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特許7405964アミラーゼを含む自動食器洗浄用洗剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】アミラーゼを含む自動食器洗浄用洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/386 20060101AFI20231219BHJP
   C11D 1/02 20060101ALI20231219BHJP
   C12N 9/26 20060101ALI20231219BHJP
   C12N 15/10 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
C11D3/386
C11D1/02
C12N9/26 A ZNA
C12N15/10 200Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022523386
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 US2020070673
(87)【国際公開番号】W WO2021081548
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2022-04-20
(31)【優先権主張番号】62/925,252
(32)【優先日】2019-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン、ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ベル-ルージーヴィチ、カタルジナ
(72)【発明者】
【氏名】ブハティ、マナシ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ホン・キット
(72)【発明者】
【氏名】ラッシラ、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ポール、ブライアン・ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】レイマー、サンドラ・ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】トラン、パトリシア
【審査官】長部 喜幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/063460(WO,A2)
【文献】特表2019-505204(JP,A)
【文献】国際公開第2015/189371(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/044448(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/115021(WO,A1)
【文献】国際公開第1996/023873(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/076897(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 3/386
C11D 1/02
C12N 9/26
C12N 15/10
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変異体α-アミラーゼを含む自動食器洗浄組成物であって、前記変異体α-アミラーゼが、配列番号1の番号を参照して、
i)91位の負電荷残基への置換、及び残基4、100、及び229から選択されるアミノ酸残基の1つ以上の変異、
ii)172位の変異、及び288位若しくは324位の変異、並びに/又は
iii)Y364L、からなる群から選択されるアミノ酸置換を含み、
前記変異体α-アミラーゼが、R181、G182、T183、及びG184に相当する少なくとも2つの残基の欠失を更に含む、
自動食器洗浄組成物。
【請求項2】
91位の負電荷残基への前記置換、X91Rである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
選択肢i)が適用され、前記変異体α-アミラーゼが、X40N、及びX100Fからなる群から選択される1つ以上の変異を含む、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
選択肢i)が適用され、前記変異体α-アミラーゼが、T40N、及びY100Fからなる群から選択される1つ以上の変異を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記変異体α-アミラーゼが、配列番号1の番号を参照して、Q172Nの変異を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記変異体α-アミラーゼが、配列番号1の番号を参照して、172位の変異及び288位の変異を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記変異体α-アミラーゼが、配列番号1の番号を参照して、116位及び281位の変異を更に含む、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記変異体α-アミラーゼが、配列番号1の番号を参照して、116位のアルギニン及び281位のセリンを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記変異体α-アミラーゼが、配列番号1の番号を参照して、244位の変異を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記変異体α-アミラーゼが、配列番号1の番号を参照して、244位のグルタミンを含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記変異体α-アミラーゼが、配列番号1の番号を参照してR181及びG182又は残基T183及びG184に相当する残基のペアワイズ欠失を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記変異体α-アミラーゼが、配列番号1の番号を使用して、
(i)
(a)X40N-X91R-X169H-X183M-X281N、
(b)X172R-X190P-X288D、
(c)X172R-X244E-X288D-X474R、
(d)X91R-X172R-X190P-X324M、
(e)X40N-X91R-X190P-X263Y、
(f)X40N-X91R-X244E-X364L、
(g)X91R-X172R-X190P-X324R、
(h)X91R-X116R-X172R-X244E-X281S-X288D、
(i)X40N-X91R-X100F-X116R-X172N-X244Q-X281S、
(j)X40N-X91R-X172R-X244Q-X263Y-X281S、
(k)X91R-X172R-X190P-X324N、
(l)X40D-X91R-X172R-X190P-X281S-X324R、及び
(m)364L、からなる群から選択される置換と、
(ii)
181及び182、並びに
183及び184、に相当する残基からなる群から選択される残基のペアワイズ欠失と、を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記変異体α-アミラーゼが、配列番号1の番号を使用して、
(i)
(a)T40N-S91R-Q169H-T183M-H281N、
(b)Q172R-E190P-S288D、
(c)Q172R-S244E-S288D-S474R、
(d)S91R-Q172R-E190P-I324M、
(e)T40N-S91R-E190P-F263Y、
(f)T40N-S91R-S244E-Y364L、
(g)S91R-Q172R-E190P-I324R、
(h)S91R-W116R-Q172R-S244E-H281S-S288D、
(i)T40N-S91R-Y100F-W116R-Q172N-S244Q-H281S、
(j)T40N-S91R-Q172R-S244Q-F263Y-H281S、
(k)S91R-Q172R-E190P-I324N、
(l)T40D-S91R-Q172R-E190P-H281S-I324R、及び
(m)Y364L、からなる群から選択される置換の組み合わせと、
(ii)
R181及びG182からなる残基のペアワイズ欠失と、を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記変異体α-アミラーゼが、全ての場合において配列番号1の番号を使用して、
(a)40位のNび91位のR
b)100位のF
)281位のS、244位のQ、及び116位のR、並びに
181位及び182位のペアワイズ欠失含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記変異体α-アミラーゼが、配列番号1、配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のアミノ酸配列に対して、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有する、請求項1~1のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
プロテアーゼを更に含み、前記プロテアーゼが、配列番号5のアミノ酸配列又は配列番号6のアミノ酸配列と、少なくとも80%の同一性を有し、前記プロテアーゼが、
少なくとも1つのアミノ酸置換であって、配列番号6の番号を使用して、
(i)X039E、X074D、X099R、X126A、X127E、及びX128Gからなる群から選択される少なくとも3つのアミノ酸置換と組み合わせた、X198G/A/K/L/Q/R/T/V/S/L、X207Q、X211Q/N、及びX212Q、又は
(ii)X039E-X074D-X099R-X116R-X126A-X127E-X128G-X211Q、
X039E-X074D-X099R-X126A-X127E-X128G-X211N、
X039E-X074D-X099R-X126A-X127E-X128G-X211Q、
X039E-X074D-X099R-X126A-X127E-X128G-X207Q、又は
(iii)X242D及びX256Eから選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を更に含む、(i)及び(ii)の前記プロテアーゼのうちのいずれか、又は
(iv)X039E-X074D-X099R-X126A-X127E-X128G-X256E、からなる群から選択される、少なくとも1つのアミノ酸置換からなる群から選択される、アミノ酸置換を含む、請求項1~1のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
プロテアーゼを更に含み、前記プロテアーゼが、配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有し、前記プロテアーゼが、
S3V、S9R、A13V、A15T、G20*、L21F、I35V、N60D、V66A、N74D、S85N/R、S97SE、S97AD、S97D/G、S99G/M/D/E、S101A、V102E/I、G116V/R、S126F/L、P127Q、S128A、S154D、G157S、Y161A、R164S、A188P、V199I、Q200C/E/I/K/T/V/W/L、Y203W、N212D、M216S/F、A222V、Q239R/F、T249R、N255D、及びL256E、N、Q、D、からなる群から選択される、1つ以上、又は2つ以上、又は3つ以上のアミノ酸置換を含む、請求項1~1のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物の10重量%~50重量%の有機錯化剤系を含み、任意に、漂白剤系が、前記組成物の10重量%超の漂白剤及び漂白活性化剤及び/又は漂白触媒を含む、請求項1~1のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
漂白触媒を含み、前記漂白触媒が、1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me-TACN)、1,2,4,7-テトラメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me/Me-TACN)、及びそれらの混合物からなる群から選択されるマンガン漂白触媒である、請求項1~1のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
