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▶ フイルメニツヒ ソシエテ アノニムの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】抗微生物組成物
(51)【国際特許分類】
   A01N 31/02 20060101AFI20231219BHJP
   A01N 35/04 20060101ALI20231219BHJP
   A01N 43/08 20060101ALI20231219BHJP
   A01N 43/30 20060101ALI20231219BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20231219BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20231219BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20231219BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20231219BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20231219BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20231219BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20231219BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20231219BHJP
   C11B 9/00 20060101ALI20231219BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20231219BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20231219BHJP
   D06M 13/144 20060101ALI20231219BHJP
   D06M 13/165 20060101ALI20231219BHJP
   D06M 13/352 20060101ALI20231219BHJP
   A01N 31/08 20060101ALN20231219BHJP
   A01N 35/10 20060101ALN20231219BHJP
   A01N 43/40 20060101ALN20231219BHJP
   A01N 43/90 20060101ALN20231219BHJP
   A61K 8/31 20060101ALN20231219BHJP
   A61K 8/40 20060101ALN20231219BHJP
   A61K 31/015 20060101ALN20231219BHJP
   A61K 31/045 20060101ALN20231219BHJP
   A61K 31/05 20060101ALN20231219BHJP
   A61K 31/11 20060101ALN20231219BHJP
   A61K 31/15 20060101ALN20231219BHJP
   A61K 31/36 20060101ALN20231219BHJP
   A61K 31/365 20060101ALN20231219BHJP
   A61K 31/4406 20060101ALN20231219BHJP
   A61P 17/00 20060101ALN20231219BHJP
   A61P 43/00 20060101ALN20231219BHJP
【FI】
A01N31/02
A01N35/04
A01N43/08 H
A01N43/30
A01P3/00
A61K8/34
A61K8/35
A61K8/49
A61Q13/00 101
A61Q15/00
A61Q19/00
A61Q19/10
C11B9/00 C
C11B9/00 D
C11B9/00 K
C11B9/00 W
C11D3/48
C11D3/50
D06M13/144
D06M13/165
D06M13/352
A01N31/08
A01N35/10
A01N43/40 101A
A01N43/90 101
A61K8/31
A61K8/40
A61K31/015
A61K31/045
A61K31/05
A61K31/11
A61K31/15
A61K31/36
A61K31/365
A61K31/4406
A61P17/00 101
A61P43/00 121
C11B9/00 B
【請求項の数】 3
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022055989
(22)【出願日】2022-03-30
(62)【分割の表示】P 2019506189の分割
【原出願日】2017-08-04
(65)【公開番号】P2022088563
(43)【公開日】2022-06-14
【審査請求日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】62/371,462
(32)【優先日】2016-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16186681.9
(32)【優先日】2016-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】モニカ バンデラ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス オレーリー
(72)【発明者】
【氏名】ゲアリー マー
【審査官】鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-254099(JP,A)
【文献】特表2003-510343(JP,A)
【文献】特表2009-506082(JP,A)
【文献】特開昭57-197276(JP,A)
【文献】特表2012-508291(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0257974(US,A1)
【文献】特表2016-522275(JP,A)
【文献】特開2002-226895(JP,A)
【文献】特表2012-505851(JP,A)
【文献】特許第7051813(JP,B2)
【文献】Gopan Raj, et al.,Chemical composition and antimicrobial activity of the leaf oil from Syzygium gardneri Thw,Journal of Essential Oil Research,2008年,Vol.20, No.1,pp.72-74
【文献】S. Siavash Saei-Dehkordi, et al.,Chemical composition and antioxidative activity of Echinophora platyloba DC. Essential oil, and its interlaction with natural antimicrobials against food-borne pathogens and spoilage organisms,Journal of Food Science,2012年,Vol.77, No.11,pp.M631-M637
【文献】Miriam M. Cunico, et al.,Phytochemical and antibacterial evaluation of essential oils from Ottonia martiana Miq. (Piperaceae),Journal of the Brazilian Chemical Society,2007年,Vol.18, No.1,pp.184-188
【文献】MALEK BESBES, et al.,CHEMICAL COMPOSITION AND ANTIMICROBIAL ACTIVITY OF ESSENTIAL OILS FROM SCABIOSA ARENARIA FORSSK: GROWING WILD IN TUNISIA,CHEMISTRY & BIODIVERSITY,2012年04月11日,VOL:9, NR:4,pp.829 -839
【文献】JOSEPH MATHEW, et al.,CHEMICAL COMPOSITION AND ANTIMICROBIAL ACTIVITY OF THE LEAF OIL OF AMOMUM CANNICARPUM (WIGHT) BENTHAM EX BAKER,THE JOURNAL OF ESSENTIAL OIL RESEARCH : JEOR,英国,2006年,VOL:18, NR:1,pp.35-37
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ii)ガンマ-ドデカラクトン及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒド、(iii)(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール及びガンマ-ドデカラクトン、(iv)シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノール及び4-メトキシベンズアルデヒド、又は(v)1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒド及び4-メトキシベンズアルデヒドである成分を含有する組成物であって、
前記成分が、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在し、
前記抗微生物効果が、C.ゼロシース(C. xerosis)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)及び大腸菌(E. coli)からなる群から選択される細菌株の成長の阻害であり、
ガンマ-ドデカラクトンの十分な量が150~600ppmであり、かつ1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドの十分な量が300~600ppmであり、
(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールの十分な量が150~300ppmであり、かつガンマ-ドデカラクトンの十分な量が150~600ppmであり、
シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールの十分な量が600~2400ppmであり、かつ4-メトキシベンズアルデヒドの十分な量が150~300ppmであり、
1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドの十分な量が75~300ppmであり、かつ4-メトキシベンズアルデヒドの十分な量が150~300ppmである、
前記組成物。
【請求項2】
さらに、香料キャリヤー、付香補助成分及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分、並びに任意に少なくとも1つの香料補助剤を含有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
消費者製品として配合される請求項2に記載の組成物であって、消費者製品が、香水、布地ケア製品、ボディケア製品、化粧品調製物、スキンケア製品、エアケア製品又はホームケア製品である、前記組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月5日に出願された米国仮特許出願番号第62/371,462号(U.S. Provisional Patent Application Serial No. 62/371,462)、及び2016年8月31日に出願された欧州特許出願番号第16186681.9号(European Patent Application Serial No. 16186681.9)に対して優先権を主張し、その全記載内容は参照をもってその全体を本明細書に組み込まれたものとする。
【0002】
技術分野
本開示は、抗微生物組成物及び抗菌薬としてのそれらの使用、又は抗微生物活性のある付香組成物及び消費者製品の製造のためのそれらの使用の分野に関する。より詳述すれば、本開示は、(i)3-ネオペンチルピリジン、2-メチルヘキサン-3-オンオキシム、テルピネオール及び2-イソプロピル-5-メチルフェノールからなる群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせてノナ-2,6-ジエン-1-オール、(ii)1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセン、4-メトキシベンズアルデヒド、及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせてガンマ-ドデカラクトン、(iii)(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール及びガンマ-ドデカラクトン、(iv)シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノール及び4-メトキシベンズアルデヒド、並びに(v)1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒド及び4-メトキシベンズアルデヒドからなる群から選択される組成物に関し、前記成分は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在し、かつ抗微生物効果は、黄色ブドウ球菌(S. aureus)(スタフィロコッカス・アウレウス)及び大腸菌(E. coli)(エシェリキア・コリー)からなる群から選択される細菌株の成長の阻害である。
【0003】
背景技術
衛生は、広義の主題であり、その最も完全な意味において、製品、プロセス及び装置に加えて、安全で健康的な環境を生じ、促進するための全ての事情及び慣習、生活習慣、並びに施設を含む。特に、衛生は、健康を維持し、病気の拡大を防ぐために役立つ条件及び慣習をいい、したがって、この健康の保存に関連する具体的な一連の慣習、例えば環境清掃、機器の滅菌、手指衛生、水及び下水処理、又は医療廃棄物の安全な処分を含む。
【0004】
衛生状態を改善するために、抗微生物効果を有する化合物が開発されている。しかしながら、最も最近使用されている殺生物剤、例えばトリクロカルバン及びトリクロサンは、かかる製品が内分泌撹乱化学物質であると疑われるため、消費者又は/及び機関によって疑問視されている。その結果、良好な抗微生物活性を維持しながら、副作用がないか又はより低い副作用を有する抗微生物成分を見出す必要がある。
