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特許7405900情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20231219BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022080011
(22)【出願日】2022-05-16
(65)【公開番号】P2023171710
(43)【公開日】2023-12-05
【審査請求日】2022-07-19
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 崇司
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】古川 哲也
【審判官】松尾 俊介
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-174062(JP,A)
【文献】特開2018-109865(JP,A)
【文献】特開2020-166790(JP,A)
【文献】特開2020-155154(JP,A)
【文献】加藤直美,よく分かる デジタルマーケティング ビッグデータの活用で変わる流通,販売革新,日本,2019年4月1日,第57巻,第4号,p.42~43
【文献】9つの購買行動モデルまとめ AIDA・AIDMA・AIDCAS・AISAS・AISCEAS・VISAS・DECAX・Dual AISAS,Eプロ[online],日本,2018年7月16日,[検索日:2023年9月27日]<URL: https://t-shimohara.com/marketing/buying-behavior-model>
【文献】三輪きらら,【テンプレート付】AIDMAとAISASの違い,ferret[online],日本,2016年7月1日,[検索日:2023年9月26日]<URL: https://web.archive.org/web/20190717211609/https://ferret-plus.com/4385>
【文献】宮島文香,「マーケティングファネル」とは? 基本と最新の変化について解説,Listing Magazine[online],日本,2020年4月10日,[検索日:2023年9月19日]<URL: https://ppc-master.jp/labo/2019/06/marketing-funnel.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの会話履歴の中から商品に関する商品会話を抽出する抽出部と、
抽出した前記商品会話の特徴に基づいて、前記ユーザの前記商品に関するファネル状況を特定する特定部と、
特定したファネル状況に応じた態様で前記商品に関する商品情報を提供する提供部と、
を備え、
前記抽出部は、
前記商品会話に関する特定のメッセージを検出した場合に、前記メッセージを含む前後の会話を前記商品会話として抽出し、
前記ファネル状況は、
認知、訴求、調査、行動および推奨を少なくとも含み、
前記提供部は、
前記ファネル状況が前記行動である場合において、前記ユーザが前記商品を所有していないときには販売に関する情報であって、前記商品の販売ページまたは前記商品のセール情報の少なくともいずれかの情報を含む前記商品情報を提供する
情報処理装置。
【請求項2】
前記抽出部は、
前記特徴として、前記商品会話の会話相手と、前記商品会話の内容とを抽出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定部は、
前記商品会話の特徴を説明変数とし、前記ファネル状況を目的変数として学習したモデルを用いて、前記ファネル状況を特定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提供部は、
前記ファネル状況が前記訴求である場合、前記商品を使用した他のユーザの評価に関する商品情報を提供する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提供部は、
前記ファネル状況が前記調査である場合、前記ユーザと関係性が近い他のユーザの評価に関する商品情報または前記商品の販売に関する情報を提供する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提供部は、
前記ファネル状況が前記行動である場合において、前記ユーザが前記商品を所有しているときには、前記商品情報の提供に代えて、前記商品の評価を要求する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記ファネル状況が前記推奨である場合、前記商品情報の提供に代えて、前記ユーザが行った商品の評価の共有先となる他のユーザの情報を提供する
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザの会話履歴の中から商品に関する商品会話を抽出する抽出工程と、
抽出した前記商品会話の特徴に基づいて、前記ユーザの前記商品に関するファネル状況を特定する特定工程と、
特定したファネル状況に応じた態様で前記商品に関する商品情報を提供する提供工程と、
を含み、
前記抽出工程は、
前記商品会話に関する特定のメッセージを検出した場合に、前記メッセージを含む前後の会話を前記商品会話として抽出し、
前記ファネル状況は、
認知、訴求、調査、行動および推奨を少なくとも含み、
前記提供工程は、
前記ファネル状況が前記行動である場合において、前記ユーザが前記商品を所有していないときには販売に関する情報であって、前記商品の販売ページまたは前記商品のセール情報の少なくともいずれかの情報を含む前記商品情報を提供する
情報処理方法。
【請求項9】
ユーザの会話履歴の中から商品に関する商品会話を抽出する抽出手順と、
抽出した前記商品会話の特徴に基づいて、前記ユーザの前記商品に関するファネル状況を特定する特定手順と、
特定したファネル状況に応じた態様で前記商品に関する商品情報を提供する提供手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記抽出手順は、
