(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】光源のアセンブリ、それを備える動力車両照明デバイス、及びそのようなアセンブリを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/64 20100101AFI20231219BHJP
H01L 25/00 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H01L33/64
H01L25/00 B
(21)【出願番号】P 2022525882
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(86)【国際出願番号】 EP2020078975
(87)【国際公開番号】W WO2021089286
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2022-05-16
(32)【優先日】2019-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル、バル
(72)【発明者】
【氏名】アミーネ、アリリ
(72)【発明者】
【氏名】サムヤ、ベルケッサム
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-153723(JP,A)
【文献】特開2008-294181(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0227186(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0358341(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/48-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力車両照明デバイス(10)のための光源のアセンブリ(1)であって、
- 第1サイド(21)及び前記第1サイド(21)と反対側の第2サイド(22)を有する集積回路(2)であって、前記第1サイド(21)において接続パッド(23)を更に有する集積回路(2)と;
- 前記集積回路(2)の前記第1サイド(21)に電気的に接続される複数のマイクロ半導体光源(3)と、前記マイクロ半導体光源(3)の波長を修正するように配置されるアクティブ面(4)と、を含む発光部と;
- 前記集積回路(2)の少なくとも一部を囲むファンアウトパッケージ(5)と;
- 前記集積回路(2)の前記第1サイド(21)の少なくとも一部を覆うように配置され、前記集積回路(2)の前記接続パッド(23)と前記アセンブリの接続パッド(7)との間の電気的な接続部を提供する第1マルチレイヤー金属層(6)と;
- 前記集積回路の前記第2サイド(22)に直接的に接触する接触部(81)を有する第2金属層(8)と;
- ヒートシンク要素(11)と;
- 前記第2金属層(8)と前記ヒートシンク要素(11)との間に配置されるアレイ接合層(9)と;
- プリント基板(12)と、
を備える光源のアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記第2金属層(8)は、銅と、ニッケル、パラジウム及び金から作られる仕上げ部と、を含む、請求項1に記載の光源のアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記アクティブ面(4)は、前記集積回路(2)の前記第1サイド(21)及び前記第2サイド(22)に平行な面において配置される、請求項1又は2に記載の光源のアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記第2金属層(8)は前記アクティブ面(4)に平行である、請求項3に記載の光源のアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記アセンブリのパッド(7)と前記アクティブ面(4)との間の距離が2mm~4mmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の光源のアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記集積回路(2)の前記第2サイド(22)は、前記ファンアウトパッケージ(5)によって部分的に覆われ、前記第2金属層(8)は、前記ファンアウトパッケージ(5)を貫通して前記集積回路(2)の前記第2サイド(22)に接触する金属突起(81)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の光源のアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記第1マルチレイヤー金属層(6