(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】無停電電源装置
(51)【国際特許分類】
H02J 9/06 20060101AFI20231219BHJP
【FI】
H02J9/06 120
(21)【出願番号】P 2022560309
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(86)【国際出願番号】 JP2022017259
【審査請求日】2022-10-03
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 淳
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/092613(WO,A1)
【文献】特開2015-208171(JP,A)
【文献】実開昭56-89634(JP,U)
【文献】特開平4-67738(JP,A)
【文献】特開平4-117143(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J7/00-7/12
H02J7/34-11/00
H02M7/00-7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換して直流ラインに供給する第1の電力変換器と、
前記直流ラインと電力貯蔵装置との間で直流電力を授受する第2の電力変換器と、
前記直流ラインから受ける直流電力を交流電力に変換して負荷に供給する第3の電力変換器と、
前記交流電源の健全時には、前記直流ラインの直流電圧が第1の参照電圧になるように前記第1の電力変換器を制御し、前記交流電源の停電時には、前記第1の電力変換器の運転を停止させる第1の制御部と、
前記交流電源の健全時には、前記電力貯蔵装置の端子間電圧が第2の参照電圧になるように前記第2の電力変換器を制御し、前記交流電源の停電時には、前記直流電圧が前記第1の参照電圧になるように前記第2の電力変換器を制御する第2の制御部と、
前記第3の電力変換器を制御して交流電圧を出力させる第3の制御部と、
前記第2の参照電圧を設定するための設定部と、
前記設定部によって設定された前記第2の参照電圧よりも高く、かつ前記第1の参照電圧の最大値よりも低い前記第1の参照電圧を求める演算部と、
前記演算部によって求められた前記第1の参照電圧を生成して前記第1の制御部に与える第1の参照電圧発生部と、
前記設定部によって設定された前記第2の参照電圧を生成して前記第2の制御部に与える第2の参照電圧発生部とを備える、無停電電源装置。
【請求項2】
前記演算部は、前記設定部によって設定された前記第2の参照電圧よりも高く、前記第3の電力変換器から出力される交流電圧の振幅の2倍よりも高く、かつ前記第1の参照電圧の最大値よりも低い前記第1の参照電圧を求める、請求項1に記載の無停電電源装置。
【請求項3】
前記演算部は、前記設定部によって設定された前記第2の参照電圧と、前記第1の参照電圧と前記第2の参照電圧との関係を示す数式またはテーブルとに基づいて、前記第1の参照電圧を求める、請求項1に記載の無停電電源装置。
【請求項4】
前記第2の参照電圧は、前記電力貯蔵装置の浮動充電を行なうための第1の副参照電圧と、前記電力貯蔵装置の均等充電を行なうための第2の副参照電圧とを含み、
前記第2の参照電圧発生部は、
前記浮動充電を行なう場合には、前記第1の副参照電圧を前記第2の参照電圧として出力し、
前記均等充電を行なう場合には、前記第2の副参照電圧を前記第2の参照電圧として出力する、請求項1に記載の無停電電源装置。
【請求項5】
予め定められた周期で予め定められた時間だけ前記均等充電の実行を指令する指令信号を出力するタイマーをさらに備え、
前記第2の参照電圧発生部は、
前記タイマーから前記指令信号が出力されていない場合には、前記第1の副参照電圧を前記第2の参照電圧として出力し、
前記タイマーから前記指令信号が出力されている場合には、前記第2の副参照電圧を前記第2の参照電圧として出力する、請求項4に記載の無停電電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は無停電電源装置に関し、特に、交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、その直流電力を交流電力に変換して負荷に供給する無停電電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば国際公開第2016/092613号(特許文献1)には、交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換して直流ラインに供給する第1の電力変換器と、直流ラインと電力貯蔵装置との間で直流電力を授受する第2の電力変換器と、直流ラインから受ける直流電力を交流電力に変換して負荷に供給する第3の電力変換器と、第1~第3の電力変換器を制御する制御装置とを備える無停電電源装置が開示されている。
