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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ナノ秒パルサのRF絶縁
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
H05H1/46 B
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021577859
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-08
(86)【国際出願番号】 US2020040579
(87)【国際公開番号】W WO2021003319
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-01-31
(31)【優先権主張番号】62/869,999
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520064676
【氏名又は名称】イーグル ハーバー テクノロジーズ,インク.
【氏名又は名称原語表記】EAGLE HARBOR TECHNOLOGIES,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ボウマン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】リストン,コナー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ニコラス エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】スロボドブ,イリア
(72)【発明者】
【氏名】ジエンバ,ティモシー
【審査官】小林 幹
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-211168(JP,A)
【文献】特開2005-203491(JP,A)
【文献】特表2005-506660(JP,A)
【文献】特開平09-330915(JP,A)
【文献】特開2009-187975(JP,A)
【文献】特表2010-532549(JP,A)
【文献】特開平11-224796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマチャンバと、
フルブリッジスイッチング回路又はハーフブリッジスイッチング回路を備えるRFドライバであって、前記プラズマチャンバに入るRFバーストを、2MHzより高いRF周波数で駆動するRFドライバと、
前記プラズマチャンバに入るパルスを、前記RF周波数より低いパルス繰り返し周波数と、2kVより高いピーク電圧とで駆動するパルサと、
前記RFドライバと前記プラズマチャンバとの間に配置された第1のフィルタと、
前記パルサと前記プラズマチャンバとの間に配置された第2のフィルタと、を含み、
前記RFドライバは、マッチングネットワークを含まない、
プラズマシステム。
【請求項2】
前記パルス繰り返し周波数は10kHzより高い、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項3】
第1のフィルタは、前記RFドライバ及び前記プラズマチャンバと直列であるキャパシタを含み、前記キャパシタは、キャパシタンスが500pFより小さい、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項4】
第1のフィルタは、前記RFドライバの出力と接地とに結合されたインダクタを含む、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項5】
前記第2のフィルタは、前記パルサ及び前記プラズマチャンバと直列であるインダクタを含み、前記インダクタは、インダクタンスが50μHより小さい、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項6】
前記第2のフィルタは、前記パルサの出力と接地とに結合されたキャパシタを含む、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項7】
前記第1のフィルタはハイパスフィルタを含む、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項8】
前記第2のフィルタはローパスフィルタを含む、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項9】
前記プラズマチャンバは、前記RFドライバと電気的に結合されたアンテナを含む、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項10】
前記プラズマチャンバは、前記RFドライバと電気的に結合されたカソードを含む、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項11】
前記プラズマチャンバは、前記パルサと電気的に結合されたカソードを含む、請求項1に記載のプラズマシステム。
【請求項12】
アンテナ及びカソードを含むプラズマチャンバと、
前記アンテナと電気的に結合されたRFドライバであって、前記RFドライバは、フルブリッジスイッチング回路又はハーフブリッジスイッチング回路を備え、2MHzより高いRF周波数で前記プラズマチャンバ内にRFバーストを発生させる、前記RFドライバと、
前記カソードと電気的に結合されたパルサであって、前記パルサは、前記RF周波数より低いパルス繰り返し周波数と、2kVより高い電圧とで前記プラズマチャンバ内にパルスを発生させる、前記パルサと、
前記RFドライバと前記アンテナとの間に配置されたキャパシタと、
前記パルサと前記カソードとの間に配置されたインダクタと、を含み、
前記RFドライバは、マッチングネットワークを含まない、
プラズマシステム。
【請求項13】
前記キャパシタはキャパシタンスが100pFより小さい、請求項12に記載のプラズマシステム。
【請求項14】
前記インダクタはインダクタンスが10nHより小さい、請求項12に記載のプラズマシステム。
【請求項15】
前記パルス繰り返し周波数は10kHzより高い、請求項12に記載のプラズマシステム。
【請求項16】
カソードを含むプラズマチャンバと、
前記カソードと電気的に結合されたRFドライバであって、前記RFドライバは、フルブリッジスイッチング回路又はハーフブリッジスイッチング回路を備え、2MHzより高いRF周波数で前記プラズマチャンバ内にRFバーストを発生させる、前記RFドライバと、
前記カソードと電気的に結合されたパルサであって、前記パルサは、前記RF周波数より低いパルス繰り返し周波数と、2kVより高い電圧とで前記プラズマチャンバ内にパルスを発生させる、前記パルサと、
前記RFドライバと前記カソードとの間に配置されたキャパシタと、
前記パルサと前記カソードとの間に配置されたインダクタと、を含み、
前記RFドライバは、マッチングネットワークを含まない、
プラズマシステム。
【請求項17】
前記キャパシタはキャパシタンスが100pFより小さい、請求項16に記載のプラズマシステム。
【請求項18】
前記インダクタはインダクタンスが10nHより小さい、請求項16に記載のプラズマシステム。
【請求項19】
前記パルス繰り返し周波数は10kHzより高い、請求項16に記載のプラズマシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノ秒パルサのRF絶縁に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロプロセッサ、メモリチップ、及び他のタイプの集積回路及びデバイスを含んでよい半導体デバイスを製造する為に、半導体デバイス製造プロセスでは様々なステージにおいてプラズマ処理を使用する。プラズマ処理は、ガス混合物にRF(無線周波数)エネルギを導入してガス分子にエネルギを付与することによってガス混合物を励起することを含む。このガス混合物は、典型的には、プラズマチャンバと呼ばれる真空チャンバに収容され、RFエネルギは、典型的には、電極を通してプラズマチャンバに導入される。
【0003】
典型的なプラズマプロセスでは、RF発生器は無線周波数で電力を発生させ(無線周波数は、3kHz~300GHzの範囲内であると広く理解されている)、この電力は、RFケーブル及びRFネットワークを通してプラズマチャンバに送られる。RF発生器からプラズマチャンバへの効率的な電力伝送を実現する為に、中間回路を使用して、RF発生器の固定インピーダンスとプラズマチャンバの可変インピーダンスとのマッチングが行われる。そのような中間回路は、一般に、RFインピーダンスマッチングネットワーク、又はよりシンプルにRFマッチングネットワークと呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の技術における課題を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態はプラズマシステムを含む。プラズマシステムは、プラズマチャンバと、プラズマチャンバに入るRFバーストをRF周波数で駆動するように構成されたRFドライバと、プラズマチャンバに入るパルスを、RF周波数より低いパルス繰り返し周波数で駆動するように構成されたナノ秒パルサと、RFドライバとプラズマチャンバとの間に配置されたハイパスフィルタと、ナノ秒パルサとプラズマチャンバとの間に配置されたローパスフィルタと、を含む。
【0006】
幾つかの実施形態では、RFドライバは可変インピーダンスRFドライバを含んでよい。幾つかの実施形態では、RFドライバは、フルブリッジ(又はハーフブリッジ)スイッチング回路、共振回路、及び/又は変圧器を含んでよい。
