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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】液滴吐出装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20231219BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B41J2/01 307
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022164448
(22)【出願日】2022-10-13
(65)【公開番号】P2023099288
(43)【公開日】2023-07-12
【審査請求日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0192346
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】598123150
【氏名又は名称】セメス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】77,4sandan 5-gil,Jiksan-eup,Seobuk-gu,Cheonan-si,Chungcheongnam-do,331-814 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ジャン ミ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,キ フーン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ヨン フーン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミュン ジン
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/204135(WO,A1)
【文献】特開2021-194863(JP,A)
【文献】特表2017-512681(JP,A)
【文献】特開2022-167899(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C5/00ー21/00
B41J2/01-2/015
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のヘッドが固定されるヘッド固定領域を含むベースと、
前記ベース上に位置し、前記ベースに設けられた前記多数のヘッドが貫通する開口部を含むパックホルダと、
前記パックホルダに設けられ、前記ベースに向かって突出したガイドピンと、
前記ベースに設けられ、前記ガイドピンと締結されるガイドホルダと、
前記パックホルダに設けられ、前記ベースに向かって突出した第1締結部と、
前記ベースに設けられ、前記第1締結部と締結される第2締結部を含み、
前記第1締結部または前記第2締結部のいずれか一つにロックエアーが供給され、前記第1締結部と前記第2締結部の締結が行われる、液滴吐出装置。
【請求項2】
前記第1締結部は前記ロックエアーの供給を受けるエアークランプであり、前記第2締結部は前記エアークランプと締結されるクランピングブロックである、請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項3】
前記第1締結部は、
一側に形成された孔を含むボディと、前記ボディ内に位置し、支持領域と、前記支持領域と連結されて前記孔を貫通するロッド領域を含むピストンロッドと、
前記ボディ内に設けられ、前記ボディの内壁と前記支持領域の間に設けられたばねと、
前記ボディに設けられ、前記支持領域に前記ロックエアーを供給するためのロックポートを含み、
前記ロックポートを介して前記ロックエアーを供給し、前記ばねの弾性力が小さくなる方向に前記ピストンロッドを移動させることができる、請求項2に記載の液滴吐出装置。
【請求項4】
前記第1締結部は、
前記ボディに設けられ、前記支持領域にリリースエアーを供給するためのリリースポートをさらに含み、
前記リリースポートを介して前記ロックエアーを供給し、前記ばねの弾性力が大きくなる方向に前記ピストンロッドを移動させることができる、請求項3に記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
前記ガイドホルダは、リリースボタンが設けられた圧力ラッチであり、前記リリースボタンを押して、前記締結されたガイドピンと前記ガイドホルダを分離する、請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項6】
