(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20231219BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20231219BHJP
H01L 21/027 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/02 Z
H01L21/30 562
(21)【出願番号】P 2022047055
(22)【出願日】2022-03-23
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】大宅 宗明
(72)【発明者】
【氏名】三ツ林 武
(72)【発明者】
【氏名】森井 敬亮
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-199711(JP,A)
【文献】特開2006-024642(JP,A)
【文献】特開2014-067833(JP,A)
【文献】特開2002-217267(JP,A)
【文献】特開2007-180180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/02
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して露光処理の前工程の処理を行うとともに、露光処理の後工程の処理を行う基板処理装置であって、
前記前工程の処理を実行する前処理部と、
前記後工程の処理を実行する後処理部と、
前記前処理部および前記後処理部と第1露光装置および第2露光装置とを接続し、基板を搬送する搬送機構および複数のモジュールを備えるインターフェース部と、
前記搬送機構を制御する制御部と、
を備え、
前記搬送機構は、前記前処理部から搬送された基板を取り出す第1搬送ロボットと、前記後処理部に基板を搬出する第2搬送ロボットと、前記第1露光装置に対して基板の受け渡しを行う第3搬送ロボットと、前記第2露光装置に対して基板の受け渡しを行う第4搬送ロボットと、を有し、
前記複数のモジュールは、前記第1露光装置に搬送される基板を温調する第1温調器および前記第2露光装置に搬送される基板を温調する第2温調器を含み、
前記制御部は、
前記前工程の処理が施された複数の基板のそれぞれを前記第1露光装置および前記第2露光装置の双方に順次に搬送するように前記搬送機構を制御する第1搬送モード、または、
前記前工程の処理が施された複数の基板を交互に前記第1露光装置または前記第2露光装置に搬送するように前記搬送機構を制御する第2搬送モード、
を選択
し、
前記第1搬送モードでは、前記第1搬送ロボット、前記第1温調器、前記第3搬送ロボット、前記第2温調器、前記第4搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順に基板が搬送され、
前記第2搬送モードでは、前記第1搬送ロボット、前記第1温調器、前記第3搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順、または、前記第1搬送ロボット、前記第2温調器、前記第4搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順に基板が搬送されることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の基板処理装置において、
前記複数のモジュールは、前記制御部が前記第2搬送モードを選択したときに、露光処理前の基板を一時的に収納するとともに、当該基板を前記第1露光装置または前記第2露光装置のいずれに搬送するかを振り分けるための第1バッファを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求項2記載の基板処理装置において、
前記複数のモジュールは、前記制御部が前記第2搬送モードを選択したときに、前記第1露光装置にて露光処理が施された基板と前記第2露光装置にて露光処理が施された基板とが交互に前記後工程に送られるように露光処理後の基板を一時的に収納する第2バッファを含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
基板に対して露光処理の前工程の処理を行うとともに、露光処理の後工程の処理を行う基板処理装置であって、
前記前工程の処理を実行する前処理部と、
前記後工程の処理を実行する後処理部と、
前記前処理部および前記後処理部と第1露光装置および第2露光装置とを接続し、基板を搬送する搬送機構および複数のモジュールを備えるインターフェース部と、
前記搬送機構を制御する制御部と、
を備え、
前記搬送機構は、前記前処理部から搬送された基板を取り出す第1搬送ロボットと、前記後処理部に基板を搬出する第2搬送ロボットと、前記第1露光装置に対して基板の受け渡しを行う第3搬送ロボットと、前記第2露光装置に対して基板の受け渡しを行う第4搬送ロボットと、を有し、
前記複数のモジュールは、前記第1露光装置に搬送される基板を温調する第1温調器および前記第2露光装置に搬送される基板を温調する第2温調器を含み、
前記制御部は、
前記第1搬送ロボット、前記第1温調器、前記第3搬送ロボット、前記第2温調器、前記第4搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順に基板を搬送して、前記前工程の処理が施された複数の基板のそれぞれを前記第1露光装置および前記第2露光装置の双方に順次に搬送するように前記搬送機構を制御することを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記インターフェース部には、前記複数のモジュールの一部が積層配置されることを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項5記載の基板処理装置において、
前記第1温調器は前記複数のモジュールのうちの前記第2温調器以外のモジュールと積層され、
前記第2温調器は前記複数のモジュールのうちの前記第1温調器以外のモジュールと積層されることを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求項5記載の基板処理装置において、
前記インターフェース部にて1枚の基板を搬送する間の
前記第1搬送ロボット、前記第2搬送ロボット、前記第3搬送ロボットおよび前記第4搬送ロボットのそれぞれのアクセス数は4以下であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項
7のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記前処理部は、基板に対してレジストを塗布する塗布部を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
請求項1から請求項
8のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記後処理部は、露光処理後の基板に対して現像処理を行う現像部を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項10】
基板に対して露光処理の前工程の処理を行うとともに、露光処理の後工程の処理を行う基板処理方法であって、
前記前工程の処理を実行する前処理部および前記後工程の処理を実行する後処理部と第1露光装置および第2露光装置とを接続するインターフェース部にて、前記前工程の処理が施された基板を前記第1露光装置および/または前記第2露光装置に搬送するとともに、露光処理が施された基板を前記後処理部に搬送する搬送工程を備え、
前記インターフェース部は、基板を搬送する搬送機構および複数のモジュールを備え、
前記搬送機構は、前記前処理部から搬送された基板を取り出す第1搬送ロボットと、前記後処理部に基板を搬出する第2搬送ロボットと、前記第1露光装置に対して基板の受け渡しを行う第3搬送ロボットと、前記第2露光装置に対して基板の受け渡しを行う第4搬送ロボットと、を有し、
前記複数のモジュールは、前記第1露光装置に搬送される基板を温調する第1温調器および前記第2露光装置に搬送される基板を温調する第2温調器を含み、
前記搬送工程では、
前記前工程の処理が施された複数の基板のそれぞれを前記第1露光装置および前記第2露光装置の双方に順次に搬送する第1搬送モード、または、
前記前工程の処理が施された複数の基板を交互に前記第1露光装置または前記第2露光装置に搬送する第2搬送モード、
が選択され
、
前記第1搬送モードでは、前記第1搬送ロボット、前記第1温調器、前記第3搬送ロボット、前記第2温調器、前記第4搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順に基板が搬送され、
前記第2搬送モードでは、前記第1搬送ロボット、前記第1温調器、前記第3搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順、または、前記第1搬送ロボット、前記第2温調器、前記第4搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順に基板が搬送されることを特徴とする基板処理方法。
【請求項11】
請求項
10記載の基板処理方法において、
前記第2搬送モードが選択されたときには、前記インターフェース部に設けられた第1バッファにて露光処理前の基板を前記第1露光装置または前記第2露光装置のいずれに搬送するかを振り分けるために当該基板を一時的に収納することを特徴とする基板処理方法。
【請求項12】
請求項
11記載の基板処理方法において、
前記第2搬送モードが選択されたときには、前記インターフェース部に設けられた第2バッファにて前記第1露光装置にて露光処理が施された基板と前記第2露光装置にて露光処理が施された基板とが交互に前記後工程に送られるように露光処理後の基板を一時的に収納することを特徴とする基板処理方法。
【請求項13】
基板に対して露光処理の前工程の処理を行うとともに、露光処理の後工程の処理を行う基板処理方法であって、
前記前工程の処理を実行する前処理部および前記後工程の処理を実行する後処理部と第1露光装置および第2露光装置とを接続するインターフェース部にて、前記前工程の処理が施された複数の基板のそれぞれを前記第1露光装置および前記第2露光装置の双方に順次に搬送
し、
前記インターフェース部は、基板を搬送する搬送機構および複数のモジュールを備え、
前記搬送機構は、前記前処理部から搬送された基板を取り出す第1搬送ロボットと、前記後処理部に基板を搬出する第2搬送ロボットと、前記第1露光装置に対して基板の受け渡しを行う第3搬送ロボットと、前記第2露光装置に対して基板の受け渡しを行う第4搬送ロボットと、を有し、
