていない部分において容器本体10と蓋部材4との間に隙間S1、S2が形成される。隙間S1、S2は、容器本体10の内部と外部とを連通する。すなわち、隙間S1、S2により、収容容器1は、容器本体10に蓋部材4が装着された場合に半密閉状態となる。隙間S1、S2つまり隙間S1、S2を形成する容器本体10と蓋部材4との距離は、例えば容器本体10の厚み寸法よりも小さい。
【0074】
以下の説明において、容器本体10の長辺に沿って形成される隙間S1を長辺隙間S1と称し、容器本体10の短辺に沿って形成される隙間S2を短辺隙間S2と称することがある。隙間S1、S2は、
図13等に示すように、容器本体10の周囲のうち全域に亘って形成することができる。この場合、容器本体10の周囲のうち全域に亘ってとは、必ずしも容器本体10の周囲が隙間S1、S2のみで構成されている必要はなく、例えば規定部411等のような隙間S1、S2の機能を妨げない程度の構造物等が設けられていても良い。本実施形態の場合、容器本体10の周囲のうち規定部411を除く部分には、長辺隙間S1又は短辺隙間S2のいずれかが形成されている。
【0075】
図13に示すように、規定部411は、蓋本体41の長辺部分及び短辺部分のそれぞれに複数個ずつ設けられている。本実施形態の場合、蓋本体41の1つの長辺部分には4つの規定部411が設けられている。また、蓋本体41の1つの短辺部分には2つの規定部411が設けられている。
【0076】
本実施形態の場合、容器本体10は、
図2、
図13、及び
図18から
図20に示すように、容器本体縁部17、18を有して構成することができる。容器本体縁部17、18は、容器本体10のうち開口部11側に設けられており、容器本体10の外周面から外側へ延びている。すなわち、容器本体縁部17、18は、容器本体10の開口部11側の端部を、容器本体底部12の面方向の外側へ折り曲げた形状となっている。そして、蓋部材4は、容器本体縁部17、18の外側を覆っている。これにより、隙間S1、S2は、
図13等に示すように、蓋部材4と容器本体縁部17、18との間に形成されている。
【0077】
この場合、規定部411は、例えば
図21に示すように、容器本体縁部17、18の側面部分に接触することで容器本体10に対する蓋部材4の水平方向の位置つまり蓋部材4面方向の位置を規定する。また、規定部411は、容器本体縁部17、18の上面部分に接触することで、容器本体10に対する蓋部材4の上下方向の位置つまり容器本体10の深さ方向の位置を規定する。
【0078】
以下の説明では、容器本体縁部17、18のうち、容器本体10の長辺部分に沿って形成された容器本体縁部17を長辺縁部17と称し、容器本体10の短辺部分に沿って形成された容器本体縁部18を短辺縁部18と称することがある。この場合、平面視で長方形の容器本体10において、長辺縁部17は容器本体10の長辺部分を構成し、短辺縁部18は容器本体10の短辺部分を構成する。
【0079】
本実施形態の場合、短辺縁部18は、固定部42が係止する部分となる。そのため、
図13に示すように、短辺縁部18の幅寸法G2は、長辺縁部17の幅寸法G1よりも大きい値に設定されている。長辺隙間S1は、
図19に示すように、容器本体10の長辺縁部17と蓋本体41との間に形成される。また、短辺隙間S2は、
図25に示すように、容器本体10の短辺縁部18と固定部42との間に形成される。本実施形態の場合、長辺隙間S1は、長辺縁部17の外側面と蓋本体41の内側面とによって形成される。また、短辺隙間S2は、短辺縁部18の外側面と蓋本体41の内側面とによって形成される。
【0080】
この場合、長辺隙間S1及び短辺隙間S2は、
図19及び
図25に示すように、いずれも容器本体10の深さ方向において容器本体底部12側へ向かって開放されている。すなわち、長辺隙間S1及び短辺隙間S2は、いずれも下方へ向かって開放されている。収容容器1の外部の空気は、例えば
図19及び
図25の白抜き矢印で示す方向へ流れて収容容器1内に取り込まれる。また、収容容器1の内部の空気の一部は、例えば
図19及び
図25の白抜き矢印で示す方向とは逆方向へ流れて、収容容器1の外部に流出する。このようにして、収容容器1の内部の空気の一部は、隙間S1、S2を通って外部の空気と交換される。