【0003】
制御装置は、交流電源の健全時には、直流ラインの直流電圧が第1の参照電圧になるように第1の電力変換器を制御し、電力貯蔵装置の端子間電圧が第2の参照電圧になるように第2の電力変換器を制御し、交流電圧を出力するように第3の電力変換器を制御する。
【0004】
また、制御装置は、交流電源の停電時には、第1の電力変換器の運転を停止させ、直流ラインの直流電圧が第1の参照電圧になるように第2の電力変換器を制御し、交流電圧を出力するように第3の電力変換器を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような無停電電源装置では、直流ラインの電圧(すなわち第1の参照電圧)を電力貯蔵装置の電圧(すなわち第2の参照電圧)よりも高くする必要がある。また、電力貯蔵装置の浮動充電を行なう場合に電力貯蔵装置に印加する直流電圧(すなわち第2の参照電圧)は、電力貯蔵装置の種類によって異なる。
【0007】
また、電力貯蔵装置の種類によっては、定期的に電力貯蔵装置の端子間電圧(すなわち第2の参照電圧)を上昇させて均等充電を行なう必要がある。さらに、正弦波状の交流電圧を負荷に供給するためには、直流ラインの電圧(すなわち第1の参照電圧)を交流電圧の振幅の2倍の電圧よりも高くする必要がある。
【0008】
従来は、これらの全ての条件を満たすために、第1の電力変換器が安定に出力することが可能な直流電圧の最大値(すなわち第1の参照電圧の最大値)に第1の参照電圧を設定していた。しかし、直流ラインの電圧(すなわち第1の参照電圧)を上昇させると、第1~第3の電力変換器に含まれる各トランジスタのスイッチング損失が増大し、無停電電源装置の効率が低下する。
【0009】
それゆえに、本開示の主たる目的は、効率の向上を図ることが可能な無停電電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係る無停電電源装置は、第1~第3の電力変換器と、第1~第3の制御部と、設定部と、演算部と、第1および第2の参照電圧発生部とを備える。第1の電力変換器は、交流電源から供給される交流電力を直流電力に変換して直流ラインに供給する。第2の電力変換器は、直流ラインと電力貯蔵装置との間で直流電力を授受する。第3の電力変換器は、直流ラインから受ける直流電力を交流電力に変換して負荷に供給する。
【0011】
第1の制御部は、交流電源の健全時には、直流ラインの直流電圧が第1の参照電圧になるように第1の電力変換器を制御し、交流電源の停電時には、第1の電力変換器の運転を停止させる。第2の制御部は、交流電源の健全時には、電力貯蔵装置の端子間電圧が第2の参照電圧になるように第2の電力変換器を制御し、交流電源の停電時には、直流電圧が第1の参照電圧になるように第2の電力変換器を制御する。第3の制御部は、第3の電力変換器を制御して交流電圧を出力させる。
【0012】
設定部は、第2の参照電圧を設定するために設けられる。演算部は、設定部によって設定された第2の参照電圧よりも高く、かつ第1の参照電圧の最大値よりも低い第1の参照電圧を求める。第1の参照電圧発生部は、演算部によって求められた第1の参照電圧を生成して第1の制御部に与える。第2の参照電圧発生部は、設定部によって設定された第2の参照電圧を生成して第2の制御部に与える。
【発明の効果】
【0013】
本開示に係る無停電電源装置では、設定部によって設定された第2の参照電圧よりも高く、第1の参照電圧の最大値よりも低い第1の参照電圧を生成して第1の制御部に与える。したがって、第1の参照電圧を最大値よりも低い値にすることができ、無停電電源装置の効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の一実施の形態に従う無停電電源装置の構成を示す回路ブロック図である。
【
図2】
図1に示す制御装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す制御装置のうちのコンバータの制御に関連する部分の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3に示す記憶部に格納された数式(またはテーブル)を説明するための図である。
【
図5】
図1に示す制御装置のうちの双方向チョッパの制御に関連する部分の構成を示すブロック図である。
【
図6】
図5に示す参照電圧VBRと
図3に示す参照電圧VDRの波形を示すタイムチャートである。
【
図7】
図1に示す制御装置のうちのインバータの制御に関連する部分の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本開示の一実施の形態に従う無停電電源装置1の構成を示す回路ブロック図である。
