(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】液晶可変焦点要素を有する拡張現実ディスプレイおよびそれを形成するためのロールツーロール方法および装置
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20231219BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20231219BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20231219BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20231219BHJP
G02F 1/313 20060101ALN20231219BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02F1/13 505
G02F1/13 101
G02F1/1335
H04N5/64 511A
G02F1/313
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022180177
(22)【出願日】2022-11-10
(62)【分割の表示】P 2020521300の分割
【原出願日】2018-10-25
【審査請求日】2022-12-07
(32)【優先日】2017-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ロイ マシュー パターソン
(72)【発明者】
【氏名】チュルウ オ
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィ クマール コマンドゥリ
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ スコット カーデン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ネビン ミラー
(72)【発明者】
【氏名】ビクラムジト シン
(72)【発明者】
【氏名】シュウチアン ヤン
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-034996(JP,A)
【文献】特開2007-133302(JP,A)
【文献】特表2010-526321(JP,A)
【文献】特開2005-274847(JP,A)
【文献】特表2017-500605(JP,A)
【文献】国際公開第2017/176898(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0213147(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0181706(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/02
G02B 27/01
G02F 1/13
G02F 1/1335
H04N 5/64
G02F 1/313
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイデバイスであって、
導波管アセンブリであって、前記導波管アセンブリは、光を出力し、画像を表示するように構成される導波管を備える、導波管アセンブリと、
前記導波管の主要表面に面した主要表面を有する適応レンズアセンブリであって、前記適応レンズアセンブリは、
波長板レンズと、
切替可能な波長板アセンブリであって、
体積をそれらの間に画定する第1の非液晶4分の1波長板および第2の非液晶4分の1波長板と、
前記第1の非液晶4分の1波長板から前記第2の非液晶4分の1波長板に延在し、前記体積をそれらの間にさらに画定するセル壁と、
前記第1の非液晶4分の1波長板と前記第2の非液晶4分の1波長板との間の前記体積内に配置される液晶層であって、前記液晶層の液晶分子は、選択的に切替可能な配向を有する、液晶層と
を備える、切替可能な波長板アセンブリと
を備える、適応レンズアセンブリと
を備える、ディスプレイデバイス。
【請求項2】
適応レンズアセンブリであって、
波長板レンズと、
切替可能な波長板アセンブリであって、
体積をそれらの間に画定する第1の非液晶4分の1波長板および第2の非液晶4分の1波長板と、
前記第1の非液晶4分の1波長板から前記第2の非液晶4分の1波長板に延在し、前記体積をそれらの間にさらに画定するセル壁と、
前記第1の非液晶4分の1波長板と前記第2の非液晶4分の1波長板との間の前記体積内に配置される液晶層であって、前記液晶層の液晶分子は、選択的に切替可能な配向を有する、液晶層と
を備える、切替可能な波長板アセンブリと
を備える、適応レンズアセンブリ。
【請求項3】
前記切替可能な波長板アセンブリはさらに、前記第1の非液晶4分の1波長板と前記第2の非液晶4分の1波長板との間の前記体積内に配置される電極パターンを備え、前記電極パターンは、電場を選択的に確立し、前記液晶分子の配向を変化させるように構成される伝導性材料を含む、請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項4】
前記電極パターンは、前記第1の非液晶4分の1波長板上に配置され、別の電極パターンは、前記第2の非液晶4分の1波長板上の前記体積内に配置される、請求項3に記載のディスプレイデバイス。
【請求項5】
前記波長板レンズは、液晶ポリマー層を備える、請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項6】
前記適応レンズアセンブリはさらに、前記波長板レンズと前記第1の非液晶4分の1波長板との間に配置される整合層を備え、前記整合層は、少なくとも部分的に、前記液晶ポリマー層内の液晶分子の配向を決定する、請求項5に記載のディスプレイデバイス。
【請求項7】
前記波長板レンズは、他の液晶ポリマー層を前記液晶ポリマー層上に備える、請求項5に記載のディスプレイデバイス。
【請求項8】
前記波長板レンズおよび前記切替可能な波長板アセンブリは、適応レンズサブアセンブリを構成し、前記適応レンズアセンブリは、複数の適応レンズサブアセンブリを備え、各適応レンズサブアセンブリは、
波長板レンズと、
切替可能な波長板アセンブリと
を備える、請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項9】
他の適応レンズアセンブリを前記導波管アセンブリの前記適応レンズアセンブリと反対の側にさらに備え、前記他の適応レンズアセンブリは、関連付けられた波長板レンズと、関連付けられた切替可能な波長板アセンブリとを備える、請求項1に記載のディスプレイデバイス。
【請求項10】
前記切替可能な波長板アセンブリはさらに、前記第1の非液晶4分の1波長板と前記第2の非液晶4分の1波長板との間の前記体積内に配置される電極パターンを備え、前記電極パターンは、電場を選択的に確立し、前記液晶分子の配向を変化させるように構成される伝導性材料を含む、請求項2に記載の適応レンズアセンブリ。
【請求項11】
前記電極パターンは、前記第1の非液晶4分の1波長板上に配置され、他の電極パターンは、前記第2の非液晶4分の1波長板上の前記体積内に配置される、請求項10に記載の適応レンズアセンブリ。
【請求項12】
前記波長板レンズは、液晶ポリマー層を備える、請求項2に記載の適応レンズアセンブリ。
【請求項13】
前記適応レンズアセンブリはさらに、前記波長板レンズと前記第1の非液晶4分の1波長板との間に配置される整合層を備え、前記整合層は、少なくとも部分的に、前記液晶ポリマー層内の液晶分子の配向を決定する、請求項12に記載の適応レンズアセンブリ。
【請求項14】
前記波長板レンズは、他の液晶ポリマー層を前記液晶ポリマー層上に備える、請求項12に記載の適応レンズアセンブリ。
【請求項15】
前記波長板レンズおよび前記切替可能な波長板アセンブリは、適応レンズサブアセンブリを構成し、前記適応レンズアセンブリは、複数の適応レンズサブアセンブリを備え、各適応レンズサブアセンブリは、
波長板レンズと、
切替可能な波長板アセンブリと
を備える、請求項2に記載の適応レンズアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、その全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる、2017年10月26日に出願され、「AUGMENTED REALITY DISPLAY HAVING LIQUID CRYSTAL VARIABLE FOCUS ELEMENT AND ROLL-TO-ROLL METHOD AND APPARATUS FOR FORMING THE SAME」と題された、米国仮出願第62/577,678号の優先権の利益を主張する。
(参照による引用)
【0002】
本願は、以下の特許出願、すなわち、2014年11月27日に出願され、2015年7月23日に米国特許公開第2015/0205126号として公開された、米国特許出願第14/555,585号、2015年4月18日に出願され、2015年10月22日に米国特許公開第2015/0302652号として公開された、米国特許出願第14/690,401号、2014年3月14日に出願され、2016年8月16日に発行された、現米国特許第9,417,452号である、米国特許出願第14/212,961号、および2014年7月14日に出願され、2015年10月29日に米国特許公開第2015/0309263として公開された、米国特許出願第14/331,218号、2017年8月22日に出願された、米国特許出願第15/683,706号、2016年11月18日に出願された、米国仮特許出願第62/424,341号、2017年6月12日に出願された、米国仮特許出願第62/518,539号、および2018年5月25日に出願された、米国特許第15/990,155号のそれぞれの全体を参照することによって組み込む。
【0003】
本開示は、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、拡張現実ディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式でユーザに提示される。仮想現実または「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実または「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであって、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオでは、AR画像コンテンツは、実世界内のオブジェクトによって遮断されて見える、または別様にそれと相互作用するように知覚される。
【0005】
図1を参照すると、拡張現実場面10が、描写され、AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、コンクリートプラットフォーム30を特徴とする、実世界公園状設定20が見える。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザはまた、これらの要素40、50が実世界内に存在しないにもかかわらず、実世界プラットフォーム30上に立っているロボット像40と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ50等の「仮想コンテンツ」を「見ている」と知覚する。ヒトの視知覚系は、複雑であって、他の仮想または実世界画像要素間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術の生成は、困難である。
【0006】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ARまたはVR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に説明される主題の1つ以上の実装の詳細は、付随の図面および下記の説明に記載される。他の特徴、側面、および利点は、説明、図面、および請求項から明白となるであろう。本概要または以下の詳細な説明のいずれも、本発明の主題の範囲を定義または限定することを主張するものではない。
【0008】
第1の実施形態では、ディスプレイデバイスが、説明される。ディスプレイデバイスは、光を出力し、画像を表示するように構成される、導波管を備える、導波管アセンブリと、導波管の主要表面に面した主要表面を有する、適応レンズアセンブリとを備える。適応レンズアセンブリは、波長板レンズと、切替可能な波長板アセンブリとを備える。切替可能な波長板アセンブリは、体積をその間に画定する、第1の非液晶4分の1波長板と、第2の非液晶4分の1波長板と、第1の4分の1波長板と第2の4分の1波長板との間の体積内に配置される、液晶層とを備え、液晶層の液晶分子は、選択的に切替可能な配向を有する。
【0009】
切替可能な波長板アセンブリはさらに、第1の4分の1波長板と第2の4分の1波長板との間の体積内に配置される、電極パターンを備えてもよく、電極パターンは、電場を選択的に確立し、液晶分子の配向を変化させるように構成される、伝導性材料を含む。電極パターンは、第1の4分の1波長板上に配置されてもよく、別の電極パターンは、第2の4分の1波長板上の体積内に配置されてもよい。波長板レンズは、液晶ポリマー層を備えてもよい。適応レンズアセンブリはさらに、波長板レンズと第1の4分の1波長板との間に配置される、整合層を備えてもよく、整合層は、少なくとも部分的に、液晶ポリマー層内の液晶分子の配向を決定する。波長板レンズは、他の液晶ポリマー層を液晶ポリマー層上に備えてもよい。第1の4分の1波長板と第2の4分の1波長板との間の体積はさらに、第1の4分の1波長板と第2の4分の1波長板との間に延在する、セル壁によって画定されてもよく、セル壁は、インクジェット印刷可能材料を含む。波長板レンズおよび切替可能な波長板アセンブリは、適応レンズアセンブリを構成してもよく、適応レンズアセンブリは、複数の適応レンズサブアセンブリを備え、各適応レンズサブアセンブリは、波長板レンズと、切替可能な波長板アセンブリとを備える。ディスプレイデバイスはさらに、他の適応レンズアセンブリを導波管アセンブリの適応レンズアセンブリと反対の側に備えてもよく、他の適応レンズアセンブリは、関連付けられた波長板レンズと、関連付けられた切替可能な波長板アセンブリとを備える。
【0010】
別の実施形態では、適応レンズアセンブリが、説明される。適応レンズアセンブリは、波長板レンズと、切替可能な波長板アセンブリとを備える。切替可能な波長板アセンブリは、体積をその間に画定する、第1の非液晶4分の1波長板と、第2の非液晶4分の1波長板と、第1の4分の1波長板と第2の4分の1波長板との間の体積内に配置される、液晶層であって、液晶層の液晶分子は、選択的に切替可能な配向を有する、液晶層とを備える。
【0011】
切替可能な波長板アセンブリはさらに、第1の4分の1波長板と第2の4分の1波長板との間の体積内に配置される、電極パターンを備えてもよく、電極パターンは、電場を選択的に確立し、液晶分子の配向を変化させるように構成される、伝導性材料を含む。電極パターンは、第1の4分の1波長板上に配置されてもよく、他の電極パターンは、第2の4分の1波長板上の体積内に配置されてもよい。波長板レンズは、液晶ポリマー層を備えてもよい。適応レンズアセンブリはさらに、波長板レンズと第1の4分の1波長板との間に配置される、整合層を備えてもよく、整合層は、少なくとも部分的に、液晶ポリマー層内の液晶分子の配向を決定する。波長板レンズは、他の液晶ポリマー層を液晶ポリマー層上に備えてもよい。第1の4分の1波長板と第2の4分の1波長板との間の体積はさらに、第1の4分の1波長板と第2の4分の1波長板との間に延在する、セル壁によって画定されてもよく、セル壁は、インクジェット印刷可能材料を含む。波長板レンズおよび切替可能な波長板アセンブリは、適応レンズサブアセンブリを構成してもよく、適応レンズアセンブリは、複数の適応レンズサブアセンブリを備え、各適応レンズサブアセンブリは、波長板レンズと、切替可能な波長板アセンブリとを備える。
【0012】
別の実施例では、ディスプレイデバイスが、説明される。ディスプレイデバイスは、光を出力し、画像を表示するように構成される、導波管を備える、導波管アセンブリと、導波管の主要表面に面した主要表面を有する、適応レンズアセンブリとを備える。適応レンズアセンブリは、波長板レンズと、切替可能な波長板アセンブリとを備える。切替可能な波長板アセンブリは、体積をその間に画定する、第1の基板および第2の基板と、体積内に配置される、液晶層と、液晶層の液晶分子を整合させるための第1のガイドのセットであって、体積内に配置され、第1の基板上にある、第1の電極パターンを備える、第1のガイドのセットと、液晶層の液晶分子を整合させるための第2のガイドのセットであって、体積内に配置され、第1の基板上にある、第2の電極パターンを備える、第2のガイドのセットとを備える。第1の電極パターンおよび第2の電極パターンは、液晶層の液晶分子の配向を選択的に変化させるための電場を確立するように構成される。
【0013】
第1の電極パターンおよび第2の電極パターンのうちの少なくとも1つは、平行導体のアレイを備えてもよい。第1の電極パターンおよび第2の電極パターンのうちの少なくとも1つは、ワイヤメッシュを備えてもよい。第1の基板および第2の基板はそれぞれ、4分の1波長板を備えてもよい。波長板レンズおよび切替可能な波長板アセンブリは、適応レンズサブアセンブリを構成してもよく、適応レンズアセンブリは、複数の適応レンズサブアセンブリを備え、各適応レンズサブアセンブリは、波長板レンズと、切替可能な波長板アセンブリとを備える。ディスプレイデバイスはさらに、他の適応レンズアセンブリを導波管アセンブリの適応レンズアセンブリと反対の側に備えてもよく、他の適応レンズアセンブリは、関連付けられた波長板レンズと、関連付けられた切替可能な波長板アセンブリとを備える。
【0014】
別の実施形態では、適応レンズアセンブリが、説明される。適応レンズアセンブリは、波長板レンズと、切替可能な波長板アセンブリとを備える。切替可能な波長板アセンブリは、体積をその間に画定する、第1の基板および第2の基板と、体積内に配置される、液晶層と、液晶層の液晶分子を整合させるための第1のガイドのセットであって、体積内に配置され、第1の基板上にある、第1の電極パターンを備える、第1のガイドのセットと、液晶層の液晶分子を整合させるための第2のガイドのセットであって、体積内に配置され、第1の基板上にある、第2の電極パターンを備える、第2のガイドのセットとを備える。第1の電極パターンおよび第2の電極パターンは、液晶層の液晶分子の配向を選択的に変化させるための電場を確立するように構成される。
【0015】
第1の電極パターンおよび第2の電極パターンのうちの少なくとも1つは、平行導体のアレイを備えてもよい。第1の電極パターンおよび第2の電極パターンのうちの少なくとも1つは、ワイヤメッシュを備えてもよい。第1の基板および第2の基板はそれぞれ、4分の1波長板を備えてもよい。波長板レンズは、液晶ポリマー層を備えてもよい。適応レンズアセンブリはさらに、波長板レンズと第1の4分の1波長板との間に配置される、整合層を備えてもよく、整合層は、少なくとも部分的に、液晶ポリマー層内の液晶分子の配向を決定する。波長板レンズは、他の液晶ポリマー層を液晶ポリマー層上に備えてもよい。波長板レンズおよび切替可能な波長板アセンブリは、適応レンズサブアセンブリを構成してもよく、適応レンズアセンブリは、複数の適応レンズサブアセンブリを備え、各適応レンズサブアセンブリは、波長板レンズと、切替可能な波長板アセンブリとを備える。
【0016】
別の実施形態では、液晶レンズを製造するためのロールツーロール装置が、説明される。装置は、処理するための基板のロールを提供するための供給基板ローラと、レンズ構造を有する処理された基板をその上に受容するためのレンズ基板ローラと、供給基板ローラからレンズ基板ローラへの展開(unroll)された基板の経路を画定する、基板経路と、基板経路内にあって、基板の第1の側の液晶分子の配向を誘導するための整合構造を形成するように構成される、整合構造アプリケータと、基板経路内にあって、第1の液晶層を供給基板の第1の側に適用するように構成される、スロットダイと、第1の液晶層を硬化させるように構成される、第1の硬化ステーションとを備える、第1のレンズ層アプリケータとを備える。
【0017】
第1の硬化ステーションは、紫外線(UV)光源を備えてもよく、UV光源は、第1の液晶層の液晶分子を重合化するように構成される。第1の硬化ステーションは、第1の液晶層を加熱するように構成される、熱源を備えてもよい。ロールツーロール装置はさらに、第2の液晶層を硬化された第1のレンズ層上に適用するように構成される、スロットダイと、第2の液晶層を硬化させるように構成される、第2の硬化ステーションとを備える、第2のレンズ層アプリケータを備えてもよい。第2の硬化ステーションは、紫外線(UV)光源を備えてもよく、UV光源は、第2の液晶層の液晶分子を重合化するように構成される。第2の硬化ステーションは、第2の液晶層を加熱するように構成される、熱源を備えてもよい。整合構造アプリケータは、整合層レジスト材料を供給基板の第1の側に適用するように構成される、スロットダイと、整合層レジスト材料を硬化させ、固体整合層を形成するように構成される、硬化ステーションと、1つ以上の整合構造を固体整合層内に光学的にパターン化するように構成される、光学整合器とを備えてもよい。整合構造アプリケータは、液体レジスト材料を供給基板の第1の側に印刷するように構成される、インクジェットプリンタと、液体レジスト材料をインプリントし、液晶整合構造を形成するように構成される、ロールテンプレートと、液体レジスト材料が共形ロールテンプレートと接触している間、液体レジスト材料を硬化させ、整合構造のパターンを供給基板の第1の側に備える、固体レジストを形成するように構成される、エネルギー源とを備えてもよい。
【0018】
別の実施形態では、液晶レンズを製造するためのロールツーロール装置が、説明される。装置は、処理するための基板のロールを提供するための供給基板ローラと、整合構造をその上に有する、処理された基板を受容するための中間基板ローラと、供給基板ローラから中間基板ローラへの展開された基板の経路を画定する、基板経路と、インプリントレジストを堆積させるように構成される、堆積デバイスと、複数のローラによって画定された閉鎖されたテンプレート経路に沿って進行するように構成される、連続テンプレートループ(テンプレート経路のインプリント部分は、基板経路の一部と一致する)と、整合構造を硬化させ、固体整合層を形成するように構成される、エネルギー源とを備える。
【0019】
エネルギー源は、紫外線(UV)光源を備えてもよい。堆積デバイスは、エネルギー源の上流にあって、インプリントレジストを供給基板の第1の側に適用するように構成される、スロットダイを備えてもよく、テンプレートループは、インプリントレジストをロールテンプレート経路のインプリント部分に沿ってインプリントするように構成されてもよい。堆積デバイスは、エネルギー源の上流にあって、インプリントレジストを印刷するように構成される、インクジェットプリンタを備えてもよく、テンプレートは、インプリントレジストをテンプレート経路のインプリント部分に沿ってインプリントするように構成される。インクジェットプリンタは、インプリントレジストをテンプレート上に堆積させるように構成されてもよい。
【0020】
別の実施例では、液晶レンズを製造するための方法が、説明される。本方法は、供給基板ローラにおいて、基板の供給ロールを展開するステップと、供給基板ローラとレンズ基板ローラとの間に延在する、展開された基板を処理するステップと、続いて、レンズ基板ローラにおいて、展開された基板を再巻取するステップとを含み、展開された基板を処理するステップは、整合層を展開された基板の第1の側に形成するステップと、第1の液晶層を整合構造にわたって堆積させるステップと、第1の液晶層を硬化させ、第1のレンズ層を形成するステップとを含む。
【0021】
第1の液晶層を堆積させるステップは、スロットダイを使用して、液晶を整合構造上に適用するステップを含んでもよい。第1の液晶層を硬化させるステップは、第1の液晶層を紫外線(UV)光で照射するステップを含んでもよい。第1の液晶層を硬化させるステップは、第1の液晶層をオーブン内で加熱するステップを含んでもよい。整合層を形成するステップは、選択的に画定可能な材料を基板の第1の側に堆積させるステップと、堆積された選択的に画定可能な材料をパターン化するステップとを含んでもよい。選択的に画定可能な材料をパターン化するステップは、選択的に画定可能な材料を光に暴露し、ホログラフィック記録を形成するステップを含んでもよい。選択的に画定可能な材料は、レジストであってもよく、選択的に画定可能な材料をパターン化するステップは、共形ロールテンプレートを使用して、レジストをインプリントするステップと、液体レジスト材料が共形ロールテンプレートと接触している間、液体レジスト材料を硬化させ、固体整合構造を供給基板の第1の側に形成するステップとを含む。本方法はさらに、第2の液晶層を第1のレンズ層にわたって適用するステップと、第2の液晶層を硬化させ、固体の第2のレンズ層を形成するステップとを含んでもよい。本方法はさらに、供給ロールを展開する前に、電極パターンを整合層が形成される側と反対の基板の下面側に形成するステップを含んでもよい。本方法はさらに、展開された基板を再巻取後、基板を展開し、複数の液晶セル壁を基板の下面上に形成するステップを含んでもよい。複数の液晶セル壁を形成するステップは、インクジェット堆積を含んでもよい。本方法はさらに、基板を他の基板に取り付け、基板と他の基板と液晶セル壁とによって画定された開放体積を形成するステップと、開放体積を液晶で充填するステップとを含んでもよい。基板は、4分の1波長板であってもよい。
【0022】