【0081】
また、容器本体縁部17、18のうち固定部42が係止する短辺縁部18は、
図2、
図13、及び
図22に示すように、上段縁部181と下段縁部182とを有している。上段縁部181は、短辺縁部18の両端側に設けられている。下段縁部182は、2つの上段縁部181の間でかつ上段縁部181に対して容器本体底部12側つまり下側に設けられている。下段縁部182は、容器本体10の短手方向の中心C1を跨いで設けられている。上段縁部181と下段縁部182とは滑らかに接続されている。ユーザ等は、容器本体10単体や収容容器1を持ち運ぶ際に、下段縁部182の下側の面に手指を掛けることができる。そのため、下段縁部182は、手掛け部としての機能も備える。
【0082】
この場合、固定部42は、短辺縁部18のうち上段縁部181に係止する。上段縁部181は、
図24に示すように、被係止部183を更に有している。被係止部183は、各上段縁部181に設けられている。すなわち、本実施形態の場合、短辺縁部18は、2つの上段縁部181に対応して2つの被係止部183を有している。被係止部183は、上段縁部181の裏面つまり下面から下方に突出して形成されており、固定部42の係止を受ける機能を有する。被係止部183は、上下方向つまり容器本体10の深さ方向に見た場合に下段縁部182の上方に位置している。すなわち。被係止部183は、下段縁部182よりも下方へは突出していない。
【0083】
蓋部材4は、
図3等に示すように、2つの短辺縁部18に対応して固定部42を2つ有している。固定部42は、蓋本体41に回動可能に設けられている。固定部42は、
図22、
図23、及び
図24に示すように、固定部本体421、軸部422、及び係止部423を有している。
【0084】
固定部本体421は、固定部42の大部分を占めており、
図3、
図7、
図18から
図19に示すように、全体として一方に長い板状でその板状の幅方向において湾曲又は折れ曲がった形状に形成されている。軸部422は、固定部本体421の長手方向の両端部から外側へ向かって突出しており、蓋本体41に挿入されている。軸部422は、固定部42の回動の中心軸となる。
【0085】
係止部423は、固定部本体421のうち被係止部183に対応して設けられている。係止部423は、被係止部183と係止可能に構成されている。本実施形態の場合、固定部42は、短辺縁部18に設けられた2つの被係止部183に対応して、2つの係止部423を有している。係止部423は、
図24に示すように、固定部本体421から短辺縁部18側へ向かって突出している。
【0086】
固定部42は、軸部422を支点に回動する。係止部423は、固定部42が短辺縁部18に近づく方向、
図24及び
図25では時計回り方向へ回動した場合に、上段縁部181に設けられた被係止部183に係止する。これにより、蓋部材4は容器本体10に固定された状態を装着状態となる。また、係止部423は、固定部42が短辺縁部18から離れる方向、
図24では反時計回り方向へ回動した場合に、被係止部183との係止が外れる。これにより、蓋部材4は、容器本体10に対する固定が解除されて容器本体10から取り外し可能となる。
【0087】
また、蓋部材4は、回動停止部412を更に有している。回動停止部412は、固定部42が容器本体10から離れる方向つまり
図24の反時計回り方向へ回動する際に、その回動範囲を定める機能を有する。回動停止部412は、例えば蓋本体41に設けられている。固定部42は、
図24に示す反時計回り方向へ所定量回動すると、回動停止部412に接触し、これにより固定部42の回動が停止される。本実施形態の場合、回動停止部412は、
図24及び
図25に示すように、固定部42の重心位置が軸部422よりも外側となる状態で固定部42の回動を止める機能を有する。すなわち、回動停止部412は、固定部42の自重により固定部42が容器本体10の短辺縁部18側へ回動する位置で固定部42の回動を止める機能を有する。
【0088】
係止部423は、被係止部183と係止して蓋部材4が容器本体10に装着されている場合に、ユーザ等が触れることができない又は触れ難い位置に設けられている。本実施形態の場合、