図1において、この無停電電源装置1は、交流入力端子T1、バイパス入力端子T2、バッテリ端子T3、および交流出力端子T4を備える。交流入力端子T1は、商用交流電源51から商用周波数の交流電力を受ける。バイパス入力端子T2は、バイパス交流電源52から商用周波数の交流電力を受ける。バイパス交流電源52は、商用交流電源であってもよいし、発電機であってもよい。
【0016】
バッテリ端子T3は、バッテリ(電力貯蔵装置)53に接続される。バッテリ53は、直流電力を蓄える。バッテリ53は、鉛蓄電池でもよいし、リチウムイオン電池でも構わない。また、バッテリ53の代わりに電気二重層コンデンサや、フライホイールが接続されていても構わない。
【0017】
本実施の形態では、バッテリ53は、直列接続された複数のセルを含む鉛蓄電池であるものとする。このようなバッテリ53は、浮動充電と均等充電を必要とする。交流出力端子T4は、負荷54に接続される。負荷54は、無停電電源装置1から供給される交流電力によって駆動される。
【0018】
この無停電電源装置1は、さらに、電磁接触器2,6,8,10、電流検出器CD1~CD3、コンデンサC1~C3、リアクトルL1~L3、コンバータ3、直流ライン4、双方向チョッパ5、インバータ7、半導体スイッチ9、操作部11、および制御装置12を備える。
【0019】
電磁接触器2およびリアクトルL1は、交流入力端子T1とコンバータ3の交流ノード3aとの間に直列接続される。電磁接触器2は、制御装置12によって制御される。商用交流電源51から交流電力が正常に供給されている場合(商用交流電源51の健全時)には、電磁接触器2はオンされる。商用交流電源51からの交流電力が正常に供給されなくなった場合(商用交流電源51の停電時)には、電磁接触器2はオフされる。電流検出器CD1は、商用交流電源51とコンバータ3の間に流れる電流I1を検出し、その検出値を示す信号I1fを制御装置12に出力する。
【0020】
電磁接触器2とリアクトルL1の間のノードN1に現れる交流入力電圧VIの瞬時値は、制御装置12によって検出される。制御装置12は、交流入力電圧VIの検出値に基づいて、停電が発生したか否かを判別する。また、制御装置12は、交流入力電圧VIに同期してコンバータ3などを制御する。
【0021】
コンデンサC1は、ノードN1に接続される。コンデンサC1およびリアクトルL1は、交流フィルタF1を構成する。交流フィルタF1は、低域通過フィルタであり、商用交流電源51からコンバータ3に商用周波数の交流電力を通過させ、コンバータ3で発生するスイッチング周波数の信号が商用交流電源51に通過することを防止する。
【0022】
コンバータ3は、複数のトランジスタおよび複数のダイオードを含む周知のものであり、制御装置12によって制御される。商用交流電源51の健全時には、コンバータ3は、交流電力を直流電力に変換して直流ライン4に出力する。コンバータ3の出力電圧は、所望の値に制御可能になっている。
【0023】
商用交流電源51の停電時には、コンバータ3の運転は停止される。コンデンサC2は、直流ライン4に接続され、直流ライン4の電圧を平滑化させる。直流ライン4に現れる直流電圧VDの瞬時値は、制御装置12によって検出される。
【0024】
制御装置12は、商用交流電源51の健全時には、直流ライン4の直流電圧VDが参照電圧VDR(第1の参照電圧)になるようにコンバータ3を制御する。交流フィルタF1およびコンバータ3は、交流電力を直流電力に変換する第1の電力変換器の一実施例を構成する。
【0025】
直流ライン4は双方向チョッパ5の高電圧側ノード5aに接続され、双方向チョッパ5の低電圧側ノード5bはリアクトルL2および電磁接触器6を介してバッテリ端子T3に接続される。電磁接触器6は、無停電電源装置1の使用時はオンされ、たとえば無停電電源装置1およびバッテリ53のメンテナンス時にオフされる。リアクトルL2は、双方向チョッパ5とバッテリ53の間に流れる電流I2を平滑化する。
【0026】
双方向チョッパ5は、複数のトランジスタおよび複数のダイオードを含む周知のものであり、制御装置12によって制御される。商用交流電源51の健全時には、双方向チョッパ5は、コンバータ3によって生成される直流電力をバッテリ53に蓄える。商用交流電源51の停電時には、双方向チョッパ5は、バッテリ53の直流電力を直流ライン4を介してインバータ7に供給する。
【0027】
双方向チョッパ5は、直流電力をバッテリ53に蓄える場合には、直流ライン4の直流電圧VDを降圧してバッテリ53に与える。また、双方向チョッパ5は、バッテリ53の直流電力をインバータ7に供給する場合は、バッテリ53の端子間電圧VBを昇圧して直流ライン4に出力する。
【0028】
電流検出器CD2は、双方向チョッパ5とバッテリ53の間に流れる電流I2を検出し、その検出値を示す信号I2fを制御装置12に出力する。バッテリ端子T3に現れるバッテリ53の端子間電圧VBの瞬時値は、制御装置12によって検出される。
【0029】
