IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 華為技術有限公司の特許一覧

特許7405955複数の管理領域のための通信方法及び装置
<>
  • 特許-複数の管理領域のための通信方法及び装置 図1
  • 特許-複数の管理領域のための通信方法及び装置 図2
  • 特許-複数の管理領域のための通信方法及び装置 図3
  • 特許-複数の管理領域のための通信方法及び装置 図4
  • 特許-複数の管理領域のための通信方法及び装置 図5
  • 特許-複数の管理領域のための通信方法及び装置 図6
  • 特許-複数の管理領域のための通信方法及び装置 図7
  • 特許-複数の管理領域のための通信方法及び装置 図8
  • 特許-複数の管理領域のための通信方法及び装置 図9
  • 特許-複数の管理領域のための通信方法及び装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】複数の管理領域のための通信方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/0895 20220101AFI20231219BHJP
   H04L 41/0631 20220101ALI20231219BHJP
【FI】
H04L41/0895
H04L41/0631
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022514030
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-02
(86)【国際出願番号】 CN2020111824
(87)【国際公開番号】W WO2021043066
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-04-12
(31)【優先権主張番号】201910823510.1
(32)【優先日】2019-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シア,ハイタオ
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/090299(WO,A1)
【文献】特表2019-536365(JP,A)
【文献】特開2018-019400(JP,A)
【文献】特表2018-523434(JP,A)
【文献】国際公開第2019/158777(WO,A1)
【文献】特表2020-530703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/0895
H04L 41/0631
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の管理領域のための通信方法であって、該複数の管理領域は、複合ネットワークサービス(NS)管理領域及びネスト化ネットワークサービス(NS)管理領域を含み、該複合NS管理領域及び該ネスト化NS管理領域は、複合ネットワーク機能仮想化オーケストレーション装置(NFVO)及びネスト化NFVOをそれぞれ含み、当該方法は、
前記複合NFVOにより、ネスト化NSインスタンスの解析及び予測情報のためのサブスクリプション要求メッセージを前記ネスト化NFVOに送信することであって、該サブスクリプション要求メッセージは、前記ネスト化NSインスタンスの識別子と、前記解析及び予測情報の種類と、対応する解析次元情報とを運ぶ、ことと、
前記複合NFVOにより、前記ネスト化NFVOによって返信されたサブスクリプション応答メッセージを受信することと、
前記複合NFVOにより、前記ネスト化NFVOによって送信され、前記ネスト化NSインスタンスの解析及び予測情報を運ぶ通知メッセージを受信することであって、該解析及び予測情報は、前記解析及び予測情報の種類に基づいて、前記ネスト化NSインスタンスに対して前記解析次元でデータ解析を行った後に、前記ネスト化NFVOによって生成される、ことと、
前記複合NFVOにより、前記受信した解析及び予測情報に基づいて、対応する管理動作を前記ネスト化NSインスタンスに対して行うことと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記サブスクリプション要求メッセージで運ばれる前記解析及び予測情報の種類は前記ネスト化NSインスタンスの解析レポートであり、前記複合NFVOにより、前記方法における、前記受信した解析及び予測情報に基づいて、対応する管理動作を行うことは、
前記複合NFVOにより、前記ネスト化NSインスタンスの受信した解析レポートを解析し、解析結果に基づいて前記ネスト化NSインスタンスにライフサイクル管理(LCM)動作を行うこと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネスト化NSインスタンスの解析レポートはヘルス解析レポートであり、該ヘルス解析レポートの解析次元情報は、前記ネスト化NSインスタンスのサービスアクセスポイントの入力及び出力バイト数及び/又は前記ネスト化NSインスタンスのサービスアクセスポイントの入力及び出力パケット数を含み、前記ヘルス解析レポートの総合評価結果はヘルス状態表示を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複合NFVOは、前記解析次元情報及び/又は前記解析レポートにおける前記ヘルス状態表示の値に基づいて、前記ネスト化NSインスタンスのスケーリングを行うのに必要な容量を特定し、前記ネスト化NFVOに、前記ネスト化NSインスタンスへのスケーリング動作を開始する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記サブスクリプション要求メッセージで運ばれる前記解析及び予測情報の種類は、前記ネスト化NSインスタンスの経験的モデルであり、前記方法における、前記複合NFVOにより、前記受信した解析及び予測情報に基づいて、対応する管理動作を行うことは、
前記複合NFVOにより、前記ネスト化NSインスタンスの前記受信した経験的モデルを解析し、解析結果に基づいて、別のネスト化NS管理領域におけるNFVOに前記ネスト化NSインスタンスの経験的モデルを送信すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ネスト化NSインスタンスの経験的モデルは、NSインスタンスのアラーム相関又は根本原因解析の経験的モデルである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記経験的モデルは、前記経験的モデルの種類及び記述情報を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
複数の管理領域のための通信方法であって、該複数の管理領域は、複合ネットワークサービス(NS)管理領域及びネスト化ネットワークサービス(NS)管理領域を含み、該複合NS管理領域及び該ネスト化NS管理領域は、複合ネットワーク機能仮想化オーケストレーション装置(NFVO)及びネスト化NFVOをそれぞれ含み、当該方法は、
前記ネスト化NFVOにより、複合NSインスタンスの解析及び予測情報のためのサブスクリプション要求メッセージを前記複合NFVOに送信することであって、該サブスクリプション要求メッセージは、前記複合NSインスタンスの識別子と、前記解析及び予測情報の種類と、対応する解析次元情報とを運ぶ、ことと、
前記ネスト化NFVOにより、前記複合NFVOによって返信されたサブスクリプション応答メッセージを受信することと、
前記ネスト化NFVOにより、前記複合NFVOによって送信され、前記複合NSインスタンスの解析及び予測情報を運ぶ通知メッセージを受信することであって、該解析及び予測情報は、前記解析及び予測情報の種類に基づいて、前記複合NSインスタンスに前記解析次元でデータ解析を行った後に、前記複合NFVOによって生成される、ことと、