図24に示すように、係止部423は、蓋部材4が容器本体10に対して装着されている状態で、上下方向において上段縁部181と下段縁部182との間となる位置に設けられている。
【0089】
図24及び
図25に示すように、例えば軸部422に直角な平面つまり固定部42の回動中心に対して直角な平面で固定部42を切断した場合において軸部422から最も遠い箇所を、固定部42の先端部424と称する。先端部424は、固定部42の係止部423が上段縁部181の被係止部183に係止した装着状態において、固定部42における最下端となる部分である。そして、装着状態において、先端部424の上下方向の位置は、下段縁部182の下面182aと同位置又は上側に位置している。
【0090】
すなわち、蓋部材4の装着状態において、固定部42の先端部424は、下段縁部182の下面182aよりも下方へ飛び出ていない。つまり、蓋部材4は、装着状態において下段縁部182の下面182aよりも下方へ飛び出る箇所を有していない。そして、この場合、下段縁部182の下面182aの面積は、先端部424の面積よりも大きい。そのため、ユーザ等が収容容器1を持ち上げようとして下段縁部182に手指を掛けた場合、ユーザ等の手指は固定部42の先端部424ではなく下段縁部182の下面182aに触れ易い。これによれば、ユーザ等の手指が意図せず固定部42の先端部424に触れることによって固定部42と短辺縁部18との固定を解除してしまい不意に蓋部材4が外れてしまう、といった不都合を抑制することができる。
【0091】
内側容器側部33は、
図2、
図5から
図7、
図14、
図20、及び
図25に示すように、複数、この場合2つの貫通部331を有している。貫通部331は、内側容器側部33を厚み方向に貫いて形成されている。貫通部331は、例えば内側容器側部33の面方向に沿って延びる長円形状とすることができる。2つの貫通部331は、2つの内側容器側部33において対向する位置に設けられている。また、貫通部331は、内側容器側部33において開口部31の近傍に設けられている。貫通部331は、内側容器側部33の上下方向の中心よりも上側、つまり蓋部材4側に設けられている。貫通部331は、例えばユーザ等が内側容器3を持ち運ぶ際に貫通部331にユーザの手指を掛ける手掛け部として機能する。すなわち、貫通部331は、内側容器3の手掛け部としての機能も有する。
【0092】
本実施形態の場合、貫通部331は、
図20及び
図25に示すように、内側容器3を外側容器2内に収容した状態で下段縁部182と重なる位置で、かつ、貫通部331の内径の上側部分331aが下段縁部182よりも上方となる位置に設けられている。このため、
図25の白抜き矢印で示すように、内側容器3の内部と短辺隙間S2との間の空気の流れを円滑にすることができる。また、ユーザ等が蓋部材4を外して内側容器3を取り出す際に、ユーザ等は、下段縁部182に指を沿わせながら、その指を内側容器3の貫通部331に挿入することができるため、貫通部331に指を掛けやすくなる。
【0093】
また、内側容器3は、
図13、
図19、及び
図21に示すように、内側容器縁部37を更に有している。内側容器縁部37は、内側容器3の開口部31側に設けられており、内側容器3の外周面から水平方向の外側へ延び出ている。内側容器縁部37は、内側容器側部33の上端部分を外側へ折り曲げた形状に形成されており、内側容器側部33に繋がっている。
図19及び
図21に示すように、内側容器縁部37は、内側容器3が容器本体10内に収容された状態において容器本体縁部17、18の上側に位置する。
【0094】
ここで、収容容器1内に野菜や果物等を収容した場合、その野菜や果物から蒸散された湿気が収容容器1内に溜まる。この場合、収容容器1の内部と外部との温度差が大きいと、収容容器1内に溜まった湿気が結露するおそれがある。そして、その結露による水分が収容容器1内の貯蔵物に付着すると貯蔵物の鮮度を低下させる可能性があり、その結果、ユーザの利便性が低下する。
【0095】