制御装置12は、商用交流電源51の健全時には、バッテリ電圧VBが参照電圧VBR(第2の参照電圧)になるように双方向チョッパ5を制御し、商用交流電源51の停電時には、直流ライン4の直流電圧VDが参照電圧VDRになるように双方向チョッパ5を制御する。双方向チョッパ5およびリアクトルL2は、直流ライン4とバッテリ53の間で直流電力を授受する第2の電力変換器の一実施例を構成する。直流ライン4は、インバータ7の直流ノードに接続されている。
【0030】
インバータ7は、複数のトランジスタおよび複数のダイオードを含む周知のものであり、制御装置12によって制御される。インバータ7は、コンバータ3または双方向チョッパ5から直流ライン4を介して供給される直流電力を商用周波数の交流電力に変換して出力ノード7aに出力する。
【0031】
すなわちインバータ7は、商用交流電源51の健全時には、コンバータ3から直流ライン4を介して供給される直流電力を交流電力に変換し、商用交流電源51の停電時には、バッテリ53から双方向チョッパ5を介して供給される直流電力を交流電力に変換する。インバータ7の出力電圧は所望の値に制御可能になっている。
【0032】
インバータ7の出力ノード7aはリアクトルL3を介して電磁接触器8の一方端子(ノードN2)に接続され、電磁接触器8の他方端子は交流出力端子T4に接続される。コンデンサC3は、ノードN2に接続される。リアクトルL3およびコンデンサC3は、交流フィルタF2を構成する。交流フィルタF2は、低域通過フィルタであり、インバータ7で生成された商用周波数の交流電力を交流出力端子T4に通過させ、インバータ7で発生するスイッチング周波数の信号が交流出力端子T4に通過することを防止する。
【0033】
電磁接触器8は、制御装置12によって制御され、インバータ7によって生成された交流電力を負荷54に供給するインバータ給電モード時にはオンされ、バイパス交流電源52からの交流電力を負荷54に供給するバイパス給電モード時にはオフされる。
【0034】
ノードN3に現れる交流出力電圧VOの瞬時値は、制御装置12によって検出される。電流検出器CD3は、インバータ7と負荷54の間に流れる電流I3を検出し、その検出値を示す信号I3fを制御装置12に与える。
【0035】
制御装置12は、交流出力電圧VOが正弦波状の参照電圧VORになるようにインバータ7を制御する。インバータ7および交流フィルタF2は、直流電力を交流電力に変換する第3の電力変換器の一実施例を構成する。
【0036】
半導体スイッチ9は、互いに逆並列に接続された一対のサイリスタを含み、バイパス入力端子T2と交流出力端子T4の間に接続される。電磁接触器10は、半導体スイッチ9に並列接続される。半導体スイッチ9は、制御装置12によって制御され、通常はオフし、インバータ7が故障した場合に瞬時にオンし、バイパス交流電源52からの交流電力を負荷54に供給する。半導体スイッチ9は、オンしてから所定時間経過後にオフする。
【0037】
電磁接触器10は、インバータ7によって生成された交流電力を負荷54に供給するインバータ給電モード時にはオフされ、バイパス交流電源52からの交流電力を負荷54に供給するバイパス給電モード時にはオンされる。また電磁接触器10は、インバータ7が故障した場合にオンし、バイパス交流電源52からの交流電力を負荷54に供給する。つまり、インバータ7が故障した場合は、半導体スイッチ9が瞬時に所定時間だけオンするとともに電磁接触器10がオンする。これは、半導体スイッチ9が電流によって過熱されて破損するのを防止するためである。
【0038】
操作部11は、無停電電源装置1の使用者によって操作される複数のボタン、種々の情報を表示する画像表示部などを含む。使用者が操作部11を操作することにより、無停電電源装置1の電源をオンおよびオフしたり、バイパス給電モード、インバータ給電モードなどのうちのいずれかのモードを選択することが可能となっている。
【0039】
また、使用者が操作部11(設定部)を操作することにより、種々の情報を制御装置12に記憶させることが可能となっている。種々の情報には、バッテリ53を充電する場合に使用される参照電圧VBRが含まれる。参照電圧VBRは、バッテリ53の浮動充電を行なうための参照電圧VFと、バッテリ53の均等充電を行なうための参照電圧Veとを含む。
【0040】
また、種々の情報には、参照電圧VDRと参照電圧VBRの関係を示す数式またはテーブルが含まれる。さらに、種々の情報には、バッテリ53の均等充電を行なう周期TE1および実行時間TE2が含まれる。
【0041】
制御装置12は、操作部11を用いて設定された参照電圧VBRと、参照電圧VDR,VBRの関係を示す数式またはテーブルとに基づいて、参照電圧VDRを求める。参照電圧VDRは、参照電圧VBRよりも高く、交流出力電圧VOの振幅の2倍よりも高く、かつ参照電圧VDRの最高値よりも低い範囲内で、参照電圧VBRに応じた値となる。これについては、後で詳細に説明する。
【0042】
また、制御装置12は、交流入力電圧VI、交流入力電流I1、直流電圧VD、バッテリ電圧VB、バッテリ電流I2、交流出力電圧VO、交流出力電流I3、参照電圧VDR,VBR,VOR、操作部11からの信号などに基づいて無停電電源装置1全体を制御する。