前記複数のモジュールは、前記第1露光装置に搬送される基板を温調する第1温調器および前記第2露光装置に搬送される基板を温調する第2温調器を含み、
前記第1搬送ロボット、前記第1温調器、前記第3搬送ロボット、前記第2温調器、前記第4搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順に基板を搬送することを特徴とする基板処理方法。
【請求項14】
請求項9から請求項
13のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記前工程は、基板に対してレジストを塗布する工程を含むことを特徴とする基板処理方法。
【請求項15】
請求項9から請求項
14のいずれかに記載の基板処理方法において、
前記後工程は、露光処理後の基板に対して現像処理を行う工程を含むことを特徴とする基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に対して露光処理の前工程の処理を行うとともに、露光処理の後工程の処理を行う基板処理装置および基板処理方法に関する。処理対象となる基板には、例えば、液晶表示装置用ガラス基板、有機EL表示用ガラス基板、PDP用ガラス基板またはフォトマスク用ガラス基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の基板を収容するカセットを載置する載置台と搬送装置とを有する装置(インデクサ装置ともいう)から搬入された基板を対象として、フォトレジストの塗布膜の形成処理、減圧乾燥処理、加熱乾燥処理、露光装置への搬出、露光装置からの搬入、露光後のフォトレジスト膜の現像処理、リンス処理、および乾燥処理等を順に行い、インデクサ装置に基板を搬出する基板処理装置が知られている(例えば、特許文献1,2等)。
【0003】
特許文献1,2に開示される基板処理装置では、比較的タクトタイムの長い露光装置での律速を避けるために、基板処理装置に対して2台の露光装置を接続している。露光装置が2台設けられていれば、一方の露光装置が処理中であっても空いている他方の露光装置にて基板の露光処理をおこなうことができ、基板処理装置に露光前の基板が滞留するのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-24643号公報
【文献】特開2006-24642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、2台の露光装置を接続するに際しては、基板処理装置のユーザ側の運用の都合により、同じ処理を行う2台の露光装置(同じマスクを搭載)を接続する場合と、異なる処理を行う2台の露光装置(異なるマスクを搭載)を接続する場合とがあり得る。よって、様々な複数露光装置の接続状況に対応できるように、露光装置への搬出入を行うインターフェース部において柔軟な搬送を行えることが求められる。
【0006】
また、近年、露光装置の性能が向上しており、露光装置におけるタクトタイムが短縮される傾向にある。これにともなって、インターフェース部に配置された搬送ロボットが行う動作回数(アクセス数)も減少させなければならない。そうすると、インターフェース部に配置する搬送ロボットの数を増加させる必要が生じる。しかし、搬送ロボットの数を増加させると、基板処理装置の全長が長くなるという問題が発生する。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の露光装置に対して柔軟な搬送を行うことができる基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板に対して露光処理の前工程の処理を行うとともに、露光処理の後工程の処理を行う基板処理装置において、前記前工程の処理を実行する前処理部と、前記後工程の処理を実行する後処理部と、前記前処理部および前記後処理部と第1露光装置および第2露光装置とを接続し、基板を搬送する搬送機構および複数のモジュールを備えるインターフェース部と、前記搬送機構を制御する制御部と、を備え、前記搬送機構は、前記前処理部から搬送された基板を取り出す第1搬送ロボットと、前記後処理部に基板を搬出する第2搬送ロボットと、前記第1露光装置に対して基板の受け渡しを行う第3搬送ロボットと、前記第2露光装置に対して基板の受け渡しを行う第4搬送ロボットと、を有し、前記複数のモジュールは、前記第1露光装置に搬送される基板を温調する第1温調器および前記第2露光装置に搬送される基板を温調する第2温調器を含み、前記制御部は、前記前工程の処理が施された複数の基板のそれぞれを前記第1露光装置および前記第2露光装置の双方に順次に搬送するように前記搬送機構を制御する第1搬送モード、または、前記前工程の処理が施された複数の基板を交互に前記第1露光装置または前記第2露光装置に搬送するように前記搬送機構を制御する第2搬送モード、を選択し、前記第1搬送モードでは、前記第1搬送ロボット、前記第1温調器、前記第3搬送ロボット、前記第2温調器、前記第4搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順に基板が搬送され、前記第2搬送モードでは、前記第1搬送ロボット、前記第1温調器、前記第3搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順、または、前記第1搬送ロボット、前記第2温調器、前記第4搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順に基板が搬送されることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る基板処理装置において、前記複数のモジュールは、前記制御部が前記第2搬送モードを選択したときに、露光処理前の基板を一時的に収納するとともに、当該基板を前記第1露光装置または前記第2露光装置のいずれに搬送するかを振り分けるための第1バッファを含むことを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項2の発明に係る基板処理装置において、前記複数のモジュールは、前記制御部が前記第2搬送モードを選択したときに、前記第1露光装置にて露光処理が施された基板と前記第2露光装置にて露光処理が施された基板とが交互に前記後工程に送られるように露光処理後の基板を一時的に収納する第2バッファを含むことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、基板に対して露光処理の前工程の処理を行うとともに、露光処理の後工程の処理を行う基板処理装置において、前記前工程の処理を実行する前処理部と、前記後工程の処理を実行する後処理部と、前記前処理部および前記後処理部と第1露光装置および第2露光装置とを接続し、基板を搬送する搬送機構および複数のモジュールを備えるインターフェース部と、前記搬送機構を制御する制御部と、を備え、前記搬送機構は、前記前処理部から搬送された基板を取り出す第1搬送ロボットと、前記後処理部に基板を搬出する第2搬送ロボットと、前記第1露光装置に対して基板の受け渡しを行う第3搬送ロボットと、前記第2露光装置に対して基板の受け渡しを行う第4搬送ロボットと、を有し、前記複数のモジュールは、前記第1露光装置に搬送される基板を温調する第1温調器および前記第2露光装置に搬送される基板を温調する第2温調器を含み、前記制御部は、前記第1搬送ロボット、前記第1温調器、前記第3搬送ロボット、前記第2温調器、前記第4搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順に基板を搬送して、前記前工程の処理が施された複数の基板のそれぞれを前記第1露光装置および前記第2露光装置の双方に順次に搬送するように前記搬送機構を制御することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明に係る基板処理装置において、前記インターフェース部には、前記複数のモジュールの一部が積層配置されることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項5の発明に係る基板処理装置において、前記第1温調器は前記複数のモジュールのうちの前記第2温調器以外のモジュールと積層され、前記第2温調器は前記複数のモジュールのうちの前記第1温調器以外のモジュールと積層されることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項5の発明に係る基板処理装置において、前記インターフェース部にて1枚の基板を搬送する間の前記第1搬送ロボット、前記第2搬送ロボット、前記第3搬送ロボットおよび前記第4搬送ロボットのそれぞれのアクセス数は4以下であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれかの発明に係る基板処理装置において、前記前処理部は、基板に対してレジストを塗布する塗布部を含むことを特徴とする。
【0015】
また、請求項9の発明は、請求項1から請求項8のいずれかの発明に係る基板処理装置において、前記後処理部は、露光処理後の基板に対して現像処理を行う現像部を含むことを特徴とする。
【0016】
また、請求項10の発明は、基板に対して露光処理の前工程の処理を行うとともに、露光処理の後工程の処理を行う基板処理方法において、前記前工程の処理を実行する前処理部および前記後工程の処理を実行する後処理部と第1露光装置および第2露光装置とを接続するインターフェース部にて、前記前工程の処理が施された基板を前記第1露光装置および/または前記第2露光装置に搬送するとともに、露光処理が施された基板を前記後処理部に搬送する搬送工程を備え、前記インターフェース部は、基板を搬送する搬送機構および複数のモジュールを備え、前記搬送機構は、前記前処理部から搬送された基板を取り出す第1搬送ロボットと、前記後処理部に基板を搬出する第2搬送ロボットと、前記第1露光装置に対して基板の受け渡しを行う第3搬送ロボットと、前記第2露光装置に対して基板の受け渡しを行う第4搬送ロボットと、を有し、前記複数のモジュールは、前記第1露光装置に搬送される基板を温調する第1温調器および前記第2露光装置に搬送される基板を温調する第2温調器を含み、前記搬送工程では、前記前工程の処理が施された複数の基板のそれぞれを前記第1露光装置および前記第2露光装置の双方に順次に搬送する第1搬送モード、または、前記前工程の処理が施された複数の基板を交互に前記第1露光装置または前記第2露光装置に搬送する第2搬送モード、が選択され、前記第1搬送モードでは、前記第1搬送ロボット、前記第1温調器、前記第3搬送ロボット、前記第2温調器、前記第4搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順に基板が搬送され、前記第2搬送モードでは、前記第1搬送ロボット、前記第1温調器、前記第3搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順、または、前記第1搬送ロボット、前記第2温調器、前記第4搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順に基板が搬送されることを特徴とする。
