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特許7405953製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0203 20230101AFI20231219BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20231219BHJP
【FI】
G06Q30/0203
G16H10/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022513462
(86)(22)【出願日】2020-08-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-02
(86)【国際出願番号】 CN2020111225
(87)【国際公開番号】W WO2021037039
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】201910802852.5
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522021309
【氏名又は名称】上海明品医学数拠科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】姚娟娟
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-138097(JP,A)
【文献】特開2001-256337(JP,A)
【文献】国際公開第2005/050510(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法であって、
製品上市後の研究データを統計分析することで市場動向を予測し、
複数の研究端末で製品上市後の前記研究データを収集するステップaであって、前記研究端末はユーザ端末とは独立しており、前記ユーザ端末とは、製品を利用している端末を意味し、前記研究データは、少なくとも、製品使用サイクル情報、サイクル内使用量情報及び利用フィードバック情報を含む前記ステップaと、
前記研究端末からの前記研究データにおける特性値の集合Xを抽出するステップbであって、X={x1,x2・・・xn}であり、且つ、前記特性値の集合を構成する要素は、時間、使用量に関連するデータであるステップbと、
研究開発データの生成に対応する時点の販売データを抽出し、前記特性値の集合を独立変数、前記販売データを従属変数として関数式S=f(X)を構築し、前記関数式の極値を算出するとともに、前記極値を市場動向予測の指数値とし、Sは前記販売データを表すステップcとを含み、
前記ステップaは、
分配端末が前記研究端末に、前記研究端末が収集可能な前記研究データの上限を決定するデータ制限命令を送信するステップa1と、
設計端末が前記研究データの収集サイクルを設定するステップa2と、
前記研究端末が前記データ制限命令及び前記収集サイクルに基づき前記研究データを収集するステップa3とを含むことを特徴とするデータの統計分析方法。
【請求項2】
前記ステップa2において、前記収集サイクルは式T=f(n)により設定され、
式中のnは、前記研究データに対応する製品の使用サイクルを表すことを特徴とする請求項に記載のデータの統計分析方法。
【請求項3】
前記特性値の集合は、前記研究データの収集サイクルT及び前記研究データに対応する製品の使用期間tで構成され、
前記ステップcにおいて、S=f(T,t)であることを特徴とする請求項に記載のデータの統計分析方法。
【請求項4】
前記ステップcのあと、
前記関数式の決定後に、引き続き前記研究データを収集するとともに、前記特性値の集合を抽出し、前記関数式に停留点が現れた場合には、モニタリングシステムが前記分配端末に警告信号を発するステップdを実行することを特徴とする請求項に記載のデータの統計分析方法。
【請求項5】
前記ステップdのあと、
前記分配端末が前記データ制限命令及び/又は前記収集サイクルを調整するステップeを実行することを特徴とする請求項に記載のデータの統計分析方法。
【請求項6】
前記ステップeは、
前記停留点が、鞍点、極大値、極小値のいずれかに属するか否かを判断するステップe1と、
前記停留点が前記鞍点の場合には、前記データ制限命令を増加させるとともに、前記収集サイクルを増加させ、前記停留点が前記極大値の場合には、前記データ制限命令を減少させるとともに、前記収集サイクルを増加させ、前記停留点が前記極小値の場合には、前記データ制限命令を増加させるとともに、前記収集サイクルを減少させるステップe2とを含むことを特徴とする請求項に記載のデータの統計分析方法。
【請求項7】
前記分配端末が前記データ制限命令及び/又は前記収集サイクルを調整した回数が回数閾値を上回った場合には前記ステップcの実行を再開し、
前記回数閾値は前記モニタリングシステムにより設定されることを特徴とする請求項に記載のデータの統計分析方法。
【請求項8】