前記ガイドホルダは、前記リリースボタンが前記ベースの底面に露出するように設けられる、請求項5に記載の液滴吐出装置。
【請求項7】
前記ガイドホルダは多数個であり、前記ヘッド固定領域は長方形形状であり、前記多数のガイドホルダは前記第2締結部に比べて、前記ヘッド固定領域の頂点に近く設けられる、請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項8】
前記第2締結部は前記ガイドホルダに比べて、前記ヘッド固定領域のエッジに近く設けられる、請求項7に記載の液滴吐出装置。
【請求項9】
前記ガイドホルダは2個であり、前記2個のガイドホルダは、前記ヘッド固定領域の4個の頂点のうち、対角方向に位置した2個の頂点に近く設けられる、請求項7に記載の液滴吐出装置。
【請求項10】
ヘッドフレームと、
前記ヘッドフレームに固定され、開口部を含むパックホルダと、
前記パックホルダの下に固定され、前記開口部を貫通する多数のヘッドが設けられるヘッド固定領域を含むベースと、
前記パックホルダに設けられ、前記ベースに向かって突出した多数のガイドピンと多数のエアークランプと、
前記ベースに設けられ、前記多数のガイドピンと締結される多数のガイドホルダと、前記多数のエアークランプと締結される多数のクランピングブロックを含み、
前記ヘッド固定領域は、長方形形状であり、
前記多数のガイドホルダは、前記クランピングブロックに比べて、前記ヘッド固定領域の頂点に近く設けられ、
前記多数のクランピングブロックは、前記ガイドホルダに比べて、前記ヘッド固定領域のエッジに近く設けられ、
前記エアークランプにロックエアーが供給され、前記エアークランプと前記クランピングブロックが締結され、
前記エアークランプにリリースエアーが供給され、前記エアークランプと前記クランピングブロックが分離される、液滴吐出装置。
【請求項11】
前記ガイドホルダは、リリースボタンが設けられた圧力ラッチであり、前記ガイドホルダは、前記リリースボタンが前記ベースの底面に露出するように設けられる、請求項10に記載の液滴吐出装置。
【請求項12】
前記エアークランプは、
一側に形成された孔を含むボディと、
前記ボディ内に位置し、支持領域と、前記支持領域と連結されて前記孔を貫通するロッド領域を含むピストンロッドと、
前記ボディ内に設けられ、前記ボディの内壁と前記支持領域の間に設けられたばねと、
前記ボディに設けられ、前記支持領域に前記ロックエアーを供給するためのロックポートを含み、
前記ロックポートを介して前記ロックエアーを供給し、前記ばねの弾性力が小さくなる方向に前記ピストンロッドを移動させることができる、請求項10に記載の液滴吐出装置。
【請求項13】
前記エアークランプは、
前記ボディに設けられ、前記支持領域にリリースエアーを供給するためのリリースポートをさらに含み、
前記リリースポートを介して前記ロックエアーを供給し、前記ばねの弾性力が大きくなる方向に前記ピストンロッドを移動させることができる、請求項12に記載の液滴吐出装置。
【請求項14】
多数のヘッドを含むヘッドパックとパックホルダを準備し、前記ヘッドパックはベースのヘッド固定領域に固定され、前記ベースの前記ヘッド固定領域の周辺にはガイドホルダとクランピングブロックが設けられ、前記パックホルダには開口部と、前記開口部の周辺にガイドピンとエアークランプが設けられ、
前記パックホルダの下端に前記ヘッドパックを配置し、
前記ガイドピンと前記ガイドホルダを締結させ、かつ前記エアークランプと前記クランピングブロックを臨時に締結させ、
前記エアークランプにロックエアーを供給して、前記エアークランプと前記クランピングブロックを締結させて吐出モジュールを完成する、液滴吐出装置の製造方法。
【請求項15】
完成された前記吐出モジュールをヘッドフレームに設け、前記ベース上に前記パックホルダが配置されるようにすることをさらに含む、請求項14に記載の液滴吐出装置の製造方法。
【請求項16】
前記ガイドホルダは、リリースボタンが設けられた圧力ラッチであり、前記ガイドホルダは、前記リリースボタンが前記ベースの底面に露出するように設けられる、請求項14に記載の液滴吐出装置の製造方法。
【請求項17】
前記パックホルダをヘッドフレームに固定させることによって、完成された前記吐出モジュールをヘッドフレームに設け、前記ベース上に前記パックホルダが配置されるようにし、
前記パックホルダがヘッドフレームに固定された状態で、前記エアークランプにリリースエアーを供給して、前記エアークランプと前記クランピングブロックを分離し、
前記リリースボタンを押して前記ガイドピンと前記ガイドホルダを分離することによって、前記ベースを前記パックホルダから分離することをさらに含む、請求項16に記載の液滴吐出装置の製造方法。
【請求項18】