【0017】
また、請求項11の発明は、請求項10の発明に係る基板処理方法において、前記第2搬送モードが選択されたときには、前記インターフェース部に設けられた第1バッファにて露光処理前の基板を前記第1露光装置または前記第2露光装置のいずれに搬送するかを振り分けるために当該基板を一時的に収納することを特徴とする。
【0018】
また、請求項12の発明は、請求項11の発明に係る基板処理方法において、前記第2搬送モードが選択されたときには、前記インターフェース部に設けられた第2バッファにて前記第1露光装置にて露光処理が施された基板と前記第2露光装置にて露光処理が施された基板とが交互に前記後工程に送られるように露光処理後の基板を一時的に収納することを特徴とする。
【0019】
また、請求項13の発明は、基板に対して露光処理の前工程の処理を行うとともに、露光処理の後工程の処理を行う基板処理方法において、前記前工程の処理を実行する前処理部および前記後工程の処理を実行する後処理部と第1露光装置および第2露光装置とを接続するインターフェース部にて、前記前工程の処理が施された複数の基板のそれぞれを前記第1露光装置および前記第2露光装置の双方に順次に搬送し、前記インターフェース部は、基板を搬送する搬送機構および複数のモジュールを備え、前記搬送機構は、前記前処理部から搬送された基板を取り出す第1搬送ロボットと、前記後処理部に基板を搬出する第2搬送ロボットと、前記第1露光装置に対して基板の受け渡しを行う第3搬送ロボットと、前記第2露光装置に対して基板の受け渡しを行う第4搬送ロボットと、を有し、前記複数のモジュールは、前記第1露光装置に搬送される基板を温調する第1温調器および前記第2露光装置に搬送される基板を温調する第2温調器を含み、前記第1搬送ロボット、前記第1温調器、前記第3搬送ロボット、前記第2温調器、前記第4搬送ロボット、前記第2搬送ロボットの順に基板を搬送することを特徴とする。
【0020】
また、請求項14の発明は、請求項9から請求項13のいずれかの発明に係る基板処理方法において、前記前工程は、基板に対してレジストを塗布する工程を含むことを特徴とする。
【0021】
また、請求項15の発明は、請求項9から請求項14のいずれかの発明に係る基板処理方法において、前記後工程は、露光処理後の基板に対して現像処理を行う工程を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1~3,5~9の発明によれば、制御部は、前工程の処理が施された複数の基板のそれぞれを第1露光装置および第2露光装置の双方に順次に搬送するように搬送機構を制御する第1搬送モード、または、前工程の処理が施された複数の基板を交互に第1露光装置または第2露光装置に搬送するように搬送機構を制御する第2搬送モード、を選択するため、複数の露光装置に対して柔軟な搬送を行うことができる。
【0023】
請求項4~9の発明によれば、制御部は、前工程の処理が施された複数の基板のそれぞれを第1露光装置および第2露光装置の双方に順次に搬送するように搬送機構を制御するため、複数の露光装置に対して柔軟な搬送を行うことができる。
【0024】
特に、請求項5の発明によれば、インターフェース部には、複数のモジュールの一部が積層配置されるため、インターフェース部の設置スペースを小さくして基板処理装置の全長が長くなるのを抑制することができる。
【0025】
請求項10~12,14,15の発明によれば、搬送工程では、前工程の処理が施された複数の基板のそれぞれを第1露光装置および第2露光装置の双方に順次に搬送する第1搬送モード、または、前工程の処理が施された複数の基板を交互に第1露光装置または第2露光装置に搬送する第2搬送モード、が選択されるため、複数の露光装置に対して柔軟な搬送を行うことができる。
【0026】
請求項13~15の発明によれば、前工程の処理が施された複数の基板のそれぞれを第1露光装置および第2露光装置の双方に順次に搬送するため、複数の露光装置に対して柔軟な搬送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】基板処理装置の全体構成の一例を示す概略図である。
【
図3】第1実施形態のインターフェース部の構成を示す図である。
【
図4】モジュールの積層配置の一例を示す図である。
【
図5】第1実施形態にて連続処理モードが選択されたときの基板の搬送経路を示す図である。
【
図6】第1実施形態にて連続処理モードが選択されたときの基板の搬送手順を示す図である。
【
図7】第1実施形態にて連続処理モードが選択されたときの基板の搬送手順を示す図である。
【
図8】第1実施形態にて連続処理モードが選択されたときの基板の搬送手順を示す図である。
【
図9】第1実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板を第1露光装置に搬送する搬送経路を示す図である。
【
図10】第1実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板を第1露光装置に搬送する搬送手順を示す図である。
【
図11】第1実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板を第1露光装置に搬送する搬送手順を示す図である。
【
図12】第1実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板を第2露光装置に搬送する搬送経路を示す図である。
【
図13】第1実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板を第2露光装置に搬送する搬送手順を示す図である。
【
図14】第1実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板を第2露光装置に搬送する搬送手順を示す図である。
【
図15】第2実施形態のインターフェース部の構成を示す図である。
【
図16】第2実施形態にて連続処理モードが選択されたときの基板の搬送経路を示す図である。
【
図17】第2実施形態にて連続処理モードが選択されたときの基板の搬送手順を示す図である。
【
図18】第2実施形態にて連続処理モードが選択されたときの基板の搬送手順を示す図である。
【
図19】第2実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板を第1露光装置に搬送する搬送経路を示す図である。
【
図20】第2実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板を第1露光装置に搬送する搬送手順を示す図である。
【
図21】第2実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板を第1露光装置に搬送する搬送手順を示す図である。
【
図22】第2実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板を第2露光装置に搬送する搬送経路を示す図である。
【
図23】第2実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板を第2露光装置に搬送する搬送手順を示す図である。
【
図24】第2実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板を第2露光装置に搬送する搬送手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下において、相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば、「一方向に」、「一方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」、「同軸」、など)は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。また、等しい状態であることを示す表現(例えば、「同一」、「等しい」、「均質」、など)は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。また、形状を示す表現(例えば、「円形状」、「四角形状」、「円筒形状」、など)は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲の形状を表すものとし、例えば凹凸または面取りなどを有していてもよい。また、構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、「有する」、といった各表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。また、「A、BおよびCのうちの少なくとも一つ」という表現には、「Aのみ」、「Bのみ」、「Cのみ」、「A、BおよびCのうち任意の2つ」、「A、BおよびCの全て」が含まれる。
【0029】
<第1実施形態>
図1は、基板処理装置1の全体構成の一例を示す概略図である。基板処理装置1は、基板Gに対して露光処理の前工程の処理を行うとともに、露光処理の後工程の処理を行う装置である。露光処理の前工程の処理には、例えば、洗浄、処理液の塗布、処理液の乾燥、および、加熱による塗布膜の形成などが含まれる。一方、露光処理の後工程の処理には、現像、現像後の加熱による乾燥、および、冷却などが含まれる。処理対象となる基板Gは、例えば、平板状のガラス基板である。基板Gは、第1主面としての第1面(上面ともいう)と、この第1面とは逆の第2主面としての第2面(下面ともいう)と、を有する。なお、
図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
【0030】
基板処理装置1の一端側にはインデクサ装置2が接続されるとともに他端側には第1露光装置3aおよび第2露光装置3bが接続される。すなわち、本実施形態においては、1ラインの基板処理装置1に対して2台の露光装置3a,3bが接続されている。なお、第1露光装置3aと第2露光装置3bとを特に区別しない場合には単に露光装置3と総称する。
【0031】