【0005】
一例として、米国特許番号第7,759,058号(U.S. Patent No. 7,759,058)は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを含む1つ以上の付香成分の少なくとも30質量%を含有する抗微生物組成物を開示している。
【0006】
他の例として、国際特許出願公開番号第WO2005079573号(International Patent Application Publication No. WO2005079573)は、想像通り、感覚刺激効果だけでなく気相で抗真菌活性を提供するフレグランス組成物を報告している。抗真菌組成物は、特に2,6-ノナジエノール及びチモールを含む成分のいくつかのリストから選択される少なくとも2つの付香成分の合計組成物の少なくとも50質量%を含む。しかしながら、これらの技術に従って、大量の付香成分が、抗微生物特性を送達するために要求され、これらの成分を含む最終製品のにおいプロフィールに強く影響し、したがって、抗微生物薬としてそれらの使用を制限する。
【0007】
他の例として、米国特許番号第9,339,477号(U.S. Patent No. 9,339,477)は、パーソナルクリーニング、オーラルケア又は手の表面のクリーニングの適用のための抗微生物組成物を開示している。ここで、チモールを含む組成物がプロペン-2-イル-メチル-シクロヘキサノールを選択し、かつキャリヤーが相乗的抗微生物効果を提供することが見出された。
【0008】
他の例として、米国特許番号第5,453,276号(U.S. Patent No. 5,453,276)は、インドールと、アナカルジン酸、リモネン、ベータ-ピネン、ファルネソール、ベータ-シトロネロール、松脂、ヒノキチオール、ロンギホレン及びベータ-カリオフィレンからなる群から選択される天然に生じる物質とを含む、緑膿菌(P. aeruginosa)(シュードモナス・エルギノーサ)又はアクネ菌(P. acnes)(プロピオニバクテリウム・アクネス)を抑制するための抗微生物組成物を開示している。
【0009】
しかしながら、抗微生物化合物及び組成物の利用可能性にもかかわらず、代替の抗微生物組成物及びかかる組成物における使用に適した活性化合物を見出す継続的な必要性が残っている。任意の特定の理論に限定されることを意図しないが、代替物の利用可能性は、特定の抗微生物化合物に対する微生物抵抗及び/又は非感受性の発生の危険性を減少させうる。
【0010】
したがって、効果的な抗微生物効果のために要求されるより短い接触時間のために組成物の効力を維持又はさらに改善しながら、組成物が添加される製品の全体的な香料プロフィールにほとんど影響を与えない成分を含む、抗微生物効果を有する組成物を提供する必要が未だある。
【0011】
本開示は、抗微生物薬として、(i)3-ネオペンチルピリジン、2-メチルヘキサン-3-オンオキシム、テルピネオール及び2-イソプロピル-5-メチルフェノールからなる群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせてノナ-2,6-ジエン-1-オール、(ii)1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセン、4-メトキシベンズアルデヒド、及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせてガンマ-ドデカラクトン、(iii)(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール及びガンマ-ドデカラクトン、(iv)シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノール及び4-メトキシベンズアルデヒド、並びに(v)1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒド及び4-メトキシベンズアルデヒドからなる群から選択される組成物を使用することによる、前記問題に対する解決法を提供し、その際、前記成分は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在し、かつ抗微生物効果は、黄色ブドウ球菌及び大腸菌からなる群から選択される細菌株の成長の阻害である。本開示の組成物は、有利には、低い濃度で使用することができると同時に驚くべきことに有意な抗微生物効果が観察される。その使用はこれまでに開示も示唆もされていない。
【0012】
要約
一態様において、本開示は、(i)3-ネオペンチルピリジン、2-メチルヘキサン-3-オンオキシム、テルピネオール及び2-イソプロピル-5-メチルフェノールからなる群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせてノナ-2,6-ジエン-1-オール、(ii)1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセン、4-メトキシベンズアルデヒド、及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせてガンマ-ドデカラクトン、(iii)(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール及びガンマ-ドデカラクトン、(iv)シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノール及び4-メトキシベンズアルデヒド、並びに(v)1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒド及び4-メトキシベンズアルデヒドからなる群から選択される成分を含む組成物を提供し、その際、前記成分は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。
【0013】
一態様において、前記組成物は、細菌の成長を阻害することにより抗微生物効果を提供する。一態様において、抗微生物効果は、C.ゼロシース(C. xerosis)(コリネバクテリウム・ゼロシース)、黄色ブドウ球菌及び大腸菌からなる群から選択される細菌株の成長の阻害である。
【0014】
一態様において、本発明は、抗微生物効果を提供するために有効な量で、本開示のいくつかの態様に従った組成物で、微生物を含有する基材を処理することを含む方法を提供する。
【0015】
一態様において、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと、3-ネオペンチルピリジン、テルピネオール及び2-メチルヘキサン-3-オンオキシムからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む。一態様において、ノナ-2,6-ジエン-1-オールの十分な量は75~300ppmであり、3-ネオペンチルピリジンの十分な量は75~150ppmであり、テルピネオールの十分な量は300~600ppmであり、かつ2-メチルヘキサン-3-オンオキシムの十分な量は1000~1200ppmである。
【0016】
一態様において、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと、2-イソプロピル-5-メチルフェノール及び3-ネオペンチルピリジンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む。一態様において、ノナ-2,6-ジエン-1-オールの十分な量は75~300ppmであり、2-イソプロピル-5-メチルフェノールの十分な量は100~200ppmであり、かつ3-ネオペンチルピリジンの十分な量は75~150ppmである。
【0017】
一態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンと、4-メトキシベンズアルデヒド及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む。一態様において、ガンマ-ドデカラクトンの十分な量は150~600ppmであり、4-メトキシベンズアルデヒドの十分な量は300~600ppmであり、かつ1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドの十分な量は300~600ppmである。
【0018】
一態様において、前記組成物は、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールとガンマ-ドデカラクトンとを含む。一態様において、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールの十分な量は150~300ppmであり、かつガンマ-ドデカラクトンの十分な量は150~600ppmである。
【0019】
一態様において、前記組成物は、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む。一態様において、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールの十分な量は600~2400ppmであり、かつ4-メトキシベンズアルデヒドの十分な量は150~300ppmである。
【0020】
一態様において、前記組成物は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む。一態様において、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドの十分な量は75~300ppmであり、かつ4-メトキシベンズアルデヒドの十分な量は150~300ppmである。
【0021】
一態様において、前記組成物は、さらに、香料キャリヤー、付香補助成分及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分、並びに任意に少なくとも1つの香料補助剤を含む。
【0022】
一態様において、前記組成物は、消費者製品として配合され、ここで消費者製品は、香水、布地ケア製品、ボディケア製品、化粧品調製物、スキンケア製品、エアケア製品又はホームケア製品である。一態様において、消費者製品は、ファイン香水、スプラッシュ又はオーデパヒューム、コロン、シェーブローション又はアフターシェーブローション、液体又は固形洗剤、布地用柔軟剤、布地用リフレッシャー、アイロン水、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品、シャンプー、染毛料、カラーケア製品、ヘアシェーピング製品、デンタルケア製品、消毒剤、インティメイトケア製品、ヘアスプレー、バニシングクリーム、デオドラント又は発汗抑制剤、脱毛剤、日焼け用又は日焼け止め製品、爪用製品、皮膚用クレンジング、メイクアップ、着香石鹸、シャワー又はバス用のムース、オイル又はゲル、又はフット/ハンドケア製品、衛生製品、エアフレッシュナー、「すぐに使用できる」粉末状エアフレッシュナー、カビ取り剤、ファーニッシャーケア、ワイプ、皿用洗剤又は硬質表面洗剤、革ケア製品、車ケア製品である。
【0023】
発明の詳細
いくつかの態様において、本開示は、(i)3-ネオペンチルピリジン、2-メチルヘキサン-3-オンオキシム、テルピネオール及び2-イソプロピル-5-メチルフェノールからなる群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせてノナ-2,6-ジエン-1-オール、(ii)1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセン、4-メトキシベンズアルデヒド、及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせてガンマ-ドデカラクトン、(iii)(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール及びガンマ-ドデカラクトン、(iv)シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノール及び4-メトキシベンズアルデヒド、並びに(v)1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒド及び4-メトキシベンズアルデヒドからなる群から選択される成分を含む組成物を提供し、その際、前記成分は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。いくつかの態様において、抗微生物効果は予想外である。
【0024】
いくつかの態様において、前記組成物は、細菌の成長を阻害することにより抗微生物効果を提供する。一態様において、抗微生物効果は、C.ゼロシース、黄色ブドウ球菌及び大腸菌からなる群から選択される細菌株の成長の阻害である。
【0025】
いくつかの態様において、個々の成分は、それ自体、抗微生物効果を呈するが、しかしながら、組成物中で組み合わされる場合に個々の成分について抗微生物効果を提供するために十分な量は、別々に使用される所与の個々の成分の抗微生物効果を提供するために十分な量よりも少ない。
【0026】
いくつかの態様において、抗微生物効果を提供するために十分な量は、組成物の全体のにおいプロフィールに影響を与えない。
【0027】
いくつかの態様において、本開示の組成物又はそれらの使用は、組成物の抗微生物効果が低用量で得られるため、全体の香料プロフィールに影響することなく、他の生物活性成分、例えばトリクロサンの量を減らすことを可能にする。
【0028】
いくつかの態様において、本開示は、(i)3-ネオペンチルピリジン、2-メチルヘキサン-3-オンオキシム、テルピネオール及び2-イソプロピル-5-メチルフェノールからなる群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせてノナ-2,6-ジエン-1-オール、(ii)1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセン、4-メトキシベンズアルデヒド、及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせてガンマ-ドデカラクトン、(iii)(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール及びガンマ-ドデカラクトン、(iv)シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノール及び4-メトキシベンズアルデヒド、並びに(v)1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒド及び4-メトキシベンズアルデヒドからなる群から選択される成分を含む組成物の使用、又は該組成物の使用方法を提供し、その際、前記成分は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。