別の実施形態では、液晶レンズを製造するための方法が、説明される。本方法は、供給基板ローラにおいて、基板の供給ロールを展開するステップであって、展開された基板は、供給基板ローラと中間基板ローラとの間に延在する、ステップと、基板上の液晶分子の配向を誘導するために、整合特徴を展開された基板上に形成するステップであって、整合特徴を形成するステップは、複数のローラによって画定された進行経路を有する、閉ループテンプレートを使用して、整合特徴をインプリントするステップを含む、ステップと、続いて、中間基板ローラにおいて、展開された基板を再巻取するステップとを含む。
【0023】
整合特徴を形成するステップは、インプリントレジストを基板上に堆積させるステップと、テンプレートを使用して、インプリントレジストをインプリントするステップと、テンプレートがインプリントレジストをインプリントする間、インプリントレジストを硬化させ、固体整合構造を供給基板上に形成するステップとを含んでもよい。供給ロールは、電極パターンを整合層が形成されるべき上側と反対の基板の下面側に備えてもよい。本方法はさらに、展開された基板を再巻取後、基板を展開し、複数の液晶セル壁を基板の上側に形成するステップを含んでもよい。複数の液晶セル壁を形成するステップは、セル壁をインクジェット堆積によって印刷するステップを含んでもよい。本方法はさらに、基板を他の基板に取り付け、基板と他の基板と液晶セル壁とによって画定された開放体積を形成するステップと、開放体積を液晶で充填するステップとを含んでもよい。基板は、4分の1波長板であってもよい。
【0024】
別の実施例では、液晶レンズを製造するための方法が、説明される。本方法は、中間基板ローラにおいて、中間基板のロールを展開するステップであって、中間基板は、液晶分子のための整合特徴を備え、整合特徴は、中間基板の第1の側にある、ステップと、中間基板ローラとレンズ基板ローラとの間に延在する、展開された基板を処理するステップと、続いて、レンズ基板ローラにおいて、展開された基板を再巻取するステップとを含む。展開された基板を処理するステップは、第1の液晶層を整合特徴上に堆積させるステップと、第1の液晶層を硬化させ、第1のレンズ層を形成するステップとを含む。
【0025】
第1の液晶層を堆積させるステップは、液晶材料をスロットダイを用いて適用するステップを含んでもよい。第1の液晶層を硬化させるステップは、第1の液晶層を紫外線(UV)光で照射するステップを含んでもよい。第1の液晶層を硬化させるステップは、第1の液晶層をオーブン内で加熱するステップを含んでもよい。本方法はさらに、第2の液晶層を第1のレンズ層にわたって適用するステップと、第2の液晶層を硬化させ、固体の第2のレンズ層を形成するステップとを含んでもよい。本方法はさらに、展開された基板を再巻取後、基板を展開し、複数の液晶セル壁を基板上に形成するステップを含んでもよい。複数の液晶セル壁を形成するステップは、インクジェット堆積を含んでもよい。本方法はさらに、基板を他の基板に取り付け、基板と他の基板と液晶セル壁とによって画定された開放体積を形成するステップと、開放体積を液晶材料で充填するステップとを含んでもよい。基板は、整合特徴をその上に備える、4分の1波長板であってもよい。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
ディスプレイデバイスであって、
導波管アセンブリであって、前記導波管アセンブリは、光を出力し、画像を表示するように構成される導波管を備える、導波管アセンブリと、
前記導波管の主要表面に面した主要表面を有する適応レンズアセンブリであって、前記適応レンズアセンブリは、
波長板レンズと、
切替可能な波長板アセンブリであって、
体積をそれらの間に画定する第1の非液晶4分の1波長板および第2の非液晶4分の1波長板と、
前記第1の4分の1波長板と前記第2の4分の1波長板との間の体積内に配置される液晶層であって、前記液晶層の液晶分子は、選択的に切替可能な配向を有する、液晶層と
を備える、切替可能な波長板アセンブリと
を備える、適応レンズアセンブリと
を備える、ディスプレイデバイス。
(項目2)
前記切替可能な波長板アセンブリはさらに、前記第1の4分の1波長板と前記第2の4分の1波長板との間の体積内に配置される電極パターンを備え、前記電極パターンは、電場を選択的に確立し、前記液晶分子の配向を変化させるように構成される伝導性材料を含む、項目1に記載のディスプレイデバイス。
(項目3)
前記電極パターンは、前記第1の4分の1波長板上に配置され、別の電極パターンは、前記第2の4分の1波長板上の体積内に配置される、項目2に記載のディスプレイデバイス。
(項目4)
前記波長板レンズは、液晶ポリマー層を備える、項目1に記載のディスプレイデバイス。
(項目5)
前記適応レンズアセンブリはさらに、前記波長板レンズと前記第1の4分の1波長板との間に配置される整合層を備え、前記整合層は、少なくとも部分的に、前記液晶ポリマー層内の液晶分子の配向を決定する、項目4に記載のディスプレイデバイス。
(項目6)
前記波長板レンズは、他の液晶ポリマー層を前記液晶ポリマー層上に備える、項目4に記載のディスプレイデバイス。
(項目7)
前記第1の4分の1波長板と前記第2の4分の1波長板との間の体積はさらに、前記第1の4分の1波長板と前記第2の4分の1波長板との間に延在するセル壁によって画定され、前記セル壁は、インクジェット印刷可能材料を含む、項目1に記載のディスプレイデバイス。
(項目8)
前記波長板レンズおよび前記切替可能な波長板アセンブリは、適応レンズサブアセンブリを構成し、前記適応レンズアセンブリは、複数の適応レンズサブアセンブリを備え、各適応レンズサブアセンブリは、
波長板レンズと、
切替可能な波長板アセンブリと
を備える、項目1に記載のディスプレイデバイス。
(項目9)
他の適応レンズアセンブリを前記導波管アセンブリの前記適応レンズアセンブリと反対の側にさらに備え、前記他の適応レンズアセンブリは、関連付けられた波長板レンズと、関連付けられた切替可能な波長板アセンブリとを備える、項目1に記載のディスプレイデバイス。
(項目10)
適応レンズアセンブリであって、
波長板レンズと、
切替可能な波長板アセンブリであって、
体積をそれらの間に画定する第1の非液晶4分の1波長板および第2の非液晶4分の1波長板と、
前記第1の4分の1波長板と前記第2の4分の1波長板との間の体積内に配置される液晶層であって、前記液晶層の液晶分子は、選択的に切替可能な配向を有する、液晶層と
を備える、切替可能な波長板アセンブリと
を備える、適応レンズアセンブリ。
(項目11)
前記切替可能な波長板アセンブリはさらに、前記第1の4分の1波長板と前記第2の4分の1波長板との間の体積内に配置される電極パターンを備え、前記電極パターンは、電場を選択的に確立し、前記液晶分子の配向を変化させるように構成される伝導性材料を含む、項目10に記載のディスプレイデバイス。
(項目12)
前記電極パターンは、前記第1の4分の1波長板上に配置され、他の電極パターンは、前記第2の4分の1波長板上の体積内に配置される、項目11に記載のディスプレイデバイス。
(項目13)
前記波長板レンズは、液晶ポリマー層を備える、項目10に記載のディスプレイデバイス。
(項目14)
前記適応レンズアセンブリはさらに、前記波長板レンズと前記第1の4分の1波長板との間に配置される整合層を備え、前記整合層は、少なくとも部分的に、前記液晶ポリマー層内の液晶分子の配向を決定する、項目13に記載のディスプレイデバイス。
(項目15)
前記波長板レンズは、他の液晶ポリマー層を前記液晶ポリマー層上に備える、項目13に記載のディスプレイデバイス。
(項目16)
前記第1の4分の1波長板と前記第2の4分の1波長板との間の体積はさらに、前記第1の4分の1波長板と前記第2の4分の1波長板との間に延在するセル壁によって画定され、前記セル壁は、インクジェット印刷可能材料を含む、項目10に記載のディスプレイデバイス。
(項目17)
前記波長板レンズおよび前記切替可能な波長板アセンブリは、適応レンズサブアセンブリを構成し、前記適応レンズアセンブリは、複数の適応レンズサブアセンブリを備え、各適応レンズサブアセンブリは、
波長板レンズと、
切替可能な波長板アセンブリと
を備える、項目10に記載のディスプレイデバイス。
(項目18)
ディスプレイデバイスであって、
導波管アセンブリであって、前記導波管アセンブリは、光を出力し、画像を表示するように構成される導波管を備える、導波管アセンブリと、
前記導波管の主要表面に面した主要表面を有する適応レンズアセンブリであって、前記適応レンズアセンブリは、
波長板レンズと、
切替可能な波長板アセンブリであって、
体積をそれらの間に画定する第1の基板および第2の基板と、
前記体積内に配置される液晶層と、
前記液晶層の液晶分子を整合させるための第1のガイドのセットであって、前記第1のガイドのセットは、前記体積内に配置され、前記第1の基板上にある第1の電極パターンを備える、第1のガイドのセットと、
前記液晶層の液晶分子を整合させるための第2のガイドのセットであって、前記第2のガイドのセットは、前記体積内に配置され、前記第1の基板上にある第2の電極パターンを備える、第2のガイドのセットと
を備え、
前記第1の電極パターンおよび前記第2の電極パターンは、前記液晶層の液晶分子の配向を選択的に変化させるための電場を確立するように構成される、切替可能な波長板アセンブリと
を備える、適応レンズアセンブリと
を備える、ディスプレイデバイス。
(項目19)
前記第1の電極パターンおよび前記第2の電極パターンのうちの少なくとも1つは、平行導体のアレイを備える、項目18に記載のディスプレイデバイス。
(項目20)
前記第1の電極パターンおよび前記第2の電極パターンのうちの少なくとも1つは、ワイヤメッシュを備える、項目18に記載のディスプレイデバイス。
(項目21)
前記第1の基板および前記第2の基板はそれぞれ、4分の1波長板を備える、項目18に記載のディスプレイデバイス。
(項目22)
前記波長板レンズおよび前記切替可能な波長板アセンブリは、適応レンズサブアセンブリを構成し、前記適応レンズアセンブリは、複数の適応レンズサブアセンブリを備え、各適応レンズサブアセンブリは、
波長板レンズと、
切替可能な波長板アセンブリと
を備える、項目18に記載のディスプレイデバイス。
(項目23)
他の適応レンズアセンブリを前記導波管アセンブリの前記適応レンズアセンブリと反対の側にさらに備え、前記他の適応レンズアセンブリは、関連付けられた波長板レンズと、関連付けられた切替可能な波長板アセンブリとを備える、項目18に記載のディスプレイデバイス。
(項目24)
適応レンズアセンブリであって、
波長板レンズと、
切替可能な波長板アセンブリであって、
体積をそれらの間に画定する第1の基板および第2の基板と、
前記体積内に配置される液晶層と、
前記液晶層の液晶分子を整合させるための第1のガイドのセットであって、前記第1のガイドのセットは、前記体積内に配置され、前記第1の基板上にある第1の電極パターンを備える、第1のガイドのセットと、
前記液晶層の液晶分子を整合させるための第2のガイドのセットであって、前記第2のガイドのセットは、前記体積内に配置され、前記第1の基板上にある第2の電極パターンを備える、第2のガイドのセットと
を備え、
前記第1の電極パターンおよび前記第2の電極パターンは、前記液晶層の液晶分子の配向を選択的に変化させるための電場を確立するように構成される、切替可能な波長板アセンブリと
を備える、適応レンズアセンブリ。
(項目25)
前記第1の電極パターンおよび前記第2の電極パターンのうちの少なくとも1つは、平行導体のアレイを備える、項目24に記載の適応レンズアセンブリ。
(項目26)
前記第1の電極パターンおよび前記第2の電極パターンのうちの少なくとも1つは、ワイヤメッシュを備える、項目24に記載の適応レンズアセンブリ。
(項目27)
前記第1の基板および前記第2の基板はそれぞれ、4分の1波長板を備える、項目24に記載のディスプレイデバイス。
(項目28)
前記波長板レンズは、液晶ポリマー層を備える、項目24に記載のディスプレイデバイス。
(項目29)
前記適応レンズアセンブリはさらに、前記波長板レンズと前記第1の4分の1波長板との間に配置される整合層を備え、前記整合層は、少なくとも部分的に、前記液晶ポリマー層内の液晶分子の配向を決定する、項目28に記載のディスプレイデバイス。
(項目30)
前記波長板レンズは、他の液晶ポリマー層を前記液晶ポリマー層上に備える、項目28に記載のディスプレイデバイス。
(項目31)
前記波長板レンズおよび前記切替可能な波長板アセンブリは、適応レンズサブアセンブリを構成し、前記適応レンズアセンブリは、複数の適応レンズサブアセンブリを備え、各適応レンズサブアセンブリは、
波長板レンズと、
切替可能な波長板アセンブリと
を備える、項目24に記載のディスプレイデバイス。
(項目32)
液晶レンズを製造するためのロールツーロール装置であって、前記装置は、
処理するための基板のロールを提供するための供給基板ローラと、
レンズ構造を有する処理された基板をその上に受容するためのレンズ基板ローラと、
前記供給基板ローラから前記レンズ基板ローラへの展開された基板の経路を画定する基板経路と、
前記基板経路内の整合構造アプリケータであって、前記整合構造アプリケータは、前記基板の第1の側の液晶分子の配向を誘導するための整合構造を形成するように構成される、整合構造アプリケータと、
前記基板経路内の第1のレンズ層アプリケータであって、前記第1のレンズ層アプリケータは、
第1の液晶層を前記供給基板の第1の側に適用するように構成されるスロットダイと、
前記第1の液晶層を硬化させるように構成される第1の硬化ステーションと
を備える、第1のレンズ層アプリケータと、
を備える、装置。
(項目33)
前記第1の硬化ステーションは、紫外線(UV)光源を備え、前記UV光源は、前記第1の液晶層の液晶分子を重合化するように構成される、項目32に記載のロールツーロール装置。
(項目34)
前記第1の硬化ステーションは、前記第1の液晶層を加熱するように構成される熱源を備える、項目32に記載のロールツーロール装置。
(項目35)
第2のレンズ層アプリケータであって、
第2の液晶層を前記硬化された第1のレンズ層上に適用するように構成されるスロットダイと、
前記第2の液晶層を硬化させるように構成される第2の硬化ステーションと
を備える、第2のレンズ層アプリケータ
をさらに備える、項目32に記載のロールツーロール装置。
(項目36)
前記第2の硬化ステーションは、紫外線(UV)光源を備え、前記UV光源は、前記第2の液晶層の液晶分子を重合化するように構成される、項目35に記載のロールツーロール装置。
(項目37)
前記第2の硬化ステーションは、前記第2の液晶層を加熱するように構成される熱源を備える、項目35に記載のロールツーロール装置。
(項目38)
前記整合構造アプリケータは、
整合層レジスト材料を前記供給基板の第1の側に適用するように構成されるスロットダイと、
前記整合層レジスト材料を硬化させ、固体整合層を形成するように構成される硬化ステーションと、
1つ以上の整合構造を前記固体整合層内に光学的にパターン化するように構成される光学整合器と
を備える、項目32に記載のロールツーロール装置。
(項目39)
前記整合構造アプリケータは、
液体レジスト材料を前記供給基板の第1の側に印刷するように構成されるインクジェットプリンタと、
前記液体レジスト材料をインプリントし、液晶整合構造を形成するように構成されるロールテンプレートと、
エネルギー源であって、前記エネルギー源は、前記液体レジスト材料が前記共形ロールテンプレートと接触している間、前記液体レジスト材料を硬化させ、整合構造のパターンを前記供給基板の第1の側に備える固体レジストを形成するように構成される、エネルギー源と
を備える、項目32に記載のロールツーロール装置。
(項目40)
液晶レンズを製造するためのロールツーロール装置であって、前記装置は、
処理するための基板のロールを提供するための供給基板ローラと、
整合構造をその上に有する処理された基板を受容するための中間基板ローラと、
前記供給基板ローラから前記中間基板ローラへの展開された基板の経路を画定する基板経路と、
インプリントレジストを堆積させるように構成される堆積デバイスと、
複数のローラによって画定された閉鎖されたテンプレート経路に沿って進行するように構成される連続テンプレートループであって、前記テンプレート経路のインプリント部分は、前記基板経路の一部と一致する、連続テンプレートループと、
前記整合構造を硬化させ、固体整合層を形成するように構成されるエネルギー源と
を備える、装置。
(項目41)
前記エネルギー源は、紫外線(UV)光源を備える、項目40に記載のロールツーロール装置。
(項目42)
前記堆積デバイスは、前記エネルギー源の上流にあるスロットダイを備え、前記スロットダイは、前記インプリントレジストを前記供給基板の第1の側に適用するように構成され、前記テンプレートループは、前記インプリントレジストを前記ロールテンプレート経路のインプリント部分に沿ってインプリントするように構成される、項目40に記載のロールツーロール装置。
(項目43)
前記堆積デバイスは、前記エネルギー源の上流にあるインクジェットプリンタを備え、前記インクジェットプリンタは、インプリントレジストを印刷するように構成され、前記テンプレートは、前記インプリントレジストを前記テンプレート経路のインプリント部分に沿ってインプリントするように構成される、項目40に記載のロールツーロール装置。(項目44)
前記インクジェットプリンタは、前記インプリントレジストを前記テンプレート上に堆積させるように構成される、項目43に記載のロールツーロール装置。
(項目45)
液晶レンズを製造するための方法であって、前記方法は、
供給基板ローラにおいて、基板の供給ロールを展開することと、
前記供給基板ローラとレンズ基板ローラとの間に延在する展開された基板を処理することと、
続いて、前記レンズ基板ローラにおいて、前記展開された基板を再巻取することと
を含み、前記展開された基板を処理することは、
整合層を前記展開された基板の第1の側に形成することと、
第1の液晶層を前記整合構造にわたって堆積させることと、
前記第1の液晶層を硬化させ、第1のレンズ層を形成することと
を含む、方法。
(項目46)
前記第1の液晶層を堆積させることは、スロットダイを使用して、液晶を前記整合構造上に適用することを含む、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記第1の液晶層を硬化させることは、前記第1の液晶層を紫外線(UV)光で照射することを含む、項目45に記載の方法。
(項目48)
前記第1の液晶層を硬化させることは、前記第1の液晶層をオーブン内で加熱することを含む、項目45に記載の方法。
(項目49)
前記整合層を形成することは、
選択的に画定可能な材料を前記基板の第1の側に堆積させることと、
前記堆積された選択的に画定可能な材料をパターン化することと
を含む、項目45に記載の方法。
(項目50)
前記選択的に画定可能な材料をパターン化することは、前記選択的に画定可能な材料を光に暴露し、ホログラフィック記録を形成することを含む、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記選択的に画定可能な材料は、レジストであり、前記選択的に画定可能な材料をパターン化することは、
共形ロールテンプレートを使用して、前記レジストをインプリントすることと、
前記液体レジスト材料が前記共形ロールテンプレートと接触している間、前記液体レジスト材料を硬化させ、固体整合構造を前記供給基板の第1の側に形成することと
を含む、項目49に記載の方法。
(項目52)
第2の液晶層を前記第1のレンズ層にわたって適用することと、
前記第2の液晶層を硬化させ、固体の第2のレンズ層を形成することと
をさらに含む、項目45に記載の方法。
(項目53)
前記供給ロールを展開する前に、電極パターンを前記整合層が形成される側と反対の前記基板の下面側に形成することをさらに含む、項目45に記載の方法。
(項目54)
前記展開された基板を再巻取後、前記基板を展開し、複数の液晶セル壁を前記基板の下面上に形成することをさらに含む、項目53に記載の方法。
(項目55)
前記複数の液晶セル壁を形成することは、インクジェット堆積を含む、項目54に記載の方法。
(項目56)
前記基板を他の基板に取り付け、前記基板と前記他の基板と前記液晶セル壁とによって画定された開放体積を形成することと、
前記開放体積を液晶で充填することと
をさらに含む、項目54に記載の方法。
(項目57)
前記基板は、4分の1波長板である、項目45に記載の方法。
(項目58)
液晶レンズを製造するための方法であって、前記方法は、
供給基板ローラにおいて、基板の供給ロールを展開することであって、前記展開された基板は、前記供給基板ローラと中間基板ローラとの間に延在する、ことと、
前記基板上の液晶分子の配向を誘導するために、整合特徴を前記展開された基板上に形成することであって、前記整合特徴を形成することは、複数のローラによって画定された進行経路を有する閉ループテンプレートを使用して、前記整合特徴をインプリントすることを含む、ことと、
続いて、前記中間基板ローラにおいて、前記展開された基板を再巻取することと
を含む、方法。
(項目59)
前記整合特徴を形成することは、
インプリントレジストを前記基板上に堆積させることと、
前記テンプレートを使用して、前記インプリントレジストをインプリントすることと、
前記テンプレートが前記インプリントレジストをインプリントする間、前記インプリントレジストを硬化させ、固体整合構造を前記供給基板上に形成することと
を含む、項目58に記載の方法。
(項目60)
前記供給ロールは、電極パターンを前記整合層が形成されるべき上側と反対の前記基板の下面側に備える、項目58に記載の方法。
(項目61)
前記展開された基板を再巻取後、前記基板を展開し、複数の液晶セル壁を前記基板の上側に形成することをさらに含む、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記複数の液晶セル壁を形成することは、前記セル壁をインクジェット堆積によって印刷することを含む、項目61に記載の方法。
(項目63)
前記基板を他の基板に取り付け、前記基板と前記他の基板と前記液晶セル壁とによって画定された開放体積を形成することと、
前記開放体積を液晶で充填することと
をさらに含む、項目61に記載の方法。
(項目64)
前記基板は、4分の1波長板である、項目58に記載の方法。
(項目65)
液晶レンズを製造するための方法であって、前記方法は、
中間基板ローラにおいて、中間基板のロールを展開することであって、前記中間基板は、液晶分子のための整合特徴を備え、前記整合特徴は、前記中間基板の第1の側にある、ことと、
前記中間基板ローラとレンズ基板ローラとの間に延在する展開された基板を処理することであって、前記展開された基板を処理することは、
第1の液晶層を前記整合特徴上に堆積させることと、
前記第1の液晶層を硬化させ、第1のレンズ層を形成することと
を含む、ことと、
続いて、前記レンズ基板ローラにおいて、前記展開された基板を再巻取することと
を含む、方法。
(項目66)
前記第1の液晶層を堆積させることは、液晶材料をスロットダイを用いて適用することを含む、項目65に記載の方法。
(項目67)
前記第1の液晶層を硬化させることは、前記第1の液晶層を紫外線(UV)光で照射することを含む、項目65に記載の方法。
(項目68)
前記第1の液晶層を硬化させることは、前記第1の液晶層をオーブン内で加熱することを含む、項目65に記載の方法。
(項目69)
第2の液晶層を前記第1のレンズ層にわたって適用することと、
前記第2の液晶層を硬化させ、固体の第2のレンズ層を形成することと
をさらに含む、項目65に記載の方法。
(項目70)
前記展開された基板を再巻取後、前記基板を展開し、複数の液晶セル壁を前記基板上に形成することをさらに含む、項目65に記載の方法。
(項目71)
前記複数の液晶セル壁を形成することは、インクジェット堆積を含む、項目70に記載の方法。
(項目72)
前記基板を他の基板に取り付け、前記基板と前記他の基板と前記液晶セル壁とによって画定された開放体積を形成することと、
前記開放体積を液晶材料で充填することと
をさらに含む、項目70に記載の方法。
(項目73)
前記基板は、前記整合特徴をその上に備える4分の1波長板である、項目45に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0027】
【
図2】
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0028】
【
図3】
図3A-3Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0029】
【
図4A】
図4Aは、ヒト視覚系の遠近調節(accommodation)-輻輳・開散運動(vergence)応答の表現を図示する。
【0030】
【
図4B】
図4Bは、ユーザの一対の眼の異なる遠近調節状態および輻輳・開散運動状態の実施例を図示する。
【0031】
【
図4C】
図4Cは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の実施例を図示する。
【0032】
【
図4D】
図4Dは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認しているユーザの上下図の表現の別の実施例を図示する。
【0033】
【
図5】
図5は、波面発散を修正することによって3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0034】
【
図6】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。
【0035】
【
図7】
図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を図示する。
【0036】
【
図8】
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。
