(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】空気圧式または油圧式の動力付き組織閉鎖装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20231219BHJP
A61B 17/068 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
A61B17/04
A61B17/068
(21)【出願番号】P 2022529270
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(86)【国際出願番号】 US2020061264
(87)【国際公開番号】W WO2021102128
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-06-27
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】コミー、ショーン ディ.
(72)【発明者】
【氏名】ベヌート、キャサリン
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-173437(JP,A)
【文献】米国特許第04621639(US,A)
【文献】特表2012-527915(JP,A)
【文献】特開昭55-151956(JP,A)
【文献】米国特許第05862972(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/04
17/068 - 17/072
17/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡のワーキングチャンネルを通して挿入可能な内視鏡装置と、
前記内視鏡装置に連結されるアクチュエータであって、チャンバーの内部にピストンを含む前記アクチュエータとを備え、前記ピストンは、
前記チャンバーの内面に係合するピストンヘッドと、
前記内視鏡装置の組織係合要素に連結されたピストンロッド
であって、前記チャンバーの内部の流体からの圧力が前記ピストンロッドおよび前記組織係合要素を作動させ
、前記組織係合要素は標的組織の開口部を閉鎖するように構成されている、前記ピストンロッドと、
第2のチャンバー内の第2のピストンであって、前記第2のチャンバーは前記チャンバーに対して流体連通しており、前記チャンバーの第1の直径(D1)は前記第2のチャンバーの第2の直径(D2)よりも大きい、前記第2のピストンと
を備える、医療装置。
【請求項2】
前記アクチュエータは、前記流体が前記チャンバーに流入することを可能にするように動作可能な弁をさらに備える、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記アクチュエータは、前記チャンバーに
流体連通した入口導管および出口導管をさらに含んでおり、前記入口導管は、前記ピストンヘッドの第1の側に沿って配置されており、前記出口導管は、前記ピストンヘッドの第2の側面に沿って配置される、
請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記弁は、前記入口導管および前記出口導管の中を通過する流体の流れを制御する、
請求項3に記載の医療装置。
【請求項5】
前記出口導管は、逃し弁を含む、
請求項3または4に記載の医療装置。
【請求項6】
前記組織係合要素は、ニードルパッサまたは内視鏡ステープラーヘッドである、
請求項1~5のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項7】
前記内視鏡装置が縫合装置であり、前記縫合装置は、
長尺状部材と、
前記長尺状部材の一端に設けられた縫合糸アームであって、前記ニードルパッサは、標的組織を縫合するために前記長尺状部材と前記縫合糸アームの遠位端との間に針を送達するように動作可能である、前記縫合糸アームと、
を備える、
請求項6に記載の医療装置。
【請求項8】
前記ピストンロッドは、前記長尺状部材の内部に配置されている、
請求項7に記載の医療装置。
【請求項9】
前記ピストンロッドは、前記ニードルパッサに連結されている、
請求項6~8のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項10】
前記チャンバー内の前記流体は、前記ピストンヘッドに衝突して、前記ピストンロッドおよび前記ニードルパッサを軸方向に作動させる、
請求項6~9のいずれか一項に記載の医療装置。
【請求項11】
前記内視鏡ステープラーヘッドは、
第2のジョーに対向する第1のジョーであって、前記ピストンロッドが連結されている前記第1のジョーと、
前記第2のジョーに沿っ
たステープルカートリッジと
を含んでおり、前記ピストンロッドの移動により、前記第1のジョーは、前記ステープルカートリッジに接触、または前記ステープルカートリッジから離間する、
請求項6に記載の医療装置。
【請求項12】
前記第2のピストンは、
前記第2のチャンバーの内面に係合する第2のピストンヘッドと、
前記
第2のピストンヘッドから延びる第2のピストンロッドと
を備え、前記
第2のピストンヘッドは、
前記ピストンの前記ピストンヘッドに面している、