)は少なくとも1つの再分配層(61)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の光源のアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記再分配層(61)は前記発光部の周りに配置される、請求項7に記載の光源のアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記第1マルチレイヤー金属層(6)は、前記アセンブリの前記接続パッド(7)を前記プリント基板(12)に接続するリボンケーブル(62)を、更に備える、請求項7又は8に記載の光源のアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記第1マルチレイヤー金属層(6)は、前記ファンアウトパッケージ(5)を貫通し且つ前記集積回路の前記
接続パッド(23)を前記アセンブリの前記接続パッド(7)に接続するビア(63)を、含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の光源のアセンブリ(1)。
【請求項11】
前記アレイ接合層(9)は、シリコーン接着剤、はんだ合金、銀焼結ペースト又は金属フィラーのうちの少なくとも1つの要素を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の光源のアセンブリ(1)。
【請求項12】
前記アクティブ
面(4)は、シリコーンベースの材料及び金属粒子を含む蛍光体コーティングである、請求項1~11のいずれか一項に記載の光源のアセンブリ(1)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の光源のアセンブリ(1)を複数備える動力車両照明デバイス(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動力車両照明デバイスを製造する分野に及びそれに関する方法に関する。
【発明の概要】
【0002】
高級動力車両製造業者は、動力車両照明機能のために発光ダイオード(LED)のアレイをますます使用している。このような配置構成は、複雑なプロセスによって、或いは、個別のデバイスとしてヒートシンクに搭載され又は単一LEDデバイスのアレイにおいて配置される複数のLEDを収容する光学モジュールの配置を通じて、達成される。個別LEDの各々は、専用ドライバによって電力が供給され、当該専用ドライバは、ソフトウェアルーチンを介して光ビームのダイナミクスを管理するためのマイクロコントローラーを有するインターフェースを備える。このアプローチは、数十の光ビームには用いられうるが、解像度要求ががますます高くなっているので、動力車両コスト、生産及び設計の自由度の制約の下で、高画素化された光源(例えば数千の光源を含むもの)に関してはこの配置構成を適用することができない。
【0003】
そのため、動力車両LEDデバイスは、他の照明アプリケーションよりも非常に保守的である。
【0004】
US2011/127912A1は、動力車両用LEDアレイの製造における放熱の重要性を示す。しかし、この方法は、1つの照明デバイスに含めうるLEDの数に関して制限を有する。
【0005】
この問題に対する解決が求められている。
【0006】
発明は、請求項1に記載のような光源のアセンブリ、請求項13に記載のような動力車両照明デバイス、及び請求項14に記載のような光源のアセンブリを製造するための方法によって、この問題に対する解決を提供する。発明の好ましい実施形態は、従属請求項において定められる。
【0007】
別段の定めがない限り、この文書で使用されるすべての用語(技術用語や科学用語を含む)は、専門家の標準的な慣行にしたがって解釈されるべきである。また、一般的に使用されている用語は、関連技術における慣例によるものとして解釈され、ここでそのようなものとして明示的に定められない限り理想化された意味又は過度に形式的な意味ではない、ことが理解される。
【0008】
このテキストにおいて、用語「備える」及びその派生語(例えば「備えている」等)は排他的な意味で理解されるべきではなく、すなわちこれらの用語は、説明される及び定められるものが他の要素、ステップなどを含みうる可能性を排除するものとして解釈されるべきではない。
【0009】
第1の発明の態様において、発明は、動力車両照明デバイスのための光源のアセンブリを提供し、そのアセンブリは、以下を備える:
第1サイド及び該第1サイドと反対側の第2サイドを有する集積回路であって、該第1サイドにおいてパッドを更に備える集積回路;
集積回路の第1サイドに電気的に接続された複数のマイクロ半導体光源と、マイクロ半導体光源の波長を変更するように配置されたアクティブ面と、を有する発光部;
集積回路の少なくとも一部を囲むファンアウトパッケージ(fan-out packaging);