【0007】
幾つかの実施形態では、RFドライバ及び/又はナノ秒パルサの一方又は両方が、抵抗出力段及び/又はエネルギ回収回路を含んでよい。
【0008】
幾つかの実施形態では、ハイパスフィルタはキャパシタを含んでよい。幾つかの実施形態では、ローパスフィルタはインダクタを含んでよい。幾つかの実施形態では、RFドライバはナノ秒パルサを含んでよい。
【0009】
幾つかの実施形態はプラズマシステムを含み、プラズマシステムは、プラズマチャンバと、プラズマチャンバに入るRFバーストを、2MHzより高いRF周波数で駆動するRFドライバと、プラズマチャンバに入るパルスを、RF周波数より低いパルス繰り返し周波数と、2kVより高いピーク電圧とで駆動するナノ秒パルサと、RFドライバとプラズマチャンバとの間に配置された第1のフィルタと、ナノ秒パルサとプラズマチャンバとの間に配置された第2のフィルタと、を含む。幾つかの実施形態では、パルス繰り返し周波数は10kHzより高い。
【0010】
幾つかの実施形態では、第1のフィルタはハイパスフィルタを含む。幾つかの実施形態では、第1のフィルタは、RFドライバ及びプラズマチャンバと直列であるキャパシタを含み、このキャパシタは、キャパシタンスが約500pHより小さい。幾つかの実施形態では、第1のフィルタは、RFドライバの出力と接地とに結合されたインダクタを含む。
【0011】
幾つかの実施形態では、第2のフィルタはローパスフィルタを含む。幾つかの実施形態では、第2のフィルタは、ナノ秒パルサ及びプラズマチャンバと直列であるインダクタを含み、インダクタは、インダクタンスが約50μHより小さい。幾つかの実施形態では、第2のフィルタは、ナノ秒パルサの出力と接地とに結合されたキャパシタを含む。
【0012】
幾つかの実施形態では、プラズマチャンバは、RFドライバと電気的に結合されたアンテナを含む。幾つかの実施形態では、プラズマチャンバは、RFドライバと電気的に結合されたカソードを含む。幾つかの実施形態では、プラズマチャンバは、ナノ秒パルサと電気的に結合されたカソードを含む。
【0013】
幾つかの実施形態はプラズマシステムを含み、プラズマシステムは、アンテナ及びカソードを有するプラズマチャンバと、アンテナと電気的に結合されたRFドライバであって、RFドライバは、約2MHzより高いRF周波数でプラズマチャンバ内にRFバーストを発生させる、RFドライバと、カソードと電気的に結合されたナノ秒パルサであって、ナノ秒パルサは、RF周波数より低いパルス繰り返し周波数と、2kVより高い電圧とでプラズマチャンバ内にパルスを発生させる、ナノ秒パルサと、RFドライバとアンテナとの間に配置されたキャパシタと、ナノ秒パルサとカソードとの間に配置されたインダクタと、を含む。
【0014】
幾つかの実施形態では、キャパシタはキャパシタンスが約100pFより小さい。幾つかの実施形態では、インダクタはインダクタンスが約10nHより小さい。幾つかの実施形態では、パルス繰り返し周波数は10kHzより高い。
【0015】
幾つかの実施形態はプラズマシステムを含み、プラズマシステムは、カソードを含むプラズマチャンバと、カソードと電気的に結合されたRFドライバであって、RFドライバは、約2MHzより高いRF周波数でプラズマチャンバ内にRFバーストを発生させる、RFドライバと、カソードと電気的に結合されたナノ秒パルサであって、ナノ秒パルサは、RF周波数より低いパルス繰り返し周波数と、2kVより高い電圧とでプラズマチャンバ内にパルスを発生させる、ナノ秒パルサと、RFドライバとカソードとの間に配置されたキャパシタと、ナノ秒パルサとカソードとの間に配置されたインダクタと、を含む。
【0016】
幾つかの実施形態では、キャパシタはキャパシタンスが約100pFより小さい。幾つかの実施形態では、インダクタはインダクタンスが約10nHより小さい。幾つかの実施形態では、パルス繰り返し周波数は10kHzより高い。
【0017】
これらの実施形態は、本開示を限定又は定義する為でなく、それらの理解を助ける実施例を提供する為に記載されている。「発明を実施するための形態」では更なる実施形態について論じており、そこではより詳細な説明を行っている。本明細書を精査することにより、或いは、提示されている1つ以上の実施形態を実施することにより、様々な実施形態のうちの1つ以上によって提供される利点がより深く理解されよう。
【0018】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点については、添付図面を参照しながら以下の「発明を実施するための形態」を読むことでよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】ナノ秒パルサからのパルスを示す。
図1B】ナノ秒パルサからのパルスのバーストを示す。
図2A】RFドライバからのRFバーストを示す。
図2B】RFドライバからの複数のRFバーストの一例を示す。
図3】幾つかの実施形態による、フィルタリングされる可変インピーダンスRFドライバと、フィルタリングされるナノ秒パルサバイアス発生器と、を有するプラズマシステムの概略図である。
図4】幾つかの実施形態による、フィルタリングされる可変インピーダンスRFドライバと、フィルタリングされるナノ秒パルサバイアス発生器と、を有するプラズマシステムの概略図である。
図5】幾つかの実施形態による、フィルタリングされる可変インピーダンスRFドライバと、フィルタリングされるナノ秒パルサバイアス発生器と、を有するプラズマシステムの概略図である。
図6】幾つかの実施形態による、フィルタリングされる可変インピーダンスRFドライバと、フィルタリングされるナノ秒パルサバイアス発生器と、を有するプラズマシステムの概略図である。
図7】幾つかの実施形態によるプラズマシステムの回路図である。
図8】幾つかの実施形態によるRFドライバの回路図である。
図9】幾つかの実施形態によるRFドライバの回路図である。
図10】幾つかの実施形態によるプラズマシステムが発生させる波形である。
図11】幾つかの実施形態によるプラズマシステムが発生させる波形である。
図12】幾つかの実施形態によるプラズマシステムが発生させる波形である。
図13】幾つかの実施形態によるプラズマシステムが発生させる波形である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
プラズマシステムを開示する。プラズマシステムはプラズマチャンバを含み、プラズマチャンバは、プラズマチャンバ内へのRFバーストを駆動するRFドライバと、プラズマチャンバ内へのパルスを駆動するナノ秒パルサと、を含む。パルスのパルス繰り返し周波数は、RFバーストのRF周波数より低くてよい。プラズマシステムは又、RFドライバとプラズマチャンバとの間に配置されたハイパスフィルタと、ナノ秒パルサとプラズマチャンバとの間に配置されたローパスフィルタと、を含んでよい。幾つかの実施形態では、
【0021】
図1Aは、ナノ秒パルサからのパルスの一例を示す。図1Bは、ナノ秒パルサからのパルスのバーストを示す。パルスバーストは、短時間フレーム内に複数のパルスを含んでよい。パルスバースト内のパルスは、パルス繰り返し周波数が約10kHz、50kHz、100kHz、500kHz、1MHz等であってよい。各パルスは、パルス幅がtpwであってよい。そしてパルス繰り返し周波数は、パルス周期Tpulseの逆数であってよい。
【0022】
幾つかの実施形態では、パルスは、ピーク電圧が高くてよく(例えば、1kV、10kV、20kV、50kV、100kV等より高い電圧であってよく)、パルス繰り返し周波数が高くてよく(例えば、1kHz、10kHz、100kHz、200kHz、500kHz、1MHz等より高い周波数であってよく)、立ち上がり時間が短くてよく(例えば、約1ns、10ns、50ns、100ns、250ns、500ns、1,000ns等より短い立ち上がり時間であってよく)、立ち下がり時間が短くてよく(例えば、約1ns、10ns、50ns、100ns、250ns、500ns、1,000ns等より短い立ち下がり時間であってよく)、且つ/又はパルス幅が短くてよい(例えば、約1,000ns、500ns、250ns、100ns、20ns等より短いパルス幅であってよい)。
【0023】
図2Aは、RFドライバからのRFバーストの一例を示す。RFバーストは、RF周期TRFの逆数である周波数を有してよい。
【0024】
図2Bは、RFドライバからの複数のRFバーストの一例を示す。各RFバーストは、200kHz及び800MHz(例えば、2MHz、13.56MHz、27MHz、60MHz、及び80MHz等)のRF周波数を有する正弦波RFバーストを含んでよい。RFバースト繰り返し周波数は、バースト周期TBRFの逆数であってよい。幾つかの実施形態では、RFバースト繰り返し周波数(例えば、RFバーストの周波数)は、約10kHz、50Hz、100kHz、500kHz、1MHz等(例えば、400kHz等)であってよい。幾つかの実施形態では、RFドライバは、連続正弦波波形を供給してよい。
【0025】
図3は、幾つかの実施形態によるプラズマシステム300の概略図である。幾つかの実施形態では、プラズマシステム300はプラズマチャンバ110を含んでよく、プラズマチャンバ110は、RFドライバ105及びナノ秒パルサバイアス発生器115を有する。RFドライバ105は、プラズマチャンバ110内にあるカソード120と結合されてよい。ナノ秒パルサバイアス発生器115は、プラズマチャンバ110内にあるカソード120と結合されてよい。幾つかの実施形態では、カソード120は、静電チャックの一部であってよく、又は静電チャックと結合されてよい。
【0026】
幾つかの実施形態では、プラズマチャンバ110は真空ポンプを含んでよく、真空ポンプはプラズマチャンバ110内の真空状態を維持する。真空ポンプは、例えば、特殊なホース又はステンレス綱配管でプラズマチャンバ110に接続されてよい。真空ポンプは、手動制御されてよく、又は機械によって、機械のリレー又はパススループラグで自動制御されてよい。