基板処理装置1は、露光処理の前工程の処理を行う前処理部11と、露光処理の後工程の処理を行う後処理部12と、インターフェース部20と、を備える。基板処理装置1全体での基板Gの搬送経路において、前処理部11は、インデクサ装置2からインターフェース部20に至る往路部分をなす。一方、後処理部12は、インターフェース部20からインデクサ装置2に至る復路部分をなす。
【0032】
インデクサ装置2は、複数の基板Gを収容するカセットが載置される載置台と、基板Gを移載する移載機構と、を有する。移載機構としては、例えば、載置台上のカセットと前処理部11および後処理部12との間で基板Gを移載する移載ロボットが適用される。移載機構は、載置台上のカセットから未処理の基板Gを取り出して前処理部11に渡す。また、移載機構は、後処理部12から処理後の基板Gを受け取ってカセットに収納する。
【0033】
前処理部11は、複数の処理部として、洗浄部111、塗布部112、減圧乾燥部113およびプリベーク部114を有する。前処理部11の各処理部は、上記の処理部の記載順に配置されている。基板Gは、搬送ロボットもしくはコンベア等によって、
図1に2点鎖線で描かれた矢印で示されるように、処理の進行に従って、各処理部へ上記の記載順に搬送される。
【0034】
洗浄部111は、インデクサ装置2から搬入された基板Gに洗浄処理を施す。洗浄処理には、例えば、微細なパーティクルをはじめ、有機汚染、金属汚染、油脂および自然酸化膜等を除去する処理が含まれる。洗浄部111では、例えば、紫外光の照射による基板Gの表面に付着した有機物の除去、脱イオン水等の洗浄液の供給とブラシ等の洗浄部材とによる基板Gの表面の洗浄、ならびにブロワー等による基板Gの乾燥が行われる。ブロワー等による基板Gの乾燥には、例えば、エアナイフによる基板G上からの洗浄液の除去等が含まれる。
【0035】
塗布部112は、洗浄部111で洗浄された基板G上に処理液を塗布する。塗布部112には、例えば、スリットコータが適用される。スリットコータは、処理液を吐出口から吐出するスリットノズルを、基板Gに対して相対的に移動させることで、基板G上に処理液の塗布することができる。ここで、塗布部112では、基板G上に処理液が塗布されるエリア(塗布エリアともいう)において、浮上式の搬送機構によって上下面が水平方向に沿った姿勢(水平姿勢ともいう)の基板Gが水平方向に沿って搬送される。浮上式の搬送機構は、例えば、基板Gのうちの基板Gの搬送方向(基板搬送方向ともいう)に垂直な幅方向の両端部分を下方から支持もしくは保持し、基板Gに向けて下方から圧縮空気を吹き付けることで上下面が水平方向に沿った状態にある基板Gを保持しつつ、基板Gを水平方向に移動させる。塗布部112では、例えば、塗布エリアの上流側に位置している部分(入側部分ともいう)および塗布エリアの下流側に位置している部分(出側部分ともいう)のそれぞれにおいて、コンベアによって基板Gが搬送される。コンベアは、基板Gの基板搬送方向に沿って並んだ複数のローラを駆動機構(不図示)によって回転させることで、水平姿勢の基板Gを水平方向に移動させる。塗布部112には、その他の塗布方式の塗布装置が適用されてもよい。
【0036】
塗布部112が塗布する処理液には、例えば、レジスト液またはポリイミド前駆体と溶媒とを含む液(PI液ともいう)等の塗布用の液(塗布液ともいう)が適用される。ポリイミド前駆体には、例えば、ポリアミド酸(ポリアミック酸)等が適用される。溶媒には、例えば、NMP(N-メチル-2-ピロリドン:N-Methyl-2-Pyrrolidone)が適用される。
【0037】
減圧乾燥部113は、基板G上に塗布された処理液を減圧によって乾燥させる処理(減圧乾燥処理ともいう)を行う。ここでは、基板Gの表面に塗布された処理液の溶媒が減圧によって気化(蒸発)させられることで、基板Gが乾燥される。
【0038】
プリベーク部114は、減圧乾燥部113で乾燥された基板Gを加熱し、基板Gの表面上で、処理液に含まれる成分を固化させる。これにより、基板G上に処理液に係る膜が形成される。例えば、処理液がレジストである場合には、レジストの塗膜に熱処理が施されることで、レジスト膜が形成される。例えば、処理液がポリイミド前駆体である場合には、ポリイミド前駆体の塗膜に熱処理が施されることで、ポリイミド前駆体のイミド化によってポリイミド膜が形成される。プリベーク部114は、単一の基板Gを加熱する枚葉方式の加熱処理部であってもよいし、複数の基板Gを一括して加熱するバッチ方式の加熱処理部であってもよい。ここで、減圧乾燥部113における減圧乾燥処理のタクトタイムと、プリベーク部114における加熱処理のタクトタイムと、が大きく相違しており、プリベーク部114が枚葉方式の加熱処理部を有する場合が想定される。この場合には、プリベーク部114は、例えば、並列して加熱処理を行う複数台の枚葉式の加熱処理部を有していても良い。複数台の加熱処理部は、例えば、上下に積層された状態で配置される。
【0039】
インターフェース部20は、前処理部11および後処理部12と第1露光装置3aおよび第2露光装置3bとを接続する。インターフェース部20は、前処理部11から受け取った基板Gを第1露光装置3aおよび/または第2露光装置3bに搬送する。また、インターフェース部20は、第1露光装置3aおよび/または第2露光装置3bから受け取った露光後の基板Gを後処理部12に搬送する。インターフェース部20は、基板Gを搬送する搬送機構および複数のモジュールを備えているが、インターフェース部20の詳細な構成についてはさらに後述する。
【0040】
第1露光装置3aおよび第2露光装置3bは、前処理部11において基板G上に形成された処理液に係る膜に対して、露光処理を行う。具体的には、露光装置3は、例えば、回路パターンが描画されたマスクを通して遠紫外線等の特定の波長の光を照射し、処理液に係る膜にパターンを転写する。露光装置3は、例えば、周辺露光部およびタイトラーを含んでいても良い。周辺露光部は、基板G上の処理液に係る膜の周縁部を除去するための露光処理を行う部分である。タイトラー部は、例えば、基板Gに所定の情報を書き込む部分である。
【0041】
後処理部12は、複数の処理部として、現像部121、ポストベーク部122および冷却部123を有する。後処理部12の各処理部は、上記の処理部の記載順に配置されている。基板Gは、搬送ロボット等によって、
図1に2点鎖線で描かれた矢印で示されるように、処理の進行に従って、各処理部へ上記の記載順に搬送される。
【0042】
現像部121は、前処理部11で形成された処理液に係る膜に現像処理を施す。現像処理には、例えば、処理液に係る膜を現像する処理、現像液を洗い流す処理、および基板Gを乾燥させる処理が含まれる。現像部121では、例えば、露光装置3でパターンが露光された基板G上の処理液に係る膜を現像液に浸す処理、基板G上の現像液を脱イオン水等の洗浄液で洗い流す処理、ならびにブロワー等によって基板Gを乾燥させる処理が行われる。ブロワー等による基板Gの乾燥には、例えば、エアナイフによる基板G上からの洗浄液の除去等が含まれる。
【0043】
ポストベーク部122は、基板Gを加熱し、現像部121において基板Gに付着した洗浄液を気化させることで、基板Gを乾燥させる。
【0044】
冷却部123は、ポストベーク部122で加熱された基板Gを冷却する。冷却部123には、例えば、コンベアによって基板Gを搬送しながら基板Gを空冷する構成、あるいは基板Gを棚状の部分に載置して空気等のガスの吹き付けによって基板Gを冷却する構成等が適用される。冷却部123で冷却された基板Gは、インデクサ装置2によって後処理部12から基板処理装置1の外部へ搬出される。
【0045】
基板処理装置1の各部の動作は、制御部90によって制御される。
図2は、制御部90の構成を示すブロック図である。制御部90のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部90は、各種演算処理を行う回路であるCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく記憶部94(例えば、磁気ディスク)を備えている。制御部90のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって基板処理装置1における処理が進行する。
【0046】
制御部90の記憶部94には、基板Gを処理する手順および条件を定めた処理レシピ95が記憶されている。処理レシピ95は、例えば、装置のオペレータが、後述する入力部92を介して入力して記憶部94に記憶させることによって、基板処理装置1に取得される。或いは、複数の基板処理装置1を管理するホストコンピュータから基板処理装置1に処理レシピ95が通信により引き渡されて記憶部94に記憶されても良い。
【0047】
制御部90には、後述するインターフェース部20に設けられた搬送ロボット等の要素が電気的に接続されている。制御部90は、例えば処理レシピ95の内容に従って、当該搬送ロボット等を制御する。
【0048】
また、制御部90には、表示部93および入力部92が接続されている。表示部93および入力部92は、基板処理装置1のユーザーインターフェースとして機能する。制御部90は、表示部93に種々の情報を表示する。基板処理装置1のオペレータは、表示部93に表示された情報を確認しつつ、入力部92から種々のコマンドやパラメータを入力することができる。入力部92としては、例えばキーボードやマウスを用いることができる。表示部93としては、例えば液晶ディスプレイを用いることができる。本実施形態においては、表示部93および入力部92として、基板処理装置1の外壁に設けられた液晶のタッチパネルを採用して双方の機能を併せ持たせるようにしている。
【0049】
図3は、第1実施形態のインターフェース部20の構成を示す図である。インターフェース部20は、基板Gを搬送する搬送機構および複数のモジュールを備える。第1実施形態のインターフェース部20は、搬送機構として、5つの搬送ロボット(第1搬送ロボット31,第2搬送ロボット32,第3搬送ロボット33,第4搬送ロボット34,第5搬送ロボット35)、2つのコンベア37,38、および、ターンテーブル付きコンベア36を有する。
【0050】
第1搬送ロボット31、第2搬送ロボット32、第3搬送ロボット33、第4搬送ロボット34および第5搬送ロボット35のそれぞれは、基板Gを保持するハンドを前後に進退移動させることができるとともに、旋回動作および昇降動作が可能とされている。これにより、第1搬送ロボット31、第2搬送ロボット32、第3搬送ロボット33、第4搬送ロボット34および第5搬送ロボット35のそれぞれは、周囲のモジュールに対して基板Gの受け渡しを行うことができる。
【0051】
コンベア37,38は、例えば、複数のローラを備え、それらのローラに基板Gを支持した状態で複数のローラの少なくとも一部を回転させることによって基板Gを一方向に搬送する。ターンテーブル付きコンベア36は、コンベア37,38と同様の要素に基板Gの向きを水平面内で90°回動させる機構を付加したものである。なお、コンベア37とコンベア38とを一体のコンベア機構として構成するようにしても良い。