汚れた食器を食器洗浄機において洗浄する方法であって、
i)前記汚れた食器を提供する工程と、
ii)少なくとも40℃の温度で15分間を超えて続く主洗浄サイクルを有する長時間の高温プログラムを使用する工程と、
iii)請求項1~1のいずれか一項に記載の洗浄組成物で前記食器を処理する工程と、
iv)任意に、前記食器をすすぐ工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤の分野に属する。具体的には、本発明は、新しいアミラーゼを含む自動食器洗浄用洗剤組成物に関する。組成物は、従来のアミラーゼを含む組成物に対して改善された洗浄を提供する。
【背景技術】
【0002】
自動食器洗浄の性能を改善する要望が恒久的に存在する。アミラーゼは、自動食器洗浄用組成物における重要な成分である。自動食器洗浄用のアミラーゼを設計する場合、いくつかの基準を満たす必要がある。使用前に洗剤マトリックス中で安定的あるべきであり、洗浄中に安定的であるべきであり、洗浄中に高度に活性であり、かつ迅速に作用するべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、より良好な洗浄を提供し、かつ長時間の高温サイクル及び短時間のサイクルの両方でより良好に機能する、より安定した自動食器洗浄用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によると、自動食器洗浄組成物が提供される。組成物は、特定のアミラーゼを含む。組成物は、食器がひどく汚れている場合でも、高温サイクル(洗浄温度は40℃超、好ましくは45℃超)、長時間サイクル(主洗浄は、15分超)、及び短時間サイクル(主洗浄の継続は15分未満、好ましくは12分未満、及び特に10分未満)において改善された性能を提示する。
【0005】
本発明の自動食器洗浄組成物は、変異体α-アミラーゼを含み、変異体α-アミラーゼは、配列番号1の番号を参照して、
i)91位の変異、及び残基6、7、40、96、98、100、229、230、231、262、263、285、286、287、288、322、323、324、325、362、363、及び364として規定される、α-アミラーゼTIMバレル構造の基部におけるアミノ酸残基の1つ以上の変異、並びに/又は
ii)172位の変異、及び288位若しくは324位の変異、並びに/又は
iii)Y364L、からなる群から選択されるアミノ酸置換をむ。
【0006】
1.本発明の組成物のα-アミラーゼ変異体は、配列番号1の番号を参照して、91位の変異、及び/又は残基6、7、40、96、98、100、229、230、231、262、263、285、286、287、288、322、323、324、325、362、363、及び364として規定される、α-アミラーゼTIMバレル構造の基部におけるアミノ酸残基の変異を含む。
2.好ましくは、91位の変異は、自然に存在する残基の正電荷残基への置換である。
3.好ましくは、91位の変異は、自然に存在する残基のアルギニンへの置換である(すなわち、X91R)。
4.好ましくは、α-アミラーゼTIMバレル構造の基部における少なくとも1つの変異が、X40N、X40D、X100F、X100L、X263Y、X288D、X288K、X288Q、X324R、X324N、X324M、X364L、及びX364Mからなる群から選択され、より好ましくはT40N、T40D、Y100F、Y100L、F263Y、S288D、S288K、S288Q、I324R、I324N、I324M、Y364L、及びY364Mからなる群から選択される、段落1~3のいずれかの変異体α-アミラーゼ。
5.好ましくは、α-アミラーゼ変異体は、91位にアルギニンと、自然発生のα-アミラーゼ中に存在しない、40位のN若しくはD、100位のF若しくはL、263位のY、288位のD、K、若しくはQ、324位のR、N、若しくはM、又は364位のL若しくはMの特徴のうちの少なくとも1つと、を含む。
6.好ましくは、段落1~5のいずれかの変異体α-アミラーゼは、配列番号1の番号を参照して、表面露出残基167、169、171、172、及び176を含むループ内の残基に変異を更に含み、より好ましくは、X167F、X169H、X171Y、X172R、X172N、及びX176Sからなる群から、より好ましくは、W167F、Q169H、R171Y、Q172R、Q172N、及びR176Sからなる群からものである。
7.好ましくは、段落1~6のいずれかの変異体α-アミラーゼは、配列番号1の番号を参照して、167位のF、169位のH、171位のY、172位のR若しくはN、又は176位のSを更に含む。
8.好ましくは、変異体α-アミラーゼは、配列番号1の番号を参照して、172位の変異及び288位の変異、より好ましくは、配列番号1の番号を参照して、172位のアルギニン又はアスパラギン及び288位のアスパラギン酸を含む。
9.好ましくは、段落1~8のいずれかの変異体α-アミラーゼは、配列番号1の番号を参照して、116位及び/又は281位の変異、より好ましくは、配列番号1の番号を参照して、116位のアルギニン又は281位のセリンを更に含む。
10.好ましくは、段落1~9のいずれかのいずれかの変異体α-アミラーゼは、配列番号1の番号を参照して、190位及び/又は244位の変異、より好ましくは、配列番号1の番号を参照して、190位のプロリン及び/又は244位のアラニン、グルタミン酸、若しくはグルタミンを更に含む。
11.好ましくは、段落1~10のいずれかの変異体α-アミラーゼは、配列番号1の番号を使用して、R181、G182、T183、及びG184に相当する少なくとも2つの残基の欠失、より好ましくは、R181及びG182又は残基T183及びG184に相当する残基のペアワイズ欠失を更に含む。
12.好ましくは、変異体α-アミラーゼであって、配列番号1の番号を使用して、
(i)
(a)X40N-X91R-X169H-X183M-X281N、
(b)X172R-X190P-X288D、
(c)X172R-X244E-X288D-X474R、
(d)X91R-X172R-X190P-X324M、
(e)X40N-X91R-X190P-X263Y、
(f)X40N-X91R-X244E-X364L、
(g)X91R-X172R-X190P-X324R、
(h)X91R-X116R-X172R-X244E-X281S-X288D、
(i)X40N-X91R-X100F-X116R-X172N-X244Q-X281S、
(j)X40N-X91R-X172R-X244Q-X263Y-X281S、
(k)X91R-X172R-X190P-X324N、
(l)X40D-X91R-X172R-X190P-X281S-X324R、及び
(m)X364L、からなる群から選択される置換と、
(ii)
181及び182、並びに
183及び184、に相当する残基からなる群から選択される残基のペアワイズ欠失と、を含む、変異体α-アミラーゼ、が提供される。
13.好ましくは、段落12の変異体α-アミラーゼは、配列番号1の番号を使用して、
(i)
(a)T40N-S91R-Q169H-T183M-H281N、
(b)Q172R-E190P-S288D、
(c)Q172R-S244E-S288D-S474R、
(d)S91R-Q172R-E190P-I324M、
(e)T40N-S91R-E190P-F263Y、
(f)T40N-S91R-S244E-Y364L、
(g)S91R-Q172R-E190P-I324R、
(h)S91R-W116R-Q172R-S244E-H281S-S288D、
(i)T40N-S91R-Y100F-W116R-Q172N-S244Q-H281S、
(j)T40N-S91R-Q172R-S244Q-F263Y-H281S、
(k)S91R-Q172R-E190P-I324N、
(l)T40D-S91R-Q172R-E190P-H281S-I324R、及び
(m)Y364L、からなる群から選択される置換と、
(ii)
R181及びG182、並びに
T183及びG184、からなる群から選択される残基のペアワイズ欠失と、を含む。
14.好ましくは、変異体α-アミラーゼは、全ての場合において配列番号1の番号を使用して、(a)40位のD若しくはN及び/又は91位のR、並びに、(b)100位のF、263位のY、288位のD、324位のM、N、若しくはR、及び/又は364位のLのうちの3つ以上の特徴を、任意に(c)169位のH、183M位のM、281位のN若しくはS、172位のN若しくはR、190位のP、244位のE、Q、若しくはR、474位のR、116位のRと組み合わせて、任意に181位及び182位又は183位及び184位のペアワイズ欠失と組み合わせて含む。
15.好ましくは、段落1~14のいずれかの変異体α-アミラーゼは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、又は配列番号4のアミノ酸配列に対して、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有する。
【0007】
好ましくは、本発明の組成物は、プロテアーゼを更に含む。プロテアーゼは、配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、及び特に少なくとも99%の同一性を有し、プロテアーゼは、1つ以上、又は2つ以上、又は3つ以上の、
S3V、S9R、A13V、A15T、G20、L21F、I35V、N60D、V66A、N74D、S85N/R、S97SE、S97AD、S97D/G、S99G/M/D/E、S101A、V102E/I、G116V/R、S126F/L、P127Q、S128A、S154D、G157S、Y161A、R164S、A188P、V199I、Q200C/E/I/K/T/V/W/L、Y203W、N212D、M216S/F、A222V、Q239R/F、T249R、N255D及びL256E、N、Q、Dからなる群から選択されるアミノ酸置換を含む。
【0008】
好ましくは、本発明の組成物は、プロテアーゼを更に含み、プロテアーゼは、配列番号5のアミノ酸配列又は配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、及び特に少なくとも96%の同一性を有し、プロテアーゼは、少なくとも1つのアミノ酸置換であって、配列番号6の番号を使用して、
(i)X039E、X074D、X099R、X126A、X127E、及びX128Gからなる群から選択される少なくとも1つ、2つ、若しくは3つのアミノ酸置換と組み合わせた、X198G/A/K/L/Q/R/T/V/S/L、X207Q、X211Q/N、及びX212Qからなる群から選択される少なくとも1つ若しくは2つのアミノ酸置換、又は
(ii)X039E-X074D-X099R-X116R-X126A-X127E-X128G-X211Q、
X039E-X074D-X099R-X126A-X127E-X128G-X211N、
X039E-X074D-X099R-X126A-X127E-X128G-X211Q、
X039E-X074D-X099R-X126A-X127E-X128G-X207Q、又は
(iii)X242D及びX256Eから選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を更に含む、(i)及び(ii)のプロテアーゼのうちのいずれか、又は
(iv)X039E-X074D-X099R-X126A-X127E-X128G-X256E、からなる群から選択される、少なくとも1つのアミノ酸置換を、含む。
【0009】
本発明の第2の態様によると、高温の長時間サイクルにおける自動食器洗浄の方法が提供される。
【0010】
本発明の第1の態様の開示は、変更すべきところは変更して、本発明の第2の態様に適用される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、自動食器洗浄組成物を包含する。組成物は、新しいアミラーゼを含む。組成物は、広範囲の食器洗浄プログラム下で良好な洗浄を提供する。
【0012】
「高温」サイクルとは、本明細書において、主サイクルが40℃超、好ましくは45℃超の温度で実行される、食器洗浄プログラムとして理解される。
【0013】
「長時間」サイクルとは、本明細書において、主サイクルが少なくとも15分、好ましくは少なくとも20分、及びより好ましくは少なくとも25分の継続時間を有する、食器洗浄プログラムとして理解される。
【0014】
「短時間」サイクルとは、本明細書において、主サイクルが15分未満、好ましくは12分未満、好ましくは10分未満の継続時間を有する、食器洗浄プログラムとして理解される。
【0015】
本発明のアミラーゼ
本発明の組成物は、変異体α-アミラーゼを含み、変異体α-アミラーゼは、好ましくは、基準α-アミラーゼ(配列番号1~4のα-アミラーゼ)に対して規定の同一性パーセンテージを有する。