【0029】
「テルピネオール」に関しては、当該技術分野における通常の意味を有し、すなわちα-テルピネオール、β-テルピネオール、γ-テルピネオール、テルピネン-4-オール、又はそれらの混合物である。代わりに、組成物中に存在するテルピネオールは、α-テルピネオール又はテルピネン-4-オールである。代わりに、組成物中に存在するテルピネオールは、α-テルピネオールである。いくつかの態様において、その化合物は、次の構造:
【化1】
を有する。
【0030】
ノナ-2,6-ジエン-1-オールは、任意のその異性体の1つ又はそれらの混合物の形であってよい。ノナ-2,6-ジエン-1-オールは、2つの炭素-炭素の二重結合を有する。前記化合物のそれぞれの炭素-炭素の二重結合は、互いに独立して、Z配置又はE配置又はそれらの混合物であってよい。明確性の理由から、「前記化合物のそれぞれの炭素-炭素の二重結合は、互いに独立して、Z配置又はE配置又はそれらの混合物であってよい」の表現に関しては、ノナ-2,6-ジエン-1-オールの種々の(E,E)、(E,Z)、(Z,E)及び(Z,Z)異性体を含む物質の組成物も意味する。代わりに、(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オールが使用される。いくつかの態様において、ノナ-2,6-ジエン-1-オールは、次の構造:
【化2】
を有する。
【0031】
成分2-イソプロピル-5-メチルフェノールは、チモール(Thymol)の名前でも公知であり、又は次の構造:
【化3】
を有する化合物である。
【0032】
成分2-メチルヘキサン-3-オンオキシムは、バートキシム(vertoxime)としても公知であり、又は構造:
【化4】
を有する化合物である。
【0033】
成分3-ネオペンチルピリジンは、フルクトピリジンとしても公知であり、又は構造:
【化5】
を有する化合物である。
【0034】
成分2-イソプロピル-5-メチルフェノールは、リモネン、又は分解型Portugalとしても公知である。
【0035】
成分4-メトキシベンズアルデヒドは、アニスアルデヒドとしても公知であり、又は構造:
【化6】
を有する化合物である。
【0036】
成分1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドは、ヘリオトロピンとしても公知であり、又は構造:
【化7】
を有する化合物である。
【0037】
成分(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールは、ゲラニオールとしても公知であり、又は構造:
【化8】
を有する化合物である。
【0038】
成分シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールは、マイヨール(mayol)としても公知であり、又は構造:
【化9】
を有する化合物である。
【0039】
成分ガンマ-ドデカラクトンは、デカール(decal)としても公知であり、又は構造:
【化10】
を有する化合物である。
【0040】
前記態様のいずれか1つに従って、前記組成物は、抗菌薬として使用される。前記組成物が特に有効である細菌の制限のないリストは、大腸菌(Escherichia coli)DSMZ 1103(供給元:DSMZ-Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)DSMZ 1104(供給元:DSMZ-Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)、又はコリネバクテリウム・ゼロシース(Corynebacterium xerosis)ATCC 373(供給元:ATCC-American Type Culture Collection)を含む。
【0041】
「抗微生物薬」という用語に関しては、当該技術分野における通常の意味であり、すなわち微生物を殺すか又はそれらの成長を阻害する作用物質である。
【0042】
いくつかの態様において、本開示は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと、3-ネオペンチルピリジン、テルピネオール及び2-メチルヘキサン-3-オンオキシムからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む抗微生物組成物を提供する。代わりに、いくつかの態様において、本開示は、抗微生物薬としての、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと、3-ネオペンチルピリジン、テルピネオール及び2-メチルヘキサン-3-オンオキシムからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む組成物の使用を提供する。
【0043】
いくつかの態様において、本開示は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと、2-イソプロピル-5-メチルフェノール及び3-ネオペンチルピリジンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む抗微生物組成物を提供する。代わりに、いくつかの態様において、本開示は、抗微生物薬としての、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと、2-イソプロピル-5-メチルフェノール及び3-ネオペンチルピリジンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む組成物の使用を提供する。
【0044】
いくつかの態様において、本開示は、ガンマ-ドデカラクトンと、4-メトキシベンズアルデヒド及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む抗微生物組成物を提供する。代わりに、いくつかの態様において、本開示は、抗微生物薬としての、ガンマ-ドデカラクトンと、4-メトキシベンズアルデヒド及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む組成物の使用を提供する。
【0045】
いくつかの態様において、本開示は、ガンマ-ドデカラクトンと1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセンとを含む抗微生物組成物を提供する。代わりに、いくつかの態様において、本開示は、抗微生物薬としての、ガンマ-ドデカラクトンと1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセンとを含む組成物の使用を提供する。
【0046】
いくつかの態様において、本開示は、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールとガンマ-ドデカラクトンとを含む抗微生物組成物を提供する。代わりに、いくつかの態様において、本開示は、抗微生物薬としての、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールとガンマ-ドデカラクトンとを含む組成物の使用を提供する。
【0047】
いくつかの態様において、本開示は、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む抗微生物組成物を提供する。代わりに、いくつかの態様において、本開示は、抗微生物薬としての、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む組成物の使用を提供する。
【0048】
いくつかの態様において、本開示は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む抗微生物組成物を提供する。代わりに、いくつかの態様において、本開示は、抗微生物薬としての、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む組成物の使用を提供する。
【0049】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを25ppm超の量で、代わりに25ppm~2000ppmの量で、代わりに50ppm~1500ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを50ppm~800ppmの量で、又は200ppm~1500ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを50ppm~500ppmの量で、代わりに50ppm~200ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、75ppm、150ppm、300ppm又は600ppmのノナ-2,6-ジエン-1-オールを含む。
【0050】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと3-ネオペンチルピリジンとを含む。いくつかの態様において、前記組成物は、少なくとも25ppm、代わりに少なくとも75ppmのノナ-2,6-ジエン-1-オールと少なくとも25ppm、代わりに少なくとも75ppmの3-ネオペンチルピリジンとを含む。代わりに、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを25~450ppm、代わりに75~300ppm及び代わりに75~150ppmの量で含み、3-ネオペンチルピリジンを25~450ppm、代わりに75~300ppm及び代わりに75~150ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを25~250ppm、代わりに50~200ppm及び代わりに75~150ppmの量で含み、3-ネオペンチルピリジンを25~125ppm、代わりに50~100ppm及び代わりに65~85ppmの量で含むか、又は前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを25~125ppm、代わりに50~100ppm及び代わりに65~85ppmの量で含み、3-ネオペンチルピリジンを25~250ppm、代わりに50~200ppm及び代わりに75~150ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、75~150ppmの量で(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール及び75ppmの3-ネオペンチルピリジンを含むか、又は前記組成物は、75ppmの(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール及び75~150ppmの量で3-ネオペンチルピリジンを含む。
【0051】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと2-メチルヘキサン-3-オンオキシムとを含む。いくつかの態様において、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを少なくとも400ppm、代わりに少なくとも600ppm含み、2-メチルヘキサン-3-オンオキシムを少なくとも100ppm、代わりに少なくとも150ppm含むか、又はノナ-2,6-ジエン-1-オールを少なくとも200ppm、代わりに少なくとも300ppm含み、2-メチルヘキサン-3-オンオキシムを少なくとも700ppm、代わりに少なくとも1200ppm含むか、又はノナ-2,6-ジエン-1-オールを少なくとも25ppm、代わりに少なくとも75ppm含み、2-メチルヘキサン-3-オンオキシムを少なくとも1800ppm、代わりに少なくとも2400ppm含む。代わりに、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを25~225ppm及び代わりに75~150ppmの量で含み、2-メチルヘキサン-3-オンオキシムを1800~3600ppm及び代わりに2100~2700ppmの量で含むか、又はノナ-2,6-ジエン-1-オールを400~1000ppm、代わりに500~800ppm及び代わりに550~650ppmの量で含み、2-メチルヘキサン-3-オンオキシムを100~800ppm及び代わりに150~600ppmの量で含むか、又はノナ-2,6-ジエン-1-オールを200~500ppm、代わりに250~450ppm及び代わりに250~350ppmの量で含み、2-メチルヘキサン-3-オンオキシム700~2000ppm、代わりに800~1600ppm、及び代わりに1000~1400ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを300ppm、及び2-メチルヘキサン-3-オンオキシムを1200ppm含む。
【0052】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールとテルピネオールとを含む。いくつかの態様において、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを少なくとも200ppm、代わりに少なくとも300ppm含み、テルピネオールを少なくとも400ppm、代わりに少なくとも600ppm含むか、又はノナ-2,6-ジエン-1-オールを少なくとも400ppm、代わりに少なくとも600ppm含み、テルピネオールを少なくとも200ppm、代わりに少なくとも300ppm含むか、又はノナ-2,6-ジエン-1-オールを少なくとも700ppm、代わりに少なくとも1200ppm含み、テルピネオールを少なくとも25ppm、代わりに少なくとも75ppm含む。代わりに、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを200~400ppm及び代わりに250~350ppmの量で含み、テルピネオールを400~1000ppm、代わりに500~800ppm及び代わりに550~650ppmの量で含むか、又はノナ-2,6-ジエン-1-オールを700~2000ppm、代わりに800~1600ppm、及び代わりに1000~1400ppmの量で含み、テルピネオールを25~250ppm及び代わりに75~150ppmの量で含むか、又はノナ-2,6-ジエン-1-オールを400~1000ppm、代わりに500~800ppm及び代わりに550~650ppmの量で含み、テルピネオールを200~500ppm、代わりに250~450ppm及び代わりに250~350ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを600ppm、及びテルピネオールを300ppm含む。