前記ベースに設けられた多数のヘッドのうち少なくとも一部を補修または交換し、前記パックホルダがヘッドフレームに固定された状態で、前記補修または交換された多数のヘッドを含むベースを前記パックホルダに再び締結させることをさらに含む、請求項17に記載の液滴吐出装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液滴吐出装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイ装置を製造する際には、配向膜やカラーフィルタを形成するためにインクジェット設備を用いてガラス基板上に液滴を吐出する。
【0003】
従来のインクジェット設備では、U字形状のベースに多数のヘッドが設けられてヘッドパック(head pack)を構成する。ヘッドパックは上から下の方向にパックホルダ(pack holder)の開口部に挿入されて固定される。しかし、多数のヘッド、ベースおよび/またはパックホルダの間の空間が非常に狭いので、前記空間で対流熱が停滞し得る。このような対流熱によって多数のヘッドのアライン(align)がずれてしまうことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、多数のヘッドのミスアライン(misalign)を最小化できる液滴吐出装置を提供することにある。本発明が解決しようとする他の課題は、多数のヘッドのミスアラインを最小化できる液滴吐出装置の製造方法を提供することにある。
【0005】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するための本発明の液滴吐出装置の一面(aspect)は、多数のヘッドが固定されるヘッド固定領域を含むベースと、前記ベース上に位置し、前記ベースに設けられた前記多数のヘッドが貫通する開口部を含むパックホルダと、前記パックホルダに設けられ、前記ベースに向かって突出したガイドピンと、前記ベースに設けられ、前記ガイドピンと締結されるガイドホルダと、前記パックホルダに設けられ、前記ベースに向かって突出した第1締結部と、前記ベースに設けられ、前記第1締結部と締結される第2締結部を含み、前記第1締結部または前記第2締結部のいずれか一つにロックエアーが供給され、前記第1締結部と前記第2締結部の締結が行われる。
【0007】
前記課題を達成するための本発明の液滴吐出装置の他の面は、ヘッドフレームと、前記ヘッドフレームに固定され、開口部を含むパックホルダと、前記パックホルダの下に固定され、前記開口部を貫通する多数のヘッドが設けられるヘッド固定領域を含むベースと、前記パックホルダに設けられ、前記ベースに向かって突出した多数のガイドピンと多数のエアークランプと、前記ベースに設けられ、前記多数のガイドピンと締結される多数のガイドホルダと、前記多数のエアークランプと締結される多数のクランピングブロックを含み、前記ヘッド固定領域は長方形形状であり、前記多数のガイドホルダは前記クランピングブロックに比べて、前記ヘッド固定領域の頂点に近く設けられ、前記多数のクランピングブロックは前記ガイドホルダに比べて、前記ヘッド固定領域のエッジに近く設けられ、前記エアークランプにロックエアーが供給され、前記エアークランプと前記クランピングブロックが締結され、前記エアークランプにリリースエアーが供給され、前記エアークランプと前記クランピングブロックが分離される。
前記他の課題を達成するための本発明の液滴吐出装置の製造方法の一面は、多数のヘッドを含むヘッドパックとパックホルダを準備し、前記ヘッドパックはベースのヘッド固定領域に固定され、前記ベースの前記ヘッド固定領域の周辺にはガイドホルダとクランピングブロックが設けられ、前記パックホルダには開口部と、前記開口部の周辺にガイドピンとエアークランプが設けられ、前記パックホルダの下端に前記ヘッドパックを配置し、前記ガイドピンと前記ガイドホルダを締結させ、かつ前記エアークランプと前記クランピングブロックを臨時に締結させ、前記エアークランプにロックエアーを供給して、前記エアークランプと前記クランピングブロックを締結させて吐出モジュールを完成する。
その他実施形態の具体的な内容は詳細な説明および図面に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のいくつかの実施形態による液滴吐出装置を説明するための図である。
図2図1に示すベースの平面図である。
図3図1に示すパックホルダの底面図である。
図4図1の液滴吐出装置の側面図である。
図5図1に示すガイドピンとガイドホルダの締結動作を説明するための図である。
図6図1に示すガイドピンとガイドホルダの締結動作を説明するための図である。
図7図1に示す第1締結部と第2締結部の締結動作を説明するための図である。
図8図1に示す第1締結部と第2締結部の締結動作を説明するための図である。