【0052】
また、インターフェース部20は、モジュールとして、クーリングプレート51、エッジ露光機52、第1バッファ53、第2バッファ54、第1温調器55、第2温調器56、2つのパス57,58、および、ターンテーブル59を有する。モジュールは、インターフェース部20に設けられた要素のうち基板Gを搬送する機能を有さないものと言える。
【0053】
クーリングプレート51は、例えば冷却水循環機構またはペルチェ素子等の冷却機構を備えたプレートである。昇温された基板Gがクーリングプレート51に載置されることによって、当該基板Gが冷却される。エッジ露光機52は、レジスト膜等が形成された基板Gの周縁部に光を照射することによって当該周縁部を露光する。
【0054】
第1バッファ53は、1枚の基板Gを収納可能な棚を多段に積層して備える。第2バッファ54も第1バッファ53と同様の構成を有する。よって、第1バッファ53および第2バッファ54のそれぞれは、1枚以上の基板Gを収容することができる。
【0055】
第1温調器55は、所定温度に温調された気体を基板Gに供給して基板Gを温調する。第2温調器56は、第1温調器55と同様の構成を有する。第1温調器55および第2温調器56は、例えば、基板Gをクリーンルームにおける標準温度である23℃に温調する。
【0056】
パス57,58は、それぞれ1枚の基板Gを載置することができる。パス57,58のそれぞれは、2つの搬送ロボットの間で基板Gを受け渡すための要素である。ターンテーブル59は、基板Gの向きを水平面内で90°回動させる要素である。
【0057】
インターフェース部20に設けられた複数のモジュールのうち、第1温調器55とパス57とは鉛直方向に沿って2段に積層配置されている。
図4は、モジュールの積層配置の一例を示す図である。積層構造において、上段に第1温調器55が配置されるとともに、下段にパス57が配置される。第1温調器55は、送風ユニット61および載置台62を備える。載置台62は、1枚の基板Gを載置することができる。送風ユニット61は、載置台62に載置された基板Gに向けて、例えば23℃に温調された気体を吹き付ける。第1温調器55には、第3搬送ロボット33がハンドを出し入れするための開口63が設けられている。なお、第1温調器55には、
図4の紙面に垂直な方向に沿って手前側に第2搬送ロボット32がハンドを出し入れするための開口も設けられている。
【0058】
パス57は、載置台64を備える。載置台64は、1枚の基板Gを載置することができる。パス57には、第1搬送ロボット31がハンドを出し入れするための開口65が設けられるとともに、第3搬送ロボット33がハンドを出し入れするための開口66が設けられている。
【0059】
図3に戻り、パス58と第2バッファ54も鉛直方向に沿って2段に積層配置されている。上段にパス58が配置されるとともに、下段に第2バッファ54が配置される。さらに、第2温調器56とターンテーブル59も鉛直方向に沿って2段に積層配置されている。上段に第2温調器56が配置されるとともに、下段にターンテーブル59が配置される。
【0060】
図3に示すように、第1搬送ロボット31の周囲には、クーリングプレート51、第1バッファ53および第1温調器55とパス57との積層構造が配置されている。第1搬送ロボット31は、クーリングプレート51、第1バッファ53およびパス57に対して基板Gの受け渡しを行う。第1搬送ロボット31は、第1バッファ53に形設されている複数の棚のうちの任意の棚に対して基板Gの受け渡しを行うことができる。
【0061】
第2搬送ロボット32の周囲には、第1温調器55とパス57との積層構造およびターンテーブル付きコンベア36が配置されている。第2搬送ロボット32は、第1温調器55、ターンテーブル付きコンベア36および第1露光装置3aに対して基板Gの受け渡しを行う。すなわち、第2搬送ロボット32は、第1露光装置3aに対する基板Gの受け渡しを担当する。
【0062】
第3搬送ロボット33の周囲には、第1温調器55とパス57との積層構造、パス58と第2バッファ54との積層構造およびエッジ露光機52が配置されている。第3搬送ロボット33は、第1温調器55、パス57、パス58、第2バッファ54およびエッジ露光機52に対して基板Gの受け渡しを行う。
【0063】
第4搬送ロボット34の周囲には、パス58と第2バッファ54との積層構造、第2温調器56とターンテーブル59との積層構造およびコンベア38が配置されている。第4搬送ロボット34は、パス58、第2バッファ54、第2温調器56、ターンテーブル59およびコンベア38に対して基板Gの受け渡しを行う。
【0064】
第5搬送ロボット35の周囲には、第2温調器56とターンテーブル59との積層構造が配置されている。第5搬送ロボット35は、第2温調器56、ターンテーブル59および第2露光装置3bに対して基板Gの受け渡しを行う。すなわち、第5搬送ロボット35は、第2露光装置3bに対する基板Gの受け渡しを担当する。
【0065】
次に、基板処理装置1における基板Gの処理手順について説明する。まず、基板処理装置1の全体における基板Gの処理の流れについて簡単に説明する。
【0066】
インデクサ装置2は、カセットに収納されている未処理の基板Gを取り出して前処理部11の洗浄部111に投入する。洗浄部111は、例えば洗浄液を供給して基板Gの表面洗浄を行うとともに、洗浄後に洗浄液を乾燥させる。洗浄部111にて洗浄された基板Gは塗布部112に搬送される。本実施形態では、塗布部112は、洗浄後の清浄な基板Gの表面にレジスト液を塗布する。
【0067】
レジスト液が塗布された基板Gは塗布部112から減圧乾燥部113に搬送される。減圧乾燥部113は、基板Gに塗布されたレジスト液を減圧雰囲気下にて乾燥させる。その後さらに、基板Gは減圧乾燥部113からプリベーク部114に搬送される。プリベーク部114は、基板Gを加熱して基板Gの表面にレジスト膜を焼成する。
【0068】
前処理部11にてレジスト膜が成膜された基板Gは、インターフェース部20にて第1露光装置3aおよび/または第2露光装置3bに搬送されて露光処理に供される。露光処理後の基板Gは、インターフェース部20にて後処理部12に搬送される。インターフェース部20における基板Gの搬送についてはさらに詳述する。
【0069】
後処理部12の現像部121は、露光処理後の基板Gに現像液を供給してレジスト膜の現像処理を行う。また、現像部121は、基板G上から現像液を洗い流すとともに、基板Gを乾燥させる処理も行う。
【0070】
現像処理後の基板Gは現像部121からポストベーク部122に搬送される。ポストベーク部122は、基板Gを加熱して基板G上に残留している現像液や洗浄液を蒸発除去する。その後、基板Gはポストベーク部122から冷却部123に搬送される。冷却部123は、ポストベーク部122で加熱されて昇温している基板Gを冷却する。冷却部123で冷却された基板Gは、インデクサ装置2に戻され、インデクサ装置2によってカセットに収容される。
【0071】
インターフェース部20における基板Gの搬送について説明を続ける。第1実施形態においては、インターフェース部20における基板Gの搬送形態として、複数の基板Gのそれぞれを第1露光装置3aおよび第2露光装置3bの双方に順次に搬送する連続処理モード(第1搬送モード)と、複数の基板Gを交互に第1露光装置3aまたは第2露光装置3bに搬送する交互処理モード(第2搬送モード)と、が用意されている。
【0072】
制御部90は、連続処理モードまたは交互処理モードのいずれかを選択する。具体的には、装置のオペレータが入力部92から連続処理モードまたは交互処理モードを指定することによって制御部90がモード選択するようにすれば良い。或いは、処理レシピ95(
図2)の記述に従って制御部90がモード選択するようにしても良い。さらには、上位のホストコンピュータ等からの指示に従って制御部90がモード選択するようにしても良い。連続処理モードは、第1露光装置3aと第2露光装置3bとが異なる種類のマスクを使用して同一の基板Gに露光処理を行う場合に採用される。一方、交互処理モードは、第1露光装置3aと第2露光装置3bとが同じ種類のマスクを使用して高スループットで露光処理を行う場合に採用される。
【0073】
まず、制御部90によって連続処理モードが選択されたときの基板Gの搬送について説明する。
図5は、第1実施形態にて連続処理モードが選択されたときの基板Gの搬送経路を示す図である。
図6から
図8は、第1実施形態にて連続処理モードが選択されたときの基板Gの搬送手順を示す図である。以下に説明する基板Gの搬送は、制御部90がインターフェース部20の搬送機構を制御することによって実現される。
【0074】
前処理部11のプリベーク部114にて加熱されて昇温していた基板Gは最初にクーリングプレート51に搬入されて冷却される。第1搬送ロボット31は、クーリングプレート51から冷却された基板Gを取り出して第1バッファ53に搬入する。そして、第1搬送ロボット31は、第1バッファ53から基板Gを搬出し、その基板Gを下段のパス57に搬入する。
【0075】
連続処理モードでは、第1バッファ53は、第1露光装置3aおよび第2露光装置3bのタクトタイムのゆらぎを吸収する役割を担う。第1露光装置3aおよび第2露光装置3bのタクトタイムは必ずしも一定ではない。例えば、第1露光装置3aおよび第2露光装置3bは不定期に自己メンテナンスを行うことがあり、そのようなときにはタクトタイムが長くなることがある。第1露光装置3aおよび第2露光装置3bのタクトタイムが長くなったときに、前処理部11にてレジスト膜が成膜された基板Gを一時的に第1バッファ53に貯留しておくことにより、前処理部11での処理が停滞するのを防いでいるのである。
【0076】
第3搬送ロボット33は、パス57から取り出した基板Gを第1温調器55に搬入する。第1温調器55は、露光処理直前の基板Gを所定温度(例えば23℃)に正確に温調する。温調された基板Gは、第2搬送ロボット32によって第1温調器55から搬出されて第1露光装置3aに搬入される。
【0077】
第1露光装置3aは、基板Gに対して露光処理を行ってレジスト膜にパターンを転写する。露光処理後の基板Gは、第2搬送ロボット32によって第1露光装置3aから搬出されてターンテーブル付きコンベア36に搬入される。
【0078】
ターンテーブル付きコンベア36は、必要に応じて基板Gの向きを水平面内で90°回動させる。第1露光装置3aから搬出された基板Gの向きは一定ではない。このため、ターンテーブル付きコンベア36は、基板Gの向きが一定となるように調整するのである。
【0079】