そこで、本実施形態の収容容器1は、容器本体10と、蓋部材4と、を備える。蓋部材4は、容器本体10に着脱可能に設けられており、容器本体10に装着された場合に容器本体10の開口部11を覆う。また、蓋部材4は、固定部42を有する。固定部42は、蓋部材4が容器本体10に被せられた状態で蓋部材4を容器本体10に固定するとともに、外力を受けて動作して容器本体10に対する固定を解除可能に構成されている。そして、蓋部材4は、固定部42によって容器本体10に固定された状態で容器本体10との間に容器本体10の内部と外部とを連通する隙間S1、S2を形成する。
【0096】
これによれば、収容容器1は、蓋部材4を半密閉の状態で容器本体10に装着固定することができる。すなわち、蓋部材4を容器本体10に装着して固定した状態でも、収容容器1の内部と外部とは隙間S1、S2を介して連通している。そのため、収容容器1は、蓋部材4を容器本体10に装着して固定した状態でも、隙間S1、S2を介して収容容器1の外部の空気つまり冷蔵庫内の冷気を取り込むことができる。これにより、収容容器1の内部と外部との温度差を小さくして、収容容器1内で結露が生じることを抑制できる。これにより、収容容器1内で発生する結露が原因となる貯蔵物の鮮度の低下を抑制でき、その結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0097】
また、蓋部材4の一部又は全部を透明なガラスや樹脂で構成し、収容容器1の外部から蓋部材4を通して収容容器1の内部を視認可能としている場合、蓋部材4に結露が生じると視認性が低下する。これに対し、本実施形態によれば、蓋部材4に結露が生じることを抑制できるため、上述した構成において蓋部材4に結露が生じて視認性が低下することを抑制できる。これにより、視認性を確保するために蓋部材4の結露を取り除く等のユーザの手間が省け、その結果、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
【0098】
蓋部材4は、規定部411を更に有している。規定部411は、蓋部材4が容器本体10に被せられてかつ固定部42によって蓋部材4が容器本体10に固定された装着状態で容器本体10に接触することで蓋部材4と容器本体10との相対的な位置を規定する機能を有する。そして、蓋部材4は、蓋部材4が容器本体10に装着された状態で規定部411が設けられていない部分に隙間S1、S2を形成する。これによれば、蓋部材4は、規定部411によって容器本体10に対する相対的な位置を規定することができるため、隙間S1、S2を確実に形成することができる。つまり、蓋部材4がずれて隙間S1、S2が蓋部材4によって塞がれてしまったり、逆に隙間S1、S2が大きくなりすぎたりといった不具合を抑制することができる。
【0099】
隙間S1、S2は、容器本体10の周囲の全域に亘って、この場合、容器本体10の周囲のうち規定部411を除く全域に亘って設けられている。これによれば、容器本体10の周囲全体から満遍なく冷気を取り込むことが出来る。容器本体10内における温度差も低減し、より確実に収容容器1内で結露が生じることを抑制できる。これにより、収容容器1内で発生する結露が原因となる貯蔵物の鮮度の低下を更に効果的に抑制でき、その結果、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
【0100】
ここで、収容容器1は、蓋部材4を容器本体10に固定したにもかかわらず隙間S1、S2が存在する。このため、蓋部材4に不具合が生じたとユーザが誤解する可能性がある。そこで、本実施形態の容器本体10は、容器本体縁部17、18を更に有している。容器本体縁部17、18は、容器本体10のうち開口部11側に設けられており、容器本体10の外周面から外側へ延びている。そして、蓋部材4は、容器本体縁部17、18の外側を覆って容器本体縁部17、18との間に隙間S1、S2を形成する。
【0101】
これによれば、隙間S1、S2の外方は蓋部材4によって覆われているため、隙間S1、S2を目立たなくすることができる。その結果、ユーザが隙間S1、S2の存在を認識することを抑制して、ユーザに誤解を与え難くすることができる。
【0102】