【0043】
図2は、制御装置12のハードウェア構成例を示すブロック図である。代表的には、制御装置12は、所定のプログラムが予め記憶されたマイクロコンピュータによって構成することができる。
【0044】
図2の例では、制御装置12は、CPU(Central Processing Unit)13と、メモリ14と、入出力(I/O)回路15とを含む。CPU13、メモリ14およびI/O回路15は、バス16を経由して、相互にデータの授受が可能である。メモリ14の一部領域にはプログラムが格納されており、CPU13が当該プログラムを実行することで、後述する各種機能を実現することができる。I/O回路15は、制御装置12の外部との間で信号およびデータを入出力する。
【0045】
あるいは、
図2の例とは異なり、制御装置12の少なくとも一部については、FPGA(Field Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの回路を用いて構成することができる。また、制御装置12の少なくとも一部について、アナログ回路によって構成することもできる。
【0046】
図3は、制御装置12のうちのコンバータ3の制御に関連する部分の構成を示すブロック図である。
図3において、制御装置12は、記憶部20、演算部21、参照電圧発生部22(第1の参照電圧発生部)、停電検出器23、および制御部24(第1の制御部)を含む。
図3に示された各ブロックの機能は、制御装置12によるソフトウェア処理およびハードウェア処理の少なくとも一方によって実現することができる。
【0047】
記憶部20には、参照電圧VBRと参照電圧VDRの関係を示す数式(またはテーブル)が格納されている。演算部21は、参照電圧VBRを示す信号DBRと、記憶部20内の数式(またはテーブル)とに基づいて、参照電圧VBRに応じた値の参照電圧VDRを求め、求めた参照電圧VDRの値を示す信号DDRを参照電圧発生部22に出力する。参照電圧発生部22は、信号DDRによって示される値の参照電圧VDRを生成して制御部24に与える。参照電圧VBRを示す信号DBRについては後述する(
図5)。
【0048】
図4は、参照電圧VBRと参照電圧VDRの関係を示す図である。
図4において、横軸は参照電圧VBRを示し、縦軸は参照電圧VDRを示している。参照電圧VDRは、交流電圧VOの振幅の2倍の電圧Vppよりも高く(VDR>Vpp)、参照電圧VBRよりも高く(VDR>VBR)、かつ参照電圧VDRの最大値VDRmaxよりも低い範囲内で(VDR<VDRmax)、参照電圧VBRに応じて変化する。
【0049】
図4では、VDR=Vppを示す直線SL1と、VDR=VBRを示す直線SL2と、VDR=VDRmaxを示す直線SL3と、VBR=VBRmaxを示す直線SL4と、VBR=0を示す直線(縦軸)とで囲まれる範囲内において、直線SL1,SL2に沿うように、VBRに応じてVDRが変化する状態が示されている。
【0050】
VDR>Vppとするのは、直流電圧VDが交流電圧VOの振幅の2倍の電圧Vppよりも低くなると(VDR<Vpp)、インバータ7によって正弦波状の交流電圧VOを生成することができなくなるためである。VDR>VBRとするのは、双方向チョッパ5は、商用交流電源51の健全時には、直流電圧VDを降圧してバッテリ53に与え、商用交流電源51の停電時には、バッテリ電圧VBを昇圧して直流ライン4に与えるように構成されているからである。
【0051】
また、VDR<VDRmaxとするのは、無停電電源装置1の効率を高くするためである。すなわち、従来は、正弦波状の交流電圧VOを生成するとともに、複数種類のバッテリ53(鉛蓄電池、リチウムイオン電池など)の充電を可能とするため、参照電圧VDRを最大値VDRmaxに固定していた(VDR=VDmax)。参照電圧VDR=VDRmaxは、コンバータ3が安定に出力することが可能な直流電圧VDの最大値である。
【0052】
しかし、直流電圧VD(すなわち参照電圧VDR)を高くすると、コンバータ3、双方向チョッパ5、およびインバータ7に含まれている各トランジスタのスイッチング損失が増大し、無停電電源装置1の効率が低下する。そこで、本実施の形態では、参照電圧VDRを最大値VDRmaxよりも低い値に設定することにより、トランジスタのスイッチング損失を減少させて無停電電源装置1の効率を高くする。
【0053】
無停電電源装置1の使用者は、操作部11を使用して参照電圧VBRの値を設定する。参照電圧VBRは、バッテリ53の種類に応じて決定される。VDR>Vppである必要があるので、VBR≦Vppの領域では、VDR=Vpp+Vmとされる。ただし、Vmは所定の余裕電圧である。このVDR=Vpp+Vmは、参照電圧VDRの最小値VDRminとなる。
【0054】
