(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】ワークスペースクラッタを分析する及び改善されたワークスペースレイアウトを生成するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/00 20170101AFI20231219BHJP
【FI】
G06T7/00 600
(21)【出願番号】P 2022574278
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(86)【国際出願番号】 EP2021064316
(87)【国際公開番号】W WO2021244961
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-01-31
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】カウル ジャスレーン
(72)【発明者】
【氏名】ヤダヴ ダクシャ
(72)【発明者】
【氏名】マーディザデハグダム シャヒン
(72)【発明者】
【氏名】サヴェラ アルハム
【審査官】大塚 俊範
(56)【参考文献】
【文献】PANOS E. TRAHANIAS、他2名,Visual Recognition of Workspace Landmarks for Topological Navigation,Autonomous Robots,vol.7,Kluwer Academic Publishers,1999年01月01日,pp.143-158,インターネット:<URL: http://users.ics.forth.gr/~trahania/papers/Trahanias_AR1999.pdf>,[検索日 2023年 6月 1日]
【文献】白澤 怜樹、他1名,研究室における個人用机での作業に必要なスペース確保のために片付けを促すシステム,Human Interface 2017 共感する かたちにする [DVD-ROM] ヒューマンインタフェースシンポジウム2017 論文集,日本,特定非営利活動法人ヒューマンインタフェース学会,2017年09月07日,第815-820頁,ISSN 1345-0794
【文献】伊藤 麻里、他1名,部屋の片付けのための情報支援システムの提案,第28回全国大会論文集CD-ROM [CD-ROM] 2014年度 人工知能学会全国大会(第28回)論文集 The 28th Annual Conference of the Japan Society of Artificial Intelligence,日本,一般社団法人 人工知能学会 ,2014年05月15日,第1-3頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 - 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の物体が置かれているワークスペース表面を評価するためのシステムであって、当該システムは、
ワークスペース表面に対応するデータを捕捉するように構成される1つ以上のセンサと、
前記1つ以上のセンサに通信可能に結合されるコントローラであって、前記コントローラは、
前記捕捉されたデータに基づいて前記ワークスペース表面の照度マップを生成する、
前記照度マップに基づいてクラッタエントロピレベルを生成し、前記クラッタエントロピレベルは、前記ワークスペース表面上の全体的なクラッタの程度を表す、
前記クラッタエントロピレベルがクラッタ閾値を超えるかどうかを判断する、及び
前記クラッタエントロピレベルが前記クラッタ閾値を超える場合、ユーザデバイスにクラッタインディケーションを提供する、
ように構成される、コントローラと、
を含み、
前記コントローラはさらに、
前記照度マップの少なくとも一部に対応する前記ワークスペース表面上に置かれている物体のうちの1つ以上を識別する、
前記1つ以上の物体及びレイアウトジェネレータに基づいてデクラッタレイアウトを生成し、前記デクラッタレイアウトは、前記ワークスペース表面上に置かれている前記1つ以上の物体に対する提案された新しいロケーションを含む、及び
前記ユーザデバイスに前記デクラッタレイアウトを提供する、
ように構成される、システム。
【請求項2】