請求項1~11のいずれか一項に記載の医療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組織欠損の治療、より詳細には、支援された組織閉鎖のためのシステム、装置、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの医療処置では、組織の一部を組織の別の部分に固着させ、損傷した組織をともに保持することが有益である。例えば、1つ以上の縫合糸またはステープルを使用して、組織の複数の部分を結合することができる。多くの場合、ステープルまたは針を含むアセンブリ、および針に連結された縫合糸を使用して組織をともに固定する。
【0003】
さらに、組織切除または様々な肥満手術には、縫合法およびステープリング閉鎖法の両方が望ましい。縫合およびステープリングシステムの1つの問題点は、システムの遠位端に送達可能な力が必要なことである。これらの考慮事項を念頭に置いて、本発明の装置、システム、および方法によれば、様々な有利な医学的結果が実現される。
【発明の概要】
【0004】
1つ以上の実施形態では、医療装置は、標的組織の開口部を閉鎖するように動作可能な内視鏡装置、および内視鏡装置とともに動作可能なアクチュエータを含み、アクチュエータは、チャンバー内にピストンを含む。ピストンは、チャンバーの内面に係合するピストンヘッド、および内視鏡装置の組織係合構成要素に連結されたピストンロッドを含み、チャンバー内の流体からの圧力が組織係合要素を作動させる。いくつかの実施形態では、流体は気体または液体である。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、流体がチャンバーに入ることを可能にするように動作可能な弁をさらに含み、弁は、入口導管および出口導管の中を通過する流体の流れを制御し、入口導管および出口導管は、チャンバーに連通されている。いくつかの実施形態では、組織係合要素は、ニードルパッサまたは内視鏡ステープラーヘッドである。いくつかの実施形態では、内視鏡装置は、縫合装置であり、縫合装置は、長尺状部材と、長尺状部材の一端に設けられた縫合アームとを含んでおり、ニードルパッサは、標的組織を縫合するために、長尺状部材と縫合アームの遠位端との間に針を送達するように動作可能である。いくつかの実施形態では、ピストンロッドは、長尺状部材の中に配置されており、ピストンロッドは、ニードルパッサに連結されている。いくつかの実施形態では、チャンバー内の流体は、ピストンヘッドに衝突して、ピストンロッドおよびニードルパッサを軸方向に作動させる。いくつかの実施形態では、内視鏡ステープラーヘッドは、第2のジョーに対向する第1のジョーであって、第1のピストンロッドが連結されている第1のジョーと、第2のジョーに沿ったステープルカートリッジとを含んでおり、ピストンロッドの移動により第1のジョーは、ステープルカートリッジに接触し、またはステープルカートリッジから離間する。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、第2のチャンバー内に第2のピストンをさらに含んでおり、第2のチャンバーは第1のチャンバーと連通しており、第1のチャンバーの第1の直径は第2のチャンバーの第2の直径よりも大きい。いくつかの実施形態では、第2のピストンは、第2のチャンバーの内面に係合する第2のピストンヘッドと、第2のピストンヘッドから延びる第2のピストンロッドとを含んでおり、第2のピストンヘッドはピストンヘッドに面する。
【0005】
1つ以上の実施形態では、システムは、内視鏡と、標的組織の開口部を閉鎖するように動作可能なアクチュエータを含む装置とを含む。アクチュエータは、チャンバー内のピストン、チャンバーの内面に係合するピストンヘッドを含むピストン、および内視鏡装置の組織係合要素に連結されたピストンロッドを含み、チャンバー内の流体からの圧力は、ピストンロッドと組織係合要素を作動させる。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、流体がチャンバーに入ることを可能にするように動作可能な弁をさらに含み、この弁は、チャンバーに連通する入口導管および出口導管の中を通過する流体の流れを制御する。いくつかの実施形態では、装置は、縫合ニードルパッサ、または内視鏡ステープラーヘッドをさらに含む。いくつかの実施形態では、装置は、縫合装置であり、縫合装置は、長尺状部材と、長尺状部材の一端に設けられた縫合アームとを含み、組織係合要素は、標的組織を縫合するために、長尺状部材と縫合アームの遠位端との間に針を送達するように動作可能なニードルパッサである。いくつかの実施形態では、装置は、ステープラーヘッドであって、ステープラーヘッドは第2のジョーに対向する第1のジョーであって、ピストンロッドが第1のジョーに連結されている第1のジョーと、第2のジョーに沿って設けられたステープラーカートリッジであって、前記ピストンロッドの移動により第1のジョーがステープラーカートリッジに接触し、またはステープラーカットリッジから離間する、ステープルカートリッジとを含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、第2のチャンバー内に第2のピストンをさらに含み、第2のチャンバーは、第1のチャンバーに対して連通されており、ピストンヘッドの第1の直径は、第2のピストンの第2のピストンヘッドの第2の直径よりも大きい。
【0006】
