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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】触媒反応器
(51)【国際特許分類】
   B01J 25/02 20060101AFI20231219BHJP
   B01J 35/04 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B01J25/02 M
B01J35/04 331A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021506542
(86)(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 EP2020076823
(87)【国際公開番号】W WO2021058703
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2021-02-05
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】19199657.8
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519414848
【氏名又は名称】エボニック オペレーションズ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Evonik Operations GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1-11, 45128 Essen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マイケ ロース
(72)【発明者】
【氏名】ルネ ポス
(72)【発明者】
【氏名】モニカ ベアヴァイラー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス ゲットリンガー
【合議体】
【審判長】三崎 仁
【審判官】金 公彦
【審判官】後藤 政博
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-513173(JP,A)
【文献】特開2009-138252(JP,A)
【文献】特開平10-258234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00-38/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体積Vを有する触媒固定層を含有し、
前記触媒固定層が担体構造体と触媒とを含む、
触媒反応器であって、次の特徴:
・前記触媒固定層が、反応運転中に少なくとも85体積%が反応媒体で充填されており;かつ
・前記反応媒体との前記触媒の接触面積は、前記触媒固定層の体積1mあたり少なくとも2000mであり;
前記担体構造体は、5~25μmの厚さを有する材料ウェブから形成され、ここで、少なくとも3mm-3の架橋密度が存在し;かつ
前記担体構造体が、旧CAS方式による元素の周期表の第VIIIB族、第VIB族および第IB族の元素およびそれらの混合物から選択されている金属からなり、
かつ、
(a)前記担体構造体が、水素化反応において触媒不活性であり、かつ触媒用の支持体として利用され、かつ触媒が触媒活性なコーティングの形で前記担体構造体上へ塗布されているか、または
(b)コバルト、ニッケル、銅および/またはそれらの混合物が、前記担体構造体の主成分であり、かつ前記担体構造体上へ塗布された前記触媒が、活性化された金属触媒であることを特徴とする、前記触媒反応器。
【請求項2】
コーティングにより前記担体構造体上へ塗布される前記触媒の割合が、前記触媒固定層の体積1mあたり2~500kgであることを特徴とする、請求項1に記載の触媒反応器。
【請求項3】
前記触媒が、前記触媒を形成する触媒コーティングの全量を基準としてそれぞれ、担体酸化物60~99.8質量%、触媒活性成分0.2~10質量%および任意に添加剤および機能成分を含有することを特徴とする、請求項2に記載の触媒反応器。
【請求項4】
前記担体酸化物が、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化チタンおよびそれらの混合物からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項3に記載の触媒反応器。
【請求項5】
前記触媒活性成分が、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金およびそれらの混合物からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項3または4のいずれか1項に記載の触媒反応器。
【請求項6】
前記触媒固定層が、前記触媒固定層の全質量を基準として、アルミニウム2~17質量%を含有することを特徴とする、請求項に記載の触媒反応器。
【請求項7】
前記の活性化された金属触媒が、モリブデン、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、銅およびそれらの混合物からなる群から選択されるドーピング元素で変性されていることを特徴とする、請求項に記載の触媒反応器。
【請求項8】
前記触媒固定層が、0.5~100mの体積を有することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の触媒反応器。
【請求項9】
前記触媒固定層が、0.1~1kg/mの充填質量を有することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載の触媒反応器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景および従来技術
本発明の対象は、工業的規模の水素化プロセス用の触媒反応器である。該触媒反応器は、担体構造体と触媒とを含み、かつ特別な特徴により特徴付けられる、触媒固定層を含有する。
【0002】
接触水素化プロセスは、化学工業における最も重要な操作に属する。それらは、有機原料製造ならびに有機基礎化学品から、一部には高度に特化した、日々の生活のあらゆる分野における多数の日常用途のための最終生成物へのさらなる加工の中心的な構成要素である。その際に、前記のそれぞれの水素化プロセスは、それらの実施の詳細において、我々の日々の生活に伴う、マーガリンからオールシーズンジャケットを経て、燃料、フォームおよびプラスチック、農業用化学品、医薬品、塗料、コーティングおよび他の多数のものまでのような、そのプロセスチェーンの最後に生じる最終生成物と同様に多様である。全ての工業的規模での水素化プロセスに共通するのは、これらのプロセスが、高めた温度でおよび高めた圧力下で少なくとも化学量論量の水素の存在下で、かつ触媒接触体を使用して実施されることである。
【0003】
