(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】バイオニック空調服
(51)【国際特許分類】
A41D 13/005 20060101AFI20231219BHJP
A41D 13/002 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
A41D13/005 103
A41D13/002
(21)【出願番号】P 2022200012
(22)【出願日】2022-12-15
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】202210589012.7
(32)【優先日】2022-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522488269
【氏名又は名称】安徽佑華航空科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003476
【氏名又は名称】弁理士法人瑛彩知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】唐 小華
【審査官】山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-46632(JP,A)
【文献】特開2017-20140(JP,A)
【文献】特開2020-204131(JP,A)
【文献】国際公開第2020/066564(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101766342(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/005
A41D 13/002
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調服本体(1)と、スマートウォッチ(7)とを含むバイオニック空調服であって、前記空調服本体(1)は一方向透湿性生地で製造されており、前記一方向透湿性生地は、疎水性生地と親水性生地を織り交ぜることによって形成されており、又は、撥水撥油処理剤で片面処理が行われた前記親水性生地を直接使用して形成されており、皮膚に接触する内側層と外側に露出する外側層を含む二層構造であり、前記内側層には疎水性があり、前記外側層には親水性があり、前記空調服本体(1)の外側にはバックパック水袋(2)が設けられており、前記バックパック水袋(2)の外側にはソーラーパネル(3)が設けられ、前記バックパック水袋(2)の表面に太陽電池(8)とコントローラ(6)とが設けられており、前記空調服本体(1)は、胸、背中、腰、四肢を含めた計7つの領域に分けられており、7つの前記領域のいずれにも、冷却水輸送システム(8)が設けられており、冷却水輸送システム(4)は、水ポンプ(4.1)を含み、前記水ポンプ(4.1)の出口にシリコンチューブ(4.2)が接続されており、前記水ポンプ(4.1)の入口は、パイプを介して前記バックパック水袋(2)に連通しており、前記シリコンチューブ(4.2)の外側に複数組のラビリンスドリップテープ(5)が配置されており、前記ラビリンスドリップテープ(5)には通水孔(5.1)が設けられており、前記ラビリンスドリップテープ(5)には、第一ラビリンス(5.2)と、第二ラビリンス(5.3)と、第三ラビリンス(5.4)とが設けられており、前記第二ラビリンス(5.3)及び第三ラビリンス(5.4)は、それぞれ前記第一ラビリンス(5.2)に連通しており、前記第一ラビリンス(5.2)と通水孔(5.1)との間には、連通孔(5.5)が設けられており、前記第二ラビリンス(5.3)及び第三ラビリンス(5.4)の、前記第一ラビリンス(5.2)から離れた一端、には水出口(5.6)が設けられており、前記スマートウォッチ(7)はブルートゥース(登録商標)を介して前記コントローラ(6)と接続され、前記ラビリンスドリップテープ(5)と前記ラビリンスドリップテープ(5)との間や、前記ラビリンスドリップテープ(5)と前記空調服本体(1)との間に、それぞれ無線温湿度センサ(9)が設けられること、を特徴とするバイオニック空調服。
【請求項2】