前記研究端末の収集方式が前記データ制限命令又は前記収集サイクルに適合しない場合には、前記研究端末は前記研究データをアップロードできないことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のデータの統計分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ分析の分野に関し、特に、製品研究データと市場動向判断の関連性を見出す分析処理であって、具体的には、製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビッグデータ時代の到来に伴って、異なるタイプの各種データが収集及び処理されており、製品研究データの処理についても、現代情報技術の世代交代によって大きく変化している。工業分野では、センサの幅広い使用によって、製品研究のプロセスが、データ要素の収集プロセスと、収集完了後のビッグデータのタグ付けに細かく分割されている。そして、ビッグデータアルゴリズムによるクリーニング、統合、分析、処理を経て、結果が研究者に送信される。研究者は、ビッグデータアルゴリズムで得た結果に基づき、経験及び専門知識を活用して最終的な研究結論を得る。これは、従来の製品研究開発プロセスにおける完全に人の脳に依存して演算及び判断を行う方法とは一線を画すものであり、研究の進捗を大幅に加速させている。
【0003】
従来の研究方法と比較して、ビッグデータに依存して研究開発を行う研究方法の特性は、次の通りである。即ち、従来の研究プロセスにおいて最も重要とされていたのは研究者の経験に依存することであり、個人的知識の投入に属していた。また、研究における最大のコスト支出は労働力の支出であった。これに対し、現在の研究プロセスでは、大量のインフラを配備してスマート化した研究システムを開発する必要があり、研究効率は向上するものの、研究コストが大幅に増加してしまう。
【0004】
従来の研究理論において、研究とは、純投資的な技術活動であり、将来性に係る研究結論の取得が目標と考えられてきた。当然ながらリスクについても検討すべきではあるが、数多くの研究項目のうち、研究結論が市場応用に適しているか否かは二の次とされ、少なくとも将来性に係る結論取得の重要性と同等ではなかった。しかし、研究方法に革命的変化がもたらされた現在、これまで通りに研究成果の検討の焦点を一つの面に合わせていては(即ち、将来性に係る研究結論取得を研究成果の最重要検討指標としていては)、経済学的観点から考えて、研究投資と製品のリスク・利益比率とが更に乖離してしまう。
【0005】
そのため、如何にして研究データの分析処理により市場拡大という結果を獲得するか(即ち、研究データの分析により市場戦略を主導するか)が、新時代の研究方法革命に順応した必然的な趨勢となっている。つまり、これまで意義に隔たりのあった製品研究と市場研究を効果的に融合させることが、今後の製品のビッグデータ研究の方向性となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術方案が解決しようとする技術的課題は、如何にして標準的且つ迅速に医学データを検証するかである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の技術方案は、製品上市後の研究データを統計分析することで市場動向を予測する製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法を提供する。当該方法は、以下のステップa、ステップb及びステップcを含む。
【0008】
ステップaにおいて、複数の研究端末で製品上市後の研究データを収集する。前記研究端末はユーザ端末とは独立している。前記ユーザ端末とは、製品を利用している端末を意味する。前記研究データは、少なくとも、製品使用サイクル情報、サイクル内使用量情報及び利用フィードバック情報を含む。
【0009】
ステップbにおいて、研究端末からの研究データにおける特性値の集合Xを抽出する。X={x1,x2・・・xn}である。且つ、前記特性値の集合を構成する要素は、時間、使用量に関連するデータである。
【0010】
ステップcにおいて、研究開発データの生成に対応する時点の販売データを抽出し、前記特性値の集合を独立変数、前記販売データを従属変数として関数式S=f(X)を構築する。Sは前記販売データを表す。そして、前記関数式の極値を算出するとともに、前記極値を市場動向予測の指数値とする。
【0011】
好ましくは、前記ステップaは以下のステップa1、ステップa2及びステップa3を含む。
【0012】
ステップa1において、分配端末が前記研究端末にデータ制限命令を送信する。前記データ制限命令は、前記研究端末が収集可能な研究データの上限を決定する。
【0013】
ステップa2において、設計端末が前記研究データの収集サイクルを設定する。
【0014】
ステップa3において、前記研究端末がデータ制限命令及び前記収集サイクルに基づき前記研究データを収集する。
【0015】
好ましくは、前記ステップa2において、前記収集サイクルは式T=f(n)により設定され、式中のnは、前記研究データに対応する製品の使用サイクルを表す。
【0016】
好ましくは、前記特性値の集合は、前記研究データの収集サイクルT及び研究データに対応する製品の使用期間tで構成される。前記ステップcにおいて、S=f(T,t)である。
【0017】
好ましくは、前記ステップcのあと、以下のステップdを実行する。
【0018】
ステップdにおいて、前記関数式の決定後に、引き続き前記研究データを収集するとともに、前記特性値の集合を抽出する。前記関数式に停留点が現れた場合には、モニタリングシステムが前記分配端末に警告信号を発する。
【0019】
好ましくは、前記ステップdのあと、以下のステップeを実行する。
【0020】
