(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07H 19/10 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
C07H19/10
(21)【出願番号】P 2022537892
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 KR2020018514
(87)【国際公開番号】W WO2021125819
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0169482
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522242498
【氏名又は名称】チョングンダン ファーマスーティカル株式会社
【氏名又は名称原語表記】CHONG KUN DANG PHARMACEUTICAL CORP.
【住所又は居所原語表記】8, Chungjeong-ro, Seodaemun-gu, Seoul 03742, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】リーム,ヒョンジョン
(72)【発明者】
【氏名】リー,セヨンウク
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ギョンヒ
(72)【発明者】
【氏名】カン,スンコン
(72)【発明者】
【氏名】リム,ジョンラエ
【審査官】水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】特公昭41-015422(JP,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0091672(KR,A)
【文献】特表2001-513568(JP,A)
【文献】国際公開第2014/103704(WO,A1)
【文献】Phosphorus, Sulfur, and Silicon and the Related Elements,2019年,194,335-336
【文献】Synthetic Communications,2006年,36, 3393-3399
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H
CAplus(STN)
CASREACT(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(ステップ1)化学式2aで表されるウリジン5’-一リン酸(UMP)の塩を酸で脱塩し、化学式2aで表されるウリジン5’-一リン酸(UMP)を製造するステップ;
(ステップ2)化学式2aで表されるウリジン5’-一リン酸(UMP)を3級アミン、カルボジイミド類の縮合剤およびイミダゾールと反応させ、化学式2bで表されるウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドを製造するステップ;および
(ステップ3)化学式2bで表されるウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドを一リン酸化剤および3級アミンと反応させ、化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物を製造するステップ
を含む、化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法:
[化学式2a]
【化1】
[化学式2b]
【化2】
[化学式3a]
【化3】
【請求項2】
前記ステップ1の酸は、硫酸または塩酸である、請求項1に記載の化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法。
【請求項3】
前記ステップ1は、反応溶媒として水とアルコールの混合溶媒を用いる、請求項1に記載の化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法。
【請求項4】
前記ステップ2のカルボジイミド類の縮合剤は、
1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)またはその塩、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)およびN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)からなる群から選択される少なくともいずれか一つである、請求項1に記載の化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法。
【請求項5】
前記ステップ2の3級アミンは、トリエチルアミン、トリブチルアミンおよびジイソプ
ロピルエチルアミンからなる群から選択される少なくともいずれか一つである、請求項1に記載の化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法。
【請求項6】