当該システムは、前記デクラッタレイアウトに関するユーザフィードバックを受けるように構成されるユーザインターフェースを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記ユーザフィードバック及び閾値アジャスタに基づいて前記クラッタ閾値を更新するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記ワークスペース表面に対応する前記捕捉されたデータ及び閾値アジャスタに基づいて前記クラッタ閾値を更新するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記ワークスペース表面に対応する前記捕捉されたデータに基づいて前記レイアウトジェネレータを更新するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上のセンサの少なくとも1つは、サーモパイルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ以上のセンサの少なくとも1つは、スペクトロメータである、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記照度マップは、グレースケールで生成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
システムによって1つ以上の物体が置かれているワークスペース表面を評価するための方法であって、当該方法は、
前記システムが、
1つ以上のセンサを介して、ワークスペース表面に対応するデータを捕捉することと、
前記捕捉されたデータに基づいて前記ワークスペース表面の照度マップを生成することと、
前記照度マップに基づいてクラッタエントロピレベルを生成することであって、前記クラッタエントロピレベルは、前記ワークスペース表面上の全体的なクラッタの程度を表す、ことと、
前記クラッタエントロピレベルがクラッタ閾値を超えるかどうかを判断することと、
前記クラッタエントロピレベルが前記クラッタ閾値を超える場合、ユーザデバイスにクラッタインディケーションを提供することと、
を含み、
当該方法はさらに、
前記システムが、
前記照度マップの少なくとも一部に対応する前記ワークスペース表面上に置かれている1つ以上の物体を識別することと、
前記1つ以上の物体及びレイアウトジェネレータに基づいてデクラッタレイアウトを生成することであって、前記デクラッタレイアウトは、前記ワークスペース表面上に置かれている前記1つ以上の物体に対する提案された新しいロケーションを含む、ことと、
前記ユーザデバイスに前記デクラッタレイアウトを提供することと、
を含む、方法。
【請求項10】
当該方法は、前記ユーザデバイスのユーザインターフェース
に前記クラッタエントロピレベルを表示することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
当該方法は、前記ユーザデバイスのユーザインターフェース
に前記デクラッタレイアウトを表示することを含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ワークスペースクラッタ(workspace clutter)を分析する及びワークスペースに見られる物体の改善されたレイアウトを生成することに関する。
【背景技術】
【0002】
デスクの整理整頓(desk organization)は、生産性に直接関連する。オフィス環境において、デスクの整理整頓は、重要なアイテムの紛失を防ぐために必要である。さらに、散らかったデスク(cluttered desk)は、悪い整理整頓(poor organization)のサインであり、従業員のパフォーマンスに影響を与える可能性がある。関連書類を探す時間は、悪い整理整頓レイアウト(poor organization layout)に起因して貴重な時間を浪費する可能性がある。アイテムの悪い整理整頓レイアウトは、ワーカーの日々の生産性に影響を及ぼす可能性もある。
【0003】
ワークスペース占有者は、タイムリーにフィードバックが与えられる場合、自身のデスク又はワークスペースを整理整頓する(organize)時間を減らすことができる。デスクスペースの最適な又は改善されたレイアウトを占有者に提供することは、ワークスペースの物体を片付けるのに要する時間を大幅に減らすことができる。さらに、改善されたレイアウトを提供することは、占有者が自身のワークスペースを整理整頓する動機付けにもなることができる。したがって、(1)ワークスペースデスククラッタ(workspace desk clutter)を分析する及び(2)ワークスペースに見られる物体の改善されたレイアウトを生成する必要がある。
【0004】