前記商品会話に関する特定のメッセージを検出した場合に、前記メッセージを含む前後の会話を前記商品会話として抽出し、
前記ファネル状況は、
認知、訴求、調査、行動および推奨を少なくとも含み、
前記提供手順は、
前記ファネル状況が前記行動である場合において、前記ユーザが前記商品を所有していないときには販売に関する情報であって、前記商品の販売ページまたは前記商品のセール情報の少なくともいずれかの情報を含む前記商品情報を提供する
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの端末装置を用いて、リアルタイムでメッセージやデータ等をチャット形式により送受信可能なサービスがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2022-58711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、ユーザに対してより良いサービスを提供する点で改善の余地があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、より良いサービスを提供することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、抽出部と、特定部と、提供部とを備える。前記抽出部は、ユーザの会話履歴の中から商品に関する商品会話を抽出する。前記特定部は、抽出した前記商品会話の特徴に基づいて、前記ユーザの前記商品に関するファネル状況を特定する。前記提供部は、特定したファネル状況に応じた態様で前記商品に関する商品情報を提供する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、より良いサービスを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、ユーザ情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る情報処理装置が実行する情報処理の処理手順を示すフローチャートである。
図6図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。なお、図1では、実施形態に係る情報処理装置1を含む情報処理システムSの動作例を示している。図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、ユーザ端末100とを含む。
【0011】
実施形態に係る情報処理システムSでは、ユーザのメッセージ送受信による会話履歴の中から商品に関する会話である商品会話の特徴を抽出し、かかる特徴に基づいて、ユーザの商品に関するファネル状況を特定し、ファネル状況に応じた態様で商品に関する商品情報を提供する。
【0012】
具体的には、情報処理装置1は、まず、ユーザの会話履歴を取得する(ステップS1)。会話履歴は、ユーザ間でメッセージの送受信を行うことで会話を行うアプリケーション(以下、アプリと称する)において、ユーザが他のユーザへ送信したメッセージや、他のユーザから受信したメッセージを含む。
【0013】
つづいて、情報処理装置1は、会話履歴の中から、商品に関する会話である商品会話を抽出する。商品会話は、例えば、商品の名称や、機能、性能、型式等のメッセージである。
【0014】
つづいて、情報処理装置1は、抽出した商品会話の特徴を抽出する(ステップS3)。商品会話の特徴は、ユーザの商品に対する理解度や、知識量、商品の所有の有無、商品への評価等である。
【0015】
つづいて、情報処理装置1は、抽出した商品会話の特徴に基づいて、ユーザの商品に関するファネル状況を特定する(ステップS4)。図1では、情報処理装置1は、認知、訴求、調査、行動および推奨のいずれのファネル状況であるかを特定する。
【0016】
認知は、商品を認知している(知っている、聞いたことがある)ものの、興味を持つまでには至っていないファネル状況である。訴求は、商品に興味を持っているものの、所有(購入)を希望するまでには至っていないファネル状況である。調査は、商品を所有(購入)するかどうか迷っており、購入する行動を起こすまでには至っていないファネル状況である。行動は、商品を所有(購入)する意思がある、もしくは、商品を所有(購入)しているファネル状況である。推奨は、商品を所有(購入)しており、他のユーザに所有(購入)を奨める(もしくは奨めない)行動を起こしているファネル状況である。
【0017】
情報処理装置1は、例えば、商品会話の特徴を説明変数とし、ファネル状況を目的変数として学習したモデルを用いて、ファネル状況を特定する。なお、情報処理装置1は、ユーザがどのファネル状況にも属していないと特定した場合には、ユーザが商品を認知していないと特定する。
【0018】
つづいて、情報処理装置1は、特定したファネル状況に応じた態様の商品情報を生成する(ステップS5)。例えば、情報処理装置1は、ファネル状況が認知の場合、訴求に移行させるため、商品の機能や、性能等といったユーザが興味を持ちそうな商品情報を提供する。かかる商品情報は、例えば、過去に他のユーザが興味を持つに至った商品情報を解析して提供してもよい。
【0019】
また、情報処理装置1は、ファネル状況が訴求の場合、調査に移行させるため、商品を実際に使用した他のユーザの評価(口コミ等)等の商品情報を提供する。また、情報処理装置1は、ファネル状況が調査の場合、行動に移行させるため、ユーザが信頼している(関係性が近い)他のユーザの評価等の商品情報や、商品のセール情報、販売ページ等の商品情報を提供する。また、情報処理装置1は、ファネル状況が行動の場合、ユーザが商品を所有(購入)していないときには販売ページや、セール情報等の商品を提供し、ユーザが商品を所有(購入)済であるときには、商品の評価を要求する。また、情報処理装置1は、ファネル状況が推奨である場合には、ユーザが行った商品の評価を共有先となる他のユーザを提供(紹介)する。
【0020】
