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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0645 20230101AFI20231219BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231219BHJP
【FI】
G06Q30/0645
G06Q50/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022509838
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(86)【国際出願番号】 JP2020013048
(87)【国際公開番号】W WO2021192045
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中田 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】松山 航
(72)【発明者】
【氏名】藤川 昂
(72)【発明者】
【氏名】結城 亨
(72)【発明者】
【氏名】金子 智勇
(72)【発明者】
【氏名】新井 慧一
(72)【発明者】
【氏名】榎本 貴行
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-166874(JP,A)
【文献】特開2013-084199(JP,A)
【文献】国際公開第2019/131825(WO,A1)
【文献】特開2011-146389(JP,A)
【文献】特開2013-034322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリの貸与に関する情報を処理する情報処理装置であって、
貸与前の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第一の取得手段と、
貸与後の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第二の取得手段と、
前記第一の取得手段及び前記第二の取得手段で取得した各性能劣化情報に基づいて、前記バッテリの借用者に対する処遇を決定する決定手段と、
前記バッテリの借用者の端末に、使用許可コードを送信する送信手段と、を備え、
前記バッテリは、当該バッテリに備えられた管理装置により使用許可コードが読み取られたことを条件として充放電が可能となり、
前記使用許可コードは、前記バッテリの使用条件に関する情報を含み、
前記使用条件は、前記決定手段の決定による前記処遇の変更にしたがって変更される、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
バッテリの貸与に関する情報を処理する情報処理装置であって、
貸与前の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第一の取得手段と、
貸与後の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第二の取得手段と、
前記第一の取得手段及び前記第二の取得手段で取得した各性能劣化情報に基づいて、前記バッテリの借用者に対する処遇を決定する決定手段と、
貸与後の前記性能劣化情報が、貸与前の前記性能劣化情報に対して所定の度合い以上の劣化を示す場合に、前記バッテリの借用者の端末に前記バッテリの劣化の進行が速いことを通知する通知手段と、を備える、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
バッテリの貸与に関する情報を処理する情報処理装置であって、
貸与前の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第一の取得手段と、
貸与後の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第二の取得手段と、
前記第一の取得手段及び前記第二の取得手段で取得した各性能劣化情報に基づいて、前記バッテリの借用者に対する処遇を決定する決定手段と、
貸与後の前記性能劣化情報が、貸与前の前記性能劣化情報に対して所定の度合い以上の劣化を示す場合に、前記バッテリの貸与者の端末に前記バッテリの劣化の進行が速いことを通知する通知手段と、を備える、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
バッテリの貸与に関する情報を処理する情報処理装置であって、
貸与前の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第一の取得手段と、
貸与後の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第二の取得手段と、
前記第一の取得手段及び前記第二の取得手段で取得した各性能劣化情報に基づいて、前記バッテリの借用者に対する処遇を決定する決定手段と、
前記バッテリの借用者の端末に、使用許可コードを送信する送信手段と、を備え、
前記バッテリは、当該バッテリに備えられた管理装置により使用許可コードが読み取られたことを条件として充放電が可能となり、
前記使用許可コードは、前記バッテリの使用条件に関する情報を含み、
前記バッテリの貸与期間内において、前記使用許可コードが複数回更新され、