水素化反応は発熱反応である。その反応エンタルピーは通例、H 1molあたり105~125kJの範囲内である。その温度の過度の上昇は、ルシャトリエの原理に従い、その反応物側への化学平衡の移動をもたらし(すなわち脱水素を促進し)、かつ該水素化から生じる目的生成物の収率に反作用する。したがって、該反応温度を制御するための措置は、動力学に支配された温度範囲内の該反応の活性化エネルギー(ひいては該反応を開始するために必要であり、温度を介して導入されうるエネルギー)を低下させる、適切な水素化触媒の使用と同じように、工業的な水素化プロセスの不可欠かつ基本的な構成要素である。通常の措置は、その目的反応に適合された、しばしば高度に特別な反応器設計である。例えば、ガス状反応物の水素化の際には、とりわけ、全ての反応段階の温度が、熱交換によるか、または熱い、もしくは冷たいガスの供給により影響を受けることができるように構成されている反応器が使用される。極めて強い熱発生の場合に、温度が特別な熱交換媒体を介して制御される等温運転の反応器が一般的である。全ての工業的規模の反応器に共通するのは、それらが、長い期間にわたって定常的に、すなわち一定の運転条件下で運転されることである(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry: G. Eigenberger, W. Ruppel: “Catalytic Fixed-Bed Reactors”, Wiley-VCH, Online-ISBN: 9783527306732 | DOI: 10.1002/14356007; 2012参照)。
【0004】
多数のさらなるパラメーターは、水素化反応の転化率、収率および選択率を決定する。概観はとりわけ、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry: D. Sanfilippo, P. N. Rylander: “Hydrogenation and Dehydrogenation”, Wiley-VCH, Online-ISBN: 9783527306732 | DOI: 10.1002/14356007; 2012に見出される。
【0005】
水素化反応はしばしば、工業的規模では連続的に運転される固定層反応器中で実施される。固定層は、反応器の内部に固定され、大きな表面積を有し、触媒が設けられた担体(内挿物)であると理解される(ROEMPP Online - Hydroprocessing参照)。該反応器は、反応されうるガス(水素化プロセスの場合に少なくとも水素)および/または液体(流体)で貫流される。任意に付加的な溶剤も含むことができる流体の全体を、以下に反応媒体と呼ぶ。
【0006】
該反応自体は、該触媒(接触体)上で行われる。該触媒は、該担体上に塗布されている。該担体は、微粒状固体(担体材料:グラニュール、ビーズ、ペレット等;以下に“バルク材料”と呼ぶ)の層(不規則充填物、充填物)、管束、規則充填物等であってよい(ROEMPP Online - Festbett fuer die chemische Katalyse参照)。
【0007】
液状反応物の水素化用の工業的規模の固定層反応器は、トリクルベッド反応器、気液上向並流反応器(Sumpfreaktoren)として、または充填気泡塔反応器として設計されていてよい。トリクルベッド反応器中で、少なくとも、該反応媒体の液状成分は、上から該固定層上へ導入される。この反応器タイプの場合には、該反応器頂部における該流体の導入構成が、該固定層中の該液状反応媒体の空間分布の決定に関与する。該反応媒体は、多くの気液上向並流反応器および充填気泡塔反応器を下から上へと貫流するので、該反応媒体は、いずれにせよ反応器断面全体に分布する。気泡塔反応器中では、通例、トリクルベッド反応器中よりも微粒状のバルク材料からなる固定層が使用される。さらに、下から流す固定層反応器は、該反応媒体の易揮発性成分のガス放出を防止するために、従来のトリクルベッド反応器よりもたいてい高い圧力で運転される。
【0008】
固定層反応器の反応器性能は、とりわけかつ実質的な程度で、該反応媒体との該触媒(接触体)の接触面積により決定される。“接触面積”は、該担体により提供される、該触媒が塗布されており、かつ反応運転中に該反応媒体と接触する、巨視的な、すなわち幾何学的表面積であると理解される。この接触面積が大きければ大きいほど、ますます大きな反応器性能を期待することができる。一般に、該固定層の形成に使用されるバルク材料がより微粒状であるほど、ますます大きな接触面積が提供される。
【0009】
該触媒固定層を貫流する際に、流動抵抗に基づき、該担体の形状およびサイズならびに該反応媒体の流速および流動性に依存する圧力損失が生じる。典型的には、該固定層の形成に使用されるバルク材料がより微粒状であるほど、この圧力損失はますます大きくなる。該固定層中の流動抵抗が高くなりすぎる場合には、バルク材料粒子が運動し始めることがある。使用される材料に応じて、該固定層中の運動は、機械的摩耗をまねくことがあり、該機械的摩耗は、時間が経つにつれて、該担体上に塗布された触媒の損失、ひいては反応器性能損失をまねく。さらに、該固定層中のこの運動は、該流体中に含有されている全ての反応物が該触媒接触面と接触することなく、該反応媒体が該固定層内部で貫流する、より大きな流路の形成をまねくことがある。ガス状水素および液状反応物が、不均質な、すなわち固体触媒上で反応される三相系において、そのような流路中で、例えば、該気相(すなわち該水素)および該液相の脱混合となりうる。該触媒表面への水素および/または水素化されうる反応物分子の導入の際の物質輸送の制約、ひいてはその全転化率、したがって該反応器性能の低下は、その結果である。
【0010】
触媒固定層の形成に適した担体を選択する際に、一方では、反応媒体と担体との間のできるだけ大きな接触面積を提供することと、他方では、微粒状すぎる担体材料により引き起こされ、かつ前記の欠点を必然的に伴う、高い流動抵抗を回避することとの間に目的の矛盾がある。該圧力損失は、粒子直径が減少するにつれて激しく上昇するので、粒子直径が2mm超のバルク材料のみが工業的に使用される(M. Baerns et al, Technische Chemie, 8.8.1.1章, 第2版, 2013, ISBN 978-3-527-33072-0参照)。
【0011】
工業的規模で使用され、連続的に運転される固定層反応器は、100mまでの固定層体積を有することができる。したがって、該固定層の形成に使用されるバルク材料のかさ密度および使用される固定層の高さに応じて、該反応器自体の支持構成、該反応器中の該固定層用の支持構成に、および殊に該触媒固定層の下層に、場合により数メートルトンの質量がかかる。該固定層の形成に使用される担体が、これらの質量を数千時間の運転にわたって支えるのに十分な機械的安定性および耐久性を有していない場合には、該担体構造体の破壊、ひいては該触媒活性領域の機械的破壊となりうる(触媒破壊)。破壊された材料は、該流体と共に該反応器から隣接するプラント部材へ排出されるおよび/または該固定層中のケーキングをまねくことがある。いずれの場合にも、その結果として、該プラント運転はかなり妨害される。
【0012】