前記ネスト化NFVOにより、前記受信した解析及び予測情報に基づいて、対応する管理動作を前記複合NSインスタンスに対して行うことと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記サブスクリプション要求メッセージで運ばれる前記解析及び予測情報の種類は前記複合NSインスタンスの解析レポートであり、前記ネスト化NFVOにより、前記方法における、前記受信した解析及び予測情報に基づいて、対応する管理動作を行うことは、
前記ネスト化NFVOにより、前記複合NSインスタンスの受信した解析レポートを解析し、解析結果に基づいてネスト化NSインスタンスにライフサイクル管理(LCM)動作を行うこと、
を含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記複合NSインスタンスの前記解析レポートがヘルス解析レポートの場合、該ヘルス解析レポートの解析次元情報は、前記複合NSインスタンスのサービスアクセスポイントの入力及び出力バイト数及び/又は前記複合NSインスタンスのサービスアクセスポイントの入力及び出力パケット数を含み、前記ヘルス解析レポートの総合評価結果はヘルス状態表示を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記ネスト化NFVOは、前記解析次元情報及び/又は前記解析レポートにおける前記ヘルス状態表示の値に基づいて、前記ネスト化NSインスタンスのスケーリングを行うのに必要な容量を特定し、前記ネスト化NSインスタンスにスケーリング動作を行う、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
複合NFVOであって、当該複合NFVOは複合ネットワークサービス(NS)管理領域内に位置し、当該複合NFVOは、
ネスト化NSインスタンスの解析及び予測情報のためのサブスクリプション要求メッセージをネスト化NFVOに送信するように構成された送信ユニットであって、該サブスクリプション要求メッセージは、前記ネスト化NSインスタンスの識別子と、前記解析及び予測情報の種類と、対応する解析次元情報とを運ぶ、送信ユニットと、
前記ネスト化NFVOによって返信されたサブスクリプション応答メッセージを受信するように構成された受信ユニットであって、
該受信ユニットは、前記ネスト化NFVOによって送信され、前記ネスト化NSインスタンスの解析及び予測情報を運ぶ通知メッセージを受信するようにさらに構成され、該解析及び予測情報は、前記解析及び予測情報の種類に基づいて、前記ネスト化NSインスタンスに対して前記解析次元でデータ解析を行った後に、前記ネスト化NFVOによって生成される、受信ユニットと、
前記受信した解析及び予測情報に基づいて、対応する管理動作を前記ネスト化NSインスタンスに対して行うように構成された解析及び管理ユニットと、
を含む、複合NFVO。
【請求項13】
前記サブスクリプション要求メッセージで運ばれる前記解析及び予測情報の種類が前記ネスト化NSインスタンスの解析レポートである場合、前記解析及び管理ユニットは、前記ネスト化NSインスタンスの受信した解析レポートを解析し、解析結果に基づいて前記ネスト化NSインスタンスにライフサイクル管理(LCM)動作を行うように構成されている、請求項12に記載の複合NFVO。
【請求項14】
前記サブスクリプション要求メッセージで運ばれる前記解析及び予測情報の種類が前記ネスト化NSインスタンスの経験的モデルの場合、前記解析及び管理ユニットは、前記ネスト化NSインスタンスの前記受信した経験的モデルを解析し、解析結果に基づいて、別のネスト化NS管理領域におけるNFVOに前記ネスト化NSインスタンスの経験的モデルを送信するように構成されている、請求項12に記載の複合NFVO。
【請求項15】
ネスト化NFVOであって、当該ネスト化NFVOはネスト化ネットワークサービス(NS)管理領域内に位置し、当該ネスト化NFVOは、
複合NSインスタンスの解析及び予測情報のためのサブスクリプション要求メッセージを複合NFVOに送信するように構成された送信ユニットであって、該サブスクリプション要求メッセージは、前記複合NSインスタンスの識別子と、前記解析及び予測情報の種類と、対応する解析次元情報とを運ぶ、送信ユニットと、
前記複合NFVOによって返信されたサブスクリプション応答メッセージを受信するように構成された受信ユニットであって、
該受信ユニットは、前記複合NFVOによって送信され、前記複合NSインスタンスの解析及び予測情報を運ぶ通知メッセージを受信するようにさらに構成され、該解析及び予測情報は、前記解析及び予測情報の種類に基づいて、前記複合NSインスタンスに対して前記解析次元でデータ解析を行った後に、前記複合NFVOによって生成される、受信ユニットと、
前記受信した解析及び予測情報に基づいて対応する管理動作を前記複合NSインスタンスに対して行うように構成された解析及び管理ユニットと、
を含む、ネスト化NFVO。
【請求項16】
前記サブスクリプション要求メッセージで運ばれる前記解析及び予測情報の種類が前記複合NSインスタンスの解析レポートである場合、前記解析及び管理ユニットは、前記複合NSインスタンスの受信した解析レポートを解析し、解析結果に基づいてネスト化NSインスタンスにライフサイクル管理(LCM)動作を行う、請求項15に記載のネスト化NFVO。
【請求項17】
NFVO装置であって、当該装置はプロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリは、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法を行うための実行可能なプログラム命令を記憶するように構成され、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶された前記プログラム命令を実行するように構成されている、装置。
【請求項18】
コンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、当該コンピュータ読み取り可能記憶媒体は実行可能なプログラム命令を記憶し、該実行可能なプログラム命令は、実行された場合に、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法におけるステップを行うために用いられる、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項19】
通信システムであって、当該システムは請求項12乃至14のいずれか一項に記載の複合NFVOと、ネスト化NFVOとを含み、該ネスト化NFVOは、
前記サブスクリプション要求メッセージを受信することと、
前記サブスクリプション応答メッセージを前記複合NFVOに送信することと、
前記通知メッセージを前記複合NFVOに送信することと、
を行うように構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年9月2日に中国国家知識産権局に出願された、「複数の管理領域のための通信方法及び装置」と題する中国特許出願第201910823510.1号に対する優先権を主張し、その全体が参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は通信分野に関し、特に、複数の管理領域のための通信方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワーク機能仮想化(Network Function Virtualization、NFV)とは、汎用サーバ、スイッチ及びメモリ上で一部の一部の電気通信ネットワーク機能(例えば、コアネットワークの機能)について、ソフトウェアをハードウェアから切り離して、ネットワークサービス(Network Service、NS)の迅速且つ効率的な展開及び運用を実施し、ネットワークの資本経費(CAPEX)及び運用経費(OPEX)を削減するために、電気通信ネットワークオペレ-タが情報通信技術(Information Technology、IT)分野で仮想化技術を用いることを意味する。NFV技術を適用することにより、電気通信ネットワーク機能はソフトウェア方式で実施され、汎用サーバハードウェア上で実行され、新たな装置を設置する必要なく、必要に応じてネットワークの異なる物理的な場所に移行、インスタンス化及び配備され得る。