前記使用条件は前記使用許可コードの更新により更新可能である、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記決定手段は、貸与後の前記性能劣化情報が、貸与前の前記性能劣化情報に対して所定の度合い以上の劣化を示す場合、前記借用者に不利な処遇を決定する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記第二の取得手段は、前記バッテリに備えられた管理装置から送信される情報を受信することで、前記性能劣化情報を取得する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置であって、
前記決定手段は、貸与終了時の前記性能劣化情報が、貸与前の前記性能劣化情報に対して所定の度合い以下の劣化を示す場合、前記借用者に有利な処遇を決定する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
バッテリの貸与に関する情報を処理する情報処理方法であって、
情報処理装置が、貸与前の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第一の取得工程と、
前記情報処理装置が、貸与後の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第二の取得工程と、
前記情報処理装置が、前記第一の取得工程及び前記第二の取得工程で取得した各性能劣化情報に基づいて、前記バッテリの借用者に対する処遇を決定する決定工程と、
前記情報処理装置が、前記バッテリの借用者の端末に、使用許可コードを送信する送信工程と、を備え、
前記バッテリは、当該バッテリに備えられた管理装置により使用許可コードが読み取られたことを条件として充放電が可能となり、
前記使用許可コードは、前記バッテリの使用条件に関する情報を含み、
前記使用条件は、前記決定工程の決定による前記処遇の変更にしたがって変更される、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
バッテリの貸与に関する情報を処理する情報処理方法であって、
情報処理装置が、貸与前の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第一の取得工程と、
前記情報処理装置が、貸与後の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第二の取得工程と、
前記情報処理装置が、前記第一の取得工程及び前記第二の取得工程で取得した各性能劣化情報に基づいて、前記バッテリの借用者に対する処遇を決定する決定工程と、
前記情報処理装置が、貸与後の前記性能劣化情報が、貸与前の前記性能劣化情報に対して所定の度合い以上の劣化を示す場合に、前記バッテリの借用者の端末に前記バッテリの劣化の進行が速いことを通知する通知工程と、を備える、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
バッテリの貸与に関する情報を処理する情報処理方法であって、
情報処理装置が、貸与前の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第一の取得工程と、
前記情報処理装置が、貸与後の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第二の取得工程と、
前記情報処理装置が、前記第一の取得工程及び前記第二の取得工程で取得した各性能劣化情報に基づいて、前記バッテリの借用者に対する処遇を決定する決定工程と、
前記情報処理装置が、貸与後の前記性能劣化情報が、貸与前の前記性能劣化情報に対して所定の度合い以上の劣化を示す場合に、前記バッテリの貸与者の端末に前記バッテリの劣化の進行が速いことを通知する通知工程と、を備える、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
バッテリの貸与に関する情報を処理する情報処理方法であって、
情報処理装置が、貸与前の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第一の取得工程と、
前記情報処理装置が、貸与後の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第二の取得工程と、
前記情報処理装置が、前記第一の取得工程及び前記第二の取得工程で取得した各性能劣化情報に基づいて、前記バッテリの借用者に対する処遇を決定する決定工程と、
前記情報処理装置が、前記バッテリの借用者の端末に、使用許可コードを送信する送信工程と、を備え、
前記バッテリは、当該バッテリに備えられた管理装置により使用許可コードが読み取られたことを条件として充放電が可能となり、
前記使用許可コードは、前記バッテリの使用条件に関する情報を含み、
前記バッテリの貸与期間内において、前記使用許可コードが複数回更新され、
前記使用条件は前記使用許可コードの更新において更新可能である、
ことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリの貸与に関わる情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
環境や作業者への配慮の観点から作業機等の電動化が進んでいる。そのエネルギ源であるバッテリの需要が高まる中、特に作業機の業界においては、そのバッテリを必要とする期間が限られることが多い。例えば、芝刈り機であれば、芝の育成が進む時期にバッテリの需要が高まる。除雪機であれば、降雪の時期にバッテリの需要が高まる。そのような環境下において、作業者としてはバッテリを所有するのではなく、必要な期間だけレンタルする方が利便性が高い。