ステップeにおいて、前記分配端末が前記データ制限命令及び/又は前記収集サイクルを調整する。
【0021】
好ましくは、前記ステップeは以下のステップe1とステップe2を含む。
【0022】
ステップe1において、前記停留点が、鞍点、極大値、極小値のいずれかに属するか否かを判断する。
【0023】
ステップe2において、前記停留点が鞍点の場合には、前記データ制限命令を増加させるとともに、前記収集サイクルを増加させる。前記停留点が極大値の場合には、前記データ制限命令を減少させるとともに、前記収集サイクルを増加させる。前記停留点が極小値の場合には、前記データ制限命令を増加させるとともに、前記収集サイクルを減少させる。
【0024】
好ましくは、前記分配端末が前記データ制限命令及び/又は前記収集サイクルを調整した回数が回数閾値を上回った場合にはステップcの実行を再開する。前記回数閾値はモニタリングシステムにより設定される。
【0025】
好ましくは、前記研究端末の収集方式が前記データ制限命令又は前記収集サイクルに適合しない場合には、前記研究端末は研究データをアップロードできない。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、研究データにおける時間、数量に関連する数値を独立変数、市場動向を従属変数として関数モデルを構築し、研究データの蓄積により関数モデルを完成させ続けることで、市場動向を予測する。更に、本発明は、前記データ制限命令及び/又は前記収集サイクルを調整することで前記関数モデルを間接的に適正化して、いっそう精確に市場動向を予測する。
【0027】
下記の図面を参照して非限定的な実施例につき述べた詳細な記載を閲覧することで、本発明のその他の特徴、目的及び利点が更に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の具体的実施形態の製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法のフローチャートである。
図2】本発明の第1実施例の別の製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法のフローチャートである。
図3】本発明の第2実施例の警告情報を提供する製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法のフローチャートである。
図4】本発明の第3実施例の調整可能な製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法のフローチャートである。
図5】本発明の第4実施例の精確にコントロールする製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の技術方案をより明瞭に示すために、以下に、図面を組み合わせて本発明につき更に説明する。
【0030】
当業者は、製品上市後の研究で形成される研究開発データが、従来の製品研究開発データとは本質的に違うものであり、市場調査データとも異なることを理解し得る。従来の製品研究開発は、大部分が新製品の研究開発又は製品技術の世代交代の研究開発であった。そのため、研究開発プロセスで注目されるデータ又は収集されるデータは、将来性の予測に基づき取得されるデータであった。当然ながら、将来性の予測は、市場調査に基づき取得してもよいし、競合品又は従来製品の欠点についての技術分析に基づき取得してもよい。いずれにせよ、この将来性の予測は、必ずや理想化された、実験室での反復検証に適した仮想モデルとなる。その後、研究開発者は、統計学的意味における研究方法に基づいて、当該仮想モデルの実現を目標とする研究開発活動を繰り返し実施する。自ずとこの状況で形成されるデータは現実世界から逸脱したものとなり、予め設定した仮想モデルに適合させることを目標とした半人工データとなる。ビッグデータ分析の観点から見れば、このようなデータには統計学的意味がある。しかし、データの収集プロセスにおいて、大量の人為的設定要因(例えば、実験条件、材料選択、群分け対象の選択等)が加わることから、これらのデータと現実世界との一致性の確率は大きく低下する。つまり、この点において、従来の研究開発活動の大部分は企業における純投資的な活動となっており、市場との連携ができていなかった。なぜなら、市場は現実世界であり、市場動向の分析にとって最も重要なのは現実世界との高度な一致性だからである。
【0031】
更に、市場調査データは、現実世界から取得される点で従来の研究開発データと異なっている。しかし、市場調査データの取得源は製品を直接利用したユーザであるため、データの専門性に欠けており、単に統計学的意味を有しているにすぎない。仮に、ビッグデータの統計分析に適用可能であったとしても、こうしたデータを基礎データとして市場予測用の人工知能システムを開発したとすれば、最も重要なデータ形成のロジックに欠けることになり、機械学習の有効な素材とはなり得ない。
【0032】
上記で述べたように、本発明の目的は、革新的なデータ分析方法によって、研究開発活動で形成されたデータと市場を緊密に連携させて、データの有効潜在力を十分に発揮させることで、企業の研究開発活動における効果・利益を向上させるとともに、企業が研究開発活動を展開する際の積極性を伸ばすことである。図1は、本発明の具体的実施形態の製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法を示している。当該方法は、製品上市後の研究データを統計分析することで市場動向を予測するものであり、以下のステップを含む。