【0004】
NFVの標準化は、ネットワークサービス、仮想化ネットワーク機能(Virtualized Network Function、VNF)及び仮想リソースの管理及びオーケストレーション(Management and Orchestration、MANO)に主に焦点があてられる。欧州電気通信規格協会(European Telecommunication Standards Institute、ETSI)傘下のNFV産業規格グループのインターフェイス及びアーキテクチャ(Interface and Architecture、IFA)ワーキンググループは、MANOの枠組みで機能を策定する。NFVの機能アーキテクチャを図1に示す。
【0005】
(1)NFVオーケストレーション装置(NFV Orchestrator、NFVO):NFVOはネットワークサービス記述子(NS descriptor、NSD)及び仮想化ネットワーク機能フォワーディンググラフ(VNF Forwarding Graph、VNFG)の管理及び処理並びにネットワークサービスライフサイクル管理を実施し、VNFMと協働してVNFのライフサイクル管理を実施し、仮想リソースのグローバルビュー機能を有する。ライフサイクル管理(Life Cycle Management、LCM)動作は、インスタンス化、スケーリング(scaling)、更新、ヒーリング(healing)、終了等の一連の管理動作プロセスを意味する。これは、インスタンスの作成から終了までのライフサイクルにおける全ての管理動作をカバーする。詳細な定義については、ETSI NFV 003:ライフサイクル管理:VNF又はNSのインスタンス化、保守及び終了に必要な一連の機能を参照のこと。
【0006】
(2)VNFマネージャ(VNF manager、VNFM):VNFMは、仮想化ネットワーク機能記述子(VNF Descriptor、VNFD)の管理、VNFのインスタンス化、VNFインスタンスのスケーリング(スケーリングアウト/アップ及びスケーリングイン/ダウンを含む)、VNFインスタンスのヒーリング(healing)及びVNFインスタンスの終了を含む、仮想化ネットワーク機能(VNF)のライフサイクル管理を行う。VNFMは、VNF自動スケーリングを実施するために、NFVOによって届けられるスケーリング(scaling)ポリシーをさらに受信できる。
【0007】
(3)仮想化インフラストラクチャマネージャ(Virtualized Infrastructure Manager、VIM): VIMは、インフラストラクチャレイヤにおける(仮想コンピューティング、ストレージ及びネットワークリソースを含む)仮想化リソースの(予約及び割り当てを含む)管理、仮想リソースの状況モニタリング及び障害報告並びに上位レイヤアプリケ-ションのために仮想化リソースプールの提供を主に関与する。
【0008】
(4)運用及び業務支援システム(Operations and Business Support Systems、OSS/BSS):オペレータの既存の運用及び保守システムOSS/BSS
【0009】
(5)エレメントマネージャ(Element Manager、EM):EMは、従来の障害管理、構成管理、アカウント管理、パフォーマンス管理、VNFのセキュリティ管理(障害管理、構成管理、アカウント管理、パフォーマンス管理、セキュリティ管理、FCAPS)機能を行う。
【0010】
(6)仮想化ネットワーク機能(Virtualized Network Function、VNF):VNFは、仮想化EPCノード(MME、SGW、PGW等)等の従来の非仮想化ネットワークにおける物理ネットワーク機能(PNF)に対応する。ネットワーク機能の機能的挙動及び状態は、ネットワーク機能が仮想化されているかどうかとは無関係である。NFVの技術的な要件は、VNF及びPNFが同じ機能的挙動及び外部インターフェイスを有することを期待している。
【0011】
(7)NFVインフラストラクチャ(NFV Infrastructure、NFVI):NFVIはNFV機能のインフラストラクチャレイヤであり、ハードウェアリソース、仮想リソ-ス及び仮想化レイヤを含む。VNFの観点からは、仮想化レイヤとハードウェアリソースとは、必要な仮想化リソースを提供可能なエンティティを構成するように見える。
【0012】
ネットワークサービス(NS)の配備のために、NSが管理領域にわたって提供されるシナリオがある。このシナリオは、大規模なサービスプロバイダが支店間のコラボレーションを通じてグローバルNSを提供する場合又は異なるサービスプロバイダがネットワーク共有プロトコルを用いることによりNSリースサービスを提供する場合に生じる。このシナリオは、ETSI NFV IFA 028の研究テーマで研究されている。グローバルNSは複合NS(composite NS)と呼ばれる。複合NSの階層構造は複数のネスト化NS(nested NS)を含み、各ネスト化NSは複合NSのそれとは異なる管理領域によって提供される。図2に示すように、管理領域は、1つ以上のデータセンタ(Data Center)、VIM及びVNFM(VNFMによって管理されるVNFを含む)を含む一連のMANO管理機能エンティティを意味する。各管理領域は、管理領域内の特定のセットのネットワークサービスのグループを提供するように設定された1つのNFVOを含む。ETSI NFV IFA 030の技術仕様で定義されているように、このシナリオにおける異なる管理領域のNFVOは、NS記述子管理、NSライフサイクル管理、NSパフォーマンス管理、NS障害管理及びNSポリシ管理等の調整を通して、ネスト化NSの管理機能を実施する。
【0013】
NFVは、電気通信ネットワーク機能のクラウド化の第一段階である。NFVは、ハードウェアからソフトウェアを切り離し、別々の購入を特徴とするビジネスモデルを用いることにより、従来の電気通信ネットワークのハードウェア購買コストを効果的に削減する。加えて、電気通信ネットワークのクラウド化の次の段階の開発目標は、ネットワークの展開及び運用並びに保守のコストをさらに削減し、サービス革新を促進するための自動化を改善することである。現在、業界における一部の規格化団体(例えば、ETSI ZSM業界規格化グループ)やオープンソース団体(例えば、ONAP)の全ては、電気通信ネットワークの運用及び保守の自動化に関する研究に携わっている。
【0014】
NFV分野では運用及び保守の自動化に関する研究が行われており、複数の管理領域におけるネットワークサービスの提供は実証効果のある基礎研究シナリオである。各管理領域は、運用及び保守管理の自律ドメインとみなされ得る。仮想化ネットワーク機能(Virtualized VNF)管理及び自律ドメインにおける仮想リソース管理は、垂直フルスタック(Full Stack)ソリューションを用いることにより提供され、NFVO管理及びオーケストレーションを通して自律ドメイン間で高レベルの運用及び保守の自動化が実施される。
【0015】
現在、NFV MANO規格では、運用及び保守管理の自動化をサポートするメカニズムがほとんど提供されていない。上位レベル管理エンティティ(例えば、NFVO)は、下位レベル管理エンティティ(例えば、VNFM)に対して、管理対象オブジェクト(例えば、VNF)に向けられた管理動作を開始する。下位管理エンティティは、動作要求コマンドをパースし、管理動作を行い、動作要求を開始した上位管理エンティティ、例えばOSS/aBSSに実行結果をフィードバックする。加えて、その後の動作を決定するためには、手作業による参加が必要である。複数の管理領域にNSが設けられているシナリオでは、NFVO間の協調のためにこのトップダウン動作方法も用いられている。この状態は、NFVドメインにおける運用及び保守の自動化に対してもたらされる機能サポートは比較的低いレベルのものとなり、インテリジェントマスデータ解析モジュールがNFVドメインに将来導入された後のビッグデータの運用及び保守の間に大きな閉ループ自動化(解析、フィードバック、及び分布)の要求を満たさない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の実施形態で提供される技術的解決策は、従来技術におけるNFVシステムの動作及び保守の自動化の程度が比較的低いという技術的課題を解決することができる。技術的解決策は方法、装置等を含む。詳細は以下の通りである。