【0053】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと2-イソプロピル-5-メチルフェノールとを含む。いくつかの態様において、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを少なくとも25ppm、代わりに少なくとも75ppm含み、2-イソプロピル-5-メチルフェノールを少なくとも200ppm、代わりに少なくとも300ppm含むか、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを少なくとも100ppm、代わりに少なくとも150ppm含み、2-イソプロピル-5-メチルフェノールを少なくとも100ppm、代わりに少なくとも150ppm含む。代わりに、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを25~125ppm及び代わりに50~100ppmの量で含み、2-イソプロピル-5-メチルフェノールを200~500ppm、代わりに250~450ppm及び代わりに250~350ppmの量で含むか、又はノナ-2,6-ジエン-1-オールを100~400ppm、代わりに150~300ppm及び代わりに130~170ppmの量で含み、2-イソプロピル-5-メチルフェノールを100~225ppm及び代わりに130~170ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールを150ppm、及び2-イソプロピル-5-メチルフェノールを150ppm含む。
【0054】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを25ppm超の量で、代わりに25ppm~2000ppmの量で、代わりに50ppm~1500ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを50ppm~800ppmの量で、又は200ppm~1500ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを50ppm~500ppmの量で、代わりに50ppm~200ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、75ppm、150ppm、300ppm、600ppm又は700ppmのガンマ-ドデカラクトンを含む。
【0055】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、ガンマ-ドデカラクトンと1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセンとを含む。いくつかの態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを少なくとも150ppm、もしくは代わりに少なくとも200ppm、代わりに少なくとも250ppm、代わりに少なくとも300ppm、代わりに少なくとも350ppm、代わりに少なくとも400ppm、代わりに少なくとも450ppm、代わりに少なくとも500ppm、代わりに少なくとも550ppm、代わりに少なくとも600ppm、代わりに少なくとも650ppm、代わりに少なくとも700ppm含み、1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセンを少なくとも150ppm、もしくは代わりに少なくとも200ppm、代わりに少なくとも250ppm、代わりに少なくとも300ppm、代わりに少なくとも350ppm、代わりに少なくとも400ppm、代わりに少なくとも450ppm、又は代わりに少なくとも500ppmを含む。代わりに、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを200~700ppm、代わりに200~600ppm及び代わりに300~600ppmの量で含み、1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセンを150~500ppm、代わりに150~500ppm、代わりに200~400ppm、代わりに250~400ppm、及び代わりに300~400ppmの量で含む。
【0056】
いくつかの態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを300~600ppmの量で含み、1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセンを300ppm含むか、又は前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを300ppm含み、1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセンを200~400ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを600ppm含み、1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセンを200ppm~400ppmの量で含む。
【0057】
いくつかの態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを300ppm含み、1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセンを300ppm含む。いくつかの態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを600ppm含み、1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセンを300ppm含む。
【0058】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、ガンマ-ドデカラクトンと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む。いくつかの態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを少なくとも50ppm、もしくは代わりに少なくとも100ppm、もしくは代わりに少なくとも150ppm、もしくは代わりに少なくとも200ppm、代わりに少なくとも250ppm、代わりに少なくとも300ppm、代わりに少なくとも350ppm、代わりに少なくとも400ppm、代わりに少なくとも450ppm、代わりに少なくとも500ppm、代わりに少なくとも550ppm、代わりに少なくとも600ppm、代わりに少なくとも650ppm、代わりに少なくとも700ppm含み、4-メトキシベンズアルデヒドを少なくとも150ppm、もしくは代わりに少なくとも200ppm、代わりに少なくとも250ppm、代わりに少なくとも300ppm、代わりに少なくとも350ppm、代わりに少なくとも400ppm、代わりに少なくとも450ppm、又は代わりに少なくとも500ppm含む。代わりに、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを200~700ppm、代わりに200~600ppm及び代わりに300~600ppmの量で含み、4-メトキシベンズアルデヒドを50~500ppm、代わりに100~500ppm、代わりに150~400ppm、代わりに150~350ppm、及び代わりに150~300ppmの量で含む。
【0059】
いくつかの態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを300~600ppmの量で含み、4-メトキシベンズアルデヒドを150ppm含むか、又は前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを300ppm含み、4-メトキシベンズアルデヒドを150~300ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを600ppm含み、4-メトキシベンズアルデヒドを150ppm~300ppmの量で含む。
【0060】
いくつかの態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを300ppm含み、4-メトキシベンズアルデヒドを150ppm、又は代わりに200ppm、代わりに250ppm、代わりに300ppm含む。いくつかの態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを600ppm含み、4-メトキシベンズアルデヒドを150ppm、又は代わりに200ppm、代わりに250ppm、代わりに300ppm含む。
【0061】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、ガンマ-ドデカラクトンと1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドとを含む。いくつかの態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを少なくとも150ppm、又は代わりに少なくとも200ppm、代わりに少なくとも250ppm、代わりに少なくとも300ppm、代わりに少なくとも350ppm、代わりに少なくとも400ppm、代わりに少なくとも450ppm、代わりに少なくとも500ppm、代わりに少なくとも550ppm、代わりに少なくとも600ppm、代わりに少なくとも650ppm、代わりに少なくとも700ppm含み、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを少なくとも150ppm、又は代わりに少なくとも200ppm、代わりに少なくとも250ppm、代わりに少なくとも300ppm、代わりに少なくとも350ppm、代わりに少なくとも400ppm、代わりに少なくとも450ppm、代わりに少なくとも500ppm、代わりに少なくとも550ppm、代わりに少なくとも600ppm、代わりに少なくとも650ppm、又は代わりに少なくとも700ppm含む。代わりに、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを200~700ppm、代わりに200~600ppm及び代わりに300~600ppmの量で含み、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを150~700ppm、代わりに150~600ppm、代わりに200~600ppm、代わりに250~600ppm、及び代わりに300~600ppmの量で含む。
【0062】
いくつかの態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを300~600ppmの量で含み、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを600ppm含むか、又は前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを300ppm含み、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを300~600ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを600ppm含み、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを300ppm~600ppmの量で含む。
【0063】
いくつかの態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを300ppm含み、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを300ppm含む。いくつかの態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを600ppm含み、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを300ppm含む。いくつかの態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを300ppm含み、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを600ppm含む。いくつかの態様において、前記組成物は、ガンマ-ドデカラクトンを600ppm含み、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを600ppm含む。
【0064】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールを25ppm超の量で、代わりに25ppm~2000ppmの量で、代わりに50ppm~1500ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールを50ppm~800ppmの量で、又は200ppm~1500ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールを50ppm~500ppmの量で、代わりに50ppm~200ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールを75ppm、150ppm、300ppm、600ppm又は700ppm含む。
【0065】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールとガンマ-ドデカラクトンとを含む。いくつかの態様において、前記組成物は、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールを少なくとも50ppm、又は代わりに少なくとも100ppm、代わりに少なくとも150ppm、代わりに少なくとも200ppm、代わりに少なくとも250ppm、代わりに少なくとも300ppm、代わりに少なくとも350ppm、又は代わりに少なくとも400ppm含み、ガンマ-ドデカラクトンを少なくとも150ppm、又は代わりに少なくとも200ppm、代わりに少なくとも250ppm、代わりに少なくとも300ppm、代わりに少なくとも350ppm、代わりに少なくとも400ppm、代わりに少なくとも450ppm、又は代わりに少なくとも500ppm含む。代わりに、前記組成物は、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールを50~500ppm、代わりに100~500ppm及び代わりに1500~5000ppmの量で含み、ガンマ-ドデカラクトンを150~500ppm、代わりに150~500ppm、代わりに200~400ppm、代わりに250~400ppm、及び代わりに300~400ppmの量で含む。