【0003】
一方、レンタルビジネスにおいては、その貸与品に関する意図しない使用に伴う破損や、返却の遅延といった課題がある。バッテリの貸与者としては、その資産であるバッテリの適切な使用および課金に対する関心が高い。また、借用者としては、借用条件に見合った課金を要望する。
【0004】
特許文献1には、レンタルパックのレンタルビジネスにおいて、充放電の回数に基づく課金や電池の温度に基づき警告を送ること等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-288539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
充放電の回数がバッテリに与える影響には個体差や環境差がある。充放電の回数により一律に課金等の処遇を決定すると、丁寧にバッテリを使用した借用者において処遇に関する納得感が低い場合がある。
【0007】
本発明の目的は、借用者の処遇決定に関し、借用者の納得感を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、
バッテリの貸与に関する情報を処理する情報処理装置であって、
貸与前の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第一の取得手段と、
貸与後の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第二の取得手段と、
前記第一の取得手段及び前記第二の取得手段で取得した各性能劣化情報に基づいて、前記バッテリの借用者に対する処遇を決定する決定手段と、
前記バッテリの借用者の端末に、使用許可コードを送信する送信手段と、を備え、
前記バッテリは、当該バッテリに備えられた管理装置により使用許可コードが読み取られたことを条件として充放電が可能となり、
前記使用許可コードは、前記バッテリの使用条件に関する情報を含み、
前記使用条件は、前記決定手段の決定による前記処遇の変更にしたがって変更される、
ことを特徴とする情報処理装置が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、
バッテリの貸与に関する情報を処理する情報処理方法であって、
情報処理装置が、貸与前の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第一の取得工程と、
前記情報処理装置が、貸与後の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第二の取得工程と、
前記情報処理装置が、前記第一の取得工程及び前記第二の取得工程で取得した各性能劣化情報に基づいて、前記バッテリの借用者に対する処遇を決定する決定工程と、
前記情報処理装置が、前記バッテリの借用者の端末に、使用許可コードを送信する送信工程と、を備え、
前記バッテリは、当該バッテリに備えられた管理装置により使用許可コードが読み取られたことを条件として充放電が可能となり、
前記使用許可コードは、前記バッテリの使用条件に関する情報を含み、
前記使用条件は、前記決定手段の決定による前記処遇の変更にしたがって変更される、
ことを特徴とする情報処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、借用者の処遇決定に関し、借用者の納得感を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】支援システムの概要図。
図2】サービスの運用例を示す説明図。
図3】情報処理装置のブロック図及びデータベースに記憶されている情報の例を示す図。
図4図1の支援システムで実行される処理の例を示すフローチャート。
図5】別の支援システムの概要図。
図6図5の支援システムで用いられるバッテリの内部ブロック図。
図7図5の支援システムで実行される処理の例を示すフローチャート。
図8図5の支援システムで実行される処理の例を示すフローチャート。
図9図5の支援システムで実行される処理の例を示すフローチャート。
図10図5の支援システムで実行される処理の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0013】
<第一実施形態>
<システムの概要>
図1は支援システム1の概要図である。支援システム1は、情報処理装置2によって、可搬型バッテリ3の貸与サービスを支援するシステムである。バッテリ3は例えばリチウムイオンバッテリである。情報処理装置2は、インターネット等の通信ネットワークを介して通信端末4、11及び12と通信可能に接続され、サービスを運用するサーバである。
【0014】
通信端末11は、バッテリ3の貸与を希望する貸与者(所有者)101が用いる通信端末を例示したものである。貸与者101は個人又は業者であり、バッテリ3は例えば中古バッテリである。通信端末12は、バッテリ3の借用を希望する借用者102が用いる通信端末を例示したものである。通信端末11及び12は例えばスマートフォン等の携帯端末である。
【0015】