【0033】
まず、ステップS101を実行して、複数の研究端末で製品上市後の研究データを収集する。前記研究端末はユーザ端末とは独立している。前記ユーザ端末とは、製品を利用している端末を意味する。前記研究データは、少なくとも、製品使用サイクル情報、サイクル内使用量情報及び利用フィードバック情報を含む。具体的に、前記研究データは、研究開発を目的としてデータモデルを設計する点で市場調査データとは異なっている。そのため、データには、少なくとも、製品の使用サイクル、サイクル内の使用量、利用フィードバック等の定量情報及び定性情報が含まれる。当業者は、前記データが製品の直接ユーザではなく、第3者である独立した研究端末から得られることを理解し得る。こうすることで、感性化されたデータがアップロードされてデータの客観性に影響を及ぼすとの事態を最大限回避可能となる。且つ、研究端末は、ユーザからフィードバックされた情報について、専門的且つ研究進捗に有利な処理を施すことも可能である。即ち、前記研究データとは、研究端末で構造化処理が施された現実世界からの利用データである。より具体的に、本ステップでは、データのソース端末及び情報のタグタイプを限定することで、データの品質を制御するとともに、当該データを従来の純研究開発型データ及び純粋な市場調査データと区別している。製品使用サイクル情報とは、製品説明書に開示されている標準的な利用サイクルとしてもよいし、ユーザが自身の状況に応じて調整した利用サイクルとしてもよい。例えば、製品の完全利用サイクルが7日であり、ユーザが実際に3サイクル使用した場合、製品使用サイクル情報は21日となる。また、サイクル内使用量情報とは製品の単位使用量を意味する。例えば、製品の単位重量が5mgであり、1つのサイクルで10単位の使用量を用いる場合に、ユーザが実際に3サイクル使用した場合には、ユーザの製品使用量は合計150mgとなる。また、利用フィードバック情報とは、研究端末がユーザ端末の使用状況に基づき編集して生成するプラス/マイナスのフィードバック情報である。通常、利用フィードバック情報は研究開発に主に用いられるため、本発明の実施には無関係としてもよい。好ましい実施例では、前記利用フィードバック情報をタグ付け処理し、タグの違いに応じて異なる調整係数を設定可能とする。これに応じて、前記研究端末は、製品使用サイクル情報及びサイクル内使用量情報を以下の方式で取得する。
【0034】
前記製品使用サイクル情報=元の製品使用サイクル×前記調整係数、前記サイクル内使用量情報=元のサイクル内使用量情報×前記調整係数、とする。前記元の製品使用サイクルとは前記ユーザ端末の実際の使用サイクルであり、前記元のサイクル内使用量情報とは、前記ユーザ端末が実際の使用サイクルで使用した製品の総使用量である。
【0035】
更に、ステップS102を実行して、研究端末からの研究データにおける特性値の集合Xを抽出する。X={x1,x2・・・xn}である。且つ、前記特性値の集合を構成する要素は、時間、使用量に関連するデータである。具体的に、ステップS101の記載と組み合わせて、前記研究データには製品使用サイクル情報及びサイクル内使用量情報が含まれている。当業者は、製品使用サイクル情報のデータ表現として、例えば、日、月、年等の時間の単位形式が好ましいことを理解し得る。変形例においては、表現方式を自身で定義してもよく、例えば、「クール(course of treatment)」を単位としてもよい。この場合には、基盤データベースを設定して異なるクールを分類及び編集すればよい。このことは、アプリケーション層のデータの簡潔化にとって都合がよい。また、サイクル内使用量情報のデータ表現としては、例えば、μg、mg、g等の重量の単位とすることが好ましい。且つ、これに応じて、サイクル内使用量情報の算出方法には、直接的に製品の重量に基づき算出する方法と、製品内の有効物質に基づき算出する方法の2種類が存在し得る。研究開発の面から考慮すれば、後者の算出方式のほうが適切であるが、本発明の場合には製品の重量に基づき算出するのが好ましい。
【0036】
更に、ステップS103を実行して、研究開発データの生成に対応する時点の販売データを抽出する。そして、前記特性値の集合を独立変数、前記販売データを従属変数として関数式S=f(X)を構築し、前記関数式の極値を算出するとともに、前記極値を市場動向予測の指数値とする。当業者は、ステップS102の記載を組み合わせて、特性値が時間、使用量に関連するデータであることを理解し得る。即ち、特性値は2種類以上の情報カテゴリを含み、本ステップの関数式に応じて取得すればよい。市場動向を特定する関数式は多変数関数である。本発明が解決しようとする技術的課題を組み合わせて、当該関数式は、これまで意義に隔たりのあった製品研究と市場研究を効果的に融合することを目的としている。融合のポイントは、データ収集からデータ演算に至る全プロセスの終了後に、如何にして最適解を見つけるかである。即ち、研究開発の要求を満たしつつ、市場予測の要求も満たし得ることである。多変数関数を応用すれば、データ資源を割り当てることで、研究開発及び市場双方の要求を同時に満たし得る。
【0037】
