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特許7406004高周波コンポーネント、とくには検査対象シリコンフォトニクスデバイスを検査するための検査装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】高周波コンポーネント、とくには検査対象シリコンフォトニクスデバイスを検査するための検査装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20231219BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20231219BHJP
   G01R 31/28 20060101ALI20231219BHJP
【FI】
H01L21/66 B
G01R31/26 J
G01R31/28 K
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022556095
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2020058634
(87)【国際公開番号】W WO2021190759
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】390005175
【氏名又は名称】株式会社アドバンテスト
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100133215
【弁理士】
【氏名又は名称】真家 大樹
(72)【発明者】
【氏名】モレイラ、ホセ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ワークマン、ヒューバート
(72)【発明者】
【氏名】ピッツァ、ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】マツケリー、パオロ
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-319273(JP,A)
【文献】特開2006-310333(JP,A)
【文献】特表2017-508306(JP,A)
【文献】特開2001-116806(JP,A)
【文献】特開2004-266250(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0028571(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0109015(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G01R 31/26
G01R 31/28
H01L 29/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動検査設備(ATE)と共に使用されるプローブカード(PC)であって、
前記プローブカード(PC)は、その第1の面にプローブヘッド(PH)を備え、
前記プローブカード(PC)は、インターフェース(IF)に取り付けられるように構成され、
前記プローブカード(PC)は、第2の面において、前記インターフェース(IF)の少なくとも一領域に対向する領域に、前記インターフェース(IF)の複数の接点に接触するように配置された複数の接点パッドを備え、
前記プローブカード(PC)は、シリコン/フォトニック相互接続可能な切り欠き領域(RR)を有し、
前記プローブカード(PC)は、前記インターフェース(IF)の1つ以上の対応する同軸コネクタ(CCPT)と嵌合するように配置された1つ以上の同軸コネクタ(CCPT)を備える、
プローブカード(PC)。
【請求項2】
自動検査設備のウェハプローブインターフェース(WPI)をプローブカード(PC)に接続するためのポゴタワー(PT)であって、
前記ポゴタワー(PT)は、複数のポゴタワーセグメント(PTS)を備え、
前記ポゴタワー(PT)は、シリコン/フォトニック相互接続可能な切り欠き領域(RR)を有し、
前記ポゴタワーセグメント(PTS)のうちの少なくとも1つは、前記プローブカード(PC)に面する面に、前記プローブカード(PC)を1つ以上の機器との接続/通信を確立するための1つ以上の同軸ケーブルに接続するように配置された1つ以上の同軸コネクタ(CCPT)を備え、
前記ポゴタワーセグメント(PTS)のうちの少なくとも別の1つは、前記プローブカード(PC)を前記ウェハプローブインターフェース(WPI)に接続するように配置された複数のポゴピン(PP)接点を備える、
ポゴタワー(PT)。
【請求項3】
1つ以上の低速シグナリングコンポーネントおよび/または1つ以上の高速シグナリングコンポーネントを備える検査対象デバイス(DUT)を検査/測定するための自動検査設備であって、
前記自動検査設備のウェハプローブインターフェース(WPI)をプローブカード(PC)と接続するためのポゴタワー(PT)と、
前記ポゴタワー(PT)の1つ以上の同軸コネクタ(CCPT)および/または前記プローブカード(PC)の1つ以上の同軸コネクタ(CCPT)を使用して高周波信号および/または高速デジタル信号を生成および/または受信するための1つ以上の機器と、
低周波および/または低速デジタル信号を交換するために前記ポゴタワー(PT)のポゴピン(PP)および前記プローブカード(PC)の接点パッドを介して前記検査対象デバイス(DUT)に結合するように構成された1つ以上の機器および/または1つ以上の電源(PS)と、
それに取り付けられた1つ以上の光ガイド(OF)に接続された1つ以上の光学機器と、
前記1つ以上の光学機器と前記検査対象デバイス(DUT)との間の光学的結合を確立するための位置決め装置(PA)と