【0037】
【
図9A】
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、スタックされた導波管のセットの実施例の断面側面図を図示する。
【0038】
【0039】
【
図9C】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。
【0040】
【
図9D】
図9Dは、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0041】
【
図10】
図10は、一対の適応レンズアセンブリを備える、ディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0042】
【
図11】
図11Aは、仮想コンテンツをユーザにある仮想深度平面において表示する、
図10のディスプレイシステムの実施例を図示する。
図11Bは、実世界コンテンツのビューをユーザに提供する、
図10のディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0043】
【
図12】
図12は、それぞれ、交互にスタックされた波長板レンズと、切替可能な波長板とを備える、一対の適応レンズアセンブリを備える、ディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【0044】
【
図13A】
図13Aおよび13Bは、一対の適応レンズアセンブリと、一対の固定されたレンズとを備える、ディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【
図13B】
図13Aおよび13Bは、一対の適応レンズアセンブリと、一対の固定されたレンズとを備える、ディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【0045】
【
図14】
図14は、一対の適応レンズアセンブリと、固定されたレンズとを備える、ディスプレイデバイスの実施例を図示する。
【0046】
【
図15】
図15は、3つの適応レンズ層を備える、例示的適応レンズアセンブリを図示する。
【0047】
【
図16A】
図16Aおよび16Bは、それぞれ、3つの適応レンズ層を備える、さらなる例示的適応レンズアセンブリを図示する。
【
図16B】
図16Aおよび16Bは、それぞれ、3つの適応レンズ層を備える、さらなる例示的適応レンズアセンブリを図示する。
【0048】
【
図17A】
図17A-17Eは、適応レンズアセンブリを製造するための例示的プロセスを図示する。
【
図17B】
図17A-17Eは、適応レンズアセンブリを製造するための例示的プロセスを図示する。
【
図17C】
図17A-17Eは、適応レンズアセンブリを製造するための例示的プロセスを図示する。
【
図17D】
図17A-17Eは、適応レンズアセンブリを製造するための例示的プロセスを図示する。
【
図17E】
図17A-17Eは、適応レンズアセンブリを製造するための例示的プロセスを図示する。
【0049】
【
図18A】
図18Aは、適応レンズアセンブリのための光学整合プロセスを用いたレンズ基板のロールツーロール製造のための例示的装置を図示する。
【0050】
【
図18B】
図18B-Cは、適応レンズアセンブリのためのインプリント整合プロセスを用いたレンズ基板のロールツーロール製造のための例示的装置を図示する。
【
図18C】
図18B-Cは、適応レンズアセンブリのためのインプリント整合プロセスを用いたレンズ基板のロールツーロール製造のための例示的装置を図示する。
【0051】
【
図18D】
図18Dは、適応レンズアセンブリのためのインプリント整合プロセスを用いた中間基板のロールツーロール製造のための例示的装置を図示する。
【0052】
【
図18E】
図18Eは、
図18Dの装置によって生産された中間基板を使用したレンズ基板のロールツーロール製造のための例示的装置を図示する。
【0053】
【
図19A】
図19Aは、適応レンズアセンブリのためのインプリント整合プロセスを用いたレンズ基板のシート製造のための例示的装置を図示する。
【0054】
【
図19B】
図19Bは、適応レンズアセンブリのための光学整合プロセスを用いたレンズ基板のシート製造のための例示的装置を図示する。
【0055】
【
図20A】
図20Aは、適応レンズアセンブリのためのインプリント整合プロセスを用いたレンズ基板のスピンコート製造のための例示的装置を図示する。
【0056】
【
図20B】
図20Bは、適応レンズアセンブリのための光学整合プロセスを用いたレンズ基板のスピンコート製造のための例示的装置を図示する。
【0057】
【
図21】
図21A-21Cは、指向性エッチングによる伝導性材料のパターンを形成するためのプロセスの実施例を図示する。
【0058】
【
図22】
図22A-22Cは、溶媒可溶性層を使用して伝導性材料のパターンを形成するためのプロセスの実施例を図示する。
【0059】
【
図23】
図23A-23Cは、シード層を使用して伝導性材料のパターンを形成するためのプロセスの実施例を図示する。
【0060】
【
図24】
図24A-24Cは、シード層を使用して伝導性材料のパターンを形成するためのプロセスの別の実施例を図示する。
【0061】
【
図25】
図25A-25Cは、パターン化された層内の開口部の中への金属材料の懸濁液の堆積による伝導性材料のパターンを形成するためのプロセスの実施例を図示する。
【0062】
【
図26】
図26A-26Fは、伝導性材料のパターンの上下図の実施例を図示する。
【0063】
【
図27】
図27A-27Dは、伝導性材料のラインの断面側面図の実施例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0064】
ARシステムは、依然として、ユーザに彼らの周囲の世界が見えることを可能にしながら、仮想コンテンツをユーザまたは視認者に表示し得る。好ましくは、本コンテンツは、例えば、画像情報をユーザの眼に投影する、アイウェアの一部としての頭部搭載型ディスプレイ上に表示される。加えて、ディスプレイはまた、周囲環境からの光をユーザの眼に透過させ、その周囲環境のビューを可能にしてもよい。本明細書で使用されるように、「頭部搭載型」または「頭部搭載可能である」ディスプレイは、視認者またはユーザの頭部上に搭載され得る、ディスプレイであることを理解されたい。
【0065】
いくつかのARシステムでは、複数の導波管は、仮想画像を複数の仮想深度平面(単に、本明細書では、「深度平面」とも称される)に形成するように構成されてもよい。複数の導波管の異なる導波管は、異なる屈折力を有してもよく、これは、ユーザの眼から異なる距離における異なる深度平面上に現れる、画像を提供し得る。ディスプレイシステムはまた、導波管の屈折力を提供する、または屈折力を修正する、複数のレンズを含んでもよい。望ましくないことに、導波管およびレンズはそれぞれ、ディスプレイの全体的厚さおよび重量を増加させ得る。
【0066】
可変焦点レンズアセンブリとも称され得る、適応レンズアセンブリが、ディスプレイの厚さおよび重量を低減させるためのアプローチにおいて提案されている。適応レンズアセンブリは、可変屈折力を提供し、例えば、レンズアセンブリを通して伝搬する光の波面発散を修正し、複数の異なる仮想深度平面を提供する。例えば、複数の導波管ではなく、単一適応レンズアセンブリが、異なる屈折力のセットおよび関連付けられた深度平面を提供するために利用されてもよい。適応レンズアセンブリおよび関連構造の実施例は、2016年11月18日に出願された米国仮特許出願第62/424,341号および2017年6月12日に出願された米国仮特許出願第62/518,539号(それぞれの開示全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される。
【0067】
適応レンズアセンブリは、適応レンズサブアセンブリのスタックを含んでもよく、それぞれ、波長板レンズと、異なる配向を有する異なる状態間で切替可能な液晶分子を伴う液晶層を含み得る、切替可能な波長板アセンブリとを含んでもよい。切替可能な波長板アセンブリは、液晶層を閉じ込めるための一対の基板と、液晶層内の液晶分子の配向を確立するための整合層と、電場を提供し、液晶分子の配向を切り替えるための伝導性層とを含んでもよい。各適応レンズサブアセンブリは、切替可能な波長板の状態に応じて、通過する光の波面に異なるように影響を及ぼし得ることを理解されたい。複数のサブアセンブリの屈折力は、組み合わせられ、異なる集約屈折力を提供してもよい。しかしながら、多数のそのようなサブアセンブリを伴う適応レンズアセンブリは、依然として、所望のものより厚くなり得ることが見出されている。
【0068】
有利には、いくつかの実施形態では、薄い適応レンズアセンブリおよびそのようなアセンブリを作製するための方法および装置が、提供される。いくつかの実施形態では、切替可能な波長板アセンブリは、それ自体が波長板(例えば、4分の1波長板)である、一対の基板を含んでもよく、切替可能な波長板(好ましくは、選択的に切替可能な配向を伴う液晶分子を有する、液晶層)が、それらの間に配置される。好ましくは、基板は、液晶を備えない。いくつかの他の実施形態では、切替可能な波長板アセンブリは、液晶分子のための整合ガイドと、液晶分子の配向を切り替えるための電場を選択的に確立する、伝導性層の両方として機能する、電極のパターンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、電極パターンは、波長板としても機能する、基板の表面上に配置されてもよい。例えば、電極は、基板の対向面上にあって、液晶層によって占有される基板間の同一体積内に配置されてもよい。電極は、基板の表面上に自立してもよい、または他の材料の層に内蔵されてもよいことを理解されたい。
【0069】
有利には、薄い切替可能な波長板アセンブリは、上記の電場の印加を用いて配向を変化させる液晶分子を含まない、受動波長板レンズを伴う、適応レンズサブアセンブリを形成し得る。切替可能な波長板アセンブリおよび受動波長板レンズは、光の偏光を修正し、ひいては、屈折力を提供することができることを理解されたい。受動波長板レンズは、特定のパターンおよび/または配向の中に係止された重合化された液晶分子から形成されてもよい。特定のパターンおよび/または配向は、光の狭波長範囲においてのみ所望の光学応答を提供し得る。いくつかの実施形態では、より広い波長の範囲にわたってより広帯域の応答を提供するために、複数の波長板レンズが、提供されてもよい。波長板レンズはそれぞれ、異なる波長の範囲にわたって、ピーク応答を有し得、全体として、波長板レンズは、より広い波長の範囲にわたって、応答を提供する。
【0070】
本明細書に記載されるように、複数のサブアセンブリが、ともにスタックされ、ある範囲の屈折力を提供する適応レンズアセンブリを形成してもよい。いくつかの他の実施形態では、適応レンズアセンブリは、単一サブアセンブリのみを含んでもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリまたはその一部は、ロールツーロール製造装置を使用して製造されてもよい。切替可能な液晶層を含有する体積の一部を形成する基板は、その上に隣接する層が形成される、基板として使用されてもよく、次いで、一対の基板は、ともに合体され、続いて、切替可能な液晶で充填される、体積を形成してもよい。基板は、好ましくは、柔軟で機械的に安定した光学的に透過性の材料から形成され、これは、製造プロセスの間、巻取および展開されることができる。例えば、基板の供給が、第1のローラ上に提供され、第2のローラに延在されてもよい。基板は、第1のローラにおいて展開され、次いで、第2のローラにおいて再巻取される。その間において、整合層が、基板上に堆積およびパターン化され得、1つ以上の液晶層が、整合層上に堆積および硬化され得る。好ましくは、第1のローラ上に供給される基板は、電極の事前に形成されたパターンを基板の背面上に含み得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、整合層の作製は、第1のロールツーロール装置を使用して行われてもよく、その中に基板ロールが、展開され、インプリントされた整合層(液晶分子のための整合特徴を備える)が、基板上に形成され、これは、インプリントされた整合層を形成後、再巻取される。続いて、第2のロールツーロール製造装置は、整合特徴を備えるインプリントされた整合層を伴う基板を開始材料として使用し、液晶層をその基板上に堆積させ、続いて、基板を堆積された液晶層とともに再巻取する。
【0073】
いくつかの実施形態では、ロールツーロール処理後、電極をシートの片側に伴い、堆積された層を反対側に伴う、処理された基板シートは、電極をそのシートの表面上に伴う、別の基板シートと継合されてもよい。基板シートをともに継合する前に、後の液晶充填を側方に閉じ込めるための壁が、一方または両方のシート上に形成されてもよい。壁は、ディスプレイ接眼レンズのための所望の形状にあってもよい。シートは、次いで、電極が相互に面し、開放体積を形成した状態において、ともに継合されてもよい。開放体積は、続いて、液晶で充填され、次いで、シートは、切断され、個々のディスプレイ接眼レンズを形成し得る。いくつかの他の実施形態では、液晶は、壁および下層基板によって画定された体積内に提供されてもよく、次いで、上層基板が、壁に接着され、閉鎖された体積を形成してもよい。
【0074】
有利には、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される適応レンズアセンブリは、薄いおよび/または軽量構造であり得る。例えば、3つの適応レンズサブアセンブリを有する、適応レンズアセンブリは、比較的に薄い厚さ(例えば、いくつかの実施形態では、2mm未満)を有してもよい。適応レンズサブアセンブリ内の光学要素として、そして支持基板としてとの両方の役割を果たす、4分の1波長板を有することによって、付加的支持基板は、必要なくなり得る。さらに、液晶層に近接した4分の1波長板の表面上のメッシュまたはワイヤのアレイは、電位源と、液晶層内の液晶分子の整合を誘導する整合構造との両方の役割を果たすように配列されてもよい。加えて、開示されるロールツーロール製造装置および方法は、適応レンズアセンブリの効率的高スループット製造を可能にする。
【0075】
ここで、図を参照するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の部分を指す。別様に示されない限り、図面は、概略であって、必ずしも、正確な縮尺で描かれていない。
【0076】
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。ユーザの眼は、離間されており、空間内の実オブジェクトを見ているとき、各眼は、オブジェクトの若干異なるビューを有し、オブジェクトの画像を各眼の網膜上の異なる場所に形成し得ることを理解されたい。これは、両眼視差と称され得、ヒト視覚系によって、深度の知覚を提供するために利用され得る。従来のディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが所望の深度における実オブジェクトであるように各眼によって見えるであろう仮想オブジェクトのビューに対応する、眼210、220毎に1つの同一仮想オブジェクトの若干異なるビューを伴う2つの明確に異なる画像190、200を提示することによって、両眼視差をシミュレートする。これらの画像は、ユーザの視覚系が深度の知覚を導出するために解釈し得る、両眼キューを提供する。
【0077】
図2を継続して参照すると、画像190、200は、z-軸上で距離230だけ眼210、220から離間される。z-軸は、その眼が視認者の直前の光学無限遠におけるオブジェクトを固視している状態の視認者の光学軸と平行である。画像190、200は、平坦であって、眼210、220から固定距離にある。それぞれ、眼210、220に提示される画像内の仮想オブジェクトの若干異なるビューに基づいて、眼は、必然的に、オブジェクトの画像が眼のそれぞれの網膜上の対応する点に来て、単一両眼視を維持するように回転し得る。本回転は、眼210、220のそれぞれの視線を仮想オブジェクトが存在するように知覚される空間内の点上に収束させ得る。その結果、3次元画像の提供は、従来、ユーザの眼210、220の輻輳・開散運動を操作し得、ヒト視覚系が深度の知覚を提供するように解釈する、両眼キューを提供することを伴う。
【0078】
しかしながら、深度の現実的かつ快適な知覚の生成は、困難である。眼からの異なる距離におけるオブジェクトからの光は、異なる発散量を伴う波面を有することを理解されたい。
図3A-3Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼210との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。
図3A-3Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。逆に言えば、距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成されるライトフィールドは、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率が増加すると、オブジェクトと眼210の間の距離が減少する。単眼210のみが、例証を明確にするために、
図3A-3Cおよび本明細書の種々の他の図に図示されるが、眼210に関する議論は、視認者の両眼210および220に適用され得る。
【0079】
図3A-3Cを継続して参照すると、視認者の眼が固視しているオブジェクトからの光は、異なる波面発散度を有し得る。異なる波面発散量に起因して、光は、眼の水晶体によって異なるように集束され得、これは、ひいては、水晶体に、異なる形状をとり、集束された画像を眼の網膜上に形成することを要求し得る。集束された画像が、網膜上に形成されない場合、結果として生じる網膜ぼけは、集束された画像が網膜上に形成されるまで、眼の水晶体の形状に変化を生じさせる、遠近調節のためのキューとして作用する。例えば、遠近調節のためのキューは、眼の水晶体を囲繞する毛様筋の弛緩または収縮を誘起し、それによって、レンズを保持する提靭帯に印加される力を変調し、したがって、固視されているオブジェクトの網膜ぼけが排除または最小限にされるまで、眼の水晶体の形状を変化させ、それによって、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成し得る。眼の水晶体が形状を変化させるプロセスは、遠近調節と称され得、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成するために要求される眼の水晶体の形状は、遠近調節状態と称され得る。
【0080】
ここで
図4Aを参照すると、ヒト視覚系の遠近調節-輻輳・開散運動応答の表現が、図示される。オブジェクトを固視するための眼の移動は、眼にオブジェクトからの光を受信させ、光は、画像を眼の網膜のそれぞれ上に形成する。網膜上に形成される画像内の網膜ぼけの存在は、遠近調節のためのキューを提供し得、網膜上の画像の相対的場所は、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。遠近調節するためのキューは、遠近調節を生じさせ、眼の水晶体がそれぞれオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成する特定の遠近調節状態をとる結果をもたらす。一方、輻輳・開散運動のためのキューは、各眼の各網膜上に形成される画像が単一両眼視を維持する対応する網膜点にあるように、輻輳・開散運動移動(眼の回転)を生じさせる。これらの位置では、眼は、特定の輻輳・開散運動状態をとっていると言え得る。
図4Aを継続して参照すると、遠近調節は、眼が特定の遠近調節状態を達成するプロセスであると理解され得、輻輳・開散運動は、眼が特定の輻輳・開散運動状態を達成するプロセスであると理解され得る。
図4Aに示されるように、眼の遠近調節および輻輳・開散運動状態は、ユーザが別のオブジェクトを固視する場合、変化し得る。例えば、遠近調節された状態は、ユーザがz-軸上の異なる深度における新しいオブジェクトを固視する場合、変化し得る。
【0081】
理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動および遠近調節の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」であると知覚し得ると考えられる。前述のように、2つの眼の相互に対する輻輳・開散運動移動(例えば、瞳孔が相互に向かって、またはそこから移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような眼の回転)は、眼の水晶体の遠近調節と密接に関連付けられる。通常条件下では、眼の水晶体の形状を変化させ、1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに焦点を変化させることは、自動的に、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」として知られる関係下、同一距離まで輻輳・開散運動における整合する変化を生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動における変化は、通常条件下、水晶体形状における整合する変化を誘起するであろう。
【0082】
ここで
図4Bを参照すると、眼の異なる遠近調節および輻輳・開散運動状態の実施例が、図示される。一対の眼222aは、光学無限遠におけるオブジェクトを固視する一方、一対の眼222bは、光学無限遠未満におけるオブジェクト221を固視する。着目すべきこととして、各対の眼の輻輳・開散運動状態は、異なり、一対の眼222aは、まっすぐ指向される一方、一対の眼222は、オブジェクト221上に収束する。各対の眼222aおよび222bを形成する眼の遠近調節状態もまた、水晶体210a、220aの異なる形状によって表されるように異なる。
【0083】
望ましくないことに、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くのユーザは、これらのディスプレイにおける遠近調節と輻輳・開散運動状態との間の不整合に起因して、そのような従来のシステムを不快であると見出す、または奥行感を全く知覚しない場合がある。前述のように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、若干異なる画像を各眼に提供することによって、場面を表示する。そのようなシステムは、それらが、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供し、眼の輻輳・開散運動状態に変化を生じさせるが、それらの眼の遠近調節状態に対応する変化を伴わないため、多くの視認者にとって不快である。むしろ、画像は、眼が全ての画像情報を単一遠近調節状態において視認するように、ディスプレイによって眼から固定距離に示される。そのような配列は、遠近調節状態における整合する変化を伴わずに輻輳・開散運動状態に変化を生じさせることによって、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」に逆らう。本不整合は、視認者不快感を生じさせると考えられる。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な整合を提供する、ディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0084】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。いくつかの実施形態では、異なる提示は、輻輳・開散運動のためのキューおよび遠近調節するための整合するキューの両方を提供し、それによって、生理学的に正しい遠近調節-輻輳・開散運動整合を提供してもよい。
【0085】
図4Bを継続して参照すると、眼210、220からの空間内の異なる距離に対応する、2つの深度平面240が、図示される。所与の深度平面240に関して、輻輳・開散運動キューが、眼210、220毎に適切に異なる視点の画像を表示することによって提供されてもよい。加えて、所与の深度平面240に関して、各眼210、220に提供される画像を形成する光は、その深度平面240の距離におけるある点によって生成されたライトフィールドに対応する波面発散を有してもよい。
【0086】
図示される実施形態では、点221を含有する、深度平面240のz-軸に沿った距離は、1mである。本明細書で使用されるように、z-軸に沿った距離または深度は、ユーザの眼の射出瞳に位置するゼロ点を用いて測定されてもよい。したがって、1mの深度に位置する深度平面240は、眼が光学無限遠に向かって指向された状態でそれらの眼の光学軸上のユーザの眼の射出瞳から1m離れた距離に対応する。近似値として、z-軸に沿った深度または距離は、ユーザの眼の正面のディスプレイ(例えば、導波管の表面)から測定され、デバイスとユーザの眼の射出瞳との間の距離に関する値が加えられてもよい。その値は、瞳距離と呼ばれ、ユーザの眼の射出瞳と眼の正面のユーザによって装着されるディスプレイとの間の距離に対応し得る。実際は、瞳距離に関する値は、概して、全ての視認者に関して使用される、正規化された値であってもよい。例えば、瞳距離は、20mmであると仮定され得、1mの深度における深度平面は、ディスプレイの正面の980mmの距離にあり得る。
【0087】
ここで
図4Cおよび4Dを参照すると、整合遠近調節-輻輳・開散運動距離および不整合遠近調節-輻輳・開散運動距離の実施例が、それぞれ、図示される。