更に、本ステップの関数式は、累計された研究開発データ及び販売データに基づき形成される。前記研究開発データの収集については、ステップS101及びS102を組み合わせることで理解可能である。具体的に、ステップS103に関連するのは、研究開発データの生成時間及び特性値である。当業者は、前記研究開発データは研究開発端末により収集されるが、前記研究開発データの生成時間と前記研究開発端末による収集時間が必ずしも一致しないことを理解し得る。即ち、前記研究開発データの収集プロセスでは、前記研究開発端末によって対応する生成タイムスタンプを付与する必要がある。前記生成タイムスタンプとは、前記研究開発データが生成された時間のことであり、この時点に対応する販売データを関数式の従属変数とすることができる。当業者は、実際の応用において、時点の日付形式は**年**月**日、**年**月或いは**年となり得るが、前記販売データは、同一のデータベースから取得される場合もあれば、別のデータベースから取得される場合もあることを理解し得る。即ち、前記販売データの生成時間の形式は、前記研究開発データの生成時間の形式と同じ場合もあれば、異なる場合もある。本ステップで定義する「対応する時点」とは、前記販売データの生成時間と前記研究開発データの生成時間が重なる時間を意味する。例えば、前記販売データの生成時間が2018年10月であり、前記研究開発データの生成時間が2018年10月5日の場合、当該販売データを従属変数とすることができる。また、本実施例の場合、2018年10月に何らの販売データも存在しなければ、この時点で生成された前記研究開発データに対応する特性値には対応する従属変数(即ち、前記販売データ)が存在しないことを意味する。本発明では、この時点で研究開発データを収集したとしても、当該研究開発データは冗長データとなる。そのため、研究開発データの利用率を向上させるために、本発明に係る販売データの収集は常態的且つ連続的に行う必要がある。即ち、各研究開発データに対応する時点の全てにおいて対応する販売データを抽出可能となるよう保証すべく、販売データの収集進捗と研究開発データの収集進捗は同一又は近似している必要がある。より具体的に、前記販売データは金額であってもよいし、出荷量であってもよく、それに応じて、販売データの計量単位も異なる。ただし、これは本発明の実現に影響しないため、ここでは詳述しない。
【0038】
当業者は、次の点を理解し得る。即ち、ステップS103において、前記関数式の具体的演算規則は特に限定せず、特性値の違いや販売データの違いによって、構築及び形成される関数式も異なる。また、関数式の違いによって対応する極値も異なる。本発明における関数式の極値で市場動向を定量的に表現するとの手法は、従来技術では使用されたことのない方案である。具体的に、研究開発データ及び販売データの継続的な蓄積に伴って、前記関数式が変化するとともに、それに応じて、関数式の極値も変化する。つまり、市場動向を表す指数値にも変化が生じる。この場合に、本発明の目的が実現され、従来の販売データにのみ依存して市場動向を予測するとの方法が改良される。より具体的に、前記関数式の極値は、極大値の場合もあれば、極小値の場合もある。これらは、それぞれ市場動向の発展のピーク又はバレーを表す。実際に応用する場合、通常は販売データの制御は不可能である。即ち、販売データは消費者の客観的行動により決定されるため、市場動向を予測したとしても、通常は販売戦略の調整が対策となる。しかし、販売戦略を調整しても市場を変化させられるとは限らない。これは、依然として消費者の客観的行動に依存しているためである。本発明で使用する技術方案は、研究開発データを販売者が制御可能な点を特性としている。販売者は、研究開発データの収集方式を調整することで、前記特性値の集合を間接的に制御可能である。即ち、前記関数式を生成するための独立変数を調整することで、最終的に、より精確な市場動向予測と調整を実現する。且つ、研究開発データの収集方式を調整することで市場動向に影響を及ぼすことも可能である。この点については、本発明の後述の実施例においてより詳細に述べる。
【0039】
本発明の第1実施例として、図2は、別の製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法のフローチャートを示す。当該方法は、以下のステップを含む。
【0040】
まず、ステップS201を実行して、分配端末が前記研究端末にデータ制限命令を送信する。前記データ制限命令は、前記研究端末が収集可能な研究データの上限を決定する。具体的に、前記データ制限命令で前記研究データを限定する方式には複数の種類が存在し、例えば、前記研究データの数量を限定可能である。前記研究データの設計内容を全て収集し終わった場合を1例の研究データとみなすことができ、前記データ制限命令は1例単位で限定を行う。また、例えば、前記研究データの総量を限定してもよく、データの通常計量単位であるバイト、キロバイト、メガバイト、ビット、キロビット、メガビット等を総量算出の単位としてもよい。この場合、前記研究データが収集したデータ総量が予め設定したデータ量閾値を上回ると、前記研究端末はデータ収集を継続できなくなる。当業者は、本ステップの限定によって、データソースの広範性を保証可能となり、固定された一部の研究端末から大量のデータが取得されるとの事態が回避されることを理解し得る。
【0041】
更に、ステップS202を実行して、設計端末が前記研究データの収集サイクルを設定する。具体的に、設計端末は、研究データの収集形式、内容、ルート、方式の設計を司る。本ステップにおける前記収集サイクルは、前記研究データの収集方式に帰属する。また、これに応じて、前記データ制限命令も実質的には前記研究データの収集方式に帰属する。より具体的に、前記研究データの収集サイクルは、前記研究データの生成頻度に影響を及ぼす。