また、VDR>VBRである必要があるので、VBR>Vppの領域では、VDR=VBR+Vmとされる。ただし、VDR<VDRmaxであるので、VBRmax+Vm<VDRmaxとなるようにVBRmaxが設定される。したがって、参照電圧VBRの値が決まると、それに応じて参照電圧VDRの値が決まるので、参照電圧VDRは参照電圧VBRの関数であり、VDR=f(VBR)と表される。
【0055】
たとえば、参照電圧VBRが、バッテリ53の浮動充電を行なう場合に必要な電圧Vfであり、Vpp<Vfである場合には、VDR=Vf+Vmとなる。また、参照電圧VBRが、バッテリ53の均等充電を行なう場合に必要な電圧Veであり、Vf<Ve<VBRmaxである場合には、VDR=Ve+Vmとなる。
【0056】
再び
図3を参照して、停電検出器23は、商用交流電源51から供給される交流電圧VIに基づいて、商用交流電源51の停電が発生したか否かを検出し、検出結果を示す信号φFを出力する。商用交流電源51の健全時には、停電検出信号φFは非活性化レベルの「H」レベルにされる。商用交流電源51の停電が発生した場合には、停電検出信号φFは活性化レベルの「L」レベルにされる。たとえば、停電検出器23は、交流電圧VIが下限値よりも低下した場合に商用交流電源51の停電が発生したと判別する。
【0057】
制御部24は、停電検出器23からの停電検出信号φF、参照電圧発生部22からの参照電圧VDR、直流ライン4の直流電圧VD、商用交流電源51からの交流電圧VI、電流検出器CD1の出力信号I1fによって示される交流入力電流I1などに基づいて、コンバータ3を制御する。
【0058】
停電検出信号φFが非活性化レベルの「H」レベルである場合(商用交流電源51の健全時)には、制御部24は、直流電圧VDが参照電圧VDRになるようにコンバータ3を制御する。停電検出信号φFが活性化レベルの「L」レベルである場合(商用交流電源51の停電時)には、制御部24はコンバータ3の運転を停止する。
【0059】
図5は、制御装置12のうちの双方向チョッパ5の制御に関連する部分の構成を示すブロック図である。
図5において、制御装置12は、タイマー30、セレクタ31、参照電圧発生部32(第2の参照電圧発生部)、および制御部33(第2の制御部)を含む。
図5に示された各ブロックの機能は、制御装置12によるソフトウェア処理およびハードウェア処理の少なくとも一方によって実現することができる。
【0060】
無停電電源装置1の使用者は、操作部11(設定部)を使用して、バッテリ53の浮動充電を行なう場合の参照電圧VBR=Vf(第1の副参照電圧)を設定するとともに、バッテリ53の均等充電を行なう場合の参照電圧VBR=Ve(第2の副参照電圧)を設定する。操作部11は、設定された参照電圧VBR=Vfを示す信号Dfと、設定された参照電圧VBR=Veを示す信号Deとをセレクタ31に出力する。
【0061】
また、無停電電源装置1の使用者は、操作部11を使用して、バッテリ53の均等充電を行なう周期TE1と、均等充電を行なう時間TE2とを設定する。操作部11は、設定された周期TE1を示す信号D1と、設定された時間TE2を示す信号D2とをタイマー30に出力する。
【0062】
また、無停電電源装置1の使用者は、操作部11を使用して、タイマー30の起動および停止を指令する。操作部11は、タイマー30の起動が指令された場合には信号ENを活性化レベルの「H」レベルにし、タイマー30の停止が指令された場合には信号ENを非活性化レベルの「L」レベルにする。
【0063】
信号ENが非活性化レベルの「L」レベルである場合には、タイマー30は非活性化され、タイマー30の出力信号φ30は「L」レベルに維持される。信号ENが「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられると、タイマー30が活性化されて時間の計測を開始する。
【0064】
タイマー30は、信号D1によって示される時間TE1(たとえば24時間)が経過する毎に信号φ30を「L」レベルから「H」レベルに立ち上げ、信号D2によって示される時間TE2(たとえば1時間)が経過したことに応じて信号φ30を「H」レベルから「L」レベルに立ち下げる。「H」レベルにされた信号φ30は、バッテリ53の均等充電の実行を指令する指令信号となる。
【0065】
セレクタ31は、操作部11からの参照電圧VBR=Vfを示す信号Dfと、参照電圧VBR=Veを示す信号Deとを受け、タイマー30の出力信号φ30に従って、信号Dfと信号Deのうちのいずれか一方の信号を参照電圧VBRを示す信号DBRとして出力する。
【0066】
タイマー30の出力信号φ30が「L」レベルである場合には、セレクタ31は、信号Dfを選択し、その信号Dfを信号DBRとして出力する。タイマー30の出力信号φ30が「H」レベルである場合には、セレクタ31は、信号Deを選択し、その信号Deを信号DBRとして出力する。セレクタ31の出力信号DBRは、演算部21(
図3)に与えられるとともに、参照電圧発生部32に与えられる。
【0067】