通信端末4はサービスステーション103に設置された端末である。サービスステーション103は、バッテリ3の検査、配達を行う拠点であり、複数の地域に配備されることが想定される。通信端末4は例えばパソコンである。通信端末4には計測装置5が接続されている。計測装置5はバッテリ3の性能劣化度合いを計測する装置である。性能劣化度合いの指標は特に限定されないが、例えば、SOH(劣化時の満充電容量/初期の満充電容量)であり、計測装置5は例えばバッテリ3の充放電量を計測する電流センサ、電圧センサを含む。バッテリ3の初期の満充電容量はメーカの公表値であってもよい。
【0016】
サービスの運用例について説明する。情報処理装置2は、例えば、貸与者101が通信端末11を介して登録した、バッテリ3の貸与情報を通信ネットワーク上に提供する。貸与情報は、バッテリ3の仕様や貸与条件(料金、期間、バッテリが使用可能な電気製品の種類等)の情報を含み得る。借用者102は通信端末12を介して貸与情報を参照し、情報処理装置2を介してバッテリ3の借用を申し込む。貸与者101が申し込みを承諾することでバッテリ3が貸与者101から借用者102に貸与されることになる。
【0017】
図2の状態ST1は、バッテリ3の貸与時の運用を模式的に示している。貸与者101のバッテリ3はサービスステーション103に引き取られる。サービスステーション103では、そのバッテリ3の性能劣化度合いが計測装置5で計測される。その計測結果である性能劣化情報が通信端末4から情報処理装置2へ送信される。サービスステーション103はそのバッテリ3を借用者102に配送する。なお、バッテリ3は充電器とセットで貸与されてもよい。借用者102はバッテリ3を電気機器に装着して使用する。電気機器としては、例えば、作業機、電動車両、家電製品等を挙げることができる。作業機としては、芝刈り機、除雪機等の季節性の高い作業機も含まれ得る。こうした作業機への使用の場合、バッテリ3の貸与期間は例えば数か月に及ぶ場合があり、その間の使用態様によってバッテリ3の性能劣化の進行に影響を与え得る。
【0018】
図2の状態ST2は、バッテリ3の返却時の運用を模式的に示している。借用者102は、返却するバッテリ3をサービスステーション103に配送する。サービスステーション103では、そのバッテリ3の性能劣化度合いが計測装置5で計測される。その計測結果である性能劣化情報が通信端末4から情報処理装置2へ送信される。サービスステーション103はそのバッテリ3を貸与者101に配送する。
【0019】
以上の仕組みにより、貸与前のバッテリ3の性能劣化情報と、貸与後、特に返却時のバッテリ3の性能劣化情報とを情報処理装置2が取得することができる。
【0020】
<情報処理装置>
図3は、情報処理装置2のブロック図及びデータベース223に記憶されている情報の例を示す図である。情報処理装置2は、処理部21、記憶部22、通信部23を含む。処理部21は、CPUに代表されるプロセッサであり、記憶部22に記憶されたプログラムを実行する。記憶部22は、RAM、ROM、ハードディスクなどの記憶デバイスである。通信部23は、通信ネットワークを介して通信端末4、11及び12と通信可能な有線又は無線の通信インタフェースを含む。
【0021】
記憶部22には、処理部21が実行するプログラムの他、各種のデータが格納される。図3の例では記憶部22に格納されるデータとして、データベース(DB)221~223が例示されている。DB221は、貸与者101の情報が登録されているDBである。DB221には、貸与者101のID、連絡先、所有バッテリの情報、取引実績等が蓄積される。DB222は、借用者102の情報が登録されているDBである。DB222には、借用者102のID、連絡先、取引実績等が蓄積される。
【0022】
DB223は、バッテリ3の情報が登録されているDBである。DB223には、バッテリ3毎のレコードが蓄積されている。「バッテリID」は個々のバッテリを識別するためのコードであり、例えば、バッテリ3のシリアル番号である。「貸与者ID」は、そのバッテリ3の貸与者101を特定するコードである。「状況」は、バッテリ3の現在の状況(貸与中か否か等)を示す情報である。「借用者ID」は、バッテリ3が貸与中である場合に蓄積される情報であり、借用者102を特定するコードである。「処遇」は、バッテリ3の借用者102に対して与えられる処遇の情報であり、例えば、課金等の情報である。詳細は後述する。「性能劣化」は、サービスステーション103で計測された貸与前のバッテリ3の性能劣化情報と、貸与後、特に返却時のバッテリ3の性能劣化情報である。本実施形態の場合、上記の「処遇」はこの「性能劣化」の情報に基づき決定される。DB223には、この他に、バッテリ3の仕様情報や、貸与条件の情報等を蓄積することができる。
【0023】
<処理例>
バッテリ3の貸与時と返却時のシステムの処理例について説明する。図4はそのフローチャートである。貸与時(図2のST1の場面)において、借用者102に対するバッテリ3の配送が完了すると、サービスステーション103の通信端末4から配送完了通知と貸与前の性能劣化情報が送信される(S1)。情報処理装置2は、通信端末4からの情報を受信することで、貸与前の性能劣化情報を取得する(S11)。S12で情報処理装置2は、S11で受信した情報に基づきDB223を更新する。例えば、そのバッテリ3のレコードの「状況」や、「性能劣化」の「貸与前」の情報が更新される。S13では、貸与者101の通信端末11及び借用者102の通信端末12に通知が送信される。通知は、バッテリ3の貸与が開始されたこと、貸与前の性能劣化情報を含む。
【0024】