図9】本発明の一実施形態による製造方法を説明するためのフローチャートである。
図10図9のS450段階を説明するための図である。
図11】本発明の他の実施形態による製造方法を説明するためのフローチャートである。
図12図11のS520段階を説明するための図である。
図13図11のS540段階を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付する図面を参照して本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は以下に開示される実施形態に限定されるものではなく互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同一参照符号は同一構成要素を指すものとする。
【0010】
空間的に相対的な用語である「下(below)」、「下(beneath)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」などは図面に示されているように一つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用される。空間的に相対的な用語は図面に示されている方向に加えて使用時または動作時の素子の互いに異なる方向を含む用語として理解されなければならない。例えば、図面に示されている素子をひっくり返す場合、他の素子の「下(below)」または「下(beneath)」と記述された素子は他の素子の「上(above)」に置かれ得る。したがって、例示的な用語の「下」は下と上の方向をすべて含むことができる。素子は他の方向に配向されてもよく、そのため空間的に相対的な用語は配向によって解釈されることができる。
【0011】
第1、第2などが多様な素子、構成要素および/またはセクションを叙述するために使われるが、これらの素子、構成要素および/またはセクションはこれらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は単に一つの素子、構成要素またはセクションを他の素子、構成要素またはセクションと区別するために使用する。したがって、以下で言及される第1素子、第1構成要素または第1セクションは本発明の技術的思想内で第2素子、第2構成要素または第2セクションであり得るのはもちろんである。
【0012】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明し、添付図面を参照して説明するにあたり図面符号に関係なく同一であるかまたは対応する構成要素は同じ参照番号を付与し、これに係る重複する説明は省略する。
【0013】
図1は本発明のいくつかの実施形態による液滴吐出装置を説明するための図である。図2図1に示すベースの平面図であり、図3図1に示すパックホルダの底面図である。図4図1の液滴吐出装置の側面図である。
【0014】
図1ないし図4を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による液滴吐出装置(または吐出モジュール,1)は、多数のヘッド10、ベース100、パックホルダ200、ガイドピン210a,210b、ガイドホルダ110a,110b、第1締結部220a,220bおよび第2締結部120a,120bなどを含む。
【0015】
ベース100は多数のヘッド10を支持する部材である。ベース100は例えば、実質的な長方形形状であり得る。図示のように、ベース100の短辺は第1方向Xに沿って配置され、長辺は第2方向Yに沿って配置される。また、ベース100はプレート(plate)形状であり得る。
【0016】
ベース100の中心付近には多数のヘッド10を固定するためのヘッド固定領域101が位置する。ヘッド固定領域101は例えば、実質的な長方形形状であり得る。図示のように、ヘッド固定領域101の短辺は第1方向Xに沿って配置され、長辺は第2方向Yに沿って配置される。ヘッド固定領域101には例えば、5個のヘッド10が固定されるが、これに限定されない。4個以下のヘッド10が固定されることもでき、6個以上のヘッド10が固定されることもできる。
【0017】
パックホルダ200はベース100上に位置し、ベース100とパックホルダ200は互いに結合される。パックホルダ200はヘッド固定領域101に対応する位置に形成された開口部201を含む。ベース100とパックホルダ200が結合されると、ベース100(すなわち、ヘッド固定領域101)に固定された多数のヘッド10は開口部201を貫通する(図4を参照)。
【0018】
パックホルダ200の他面(例えば、上面)には位置調整部材301,302が設けられる。位置調整部材301,302はヘッドパックを第1方向Xの移動、第2方向Yの移動および/またはシータ(theta)回転させる。