隙間S1、S2は、容器本体10の深さ方向において容器本体10の底部12側へ向かって開放されている。つまり、隙間S1、S2は、下方へ向かって開放されている。これによれば、隙間S1、S2を通って異物などが収容容器1内に入り込んでしまうことを抑制できる。
【0103】
ここで、ユーザが収容容器1を持ち上げようとする際、ユーザの多くは、短辺縁部18の下側面に手指を掛けて持ち上げると想定される。収容容器1の短手方向の中心C1を回転軸とした場合の方が、収容容器1の長手方向の中心部C2を回転軸とした場合に比べて収容容器1に作用するモーメントが小さくなり易いため、短辺縁部18を持った方が安定し易いからである。
【0104】
しかし、ユーザが短辺縁部18に手指を掛けて持ち上げようとした際に、誤って固定部42に触れてしまうと、短辺縁部18に対する固定部42の固定が意図せず解除されてしまうおそれがある。すると、容器本体10から蓋部材4が外れて、更には容器本体10がユーザの手元から落下してしまうおそれがある。
【0105】
そこで、本実施形態において、容器本体縁部17、18のうち固定部42が固定される短辺縁部18は、上段縁部181と、下段縁部182と、を有する。上段縁部181は、短辺縁部18における両端側に設けられている。下段縁部182は、両端側の上段縁部181の間でかつ上段縁部181に対して容器本体底部12側、つまり下側に設けられている。そして、固定部42は、短辺縁部18のうち上段縁部181に係止する。
【0106】
これによれば、ユーザが収容容器1を持ち上げる際に下段縁部182に手指を掛け易くなると共に、下段縁部182に手指を掛ける際には固定部42には触れ難い。そのため、ユーザが収容容器1を持ち上げる際に、ユーザの手指が意図せず固定部42に触れて固定部42と短辺縁部18との固定を解除してしまい不意に蓋部材4が外れてしまう、といった不都合を抑制することができる。その結果、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0107】
また、固定部42が上段縁部181に係止している状態における固定部42の先端部424の上下方向の位置は、下段縁部182と同位置又は上側に位置している。これによれば、ユーザが収容容器1を持ち上げる際に下段縁部182に手指を掛けた場合、ユーザ等の手指は固定部42の先端部424ではなく下段縁部182の下面182aに触れ易い。そのため、これによれば、ユーザ等の手指が意図せず固定部42の先端部424に触れることによって固定部42と短辺縁部18との固定を解除してしまい不意に蓋部材4が外れてしまう、といった不都合を更に効果的に抑制することができる。この結果、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
【0108】
また、収容容器1は、内側容器3を更に備えている。内側容器3は、貫通部331を更に有している。貫通部331は、内側容器3の周囲を構成する内側容器側部33を厚み方向に貫いて形成されている。貫通部331は、下段縁部182と重なる位置で、かつ、貫通部331の内径の上側部分が下段縁部182よりも上方となる位置に設けられている。
【0109】
これによれば、
図25の白抜き矢印で示すように、内側容器3の内部と短辺隙間S2との間の空気の流れを円滑にすることができる。また、ユーザが蓋部材4を外して内側容器3を取り出す際に、ユーザは、下段縁部182に指を沿わせながら、その指を内側容器3の貫通部331に挿入することができるため、貫通部331に指を掛けやすくなる。これにより、容器本体10から内側容器3が取り出し易くなり、その結果、ユーザの利便性が更に向上する。
【0110】
また、内側容器3は、
図13、
図19、及び
図21に示すように、内側容器縁部37を更に有している。内側容器縁部37は、内側容器3の開口部31側に設けられており、内側容器3の外周面から外側へ延び出ている。そして、内側容器縁部37は、内側容器3が容器本体10内に収容された状態において容器本体縁部17、18の上側に位置する。
【0111】