を備える自動検査設備。
【請求項4】
前記自動検査設備(ATE)の前記ウェハプローブインターフェース(WPI)、ならびに/あるいは前記ポゴタワー(PT)および前記プローブカード(PC)の各々は、切り欠き領域(RR)をそれぞれ有し、前記切り欠き領域(RR)を、少なくとも共通の部分エリアにおいて互いに整列させることができることにより、前記切り欠き領域(RR)は、前記共通の部分エリアによって定められる空間に前記位置決め装置(PA)を受け入れることを可能にする、
請求項3に記載の自動検査設備。
【請求項5】
前記切り欠き領域の前記共通の部分エリアは、少なくとも前記検査対象デバイス(DUT)に隣接する位置まで広がる、
請求項に記載の自動検査設備。
【請求項6】
前記位置決め装置(PA)は、可動な片持ちアームを備える、
請求項3から5のいずれか一項に記載の自動検査設備。
【請求項7】
前記位置決め装置(PA)の前記可動な片持ちアームは、少なくとも前記検査対象デバイス(DUT)に隣接する位置まで延びる、
請求項6に記載の自動検査設備。
【請求項8】
なくとも25GHzから少なくとも70GHzまでの範囲内の周波数を有する信号を可能にする高速シグナリング機器を備える、
請求項3から7のいずれか一項に記載の自動検査設備。
【請求項9】
前記検査対象デバイス(DUT)は、シリコンフォトニクスデバイスまたは従来型の半導体集積回路あるいはシリコンフォトニクスデバイスと従来型の半導体集積回路との間のハイブリッドである、
請求項3から8のいずれか一項に記載の自動検査設備。
【請求項10】
前記ウェハプローブインターフェース(WPI)は、前記ポゴタワー(PT)または前記プローブカード(PC)に面する領域に、ケーブルを通すためのボイドを有する、
請求項3から9のいずれか一項に記載の自動検査設備。
【請求項11】
1つ以上の同軸コネクタ(CCPT)は、ブラインド嵌合されるように構成される、
請求項3から10のいずれか一項に記載の自動検査設備。
【請求項12】
前記プローブカード(PC)を1つ以上の機器との接続/通信を確立するための1つ以上の同軸ケーブルは、前記ウェハプローブインターフェース(WPI)に面する領域において前記ポゴタワー(PT)または前記プローブカード(PC)から突出する、
請求項3から11のいずれか一項に記載の自動検査設備。
【請求項13】
前記同軸コネクタ(CCPT)は、前記自動検査設備(ATE)とは別の追加の検査設備に接続されるように構成される、請求項3から12のいずれか一項に記載の自動検査設備。
【請求項14】
前記ポゴピン(PP)は、非同軸ポゴピン(PP)である、
請求項3から13のいずれか一項に記載の自動検査設備。
【請求項15】
前記自動検査設備は、
シーケンシャル/順次モードで前記検査対象デバイス(DUT)の1つ以上のコンポーネントを検査するように構成された第1の動作モード、および
同時モードで前記検査対象デバイス(DUT)の1つ以上のコンポーネントを検査するように構成された第2の動作モード
を有する、請求項3から14のいずれか一項に記載の自動検査設備。
【請求項16】
請求項3から15のいずれか一項に記載の自動検査設備を使用して検査対象デバイス(DUT)を検査するための方法であって、
前記自動検査設備は、前記検査対象デバイス(DUT)の1つ以上のコンポーネントに、以下の信号、すなわち
1つ以上の低速信号、または
1つ以上の高速信号、または
シーケンシャルな/順次の1つ以上の低速信号および1つ以上の高速信号、もしくはこの逆順、または
同時の1つ以上の低速信号および1つ以上の高速信号
のうちのいずれか1つを印加する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、自動検査設備と共に使用されるプローブカード、自動検査設備のウェハプローブインターフェースをプローブカードと接続するためのポゴタワー、自動検査設備、および前記自動検査設備を使用して検査対象デバイスを検査するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動検査設備は、電子製造産業において、製造後に電子コンポーネントおよびシステムを検査するために広く使用されている。検査されるデバイスは、検査対象デバイスとして知られる。自動検査設備は、測定を迅速に実行し、検査結果を評価する。これは、自動検査設備が単一のコンポーネントから複雑かつ完全に組み立てられた電子システムまでの広範囲の電子デバイスおよびシステムを検査することができる半導体産業においてとくに必要である。そのような目的のために、プローブカードが使用される。自動検査設備システムは、特定の検査対象デバイスが動作することを確認し、あるいは部品が最終消費者製品に使用される機会を得る前にその不具合を迅速に見つけるために必要な検査時間を短縮するように設計される。したがって、製造コストを低減し、歩留まりを改善するために、半導体デバイスを製造後に検査して、欠陥デバイスが消費者に行き着くことを防止しなければならない。従来の自動検査設備は、検査対象デバイスが自動検査設備のリソースを検査対象デバイスに適合させるカスタマイズされたインターフェースを有するハンドラまたはプローバと呼ばれる別のデバイスを使用して自動検査設備に物理的に接続されているときに1つ以上のソース機器とキャプチャ機器とを同期させるマスタコントローラ(通常は、コンピュータ)で構成される。自動検査設備を、典型的な集積回路「チップ」であるパッケージされた部品について使用することができ、あるいはシリコンウェハについて直接使用することができる。パッケージされた部品が、カスタマイズされたインターフェースボード上にデバイスを配置するためにハンドラを使用する一方で、シリコンウェハは、高精度プローブで直接検査される。自動検査設備システムは、ハンドラまたはプローバと相互作用して、検査対象デバイスを検査する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