【0066】
いくつかの態様において、前記組成物は、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールを150~300ppmの量で含み、ガンマ-ドデカラクトンを300ppm含むか、又は前記組成物は、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールを150ppm含み、ガンマ-ドデカラクトンを200~400ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、(Z)-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オールを300ppm含み、ガンマ-ドデカラクトンを200ppm~400ppmの量で含む。
【0067】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールを25ppm超の量で、代わりに25ppm~4000ppmの量で、代わりに50ppm~1500ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールを50ppm~800ppmの量で、又は500ppm~3000ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールを300ppm~2500ppmの量で、代わりに600ppm~2400ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールを300ppm、400ppm、500ppm、600ppm、700ppm、800ppm、900ppm、1000ppm、1100ppm、1200ppm、1300ppm、1400ppm、1500ppm、1600ppm、1700ppm、1800ppm、1900ppm、2000ppm、2100ppm、2200ppm、2300ppm、又は2400ppm含む。
【0068】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む。いくつかの態様において、前記組成物は、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールを少なくとも300ppm、400ppm、500ppm、600ppm、700ppm、800ppm、900ppm、1000ppm、1100ppm、1200ppm、1300ppm、1400ppm、1500ppm、1600ppm、1700ppm、1800ppm、1900ppm、2000ppm、2100ppm、2200ppm、2300ppm、又は2400ppm含み、4-メトキシベンズアルデヒドを少なくとも150ppm、又は代わりに少なくとも200ppm、代わりに少なくとも250ppm、代わりに少なくとも300ppm、代わりに少なくとも350ppm、代わりに少なくとも400ppm、代わりに少なくとも450ppm、又は代わりに少なくとも500ppm含む。代わりに、前記組成物は、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールを50~500ppm、代わりに100~500ppm及び代わりに1500~5000ppmの量で含み、4-メトキシベンズアルデヒドを少なくとも150~500ppm、代わりに150~500ppm、代わりに200~400ppm、代わりに250~400ppm、及び代わりに300~400ppmの量で含む。
【0069】
いくつかの態様において、前記組成物は、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールを600~2400ppmの量で含み、4-メトキシベンズアルデヒドを300ppm含むか、又は前記組成物は、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールを600ppm含み、4-メトキシベンズアルデヒドを150~300ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールを1200ppm含み、4-メトキシベンズアルデヒドを150~300ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールを2400ppm含み、4-メトキシベンズアルデヒドを150~300ppmの量で含む。
【0070】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを25ppm超の量で、代わりに25ppm~2000ppmの量で、代わりに50ppm~1500ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを50ppm~800ppmの量で、又は50ppm~3000ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを25ppm~600ppmの量で、代わりに50ppm~600ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを50ppm、60ppm、70ppm、80ppm、90ppm、100ppm、110ppm、120ppm、130ppm、140ppm、150ppm、160ppm、170ppm、180ppm、190ppm、200ppm、250ppm、又は300ppm含む。
【0071】
いくつかの態様において、本開示において使用される組成物は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む。いくつかの態様において、前記組成物は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを少なくとも50ppm、又は代わりに少なくとも100ppm、代わりに少なくとも150ppm、代わりに少なくとも200ppm、代わりに少なくとも250ppm、代わりに少なくとも300ppm、代わりに少なくとも350ppm、又は代わりに少なくとも400ppm含み、4-メトキシベンズアルデヒドを少なくとも150ppm、又は代わりに少なくとも200ppm、代わりに少なくとも250ppm、代わりに少なくとも300ppm、代わりに少なくとも350ppm、代わりに少なくとも400ppm、代わりに少なくとも450ppm、又は代わりに少なくとも500ppm含む。代わりに、前記組成物は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを50~500ppm、代わりに75~300ppmの量で含み、4-メトキシベンズアルデヒドを少なくとも150~500ppm、代わりに150~500ppm、代わりに200~400ppm、代わりに250~400ppm、及び代わりに300~400ppmの量で含む。
【0072】
いくつかの態様において、前記組成物は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを75~300ppmの量で含み、4-メトキシベンズアルデヒドを300ppm含むか、又は前記組成物は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを75ppm含み、4-メトキシベンズアルデヒドを150~300ppmの量で含む。代わりに、前記組成物は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドを300ppm含み、4-メトキシベンズアルデヒドを150~300ppmの量で含む。
【0073】
以下の実施例において示すように、本明細書において提示される組成物は、抗微生物効果を実証している。特定の態様に従って、前記組成物は、さらに、相乗的抗微生物効果、すなわち、組成物の2つの成分が所望の濃度で混和された場合に予想される抗微生物効果の単なる合計又は加算よりも優れた効果を提供する。言い換えれば、かかる場合に、双方の成分の組成物の抗菌活性が、個々の成分の活性の合計よりも大きくなる。相乗効果は、最初に、それぞれの成分についての最小生育阻止濃度(MIC)を単独で及び組み合わせて測定することによって決定されうる。これらのMIC値は、Garcia L.S.、Clinical Microbiology Procedures Handbook、140~162頁、第3版(2010)、ASM Press、Washington DCにおいて報告されているように、それぞれの作用物質についての分画阻止指数(Fractional Inhibitory Index)(FIC)、そして組み合わせについての全体のΣFICを算出するために使用されてよい。組成物は、FIC指数が1未満である場合に部分的な抗微生物の相乗効果として公知でもある付加抗微生物効果を有すると考えられる。FIC指数0.5未満では、組成物は、相乗抗微生物効果を有すると考えられる。
【0074】
本明細書において定義される組成物の使用は、微生物、例えば細菌の成長を制限又は抑制するために特に有利である。抗微生物効果は、衛生製品、例えばボディケア又はホームケア製品の主な要求の1つである。
【0075】
前記したように、本開示は、抗微生物薬としての前記で定義した組成物の使用に関する。
【0076】
いくつかの態様において、本開示は、微生物を含む基材を、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと、3-ネオペンチルピリジン、2-メチルヘキサン-3-オンオキシム、テルピネオール、及び2-イソプロピル-5-メチルフェノールからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む組成物で処理することを含む、微生物活性に影響を与える非治療的方法を提供し、その際、基材は、抗微生物効果を提供するために十分な量の組成物で処理される。
【0077】
いくつかの態様において、本開示は、微生物を含む基材を、ガンマ-ドデカラクトンを1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセン、4-メトキシベンズアルデヒド及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの成分との組み合わせで含む組成物で処理することを含む、微生物活性に影響を与える非治療的方法を提供し、その際、基材は、抗微生物効果を提供するために十分な量の組成物で処理される。
【0078】
いくつかの態様において、本開示は、微生物を含む基材を、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドとガンマ-ドデカラクトンとを含む組成物で処理することを含む、微生物活性に影響を与える非治療的方法を提供し、その際、基材は、抗微生物効果を提供するために十分な量の組成物で処理される。
【0079】
いくつかの態様において、本開示は、微生物を含む基材を、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む組成物で処理することを含む、微生物活性に影響を与える非治療的方法を提供し、その際、該組成物は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。
【0080】
いくつかの態様において、本開示は、微生物を含む基材を、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む組成物を含む組成物で処理することを含む、微生物活性に影響を与える非治療的方法を提供し、その際、該組成物は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。
【0081】
「影響」という用語に関しては、微生物の成長を阻害すること、又は微生物を殺すことを意味する。
【0082】
いくつかの態様において、本開示は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと、3-ネオペンチルピリジン、テルピネオール及び2-メチルヘキサン-3-オンオキシムからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む抗微生物組成物を提供する。
【0083】
いくつかの態様において、本開示は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと、2-イソプロピル-5-メチルフェノール及び3-ネオペンチルピリジンからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む抗微生物組成物を提供する。
【0084】
いくつかの態様において、本開示は、ガンマ-ドデカラクトンと、4-メトキシベンズアルデヒド及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む抗微生物組成物を提供する。
【0085】
いくつかの態様において、本開示は、ガンマ-ドデカラクトンと1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセンとを含む抗微生物組成物を提供する。
【0086】
いくつかの態様において、本開示は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドとガンマ-ドデカラクトンとを含む抗微生物組成物を提供する。
【0087】
いくつかの態様において、本開示は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む抗微生物組成物を提供する。
【0088】
いくつかの態様において、本開示は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む抗微生物組成物を提供する。
【0089】
いくつかの態様において、本開示は、
a)ノナ-2,6-ジエン-1-オールと、3-ネオペンチルピリジン、2-メチルヘキサン-3-オンオキシム、テルピネオール、及び2-イソプロピル-5-メチルフェノールからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む組成物、ここで該組成物は抗微生物効果を提供するために十分な量で存在するものとする、
b)香料キャリヤー、付香補助成分及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分、並びに
c)任意に、少なくとも1つの香料補助剤
を含む付香組成物を提供する。
【0090】
いくつかの態様において、本開示は、
a)少なくともガンマ-ドデカラクトンを1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセン、4-メトキシベンズアルデヒド及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせて含む組成物、ここで該組成物は抗微生物効果を提供するために十分な量で存在するものとする、