前記ステップ3は、反応溶媒としてアセトン、アルコール、アセトニトリルおよびN,N’-ジメチルホルムアミドからなる群から選択される少なくともいずれか一つを用いる、請求項1に記載の化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法。
【請求項7】
前記ステップ3の一リン酸化剤および3級アミンは、それぞれ化学式2bで表されるウリジン-5’-ホスホロイミダゾリド1モル当量に対して1.0モル当量~10.0モル当量で用いられる、請求項1に記載の化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法。
【請求項8】
前記ステップ3の一リン酸化剤および3級アミンのモル当量の比は1:1である、請求項1に記載の化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法。
【請求項9】
前記ステップ3の後に、
(ステップ4-1)化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)を吸着精製および溶出により化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)を製造するステップ;
(ステップ4-2)化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)をその金属塩に転換して固体化するステップ;および
(ステップ4-3)ウリジン5’-二リン酸の金属塩を化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物に転換するステップをさらに含む、請求項1に記載の化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法。
【請求項10】
前記ステップ4-1の吸着精製に用いられる吸着剤は、活性炭である、請求項9に記載の化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法。
【請求項11】
前記ステップ4-1の溶出に用いられる溶出液は、
濃度0.5mol/L~2.5mol/Lの塩酸、
濃度0.5mol/L~2.5mol/Lのアンモニア水および塩化ナトリウム水溶液からなる群から選択される少なくともいずれか一つである、請求項9に記載の化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法。
【請求項12】
前記ステップ4-2で製造されるウリジン5’-二リン酸(UDP)の金属塩は、2価のカチオン金属塩である、請求項9に記載の化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジヌクレオシドポリリン酸化合物の製造に用いられる中間体化合物であるウリジン5’-二リン酸(以下、UDPと表記)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、下記式1で表される化合物であるP
1,P
4-ジ(ウリジン5’-)四リン酸(以下、「UP
4U」と表記)またはその塩は、眼球乾燥症または涙液分泌減少症に伴う角結膜上皮障害の治療剤として用いられており、痰排出誘導作用を有するため、去痰剤または肺炎治療剤として開発が期待されている化合物である。
[化学式1]
【化1】
国際公開公報第1999/05155号には、ウリジン、ウリジン5’-一リン酸(以下、UMPと表記)、UDPまたはウリジン5’-三リン酸(以下、UTPと表記)およびこれらのそれぞれの塩とウリジンヌクレオチド化合物を極性非プロトン性有機溶媒および疎水性アミンに溶解させ、一リン酸化剤または二リン酸化剤をリン酸化剤として用いてリン酸化反応させ、カルボジイミド、活性カルボニルまたは活性インを活性化剤として用いてUP
4Uを製造する方法について報告されている。
また、大韓民国公開特許第10-2018-0091672号(2018.08.16.公開)によれば、下記化学式2a、3a、4aで表されるヌクレオシドリン酸化合物を出発物質としてカルボジイミド類の縮合剤および金属イオンを環境に優しい溶媒である水の存在下で反応させ、高収率および高純度のUP
4Uを製造する方法について報告されている。
[化学式2a]
【化2】
[化学式3a]
【化3】
[化学式4a]
【化4】
J.Org.Chem.1987、52、1794-1801には、ウリジンと二リン酸化剤を反応してUDPを合成する方法が報告されているが、収率が低く、別のイオン交換樹脂精製が必要であるため、商業的に生産するには難しさがある。
また、Synthetic Communications 36:3393-3399、2006には、UMPをウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドに転換した後、リン酸およびトリアルキルアミン塩と反応してUDPを合成する方法が報告されている。しかし、このような製造方法は、収率が低く、副産物が多く生成されてアニオン交換樹脂および高速タンパク質液体クロマトグラフィー(Fast protein liquid chromatography、FPLC)を用いた精製がさらに必要であるため、商業的に生産するには難しさがある。