【0016】
本発明の組成物の変異体α-アミラーゼは、本明細書において、「本発明のアミラーゼ」と称されることがある。配列番号1~4のいずれかを有するアミラーゼは、本明細書において、「基準アミラーゼ」又は「親アミラーゼ」と称されることがある。
【0017】
2つのアミノ酸配列間又は2つのヌクレオチド配列間の関連性は、パラメータ「配列同一性」によって説明される。
【0018】
「変異体」という用語は、基準アミラーゼに対して、1つ以上の(例えば、いくつかの)位置において変異、すなわち、置換、挿入、及び/又は欠失を含むアミラーゼを意味する。置換は、ある位置を占有するアミノ酸を異なるアミノ酸で置き換えることを意味し、欠失は、ある位置を占有するアミノ酸の除去を意味し、挿入は、ある位置を占有するアミノ酸に隣接して、かつその直後に、アミノ酸を付加することを意味する。本発明の変異体は、基準プロテアーゼと少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、及び特に96%の同一性を有する。
【0019】
本発明の組成物は、自動食器洗浄用途において高度の性能を示すマルトペンタオース/マルトヘキサオース形成α-アミラーゼのコンビナトリアル変異体を含む。変異体は、Bacillus sp.由来のα-アミラーゼに最も密接に関連し、本明細書においてAA2560と称され、国際公開第2018/184004号においてBspAmy24(配列番号1)として以前に特定されている。AA2560 α-アミラーゼの成熟アミノ酸配列を、配列番号1として以下に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
密接に関連するマルトペンタオース/マルトヘキサオース形成α-アミラーゼは、Bacillus sp.707由来のものであり、本明細書において「AA707」と称される。AA707 α-の成熟アミノ酸配列を、配列番号2として以下に示す。
【0022】
【表2】
【0023】
別の密接に関連するマルトペンタオース/マルトヘキサオース形成α-アミラーゼは、Bacillus sp.由来のものであり、AA560と称される。AA560の成熟アミノ酸配列を、配列番号3として以下に示す。
【0024】
【表3】
【0025】
アミノ酸配列同一性に基づいて、別の想定されるマルトペンタオース/マルトヘキサオース形成α-アミラーゼは、別のBacillus sp.由来のものであり、本明細書においてAAI10と称される。AAI10 α-アミラーゼの成熟アミノ酸配列を、配列番号4として以下に示す。
【0026】
【表4】
【0027】
アミノ酸配列同一性を表1に要約する。AA707、AA560、及びAAI10は全て、AA2560に対して80%超のアミノ酸を有する。
【0028】
【表5】
【0029】
本発明の変異体の1つの特徴は、91位の変異及び/又はα-アミラーゼTIMバレル構造の底部における少なくとも1つの変異である。バレル底部残基は、ゼロより大きい溶媒アクセス可能表面積を有し、活性部位とは反対側のバレルの側面で、及び各鎖のN末端を含有する側面で、コアβバレル構造内にあるか、又はそれに隣接している。溶媒アクセス可能表面積は、MOE 2018.01(Chemical Computing Group,Montreal)を使用して、デフォルトパラメータを使用して、並びにデフォルトパラメータ及びpdbからの1BLI構造を使用してMOE 2018.01で構築されたAA2560の相同性モデルに基づいて、計算された。関連残基は、配列番号1の番号を参照して、6、7、40、96、98、100、229、230、231、262、263、285、286、287、288、322、323、324、325、362、363、及び364位にある。TIMバレル構造の基部の残基ラインは、α-アミラーゼ及び他の多くの酵素の主要な構造的特徴を表す。残基91における例示的な変異は、極性残基から電荷残基、具体的にはアルギニンなどの正電荷残基への置換であり(すなわち、X91R)、AA2560の場合は特定の置換S91Rである。
【0030】
バレル底部残基における例示的な変異は、X40N、X40D X100F、X100L、X263Y、X288D、X288K、X288Q、X324R、X324N、X324M、X364L、及びX364Mを含むがこれらに限定されない置換であり、「X」は、野生型親α-アミラーゼにおける既存のアミノ酸残基である。AA2560を基準とした特定の変異は、T40N、T40D、Y100F、Y100L、F263Y、S288D、S288K、S288Q、I324R、I324N、I324M、Y364L、及びY364Mである。
【0031】
異なる説明では、変異体は、40位のN若しくはD、100位のF若しくはL、263位のY、288位のD、K、若しくはQ、324位のR、N、若しくはM、又は364位のL若しくはMを含む、1つ、2つ、3つ以上の特徴を有する。
【0032】
91位の変異及びバレル底部の変異は、組み合わせて優れた性能上の利点をもたらすが、各変異のみが、利益を生じさせるように思われ、本変異体のいくつかは、1つの位置/構造のみに変異を有する。
【0033】
変異体は、配列番号1の番号を参照して、表面露出残基167、169、171、172、及び176を含むループ内の変異を更に特徴とし得る。例示的な変異には、置換、X167F、X169H、X171Y、X172R、X172N及びX176S、並びに具体的には、W167F、Q169H、R171Y、Q172R、Q172N、及びR176Sが含まれるが、これらに限定されない。異なる説明では、変異体は、配列番号1の番号を参照して、167位のF、169位のH、171位のY、172位のR若しくはN、及び/又は176位のSを含む置換を特徴とする。
【0034】
変異体は、116位及び281位における変異を更に特徴とし得、これは溶解性に影響を与えると考えられる。これらの位置での例示的な変異は、置換X116R及びX281S、具体的には置換W116R及びH281Sである。
【0035】
変異体は、配列番号1の番号を参照して、190位及び/又は244位における安定化変異を更に特徴とし得る。そのような変異は、十分に分類されており、洗浄、穀物処理、及び織物加工の両方に使用される現在市販のα-アミラーゼに含まれる。これらの残基における例示的な変異は、置換X190P及びX244A、E、又はQ、具体的にはE190P、S244A、S244E、及びS244Qである。275位及び279位の変異もまた、190位の変異と組み合わせて対象となる。
【0036】
変異体は、配列番号1の番号を参照して、1位、7位、118位、195位、202位、206位、321位、245位、及び459位の変異を更に特徴とし得、これらは、現在の市販のα-アミラーゼに含まれるか、又はそのような用途に提案されている。
【0037】
変異体は、配列番号1の番号を使用して、R181、G182、T183、及びG184に対応するカルシウム結合ループに隣接するXG/Sモチーフにおいて欠失を更に含み得る。いくつかの実施形態では、変異体α-アミラーゼは、R181及びG182、又はT183及びG184に対応するアミノ酸残基の隣接するペアワイズ欠失を含む。R181及びG182に対応するアミノ酸残基における欠失は、「ΔRG」と称され得、183位の残基に対応するアミノ酸残基(通常はT、D、又はH)及びG184の欠失は、必要に応じて「ΔTG」、「ΔDG」、「ΔHG」などと称され得る。両方のペアワイズ欠失は、α-アミラーゼにおいて同じ効果を生じさせるように思われる。
【0038】
変異体は、(i)例えば、B.lichenifomis(すなわち、BLA及びLAT)、B.stearothermophilus(すなわち、BSG)、及びB.amyloliquifaciens(すなわち、P00692、BACAM、及びBAA)由来の周知であるBacillus α-アミラーゼのうちのいずれか、若しくはそのハイブリッド、(ii)炭水化物活性酵素データベース(CAZy)族13 α-アミラーゼとして分類される任意のα-アミラーゼ、又は(iii)記述用語、「Termamyl様」によって従来から称されている任意のアミラーゼ、に対して、同様の折り畳み及び/又は60%以上のアミノ酸配列同一性を有する他のα-アミラーゼに使用するための、前述の変異を更に含み得る。例示的なα-アミラーゼには、Bacillus sp.SG-1、Bacillus sp.707由来のもの、並びにA7-7、SP722、DSM9014、及びKSM AP1378と称されるα-アミラーゼが含まれるが、これらに限定されない。同様に、マルトペンタオース/マルトヘキサオース生成α-アミラーゼとして説明されているか否かに関わらず、本明細書に記載の変異の組み合わせのいずれも、これらのα-アミラーゼにおいて性能上の利点を生じさせ得る。
【0039】
具体的に企図されるコンビナトリアル変異体が、配列番号1の番号を使用して以下に列挙される。上で考察したように、ΔR181-ΔG182の代わりにΔR183-ΔT184を有する同様の変異体は、詳述したものと同様に機能すると予想される。
T40-S91-Q169-ΔR181-ΔG182-T183-H281
Q172-ΔR181-ΔG182-E190-S288
Q172-ΔR181-ΔG182-S244-S288-S474
S91-Q172-ΔR181-ΔG182-E190-I324
T40-S91-ΔR181-ΔG182-E190-F263
T40-S91-ΔR181-ΔG182-S244-Y364
S91-Q172-ΔR181-ΔG182-E190-I324
S91-W116-Q172-ΔR181-ΔG182-S244-H281-S288
T40-S91-Y100-W116-Q172-ΔR181-ΔG182-S244-H281
T40-S91-Q172-ΔR181-ΔG182-S244-F263-H281
S91-Q172-ΔR181-ΔG182-E190-I324
T40-S91-Q172-ΔR181-ΔG182-E190-H281-I324
Y364-ΔR181-ΔG182
【0040】
以前の操作されたα-アミラーゼを含む関連するα-アミラーゼでは、変異は、以下のように記載され得る。
【0041】
X40-X91-X169-ΔR181-ΔG182-X183-X281
X172-ΔR181-ΔG182-X190-X288
X172-ΔR181-ΔG182-X244-X288-X474
X91-X172-ΔR181-ΔG182-X190-X324
X40-X91-ΔR181-ΔG182-X190-X263
X40-X91-ΔR181-ΔG182-X244-X364
X91-X172-ΔR181-ΔG182-X190-X324
X91-X116-X172-ΔR181-ΔG182-X244-X281-X288
X40-X91-X100-X116-X172-ΔR181-ΔG182-X244-X281
X40-X91-X172-ΔR181-ΔG182-X244-X263-X281
X91-X172-ΔR181-ΔG182-X190-X324
X40-X91-X172-ΔR181-ΔG182-X190-X281-X324
X364L-ΔR181-ΔG182
【0042】
そのような変異体には、(a)40位のD若しくはN及び/又は91位のR、並びに、(b)100位のF、263位のY、288位のD、324位のM、N、若しくはR、及び/又は364位のL、の特徴のうちの2、3、4、5、6、又はそれ以上を有し、任意に(c)169位のH、183M位のM、281位のN若しくはS、172位のN若しくはR、190位のP、244位のE、Q、若しくはR、474位のR、116位のRと組み合わせて、任意に、181位及び182位又は183位及び184位のペアワイズ欠失と組み合わせて有するものが含まれる。
【0043】
試験された変異体における特定の置換を以下に列挙する。
T40N-S91R-Q169H-ΔR181-ΔG182-T183M-H281N
Q172R-ΔR181-ΔG182-E190P-S288D
Q172R-ΔR181-ΔG182-S244E-S288D-S474R
S91R-Q172R-ΔR181-ΔG182-E190P-I324M
T40N-S91R-ΔR181-ΔG182-E190P-F263Y
T40N-S91R-ΔR181-ΔG182-S244E-Y364L
S91R-Q172R-ΔR181-ΔG182-E190P-I324R
S91R-W116R-Q172R-ΔR181-ΔG182-S244E-H281S-S288D
T40N-S91R-Y100F-W116R-Q172N-ΔR181-ΔG182-S244Q-H281S
T40N-S91R-Q172R-ΔR181-ΔG182-S244Q-F263Y-H281S
S91R-Q172R-ΔR181-ΔG182-E190P-I324N
T40D-S91R-Q172R-ΔR181-ΔG182-E190P-H281S-I324R
Y364L-ΔR181-ΔG182
【0044】