b)香料キャリヤー、付香補助成分及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分、並びに
c)任意に、少なくとも1つの香料補助剤
を含む付香組成物を提供する。
【0091】
いくつかの態様において、本開示は、
a)少なくとも1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドとガンマ-ドデカラクトンとを含む組成物、ここで該組成物は抗微生物効果を提供するために十分な量で存在するものとする、
b)香料キャリヤー、付香補助成分及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分、並びに
c)任意に、少なくとも1つの香料補助剤
を含む付香組成物を提供する。
【0092】
いくつかの態様において、本開示は、
a)少なくともシス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む組成物、ここで該組成物は抗微生物効果を提供するために十分な量で存在するものとする、
b)香料キャリヤー、付香補助成分及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分、並びに
c)任意に、少なくとも1つの香料補助剤
を含む付香組成物を提供する。
【0093】
いくつかの態様において、本開示は、
a)少なくとも1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む組成物、ここで該組成物は抗微生物効果を提供するために十分な量で存在するものとする、
b)香料キャリヤー、付香補助成分及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの成分、並びに
c)任意に、少なくとも1つの香料補助剤
を含む付香組成物を提供する。
【0094】
いくつかの態様において、本開示は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと、3-ネオペンチルピリジン、2-メチルヘキサン-3-オンオキシム、テルピネオール、及び2-イソプロピル-5-メチルフェノールからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む組成物を含む付香消費者製品を提供し、その際、該組成物は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。
【0095】
いくつかの態様において、本開示は、ガンマ-ドデカラクトンを1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセン、4-メトキシベンズアルデヒド及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの成分物と組み合わせて含む組成物を含む付香消費者製品を提供し、その際、該組成物は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。
【0096】
いくつかの態様において、本開示は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドをガンマ-ドデカラクトンと組み合わせて含む組成物を含む付香消費者製品を提供し、その際、該組成物は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。
【0097】
いくつかの態様において、本開示は、シス-4(イソプロピル)シクロヘキサンメタノールと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む組成物を含む付香消費者製品を提供し、その際、該組成物は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。
【0098】
いくつかの態様において、本開示は、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む組成物を含む付香消費者製品を提供し、その際、該組成物は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。
【0099】
抗微生物組成物におけるそれぞれの成分の量は、前記で定義されたものである。
【0100】
「香料キャリヤー」に関しては、本明細書では、香料の観点から事実上中性である、すなわち付香成分の感覚刺激性の特性を著しく変更しない材料を意味する。前記キャリヤーは液体又は固体であってよい。
【0101】
液体キャリヤーとしては、乳化系、すなわち溶剤及び界面活性剤系、又は香料において通常使用される溶剤を挙げてよいが、これらに制限されない。香料において通常使用される溶剤の性質及びタイプの詳細な説明は網羅できない。しかしながら、最も通常使用される溶剤、例えばブチレン又はプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコール及びそのモノエーテル、1,2,3-プロパントリイルトリアセテート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジペート、1,3-ジアセチルオキシプロパン-2-イルアセテート、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、ベンジルベンゾエート、ベンジルアルコール、2-(2-エトキシエトキシ)-1-エタノール、トリエチルシトレート、又はそれらの混合物が挙げられてよいが、これらに制限されない。香料キャリヤー及び香料補助成分の双方を含む組成物に関して、前記したものよりも適した他の香料キャリヤーは、エタノール、水/エタノール混合物、リモネン、又は他のテルペン、イソパラフィン、例えば商標名Isopar(登録商標)(供給元:Exxon Chemical)で公知のもの、又はグリコールエーテル及びグリコールエーテルエステル、例えば商標名Dowanol(登録商標)(供給元:Dow Chemical Company)で公知のもの、又は硬化ヒマシ油、例えば商標名Cremophor(登録商標)RH 40(供給元:BASF)で公知のものであってもよい。
【0102】
固体キャリヤーとは、付香組成物又は付香組成物のいくつかの要素を、化学的又は物理的に結合することができる材料を意味する。一般に、かかる固体キャリヤーは、組成物を安定化するために、組成物又はいくつかの成分の蒸発の速度を調整するために使用される。固体キャリヤーの使用は、当該技術分野において現在使用されており、当業者は所望の効果に達成するための方法を知っている。しかしながら、制限のない例として、固体キャリアーとして、吸収性ゴム又はポリマー又は無機材料、例えば多孔質ポリマー、シクロデキストリン、木質材料、有機もしくは無機ゲル、粘土、石膏タルク又はゼオライを挙げてよい。
【0103】
固体キャリヤーの他の制限のない例としては、カプセル化材料を挙げてよい。かかる材料の例は、造壁材料及び可塑材料、例えば単糖、二糖又は三糖、天然デンプン又は化工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、タンパク質又はペクチン、又はさらに、参考文献、例えばH. Scherz, Hydrokolloide: Stabilisatoren, Dickungs- und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr's Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996において挙げられている材料を含んでよい。カプセル化は、当業者に周知の方法であり、かつ例えば噴霧乾燥、凝集又はさらに押し出しのような技術を使用して実施されてよく、又はコアセルベーション及び複合コアセルベーション技術を含む被覆カプセル化からなる。制限のない例としては、特に、重合によって、界面重合によって、コアセルベーションによって、又はその全てによって(技術の全ては先行技術に記載されている)、及び任意にポリマー安定剤又はカチオン性コポリマーの存在下で誘発される相分離プロセスのような技術を使用したアミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレアもしくはポリウレタンタイプの樹脂又はそれらの混合物(全ての樹脂は当業者に周知である)でのコア-シェルカプセル化を挙げてよい。
【0104】
特に、樹脂としては、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、2,2-ジメトキシエタノール、グリオキサール、グリオキシル酸又はグリコールアルデヒド及びそれらの混合物)と、アミン、すなわち尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、メラミン、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、グアナゾール等、及びそれらの混合物との重縮合によって製造されるものが挙げられてよい。代わりに、予め形成した樹脂、アルキル化ポリアミン、例えば商標名Urac(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Cymel(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Urecoll(登録商標)又はLuracoll(登録商標)(供給元:BASF)で市販されているものを使用してよい。
【0105】
特に、樹脂としては、ポリオール、例えばグリセロール、及びポリイソシアネート、例えばヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートの三量体、又はキシリレンジイソシアネート、又はヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット、又はキシリレンジイソシアネートの三量体と、トリメチロールプロパン(Takenate(登録商標)の商標名で公知、供給元:Mitsui Chemicals)との、中でもキシリレンジイソシアネートの三量体とトリメチロールプロパン及びヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットとの重縮合によって製造されるものを挙げてよい。
【0106】
アミノ樹脂、すなわちメラミンベースの樹脂とアルデヒドとの重縮合による香料のカプセル化に関する生産的な論文のいくつかは、Acta Polymerica においてK. Dietrichら(1989年、第40巻、243頁、325頁及び683頁、並びに1990年、第41巻、91頁)によって公表されているような論文により示されている。かかる論文は、さらに詳細に説明され、かつ特許文献に例示されている先行技術の方法に従った、かかるコア-シェルマイクロカプセルの製造に影響を与える種々のパラメーターを既に記載している。米国特許第4396670号(US 4’396’670)(Wiggins Teape Group Limited)は、該文献の適切な初期の例である。それ以来、多くの他の著者及び考案者が、この分野の文献を充実させており、出版された全ての発展結果をここで網羅することは不可能であるものの、このタイプのカプセル化の一般知識は非常に重要である。かかるマイクロカプセルの適切な使用にも向けられている適切な最近の関連文献は、例えば、Journal of MicroencapsulationにおけるH.Y.Leeら(2002年、第19巻、559頁~569頁)の論文、国際特許公開第WO01/41915号(WO 01/41915)、又はさらにChimiaにおけるS.Boneら(2011年、第65巻、177頁~181頁)の論文である。
【0107】
付香補助成分は、付香組成物中に存在する場合に、ノナ-2,6-ジエン-1-オール、3-ネオペンチルピリジン、2-メチルヘキサン-3-オンオキシム、テルピネオール又は2-イソプロピル-5-メチルフェノール以外である。さらに、「付香補助成分」に関しては、本明細書では、心地よい効果を付与するための付香調製物又は組成物において使用される化合物を意味する。言い換えれば、付香補助成分であると考えられるべきかかる補助成分は、ポジティブな又は好ましい方法で組成物のにおいを付与又は改質することができ、かつ単に1つのにおいを有するだけでないと当業者によって認識される必要がある。
【0108】
いずれにしても網羅的とはならないであろう付香補助成分の性質及びタイプは、ここでより詳細な記載を保証するものではなく、その際当業者は、一般の知識に基づいて、及び任意の使用又は適用及び所望された感覚刺激性効果に従って、前記成分の性質及びタイプを選択することができる。一般的な用語で、これらの付香補助成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素又は硫黄の複素環化合物及び精油と多様な化学品種に属し、かつ該付香補助成分は、天然又は合成由来のものであってよい。
【0109】
特に、香料配合物において慣用的に使用される付香補助成分を挙げてよく、例えば以下のものである:
- アルデヒド成分:デカナール、ドデカナール、2-メチル-ウンデカナール、10-ウンデカナール、オクタナール及び/又はノネナール;
- 芳香性ハーブ成分:ユーカリ油、樟脳、オイカリプトール、メントール及び/又はアルファ-ピネン;
- バルサム成分:クマリン、エチルバニリン及び/又はバニリン;
- シトラス成分、ジヒドロミリセノール、シトラール、オレンジ油、リナリルアセテート、シトロネリルニトリル、オレンジテルペン、リモネン、1-P-メンテン-8-イルアセテート及び/又は1,4(8)-P-メンタジエン;
- フローラル成分:メチルジヒドロジャスモネート、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール、ヘキシルシンナムアルデヒド、ベンジルアセテート、ベンジルサリチレート、テトラヒドロ-2-イソブチル-4-メチル-4(2H)-ピラノール、ベータイオノン、メチル2-(メチルアミノ)ベンゾエート、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、ヘキシルサリチレート、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、バージルアセテート、ゲラニオール、P-メンタ-1-エン-8-オール、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアセテート、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、アミルサリチレート、高シスメチルジヒドロジャスモネート、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、バージルプロピオネート、ゲラニルアセテート、テトラヒドロリナロール、シス-7-P-メタノール、プロピル(S)-2-(1,1-ジメチルプロポキシ)プロパノエート、2-メトキシナフタレン、2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセテート、4/3-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、4-フェニル-2-ブタノン、イソノニルアセテート、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、バージルイソブチレート及び/又はメチルイオノン異性体の混合物;