したがって、上記のような理由で、UDPを経済的に合成するために、効率的な精製を介して商業的にUDPを合成可能な製造方法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開公報第1999/05155号
【文献】韓国公開特許第10-2018-0091672号
【非特許文献】
【0004】
【文献】Synthetic communications 36、3393-3399、2006(2006.11.23.公開)
【文献】J.Org.Chem.1987、52、1794-1801
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、純度および収率を向上させながらも、大量生産に好適であり、経済的な、ウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明においては、高価なUDPを経済的に合成するために、UMPを出発物質としてウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドを合成した後、それを一リン酸化剤および3級アミンと反応して粗(crude)UDPを合成し、イオン交換樹脂精製を経ない効率的な精製を介して商業的にUDPを合成可能な製造方法を提供しようとする。
本発明に係る化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法は、
(ステップ1)化学式2aで表されるウリジン5’-一リン酸(UMP)の塩を酸で脱塩し、化学式2aで表されるウリジン5’-一リン酸(UMP)を製造するステップ;
(ステップ2)化学式2aで表されるウリジン5’-一リン酸(UMP)を3級アミン、カルボジイミド類の縮合剤およびイミダゾールと反応させ、化学式2bで表されるウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドを製造するステップ;および
(ステップ3)化学式2bで表されるウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドを一リン酸化剤および3級アミンと反応させ、化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物を製造するステップを含む。
[化学式2a]
【化5】
[化学式2b]
【化6】
[化学式3a]
【化7】
【0007】
ステップ1
前記ステップ1の化学式2aで表されるウリジン5’-一リン酸(UMP)の塩は、UMP金属塩であってもよい。前記UMP金属塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、セリウム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛およびホウ素からなる群から選択されてもよく、好ましくは、リチウム、ナトリウムまたはカリウムのアルカリ金属塩、およびカルシウムまたはマグネシウムのアルカリ土類金属塩であってもよい。
【0008】
一実施形態において、前記ステップ1の脱塩工程で用いられる酸は、硝酸、硫酸または塩酸であってもよい。この際、酸は、UMP 1モル当量に対して0.8モル当量~1.2モル当量の量で用いられてもよく、好ましくは、0.9モル当量~1.1モル当量の量で用いられてもよい。
【0009】
一実施形態において、前記ステップ1の反応溶媒としてアルコールと水の混合溶媒を用いてもよく、アルコールと水の混合比率は、4:1~10:1の範囲であってもよく、好ましくは、6:1~8:1であってもよい。前記反応に用いられるアルコールの種類は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノールまたはイソブタノールであってもよく、これらは、それぞれ単独でまたは2以上混合して用いられてもよい。前記ステップ1の反応溶媒として用いられるアルコールは、好ましくは、メタノールまたはエタノールであってもよい。
前記ステップ1の反応温度は、10℃~40℃の範囲であってもよく、好ましくは、20℃~30℃の範囲であってもよい。また、前記ステップ1の反応時間は、10分~60分の範囲であってもよく、好ましくは、20分~40分であってもよい。ただし、これに限定されない。
【0010】
一実施形態において、前記UMP金属塩がUMPナトリウム塩である場合、前記ステップ1の反応は、下記反応式1のように表すことができる。
[反応式1]
【化8】
前記ステップ1によれば、UMP金属塩を、イオン交換樹脂を用いることなく、アルコールと水の混合溶媒下で酸で脱塩し、容易にUMP遊離酸に転換することができる。
前記ステップ1においては、イオン交換樹脂を用いることなく、化学式2aで表されるウリジン5’-一リン酸(UMP)を製造することができるため、反応ステップおよび反応時間を減らすことができ、それに応じた不純物の発生を最小化することができる。
【0011】
ステップ2
前記ステップ2は、前記ステップ1により得られたUMP遊離酸を用いて、ウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドを製造するステップである。