図4Cに図示されるように、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトの画像を各眼210、220に提供してもよい。画像は、眼210、220に、眼が深度平面240上の点15上に収束する、輻輳・開散運動状態をとらせ得る。加えて、画像は、その深度平面240における実オブジェクトに対応する波面曲率を有する光によって形成され得る。その結果、眼210、220は、画像がそれらの眼の網膜上に合焦する、遠近調節状態をとる。したがって、ユーザは、仮想オブジェクトを深度平面240上の点15にあるように知覚し得る。
【0088】
眼210、220の遠近調節および輻輳・開散運動状態はそれぞれ、z-軸上の特定の距離と関連付けられることを理解されたい。例えば、眼210、220からの特定の距離におけるオブジェクトは、それらの眼に、オブジェクトの距離に基づいて、特定の遠近調節状態をとらせる。特定の遠近調節状態と関連付けられた距離は、遠近調節距離Adと称され得る。同様に、特定の輻輳・開散運動状態における眼と関連付けられた特定の輻輳・開散運動距離Vdまたは相互に対する位置が、存在する。遠近調節距離および輻輳・開散運動距離が整合する場合、遠近調節と輻輳・開散運動との間の関係は、生理学的に正しいと言える。これは、視認者に最も快適なシナリオであると見なされる。
【0089】
しかしながら、立体視ディスプレイでは、遠近調節距離および輻輳・開散運動距離は、常時、整合しない場合がある。例えば、
図4Dに図示されるように、眼210、220に表示される画像は、深度平面240に対応する波面発散を伴って表示され得、眼210、220は、その深度平面上の点15a、15bが合焦する、特定の遠近調節状態をとり得る。しかしながら、眼210、220に表示される画像は、眼210、220を深度平面240上に位置しない点15上に収束させる、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。その結果、遠近調節距離は、いくつかの実施形態では、眼210、220の射出瞳から深度平面240までの距離に対応する一方、輻輳・開散運動距離は、眼210、220の射出瞳から点15までのより大きい距離に対応する。遠近調節距離は、輻輳・開散運動距離と異なる。その結果、遠近調節-輻輳・開散運動不整合が存在する。そのような不整合は、望ましくないと見なされ、不快感をユーザに生じさせ得る。不整合は、距離(例えば、V
d-A
d)に対応し、ジオプタを使用して特性評価され得ることを理解されたい。
【0090】
いくつかの実施形態では、眼210、220の射出瞳以外の参照点も、同一参照点が遠近調節距離および輻輳・開散運動距離のために利用される限り、遠近調節-輻輳・開散運動不整合を決定するための距離を決定するために利用されてもよいことを理解されたい。例えば、距離は、角膜から深度平面、網膜から深度平面、接眼レンズ(例えば、ディスプレイデバイスの導波管)から深度平面等まで測定され得る。
【0091】
理論によって限定されるわけではないが、ユーザは、不整合自体が有意な不快感を生じさせずに、依然として、最大約0.25ジオプタ、最大約0.33ジオプタ、および最大約0.5ジオプタの遠近調節-輻輳・開散運動不整合を生理学的に正しいと知覚し得ると考えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるディスプレイシステム(例えば、ディスプレイシステム250、
図6)は、約0.5ジオプタまたはそれ未満の遠近調節-輻輳・開散運動不整合を有する、画像を視認者に提示する。いくつかの他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.33ジオプタまたはそれ未満である。さらに他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.1ジオプタまたはそれ未満を含む、約0.25ジオプタまたはそれ未満である。
【0092】
図5は、波面発散を修正することによって、3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。ディスプレイシステムは、画像情報でエンコードされた光770を受信し、その光をユーザの眼210に出力するように構成される、導波管270を含む。導波管270は、所望の深度平面240上のある点によって生成されたライトフィールドの波面発散に対応する定義された波面発散量を伴って光650を出力してもよい。いくつかの実施形態では、同一量の波面発散が、その深度平面上に提示される全てのオブジェクトのために提供される。加えて、ユーザの他方の眼は、類似導波管からの画像情報を提供され得るように図示されるであろう。
【0093】
いくつかの実施形態では、単一導波管が、単一または限定数の深度平面に対応する設定された波面発散量を伴う光を出力するように構成されてもよく、および/または導波管は、限定された範囲の波長の光を出力するように構成されてもよい。その結果、いくつかの実施形態では、複数またはスタックの導波管が、異なる深度平面のための異なる波面発散量を提供し、および/または異なる範囲の波長の光を出力するために利用されてもよい。本明細書で使用されるように、深度平面は、平面または湾曲表面の輪郭に追従してもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、有利には、簡略化のために、深度平面は、平坦表面の輪郭に追従し得る。
【0094】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム250は、複数の導波管270、280、290、300、310を使用して3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ260を含む。ディスプレイシステム250は、いくつかの実施形態では、ライトフィールドディスプレイと見なされてもよいことを理解されたい。加えて、導波管アセンブリ260はまた、接眼レンズとも称され得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、輻輳・開散運動するための実質的に連続キューおよび遠近調節するための複数の離散キューを提供するように構成されてもよい。輻輳・開散運動のためのキューは、異なる画像をユーザの眼のそれぞれに表示することによって提供されてもよく、遠近調節のためのキューは、選択可能な離散量の波面発散を伴う画像を形成する光を出力することによって提供されてもよい。換言すると、ディスプレイシステム250は、可変レベルの波面発散を伴う光を出力するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、波面発散の各離散レベルは、特定の深度平面に対応し、導波管270、280、290、300、310のうちの特定の1つによって提供されてもよい。
【0096】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ260はまた、複数の特徴320、330、340、350を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、1つ以上のレンズであってもよい。導波管270、280、290、300、310および/または複数のレンズ320、330、340、350は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、導波管のための光源として機能してもよく、画像情報を導波管270、280、290、300、310の中に投入するために利用されてもよく、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼210に向かって出力のために各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成されてもよい。光は、画像投入デバイス360、370、380、390、400の出力表面410、420、430、440、450から出射し、導波管270、280、290、300、310の対応する入力表面460、470、480、490、500の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面460、470、480、490、500はそれぞれ、対応する導波管の縁であってもよい、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界510または視認者の眼210に直接面する導波管表面のうちの1つ)であってもよい。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、クローン化されたコリメートビームの全体場を出力してもよく、これは、特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼210に向かって指向される。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管270、280、290、300、310と関連付けられ、その中に光を投入してもよい。
【0097】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400はそれぞれ、それぞれ対応する導波管270、280、290、300、310の中への投入のために画像情報を生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、例えば、画像情報を1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して画像投入デバイス360、370、380、390、400のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス360、370、380、390、400によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含んでもよいことを理解されたい。
【0098】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光は、光プロジェクタシステム520によって提供され、これは、光モジュール530を備え、これは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含んでもよい。光モジュール530からの光は、ビームスプリッタ550を介して、光変調器540、例えば、空間光変調器によって指向および修正されてもよい。光変調器540は、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光の知覚される強度を変化させ、光を画像情報でエンコードするように構成されてもよい。空間光変調器の実施例は、液晶ディスプレイ(LCD)を含み、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、図式的に図示され、いくつかの実施形態では、これらの画像投入デバイスは、光を導波管270、280、290、300、310の関連付けられたものの中に出力するように構成される、共通投影システム内のなる光経路および場所を表し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ260の導波管は、導波管の中に投入された光をユーザの眼に中継しながら、理想的レンズとして機能し得る。本概念では、オブジェクトは、空間光変調器540であってもよく、画像は、深度平面上の画像であってもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に、最終的には、視認者の眼210に投影するように構成される、1つ以上の走査ファイバを備える、走査ファイバディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、光を1つまたは複数の導波管270、280、290、300、310の中に投入するように構成される、単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それぞれ、光を導波管270、280、290、300、310のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成される。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュール530から1つ以上の導波管270、280、290、300、310に透過するように構成されてもよいことを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバまたは複数のファイバと、1つ以上の導波管270、280、290、300、310との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に再指向してもよいことを理解されたい。
【0100】
コントローラ560は、画像投入デバイス360、370、380、390、400、光源530、および光変調器540の動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ260のうちの1つ以上のものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ560は、ローカルデータ処理モジュール140の一部である。コントローラ560は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管270、280、290、300、310への画像情報のタイミングおよびプロビジョニングを調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一一体型デバイスまたは有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ560は、いくつかの実施形態では、処理モジュール140または150(
図9D)の一部であってもよい。
【0101】
図6を継続して参照すると、導波管270、280、290、300、310は、全内部反射(TIR)によって各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、主要上部表面および主要底部表面およびそれらの主要上部表面と主要底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、各個別の導波管内で伝搬する光を導波管から再指向し、画像情報を眼210に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素570、580、590、600、610を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、外部結合光学要素光はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内を伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力され得る。外部結合光学要素570、580、590、600、610は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であってもよい。説明の容易性および図面の明確性のために、導波管270、280、290、300、310の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、本明細書にさらに議論されるように、上部および/または底部主要表面に配置されてもよい、および/または導波管270、280、290、300、310の体積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、透明基板に取り付けられ、導波管270、280、290、300、310を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管270、280、290、300、310は、材料のモノリシック部品であってもよく、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、材料のその部品の表面上および/またはその内部に形成されてもよい。
【0102】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管270、280、290、300、310は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管270は、眼210にコリメートされた光(そのような導波管270の中に投入された)を送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管280は、眼210に到達し得る前に、第1のレンズ350(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。そのような第1のレンズ350は、眼/脳が、その次の上方の導波管280から生じる光を光学無限遠から眼210に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管290は、眼210に到達する前に、その出力光を第1のレンズ350および第2のレンズ340の両方を通して通過させる。第1のレンズ350および第2のレンズ340の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管290から生じる光が次の上方の導波管280からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0103】
他の導波管層300、310およびレンズ330、320も同様に構成され、スタック内の最高導波管310は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ260の他側の世界510から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ320、330、340、350のスタックを補償するために、補償レンズ層620が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック320、330、340、350の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的ではないまたは電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられた深度平面を有してもよい。例えば、複数の導波管270、280、290、300、310が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい、または導波管270、280、290、300、310の複数のサブセットが、深度平面毎に1つのセットを伴う、同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0105】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、導波管と関連付けられた特定の深度平面のために、光をその個別の導波管から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、外部結合光学要素570、580、590、600、610の異なる構成を有してもよく、これは、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、体積または表面特徴であってもよく、これは、具体的角度で光を出力するように構成されてもよい。例えば、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、体積ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサ(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)であってもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、回折パターンを形成する回折特徴または「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差部で眼210に向かって偏向される一方、残りがTIRを介して、導波管を通して移動し続けるように、十分に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼210に向かって非常に均一パターンの出射放出となる。
【0107】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であってもよい。例えば、切替可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに整合しない屈折率に切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0108】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630(例えば、可視光および赤外線光カメラを含む、デジタルカメラ)が、眼210および/または眼210の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出する、および/またはユーザの生理学的状態を監視するために提供されてもよい。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、次いで、それが眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る、光源とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、フレーム80(
図9D)に取り付けられてもよく、カメラアセンブリ630からの画像情報を処理し得る、処理モジュール140および/または150と電気通信してもよい。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ630が、眼毎に利用され、各眼を別個に監視してもよい。
【0109】
ここで
図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの実施例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ260(
図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ260は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光640が、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入され、TIRによって導波管270内を伝搬する。光640がDOE570上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム650として出射する。出射ビーム650は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、また、導波管270と関連付けられた深度平面に応じて、ある角度(例えば、発散出射ビーム形成)において眼210に伝搬するように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼210からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素のセットは、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼210がより近い距離に遠近調節し、網膜に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼210に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0110】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色のそれぞれに画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成されてもよい。
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度平面240a-240fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度平面は、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含む、それと関連付けられた3つ以上の原色画像を有してもよい。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色に関する深度平面の正確な場所は、変動してもよい。例えば、所与の深度平面に関する異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置されてもよい。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得、および/または色収差を減少させ得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力されてもよく、その結果、各深度平面は、それと関連付けられた複数の導波管を有してもよい。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度平面毎に提供されてもよく、3つの原色画像が、深度平面毎に提供される。各深度平面と関連付けられた導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列されてもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力されてもよい。