つづいて、情報処理装置1は、生成した商品情報や要求、紹介先となる他のユーザの情報等をユーザに提供する(ステップS6)。例えば、情報処理装置1は、上記したアプリを介して、商品情報や要求、紹介先となる他のユーザの情報等をメッセージにより送信する。
【0021】
このように、実施形態に係る情報処理装置1によれば、ユーザの商品に関するファネル状況に応じた態様で商品情報を提供することで、ユーザの現在のファネル状況に合致した商品情報を提供できる。すなわち、実施形態に係る情報処理装置1によれば、ユーザに対してより良いサービスを提供することができる。
【0022】
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの構成例について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、複数のユーザ端末100とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0023】
情報処理装置1は、実施形態に係る情報処理方法を実行するサーバ装置である。情報処理装置1は、ユーザの会話履歴の中から商品に関する会話である商品会話の特徴を抽出し、かかる特徴に基づいて、ユーザの商品に関するファネル状況を特定し、ファネル状況に応じた態様で商品に関する商品情報を提供する。
【0024】
また、情報処理装置1は、複数のユーザ端末100と連携し、各ユーザ端末100に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0025】
また、情報処理装置1は、各ユーザ端末100に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報処理装置1は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、情報処理装置1は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0026】
ユーザ端末100は、ユーザが所持する端末装置である。ユーザ端末100は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。ユーザ端末100は、情報処理装置1等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0027】
次に、図3を参照して、情報処理装置1の構成例について説明する。
【0028】
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す図である。図3に示されるように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。制御部3は、取得部31と、抽出部32と、特定部33と、生成部34と、提供部35とを備える。記憶部4は、ユーザ情報41を記憶する。
【0029】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。
【0030】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0031】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0032】
ユーザ情報41は、ユーザに関する情報である。図4は、ユーザ情報41の一例を示す図である。図4に示すように、ユーザ情報41は、「ユーザID」、「属性情報」、「行動履歴」、「ファネル」等の項目を含む。
【0033】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報である。「属性情報」は、ユーザの属性に関する情報であり、サイコグラフィック属性や、デモグラフィック属性等を含む。「行動履歴」は、ユーザのネットワーク上における行動履歴である。「行動履歴」は、例えば、ユーザの検索行動、購買行動、会話履歴等である。「ファネル」は、ユーザの現在のファネル状況を示す情報である。
【0034】
次に、情報処理装置1の制御部3の各機能(取得部31、抽出部32、特定部33、生成部34および提供部35)について説明する。
【0035】
取得部31は、ユーザの会話履歴を取得する。例えば、取得部31は、ユーザ間でチャット形式によりメッセージの送受信を行うことで会話を行うアプリケーション(以下、アプリと称する)において、ユーザが他のユーザへ送信したメッセージや、他のユーザから受信したメッセージを含む会話履歴を取得する。
【0036】
より具体的には、会話履歴は、上記したメッセージに加えて、メッセージの送信元および受信元となるユーザや、ユーザが会話行ったグループの情報を含む。グループとは、複数のユーザがチャット形式によりメッセージの送受信を行って会話を行うグループである。
【0037】
抽出部32は、取得した会話履歴の中から商品に関する商品会話を抽出する。例えば、抽出部32は、商品の名称や、機能、性能、型式等のメッセージを商品会話として抽出する。
【0038】
また、抽出部32は、商品会話に関する上記のメッセージが検出された場合に、商品会話における内容を抽出する。例えば、抽出部32は、上記のメッセージを含む前後の会話に基づいて、商品の売買を希望しているかや、商品の使い方や故障に関する質問であるか、商品(または商品のカテゴリ)に関する知識量、商品の評価等といった内容を抽出する。
【0039】
つづいて、抽出部32は、抽出した商品会話に基づいて、商品会話の特徴を抽出する。商品会話の特徴は、例えば、上記した商品会話の会話相手や、商品会話の内容(商品の所有の有無や、商品に関する知識量、商品の使い方、商品の故障対応方法等)といった情報を含む。
【0040】
特定部33は、抽出部32が抽出した商品会話の特徴に基づいて、ユーザの商品に関するファネル状況を特定する。具体的には、特定部33は、上記した各ファネル(認知、訴求、調査、行動および推奨)のいずれのファネル状況であるかを特定する。なお、各ファネルは、図1に示した例に限定されるものではなく、例えば、ユーザによって任意に設定されたファネルであってもよく、既存の他のファネルであってもよい。
【0041】