【0027】
幾つかの実施形態では、プラズマチャンバ110は入力ガス源を含んでよく、入力ガス源は、RF電力が供給される前、供給された語、又は供給されているときにガス(又は入力ガスの混合物)をチャンバに導入してよい。ガス中のイオンがプラズマを生成し、ガスは真空ポンプによって排気される。
【0028】
幾つかの実施形態では、プラズマシステムは、プラズマ蒸着システム、プラズマエッチングシステム、又はプラズマスパッタリングシステムを含んでよい。幾つかの実施形態では、チャックとウェーハとの間のキャパシタンスが、約1000nF、500nF、200nF、100nF、50nF、10nF、5000pF、1000pF、100pF等より小さくてよい。
【0029】
RFドライバ105は、カソード120に印加されるRF電力を発生させる任意のタイプの装置を含んでよい。RFドライバ105は、例えば、ナノ秒パルサ、ハーフブリッジ回路又はフルブリッジ回路で駆動される共振系、RF増幅器、非線形伝送線、RFプラズマ発生器、可変インピーダンスRFドライバ等を含んでよい。幾つかの実施形態では、RFドライバ105は、マッチングネットワークを含んでよい。
【0030】
幾つかの実施形態では、RFドライバ105は、図8に示したRFドライバ及びチャンバ回路800、及び/又は図9に示したRFドライバ及びチャンバ回路900のいずれかの部分又は全ての部分を含んでよい。
【0031】
幾つかの実施形態では、RFドライバ105は、異なる複数のRF周波数(例えば、2MHz、13.56MHz、27MHz、60MHz、及び80MHz等)を有するRF電力信号を発生させることが可能な1つ以上のRFドライバを含んでよい。典型的なRF周波数は、例えば、200kHz~800MHzの周波数を含んでよい。幾つかの実施形態では、RFドライバ105は、プラズマチャンバ110内でプラズマを生成して維持することが可能である。RFドライバ105は、例えば、チャンバ内で様々なガス及び/又はイオンを励起してプラズマを生成する為に、カソード120(及び/又はアンテナ180(後述))にRF信号を供給する。
【0032】
幾つかの実施形態では、RFドライバ105は、インピーダンスマッチング回路と結合されてよく、又はインピーダンスマッチング回路を含んでよく、インピーダンスマッチング回路は、RFドライバ105の非標準の出力インピーダンスを、50オーム同軸ケーブル又は任意のケーブルの業界標準の特性インピーダンスとマッチングさせることが可能である。
【0033】
幾つかの実施形態では、RFドライバ105は、あらゆる目的の為に本開示に組み込まれている米国特許出願第16/697,173号、件名「可変出力インピーダンスRF発生器(Variable Output Impedance RF Generator)」に記載のいずれかの装置の全て又はいずれかの部分を含んでよい。
【0034】
ナノ秒パルサバイアス発生器115(又はデジタルパルサ)は、1つ以上のナノ秒パルサを含んでよい。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、あらゆる目的の為に本開示に組み込まれている米国特許出願第14/542,487号、件名「高電圧ナノ秒パルサ(High Voltage Nanosecond Pulser)」に記載のいずれかの装置の全て又はいずれかの部分を含んでよい。
【0035】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、あらゆる目的の為に本開示に組み込まれている米国特許出願第14/635,991号、件名「直流的に絶縁された出力可変パルス発生器の開示(Galvanically Isolated Output Variable Pulse Generator Disclosure」に記載のいずれかの装置の全て又はいずれかの部分を含んでよい。
【0036】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、あらゆる目的の為に本開示に組み込まれている米国特許出願第14/798,154号、件名「パルス幅及びパルス繰り返し周波数が可変である高電圧ナノ秒パルサ(High Voltage Nanosecond Pulser With Variable Pulse Width and Pulse Repetition Frequency)」に記載のいずれかの装置の全て又はいずれかの部分を含んでよい。
【0037】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、あらゆる目的の為に本開示に組み込まれている米国特許出願第15/941,731号、件名「高電圧抵抗出力段回路(High Voltage Resistive Output Stage Circuit)」に記載のいずれかの装置の全て又はいずれかの部分を含んでよい。
【0038】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、あらゆる目的の為に本開示に組み込まれている米国特許出願第16/114,195号、件名「ナノ秒パルスを使用する任意波形発生(Arbitrary Waveform Generation Using Nanosecond Pulses)」に記載のいずれかの装置の全て又はいずれかの部分を含んでよい。
【0039】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、あらゆる目的の為に本開示に組み込まれている米国特許出願第16/523,840号、件名「ナノ秒パルサバイアス補償(Nanosecond Pulser Bias Compensation)」に記載のいずれかの装置の全て又はいずれかの部分を含んでよい。
【0040】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、あらゆる目的の為に本開示に組み込まれている米国特許出願第16/737,615号、件名「ナノ秒パルサ回路における効率的なエネルギ回収(Efficient Energy Recovery In A Nanosecond Pulser Circuit)」に記載のいずれかの装置の全て又はいずれかの部分を含んでよい。
【0041】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、電圧振幅が約1kV、5kV、10kV、20kV、30kV、40kV等より大きいパルスを発生させてよい。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、最大約2,000kHzのパルス繰り返し周波数でスイッチしてよい。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサは、約400kHzのパルス繰り返し周波数でスイッチしてよい。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、パルス幅が約2000nsから約1nsにかけて変化する単発パルスを供給してよい。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、約10kHzより高いパルス繰り返し周波数でスイッチしてよい。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、約20nsより短い立ち上がり時間で動作してよい。
【0042】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、2kVより大きい電圧と、約80nsより短い立ち上がり時間と、約10kHzより高いパルス繰り返し周波数とで、電源からパルスを発生させることが可能である。
【0043】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、1つ以上のソリッドステートスイッチ(例えば、IGBT、MOSFET、SiC MOSFET、SiC接合トランジスタ、FET、SiCスイッチ、GaNスイッチ、光伝導スイッチ等のソリッドステートスイッチ)、1つ以上のスナバ抵抗、1つ以上のスナバダイオード、1つ以上のスナバキャパシタ、及び/又は1つ以上のフリーホイールダイオードを含んでよい。これらの1つ以上のスイッチ及び/又は回路は、並列又は直列に並べられてよい。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115を形成する為に、1つ以上のナノ秒パルサが、直列又は並列にグループにまとめられてよい。幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115を形成する為に、複数の高電圧スイッチが、直列又は並列にグループにまとめられてよい。
【0044】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、短い時間スケールで容量性負荷から電荷を除去する回路(例えば、抵抗出力段、シンク、又はエネルギ回収回路等)を含んでよい。幾つかの実施形態では、電荷除去回路は、負荷から電荷を消散することを、例えば、短い時間スケール(例えば、1ns、10ns、50ns、100ns、250n、500ns、1,000ns等の時間スケール)で行ってよい。
【0045】
幾つかの実施形態では、カソード120に出力電圧を正バイアス又は負バイアスする為に、DCバイアス電源段が含まれてよい。幾つかの実施形態では、電荷除去回路又は他の回路要素からDCバイアス電圧を絶縁/分離する為に、キャパシタが使用されてよい。これは又、回路の1つの部分から別の部分への電位シフトを可能にしてよい。幾つかの適用例では、電位シフトは、ウェーハを定位置に保持する為に使用されてよい。
【0046】