1つ以上の実施形態では、方法は、患者の身体内に内視鏡医療装置を挿入することを含み、内視鏡医療装置は、標的組織に係合するように動作可能な内視鏡装置、および内視鏡装置に連結されるアクチュエータであって、チャンバー内にピストンを含むアクチュエータを含む。ピストンは、チャンバーの内面に係合するピストンヘッド、および内視鏡装置の組織係合要素に連結されたピストンロッドを含み得る。方法は、ピストンロッドおよび組織係合要素を標的組織に対して作動させるためにチャンバー内の流体の量を制御すること、および標的組織を組織係合要素と係合させて標的組織の開口部を閉鎖することをさらに含み得る。方法は、縫合装置を使用して標的組織を係合することをさらに含み、縫合装置は、長尺状部材および長尺状部材の一端に設けられた縫合アームを含み、組織係合要素は、針を含むニードルパッサである。方法は、標的組織の開口部を閉鎖するために、長尺状部材と縫合糸アームの遠位端との間に針を送達することをさらに含み得る。方法は、ステープラーヘッドを使用して標的組織に係合することと、ステープラーヘッドが第2のジョーに対向する第1のジョーを含んでおり、ピストンロッドは第1のジョーに連結されており、標的組織の周囲において第1及び第2のジョーを閉鎖して標的組織の開口を閉鎖するためにピストンロッドを作動させることとをさらに含む。この方法は、第2のチャンバー内に第2のピストンを設けることと、第2のチャンバーが第1のチャンバーに連通されており、ピストンヘッドの第1の直径が第2のピストンの第2のピストンヘッドの第2の直径よりも大きいことと、第2のチャンバーとチャンバー内の流体圧力を増大させるために第2のピストンを作動させることとをさらに含む。
【0007】
上記様々な1つ以上の特徴は、上記医療システムおよび方法、および、下記により詳細に説明する実施形態、及び本発明の範囲内の別の実施形態に関連して使用するために、上記別の特徴と、または別の特徴に対して置換、交換、組み合わせ、または代替が可能である。
【0008】
本発明の非限定的な実施形態は、縮尺通りに描かれることを意図されていない添付の図を参照して例として説明されている。図面では、図に示す各同一またはほぼ同一の構成要素は、通常、単一の数字で表されている。明確性のために、すべての構成要素がすべての図面でラベル付けされているわけではなく、各実施形態のすべての構成要素が示されているわけではない。さらに、一部の図には、「断層」、または「近視」の断面図の形式の断面図が含まれており、明確性のために、「真の」断面図に表示される特定の背景線または特徴が省略されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態にかかる医療機器のアクチュエータを示す側断面図。
【
図2A】本発明の実施形態にかかる第1の状態の内視鏡装置を示す側面図。
【
図2B】本発明の実施形態にかかる第2の状態の
図2Aの内視鏡装置を示す側面図。
【
図3】本発明の実施形態にかかる、医療機器と共に使用するための別のアクチュエータを示す側断面図。
【
図4A】本発明の実施形態にかかる第1の状態の内視鏡装置を示す側面図。
【
図4B】本発明の実施形態にかかる第2の状態の
図4Aの内視鏡装置を示す側面図。
【
図5】本発明の実施形態にかかる内視鏡ステープラーヘッドを示す斜視図。
【
図6】本発明の実施形態にかかる内視鏡ステープラーヘッドを示す斜視図。
【
図7】本発明の実施形態にかかる方法を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されない。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、添付の特許請求の範囲を超えて限定することを意図するものではない。別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての専門用語は、本発明が属する技術分野の通常の技術者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0011】
医療は、腹腔鏡下手術および開腹手術から小型化された内視鏡手術に移行する傾向がある。内視鏡医は、これまで以上に複雑な手法を非侵襲的かつ直接的な視覚化の下で実行できる。そのため、特殊な組み込まれた治療能力を有する内視鏡医療機器が必要とされている。このような医療機器は、病院でより普及している幅広い手術の介入を容易にし、さらに、はるかに複雑で有能な内視鏡設計の開発に繋がる可能性がある。
【0012】
本明細書の実施形態は、複雑な機能を単回使用スコープまたは再利用可能な内視鏡のいずれかに統合することによって、少なくとも上記欠陥に対処する。例えば、本発明のシステム、医療機器、および方法に従って利用可能な機能は、縫合、ステープル留め、切断、焼灼、クリップ展開、注射、組織操作等のうちの1つ以上を含む。さらに、本明細書に開示される縫合装置を一度だけ使用することにより、感染リスクを大幅に最小化することができる。
【0013】
本発明は、標的組織の開口部を取得、操作、および閉鎖するための統合された要素を有する、医療機器、例えば、内視鏡、胃鏡、気管支鏡、結腸鏡、尿管鏡、内視鏡ステープラーヘッドなどに関する。使い捨て内視鏡医療機器が本明細書に記載されているが、本発明の実施形態は、内視鏡などの再利用可能な医療機器にも含まれ得ることが理解される。本明細書の実施形態は、複雑な機能を単一の医療機器に統合することによって、少なくとも上記欠陥に対処する。
【0014】