Panos E Tranhanas等の「Visual Recognition of Workspace Landmarks for Topological Navigation」は、ビジュアルランドマークを用いてアプローチされるロボットナビゲーション方法を開示している。ランドマークは事前選択される又は先験的に定義されるのではなく、学習フェーズ中に自動的に抽出される。これを容易にするために、サリエンシーマップが構築され、これに基づいて潜在的なランドマークがハイライトされる。これは、環境においてランドマークの探索エリアをさらに線引きするためにワークスペースのモデル駆動型の分離と関連して用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、ワークスペース表面クラッタ(workspace surface clutter)を評価する及び改善されたワークスペースレイアウトを生成するためのシステム及び方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
システムは、データを捕捉する及びユーザのワークスペース(デスク又はテーブル等)上の物体の現在のレイアウトを表す照度マップ(illuminance map)を生成するために、サーモパイル又はスペクトロメータ等、1つ以上のセンサを利用する。その後、システムは、照度マップのクラッタエントロピレベル(clutter entropy level)を生成する。クラッタエントロピレベルがクラッタ閾値(clutter threshold)を超える場合、システムは、ワークスペースが散らかりすぎている(too cluttered)というインディケーションをユーザに提供する。その後、システムは、オブジェクトがクラッタを減らすために再配置される(rearranged)デクラッタレイアウトを生成し、ユーザに提供する。
【0007】
一般に、一態様において、ワークスペース表面を評価するためのシステムが開示される。1つ以上の物体が、ワークスペース表面に置かれてもよい。システムは、1つ以上のセンサを含んでもよい。センサは、ワークスペース表面に対応するデータを捕捉するように構成されてもよい。1つ以上のセンサの少なくとも1つは、サーモパイル又はスペクトロメータであってもよい。
【0008】
システムは、1つ以上のセンサに通信可能に結合されるコントローラを含んでもよい。コントローラは、ワークスペース表面の照度マップを生成するように構成されてもよい。照度マップは、捕捉されたデータに基づいてもよい。照度マップは、グレースケールで生成されてもよい。
【0009】
コントローラは、クラッタエントロピレベルを生成するように構成されてもよい。クラッタエントロピレベルは、照度マップ及びエントロピアセッサ(entropy assessor)に基づいてもよい。
【0010】
コントローラは、クラッタエントロピレベルがクラッタ閾値を超えるかどうかを判断するように構成されてもよい。コントローラは、クラッタエントロピレベルがクラッタ閾値を超える場合、ユーザデバイスにクラッタインディケーション(clutter indication)を提供するように構成されてもよい。ユーザデバイスは、クラッタエントロピレベルを表示するように構成されるユーザインターフェースを含んでもよい。
【0011】
コントローラはさらに、照度マップの少なくとも一部に対応するワークスペース表面上に置かれている物体のうちの1つ以上を識別するように構成されてもよい。コントローラはさらに、1つ以上の物体及びレイアウトジェネレータ(layout generator)に基づいてデクラッタレイアウト(decluttered layout)を生成するように構成されてもよい。デクラッタレイアウトは、ワークスペース表面上に置かれている1つ以上の物体に対する提案された新しいロケーションを含んでもよい。コントローラはさらに、ユーザデバイスにデクラッタレイアウトを提供するように構成されてもよい。
【0012】
一例によれば、ユーザデバイスは、デクラッタレイアウトを表示するように構成されるユーザインターフェースを含んでもよい。さらに、ユーザデバイスは、デクラッタレイアウトに関するユーザフィードバックを受けるように構成されるユーザインターフェースを含んでもよい。
【0013】
一例によれば、コントローラはさらに、ユーザフィードバック及び閾値アジャスタ(threshold adjuster)に基づいてクラッタ閾値を更新するように構成されてもよい。
【0014】
一例によれば、コントローラはさらに、ワークスペース表面に対応する捕捉されたデータ及び閾値アジャスタに基づいてクラッタ閾値を更新するように構成されてもよい。コントローラはさらに、ワークスペース表面に対応する捕捉されたデータに基づいてレイアウトジェネレータを更新するように構成されてもよい。
【0015】
一般に、別の態様において、1つ以上の物体が置かれているワークスペース表面を評価するための方法が開示される。方法は、1つ以上のセンサを介して、ワークスペース表面に対応するデータを捕捉することを含んでもよい。方法はさらに、捕捉されたデータに基づいてワークスペース表面の照度マップを生成することを含んでもよい。方法はさらに、照度マップ及びエントロピアセッサに基づいてクラッタエントロピレベルを生成することを含んでもよい。方法はさらに、クラッタエントロピレベルがクラッタ閾値を超えるかどうかを判断することを含んでもよい。方法はさらに、クラッタエントロピレベルがクラッタ閾値を超える場合、ユーザデバイスにクラッタインディケーションを提供することを含んでもよい。方法はさらに、ユーザデバイスのユーザインターフェースを介して、クラッタエントロピレベルを表示することを含んでもよい。