前記水ポンプ(4)と前記コントローラ(6)は電気的に接続されており、前記スマートウォッチ(7)は、前記無線温湿度センサ(9)及び前記スマートウォッチ(7)からのデータを受信し、分析し、処理し、前記コントローラ(6)にフィードバックすることで、前記冷却水輸送システム(4)の前記水ポンプ(4.1)のオン/オフと前記水ポンプ(4.1)の流量を、制御できること、を特徴とする請求項1に記載のバイオニック空調服。
【請求項3】
前記ソーラーパネル(3)は、前記太陽電池(8)によって充電され、前記太陽電池(8)は、前記コントローラ(6)及び前記水ポンプ(4)に電力を供給すること、を特徴とする請求項1に記載のバイオニック空調服。
【請求項4】
前記ソーラーパネル(3)は、フレキシブルソーラーパネルであること、を特徴とする請求項3に記載のバイオニック空調服。
【請求項5】
前記スマートウォッチ(7)はユーザの呼吸、心拍、血中酸素濃度、外部温度及び湿度を検出できること、を特徴とする請求項2に記載のバイオニック空調服。
【請求項6】
前記空調服本体(1)に抗菌コーティングが施されていること、を特徴とする請求項1に記載のバイオニック空調服。
【請求項7】
前記無線温湿度センサ(9)の表面には、シリカゲル防水層が設けられていること、を特徴とする請求項1に記載のバイオニック空調服。
【請求項8】
前記無線温湿度センサ(9)は、前記スマートウォッチ(7)及び前記コントローラ(6)に無線で接続されること、を特徴とする請求項2に記載のバイオニック空調服。
【請求項9】
前記ラビリンスドリップテープ(5)は、不規則に分布しているか、又は整列して配列されていること、を特徴とする請求項1に記載のバイオニック空調服。
【請求項10】
前記胸、前記背中、前記腰及び前記四肢の前記領域内における前記ラビリンスドリップテープ(5)は、前記空調服本体(1)の前記外側層に貼り合わせられていること、を特徴とする請求項1に記載のバイオニック空調服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は服装の技術分野に関し、特にはバイオニック空調服に関する。
【背景技術】
【0002】
真夏の炎天下では、熱波が押し寄せる。このような高温、高湿度の環境では、人体は発汗により体温を調節しているが、屋外にいるときなど、薄手のシャツやショートパンツを着ているにもかかわらず、汗だくになって、暑さに耐えられなくなることがある。そのため、可能であればエアコンをつけた部屋から一歩も出たくないと考える人も多い。そのような高温、高湿度の環境ではでは、人々の作業、勉強、生活、特に野外活動に、多くの不便と悩みが生じる。また、多くの重要な屋外活動は、適切な天候のもとで実行する必要がある。
【0003】
例えば、現場作業員、巡査、屋外登山者、屋外釣人、又は屋外職員等の、屋外で働いたり遊んだりする人々は、太陽の紫外線を防止できる服を着て活動する必要がある。気温が上がると、人は汗をかき、体温が上がる、その結果、現場作業員や屋外で活動する人は、熱中症になったり、仕事できなくなったりする、恐れがある。従来の空調服は、コンプレッサやファンを服の表面に取り付けて人体を冷やすが、ファンの温度低下効果が低く、また、直接人体に風を吹き付けて汗を蒸発させると、人体の脱水を引き起こす恐れがある。本発明者らは、人体の発汗と体温上昇に焦点を合わせて、人体の発汗をシミュレートし、発汗やそれに伴う脱水を防止するバイオニック空調服を発明した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、以上の技術的欠陥を補い、高い着用快適性があり、迅速に放熱できるバイオニック空調服を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の発明の目的を達成するために、本発明で採用される技術的解決手段は以下のとおりである。
【0006】