基板Gはターンテーブル付きコンベア36からコンベア37,38の順に搬送される。そして、第4搬送ロボット34がコンベア38に到達した基板Gを受け取って第2温調器56に搬入する。第2温調器56は、2回目の露光処理直前の基板Gを所定温度に正確に温調する。温調された基板Gは、第5搬送ロボット35によって第2温調器56から搬出されて第2露光装置3bに搬入される。
【0080】
第2露光装置3bは、第1露光装置3aとは異なるマスクを使用して基板Gに対して露光処理を行ってレジスト膜にパターンを転写する。すなわち、連続処理モードでは、基板Gに異なるパターンが重ねて転写されるのである。露光処理後の基板Gは、第5搬送ロボット35によって第2露光装置3bから搬出されてターンテーブル59に搬入される。
【0081】
ターンテーブル59は、必要に応じて基板Gの向きを水平面内で90°回動させる。上記の第1露光装置3aと同様に、第2露光装置3bから搬出された基板Gの向きも一定ではない。このため、ターンテーブル59は、基板Gの向きが一定となるように調整するのである。
【0082】
第4搬送ロボット34は、ターンテーブル59から基板Gを搬出し、その基板Gを第2バッファ54に搬入する。続いて、第3搬送ロボット33が第2バッファ54から基板Gを搬出する。連続処理モードでは、全ての基板Gが同一の経路に沿って搬送されるため、第2バッファ54は単に第4搬送ロボット34から第3搬送ロボット33に基板Gを受け渡すためのパスとして機能する。よって、連続処理モードでは、第2バッファ54に代えて上段のパス58を使用するようにしても良い。
【0083】
第3搬送ロボット33は、第2バッファ54から取り出した基板Gをエッジ露光機52に搬入する。エッジ露光機52は、基板Gの周縁部に露光処理を行う。その後、基板Gは後処理部12の現像部121に搬出される。
【0084】
以上のように、連続処理モードが選択されたときには、全ての基板Gが同一の搬送経路および手順に従って搬送される。そして、連続処理モードでは、レジスト膜が成膜された複数の基板Gのそれぞれが第1露光装置3aおよび第2露光装置3bの双方に順次に搬送されて2回の露光処理に供されることとなる。
【0085】
次に、制御部90によって交互処理モードが選択されたときの基板Gの搬送について説明する。複数の基板Gを交互に第1露光装置3aまたは第2露光装置3bに搬送する交互処理モードでは、基板Gを第1露光装置3aに搬送する経路と第2露光装置3bに搬送する経路とが異なる。そこで、まずは基板Gを第1露光装置3aに搬送する経路について説明する。
図9は、第1実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板Gを第1露光装置3aに搬送する搬送経路を示す図である。
図10および
図11は、第1実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板Gを第1露光装置3aに搬送する搬送手順を示す図である。連続処理モードと同様に、交互処理モードの基板Gの搬送も、制御部90がインターフェース部20の搬送機構を制御することによって実現される。
【0086】
前処理部11のプリベーク部114にて加熱されて昇温していた基板Gは最初にクーリングプレート51に搬入されて冷却される。第1搬送ロボット31は、クーリングプレート51から冷却された基板Gを取り出して第1バッファ53に搬入する。そして、第1搬送ロボット31は、第1バッファ53から基板Gを搬出し、その基板Gを下段のパス57に搬入する。
【0087】
交互処理モードでは、第1バッファ53は、第1露光装置3aおよび第2露光装置3bのタクトタイムのゆらぎを吸収するだけでなく、基板Gを第1露光装置3aまたは第2露光装置3bのいずれに搬送するかを振り分ける役割を担う。具体的には、第1搬送ロボット31が基板Gを第1バッファ53の棚に載置したときに、制御部90が当該基板Gを第1露光装置3aまたは第2露光装置3bのいずれに搬送するかについてソフトウェア上で関連づけを行う。例えば、基板Gを第1露光装置3aに搬送する場合には、制御部90がソフトウェア上で当該基板Gと第1露光装置3aとを関連付ける。そして、第1バッファ53にて載置された基板Gを第1露光装置3aまたは第2露光装置3bのいずれに搬送するかを振り分けることにより、当該基板Gのその後の搬送経路が確定される。
【0088】
第3搬送ロボット33は、パス57から取り出した基板Gを第1温調器55に搬入する。第1温調器55は、露光処理直前の基板Gを所定温度に正確に温調する。温調された基板Gは、第2搬送ロボット32によって第1温調器55から搬出されて第1露光装置3aに搬入される。
【0089】
第1露光装置3aは、基板Gに対して露光処理を行ってレジスト膜にパターンを転写する。露光処理後の基板Gは、第2搬送ロボット32によって第1露光装置3aから搬出されてターンテーブル付きコンベア36に搬入される。
【0090】
ターンテーブル付きコンベア36は、必要に応じて基板Gの向きを水平面内で90°回動させる。そして、基板Gはターンテーブル付きコンベア36からコンベア37,38の順に搬送される。
【0091】
第4搬送ロボット34は、コンベア38に到達した基板Gを受け取って第2バッファ54に搬入する。続いて、第3搬送ロボット33が第2バッファ54から基板Gを搬出する。第3搬送ロボット33は、第2バッファ54から取り出した基板Gをエッジ露光機52に搬入する。エッジ露光機52は、基板Gの周縁部に露光処理を行う。その後、基板Gは後処理部12の現像部121に搬出される。
【0092】
続いて、基板Gを第2露光装置3bに搬送する経路について説明する。
図12は、第1実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板Gを第2露光装置3bに搬送する搬送経路を示す図である。
図13および
図14は、第1実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板Gを第2露光装置3bに搬送する搬送手順を示す図である。
【0093】
前処理部11のプリベーク部114にて加熱されて昇温していた基板Gは最初にクーリングプレート51に搬入されて冷却される。第1搬送ロボット31は、クーリングプレート51から冷却された基板Gを取り出して第1バッファ53に搬入する。基板Gが第1バッファ53に搬入されたときに、基板Gを第2露光装置3bに搬送する場合には、制御部90がソフトウェア上で当該基板Gと第2露光装置3bとを関連付ける。そして、第1搬送ロボット31は、第1バッファ53から基板Gを搬出し、その基板Gを下段のパス57に搬入する。
【0094】
第3搬送ロボット33は、パス57から取り出した基板Gをパス58に搬入する。第4搬送ロボット34は、パス58から取り出した基板Gを第2温調器56に搬入する。第2温調器56は、露光処理直前の基板Gを所定温度に正確に温調する。温調された基板Gは、第5搬送ロボット35によって第2温調器56から搬出されて第2露光装置3bに搬入される。
【0095】
第2露光装置3bは、基板Gに対して露光処理を行ってレジスト膜にパターンを転写する。露光処理後の基板Gは、第5搬送ロボット35によって第2露光装置3bから搬出されてターンテーブル59に搬入される。
【0096】
ターンテーブル59は、必要に応じて基板Gの向きを水平面内で90°回動させる。そして、第4搬送ロボット34は、ターンテーブル59から基板Gを搬出し、その基板Gを第2バッファ54に搬入する。続いて、第3搬送ロボット33が第2バッファ54から基板Gを搬出する。
【0097】
交互処理モードでは、基板Gを第1露光装置3aに搬送する搬送経路(
図9)と第2露光装置3bに搬送する搬送経路(
図12)とが異なる。このため、順次に前処理部11から搬送されてくる複数の基板Gを交互に第1露光装置3aと第2露光装置3bとに搬送したとしても、第1露光装置3aで処理された基板Gと第2露光装置3bで処理された基板Gとの間で追い越しが生じることがある。そうすると、後処理部12に第1露光装置3aで処理された基板Gが2枚連続して搬出される、または、第2露光装置3bで処理された基板Gが2枚連続して搬出されるという現象が生じるおそれがある。このため、交互処理モードでは、第1露光装置3aにて露光処理が施された基板Gと第2露光装置3bにて露光処理が施された基板Gとが交互に後処理部12に搬出されるように第2バッファ54が露光処理後の基板Gを一時的に収納しているのである。第2バッファ54では、追い越しが生じないように、第1露光装置3aにて露光処理が施された基板Gまたは第2露光装置3bにて露光処理が施された基板Gを一時的に待機させる。
【0098】
第3搬送ロボット33は、第2バッファ54から取り出した基板Gをエッジ露光機52に搬入する。エッジ露光機52は、基板Gの周縁部に露光処理を行う。その後、基板Gは後処理部12の現像部121に搬出される。
【0099】
以上のように、交互処理モードが選択されたときには、複数の基板Gが交互に異なる搬送経路および手順に従って搬送される。交互処理モードでは、レジスト膜が成膜された複数の基板Gのそれぞれが第1露光装置3aまたは第2露光装置3bにて1回の露光処理に供されることとなる。第1露光装置3aおよび第2露光装置3bが同じマスクを使用している場合には、全ての基板Gに同一の露光処理が施されることとなる。この場合、1台の露光装置を設けているときに比較して露光処理に要するタクトタイムを約半分にすることができる。
【0100】
第1実施形態においては、基板Gを搬送するモードとして連続処理モードと交互処理モードとが用意されており、制御部90は適宜にそれらのうちからいずれかを選択する。連続処理モードでは、第1露光装置3aおよび第2露光装置3bが異なるマスクを使用して基板Gに異なるパターンを重ねて転写することになるため、例えば異なるサイズのパネルを生産するのに好適である。一方、交互処理モードでは、露光処理に要するタクトタイムを短くすることができるため、露光処理による搬送律速を防ぐのに有効である。制御部90が処理目的に応じて適宜に連続処理モードまたは交互処理モードからいずれかを選択するため、複数の露光装置に対して柔軟な基板搬送を行うことができる。
【0101】
また、第1実施形態では、インターフェース部20に多数のモジュールを設けているものの、複数のモジュールの一部を積層配置している。これにより、インターフェース部20の設置スペースを小さくすることができ、基板処理装置1の全長が過度に長くなるのを抑制することができる。
【0102】
さらに、複数のモジュールの一部を積層配置することによって、搬送ロボットの台数が増加するのを抑制することもできる。搬送ロボットの台数を少なくすることによっても、インターフェース部20の設置スペースを小さくして基板処理装置1の全長が長くなるのを抑制することができる。
【0103】
また、
図5、
図9および
図12において、矢印は各搬送ロボットによる1回の基板Gの受け渡しを示している。よって、1つの搬送ロボットの周囲に描かれている矢印の数は、インターフェース部20にて1枚の基板Gを搬送する間の当該搬送ロボットのアクセス数である。