従来技術において、工業的規模の水素化プロセスにおいて(も)使用される触媒固定層反応器の多数の多種多様な実施態様が公知である。包括的な概観は、とりわけ、G. EigenbergerおよびW. RuppelによりUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistryに提供されている(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry: G. Eigenberger, W. Ruppel: “Catalytic Fixed-Bed Reactors”, Wiley-VCH, Online-ISBN: 9783527306732 | DOI: 10.1002/14356007; 2012)。
【0013】
本発明
本発明の課題は、できるだけ多くの水素化プロセスにおいて使用できる、工業的規模の水素化プロセス用の改良された触媒反応器を提供することである、それというのも、該触媒反応器が、反応媒体と担体との間のできるだけ大きな接触面積を提供し、しかしその際に、同時に該反応媒体の流動抵抗が、該固定層により最小化されており、かつさらに、改善された機械的安定性を有する担体構造体が使用されるので、触媒破壊は、該反応器の運転期間にわたって確実に回避されるからである。前記課題は、
触媒反応器であって、
体積Vを有する触媒固定層を含有し、
該触媒固定層が、担体構造体と触媒とを含み、
次の特徴により特徴付けられる:
・該触媒固定層は、反応運転中に少なくとも85体積%が反応媒体で充填されており;かつ
・該反応媒体との該触媒の接触面積は、該触媒固定層の体積1mあたり少なくとも2000mである
によって解決される。
【0014】
本発明による触媒反応器において使用される触媒固定層は、材料ウェブから形成される、全ての空間方向へ3次元的に密に架橋された担体構造体を含む。この担体構造体上へ、該触媒が塗布される。
【0015】
一方では、反応媒体と触媒との間のできるだけ大きな接触面積を提供することと、他方では、該反応媒体が該触媒固定層を貫流する際の高い流動抵抗を回避することとの前記の目的の矛盾は、該担体構造体を形成する材料ウェブの厚さが5~25μmの範囲内である場合に解決できることが見出された。そのうえ、該担体構造体は、少なくとも3mm-3の架橋密度を有していなければならない。すなわち、該触媒活性な固定層の体積1mmあたり少なくとも3つの架橋部位が存在していなければならない。架橋部位は、該担体構造体中の、材料ウェブが少なくとも2つの空間方向から出会い、かつそこで材料結合を形成する点である。架橋密度とは、体積あたりの該架橋部位の数をいう。材料ウェブは、2つの架橋部位の材料結合であると理解される。好ましくは、該担体構造体を形成する該材料ウェブは、5~15μmの厚さを有する。該架橋密度は、好ましくは3~100mm-3および極めて特に好ましくは10~65mm-3である。
【0016】
図1は、縮尺通りではない原理見取り図において、本発明による担体構造体の例からの部分を示し、かつ用語“材料ウェブ”(1)および“架橋部位”(2)を図で説明する。図2は、本発明による担体構造体からの部分の光学顕微鏡像である。
【0017】
殊に比較的大きな触媒反応器のための、該触媒固定層の十分な安定性を保証するために、該担体構造体は、十分な機械的耐久性および強さを有する材料からなっていなければならない。さらに、該材料は、水素化反応器中で典型的に支配的な反応条件に変わらずに耐えるのに十分に耐熱性および耐圧性でなければならない。該担体材料へのさらなる基本要件は、その耐薬品性である。
【0018】
“強さ”という用語は、外部応力に対する材料の最大限可能な内部抵抗を記載する。これは、負荷が一様に増加する際に該材料の破壊をまねく、機械的応力である。典型的な応力の種類は、とりわけ、該材料の引張、圧縮、座屈または曲げによる負荷である。強さは、実験により求めることができ、ここで、該材料の応力の種類に応じた強さの測定のための多様なDIN規格がある。例えば、金属の圧縮強さの実験による測定の記載は、例えば、規格DIN 50106:2016-11に見出される。
【0019】
該触媒固定層の十分な安定性を保証するために、本発明による担体構造体は、十分な圧縮強さを有していなければならない。それというのも、殊に数mの体積を有する工業的規模の反応器中の該触媒固定層の下層に、場合により数トンの質量がかかるからである。本発明による担体構造体の圧縮強さの測定は、DIN 50106:2016-11に記載された方法により実験により行うことができるが、その際に得られたデータの評価および解析は、適合された方法で行わなければならないことを顧慮すべきである。それというのも、中実な加工物ではなく、薄い材料ウェブからなる3次元的に高度に架橋された構造体だからである。本発明による担体構造体の特別な形成は、相対的に小さい力を適用する際にすでに、該試料中の該材料ウェブの塑性変形が生じうる結果となる。したがって、該圧縮強さ測定から生じる応力-ひずみ曲線は、中程度のひずみ値ですでに、該応力における不連続性および局所最大値を示し、その後に、該応力の低下後にひずみの上昇に伴い上昇し続け、これは“古典的な”中実の加工物の場合にも観察されうる(図3参照)。該応力-ひずみ曲線のこの局所最大値は、そのような3次元的に高度に架橋された構造体の圧縮強さの測定に用いることができる。該試料の体積を基準とした、該応力-ひずみ曲線の局所最大値で測定される応力を担体圧縮強さと呼ぶ。本発明による担体構造体は、0.5~20kPa/mm、好ましくは1~15kPa/mmおよび特に好ましくは1.5~7.5kPa/mmの範囲内の担体圧縮強さを有する。
【0020】
該担体構造体の前記の特徴の組み合わせにより、適した触媒の塗布後に、反応運転中に少なくとも85体積%が反応媒体で充填されており、かつ同時に、該触媒固定層の体積1mあたり少なくとも2000mの該反応媒体との該触媒の接触面積を有する触媒固定層が得られる。好ましくは、該触媒固定層は、反応運転中に少なくとも90体積%、特に好ましくは90~95体積%が反応媒体で充填されている。該反応媒体との該触媒の直接接触面積は、該触媒固定層の体積1mあたり好ましくは2000~12000m、該触媒固定層の体積1mあたり特に好ましくは2300~7500mである。
【0021】
該担体構造体は、元素の周期表の第8族、第6族および第11族(IB族)の元素およびそれらの混合物から選択される金属からなる。殊に、鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀および/またはそれらの混合物からなる群から選択されている金属が適している。それというのも、これらの金属は、良好な加工性、高い機械的耐久性および、適切な加工の際には、水素化反応の典型的な条件下での耐薬品性により、ならびに是認できる原料コストにより特徴付けられるからである。特に好ましいのは、該担体構造体の主成分として、コバルト、ニッケル、銅および/またはそれらの混合物である。
【0022】