【0042】
ステップS202の具体的実現方式として、前記収集サイクルはT=f(n)との式で設定可能である。式中のnは、前記研究データに対応する製品の使用サイクルを表す。本ステップでは、当該式の演算式を具体的には限定せず、当業者は実際の応用に基づきパーソナライズ設計を実施可能である。当業者は、固定係数を設定することの利点として、次の点を理解し得る。即ち、収集サイクルと製品の使用サイクルは必ずしも一致しないため、好ましくは、固定係数を設定可能として、T=f(n)=δ×nとする。より好ましくは、前記固定係数の具体的数値を研究端末によって設定可能とする。これにより、研究端末の収集の自由度が一段と向上する。
【0043】
更に、ステップS203を実行して、前記研究端末が、データ制限命令及び前記収集サイクルに基づき前記研究データを収集する。当業者は、本ステップが前記研究データの収集方式を限定していることを理解し得る。具体的に、本ステップは、データ総量及び収集サイクルという2つの次元で収集方式を限定している。これにより、データ収集が時間どおりに規定量で完了し、且つ本発明の目的を満たし、実現することが保証される。より具体的に、従来の研究データの情報内容は研究を目的としており、且つ、研究データの収集方式を具体的には限定していない。更には、収集方式をデータ情報の一部として組み込むこともしていない。これに対し、本実施例では、データ制限命令及び前記収集サイクルを2項目の情報として前記研究データに組み込んで、後続のステップに備えている。
【0044】
更に、ステップS204を実行して、研究端末からの研究データにおける特性値の集合Xを抽出する。前記特性値の集合は、前記研究データの収集サイクルT及び研究データに対応する製品の使用期間tで構成される。ステップS102の記載を組み合わせて、本ステップでは、単に前記特性値の集合を具体的に限定しているにすぎない。即ち、前記特性値の集合は2種類の要素を含む。当業者は、製品の使用期間が、通常の研究データの情報内容として研究データに含まれることを理解し得る。これは、製品の使用効果の評価を補助するためであるが、本発明では、同様にして、市場動向の分析に用いることも可能である。
【0045】
更に、ステップS205を実行して、前記研究開発データの生成に対応する時点の販売データを抽出する。そして、ステップS204における前記特性値の集合を独立変数、前記販売データを従属変数として関数式S=f(X)=f(T,t)を構築する。式中のTは前記研究データの収集サイクルを表し、tは前記研究データに対応する製品の使用期間を表す。また、前記関数式の極値を算出するとともに、前記極値を市場動向予測の指数値とする。当業者は、ステップS103を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0046】
本発明の第2実施例として、図3は、警告情報を提供する製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法のフローチャートを示す。当該方法は、以下のステップを含む。
【0047】
まず、ステップS301を実行して、分配端末が前記研究端末にデータ制限命令を送信する。前記データ制限命令は、前記研究端末が収集可能な研究データの上限を決定する。当業者は、ステップS201を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0048】
更に、ステップS302を実行して、設計端末が前記研究データの収集サイクルを設定する。当業者は、ステップS202を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0049】
更に、ステップS303を実行して、前記研究端末がデータ制限命令及び前記収集サイクルに基づき前記研究データを収集する。当業者は、ステップS203を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0050】
更に、ステップS304を実行して、研究端末からの研究データにおける特性値の集合Xを抽出する。前記特性値の集合は、前記研究データの収集サイクルT及び研究データに対応する製品の使用期間tで構成される。当業者は、ステップS204を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0051】
更に、ステップS305を実行して、前記研究開発データの生成に対応する時点の販売データを抽出する。そして、ステップS304における前記特性値の集合を独立変数、前記販売データを従属変数として関数式S=f(X)=f(T,t)を構築する。式中のTは前記研究データの収集サイクルを表し、tは前記研究データに対応する製品の使用期間を表す。また、前記関数式の極値を算出するとともに、前記極値を市場動向予測の指数値とする。当業者は、ステップS205を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0052】