検査対象デバイスは、自動検査設備に対するきわめて複雑な設定の困難な規格であり得る。すべてのパラメータについてデバイスを検査することが、デバイスの機能およびエンドユーザに応じて、必要とされても、必要とされなくてもよい。例えば、デバイスが医療または救命の製品に適用される場合、そのパラメータの多くを検査しなければならず、パラメータの一部を保証しなければならない。具体的には、フォトニックチップまたはそのハイブリッドが、大量生産におけるウェハ検査レベルで検査対象シリコンフォトニクスデバイスの高速/高周波ピンを検査することは、異なる検査デバイスを使用する別々のプロセスステップでのみ可能であるため、特定の課題を呈する。大きな課題は、ダイの電気的側面およびフォトニクス的側面を同時に検査することである。さまざまな解決策がシリコンフォトニクスチップを検査するために開発されてきたが、とりわけフォトニクス回路の変調器部分について故障カバレッジがきわめて限られているため、検査対象デバイスのシリコンフォトニック部分の高速/高周波ピンを信頼できるやり方で検査することができない。
【0004】
したがって、大量生産の検査セルにおけるウェハレベルでの検査対象フォトニクスデバイスの高速デジタル/高周波ピンの信頼できる検査のための考え方を提供することが望まれる。
【0005】
これは、標準的なウェハタワーのセットアップを使用し、例えばファイバアレイを使用して標準的なデジタル/電源ピンおよびフォトニックピンを同時に検査することを可能にする大量生産検査セルを含む本出願の独立請求項の主題によって達成される。
【0006】
本発明に係るさらなる実施形態は、本出願の従属請求項の主題によって定められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ウェハプロービング検査治具の設計の解決策は、ウェハプローブインターフェースを検査治具に直接接続することである。
【0008】
本発明に係る一態様は、自動検査設備と共に使用されるプローブカードに関し、プローブカードは、その第1の面に、例えば検査対象デバイス、すなわちフォトニックまたはそのハイブリッドに接触するためのプローブヘッドを備え、プローブカードは、インターフェースに取り付けられるように構成される。インターフェースを、自動検査設備またはそのセグメントに機械的および/または電気的に、直接的および間接的に取り付けることができる。プローブカードは、その第1の面とは反対の第2の面において、インターフェースの少なくも一領域に対向する領域に、インターフェースの複数の接点に接触するように配置された複数の接点パッドを備える。インターフェースの複数の接点は、例えば、ばね付勢ピン、換言すると、いわゆるポゴピンであってよい。さらに、プローブカードは、1つ以上の高周波機器との接続/通信を確立させるために、自動検査設備セグメントのうちの少なくとも別の1つに対向する領域におけるインターフェース、例えば自動検査設備、または同軸ケーブルの1つ以上の対応する同軸コネクタと嵌合するように配置された1つ以上の同軸コネクタを備える。この手法の主な利点は、リレーまたはサポート回路などのアイテムに利用可能なスペースが増加し、帯域幅が改善され、全体的なセットアップが最終的な検査治具の設計、例えば検査対象のパッケージされたデバイスにより近くなることである。
【0009】
本発明の別の態様は、自動検査設備のウェハプローブインターフェースをプローブカードに接続するためのポゴタワーであり、ポゴタワーは、複数のポゴタワーセグメントを備える。セグメントは、異なる測定設備、例えば光、アナログ、およびデジタル信号のための空間、ならびに/あるいは空き(すなわち、切り欠き)領域を提供する。ポゴタワーセグメントのうちの少なくとも1つは、プローブカードに面する面に、プローブカードを1つ以上の機器、例えば高周波機器との接続/通信を確立するための1つ以上の同軸ケーブルに接続するように配置された1つ以上の同軸コネクタを備え、ポゴタワーセグメントのうちの少なくとも別の1つは、プローブカードをウェハプローブインターフェースに接触させるように配置された複数のポゴピン接点を備える。
【0010】
ウェハプロービングのこの代替的な検査治具は、典型的には、3つの要素で構成される。ウェハプローブインターフェースは、自動検査設備ピン電子機器(ポゴピン)をプローブポゴタワーに接続する。ポゴタワーは、ウェハプローブインターフェースをプローブカードに接続する。プローブカードは、通常はプロービングインターフェースの中央に配置される検査対象デバイスにつながるプローブを含むウェハプローブインターフェース基板である。この形式の構成は、典型的には、プローブカードを再設計するだけで、新しい用途またはデバイスに対応することができる。ポゴタワー内のウェハプローブインターフェースは、自動検査設備プラットフォームの仕様にのみ依存するため、通常は、用途から独立であり、自動検査設備の製造業者によって設計される。
【0011】
本発明の別の態様は、検査対象デバイスを検査/測定するための自動検査設備であり、フォトニックチップまたはそのハイブリッドだけでなく、従来の半導体集積回路も検査/測定できるようにする1つ以上の低速シグナリングコンポーネントおよび/または1つ以上の高速シグナリングコンポーネントを備える。この自動検査設備は、
自動検査設備のウェハプローブインターフェースを上述のプローブカードに対応する(前記)特徴を備えるプローブカードと接続するための上述のポゴタワーに対応する(前記)特徴を備えるポゴタワーと、