返却時(図2のST2の場面)において、借用者102からバッテリ3がサービスステーション103に返却されると、サービスステーション103の通信端末4から返却通知と貸与後(返却時)の性能劣化情報が送信される(S2)。情報処理装置2は、通信端末4からの情報を受信することで、貸与後の性能劣化情報を取得する(S14)。S15では、貸与前と貸与後の各性能劣化情報を比較して、バッテリ3の劣化度合いを判定する。そして、S16では借用者102に対する処遇を決定する。
【0025】
S15の判定は、例えば、劣化度合いが閾値A以上であるか否か、及び、劣化度合いが閾値B以下であるか否かに基づき行う。具体的に言えば、性能劣化情報としてSOHを採用した場合、貸与前のSOH-貸与後のSOH≧閾値Aの関係を満たすか否かを判定する。また、貸与前のSOH-貸与後のSOH≦閾値Bの関係を満たすか否かを判定する。閾値Aと閾値Bは、閾値A>閾値Bの関係にある。閾値Aは、劣化の度合いが通常よりも酷いか否かを判定する指標であり、例えば10%である。閾値Bは、劣化の度合いが通常よりも低いか否かを判定する指標であり、例えば3%である。
【0026】
S16の処遇の決定は、S15の判定結果に基づいて行う。例えば、バッテリ3の劣化が少ない使い方をした借用者102には有利な処遇を与え、バッテリ3の劣化が大きい使い方をした借用者102には不利な処遇を与える。
【0027】
具体的には、例えば、貸与前のSOH-貸与後のSOH≧閾値Aの関係を満たす場合、バッテリ3の劣化が大きい、粗い使い方(例えば、急速充電、急速放電を繰り返した)をしたと判断できる。したがって、借用者102に対して追加の課金を課すことや、借用者102の評価を下げることを挙げることができる。また、例えば、貸与前のSOH-貸与後のSOH≦閾値Bの関係を満たす場合、バッテリ3の劣化が少ない、丁寧な使い方をしたと判断できる。したがって、借用者102に対して今回の課金を割り引くことや、クーポンを発行すること、或いは、借用者102の評価を上げることを挙げることができる。これにより、借用者102の処遇決定に関し、借用者102の納得感を向上することができる。
【0028】
S17で情報処理装置2は、S14で受信した情報及びS16の決定結果に基づきDB223を更新する。例えば、そのバッテリ3のレコードの「状況」、「処遇」、「性能劣化」の「貸与後」の情報が更新される。S18では、貸与者101の通信端末11及び借用者102の通信端末12に通知が送信される。通知は、バッテリ3が返却されたこと、貸与後の性能劣化情報を含む。借用者102の通信端末12に対する通知には、更に、S16で決定した処遇の情報を含むこともできる。
【0029】
<第二実施形態>
第一実施形態では、情報処理装置2が性能劣化情報をサービスステーション103の通信端末4から取得したが、バッテリ3の管理装置から取得するようにしてもよい。図5は本実施形態の支援システム1の概要図である。第一実施形態と異なる点は、バッテリ3が後述する管理装置を備えることで、情報処理装置2と通信可能である点である。本実施形態の場合、サービスステーション103を介在させずに、貸与者101と借用者102との間で、直接バッテリ3の受け渡しを行うことができる。
【0030】
<バッテリ>
図6は本実施形態におけるバッテリ3のブロック図である。バッテリ3は、蓄電装置であるバッテリセル30と、管理装置31とを備える。管理装置31は、制御部32を含む。制御部32は、処理部32a、記憶部32b、インタフェース部(I/F部)32cを含む。処理部32aは、CPUに代表されるプロセッサであり、記憶部32bに記憶されたプログラムを実行する。
【0031】
記憶部32bは、RAM、ROMなどの記憶デバイスである。記憶部32bには処理部32aが実行するプログラムの他、各種の情報が格納される。各種の情報としては、バッテリ3の個体情報、性能劣化情報等を挙げることができる。I/F部32cは、処理部32aと外部デバイスとの信号の送受信を中継する。
【0032】
管理装置31は、コードリーダ33を備える。コードリーダ33は例えばカメラである。本実施形態の場合、管理装置31は、使用許可コードをコードリーダ33で読み込み、認証した上でバッテリセル30の充放電を許可する。使用許可コードは例えば二次元コードであり、情報処理装置2から借用者102の通信端末12に送信される。借用者102は受信した使用許可コードを通信端末12の表示部に表示させ、コードリーダ33に読み込ませる。使用許可コードは、使用可能なバッテリ3のIDの他、バッテリ3の使用条件が含まれている。使用条件は、バッテリ3が使用可能な期間や、バッテリ3が使用可能な電気機器の種類等を挙げることができる。制御部32は、コードリーダ33で読み取った使用許可コードに含まれるこれらの情報と、記憶部32bに格納されている情報等とを照合して、バッテリ3に使用を認証する。
【0033】
管理装置31は、GPS(Global Positioning System)センサ34を備える。GPSセンサ34はバッテリ3の現在位置を検知するセンサである。バッテリ3の使用可能地域に制限がある場合、GPSセンサ34の位置情報に基づいて、管理装置32は使用可能地域でバッテリ3が使用されているか否かをチェックできる。
【0034】
管理装置31は、電流・電圧センサ35を備える。電流・電圧センサ35はバッテリセル30の充放電量を計測する。これにより制御部32はバッテリ3の性能劣化度合いを計測することができる。制御部32は、例えば、バッテリ3の充電の都度、性能劣化度合いを計測し、これを最新の性能劣化情報として記憶部32bに保存する。この性能劣化情報は情報処理装置2に提供される。
【0035】