【0016】
一例によれば、方法はさらに、照度マップの少なくとも一部に対応するワークスペース表面上に置かれている1つ以上の物体を識別することを含んでもよい。方法はさらに、1つ以上の物体及びレイアウトジェネレータに基づいてデクラッタレイアウトを生成することであって、デクラッタレイアウトは、ワークスペース表面上に置かれている1つ以上の物体に対する提案された新しいロケーションを含む、ことを含んでもよい。方法はさらに、ユーザデバイスにデクラッタレイアウトを提供することを含んでもよい。方法はさらに、ユーザデバイスのユーザインターフェースを介して、デクラッタレイアウトを表示することを含んでもよい。
【0017】
様々な実装形態では、プロセッサ又はコントローラは、1つ以上の記憶媒体(本明細書では「メモリ」と総称される、例えば、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROM等の、揮発性及び不揮発性のコンピュータメモリ、フロッピーディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープなど)に関連付けられてもよい。一部の実装形態では、これらの記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、本明細書で論じられる機能の少なくとも一部を実行する、1つ以上のプログラムでエンコードされてもよい。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定されてもよく、あるいは、それらの記憶媒体上に記憶されている1つ以上のプログラムが、本明細書で論じられる様々な態様を実施するために、プロセッサ又はコントローラ内にロードされることができるように、可搬性であってもよい。用語「プログラム」又は「コンピュータプログラム」は、本明細書では、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために採用されることが可能な、任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指すように、一般的な意味で使用される。
【0018】
上述の概念と、以下でより詳細に論じられる追加的概念との全ての組み合わせは(そのような概念が互いに矛盾しないという条件下で)、本明細書で開示される発明の主題の一部であると想到される点を理解されたい。特に、本開示の最後に記載されている特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書で開示される発明の主題の一部であると想到される。また、参照により組み込まれるいずれかの開示にもまた現れ得る、本明細書で明示的に採用されている用語は、本明細書で開示される特定の概念と最も一致する意味が与えられるべきである点も理解されたい。
【0019】
様々な実施形態のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図面中、同様の参照文字は、一般に、異なる図の全体にわたって同じ部分を指す。また、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、その代わり一般的に、様々な実施形態の原理を例示することに重点が置かれている。
【
図1】
図1は、一例による、ワークスペースデスククラッタを分析する及び改善されたレイアウトを生成するためのシステムの概略図である。
【
図2】
図2は、一例による、ワークスペースデスククラッタを分析する及び改善されたレイアウトを生成するためのシステムのさらなる概略図である。
【
図3】
図3は、2つのワークスペース表面の照度マップ及びクラッタエントロピレベルを示す一連の画像である。
【
図4】