空調服本体と、スマートウォッチとを含むバイオニック空調服であって、空調服本体は、一方向透湿性生地で製造され、一方向透湿性生地は、疎水性生地と親水性生地を織り交ぜることによって形成されており、又は、撥水撥油処理剤で片面処理が行われた親水性生地を直接使用して形成されており、皮膚に接触する内側層と外部に露出する外側層を含む二層構造であり、内側層には疎水性があり、外側層には親水性があり、空調服本体の外側にはバックパック水袋が設けられており、バックパック水袋の外側にはソーラーパネルが設けられており、バックパック水袋の表面には太陽電池とコントローラとが設けられており、空調服本体は、胸、背中、腰、四肢を含めた計7つの領域に分けられており、7つの領域のいずれにも、冷却水輸送システムが設けられており、冷却水輸送システムは、水ポンプを含み、水ポンプの出口にシリコンチューブが接続されており、水ポンプの入口は、パイプを介してバックパック水袋に連通しており、シリコンチューブの外側に複数組のラビリンスドリップテープが配置されており、ラビリンスドリップテープには通水孔が設けられており、ラビリンスドリップテープには、第一ラビリンスと、第二ラビリンスと、第三ラビリンスとが設けられており、第二ラビリンス及び第三ラビリンスは、それぞれ第一ラビリンスに連通しており、第一ラビリンスと通水孔との間には、連通孔が設けられており、第二ラビリンス及び第三ラビリンスの、第一ラビリンスから離れた一端、には水出口が設けられており、スマートウォッチはブルートゥース(登録商標)を介してコントローラと通信可能に接続され、ラビリンスドリップテープとラビリンスドリップテープの間や、ラビリンスドリップテープと空調服本体の間に、それぞれ無線温湿度センサが設けられる。
【0007】
さらに、水ポンプとコントローラとは電気的に接続されており、スマートウォッチは、無線温湿度センサ及びスマートウォッチからのデータを受信し、分析し、処理し、コントローラにフィードバックすることで、冷却水輸送システムにおける水ポンプの流量と水ポンプのオン/オフを、制御できるとよい。
【0008】
さらに、ソーラーパネルは太陽電池を充電し、太陽電池は、コントローラ及び水ポンプに、電力を供給することができる、とよい。
【0009】
さらに、ソーラーパネルはフレキシブルソーラーパネルであるとよい。
【0010】
さらに、スマートウォッチは、ユーザの呼吸、心拍、血中酸素濃度、外部温度及び湿度を検出できるとよい。
【0011】
さらに、空調服本体には、抗菌コーティングが施されていてもよい。
【0012】
さらに、無線温湿度センサの表面には、シリカゲル防水層が設けられていてもよい。
【0013】
さらに、無線温湿度センサは、スマートウォッチ及びコントローラに無線で接続されていてもよい。
【0014】
さらに、ラビリンスドリップテープは、不規則に分布しているか、又は整列して、例えば規則的に或いは等間隔に、配列されていてもよい。
【0015】
さらに、胸、背中、腰及び四肢の領域内におけるラビリンスドリップテープは、空調服本体の外側層に貼り合わせられていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0017】
1.水ポンプが作動してシリコンチューブを介してバックパック水袋内の液体をラビリンスドリップテープに輸送し、さらにラビリンスドリップテープを介して空調服本体の外側層に輸送し、空調服本体の外側層に分散させ、空調服本体の外側層に親水性があるため、水を迅速に拡散させることができ、水が拡散した後に空調服本体に透湿層を形成し、外界(外環境)の自然風と日光照射によって、液体が気化、蒸発し、吸熱し、高いエネルギー効率比で、放熱・温度低下効果が高く、人体及び人体の外部領域に対して吸熱・温度低下を行うと同時に、人体の発汗システムをシミュレートし、ユーザに清涼感を与えることができる。
【0018】
2.本発明は、スマートウォッチをコントローラに接続することで、水ポンプの作動と流量を制御し、放熱量をリアルタイムで調整することができ、リアルタイム制御が実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明のバイオニック空調服の正面図である。
【
図2】本発明のバイオニック空調服の原理の概略図である。
【
図3】本発明のバイオニック空調服におけるラビリンスドリップテープの断面図である。
【
図4】本発明のバイオニック空調服における冷却水輸送システムの概略図である。
【
図5】本発明のバイオニック空調服における冷却水輸送システムのシリコンチューブ及びラビリンスドリップテープの配置の概略図である。
【