これによれば、ユーザが蓋部材4を外して内側容器3を取り出す際に、ユーザは、容器本体縁部17、18の上面に指を沿わせながら、その指を内側容器3の内側容器縁部37の下方に入れ込むことで、内側容器縁部37に指を掛けやすくなる。これにより、貫通部331以外の箇所においても容器本体10から内側容器3が取り出し易くなり、その結果、ユーザの利便性が更に向上する。
【0112】
また、容器本体10及び蓋部材4は平面視で長方形状に形成されている。ここで、例えばユーザが固定部42と容器本体10とを固定するために固定部42に力を加えた場合、その力が大きすぎる場合、力を受けた容器本体側部13が容器本体10の内側へ撓んでしまうような、いわゆる内倒れが生じてしまうことがある。そして、容器本体側部13が大きく撓むと、固定部42が容器本体10に固定され難くなる。また、容器本体側部13のうち長辺部分を構成する容器本体側部131は、容器本体側部13のうち短辺部分を構成する容器本体側部132に比べて、力を受けた場合に撓みやすい。
【0113】
そこで、本実施形態において、固定部42は、蓋部材4のうち短辺部分に設けられている。これによれば、例えばユーザが固定部42と容器本体10とを固定するために固定部42に力を加えた場合に、その力を受けた容器本体側部13が撓んでしまうことを極力抑制できる。これにより、固定部42を容器本体10に確実に固定できるようになり、その結果、ユーザの更なる利便性の向上を図ることができる。
【0114】
また、固定部42は、蓋本体41に対して回動可能に構成されている。そして、蓋部材4は、
図24及び
図25に示すように、回動停止部412を更に有している。回動停止部412は、固定部42が容器本体10から離れる方向、つまり容器本体10との係止を解除する方向へ回動した場合に、固定部42の自重により固定部42が容器本体10側へ回動する位置で固定部42の回動を止める機能を有する。
【0115】
これによれば、ユーザが固定部42を解除する方向へ回動させた状態で放置しても、固定部42は自重で戻るため、
図24及び
図25の二点鎖線で示すように上方に立ち上がったような状態で放置されることを抑制できる。このため、例えばユーザが固定部42を解除する方向へ回動させた状態のまま冷蔵庫内に収容容器1を放置し、冷蔵庫の扉を閉めたとしても、その扉が固定部42に当たって収容容器1が破損するといったことを抑制できる。
【0116】
蓋部材4は、
図1から
図7等に示すように、通気部413、取付部43、及び透明部44を更に有している。通気部413は、蓋本体41を厚み方向に貫いて形成されており、気体を通過可能に構成されている。通気部413は、例えば蓋部材4の面方向に延びる複数の横長の穴いわゆるスリットで構成することができる。本実施形態の場合、通気部413は、例えば蓋部材4の短手方向に延びる複数のスリットで構成することができる。通気部413は、
図7及び
図8に示すように、蓋部材4の長手方向の中心C2に対して一方側の領域に設けられている。すなわち、通気部413は、蓋部材4の長手方向の中心C2を跨がない領域に設けられている。
【0117】
取付部43は、蓋本体41に対して通気部413を覆う位置に機能性部材50を着脱可能に取り付ける機能を有する。取付部43は、例えば樹脂成型等によって蓋本体41と一体に構成しても良いし、蓋本体41と分離可能な構成としても良い。本実施形態の場合、取付部43は、蓋本体41から分離可能な別部材で構成されている。この場合、取付部43は、蓋本体41に対して例えばスナップフィット等の構造やねじ等の締結部材によって着脱可能に構成されている。
【0118】
取付部43は、例えば
図26に示すように、全体として蓋部材4の短手方向に長い長方形状に形成されている。取付部43は、シート状又は薄板状の機能性部材50を保持した状態で蓋本体41の裏面つまり容器本体10側の面のうち通気部413を覆う位置に装着される。これにより、機能性部材50は、蓋本体41の通気部413を覆う位置に取り付けられる。この場合、機能性部材50は、蓋本体41と取付部43との間に挟み込んで取り付けられる。取付部43は、複数の案内部431、複数の爪部432、壁部433、切り欠き部434、及び誤配置防止部435を有している。
【0119】