更に、ステップS306を実行して、前記関数式を決定したあと、引き続き前記研究データを収集するとともに、前記特性値の集合を抽出する。前記関数式に停留点が現れた場合には、モニタリングシステムが前記分配端末に警告信号を発する。当業者は、関数の概念として、停留点の出現時には、関数の出力値の増加停止また減少開始を表すことを理解している。即ち、停留点の出現は臨界点の出現を示している。本発明が実現しようとする目的は、研究データの分析によって市場動向を見出すことであり、臨界点の事前予測が本発明の第1の目的となる。実際の運用においては、臨界点の出現時に警告を発することで、いっそう具体的な実用性が高まる。具体的に、停留点が出現する際には、必ずしも前記関数式の極値点になるとは限らず、往々にして部分的な極限(或いは、段階的な極大値又は極小値と称される)として現れる。このことが、市場動向を掌握する際にいっそう重要となる。つまり、段階的な警告を発することで、市場動向に不可逆的な破壊が発生するのを防止する。より具体的に、本ステップの実施は、関数式が決定されていることを前提に構築される。即ち、このときの研究データは収集され続けるものであって、前記関数式を生成するための研究データではない。新たに収集された研究データを取得したあと、新たな特性値の集合を取得する。また、これに応じて、新たな特性値の集合を独立変数とすることで、対応する従属変数(即ち、販売データ)を得ることができる。当該販売データもまた関数式を生成するための履歴販売データではなく、新たに収集された研究データに基づき予測される販売データである。研究データの収集進捗の進行に伴って、いずれかの研究データに対応する特性値の集合が、前記関数式の一階偏微分が0になる点と重なった場合、モニタリングシステムは分配端末に警告信号を送信する。
【0053】
本発明の第3実施例として、図4は、調整可能な製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法のフローチャートを示す。当該方法は、以下のステップを含む。
【0054】
まず、ステップS401を実行して、分配端末が前記研究端末にデータ制限命令を送信する。前記データ制限命令は、前記研究端末が収集可能な研究データの上限を決定する。当業者は、ステップS201を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0055】
更に、ステップS402を実行して、設計端末が前記研究データの収集サイクルを設定する。当業者は、ステップS202を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0056】
更に、ステップS403を実行して、前記研究端末がデータ制限命令及び前記収集サイクルに基づき前記研究データを収集する。当業者は、ステップS203を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0057】
更に、ステップS404を実行して、研究端末からの研究データにおける特性値の集合Xを抽出する。前記特性値の集合は、前記研究データの収集サイクルT及び研究データに対応する製品の使用期間tで構成される。当業者は、ステップS204を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0058】
更に、ステップS405を実行して、前記研究開発データの生成に対応する時点の販売データを抽出する。そして、ステップS404における前記特性値の集合を独立変数、前記販売データを従属変数として関数式S=f(X)=f(T,t)を構築する。式中のTは前記研究データの収集サイクルを表し、tは前記研究データに対応する製品の使用期間を表す。また、前記関数式の極値を算出するとともに、前記極値を市場動向予測の指数値とする。当業者は、ステップS205を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0059】
更に、ステップS406を実行して、前記関数式を決定したあと、引き続き前記研究データを収集するとともに、前記特性値の集合を抽出する。前記関数式に停留点が現れた場合には、モニタリングシステムが前記分配端末に警告信号を発する。当業者は、ステップS306を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0060】
更に、ステップS407を実行して、前記分配端末が前記データ制限命令及び/又は前記収集サイクルを調整する。具体的に、前記分配端末は、警告信号を受信すると、通常は研究データ指標の分配を一時停止する。即ち、研究端末は、研究データの収集動作を一時停止する。しかし、本ステップでは、実際には研究開発データの収集方式を調整することで、前記特性値の集合を間接的に制御する。即ち、前記関数式を生成するための独立変数を調整することで、最終的に、より精確な市場動向予測と調整を実現する。且つ、研究開発データの収集方式を調整することで、市場動向にも影響を及ぼす。当業者は、次の点を理解し得る。即ち、本発明が適用される製品の大部分は、研究開発主導型の製品が主体である。つまり、製品の販売を主に専門技術的な推進に依存するものであって、単純に市場戦略や販売戦略を手段とする製品ではない。研究開発データの収集方式は、研究端末の収集挙動に影響を及ぼす。また、製品の技術先進性や専門的な影響力に間接的に作用して、最終的には販売量に反映される。これは、従来の市場占有率や価格動向、消費者集団の変化を主な変数とする販売データ分析方式よりも精確且つ持続可能である。
【0061】