図6】本発明のバイオニック空調服における冷却水輸送システムのシリコンチューブ及びラビリンスドリップテープの配置の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に添付図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明する。そこで、同じ部品に対しては同じ符号が付されている。以下の説明で使用される「前」、「後」、「左」、「右」、「上」及び「下」は添付図面における方向を指し、「内」及び「外」はそれぞれ特定の部件の幾何学的中心に向かう方向、又は離れた方向を指すことに留意されたい。
【0021】
本発明の内容がより明確に理解されるように、以下において、本発明の実施例の図面と共に、本発明の実施例における技術的解決手段を明瞭、且つ完全に説明する。
【0022】
図1~6に示すとおり、バイオニック空調服は、空調服本体1とスマートウォッチ7とを含み、空調服本体1の正面には隠しジッパーが設けられており、ユーザは、隠しジッパーを用いて空調服本体1を開き、空調服本体1を着ることができる。空調服本体1は、一方向透湿性生地で製造され、一方向透湿性生地は疎水性生地と親水性生地を織り交ぜることによって形成されており、又は、撥水撥油処理剤で片面処理が行われた親水性生地を直接使用して形成されており、皮膚に接触する内側層と外側に露出する外側層を含む二層構造であり、内側層には疎水性があり、外側層には親水性がある。
【0023】
空調服本体1の外側には、バックパック水袋2が設けられ、バックパック水袋2の外側にはソーラーパネル3が設けられており、バックパック水袋2の表面には太陽電池8とコントローラ6とが設けられており、空調服本体1は、胸、背中、腰、四肢を含めて計7つの領域に区分けされており、7つの領域のいずれにも、冷却水輸送システム4が設けられており、冷却水輸送システム4は水ポンプ4.1を含み、水ポンプ4.1の出口にシリコンチューブ4.2が接続されており、水ポンプ4.1の入口は、パイプを介してバックパック水袋2に連通しており、シリコンチューブ4.2の外側には、複数組のラビリンスドリップテープ5が配置されている(
図5及び
図6参照)。
【0024】
バックパック水袋2内には、水を注入することができ、ユーザがバイオニック空調服を着用すると、スマートウォッチ7はブルートゥース(登録商標)を介して無線でコントローラ6に接続される。スマートウォッチ7はコントローラ6を操作して、ユーザの呼吸、心拍、血中酸素濃度、外部温度及び湿度に基づくデータを取得し、分析することができる。無線温湿度センサ9及びスマートウォッチ7は、コントローラ6に無線で接続されている。無線温湿度センサ9の表面には、シリカゲル防水層が設けられている。無線温湿度センサ9は、ラビリンスドリップテープの末端部や、シリコンチューブ4.2とラビリンスドリップテープの末端の間のヒンジ連結部、に設けられてもよい。無線温湿度センサ9は、空調服本体1の湿度と温度を感知でき、湿度或いは温度に異常が発生したとき、その情報をスマートウォッチ7に伝送する。スマートウォッチ7は、コントローラ6を操作して水ポンプ4.1を制御し、水ポンプ4.1の流量を制御する。水ポンプ4.1が作動すると、バックパック水袋2内の液体は、ラビリンスドリップテープ5を介して空調服本体1の外側層へ送られる。なお、バックパック水袋2は2~3キログラムの液体を貯蔵できる。バックパック水袋2に貯蔵された液体は、連通孔5.5を介して第一ラビリンス5.2内に分散され、さらに第二ラビリンス5.3及び第三ラビリンス5.4を通過する。液体は、最後に水出口5.6から、点滴の形で、空調服本体1の外側層(表側層)に分散され、そこでは毛細管現象が発生する。空調服本体1の外側層には親水性があるため、水を迅速に拡散させることができ、水が拡散した後に、空調服本体1には透湿層が形成され、液体は、外部環境の自然風と日光照射によって、気化し、蒸発し、吸熱し、人体及び人体の外部領域に対して吸熱作用・温度低下作用を及ぼして、ユーザの身体の熱を取り除く。内側層(裏側層)は疎水性があるため、乾燥したままであり、外側層の液体は内側層へ浸透できない。バックパック水袋2には、ミントパウダーや香水などを添加することもできる、それにより、バックパック水袋2内の水に、清涼感や香りを与えることができる。