参照電圧発生部32は、セレクタ31の出力信号DBRによって示される値の参照電圧VBRを生成して制御部33に出力する。セレクタ31の出力信号DBRが信号Dfである場合には、信号Dfによって示される値の参照電圧Vfが参照電圧VBRとして出力される。セレクタ31の出力信号DBRが信号Deである場合には、信号Deによって示される値の参照電圧Veが参照電圧VBRとして出力される。
【0068】
なお、バッテリ53の種類によっては、浮動充電のみが実行され、均等充電が実行されない場合がある。この場合は、信号ENが「L」レベルに固定されてタイマー30の出力信号φ30が「L」レベルに固定され、セレクタ31は信号Dfのみを選択し、参照電圧発生部32は参照電圧VBR=Vfのみを生成する。
【0069】
制御部33は、停電検出器23からの停電検出信号φF、参照電圧発生部32からの参照電圧VBR、バッテリ電圧VB、参照電圧発生部22からの参照電圧VDR、直流ライン4の直流電圧VD、電流検出器CD2の出力信号I2fによって示されるバッテリ電流I2などに基づいて、双方向チョッパ5を制御する。
【0070】
停電検出信号φFが非活性化レベルの「H」レベルである場合(商用交流電源51の健全時)には、制御部33は、バッテリ電圧VBが参照電圧VBRになるように双方向チョッパ5を制御する。停電検出信号φFが活性化レベルの「L」レベルである場合(商用交流電源51の停電時)には、制御部33は、直流電圧VDが参照電圧VDRになるように双方向チョッパ5を制御する。
【0071】
図6は、参照電圧VBR(
図5)および参照電圧VDR(
図3)の波形を示すタイムチャートである。
図6において、時刻t0において信号ENが「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられ、タイマー30(
図5)の出力信号φ30が「L」レベルにされ、セレクタ31によって信号Dfが選択され、参照電圧発生部32によって参照電圧VBR=Vfが生成されたものとする。ただし、Vpp<Vfであるものとする(
図4)。Vpp<Vfであるので、演算部21および参照電圧発生部22(
図3)によって参照電圧VDR=Vf+Vmが生成される。
【0072】
制御部24(
図3)によって、直流ライン4の直流電圧VDが参照電圧VDR=Vf+Vmになるようにコンバータ3が制御される。また、制御部33(
図5)によって、バッテリ電圧VBが参照電圧VBR=Vfになるように双方向チョッパ5が制御され、バッテリ53の浮動充電が実行される。
【0073】
時刻t0から時間TE1が経過すると、時刻t1において、タイマー30の出力信号φ30が「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられ、セレクタ31によって信号Deが選択され、参照電圧発生部32によって参照電圧VBR=Veが生成される。ただし、Vpp<Vf<Veであるものする(
図4)。Vpp<Vf<Veであるので、演算部21および参照電圧発生部22(
図3)によって参照電圧VDR=Ve+Vmが生成される。
【0074】
制御部24(
図3)によって、直流ライン4の直流電圧VDが参照電圧VDR=Ve+Vmになるようにコンバータ3が制御される。また、制御部33(
図5)によって、バッテリ電圧VBが参照電圧VBR=Veになるように双方向チョッパ5が制御され、バッテリ53の均等充電が実行される。
【0075】
時刻t1から時間TE2が経過すると、時刻t2において、タイマー30の出力信号φ30が「H」レベルから「L」レベルに立ち下げられ、セレクタ31によって信号Dfが選択され、参照電圧発生部32によって参照電圧VBR=Vfが生成され、演算部21および参照電圧発生部22によって参照電圧VDR=Vf+Vmが生成され、バッテリ53の浮動充電が再び開始される。
【0076】
従来は、
図6中の一点鎖線で示されるように、参照電圧VDRが最大値VDRmaxに固定されていたので、直流電圧VDが高く、無停電電源装置の効率が低かった。これに対して本実施の形態では、参照電圧VDRが最大値VDRmaxよりも低い電圧(たとえば、Vf+Vm,Ve+Vm)にされるので、無停電電源装置1の効率の向上を図ることができる。
【0077】
図7は、制御装置12のうちのインバータ7の制御に関連する部分の構成を示すブロック図である。
図7において、制御装置12は、参照電圧発生部40および制御部41を含む。
図7に示された各ブロックの機能は、制御装置12によるソフトウェア処理およびハードウェア処理の少なくとも一方によって実現することができる。参照電圧発生部40は、正弦波状の参照電圧VORを生成する。参照電圧VORは、商用周波数を有する。参照電圧VORの振幅の2倍の電圧Vppは、参照電圧VDRの最小値VDRminよりも低いので(
図4)、正弦波状の参照電圧VORを生成することが可能となっている。
【0078】
制御部41は、参照電圧発生部40からの参照電圧VOR、交流出力電圧VO、電流検出器CD3の出力信号I3fによって示される電流I3などに基づいて、インバータ7を制御する。制御部41は、交流出力電圧VOが参照電圧VORになるようにインバータ7を制御する。