【0112】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の波長と関連付けられた他の色も、赤色、緑色、または青色のうちの1つ以上のものに加えて使用されてもよい、またはそれらに取って代わってもよい。
【0113】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、視認者によってその所与の色であるように知覚される、光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されるであろうことを理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、緑色光は、約492~577nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよく、青色光は、約435~493nmの範囲内の1つ以上の波長の光を含んでもよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、光源530(
図6)は、視認者の視覚的知覚範囲外の1つ以上の波長、例えば、赤外線および/または紫外線波長の光を放出するように構成されてもよい。加えて、ディスプレイ250の導波管の内部結合、外部結合、および他の光再指向構造は、例えば、結像および/またはユーザ刺激用途のために、本光をディスプレイからユーザの眼210に向かって指向および放出するように構成されてもよい。
【0115】
ここで
図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用されてもよい。
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、複数またはセット660のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管はそれぞれ、1つ以上の異なる波長または1つ以上の異なる波長範囲の光を出力するように構成されてもよい。スタック660は、スタック260(
図6)に対応してもよく、スタック660の図示される導波管は、複数の導波管270、280、290、300、310の一部に対応してもよいが、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0116】
スタックされた導波管の図示されるセット660は、導波管670、680、および690を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素(導波管上の光入力面積とも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素700は、導波管670の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素710は、導波管680の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素720は、導波管690の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720のうちの1つ以上のものは、個別の導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、その個別の導波管670、680、690の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置されてもよく、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720は、個別の導波管670、680、690の本体内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、他の光の波長を透過しながら、1つ以上の光の波長を選択的に再指向するような波長選択的である。その個別の導波管670、680、690の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素700、710、720は、いくつかの実施形態では、その個別の導波管670、680、690の他の面積内に配置されてもよいことを理解されたい。
【0117】
図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、相互から側方にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、その光が別の内部結合光学要素を通して通過せずに、光を受信するようにオフセットされてもよい。例えば、各内部結合光学要素700、710、720は、
図6に示されるように、光を異なる画像投入デバイス360、370、380、390、および400から受信するように構成されてもよく、光を内部結合光学要素700、710、720の他のものから実質的に受信しないように、他の内部結合光学要素700、710、720から分離されてもよい(例えば、側方に離間される)。
【0118】
各導波管はまた、関連付けられた光分散要素を含み、例えば、光分散要素730は、導波管670の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素740は、導波管680の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素750は、導波管690の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の上部主要表面および底部主要表面の両方の上に配置されてもよい、または光分散要素730、740、750は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管670、680、690内の上部主要表面および底部主要表面の異なるもの上に配置されてもよい。
【0119】
導波管670、680、690は、例えば、材料のガス、液体、および/または固体層によって離間および分離されてもよい。例えば、図示されるように、層760aは、導波管670および680を分離してもよく、層760bは、導波管680および690を分離してもよい。いくつかの実施形態では、層760aおよび760bは、低屈折率材料(すなわち、導波管670、680、690の直近のものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層760a、760bを形成する材料の屈折率は、導波管670、680、690を形成する材料の屈折率に対して0.05またはそれを上回る、または0.10またはそれを下回る。有利には、より低い屈折率層760a、760bは、導波管670、680、690を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部主要表面および底部主要表面の間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能してもよい。いくつかの実施形態では、層760a、760bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット660の上部および底部は、直近クラッディング層を含んでもよいことを理解されたい。
【0120】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管670、680、690を形成する材料は、類似または同一であって、層760a、760bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管670、680、690を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なってもよい、および/または層760a、760bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なってもよい。
【0121】
図9Aを継続して参照すると、光線770、780、790が、導波管のセット660に入射する。光線770、780、790は、1つ以上の画像投入デバイス360、370、380、390、400(
図6)によって導波管670、680、690の中に投入されてもよいことを理解されたい。
【0122】
いくつかの実施形態では、光線770、780、790は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、光が、TIRによって、導波管670、680、690のうちの個別の1つを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、他の波長を下層導波管および関連付けられた内部結合光学要素に透過させながら、1つ以上の特定の光の波長を選択的に偏向させる。
【0123】
例えば、内部結合光学要素700は、それぞれ、異なる第2および第3の波長または波長範囲を有する、光線780および790を透過させながら、第1の波長または波長範囲を有する、光線770を選択的に偏向させるように構成されてもよい。透過された光線780は、第2の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素710に衝突し、それによって偏向される。光線790は、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素720によって偏向される。
【0124】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線770、780、790は、対応する導波管670、680、690を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素700、710、720は、光をその対応する導波管670、680、690の中に偏向させ、光を対応する導波管の中に内部結合する。光線770、780、790は、光をTIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬させる角度で偏向される。光線770、780、790は、導波管の対応する光分散要素730、740、750に衝突するまで、TIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬する。
【0125】
ここで
図9Bを参照すると、
図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。前述のように、内部結合された光線770、780、790は、それぞれ、内部結合光学要素700、710、720によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管670、680、690内でTIRによって伝搬する。光線770、780、790は、次いで、それぞれ、光分散要素730、740、750に衝突する。光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820に向かって伝搬するように、光線770、780、790を偏向させる。
【0126】
いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素800、810、820に偏向または分散し、いくつかの実施形態では、また、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させ得る。いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、省略されてもよく、内部結合光学要素700、710、720は、光を直接外部結合光学要素800、810、820に偏向させるように構成されてもよい。例えば、
図9Aを参照すると、光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820と置換されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素800、810、820は、光を視認者の眼210(
図7)に指向させる、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。OPEは、少なくとも1つの軸においてアイボックスの寸法を増加させるように構成されてもよく、EPEは、OPEの軸と交差する、例えば、直交する軸においてアイボックスを増加させてもよいことを理解されたい。例えば、各OPEは、光の残りの部分が導波管を辿って伝搬し続けることを可能にしながら、OPEに衝打する光の一部を同一導波管のEPEに再指向するように構成されてもよい。OPEへの衝突に応じて、再び、残りの光の別の部分は、EPEに再指向され、その部分の残りの部分は、導波管等を辿ってさらに伝搬し続ける。同様に、EPEへの衝打に応じて、衝突光の一部は、導波管からユーザに向かって指向され、その光の残りの部分は、EPに再び衝打するまで、導波管を通して伝搬し続け、その時点で、衝突する光の別の部分は、導波管から指向される等となる。その結果、内部結合された光の単一ビームは、その光の一部がOPEまたはEPEによって再指向される度に、「複製」され、それによって、
図6に示されるように、クローン化された光のビーム野を形成し得る。いくつかの実施形態では、OPEおよび/またはEPEは、光のビームのサイズを修正するように構成されてもよい。
【0127】
故に、
図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管のセット660は、原色毎に、導波管670、680、690と、内部結合光学要素700、710、720と、光分散要素(例えば、OPE)730、740、750と、外部結合光学要素(例えば、EP)800、810、820とを含む。導波管670、680、690は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされてもよい。内部結合光学要素700、710、720は、(異なる波長の光を受信する異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる。光は、次いで、個別の導波管670、680、690内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される実施例では、光線770(例えば、青色光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素700によって偏向され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)730、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)800と相互作用する。光線780および790(例えば、それぞれ、緑色および赤色光)は、導波管670を通して通過し、光線780は、内部結合光学要素710上に入射し、それによって偏向される。光線780は、次いで、TIRを介して、導波管680を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)740、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)810に進むであろう。最後に、光線790(例えば、赤色光)は、導波管690を通して通過し、導波管690の光内部結合光学要素720に衝突する。光内部結合光学要素720は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)750、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)820に伝搬するように、光線790を偏向させる。外部結合光学要素820は、次いで、最後に、光線790を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管670、680からの外部結合した光も受け取る。
【0128】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管670、680、690は、各導波管の関連付けられた光分散要素730、740、750および関連付けられた外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整合されてもよい。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、上下図に見られるように、側方に離間される)。本明細書でさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、具体的光源が具体的導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む、配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
【0129】
図9Dは、本明細書に開示される種々の導波管および関連システムが統合され得る、ウェアラブルディスプレイシステム60の実施例を図示する。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム60は、
図6のシステム250であって、
図6は、そのシステム60のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、
図6の導波管アセンブリ260は、ディスプレイ70の一部であってもよい。
【0130】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイシステム60は、ディスプレイ70と、そのディスプレイ70の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ70は、フレーム80に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者90によって装着可能であって、ディスプレイ70をユーザ90の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ70は、いくつかの実施形態では、アイウェアと見なされ得る。いくつかの実施形態では、スピーカ100が、フレーム80に結合され、ユーザ90の外耳道に隣接して位置付けられるように構成される(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカも、随意に、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供してもよい)。ディスプレイシステム60はまた、1つ以上のマイクロホン110または他のデバイスを含み、音を検出してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが入力またはコマンドをシステム60に提供することを可能にするように構成され(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にしてもよい。マイクロホンはさらに、周辺センサとして構成され、オーディオデータ(例えば、ユーザおよび/または環境からの音)を収集してもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム60はさらに、ユーザの周囲の世界のオブジェクト、刺激、人々、動物、場所、または他の側面を検出するように構成される、1つ以上の外向きに指向される環境センサ112を含んでもよい。例えば、環境センサ112は、例えば、ユーザ90の通常の視野の少なくとも一部に類似する画像を捕捉するように、外向きに向いて位置し得る、1つ以上のカメラを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、周辺センサ120aを含んでもよく、これは、フレーム80と別個であって、ユーザ90の身体(例えば、ユーザ90の頭部、胴体、四肢等)上に取り付けられてもよい。周辺センサ120aは、いくつかの実施形態では、ユーザ90の生理学的状態を特徴付けるデータを入手するように構成されてもよい。例えば、センサ120aは、電極であってもよい。
【0131】
図9Dを継続して参照すると、ディスプレイ70は、有線導線または無線コネクティビティ等の通信リンク130によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され、これは、フレーム80に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホン内に埋設される、または別様にユーザ90に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成で搭載されてもよい。同様に、センサ120aは、通信リンク120b、例えば、有線導線または無線コネクティビティによって、ローカルプロセッサおよびデータモジュール140に動作可能に結合されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備えてもよく、両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用されてもよい。随意に、ローカル処理およびデータモジュール140は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含んでもよい。データは、a)センサ(画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ(例えば、フレーム80に動作可能に結合される、または別様にユーザ90に取り付けられ得る))から捕捉されたデータ、および/またはb)可能性として処理または読出後にディスプレイ70への通過のための遠隔処理モジュール150および/または遠隔データリポジトリ160(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して取得および/または処理されたデータを含んでもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、これらの遠隔モジュール150、160が相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール140に対するリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンクを介して等、通信リンク170、180によって、遠隔処理モジュール150および遠隔データリポジトリ160に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール140は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つまたはそれを上回るものは、フレーム80に取り付けられてもよい、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール140と通信する、独立構造であってもよい。
【0132】
図9Dを継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール150は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよく、例えば、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含んでもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であり得る、デジタルデータ記憶設備を備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、1つ以上の遠隔サーバを含んでもよく、これは、情報、例えば、拡張現実コンテンツをローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔処理モジュール150に生成するための情報を提供する。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての計算は、ローカル処理およびデータモジュール内で行われ、遠隔モジュールからの完全に自律的使用を可能にする。随意に、CPU、GPU等を含む、外部システム(例えば、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコンピュータのシステム)が、処理(例えば、画像情報を生成する、データを処理する)の少なくとも一部を実施し、例えば、無線または有線接続を介して、情報をモジュール140、150、160に提供し、情報をそこから受信してもよい。
適応レンズアセンブリ
【0133】
再び
図9Aを参照すると、いくつかのディスプレイシステムは、画像を複数の仮想深度平面に形成するように構成される、導波管アセンブリ660を含む。図示される実施形態では、画像は、例えば、画像を異なる深度平面のうちの1つに形成するように構成される、複数の導波管670、680、690を使用して形成されてもよい。導波管アセンブリ660はまた、異なる屈折力を有し、画像を異なる仮想深度平面に形成する、付加的導波管を含んでもよい。しかしながら、導波管670、680、690はそれぞれ、導波管アセンブリ660の全体的厚さ、重量、およびコストを増加させるため、より少ない導波管を用いて、画像を複数の仮想深度平面に形成することが望ましいであろう。
【0134】
本明細書に説明される種々の実施形態では、ディスプレイデバイスは、導波管アセンブリと、1つ以上の適応レンズアセンブリとを使用して、画像を異なる仮想深度平面に形成するように構成される。いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリは、従来のレンズより軽量およびより薄い(数ミクロン)レンズアセンブリを形成し得、有利には、切替可能(例えば、電気的に切替可能)であるように構成され得る、液晶を備える。有利には、そのような適応レンズアセンブリは、アセンブリ660等の導波管アセンブリの数、厚さ、および重量を低減させ得る。