ポゴタワーの1つ以上の同軸コネクタおよび/またはプローブカードの1つ以上の同軸コネクタを使用して高周波信号および/または高速デジタル信号を生成および/または受信するための1つ以上の機器、例えば高周波機器と、
低周波および/または低速デジタル信号を交換するためにプローブカードの接点パッドへとポゴタワーのポゴピンを介して検査対象デバイスに結合するように構成された1つ以上の機器、例えば低周波機器、および/または1つ以上の電源と、
それに取り付けられたファイバケーブルなどの1つ以上の光ガイドに接続された1つ以上の光学機器、例えばレーザおよび/または光強度測定器と、
例えば1つ以上の光ガイドを介して1つ以上の光学機器と検査対象デバイスとの間の光学的結合を確立するための位置決め装置と
を備える。
【0012】
自動検査設備の一実施形態によれば、自動検査設備のウェハプローブインターフェー、ならびに/あるいはポゴタワーおよびプローブカードの各々(1つ)は、切り欠き領域をそれぞれ有し、切り欠き領域を、少なくとも共通の部分エリアにおいて互いに整列させることができる(さらには、整列させられる)ことにより、切り欠き領域は、共通の部分エリアによって定められる空間に位置決め装置を受け入れることを可能にする。換言すると、整列した切り欠き領域の共通のオーバーラップエリアが、位置決め装置の受け入れエリアのサイズを定める。
【0013】
一実施形態によれば、切り欠き領域の共通の部分エリアは、少なくとも検査対象デバイスに隣接する位置まで広がる。検査対象デバイスに隣接して広がる受け入れエリアは、検査対象デバイスとプローブ/検査デバイスとの間の確実な結合を可能にするために、伝送損失および時間の最小化を直接測定/検査するために、検査設備およびプローブが検査対象デバイスにアクセスし、あるいは検査対象デバイスの近くに位置することを可能にする。
【0014】
一実施形態によれば、位置決め装置は、可動な片持ちアームを備える。可動な片持ちアームを、プローブ、プローブカードのプローブヘッド、および/またはコネクタなどのプローブ/検査装置を検査対象デバイスにしっかりと結合させるように調整することができる。これに加えて、異なるプローブを、検査対象デバイスの検査/測定の至る所で追加して、必要な場合または必要なときに追加の測定および/または検査を可能にすることができる。片持ちアームは、自動検査設備と検査対象デバイスとの間の信頼できる接続を確立するために、すべての移動自由度を完全に利用するように構成される。
【0015】
一実施形態によれば、位置決め装置の可動な片持ちアームは、少なくとも検査対象デバイスに隣接する位置まで延びる。短い直接的な接続/通信の利点を享受するために、確実かつ容易なやり方で片持ち梁が検査対象デバイスにアクセスして結合することを可能にすることによって、追加の機能的柔軟性を達成することができる。
【0016】
一実施形態によれば、高速シグナリング機器は、少なくとも25GHz、とくに好ましくは少なくとも70GHzまでの範囲の周波数を有する信号を可能にする。この帯域幅をカバーする高速シグナリング機器は、とりわけ光またはフォトニクスチップならびに/あるいは従来のチップを測定および/または検査するために使用することが可能である。
【0017】
検査対象デバイスの高速コネクタ/接続部にアクセスするために片持ち梁を使用する特段の利点は、検査時間を最小限に抑えるようにファイバアレイの整列を迅速に行うことができるため、ダイの電気部品およびフォトニック部品を互いに素早く続けて、かつ/または同時に検査することができることである。
【0018】
したがって、別の実施形態によれば、検査対象デバイスは、シリコンフォトニクスデバイスまたは従来型の半導体集積回路あるいはシリコンフォトニクスデバイスと従来型の半導体集積回路との間のハイブリッドである。
【0019】
一実施形態によれば、ウェハプローブインターフェースは、ケーブルを通すためにポゴタワーまたはプローブカードに面する領域にボイド(孔)を有する。ボイドは、例えば、高周波機器の同軸コネクタに取り付けることができる同軸ケーブルを通すことを可能にする。
【0020】
一実施形態によれば、1つ以上の同軸コネクタが、ブラインド嵌合のために構成される。例えば、コネクタは、より大きな位置ずれに対処することができ、したがって確実な結合/接触を保証する2つの側方ガイドポストを有する差し込みレセプタクルを有することができる。
【0021】
一実施形態によれば、同軸ケーブルは、ウェハプローブインターフェースに面する領域においてポゴタワーまたはプローブカードから突出する。この特定の構成は、ポゴタワーへの接続またはウェハプローブインターフェースとの直接接続を可能にし、したがって仲介ポゴタワーの場合に必要とされる中間接点がブリッジされる。さらに、同軸ケーブルのこの構成は、相補的な検査および/または測定のために自動検査設備とは別個独立に追加することができる外部検査デバイスへの接続を可能にする。
【0022】
一実施形態によれば、(前記)ポゴピンは、非コアの実際のポゴピンである。同軸ポゴピンの使用は、ポゴピンのより高いパッケージング密度を可能にし、したがって、より高い測定/データ密度を可能にする。したがって、ポゴタワーの一実施形態によれば、非同軸ポゴピンのみが使用される。
【0023】
一実施形態によれば、自動検査設備は、シーケンシャル/順次モードで検査対象デバイスの1つ以上のコンポーネントを検査するように構成された第1の動作モード、および同時モードで検査対象デバイスの1つ以上のコンポーネントを検査するように構成された第2の動作モードを有する。換言すると、自動検査設備は、第1の動作モードおよび/または第2の動作モードに従って1つ以上の低速シグナリングコンポーネントおよび/または1つ以上の高速シグナリングコンポーネントを検査するように構成され、したがって使用においてきわめて柔軟である。
【0024】