前記ステップ2のカルボジイミド類の縮合剤は、R1-N=N-R2(この際、R1およびR2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、炭素数1~6の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基であり、前記アルキル基は、アルキルアミン基で選択的に置換されていてもよい)で表される化合物であって、縮合反応において反応助剤として添加される。
【0012】
前記ステップ2におけるカルボジイミド類の縮合剤は、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDCI)またはその塩、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)などであってもよく、これらは、それぞれ単独でまたは2以上混合して用いられてもよい。この際、カルボジイミド類の縮合剤は、UMP1モル当量(mole equivalent)に対して1モル当量~3モル当量の量で用いられてもよく、好ましくは、1.5モル当量~2.5モル当量で用いられてもよい。
【0013】
前記ステップ2における3級アミンは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンであってもよく、これらは、それぞれ単独でまたは2以上混合して用いられてもよい。好ましくは、前記ステップ2における3級アミンは、トリブチルアミンであってもよい。この際、用いられる3級アミンは、UMP1モル当量に対して1モル当量~2モル当量の量で用いられてもよく、好ましくは、1.4モル当量~1.6モル当量で用いられてもよい。
前記ステップ2におけるイミダゾールは、UMP1モル当量に対して1モル当量~3モル当量の量で用いられてもよく、好ましくは、1.5モル当量~2.5モル当量で用いられてもよい。
【0014】
前記ステップ2の反応溶媒は、アルコールと水の混合溶媒であってもよい。この際、アルコールと水の混合比率は、4:1~10:1の範囲であってもよく、好ましくは、6:1~8:1であってもよい。前記反応に用いられるアルコールの種類は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノールまたはイソブタノールであってもよく、これらは、それぞれ単独でまたは2以上混合して用いられてもよい。前記ステップ2の反応溶媒といて用いられるアルコールは、好ましくは、メタノールまたはエタノールであってもよい。
【0015】
前記ステップ2の反応温度は、60℃~80℃の範囲であってもよく、好ましくは、65℃~75℃の範囲であってもよい。また、前記ステップ2の反応時間は、30分~12
0分の範囲であってもよく、好ましくは、60分~90分であってもよい。ただし、これに限定されない。
【0016】
一実施形態において、前記化学式2bで表されるウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドを製造するステップであるステップ2は、下記反応式2のように表すことができる。
[反応式2]
【化9】
【0017】
ステップ3
前記ステップ3で用いられる一リン酸化剤は、リン酸(H3PO4)またはBu3NH・H2PO4などのようなリン酸の3級アミン塩であってもよい。前記ステップ3の一リン酸化剤は、ウリジン-5’-ホスホロイミダゾリド1モル当量に対して1モル当量~10モル当量の量で用いられてもよく、好ましくは、2モル当量~4モル当量の量で用いられてもよい。
【0018】
前記ステップ3の3級アミンに関する説明は、前記ステップ2にて説明したものと実質的に同様であるため、重複する詳細な説明は省略する。前記ステップ3の3級アミンとしては、前記ステップ2で用いられた3級アミンと同一種類のものを用いてもよく、他種類のものを用いてもよい。この際、前記ステップ3の3級アミンは、ウリジン-5’-ホスホロイミダゾリド1モル当量に対して1モル当量~10モル当量の量で用いられてもよく、好ましくは、2モル当量~4モル当量の量で用いられてもよい。
【0019】
一実施形態において、前記ステップ3の一リン酸化剤および3級アミンのモル当量の比は1:1であってもよい。
【0020】
前記ステップ3の反応溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール、アセトン、アセトニトリル、N,N’-ジメチルホルムアミドなどであってもよく、これらは、それぞれ単独でまたは2以上を混合して用いられてもよい。一実施形態において、前記ステップ3の反応溶媒は、メタノールまたはアセトンであってもよい。
【0021】
前記ステップ3の反応温度は、20℃~50℃の範囲であってもよく、好ましくは、30℃~40℃の範囲であってもよい。また、前記ステップ3の反応時間は、30分~180分の範囲であってもよく、好ましくは、60分~120分であってもよい。
【0022】
一実施形態において、前記ステップ3は、下記反応式3のようにウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドを一リン酸化剤および3級アミンと反応させて行われてもよい。前記ステップ3の結果として、前記化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)の粗(crude)UDPを得ることができる。
[反応式3]
【化10】
【0023】
精製工程:ステップ4-1~4-3