より好ましい実施例において、前記データ制限命令及び/又は前記収集サイクルの調整が一定の回数を上回ったとする。例えば、回数閾値を設定しておき、分配端末が調整を行うたびに1回カウントする。そして、調整回数が回数閾値を上回った場合には、ステップS405を繰り返し実行する。即ち、関数式を再度生成する。これにより、市場動向の予測をいっそう精確に示すことができる。
【0062】
本発明の第4実施例として、図5は、精確にコントロールする製品上市後の研究におけるデータの統計分析方法のフローチャートを示す。当該方法は、以下のステップを含む。
【0063】
まず、ステップS501を実行して、分配端末が前記研究端末にデータ制限命令を送信する。前記データ制限命令は、前記研究端末が収集可能な研究データの上限を決定する。当業者は、ステップS201を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0064】
更に、ステップS502を実行して、設計端末が前記研究データの収集サイクルを設定する。当業者は、ステップS202を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0065】
更に、ステップS503を実行して、前記研究端末がデータ制限命令及び前記収集サイクルに基づき前記研究データを収集する。当業者は、ステップS203を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0066】
更に、ステップS504を実行して、研究端末からの研究データにおける特性値の集合Xを抽出する。前記特性値の集合は、前記研究データの収集サイクルT及び研究データに対応する製品の使用期間tで構成される。当業者は、ステップS204を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0067】
更に、ステップS505を実行して、前記研究開発データの生成に対応する時点の販売データを抽出する。そして、ステップS504における前記特性値の集合を独立変数、前記販売データを従属変数として関数式S=f(X)=f(T,t)を構築する。式中のTは前記研究データの収集サイクルを表し、tは前記研究データに対応する製品の使用期間を表す。また、前記関数式の極値を算出するとともに、前記極値を市場動向予測の指数値とする。
【0068】
更に、ステップS506を実行して、前記関数式を決定したあと、引き続き前記研究データを収集するとともに、前記特性値の集合を抽出する。前記関数式に停留点が現れた場合には、モニタリングシステムが前記分配端末に警告信号を発する。当業者は、ステップS306を組み合わせることで、本ステップを理解可能である。
【0069】
更に、ステップS507を実行して、前記停留点が鞍点に属するか否かを判断する。また、ステップS508を実行して、前記停留点が極大値に属するか否かを判断する。また、ステップS509を実行して、前記停留点が極小値に属するか否かを判断する。当業者は、前記関数式の決定後に、鞍点、極大値、極小値を特定可能なことを理解し得る。当然ながら、前記関数式には、鞍点、極大値、極小値のうちの1種類のみが存在する場合も複数種類が存在する場合もあるが、この点は本発明の実現に影響しない。具体的に、研究データの収集進捗の進行に伴って、いずれかの研究データに対応する特性値の集合が特定されると、本ステップでは、前記特性値の集合に対応する点が、前記関数式の鞍点、極大値、極小値のいずれかの点と重なっているか否かを判断する。より具体的に、図4に示したステップS507からステップS509は同期して実行するが、変形として、前後して実行してもよく、且つ実行順は限定しない。
【0070】
更に、前記停留点が鞍点の場合には、ステップS510を実行して、前記データ制限命令を増加させるとともに、前記収集サイクルを増加させる。また、前記停留点が極大値の場合には、ステップS511を実行して、前記データ制限命令を減少させるとともに、前記収集サイクルを増加させる。また、前記停留点が極小値の場合には、ステップS512を実行して、前記データ制限命令を増加させるとともに、前記収集サイクルを減少させる。当業者は、本段落の内容が、実際の調整を示すものであることを理解し得る。即ち、如何にして収集方式を調整することで市場動向に影響を及ぼすかを示している。これは、前記データ制限命令及び前記収集サイクルの調整が必然的に前記研究データに影響を及ぼすためである。例えば、鞍点が出現した場合には、調整によって極大値の出現を回避可能となる。また、例えば、極大値が出現した場合には、調整によって極小値の出現を回避可能となる。
【0071】
変形例において、前記研究端末の収集方式が前記データ制限命令又は前記収集サイクルに適合しない場合、前記研究端末は研究データをアップロードできない。具体的に、前記分配端末が前記データ制限命令又は前記収集サイクルを調整したあとに、研究端末が不適応となる場合が存在し得る。即ち、研究端末が依然として従来の収集方式を習慣とする場合が存在し得る。本実施例では、システムによって収集拒絶命令を設定することで、研究端末によりアップロードされる研究データが新たな要求に適応しないとの事態を回避する。且つ、研究端末の収集挙動を更に制御することで、製品の販売に間接的な影響を及ぼす。
【0072】
上記では、本発明の具体的実施例について述べた。理解すべき点として、本発明は上記の特定の実施形態に限らない。当業者は、請求項の範囲で各種の変形又は修正が可能であり、これらが本発明の実質的内容に影響を及ぼすことはない。

図1
図2
図3
図4
図5