【0025】
ラビリンスドリップテープ5内には通水孔5.1が設けられており、ラビリンスドリップテープ5内には更に、第一ラビリンス5.2と、第二ラビリンス5.3と、第三ラビリンス5.4とが設けられている。第二ラビリンス5.3及び第三ラビリンス5.4は、それぞれ第一ラビリンス5.2に連通しており、第一ラビリンス5.2と通水孔5.1との間には連通孔5.5が設けられている。第二ラビリンス5.3及び第三ラビリンス5.4の第一ラビリンス5.2から離れた端部には、水出口5.6が設けられている。スマートウォッチ7は、ブルートゥース(登録商標)を介してコントローラ6に接続される。ラビリンスドリップテープ5とラビリンスドリップテープ5との間、及び、ラビリンスドリップテープ5と空調服本体1との間、の少なくとも一方に無線温湿度センサ9が設けられる。
【0026】
胸、背中、腰及び四肢領域におけるラビリンスドリップテープ5は、空調服本体1の外側層に貼りつけられている。ラビリンスドリップテープ5は、空調服本体1の背中、胸、腰及び四肢を含めた7つの領域に分布している。ラビリンスドリップテープ5は、不規則に分布しているか、又は、整列して並んでいる。
図4に示すとおり、不規則に分布しているか又は整列して、例えば規則的に或いは等間隔に、並んでいる、ラビリンスドリップテープ5は、空調服本体1の背中、胸、腰及び四肢を含めた7つの領域に巻き付けられ、毛細血管ネットワークに類似した配置を形成している。水ポンプ4とコントローラ6は、電気的に接続されており、スマートウォッチ7は、無線温湿度センサ9のデータを受信し、受信したデータ及びスマートウォッチ7自体のデータを分析及び処理し、コントローラ6にフィードバックすることで、冷却水輸送システム4における水ポンプ4.1の流量と水ポンプ4.1のオン/オフを、制御することができる。具体的な実施例では、7つの領域における冷却水輸送システム4の水ポンプ4.1は、それぞれスマートウォッチ7による、流量とオン/オフの制御が可能である。スマートウォッチ7はコントローラ6を操作し、ユーザの呼吸、心拍、血中酸素濃度、外部温度及び湿度に基づくデータを取得し、総合的に分析することができる。スマートウォッチ7は、分析に応じて、コントローラ6を操作し、異なる領域における水ポンプ4.1を制御し、水ポンプ4.1の流量及びオン/オフを制御して、水ポンプ4.1を作動させることができる。
【0027】
具体的な実施形態では、バックパック水袋2には無線給電モジュール及び受信モジュールがある。無線給電モジュールは太陽電池に接続されており、受信モジュールは間隔をおいて繰り返しリフレッシュして起動する。例えば、2秒又は5秒の時間間隔をおいて起動する場合、受信モジュールは電磁波を発生させ、電流パルスを形成し、さらに逆方向のデータとして解放し、スマートウォッチ7に伝送する。
【0028】
水ポンプ4.1とコントローラ6は、電気的に接続されており、コントローラ6は水ポンプ4.1の流量を制御することができる。ソーラーパネル3は、太陽電池8を充電するために利用することができる。太陽電池8は、コントローラ6及び水ポンプ4.1へ、電力を供給する。ソーラーパネル3は、外部環境からの太陽光を吸収して、太陽電池8の充電を行う。太陽電池8は電気を貯蔵し、太陽電池8はコントローラ6及び水ポンプ4.1へ電力を供給する。
【0029】
空調服本体1には、抗菌コーティングが施されているとよい。
【0030】
本発明の作動の原理について以下に説明する。
ユーザは、空調服本体を着用して、スマートウォッチをコントローラに接続する。スマートウォッチは、コントローラを操作し、ユーザの呼吸、心拍、血中酸素濃度、外部温度及び湿度に基づくデータを取得し、総合的に分析する。スマートウォッチは、分析に基づいて、コントローラを操作し、水ポンプの作動の流量を制御する。水ポンプが作動すると、バックパック水袋内の液体は、ラビリンスドリップテープを介して空調服本体の外側層へ送られる。その後、液体は、空調服本体の外側層で分散される。空調服本体の外側層には親水性があるので、液体を迅速に拡散させることができ、液体が拡散した後には、空調服本体に透湿層が形成される。液体は、外界の自然風と日光照射によって、気化し、蒸発し、吸熱し、それにより、ユーザの身体及びユーザの周りの環境に対して吸熱作用・温度低下作用を及ぼす。その結果、ユーザに対して、清涼感を提供することができる。