さらに、本明細書の実施形態は、ステープラーヘッドを作動させること、または組織を貫通して針を押すことのために必要とされる力の上昇など、従来技術の少なくとも上記欠陥に対処する。従来技術のシステムはプルワイヤ、またはカテーテルまたは同様のものを押したり、引いたりすることによって操作者が付与することができる力を使用する。これらの従来技術の作動方法は、蛇行性の生体構造において信頼性が低かったり、装置の遠位端に小さすぎる力を変換したり、操作者に疲労を与えたりする可能性がある。本発明の実施形態は、空気圧および/または油圧を縫合またはステープル留め装置の中に導入することによって、医療装置の遠位端で必要とされる、より高い力を可能にする。空気圧および油圧は、近位エンドユーザーインターフェースに付与される力を増大させることができるため、遠位端機構が組織などをより簡単に穿刺することを可能にする。本明細書に含まれる実施形態は、縫合をベースとする装置、またはステープルをベースとする装置のいずれかを支持する様々な構成を説明する。ただし、最終用途はそれほど限定されておらず、一般的なアイデアと設計は、同様の力と動作を必要とする多くの同様の装置とエンドエフェクタに適用し得る。
【0015】
図1を参照して、本発明の実施形態によるシステム、即ち内視鏡医療装置(以下、「装置」)100のアクチュエータ102について説明する。図に示すように、アクチュエータ102は、チャンバー106内にピストン104を含み、ピストン104は、ピストンロッド110に連結されたピストンヘッド108を有する。ピストンヘッド108は、チャンバー106の内面111に係合しており、チャンバー106を第1の部分113と第2の部分115とに分離している。図に示すように、チャンバー106の第1の部分113は、入口導管116に連通しており、チャンバー106の第2の部分115は、出口導管118に連通している。いくつかの実施形態では、チャンバー106の第1の部分113と第2の部分115との間の圧力差により、ピストン104がチャンバー106内で軸方向に(例えば、図の左または右に)移動する。
【0016】
アクチュエータ102は、流体供給装置125からの流体122がチャンバー106に出入り可能にするように動作可能な弁120をさらに含み得る。より具体的には、弁120は、入口導管116および出口導管118の双方を通過する流体122の流れを制御することができる。図示されていないが、弁120は、装置100のハンドルまたはユーザーインターフェースで制御し得る。いくつかの実施形態では、出口導管118は、1つ以上の逃し弁212を含み、入口導管116は、流体122をチャンバー106に送達するために流体供給源125に連結される。流体122は、加圧空気またはCO2であるがこれに限定するものではない。
【0017】
図に示すように、ピストンロッド110は、組織係合要素124に連結される。実施形態では、
図2A、
図2Bに示すように、組織係合要素124は、縫合装置131などの内視鏡装置のニードルパッサ126である。いくつかの実施形態では、ニードルパッサ126は、標的組組織に係合するように動作可能な針130を有したり、針130に連結されたりしている。装置100は、アクチュエータ102のピストンロッド110に連結された縫合装置131をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、縫合装置131は、縫合アーム136に連結、または縫合アーム136に対して一体形成された長尺状部材344を含む。長尺状部材344は、可撓性の中空管、内視鏡、カテーテルなどであり、遠位端138に対向する近位端137を含む。いくつかの実施形態では、長尺状部材344は、スコープの屈曲を可能にするために、シリコーン、ポリアミドおよびポリエーテル骨格ブロックを含む熱可塑性エラストマー、ポリウレタンなどの可撓性材料であり得る。別の実施形態では、長尺状部材344は、より直接的な位置決め応答性を付与するために、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などの剛性材料であり得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、縫合アーム136は遠位アセンブリの一部である。同遠位アセンブリは、長尺状部材344の遠位端138から延びる近位部分142を有する本体141を含む。近位部分142および長尺状部材134は、本体141および長尺状部材134が一体型の使い捨て装置を形成するように一体的に連結することができる。他の実施形態では、遠位アセンブリは、単回使用の長尺状部材344または再利用可能な装置に着脱自在に連結可能であり得る。
【0019】
さらに図に示すように、縫合糸アーム136は、針130を着脱可能に係合するように構成されたエンドキャップ143まで延び得る。いくつかの実施形態では、針130は、長尺状部材344の遠位端138と、縫合アーム136の遠位端145に位置するエンドキャップ143との間で、ニードルパッサ126によって送達され得る。針130は、縫合糸アーム136によって画定される縫合糸空洞147内に保持された標的組織146(
図2A)の開口部を引っ張って閉鎖するために使用される縫合糸(図示せず)に接続され得る。
【0020】
図1、
図2Aおよび
図2Bを参照して、装置100の動作がより詳細に説明される。いくつかの実施形態では、装置100は、ピストン104を駆動するために、空気などの圧縮流体を使用する空気圧装置であり得る。最初に、ニードルパッサ126およびニードル130は、