α-アミラーゼが上記に列挙された変異を自然に有する場合(すなわち、野生型α-アミラーゼが、変異として特定された残基を既に含んでいる場合)、その特定の変異が、その分子には適用されないことが理解されるであろう。しかしながら、他に記載の変異は、その位置での自然発生残基と組み合わせて作用し得る。
【0045】
本変異体α-アミラーゼはまた、アミノ酸配列における1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失、又は付加、例えば、10未満、9未満、8未満、7未満、6未満、5未満、4未満、3未満、又は更には2未満の置換、欠失、又は付加を含み得る。そのような変異体は、それらが由来したα-アミラーゼと同様の活性を有すると予想される。本変異体α-アミラーゼはまた、それらのN又はC末端に1つ又はいくつかの残基の小さな欠失及び/又は伸長を含み得る。そのような小さな変化は、本明細書で説明される発明概念を無効にする可能性が低い。
【0046】
本アミラーゼは、「前駆体」、「未成熟」、又は「完全長」(その場合、それらは、シグナル配列を含む)、又は「成熟」(その場合、それらはシグナル配列を欠いている)であり得る。ポリペプチドの成熟形態は、一般に最も有用である。特に明記しない限り、本明細書で使用されるアミノ酸残基の番号付けは、それぞれのアミラーゼポリペプチドの成熟形態を指す。
【0047】
いくつかの実施形態では、変異体α-アミラーゼは、配列番号1、2、3、又は4、好ましくは配列番号1に対して、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は更に少なくとも99%であるが、100%未満のアミノ酸配列同一性を有する。
【0048】
本発明の組成物におけるアミラーゼの好ましいレベルは、組成物のグラム当たり、約0.01~約10mg、より好ましくは約0.02~約5mg、更により好ましくは約0.03~約2mgの活性アミラーゼを含む。
【0049】
自動食器洗浄組成物
自動食器洗浄組成物は、任意の物理的形態であり得る。組成物は、ルース粉末であっても、ゲルであっても、又は単位用量形態で提示されてもよい。好ましくは、組成物は、単位用量形態であり、単位用量形態には、圧縮錠剤及び水溶性パックが含まれる。本発明の自動食器洗浄組成物は、好ましくは、単位用量形態で提示され、固体、液体、及びゲル形態を含む任意の物理的形態であり得る。本発明の組成物は、多区画型パックの形態、より具体的には、異なる物理的形態の組成物を有する区画、例えば固体形態の組成物を含む区画と液体形態の組成物を含む別の区画とを含む多区画型パックでの提示に非常によく適している。組成物は、好ましくは、ポリビニルアルコールなどの水溶性フィルムに封入される。100μm未満、好ましくは20~90μmの厚さのポリビニルアルコールフィルムに包まれた単位用量形態の組成物が特に好ましい。本発明の洗剤組成物は、約8~約25グラム、好ましくは約10~約20グラムの重量を有する。この重量範囲は、食器洗浄機のディスペンサーに余裕をもって収まる。この範囲は、洗剤としては少ない量に相当するものであるが、洗剤は、上記に述べたような利点の全てを提供するように配合されている。
【0050】
組成物は、好ましくは、リン酸塩を含まない。本明細書において「リン酸塩を含まない」とは、組成物が、組成物の1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満のリン酸塩を含むものとして理解される。
【0051】
錯化剤系
本発明の目的のために、「錯化剤」とは、カルシウム、マグネシウム、鉛、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、マンガン、鉄、アルミニウム、及び他のカチオン性多価イオンなどの多価イオンと結合して水溶性の錯体を形成することが可能な化合物のことである。錯化剤は、Ca2+に対する対数安定性定数([log K])が少なくとも3である。安定性定数、log Kは、温度25℃でイオン強度0.1の溶液中で測定される。
【0052】
本発明の組成物は、好ましくは、組成物の10重量%~50重量%の錯化剤系を含む。錯化剤系は、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、クエン酸、グルタミン酸-N、N-二酢酸(GLDA)、イミノジコハク酸(IDS)、カルボキシメチルイヌリン、L-アスパラギン酸N、N-二酢酸四ナトリウム塩(ASDA)、及びそれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の錯化剤を含む。好ましくは、錯化剤系は、組成物の少なくとも10重量%のMGDAを含む。錯化系は、クエン酸、(GLDA)、(IDS)、カルボキシメチルイヌリン、L-アスパラギン酸N、N-二酢酸四ナトリウム塩(ASDA)、及びそれらの混合物からなる群から選択される錯化剤を更に含み得る。好ましくは、錯化剤系は、組成物の少なくとも10重量%のMGDA及び組成物の少なくとも10重量%のクエン酸を含む。本発明の目的のために、「酸」という用語は、錯化剤を指すとき、酸及びその塩を含む。
【0053】
好ましい実施形態では、組成物は、組成物の少なくとも15重量%、より好ましくは20重量%~40重量%のMGDA、より好ましくはMGDAの三ナトリウム塩を含む。この高レベルのMGDAを含む組成物は、硬水において、また長時間及び/又は高温サイクルにおいても、十分機能する。
【0054】
本発明の錯化剤系は、クエン酸を更に含み得る。
【0055】
分散剤ポリマー
分散剤ポリマーは、組成物の約0.1~約20重量%、好ましくは0.2~約15重量%、より好ましくは0.3~重量%の任意の好適な量で使用され得る。
【0056】
分散剤ポリマーは、自動食器洗浄プロセスにおいてカルシウム又は炭酸カルシウムを懸濁させることができる。
【0057】
分散剤ポリマーは、25℃で、30~250mgのCa/gの分散剤ポリマー、好ましくは35~200mgのCa/gの分散剤ポリマー、より好ましくは40~150mgのCa/gの分散剤ポリマーの範囲内で、カルシウム結合能を有する。ポリマーが本発明の意味において分散剤ポリマーであるかどうかを判定するために、以下の指示に従い、以下のカルシウム結合能の判定を行う。
【0058】
カルシウム結合能試験方法
本明細書で言及されるカルシウム結合能は、Mettler Toledo SevenMulti(商標)ベンチトップメータ及びPerfectION(商標)comb Ca組み合わせ電極などのpH/イオンメータを使用して、滴定によって判定される。結合能を測定するために、ビーカー又はターゴトメータポットに好適な加熱撹拌デバイスを25℃に設定し、メータ付イオン電極を製造元の指示に従って較正する。電極較正の標準濃度は試験濃度をブラケティングし、25℃で測定しなければならない。脱イオン水1Lに3.67gのCaCl-2HOを添加することによって、1000mg/gのCaの原液を調製し、次いで、希釈を行ってそれぞれ100mg/g、10mg/g、及び1mg/g濃度のカルシウムを含む、各々100mLの3つの作用液を調製する。100mgのCa/gの作用液を、25℃で行われる滴定中の初期濃度として使用する。各作用液のイオン強度は、2.5g/LのNaClを各々に添加することによって調節する。100mgのCa/gの作用液100mLを加熱し、25℃に達するまで撹拌する。カルシウムイオン濃度の初期読み取りは、イオン電極を使用して溶液が25℃に達したときに行う。次いで、試験ポリマーをカルシウム作用液に徐々に添加し(0.01g/L間隔で)、各増分の添加後に5分間撹拌した後に測定する。滴定は、溶液が1mg/gのカルシウムに達したときに停止する。残りの2つのカルシウム濃度の作用液を使用して、滴定手順を繰り返す。試験ポリマーの結合能は、添加された試験ポリマーのグラム/Lに対して測定されたカルシウム濃度の直線勾配として計算される。
【0059】
分散剤ポリマーは、好ましくは、6を超えるpHを有する水溶液中に溶解した場合に、負の正味電荷を有する。
【0060】
分散剤ポリマーは、より低いpHで負電荷を増加させ、硬水中でのその分散特性を改善するために、スルホン化カルボン酸エステル又はアミドもまた有し得る。好ましい分散剤ポリマーは、スルホン化/カルボキシル化ポリマー、すなわち、スルホン化モノマー及びカルボキシル化モノマーの両方を含むポリマーである。
【0061】
好ましくは、分散剤ポリマーは、ポリカルボン酸のスルホン化誘導体であり、2、3、4、又はそれ以上の異なるモノマー単位を含み得る。好ましいコポリマーは、以下を含有する。
【0062】
以下の一般式(III)を有するカルボン酸モノマーに由来する少なくとも1つの構造単位:
【0063】
【化1】
式中、R~Rは、水素、メチル、2~12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖飽和アルキル基、2~12個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のモノ又はポリ不飽和アルケニル基、-NH2若しくは-OH、又は-COOH、又はCOORで置換された前述のアルキル又はアルケニル基から独立して選択され、式中、Rは、水素、アルカリ金属、又は2~12個の炭素を有する直鎖若しくは分枝鎖の飽和若しくは不飽和のアルキル若しくはアルケニル基から選択される。
【0064】
好ましいカルボン酸モノマーは、アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、2-フェニルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、フマル酸、メタクリル酸、2-エチルアクリル酸、メチレンマロン酸、又はソルビン酸のうちの1つ以上を含む。アクリル及びメタクリル酸がより好ましい。
【0065】
任意に、以下の一般式(IV)を有する少なくとも1つの非イオン性モノマーに由来する1つ以上の構造単位:
【0066】
【化2】
式中、R~Rは、水素、メチル、フェニル、又は1~6個の炭素原子を含有するヒドロキシアルキル基から独立して選択され、環状構造の一部であり得、Xは、-CH-、-COO-、-CONH-又は-CONR-から選択される、任意に存在するスペーサ基であり、Rは、直鎖若しくは分枝鎖の、1~22個の炭素原子を有する飽和アルキルラジカル又は6~22個の炭素原子を有する不飽和の好ましくは芳香族のラジカルから選択される。
【0067】
好ましい非イオン性モノマーには、ブテン、イソブテン、ペンテン、2-メチルペント-1-エン、3-メチルペント-1-エン、2,4,4-トリメチルペント-1-エン、2,4,4-トリメチルペント-2-エン、シクロペンテン、メチルシクロペンテン、2-メチル-3-メチル-シクロペンテン、ヘキセン、2,3-ジメチルヘキサ-1-エン、2,4-ジメチルヘキサ-1-エン、2,5-ジメチルヘキサ-1-エン、3,5-ジメチルヘキサ-1-エン、4,4-ジメチルヘキサ-1-エン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキセン、シクロヘプテン、10個以上の炭素原子を有する、デカ-1-エン、ドデカ-1-エン、ヘキサデカ-1-エン、オクタデカ-1-エン及びドコサ-1-エンなどのα-オレフィンのうちの1つ以上が含まれ、好ましい芳香族モノマーは、スチレン、α-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-ドデシルスチレン、2-エチル-4-ベジルスチレン(bezylstyrene)、4-シクロヘキシルスチレン、4-プロピルスチロール、1-ビニルナフタレン、2-ビニルナフタレンであり、好ましいカルボン酸エステルモノマーは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、及びベヘニル(メタ)アクリレートであり、好ましいアミドは、N-メチルアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-2-エチルヘキシルアクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド、N-ラウリルアクリルアミド、N-ステアリルアクリルアミド、N-ベヘニルアクリルアミドである。
【0068】
以下の一般式(V)及び(VI)を有する少なくとも1つのスルホン酸モノマーに由来する少なくとも1つの構造単位:
【0069】
【化3】
式中、Rは、少なくとも1つのsp2結合を含む基であり、Aは、O、N、P、S、アミド、又はエステル結合であり、Bは、単環式又は多環式芳香族基又は脂肪族基であり、各tは、独立して0又は1であり、M+は、カチオンである。一態様では、Rは、C2~C6アルケンである。別の態様では、R7は、エテン、ブテン、又はプロペンである。
【0070】