前記の金属からの本発明による特徴を有する担体構造体の製造は、テンプレート支援製造法において行われる。それというのも、該金属は、通常の金属加工法では、5~25μmの範囲内の本発明による材料ウェブ厚さで、少なくとも3mm-3の架橋密度が生じるように安定して材料を結合することができないからである。該担体構造体の製造のために、第1工程において、適した有機ポリマーから有機テンプレートが製造される。このテンプレートは、製造されうる金属担体構造体の空間的特徴をすでに有していなければならないが、必要とされる機械的強さを示す必要はない。殊に、該架橋密度は、本発明による範囲内でなければならない。有機ポリマーからそのようなテンプレート構造体を製造する技術は、ポリマー化学およびポリマー加工の当業者に公知である。相応して適したテンプレート、例えばポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートおよびその他の最新のポリマーからなるものは、従来技術において公知であり、かつ商業的に入手可能である。
【0023】
スパッタコーティングにより、該有機テンプレート上へ該金属の薄い層が塗布され、該金属から該担体構造体が形成される。この第1層は、平面的につながっているが、しかし厚さがわずかに数層の原子層であるべきである。典型的には、そのようなスパッタコーティングの厚さは0.15μmを超えない。これらのスパッタ法も、従来技術および確立された工業的な実地において周知である。このスパッタコーティングの目的は、該有機テンプレートを伝導性の状態にすることである。こうして前処理された有機テンプレート上へ、該担体構造体を形成する金属は、公知の、かつ工業的に確立された方法により、30μm以下の金属層厚が達成されるまで、ガルバニックに堆積される。続く熱処理において、該有機テンプレートは、加熱分解により残留物を残すことなく除去される。使用されるポリマーに応じて、該有機テンプレートの高温熱分解は、大気酸素の存在下および300~750℃、好ましくは400~600℃および特に好ましくは480~580℃の温度範囲内で行われる。第2の熱処理工程において、こうして生じた担体構造体は、750~1100℃の温度範囲内で還元雰囲気下に、後アニールされる。この第2のアニール工程の温度は、該担体構造体の形成に使用される材料に依存しており、かつ使用される1種の金属もしくは使用される複数の金属の溶融温度に従って選択されうる。この温度は、0.75*T[ここで、T=使用される金属の溶融温度]を超えるべきではない。還元雰囲気下での熱処理により、任意に第1の熱処理工程において形成されたかもしれない金属酸化物は、再び元素状金属に還元され、かつ安定な金属組織が形成される。あるいは、第1の熱処理工程において大気酸素下で形成される、該金属組織中の欠陥および妨害箇所は元に戻り、かつ生じる担体構造体の機械的安定性に必要な延性および弾性は回復される。
【0024】
こうして製造される担体構造体は、本発明による触媒反応器中で支配的な反応条件下で触媒不活性であってよい。しかし、金属担体構造体の製造プロセスにおいて、例えば該有機テンプレート上での該材料ウェブの形成に使用されるガルバニック浴中の相応する堆積添加物により、すでに触媒活性金属を含む可能性も存在する。ついで、場合により、該担体構造体を形成する材料ウェブ中へ導入されるこれらの触媒活性元素は、さらなる工程において、例えばエッチング法または他の化学的な後処理法により、“活性化”されなければならない。
【0025】
好ましくは、本発明による担体構造体は、触媒不活性であり、かつ本発明による触媒反応器中で実施される反応に意図的に適合されることができる、適した触媒用の支持体として利用される。
【0026】
該触媒は、触媒活性なコーティングの形で、該担体構造体上へ塗布することができる。自動車排ガス触媒反応において使用されるモノリシック基材の場合に類似して、本発明による担体構造体は、そのために必要な形状安定性に加えて、コーティング懸濁液が吸引または圧送により通過することができる連続した空洞をする。浸漬法(いわゆる“ディップコーティング”)におけるまたは噴霧法(いわゆる“スプレーコーティング”)におけるコーティング懸濁液の塗布も可能である。従来技術において原則的に公知の塗布法のどれを優先すべきかは、一方では該コーティング懸濁液の組成および流れ特性に、および他方では支持体として使用される担体構造体の実際の構造に依存する。ディップコーティングは、該コーティング懸濁液の多様な特性に対するできる限りの許容度を有し、したがって、本発明による全ての担体構造体のコーティングに適している。
【0027】
触媒コーティングは、主に酸化物成分からなる。主成分は、50~200m/g担体酸化物である極めて高い比表面積を有する無機担体酸化物である。この表面上に、該触媒活性成分が分配される。触媒活性成分の無機担体酸化物は、完成した触媒中で複数の機能を有する:一方では、担体酸化物は、本発明による担体構造体により提供され、本発明の文脈で該反応媒体との該触媒の接触面積と呼ぶ、巨視的な、すなわち幾何学的な表面を、微視的な面へ拡大するのに利用される。他方では、無機担体酸化物はこれら自体で前記の水素化されうる分子と相互作用することがあり、こうして、その反応過程に影響を及ぼしうる。殊に、該担体酸化物の選択は、有機基質分子のより多くの官能基が水素と反応できる複雑な水素化反応の選択性に影響を及ぼす。さらに、担体酸化物は、該触媒活性成分が分配される微視的な表面を提供する。担体酸化物は、さらに、さらなる機能成分および添加剤が分布することができるマトリックスを形成し、これらの機能成分および添加剤は、特有の用途への該マトリックスの適合の際に該触媒の特別な機能の“調節”に利用される。
【0028】
好ましくは、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化チタンおよびそれらの混合物からなる群から選択される無機酸化物が、担体酸化物として使用される。
【0029】
触媒活性成分として、好ましくは鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金およびそれらの混合物からなる群から選択されている、遷移金属が使用される。水素化反応に特に好ましい触媒成分は、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、金およびそれらの混合物からなる群から選択される遷移金属である。
【0030】
さらなる機能成分および添加剤として、該触媒コーティングは、好ましくは、アルカリ土類金属の酸化物、遷移金属の酸化物、希土類の酸化物から、アルミニウムおよびガリウムの酸化物、ケイ素、ゲルマニウムおよびスズの酸化物および/またはそれらの混合物から選択される、無機酸化物を含有していてよい。
【0031】
本発明による触媒反応器中の、好ましくは触媒不活性な、本発明による担体構造体上へコーティングにより塗布される触媒の割合は、該触媒固定層の体積を基準として2~500kg/m、好ましくは、該触媒固定層の体積を基準として2~100kg/mである。該触媒は、該触媒を形成する触媒コーティングの全量を基準として、好ましくは、担体酸化物60~99.8質量%、触媒活性成分0.2~10質量%及任意に添加剤および機能成分(残部)を含有する。
【0032】
該触媒を本発明による担体構造体上へ塗布するために、コーティング懸濁液は、その成分を水へ導入することにより製造される。その際に、該担体酸化物上への該触媒成分の塗布は、相応する金属塩溶液(前駆物質溶液)で該担体酸化物を予め含浸することによるか、または該コーティング懸濁液へ前駆物質溶液を直接添加し、任意で沈殿させるか、または化学的に誘導される該前駆物質化合物を堆積または分解させるかのいずれかによって、すでに懸濁された1種/複数の担体酸化物上で行われる。機能成分および添加剤も、このようにして導入するか、または酸化物固体として直接添加することができる。選択的に、可溶性前駆物質から生じる、該触媒の全ての成分は、本発明による担体構造体上への該担体酸化物の塗布後に、後含浸法により添加することができる。該調製法の選択は、生じる触媒の目的組成および調節されうる特性により決定される。