【0135】
本明細書で使用されるように、屈折力(屈折力、集束力、または収束力とも称される)は、レンズ、ミラー、または他の光学システムが、光を収束または発散させる程度である。これは、デバイスの焦点距離の逆数と等しい:P=1/f。すなわち、高屈折力は、短焦点距離に対応する。屈折力に関するSI単位は、毎メートル(m-1)であって、これは、一般に、ジオプタと呼ばれる。本明細書に説明されるように、収束レンズは、正の屈折力を有するように説明される一方、発散レンズは、負の屈折力を有するように説明される。理論によって拘束されるわけではないが、光が、相互に比較的に近接する2つ以上の薄いレンズを通して通過するとき、組み合わせられたレンズの屈折力は、個々のレンズの屈折力の和として近似され得る。したがって、光が、第1の屈折力P1を有する第1のレンズを通して通過し、第2の屈折力P2を有する第2のレンズをさらに通して通過するとき、光は、屈折力の和P=P1+P2に従って収束または発散すると理解され得る。
【0136】
図10は、導波管アセンブリ1012によって介在される、1つ以上の適応レンズアセンブリ、例えば、一対の適応レンズアセンブリ1004、1008を光学経路1016内に備える、ディスプレイデバイス1000、例えば、ウェアラブルディスプレイデバイスの実施例を図示する。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ1012は、導波管スタック260または660に対応してもよい。本明細書に説明されるように、導波管アセンブリは、例えば、全内部反射下、光(例えば、可視光)を伝搬し、導波管の光出力表面から(例えば、それに対して法線の方向に)延在する光学軸において、光を外部結合するように構成される、導波管を含む。好ましくは、光出力表面は、導波管の主要表面である(例えば、導波管の主要表面は、その間に導波管の厚さ、例えば、最小寸法が延在する、導波管の広表面であると理解され得る)。光は、いくつかの実施形態では、回折格子によって外部結合されてもよい。適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、少なくとも部分的に、外部結合される光をそれを通して透過させるように構成されてもよい。図示されるように、適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、導波管アセンブリ1012から外部結合される光を受け取り、外部結合される光を光学軸方向に収束または発散させるように構成されてもよい。適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、波長板レンズと、それ自体が、切替可能な波長板によって介在される、第1および第2の波長板レンズを備える、切替可能な波長板アセンブリとを備えてもよい。波長板はそれぞれ、それを通して通過する外部結合された光の偏光状態を改変するように構成されてもよい。切替可能な波長板は、アクティブ化される(例えば、電気的にアクティブ化される)と、それを通して通過する外部結合された光の偏光状態を改変するように構成されてもよい。
【0137】
本明細書で使用されるように、適応レンズアセンブリは、調節され得る、例えば、外部刺激を使用して、可逆的にアクティブ化および非アクティブ化され得る、少なくとも1つの光学性質を有する、レンズアセンブリを指す。可逆的にアクティブ化および非アクティブ化され得る、例示的光学性質は、他の性質の中でもとりわけ、屈折力(焦点距離)、位相、偏光、偏光選択性、透過率、反射率、複屈折、および回折性質を含む。種々の実施形態では、適応レンズアセンブリは、電場の本選択的印加によって、それを通して通過する光の屈折力および偏光状態を変動させることが可能である。
【0138】
図示される実施形態では、一対の適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、電気的にアクティブ化および非アクティブ化されるように構成され、非アクティブ化状態では、適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、第1の屈折力を提供する一方、アクティブ化状態では、適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、第1の屈折力と異なる、第2の屈折力を提供する。加えて、いくつかの実施形態では、1つの状態では、適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、それを通して通過する光(例えば、可視光)の偏光状態を改変する一方、別の状態では、適応レンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、それを通して通過する光の偏光状態を保存する。
【0139】
依然として
図10を参照すると、ディスプレイデバイス1000はさらに、一対の適応レンズアセンブリ1004、1008間に介在される、導波管アセンブリ1012を備える。導波管アセンブリ1012は、それぞれ、
図6および9A-9Cに関して上記に説明される、導波管アセンブリ260または660に類似してもよい。導波管アセンブリ1012は、
図6の導波管270、280、290、300、310または
図9A-9Cの導波管670、680、690に類似する、導波管を備えてもよい。本明細書に説明されるように、導波管は、全内部反射下、導波管の主要表面と平行な側方方向に光を伝搬するように構成されてもよい。導波管はさらに、光を外部結合し、光を適応レンズアセンブリ1008を通してユーザの眼210に出力するように構成されてもよい。
【0140】
依然として
図10を参照すると、一対の適応レンズアセンブリの第1の適応レンズアセンブリ1004は、導波管アセンブリ1012の第1の側、例えば、ユーザによって観察される世界510の側に配置され、一対のレンズアセンブリの第2の適応レンズアセンブリ1008は、導波管アセンブリ1012の第2の側、例えば、ユーザの眼210に最も近い側に配置される。下記に説明されるように、構成されるような一対の適応レンズアセンブリは、ユーザに、実世界のビューとともに、導波管アセンブリ1012からの仮想コンテンツを複数の仮想深度平面に提供する。いくつかの実施形態では、適応レンズアセンブリの存在に起因して、殆どまたは全く歪曲が存在しない。仮想コンテンツおよび実世界のビューは、
図11Aおよび11Bに関して下記に説明されるように、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008のアクティブ化に応じて、ユーザに提供される。
【0141】
図11Aおよび11Bは、ディスプレイデバイス1100A/1100Bの実施例を図示し、それぞれ、適応レンズアセンブリを備え、動作時、画像情報をユーザに出力する。ディスプレイデバイス1100Aおよび1100Bは、非給電状態では、構造的に同じであってもよい。ディスプレイデバイス1100Aは、本明細書では、仮想画像をユーザに出力することを例証するために使用される一方、ディスプレイデバイス1100Bは、本明細書では、実世界画像をディスプレイデバイス1100Bを通してユーザに透過させることを例証するために使用される。ディスプレイデバイス1100A/1100Bは、例えば、電圧または電流の印加によって電気的にアクティブ化されるように構成される、一対の適応レンズアセンブリ1004、1008を含む。いくつかの実施形態では、例えば、電圧または電流が印加されない、非アクティブ化状態では、第1および第2の切替可能なレンズアセンブリ1004、1008はそれぞれ、低、例えば、約ゼロ屈折力を有する。いくつかの実施形態では、例えば、電圧または電流が印加される、アクティブ化状態では、世界側の第1の世界側適応レンズアセンブリ1004は、第1の符号、例えば、正の屈折力を有する、第1の正味屈折力(Pnet1)を提供してもよい。アクティブ化状態にあるとき、ユーザ側の第2のユーザ側適応レンズアセンブリ1008は、第2の符号、例えば、負の屈折力を有する、第2の正味屈折力(Pnet2)を提供してもよい。
【0142】
図11Aは、いくつかの実施形態による、仮想コンテンツをユーザに仮想深度平面において表示する、
図10のディスプレイシステムの実施例を図示する。本明細書に説明されるように、一対の適応レンズアセンブリ1004、1008間に介在される、導波管アセンブリ1012は、仮想画像情報を含有する光を受け取り、全内部反射下、光を伝搬させるように構成される、導波管を備える。導波管アセンブリ1012はさらに、光を、例えば、回折格子を通して、眼210に向かって外部結合するように構成される。外部結合される光は、眼210に進入することに先立って、第2の適応レンズアセンブリ1008を通して通過する。アクティブ化されると、第2の適応レンズアセンブリ1008は、第2の正味屈折力Pnet2を有し、これは、ユーザに仮想深度平面1104において仮想画像が見えるように、負の値を有してもよい。
【0143】
いくつかの実施形態では、第2の正味屈折力Pnet2は、電気的に調節され、第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力(Pnet2)を調節し、それによって、仮想深度平面1104までの距離を調節してもよい。例えば、仮想オブジェクトが、仮想3次元空間内において、眼210に対してより近くおよびより遠くに「移動」するにつれて、第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力Pnet2も、仮想深度平面1104が仮想オブジェクトを追跡するように調節されるように、対応して調節されてもよい。したがって、ユーザは、比較的に、容認可能閾値を超える遠近調節/輻輳・開散運動不整合を殆どまたは全く体験し得ない。いくつかの実施形態では、仮想深度平面1104までの距離の大きさは、離散ステップにおいて調節されてもよい一方、いくつかの他の実施形態では、仮想深度平面1104までの距離の大きさは、連続的に調節されてもよい。
【0144】
図11Bは、いくつかの実施形態による、実世界コンテンツのビューをユーザに提供する、
図10のディスプレイシステムの実施例を図示する。第2の適応レンズアセンブリ1008が、仮想コンテンツを仮想深度平面1104に表示するための第2の正味屈折力(Pnet2)を有するようにアクティブ化されると、第2の適応レンズアセンブリ1008を通して通過する、実世界からの光もまた、アクティブ化される第2の適応レンズアセンブリ1008のPnet2に従って、収束または発散され得る。したがって、実世界内のオブジェクトは、焦点がずれて現れ得る。そのような歪曲を軽減させるために、いくつかの実施形態によると、アクティブ化されると、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008は、反対符号を有する、屈折力を有するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008を通して通過する、光は、それぞれ、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008の第1および第2の正味屈折力Pnet1、Pnet2の大きさの間の差にほぼ等しい大きさを有する、組み合わせられた屈折力に従って、収束または発散する。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ1012もまた、屈折力を有し得、適応レンズアセンブリ1008は、レンズアセンブリ1004および導波管アセンブリ1012の両方によって生じる歪曲を考慮するように構成されてもよい。例えば、適応レンズアセンブリ1008の屈折力は、レンズアセンブリ1004および導波管アセンブリ1012の屈折力の和の反対符号であってもよい。
【0145】
いくつかの実施形態では、第1の適応レンズアセンブリ1004は、第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力Pnet2の大きさに近いまたはそれと同一である大きさを有する、第1の正味屈折力Pnet1を有するように構成される。その結果、第1および第2の適応レンズアセンブリ1004、1008の両方が、同時にアクティブ化されると、実世界内のオブジェクトは、仮想コンテンツを表示するために提供される第2の適応レンズアセンブリ1008の屈折力によって比較的に影響されずに現れる。
【0146】
いくつかの実施形態では、第1の適応レンズアセンブリ1004は、アクティブ化されると、第1の正味屈折力Pnet1が第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力Pnet2に動的に合致するように構成されてもよい。例えば、第2の切替可能なアセンブリ1008の第2の正味屈折力Pnet1が、仮想3次元空間内において、移動する仮想オブジェクトを追跡するように調節されるにつれて、第1の適応レンズアセンブリ1004の第1の正味屈折力Pnet1は、組み合わせられた屈折力の大きさP=Pnet1+Pnet2が所定の値未満に保たれ得るように、動的に調節されてもよい。したがって、実施形態によると、実世界内のオブジェクトは、組み合わせられた屈折力P=Pnet1+Pnet2が小さい、例えば、約0m-1のままであるように、負の値を有し得る、第2の適応レンズアセンブリ1008の第2の正味屈折力(Pnet2)を、第1の適応レンズアセンブリ1004の第1の正味屈折力(Pnet1)で補償することによって、容認不可能に焦点がずれないように防止され得る。
【0147】
図12は、それぞれ、波長板レンズと、切替可能な波長板とを備える、適応レンズサブアセンブリを備える、一対の適応レンズアセンブリを備える、ディスプレイデバイス1500の実施例を図示する。第1および第2の適応レンズアセンブリ1504、1508はそれぞれ、複数の切替可能な波長板アセンブリ、例えば、第1-第3の切替可能な波長板アセンブリ1312-1、1312-2、1312-3と交互にスタックされる、複数の波長板レンズ、例えば、第1-第3の波長板レンズ1308-1、1308-2、1308-3を備える。波長板レンズ1308-1、1308-2、1308-3および近傍の切替可能な波長板アセンブリ1312-1、1312-2、1312-3は、それぞれ、サブアセンブリ1504-1、1504-2、1504-3を形成する。複数の切替可能な波長板アセンブリ1312はそれぞれ、切替回路を使用して、独立してアクティブ化されてもよい。いくつかの実施形態では、切替可能な波長板の異なるものを電気的にアクティブ化するステップは、切替可能な波長板アセンブリの異なるものによって介在される、直接隣接する波長板レンズの屈折力の大きさのほぼ和である大きさを有する、異なる正味屈折力に従って、適応レンズアセンブリを通して通過する光を発散または収束させる。
【0148】
有利には、第2の適応レンズアセンブリ1508内のサブアセンブリ1508-1、1508-2、1508-3のうちの1つ以上のものの異なるものを選択することによって、異なる深度平面における仮想画像が、ユーザに表示され得、加えて、第1の適応レンズアセンブリ1504内のサブアセンブリ1504-1、1504-2、1504-3の異なる対応するものを選択することによって、サブアセンブリ1508-1、1508-2、1508-3の屈折力から生じ得る、実世界画像の焦点ずれまたは歪曲は、補償または低減され得る。
固定されたレンズを用いた適応レンズアセンブリ
【0149】
適応レンズアセンブリを含む、上記に説明される例示的ディスプレイデバイスでは、適応レンズアセンブリは、波長板レンズと、とりわけ、導波管の数を低減させ、ひいては、全体的デバイス重量および厚さを低減させる、利点を有する、切替可能な波長板とを含んだ。いくつかの実施形態では、付加的な固定されたレンズが、1つ以上の適応レンズアセンブリ上にスタックされてもよい。有利には、付加的レンズは、種々の可能性として考えられる利点を提供する。例えば、いくつかの状況下では、そのようなレンズは、付加的屈折力を追加するために提供されてもよい。加えて、
図10に関して説明されるウェアラブルデバイス1000等のいくつかの実施形態によるウェアラブルディスプレイデバイスを使用する、一部のユーザは、光が正しくその眼の網膜上に集束することを妨げる、屈折誤差を伴う眼を有する。いくつかの実施形態では、付加的レンズ要素が、特定の処方箋屈折力を提供し、ユーザが、ディスプレイによって投影された、および/またはディスプレイを通して実世界から透過された画像情報を明確に視認することを可能にするように構成されてもよい。加えて、付加的レンズは、デバイスをユーザの顔の輪郭により良好に共形化させ、アイウェアのための正常フレームとより良好に統合し、および/またはより審美的に魅力的な外観をディスプレイデバイスに提供するための曲率を有する、表面を具備してもよい。
【0150】
図13Aおよび13Bは、いくつかの実施形態による、一対の適応レンズアセンブリと、一対の固定されたレンズとを備える、ディスプレイデバイスを図示する。上記に議論されるように、ディスプレイデバイス1800A/1800Bは、一対の適応レンズアセンブリ(例えば、
図12における1504、1508)と、一対の適応レンズアセンブリ間に介在される、導波管アセンブリ1012とを備え、導波管アセンブリは、全内部反射下、光を伝搬し、光を一対の適応レンズアセンブリ(片側の1005、1504および他側の1508、1008を含む)のうちの一方の中に外部結合し、仮想コンテンツを複数の仮想深度平面に表示するように構成される、導波管を備える。
【0151】
上記に議論されるように、いくつかの状況下では、付加的な固定されたレンズ、例えば、補正レンズを追加し、ユーザにより明確に見えることを可能にすることが望ましくあり得る。いくつかの実施形態では、第1の固定された焦点レンズ要素1808が、導波管アセンブリ1012と視認者の眼210との間に提供されてもよい。第1の固定された焦点レンズ要素の追加は、適切な調節を提供し、視認者の眼210のために正しく集束されるように、仮想コンテンツを含み得る、導波管アセンブリ1012から外部結合される光を調節し得る。しかしながら、第1の固定されたレンズ要素1808はまた、世界510から視認者の眼210に伝搬する光の経路内にある。その結果、第1のレンズ要素は、周囲環境からの光を修正し、それによって、収差を世界の視認者のビュー内に生じさせ得る。そのような収差を補正するために、第2の固定された焦点レンズ要素1804は、導波管アセンブリ1012の第1の可変焦点レンズ要素1808と反対の側に配置されてもよい。第2の固定された焦点レンズ要素1804は、第1の固定された焦点レンズ要素1808によって生じる収差を補償するように構成されてもよい。
【0152】
いくつかの実施形態では、第2の固定された焦点レンズ要素1804の焦点は、第1の固定された焦点レンズ要素1808の焦点の反転または反対であってもよい。例えば、第1の固定された焦点レンズ要素1808が、正の屈折力を有する場合、第2の固定された焦点レンズ要素1804は、負の屈折力を有してもよく、その逆も同様であって、これは、いくつかの実施形態では、類似大きさであってもよい。
【0153】
いくつかの実施形態では、固定された焦点レンズ要素1804、1808を伴わない、ディスプレイデバイス1800A/1800Bは、十分な屈折力を有していない場合があり、第1の可変焦点レンズ要素は、画像情報が視認者によって特定の深度平面上にあると解釈されるために、適切な量の付加的発散を光に提供するように構成されてもよい。
【0154】
それぞれ、第1および第2の固定された焦点レンズ要素1804、1808は、視認者の眼の一方のために提供されてもよく、第1および第2の固定された焦点レンズ要素に類似する(但し、可能性として、異なる屈折力を伴う)、第3および第4の固定された焦点レンズ要素(図示せず)は、視認者の眼の他方のために提供されてもよいことを理解されたい。
【0155】
種々の実施形態では、第1および第2の固定された焦点レンズ要素はそれぞれ、約±5.0ジオプタ~0ジオプタ、±4.0ジオプタ~0ジオプタ、±3.0ジオプタ~0ジオプタ、±2.0ジオプタ~0ジオプタ、±1.0ジオプタ~0ジオプタの範囲(これらの値によって定義された任意の範囲、例えば、±1.5ジオプタを含む)内の正味屈折力(正または負)を提供してもよい。
【0156】
図13Aおよび13Bに図示されるようないくつかの実施形態では、第1および第2の焦点レンズ要素1804、1808の屈折力が、相互に補償するように、例えば、凹面または平凹面レンズであり得る、第1の固定された焦点レンズ要素1804の屈折力は、正の値を有し、例えば、凸面または平凸面レンズであり得る、第2の固定された焦点レンズ要素1808の屈折力は、負の値を有する。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、第1および第2の固定された焦点レンズ要素1804、1808の屈折力が、相互に補償するように、第2の固定された焦点レンズ要素1808の屈折力は、正の値を有してもよく、第1の固定された焦点レンズ要素1804の屈折力は、負の値を有してもよい。
【0157】
図14は、いくつかの他の実施形態による、ディスプレイデバイス1900を図示する。
図13A、13Bに関して上記に説明されるディスプレイデバイス1800A/1800Bと同様に、ディスプレイデバイス1900は、一対の適応レンズアセンブリ(例えば、
図12における1504、1508)と、一対の適応レンズアセンブリ間に介在される、導波管アセンブリ1012とを含む。しかしながら、
図13A、13Bのディスプレイデバイス1800A/1800Bと異なり、視認者の眼210のために正しく集束されるように、仮想コンテンツを含み得る、導波管アセンブリ1012から外部結合される光を調節するために、導波管アセンブリ1012は、導波管アセンブリ1012と視認者の眼210との間の第1の固定された焦点レンズ要素1808を有する代わりに、内蔵屈折力を有するように構成されてもよい。上記に説明されるディスプレイデバイス1800A/1800Bと同様に、導波管アセンブリ1012内の内蔵屈折力は、周囲環境からの光の波面を修正し、それによって、収差を世界の視認者のビュー内に生じさせ得る。そのような収差を補正するために、
図13A、13Bに関して上記に説明される第2の固定された焦点レンズ要素1804に類似する、固定された焦点レンズ要素1804が、世界と導波管アセンブリ1012との間に配置されてもよい。固定された焦点レンズ要素1804は、
図13A、13Bに関して上記に説明される補償機構と同様に、導波管アセンブリ1012内の内蔵屈折力によって生じる収差を補償するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリおよび固定された焦点レンズ要素の屈折力が、相互に補償するように、導波管アセンブリ1012内の内蔵屈折力は、負の値を有してもよく、固定された焦点レンズ要素1804の屈折力は、正の値を有してもよい。固定された焦点レンズ要素1804の種々の特性は、
図13A、13Bに関して上記に説明されるものに類似する。
【0158】
図14に図示される実施形態では、固定された焦点レンズ要素1804は、世界510と導波管アセンブリ1012との間に配置されるが、他の実施形態も、可能性として考えられることを理解されたい。例えば、固定された焦点レンズ要素1808は、
図13A、13Bに関して上記に説明される第1の固定された焦点レンズ要素1808と同様に、眼210と導波管アセンブリ1012との間に配置されてもよい。これらの実施形態では、導波管アセンブリおよび固定された焦点レンズ要素の屈折力が、相互に補償する(例えば、実質的に合計0になる)ように、導波管アセンブリ1012内の内蔵屈折力は、正の値を有してもよく、固定された焦点レンズ要素1808の屈折力は、負の値を有してもよい。
切替可能な可変焦点要素コンポーネント
【0159】
図15は、3つの適応レンズサブアセンブリ1210を備える、例示的適応レンズアセンブリ1200を図示する。適応レンズアセンブリ1200は、例えば、
図10-12に示されるように、正面レンズアセンブリ1004、1504または背面レンズアセンブリ1008、1508であってもよい。各層1210は、波長板レンズ1212と、切替可能な液晶層1214とを含む。1つ以上の伝導性ワイヤまたはメッシュ層等の伝導性層1216が、切替可能な液晶層1214の選択的切替のために、各いくつかのアセンブリ1210内に含まれる。いくつかの提案される構成では、サブアセンブリ1210は、付加的支持基板1218と、整合層1222とを要求し得る。接着剤1220およびさらなるコーティング層1224(例えば、反射防止性層)が、種々の層間およびレンズ層1210間に提供される。複数の支持基板1218および整合層1222の存在は、適応レンズアセンブリ1200の重量および厚さを有意に増加させ得ることを理解されたい。したがって、より薄くかつより軽量の適応レンズアセンブリ構造は、望ましくあり得る。
【0160】
図16Aおよび16Bは、種々の実施形態による、それぞれ、3つの適応レンズサブアセンブリを備える、例示的適応レンズアセンブリ1400を図示する。有利には、適応レンズアセンブリ1400は、
図15の適応レンズアセンブリ1200に対して簡略化された構造を有する。いくつかの実施形態では、
図16Aおよび16Bに示される構造は、有利には、既存の適応レンズアセンブリより薄くかつより軽量である、適応レンズアセンブリを提供し得、より効率的に製造され得る。
図16Aおよび16Bに描写される図示される適応レンズアセンブリ1400はそれぞれ、3つの適応レンズサブアセンブリ1410を含む。しかしながら、適応レンズアセンブリ1400は、3つより少ない適応レンズサブアセンブリ(例えば、1つまたは2つのサブアセンブリ)または3つよりも多い適応レンズサブアセンブリ(例えば、4つ、5つ、6つ、またはより多いサブアセンブリ)を用いて実装されてもよいことを理解されたい。適応レンズアセンブリ1400は、適応レンズアセンブリ1400がレンズアセンブリ1004、1504、1008、1508の代わりに利用され得るように、