集積回路の第1サイドの少なくとも一部を覆うように配置され、集積回路のパッドとアセンブリのパッドとの間の電気的な接続を提供する第1マルチレイヤー金属層;
集積回路の第2面に直接的に接触する接触部を有する第2金属層;
ヒートシンク要素;
金属層とヒートシンク要素との間に配置されたアレイ接合層;及び
プリント基板。
【0010】
この光源のアセンブリは、多数のマイクロLEDの存在に起因する熱の問題に対処する。
【0011】
また、集積回路の各サイドにおける金属層の存在も、変形を抑制することが意図される。こうして、生産プロセスが改善される。
【0012】
用語「半導体」は、固体エレクトロルミネッセンスによって発せられる光に言及し、当該固体エレクトロルミネッセンスは半導体を使用して電気を光に変換する。白熱照明と比較して、固体照明は、より低い熱発生量及びより少ないエネルギー散逸を有する可視光を発生させる。固体電子照明デバイスの概して低い重量は、脆いガラス管/電球及び長くて薄いフィラメントワイヤに比べ、衝撃及び振動に対するより大きな抵抗を提供する。またそれらはフィラメント蒸発がなく、そのことは照明デバイスの寿命を延ばしうる。これらのタイプの照明のいくつかの例は、電気フィラメント、プラズマ又はガスの代わりに、光源として固体発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、或いはポリマー発光ダイオード(PLED)を含む。
【0013】
「ヒートシンク要素」は、ヒートシンク、ベースプレート、ヒートパイプ、又は他の適切な熱拡散器であってもよい。
【0014】
特に、第2金属層は、銅と、ニッケル、パラジウム及び金からなる仕上げ部と、を含む。
【0015】
動力車両環境において、むき出しになっている銅接続部が環境にさらされることはなく、そのことがこのタイプの仕上げ部が用いられる理由である。
【0016】
いくつかのモデルにおいて、アクティブ面は、集積回路の第1サイド及び第2サイドに平行な面において配置される。
【0017】
集積回路の第1サイドにおけるパッド(アノード及びカソード)の共平面性は、数千の接続部が精度良く作られることを保証するようにコントロールされる。
【0018】
いくつかの特定の実施形態において、第2金属層はアクティブ面と平行である。
【0019】
この条件が、生産プロセスを容易にする。
【0020】
いくつかの特定の実施形態において、アセンブリのパッドとアクティブ面との間の距離は、2mm~4mmである。
【0021】
このより小さな距離はマスキングシステムの簡略化に寄与し、当該マスキングシステムは、ワイヤやリボンからの光反射に起因するような任意の直接的な入射光を避けるように上方に配置される。
【0022】
いくつかの特定の実施形態において、集積回路の第2サイドはファンアウトパッケージによって部分的に覆われており、第2金属層は、ファンアウトパッケージを貫通して集積回路の第2サイドに接触する金属突起を含む。
【0023】
この配置は、良好な耐熱性を提供すると同時に、集積回路のための背面保護を提供する。これは、アレイタイ層(array tie layer)に対する第2金属層の良好な接着を得るためにも有利である。これらのケースにおいて、通常、金属スパッタリングなどのタイ層が適用される。
【0024】
いくつかの特定の実施形態において、第1金属マルチレイヤーは、少なくとも1つの再分配層を含む。
【0025】
現在、電力供給接続部は通常は5~10Aの伝送が可能であり、それは5~10μmの厚さの銅でできた再分配層に対応する。再分配層のプランは、最短距離の原則に従って設計され、ビア(via)の数を最小にするようにされる。ビアは、5~10Aを伝送できるように、一般に約80μmの直径を有する。
【0026】
いくつかの特定の実施形態において、再分配層は、発光部の周囲に配置される。
【0027】
これは、機械的な保護を提供し、熱放散に寄与する。
【0028】
いくつかの特定の実施形態において、第1金属マルチレイヤーはリボンケーブルを更に含み、当該リボンケーブルは、アセンブリのパッドをプリント基板に接続する。
【0029】
他のケースにおいて、アルミニウム、銅、金ワイヤ又は銅クリップなどの代替接続が使用され、それらは電力接続及び信号接続を扱うように混在させられうる。ただし、リボンケーブルを使用する場合、それらのワイヤは追加の樹脂によって保護されることを必要としない。
【0030】
いくつかの特定のケースにおいて、第1金属マルチレイヤーは集積回路を備え、当該集積回路はファンアウトパッケージを貫通し、それは集積回路のパッドをアセンブリのパッドに接続する。
【0031】
この導電接続部は、通常は、アセンブリの端子とドライバ接続ランドとの間に電気的接続部を作るために、4層プリント基板やセラミックスペーサーを追加することによって又はポリマースルーホールを直接的に貫通させることによって作られ、当該アセンブリの端子は、このケースではデバイスの第2面において位置する。
【0032】