【0033】
本発明による担体構造体上での該触媒の良好な付着を保証するために、該触媒懸濁液でのコーティング前に本発明による担体構造体上へ塗布されうる、接着促進性物質またはバインダーの添加が必要でありうる。
【0034】
触媒懸濁液でコーティングされた担体構造体は、空気中でか焼されて、該担体構造体上での該触媒の固定を達成し、こうして本発明による固定層を製造し、該固定層はついで該触媒反応器中へ導入される。
【0035】
コバルト、ニッケル、銅および/またはそれらの混合物が、本発明による担体構造体の主成分であるか、もしくは該担体構造体が、コバルト、ニッケル、銅および/またはそれらの混合物からなる場合には、該触媒懸濁液でのコーティング前に、好ましくは、薄い酸化アルミニウム層が、接着促進性層として本発明による担体上に直接製造される。このためには、本発明による担体構造体に、最初に、薄いアルミニウム層の塗布を可能にする接着促進剤が設けられる。接着促進剤として、金属と有機材料との間の付着を改善し、かつポリビニルピロリドン(PVP)、ワックス、エチレングリコール、ポリエチレンイミンおよびこれらの化合物の混合物からなる群から好ましくは選択される、有機化合物が適している。特に好ましくは、ポリエチレンイミン水溶液が使用される。本発明による担体構造体上への該接着促進剤の塗布は、好ましくは、本発明による担体構造体の、室温での該接着促進剤0.5~10質量%を含有する溶液での処理により行われる。好ましくは、該溶液は、接着促進剤1~8質量%、特に好ましくは接着促進剤2~7質量%の含有率を有する。該接着促進剤溶液は、圧送または吸引により、本発明による担体構造体上へ塗布することができる。好ましくは、該接着促進剤溶液は、本発明による担体構造体上へ噴霧されるか、または該担体構造体は、該接着促進剤溶液中へ浸漬される。本発明による担体構造体上への該接着促進剤の塗布後に、アルミニウム粉末が、該担体構造体上へ塗布される。このためには、好ましくは、d99=200μmを超えない粒度および狭い粒度分布を有する微粒状アルミニウム粉末が塗布される。特に好ましくは、該アルミニウム粉末の粒度分布のd50値は、150μmを超えないd99値の場合に20~70μmの範囲内である。前記の塗布されうるアルミニウム粉末にも、接着促進剤が設けられていてよく、その際に、同様に、すでに前記の接着促進性物質が適している。該アルミニウム粉末は、できるだけ均一な分布で本発明による担体構造体上へ塗布される。これは、例えば、適切な媒体中での該粉末の懸濁または流動化後に、生じる粉末マトリックス中へ該担体構造体を浸漬させることによるか、または相応して準備された粉末もしくは該粉末の懸濁液を、本発明による担体構造体上へ噴霧することにより行うことができる。
【0036】
アルミニウム層を、スパッタ技術またはCVD法(CVD=化学蒸着)による該気相からの堆積によって塗布することも可能である。該担体構造体の空間的広がりに応じて、そのような方法は、極めて多くの労力および相応して高いコストと結び付くことがある。
【0037】
該アルミニウムの塗布後に、本発明による担体構造体は、空気下での熱処理(か焼)にかけられて、該アルミニウムを酸化し、かつ酸化アルミニウム層を形成する。該か焼温度は、好ましくは200℃~1200℃、特に好ましくは300℃~1000℃および極めて特に好ましくは350℃~750℃である。
【0038】
こうして処理された本発明による担体構造体は、触媒で特に良好にコーティングすることができる。該担体構造体の表面上に製造される“酸化アルミニウムスキン”は、該触媒の担体酸化物の際立って良好な結合をもたらし、かつ本発明による触媒反応器中の該触媒固定層の長期の耐久性および寿命ならびに数千時間の運転にわたる長期使用においても、際立って高い機械的安定性、殊に摩耗安定性を生じさせる。
【0039】
コバルト、ニッケル、銅および/またはそれらの混合物が、本発明による担体構造体の主成分であるか、もしくは該担体構造体が、コバルト、ニッケル、銅および/またはそれらの混合物からなる場合には、本発明による触媒反応器が水素化反応器として使用される場合に、好ましくは、活性化された金属触媒が該担体構造体上へ塗布される。このためには、本発明による担体構造体上へ、最初に接着促進剤が塗布される。接着促進剤として、金属と有機材料との間の付着を改善し、かつ好ましくは、ポリビニルピロリドン(PVP)、ワックス、エチレングリコール、ポリエチレンイミンおよびこれらの化合物の混合物からなる群から選択される有機化合物が適している。特に好ましくは、ポリエチレンイミン水溶液が使用される。本発明による担体構造体上への該接着促進剤の塗布は、好ましくは、該接着促進剤0.5~10質量%を含有する溶液で本発明による担体構造体を室温で処理することにより行われる。好ましくは、該溶液は、接着促進剤1~8質量%、特に好ましくは接着促進剤2~7質量%の含有率を有する。該接着促進剤溶液は、圧送または吸引により、本発明による担体構造体上へ塗布することができる。好ましくは、該接着促進剤溶液は、本発明による担体構造体上へ噴霧されるか、または該担体構造体は、該接着促進剤溶液中へ浸漬される。本発明による担体構造体上への該接着促進剤の塗布後に、アルミニウム粉末が該担体構造体上へ塗布される。このためには、好ましくは、d99=200μmを超えない粒度および狭い粒度分布を有する微粒状アルミニウム粉末が塗布される。特に好ましくは、該アルミニウム粉末の粒度分布のd50値は、150μmを超えないd99値の場合に20~70μmの範囲内である。前記の塗布されうるアルミニウム粉末にも、接着促進剤が設けられていてよく、その際に、同様に、すでに前記の接着促進性物質が適している。好ましくは、温度範囲120℃~180℃の滴点を示し、かつ該アルミニウム粉末に1~10質量%の割合で添加される、半合成ワックスが使用される。該アルミニウム粉末は、できるだけ均一な分布で本発明による担体構造体上へ塗布される。このことは、例えば、適切な媒体中での該粉末の懸濁または流動化後に、生じる粉末マトリックス中へ該担体構造体を浸漬することによるか、または相応して準備された粉末を、本発明による担体構造体上へ噴霧することにより行うことができる。
【0040】
アルミニウム粉末でのコーティング後に、本発明による担体構造体は、該アルミニウムを該材料ウェブ中へ合金化するための熱処理にかけられる。該熱処理は、大気酸素の排除下で不活性ガス雰囲気下に500~1000℃、好ましくは600~800℃の温度範囲内で行われる。その際に、最初に、湿度および有機残留物質が、前記の予めのコーティングプロセスから除去される。続いて、アルミニウムが少なくとも部分的に液化され、かつ本発明による担体構造体中へ合金化される。引き続き、本発明による担体の表面上での前記の活性化された金属触媒を製造するプロセスにおいて、大気酸素を排除することにより、際立った妨害作用をするかもしれない酸化物層の形成は防止される。
【0041】