図2Aに示すように、本体141の近位部142に隣接する部位に引っ込められる。標的組織146が、例えば、本体141のチャンネルの中を通って送達される組織把持器(図示せず)によって縫合腔147内に保持されると、弁120が開放されて、チャンバー106の第1の部分113の内部における流体122の体積の増加を引き起こし得る。流体122の体積が増加するにつれて、ピストンヘッド108への圧力が増加して、ピストン104、ニードルパッサ126、およびニードル130が標的組織146に押圧される。次に、針130は、
図2Bに示すように、エンドキャップ143内に保持される前に、標的組織146を穿刺し得る。組織開口部のサイズおよびタイプに応じて、針130は、縫合糸アーム136の近位部142と遠位端145との間を前後に通過することができ、針130は、各通過によって標的組織146を穿刺するために1つ以上の鋭利な先端を含む。
【0021】
ここで
図3に戻って、本発明の実施形態にかかる内視鏡医療装置(以下「装置」)200のアクチュエータ202をより詳細に説明する。図に示すように、アクチュエータ202は、第1のチャンバー206内に第1のピストン204を含み、第1のピストン204は、第1のピストンロッド210に結合された第1のピストンヘッド208を有する。第1のピストンヘッド208は、第1のチャンバー206の内部領域全体にわたって延びており、第1のチャンバー206の内面211に係合する。図に示すように、第1のピストンヘッド208は、第1のチャンバー206を第1の部分213および第2の部分215に分離し得る。
【0022】
図に示すように、第1のチャンバー206の第1の部分213は、第2のピストン252を含む第2のチャンバー250に連通される。第2のピストン252は、第2のチャンバー250の内面256と係合する第2のピストンヘッド254と、第2のピストンヘッド254から延びる第2のピストンロッド258とを含む。いくつかの実施形態では、第2のピストンロッド258は、第2のチャンバー250の外側に延びることができる。図に示すように、第2のピストンヘッド254は、第1のピストンヘッド208に面している。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1のチャンバー206の第1の直径「D1」は、第2のチャンバー250の第2の直径「D1」よりも大きく、それにより、第1および第2のピストン204、252の使用中に機械的な有利性、すなわち倍増した力を出力する。装置200は、第1および第2のピストン204、252を駆動するために油または水などの非圧縮性油圧作動流体を使用する油圧装置であり得る。使用中、第2のピストン252へのより小さな入力が第1のピストン204へのより大きな出力をもたらし、それにより、使用者によって必要とされる初期力を低減する。いくつかの実施形態では、第2のピストン252は、ユーザインターフェース(図示せず)に配置された任意の様々なアクチュエータ(例えば、レバー)によって制御される。さらに、他の実施形態では、1つ以上のピストンを追加的に使用して、より多くの倍加的な力を発揮できる。
【0024】
ここで、
図3、
図4Aおよび
図4Bを参照して、本発明の実施形態による内視鏡ステープラーヘッド260について説明する。図に示すように、第1のピストンロッド210は、内視鏡ステープラーヘッド260に連結される。この実施形態では、内視鏡ステープラーヘッド260は、第2のジョー264に対向する第1のジョー262を含む。第1のジョー262および第2のジョー264のうちの少なくともいずれか一方は、例えば、ステープラーヘッド260をアクチュエータ202に連結するための1つ以上のリンク機構266(
図3)を介して第1のピストンロッド210に連結される。
【0025】
いくつかの実施形態では、内視鏡ステープラーヘッド260は、第2のジョー264の内部に沿ってステープルカートリッジ268を含み、第1のピストンロッド210の移動は、アンビルとも呼ばれる第1のジョー262をステープルカートリッジ268に対して係脱させる。第1および第2のジョー262、264は、互いに対して旋回可能に取り付けられており、標的組織(図示せず)がステープルカートリッジ268によりクランプされる。より具体的には、内視鏡ステープラーヘッド260は、
図4Aに示すように、初期位置に設けられており、第1のピストンロッド210およびリンク機構266は、第1の方向273に沿って(例えば、ハンドルまたはユーザーインターフェースに向かって)戻る。リンク機構266は、第2のジョー264に連結された第1の部分283と、第1のジョー262に連結され、またはその外周囲に延びる第2の部分284とを有する付勢装置(例えば、スライダー)282に連結される。いくつかの実施形態では、第2の部分284は、第1のジョー262のための開口部を有する覆いを有する。付勢装置282が第1のジョー262に対して移動するとき、第2の部分284の内面は、第1のジョー262の外面287に係合して、第1のジョー262を強制的に閉鎖し得る。いくつかの実施形態では、第1のジョー262はまた、付勢装置282のピンスロット272内を摺動する第1のジョー262のピン271を介して、付勢装置282の第2の部分284内で移動、即ち旋回する。
【0026】