図4a及び4bは、一例による、ワークスペースデスククラッタを分析する及び改善されたレイアウトを生成するための方法の第1のフローチャートを組み合わせて形成する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示は、ワークスペース表面クラッタを評価する及び改善されたワークスペースレイアウトを生成するためのシステム及び方法に関する。システムは、データを捕捉する及びユーザのワークスペース(デスク又はテーブル等)上の物体の現在のレイアウトを表す照度マップを生成するために、サーモパイル又はスペクトロメータ等、1つ以上のセンサを利用する。その後、システムは、照度マップのクラッタエントロピレベルを生成する。クラッタエントロピレベルは、ワークスペース上で見られる物体のエントロピレベルの決定に基づいてもよい。クラッタエントロピレベルがクラッタ閾値を超える場合、システムは、ワークスペースが散らかりすぎているというインディケーションをユーザに提供してもよい。その後、システムは、物体がクラッタを減らすために再配置されるデクラッタレイアウトを生成し、ユーザに提供してもよい。クラッタインディケーション及びデクラッタレイアウトは、ユーザインターフェースを介してユーザに提供されてもよい。システムは、ユーザによって提供されるフィードバック及び/又はセンサによって捕捉されるデータに基づいてユーザプリファレンスにクラッタ閾値及びレイアウトジェネレータをトレーニングしてもよい。
【0022】
図1及び2を参照すると、一態様において、ワークスペース表面102を評価するためのシステム100が開示されている。ワークスペース表面102は、アイテムが置かれ得る任意の平らな表面であってもよい。一例として、ワークスペース表面102は、オフィス環境に位置するデスクであってもよい。別の例では、ワークスペース表面102は、研究室、ホームオフィス、自動車修理工場等における卓上であってもよい。
【0023】
図2に示されるように、1つ以上の物体104は、ワークスペース表面102上に置かれてもよい。物体は、ワークスペース表面102上に見られるであろう任意の物体104、例えば、コンピュータデスクトップ、コンピュータラップトップ、コンピュータ周辺機器(キーボード、マウス、スピーカ等)、フォルダ、書籍、筆記用具、テーブルランプ、ステープラ、ポータブル電子デバイス(スマートフォン又はタブレット等)等であってもよい。他の実施形態では、物体104は、工具、ラボ用機器、自動車部品、及び/又は所与のワークスペース102に置かれ得る他のアイテムを含んでもよい。
図2において、例えば、物体104aはコンピュータスピーカであってもよく、物体104bはキーボードであってもよく、物体104cはマウスパッドであってもよく、物体104dはコーヒーカップであってもよく、物体104eはラップトップドッキングステーションであってもよく、物体104fはコンピュータモニタであってもよい。以下で述べられるように、システム100は、ある物体104がワークスペース表面102上でリロケートされ(relocated)得る容易さを識別してもよい。例えば、ユーザがペン又はフォルダをリロケートする(relocate)ことは容易であり得るが、コンピュータモニタをリロケートすることは困難であり得る。
【0024】
図2に示されるように、システム100は、1つ以上のセンサ106を含んでもよい。センサ106は、ワークスペース表面102に対応するデータ108を捕捉するように構成されてもよい。一例では、
図2に示されるように、1つ以上のセンサの少なくとも1つは、サーモパイル106aであってもよい。別の例では、
図2に示されるように、1つ以上のセンサの少なくとも1つは、スペクトロメータ106bであってもよい。1つ以上のセンサ106は、ワークスペース表面102のクラッタを表すデータ108を捕捉することが可能な任意の他のタイプのセンサを含んでもよい。センサ106は、複数のサーモパイル等、単一のタイプの複数のセンサ106を含んでもよい。さらに、センサ106は、サーモパイル及びスペクトロメータの両方等、2つ以上のタイプのセンサを含んでもよい。好ましい実施形態において、センサ106は、ワークスペース表面102の真上に位置付けられてもよい。さらなる例では、センサ106は、一緒にバンドルされ(bundled together)、照明器具に取り付けられてもよい。
図3は、センサ106の例示的な視野を示している。照度マップ生成及びクラッタエントロピレベル計算が本明細書で述べられる。センサ106はさらに、ネットワーク400を介してシステム100の他の構成要素とワイヤレスに通信するためのトランシーバ325を含んでもよい。
【0025】
システム100は、ネットワーク400を介して通信可能なユーザデバイス122、1つ以上のセンサ106、及びコントローラ110を含んでもよい。
図1を参照すると、コントローラ110は、メモリ200、プロセッサ250、及びトランシーバ300を含んでもよい。メモリ200及びプロセッサ250は、メモリ200に記憶されるデータの処理を促進するためにバスを介して通信可能に結合されてもよい。トランシーバ300は、ネットワーク400を介して、ユーザデバイス122等、リモートデバイスにデータを送信する及び/又はリモートデバイスからデータを受信するために使用されてもよい。トランシーバ300によって受信されるデータは、メモリ200に記憶され、及び/又はプロセッサ250によって処理されてもよい。一例として、トランシーバ300は、コントローラ110とネットワーク400との間のワイヤレス接続を促進してもよい。