該熱処理中に、本発明による担体の材料ウェブの表面上に、アルミニウムを有する金属間相が生じる。コバルト、ニッケル、銅および/またはそれらの混合物が、本発明による担体構造体の主成分であるか、もしくは該担体構造体が、コバルト、ニッケル、銅および/またはそれらの混合物からなる場合には、組成MeAlの金属間相が形成され、ここで、Meはコバルト、ニッケルまたは銅であり、かつ化学量論ファクターxは、0.33~3の値を取る。生じる金属間相MeAl[ここで、x≧1]から、アルミニウムは化学的に溶出することができるので、本発明による担体の材料ウェブの表面上に、水素化反応における高い触媒活性を有する、開気孔の金属スポンジが生じる。本発明の場合に、該金属材料ウェブ上へ担持された、すなわち、該材料ウェブと堅固に結合された、この金属スポンジは、水素化反応用の活性化された金属触媒である。
【0042】
活性化されたこの金属触媒の製造は、タイプMeAlの金属間相からなる、塗布されたコーティングを有する前もって製造された本発明による担体構造体のいわゆる“活性化”により行われ、ここで0.33≦x≦3であり、かつMeはコバルト、ニッケル、銅および/またはそれらの混合物から選択される。このためには、該材料は、塩基性水溶液で、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムからなる群から選択されるアルカリ金属水酸化物溶液で処理される。特に好ましいのは、水酸化ナトリウム水溶液である。該触媒製造に使用されるこのアルカリ金属水酸化物水溶液の濃度は、0.1~60質量%であってよい。好ましくは、該アルミニウムの溶出(この工程は、“浸出”とも呼ぶ)が5~40質量%、特に好ましくは5~25質量%の水酸化ナトリウム水溶液で、20~100℃の温度で、好ましくは40~85℃で、特に好ましくは50~80℃で行われる。その際に使用されうる浸出時間、すなわち、該アルカリ金属水酸化物溶液とアルミニウムを含有する金属間相で変性された本発明による担体との反応時間は、前記の他の、反応条件以外に、該触媒固定層中の調節されうるアルミニウム含有率に依存し、かつ2~240分であってよい。該触媒固定層中のアルミニウム含有率は、該触媒性能およびその寿命に、殊に該水素化活性におよび該反応媒体中の化学的安定性に影響を及ぼす。第1の一般経験則として、該残留アルミニウム含有率が低ければ低いほど、本発明による触媒活性な固定層の水素化活性がますます高くなることが前提とされうる。好ましくは、該固定層の全質量を基準として、2~20質量%、特に好ましくは5~15質量%である、本発明による固定層の残留アルミニウム含有率に調節される。第2の一般経験則として、該残留アルミニウム含有率が少なければ少ないほど、本発明による固定層の化学的安定性が、殊に8を上回る該反応媒体のpH値および120℃を上回る温度で運転されるプロセスにおいて、ますます高くなることが前提とされうる。好ましくは、該固定層の全質量を基準として、2~17質量%、特に好ましくは3~12質量%である、本発明による固定層の残留アルミニウム含有率に調節される。
【0043】
本発明による担体構造体上に製造された活性金属触媒は、後ドーピングにより、さらなる金属で変性することができ、その際に、該金属が、好ましくは、該遷移金属から選択することができる。後ドーピング後に、その上に製造された触媒活性金属スポンジを有する該担体構造体は、前記の1種の塗布されうるドーピング元素または前記の複数の塗布されうるドーピング元素の、好ましくは水溶液で処理される。前記の1種の塗布されうるドーピング元素もしくは前記の複数の塗布されうるドーピング元素の、使用されうる水溶液は、該金属スポンジを損傷しないように、7以上であるpH値を有しなければならない。前記の1種の塗布されうるドーピング元素または前記の複数の塗布されうるドーピング元素の該溶液は、前記の1種の溶解されたドーピング元素もしくは前記の複数の溶解されたドーピング元素を該金属スポンジ上に還元的に堆積させるために、化学的な還元作用をする成分を添加することができる。本発明による担体構造体上に製造される活性金属触媒を変性するための好ましいドーピング元素は、モリブデン、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、銅およびそれらの混合物からなる群から選択されている。
【0044】
本発明による触媒反応器は、担体と触媒とを含む触媒固定層を含有し、その際に、該担体は、厚さが5~25μmの範囲内であり、かつ少なくとも3mm-3の架橋密度を有する材料ウェブから形成されている、特別な空間構造を有する。好ましくは、該担体構造体を形成する該材料ウェブは、5~15μmの厚さを有する。該架橋密度は、好ましくは3~100mm-3および極めて特に好ましくは10~65mm-3である。
【0045】
本発明による触媒固定層中に、該反応媒体が比較的大きな流動抵抗なしに貫流できる開放領域および該反応媒体との前記の塗布された触媒の大きな接触面積は、相乗的に相互に作用し、かつ本発明による反応器の多くの技術的な利点を生じさせる。
【0046】
工業的規模の水素化プロセスは、高めた圧力および高めた温度で少なくとも化学量論量の水素の存在下で実施される。水素化反応は発熱反応であるので、該触媒固定層中の温度の過度の上昇は、ルシャトリエの原理に従い、該反応物側への該化学反応平衡の移動、ひいては該プロセスにおける収率減少をまねき、該反応器中の温度制御のための措置は、既存の多数のプロセスの中心的な構成要素であり、かつ該目的反応に合わされた、しばしば高度に特別な反応器設計を必要とすることが珍しくない。本発明による触媒固定層は、その体積の少なくとも85体積%が反応運転中に反応媒体で充填されており、かつ比較的高い流速でも大きな流動抵抗なしに貫流できることによって特徴付けられる。同時に、該触媒の際立って高い接触面積が提供されるので、高い流速でも該触媒との前記の水素化されうる分子の十分な接触が与えられており、かつ長い滞留時間はたいてい不必要である。したがって、該反応器中の温度制御の実質的な部分は、該反応媒体を介して行うことができ、該反応媒体は、一方では、該触媒上での該化学反応の開始に必要な熱量の搬入に、かつ他方では、該反応の発熱から生じる過剰の熱量の搬出に利用される。したがって、該触媒固定層中の温度は、本質的に該流速を介して極めて強力に調節できる。殊に十分な熱容量を有する液状反応媒体の場合に、そのために、たいていの水素化使用において、熱交換のため、または該反応器中の熱制御のための費用のかかる内挿物の必要性がなくなる。従来技術による固定層材料にとって普通であり、従来技術による固定層不規則充填物の貫流しにくい領域の存在のために、工業規模の範囲で収率および選択率の損失をまねきうる、局所的な“ホットスポット”は、本発明による触媒固定層の特別な構造に基づいて生じない。したがって、本発明による触媒反応器は、最も単純な場合に、貫流される管もしくは貫流される円筒形の圧力容器であり、その中に本発明による触媒固定層があり、該触媒固定層は、好ましくはシーブトレイまたは匹敵する保持具上に据え付けられる。前記の利点は特に工業的規模の水素化プロセスの場合に明らかになるので、本発明による触媒反応器は好ましくは、0.5~100m、特に好ましくは1~50mおよび極めて特に好ましくは2~25mの体積Vを有する本発明による触媒固定層を含有する。
【0047】