さらに図に示すように、付勢装置282の第1の部分283は、第2のジョー264のレッジ290に係合するフランジ288を含む。付勢装置282は、第2のフランジ292に沿って第2のジョー264にさらに係合し得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、内視鏡ステープラーヘッド260を開放するために、第2のピストン252を第2のチャンバー250の近位端275に向けて付勢し、第2のチャンバー250および第1のチャンバー206の第1の部分213内の圧力を低下させることができる。次に、圧力が低下すると、第1のピストンヘッド208を第1のチャンバー206の近位端276に向かって軸方向に移動させ得る。第1のピストンヘッド208が第1のチャンバー206の近位端276に向かって移動すると、第1のピストンロッド210およびリンク機構266も移動し、付勢装置282を第1の方向273に沿って移動させる。第1のジョー262の外面287に係合する付勢装置282の第2の部分284がない場合、第1のジョー262は、例えば、ばね力またはレバー機構に応答して、第2のジョー264から離間する方向に自由に旋回し得る。
【0028】
別の実施形態では、第1のピストンロッド210およびリンク機構266は、第1のジョー262に連結され得る。使用中、第1のピストンロッド210を第1の方向273に沿って引っ張ると、付勢装置282の第1の部分283内の第1のジョー262を引っ張って、第1のジョー262を閉鎖姿勢でロックし得る。いくつかの実施形態では、別個のピストンロッド(図示略)が付勢装置282に連結されて、付勢装置282が第2の方向277(例えば、ハンドルまたはユーザーインターフェースから離れる方向)に移動するときに、第1のジョー262および第2のジョー264によって組織をステープル留めし且つ切断することができる。
【0029】
図4Bに示すように、内視鏡ステープラーヘッド260を閉鎖するために、第1のピストンロッド210、リンク機構266、および付勢装置282は、第2の方向277に付勢される。これを達成するために、第2のピストン252は、第2のチャンバー250の遠位端279に向かって付勢され、第2のチャンバー250および第1のチャンバー206の第1の部分213内の圧力の増加を引き起こす。次に、圧力の増加により、第1のピストンヘッド208が第1のチャンバー206の遠位端280に向かって軸方向に移動する。第1のピストンヘッド208が第1のチャンバー206の遠位端280に向かって移動すると、第1のピストンロッド210およびリンク機構266も移動し、付勢装置282を第2の方向277に移動させるため、第1のジョー262を第2のジョー264に向かって旋回、または回転させる。
【0030】
内視鏡ステープラーヘッド260が閉鎖すると、第1のジョー262は、ステープルカートリッジ268のステープル穴から押し上げられたステープル(図示せず)を閉鎖形状に変形させることができる。内視鏡ステープラーヘッド260が閉鎖姿勢にあるとき、その断面積、ならびに第1のピストンロッド210は、トロカールカニューラなどの小さな外科的開口部を通って挿入するのに適する。あるいは、ステープラーヘッド260は、スコープの端部への取り付けを介して本体開口部に挿入されるか、またはスコープのワーキングチャンネルの中を通って挿入され得る。いくつかの実施形態では、内視鏡ステープラーヘッド260の正しい配置および配向は、ハンドル/ユーザーインターフェース上の制御によって容易になる。
【0031】
内視鏡ステープラーヘッド260は、アクチュエータ202によって付勢されているように示されているが、内視鏡ステープラーヘッド260は、
図2に示され、本明細書に記載されているアクチュエータ102に連結されている。例えば、アクチュエータ102のピストンロッド110は、第1のジョー262を制御するために使用されるリンク機構266に連結することができる。代替的には、
図2A、
図2Bに示され、かつ本明細書に記載されている縫合装置131は、アクチュエータ202によって付勢される。例えば、第1のピストンロッド210は、ニードルパッサ126に連結される。
【0032】
図5を参照すると、本発明の実施形態による代替の内視鏡ステープラーヘッド360が説明される。図に示すように、内視鏡ステープラーヘッド360は、第2のジョー364の反対側の第1のジョー362、およびピストンロッド310に連結された付勢装置382を含み、これは、第1のピストンロッド210および/またはステープラーヘッド360をアクチュエータ202に接続するための
図4A、
図4Bのリンク機構266と同一であるか、または類似している。
【0033】
付勢装置(例えば、スライダー)382は、第1のジョー362に結合された第1の部分383と、第2のジョー364に結合された第2の部分384とを有し得る。いくつかの実施形態では、第1の部分383は、第1のジョー362の突起またはレッジ389に係合するフランジ388を含む。使用中、ピストンロッド310は、付勢装置382を、内視鏡ステープラーヘッド360の遠位端357と近位端358との間で移動させる。付勢装置382が第1のジョー362および第2のジョー364に沿って横断するとき、第2の部分384の内面は、第2のジョー364の外面387に係合して、第1のジョー362および第2のジョー364を接触させることができる。
【0034】
図6を参照すると、本発明の実施形態による別の代替の内視鏡ステープラーヘッド460が説明される。図に示すように、内視鏡ステープラーヘッド460は、第2のジョー464の反対側の第1のジョー462、および第1のピストンロッド410に連結された付勢装置482を含み、ステープラーヘッド460をアクチュエータ202に連結するための