一実施形態において、本発明に係る化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法は、前記ステップ3を行った後、前記ステップ3で得られた粗(crude)UDPを精製し、化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)を得るステップをさらに含んでもよい。
具体的に、本発明に係る化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物の製造方法は、前記ステップ3を行った後、
(ステップ4-1)化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)を吸着精製および溶出により化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)を製造するステップ;
(ステップ4-2)化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)をその金属塩に転換して固体化するステップ;および
(ステップ4-3)ウリジン5’-二リン酸の金属塩を化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)、その塩またはその水和物に転換するステップをさらに含んでもよい。
【0024】
ステップ4-1
前記ステップ4-1においては、前記ステップ3で得られた粗(crude)UDPを用いて、化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)を製造することができる。この際、吸着精製および溶出により、化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)を製造することができる。前記ステップ3において、粗(crude)UDPの合成時に反応を完結させるために過量の3級アミンおよびリン酸化剤を用いるが、この過程で、UVに検出されないリン酸副産物が多く残存し得るため、前記ステップ4-1においてこれらを除去してもよい。
【0025】
一実施形態において、前記ステップ4-1の吸着精製および溶出においては吸着剤を用いてもよく、前記吸着剤は活性炭であってもよい。
【0026】
一実施形態において、前記溶出時に用いられる溶出液は、薄い塩酸、塩化ナトリウム水溶液、炭酸アンモニウム水溶液、薄いアンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液からなる群から選択されてもよく、好ましくは、薄いアンモニア水であってもよい。溶出液の濃度は、0.5mol/L~2.5mol/Lの範囲であってもよく、好ましくは、1.0mol/L~2.0mol/Lであってもよい。
【0027】
一実施形態において、前記ステップ4-1は、前記粗(crude)UDPを水に溶かした後に活性炭に吸着させ、濾過により不純物を除去し、吸着した活性炭を溶出させることで行われてもよい。例えば、粗(crude)UDPを水に溶かした後、少量の薄い塩酸を加えてpH2~3において完全に溶かした後、活性炭を用いて粗(crude)UDPを活性炭に吸着させてもよい。この際、希釈する水の体積(mL)は、UDPの重量(g)に対して40倍数~60倍数の範囲であってもよく、好ましくは、45倍数~55倍数であってもよい。この際、活性炭の使用量(重量)は、UDPの重量に対して3倍数~7倍数の範囲であってもよく、好ましくは、4倍数~6倍数であってもよい。
【0028】
ステップ4-2
前記ステップ4-2のUDPの金属塩(以下、UDP金属塩)は、2価のカチオン金属塩であってもよい。
一実施形態において、前記UDP金属塩は、下記化学式3bで表されるUDPカルシウム塩であってもよい。
[化学式3b]
【化11】
【0029】
一実施形態において、前記ステップ4-2は、前記ステップ4-1で溶出された化学式3aで表されるUDPにカルシウム化剤を添加して化学式3bで表されるUDPカルシウム塩に転換し、結晶化により固体として得る工程で行われてもよい。
【0030】
一実施形態において、前記ステップ4-2のUDP金属塩がUDPカルシウム塩である場合の反応は、下記反応式4のように表すことができる。
[反応式4]
【化12】
【0031】
一実施形態において、前記ステップ4-2でカルシウム化剤を用いる場合、カルシウム化剤は、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウムまたはリン酸カルシウムであってもよく、好ましくは、塩化カルシウムまたは炭酸カルシウムであってもよい。この際、カルシウム化剤は、UDP1モル当量に対して2モル当量~6モル当量の量で用いられてもよく、好ましくは、3モル当量~5モル当量の量で用いられてもよい。
【0032】
前記ステップ4-2の結晶化は、アルコール溶媒を用いて行われてもよく、前記アルコール溶媒の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられ、好ましくは、メタノールであってもよい。前記結晶化工程におけるメタノールの量(体積)は、UDP溶出液の体積に対して0.2倍数~0.4倍数の範囲であってもよく、好ましくは、0.25倍数~0.35倍数であってもよい。