該触媒固定層中の本発明による担体構造体の特別な空間構造は、さらに、該反応媒体が、高い流動抵抗が記録されることなく、本発明による触媒反応器中の該固定層を貫流することができる結果となる。高い流動抵抗は、一方では、前記の貫流するガスの高すぎる圧力損失をまねくので、相応して高い予備圧力により該圧力損失を克服しなければならない。したがって、本発明による触媒反応器の使用は、該水素予備圧力の低下、ひいては該水素化プラントにおけるコストおよびエネルギーの節約を可能にする。さらにまた、流動抵抗の低下に伴い、該運転中の該触媒固定層中の運動、その結果として機械的摩耗による触媒材料の剥離が低減される。機械的摩耗により生成される、該触媒固定層からの微細材料は、反応器底部に集まり、かつ殊に従来技術によるトリクルベッド方式において運転される反応器の場合に、下流に据え付けられたプラント部材の汚染をまねきうる。管路の不純物および弁閉塞は、場合によっては該プラントの運転安全性も脅かしうる結果でありうる。本発明による触媒反応器の使用により、清浄化および保守の間隔が延長され、運転休止時間が低減され、かつ該プラント全体の運転安全性が高められる。
【0048】
該触媒固定層中の本発明による担体構造体の特別な空間構造は、本発明による触媒反応器中で、さらに、殊に、図4(B)による気液上向並流反応器の原理に従って設計されている本発明による触媒反応器である場合に、該物質輸送の改善をもたらす。本発明による、高度に架橋され、それにもかかわらず開いた担体の特別な微視的構造は、該反応器中の巨視的な流体動力学に影響を及ぼし、従来技術による気泡塔の構想に比べて、原則的に、前記の不可欠なガスの含有率の増加を生じさせ、かつ該反応器中の水素の半径方向の分布を改善する。その結果として、該触媒への水素の搬入は改善される。それにより、本発明による触媒反応器を使用する際に、同じエネルギー入力で高められた収率または低下されたエネルギー入力で匹敵する収率を達成することができる。達成できる技術的効果がどのくらい大きいかは、水素化されうる物質系に、かつ“ドロップ・イン・ソリューション”の場合に付加的に、該反応器の全幾何学的形状および該全水素化プラントのインフラストラクチャーに依存している。
【0049】
本発明による触媒反応器は、担体と触媒とを含む触媒固定層を含有し、その際に、該担体は、厚さが5~25μmの範囲内であり、かつ少なくとも3mm-3の架橋密度を有する材料ウェブから形成されている、特別な空間構造を有する。好ましくは、該担体構造体を形成する該材料ウェブは、5~15μmの厚さを有する。該架橋密度は、好ましくは3~100mm-3および極めて特に好ましくは10~65mm-3である。本発明による担体構造体は、高い機械的耐久性および強さを有し、十分に耐熱性および耐圧性であり、かつ高い耐薬品性を有する材料からなる。本発明による担体構造体は、0.5~20kPa/mm、好ましくは1~15kPa/mmおよび特に好ましくは1.5~7.5kPa/mmの範囲内の担体圧縮強さを有する。該担体構造体は、元素の周期表の第8族、第6族および第11族の元素およびそれらの混合物から選択されている金属、および特に好ましくは鉄、コバルト、ニッケル、銅、銀および/またはそれらの混合物からなる群から選択されている金属からなる。極めて特に好ましくは、コバルト、ニッケル、銅および/またはそれらの混合物は、該担体構造体の主成分である。
【0050】
該担体構造体の材料ウェブの高い架橋度および5~25μmの範囲内の少ない厚さに基づき、本発明による触媒反応器中にある該触媒固定層は、極めて少ない充填質量により特徴付けられる。充填質量は、その体積を基準とした該触媒固定層の質量であると理解される。典型的には、本発明による触媒反応器中にある該固定層の充填質量は、0.1~1kg/m、好ましくは0.2~0.8kg/mおよび極めて特に好ましくは0.3~0.7kg/mである。その結果として、本発明による触媒反応器の全質量は、通常の公知の反応器に比べて、100mまでの大きな反応器体積の場合でもかなり少ない。このことは、反応器保持構造物および反応器張出材の構成の際の材料節約、ひいてはコスト節約を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本発明による担体構造体の例からの部分を示す、縮尺通りではない原理見取り図。
図2】本発明による担体構造体からの部分の光学顕微鏡像。
図3】本発明による担体構造体の担体圧縮強さを測定するための応力-ひずみ曲線の例。
図4】(A)トリクルベッド設計として、および(B)気液上向並流反応器としての設計における、本発明による触媒反応器の縮尺通りではない原理図。
図5】本発明による反応器における圧力損失測定(水、エチレングリコール)の結果を示す図。
図6】本発明による反応器と従来のバルク材料系との間の該固定層による圧力損失の比較を示す図。
図7】4mm×4mm×2mmの寸法を有する本発明による担体構造体の試料についての圧縮強さ測定の結果を例示的に示す図。
図8】圧縮強さ測定の実施による本発明による担体構造体の試料の変形を示す図。
図9】本発明による担体構造体の、全部で20個の試料の圧縮強さ測定の結果を示す図。
図10】全部で20個の、市販のニッケル触媒押出物試料の圧縮強さ測定の結果を示す図。
図11】圧縮強さ測定の前と後のニッケル触媒押出物(従来技術)。
【実施例
【0052】
本発明による反応器により、古典的なバルク材料を有する反応器を運転する際の典型的な目的の矛盾が解決される。すなわち、本発明による反応器を用いて、反応媒体と担体との間のできるだけ大きな接触面積を、高い流動抵抗の最小化(該触媒固定層による該圧力損失の最小化)と同時に達成できることを実証するために、本発明による触媒反応器についての圧力損失測定の結果が提示される。
【0053】
本発明による触媒反応器の用意:
本発明による担体構造体の形成のために、80mmの直径および250mmの長さを有し、95%の空隙率、580μmの孔径および742kg/mの密度を有し、商業的に得ることができる8つの円筒状ニッケル発泡体を、高分子量ポリエチレンイミンホモポリマー2.5質量%を含有するバインダー水溶液中へ浸漬することによりバインダーコーティングし、続いて、粒度分布が63μmのd99値を有するワックス含有アルミニウム粉末(Ceratan7080ワックス3質量%を含有する)でコーティングした。塗布されたアルミニウム粉末の、ニッケルベース発泡体に対して生じた質量比は、0.27であった。こうして得られた発泡体を、酸素不含の窒素雰囲気中で10分間にわたって680℃に加熱し、その温度を約1分にわたって保持した。ついで、該発泡体を約200℃に“急冷し”、続いて室温に冷却した。この熱処理の際に、アルミニウムは、表面の金属間ニッケル-アルミニウム相を形成しながら、該ニッケル発泡体中へ合金化された。切片に埋め込まれた試料のSEM像の光学評価は、該ニッケル発泡体の内部に10μmの厚さを有する純ニッケルからなるウェブが残留することを示した。こうして生じた本発明による担体構造体は、30mm-3の架橋密度を有していた。
【0054】