幾つかの実施形態では、RFドライバ105は、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスのパルス繰り返し周波数より高いRF周波数でRFバーストを発生させてよい。
【0047】
幾つかの実施形態では、RFドライバ105とカソード120との間にキャパシタ130が(例えば、直列に)配置されてよい。キャパシタ130は、例えば、ナノ秒パルサバイアス発生器115からの低周波信号をフィルタリングする為に使用されてよい。これらの低周波信号は、例えば、周波数(例えば、大部分のスペクトル成分)が約100kHz及び10MHz(例えば、約10MHz等)であってよい。キャパシタ130は、例えば、値が約1pF~1nFであってよく、例えば、約100pFより小さくてよい。
【0048】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115とカソード120との間にインダクタ135が(例えば、直列に)配置されてよい。インダクタ135は、例えば、RFドライバ105からの高周波信号をフィルタリングする為に使用されてよい。これらの高周波信号は、例えば、周波数が約1MHz~200MHzであってよく、例えば、約1MHz~10MHzより高くてよい。インダクタ135は、例えば、値が約10nH~10μHであってよく、例えば、約1μHより大きくてよい。幾つかの実施形態では、インダクタ135は、両端の結合キャパシタンスが低くてよい。幾つかの実施形態では、結合キャパシタンスは1nFより小さくてよい。
【0049】
幾つかの実施形態では、キャパシタ130及びインダクタ135の一方又は両方が、RFドライバ105が発生させるRFバーストを、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスから絶縁することが可能である。例えば、キャパシタ130は、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスを、RFドライバ105が発生させるRFバーストから絶縁することが可能である。インダクタ135は、RFドライバ105が発生させるRFバーストを、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスから絶縁することが可能である。
【0050】
図4は、プラズマシステム400の概略図である。幾つかの実施形態によれば、プラズマシステム400はプラズマチャンバ110を含み、プラズマチャンバ110は、フィルタリングされるRFドライバ105と、ナノ秒パルサバイアス発生器115と、を有する。プラズマシステム400は、図3のプラズマシステム300とよく似ていてよい。この実施形態では、フィルタ140がキャパシタ130の代わりであってよく、且つ/又はフィルタ145がインダクタ135の代わりであってよい。これらのフィルタは、可変インピーダンスRFドライバを、ナノ秒パルサバイアス発生器が発生させるパルスから、そして、ナノ秒パルサバイアス発生器を、可変インピーダンスRFドライバが発生させるRFバーストから、交互に保護する。これを達成する為に多様なフィルタが使用されてよい。幾つかの実施形態では、フィルタは、減衰させる信号のうちの、通過して保護対象の発生器に入る信号を30%未満にすることが可能である。例えば、ナノ秒パルサバイアス発生器を保護するフィルタは、可変インピーダンスRFドライバが発生させる(電力で測定される)信号のうちの、フィルタを通過してナノ秒パルサバイアス発生器に入る信号を30%未満にするように設計されてよい。
【0051】
幾つかの実施形態では、RFドライバ105は、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させる各RFバーストのパルス繰り返し周波数より高いRF周波数(f)でRFバーストを発生させてよい。
【0052】
幾つかの実施形態では、RFドライバ105とカソード120との間にフィルタ140が(例えば、直列に)配置されてよい。フィルタ140は、周波数が約1MHz~200MHz(例えば、約1MHz~10MHz等)である高周波RFバーストを通すハイパスフィルタであってよい。フィルタ140は、例えば、これらの高周波信号を通すことが可能な任意のタイプのフィルタを含んでよい。
【0053】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115とカソード120との間にフィルタ145が(例えば、直列に)配置されてよい。フィルタ145は、周波数が約100kHz及び10MHz(例えば、約10MHz等)より低い低周波パルスを通すローパスフィルタであってよい。フィルタ145は、例えば、これらの低周波信号を通すことが可能な任意のタイプのフィルタを含んでよい。
【0054】
幾つかの実施形態では、フィルタ140及びフィルタ145の一方又は両方が、RFドライバ105が発生させるRFバーストを、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスから絶縁することが可能である。例えば、フィルタ140は、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスを、RFドライバ105が発生させるRFバーストから絶縁することが可能である。フィルタ145は、RFドライバ105が発生させるRFバーストを、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスから絶縁することが可能である。
【0055】
幾つかの実施形態では、フィルタ140はハイパスフィルタを含んでよく、例えば、RFドライバ105と直列に配置されたハイパスキャパシタ、及び/又は接地されたハイパスインダクタ等を含んでよい。ハイパスインダクタは、例えば、インダクタンスが約20nH~約50μHであるインダクタを含んでよい。別の例として、ハイパスインダクタは、インダクタンスが約200nH~約5μHであるハイパスインダクタを含んでよい。別の例として、ハイパスインダクタは、インダクタンスが約500nH~約1μHであるインダクタを含んでよい。別の例として、ハイパスインダクタは、インダクタンスが約800nHであるインダクタを含んでよい。
【0056】
ハイパスキャパシタは、例えば、キャパシタンスが約10pF~約10nFであるキャパシタを含んでよい。別の例として、ハイパスキャパシタは、キャパシタンスが約50pF~約1nFであるハイパスキャパシタを含んでよい。別の例として、ハイパスキャパシタは、キャパシタンスが約100pF~約500pFであるキャパシタを含んでよい。別の例として、ハイパスキャパシタは、キャパシタンスが約320pFであるキャパシタを含んでよい。
【0057】
幾つかの実施形態では、フィルタ145はローパスフィルタを含んでよく、例えば、ナノ秒パルサバイアス発生器115と直列に配置されたローパスインダクタ、及び/又は接地されたローパスキャパシタ等を含んでよい。ローパスインダクタは、例えば、インダクタンスが約0.5μH~約500μHであるインダクタを含んでよい。別の例として、ローパスインダクタは、インダクタンスが約1μH~約100μHであるローパスインダクタを含んでよい。別の例として、ローパスインダクタは、インダクタンスが約2μH~約10μHであるインダクタを含んでよい。別の例として、ローパスインダクタは、インダクタンスが約2.5nHであるインダクタを含んでよい。
【0058】
ローパスキャパシタは、例えば、キャパシタンスが約10pF~約10nFであるキャパシタを含んでよい。別の例として、ローパスキャパシタは、キャパシタンスが約50pF~約1nFであるハイパスキャパシタを含んでよい。別の例として、ローパスキャパシタは、キャパシタンスが約100pF~約500pFであるキャパシタを含んでよい。別の例として、ローパスキャパシタは、キャパシタンスが約250pFであるキャパシタを含んでよい。
【0059】
図5は、プラズマシステム500の概略図である。幾つかの実施形態によれば、プラズマシステム500はプラズマチャンバ110を含んでよく、プラズマチャンバ110は、フィルタリングされるRFドライバ105と、フィルタリングされるナノ秒パルサバイアス発生器115と、を有する。
【0060】
RFドライバ105は、アンテナ180に印加されるRF電力を発生させる任意のタイプの装置を含んでよい。幾つかの実施形態では、RFドライバ105は、異なる複数のRF周波数(例えば、2MHz、13.56MHz、27MHz、及び60MHz等)を有するRF電力信号を発生させることが可能な1つ以上のRFドライバを含んでよい。
【0061】
幾つかの実施形態では、RFドライバ105は、インピーダンスマッチング回路と結合されてよく、又はインピーダンスマッチング回路を含んでよく、インピーダンスマッチング回路は、RFドライバ105の非標準の出力インピーダンスを、50オーム同軸ケーブル又は任意のケーブルの業界標準の特性インピーダンスとマッチングさせることが可能である。
【0062】
幾つかの実施形態では、RFドライバ105は、1つ以上のナノ秒パルサを含んでよい。
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115は、図3と関連して示される。
【0063】
幾つかの実施形態では、RFドライバ105は、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスのパルス繰り返し周波数より高いRF周波数でパルスを発生させてよい。
【0064】
幾つかの実施形態では、RFドライバ105とアンテナ180との間にキャパシタ150が(例えば、直列に)配置されてよい。キャパシタ150は、例えば、ナノ秒パルサバイアス発生器115からの低周波信号をフィルタリングする為に使用されてよい。これらの低周波信号は、例えば、周波数(例えば、大部分のスペクトル成分)が約100kHz及び10MHz(例えば、約10MHz等)より低くてよい。キャパシタ150は、例えば、値が約1pF~1nFであってよく、例えば、約100pFより小さくてよい。