図10-14のレンズアセンブリ1004、1504、1008、1508に対応してもよいことを理解されたい。
【0161】
図16Aおよび16Bを継続して参照すると、適応レンズアセンブリ1400は、接着剤層1424(例えば、屈折率整合接着剤を備える)によって結合される、3つの適応レンズサブアセンブリ1410を含む。各適応レンズサブアセンブリ1410は、少なくとも1つの波長板レンズ1412、1412a、1412bを含む。例えば、
図16Aは、単一波長板レンズ1412を含む、適応レンズサブアセンブリ1410を描写する一方、
図16Bは、第1の波長板レンズ1412aと、第2の波長板レンズ1412bとを含む、適応レンズサブアセンブリ1410を描写する。
図16Bに示される複数レンズ構成は、レンズ1412a、1412bが、波長のサブセットのみに影響を及ぼすタイプである場合、望ましくあり得る。したがって、複数の隣接するレンズ1412a、1412bは、組み合わせられ、より大きい波長範囲にわたる所望の屈折力を提供するであろう、システムを形成することができる。
【0162】
各適応レンズサブアセンブリ1410はさらに、2つの4分の1波長板1416と、閉鎖された体積を4分の1波長板1416間に画定する、切替セル壁1418とを備える、切替可能な波長板アセンブリを含む。好ましくは、4分の1波長板1416は、本明細書に開示されるように、ロールツーロール処理において使用するために、柔軟で(4分の1波長板1416が巻取および展開されることを可能にする)、機械的に安定し、十分に非弾性である、光学的に透過性の材料から形成される。好ましくは、材料は、液晶を備えない。4分の1波長板1416のための好適な材料の実施例は、ポリカーボネートまたは同等物等のプラスチック(ポリマー)シートを含む。
【0163】
4分の1波長板1416および切替セル壁1418は、切替媒体1414(例えば、液晶材料)と、伝導性材料1420(例えば、ワイヤ、伝導性メッシュ等)とを封入する。いくつかの実施形態では、伝導性材料1420は、酸化インジウムスズ(ITO)層であって、これは、電極のパターンにパターン化され得る。整合層が、切替可能な波長板アセンブリと波長板レンズ1412、1412a、1412bとの間に提供され得る。整合層は、適応レンズサブアセンブリ1410の適切な垂直、水平、および/または回転整合のための1つ以上の整合構造を含んでもよい。代替として、いくつかの実施形態では、整合層1422は、省略されてもよく、1つ以上の整合構造が、隣接する4分の1波長板1416および/またはレンズ1412、1412aの表面に追加および/またはその中にインプリントされてもよい。
【0164】
図15に描写される適応レンズサブアセンブリ1210に関して、
図16Aおよび16Bに描写される適応レンズサブアセンブリ1410は、有利には、より少ないコンポーネント層を有し得る。4分の1波長板1416は、付加的支持基板1218(
図15)が必要ないように、十分な構造支持を各レンズサブアセンブリ1410に提供し得る。加えて、適応レンズサブアセンブリ1410の切替可能な波長板は、付加的伝導性層1216(
図15)が必要ないように、4分の1波長板1416と統合されたメッシュまたはワイヤの形態において、切替可能な波長板層1414(例えば、液晶層)によって占有される空間内に伝導性材料1420を含む。本明細書に説明される有利に薄い適応レンズアセンブリの非限定的実施例として、
図16Bに描写される適応レンズアセンブリ1400は、約1.3mm等の1mm~3mmの全体的厚さを有し得る。例えば、各4分の1波長板は、100ミクロン~300ミクロン(例えば、200ミクロン)の厚さを有し得、各切替セル壁1418は、5~20ミクロン(例えば、10ミクロン)の厚さを有し得、各波長板レンズ1412a、1412bは、1~5ミクロン(例えば、2ミクロン)の厚さを有し得、各整合層は、存在する場合、100nm未満(例えば、20nm~30nm)の厚さを有し得る。したがって、各適応レンズサブアセンブリ1410は、約414ミクロンの厚さを有し得る。接着剤層1424はそれぞれ、適応レンズアセンブリ1400が約1.3mmの総厚を有するように、10~50ミクロン(例えば、20ミクロン)の厚さを有し得る。
可変焦点要素製造方法および装置
【0165】
図17A-17Eは、
図16Aおよび16Bを参照して説明される適応レンズアセンブリ1400等の適応レンズアセンブリを製造する例示的プロセスを図示する。プロセスの個々の部分は、本開示の範囲から逸脱することなく、追加または省略されてもよいことを理解されたい。より詳細に説明されるであろうように、プロセスは、概して、4分の1波長板基板1430およびレンズ基板1440を形成し(レンズ層を既存の4分の1波長板基板1430に追加することによって形成されてもよい)、4分の1波長板基板1430とレンズ基板1440を組み合わせ、適応レンズサブアセンブリ1410と隙間、すなわち、
図16Aおよび16Bの切替可能な液晶層1414を包囲する体積を形成するステップを含み得る。複数の適応レンズサブアセンブリ1410は、次いで、スタック内に組み合わせられ(例えば、屈折率整合された接着剤層を用いて、ともに接着され)、適応レンズアセンブリ1400を形成し得る。
【0166】
図17Aに示されるように、伝導性材料1420が、各4分の1波長板1416上にメッシュおよび/またはワイヤのアレイ(例えば、平行ワイヤ)として形成され、4分の1波長板基板1430を形成することができる。例えば、伝導性材料1420は、インプリント、堆積、エッチング、スパッタリング、および/または洗浄のうちの1つ以上のものを含む、プロセスによって、直接、各4分の1波長板1416上に形成されることができる。伝導性材料のパターン1420を形成するための種々の方法は、例えば、
図21A-27Dに関して本明細書でさらに議論される。加えて、伝導性材料1420のパターンを形成するための方法はまた、2017年8月22日に出願された米国特許出願第15/683,706号(その全開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される。いくつかの実施形態では、金属層が、4分の1波長板基板1430上に堆積され、次いで、パターン化され、電極を画定し、電極パターンを基板1430の表面上に形成してもよい。種々の実施形態では、伝導性材料1420は、4分の1波長板基板のシート、単体化された4分の1波長板層、および/または4分の1波長板基板のより大きいロール(例えば、ロールツーロール製造プロセスにおいて)上に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、伝導性層の配向、サイズ、間隔、または他の側面は、ワイヤが液晶層1414(
図16A、16B)のための整合ガイドを形成するように選択されることができる。付加的表面特徴がさらに、いくつかの実施形態では、4分の1波長板基板の中にインプリントされ、液晶層1414内の液晶分子の整合をさらに誘導してもよい。いくつかの実施形態では、第1のローラ上に供給される基板は、電極の事前に形成されたパターンを基板の背面上に含んでもよい。特徴を基板上に形成する付加的方法はまた、2018年5月25日に出願された米国特許出願第15/990,155号(その全開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される。
【0167】
図17Bは、例示的製造プロセスにおけるさらなるステップを描写する。
図17Bに示されるように、4分の1波長板1416は、整合層1422と、第1の波長板レンズ1412aと、第2の波長板レンズ1412bとを具備し、レンズ基板1440を形成している。いくつかの実施形態では、整合層1422は、4分の1波長板1416の電極または伝導性材料1420と反対の側に印刷された1つ以上の整合特徴を含んでもよい。整合層1422および/または他の整合構造が、4分の1波長板1416の表面上に作成された後、第1の波長板レンズ1412aおよび第2の波長板レンズ1412bが、形成される。例えば、各レンズ1412a、1412bは、液晶の層を堆積させ(例えば、スロットダイまたは他の堆積装置によって)、各層を硬化させ、液晶を重合化し、波長板レンズ1412a、1412bを形成することによって形成されてもよい。整合層1422の整合構造および/または4分の1波長板1416の表面上の整合構造は、第1の波長板レンズ1412a内の液晶分子の整合を補助することを理解されたい。結晶の整合は、次いで、第1のレンズ1412aが、紫外線(UV)照射および/または熱等によって硬化されると、保定され得る(例えば、液晶分子の重合化を介して)。第2のレンズ1412bも同様に、流動可能形態において適用され、UV照射および/または熱を使用して硬化されてもよい。
【0168】
図17Cに示されるように、切替セル壁1418がさらに、伝導性材料1420を含む側のレンズ基板1440上に追加されてもよい。例えば、セル壁1418が、インクジェット印刷によって、4分の1波長板1416上に印刷され得るように、セル壁1418は、インクジェット印刷可能材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、さらなる間隔構造が、セル壁1418間の場所に追加され、基板間隔をセル壁1418間の全ての場所に沿って維持してもよい。例えば、間隔構造は、セル壁1418を印刷するために使用される同一または異なる材料でインクジェット印刷されてもよい。加えて、インクジェット印刷相の間、伝導性材料が、印刷され、伝導性材料1420を相互接続してもよい。例えば、伝導性材料1420が、平行ワイヤのアレイを備える場合、伝導性インクジェット印刷可能材料の1つ以上のラインが、伝導性材料1420が、相互接続され、電圧差を
図16Aおよび16Bに描写される液晶層1414を横断して効果的に印加し得るように、平行ワイヤに対して垂直またはある角度で印刷されてもよい。ある例示的製造プロセスでは、
図17Bに示されるコンポーネントは、セル壁1418を印刷する前に、
図17Cに示されるように、ロールツーロールプロセスにおいて形成され、シートに切断されてもよい。
【0169】
図17Dに示されるように、4分の1波長板基板1430が、レンズ基板1440に結合され、適応レンズサブアセンブリ1410を完成させる。4分の1波長板基板1430とレンズ基板1440との間に作成された隙間は、液晶材料で充填される。例えば、レンズ基板1440は、水平配向に設置されてもよい。液晶材料は、セル壁1418間の空間が液晶材料で充填されるように、レンズ基板1440上に分注されてもよい。4分の1波長板基板1430は、次いで、レンズ基板1440に対して定位置に糊着または別様に固着され、液晶材料を保定してもよい。好ましくは、適応レンズサブアセンブリ1410は、空気が液晶材料内に留保されないように形成される。例えば、充填および組立は、真空内で実施されてもよく、および/または液晶のための空間は、4分の1波長板1416間の空間が、切替媒体で実質的に充填され、実質的に空気がないように、過充填され、通気口が、少なくとも1つのセル壁1418内に提供されてもよい。いくつかの他の実施形態では、レンズ基板1440および4分の1波長板基板1430は、ともに接着され、開放体積を形成してもよく、その後、液晶が、導入され、体積を充填する。セル壁1418は、レンズ基板1440上に印刷されるように示されるが、いくつかの実施形態では、セル壁1418は、レンズ基板1440ではなく、4分の1波長板基板1430上に印刷されてもよく、充填および組立ステップは、レンズ基板1440が4分の1波長板基板の上部に設置された状態で実施されてもよい。いくつかの実施形態では、セル壁1418の一部は、4分の1波長板基板1430およびレンズ基板1440の両方上に印刷されてもよい。
【0170】
適応レンズサブアセンブリ1410が、形成された後、
図17Eに示されるように、1つ以上の付加的適応レンズサブアセンブリ1410で積層され、適応レンズサブアセンブリ1410のスタックを備える、適応レンズアセンブリ1400を形成してもよい。各対の適応レンズサブアセンブリ1410は、接着剤層1424によって、ともに結合されてもよい。相互に対する波長板の相対的配向は、サブアセンブリ1410およびより大きい適応レンズアセンブリ1400の光学性質に影響を及ぼすことを理解されたい。好ましくは、適応レンズサブアセンブリ1410をともに結合するとき、例えば、xおよびy寸法に側方に約100ミクロン以内の精度を伴って、かつ約0.1mradの回転を伴って、各レンズサブアセンブリ1410と隣接する各レンズサブアセンブリ1410を整合させることが望ましくあり得る。
【0171】
図18Aは、適応レンズアセンブリのための光学整合プロセスを用いたレンズ基板のロールツーロール製造のための例示的装置を図示する。装置1600Aによって形成されるレンズ基板1650は、例えば、
図17Bに描写されるレンズ基板1440であってもよい。装置1400Aは、ローラ1602の周囲に配置され得る、供給基板ロールの形態における供給基板1605を受容し、さらなる処理のために、同様にレンズ基板ロール1655の形態にあり得る、レンズ基板1650を生産するように構成される。いくつかの実施形態では、供給基板は、
図17Aに描写される4分の1波長板基板1430と一致する、組成および/または断面プロファイルを有してもよい。
【0172】
供給基板ロール1602は、保護フィルム1610を伴う供給基板1605を含んでもよい。保護フィルム1610は、さらなる層が適用される前に除去されてもよい。整合スロットダイ1615が、整合層1617を適用し、これは、レジスト材料(例えば、ポジ型フォトレジストまたはネガ型フォトレジスト等のフォトレジスト)、またはその上にホログラフィック記録が行われ得るホログラフィック媒体等の感光性材料を含んでもよい。供給基板1605は、整合スロットダイ1615の近傍の整合印加ローラ1619にわたって進行し得る(例えば、整合印加ローラ1619は、整合スロットダイ1615の直下または略下方に位置してもよい)。整合印加ローラ1619は、整合スロットダイ1615下を進行するにつれて、供給基板1605を安定化させ、供給基板1605上への整合層1617の均一コーティングを確実にし得る。供給基板1605上の整合層1617は、溶媒を含んでもよく、これは、例えば、オーブン1620内での加熱、照射、または他の溶媒除去方法によって少なくとも部分的に除去され、後続処理のために整合層1617を調製し得る。本明細書で使用されるように、オーブンは、熱エネルギーを提供し、物体を加熱するためのデバイスであることを理解されたい。溶媒が、整合層1617から除去された後、光学整合器1625が、整合パターンを整合層1617内に作成する。例えば、光学整合器1625は、直接描画(マスクなし)リソグラフィ、光学マスクおよび/または大暴露レンズを使用したフォトリソグラフィ、光学マスタレンズ、または同等物等の種々のリソグラフィ技法を使用して、パターンを作成してもよい。いくつかの実施形態では、整合層1617は、ホログラフィック媒体であってもよく、光学整合器1625は、光をその媒体上に指向し、直接ホログラフィック記録を作製してもよい。いくつかの実施形態では、基板1605および整合層1617は、光学整合器1625が整合パターンを整合層1617内に生産する間、定常であってもよい。
【0173】
整合層が、インプリントおよび硬化された後、第1のレンズスロットダイ1630が、第1の波長板レンズ層1632を整合層1617上に適用する。第1の波長板レンズ印加ローラ1634が、第1のレンズスロットダイ1615下を進行するにつれて、供給基板1605および整合層1617を安定化させ、整合層1617上への第1の波長板レンズ層1632の均一コーティングを確実にするために提供されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の波長板レンズ層1632は、液晶を備える。液晶層の液晶分子は、少なくとも部分的に、第1の波長板レンズ層1632に隣接する整合層1617内のパターンおよび/または構造によって決定された整合をとり得る。第1の波長板レンズ層内に存在する溶媒は、乾燥によって、および/または基板をオーブン1637または他の熱源を通して通過させることによって、除去されてもよい。紫外線(UV)光源が、続いて、第1の波長板レンズ層1632をUV光で照射し、第1の波長板レンズ層1632を硬化させ、これは、液晶分子を重合化し、これらの分子の配向を係止させ得る。
【0174】
第1の波長板レンズ層1632が、堆積および硬化された後、随意の第2の波長板レンズ層1642が、追加されてもよい。第2の波長板レンズスロットダイ1640が、第2の波長板レンズ層1642を液晶ポリマーとして堆積させる。第2のレンズ印加ローラ1644が、第2のレンズスロットダイ1640下を進行するにつれて、供給基板1605、整合層1617、および第1の波長板レンズ層1632を安定化させ、第1の波長板レンズ層1632上への第2の波長板レンズ層1642の均一コーティングを確実にするために提供されてもよい。第2の波長板レンズ層1642も同様に、UV光源1645からの照射によって硬化されてもよく、溶媒は、オーブン1647内における熱の印加によって除去されてもよい。単一波長板レンズ層1632または2つよりも多い波長板レンズ層が、
図18Aの装置1600Aに類似する装置によって追加されてもよいことを理解されたい。例えば、3つの波長板レンズ層が、所望される場合、装置1600Aは、より多くのレンズスロットダイ(例えば、3つのレンズスロットダイ)を有し、付加的波長板レンズ層を適用してもよい。
【0175】
全ての波長板レンズ層1632、1642が、適用および硬化されると、結果として生じるレンズ基板1650は、レンズ基板ローラ1655上に巻取されることができる。いくつかの実施形態では、さらなる保護フィルム1652が、レンズ基板1650の片側または両側に適用され、レンズ基板ロール1655の取扱の間、レンズ基板1650の表面および構造を保護する。
【0176】
図18B-18Cは、レンズ基板のロールツーロール製造のための装置のさらなる実施例を図示する。
図18Aの装置1600Aと同様に、装置1600Bおよび1600Cは、ローラ1602の周囲に配置される供給基板ロールの形態における供給基板1605を受容し、さらなる処理のために同様にレンズ基板ロール1655の形態であり得る、レンズ基板1650を生産するように構成される。装置1600Bはまた、レンズスロットダイ1630、1640を含み、液晶ポリマー波長板レンズ層1632、1642を適用し、これは、UV光源1635、1645および/または熱源1637、1647によって硬化され得る。
【0177】
装置1600Bおよび1600Cは、整合特徴1662がインプリントによって供給基板1605の表面に追加される、インプリント整合プロセスを実施するように構成される。インプリント整合が、堆積デバイス1660、例えば、インクジェットプリンタまたはスロットダイ、共形ロールテンプレート(CRT)ドラム1665、および硬化デバイス6070、例えば、UV光源を使用して形成されてもよい。堆積デバイス1660は、装置1600B、1600C内の種々の場所に位置してもよい。
図18Bに描写される装置1600Bの例示的構成では、堆積デバイス1660は、CRTドラム1665の上流に位置し、インプリント可能材料を供給基板1605に直接適用する。装置は、基板を特定の方向(例えば、ローラ1602から基板ロール1655に)移動させるように構成され、したがって、用語「上流」および「下流」は、基板経路内の点を指すことを理解されたい。「上流」は、装置が基板を移動させるように構成される方向と反対の場所を指す一方、「下流」は、装置が基板を移動させるように構成される方向における場所を指す。
【0178】
図18Bに示される構成では、供給基板1605が堆積デバイス1660を通過するにつれて、堆積デバイス1660は、層または液滴のパターンを供給基板1605上に堆積させる。いくつかの実施形態では、液滴のパターンは、インプリントされるべき材料、例えば、レジスト材料の連続層を形成してもよい。整合印刷ローラ1664が、堆積デバイス1660を過ぎて進行するにつれて、供給基板1605を安定化させ、安定表面を提供し、堆積デバイス1660が材料を供給基板1605上に堆積させることを可能にするために提供されてもよい。堆積された材料を支承する供給基板1605の側は、次いで、CRTドラム1665に接触する。CRTドラム1665の表面は、物理的特徴のパターンを備え、これは、パターンを供給基板1605の表面上に堆積されたインプリント材料内にインプリントする。代替として、
図18Cの装置1600Cの構成に示されるように、堆積デバイス1660は、インプリント可能材料をCRTドラム1665上に直接堆積させるように位置してもよい。この場合、CRTドラム1665の表面上のインプリント可能材料は、供給基板1605の表面に適用され、CRTドラム1665が供給基板1605に接触するにつれて、供給基板1605にインプリントおよび接着され得る。
【0179】
UV光源1670は、CRTドラム1665表面の特徴の負の傾向が供給基板1605上に整合特徴1662として残るように、インプリントされた材料を硬化させる。第1の波長板レンズ層1632のための液晶ポリマーが、第1のレンズスロットダイ1630における整合特徴1662にわたって供給基板1605に適用されると、整合特徴1662は、エネルギー源1635、例えば、UV光源によって生じる硬化の前に、液晶ポリマーの結晶の整合を誘導し得る。いくつかの実施形態では、装置1600Bによって適用されるインプリント層形成は、インプリント整合プロセスが、供給基板1605の区分が、例えば、定常光学整合のために一時停止されることを要求せずに、連続的に動作され得るため、装置1600Bの連続動作(例えば、レンズ基板1650への供給基板1605のロール全体の無停止処理)を可能にし得る。
【0180】
いくつかの実施形態では、
図18A-18Cを参照して説明および描写されるロールツーロール製造プロセスは、2つ以上のサブプロセスにおいて、例えば、異なる製造装置を使用して実施されてもよい。
図18Dを参照すると、装置1600Dは、第1のロールツーロール製造プロセスを実施し、整合特徴を有する中間基板1607を供給基板1605から生産し得る。
図18Eを参照すると、装置1600Eは、続いて、第2のロールツーロール製造プロセスを実施し、中間基板1607を使用して、堆積された液晶層を有するレンズ基板1655を生産し得る。
【0181】
図18Dを参照すると、装置1600Dは、
図18Bおよび18Cのインプリント整合プロセスの一部に類似するインプリント整合プロセスを実施するように構成される。装置1600Dは、供給基板ローラ1602の周囲に配置される供給基板ロールの形態における供給基板1605を受容するように構成される。いくつかの実施形態では、供給基板ロールは、保護フィルム1610を含み、これは、整合特徴が供給基板1605上に形成される前に除去されてもよい。供給基板1605は、例えば、供給基板1605の経路が方向を変化させる点に位置し得る、複数の供給基板ローラ1676によって支持される装置1600Dを通して進行する。ローラ1676は、基板供給ローラ1602から、その周囲に中間基板が巻取され、中間基板ロールを形成する、ローラ1607への基板経路に沿った供給基板1605の移動を促進する。本明細書で使用されるように、基板供給ロールは、その上への整合特徴の形成前の供給基板1605のロールであって、これは、基板供給ローラ1602の周囲に巻着され得、中間基板ロールは、整合特徴を形成後の供給基板1605のロールであって、これは、ローラ1607の周囲に巻着され得る。
【0182】
装置1600Dはさらに、テンプレート1672(例えば、共形ロールテンプレート)を含み、これは、インプリントテンプレートパターンをその表面上に有する可撓性材料から形成される、閉鎖または連続ループであり得る。好ましくは、ローラ1674は、テンプレート1672を支持し、移動させ、張力を提供する。したがって、ローラ1674は、テンプレート1672のための閉鎖されたテンプレート経路または進行ループを画定する。いくつかの実施形態では、テンプレート1672は、
図18Bおよび18CのCRTドラム1665の表面上に存在するテンプレートパターンに類似する、反復テンプレートパターンを含んでもよい。テンプレート経路は、基板経路の一部において衝合または直接隣接し、パターンは、テンプレート1672からこれらの2つの経路が合流する場所(テンプレート経路のインプリント部分)において基板1605に転写され得ることを理解されたい。
【0183】
閉ループテンプレート1672は、有利には、CRTドラム配列に優る利点を提供し得る。例えば、CRTドラムは、テンプレートの端部がドラム上でともにスプライスされる端部を有する材料のシート上に形成された状態における、その表面の周囲に巻着される、テンプレートを有し得ることを理解されたい。端部がスプライスされる点には、重複がそれらの端部間に存在し得る。望ましくないことに、本重複は、例えば、テンプレートの重複と他の領域との間の高さの差異に起因して、容認可能インプリント結果を提供しない。その結果、重複は、望ましくないことに、基板1605内に形成されるレンズ構造の収率および/またはスループットを減少させる。有利には、テンプレート1672はまた、重複領域を有し得るが、テンプレートループ1672の長さが、典型的には、CRTドラムの円周より長い。その結果、重複によって占有されるテンプレート1672のパーセンテージは、CRTドラムとの重複領域のパーセンテージ未満である。これは、典型的CRTドラムに対する収率および/またはスループットを改良することができる。さらに、いくつかの実施形態では、テンプレート1672の長さは、所望に応じて、ローラ1674によって画定された経路に沿ったテンプレート1672の適切な延長および/または経路指定によって増加され得る。CRTドラムと関連付けられたテンプレートの長さは、ドラムのサイズに依存するため、それほど容易に操作されないことを理解されたい。加えて、