図5、
図9および
図12に示すように、連続処理モードおよび交互処理モードのいずれにおいても、全ての搬送ロボット(第1搬送ロボット31~第5搬送ロボット35)について、インターフェース部20にて1枚の基板Gを搬送する間のそれぞれの搬送ロボットのアクセス数は4以下である。このため、性能向上によりタクトタイムが短くなった露光装置にも対応することが可能となる。
【0104】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態では、インターフェース部の構成およびインターフェース部における基板搬送の形態が第1実施形態と異なる。インターフェース部を除く第2実施形態の基板処理装置の残余の構成は第1実施形態と同じである。また、基板処理装置における第2実施形態の基板処理の内容も第1実施形態と概ね同様である。
【0105】
図15は、第2実施形態のインターフェース部220の構成を示す図である。同図において、第1実施形態(
図3)と同一の要素については同一の符号を付している。第2実施形態のインターフェース部220も、基板Gを搬送する搬送機構および複数のモジュールを備える。第2実施形態のインターフェース部
220は、搬送機構として、6つの搬送ロボット(第1搬送ロボット31,第2搬送ロボット32,第3搬送ロボット33,第4搬送ロボット34,第5搬送ロボット35、第6搬送ロボット36)を有する。
【0106】
第1搬送ロボット31、第2搬送ロボット32、第3搬送ロボット33、第4搬送ロボット34、第5搬送ロボット35および第6搬送ロボット36のそれぞれは、第1実施形態の搬送ロボットと同様のものである。よって、第1搬送ロボット31、第2搬送ロボット32、第3搬送ロボット33、第4搬送ロボット34、第5搬送ロボット35および第6搬送ロボット36のそれぞれは、周囲のモジュールに対して基板Gの受け渡しを行うことができる。
【0107】
また、インターフェース部220は、モジュールとして、クーリングプレート51、エッジ露光機52、第1バッファ53、第2バッファ54、第1温調器55、第2温調器56、2つのパス57,58、および、ターンテーブル59,60を有する。これらの各モジュールは、第1実施形態と同一の要素である。
【0108】
第2実施形態のインターフェース部220も、第1実施形態のインターフェース部20と概ね同様の要素(搬送ロボットおよびモジュール)を備えている。但し、
図15に示すように、第2実施形態のインターフェース部220においては、各要素のレイアウトが第1実施形態とは相違する。第1実施形態では2つの露光装置が横並びであったのに対して、第2実施形態では第1露光装置3aと第2露光装置3bとが離間している。それに伴って、インターフェース部220の各要素のレイアウトも第1実施形態とは異なるものとなっている。第2実施形態のインターフェース部220の如きレイアウトは、例えば複数の基板処理装置を工場内で並列配置するときに、前処理部11の外側に第1露光装置3aを配置する場合などに好適である。より詳細には、ある基板処理装置の前処理部11とその隣の基板処理装置の後処理部12との間のスペースに第1露光装置3aを配置する場合などに好適である。
【0109】
インターフェース部220に設けられた複数のモジュールのうち、第1温調器55とターンテーブル60とが鉛直方向に沿って2段に積層配置されている。積層構造において、上段に第1温調器55が配置されるとともに、下段にターンテーブル60が配置される。また、パス57と第1バッファ53も鉛直方向に沿って2段に積層配置されている。上段にパス57が配置されるとともに、下段に第1バッファ53が配置される。さらに、第2温調器56とパス58も鉛直方向に沿って2段に積層配置されている。上段に第2温調器56が配置されるとともに、下段にパス58が配置される。すなわち、第2実施形態においても、インターフェース部220に設けられた複数のモジュールの一部が積層配置されている。
【0110】
図15に示すように、第2実施形態のインターフェース部220のレイアウトにおいては、第1搬送ロボット31の周囲に、クーリングプレート51およびパス57と第1バッファ53との積層構造が配置されている。第1搬送ロボット31は、クーリングプレート51および第1バッファ53に対して基板Gの受け渡しを行う。
【0111】
第2搬送ロボット32の周囲には、第1温調器55とターンテーブル60との積層構造およびパス57と第1バッファ53との積層構造が配置されている。第2搬送ロボット32は、第1温調器55、ターンテーブル60、パス57および第1バッファ53に対して基板Gの受け渡しを行う。
【0112】
第3搬送ロボット33の周囲には、第1温調器55とターンテーブル60との積層構造が配置されている。第3搬送ロボット33は、第1温調器55、ターンテーブル60および第1露光装置3aに対して基板Gの受け渡しを行う。すなわち、第3搬送ロボット33が第1露光装置3aに対する基板Gの受け渡しを担当する。
【0113】
第4搬送ロボット34の周囲には、パス57と第1バッファ53との積層構造および第2温調器56とパス58との積層構造が配置されている。第4搬送ロボット34は、パス57、第1バッファ53、第2温調器56およびパス58に対して基板Gの受け渡しを行う。
【0114】
第5搬送ロボット35の周囲には、第2温調器56とパス58との積層構造およびターンテーブル59が配置されている。第5搬送ロボット35は、第2温調器56、パス58、ターンテーブル59および第2露光装置3bに対して基板Gの受け渡しを行う。すなわち、第5搬送ロボット35が第2露光装置3bに対する基板Gの受け渡しを担当する。
【0115】
第6搬送ロボット36の周囲には、ターンテーブル59、第2バッファ54およびエッジ露光機52が配置されている。第6搬送ロボット36は、ターンテーブル59、第2バッファ54およびエッジ露光機52に対して基板Gの受け渡しを行う。
【0116】
次に、第2実施形態のインターフェース部220における基板Gの搬送について説明する。第2実施形態においても、インターフェース部220における基板Gの搬送形態として、複数の基板Gのそれぞれを第1露光装置3aおよび第2露光装置3bの双方に順次に搬送する連続処理モード(第1搬送モード)と、複数の基板Gを交互に第1露光装置3aまたは第2露光装置3bに搬送する交互処理モード(第2搬送モード)と、が用意されている。そして、第1実施形態と同様に、制御部90が連続処理モードまたは交互処理モードのいずれかを選択する。
【0117】
図16は、第2実施形態にて連続処理モードが選択されたときの基板Gの搬送経路を示す図である。
図17および
図18は、第2実施形態にて連続処理モードが選択されたときの基板Gの搬送手順を示す図である。以下に説明する基板Gの搬送は、制御部90がインターフェース部220の搬送機構を制御することによって実現される。
【0118】
前処理部11のプリベーク部114にて加熱されて昇温していた基板Gは最初にクーリングプレート51に搬入されて冷却される。第1搬送ロボット31は、クーリングプレート51から冷却された基板Gを取り出して第1バッファ53に搬入する。第1実施形態と同じく、連続処理モードでは、第1バッファ53は、第1露光装置3aおよび第2露光装置3bのタクトタイムのゆらぎを吸収する役割を担う。
【0119】
第2搬送ロボット32は、第1バッファ53から基板Gを取り出し、その基板Gを第1温調器55に搬入する。第1温調器55は、露光処理直前の基板Gを所定温度に正確に温調する。温調された基板Gは、第3搬送ロボット33によって第1温調器55から搬出されて第1露光装置3aに搬入される。
【0120】
第1露光装置3aは、基板Gに対して露光処理を行ってレジスト膜にパターンを転写する。露光処理後の基板Gは、第3搬送ロボット33によって第1露光装置3aから搬出されてターンテーブル60に搬入される。
【0121】
ターンテーブル60は、必要に応じて基板Gの向きを水平面内で90°回動させる。第2搬送ロボット32は、ターンテーブル60から基板Gを搬出し、その基板Gをパス57に搬入する。続いて、第4搬送ロボット34がパス57から基板Gを取り出し、その基板Gを第2温調器56に搬入する。第2温調器56は、2回目の露光処理直前の基板Gを所定温度に正確に温調する。温調された基板Gは、第5搬送ロボット35によって第2温調器56から搬出されて第2露光装置3bに搬入される。
【0122】
第2露光装置3bは、第1露光装置3aとは異なるマスクを使用して基板Gに対して露光処理を行ってレジスト膜にパターンを転写する。露光処理後の基板Gは、第5搬送ロボット35によって第2露光装置3bから搬出されてターンテーブル59に搬入される。
【0123】
ターンテーブル59は、必要に応じて基板Gの向きを水平面内で90°回動させる。そして、第6搬送ロボット36がターンテーブル59から基板Gを搬出し、その基板Gをエッジ露光機52に搬入する。エッジ露光機52は、基板Gの周縁部に露光処理を行う。その後、基板Gは後処理部12の現像部121に搬出される。
【0124】
以上のように、第2実施形態においても、連続処理モードが選択されたときには、全ての基板Gが同一の搬送経路および手順に従って搬送される。そして、連続処理モードでは、レジスト膜が成膜された複数の基板Gのそれぞれが第1露光装置3aおよび第2露光装置3bの双方に順次に搬送されて2回の露光処理に供されることとなる。
【0125】
次に、複数の基板Gを交互に第1露光装置3aまたは第2露光装置3bに搬送する交互処理モードでは、基板Gを第1露光装置3aに搬送する経路と第2露光装置3bに搬送する経路とが異なる。
図19は、第2実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板Gを第1露光装置3aに搬送する搬送経路を示す図である。
図20および
図21は、第2実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板Gを第1露光装置3aに搬送する搬送手順を示す図である。連続処理モードと同様に、交互処理モードの基板Gの搬送も、制御部90がインターフェース部220の搬送機構を制御することによって実現される。
【0126】
前処理部11のプリベーク部114にて加熱されて昇温していた基板Gは最初にクーリングプレート51に搬入されて冷却される。第1搬送ロボット31は、クーリングプレート51から冷却された基板Gを取り出して第1バッファ53に搬入する。
【0127】