【0017】
複数の管理領域のための通信方法が提供され、該複数の管理領域は、複合ネットワークサービス(NS)管理領域及びネスト化ネットワークサービス(NS)管理領域を含み、該複合NS管理領域及び該ネスト化NS管理領域は、複合ネットワーク機能仮想化オーケストレーション装置(NFVO)及びネスト化NFVOをそれぞれ含み、当該方法は、
前記複合NFVOが、ネスト化NSインスタンスの解析及び予測情報のためのサブスクリプション要求メッセージを前記ネスト化NFVOに送信することであって、該サブスクリプション要求メッセージは、前記ネスト化NSインスタンスの識別子と、前記解析及び予測情報の種類と、対応する解析次元情報とを伝える、ことと、
前記複合NFVOが、前記ネスト化NFVOによって返信されたサブスクリプション応答メッセージを受信することと、
前記複合NFVOが、前記ネスト化NFVOによって送信され、前記ネスト化NSインスタンスの解析及び予測情報を伝える通知メッセージを受信することであって、該解析及び予測情報は、前記解析及び予測情報の種類に基づいて、前記ネスト化NSインスタンスに対して前記解析次元でデータ解析を行った後に、前記ネスト化NFVOによって生成される、ことと、
前記複合NFVOが、前記受信した解析及び予測情報に基づいて、対応する管理動作を行うことと、を含む。
本発明の実施形態は、複数の管理領域のための通信方法を提供し、該複数の管理領域は、複合ネットワークサービス(NS)管理領域及びネスト化ネットワークサービス(NS)管理領域を含み、該複合NS管理領域及び該ネスト化NS管理領域は、複合ネットワーク機能仮想化オーケストレーション装置(NFVO)及びネスト化NFVOをそれぞれ含み、当該方法は、
前記ネスト化NFVOが、ネスト化NSにライフサイクル管理(LCM)動作を行うことと、
前記ネスト化NFVOが、前記LCM動作を調整するための要求メッセージを前記複合NFVOに送信することであって、該要求メッセージは、前記LCM動作の種類と、前記LCM動作が位置する動作ステージとを伝える、ことと、
前記ネスト化NFVOが、前記複合NFVOによって返信されたLCM調整応答を受信することであって、該応答メッセージは、前記ネスト化NSのLCMのための前記複合NFVOの調整動作命令を伝える、ことと、
前記ネスト化NFVOが、前記調整動作命令に基づいて、前記ネスト化NSに対してLCM動作を行うことと、を含む。
【0018】
本発明の一実施形態は、複数の管理領域のための通信方法を提供する。該複数の管理領域は、複合ネットワークサービス(NS)管理領域及びネスト化ネットワークサービス(NS)管理領域を含み、該複合NS管理領域及び該ネスト化NS管理領域は、複合ネットワーク機能仮想化オーケストレーション装置(NFVO)及びネスト化NFVOをそれぞれ含み、当該方法は、
前記ネスト化NFVOが、複合NSインスタンスの解析及び予測情報のためのサブスクリプション要求メッセージを前記複合NFVOに送信することであって、該サブスクリプション要求メッセージは、前記複合NSインスタンスの識別子と、前記解析及び予測情報の種類と、対応する解析次元情報とを伝える、ことと、
前記ネスト化NFVOが、前記複合NFVOによって返信されたサブスクリプション応答メッセージを受信することと、
前記ネスト化NFVOが、前記複合NFVOによって送信され、前記複合NSインスタンスの解析及び予測情報を伝える通知メッセージを受信することであって、該解析及び予測情報は、前記解析及び予測情報の種類に基づいて、前記複合NSインスタンスに前記解析次元でデータ解析を行った後に、前記複合NFVOによって生成される、ことと、
前記ネスト化NFVOが、前記受信した解析及び予測情報に基づいて、対応する管理動作を行うことと、を含む。
【0019】
前記サブスクリプション要求メッセージで運ばれる前記解析及び予測情報の種類は前記NSインスタンスの解析レポートであり得るか又はNSインスタンスの経験的モデルであり得る。
【0020】
また、解析レポートはヘルス解析レポートであり得る。該ヘルス解析レポートの解析次元情報は、前記複合NSインスタンスのサービスアクセスポイントの入力及び出力バイト数及び/又は前記複合NSインスタンスのサービスアクセスポイントの入力及び出力パケット数を含む。前記ヘルス解析レポートは総合評価結果をさらに含み、それはヘルス状態表示等を含む。
【0021】
本発明の一実施形態は、複合NFVOをさらに提供し、当該複合NFVOは複合ネットワークサービス(NS)管理領域内に位置し、当該複合NFVOは、
ネスト化NSインスタンスの解析及び予測情報のためのサブスクリプション要求メッセージをネスト化NFVOに送信するように構成された送信ユニットであって、該サブスクリプション要求メッセージは、前記ネスト化NSインスタンスの識別子と、前記解析及び予測情報の種類と、対応する解析次元情報とを伝える、送信ユニットと、
前記ネスト化NFVOによって返信されたサブスクリプション応答メッセージを受信するように構成された受信ユニットであって、
該受信ユニットは、前記ネスト化NFVOによって送信され、前記ネスト化NSインスタンスの解析及び予測情報を伝える通知メッセージを受信するようにさらに構成され、該解析及び予測情報は、前記解析及び予測情報の種類に基づいて、前記ネスト化NSインスタンスに対して前記解析次元でデータ解析を行った後に、前記ネスト化NFVOによって生成される、受信ユニットと、
前記受信した解析及び予測情報に基づいて、対応する管理動作を行うように構成された解析及び管理ユニットと、を含む。
【0022】
本発明の実施形態は、ネスト化NFVOを提供し、当該ネスト化NFVOはネスト化ネットワークサービス(NS)管理領域内に位置し、当該ネスト化NFVOは、
複合NSインスタンスの解析及び予測情報のためのサブスクリプション要求メッセージを複合NFVOに送信するように構成された送信ユニットであって、該サブスクリプション要求メッセージは、前記複合NSインスタンスの識別子と、前記解析及び予測情報の種類と、対応する解析次元情報とを伝える、送信ユニットと、
前記複合NFVOによって返信されたサブスクリプション応答メッセージを受信するように構成された受信ユニットであって、
該受信ユニットは、前記複合NFVOによって送信され、前記複合NSインスタンスの解析及び予測情報を伝える通知メッセージを受信するようにさらに構成され、該解析及び予測情報は、前記解析及び予測情報の種類に基づいて、前記複合NSインスタンスに対して前記解析次元でデータ解析を行った後に、前記複合NFVOによって生成される、受信ユニットと、
前記受信した解析及び予測情報に基づいて対応する管理動作を行うように構成された解析及び管理ユニットと、を含む。
【0023】
本発明の実施形態は、ネスト化NFVOを提供する。当該ネスト化NFVOはネスト化ネットワークサービス(NS)管理領域内に位置し、当該ネスト化NFVOは、
ネスト化NSにライフサイクル管理(LCM)動作を行うように構成された解析及び管理ユニットと、
前記LCM動作を調整するための要求メッセージを複合NFVOに送信するように構成された送信ユニットであって、該要求メッセージは、前記LCM動作の種類と、前記LCM動作が位置する動作ステージとを伝える、ことと、
前記複合NFVOによって返信されたLCM調整応答を受信するように構成された受信ユニットであって、該応答メッセージは、前記ネスト化NSのLCMのための前記複合NFVOの調整動作命令を伝える、受信ユニットと、
を含み、
前記解析及び管理ユニットは前記調整動作命令に基づいて前記ネスト化NSに対してLCM動作を行うように構成されている。
【0024】
本発明の一実施形態はNFVO装置を提供し、当該装置はプロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリは、前述の方法のいずれか1つを行うための実行可能なプログラム命令を記憶するように構成され、
前記プロセッサは、NFVO装置が前述の方法のいずれか1つに記載のステップを行うように、前記メモリに記憶された前記プログラム命令を実行するように構成されている。