【0033】
ステップ4-3
前記ステップ4-3において、前記ステップ4-2を介して固相として得られたUDP金属塩を転換し、化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)を製造することができる。
【0034】
一実施形態において、前記ステップ4-3は、前記ステップ4-2で得られた、固体化したウリジン5’-二リン酸の金属塩を脱塩させ、化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)に転換させるステップを含んでもよい。この際、前記ステップ4-3は、脱塩により得られた化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)に対して水酸化ナトリウムを加え、化学式3aで表されるウリジン5’-二リン酸(UDP)のナトリウム塩を得るステップをさらに含んでもよい。
【0035】
具体的に、前記ステップ4-3は、前記ステップ4-2を介して固相として得られた化学式3bで表されるUDPカルシウム塩に対して酸を用いてUDP遊離酸に転換し、さらに水酸化ナトリウムを加えてUDPナトリウム塩に転換する工程により行われてもよい。前記ステップ4-3は、下記反応式5のように表すことができる。
[反応式5]
【化13】
【0036】
前記ステップ4-3の脱塩に使用可能な酸は、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸のような強酸であってもよく、好ましくは、硫酸または塩酸であってもよい。この際、用いられる酸は、UDPカルシウム塩1モル当量に対して0.8モル当量~1.2モル当量の量で用いられてもよく、好ましくは、0.9モル当量~1.1モル当量の量で用いられてもよい。
【0037】
前記ステップ4-3の反応温度は、10℃~40℃の範囲であってもよく、好ましくは、20℃~30℃の範囲であってもよい。また、前記ステップ4-3の反応時間は、30分~90分の範囲であってもよく、好ましくは、50分~70分であってもよい。
【0038】
前記ステップ4-3において水酸化ナトリウムを用いてUDPナトリウム塩に転換され、この際、反応pH4~pH5の範囲であってもよく、好ましくは、pH4.4~pH4.6であってもよい。
【0039】
前記ステップ4-3において、ナトリウム塩を得る反応に結晶化溶媒が用いられてもよく、前記結晶化溶媒として用いられるメタノールの体積(mL)は、UDPカルシウム塩の重量(g)に対して5倍数~13倍数の範囲であってもよく、好ましくは、8倍数~10倍数であってもよい。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、簡素化された工程によりジクアホソルの前駆物質であるUDPを大量生産することができるため、商業的に利用可能である。本発明においては、イオン交換樹脂を用いた脱塩工程を経ることなく、粗(crude)UDPの精製時にイオン交換樹脂の代わりに活性炭を用いて精製することで工程を簡素化することができる。また、精製後、難溶性のUDP金属塩に転換して固体化させることで高収率および高純度のUDPを得ることができ、よって、別途の生産設備を設けることなく比較的に簡単な工程で大量生産が可能であるため、商業的に有用に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】実施例1のステップ2で合成されたウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドの核磁気共鳴分析(
1H NMR)結果である。
【
図2】実施例2のステップ4-3で合成されたUDPナトリウム塩の
1H NMR結果である。
【
図3】実施例1のステップ2で合成されたウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドの液体クロマトグラフィー分析(HPLC)結果である。
【
図4】実施例1のステップ3で合成された粗(crude)UDPのHPLC結果である。
【
図5】実施例2のステップ4-1で得られたUDPのHPLC結果である。
【
図6】実施例2のステップ4-2で得られたUDPカルシウム塩のHPLC結果である。
【
図7】実施例2のステップ4-3で得られたUDPナトリウム塩のHPLC結果である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。ただし、下記の実施例は本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、下記の実施例により本発明の内容が限定されるものではない。
また、以下に言及された試薬および溶媒は、特に言及しない限り、Sigma-AldrichおよびTCIから購入したものであり、
1H NMRデータは、Bruker DPX 400を用いて測定し、HLPCは、Agilent Technologies社の1200 Seriesを用いて測定した。
本発明で用いられたHPLC条件は次のとおりであり、反応後または反応混合物中の純度を測定した。
検出器:紫外部吸光光度計(測定波長:260nm)
カラム:YMC-Pack Pro C18(4.6mm×250mm、5μm)