【0026】
ネットワーク400は、コントローラ110、センサ106、ユーザデバイス122、及び/又はこれらの任意の組み合わせ間の通信を促進するように構成されてもよい。ネットワーク400は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、Zigbee(登録商標)、及び/又は他の適切な通信プロトコル等の通信プロトコルに従った有線及び/又はワイヤレスネットワークであってもよい。一例として、センサ106は、ネットワーク400を介して、捕捉されたデータ108を、メモリ200への記憶及び/又はプロセッサ250による処理のためにコントローラ110にワイヤレスに送信してもよい。
【0027】
コントローラ110は、ネットワーク400を介して1つ以上のセンサ106に通信可能に結合されてもよい。一実施形態において、コントローラ110は、メモリ200、プロセッサ250、及びトランシーバ300を含む。通信バスは、コントローラ110内のメモリ200、プロセッサ250、及びトランシーバ300の間のデータの交換を促進してもよい。メモリ200は、本明細書で述べられるようなコンピュータ可読媒体であってもよい。さらに、プロセッサ250は、本明細書で述べられるようなコンピュータ可読プログラム命令を実行することが可能であってもよい。コントローラ110は、ネットワーク400を介してセンサ106から捕捉されたデータ108を受信するように構成されてもよい。コントローラ110はさらに、本明細書で述べられるように捕捉されたデータ108を処理する前に捕捉されたデータ108をメモリ200に記憶するように構成されてもよい。
【0028】
コントローラ110は、プロセッサ250によって実行される照度マップジェネレータ140を介してワークスペース表面102の照度マップ112を生成するように構成されてもよい。照度マップ112は、捕捉されたデータ108に基づいて生成されてもよい。捕捉されたデータ108が2つ以上のモードのデータを含む場合(例えば、サーモパイル及びスペクトロメータの両方からの捕捉されたデータ108)、コントローラ110は、プロセッサ250を介して複数のモードの捕捉されたデータ108を照度マップ112生成のためのコヒーレントデータセット(coherent data set)に融合し(fuse)てもよい。
【0029】
一例として、照度マップ112は、グレースケールで生成されてもよい。グレースケール照度マップ112は、256のグレーレベルを利用する8ビット画像であってもよい。例示的な照度マップ112a及び112bが
図3に示されている。
図3において、「前(Before)」ワークスペース表面の照度マップ112aは、「後(After)」ワークスペース表面102の照度マップ112bよりも多数の暗い領域を含む。さらに、「前」ワークスペース照度マップ112aの暗い領域は、「後」ワークスペース照度マップ112bの暗い領域よりも著しく暗い。これらの領域の数及び程度は、照度マップ112a及び112bのクラッタ114のレベルに対応する。「前」ワークスペース照度マップ112aを参照すると、(書類、ローションボトル、眼鏡ケース、ステープラ等を含む)ワークスペース102の中央の物体の山は、高程度のクラッタのエリアを表し、相応に照度マップ112aにおいてワークスペース102の他の部分よりも著しく暗い。
【0030】
コントローラ110は、プロセッサ250によって実行されるエントロピアセッサ116を介してクラッタエントロピレベル114を生成するように構成されてもよい。クラッタエントロピレベル114は、ワークスペース表面102上の全体的なクラッタの程度(degree of overall clutter)を表す。
図3に示されるように、より高いレベルのクラッタは、より高いクラッタエントロピレベル114に対応する。
図3において、「前」ワークスペースは3.12のクラッタエントロピレベルを有し、再整理整頓された(re-organized)「後」ワークスペースは2.70の低いクラッタエントロピレベルを有する。
【0031】
クラッタエントロピレベル114は、照度マップ112に基づいて生成されてもよい。プロセッサ250は、以下の式を使用してクラッタエントロピレベル(clutter entropy level)114を算出するためにエントロピアセッサ116を実行してもよい。
ここで、nは照度マップのグレーレベルの数(8ビット画像の場合256等)、p
iは照度マップのピクセルがグレーレベルiを有する確率、bは対数関数の底である。
【0032】