好ましいスルホン化モノマーには、1-アクリルアミド-1-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、3-メタクリルアミド-2-ヒドロキシ-プロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-(2-プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3-スルホプロピル、3-スルホ-プロピルメタクリレート、スルホメタクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミド、及び当該酸の混合物、又はそれらの水溶性塩のうちの1つ以上が含まれる。
【0071】
好ましくは、このポリマーは、以下のレベルのモノマー、すなわち、ポリマーの約40~約90重量%、好ましくは約60~約90重量%の1つ以上のカルボン酸モノマー、ポリマーの約5~約50重量%、好ましくは約10~約40重量%の1つ以上のスルホン酸モノマー、及び任意にポリマーの約1重量%~約30重量%、好ましくは約2~約20重量%の1つ以上の非イオン性モノマーを含む。特に好ましいポリマーは、ポリマーの約70重量%~約80重量%の少なくとも1つのカルボン酸モノマー及びポリマーの約20重量%~約30重量%の少なくとも1つのスルホン酸モノマーを含む。
【0072】
ポリマー中、カルボン酸基又はスルホン酸基の全て又はいくつかが中和形態で存在していてよく、すなわちいくつか又は全ての酸性基中のカルボン酸基及び/又はスルホン酸基の酸性水素原子が、金属イオン、好ましくはアルカリ金属イオン、特にナトリウムイオンと置き換えられ得る。
【0073】
カルボン酸は、好ましくは(メタ)アクリル酸である。スルホン酸モノマーは、好ましくは2-アクリルアミド-2-プロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0074】
好ましい市販のポリマーとしては、Alco Chemicalによって供給されるAlcosperse 240、Aquatreat AR 540、及びAquatreat MPS、Rohm & Haasによって供給されるAcumer 3100、Acumer 2000、Acusol 587G、及びAcusol 588G、BF Goodrichによって供給されるGoodrich K-798、K-775、及びK-797、並びにISP technologies Inc.によって供給されるACP1042が含まれる。特に好ましいポリマーは、Rohm & Haasによって供給されるAcusol 587G及びAcusol 588Gである。
【0075】
好適な分散剤ポリマーには、低分子量のアニオン性カルボン酸ポリマーが含まれる。それらは、約200,000g/モル以下、又は約75,000g/モル以下、又は約50,000g/モル以下、又は約3,000g/モル~約50,000g/モル、好ましくは約5,000g/モル~約45,000g/モルの重量平均分子量を有するホモポリマー又はコポリマーであり得る。分散剤ポリマーは、1,000~20,000、特に2,000~10,000、及び特に好ましくは3,000~5,000の平均分子量を有するポリアクリレートの低分子量ホモポリマーであってもよい。
【0076】
分散剤ポリマーは、70,000未満の分子量を有する、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、アクリル酸及び/又はメタクリル酸とマレイン酸のコポリマー、並びにアクリル酸及び/又はメタクリル酸とフマル酸のコポリマーであってもよい。それらの分子量は、2,000~80,000、より好ましくは20,000~50,000、及び特に30,000~40,000g/モルの範囲であり、(メタ)アクリレート対マレエート又はフマレートセグメントの比は、30:1~1:2の範囲である。
【0077】
分散剤ポリマーは、3,000~100,000、代替的に4,000~20,000の分子量を有するアクリルアミドとアクリレートとのコポリマーであってもよく、分散剤ポリマーの50重量%未満、代替的に20重量%未満のアクリルアミド含有量も使用され得る。代替的に、そのような分散剤ポリマーは、4,000~20,000の分子量及びポリマーの0重量%~15重量%のアクリルアミド含有量を有してもよい。
【0078】
本明細書に好適な分散剤ポリマーには、イタコン酸ホモポリマー及びコポリマーも含まれる。
【0079】
代替的に、分散剤ポリマーは、アルコキシル化ポリアルキレンイミン、アルコキシル化ポリカルボキシレート、ポリエチレングリコール、スチレンコポリマー、セルロースサルフェートエステル、カルボキシル化ポリサッカライド、両親媒性グラフトコポリマー、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0080】
漂白剤系
本発明の組成物は、好ましくは、高レベルの漂白剤、好ましくは過炭酸塩を、漂白活性化剤又は漂白触媒又はその両方と組み合わせて含む、漂白剤系を含む。好ましくは、漂白活性化剤は、TAEDであり、漂白触媒は、マンガン漂白触媒である。
【0081】
漂白剤
本発明の組成物は、好ましくは、組成物の約10~約20重量%、より好ましくは約12~約18重量%の漂白剤、好ましくは過炭酸塩を含む。
【0082】
無機及び有機漂白剤が、本明細書における使用に好適である。無機漂白剤には、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩、及び過ケイ酸塩などの過水和塩が含まれる。無機過水和塩は、通常、アルカリ金属塩である。無機過水和塩は、追加の保護なしの結晶性固体として含まれ得る。代替的に、塩はコーティングされていてもよい。好適なコーティングには、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、及びそれらの混合物が含まれる。当該コーティングは、表面に塗布される混合物として塗布されるか、又は順次積層して塗布され得る。
【0083】
アルカリ金属過炭酸塩、特に過炭酸ナトリウムは、本明細書での使用に好ましい漂白剤である。過炭酸塩は、最も好ましくは、製品内安定性を提供するコーティングされた形態で製品に組み込まれる。
【0084】
過酸化モノ過硫酸カリウムは、本明細書で有用な別の無機過水和塩である。典型的な有機漂白剤は、有機ペルオキシ酸、特にドデカンジペルオキシ酸、テトラデカンジペルオキシ酸、及びヘキサデカンジペルオキシ酸である。モノ及びジペルアゼライン酸、モノ及びジペルブラシル酸も、本明細書において好適である。ジアシル及びテトラアシル過酸化物、例えば過酸化ジベンゾイル及び過酸化ジラウロイルは、本発明の関連において使用可能な他の有機過酸化物である。
【0085】
更なる典型的な有機漂白剤としては、ペルオキシ酸が含まれ、具体例は、アルキルペルオキシ酸及びアリールペルオキシ酸である。好ましい代表例は、(a)ペルオキシ安息香酸及びその環置換の誘導体、例えばアルキルペルオキシ安息香酸の他、ペルオキシ-α-ナフトエ酸及びモノペルフタル酸マグネシウム、(b)脂肪族又は置換脂肪族ペルオキシ酸、例えばペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、ε-フタルイミドペルオキシカプロン酸[フタロイミノペルオキシヘキサン酸(PAP)]、o-カルボキシベンズアミドペルオキシカプロン酸、N-ノネニルアミドペルアジピン酸及びN-ノネニルアミドペルスクシネート、並びに(c)脂肪族及び芳香脂肪族ペルオキシジカルボン酸、例えば1,12-ジペルオキシカルボン酸、1,9-ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラシル酸、ジペルオキシフタル酸、2-デシルジペルオキシブタン-1,4-二酸、N,N-テレフタロイルジ(6-アミノペルカプロン酸)である。
【0086】
漂白活性化剤
漂白活性化剤は、典型的には、60℃以下の温度での洗浄の過程で漂白作用を強化する有機過酸前駆体である。本明細書での使用に好適な漂白活性化剤には、過加水分解条件下で、好ましくは1~12個の炭素原子、特に2~10個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキソカルボン酸(peroxoycarboxylic acid)、及び/又は任意に置換された過安息香酸を与える化合物が含まれる。好適な物質は、炭素原子の数が指定されているO-アシル基及び/若しくはN-アシル基並び/又は任意に置換されたベンゾイル基を有する。ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N-アシルイミド、特にN-ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn-ノナノイル-又はイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n-又はイソ-NOBS)、デカノイルオキシ安息香酸(DOBA)、無水カルボン酸、特に無水フタル酸、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、二酢酸エチレングリコール及び2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフラン、並びにクエン酸トリエチルアセチル(TEAC)も好まれる。存在する場合、本発明の組成物は、組成物の0.01~5、好ましくは0.2~2重量%の漂白活性化剤、好ましくはTAEDを含む。
【0087】
漂白触媒
本明細書での組成物は、好ましくは、漂白触媒、好ましくは金属含有漂白触媒を含有する。より好ましくは、金属含有漂白触媒は、遷移金属含有漂白触媒、特にマンガン又はコバルト含有漂白触媒である。
【0088】
本明細書での使用に好ましい漂白触媒には、マンガントリアザシクロノナン及び関連する錯体、Co、Cu、Mn、及びFeビスピリジルアミン及び関連する錯体、並びにペンタミン酢酸コバルト(III)及び関連する錯体が含まれる。本明細書での使用に特に好ましい漂白触媒は、1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me-TACN)及び1,2,4,7-テトラメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me/Me-TACN)である。本明細書での使用に特に好ましい組成物には、1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me-TACN)及び/又は1,2,4,7-テトラメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me/Me-TACN)が含まれる。
【0089】
好ましくは、本発明の組成物は、組成物の0.001~0.5重量%、より好ましくは0.002~0.05重量%、より好ましくは0.005~0.075重量%の漂白触媒を含む。好ましくは、漂白触媒は、マンガン漂白触媒である。
【0090】
無機ビルダー
本発明の組成物は、好ましくは、無機ビルダーを含む。好適な無機ビルダーは、炭酸塩、ケイ酸塩、及びそれらの混合物からなる群から選択される。炭酸ナトリウムが、本明細書での使用に特に好ましい。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の5~60重量%、より好ましくは10~50重量%、及び特に15~45重量%の炭酸ナトリウムを含む。
【0091】
界面活性剤
本明細書での使用に好適な界面活性剤には、非イオン性界面活性剤が含まれ、好ましくは、組成物は、いかなる他の界面活性剤も含まない。従来的には、非イオン性界面活性剤は、表面修飾目的、特に膜形成及び斑点形成を回避し、かつ光沢を改善するためのシート化を目的として、自動食器洗浄において使用されてきた。非イオン性界面活性剤は、汚れの再付着の防止にも寄与することができることが判明している。
【0092】
好ましくは、本発明の組成物は、非イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤系を含み、より好ましくは、非イオン性界面活性剤又は非イオン性界面活性剤系は、蒸留水中、濃度1%で測定した場合に40~70℃、好ましくは45~65℃の転相温度を有する。「非イオン性界面活性剤系」とは、本明細書において、2つ以上の非イオン性界面活性剤の混合物を意味する。非イオン性界面活性剤系が、本明細書での使用に好ましい。これらは、単一の非イオン性界面活性剤よりも、製品中で、改善された洗浄及び仕上がり特性並びに良好な安定性を有すると考えられる。
【0093】
転相温度とは、それよりも低い温度では界面活性剤又はその混合物が油膨張ミセルとして水性相中に優先的に分配され、それよりも高い温度では水膨張逆ミセルとして油性相に優先的に分配される温度である。転相温度は、混濁が生じる温度を識別することによって視覚的に判断することができる。
【0094】