図27に示すように、案内部431は、通気部413と重なる位置に設けられており、通気部413を通過した空気を、容器本体10内の所定の位置に案内する機能を有する。本実施形態の場合、案内部413は、例えば容器本体10内における長手方向の一方の端部側つまり容器本体10内の長手方向の中心部C2から離れる方向へ案内する機能を有する。案内部431は、例えば
図6及び
図7に示すように、容器本体底部12側へ向かうほど容器本体10内の長手方向の中心部C2側とは反対側へ向かって傾斜した板状の部材で構成することができる。
【0120】
爪部432は、シート状又は薄板状の機能性部材50の縁部を部分的に覆って保持する機能を有する。本実施形態の場合、取付部43は、5つの爪部432を有する。この場合、取付部43の長手方向の両辺部分には、爪部432がそれぞれ2つずつ設けられている。また、残り1つの爪部432は、取付部43の短手方向の辺部分でかつ取付部43の角部に設けられている。
【0121】
壁部433は、取付部43の周囲の大部分を囲む壁であり、機能性部材50の厚みよりもやや高く形成されている。切り欠き部434は、壁部433のうち爪部432が設けられていない側の短辺部分の一部を切り欠いて形成されている。
【0122】
誤配置防止部435は、機能性部材50が正しい向きで取付部43に配置されることを補助し、機能性部材50が誤った向きで取付部43に配置されることを防止する機能を有する。誤配置防止部435は、壁部433において切り欠き部434が形成されている短辺部と、その短辺部に隣接する長辺部とで形成される角部に設けられている。誤配置防止部435は、例えば角部を所定の角度、例えば45°で切り落としたようないわゆるC面取り形状に形成することができる。
【0123】
機能性部材50は、機能性部材50を通過する気体に特定の効果を発揮する。機能性部材50は、例えばエチレンガス等の特定の気体を吸収又は分解する効果や、水蒸気分子や酸素分子を通過させる透湿効果、又は空気の流通を制限する遮風効果等を発揮する。機能性部材50は、発揮する効果によって構成が異なるが、例えば複数の異なる性質を有するシート部材を積層させたり、内部に触媒等を配置したりして構成される。
【0124】
機能性部材50は、全体として長方形のシート状に構成されており、4つの角部のうちの1つのみに面取り部51を有している。面取り部51は、取付部43の誤配置防止部435に対応した形状となっており、取付部43の誤配置防止部435との相互作用により誤配置を防止する機能を発揮する。本実施形態の場合、面取り部51は、例えば角部を所定の角度、例えば45°で切り落としたようないわゆるC面取り形状に形成することができる。このため、機能性部材50は、面取り部51と誤配置防止部435とが対向する姿勢でのみ取付部43に配置することができる。機能性部材50は、切り欠き部434側から取付部43の面方向に沿って移動しながら爪部432の内側に挿入される。
【0125】
透明部44は、透明な材料で構成された部分であり、
図1等に示すように蓋部材4のうち通気部413以外の領域の一部に設けられている。例えば蓋部材4全体が透明な材料で構成されている場合、蓋部材4のうち機能性部材50で覆われる通気部413以外の領域が、透明部44として機能する。また、例えば蓋部材4全体又は一部を透明な材料で構成するとともに蓋部材4の一部に塗装やフィルムを貼る等によって不透明となる加工を施した場合、不透明となる加工を施していない部分を透明部44とすることもできる。なお、透明部44は、完全に透明である必要はなく、一部に模様等が施されて不透明な部分が生じていても良い。
【0126】
本実施形態の場合、透明部44は、蓋本体41から分離可能な別部品で構成されている。すなわち、透明部44は、蓋本体41とは異なる材質で構成することができる。透明部44は、例えば無色透明又は無色透明のガラス板やアクリル板等で構成することができる。本実施形態の場合、蓋本体41は樹脂製であり、透明部44はガラス製、例えば強化ガラス製である。
【0127】
透明部44の面積は、通気部413の面積よりも大きい。また、透明部44は、矩形の板状に構成されており、
図6及び