【0065】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115とカソード120との間にインダクタ155が(例えば、直列に)配置されてよい。インダクタ135は、例えば、RFドライバ105からの高周波信号をフィルタリングする為に使用されてよい。これらの高周波信号は、例えば、周波数が約1MHz~200MHzより高くてよく、例えば、約1MHz~10MHzより高くてよい。インダクタ155は、例えば、値が約10nH~10μHより小さくてよく、例えば、約1μHより大きくてよい。幾つかの実施形態では、インダクタ155は、両端の結合キャパシタンスが低くてよい。
【0066】
幾つかの実施形態では、キャパシタ150及びインダクタ155の一方又は両方が、RFドライバ105が発生させるRFバーストを、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスから絶縁することが可能である。例えば、キャパシタ150は、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスを、RFドライバ105が発生させるRFバーストから絶縁することが可能である。インダクタ155は、RFドライバ105が発生させるRFバーストを、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスから絶縁することが可能である。
【0067】
図6は、幾つかの実施形態によるプラズマシステム600の概略図であり、プラズマシステム600はプラズマチャンバ110を含み、プラズマチャンバ110は、フィルタリングされるRFドライバ105と、フィルタリングされるナノ秒パルサバイアス発生器115と、を有する。プラズマシステム600は、図5のプラズマシステム500とよく似ていてよい。この実施形態では、フィルタ160がキャパシタ150の代わりであってよく、且つ/又はフィルタ165がインダクタ135の代わりであってよい。
【0068】
幾つかの実施形態では、RFドライバ105は、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスのパルス繰り返し周波数より高いRF周波数でRFバーストを発生させてよい。
【0069】
幾つかの実施形態では、RFドライバ105とカソード120との間にフィルタ160が(例えば、直列に)配置されてよい。フィルタ160は、周波数が約1MHz~200MHzより高い、例えば、約1MHz~10MHzより高い高周波RFバーストを通すハイパスフィルタであってよい。フィルタ160は、例えば、これらの高周波信号を通すことが可能な任意のタイプのフィルタを含んでよい。
【0070】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサバイアス発生器115とカソード120との間にフィルタ165が(例えば、直列に)配置されてよい。フィルタ165は、周波数が約100kHz及び10MHz(例えば、約10MHz等)より低い低周波パルスを通すローパスフィルタであってよい。フィルタ165は、例えば、これらの低周波信号を通すことが可能な任意のタイプのフィルタを含んでよい。
【0071】
幾つかの実施形態では、フィルタ160及びフィルタ165の一方又は両方が、RFドライバ105が発生させるRFバーストを、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスから絶縁することが可能である。例えば、フィルタ160は、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスを、RFドライバ105が発生させるRFバーストから絶縁することが可能である。フィルタ165は、RFドライバ105が発生させるRFバーストを、ナノ秒パルサバイアス発生器115が発生させるパルスから絶縁することが可能である。
【0072】
図7は、幾つかの実施形態によるプラズマシステム700の回路図である。プラズマシステム700は、RFドライバ105及びナノ秒パルサバイアス発生器115を含む。RFドライバ105及びナノ秒パルサバイアス発生器115は、回路中のTeeにおいて負荷730と結合されている。
【0073】
負荷730は、任意のタイプの負荷を含んでよい。例えば、負荷730は低容量性負荷であってよく、例えば、キャパシタンスが約1nF~約10 nF、又は約100pF~約100nF、又は約10pF~約1,000nFより小さい負荷であってよい。別の例として、負荷730はプラズマチャンバ110を含んでよい。別の例として、負荷730はプラズマ及びチャンバ830を含んでよい。別の例として、負荷730は任意の誘電体バリア負荷を含んでよく、例えば、1pF、10pF、100pF、1nF、10nF、100nF等の間のキャパシタンスを有する任意の誘電体バリア負荷を含んでよい。
【0074】
RFドライバ105はフィルタ140と結合されている。この例では、フィルタ140はハイパスフィルタを含む。このハイパスフィルタは、ハイパスキャパシタ705及びハイパスインダクタ710を含んでよい。ハイパスキャパシタ705はRFドライバ105と直列に結合されてよく、ハイパスインダクタ710はRFドライバ105と接地とに結合されてよい。
ナノ秒パルサバイアス発生器115はフィルタ145と結合されている。この例では、フィルタ145はローパスフィルタを含む。このローパスフィルタは、ローパスキャパシタ720及びローパスインダクタ715を含んでよい。ローパスインダクタ175はナノ秒パルサバイアス発生器115と直列に結合されてよく、ローパスキャパシタ720はナノ秒パルサバイアス発生器115と接地とに結合されてよい。
【0075】
幾つかの実施形態では、フィルタ140はハイパスフィルタを含んでよく、例えば、RFドライバ105と直列に配置されたハイパスキャパシタ705、及び/又は接地されたハイパスインダクタ710を含んでよい。ハイパスインダクタ710は、例えば、インダクタンスが約20nH~約50μHであるインダクタを含んでよい。別の例として、ハイパスインダクタ710は、インダクタンスが約200nH~約5μHであるハイパスインダクタ710を含んでよい。別の例として、ハイパスインダクタ710は、インダクタンスが約500nH~約1μHであるインダクタを含んでよい。別の例として、ハイパスインダクタ710は、インダクタンスが約800nHであるインダクタを含んでよい。
【0076】
ハイパスキャパシタ705は、例えば、キャパシタンスが約10pF~約10nFであるキャパシタを含んでよい。別の例として、ハイパスキャパシタ705は、キャパシタンスが約50pF~約1nFであるハイパスキャパシタ705を含んでよい。別の例として、ハイパスキャパシタ705は、キャパシタンスが約100pF~約500pFであるキャパシタを含んでよい。別の例として、ハイパスキャパシタ705は、キャパシタンスが約320pFであるキャパシタを含んでよい。
【0077】
幾つかの実施形態では、フィルタ145はローパスフィルタを含んでよく、例えば、ナノ秒パルサバイアス発生器115と直列に配置されたローパスインダクタ715、及び/又は接地されたローパスキャパシタ720を含んでよい。ローパスインダクタ715は、例えば、インダクタンスが約800nH~約500μHであるインダクタを含んでよい。別の例として、ローパスインダクタ715は、インダクタンスが約1μH~約100μHであるローパスインダクタを含んでよい。別の例として、ローパスインダクタ715は、インダクタンスが約1μH~約10μHであるインダクタを含んでよい。別の例として、ローパスインダクタ715は、インダクタンスが約2.5nHであるインダクタを含んでよい。
【0078】
ローパスキャパシタ720は、例えば、キャパシタンスが約10pF~約10nFであるキャパシタを含んでよい。別の例として、ローパスキャパシタ720は、キャパシタンスが約50pF~約1nFであるハイパスキャパシタ705を含んでよい。別の例として、ローパスキャパシタ720は、キャパシタンスが約100pF~約500pFであるキャパシタを含んでよい。別の例として、ローパスキャパシタ720は、キャパシタンスが約250pFであるキャパシタを含んでよい。
【0079】
幾つかの実施形態では、ローパスインダクタ715及び/又はハイパスインダクタ710の一方又は両方の浮遊キャパシタンスが約250pFより小さくてよい。RFドライバ105とフィルタ145との間の接続は、浮遊インダクタンスが約2.5μHより小さくてよい。
【0080】
幾つかの実施形態では、プラズマシステム700に示した例は、特性インピーダンスが50オームであってよい。幾つかの実施形態では、プラズマシステム700に示した例は、約5MHzの周波数で動作してよい。幾つかの実施形態では、プラズマシステム700に示した例は、パルス幅が約100nsより長いパルスを発生させてよい。
【0081】
図8は、幾つかの実施形態によるRFドライバ及びチャンバ回路800の回路図である。
【0082】
この例では、RFドライバ及びチャンバ回路800はRFドライバ805を含んでよい。RFドライバ805は、例えば、ハーフブリッジドライバ、又は図8に示したようなフルブリッジドライバであってよい。RFドライバ805は、入力電圧源V1を含んでよく、これはDC電圧源(例えば、容量性ソース、AC-DCコンバータ等)であってよい。幾つかの実施形態では、RFドライバ805は、4つのスイッチS1、S2、S3、及びS4を含んでよい。幾つかの実施形態では、RFドライバ805は、複数のスイッチS1、S2、S3、及びS4を直列又は並列に含んでよい。これらのスイッチS1、S2、S3、及びS4は、例えば、任意のタイプのソリッドステートスイッチを含んでよく、例えば、IGBT、MOSFET、SiC MOSFET、SiC接合トランジスタ、FET、SiCスイッチ、GaNスイッチ、光伝導スイッチ等を含んでよい。これらのスイッチS1、S2、S3、及びS4は、高い周波数でスイッチングされてよく、且つ/又は高い電圧のパルスを発生させてよい。これらの周波数は、例えば、約400kHz、0.5MHz、2.0MHz、4.0MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、50MHz等の周波数を含んでよい。