【実施例1】
【0031】
ユーザは、空調服本体の着用後、スマートウォッチをコントローラに接続する。スマートウォッチはコントローラを操作し、ユーザの呼吸、心拍、血中酸素濃度、外部温度及び湿度に基づくデータを取得し、それらを総合的に分析する。例えば、四肢領域における無線温湿度センサによって検知される温度が高く且つ湿度が低い場合であって、他の領域が通常の又は正常な範囲内の値である場合では、スマートウォッチは、四肢領域に放熱の必要があること、を自動的に判断することができる。なお、通常の又は正常な範囲は、ユーザや季節ごとに、ユーザの試行や平均気温からの温度差等に基づいて、個別に設定することができるとよい。続いて、スマートウォッチは、コントローラを操作し、四肢領域にある冷却水輸送システムの水ポンプをオンにする、又は水ポンプの流量を増加させる。水ポンプが作動しすると、又は、四肢領域における水ポンプの流量が大きくなるとバックパック水袋内の液体が、ラビリンスドリップテープを介して、空調服本体の外側層に輸送され、空調服本体の外側層において分散される。空調服本体の外側層には、親水性があるため、液体(水)は迅速に拡散され得る。外側層において水が拡散した後、空調服本体には透湿層が形成される。透湿層では、外界の自然風と日光照射による、液体の気化、蒸発、及び、吸熱によって、ユーザの身体及びユーザの身体の外側に対して吸熱作用・温度低下作用を及ぼすことができる。その結果、ユーザは、四肢の領域で、清涼感を得ることができる状態を獲得することができる。
【実施例2】
【0032】
ユーザは、空調服本体の着用し、例えば専用のアプリケーション等を介して、スマートウォッチをコントローラに接続することで、スマートウォッチは、コントローラを操作し、ユーザの呼吸、心拍、血中酸素濃度、外部温度及び湿度に基づくデータを取得し、それらを総合的に分析することができる。例えば、四肢領域における無線温湿度センサによって検知される温度が高く且つ湿度が低い場合であって、背中、胸及び腰の無線温湿度センサによって検知されるの温度が低く且つ湿度が高い場合では、スマートウォッチは、四肢領域に放熱の必要があり、背中、胸及び腰に放熱の必要がないこと、を自動的に判断することができる。続いて、スマートウォッチは、コントローラを操作し、四肢領域にある冷却水輸送システムの水ポンプをオンにする、又は水ポンプの流量を増加させ、背中、胸及び腰領域の水ポンプをオフにする、又は水ポンプの流量を減少させる。空調服本体の7つの領域では、実際の状況に応じて、水ポンプのオンオフや水ポンプの流量をそれぞれ調節することができる。それにより、より適切にユーザの身体の放熱を促進して、より効率的に、ユーザの身体の発汗による放熱効果を実現することができる。水ポンプが作動すると、バックパック水袋内の液体が、ラビリンスドリップテープを介して、空調服本体の外側層に輸送され、空調服本体の外側層において分散される。空調服本体の外側層には、親水性があるため、液体(水)は迅速に拡散され得る。外側層において水が拡散した後、空調服本体には透湿層が形成される。透湿層では、外界の自然風と日光照射による、液体の気化、蒸発、及び、吸熱によって、ユーザの身体及びユーザの身体の外側に対して吸熱作用・温度低下作用を及ぼすことができる。その結果、ユーザは、四肢の領域で、清涼感を得ることができる。
【0033】
以上の記載は、本発明の好ましい一実施形態を説明するものに過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明の精神及び原則を逸脱することなく行うあらゆる修正、均等な置き換え、改良などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるものである。
【符号の説明】
【0034】
1、空調服本体; 2、バックパック水袋; 3、ソーラーパネル; 4、冷却水輸送システム; 4.1、水ポンプ; 4.2、シリコンチューブ; 5、ラビリンスドリップテープ; 5.1、通水孔; 5.2、第一ラビリンス; 5.3、第二ラビリンス; 5.4、第三ラビリンス; 5.5、連通孔; 5.6、水出口; 6、コントローラ; 7、スマートウォッチ; 8、太陽電池; 9、無線温湿度センサ。