表面に塗布された金属間ニッケル-アルミニウム相から、次の工程において、活性化された金属触媒が製造された。このためには、該金属間相中に含まれるアルミニウム割合は、10質量%水酸化ナトリウム溶液での処理により、該金属間相から溶出された。そのためには、前記で製造された担体構造体を10質量%水酸化ナトリウム溶液中で30分にわたって55℃に加熱し、この温度で約30分間、水酸化ナトリウム溶液で処理した。続いて、該水酸化ナトリウム溶液を除去し、該担体構造体を、約1時間、水で洗浄した。
【0055】
本発明による触媒反応器を形成するために、こうして製造された8つの触媒固定層を、80mmの内径および2000mmの長さを有するガラス管中へ導入し、かつ下で保持プレートおよび上でシーブグリッドによって固定した。該導入は、前記の8つの固定層体が、継ぎ目なしで上下に積み重ねられ、かつ固定されており、内部のガラス壁に堅固に密着し、かつ互いにずれないように行われたので、前記の個々の固定層体の間の隙間形成は排除されていた。該ガラス管へ、摺り合わせ系を用いて、底部に流入接続口および頂部に流出接続口を取り付けた。
【0056】
こうして製造された触媒固定層は、92.1体積%の、該反応媒体が貫流できる体積および該触媒固定層の体積1mあたり4997mの、該反応媒体との該触媒の接触面積を有していた。
【0057】
圧力損失測定
こうして製造された本発明による触媒反応器中で、2つの異なる粘度の媒体を用いて異なる流動速度で該触媒固定層による圧力損失を測定した。そのためには、一方では水(比重:1.015g/ml;粘度:20mPas)が、他方ではエチレングリコール(比重:1.1018g/ml;粘度:69mPas)が、試験媒体として使用された。該圧力損失測定のために、本発明による反応器に、該底部中の流入口を介して、異なる流動速度で該試験媒体を供給した。該触媒固定層による差圧は、該反応器の入口および出口の圧力センサによって測定した。
【0058】
それらの結果は、図5に示されている。
【0059】
従来技術との比較:
従来技術による触媒固定層との比較データは、シミュレーション計算により得られた。充填固定層による圧力損失の理論シミュレーションを、寸法4×4×2mmの直方体形の幾何学的形状を有する非多孔質バルク材料粒子から実施し、ここで、バルク材料から形成された固定層は、80mmの直径および2000mmの長さを有していた。非多孔質バルク材料粒子が従来技術に対する比較材料として基礎となっており、それというのも、該反応媒体は、“不規則充填された”触媒層として反応器中へ導入される従来技術による市販の触媒体の周りを、その外側のみで流れるからである。該バルク材料粒子の内部空隙率は、確かに該反応の推移における物質輸送の制約に影響を及ぼすが、しかし該触媒層により観察されうる圧力損失に通例、著しい影響を及ぼさない。
【0060】
該不規則充填物による圧力損失の計算を、エルガン式を用いて行った(出所:Fluid flow through packed columns. Ergun, Sabri. 1952, Chem. Eng. Prog., p. 48):
【数1】
ここで:
【表1】
【0061】
この式は、層流および乱流の項部分からなり、該項部分は流動状態に応じてそれぞれの流れパラメーターによって異なって重み付けされる。該液体もしくはガスが外側のみを流れる非多孔質粒子の記載のために、該エルガン式は、圧力損失の予測に適しており、ここで、直方体形の粒子の場合の相当直径は、次のとおり計算される:
【数2】
【表2】
【0062】
この場合に、該圧力損失はその質量流量の関数として計算され、ここで、質量流量範囲は、本発明による触媒反応器の前記で示された測定におけるものに相当するとみなされた。
【0063】
該シミュレーションから得られたデータと、本発明による触媒反応器で測定されたデータとの、該流動媒体が水(比重:1.015g/ml;粘度:20mPas)についての比較は、本発明による系による圧力損失が、該非多孔質バルク材料系に比べて約35~40%低下することを示している(図6参照)。
【0064】
機械的安定性についての調査:
該触媒固定層の、その運転期間にわたる触媒破壊の回避を可能にする高い機械的安定性を実証するために、本発明による担体構造体の試料の破壊強さについての調査の結果が、従来技術によるバルク材料粒子についての測定に比較して提示されている。
【0065】
図7は、該圧縮強さを測定するための市販のInstron測定装置で実施される、4mm×4mm×2mmの寸法を有する本発明による担体構造体試料についての圧縮強さ測定の結果を例示的に示している。
【0066】
それに補足して、図8は、圧縮強さ測定を実施した後に試験された試料の変形を示す。
【0067】
全部で20個の試料の測定は、全く触媒破壊を示さなかった。80Nまでの力でさえ、圧縮変形を観察することができたにすぎない(図9参照)。
【0068】
それに比べて、Octolyst(登録商標)シリーズの市販のニッケル触媒押出物(従来技術によるバルク材料)の20個の試料の圧縮強さを調査した。2~5mmの寸法、0.7~1.3kg/Lのかさ密度および15~50質量%のニッケル含有率を有する成形体を、相応する圧縮強さ測定にかけた。図10は、得られた測定曲線を示す。全ての場合に、該試験は、20~110Nの作用力で該触媒体の破壊により終了した。
【0069】
図11は、該測定前の従来技術による試験されたバルク材料および該測定により得られた、破壊された材料を示す。
【0070】
本発明による担体構造体およびそれから生じる触媒固定層は、従来技術による触媒固定層に比べて明らかに改善された機械的安定性を示しており、該触媒破壊は、本発明による触媒反応器の運転期間にわたって適切に回避される。
【0071】
以下は、図面の説明である:
図1:4つの異なる本発明による担体構造体(A|B|C|D)の部分の縮尺通りではない図、その中で、
(1)材料ウェブ;および
(2)架橋部位
が示されている。
図2:(1)材料ウェブおよび(2)架橋部位を有する本発明による金属担体構造体の顕微鏡像。
図3:応力-ひずみ曲線の評価されうる局所的最大値を有する、本発明による担体構造体の担体圧縮強さを測定するための応力-ひずみ曲線の例。
図4:(A)トリクルベッド設計として、および(B)気液上向並流反応器としての設計における、本発明による触媒反応器の縮尺通りではない原理図、ここで、
(1)該反応媒体の供給;
(2)該反応媒体の排出;
(3)水素ガスの供給;
(4)水素ガスの排出;
(5)シーブトレイ;および
(6)本発明による触媒固定層。
図5:本発明による反応器における圧力損失測定(水、エチレングリコール)の結果。
図6:本発明による反応器と従来のバルク材料系との間の該固定層による圧力損失の比較。
図7:4mm×4mm×2mmの寸法を有する本発明による担体構造体の試料についての圧縮強さ測定の結果を例示的に示す図。
図8:圧縮強さ測定の実施による本発明による担体構造体の試料の変形。
図9:本発明による担体構造体の、全部で20個の試料の圧縮強さ測定の結果。
図10:Octolyst(登録商標)シリーズの市販のニッケル触媒押出物の、全部で20個の試料の圧縮強さ測定の結果。2~5mmの寸法、0.7~1.3kg/Lのかさ密度および15~50質量%のニッケル含有率を有する成形体を調査した。
図11:圧縮強さ測定の前と後のニッケル触媒押出物(従来技術)。
【符号の説明】
【0072】
(1) 材料ウェブ
(2) 架橋部位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11