【0083】
スイッチS1、S2、S3、及びS4の各スイッチは、それぞれのダイオードD1、D2、D3、及びD4と並列に結合されてよく、インダクタL1、L2、L3、及びL4で表された浮遊インダクタンスを含んでよい。幾つかの実施形態では、インダクタL1、L2、L3、及びL4のインダクタンスは同一でありうる。幾つかの実施形態では、インダクタL1、L2、L3、及びL4のインダクタンスは、約50nH、100nH、150nH、500nH、1,000nH等より小さいことがありうる。スイッチ(S1、S2、S3、又はS4)とそれぞれのダイオード(D1、D2、D3、又はD4)との組み合わせは、それぞれのインダクタ(L1、L2、L3、又はL4)と直列に結合されてよい。インダクタL3及びL4は接地されてよい。インダクタL1は、スイッチS4及び共振回路810につながっている。そしてインダクタL2は、スイッチS3及び共振回路810の反対側につながっている。
【0084】
幾つかの実施形態では、RFドライバ805は、共振回路810と結合されてよい。共振回路810は、共振インダクタL5及び/又は共振キャパシタC5が変圧器T1と結合されていてよい。共振回路810は共振抵抗R5を含んでよく、例えば、共振抵抗R5は、RFドライバ805と、共振回路810及び/又は共振回路810内の任意の部品(例えば、変圧器T1、キャパシタC5、及び/又はインダクタL5)との間の全てのリードの浮遊抵抗を含んでよい。幾つかの実施形態では、共振抵抗R5は、ワイヤ、パターン、又は回路素子の浮遊抵抗だけを含む。他の回路素子のインダクタンス及び/又はキャパシタンスが駆動周波数に影響する場合があるので、駆動周波数は、共振インダクタL5及び/又は共振キャパシタC5の選択によってほぼ設定されてよい。浮遊インダクタンス又は浮遊キャパシタンスを考慮して適切な駆動周波数を発生させる為には、更なる洗練及び/又はチューニングが必要になる場合がある。更に、変圧器T1の両端の立ち上がり時間は、次式が成り立てば、L5及び/又はC5を変化させることにより調節可能である。
resonant=1/(2π√((L5)(C2)))=一定
【0085】
幾つかの実施形態では、L5のインダクタンス値を大きくすることにより、立ち上がり時間を遅くする又は短くすることが可能である。これらの値は又、バーストエンベロープに影響を及ぼしうる。図17に示すように、各バーストは、過渡状態パルス及び定常状態パルスを含んでよい。各バースト内の過渡パルスは、定常状態パルス中にフル電圧に達するまで、L5及び/又は系のQによって設定されてよい。
【0086】
RFドライバ805内のスイッチが共振周波数(fresonant)でスイッチングされると、変圧器T1における出力電圧は増幅される。幾つかの実施形態では、共振周波数は、約400kHz、0.5MHz、2.0MHz、4.0MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、50MHz等であってよい。
【0087】
幾つかの実施形態では、共振キャパシタC5は、変圧器T1の浮遊キャパシタンス及び/又は物理的キャパシタを含んでよい。幾つかの実施形態では、共振キャパシタC5は、キャパシタンスが約10μF、1μF、100nF、10nF等であってよい。幾つかの実施形態では、共振インダクタL5は、変圧器T1の浮遊インダクタンス及び/又は物理的インダクタを含んでよい。幾つかの実施形態では、共振インダクタL5は、インダクタンスが約50nH、100nH、150nH、500nH、1,000nH等であってよい。幾つかの実施形態では、共振抵抗R5は、抵抗が約10オーム、25オーム、50オーム、100オーム、150オーム、500オーム等であってよい。
【0088】
幾つかの実施形態では、共振抵抗R5は、物理的な回路内のワイヤ、パターン、及び/又は変圧器巻線の浮遊抵抗を表してよい。幾つかの実施形態では、共振抵抗R5は、抵抗が約10ミリオーム、50ミリオーム、100ミリオーム、200ミリオーム、500ミリオーム等であってよい。
【0089】
幾つかの実施形態では、変圧器T1は、あらゆる目的の為に本文書に組み込まれている米国特許出願第15/365,094号、件名「高電圧変圧器(High Voltage Transformer)」で開示されているような変圧器を含んでよい。幾つかの実施形態では、共振回路810の出力電圧は、スイッチS1、S2、S3、及び/又はS4のデューティサイクル(例えば、スイッチが「オン」の時間、即ちスイッチが導通している時間)を変更することによって変更可能である。例えば、デューティサイクルが長くなるほど出力電圧は高くなり、デューティサイクルが短くなるほど出力電圧は低くなる。幾つかの実施形態では、共振回路810の出力電圧は、RFドライバ805におけるスイッチングのデューティサイクルを調節することにより変更又はチューニングが可能である。
【0090】
例えば、スイッチのデューティサイクルの調節は、スイッチS1を開閉する信号Sig1のデューティサイクルを変更すること、スイッチS2を開閉する信号Sig2のデューティサイクルを変更すること、スイッチS3を開閉する信号Sig3のデューティサイクルを変更すること、及びスイッチS4を開閉する信号Sig4のデューティサイクルを変更することによって可能である。例えば、スイッチS1、S2、S3、又はS4のデューティサイクルを調節することにより、共振回路810の出力電圧を制御することが可能である。
【0091】
幾つかの実施形態では、RFドライバ805の各スイッチS1、S2、S3、又はS4は、互いに独立にスイッチングされてよく、又は他のスイッチのうちの1つ以上のスイッチと連動してスイッチングされてよい。例えば、信号Sig1は、信号Sig3と同じ信号であってよい。別の例では、信号Sig2は、信号Sig4と同じ信号であってよい。別の例では、各信号は、互いに独立であってよく、各スイッチS1、S2、S3、又はS4を互いに独立に又は別々に制御してよい。
【0092】
幾つかの実施形態では、共振回路810は、半波整流器815と結合されてよく、半波整流器815はブロッキングダイオードD7を含んでよい。
【0093】
幾つかの実施形態では、半波整流器815は抵抗出力段820と結合されてよい。抵抗出力段820は、当該技術分野において知られている任意の抵抗出力段を含んでよい。例えば、抵抗出力段820は、あらゆる目的の為に完全な形で本開示に組み込まれている米国特許出願第16/178,538号、件名「高電圧抵抗出力段回路(HIGH VOLTAGE RESISTIVE OUTPUT STAGE CIRCUIT)」に記載の任意の抵抗出力段を含んでよい。
【0094】
例えば、抵抗出力段820は、インダクタL11、抵抗R3、抵抗R1及びキャパシタC11を含んでよい。幾つかの実施形態では、インダクタL11は、インダクタンスが約5μH~約25μHであってよい。幾つかの実施形態では、抵抗R1は、抵抗が約50オーム~約250オームであってよい。幾つかの実施形態では、抵抗R3は、抵抗出力段820の浮遊抵抗を含んでよい。
幾つかの実施形態では、抵抗R1は、直列及び/又は並列に並んだ複数の抵抗を含んでよい。キャパシタC11は、抵抗R1の浮遊キャパシタンスを表してよく、これは、直列及び/又は並列の抵抗の並びのキャパシタンスを含む。浮遊キャパシタンスC11のキャパシタンスは、例えば、500pF、250pF、100pF、50pF、10pF、1pF等より小さくてよい。浮遊キャパシタンスC11のキャパシタンスは、例えば、負荷キャパシタンスより小さい場合があり、例えば、C7、C8、及び/又はC9のキャパシタンスより小さくてよい。
【0095】
幾つかの実施形態では、抵抗R1は負荷(例えば、プラズマシースキャパシタンス)を放電してよい。幾つかの実施形態では、抵抗出力段820は、各パルス周期の間の平均電力で約1キロワット超を、且つ/又は各パルス周期におけるエネルギで1ジュール未満を放出するように構成されてよい。幾つかの実施形態では、抵抗出力段820の抵抗R1の抵抗は200オームより小さくてよい。幾つかの実施形態では、抵抗R1は、直列又は並列に並んだ複数の抵抗を含んでよく、それらの結合キャパシタンス(例えば、C11)は約200pFより小さい。
【0096】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段820は、負荷上の電圧波形の形状を制御することに使用可能な回路素子の集合体を含んでよい。幾つかの実施形態では、抵抗出力段820は、受動素子のみ(例えば、抵抗、キャパシタ、インダクタ等)を含んでよい。幾つかの実施形態では、抵抗出力段820は、受動回路素子だけでなく能動回路素子(例えば、スイッチ)を含んでよい。幾つかの実施形態では、抵抗出力段820は、例えば、波形の電圧立ち上がり時間及び/又は波形の電圧立ち下がり時間を制御することに使用されてよい。
【0097】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段820は、容量性負荷(例えば、ウェーハ及び/又はプラズマ)を放電してよい。例えば、これらの容量性負荷はキャパシタンスが小さくてよい(例えば、約10pF、100pF、500pF、1nF、10nF、100nF等であってよい)。