本発明の別の対象は、すでに説明した自動検査設備の特徴を備える自動検査設備を使用して検査対象デバイスを検査するための方法であって、自動検査設備は、検査対象デバイスの1つ以上のコンポーネントに、以下の信号、すなわち
1つ以上の低速信号、または
1つ以上の高速信号、または
シーケンシャルな/順次の1つ以上の低速信号および1つ以上の高速信号、もしくはこの逆順、または
同時の1つ以上の低速信号および1つ以上の高速信号
のうちのいずれか1つを印加する方法に関する。
【0025】
本方法は、従来型の半導体集積回路またはシリコンフォトニクスデバイスあるいはシリコンフォトニクスデバイスと従来型の半導体集積回路との間のハイブリッドを含む検査対象デバイスの検査/測定を可能にする。
【0026】
さらに、本発明の着想は、例えば標準的な製造ポゴタワーまたはウェハプロービングセットアップ治具と完全に互換性がありながら、シリコンフォトニクス集積回路を検査するために高速/高周波ピンを取り入れるやり方を提案する従来の検査設備の効率的な使用である。これにより、大量生産におけるウェハ検査レベルでの検査対象シリコンフォトニクスデバイスの高速/高周波ピンの検査/測定が可能にされ、少なくとも25GHzから70GHz以上の周波数範囲までの範囲内の周波数を有する信号が可能になる。さらに、本発明は、標準的な自動検査装置のポゴタワーセットアップを依然として大きな変更を伴わずに使用して、そのようなピンを検査することを可能にする。
【0027】
上述のプローブカード、ポゴタワー、自動検査設備、および検査対象デバイスを検査するための方法は、代替的または追加的に使用することができる同一または類似の特徴を共有するため、同じ考慮事項に基づく。したがって、例えば、検査対象デバイスを検査するための方法は、プローブカード、ポゴタワー、または検査対象デバイスを検査するための自動検査設備に関しても説明されるすべての特徴および機能で完成させることができる。
【0028】
図面は必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、一般的に、本発明の原理の例示に重点が置かれている。以下の説明において、本発明のさまざまな実施形態が、以下の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態に係るプローブカード、ポゴタワー、およびウェハプローブインターフェースを備える検査治具のセットアップの分解図である。
図2】組み立てられた図1の実施形態に係る検査治具のセットアップの断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係るウェハプローブインターフェースWPIを有するポゴタワーの上面図である。
図4図3に示した実施形態に係るウェハプローブインターフェースが接続されたポゴタワーの底面図である。
図5】本発明の一実施形態に係るポゴタワーのソケットスロットSSの対応する接点と嵌合するように構成された同軸コネクタ用のカプラを示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るウェハプローブインターフェースおよびポゴタワーを使用する検査セルの斜視図である。
図7図6の実施形態に係る検査セルの別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
同一または同等の要素、あるいは同一または同等の機能を有する要素は、異なる図に現れる場合であっても、以下の説明において同一または同等の参照番号によって示される。
【0031】
以下の説明において、本発明の実施形態のより完全な説明を提供するために、複数の詳細が記載される。しかしながら、本発明の実施形態を、これらの具体的な詳細によらずに実施できることは、当業者にとって明らかであろう。他の場合に、本発明の実施形態を不明瞭にしてしまうことがないように、周知の構造およびデバイスは詳細には示されず、ブロック図の形式で示される。さらに、以下で本明細書に記載される異なる実施形態の特徴を、とくに明記されない限り、互いに組み合わせることが可能である。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態に係るプローブカードPC、ポゴタワーPT、およびWPIのウェハプローブインターフェースを備える典型的な検査治具のセットアップの分解図を示す。ウェハプローブインターフェースWPIは、自動検査設備電子機器をプローブポゴタワーPTに接続するように構成される。プローブカードPCは、プロービングインターフェースPIの中央の検査対象デバイスDUTに接続されるプローブを含む。図1に示される例において、プローブは、プローブヘッドPHの小さなエリアに集中している。ポゴタワーPTおよびプローブカードPCの両方は、プリント回路基板として製造され、あるいは少なくともプリント回路基板を備える。この形式の構成は、典型的には、プローブカードPCを再設計するだけで、すべての新しい用途またはデバイスに対応することができる。ウェハプローブインターフェースWPIおよびポゴタワーPTは、自動検査設備プラットフォームの仕様にのみ依存するため、通常は、用途から独立であり、自動検査設備の製造業者によって設計される。図1は、高速デジタル用途のための縦型プローブカードPCの一例を示している。
【0033】
図1に係るプローブカードPCは、検査対象デバイス、具体的にはフォトニックチップまたはそのハイブリッドに接触するプローブヘッドPHを第1の面に備えている。プローブカードPCは、第1の面とは反対の(第1の面から遠ざかる方を向いた)第2の面に複数の接点パッド(図示せず)をさらに備える。複数の接点パッドは、接点パッドを例えばポゴピンPPなどのインターフェースIFの接点またはコネクタと結合させることによって、対向するインターフェースIFにその少なくとも1つの領域またはエリアにおいて接触し、あるいは接続されるように構成される。さらに、プローブカードPCは、例えば高周波機器などの1つ以上の機器との接続/通信を確立させるために、自動検査設備セグメントあるいは同軸ケーブルまたは同軸コネクタCCPTのうちの少なくとも別の1つに対向する領域において、例えば自動検査設備ATEのインターフェースIFの1つ以上の対応する同軸コネクタCCPTと嵌合するように配置された自身のインターフェースIFの1つ以上の同軸コネクタCCPTを備える。