管理装置31は、遮断回路36を備える。遮断回路36は、バッテリ3が装着される電気機器とバッテリセル30との間を電気的に接続し、また、遮断する。例えば、使用許可コードを認証していない場合、遮断回路36は遮断状態とされる。これにより、電気機器に対するバッテリ3の電力供給は不能となる。また、使用許可コードに含まれる使用条件に反した使用の場合に遮断回路36を遮断状態とすることができる。この場合も電気機器に対するバッテリ3の電力供給は不能となる。
【0036】
管理装置31は、通信部37を備える。通信部37は無線通信デバイスを備え、通信ネットワークを介して情報処理装置2と通信する。DB223には各バッテリ3の管理装置31との通信に必要な情報が含まれる。管理装置31は、表示装置38を備える。表示装置38は、発光素子又は液晶表示装置であり、バッテリ3のユーザに対して情報を提示する。管理装置31は、通信部39を備える。通信部39は、バッテリ3が装着される電気機器と管理装置31とを有線接続する。通信部39を介して管理装置31は電気機器と通信が可能であり、例えば、電気機器の種類の情報等を電気機器から得ることができる。貸与条件上、電気機器の種類に制約がある場合、貸与条件外の電気機器にバッテリ3が使用されていると、制御部32は遮断回路36を遮断状態とすることもできる。これにより、電気機器に対するバッテリ3の電力供給は不能となる。
【0037】
<処理例>
バッテリ3の貸与時と返却時のシステムの処理例について説明する。図7は貸与時のフローチャートである。貸与時において、借用者102にバッテリ3が届くと借用者102は通信端末12から情報処理装置2へ使用許可コードを要求する(S21)。情報処理装置2は、要求を受信すると(S31)、貸与されているバッテリ3の管理装置31へ性能劣化情報を要求する(S32)。管理装置31は要求を受信し(S41)、記憶部32bに記憶されている最新の性能劣化情報を情報処理装置2へ送信する(S42)。情報処理装置2は、管理装置31からの情報を受信することで、貸与前の性能劣化情報を取得する(S33)。S34で情報処理装置2は、S33で受信した情報に基づきDB223を更新する。例えば、そのバッテリ3のレコードの「状況」や、「性能劣化」の「貸与前」の情報が更新される。
【0038】
S35で情報処理装置2は使用許可コードを発行し、S36で借用者102の通信端末12に使用許可コードを送信する。通信端末12は使用許可コードを受信する(S22)。借用者102は使用許可コードをバッテリ3に読み込ませてバッテリ3の使用を開始する。
【0039】
図8は返却時のフローチャートである。借用者102は通信端末12から情報処理装置2へ終了要求を送信する(S51)。情報処理装置2は、要求を受信すると(S61)、貸与されているバッテリ3の管理装置31へ終了指示と性能劣化情報を要求する(S62)。管理装置31は要求を受信し(S71)、遮断回路36を遮断状態とし、また、記憶部32bに記憶されている最新の性能劣化情報を情報処理装置2へ送信する(S72)。情報処理装置2は、管理装置31からの情報を受信することで、貸与後(返却時)の性能劣化情報を取得する(S63)。
【0040】
情報処理装置2は、S64で貸与前と貸与後の各性能劣化情報を比較して、バッテリ3の劣化度合いを判定する。そして、S65では借用者102に対する処遇を決定する。S64、S65の処理は第一実施形態のS15、S16と同様である。借用者102の処遇決定に関し、借用者102の納得感を向上することができる。
【0041】
S66で情報処理装置2は、S62で受信した情報及びS65の決定結果に基づきDB223を更新する。例えば、そのバッテリ3のレコードの「状況」、「処遇」、「性能劣化」の「貸与後」の情報が更新される。
【0042】
S67で情報処理装置2は、借用者102の通信端末12に通知を送信する。通知は、例えば、バッテリ3の終了要求を受け付けたこと、貸与者101にバッテリ3を返却すること、貸与後の性能劣化情報及び処遇の情報を含む。S68で情報処理装置2は、貸与者101の通信端末11に通知を送信する。通知は、例えば、バッテリ3の貸与が終了して貸与者101にバッテリ3が返却されること、貸与後の性能劣化情報を含む。
【0043】
<貸与途中での処理例>
バッテリ3の貸与途中での処理例について図9を参照して説明する。貸与者101としては、バッテリ3が適切に使用されていなければその価値が下がるため、貸与途中での借用者102の使用状況に関心がある。また、借用者102としては気づかぬうちにバッテリ3を適切に使用していない場合があり、注意を促すことで改善が見込める。情報処理装置2はバッテリ3の使用が適切に行われているか否かを監視する。図9の処理は、例えば定期的(貸与期間の1/3~1/4の期間ごと)に行うことができる。
【0044】
S81で情報処理装置2は、バッテリ3の管理装置31へ性能劣化情報を要求する。管理装置31は要求を受信し(S91)、記憶部32bに記憶されている最新の性能劣化情報を情報処理装置2へ送信する(S92)。情報処理装置2は、管理装置31からの情報を受信することで、貸与後(中間段階)の性能劣化情報を取得する(S82)。情報処理装置2は、S83で貸与前と中間段階の各性能劣化情報を比較して、バッテリ3の劣化度合いを演算する。
【0045】
そして、S84では、S83で演算した劣化度合いが閾値C以上であるか否かを判定する。ここでの判定の目的は、このままの使用態様が継続すると、返却時に借用者102が不利な処遇を受ける可能性が高いか否かである。したがって、閾値Cは、上述した閾値Aよりも小さい値とされる。例えば、閾値Cは、0.6×閾値A~0.8×閾値Aの範囲内で設定される。S83で演算した劣化度合いが閾値C未満の場合は処理を終了し、閾値C以上である場合はS85へ進む。