【0025】
本発明の一実施形態は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体を提供し、当該コンピュータ読み取り可能記憶媒体は実行可能なプログラム命令を記憶し、該実行可能なプログラム命令は、実行された場合に、前述の方法のいずれか1つにおけるステップが行われる。
【0026】
本発明の一実施形態は、コンピュータプログラム製品をさらに提供し、実行された場合、コンピュータ製品は、前述の方法のステップを行うために用いられる。
【0027】
複数の管理領域が存在するシナリオにおいて、本発明の実施形態では、異なるNFVO間で解析及び予測情報がサブスクライブ及び取得されることにより、NSライフサイクル管理の閉ループ自動化の程度が改善される。また、複合NFVO及びネスト化NFVOには組み込みデータ解析モジュール(例えば、AIアルゴリズムを有する)が配置されているため、解析結果の精度及び解析効率が従来技術における手動判定のものよりも高い。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、従来技術におけるNFVシステムのアーキテクチャの概略図である。
図2図2は、従来技術における複数の管理領域を有するシステムのアーキテクチャの概略図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る、ネスト化NSインスタンスの解析レポートをサブスクライブすることのフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施形態に係る、ネスト化NSインスタンスの経験的モデルをサブスクライブすることのフローチャートである。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る、ネスト化NSのライフサイクル管理のフローチャートである。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る、複合NSインスタンスの解析レポートをサブスクライブすることのフローチャートである。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る、複合NFVOの構造の概略図である。
図8図8は、本発明の一実施形態に係る、ネスト化NFVOの構造の概略図である。
図9図9は、本発明の一実施形態に係る、別のネスト化NFVOの構造の概略図である。
図10図10は、本発明の一実施形態に係る、NFVO装置のハードウェア図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本願の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするために、添付の図面を参照しながら本発明の実施をさらに詳細に説明する。
【0030】
本発明の解決策は、複数の管理領域のための通信方法を提供する。複数の管理領域が存在するシナリオでは、管理領域内のNFVOは、関連する管理領域内のNFVOからのNSインスタンスの解析及び予測情報をサブスクライブして、関連する管理領域内のNSインスタンスの動作状態の監視及び解析を強化し、このフィードバックメカニズムに基づいて対応する管理動作をNSインスタンスに対して自動的にトリガする。
【0031】
図2を参照して、3つの管理領域(Administrative Domain)のそれぞれは1つのNFVO (NFVO-1、NFVO-2及びNFVO-3)で構成されている。複合NSは2つのネスト化NSを含む。複合NSはNFVO-1によって管理され、2つのネスト化NSはNFVO-2及びNFVO-3によってそれぞれ管理されている。図2において、NFVO-1およびNFVO-2が位置する管理領域は相互に関連する管理領域であり、NFVO-1及びNFVO-3が位置する管理領域は相互に関連する管理領域である。複合NSと任意のネスト化NSの間で関連NSが形成され、2つのネスト化NSは相互に関連しないNSである。
【0032】
複数の管理領域が存在するシナリオでは、複合NSを管理するためのNFVOを複合NFVO(Composite)と呼ばれ、ネスト化NSを管理するためのNFVOはネスト化NFVO(NEVO-Nested)と呼ばれる。複合NFVO及びネスト化NFVOはそれぞれのデータ解析モジュールで構成されている。データ解析モジュールは、複数の異なるデータソース(例えば、NFVOの管理領域内の1つ以上のVNFM又はVIM)からNFVOによって収集されたデータを知的に解析して、NSの運用及び保守管理プロセスで用いられる、分野に特有の知識又は経験を形成するために、人工知能(Artificial Intelligence、AI)アルゴリズムを用いて構成され得る。収集されたデータは、パフォーマンス/アラームデータ、インスタンスの状態データ等を含む。
【0033】
前述のデータ解析モジュールに関して、3GPP SA2は、リリ-ス16(TR 23.791)において5Gのネットワーク自動化のためのイネーブラーの研究を行っている。ネットワークデータ解析機能(Network Data Analytics Function、NWDAF)は、5Gコアネットワーク用のサービスベースアーキテクチャ(Service Based Architecture、SBA)に導入されており、その機能は前述のデータ解析モジュールの機能と同様である。ネットワーク機能自動化の基本原理は次の通りである。NWDAFは、周辺制御プレーン上のネットワーク機能(又はサービス)からネットワークデータ解析に必要な入力情報をサブスクライブし、NWDAFの解析アルゴリズム(一般に、解析アルゴリズムは人工知能能力を有すると考えられている)の実行を通じて、ポリシ制御機能(Policy Control Function)等の他のネットワーク機能(又はサービス)に対して解析結果を配信して、より高次のポリシ配信及び実行を支援することである。
【0034】
解析及び予測情報は、前述のデータ解析モジュールにより出力されるコンテンツである。データ解析モジュールによって形成される、分野に特有の知識又は経験は、解析及び予測情報の形式で加入者に提供される。解析及び予測情報は、NS運用及び保守管理の異なる次元を提示し得る。解析及び予測情報は、NSインスタンスの解析レポートであってもよく、例えば、NSインスタンスのヘルスレポート(Analytic ID=NS Healthy)であり得る。管理領域内のNFVOは、管理領域及び/又は関連する管理領域からNSインスタンスの情報(パフォーマンス管理データ、障害管理データ、イベント及び状態等)を収集し、その情報を、解析及び処理のためにデータ解析モジュールに送信して、稼働状態にあるNSインスタンスのヘルス解析結果(良好、半良好又は不良)を形成する。
【0035】
また、解析及び予測情報はNSインスタンスの経験的モデルであってもよく、経験的モデルは、NS運用及び保守管理の複数の次元をカバーし得る。経験的モデルの基本的な情報構造は、経験的モデルの識別情報、経験的モデルの記述情報、経験的モデルの種類及び経験的モデルファイルの記憶アドレスを含む。ネスト化NFVOのデータ解析モジュールは、ネスト化NSインスタンスメンバのVNFの大量のデータ(パフォーマンス、動作状態、アラーム等)を収集し、データ解析モジュールの大量の入力情報としてデータを用いる。データ解析モジュールは、入力情報としてネスト化NSの他のモデル情報(例えば、ネスト化NSのトポロジ情報)を用い、AI解析を介して、対応するトポロジ条件のための経験的モデルを形成し得る。異なる経験的モデルは異なるNS運用及び保守次元又はテーマを有し、異なる次元で形成された経験的モデルは異なるモデル属性フィールドを有し、例えば、NS障害管理のためにNSインスタンスのアラーム相関/根本原因(Root Cause)解析の経験的モデルが形成される。NSインスタンスのアラーム相関/根本原因解析の経験的モデルでは、タイプA、B、Cのアラームが管理領域のNSインスタンスに対して同時に又は連続的に発生し、対応する環境変数が用いられる場合、NSインスタンスの障害の根本原因がDであると特定され得る。経験的モデルはNFVOが将来の来るべきイベントを予測、例えば、来るべき障害の根本原因をアラーム情報の発生のルールに基づいて予測し、障害の発生を回避するために先手をうつのを助ける。