- フルーティー成分:ガンマウンガンマ-ドデカラクトンアセトン、4-デカノリド、エチル2-メチル-ペンタノエート、ヘキシルアセテート、エチル2-メチルブタノエート、ガンマノナラクトン、アリルヘプタノエート、2-フェノキシエチルイソブチレート、エチル2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート及び/又はジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート;
- グリーン成分:2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2-tert-ブチル-1-シクロヘキシルアセテート、スチラリルアセテート、アリル(2-メチルブトキシ)アセテート、4-メチル-3-デセン-5-オール、ジフェニルエーテル、(Z)-3-ヘキセン-1-オール及び/又は1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;
- ムスク成分:1,4-ジオキサ-5,17-シクロヘプタデカンジオン、ペンタデカノリド、3-メチル-5-シクロペンタデセン-1-オン、1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-シクロペンタ-g-2-ベンゾピラン、(1S,1’R)-2-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシ]-2-メチルプロピルプロパノエート、ペンタデカノリド及び/又は(1S,1’R)-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;
- ウッディー成分:1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン、パチュリ油、パチュリ油のテルペン画分、(1’R,E)-2-エチル-4-(2’,2’,3’-トリメチル-3’-シクロペンテン-1’-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、メチルセドリルケトン、5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテニル)-3-メチルペンタン-2-オール、1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタン-1-オン及び/又はイソボルニルアセテート;
- 他の成分(例えばアンバー、パウダリースパイシー又はウォータリー):ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチル-ナフト[2,1-b]フラン及び任意のその立体異性体、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、シンナムアルデヒド、チョウジ油、3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール及び/又は3-(3-イソプロピル-1-フェニル)ブタナール。
【0110】
付香補助成分は、これらに制限されないが前記したものであってよく、多くの他のこれらの補助成分は、いずれにしても、参考文献、例えばS. Arctanderによる本、Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA、又はその最新版において、又は同様の種類の他の著作において、並びに香料の分野における豊富な特許文献において挙げられている。前記補助成分は、制御された方法で種々のタイプの付香化合物を放出することが公知の化合物であってもよい。
【0111】
「香料補助剤」に関しては、追加の付加効果、例えば色、特定の耐光性、化学安定性等を付与することができる成分を意味するものである。香料において慣用的に使用される補助剤の性質及びタイプの詳細な説明は網羅的なものにはなりえないが、しかし該成分が当業者に周知であることを挙げるべきである。しかしながら、特定の制限のない例として以下を挙げてよい:粘性剤(例えば、界面活性剤、増粘剤、ゲル化及び/又はレオロジー改質剤)、安定剤(例えば、防腐剤、酸化防止剤、熱/光及び又は緩衝液又はキレート剤、例えばBHT)、着色剤(例えば、染料及び/又は顔料)、防腐剤(例えば、抗菌薬又は抗微生物薬又は抗真菌薬又は抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷刺激剤、固定剤、昆虫忌避剤、軟膏、ビタミン及びそれらの混合物。
【0112】
当業者は、付香組成物の前記構成成分を混和することによって、単に当該技術分野の標準的な知識を適用することによって、及び試行錯誤方法論によって、所望の効果に最適な配合物を完全に設計することができると解される。
【0113】
前記で定義した少なくとも1つの抗微生物組成物及び少なくとも1つの香料キャリヤーからなる付香組成物は、本開示の特定の態様を示し、並びに前記で定義した少なくとも1つの抗微生物組成物、少なくとも1つの香料キャリヤー、少なくとも1つの香料補助成分、及び任意に少なくとも1つの香料補助剤を含む付香組成物を示す。
【0114】
明確性の理由から、本開示の化合物が出発生成物、中間生成物又は最終生成物として含まれる、化学合成から直接得られるあらゆる混合物、例えば十分な精製を行っていない反応媒体は、該混合物が、香料のための適した形で本発明による化合物を提供しない限りは、本開示に従った付香組成物として考えられないことも理解される。したがって、未精製の反応混合物は、一般に、特に明記されない限り本開示から除外される。
【0115】
さらに、前記で定義した抗微生物組成物は、現在の香料、すなわちファイン香料又は機能的香料の全ての分野において、前記化合物(I)を添加する消費者製品のにおいをポジティブに付与する又は改質するために、有利に使用されてよい。その結果、本開示の他の目的は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと、3-ネオペンチルピリジン、2-メチルヘキサン-3-オンオキシム、テルピネオール及び2-イソプロピル-5-メチルフェノールからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む少なくとも1つの抗微生物組成物を含む付香消費者製品により表される。代わりに、前記付香消費者製品は、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと、少なくとも3-ネオペンチルピリジン及び2-メチルヘキサン-3-オンオキシムからなる群から選択される化合物とを含む少なくとも1つの抗微生物組成物を含む。
【0116】
前記組成物は、本開示の付香組成物自体又は付香組成物の一部が添加されていてよい。
【0117】
明確性の理由から、「付香消費者製品」に関しては、少なくとも1つの心地よい付香効果を、付香効果が適用される表面(例えば皮膚、髪、布地、又は家の表面)に又は空気中に送達することが期待された消費者製品を意味することに注意すべきである。言い換えれば、本開示による付香消費者製品は、機能的な配合物、並びに任意に所望の消費者製品に対応する追加の有効物質、例えば洗剤又はエアフレッシュナー、及び嗅覚有効量の本開示の化合物の少なくとも1つを含む、着香消費者製品である。明確性の理由から、前記付香消費者製品は、食用でない生成物である。
【0118】
いずれにしても網羅的とはならないであろう付香消費者製品の成分の性質及びタイプは、ここでより詳細な記載を保証するものではなく、その際当業者は、一般的な知識に基づいて、及び該製品の性質及び所望の効果に従って、前記成分の性質及びタイプを選択することができる。
【0119】
適した付香消費者製品の制限のない例は、香水、例えばファイン香水、スプラッシュ、又はオーデパヒューム、コロン又はシェイブもしくはアフターシェイブローション;布地ケア製品、例えば液体又は固形洗剤、布地用柔軟剤、布地用リフレッシャー、アイロン水、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品;ボディケア製品、例えばヘアケア製品(例えば、シャンプー、染毛料又はヘアスプレー、カラーケア製品、ヘアシェーピング製品)、デンタルケア製品、消毒剤、インティメイトケア製品;化粧品調製物(例えば、スキンクリーム又はローション、バニシングクリーム又はデオドラント又は発汗抑制剤(例えばスプレー又はロールオン)、脱毛剤、日焼け用又は日焼け止め又は日焼け後製品、爪用製品、スキンクレンジング、メイクアップ);又はスキンケア製品(着香石鹸、シャワー又はバス用のムース、オイル又はゲル、又は衛生製品、又はフット/ハンドケア製品);エアケア製品、例えば住宅スペース(部屋、冷蔵庫、食器棚、靴箱又は車)において及び/又は公共スペース(ホール、ホテル、モール等)において使用されうるエアフレッシュナー又は「すぐに使用できる」粉末状エアフレッシュナー;又はホームケア製品、例えばカビ取り剤、ファーニッシャーケア、ワイプ、皿用洗剤又は硬質表面(例えば、床、浴槽、サニタリー又は窓)洗剤;革ケア製品;車ケア製品、例えば磨き剤、ワックス又はプラスチッククリーナーであってよい。代わりに、いくつかの態様において、消費者製品は、ボディケア又はホームケア製品である。
【0120】
いくつかの前記付香消費者製品は、本開示の組成物にとってアグレッシブな媒体であることもあるため、適切な外部刺激、例えば酵素、光、熱又はpHの変化に対して、例えばカプセル化によって、又は本開示の成分の放出に適した他の化学物質との化学的結合によって本開示の組成物を早すぎる分解から保護する必要がある場合がある。
【0121】
種々の前記製品又は組成物中に組込まれてよい本開示による組成物における割合は、広い範囲の値で変動する。これらの値は、着香されるべき物品の性質に、及び所望の感覚受容性効果に、並びに本開示による化合物が、付香補助成分、溶剤又は先行技術において通常使用される添加剤と混合される場合に補助成分の性質に依存する。
【0122】
例えば、付香組成物の場合において、典型的な濃度は、組込まれる組成物の質量に対して、本開示の組成物の0.001質量%~10質量%、又はそれ以上の範囲である。これらより低い濃度、例えば0.01質量%~1質量%の範囲は、これらの化合物が付香消費者製品中に組込まれる場合に使用されてよく、その際パーセンテージは物品の質量に対する。
【0123】
いくつかの態様において、本開示は、抗微生物活性のある消費者製品の製造のための、ノナ-2,6-ジエン-1-オールと、3-ネオペンチルピリジン、2-メチルヘキサン-3-オンオキシム、テルピネオール及び2-イソプロピル-5-メチルフェノールからなる群から選択される少なくとも1つの化合物とを含む組成物の使用又は使用方法を提供し、その際、該組成物は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。
【0124】
いくつかの態様において、本開示は、抗微生物活性のある消費者製品の製造のための、ガンマ-ドデカラクトンを1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセン、4-メトキシベンズアルデヒド及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせて含む組成物の使用又は使用方法を提供し、その際、該組成物は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。
【0125】
いくつかの態様において、本開示は、抗微生物活性のある消費者製品の製造のための、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドとガンマ-ドデカラクトンとを含む組成物の使用又は使用方法を提供し、その際、該組成物は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。
【0126】
いくつかの態様において、本開示は、抗微生物活性のある消費者製品の製造のための、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む組成物の使用又は使用方法を提供し、その際、該組成物は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。
【0127】
いくつかの態様において、本開示は、抗微生物活性のある消費者製品の製造のための、1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む組成物を含む組成物の使用又は使用方法を提供し、その際、該組成物は、抗微生物効果を提供するために十分な量で存在する。
【0128】
「抗微生物活性のある消費者製品」の表現に関しては、当該技術分野における通常の意味を意味し、すなわち、抗微生物活性のある消費者製品が適用される表面(例えば皮膚、髪、布地、又は家の表面)に存在する微生物の増殖を阻害するか、又は該微生物を殺すことが期待される消費者製品を意味する。
【0129】
本開示は、特にかかる製品における塩素化殺生物剤の存在を回避することによって、付香製品又は消費者製品中の微生物活性を抑制すること含む特定の使用方法も提供する。これらの方法は、(i)少なくともノナ-2,6-ジエン-1-オールを3-ネオペンチルピリジン、2-メチルヘキサン-3-オンオキシム、テルピネオール及び2-イソプロピル-5-メチルフェノールからなる群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせて含む組成物、(ii)少なくともガンマ-ドデカラクトンを1-メチル-4-(1-メチルエテニル)-シクロヘキセン、4-メトキシベンズアルデヒド、及び1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドからなる群から選択される少なくとも1つの成分と組み合わせて含む組成物、(iii)少なくとも1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドとガンマ-ドデカラクトンとを含む組成物、(iv)少なくとも1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む組成物、並びに(v)少なくとも1,3-ベンゾジオキソール-5-カルバルデヒドと4-メトキシベンズアルデヒドとを含む組成物からなる群から選択される組成物であって、抗微生物効果を提供する組成物をかかる製品に添加又は組み込むことを含む。したがって、塩素化殺生物剤の使用が妨げられるか又は排除されうる。