交互処理モードでは、第1バッファ53は、第1露光装置3aおよび第2露光装置3bのタクトタイムのゆらぎを吸収するだけでなく、基板Gを第1露光装置3aまたは第2露光装置3bのいずれに搬送するかを振り分ける役割を担う。具体的には、第1搬送ロボット31が基板Gを第1バッファ53の棚に載置したときに、制御部90が当該基板Gを第1露光装置3aまたは第2露光装置3bのいずれに搬送するかについてソフトウェア上で関連づけを行う。例えば、基板Gを第1露光装置3aに搬送する場合には、制御部90がソフトウェア上で当該基板Gと第1露光装置3aとを関連付ける。そして、第1バッファ53にて載置された基板Gを第1露光装置3aまたは第2露光装置3bのいずれに搬送するかを振り分けることにより、当該基板Gのその後の搬送経路が確定される。
【0128】
第2搬送ロボット32は、第1バッファ53から基板Gを取り出し、その基板Gを第1温調器55に搬入する。第1温調器55は、露光処理直前の基板Gを所定温度に正確に温調する。温調された基板Gは、第3搬送ロボット33によって第1温調器55から搬出されて第1露光装置3aに搬入される。
【0129】
第1露光装置3aは、基板Gに対して露光処理を行ってレジスト膜にパターンを転写する。露光処理後の基板Gは、第3搬送ロボット33によって第1露光装置3aから搬出されてターンテーブル60に搬入される。
【0130】
ターンテーブル60は、必要に応じて基板Gの向きを水平面内で90°回動させる。第2搬送ロボット32は、ターンテーブル60から基板Gを搬出し、その基板Gをパス57に搬入する。続いて、第4搬送ロボット34がパス57から基板Gを取り出し、その基板Gをパス58に搬入する。さらに、第5搬送ロボット35がパス58から基板Gを取り出し、その基板Gをターンテーブル59に搬入する。第1露光装置3aによって露光処理が行われた基板Gはターンテーブル60によって向きが調整済みであるため、ターンテーブル59は基板Gの向き調整は行わない。
【0131】
第6搬送ロボット36は、ターンテーブル59に到達した基板Gを受け取って第2バッファ54に搬入する。第6搬送ロボット36は、第2バッファ54から基板Gを搬出し、その基板Gをエッジ露光機52に搬入する。エッジ露光機52は、基板Gの周縁部に露光処理を行う。その後、基板Gは後処理部12の現像部121に搬出される。
【0132】
一方、
図22は、第2実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板Gを第2露光装置3bに搬送する搬送経路を示す図である。
図23および
図24は、第2実施形態にて交互処理モードが選択されたときに基板Gを第2露光装置3bに搬送する搬送手順を示す図である。
【0133】
前処理部11のプリベーク部114にて加熱されて昇温していた基板Gは最初にクーリングプレート51に搬入されて冷却される。第1搬送ロボット31は、クーリングプレート51から冷却された基板Gを取り出して第1バッファ53に搬入する。基板Gが第1バッファ53に搬入されたときに、基板Gを第2露光装置3bに搬送する場合には、制御部90がソフトウェア上で当該基板Gと第2露光装置3bとを関連付ける。そして、ここでは、第4搬送ロボット34が第1バッファ53から基板Gを搬出し、その基板Gを第2温調器56に搬入する。
【0134】
第2温調器56は、露光処理直前の基板Gを所定温度に正確に温調する。温調された基板Gは、第5搬送ロボット35によって第2温調器56から搬出されて第2露光装置3bに搬入される。
【0135】
第2露光装置3bは、基板Gに対して露光処理を行ってレジスト膜にパターンを転写する。露光処理後の基板Gは、第5搬送ロボット35によって第2露光装置3bから搬出されてターンテーブル59に搬入される。
【0136】
ターンテーブル59は、必要に応じて基板Gの向きを水平面内で90°回動させる。そして、第6搬送ロボット36は、ターンテーブル59から基板Gを搬出し、その基板Gを第2バッファ54に搬入する。続いて、第6搬送ロボット36が第2バッファ54から基板Gを搬出する。
【0137】
交互処理モードでは、基板Gを第1露光装置3aに搬送する搬送経路(
図19)と第2露光装置3bに搬送する搬送経路(
図22)とが異なる。このため、順次に前処理部11から搬送されてくる複数の基板Gを交互に第1露光装置3aと第2露光装置3bとに搬送したとしても、第1露光装置3aで処理された基板Gと第2露光装置3bで処理された基板Gとの間で追い越しが生じることがある。このような追い越しを防止するため、交互処理モードでは、第1露光装置3aにて露光処理が施された基板Gと第2露光装置3bにて露光処理が施された基板Gとが交互に後処理部12に搬出されるように第2バッファ54が露光処理後の基板Gを一時的に収納している。第2バッファ54では、追い越しが生じないように、第1露光装置3aにて露光処理が施された基板Gまたは第2露光装置3bにて露光処理が施された基板Gを一時的に待機させる。なお、基板の追い越しが生じる可能性のない連続処理モードでは、第2バッファ54による調整は不要である。このため、第2実施形態の連続処理モードでは第2バッファ54を使用していない(
図16参照)。
【0138】
第6搬送ロボット36は、第2バッファ54から取り出した基板Gをエッジ露光機52に搬入する。エッジ露光機52は、基板Gの周縁部に露光処理を行う。その後、基板Gは後処理部12の現像部121に搬出される。
【0139】
以上のように、第2実施形態においても、交互処理モードが選択されたときには、複数の基板Gが交互に異なる搬送経路および手順に従って搬送される。交互処理モードでは、レジスト膜が成膜された複数の基板Gのそれぞれが第1露光装置3aまたは第2露光装置3bにて1回の露光処理に供されることとなる。第1露光装置3aおよび第2露光装置3bが同じマスクを使用している場合には、全ての基板Gに同一の露光処理が施されることとなる。この場合、1台の露光装置を設けているときに比較して露光処理に要するタクトタイムを約半分にすることができる。
【0140】
第2実施形態においては、第1実施形態と同様に、基板Gを搬送するモードとして連続処理モードと交互処理モードとが用意されており、制御部90は適宜にそれらのうちからいずれかを選択する。連続処理モードでは、第1露光装置3aおよび第2露光装置3bが異なるマスクを使用して基板Gに異なるパターンを重ねて転写することになるため、例えば異なるサイズのパネルを生産するのに好適である。一方、交互処理モードでは、露光処理に要するタクトタイムを短くすることができるため、露光処理による搬送律速を防ぐのに有効である。制御部90が処理目的に応じて適宜に連続処理モードまたは交互処理モードからいずれかを選択するため、複数の露光装置に対して柔軟な基板搬送を行うことができる。
【0141】
また、第2実施形態では、インターフェース部220に設けられた複数のモジュールの一部を積層配置している。これにより、インターフェース部220の設置スペースを小さくすることができ、基板処理装置1の全長が過度に長くなるのを抑制することができる。
【0142】
さらに、複数のモジュールの一部を積層配置することによって、搬送ロボットの台数が増加するのを抑制することもできる。搬送ロボットの台数を少なくすることによっても、インターフェース部220の設置スペースを小さくして基板処理装置1の全長が長くなるのを抑制することができる。
【0143】
また、
図16、
図19および
図22において、矢印は各搬送ロボットによる1回の基板Gの受け渡しを示している。よって、1つの搬送ロボットの周囲に描かれている矢印の数は、インターフェース部220にて1枚の基板Gを搬送する間の当該搬送ロボットのアクセス数である。
図16、
図19および
図22に示すように、連続処理モードおよび交互処理モードのいずれにおいても、全ての搬送ロボット(第1搬送ロボット31~第6搬送ロボット36)について、インターフェース部220にて1枚の基板Gを搬送する間のそれぞれの搬送ロボットのアクセス数は4以下である。このため、性能向上によりタクトタイムが短くなった露光装置にも対応することが可能となる。
【0144】
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、インターフェース部における搬送機構およびモジュールのレイアウトは第1実施形態(
図3)および第2実施形態(
図15)に示した例に限定されるものではない。インターフェース部には、複数の搬送ロボットおよび複数のモジュールが配置されていれば良い。それら複数のモジュールには、基板Gを第1露光装置3aまたは第2露光装置3bのいずれに搬送するかを振り分けるバッファが含まれていることが好ましい。また、省スペースのため、複数のモジュールの一部が積層配置されているのが好ましい。インターフェース部のレイアウトは、第1露光装置3aおよび第2露光装置3bの設置位置に応じて適宜に変更すれば良い。
【0145】
また、上記各実施形態においては、連続処理モードまたは交互処理モードが選択可能とされていたが、第1露光装置3aのみまたは第2露光装置3bのみに連続して基板Gを搬送するようにしても良い。このようにすれば、複数の露光装置に対してより柔軟な基板搬送を行うことができる。
【0146】
また、上記各実施形態においては、インターフェース部に設けられた複数のモジュールの一部を2段に積層配置していたが、これを3段以上に積層配置するようにしても良い。積層段数を多くするほど、インターフェース部の設置スペースをより小さくすることができる。なお、積層構造の高さを搬送ロボットの可動範囲内に収まるようにすることはもちろんである。
【0147】
また、前処理部11および後処理部12の構成も第1実施形態および第2実施形態の例に限定されるものではない。例えば、冷却部123とインデクサ装置2との間に、検査部等が配置されていても良い。検査部は、例えば、カメラ等の光学的な部材を用いて基板Gの検査を行うユニットである。また、例えば、洗浄部111と塗布部112との間に、デハイドベーク部が配置されていても良い。デハイドベーク部は、洗浄後の基板Gを加熱して水分を除去するユニットである。或いは、ポストベーク部122および冷却部123が省略されてもよい。
【0148】
また、処理対象の基板Gとして、ガラス基板とは異なる、半導体ウェハー、カラーフィルタ用基板、記録ディスク用基板または太陽電池用基板等の他の精密電子装置用の基板が採用されてもよい。
【0149】
さらに、上記各実施形態において、基板処理装置1に、インデクサ装置2が含まれていてもよいし、第1露光装置3aおよび第2露光装置3bが含まれていても良い。
【符号の説明】
【0150】
1 基板処理装置
2 インデクサ装置
3a 第1露光装置
3b 第2露光装置
11 前処理部
12 後処理部
20,220 インターフェース部
31 第1搬送ロボット
32 第2搬送ロボット
33 第3搬送ロボット
34 第4搬送ロボット
35 第5搬送ロボット
36 第6搬送ロボット
51 クーリングプレート
52 エッジ露光機
53 第1バッファ
54 第2バッファ
55 第1温調器
56 第2温調器
90 制御部
111 洗浄部
112 塗布部
113 減圧乾燥部
114 プリベーク部
121 現像部
122 ポストベーク部
123 冷却部
G 基板