いくつかの特定のケースにおいて、アレイ接合層は、シリコーン接着剤、はんだ合金、銀焼結ペースト又は金属フィラーのうちの少なくとも1つの要素を含む。
【0033】
このアセンブリが二次実装構成で使用される場合、アレイ接合層の一次機能は、可能な限り低い抵抗で熱エネルギーを伝えること、機械的接合を提供すること、及び信頼性を確保することである。電気的な機能がないため、金属フィラー入りのハンダ合金やシリコン接着剤を選択することが可能である。
【0034】
このアセンブリがSMD構成で使用される場合、はんだ合金又は銀焼結ペーストが使用されるべきであり、これは、このケースではこの層も電気接続を提供する機能を果たすからである。
【0035】
いくつかの特定のケースにおいて、アクティブ層は、シリコーンベースの材料と金属粒子を含む蛍光体コーティングである。
【0036】
アクティブ層は日焼けの伝播に重要な領域であるため、その表面が50W/m/℃よりも高い熱伝導率を有することが非常に有利である。そのような蛍光体コーティングは、仕上げ部及び銅で作られる再分配層の使用を可能にする。
【0037】
第2の発明の態様において、発明は、第1の発明の態様に係る光源の複数のアセンブリを備える動力車両照明デバイスを提供する。
【0038】
第3の発明の態様において、発明は、第1の発明の態様による光源のアセンブリを製造するための方法を提供し、当該方法は、以下のステップを含む:
初期集積回路キャリアを提供すること;
光源のアセンブリの製造に適した開始の出発集積回路キャリアの部分を選択すること;
適切な部分に粘着テープを配置して再構成されたキャリアを形成すること;
電気的接続のためのインターポーザーを配置すること;
再構成されたキャリアの部分を封入すること;
再構成されたキャリアの後面を研磨して厚さを定めること又はシリコン後面を露出させること;
第2面に第2金属層を追加すること;
再構成されたキャリアの第1面に第1マルチレイヤー金属層を追加して、各集積回路パッドと各アセンブリパッドとの間に接続部を作ること;
複数のマイクロ半導体光源を取り付けること;
そのマルチレイヤーをダイシングすること。
【0039】
再構成されたキャリアの使用は、キャリアの100%が許容範囲であることが知られている方法を適用することを可能にして、それによってキャリア全体にLEDアレイを装着しうる。これは、向上した歩留まり及び変形のより優れたコントロールを可能にする。また、パッケージ及び第1金属層及び第2金属層が変形のコントロール及び保護を提供するため、集積回路の6つのサイドは環境条件から保護される。
【0040】
サブアセンブリやSMDのような、アセンブリの最終的な接続とは無関係な、プロセスにおける早い段階での再分配層の設置は、そのプロセスをより容易且つ安価にし、これは、歩留まりが向上し、ヒートシンク要素の最終アセンブリも向上されるからである。
【0041】
いくつかの特定の実施形態において、マイクロ半導体光源を取り付けるステップの後、その方法は、以下のステップのうちの少なくとも1つを更に含む:
マイクロ半導体光源を取り付けた後のリフロープロセス;
マイクロ半導体光源と再構成されたキャリアとの間におけるアンダーフィル堆積;
表面処理や薄膜化処理などのマイクロ半導体光源に対する処理を実行すること;及び/又は
光電気的テストを実行すること。
【0042】
これらの随意的な追加ステップは、動力車両照明デバイスに最適化されたアセンブリを提供することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0043】
説明を補足するため及び発明のより良い理解を可能にするため、図面のセットが提供される。これらの図面は、その説明の不可欠な部分を成し且つ発明の一実施形態を示し、それらは発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、単に発明がどのように実施されうるかの例として解釈されるべきである。図面は以下の図を含む:
【
図1】
図1は、発明による光源のアセンブリの第1実施形態の全般的なアプローチを示す。
【
図2】
図2は、発明による光源のアセンブリの第1実施形態の全般的なアプローチを示す。
【
図3】
図3は、発明による光源のアセンブリの一実施形態の再分配層の詳細を示す。
【
図4】
図4は、発明による光源のアセンブリの2つの層間の接触突起の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
例示的な実施形態の要素は、以下が該当する場合、図面及び詳細な説明を通じて同じ参照数字により体系的に示される:
1 光源のアセンブリ
2 集積回路
21 集積回路の第1サイド
22 集積回路の第2サイド
23 集積回路のパッド
24 アノード
25 カソード
3 マイクロLED
31 マイクロLEDパッド
4 アクティブ面
5 ファンアウトパッケージ
6 第1マルチレイヤー金属層
61 再分配層
62 ワイヤ
63 ポリマースルービア
64 保護層
7 接続パッド