【0034】
接触パッドならびに同軸コネクタCCPTは、プローブカードPCの個別のセグメント、すなわちプローブカードセグメントPCSに配置される。一実施形態によれば、異なる接点、すなわちポゴピンPPおよび/または電源PSおよび/または同軸コネクタCCPTのための個々のプローブカードセグメントPCSが提供される。個々のプローブカードセグメントPCSに異なる接点および同軸コネクタCCPTを選択的に分離することによって、異なる信号の相互の影響を低減することができる。
【0035】
プローブカードPCのインターフェースIFは、ポゴタワーPTまたは自動検査設備ATEに機械的および/または電気的に取り付けられるように構成される。一実施形態によれば、プローブカードPCを取り付けることができるインターフェースIFは、プローブカードPHから自動検査設備ATEのウェハプローブインターフェースWPIへの信号の臨界経路を表すポゴタワーPTである。ポゴタワーPTは、複数のポゴピンPPを備えるスプリングプローブタワーと呼ばれることもある。ポゴタワーPTは、プローブカードPCの少なくとも1つ以上のプローブカードセグメントPTSに相補的なやり方で対応するように設計された複数のポゴタワーセグメントPTSをさらに備える。異なるプローブカードセグメントPCSならびに対応するポゴタワーセグメントPTSは、柔軟に適応可能なソリューションおよび製品を可能にする。
【0036】
図1に係る実施形態は、複数のポゴピンなどの低周波シグナリング接続部および同軸コネクタCCPTを備える同軸ケーブルなどの高周波シグナリング接続部のための専用セグメントPCSおよびPTS、ならびに切り欠き領域RRを定めるセグメントを有するプローブカードPCおよびポゴタワーPTを示している。1つ以上の同軸コネクタCCPTが、1つ以上の高周波機器との接続/通信を確立するために、プローブカードPCを1つ以上の同軸ケーブルに接続するように構成される。高周波機器は、ポゴタワーPTの同軸コネクタCCPTおよび/またはインターフェースIFに配置されたプローブカードPCの1つ以上の同軸コネクタ(図示せず)に接続された1つ以上の同軸ケーブルを使用して、高周波信号および/または高速デジタル信号を生成および/または受信するように構成される。高速シグナリング機器は、少なくとも25GHz、とくに好ましくは少なくとも70GHzまでの範囲の周波数を有する信号を可能にする。
【0037】
ポゴピンPPは、広い高帯域幅範囲を高いコンプライアンスでカバーするばねピン接点である。それにもかかわらず、それらの使用は、高速デジタル信号または5GHzを超える高周波信号の場合に限定される。高周波/高速デジタル接点の位置ずれを回避するために、1つ以上の同軸コネクタCCPTが、ブラインド嵌合のために構成されることにより、差し込みレセプタクルが2つの側方ガイドポストを有する。オンチップ導波路への垂直結合、V溝結合、およびエッジ結合光ファイバOFのためのオンチップグレーティングカプラなど、光ファイバOFをシリコンダイ光導波路カプラに接続する特定の目的のために使用される。検査および測定の要件に応じて、複数のレーザ源を使用して異なるシグナリングをもたらすことができる。光学側は、ファイバアレイがグレーティングカプラの上方に正確に位置合わせされることを必要とし、ファイバアレイの位置合わせは、検査時間を最小限に抑えるために可能な限り迅速に行われる必要がある。図示されていない一実施形態によれば、プローブカードは、標準的なウェハプローバ自動ローディングを使用する。
【0038】
また、低周波機器および/または1つ以上の電源PSは、低周波および/または低速デジタル信号を交換するために、ポゴタワーPTのポゴピンPPおよびプローブカードPCの接触パッドを介して検査対象デバイスDUTに結合するように構成される。プローブカードPCおよび/またはポゴタワーPTの切り欠き領域RRをそれぞれ有するセグメントは、それらの少なくとも1つの共通の部分エリアにおいて適切に位置合わせされると、位置決め装置PAの受け入れを可能にする空き空間を定める。位置決め装置PAは、例えば光ファイバOFケーブルなどの1つ以上の光ガイド(図6および図7を参照)を介して1つ以上の光学機器と検査対象デバイスDUTとの間の光結合を確立するために設けられる。光ガイドは、1つ以上の光学機器、例えばレーザおよび/または光強度測定器を、検査対象デバイスDUTと接続する。切り欠き領域RRの共通の部分エリアは、位置決め装置PAが検査対象デバイスに容易にアクセスできるように設計される。したがって、切り欠き領域RRの共通の部分エリアは、検査対象デバイスDUTに隣接する位置まで広がる。
【0039】
位置決め装置PAは、例えば、セグメントPTS、PCSの共通の部分エリアによって定められる開放空間において利用することができる移動の自由度ゆえに、例えばそれに接続された光ファイバOFケーブルなどの光ガイドを信頼できるやり方で検査対象デバイスDUTに容易に結合させることができる可動な片持ちアームを備えることができる。
【0040】