図4、
図4Bに示す第1のピストンロッド210及び/又はリンク機構266と同一であるか、または類似している。
【0035】
図6では、第1のジョー462とは離脱されて示されているが、付勢装置482(例えば、スライダー)は、第1のジョー462に連結可能な第1の部分483と、第2のジョー464に連結された第2の部分484とを有する。いくつかの実施形態では、第1の部分483は、第1のジョー462の突起またはレッジ489に沿って摺動するように動作可能なフランジ488を含む。使用中、ピストンロッド510は、付勢装置482を、内視鏡ステープラーヘッド460の遠位端457と近位端458との間で移動させる。付勢装置482が第1のジョー462および第2のジョー464に沿って横断するとき、第1のジョー462および第2のジョー464は接近して組織をステープル留めして切断する。
【0036】
図に示す実施形態では、ステープルヘッド460は、第1のジョー462と第2のピストンロッド494との間に連結されたピボットアーム492をさらに含むことができる。第2のピストンロッド494は、本明細書に記載のアクチュエータ102またはアクチュエータ202などの駆動機構によって付勢され得る。ピボットアーム492は、ピボットポイント496を中心として回転するように固定することができ、ステープラーヘッド460の遠位端457に向かって第2のピストンロッド494を移動させると、第1のジョー462を開放し、近位端458に向かって第2のピストンロッド494を移動させると、第1のジョー462を閉鎖する。
【0037】
図7は、本発明の実施形態による方法500を示すフロー図である。ブロック501では、方法500は、患者の身体内に内視鏡医療装置を挿入することを含み、内視鏡医療装置は、標的組織と係合するように動作可能な内視鏡装置と、内視鏡装置に結合されたアクチュエータとを含み、アクチュエータは、チャンバー内にピストンを含む。いくつかの実施形態では、ピストンは、チャンバーの内面に係合するピストンヘッド、および内視鏡装置の組織係合構成要素に連結されたピストンロッドを含み得る。いくつかの実施形態では、この方法は、第2のチャンバー内に第2のピストンを設けることを含み、第2のチャンバーは第1のチャンバーに連通されており、ピストンヘッドの第1の直径は、第2のピストンの第2のピストンヘッドの第2の直径よりも大きい。この方法は、第2のピストンを作動させて、第2のチャンバーおよび第1のチャンバー内の流体の圧力を増加させる。
【0038】
ブロック503では、この方法は、標的組織に対してピストンロッドおよび組織係合構成要素を作動させるために、チャンバー内の流体の量を制御することを含み得る。いくつかの実施形態では、バルブを開閉して、チャンバーに入る流体を制御することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、チャンバーに連通された入口導管および出口導管を含み、入口導管は、ピストンヘッドの第1の側に沿って配置され、出口導管は、ピストンヘッドの第2の側に沿って配置される。
【0039】
ブロック505において、方法500は、標的組織を組織係合要素と係合させて、標的組織の開口部を閉鎖することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、縫合装置、長尺状部材を含む縫合装置、および長尺状部材の一端にある縫合アームを使用して標的組織を係合することを含み、組織係合要素は、針を含むニードルパッサである。この方法は、標的組織の開口部を閉鎖するために、長尺状部材と縫合糸アームの遠位端との間に針を送達することをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、ステープラーヘッドを使用して標的組織に係合することを含み得、ステープラーヘッドは、第2のジョーの反対側の第1のジョーを含み、ピストンロッドは第1のジョーに連結される。この方法は、ピストンロッドを作動させて標的組織の周囲で第1および第2のジョーを閉鎖して、標的組織の開口部を閉鎖することをさらに含み得る。
【0040】
本明細書に記載の装置を形成する際に、様々な異なる材料を使用できることが理解されよう。いくつかの場合には、さまざまな異なる金属を使用することができる。適切な金属の例示的であるが非限定的な例には、チタン、ステンレス鋼、マグネシウム、コバルトクロムなどが含まれる。いくつかの実施形態では、例えば、本明細書に記載の装置は、ポリウレタンまたはシリコーンなどの生体適合性材料を含む、任意の適切なポリマー材料を含み得る。他の適切なポリマーには、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、デュポン社(DuPont)から入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、ポリウレタン85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSMエンジニアリングプラスチックス社(DSM EngineeringPlastics)から入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテルまたはエステルベースのコポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレートおよび/または、デュポン社(DuPont)から入手可能なHYTREL(登録商標)などの他のポリエステルエラストマー)、ポリアミド(例えば、バイエル社(Bayer)から入手可能なDURETHAN(登録商標)またはエルフアトケム社(ElfAtochem)から入手可能なCRISTAMID(登録商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(例えば、商品名PEBAX(登録商標)で入手可能なPEBA)、エチレンビニルアセテートコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、マーレックス(Marlex)高密度ポリエチレン、マーレックス(Marlex)低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタラミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルホン、ナイロン、ナイロン-12(EMS American Grilonから入手可能なGRILAMID(登録商標)など)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリビニリデンクロリド(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(たとえば、SIBSおよび/またはSIBS 50A)、ポリカーボネート、イオノマー、生体適合性ポリマー、その他の適切な材料、または混合物、組み合わせ、それらのコポリマー、ポリマー/金属複合体などを含み得る。
【0041】
いくつかの実施形態は、それらの派生物と共に「結合された」および「接続された」という表現を使用して説明され得る。これらの用語は、互いに同義語として意図されたものではない。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が互いに直接物理的または電気的に接触していることを示すために、「接続された」および/または「結合された」という用語を使用して説明され得る。ただし、「結合された」という用語は、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、それでも互いに協力、または相互作用していることを意味する場合もある。
【0042】
非限定的であるが、本明細書で使用される場合、「近位端」という用語は、装置のハンドルまたはユーザーインターフェースに最も近い、装置の一部、または装置の構成要素の一部を指し得る。「遠位端」という用語は、装置のハンドルまたはユーザーインターフェースから最も遠い、装置の一部、または装置の構成要素の一部を指す場合がある。
【0043】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「備える」および/または「備えている」または「含む」および/または「含む」という用語は、記載された特徴、領域、工程要素および/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の要素、領域、整数、工程、操作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。
【0044】
さらに、「実質的」または「実質的に」という用語、ならびに「近似的」または「近似的に」という用語は、いくつかの実施形態において交換可能に使用することができ、当業者によって許容される任意の相対的尺度を使用して説明することができる。たとえば、これらの用語は、参照パラメータとの比較として機能し、目的の機能を提供する偏差を示すことができる。限定的ではないが、参照パラメータからの偏差は、例えば、1%未満、3%未満、5%未満、10%未満、15%未満、20%未満等であり得る。
【0045】
特定の実施形態が本明細書に例示および記載されているが、同じ目的を達成するために計算された任意の構成が、示された特定の実施形態の代わりになり得ることを理解されたい。本発明は、様々な実施形態の任意且つ全ての適応または変形をカバーすることを意図している。上記の説明は、限定的なものではなく、例示的な方法で行われたことを理解されたい。上記の実施形態、および本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態の組み合わせは、上記の説明を検討すれば、当業者には明らかであろう。したがって、様々な実施形態の範囲は、上記の組成物、構造、および方法が使用される他の任意の用途を含む。
【0046】
さらに、例示的な方法500は、一連の行為または事象として上に記載されているが、本発明は、具体的に述べられない限り、そのような行為または事象の例示された順序によって限定されない。例えば、いくつかの行為は、本発明に従って、本明細書に図示および/または記載されたものとは別に、異なる順序で、および/または他の行為または事象と同時に発生する可能性がある。さらに、本発明による方法論を実施するために、図示されたすべての行為または事象が必要とされるわけではない。
【0047】
主題は、構造的特徴および/または方法論的行為に固有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしも上記の特定の特徴または行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上記の特定の特徴および行為は、特許請求の範囲を実施するための例示的な形態として開示されている。