図7に示すように、蓋部材4の長手方向における中心部C2を跨ぐ領域に設けられている。この場合、蓋本体41は、嵌込部414を更に有している。嵌込部414は、蓋本体41を透明部44の形状に沿って貫いて形成されている。透明部44は、嵌込部414に嵌め込まれて蓋本体41に保持される。また、透明部44は、
図1に示すように、蓋部材4が容器本体10に装着された状態で外部から透明部44を通して内側容器3の内部を視認可能に構成されている。
【0128】
このような本実施形態によれば、収容容器1は、容器本体10と、蓋部材4と、を備える。蓋部材4は、通気部413と、取付部43と、透明部44と、を有する。通気部413は、蓋部材4を厚み方向に貫いて形成されて気体を通過可能に構成されている。取付部43は、通気部413を通過する気体に特定の効果を発揮する機能性部材50を、蓋部材4における通気部413を覆う位置に着脱可能に取り付ける機能を有する。透明部44は、通気部413以外の領域に設けられて透明な材料で構成されている。
【0129】
これによれば、機能性部材50によって収容容器1内に流入する空気に特定の効果を作用させて内部の貯蔵物の鮮度を維持しつつ、蓋部材4を開けなくても透明部44を通して収容容器1の中身を視認することができ、その結果、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0130】
透明部44の面積は、通気部413の面積よりも大きい。このため、ユーザは、比較的大きい透明部44を通して収容容器1の内部を視認することができる。このため、ユーザは、例えば視点や収容容器1を動かさなくても収容容器1の内部の広い範囲まで見ることができる。これにより、収容容器1の内部がより視認し易くなり、その結果、ユーザの利便性が更に向上する。
【0131】
容器本体10及び蓋部材4は平面視で長方形状に形成されている。そして、透明部44は、蓋部材4の長手方向における中心部C2を跨ぐ領域に設けられている。これによれば、ユーザは、収容容器1の内部の更に広い範囲まで見ることができ、その結果、ユーザの利便性を更に向上させることができる。
【0132】
蓋部材4は、ガラス製の透明部44と、樹脂製でかつ透明部44が取り付けられる蓋本体41と、を有している。これによれば、透明部44をガラス製にすることで、透明部44を樹脂製にした場合に比べて透明部44が傷つくことを抑制することができる。また、透明部44をガラス製にすることで高級感を演出することができ、更に透明部44が取り付けられる蓋本体41を樹脂製にすることで、全てをガラス製にした場合に比べて軽量化を図ることができる。これにより、ユーザは、高級感がありかつ軽量な蓋部材4を利用することができ、その結果、ユーザの利便性が向上する。
【0133】
また、本実施形態によれば、収容容器1は、上述したように隙間S1、S2から外部の冷気を取り込むことができる。このため、透明部44に結露が生じることを抑制でき、その結果、透明部44の視認性が低下することを抑制することができる。
【0134】
また、収容容器1は、容器本体10に蓋部材4を装着した状態でも、透明部44を通して外部の光を収容容器1の内部に取り込むことができる。この場合、例えば
図28に示す冷蔵庫70は、照射部79を備えている。照射部79は、冷蔵庫70の貯蔵室、例えば野菜室72内に設けられており、野菜室72内に向けて除菌効果を有する光、例えば紫外線を照射する。そして、収容容器1が野菜室72内に配置された状態で照射部79から光が照射されると、その光は、透明部44を通して収容容器1内に照射される。このように、照射部79は、透明部44を通して収容容器1の内部に除菌効果を有する光を照射することができる。
【0135】
これによれば、収容容器1内に貯蔵した貯蔵物についても照射部79による除菌効果を得ることができる。ユーザは、照射部79による除菌効果を得るために収容容器1から蓋部材4を取り外したり貯蔵物を取り出したりする必要がなくなり、その結果、ユーザの手間が省けて利便性の向上が図られる。
【0136】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0137】
1…収容容器、4…蓋部材、10…容器本体、11…開口部、41…蓋本体、413…通気部、43…取付部、44…透明部、50…機能性部材、70…冷蔵庫、79…照射部