【0036】
解析及び予測情報は、代替的に、NSトポロジ(NS Topology)モデルレポートであり得る。管理領域及び/又は関連する管理領域におけるNSメンバーの親和性(affinity)/反親和性(anti-affinity)ルール及びネットワークリンクのQoS/可用性状態の要件に基づいて、NFVOは、データ解析モジュールを用いることにより解析及び処理を行うことにより、NSに関するトポロジ接続モデルを形成する。トポロジ接続モデルは、NSが位置する管理領域又は関連する管理領域において促進され、参照され得る。
【0037】
本発明は複数の実施形態を含み、これらの実施形態は全て複数の管理領域間のやりとりに関する。複数の管理領域は複合ネットワークサービス管理領域(NS)及び1つ以上のネスト化ネットワークサービス管理領域(NS)を含み、該複合NS管理領域及び該ネスト化NS管理領域は、複合ネットワーク機能仮想化オーケストレーション装置(NFVO)及びネスト化NFVOをそれぞれ含む。図3は、本発明の第1の実施形態のフローチャートである。このフローチャートは、ネスト化NSの解析レポートをサブスクライブするための手順に関連し、該手順は主に以下のステップを含む。
【0038】
301.複合NFVOは、ネスト化NSインスタンスの解析レポートのためのサブスクリプション要求メッセージをネスト化NFVOに送信し、該サブスクリプション要求メッセージは、ネスト化NSインスタンスの識別子と、サブスクライブされる解析レポートの特定の形態と、対応する解析次元情報とを伝える。
【0039】
上述のように、解析レポートは、特定種類の解析及び予測情報であり、解析レポートは多くの種類又は形式のものであってもよく、ヘルス解析レポートであり得るか又はNSトポロジモデルレポートであり得る。ヘルス解析レポートの場合、解析次元は、ヘルス状態表示(良好、半良好又は不良等)又はネスト化NSインスタンスのサービスアクセスポイントの入出力バイト数及び/又はネスト化NSインスタンスのサービスアクセスポイントの入出力パケット数等のヘルスに関連する次元である。
【0040】
302.ネスト化NFVOは、NSの解析レポートに対するサブスクリプション応答メッセージを複合NFVOに返し、複合NFVOがネスト化NSの解析レポートをサブスクライブすることを受け入れる。
【0041】
303.ネスト化NFVOは、ネスト化NFVOによって収集されたデータに対して、解析次元でデータ解析を行い、解析及び処理の後にNSインスタンスの解析レポートを形成する。例えば、ネスト化NFVOは、組み込みデータ解析モジュールを用いることにより且つ特定の種類の解析及び予測情報に基づいて、ネスト化NSインスタンスの特定のデータ、例えば、性能/アラームデータ、状態データ及び構成データを受信し、そのデータをデータ解析アルゴリズムへの入力として用いて、解析及び予測を完了させ得る。NSインスタンスの解析レポートの基本属性フィ-ルドは解析レポートの識別情報、解析レポートの記述情報、解析レポートの種類及び/又は解析レポートファイルのストレージアドレス(URL等)を含む。上記の基本属性フィ-ルドに加えて、異なる種類の解析レポートは他の異なる属性フィールドを有する。
【0042】
304.ネスト化NFVOは通知メッセージを複合NFVOに送信し、通知メッセージは、ステップ303で生成されるNSインスタンスの解析レポートを伝える。
【0043】
305.複合NFVOの組み込みデータ解析モジュールは、NSインスタンスの受信した解析レポートを解析し、解析結果に基づいてネスト化NSに対してライフサイクル管理動作を開始する。
【0044】
この実施形態では、複合NFVOがネスト化NFVOから、ネスト化NSのヘルスレポートをサブスクライブしている場合、複合NFVOは受信したヘルスレポートを解析し、ネスト化NSに対してライフサイクル管理動作を開始する。ヘルス解析レポートは総合評価結果を含んでもよく、例えばヘルス状態表示(良好、半良好又は不良等)を含んでもよく、ヘルス解析レポートの解析次元情報は、ネスト化NSインスタンスのサービスアクセスポイントの入出力バイト数及び/又はネスト化NSインスタンスのサービスアクセスポイントの入出力パケット数を含み得る。複合NFVOは、解析次元情報及び/又は解析レポート内のヘルス状態表示の値に基づいて、ネスト化NSインスタンスのスケーリングを行うために必要な容量を決定し、ネスト化NFVOに対するネスト化NSインスタンスに対するスケーリング動作を開始する。
【0045】
図4は本発明の第2の実施形態のフローチャートである。このフローチャートは、経験的モデルをサブスクライブし、経験的モデルを解析及び関連処理を行うための手順に主に関する。手順のステップは、前述の第1の実施形態における図3のステップと同様である。手順は以下のステップを主に含む。
【0046】
401.複合NFVOはネスト化NFVOにサブスクリプション要求メッセージを送信し、要求メッセージはネスト化NSインスタンスの識別子、ネスト化NSインスタンスの経験的モデルのためのサブスクリプション要求及び対応する解析次元情報を伝える。
【0047】
402.ネスト化NFVOは、ネスト化NSインスタンスの経験的モデルのためのサブスクリプション応答メッセージを複合NFVOに返信し、複合NFVOがネスト化NSインスタンスの経験的モデルをサブスクライブすることを受け入れる。
【0048】
403.ネスト化NFVOの組み込みデータ解析モジュールは、ネスト化NFVOによって収集されたデータに対して、解析次元でデータ解析を行い、解析及び処理の後にネスト化NSインスタンスの経験的モデルを生成する。
【0049】
NSインスタンスの経験的モデルは、NFVOの組み込みデータ解析モジュールによって計算されたNSインスタンスの集合(NSメンバーのソフトウェアイメージ及び/又は構成情報を含む)のコピーであり、特定の環境における特定のテ-マと一致する。この一致関係は手動で識別又は決定することはできない。
【0050】
404.ネスト化NFVOは、NSインスタンスの経験的モデルのための通知メッセージを複合NFVOに送信し、通知メッセージは、ステップ403で生成されたNSインスタンスの経験的モデルを伝える。
【0051】
405.複合NFVOの組み込みデータ解析モジュールは、ネスト化NSインスタンスの受信した経験的モデルを解析する。
【0052】
406.複合NFVOは、ネスト化NSインスタンスの経験的モデルを分散管理領域での使用のために複製できるように、解析結果に基づいて、ネストされたNFVOによってフィードバックされるネスト化NSインスタンスの経験的モデルを、別の管理領域のネスト化NFVOに送ることを決定する。
【0053】
以下では、特定の例を用いて、前述のステップ405及び406を説明する。
【0054】
経験的モデルにおけるネスト化NSメンバーのソフトウェアイメージ及び/又は構成情報は、99.999%の信頼性と、人口密度が高く且つ帯域幅適用要求が高い商用エリア(ネスト化管理領域Aに属する)における高い可用性を有する。そして、NFVOの組み込みデータ解析モジュールは、ネスト化NSの動作環境のパラメータをマッチングさせることにより解析を行って、同じネスト化NSメンバーのソフトウェアイメージ(バージョン)及び構成情報を、同じ人口密度及び高い帯域幅適用要件を有する別の商用エリア(ネスト化管理領域Bに属する)に配信できるかどうかを判断し、管理領域Bのネスト化NFVOは、管理領域Bにおける経験的モデルの実施を完了する。同じネスト化NSメンバーのソフトウェアイメージ(バージョン)及び構成情報が同じ人口密度及び高い帯域幅適用要件を有する別の商用エリア(ネスト化管理領域Bに属する)に適用可能な場合、管理領域Bのネスト化NFVOは、経験的モデルのソフトウェアイメージバージョンを管理領域Bにロードし、管理領域B内のVNFMに対して、経験的モデルにおけるNSメンバーのVNF情報を変更するための天順を開始する。
【0055】