【0130】
実施例
本開示は、次の実施例によってさらに詳細に記載され、その際略語は、当該技術分野において通常の意味を有し、温度は、摂氏度(℃)で示される。
【0131】
実施例1
本開示による組成物の抗微生物活性の測定
抗微生物活性の評価方法
以下の方法は、異なる原料の抗微生物活性を組み合わせて評価することを可能にする。分画阻止濃度指数(FIC指数)は活性の測定であり(Garcia L.S.、Clinical Microbiology Procedures Handbook、140~162頁、第3版(2010年)、ASM Press、Washington DC)、以下の式に従って算出される:
【数1】
式中、(MICAのみ)及び(MICBのみ)は、それぞれ単独で使用した場合の個々の成分A及びBの最小生育阻止濃度(MIC)であり、一方で(MICA組み合わせ)及び(MICB組み合わせ)は、組み合わせて試験した場合の材料A及びBの最小生育阻止濃度である。成分Aはノナ-2,6-ジエン-1-オールに対応し、かつ成分Bは、3-ネオペンチルピリジン、2-メチルヘキサン-3-オンオキシム、テルピネオール又は2-イソプロピル-5-メチルフェノールを示す。
【0132】
材料の最小生育阻止濃度は、認識できる細菌の成長を阻害することができる作用物質の最小濃度として定義される(CLSI M08-A8 Methods for dilution Antimicrobial Susceptibility Test for Bacteria That Grow Aerobically; Approved Standard-Eighth Edition)。
【0133】
原料の組み合わせは、FIC指数が1未満である場合には部分的に相乗的抗微生物効果(又は抗微生物付加効果ともいわれる)を発揮し、FIC指数が0.5以下である場合には相乗的抗微生物効果を発揮すると考えられる。4以下であるが1以上のFIC指数値は不応性を示す一方で、4を超えるFIC指数値は拮抗作用を示す(Garcia L.S.、Clinical Microbiology Procedures Handbook、140~162頁、第3版(2010年)、ASM Press、Washington DC)。
【0134】
細菌材料の製造
大腸菌DSMZ 1103及び黄色ブドウ球菌DSMZ 1104の細菌懸濁液を、以下のように製造した:凍結させたストックのアリコートを、トリプチックソイ寒天(Tryptic Soy Agar)プレート上にストリークし、そして37℃で24時間インキュベートした。シングル細菌コロニーを選び取り、そして100mlフラスコ中に含んだミューラーヒントンブロス(Mueller Hinton Broth)50ml中に植え付けた。撹拌(160rpm)下で、37℃で一晩インキュベーションを実施した。翌日、一晩培養物を、新鮮なミューラーヒントンブロス50ml中にそれぞれ黄色ブドウ球菌について1:50及び大腸菌について1:100で希釈した。37℃での生育を、600nmで測定した吸光度がそれぞれ黄色ブドウ球菌について0.7~0.9及び大腸菌について0.3~0.45に達するまで、前記したように続けた。この時点で、細胞を、遠心分離(10分-500×g-4℃)により採取し、そして1×108CFU/mlの濃度で新鮮なミューラーヒントンブロス中で懸濁した。
【0135】
抗微生物効果の測定
評価中の原料(成分A及びB)の溶液をエタノール中で製造し、そして96ウェルマイクロタイタープレート(1ウェル毎に10μl)中に所望の濃度で段階希釈した。1列目、10列目、11列目及び12列目には、あらゆる試験材料なしでエタノール10μlのみを入れた。エタノールの最終濃度は、全てのウェルについて5%(w/v)であった。
【0136】
そして、前記で製造した細胞懸濁液90μlを、ミューラーヒントンブロス90μlを入れた12列目を除いて、マイクロタイタープレートのそれぞれのウェルに添加した。それぞれのウェルの最終容積を、ミューラーヒントンブロスで200μlにした。それぞれのプレートをシールして、撹拌(160rpm)下で37℃で24時間インキュベートした。インキュベート後に、可視細菌増殖でウェルを記録することによってプレートの読取りを視覚的に実施した。それぞれの材料の組み合わせを三通りで試験した。原料の沈澱の可能性による濁度を、細菌なしで、同一の原料の濃度を含むプレートをスコアリングすることにより考慮した。
【0137】
結果
前記試験に基づいて、原料の次の組み合わせが、大腸菌DSMZ 1103に対する抗微生物活性を示すことを見出した。
【0138】
【表1】
【0139】
【表2】
【0140】
【表3】
【0141】
【表4】
【0142】
【表5】
【0143】
【表6】
【0144】
【表7】
【0145】
【表8】
【0146】
前記試験に基づいて、原料の次の組み合わせが、黄色ブドウ球菌DSMZ 1104に対する抗微生物活性を示すことを見出した。
【0147】
【表9】
【0148】
【表10】
【0149】
【表11】
【0150】
【表12】
【0151】
【表13】
【0152】
【表14】
【0153】
【表15】
【0154】
【表16】
【0155】
これらの表は、前記組成物のFICが1以下であることから、前記組成物が抗微生物の相乗効果を示すことを証明する。
【0156】
実施例2
液体石鹸ベースにおける本明細書において示したいくつかの態様に従った組成物の抗菌効果
細菌溶液の製造
2つの株、大腸菌DSMZ 1103及び黄色ブドウ球菌DSMZ 1104の細菌溶液を、次のようにBCT試験のために製造した。-80℃で貯蔵したストック培養物を、トリプチックソイ寒天(TSA)の寒天プレート培地上で継代培養し、そして24時間37℃でインキュベートして、シングルコロニーを得た。初代培養物のシングルコロニーを、TSA斜面上にストリークし、そして24時間37℃のインキュベーターでインキュベートした。斜面培養の細菌叢を、PBS緩衝液中に採取し、標的レベル1~5×108CFU/mLを有する懸濁液を作った。それぞれの細胞懸濁液のPBS緩衝液中での1:100希釈物を、BCT試験のための細菌溶液として使用した。
【0157】
試験試料の製造
相乗的二成分混合物を有するベースの試験試料を以下のように製造した。相乗的二成分混合物の原料(表17)を、液体石鹸ベースPGK-10-003(表18)と混合した。それぞれの混合物のアリコート(2.5g)を、撹拌棒と一緒に20mlガラス管に秤量し、そして等量のMilliQ水を添加して、BCT試験のための試験試料として50%懸濁液を作った。
【0158】
【表17】
【0159】
【表18】
【0160】
BCT試験
BCT試験を20mlサンプルチューブで実施した。50%試料懸濁液5gを有するそれぞれのサンプルチューブを、磁気撹拌機上に置き、そして細菌溶液のアリコート(100μl)を試料に添加して、混合しながら45秒間接触させた。そして、混合物のアリコート(0.5ml)を、PBS5ml中に移し、そしてさらに段階希釈液をPBS4.5ml中で作った。PBS希釈液のアリコート(0.5ml)を、混釈平板法を使用してTSAプレートの複製プレート上に置いた。TSAプレートを37℃で48時間インキュベートした。インキュベート後に、TSAプレート上のコロニーを数え、それぞれの試料の対数減少を、対照試料(MilliQ水)のCFU数に対して算出した。
【0161】
表19は、0.5%及び0.6%での(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール:2-イソプロピル-5-メチルフェノール(1:1)の二成分混合物、及び0.5%及び0.6%での(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール:3-ネオペンチルピリジン(1:1)の二成分混合物が、それぞれ、接触時間45秒後の50%液体石鹸ベースにおいて、大腸菌DSMZ 1103に対して1.1、1.8、0.6及び1.4の対数減少を有していたことを示す。
【0162】
【表19】
【0163】
表20は、0.3%及び0.45%での(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール:2-イソプロピル-5-メチルフェノール(2:1)の二成分混合物、0.45%及び0.75%での(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール:2-メチルヘキサン-3-オンオキシム(1:4)の二成分混合物、及び0.36%での(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール:3-ネオペンチルピリジン(1:1)の二成分混合物が、接触時間45秒後の50%液体石鹸ベースにおいて、黄色ブドウ球菌DSMZ 1104に対して1.4~3.2の対数減少を有していたことを示す。
【0164】
【表20】
【0165】
結論として、前記データは、相乗的二成分混合物が液体石鹸ベース中の大腸菌DSMZ 1103及び黄色ブドウ球菌DSMZ 1104の双方に対して抗菌効果を示すことを示している。
【0166】
表21は、0.3%(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール+0.3%3-ネオペンチルピリジンの混合物を使用して観察した測定した細菌対数減少が、0.3%(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール又は0.3%3-ネオペンチルピリジンを単独で使用して観察した測定した細菌対数減少の合計よりも大きかったことを示した。同様に、0.3%(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール+0.3%2-イソプロピル-5-メチルフェノールの混合物の対数減少は、0.3%(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール又は0.3%2-イソプロピル-5-メチルフェノールの対数減少よりも大きい。
【0167】
【表21】
【0168】
実施例3
ロールオンデオドラントベースにおける本明細書において示したいくつかの態様に従った組成物の抗菌効果
細菌溶液の製造
C.ゼロシースATCC 373株の細菌溶液を、次のようにBCT試験のために製造した。-80℃で貯蔵したストック培養物を、0.5%Tween80を加えたトリプチックソイ寒天培地(TSA-TW80)上で継代培養し、そして48時間37℃でインキュベートした。初代培養物を、再度TSA-TW80上に継代培養して、二次培養物を製造した。二次培養物のシングルコロニーを、0.5%Tween80を加えたブレインハートインフュージョン(BHI)培地(BHI-TW80)30ml中に植え付け、そして37℃180rpmで24時間インキュベートした。24時間培養物のアリコート(1ml)を新鮮なBHI-TW80培地30mlに植え付け、そして37℃180rpmで48時間インキュベートした。48時間培養物のアリコート(2~3ml)を4つの新鮮なBHI-TW80培地50mlに植え付け、そして37℃180rpmで4~6時間インキュベートした。ODが標的値1.6に達したら、細胞を、10分間5000rpmで遠心分離によって採取し、そして標的濃度109~1010cfu/mLまで同一の新鮮な培地中に再懸濁させた。この懸濁液を、BCT試験のための細菌溶液として使用した。
【0169】
試験試料の製造
相乗的二成分混合物を有するベースの試験試料を以下のように製造した。相乗的二成分混合物の原料を秤量し(表22)、そしてPEG-40硬化ヒマシ油0.3g及びデオドラントロールオンベース(表23)9.57gと混合した。
【0170】
【表22】
【0171】
【表23】
【0172】
BCT試験
BCT試験を15mlサンプルチューブで実施した。それぞれの試料のアリコート(0.9g)を、チューブに秤量し、そして細菌溶液のアリコート(100μl)を試料に添加し、一定に混合しながら120秒間接触させた。接触時間の終わりに、BHI培地のアリコート(9ml)をチューブに添加した。その懸濁液をボルテックスにより十分に混合し、そしてさらに1:10の段階希釈液をBHI9.9ml中で作った。BHI希釈液のアリコート(1ml)を、混釈平板法を使用してTSA-TW80の複製プレート上に置いた。TSA-TW80プレートを37℃で2~3日間インキュベートした。インキュベート後に、TSA-TW80プレート上のコロニーを数え、それぞれの試料の対数減少を、対照試料(BHI)のCFU計数に対して算出した。
【0173】
表24は、0.54%での(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール:2-イソプロピル-5-メチルフェノール(1:2)の二成分混合物、0.432%での(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール:2-イソプロピル-5-メチルフェノール(1:1)の二成分混合物、0.54%での(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール:2-メチルヘキサン-3-オンオキシム(1:4)の二成分混合物、0.54%での(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール:テルピネオール(1:4)の二成分混合物、0.432%での(2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール:3-ネオペンチルピリジン(1:1)の二成分混合物の添加が、90%デオドラントロールオンベース中で、接触時間120秒後にC.ゼロシースATCC 373に対するベースの抗微生物効果を改善することを示す。
【0174】
【表24】
【0175】
表25は、(0.216% (2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール+0.216% 2-イソプロピル-5-メチルフェノール)の混合物が、0.216% (2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール又は0.216% 2-イソプロピル-5-メチルフェノールの対数減少よりも大きい対数減少を有していたことを示す。しかしながら、(0.216% (2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール+0.216% 3-ネオペンチルピリジン)の混合物は、0.216% (2E,6Z)-ノナ-2,6-ジエン-1-オール又は0.216% 3-ネオペンチルピリジンの対数減少に類似した対数減少を有していた。
【0176】
【表25】