図2は、図1の実施形態に係る検査治具のセットアップの断面図を示す。分かりやすくするために、同軸コネクタを除き、検査治具セットアップの個々の要素/部品は、きわめて単純化された形態で示されている。図1を参照して図2から明らかに推測できるように、ポゴタワーPTは、プローブカードPCとウェハプローブインターフェースWPIとの間のインターフェースとして機能する。プローブカードPCは、検査対象デバイスDUTに接続可能である。ウェハプローブインターフェースWPIは、自動検査設備プラットフォーム/製造業者の仕様に従って設計される。プローブカードPC、ポゴタワーPT、ならびにウェハプローブインターフェースWPIは、図2のこの実施形態においては主にポゴピンPPおよび同軸コネクタCCPTである種々の接触要素間の確実な接続/接触を保証するために、例えばねじで互いにしっかりと固定される。ポゴピンPPは、それぞれ異なるセグメントPTSおよびPCSにグループ化されている。ポゴピンPPと共に、電源PSなどの他の接点を、異なるセグメントにまとめることができる。セグメントは、プローブカードPCSのセグメント、ならびにポゴタワーのセグメントPTSおよびウェハプローブインターフェースWPIのセグメントを、互いに相補的に位置合わせできるように配置および設計される。互いの正確な位置合わせのために、ガイド手段(図示せず)をさらに設けることができる。図2に係る実施形態においては、1つのセグメントが同軸コネクタCCPTを収容する。プローブカードPCとの確実な接続を保証するために、同軸コネクタCCPTは、ポゴタワーPTの1つのポゴタワーセグメントPTSのソケットスロットSSに組み合わせられる。ソケットスロットSSは、プローブカードPC上の1つ以上の同軸コネクタを有する対応するポートに同軸コネクタをブラインド嵌合させるように構成される。図2の実施形態によれば、同軸コネクタCCPTによって運ばれる高周波信号および/または高速デジタル信号が、同軸ケーブルを介して測定機器、例えば高周波機器に送られ、その逆も同様である。高周波機器は、自動検査設備の一部であってよく、あるいは同軸コネクタ/同軸ケーブルへと接続することができる独立したモジュールであってよい。この実施形態において、同軸コネクタCCPTの同軸ケーブルは、ポゴタワーPTを介し、ウェハプローブインターフェースWPIを通って、自動検査設備ATEへと導かれる。
【0041】
図3は、ウェハプローブインターフェースWPIが取り付けられたポゴタワーPTの上面図を示している。図3に示される実施形態によれば、ポゴタワーセグメントPTSのうちの3つが、プローブカード(図示せず)の複数の接触パッドに接触するように構成された低周波信号用のポゴピンPPを装備することができる。ポゴタワーセグメントPTSのポゴピンPPは、検査対象デバイスDUTの低周波信号および電源のための相互接続として機能する。ポゴタワーPTの第4のセグメントは、同軸コネクタCCPTが取り付けられた同軸ケーブルを含むソケットスロットSSを備える。同軸コネクタCCPTは、高周波機器からの高周波信号および/または高速デジタル信号を、ポゴタワーPTのソケットスロットSSに接続可能なプローブカードPC(図示せず)へと伝えるように構成され、したがって高周波信号用の相互接続として機能する。図3に示される実施形態によれば、ポゴタワーPTならびにウェハプローブインターフェースWPIは、おおむね半円のエリアへと広がる切り欠き領域RRを有する。切り欠き領域RRは、例えば光ファイバOFケーブルなどの1つ以上の光ガイドを介して1つ以上の光学機器と検査対象デバイスDUTとの間の光結合を確立するための位置決め装置PAの収容を可能にする。切り欠き領域RRを、検査対象デバイスDUTのためのシリコン/フォトニック相互接続と考えることができる。他の実施形態(図示せず)に係る切り欠き領域RRは、半円とは異なる形状を有してもよい。
【0042】
図4は、図3に示した実施形態に係るウェハプローブインターフェースWPIが接続されたポゴタワーPTの底面図を示している。ポゴピンPPを受け入れるように構成された3つのポゴタワーセグメントPTSのうちの1つのセグメントのみがポゴピンPPを含む一方で、他の2つのセグメントは、この実施形態においては使用されていない。図3に示される実施形態に係る第4のポゴタワーセグメントPTSは、同軸コネクタCCPTが取り付けられた同軸ケーブルを備えるソケットスロットSSを含む。この実施形態に係るソケットスロットSSは、プローブカードPCの対応するカプラCCPCへの同軸コネクタCCPTの確実な固定を可能にする嵌合コネクタを有する(図5を参照)。そのようなプラグイン接続の1つの主な利点は、しっかりとしたガイドおよび保持が可能であることである。さらに、ガイド溝を利用し、例えばポゴタワーPTの縁部のガイド溝をウェハプローブインターフェースWPIのガイド溝と位置合わせすることによって、ウェハプローブインターフェースWPIおよびそれに取り付けられたプローブカードPCに対するポゴタワーPTの位置決めおよび正確な配置を実現することができる。
【0043】
図5は、同軸コネクタCCPTとの確実な接続を保証するためにポゴタワーPTのソケットスロットSSの対応する接点と嵌合するように構成された同軸コネクタCCPC用のカプラを示している。カプラは、金属フレームに収容され、プローブカードPCのインターフェースIFに含まれるプローブカードPCの同軸コネクタCCPC用のカプラに接続されたときにポゴタワーPTのソケットスロットSSの同軸コネクタCCPTの正確な整列を保証する位置決め補助具CAを有する。
【0044】