非イオン性界面活性剤又は系の転相温度は、以下のように判断することができる。蒸留水中、溶液の1重量%の対応する界面活性剤又は混合物を含有する溶液を調製する。溶液を軽く撹拌した後、転相温度を分析して、プロセスが化学平衡で生じることを確実にする。転相温度は、75mm密封ガラス試験管中に溶液を浸漬することによって熱安定性の浴内で測定する。漏れがないことを確実にするために、転相温度の測定の前後に試験管を秤量しておく。温度が事前予測した転相温度より数度下に達するまで、温度を1℃/分未満の速度で徐々に増加させる。転相温度は、濁りの最初の兆候があった時点で視覚的に判断される。
【0095】
好適な非イオン性界面活性剤には、i)6~20個の炭素原子を有するモノヒドロキシアルカノール又はアルキルフェノール(alkyphenol)と、アルコール又はアルキルフェノール1モル当たり、好ましくは少なくとも12モル、特に好ましくは少なくとも16モル、及び更により好ましくは少なくとも20モルのエチレンオキシドとの反応によって調製される、エトキシル化非イオン性界面活性剤、ii)6~20個の炭素原子並びに少なくとも1つのエトキシ基及びプロポキシ基を有するアルコールアルコキシル化界面活性剤、が含まれる。界面活性剤i)とii)との混合物が、本明細書での使用に好ましい。
【0096】
他の好適な非イオン性界面活性剤は、以下の式で表されるエポキシキャップ化ポリ(オキシアルキル化)アルコールであり、
R1O[CH2CH(CH3)O]x[CH2CH2O]y[CH2CH(OH)R2] (I)
式中、R1は、4~18個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素ラジカルであり、R2は、2~26個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の脂肪族炭化水素ラジカルであり、xは、0.5~1.5、より好ましくは約1の平均値を有する整数であり、yは、少なくとも15、より好ましくは少なくとも20の値を有する整数である。
【0097】
好ましくは、式Iの界面活性剤は、末端エポキシド単位[CH2CH(OH)R2]中に少なくとも約10個の炭素原子を有する。式Iの好適な界面活性剤は、本発明によると、例えば、Olin Corporationによる1994年10月13日に公開された国際公開第94/22800号に記載の、Olin CorporationのPOLY-TERGENT(登録商標)SLF-18B非イオン性界面活性剤である。
【0098】
酵素
プロテアーゼ
本発明の組成物は、1つ以上のプロテアーゼを含み得る。2つ以上のプロテアーゼの混合物は、特に再付着防止剤及び/又はスルホン化ポリマーとともに使用されるとき、より広い温度、サイクル継続時間、及び/又は基質範囲にわたって洗浄の増強に貢献することができ、優れた光沢利点を提供することができる。
【0099】
本発明での使用に好適なプロテアーゼには、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが含まれ、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼが含まれる。好適なプロテアーゼには、動物、植物、又は微生物起源のものが含まれる。一態様では、そのような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってもよい。好適なプロテアーゼには、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に修飾された変異体が含まれる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであってよい。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下が挙げられる。
(a)サブチリシン(EC 3.4.21.62)、特に国際公開第2004/067737号、同第2015/091989号、同第2015/091990号、同第2015/024739号、同第2015/143360号、米国特許第6,312,936(B1)号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、独国特許公開第102006022216(A1)号、同第102006022224(A1)号、国際公開第2015/089447号、同第2015/089441号、同第2016/066756号、同第2016/066757号、同第2016/069557号、同第2016/069563号、同第2016/069569号に記載されている、Bacillus sp.、B.lentus、B.alkalophilus、B.subtilis、B.amyloliquefaciens、B.pumilus、B.gibsonii、及びB.akibaiiなどのBacillusに由来するもの。
(b)国際公開第89/06270号に記載されているFusariumプロテアーゼ、並びに国際公開第05/052161号及び同第05/052146号に記載されているCellumonasに由来するキモトリプシンプロテアーゼを含むトリプシン(例えば、ブタ又はウシ起源)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ。
(c)メタロプロテアーゼ、特に国際公開第07/044993(A2)号に記載されているBacillus amyloliquefaciensに由来するもの、国際公開第2014/194032号、同第2014/194054号、及び同第2014/194117号に記載されている、Bacillus、Brevibacillus、Thermoactinomyces、Geobacillus、Paenibacillus、Lysinibacillus、又はStreptomyces spp.由来のもの、国際公開第2015/193488号に記載されているKribella alluminosa由来のもの、並びに国際公開第2016/075078号に記載されているStreptomyces及びLysobacter由来のもの。
(d)国際公開第92/17577号(Novozymes A/S)に記載されているBacillus sp.TY145、NCIMB 40339由来のサブチラーゼに対して少なくとも90%の同一性を有するプロテアーゼ、国際公開第2015/024739号及び同第2016/066757号に記載されているこのBacillus sp TY145サブチラーゼの変異体を含む。
【0100】
本発明の組成物の特に好ましい追加のプロテアーゼは、配列番号6に対する以下の位置のうちの1つ以上、又は2つ以上、又は3つ以上に置換を含む、配列番号6と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは少なくとも99%、及び特に100%の同一性を示すプロテアーゼである。
S3V、S9R、A13V、A15T、G20、L21F、I35V、N60D、V66A、N74D、S85N/R、S97SE、S97AD、S97D/G、S99G/M/D/E、S101A、V102E/I、G116V/R、S126F/L、P127Q、S128A、S154D、G157S、Y161A、R164S、A188P、V199I、Q200C/E/I/K/T/V/W/L、Y203W、N212D、M216S/F、A222V、Q239R/F、T249R、N255D、及びL256E/N/Q/D
【0101】
好ましいプロテアーゼには、以下の変異を含む、配列番号6に対して少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の同一性を有するものが含まれる。
S9R+A13V+A15T+l35V+N60D+Q239F、又は
S9R+A15T+G20+L21F+N60D+Q239N、又は
S9R+A15T+V66A+S97G+A222V+Q239R+N255D、又は
S9R+A15T+V66A+N74D+Q239R、又は
S9R+A15T+V66A+N212D+Q239R、又は
S99SE、又は
S99AD、又は
N74D+S85R+G116R+S126L+P127Q+S128A、又は
N74D+S85R+G116R+S126L+P127Q+S128A+S182D+V238R、又は
G116V+S126L+P127Q+S128A、又は
S99M+G116V+S126L+P127Q+S128A。
【0102】
特に好ましいプロテアーゼの別の組は、配列番号5に対する以下の位置のうちの1つ以上、又は2つ以上、又は3つ以上に置換を含む、配列番号5と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%の同一性を示すものである。
S039E、I43V、A47V、P54T、T56Y、N074D、L80V、N085R、E087D、S099R、N114Q、M117I、S126A、D127E、F128G/D/E、G160Q、R179Q、N198G/A/K/L/Q/R/T/V/S/L、R207Q、M211Q/N/L、N212Q/S、N242D、N253P、及びQ256E。
【0103】
好ましいプロテアーゼには、以下の組の変異のうちの1つを含む、配列番号5に対して少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%の同一性を有するものが含まれる。
S039E-N074D-S099R-S126A-D127E-F128G-M211L-N242D、又は
S039E-N074D-S099R-S126A-D127E-F128G-Q256E、又は
S039E-N074D-S099R-S126A-D127E-F128G-M211L、又は
S039E-N074D-S099R-S126A-D127E-F128G-Q200L、又は
S039E-N074D-S099R-S126A-D127E-F128G-Q200L-M211L、又は
S039E-N074D-S099R-S126A-D127E-F128G-Q200L-Q256E、又は
S039E-N074D-S099R-S126A-D127E-F128G-Q200L-N242D-Q256E、又は
S039E-N074D-N085R-S099R-S126A-D127E-F128G-M211L-N212S、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99R-T114Q-S126D-D127S-F128A-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-T56Y-I80V-N85S-E87D-T114Q-S126G-D127T-F128E-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99R-T114Q-D127A-F128C-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-P54T-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99E-T114Q-S126T-F128A-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-P54T-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99R-T114Q-S126V-D127A-F128T-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-P54T-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99R-T114Q-F128E-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99E-T114Q-D127E-F128G-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-P54T-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99R-T114Q-S126T-D127E-F128A-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-T56Y-I80V-N85S-E87D-T114Q-D127P-F128E-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-P54T-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99R-T114Q-S126G-D127E-F128D-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99R-T114Q-F128E-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99R-T114Q-S126T-D127E-F128E-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-P54T-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99R-T114Q-S126A-D127E-F128G-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-P54T-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99R-T114Q-D127G-F128P-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-P54T-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99R-T114Q-D127G-F128E-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-P54T-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99R-T114Q-S126A-F128G-N242D、又は