【0019】
ここで、ベース100とパックホルダ200の結合のために、パックホルダ200にはガイドピン210a,210bおよび第1締結部220a,220bが設けられ、ベース100にはガイドホルダ110a,110bと第2締結部120a,120bが設けられる。
【0020】
具体的には、パックホルダ200の一面(例えば、底面)にはベース100に向かって突出するようにガイドピン210a,210bおよび第1締結部220a,220bが設けられる。ベース100の一面(例えば、上面)にはパックホルダ200に向かって突出してガイドピン210a,210bに対応する位置にガイドホルダ110a,110bが設けられ、第1締結部220a,220bに対応する位置に第2締結部120a,120bが設けられる。ガイドピン210a,210bはガイドホルダ110a,110bと締結され、第1締結部220a,220bは第2締結部120a,120bと締結される。
【0021】
図2に示すように、ベース100には2個のガイドホルダ110a,110b、2個の第2締結部120a,120bが設けられる。例えば、第2締結部120a,120bはガイドホルダ110a,110bと比較するとき、長方形形状のヘッド固定領域101のエッジ(すなわち、短辺)に近く設けられる。
【0022】
ガイドホルダ110a,110bは第2締結部120a,120bと比較するとき、長方形形状のヘッド固定領域101の頂点に近く設けられる。具体的には、図示のように、2個のガイドホルダ110a,110bがヘッド固定領域101の4個の頂点のうち、対角方向に位置した2個の頂点に近く設けられる。別に図示していないが、ガイドホルダが4個であり、4個のガイドホルダそれぞれがヘッド固定領域101の4個の頂点に近く設けられることもできる。
【0023】
図3に示すように、パックホルダ200には2個のガイドピン210a,210b、2個の第1締結部220a,220bが設けられる。例えば、第1締結部220a,220bはガイドピン210a,210bと比較するとき、長方形形状の開口部201のエッジ(すなわち、短辺)に近く設けられる。
【0024】
ガイドピン210a,210bは第1締結部220a,220bと比較するとき、長方形形状の開口部201の頂点に近く設けられる。具体的には、図示のように、2個のガイドピン210a,210bが開口部201の4個の頂点のうち、対角方向に位置した2個の頂点に近く設けられる。別に図示していないが、ガイドピンが4個であり、4個のガイドピンそれぞれが開口部201の4個の頂点に近く設けられることもできる。
【0025】
一方、ガイドホルダ110a,110bはリリースボタン115a,115bが設けられた圧力ラッチであり得る。ガイドピン210a,210bは圧力ラッチ内の孔に締結される。ユーザーがリリースボタン115a,115bを押して、ガイドピン210a,210bと圧力ラッチを分離することができる。ガイドピン210a,210bと圧力ラッチの結合/分離は図5および図6を参照して後述する。ガイドホルダ110a,110bとガイドピン210a,210bの間の締結は、第1締結部220a,220bと第2締結部120a,120bが締結される前に、ベース100とパックホルダ200の位置を決定するためのものであり得る。図示のように、リリースボタン115a,115bはベース100の底面に露出するように設けられている。したがって、作業者が露出したリリースボタン115a,115bを簡単に押して、ガイドピン210a,210bと圧力ラッチを分離することができる。
【0026】
また、ベース100とパックホルダ200は第1締結部220a,220bと第2締結部120a,120bによって堅固に結合される。第1締結部220a,220bまたは第2締結部120a,120bのいずれか一つにロックエアー(lock air)が供給され、第1締結部220a,220bと第2締結部120a,120bの締結が行われる。図面では、第1締結部220a,220bがロックエアーの供給を受けるエアークランプであり、第2締結部120a,120bがエアークランプと締結されるクランピングブロックである場合を示したが、これに限定されない。すなわち、第2締結部120a,120bがエアークランプであり、第1締結部220a,220bがクランピングブロックであってもよい。以下では、第1締結部220a,220bがエアークランプであり、第2締結部120a,120bがクランピングブロックである場合を基準に説明する。
【0027】
従来のインクジェット設備の場合は、U字形状のベースが多数のヘッド周辺を囲む形態を有するので、ベースを介して熱がヘッドに伝達される。また、対流熱がベースと多数のヘッドの間の空間に閉じ込められて外部に抜けて出ることができない。このような熱によって多数のヘッドのアラインがずれてしまうことがあった。