【0046】
あるいは、S83で演算した劣化度合いを記憶部32bに記憶させるとともに、次回の性能劣化情報要求時に、S83で演算した劣化度合いと前回記憶させた劣化度合いをS84で比較し、その差分が閾値D以上であるか否かを判定する。ここでの判定の目的は、一定期間内における劣化度合いの変化を把握することで、このままの使用態様が継続すると、返却時に借用者102が不利な処遇を受ける可能性が高いか否かを把握することである。
【0047】
S85で情報処理装置2は、借用者102の通信端末12に通知を送信し、通信端末12がこの通知を受信する(S101)。通知は、例えば、バッテリ3の劣化の進行が速いため、丁寧な利用を促す内容の通知である。この通知を受けて借用者102は、バッテリ3の使用態様を見直すことができる。
【0048】
S86で情報処理装置2は、貸与者101の通信端末11に通知を送信し、通信端末11がこの通知を受信する(S102)。通知は、例えば、借用者102がバッテリ3の劣化の進行が速い使い方をしていることを告知する通知である。この通知を受けて貸与者101はバッテリ3の使用の実情を知ることができる。貸与者101は、借用者102に対して注意を発したり、貸与を中止するといった措置を検討することができる。
【0049】
次に、貸与途中の別の処理例について図10を参照して説明する。図10の例でも、情報処理装置2は、バッテリ3の貸与途中でその使用が適切に行われているか否かを監視する。貸与期間中、複数回、使用許可コードを更新して発行する。各使用許可コードは、貸与期間よりも短い期限付きのコードである。使用許可コードの発行の際に、バッテリ3の使用に関する借用者102の処遇を見直すことで、借用者102に適切なバッテリ3の使用を促す。また、バッテリ3の価値を維持し、貸与者101の納得感を向上することができる。更に、バッテリ3が盗難にあった場合に、その使用を抑制できる。図10の処理は、使用許可コードの更新タイミングで行うことができる。
【0050】
S111で情報処理装置2は、バッテリ3の管理装置31へ各種の情報を要求する。各種の情報は性能劣化情報を少なくとも含み、また、バッテリ3の使用環境の情報を含むことができる。使用環境の情報には、バッテリ3が使用されている電気機器の種類の情報、バッテリ3が使用されている地理的な地域の情報、バッテリ3が晒されている環境(振動、温度、湿度の情報等)を挙げることができる。使用環境の情報の少なくとも一部の情報は、バッテリ3が装着されている電気機器から管理装置31が通信部39を介して取得した情報であってもよい。
【0051】
管理装置31は要求を受信し(S121)、記憶部32bに記憶されている最新の性能劣化情報を含む各種の情報を情報処理装置2へ送信する(S122)。情報処理装置2は、管理装置31からの情報を受信することで、貸与後(中間段階)の性能劣化情報を含む様々な情報を取得する(S112)。情報処理装置2は、S113で貸与前と中間段階の各性能劣化情報を比較して、バッテリ3の劣化度合いを判定し、S114で借用者102の処遇を決定する。
【0052】
ここでの処遇は、その後のバッテリ3の使用条件に関する。例えば、バッテリ3の劣化度合いが閾値以上の場合や、振動、温度、湿度等の環境値が閾値以上の場合、バッテリ3の使用制限を課すことができる。
【0053】
例えば、地理的な地域の制限や、装着される電気機器の種類の制限が挙げられる。地域の制限としては、例えば、貸与者101の住所から一定の範囲の地域にバッテリ3の使用地域を制限することが挙げられる。これにより貸与者101がバッテリ3の使用地域に出向いて、借用者102によるバッテリ3の使用状態を直接監視することも可能となる。電気機器の種類の制限としては、例えば、定格出力の小さい電気機器にバッテリ3の使用を限定する、振動の小さい電気機器にバッテリ3の使用を限定する、といった制限を挙げることができる。
【0054】
逆に、バッテリ3の劣化度合いが閾値未満の場合や、振動、温度、湿度等の環境値が閾値未満の場合、バッテリ3の使用条件は変更しない。
【0055】
S115で情報処理装置2はS114で決定した処遇の内容を含む使用許可コードを発行し、S116で借用者102の通信端末12に使用許可コードを送信する。S114で処遇を変更した場合は、その旨の通知も送信する。通信端末12は使用許可コードを受信する(S131)。借用者102は使用許可コードをバッテリ3に読み込ませてバッテリ3の使用を継続することができる。古い使用許可コードは期限切れにより、バッテリ3に読み込ませてもバッテリ3の使用はできない。
【0056】
S114の決定で処遇が変更され、使用条件に制限があると、管理装置31は新たな使用条件にしたがってバッテリ3を制御する。例えば、地理的な地域の制限が課された場合、制御部32はGPSセンサ34が検知した現在位置情報に基づき、バッテリ3の使用地域を特定し、使用条件に反する場合は遮断回路36を遮断状態とする。また、例えば、電気機器の種類の制限がある場合、制御部32は通信部39を介してバッテリ3が装着されている電気機器からその種類の情報を取得し、使用条件に反する場合は遮断回路36を遮断状態とする。
【0057】
S117で情報処理装置2は、貸与者101の通信端末11に通知を送信し、通信端末11がこの通知を受信する(S132)。通知は、例えば、バッテリ3の使用状況に関する中間報告を含む。中間報告は、S113で判定したバッテリ3の劣化度合い、S112で受信した使用環境の情報を含むことができる。また、中間報告は、S114で決定した処遇の内容を含むこともできる。貸与者101は、借用者102に対して注意を発したり、貸与を中止するといった措置を検討することができる。