図6および図7は、図1図5に示される実施形態に係るウェハプローブインターフェースWPIおよびポゴタワーPTを使用した大量生産シリコンフォトニクス検査セルの実施態様を斜視図にて示している。図6および図7に係る実施形態を、ポゴピンPPおよび検査対象デバイスDUTに結合するように構成された1つ以上の電源PSを有するポゴタワーセグメントPTS内に位置する低速シグナリングコンポーネントを有するプローブカードオートローディングを備えるウェハプローバと見なすことができる。さらに、高速シグナリング接続を可能にするためにポゴタワーPTおよび/またはウェハプローブインターフェースWPIのさらなるセグメントに配置された金属フレームを有するソケットスロットSSに集中した複数の同軸コネクタCCPTが設けられている。大量生産シリコンフォトニクス検査セルのこの実施形態は、例えば光ファイバOFケーブルなどの1つ以上の光ガイドを介して1つ以上の光学機器と検査対象デバイスDUTとの間の光結合を確立するための位置決め装置PAを備える。図6および図7の実施形態に係る位置決め装置PAは、位置決め装置PAが収容される切り欠き領域RR内で移動することができる片持ちアームとして設計されている。図6および図7によれば、ソケットスロットSSの同軸ケーブルの同軸コネクタCCPTは、高周波機器へと接続することができるように、ポゴタワーPTおよび/またはウェハプローブインターフェースWPIから突出している。高周波機器(図示せず)は、外部のモジュール式に取り付け可能な機器、あるいはシリコンフォトニック検査セルまたは自動検査設備にそれぞれ含まれる機器であってよい。ウェハプローブインターフェースWPIおよび/またはポゴタワーPTは、通常は、用途に依存せず、自動検査設備の製造業者によって設計されるため、使用の柔軟性を高めつつ、特定のシリコンフォトニクス検査セルへと追加、交換/置換、および調整が可能である。
【0045】
図示されていない別の実施形態において、同軸コネクタCCPTの同軸ケーブルは、PTから、例えば横方向に、外部測定/検査デバイスのモジュールに直接導かれる。この選択肢/解決策は、過去の自動検査設備または検査セルが依然として使用および/またはアップグレード可能であることを保証する。
【0046】
プローブカードPC、およびそれに接続可能なポゴタワーPTの種々のセグメントの上述の配置に基づいて、それを備えた自動検査設備は、シリコンフォトニクスデバイスまたは従来型の半導体集積回路、ならびにシリコンフォトニクスデバイスと従来型の半導体集積回路との間のハイブリッドである検査対象デバイスDUTを検査および/または測定することができる。上述の構成を使用する自動検査設備を、検査対象デバイスDUTの1つ以上のコンポーネント、すなわち1つ以上の低速シグナリングコンポーネントおよび/または1つ以上の高速シグナリングコンポーネントを、シーケンシャル/順次モードで検査するように構成することができる。これに代え、あるいはこれに加えて、上述の自動検査設備を、検査対象デバイスDUTの1つ以上のコンポーネント、すなわち1つ以上の低速シグナリングコンポーネントおよび/または1つ以上の高速シグナリングコンポーネントを、同時モードで検査するように動作させることができ、これは、上述の構成/検査治具セットアップを備えた自動検査設備の適用可能性を大幅に増加および改善する。
【0047】
ウェハプロービング検査治具設計の代替実施形態(図示せず)は、プローブカードPCインターフェースIFを、プローブカードPCのみを備える検査治具に直接接続する。そのようなプロービングセットアップは、図1に示されるようなウェハプローブインターフェースWPIプリント回路基板およびポゴタワーPTをバイパスして、自動検査設備の検査対象デバイスDUTへの直接結合/ドッキングを可能にする。これにより、信号性能を向上させ、最大28GHz以上の高周波シグナリングを可能にすることができる。このような解決策は、フォトニクスファイバアレイポジショナの移動のためのプローブカード内の余分な空間/切り欠きが不要であるように、シリコンフォトニクス結合を容易に行うことができる場合に想定することができる。さらに、標準化された自動検査設備、あるいは標準化された自動検査設備インターフェースIFの使用は、交換可能な機器モジュールの適用を可能にし、したがって、使用におけるより大きな柔軟性、より容易なカスタマイズ、および拡張性を提供する。
【0048】
同軸コネクタCCPTおよび/またはCCPCの上述の解決策/統合により、シリコンフォトニクス集積回路またはそのハイブリッドの高速/高周波ピンを容易に測定および/または検査することができる。加えて、上述の解決策は、標準的な製造ポゴタワーPTと完全に互換性があり、したがって使用における汎用性が向上する。
【0049】
いくつかの態様を装置の文脈において説明してきたが、これらの態様が対応する方法の説明も表すことは明らかであり、ブロックまたはデバイスは、方法ステップまたは方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法ステップの文脈において説明された態様も、対応する装置の対応するブロックまたは項目または特徴の説明を表す。
【0050】
上述の実施形態は、あくまでも本発明の原理の例示にすぎない。本明細書に記載の構成および詳細の修正および変形が、当業者にとって明らかであると理解される。したがって、本明細書において実施形態の説明および解説として提示された特定の詳細によってではなく、添付の特許請求の範囲の技術的範囲によってのみ限定されることが意図される。
【0051】
上記の説明は多数の特異性を含むが、これらを範囲の限定として解釈すべきではなく、むしろその1つ[または、複数]の実施形態の例示として解釈すべきである。多数の他の変形が可能である。
【符号の説明】
【0052】
CCPC 同軸コネクタ
CCPT 同軸コネクタ
DUT 検査対象デバイス
IF インターフェース
OF 光ファイバ
PA 位置決め装置
PC プローブカード
PCS プローブカードセグメント
PH プローブヘッド
PP ポゴピン
PS 電源
PT ポゴタワー
PTS ポゴタワーセグメント
RR 切り欠き領域
SS 同軸コネクタを備えるソケットスロット
WPI ウェハプローブインターフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7