【0079】
次に、この無停電電源装置の動作について説明する。商用交流電源51の健全時には、電磁接触器2,6,8(
図1)がオンされ、半導体スイッチ9および電磁接触器10がオフされる。商用交流電源51から電磁接触器2および交流フィルタF1を介してコンバータ3に交流電力が供給され、その交流電力がコンバータ3によって直流電力に変換される。
【0080】
コンバータ3によって生成された直流電力は、双方向チョッパ5、リアクトルL2、および電磁接触器6を介してバッテリ53に蓄えられるとともに、インバータ7によって交流電力に変換され、交流フィルタF2および電磁接触器8を介して負荷54に供給される。
【0081】
商用交流電源51の健全時には、バッテリ53の浮動充電と均等充電が交互に実行される。浮動充電時には、参照電圧発生部32(
図5)によって参照電圧VBR=Vfが生成され、双方向チョッパ5によってバッテリ電圧VBが参照電圧VBR=Vfにされる。また、参照電圧発生部22(
図3)によって参照電圧VBR=Vfに応じた値の参照電圧VDR=Vf+Vmが生成され、コンバータ3によって直流電圧VDが参照電圧VDR=Vf+Vmにされる。
【0082】
均等充電時には、参照電圧発生部32(
図5)によって参照電圧VBR=Veが生成され、双方向チョッパ5によってバッテリ電圧VBが参照電圧VBR=Veにされる。また、参照電圧発生部22(
図3)によって参照電圧VBR=Veに応じた値の参照電圧VDR=Ve+Vmが生成され、コンバータ3によって直流電圧VDが参照電圧VDR=Ve+Vmにされる。
【0083】
商用交流電源51の停電が発生すると、コンバータ3の運転が停止されるとともに、電磁接触器2がオフされる。また、バッテリ53の直流電力が電磁接触器6、リアクトルL2、および双方向チョッパ5によってインバータ7に供給され、交流電力に変換される。
【0084】
停電時には、参照電圧発生部32(
図5)によって参照電圧VBRが生成され、参照電圧発生部22(
図3)によって参照電圧VBRに応じた値の参照電圧VDRが生成され、双方向チョッパ5によって直流電圧VDが参照電圧VDRにされる。
【0085】
インバータ7によって生成される交流電力は、交流フィルタF2および電磁接触器8を介して負荷54に供給される。したがって、商用交流電源51の停電が発生した場合でも、バッテリ53に直流電力が蓄えられている期間は、負荷54の運転を継続することができる。
【0086】
商用交流電源51の健全時においてインバータ7が故障した場合には、半導体スイッチ9が瞬時にオンし、バイパス交流電源52から半導体スイッチ9を介して負荷54に交流電力が供給される。次いで、電磁接触器10がオンするとともに電磁接触器8がオフし、半導体スイッチ9がオフする。これにより、バイパス交流電源52から電磁接触器10を介して負荷54に交流電力が供給される。
【0087】
以上のように、本実施の形態では、操作部11を用いて設定された参照電圧VBRよりも高く、参照電圧VDRの最大値VDRmaxよりも低い参照電圧VDRを生成して制御部24に与える。したがって、直流ライン4の電圧VD(すなわち参照電圧VDR)を最大値VDRmaxよりも低くすることができ、コンバータ3、双方向チョッパ5、およびインバータ7に含まれる各トランジスタのスイッチング損失を低減して無停電電源装置1の効率の向上を図ることができる。また、直流ライン4の電圧VDを低くすることができるので、コンデンサC2の長寿命化を図ることができる。
【0088】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
1 無停電電源装置、T1 交流入力端子、T2 バイパス入力端子、T3 バッテリ端子、T4 交流出力端子、2,6,8,10 電磁接触器、CD1~CD3 電流検出器、C1~C3 コンデンサ、L1~L3 リアクトル、3 コンバータ、4 直流ライン、5 双方向チョッパ、7 インバータ、9 半導体スイッチ、11 操作部、12 制御装置、13 CPU、14 メモリ、15 I/O回路、16 バス、20 記憶部、21 演算部、22,32,40 参照電圧発生部、23 停電検出器、24,33,41 制御部、30 タイマー、31 セレクタ、51 商用交流電源、52 バイパス交流電源、53 バッテリ、54 負荷。
【要約】
この無停電電源装置1では、第2の参照電圧(VBR)を設定するための操作部(11)と、設定された第2の参照電圧よりも高く、第1の参照電圧(VDR)の最大値(VDRmax)よりも低い第1の参照電圧を求める演算部(21)と、演算部によって求められた第1の参照電圧を生成する第1の参照電圧発生部(22)と、操作部によって設定された第2の参照電圧を生成する第2の参照電圧発生部(32)とを備える。したがって、直流ライン(4)の電圧(VD)を第1の参照電圧の最大値よりも低くして、無停電電源装置1の効率の向上を図ることができる。