移動相:リン酸二水素カリウム40gを水1Lに溶解
流量:0.800~1.200mL/分
【表1】
試料:10mg/移動相10mL
注入量:10μl
【0043】
実施例1:粗(crude)ウリジン5’-二リン酸(UDP)の合成
(ステップ1)ウリジン5’-一リン酸(UMP)の合成
【化14】
UMPナトリウム塩20g(54.3mmol)を250ml-三口ラウンドフラスコに入れ、エタノール(EtOH)80ml、精製水10ml、硫酸2.9ml(54.3mmol)を投入した。室温で30分間撹拌および濾過した後、エタノール5ml、精製水0.63mlを混合して洗浄し、濾液を次の反応にin-situで用いた。
(ステップ2)ウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドの合成
【化15】
UMP17.6g(54.3mmol)が含まれたステップ1の濾液にトリブチルアミン19.4ml(81.5mmol)、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)16.8ml(108.6mmol)、イミダゾール7.4g(108.6mmol)を順次投入した後、70℃に昇温後、70℃で1時間撹拌した。反応終了後、反応液を10℃以下に冷却し、10℃以下で30分間撹拌した後、生成された固体を濾過して除去した。別の1L-三口ラウンドフラスコにアセトン400mLを投入し、上記で濾過した濾液を徐々に逆滴加した。NaClO
4 1H
2O 8.38g(59.7mmol)を投入し、室温で30分間撹拌し結晶化させた後に生成された固体を濾過し、アセトン25mlで洗浄した後に窒素乾燥した。
純度97.0%(HPLC)
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ 3.95 (m, 1H), 4.04 (m, 1H), 4.09 (m, 2H), 4.19 (m, 1H), 5.80 (m, 2H), 7.03 (m, 1H), 7.21 (t, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.84 (s, 1H)
(ステップ3)粗(crude)ウリジン5’-二リン酸(UDP)の合成
【化16】
ウリジン-5’-ホスホロイミダゾリド16g(42.8mmol)、アセトン160mlを250ml-三口ラウンドフラスコに投入した。別の250ml-三口ラウンドフラスコにアセトン80ml、85%リン酸5.87ml(85.5mmol)、トリブチルアミン20.4ml(85.5mmol)を投入し、10分間撹拌した後に逆滴加した。塩化カルシウム二水和物6.29g(42.8mmol)を投入し、40℃に昇温後、40℃で1~2時間撹拌した。反応終了後、NaClO
4 1H
2O 12.57g(85.5mmol)を投入し、室温で1時間撹拌した後に生成された固体を濾過し、アセトン40mlで洗浄した後に乾燥した。乾燥物にメタノール100ml、精製水50mlを投入し、室温で1時間スラリー撹拌した。固体を濾過し、アセトン40mlで洗浄した後
に窒素乾燥した。
収量21.92g、UDPの含量62.6%、UDPの純度88.8%(HPLC)
【0044】
実施例2
(ステップ4-1)ウリジン5’-二リン酸(UDP)の精製
前記実施例1のステップ3で得られた粗(crude)ウリジン5’-二リン酸(UDP)に対して、2L-三角フラスコに粗(crude)UDP16g(UDP10g、49.5mmol)、精製水1Lを投入し撹拌しつつ、6N塩酸をpH2.5になるまで徐々に加えた。きれいに溶解された後に活性炭100gを投入し、室温で30分間撹拌して吸着させた。濾過して不純物を濾液で除去させた後、精製水1Lで洗浄して不純物を除去した後、1.4Nアンモニア水でUDPを溶出して精製した。
溶出液0.6L、純度95.3%(HPLC)
(ステップ4-2)ウリジン5’-二リン酸(UDP)カルシウム塩の合成
【化17】
ステップ4-1で溶出されたUDP(49.5mmol)溶液0.6Lに塩化カルシウム二水和物29.1g(198mmol)を投入し、メタノール240mlを加えた。室温で1時間撹拌し、生成された固体を濾過してUDPカルシウム塩を得た後に窒素乾燥した。
収率96%、含量80%、純度94.9%(HPLC)
(ステップ4-3)ウリジン5’-二リン酸(UDP)ナトリウム塩の合成
【化18】
250ml-三口ラウンドフラスコにUDPカルシウム塩12.3g(27.9mmol)、精製水30mlを投入した後に室温で撹拌した。薄い硫酸をpH2.5になるまで徐々に滴加した後、室温で1時間撹拌した。濾過して生成された固体を除去し、濾液に5N水酸化ナトリウム水溶液をpH4.5になるまで徐々に滴加した。この溶液をメタノール100mlに逆滴加し、室温で1時間撹拌した後、生成された固体を濾過してUDPナトリウム塩を得た後に窒素乾燥した。
収率86.6%、含量99.1%、純度99.0%(HPLC)
1H NMR (D
2O, 400 MHz): δ4.14 (m, 2H), 4.19 (m, 1H), 4.30 (m, 2H), 5.89 (m, 2H),
7.91 (d, 1H)
前記ステップ1~ステップ4-3の反応結果を下記表2に示す。
【表2】
1実際収率×UDPの含量/100
【0045】