A37T-S39E-I43V-A47V-P54T-T56Y-I80V-N85S-E87D-S99R-T114Q-S126A-D127E-F128G-N242D、又は
S039E-N074D-S099R-S126A-D127E-F128G-N198G-M211Q、又は
S039E-N074D-S099R-S126A-D127E-F128G-N198G-M211Q-N212Q、又は
S039E-N074D-S099R-S126A-D127E-F128G-N198A-M211Q-N212Q、又は
S039E-N074D-S099R-N116R-S126A-D127E-F128G-M211Q-N242D-Q256E
【0104】
1つの好ましい態様では、本発明の組成物は、1つを超えるプロテアーゼ、好ましくは、配列番号6に対して少なくとも95%の同一性を有する1つのプロテアーゼ、及び配列番号5に対して少なくとも95%の同一性を有する1つのプロテアーゼを含み得る。
【0105】
好適な市販の追加のプロテアーゼ酵素には、Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Savinase Evity(登録商標)、Progress Uno(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Coronase(登録商標)、Blaze(登録商標)シリーズ(Blaze(登録商標)、Blaze Ultra(登録商標)、Blaze Evity(登録商標)、Blaze Pro(登録商標)を含む)、及びEsperase(登録商標)の商品名でNovozymes A/S(Denmark)により販売されているものと、Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、Ultimase(登録商標)、Extremase(登録商標)、及びPurafect OXP(登録商標)の商品名でDupontにより販売されているものと、Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)の商品名でSolvay Enzymesにより販売されているものと、Henkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわち、BLAP(配列は米国特許第5,352,604号の図29に示され、S99D+S101 R+S103A+V104I+G159Sの変異を有する、本明細書において以降BLAPと称される)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)、及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)と、花王製のKAP(変異A230V+S256G+S259Nを有するBacillus alkalophilusのサブチリシン)と、が含まれる。
【0106】
本発明のアミラーゼと組み合わせて本明細書での使用に特に好ましいのは、
(a)Blaze(登録商標)、Ultimase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Savinase Evity(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Excellase(登録商標)、Extremase(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Coronase(登録商標)Blaze Evity(登録商標)、及びBlaze Pro(登録商標)からなる群から選択される商用プロテアーゼ、
(b)上記で指定された配列番号5に対して少なくとも95%の同一性を有するプロテアーゼ、のうちの1つ以上である。
【0107】
本発明の製品中のプロテアーゼの好ましいレベルには、組成物1g当たり約0.05~約10mg、より好ましくは約0.5~約7mg、及び特に約1~約6mgの活性プロテアーゼが含まれる。
【0108】
追加のアミラーゼ
本発明の組成物は、追加のアミラーゼを含み得る。好適な追加のアルファ-アミラーゼには、細菌又は真菌起源のものが含まれる。化学的又は遺伝的に修飾された変異体(変異体)が含まれる。好ましいアルカリ性アルファ-アミラーゼは、Bacillusの菌種、例えば、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus stearothermophilus、Bacillus subtilis、又は他のBacillus sp.、例えば、Bacillus sp.NCBI 12289、NCBI 12512、NCBI 12513、DSM 9375(米国特許第7,153,818号)DSM 12368、DSMZ番号12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36、又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)に由来する。好ましいアミラーゼには、以下が含まれる。
(a)国際公開第96/23873号、同第00/60060号、同第06/002643号、及び同第2017/192657号に記載されている変異体、特に国際公開第06/002643号において配列番号12に列挙されているAA560酵素に対して以下の位置に1つ以上の置換を有する変異体、
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、202、214、231、246、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484、好ましくは、D183及びG184の欠失も含有するもの。
(b)国際公開第06/002643号の配列番号4、Bacillus SP722由来の野生型酵素と少なくとも90%の同一性を示す変異体、特に183及び184位に欠失を有する変異体、並びに参照により本明細書に組み込まれる国際公開第00/60060号、同第2011/100410号、及び同第2013/003659号に記載されている変異体。
(c)Bacillus sp.707(米国特許第6,093,562号の配列番号7)由来の野生型酵素と少なくとも95%の同一性を示す変異体、特に変異M202、M208、S255、R172、及び/又はM261のうちの1つ以上を含むもの。好ましくは、当該アミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N、及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。M202L又はM202Tの変異を含むものが、特に好ましい。
(d)国際公開第09/149130号に記載されている変異体、好ましくは同第09/149130号の配列番号1又は配列番号2、Geobacillus Stearophermophilus由来の野生型酵素又はその切断版と少なくとも90%の同一性を示すもの。
(e)国際公開第2016/091688号の配列番号1と少なくとも89%の同一性を示す変異体、特にH183位+G184位での欠失並びに更に405、421、422、及び/又は428位に1つ以上の変異を含むもの。
(f)Paenibacillus curdlanolyticus YK9由来の「PcuAmyl α-アミラーゼ」(国際公開第2014/099523号の配列番号3)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示す変異体。
(g)Cytophaga sp.由来の「CspAmy2アミラーゼ」(国際公開第2014/164777号)の配列番号1)と少なくとも60%のアミノ酸配列同一性を示す変異体。
(h)Bacillus subtilis由来のAmyE(国際公開第2009/149271号の配列番号1)と少なくとも85%の同一性を示す変異体。
(i)受託番号AB051102を有するBacillus sp.KSM-K38由来の野生型アミラーゼと少なくとも90%の同一性を示す変異体。
(j)Bacillus sp由来のAAI10の成熟アミノ酸配列(国際公開第2016/180748号の配列番号7)と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%の同一性を示す変異体。
(k)Alicyclobacillus sp.アミラーゼの成熟アミノ酸配列(国際公開第2016/180748号の配列番号8)と少なくとも80%の同一性を示す変異体
【0109】
好ましくは、アミラーゼは、遺伝子操作を受けた酵素であり、漂白酸化を起こしやすいアミノ酸のうちの1つ以上が、より酸化しにくいアミノ酸で置換されている。特に、メチオニン残基が、任意の他のアミノ酸で置換されることが好ましい。特に、最も酸化しやすいメチオニンが置換されることが好ましい。好ましくは、国際公開第06/002643号の配列番号12として列挙されているAA560酵素において202に相当する位置のメチオニンが置換される。好ましくは、この位置のメチオニンは、スレオニン又はロイシン、好ましくはロイシンで置換される。
【0110】
好適な市販のアルファ-アミラーゼには、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)、AMPLIFY(登録商標)、ATLANTIC(登録商標)、INTENSA(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S,Bagsvaerd,Denmark)、KEMZYM(登録商標)AT 9000 Biozym Biotech Trading GmbH Wehlistrasse 27b A-1200 Wien Austria、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)、PREFERENZ S(登録商標)シリーズ(PREFERENZ S1000(登録商標)及びPREFERENZ S2000(登録商標)を含む)並びにPURASTAR OXAM(登録商標)(DuPont.,Palo Alto,California)並びにKAM(登録商標)(Kao,14-10 Nihonbashi Kayabacho,1-chome,Chuo-ku Tokyo 103-8210,Japan)が含まれる。一態様では、好適なアミラーゼには、ATLANTIC(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、POWERASE(登録商標)、INTENSA(登録商標)、AMPLIFY(登録商標)、及びSTAINZYME PLUS(登録商標)、並びにそれらの混合物が含まれる。
【0111】
好ましくは、本発明の組成物は、組成物1g当たり少なくとも0.01mg、好ましくは約0.02~約10、より好ましくは約0.1~約6、特に約0.2~約5mgの活性アミラーゼを含む。
【0112】
本発明の組成物は、2つ以上のアミラーゼを含み得、好ましくは、第1のアミラーゼは、配列番号1の変異体であり、第2のアミラーゼは、配列番号2、3、又は4の変異体である。
【0113】
好ましくは、本発明の組成物のプロテアーゼ及び/又はアミラーゼは、粒状体の形態であり、この粒状体は、粒状体の29重量%超の硫酸ナトリウムを含み、並びに/又は硫酸ナトリウム及び活性酵素(プロテアーゼ及び/若しくはアミラーゼ)は、3:1~100:1、又は好ましくは4:1~30:1、又はより好ましくは5:1~20:1の重量比である。