【0028】
しかし、本発明のいくつかの実施形態による液滴吐出装置(または吐出モジュール,1)では、ベースが多数のヘッド10の周辺を囲まないため、ベースを介して熱がヘッドによく伝達されない。また、対流熱が周辺に簡単に抜け出ることができる。したがって、多数のヘッドのミスアライン発生を減らすことができる。
【0029】
図5および図6図1に示すガイドピンとガイドホルダの締結動作を説明するための図である。
【0030】
まず図5を参照すると、ガイドピン210aはパックホルダ200に設けられ、ガイドホルダ110aはベース100に設けられる。
【0031】
ガイドホルダ110aは圧力ラッチとして、ベース100に固定されるホルダボディ114aと、ホルダボディ114aのチップ領域に設けられた孔117aと、孔117aの側壁(内周面)に設けられたボール118aと、ホルダボディ114a内に設けられたロッド(rod,116a)、ロッド116aと連結されたリリースボタン115aなどを含む。
【0032】
ガイドピン210aとガイドホルダ110aの位置を合わせて、パックホルダ200とベース100を接近させる。図5ではベース100をパックホルダ200方向に移動させる場合を示しているが、これに限定されない。
【0033】
図6に示すように、ガイドピン210aはガイドホルダ110aの孔117a内に挿入され、孔117aの内周面に設けられたボール118aにより固定される。
図7および図8図1に示す第1締結部と第2締結部の締結動作を説明するための図である。
【0034】
まず図7を参照すると、第1締結部220aはパックホルダ200に設けられ、第2締結部120aはベース100に設けられる。第1締結部220aはエアークランプであり、第2締結部120aはクランピングブロックであり得る。
【0035】
第1締結部220aはボディ228a、ピストンロッド229a、ばね226a、ロックポート221a、リリースポート222aなどを含む。
【0036】
ボディ228aは一側に形成された孔224aが形成されている。ピストンロッド229aはボディ228a内に位置し、支持領域2291と、支持領域2291と連結されて前記孔224aを貫通するロッド領域2292を含む。ロッド領域2292には溝2293が形成されている。ボディ228aには(すなわち、孔224aの近くに)鋼球225aが設けられ、ピストンロッド229aの位置に応じて鋼球225aの位置が変更されることができる。ばね226aはボディ228a内に設けられ、ボディ228aの内壁と支持領域2291の間に設けられる。ロックポート221aはボディ228aに設けられ、支持領域2291にロックエアーを供給するためのものである。また、リリースポート222aはボディ228aに設けられ、支持領域2291にリリースエアーを供給するためのものである。
【0037】
一方、前述したように、ガイドピン210a,210bとガイドホルダ110a,110bの位置を合わせて、パックホルダ200とベース100を接近させると、ガイドピン210a,210bとガイドホルダ110a,110bは締結される。この時、図7に示すように、第1締結部220aと第2締結部120aは臨時に締結される。臨時に締結時、ピストンロッド229aのロッド領域2292が鋼球225aを外側方向に押し出して、鋼球225aは第2締結部120aの着座面121aに接触する。しかし、鋼球225aと着座面121aの間には適当な隙間があり得る。
【0038】
図8を参照すると、ロックポート221aを介してロックエアーLAが供給されると、ロックエアーLAの圧力とばね226aによる圧力によってピストンロッド229aが下降し(図面符号299を参照)、鋼球225aが着座面121aに密着する。ばねの弾性力が小さくなる方向にピストンロッド229aが移動する。このような方式で第1締結部220aと第2締結部120aが締結される。
【0039】
図9は本発明の一実施形態による製造方法を説明するためのフローチャートである。図10図9のS450段階を説明するための図である。以下では第1締結部がエアークランプであり、第2締結部がクランピングブロックであると説明する。
【0040】
図9を参照すると、アラインされたヘッドパックと、パックホルダ200を準備する(S410)。
【0041】
具体的には、図1ないし図3を用いて説明したように、アラインされた多数のヘッド10を含むヘッドパックはベース100のヘッド固定領域101に固定され、ベース100のヘッド固定領域101の周辺にはガイドホルダ110a,110bとクランピングブロック120a,120bが設けられる。パックホルダ200には開口部201と、開口部201の周辺にガイドピン210a,210bとエアークランプ220a,220bが設けられる。
【0042】
次に、パックホルダ200の下端にヘッドパックを配置する(S420)。