図5は、本発明の第3の実施形態に係るネスト化NSのライフサイクル管理のフローチャートである。図は、ネスト化NFVOがネスト化NSに対してライフサイクル管理動作を行った場合、ネスト化NFVOは、ネスト化NSに対して行われるライフサイクル管理動作と別のネスト化NSインスタンスに対して行われるライフサイクル管理動作との間でのコンフリクトを避けるために、複合NFVOに対してライフサイクル管理調整(LCM調整)のための要求を開始する。この実施形態の手順は以下のステップを主に含む。
【0056】
501.ネスト化NFVOは、ネスト化NSに対してライフサイクル管理(LCM)動作を行う。
【0057】
ネスト化NSに対するライフサイクル管理(LCM)動作は、ネスト化NFVOがOSS/BSSからライフサイクル管理要求を受信し、次に、該要求に基づいて対応するLCM動作を行うというものであり得る。
【0058】
502.ネスト化NFVOは、LCM動作を調整するための要求メッセージを複合NFVOに送信し、該要求メッセージは、LCM動作の種類及びLCM動作が位置する動作ステージを伝える。
【0059】
動作ステージは、開始ステージ、中間ステージ及び終了ステージ等のステージを含む。例えば、要求メッセージは、ネスト化NFVOによりネスト化NSインスタンスに対してスケーリングアウト(scaling out)動作を行うべきことを運び、動作ステージは中間ステージである。
【0060】
503.複合NFVOの組み込みデータ解析モジュールは、受信したLCM調整要求に基づいて且つネ複合NFVOによって収集されたデータを参照して、ネスト化NSに対するライフサイクル管理動作のための要求を解析し、例えば、別のネスト化NSインスタンスに対して行われている動作と潜在的なコンフリクトがあるかどうかを判定する。
【0061】
例えば、ネスト化NFVOがネスト化NSインスタンスに対してスケーリングアウト動作を行う必要がある場合、ネスト化NFVOはLCM調整要求を複合NFVOに送信し、複合NFVOは、現在の複合NS又は他のネスト化NSに対して行われる動作が、ネスト化NSインスタンスに対して行われるべきスケーリングアウト動作と競合するかどうか判定する。
【0062】
504.複合NFVOは、LCM協調応答をネスト化NFVOに返信し、応答メッセージは、ネスト化NSのLCMのための複合NFVOの動作命令、例えば、実行の中止、実行の継続、遅延後の実行又は遅延後の再試行を伝える。例えば、「遅延後に実行」又は「遅延後に再試行」の動作指示の場合、応答メッセージは遅延時間をさらに示す。
【0063】
ステップ503の例を説明のために依然として用いる。ネットワークサービスヒーリング(NS Healing)動作が、ネスト化NSインスタンスと依存関係にある別のネスト化NSインスタンスに行われ、該動作が、ネスト化NSインスタンスに対して行われるべきスケーリングアウト動作と競合するか又は競合する可能性がある場合、複合NFVOは、ネスト化NSインスタンスに対して行われるべきスケーリングアウト動作を一時的に中断するようネスト化NFVOを示し、従属関係にあるネスト化NSインスタンスBに対してNSヒーリング動作が行われた後に、複合NFVOは、ネスト化NSインスタンスに対してスケーリングアウト動作を行うようネスト化NFVOに示す。
【0064】
505.ネスト化NFVOは、ステップ504でフィードバックされた調整動作命令に基づいてネスト化NSに対してLCM動作を行う。
【0065】
図6は、本発明の第4の実施形態のフローチャートである。フローチャートは、複合NFVOから、ネスト化NFVOが複合NSインスタンスの解析及び予測情報をサブスクライブすることに関する。この実施形態では、解析及び予測情報の種類は、複合NSインスタンスの解析レポートである。本実施形態は以下のステップを主に含む。
【0066】
601.ネスト化NFVOは、複合NSインスタンスの解析レポートのためのサブスクリプション要求メッセージを複合NFVOに送信し、要求メッセージは複合NSインスタンスの識別子、複合NSインスタンスの解析レポート及び対応する解析次元情報を伝える。
【0067】
602.複合NFVOはサブスクリプション応答メッセージをネスト化NFVOに返信し、ネスト化NFVOの前述のサブスクリプション要求を受け入れる。
【0068】
603.前述の第1の実施形態のステップ303と同様に、複合NFVOの組み込み解析モジュールは、複合NSインスタンスの解析レポートを生成するために、複合NFVOによって収集されたデータに対して解析次元でデータ解析を行う。
【0069】
604.複合NFVOはネスト化NFVOに通知メッセージを送信し、通知メッセージは、ステップ603で生成された複合NSインスタンスの解析レポートを伝える。
【0070】
605.ネスト化NFVOは、複合NSインスタンスの受信した解析レポートに基づいて、ネスト化NSに対してライフサイクル管理動作を行う。
【0071】
また、この実施形態では、複合NFVOからネスト化NFVOによってサブスクライブされる解析レポートの種類が複合NSのヘルスレポートの場合、ネスト化NFVOは、複合NSの受信したヘルスレポートを解析し、ローカルネスト化NSに対してライフサイクル管理動作を開始する。
【0072】
本発明の実施形態では、複合NFVO及びネスト化NFVOは、前述の方法の例に基づいて機能ユニットに分割され得る。例えば、各機能ユニットは、対応する機能に基づいて分割を通じて得られてもいいし、2つ以上の機能が1つの処理ユニットに統合されてもよい。統合されたユニットはハードウェアの形態で実施され得るか又はソフトウェア機能ユニットの形態で実施され得る。なお、本発明の実施形態では、ユニット分割は一例にすぎず、論理的な機能分割にすぎない。実際の実施では、別の分割方法が用いられ得る。
【0073】
図7は、前述の実施形態における複合NFVOの構造の可能な概略図である。同様に、複合NFVO及びネスト化NFVOは、複合NS管理領域及びネスト化NS管理領域にそれぞれ位置する。複合NFVO700は、送信ユニット701、受信ユニット702及び解析管理ユニット703を含む。
【0074】
送信ユニット701は、ネスト化NSインスタンスの解析及び予測情報のためのサブスクリプション要求メッセージをネスト化NFVOに送信するように構成され、サブスクリプション要求メッセージは、ネスト化NSインスタンスの識別子、解析及び予測情報の種類及び対応する解析次元情報を伝える。
【0075】
受信ユニット702は、ネスト化NFVOによって返信されたサブスクリプション応答メッセージを受信するように構成されている。
【0076】
受信ユニット720は、ネスト化NFVOによって送信され、ネスト化NSインスタンスの解析及び予測情報を伝える通知メッセージを受信するようにさらに構成され、該解析及び予測情報は、解析及び予測情報の種類に基づいて、ネスト化NSインスタンスによって収集されたデータに対して解析次元でデータ解析を行った後に、ネスト化NFVOの組み込みデータ分析モジュールによって生成される。
【0077】
解析及び管理ユニット703は、受信した解析及び予測情報に基づいて対応する管理動作を行うように構成されている。
【0078】
サブスクリプション要求メッセージで伝えられる解析及び予測情報の種類は、NSインスタンスの解析レポートであり得るか又はNSインスタンスの経験的モデルであり得る。
【0079】
サブスクリプション要求メッセージで伝えられる解析及び予測情報がNSインスタンスの解析レポートの場合、解析及び管理ユニット703は、ネスト化NSインスタンスの受信した解析レポートを解析し、解析結果に基づいてネスト化NSインスタンスに対してライフサイクル管理(LCM)動作を行う。
【0080】
サブスクリプション要求メッセージで伝えら得る解析及び予測情報がNSインスタンスの経験的モデルの場合、解析及び管理ユニット703は、ネスト化NSインスタンスの受信した経験的モデルを解析し、解析結果に基づいて、ネスト化NSインスタンスの経験的モデルを別のネストされたNS管理領域内のNFVOに送信する。
【0081】
複合NFVO700のユニットは、前述の関連方法の実施形態における他のステップも行い得ることが理解され、詳細についてはここでは再度説明しない。
【0082】
図8は、前述の実施形態におけるネスト化NFVOの構造の可能な概略図である。同様に、複合NFVO及びネスト化NFVOは、複合NS管理領域及びネスト化NS管理領域にそれぞれ位置する。ネスト化NFVO800は、送信ユニット801、受信ユニット802及び解析及び管理ユニット803を含む。