【0058】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の情報処理装置及び情報処理方法を少なくとも開示する。
【0059】
1.上記実施形態の情報処理装置(2)は、
バッテリ(3)の貸与に関する情報を処理する情報処理装置(2)であって、
貸与前の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第一の取得手段(S11)と、
貸与後の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第二の取得手段(S14)と、
前記第一の取得手段及び前記第二の取得手段で取得した各性能劣化情報に基づいて、前記バッテリの借用者に対する処遇を決定する決定手段(S16)と、を備える。
この実施形態によれば、借用者の処遇決定に関し、バッテリの貸与前後の性能劣化情報が考慮されるため、借用者の納得感を向上することができる。つまり、借用者は、自らの使用によって実際に変化したバッテリの価値の差分に基づいて処遇を受けることで、その処遇に対する納得感をより高めることができる。
【0060】
2.上記実施形態では、
前記決定手段は、貸与後の前記性能劣化情報が、貸与前の前記性能劣化情報に対して所定の度合い以上の劣化を示す場合、前記借用者に不利な処遇を決定する。
この実施形態によれば、バッテリの価値を大きく損なうことを抑制できる。貸与者は、正当な対価を回収したり、バッテリの価値の維持を期待することができる。
【0061】
3.上記実施形態では、
貸与後の前記性能劣化情報が、貸与前の前記性能劣化情報に対して所定の度合い以上の劣化を示す場合に、前記バッテリの借用者の端末に通知する送信手段(S85)を備える。
この実施形態によれば、借用者に対して、バッテリの価値を下げる使用態様の見直しを図る機会を与えることができる。
【0062】
4.上記実施形態では、
貸与後の前記性能劣化情報が、貸与前の前記性能劣化情報に対して所定の度合い以上の劣化を示す場合に、前記バッテリの貸与者の端末に通知する通知手段(S86)を備える。
この実施形態によれば、バッテリの価値を低下させる使用を貸与者が知ることができる。貸与者は必要に応じて貸与中止などの措置を取ることができる。
【0063】
5.上記実施形態では、
前記第二の取得手段は、前記バッテリに備えられた管理装置(31)から送信される情報を受信することで、前記性能劣化情報を取得する。
この実施形態によれば、バッテリから送信される情報に基づき決定することで、より信頼度の高い情報を得ることができる。
【0064】
6.上記実施形態では、
前記不利な処遇とは、前記バッテリの使用制限である。
この実施形態によれば、貸与者の意図しない使用がある場合に、迅速にその対応を図ることができる。
【0065】
7.上記実施形態では、
前記管理装置(31)から送信される前記情報は、前記バッテリの使用環境の情報を含む。
この実施形態によれば、バッテリの価値の減少可能性を判断することが容易になる。
【0066】
8.上記実施形態では、
前記決定手段は、貸与終了時の前記性能劣化情報が、貸与前の前記性能劣化情報に対して所定の度合い以下の劣化を示す場合、前記借用者に有利な処遇を決定する。
この実施形態によれば、借用者がバッテリを丁寧に使用することが促進される。
【0067】
9.上記実施形態では、
前記情報処理装置(2)は、前記バッテリの借用者の端末(12)に、使用許可コードを送信する送信手段(S36)を備え、
前記バッテリは、当該バッテリに備えられた管理装置(31)により使用許可コードが読み取られたことを条件として充放電が可能となる。
この実施形態によれば、バッテリの使用コントロールが容易になる。
【0068】
10.上記実施形態では、
前記使用許可コードは、前記バッテリの使用条件に関する情報を含む。
この実施形態によれば、貸与者が意図しないバッテリの使用に制限をかけることが可能となる。
【0069】
11.上記実施形態では、
前記バッテリの貸与期間内において、前記使用許可コードが複数回更新される。
この実施形態によれば、貸与者が意図しないバッテリの使用に制限をかけることが可能となる。また、バッテリの盗難対策を図ることができる。
【0070】
12.上記実施形態の情報処理方法は、
バッテリ(3)の貸与に関する情報を処理する情報処理方法であって、
情報処理装置(2)が、貸与前の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第一の取得工程(S11)と、
前記情報処理装置(2)が、貸与後の前記バッテリの性能劣化情報を取得する第二の取得工程(S14)と、
前記情報処理装置(2)が、前記第一の取得工程及び前記第二の取得工程で取得した各性能劣化情報に基づいて、前記バッテリの借用者に対する処遇を決定する決定工程(S16)と、を備える。
この実施形態によれば、借用者の処遇決定に関し、バッテリの貸与前後の性能劣化情報が考慮されるため、借用者の納得感を向上することができる。つまり、借用者は、自らの使用によって実際に変化したバッテリの価値の差分に基づいて処遇を受けることで、その処遇に対する納得感をより高めることができる。
【0071】
以上、発明の実施形態について説明したが、発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10