【0043】
次に、ガイドピン210a,210bとガイドホルダ110a,110bを締結させ、かつエアークランプ220a,220bとクランピングブロック120a,120bを(手動で)臨時に締結させる(S430)。
【0044】
具体的には、図5および図6を用いて説明したように、ガイドピン(例えば、210a)はガイドホルダ(例えば、110a)の孔117aの内周面に設けられたボール118aにより固定される。図7を用いて説明したように、ガイドピン210aがガイドホルダ110aと締結されるとき、エアークランプ(例えば、220a)のロッド領域2292が鋼球225aを外側方向に押し出して、鋼球225aはクランピングブロック(例えば、120a)の着座面121aに接触する。
【0045】
次に、エアークランプ220a,220bにロックエアーを供給して、エアークランプ220a,220bとクランピングブロック120a,120bを完全に締結させて精密度が確保された吐出モジュールを完成する(S440)。
【0046】
具体的には、図8を用いて説明したように、ロックポート221aを介してロックエアーLAが供給されると、ロックエアーLAの圧力とばね226aによる圧力によってピストンロッド229aが移動して(図面符号299を参照)、鋼球225aが着座面121aに密着する。
【0047】
次に、吐出モジュールをヘッドフレームに設置する(S450)。図10に示すように、吐出モジュールはヘッドフレーム600の下で固定される。ベース100上にパックホルダ200が位置するようになる。特に、ガイドホルダ110a,110bのリリースボタン(図1の115a、115bを参照)がベース100の底面に露出するようになる。
【0048】
図11は本発明の他の実施形態による製造方法を説明するためのフローチャートである。図11は多数のパックに対する維持補修の動作時、ベースおよびパックホルダの分離および再結合動作を説明するためのものである。図12図11のS520段階を説明するための図である。図13図11のS540段階を説明するための図である。
【0049】
まず図11を参照すると、多数のパックに対する維持補修が必要であれば、ユーザーはエアークランプ220a,220bにリリースエアーRAを供給してエアークランプ220a,220bとクランピングブロック120a,120bを分離する(S510)。
【0050】
具体的には、図12に示すように、エアークランプ220aにはリリースポート222aが設けられている。リリースポート222aにリリースエアーRAを供給すると、リリースエアーRAはピストンロッド229aを移動させる(図面符号298を参照)。ピストンロッド229aが移動すると、鋼球225aはクランピングブロック120aの着座面121aから離脱して、ピストンロッド229aの溝2293に安着する。そのため、エアークランプ220aとクランピングブロック120aは完全に分離される。
【0051】
次に、ベース100の底面に露出したリリースボタン115a,115bを押して、ガイドピン210a,210bとガイドホルダ110a,110bを分離する(S520)。
【0052】
次に、ベース100に設けられた多数のヘッドのうち少なくとも一部を補修または交換する(S530)。
【0053】
次に、パックホルダ200がヘッドフレーム600に固定された状態で、補修された多数のヘッド10を含むベース100をパックホルダ200に再び締結させる(S540)。
【0054】
具体的には、図13に示すように、維持補修期間の間、パックホルダ200はヘッドフレーム600から分離されない。ヘッド10が固定されているベース100のみ、パックホルダ200から分離して補修することができる。
【0055】
補修された多数のヘッド10を含むベース100をパックホルダ200に再び締結するときにも、ガイドピン210a,210bとガイドホルダ110a,110bを締結させ、かつエアークランプ220a,220bとクランピングブロック120a,120bを臨時に締結し、エアークランプ220a,220bにロックエアーを供給してエアークランプ220a,220bとクランピングブロック120a,120bを完全に締結させる。
【0056】
このようにガイドピン210a,210bとガイドホルダ110a,110b、エアークランプ220a,220bとクランピングブロック120a,120bを使用すると、作業者の熟練度に関係なく精密度を維持することができる。また、維持補修するとき、パックホルダ200は分離せずベース100のみ分離すれば良いので、維持補修期間が短くなる。
【0057】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記一実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13