71 第1ポリマー
72 第2ポリマー
73 第3ポリマー
8 第2金属層
81 第2金属層の接触部
9 タイ層
10 動力車両照明デバイス
11 ヒートシンク
12 プリント基板
13 中間熱層
101 初期キャリア
102 適切な部分
103 再構成されたキャリア
例示的な実施形態は、この技術分野の通常のスキルを有する者がここに記載されたシステム及びプロセスを実行及び実装することを可能にするように、十分詳細に説明される。これらの例は、複数の異なる形態で提供されうるものであり、ここに示された例に限定されるものと解釈されるべきではないことを、理解することが重要である。
【0045】
従って、その実施形態は様々な方法で変更されうるものであり且つ様々な代替形態をとりうるものであるが、その特定の実施形態が図面に示され、例として以下に詳細に説明される。開示された特定の形態への限定は意図されていない。むしろ、添付の特許請求の範囲の範囲に該当するすべての変更、等価物及び代替物が含まれる。例示的な実施形態の要素は、図面及び詳細な説明を通じて、該当する場合には、同じ参照数字で体系的に示される。
【0046】
図1及び
図2は、発明による光源のアセンブリ1の2つの実施形態の全般的なアプローチを示す。
図1はサブマウント接続に向けられる一方で、
図2はソルダーレジスト(SMT)によって定められる接続部を介して接続されることが意図された組み込みを示す。
【0047】
図1及び
図2に示すアセンブリ1は、集積回路2、マイクロLED3及びアクティブ面4を有する発光部、ファンアウトパッケージ5、第1金属マルチレイヤー6、第2金属層8、チップ接合層9、ヒートシンク11及びプリント基板12を備える。
【0048】
集積回路2は、第1サイド21と、第1サイド21と反対側の第2サイド22とを有するASICであり、第1サイド21においてパッド23を備える。
【0049】
発光部は複数のマイクロLED3を備え、当該複数のマイクロLED3は、集積回路2の第1サイド21に電気的に接続され、それによって電力及びコントロールを受ける。アクティブ面4は、マイクロLED3の波長を修正するように配置されており、それによってその最終的な発光は、動力車両機能で必要とされるような白色である。
【0050】
ファンアウトパッケージ5は、集積回路2を取り囲むように配置されている。ファンアウトアセンブリ5はそれを横方向に囲む役割を担っているが、集積回路2の第2サイド22もファンアウトアセンブリ5の小さな部分によって保護される。
【0051】
第1金属マルチレイヤー6は、集積回路2の第1面21の部分を覆うように配置される。この第1金属マルチレイヤー6は、各変形例で異なるため、後で詳しく説明する。いずれの場合も、この第1金属マルチレイヤー6は、集積回路2のパッド23とアセンブリのパッド7との間の電気的接続を提供する。
【0052】
第2金属層8は複数の金属突起81を備え、当該複数の金属突起81は、集積回路2の第2サイド22に直接接触するようにファンアウトパッケージ5を貫通する。この第2金属層は銅で作られ、ニッケル仕上げ部を有する。
【0053】
アレイタイ層9は、第2金属層8とヒートシンク11との間に配置されており、その目的は各実施形態で異なる。
【0054】
これらの2つの図から分かるように、アクティブ面4は、集積回路2の第1サイド21及び第2サイド22に平行な面に沿って配置されている。またこの面は、第2金属層8と平行である。この平行配置は、設計や製造が容易であり、また良好な構造的堅牢性を提供し、それによってこれらの小さなパッドは、それらが熱負荷及び構造的負荷を受けてもそれらの形状を保つことができる。
【0055】
マイクロLED3の上方では、アクティブ層4が、スパッタリングによって堆積される蛍光体コーティングを備える。このコーティングは、シリコーンベースの材料に金属粒子が充填されたものであり、(LEDが青色波長で発光するため)最終的に投影される光に白色を与える。いくつかの実施形態において、このコーティングは、保護的な役割と局所的な応力を解放するという追加の役割を果たすように、再分配層上にも広げられてもよい。しかし、この層は、それがこれらの要素に関する汚染物質とみなされるため、アセンブリのパッド7には到達しない。ファンアウトパッケージ5によって提供される追加の領域は、そのような汚染を回避するのに役立つ。
【0056】
図1は、特にサブマウント接続で使用するように構成された光源のアセンブリ1の一実施形態を示す。そのため、第1金属マルチレイヤーの構造は、
図2のものとは異なる。
【0057】
この図において、第1金属マルチレイヤーは複数の再分配層61を備え、当該複数の再分配層61は、ドライバ2のパッド23とアセンブリのパッド7との間の電気接続を提供し、アセンブリのパッド7は、この実施形態ではアセンブリ1の上面に配置される。
【0058】