特定部33は、例えば、商品会話の特徴を説明変数とし、ファネル状況を目的変数として学習したモデルを用いて、ファネル状況を特定する。なお、特定部33は、ユーザがどのファネル状況にも属していないと特定した場合には、ユーザが商品を認知していないと特定する。あるいは、特定部33は、認知の前段階である「未認知」のファネル状況として特定してもよい。
【0042】
生成部34は、特定したファネル状況に応じた態様の商品情報を生成する。例えば、生成部34は、ファネル状況が認知の場合、訴求に移行させるため、商品の機能や、性能等といったユーザが興味を持ちそうな商品情報を提供する。かかる商品情報は、例えば、過去に他のユーザが興味を持つに至った商品情報を解析して提供してもよい。
【0043】
また、生成部34は、ファネル状況が訴求の場合、調査に移行させるため、商品を実際に使用した他のユーザの評価(口コミ等)等の商品情報を提供する。また、生成部34は、ファネル状況が調査の場合、行動に移行させるため、ユーザが信頼している(関係性が近い)他のユーザの評価等の商品情報や、商品のセール情報、販売ページ等の商品情報を提供する。また、生成部34は、ファネル状況が行動の場合、ユーザが商品を所有(購入)していないときには販売ページや、セール情報等の商品を提供し、ユーザが商品を所有(購入)済であるときには、商品の評価を要求する。また、生成部34は、ファネル状況が推奨である場合には、ユーザが行った商品の評価を共有先となる他のユーザを提供(紹介)する。
【0044】
提供部35は、生成した商品情報や要求、紹介先となる他のユーザの情報等をユーザに提供する。例えば、提供部35は、上記したアプリを介して、商品情報や要求、紹介先となる他のユーザの情報等をメッセージにより送信する。
【0045】
次に、図5を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する情報処理の処理手順について説明する。図5は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する情報処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0046】
図5に示すように、制御部3は、まず、ユーザの会話履歴を取得する(ステップS101)。
【0047】
つづいて、制御部3は、会話履歴の中から商品に関する商品会話を抽出する(ステップS102)。
【0048】
つづいて、制御部3は、商品会話の特徴を抽出する(ステップS103)。
【0049】
つづいて、制御部3は、商品会話の特徴に基づいて、商品に関するユーザのファネル状況を推定する(ステップS104)。
【0050】
つづいて、制御部3は、推定したファネル状況に応じた態様の商品情報を生成する(ステップS105)。
【0051】
つづいて、制御部3は、生成した商品情報を提供し(ステップS106)、処理を終了する。
【0052】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0053】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0054】
例えば、図3に示した記憶部4の一部又は全部は、各装置によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、各装置は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0055】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0056】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0057】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0058】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0059】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0060】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0061】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0062】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、抽出部32と、特定部33と、提供部35とを備える。抽出部32は、ユーザの会話履歴の中から商品に関する商品会話を抽出する。特定部33は、抽出した商品会話の特徴に基づいて、ユーザの商品に関するファネル状況を特定する。提供部35は、特定したファネル状況に応じた態様で商品に関する商品情報を提供する。このような構成により、ユーザに対してより良いサービスを提供することができる。
【0063】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0064】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0065】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0066】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0067】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部3は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0068】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 取得部
32 抽出部
33 特定部
34 生成部
35 提供部
41 ユーザ情報
100 ユーザ端末
S 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6