【0098】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段は、パルスのパルス電圧が高く(例えば、1kV、10kV、20kV、50kV、100kV等より高い電圧であり)、且つ/又はパルスの周波数が高く(例えば、1kHz、10kHz、100kHz、200kHz、500kHz、1MHz等より高い周波数であり)、且つ/又はパルスの周波数が約400kHz、0.5MHz、2.0MHz、4.0MHz、13.56MHz、27.12MHz、40.68MHz、50 MHz等である回路で使用されてよい。
【0099】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段は、高い平均電力、高いピーク電力、速い立ち上がり時間、及び/又は速い立ち下がり時間をハンドリングするように選択されてよい。例えば、平均電力定格は、約0.5kW、1.0kW、10kW、25kW等より大きくてよく、且つ/又は、ピーク電力定格は、約1kW、10kW、100kW、1MW等より大きくてよい。
【0100】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段820は、受動部品の直列又は並列のネットワークを含んでよい。例えば、抵抗出力段820は、直列の抵抗、キャパシタ、及びインダクタを含んでよい。別の例として、抵抗出力段820は、キャパシタとインダクタの並列の組み合わせに抵抗が直列につながったものを含んでよい。例えば、L11は、整流器からの出力電圧があるときに抵抗出力段に有意のエネルギが注入されないようにするのに十分な大きさが選択されてよい。R3及びR1の値は、L/R時間で負荷中のしかるべきキャパシタがRF周波数より速く放電することが可能であるように選択されてよい。
【0101】
幾つかの実施形態では、抵抗出力段820は、バイアス補償回路825と結合されてよい。バイアス補償回路825は、当該技術分野において知られている任意のバイアス回路及び/又はバイアス補償回路を含んでよい。例えば、バイアス補償回路825は、あらゆる目的の為に完全な形で本開示に組み込まれている米国特許出願第16/523,840号、件名「ナノ秒パルサバイアス補償(NANOSECOND PULSER BIAS COMPENSATION)」に記載の任意のバイアス回路及び/又はバイアス補償回路を含んでよい。幾つかの実施形態では、抵抗出力段820及び/又はバイアス補償回路825は任意選択であってよい。
【0102】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサは、抵抗出力段820によく似た抵抗出力段を含んでよい。
【0103】
幾つかの実施形態では、バイアス補償回路825は、バイアスキャパシタC11、ブロッキングキャパシタC12、ブロッキングダイオードD8、スイッチS5 (例えば、高電圧スイッチ)、オフセット供給電圧V2、抵抗R2、及び/又は抵抗R4を含んでよい。幾つかの実施形態では、スイッチS5は、あらゆる目的の為に完全な形で本開示に組み込まれている米国特許出願第82/717,637号、件名「ナノ秒パルス発生用高電圧スイッチ(HIGH VOLTAGE SWITCH FOR NANOSECOND PULSING)」、及び/又は米国特許出願第16/178,565号、件名「ナノ秒パルス発生用高電圧スイッチ(HIGH VOLTAGE SWITCH FOR NANOSECOND PULSING)」に記載の高電圧スイッチを含む。
【0104】
幾つかの実施形態では、オフセット供給電圧V5は、出力電圧を正バイアス又は負バイアスすることが可能なDC電圧源を含んでよい。幾つかの実施形態では、ブロッキングキャパシタC12は、オフセット供給電圧V2を、抵抗出力段820及び/又は他の回路素子から絶縁/分離することが可能である。幾つかの実施形態では、バイアス補償回路825は、回路の1つの部分から別の部分への電力の電位シフトを可能にできる。幾つかの実施形態では、バイアス補償回路825は、チャンバ内で高電圧パルスがアクティブであるときにウェーハを定位置に保持することに使用されてよい。抵抗R2は、DCバイアス電源をドライバから保護/絶縁することが可能である。
【0105】
幾つかの実施形態では、スイッチS5は、RFドライバ805がパルスを発生させている間は開いてよく、RFドライバ805がパルスを発生させていない間は閉じてよい。スイッチS5は、閉じている間は、例えば、ブロッキングダイオードD8の両端で電流を短絡させることが可能である。この電流を短絡させることにより、ウェーハとチャックとの間が2kVより低くなる(これは許容範囲内でありうる)ようにバイアスすることを可能にできる。
【0106】
幾つかの実施形態では、プラズマ及びチャンバ830は、バイアス補償回路825と結合されてよい。プラズマ及びチャンバ830は、例えば、図8に示した様々な回路素子で表されてよい。
【0107】
図9は、幾つかの実施形態によるRFドライバ及びチャンバ回路900の回路図である。RFドライバ及びチャンバ回路900は、例えば、RFドライバ805、共振回路810、バイアス補償回路825、及びプラズマ及びチャンバ830を含んでよい。RFドライバ及びチャンバ回路900は、RFドライバ及びチャンバ回路800とよく似ているが、抵抗出力段820がなく、エネルギ回収回路905を含む。幾つかの実施形態では、エネルギ回収回路905及び/又はバイアス補償回路825は任意選択であってよい。
【0108】
この例では、エネルギ回収回路905は、変圧器T1の二次側に配置されてよく、又は二次側と電気的に結合されてよい。エネルギ回収回路905は、例えば、変圧器T1の二次側の両端にダイオードD9(例えば、クローバーダイオード)を含んでよい。エネルギ回収回路905は、例えば、(直列に並んだ)ダイオードD10及びインダクタL12を含んでよく、これにより、電流が変圧器T1の二次側から流れて電源C1を充電することと、電流がプラズマ及びチャンバ830に流れることと、を可能にできる。ダイオードD12及びインダクタL12は、変圧器T1の二次側に電気的に接続され、電源C1と結合されてよい。幾つかの実施形態では、エネルギ回収回路905は、変圧器T1の二次側と電気的に結合されたダイオードD13及び/又はインダクタL13を含んでよい。インダクタL12は、浮遊インダクタンスを表してよく、且つ/又は変圧器T1の浮遊インダクタンスを含んでよい。
【0109】
ナノ秒パルサがオンになると、電流がプラズマ及びチャンバ830を充電する(例えば、キャパシタC7、キャパシタC8、又はキャパシタC9を充電する)ことが可能である。例えば、変圧器T1の二次側の電圧が電源C1の充電電圧より高くなると、幾らかの電流がインダクタンスL12を流れることが可能である。ナノ秒パルサがオフになると、電流がプラズマ及びチャンバ830内のキャパシタからインダクタL12を通って流れて、インダクタL12の両端の電圧がゼロになるまで電源C1を充電することが可能である。ダイオードD9は、プラズマ及びチャンバ830内のキャパシタが、プラズマ及びチャンバ830又はバイアス補償回路825のインダクタンスとリンギングを起こすのを防ぐことが可能である。
【0110】
ダイオードD12は、例えば、電源C1からプラズマ及びチャンバ830内のキャパシタへ電荷が流れるのを防ぐことが可能である。
【0111】
インダクタL12の値は、電流の立ち下がり時間を制御する為に選択されてよい。幾つかの実施形態では、インダクタL12は、インダクタンスの値が1μH~500μHであってよい。
【0112】
幾つかの実施形態では、エネルギ回収回路905は、インダクタL12を通る電流の流れを制御する為に使用可能なスイッチを含んでよい。このスイッチは、例えば、インダクタL12と直列に配置されてよい。幾つかの実施形態では、このスイッチは、スイッチS1が開いているとき且つ/又はもはやパルスを発生させていないときに閉じてよく、これは、電流がプラズマ及びチャンバ830から電源C1に戻ることを可能にする為である。
【0113】
エネルギ回収回路905内のスイッチは、例えば、2018年11月1日に出願された米国特許出願第16/178,565号、件名「電力が絶縁されている高電圧スイッチ(HIGH VOLTAGE SWITCH WITH ISOLATED POWER)」(これは、2018年8月10日に出願された米国特許仮出願第62/717,637号の優先権を主張するものであり、これらは両方とも参照によって完全な形で組み込まれている)で開示されている高電圧スイッチのような高電圧スイッチを含んでよい。幾つかの実施形態では、RFドライバ805は、RFドライバ805内に示された様々な部品の代わりに又はそれらの部品に加えて高電圧スイッチを含んでよい。幾つかの実施形態では、高電圧スイッチを使用することにより、少なくとも変圧器T1及びスイッチS1を除去することを可能にできる。
【0114】
幾つかの実施形態では、ナノ秒パルサは、エネルギ回収回路905とよく似たエネルギ回収回路を含んでよい。
【0115】
RFドライバ及びチャンバ回路800及びRFドライバ及びチャンバ回路900は、例えば、50オームマッチングネットワークや外部マッチングネットワークやスタンドアロンマッチングネットワークのような従来型のマッチングネットワークを含まない。実際、本文書内に記載した実施形態は、ウェーハチャンバに印加されるスイッチング電力をチューニングする為に50オームマッチングネットワークを必要としない。更に、本文書内に記載した実施形態は、従来型のマッチングネットワークがない可変出力インピーダンスRF発生器を備える。これにより、プラズマチャンバに引き込まれる電力を迅速に変更することを可能にできる。典型的には、この、マッチングネットワークのチューニングには少なくとも100~200μsかかる可能性がある。幾つかの実施形態では、電力の変更は、RFの1~2周期以内に行うことが可能であり、例えば、400kHzでは2.5~5.0μs以内に行うことが可能である。
【0116】
図10は、(例えば、プラズマシステム300、400、500、600、又は700のような)プラズマシステムが発生させる波形である。波形は、チャンバの前の電圧を示す。この例では、波形は、RFドライバ105がオフにされた状態で発生している。この例では、複数のパルスが発生する。