比較実験例1:粗(crude)ウリジン5’-二リン酸(UDP)の合成
(ステップA)ウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドの合成:先行製法テスト
UMP遊離酸(1モル当量)にN,N’-ジメチルホルムアミド(20ml/g)、TEA(6.6モル当量)を投入し、10分間撹拌した。次いで、イミダゾール(4モル当量)、2,2’-ジチオジピリジン(1.6モル当量)、トリフェニルホスフィン(1.6モル当量)を順次投入した。25℃で3時間反応した後、アセトン(140ml/g)、NaClO
4(4モル当量)を投入し、4℃に冷却後、30分間撹拌して濾過および乾燥した。
収率84.2%、純度94.1%(HPLC)
(ステップB)粗(crude)ウリジン5’-二リン酸(UDP)の合成:先行製法テスト
前記ステップAで合成されたウリジン-5’-ホスホロイミダゾリド(1モル当量)にN,N’-ジメチルホルムアミド(34ml/g)、リン酸(4モル当量)、トリブチルアミン(4モル当量)を投入し、10分間撹拌した。次いで、ZnCl
2(0.7モル当量)を投入し、25℃で15時間撹拌した。前記反応液をHPLCで分析し、反応溶液中のUDPおよびUMP、UP
3U、UP
2U、UMP-IMDの純度を確認した。その結果を下記表3に示す。
【表3】
本願発明の実施例1に係るステップ1~3の合成工程結果を比較実験例1に係る先行文献工程と比べて表4に示す。本発明の合成工程が、収率および純度が大幅に向上したことを確認した。
【表4】
1実際収率×UDPの含量/100
【0046】
実験例1:ウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドの合成:縮合剤に対する効果
UMP遊離酸(1モル当量)に88%エタノール(4.5ml/g)、TBA(トリブチルアミン、1.5モル当量)、縮合剤(2モル当量)、イミダゾール(2モル当量)を順次投入し、70℃に昇温後、70℃で1時間反応させた。
前記反応液をHPLCで分析し、反応溶液中のUMP、ウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドおよびUP
2Uの純度を確認した。その結果を下記表5に示す。
【表5】
前記[表5]の結果から、ウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドの合成において、縮合剤の種類に応じて反応性およびダイマー(Dimer)の生成に差が発生した。DIC(N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド)を用いた際に、ウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドの転換に最も優れ、ダイマー(Dimer)の生成も最小化可能であることを確認した。
【0047】
実験例2:ウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドの合成:3級アミンに対する効果
UMP遊離酸(1モル当量)に88%エタノール(4.5ml/g)、3級アミン(1.5モル当量)、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(2モル当量)、イミダゾール(2モル当量)を順次投入し、70℃に昇温後、70℃で1時間反応させた。3級アミンとしては、トリエチルアミン(TEA)、トリブチルアミン(TBA)およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)をそれぞれ用いた。
前記反応液をHPLCで分析し、反応溶液中のUMP、ウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドおよびUP
2Uの純度を確認した。その結果を下記表6に示す。
【表6】
前記[表6]の結果から、ウリジン-5’-ホスホロイミダゾリドの合成において、3級アミンとしてTEA、TBA、DIPEAを用いる場合、目的とするUMP-IMDの純度が95%以上を示すことを確認した。
【0048】
実験例3:粗(crude)ウリジン5’-二リン酸(UDP)の合成:一リン酸化剤および3級アミンのモル当量の効果
三口ラウンドフラスコにアセトン(15ml/g)に該当するモル当量の85%リン酸、トリブチルアミンを投入し、10分間撹拌した。次いで、ウリジン-5’-ホスホロイミダゾリド(1モル当量)、塩化カルシウム二水和物(1モル当量)を順次投入した後に30℃に昇温して1時間反応させた。
前記反応液をHPLCで分析し、反応溶液中のUDP、UMPおよびUP
3Uの純度を確認した。その結果を下記表7に示す。
【表7】
前記[表7]の結果から、UDPの合成において、一リン酸化剤およびTBAのモル当量を1~10まで用いた際の反応性およびダイマー(Dimer)類縁物質(UP
3U)の生成を確認した。一リン酸化剤およびTBAを2モル当量以上用いた際に85%以上のUDPを合成することができ、モル当量が増加するにつれてUDPの純度が増加し、未反応および副反応が減少することを確認した。しかし、リン酸のモル当量がTBAのモル当量よりも多くて酸性の(Acidic)環境で反応をすると、純度が減少することを確認した。