図18Bおよび18Cに示されるように、CRTドラム1665は、その湾曲表面に沿って基板に接触し、これは、基板との異なる接触点において張力の変化を被りやすくあり得、ドラム表面が、湾曲されるため、テンプレート1672によって提供されるような平坦領域に沿った接触と同一のインプリントパターンを転写するための高忠実性を提供し得ない。
【0184】
図18Dを継続して参照すると、少なくとも1つの堆積デバイス1660が、供給基板1605および/または共形ロールテンプレート1672の上方に配置される。
図18Bおよび18Cの堆積デバイス1660と同様に、堆積デバイス1660は、インクジェットプリンタ、スロットダイ、または同等物等、材料を共形ロールテンプレート1672および供給基板1605の一方または両方上に堆積させるための任意の好適なデバイスであることができる。堆積される材料は、いくつかの実施形態では、インプリントレジスト等の選択的に画定可能な材料であり得る。好ましくは、供給基板1605およびテンプレート1672は、装置1600Dを通したその経路の少なくとも一部に沿って、同一方向に同一速度で進行する。いくつかの実施形態では、供給基板1605およびテンプレート1672進行経路の隣接する部分は、堆積された材料が共形ロールテンプレート1672のテンプレート特徴によってインプリントされ得るように、堆積デバイス1660の下流に位置する。エネルギー源1670(例えば、UV光源等の光源)が、テンプレート1672表面の特徴の負の傾向が、CRTドラム1665との接触後、
図18Bおよび18Cに描写されるものに類似する1つ以上の整合特徴として、供給基板1605上に残るように、隣接する部分に沿って配置され、インプリントされた材料を硬化させる。いくつかの実施形態では、隣接する部分は、好ましくは、共形ロールテンプレート1672および供給基板1605の両方が、堆積された材料がインプリントおよび硬化されるにつれて略平坦となるように、ディスプレイ基板1605の経路の線形部分である。供給基板1605上の負の傾向のインプリントおよび硬化は、中間基板をもたらす。中間基板のインプリントされた側は、次いで、中間基板が、ローラ1607上に巻取され、ロールツーロール製造プロセスの第1の部分を完成させる前に、保護フィルム1608で被覆されてもよい。
【0185】
図18Eを参照すると、ロールツーロール製造プロセスの第2の部分が、波長板層を中間基板上に形成し、仕上げられたレンズ基板1650を生産するために使用され得る。装置1600Eは、いくつかの実施形態では、装置1600Dを使用して形成された中間基板を受容するように構成される。いくつかの実施形態では、装置1600Eは、装置1600Dから異なる場所に位置してもよく、中間基板は、ロール形態において、レンズ基板1650に変換されるべき装置1600Eの場所に移送されてもよい。装置1600Eでは、中間基板は、中間基板ローラ1607’において展開され得る。任意の保護フィルム1608はまた、本展開の間、除去されてもよい。
図18A-18Cに説明されるプロセスと同様に、保護フィルム1608が、中間基板から除去された後、第1の波長板レンズ層1632は、第1の波長板レンズ層ディスペンサ1615(例えば、スロットダイ)によって堆積されてもよく、第1の波長板レンズ層1632は、続いて、熱源1637(例えば、オーブン)および/または光源1635(例えば、UV光源)を使用して硬化されてもよい。第2の波長板レンズ層も同様に、第2の波長板レンズ層ディスペンサ1640(例えば、第2のスロットダイ)によって堆積され、次いで、第2の熱源1647(例えば、第2のオーブン)および/または第2の光源1645(例えば、第2のUV光源)を使用して硬化されてもよい。結果として生じるレンズ基板1650は、レンズ基板ローラ1655上に巻取されることができる。いくつかの実施形態では、さらなる保護フィルム1652が、レンズ基板1650の片側または両側に適用され、レンズ基板ローラ1655の取扱の間、レンズ基板1650の表面および構造を保護してもよい。
【0186】
図19Aおよび19Bは、適応レンズアセンブリのためのレンズ基板のシート製造のための付加的例示的システムを図示する。
図18A-18Eの構成と同様に、システム1700Aおよび1700Bは、液晶ポリマー波長板レンズ層等の1つ以上の薄い波長板レンズ層を供給基板に適用し、レンズ基板を形成するように構成される。
図19Aおよび19Bにおいて適用されるプロセスは、それぞれ、
図18A-18Eにおいて適用されるプロセスに対応する。システム1700Aおよび1700Bは、主に、システム1700Aおよび17000Bが、
図18A-18Eを参照して説明されるロールツーロール製造プロセスではなく、シートベースの製造プロセスのために構成されるという点で、装置1600A、1600B、1600C、1600D、および1600Eと異なる。例えば、ロールではなく、基板シート1705が、処理するために利用されてもよい。種々の実施形態では、シートは、正方形または長方形であってもよく、各辺6インチ~36インチの寸法を有してもよい。
【0187】
システム1700Aは、供給基板シート1705を受容し、これは、例えば、メッシュまたは伝導性材料の他のアレイの形態を基板の片側に有する、4分の1波長板基板であってもよい。システム1700Aは、光学整合器1710と、整合層アプリケータ1715と、第1の波長板レンズ層アプリケータ1720と、第2の波長板レンズ層アプリケータ1725と、UV光源1730と、
図18Aの装置1600Aの堆積および硬化デバイスに類似し得る、オーブン1735とを含む。整合層アプリケータ1715および波長板レンズ層アプリケータ1720、1725はそれぞれ、材料の層を供給基板シート1705に堆積させるためのスロットダイおよび/または他の機構を含んでもよい。供給基板シート1705は、プロセス経路1707に沿って進行し、システム1700Aの他のコンポーネントを通過する。光学整合器1710は、光学整合器が、フォトリソグラフィ、直接描画方法、ホログラフィック記録、または他の光学プロセスによって、1つ以上の整合構造を供給基板シート1705および/または整合層材料1715に適用し得るように、プロセス経路1707に対して横方向の軸1712に沿って進行するように構成される。いくつかの実施形態では、光学整合器1710は、供給基板シート1705が少なくとも軸1712と部分的に交差する定常位置にある間、整合構造を適用してもよい。
【0188】
図19Bのシステム1700Bは、
図19Aに示されるような類似シート処理方法を採用する。システム1700Bは、整合特徴1708とともに事前に調製された供給基板シート1705を受容するように構成される。例えば、整合構造1708は、
図18Bを参照して説明されるインプリント整合プロセス(レジスト層の堆積および整合構造1708を形成するためのそのレジスト層のインプリントによるパターン化を伴う)に類似するジェットおよびフラッシュプロセスによって適用されることができる。整合構造1708は、図式的に表され、特徴の他の恣意的形状および描写されるものより複雑な配列を有してもよいことを理解されたい。整合構造の実施例は、2016年11月18日に出願された米国仮特許出願第62/424,341号および2017年6月12日に出願された米国仮特許出願第62/518,539号(その両方の全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に開示される。したがって、整合特徴1708は、少なくとも部分的に、第1の波長板レンズ層アプリケータ1720によって適用される液晶ポリマー内の結晶の配向を決定し得る。
【0189】
図20Aおよび20Bは、適応レンズサブアセンブリのためのレンズ基板のスピンコート製造のための例示的システムを図示する。
図19Aおよび19Bのシステム1700Aおよび1700Bと同様に、システム2000Aおよび2000Bは、液晶波長板レンズ層等の1つ以上の薄い波長板レンズ層を供給基板の離散区分に適用し、レンズ基板を形成するように構成される。
図20Aおよび20Bにおいて適用されるプロセスは、それぞれ、
図19Aおよび19Bにおいて適用されるプロセスに対応する。システム2000Aおよび2000Bは、主に、システム2000Aおよび2000Bが、波長板レンズ層を、
図19Aおよび19Bに描写される長方形供給基板シート1705ではなく、略円形供給基板2005上に形成するように構成されるという点で、システム1700Aおよび1700Bと異なる。例えば、供給基板のロールは、システム2000A、2000Bに進入する前に、供給基板シート2005に切断され得、注文基板シートが、円形シート2005として取得され得る。種々の実施形態では、供給基板ウエハ2005は、直径100mm~500mmを有してもよい。例えば、供給基板ウエハ2005は、150mm、200mm、300mm、450mm等の標準化されたウエハサイズであってもよい。
【0190】
システム2000Aは、供給基板2005を受容し、これは、例えば、基板2005の片側に事前に形成される、伝導性材料のメッシュまたは他のアレイを有する、4分の1波長板基板であってもよい。
図19Aのシステム1700Aと同様に、システム2000Aは、光学整合器2010と、整合層アプリケータ2015と、第1の波長板レンズ層アプリケータ2020と、第2の波長板レンズ層アプリケータ2025と、UV光源2030と、オーブン2035とを含み、その一部または全部は、ガントリ2040上に位置してもよい。ガントリは、ガントリ2040が、部分的または全体的に、回転する供給基板ウエハ2005にわたって、種々の位置のいずれかに進行し得るように、ガントリ軸2042に沿って移動可能であることができる。光学整合器2010は、ガントリ2040上の整合器軸2012に沿って進行するように構成されてもよい。整合層アプリケータ1715および波長板レンズ層アプリケータ1720、1725はそれぞれ、液体材料の一部を供給基板2005に堆積させるように構成される、分注機構を含んでもよい。例えば、分注機構は、スピンコーティング堆積デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、分注機構は、供給基板2005のスピンが、遠心力によって、液体を供給基板ウエハ2005の表面にわたって半径方向外向きに分散させるように、液体材料を供給基板ウエハ2005の中心に適用してもよい。
【0191】
供給基板ウエハ2005は、ガントリ2040がウエハ2005にわたってガントリ軸2042に沿って通過する間、基板2005の中心を中心として回転する。いくつかの実施形態では、ガントリ2040は、数回、供給基板ウエハ2005にわたって通過してもよい。例えば、第1の通過では、整合層アプリケータ2015は、液体整合層を適用してもよく、これは、遠心力によって分散され、UV光源2030および/またはオーブン2035がウエハ2005にわたって通過するにつれて硬化される。光学整合器2010は、次いで、ウエハ2005にわたって通過し、波長板レンズ層が、第1および第2の波長板レンズ層アプリケータ2020、2025によって適用される前に、1つ以上の整合構造を整合層内に光学的に生成し得る。整合および波長板レンズ層はそれぞれ、スピンコーティングによって、基板2005の中心に向かった材料の堆積によって、および基板を送ることによる基板にわたる材料の分布によって、堆積されてもよいことを理解されたい。
【0192】
図20Bのシステム2000Bは、
図20Aに示されるような類似シート処理方法を採用する。システム2000Bは、整合特徴2008とともに調整された供給基板ウエハ2005を受容するように構成され、これは、
図19Bの整合特徴1708に類似してもよい。例えば、整合構造2008は、インプリント材料が基板2005上に堆積される、インクジェット堆積およびインプリントプロセスによって適用されることができ、材料は、パターンを物理的にインプリントされ(例えば、金型またはインプリントレチクルを使用して)、インプリントされた材料は、固化または硬化され、金型またはインプリントレチクルは、除去される。したがって、整合特徴2008は、少なくとも部分的に、第1の波長板レンズ層アプリケータ2020によって適用される液晶ポリマー内の結晶の配向を決定し得る。1つ以上の波長板レンズは、
図20Aに関して上記に説明されるように、1つ以上の波長板レンズ層アプリケータ2020、2025を使用して、整合特徴2008上に形成されてもよい。
【0193】
図18A-20Bをともに参照すると、説明される各装置、システム、および方法は、ディスプレイデバイス(例えば、
図10に示されるような適応レンズアセンブリ1004、1008)の中に組み込まれるであろう適応レンズアセンブリより大きいおよび/または異なるように成形される、レンズ基板のロールまたはシートを生産してもよい。例えば、レンズ基板のロールまたはシートは、複数の適応レンズアセンブリまたはサブアセンブリを形成するために十分なレンズ基板を含有してもよい。したがって、適応レンズアセンブリ、サブアセンブリ、および/または基板は、製造プロセスの間、いくつかの点において、分割、成形、および/または単体化されてもよい。一実施例では、レンズ基板のロールは、シートに切断されてもよい。セル壁(例えば、
図17Cおよび17Dに示されるようなセル壁1418)が、適応レンズアセンブリの所望の形状においてシート上に印刷されてもよい。液晶が、次いで、追加され得、4分の1波長板基板が、本明細書に説明されるようなセル壁に接着され、適応レンズサブアセンブリのシートを形成する。代替として、基板の区分は、液晶が追加される前に、個々の適応レンズサブアセンブリのためのレンズ基板に分離されてもよい。適応レンズサブアセンブリのシートが、形成される場合、シートは、次いで、個々の適応レンズサブアセンブリに分割されてもよく、これは、次いで、複数の層内で組み合わせられ、完成適応レンズアセンブリを形成し得る。
ワイヤメッシュおよび電極パターンを形成するための方法
【0194】
上記に議論されるように、種々の方法が、本明細書に開示される電極パターンまたはワイヤメッシュ1420を形成するために採用されてもよい。
【0195】
図21A-21Cは、指向性エッチングによる、伝導性材料のパターンを形成するためのプロセスの実施例を図示する。金属層1420が、基板1416上に堆積され、レジスト層2100が、金属層1420上に堆積される(例えば、インクジェット堆積によって)。レジスト層2100が、続いて、パターン化される(例えば、インプリントおよびUV暴露による後続固化によって)。パターン化されたレジスト層2100は、次いで、下層金属層の指向性または異方性エッチングのためのマスクとして使用され、本明細書に開示されるような電極であり得る、パターン化された伝導性特徴1420を画定し得る。基板1416は、本明細書の種々の図を参照して議論される基板1605、1705、2005に対応してもよいことを理解されたい。
【0196】
図22A-22Cは、溶媒可溶性「リフトオフ」層を使用して伝導性材料のパターンを形成するためのプロセスの実施例を図示する。溶媒可溶性層2102が、基板1416上に堆積され、レジスト層2100が、溶媒可溶性層2102上に堆積される(例えば、インクジェット堆積によって)。レジスト層2100は、続いて、パターン化される(例えば、インプリントおよびUV暴露による後続固化によって)。パターン化されたレジスト層2100は、開口部2101aのパターンを含んでもよく、溶媒可溶性下層層2102のウェットエッチングのためのマスクとして使用され、それによって、その中に金属(例えば、銀)が
図22Bに示されるようなブランケット堆積を使用して堆積される、体積を開放してもよい。ブランケット堆積は、化学蒸着(CVDまたはAP-CVD)、物理蒸着(PVD)、スロットダイ堆積、インクジェット印刷、ドクターブレード堆積等を含んでもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、溶媒可溶性層は、水溶性材料から形成され、ウェットエッチングは、水への暴露を含む。いくつかの他の実施形態では、溶媒可溶性層は、PMMAから形成され、ウェットエッチングは、アセトンまたはトルエンへの暴露を含む。金属堆積後、
図22Cを参照すると、全体的構造が、再び、溶媒に暴露され、これは、溶媒可溶性層2102を除去または容易にリフトオフさせ、堆積された金属を元々パターン化されたレジスト層2100によって決定付けられるパターンで残すによって決定付けられる。
【0197】
図23A-23Cは、シード層を使用して伝導性材料のパターンを形成するためのプロセスの実施例を図示する。レジスト層2100が、基板1416上に堆積され(例えば、インクジェット堆積によって)、溶媒可溶性層2102が、レジスト層2100上に堆積される。レジスト層2100および溶媒可溶性層2102は、パターン化され(例えば、インプリントおよびUV暴露による後続固化によって)、共有開放体積2101aを有する。伝導性シード層(例えば、金属層)が、構造全体にわたってブランケット堆積される(例えば、CVDまたはPVDによって)。溶媒可溶性層2102は、続いて、溶媒に暴露され、それによって、溶媒可溶性層2102の上層のシード層2104’の一部の除去を可能にする。伝導性金属は、次いで、例えば、電気めっきによって、開口部2101a内に選択的に堆積される。
【0198】
図24A-24Cは、シード層を使用して伝導性材料のパターンを形成するためのプロセスの別の実施例を図示する。伝導性シード層2104が、基板1416上に堆積され(例えば、CVDまたはPVDによって)、レジスト層2100が、シード層2104上に堆積される。レジスト層2100は、パターン化され(例えば、インプリントおよびUV暴露による後続固化によって)、例えば、体積2101aを画定する。体積2101aは、下向きに延在され、エッチングによって、例えば、レジスト層2100を形成する材料に関して選択的な異方性エッチングを使用して、シード層2104を暴露させてもよい。伝導性金属が、次いで、例えば、電気めっきによって、開口部2101a内に選択的に堆積される。
【0199】
図25A-25Cは、パターン化された層内の開口部の中への金属材料の懸濁液の堆積による、伝導性材料のパターンを形成するためのプロセスの実施例を図示する。レジスト層2100が、基板1416上に堆積され(例えば、CVDまたはPVDによって)、パターン化され(例えば、インプリントおよびUV暴露による後続固化によって)、例えば、体積2101aを画定する。金属を含む溶液または懸濁液1420’’が、続いて、例えば、インクジェット堆積、スロットダイ堆積等によって、開口部2101aの中に堆積される。懸濁液または溶液中の液体は、続いて、例えば、熱への暴露(例えば、焼結)によって除去され、金属を開口部内に残してもよい。いくつかの実施形態では、溶液または懸濁液1420’’は、時限ウェットまたはドライエッチング液に暴露され、開口部2101aの上方に延在する堆積された金属含有層の上部部分を除去し、随意に、熱に暴露されず、液体を懸濁液または溶液から駆動してもよい。いくつかの実施形態では、レジスト2100は、続いて、除去されてもよい。いくつかの他の実施形態では、レジストは、付加的機械的および構造安定性を提供するために留保されてもよい。
【0200】
図26A-26Fは、伝導性材料のパターンの上下図の実施例を図示する。いくつかの実施形態では、
図26A-26Fのそれぞれにおける伝導性材料1420は、
図21A-25Cを参照して上記に説明される方法によって形成されてもよい。概して、伝導性材料1420は、基板に沿って、種々の形状、パターン、経路、および/または配向で配列されてもよい。いくつかの実施形態では、伝導性材料1420の配列は、十分に均一な電場を基板に隣接して配置される液晶材料を横断して提供するように、選択されてもよい。種々の非限定的実施例では、伝導性材料1420の配列は、正方形または長方形アレイ(例えば、
図26A)、1つ以上の横方向ワイヤによって接続される平行ワイヤのアレイ(例えば、
図26B)、非重複蛇行ワイヤ(例えば、
図26C)、複数の重複蛇行ワイヤ(例えば、
図26D)、略螺旋ワイヤ(例えば、
図26E)、平行四辺形アレイ(例えば、
図26F)、または材料の直線および/または湾曲伸長ワイヤの種々の他の配列を含んでもよい。伝導性材料1420の種々のワイヤの終点は、電場を生成するために、電圧差を伝導性材料1420を横断して選択的に適用するように構成される、他の回路と接触し得る。
【0201】
ここで
図27A-27Dを参照すると、伝導性材料のラインの断面側図の実施例が、図示される。いくつかの実施形態では、
図27A-27Dに描写される方法および層は、例えば、伝導性材料1420または他の材料の種々の形状および/または層を形成するために使用されてもよい。例えば、付加的層は、反射防止性コーティングを形成する際に有用であり得。例えば、キャップ材料1421(例えば、光学的に透過性の材料)の層が、伝導性材料1421の少なくとも一部にわたって適用されてもよい。キャップ材料1421の厚さは、キャップ材料1421が、反射防止性コーティングとして機能する、例えば、破壊的干渉を所望の波長の範囲において提供することを可能にするように選択されてもよい。
【0202】
図27Aに示されるように、いくつかの実施形態では、伝導性材料1420が、角度付けられた堆積によって、所望の形状に適用されることができる。
図27Aでは、パターン層2100は、基板1416、1605、1705、2005から離れるように突出する複数の特徴を含む。銀または同等物等の伝導性材料1420の角度付けられた堆積は、突出する特徴の片側が実質的に被覆される一方、パターン層2100の他の部分が暴露されたままであって、例えば、電流が流動するための比較的に大断面積を提供する、構成をもたらし得る。
【0203】
図27Bに示されるように、キャップ材料1421が、伝導性材料1420の層に適用されてもよい。例えば、キャップ材料1421は、クロムまたは同等物等の付加的金属、MgF
2、SiO
2、TiO
2、または同等物等のイオン化合物、または伝導性材料1420上に堆積され、所望の電気および/または光学性質を提供し得る、任意の他のキャップ材料であってもよい。
図27Cは、
図27Bと類似配列を描写し、さらなるシード層2104または接着層が、伝導性材料1420と基板1416、1605、1705、2005との間に提供される。例えば、シード層は、
図23A-24Cのプロセスを使用して、伝導性材料1420の形成から残されてもよい。
図27Dに示されるように、伝導性材料1420は、種々の形状で基板1416、1605、1705、2005に形成されてもよい。例えば、伝導性材料1420の断面プロファイルは、長方形プロファイル1420a、三角形プロファイル1420b、丸形プロファイル1420c、台形プロファイル1420d、または任意の他の所望のプロファイル形状であってもよい。
付加的考慮点
【0204】
前述の明細書では、本発明は、その具体的実施形態を参照して説明された。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広義の精神および範囲から逸脱することなくそこに行われ得ることが明白となるであろう。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証と見なされるべきである。
【0205】
実際、本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されないことを理解されたい。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。
【0206】
別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実施形態における組み合わせにおいて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されてもよい。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除されてもよく、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要または必須ではない。
【0207】
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図されることを理解されたい。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つ以上の実施形態に対していかようにも要求されること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、または実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを示唆することを意図されない。用語「~を備える」、「~を含む」、「~を有する」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、付加的要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、または連続的順序で実施される、または全ての図示される動作が実施される必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれ得る。例えば、1つ以上の付加的動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施され得る。加えて、動作は、他の実施形態において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0208】
故に、請求項は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図されず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。