【0117】
図11は、(例えば、プラズマシステム300、400、500、600、又は700のような)プラズマシステムが発生させる波形である。波形は、チャンバの前の電圧を示す。この例では、RFドライバ105及びナノ秒パルサバイアス発生器115の両方がオンにされている。この例では、複数のパルスがRF信号とともに発生する。
【0118】
図12は、(例えば、プラズマシステム300、400、500、600、又は700のような)プラズマシステムが発生させる波形である。波形は、チャンバ内の波形を示し、例えば、ウェーハにおける波形を示す。この例では、波形は、RFドライバ105がオフにされた状態で発生している。この例では、複数のパルスが発生する。
【0119】
図13は、(例えば、プラズマシステム300、400、500、600、又は700のような)プラズマシステムが発生させる波形である。波形は、チャンバ内の波形を示し、例えば、ウェーハにおける波形を示す。この例では、波形は、RFドライバ105がオフにされた状態で発生している。この例では、複数のパルスが発生する。
【0120】
「又は(or)」という語は包含的である。
【0121】
特に断らない限り、「ほぼ(substantially)」という語は、言及された値の5~10%以内、又は製造公差以内であることを意味する。特に断らない限り、「約(about)」という語は、言及された値の5~10%以内、又は製造公差以内であることを意味する。
【0122】
幾つかの部分が、コンピューティングシステムメモリ(例えば、コンピュータメモリ)に記憶されているデータビット又はバイナリデジタル信号に対する動作のアルゴリズム又はシンボリック表現として示されている。これらのアルゴリズム的な記述又は表現は、データ処理技術分野の当業者が自分の仕事の内容を他の当業者に伝える場合に用いられる手法の例である。アルゴリズムは、所望の結果につながる動作又は同様の処理の首尾一貫したシーケンスである。この文脈では、動作又は処理は、物理量の物理的マニピュレーションを伴う。典型的には、必ずではないが、そのような量は、記憶、転送、結合、比較、又は他のマニピュレーションが可能な電気信号又は磁気信号の形をとりうる。そのような信号を、主に共通使用の為に、ビット、データ、値、要素、シンボル、文字、項、数値、数字等として参照することが時には便利であることがわかっている。しかしながら、当然のこととして、これら及び同様の用語は全て、しかるべき物理量に関連付けられるべきものであり、便利なラベルに過ぎない。特に断らない限り、本明細書の議論の全体を通して、「処理(processing)」、「コンピューティング(computing)」、「計算(calculating)」、「判断(determining)」、識別(identifying)」等の用語を利用することは、コンピューティングプラットフォームのメモリ、レジスタ、又は他の情報格納装置、伝送装置、又はディスプレイ装置内で実際の電子的又は磁気的な量として表されたデータをマニピュレート又は変換する、コンピューティング装置(例えば、1つ以上のコンピュータ又は同様の電子コンピューティング装置)のアクション又はプロセスを参照するものであると理解されたい。
【0123】
本明細書に記載の1つ以上のシステムは、いかなる特定のハードウェアアーキテクチャ又はハードウェア構成にも限定されない。コンピューティング装置は、1つ以上の入力に対して条件付けられた結果を出力する任意の適切なコンポーネント構成を包含しうる。適切なコンピューティング装置は、汎用コンピューティング装置から、本発明対象の1つ以上の実施形態を実施する専用コンピューティング装置までのコンピューティングシステムをプログラム又は構成する記憶されたソフトウェアにアクセスする、多目的マイクロプロセッサベースのコンピュータシステムを含む。本明細書に含まれる教示を、コンピューティング装置をプログラム又は構成することに使用されるソフトウェアの形で実施する為に、任意の適切なプログラミング言語、スクリプト言語、又は他のタイプの言語、又は言語の組み合わせが使用されてよい。
【0124】
本明細書に開示の方法の実施形態は、そのようなコンピューティング装置の動作において実施されてよい。上記の実施例において示されたブロックの順序は変更されてよく、例えば、ブロックの順序を変更したり、ブロック同士を結合したり、且つ/又はブロックをサブブロックに分割したりしてよい。幾つかのブロック又はプロセスが並行して実施されてよい。
【0125】
「ように適合された(adapted to)」又は「ように構成された(configured to)」の使用は、追加のタスク又はステップを実施するように適合又は構成された装置を排除しない、開放的且つ包含的な言い回しを意図している。更に、「基づく(based on)」の使用は、1つ以上の記載された条件又は値に「基づく(based on)」プロセス、ステップ、計算、又は他のアクションが、実際には、それらの記載された条件又は値を超える追加の条件又は値に基づいてよいという点で開放的且つ包含的であることを意図されている。見出し、リスト、及び番号付けは、説明を容易にする為のものに過ぎず、限定の意図はない。
【0126】
本発明対象を、その特定の実施形態に関して詳細に説明してきたが、当然のことながら、当業者であれば、上述の内容を理解すれば、そのような実施形態の変更物、バリエーション、及び等価物を容易に生成可能である。従って、当然のことながら、本開示は、限定ではなく例示を目的として示されており、当業者であれば容易に明らかであろうように、本発明対象に対するそのような修正、変形、及び/又は追加を包含することを排除しない。
〔付記1〕
プラズマチャンバと、
前記プラズマチャンバに入るRFバーストを、2MHzより高いRF周波数で駆動するRFドライバと、
前記プラズマチャンバに入るパルスを、前記RF周波数より低いパルス繰り返し周波数と、2kVより高いピーク電圧とで駆動するナノ秒パルサと、
前記RFドライバと前記プラズマチャンバとの間に配置された第1のフィルタと、
前記ナノ秒パルサと前記プラズマチャンバとの間に配置された第2のフィルタと、
を含むプラズマシステム。
〔付記2〕
前記パルス繰り返し周波数は10kHzより高い、付記1に記載のプラズマシステム。
〔付記3〕
第1のフィルタは、前記RFドライバ及び前記プラズマチャンバと直列であるキャパシタを含み、前記キャパシタは、キャパシタンスが約500pHより小さい、付記1に記載のプラズマシステム。
〔付記4〕
第1のフィルタは、前記RFドライバの出力と接地とに結合されたインダクタを含む、付記1に記載のプラズマシステム。
〔付記5〕
前記第2のフィルタは、前記ナノ秒パルサ及び前記プラズマチャンバと直列であるインダクタを含み、前記インダクタは、インダクタンスが約50μHより小さい、付記1に記載のプラズマシステム。
〔付記6〕
前記第2のフィルタは、前記ナノ秒パルサの出力と接地とに結合されたキャパシタを含む、付記1に記載のプラズマシステム。
〔付記7〕
前記第1のフィルタはハイパスフィルタを含む、付記1に記載のプラズマシステム。
〔付記8〕
前記第2のフィルタはローパスフィルタを含む、付記1に記載のプラズマシステム。
〔付記9〕
前記RFドライバはマッチングネットワークを含まない、付記1に記載のプラズマシステム。
〔付記10〕
前記プラズマチャンバは、前記RFドライバと電気的に結合されたアンテナを含む、付記1に記載のプラズマシステム。
〔付記11〕
前記プラズマチャンバは、前記RFドライバと電気的に結合されたカソードを含む、付記1に記載のプラズマシステム。
〔付記12〕
前記プラズマチャンバは、前記ナノ秒パルサと電気的に結合されたカソードを含む、付記1に記載のプラズマシステム。
〔付記13〕
アンテナ及びカソードを含むプラズマチャンバと、
前記アンテナと電気的に結合されたRFドライバであって、前記RFドライバは、約2MHzより高いRF周波数で前記プラズマチャンバ内にRFバーストを発生させる、前記RFドライバと、
前記カソードと電気的に結合されたナノ秒パルサであって、前記ナノ秒パルサは、前記RF周波数より低いパルス繰り返し周波数と、2kVより高い電圧とで前記プラズマチャンバ内にパルスを発生させる、前記ナノ秒パルサと、
前記RFドライバと前記アンテナとの間に配置されたキャパシタと、
前記ナノ秒パルサと前記カソードとの間に配置されたインダクタと、
を含むプラズマシステム。
〔付記14〕
前記キャパシタはキャパシタンスが約100pFより小さい、付記13に記載のプラズマシステム。
〔付記15〕
前記インダクタはインダクタンスが約10nHより小さい、付記13に記載のプラズマシステム。
〔付記16〕
前記パルス繰り返し周波数は10kHzより高い、付記13に記載のプラズマシステム。
〔付記17〕
カソードを含むプラズマチャンバと、
前記カソードと電気的に結合されたRFドライバであって、前記RFドライバは、約2MHzより高いRF周波数で前記プラズマチャンバ内にRFバーストを発生させる、前記RFドライバと、
前記カソードと電気的に結合されたナノ秒パルサであって、前記ナノ秒パルサは、前記RF周波数より低いパルス繰り返し周波数と、2kVより高い電圧とで前記プラズマチャンバ内にパルスを発生させる、前記ナノ秒パルサと、
前記RFドライバと前記カソードとの間に配置されたキャパシタと、
前記ナノ秒パルサと前記カソードとの間に配置されたインダクタと、
を含むプラズマシステム。
〔付記18〕
前記キャパシタはキャパシタンスが約100pFより小さい、付記17に記載のプラズマシステム。
〔付記19〕
前記インダクタはインダクタンスが約10nHより小さい、付記17に記載のプラズマシステム。
〔付記20〕
前記パルス繰り返し周波数は10kHzより高い、付記17に記載のプラズマシステム。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12