パッド7とアクティブ面4との間の最小距離は、光源のアセンブリの上方に配置されるように選択された光学系に依存するが、2~4mmの間で変化してもよい。より小さなこの距離は、ワイヤ又はリボン62からの光反射に起因するなどの任意の直接的な入射光を避けるために上方に配置されるマスキングシステムの簡略化に寄与する。
【0059】
また発光部の周りにおける、再分配層61の位置によって、熱の問題が緩和される。
【0060】
この実施形態のタイ層9は、可能な限り低い抵抗で熱エネルギーを伝えることを意図される。ヒートシンク11に向けて熱が容易に放散されるように、金属フィラーを有するはんだ合金ペーストが使用される。更に、このチップ接合層9は、光源のアセンブリ1を、ヒートシンク11によって代表される照明デバイスの主構造体に対して機械的に結合する。
【0061】
図2は、光源のアセンブリ1の別の実施形態を示し、それは、特に、ソルダーレジスト(SMT)によって定められる接続部での使用のために構成される。そのため、第1金属マルチレイヤーの構造は、
図1のものとは異なる。
【0062】
この場合、第1金属マルチレイヤー6は導電ビア63を備え、当該導電ビア63は、ドライバのパッド23をアセンブリのパッド7に対して接続するファンアウトパッケージ5を貫通し、アセンブリのパッド7は、このケースではアセンブリ1の下部に位置する。
【0063】
この場合、接続パッド7は、接合層13によってプリント基板12に接続される。この接合層13が電気的な機能を果たすため、はんだ合金が使用される。様々な実施形態において、焼結を伴う又は伴わない導電性接着剤がこの目的のために使用されてもよい。
【0064】
図3は、発明による光源のアセンブリの一実施形態の再分配層の詳細を示す。
【0065】
集積回路2は、集積回路の第1面21上に堆積される保護層64を含む。その保護層は、第1再分配層61を受けるドライバのパッド23には適用されない。この第1再分配層61が第1ポリマー層71上に堆積されつつ、第2ポリマー層72はその上に堆積されて第2再分配層61’の接続のためのスペースを残す。この第2再分配層61’上に第3ポリマー層73が堆積されて最後の再分配層及び第3再分配層のためのスペースを残す。この第3再分配層は、
図1に示すようにリボンケーブル62によってプリント基板12に接続されることが意図されるアセンブリの接続パッド7を、提供する。
【0066】
マイクロLED3は、はんだペースト13によってドライバのアノード24に及びカソード25に接続され、当該はんだペースト13は、各アノード及び各カソードをLEDの接続パッド31に接続する。
【0067】
図4は、発明による光源のアセンブリの2つの層間の接触突起の詳細を示す。
【0068】
この実施形態において、パッケージ5は、集積回路2の第2サイド22を覆う部分を含み、第2金属層8は、集積回路2の第2サイド22に直接接触するようにパッケージ5のこの部分を貫通する金属突起81を含む。この第2金属層8は、銅で作られ、ニッケル仕上げ部を有する。
【0069】
図5a~
図5cは、発明による製造方法のステップを示す。
【0070】
図5aは初期キャリア101の提供を示し、当該初期キャリア101において将来のアセンブリの集積回路が設計される。
【0071】
このオリジナルウエハがテストされて適切な部分を特定する。次に、オリジナルウエハがダイシングされて、
図5bに従って、適切な部分102がテープ上に配置されて、再構成されたウエハ103を形成する。
【0072】
この再構成されたキャリア103に様々な要素が追加されて、完全な電子アセンブリを形成する。まず、状態の良い部分と、アセンブリが接続されることになる将来の基板との間の電気的接続を提供するために、インターポーザーが追加される。
【0073】
次に、キャリアの各部を固定するため且つ再構成されたキャリアをワンピース(one piece)として取り扱うため、再構成されたキャリアの表面がパッケージを受ける。その後、再構成されたキャリアが研磨されて、良好な状態の部分のシリコンを露出させ、それによって金属層を追加することができる。これらの金属層は、変形を抑制すること、及び集積回路の端子とアセンブリの端子との間の電気的接続を提供することを可能にする。これらの層が追加されると、再構成されたキャリアは、LEDの装着を受ける準備が整う。
【0074】
サブアセンブリ又はSMDのような、アセンブリの最終的な接続とは無関係な、そのプロセスにおける早い段階での再分配層の設置は、そのプロセスをより容易且つより安価にし、これは、歩留まりが向上し、ヒートシンク要素の最終アセンブリも向上するからである。
【0075】
図5cは、先行するステップを経た後の再構成されたキャリア103の最終結果を示す。必要な電子要素のすべてが、発明による光源のアセンブリを形成するように配置される。
【0076】
再構成されたキャリアにLEDが配置されると、リフロープロセスが行われ、その後、マイクロLEDと導電部との間のアンダーフィル堆積(underfill deposition)が続く。次に、マイクロLEDのアレイが処理されて、テストされ且つ分離される準備ができる。