【0083】
送信ユニット801は、複合NSインスタンスの解析及び予測情報のためのサブスクリプション要求メッセージを複合NFVOに送信するように構成され、サブスクリプション要求メッセージは、複合NSインスタンスの識別子と、解析及び予測情報の種類と、対応する解析次元情報とを伝える。
【0084】
受信ユニット802は、複合NFVOによって返信されたサブスクリプション応答メッセージを受信するように構成されている。
【0085】
受信ユニット802は、複合NFVOによって送信され、複合NSインスタンスの解析及び予測情報を伝える通知メッセージを受信するようにさらに構成され、解析及び予測情報は、解析及び予測情報の種類に基づいて、複合NFVOによって収集されたデータに対して解析次元でデータ解析を行った後に、複合NFVOによって生成される。
【0086】
解析及び管理ユニット803は、受信した解析及び予測情報に基づいて対応する管理動作を行うように構成されている。
【0087】
サブスクリプション要求メッセージで運ばれる解析及び予測情報が複合NSインスタンスの解析レポートの場合、解析及び管理ユニット803は、複合NSインスタンスの受信した解析レポートを解析し、解析結果に基づいてネスト化NSインスタンスにライフサイクル管理(LCM)動作を行う。
【0088】
ネスト化NFVO800のユニットは、前述の関連方法の実施形態における他のステップも行い得ることが理解され、詳細についてはここでは再度説明しない。
【0089】
図9は、前述の実施形態におけるネスト化NFVOの構造の可能な概略図である。同様に、複合NFVO及びネスト化NFVOは、複合NS管理領域及びネスト化NS管理領域にそれぞれ位置する。ネスト化NFVO900は、送信ユニット901、受信ユニット902及び解析及び管理ユニット903を含む。
【0090】
解析及び管理ユニット903は、ネスト化NSにライフサイクル管理(LCM)動作を行うように構成されている。
【0091】
送信ユニット901は、LCM動作を調整するための要求メッセージを複合NFVOに送信するように構成され、該要求メッセージは、LCM動作の種類と、LCM動作が位置する動作ステージとを伝える。
【0092】
受信ユニット902は、複合NFVOによって返信されたLCM調整応答を受信するように構成され、該応答メッセージは、ネスト化NSのLCMのための複合NFVOの調整動作命令を伝える。
【0093】
解析及び管理ユニット903は調整動作命令に基づいてネスト化NSに対してLCM動作を行うように構成されている。
【0094】
調整動作命令に基づいてネスト化NSにLCM動作を行うことは、LCM動作を継続して行うことと、LCM動作を行うのを中止することと、LCM動作を行うのを延期することと、を含む。
【0095】
図10は、本発明の別の実施形態に係るNFVO100の装置ハードウェア図である。装置は、プロセッサ、通信インターフェイス及びメモリを含み得る。
【0096】
プロセッサ101は1つ以上の処理ユニットを含み得る。処理ユニットは、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、ネットワークプロセッサ(network processor、NP)等であり得る。
【0097】
通信インターフェイス102は、他の通信装置に接続され、対応するメッセージの送受信を含む情報を交換するように構成されている。NFVO100はメモリ103をさらに含んでもよく、プロセッサ101は、バスを用いてメモリ103及び通信インターフェイス102に接続され得る。
【0098】
メモリ103はソフトウェアプログラムを記憶するように構成されてもよく、ソフトウェアプログラムは、図3図6に示す実施形態の方法ステップを実施するために、プロセッサ101によって実行され得る。加えて、メモリ103は、前述の方法のステップにおける様々なアプリケーションインスタンス及びサービスのステータスデータを含む、様々な種類のサービスデータ又はユーザデータをさらに記憶し得る。例えば、本発明の第1の実施形態(図3)では、ネスト化NFVOは、ネスト化NFVOによって収集されたデータを記憶し、データを解析し、解析後に形成されるNSインスタンスの解析レポートを記憶し、複合NFVOはNSインスタンスの受信した解析レポートを記憶する。
【0099】
任意で、NFVO100は入力装置104及び出力装置105をさらに含み得る。入力装置104及び出力装置105はプロセッサ101に接続される。出力装置105は情報を表示するように構成されたディスプレイ、音声を再生するための電力増幅装置、プリンタ等であり得る。出力装置105は、ディスプレイ、電力増幅装置又はプリンタに出力を提供するように構成された出力コントローラを含み得る。入力装置104は、マウス、キーボード、電子スタイラス又はタッチコントロールパネル等の情報を入力するためにユーザによって用いられる装置であり得る。入力装置104は、マウス、キーボ-ド、電子スタイラス又はタッチコントロールパネル等の装置からの入力を受信及び処理するように構成された出力コントローラをさらに含み得る。
【0100】
前述の実施形態の全て又は一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせを用いることによって実施され得る。本実施形態を実施するためにソフトウェアが用いられる場合、実施形態の全て又は一部は、コンピュータプログラム製品の形態で実施され得る。コンピュータプログラム製品は1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータ命令がコンピュータ上にロ-ドされ、実行された場合、本願の実施形態に係る手順又は機能の全て又は一部が生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク又は他のプログラム可能な装置であり得る。コンピュータ命令は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶され得るか又はコンピュータ読み取り可能記憶媒体から別のコンピュータ読み取り可能記憶媒体に送信され得る。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンタに有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、又はデジタル加入者線(Digital Subscriber Line、DSL))若しくは無線(例えば、無線またはマイクロ波)で送信され得る。コンピュータ読み取り可能記憶媒体はコンピュータによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体であり得るか又は1つ以上の使用可能な媒体を統合するサーバ又はデータセンタ等のデータ記憶装置であり得る。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ又は磁気テープ)、光媒体(例えば、デジタル多用途ディスク(Digital Versatile Disc、DVD))、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(Solid State Disk、SSD))等であり得る。
【0101】
当業者であれば、実施形態のステップの全て又は一部はハードウェア又は関連するハードウェアを指示するプログラムによって実施され得ることを理解するであろう。プログラムは、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶され得る。記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスク、光ディスク等であり得る。
【0102】
前述の説明は本願で提供される実施形態であるが、本願を限定することを意図するものではない。本願の原則から逸脱することなくなされる変更、同等の置き換え又は改良は、本願の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10