【0114】
結晶成長抑制剤
結晶成長抑制剤は、炭酸カルシウム結晶に結合して、アラゴナイト及び方解石などの種の更なる成長を防止することができる材料である。
【0115】
効果的な結晶成長抑制剤の例としては、ホスホン酸塩、ポリホスホン酸塩、イヌリン誘導体、ポリイタコン酸ホモポリマー、及び環状ポリカルボキシレートが挙げられる。
【0116】
好適な結晶成長抑制剤は、HEDP(1-ヒドロキシエチリデン1,1-ジホスホン酸)、カルボキシメチルイヌリン(CMI)、トリカルバリル酸、及び環状カルボキシレートを含む群から選択され得る。本発明の目的のために、カルボキシレートという用語は、アニオン形態及びプロトン化カルボン酸形態の両方を包含する。
【0117】
環状カルボキシレートは、少なくとも2つ、好ましくは3つ、又は好ましくは少なくとも4つのカルボキシレート基を含有し、環状構造は、単環若しくは二環アルカン又は複素環のいずれかに基づく。好適な環状構造には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロヘキサン若しくはシクロペンタン若しくはシクロヘプタン、ビシクロ-ヘプタン若しくはビシクロ-オクタン、及び/又はテトラヒドロフランが含まれる。好ましい結晶成長抑制剤の1つは、シクロペンタンテトラカルボキシレートである。
【0118】
少なくとも75%、好ましくは100%のカルボキシレート基を素環の三次元構造の同じ側か又は「シス」位に有する環状カルボキシレートは、本明細書での使用に好ましい。
【0119】
素環の同じ側にある2つのカルボキシレート基は、直接隣接しているか、又は「オルト」位にあることが好ましい。
【0120】
好ましい結晶成長抑制剤には、HEDP、トリカルバリル酸、テトラヒドロフランテトラカルボン酸(THFTCA)及びシクロペンタンテトラカルボン酸(CPTCA)が含まれる。THFTCAは、好ましくは2c,3t,4t,5c配置であり、CPTCAは、シス,シス,シス,シス配置である。本明細書での使用に特に好ましい結晶成長抑制剤は、HEDPである。
【0121】
部分的に脱カルボキシル化されたポリイタコン酸ホモポリマーもまた、本明細書での使用に好ましく、好ましくは脱カルボキシル化レベルは50モル%~90モル%の範囲である。本明細書での使用に特に好ましいポリマーは、Itaconixにより提供されるItaconix TSI(登録商標)である。
【0122】
結晶成長抑制剤は、好ましくは、組成物の約0.01~約10重量%、特に約0.02~約5重量%、特に0.05~3重量%の量で存在する。
【0123】
金属ケア剤
金属ケア剤は、アルミニウム、ステンレス鋼、並びに銀及び銅などの非鉄金属を含む金属の曇り、腐食、又は酸化を、防止又は低減し得る。好ましくは、本発明の組成物は、製品の0.1~5重量%、より好ましくは0.2~4重量%、及び特に0.3~3重量%の金属ケア剤を含み、好ましくは、金属ケア剤はベンゾトリアゾール(BTA)である。
【0124】
ガラスケア剤
ガラスケア剤は、食器洗浄プロセス中にガラス製品の外観を保護する。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の0.1~5重量%、より好ましくは0.2~4重量%、及び特に0.3~3重量%の金属ケア剤を含み、好ましくは、ガラスケア剤は亜鉛含有材料、特に水亜鉛土である。他の好適なガラスケア剤は、ポリエチレンイミン(PEI)である。特に好ましいPEIは、BASFにより供給されるLupasol(登録商標)FGである。
【0125】
本発明の自動食器洗浄用組成物は、好ましくは、20℃の蒸留水中1重量/体積%の水溶液中で測定した場合に、約9~約12、より好ましくは約10~約11.5未満、及び特に約10.5~約11.5のpHを有する。
【0126】
本発明の自動食器洗浄用組成物は、好ましくは、20℃の100グラムの製品を含むNaOH中で測定した場合に、pH9.5で、約10~約20、より好ましくは約12~約18の予備アルカリ度を有する。
【0127】
本発明の好ましい自動食器洗浄用組成物は、以下を含む。
i)組成物の10~20重量%の漂白剤、好ましくは過炭酸ナトリウム、
ii)TAED、
iii)任意であるが好ましくは組成物の5~50重量%の無機ビルダー、好ましくは炭酸ナトリウム、
iv)任意であるが好ましくは組成物の2重量%~10重量%の非イオン性界面活性剤、
v)他の任意選択の成分としては、結晶成長抑制剤、好ましくはHEDP、及びガラスケア剤が含まれる。
【0128】
本発明の好ましい自動食器洗浄組成物は、以下を含む。
i)組成物の10~20重量%の漂白剤、好ましくは過炭酸ナトリウム、
ii)マンガン漂白触媒、好ましくは、1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me-TACN)及び1,2,4,7-テトラメチル-1,4,7-トリアザシクロノナン(Me/Me-TACN)、並びに任意にTAEDからなる群から選択される漂白触媒、
iii)任意ではあるが好ましくは組成物の5~50重量%の炭酸ナトリウム、
iv)任意ではあるが好ましくは1~10重量%のケイ酸ナトリウム、
v)任意ではあるが好ましくは組成物の2~10重量%の非イオン性界面活性剤、
vi)任意ではあるが好ましくはガラスケア剤。
【0129】
本発明の組成物のアミラーゼは、洗濯洗剤に使用することができる。
【実施例
【0130】
実施例1.AA2560変異体
タンパク質発現、精製、及び定量:
ΔR181及びΔG182におけるAA2560コンビナトリアル変異体(すなわち、ΔRG)バックグラウンドを合成遺伝子として作製し、標準的な手順を使用して好適なBacillus licheniformis細胞に導入した。全ての変異を、DNA配列決定によって確認した。細胞を、B.licheniformis宿主におけるタンパク質発現及び分泌に好適な培地中で72時間増殖させた。分泌タンパク質を遠心分離によって採取した。フェニルセファロース6高速流量樹脂(GE Healthcare)を用いた疎水性相互作用クロマトグラフィーの使用によって、精製を達成した。精製されたタンパク質を、pH8の緩衝剤、塩化カルシウム、及びプロピレングリコールとしてHEPESを含有する標準的な配合物緩衝液中で安定化させた。タンパク質濃度を、アミノ酸分析、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、及び280nmでの吸光度の混合によって決定した。
【0131】
酵素性能アッセイ:
α-アミラーゼの活性を、洗剤バックグラウンド中で白色メラミンタイルから染色されたデンプンの染みを除去することによって決定した。Center for Testmaterials(カタログ番号DM277及びDM71)から購入した、混合コーン/米着色デンプンのタイル及び食品着色剤を含む混合コーン/米デンプンのタイルをそれぞれ使用して、α-アミラーゼの洗浄活性を決定した。タイルを、水性緩衝液中の作用範囲に希釈したアミラーゼ溶液を含有する96ウェルプレートに固定し、WFKB洗剤の予備作製洗剤溶液(WFK Testgewebe GmbH,Bruggen,Deutschland)に添加し、その結果、総体積は300μLになった。次いで、着色されたデンプンの染みを有する事前に画像化されたメラミンタイルを96ウェルプレートの上部に固定し、その結果、アセンブリの撹拌は、デンプンの染みの表面上への酵素含有洗剤の飛散をもたらした。洗浄反応を250rpmで振とうしながら50℃で15分間行った。洗浄反応後、メラミンタイルを水で短時間すすぎ、乾燥させ、再び画像化した。α-アミラーゼの活性を、洗浄前及び洗浄後の画像のRGB(色)値の差として計算する。洗浄後の画像が白ければ白いほど、酵素活性が良好である。性能指数(PI)を以下のように計算する。
【0132】
【数1】
【0133】
ΔRG変異体に対するコンビナトリアル変異体の性能指数:
野生型変異体に対する性能指数に関する変異体の洗浄性能を表3に列挙する。多数の変異体を試験した。少なくとも1つの染みに対してPI>1のものについてのデータのみが示されている。DM277は染み1と指定され、DM71は染み2)と指定されている。
【0134】
【表6】
【0135】
表1の全ての変異体は、試験された染み及び洗浄条件のうちの1つ以上において、STAINZYME(登録商標)Plus 12L(Novozymes)と同等であるか、又はそれより良好に機能する。
【0136】
実施例2
自動食器洗浄におけるアミラーゼ洗浄性能
表1:自動食器洗浄用(Automatic Dish Washing、ADW)組成物
以下のADW組成物は、酵素を含有しない。
【0137】
【表7】
【0138】
【表8】
【0139】
【表9】
DuPontにより供給されるExcellase(商標)
Novozymesにより供給されるStainzyme(登録商標)Plus
アミラーゼAは、本明細書では、181位~182位で以下の2つの欠失を有し、かつ以下の置換を含むAA2560配列番号1と称される、Bacillus sp.由来の野生型の本発明の変異体である:T40N-S91R-Y100F-W116R-Q172N-S244Q-H281S。
アミラーゼBは、本明細書では、181位~182位で以下の2つの欠失を有し、かつ以下の置換を含むAA2560配列番号1と称される、Bacillus sp.由来の野生型の本発明の変異体である:T40N-S91R-Q172R-S244Q-F263Y-H281S。
アミラーゼCは、本明細書では、181位~182位で以下の2つの欠失を有し、かつ以下の置換を含むAA2560配列番号1と称される、Bacillus sp.由来の野生型の本発明の変異体である:Y364L。
【0140】
洗浄性能方法:Miele Model GSL2を使用した混合アミラーゼ洗浄
表1及び2に記載されるADW組成物の自動食器洗浄(ADW)の洗浄性能を、Center For Testmaterials BV.(Stoomloggerweg 11,3133 KT Vlaardingen,the Netherlands)により供給された混合デンプンタイル(DM71、DM376、DM377、DM378)に対する洗浄性能によって測定し、評価した。表2に記載の1回用量の洗剤組成物17.32g(固体及び液体を合わせた成分)及び酵素添加量を、各サイクルのディスペンサー引き出しの開口部において各自動食器洗浄機に添加した。
【0141】
Miele自動食器洗浄機、モデルGSL2において、混合デンプンCFTタイルを45℃(保持時間8分、すすぎ55℃)、21gpgの水硬度で洗浄した。バラスト汚れを、表3に記載されるように、混合汚れ組成物として各処理に添加した。
【0142】
機械のドアを閉じる前に、CFTタイルを機械に添加した(各タイルの2つの内部複製)。次いで、機械を開始し、ディスペンサーの引き出しが開かれると、酵素添加量を含む洗浄組成物を、50gの混合汚れポットとともに各機械に投入した。これを更に3回繰り返して、処理ごとに4つの外部複製をもたらした。
【0143】
【表10】
【0144】
含まれる4つのデンプン染みによって測定されるように4つの外部複製を行い、各試験組成物の除去性能を計算した(各処理について4つの外部複製及び2つの内部複製を含めることから8つの複製を生成した)。組成物A(Excellase(商標)及びStainzyme(登録商標)Plusを含有する)の洗浄性能を基準とし、これを組成物B(Excellase(商標)及び本発明のアミラーゼAを含有する)、組成物C(Excellase(商標)及び本発明のアミラーゼBを含有する)、及び組成物D(Excellase(商標)及び本発明のアミラーゼCを含有する)と比較した。染みを、画像分析を使用して分析し、以下に提示する結果は、染み除去パーセンテージとして計算した。0=除去なし、100=完全除去。すなわち、染み除去指数(Stain Removal Index、SRI)。
【0145】
以下の表4に示す結果は、染み除去指数として表される。
【0146】
【表11】
データの統計的評価は、洗剤組成物Aと組成物B、C、及びDとの間の95%信頼度での有意差を示す。
【0147】
デンプンの洗浄は、洗浄後のADW洗浄の尺度である。上記の結果表4から分かるように、デンプン除去は、Stainzyme(登録商標)Plus 12 GTを含む組成物Aに対して、本発明のアミラーゼAを含む組成物B、本発明のアミラーゼBを含む組成物C、及び本発明のアミラーゼCを含む組成物Dについて有意に改善される。アミラーゼB、C、及びDと記載される本発明の各アミラーゼが、組成物Aに含有されるStainzyme(登録商標)Plusに対して、有意に改善されたデンプン洗浄性能を提供すると結論付けることができる。
【0148】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【配列表】
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