システム100はさらに、ユーザデバイス122を含んでもよい。ユーザデバイス122は、クラッタエントロピレベル114を含むユーザインターフェース126をレンダリングするように構成されるディスプレイを含んでもよい。ユーザデバイス122は、スマートフォン又は同様のデバイスであってもよい。一例として、ユーザインターフェース126は、スマートフォン又は同様のモバイルデバイスに組み込まれるディスプレイを含んでもよい。ユーザデバイス122は、ネットワーク400を介してトランシーバ350によって促進される有線接続を介してコントローラ110に通信可能に結合されてもよい。ユーザデバイス122及びユーザインターフェース126は、様々な追加の入力及び出力フィーチャ及びメカニズムを含んでもよい。
【0033】
コントローラ110は、プロセッサ250によって実行されるインディケーションジェネレータ138を介して、クラッタエントロピレベル114がクラッタ閾値118を超えるかどうかを判断するように構成されてもよい。クラッタ閾値118は、分析前に、ユーザインターフェース126を介して等、ユーザによって設定されてもよい。さらなる例では、クラッタ閾値118は、以前のワークスペースレイアウトの捕捉されたデータ108に対応する以前に収集されたクラッタエントロピレベル114に従って設定されてもよい。
【0034】
コントローラ110は、クラッタエントロピレベル114がクラッタ閾値118を超える場合、ワークスペース表面102に関連するユーザデバイス122にクラッタインディケーション120を提供するように構成されてもよい。クラッタインディケーション120は、プロセッサ250によって実行されるインディケーションジェネレータ138によって実行されてもよい。さらに、インディケーションジェネレータ138は、クラッタエントロピレベル114がクラッタ閾値118を超える場合、クラッタインディケーション120を生成するように構成されてもよい。クラッタインディケーション120は、例えば、ディスプレイスクリーン上のメッセージ等、ユーザインターフェース126を介して表示されてもよい。コントローラ110がセンサ106を収容する照明器具と通信するさらなる例では、コントローラ110は、ワークスペース102がクラッタ閾値118を超えていることをユーザに通知するために照明器具が点滅する、暗くなる、明るくなる、色を変える、又はその他の挙動をするようにトリガしてもよい。
【0035】
コントローラ110はさらに、プロセッサ250によって実行される物体アイデンティファイア(object identifier)142を介して、照度マップ112の少なくとも一部124に対応するワークスペース表面102上に置かれている物体104のうちの1つ以上を識別するように構成されてもよい。一例として、コントローラ110は、単に、物体104を、再配置するための離散的なアイテムとして識別する。さらなる例では、コントローラ110は、物体104を、書類、コンピュータ周辺機器等、異なるタイプのアイテムとして識別してもよい。この分類は、システム100のレイアウト生成アスペクト(layout generation aspect)によって利用されることができる。
【0036】
コントローラ110はさらに、プロセッサ250によって実行されるレイアウトジェネレータ130を介して1つ以上の物体104に基づいてデクラッタレイアウト128を生成するように構成されてもよい。デクラッタレイアウト128は、ワークスペース表面102上に置かれている1つ以上の物体104に対する提案された新しいロケーション132を含んでもよい。レイアウトジェネレータ130は、物体104の複数の配置(plurality of arrangements)を作成する、上記のクラッタエントロピレベル方程式に基づいて最も低いエントロピレベルを有するものを決定する、及び、当該配置をデクラッタレイアウト128として指定するために使用されてもよい。デクラッタレイアウト128を生成する際に、レイアウトジェネレータ130は、以前に採用された又は拒絶されたレイアウトに関するユーザの履歴、ユーザが以前に提案されたレイアウトを修正したかどうか、及びある物体104に対する配置制約(arrangement restriction)等も考慮してもよい。例えば、コンピュータモニタとして分類される物体104は留置されてもよく、リーガルパッド(legal pad)として分類される物体104はワークスペース表面102について自由に再配置されてもよい。この例では、レイアウトジェネレータ130は、レイアウトのエントロピではなくユーザプリファレンス(user preference)に応じてリーガルパッドのロケーションを提案するデクラッタレイアウト128を提案してもよい。
【0037】
コントローラ110はさらに、ネットワーク400を介してユーザデバイス122にデクラッタレイアウト128を提供するように構成されてもよい。さらなる例では、コントローラ110は、物体104の配置及びクラッタエントロピレベル114の様々な組み合わせを有する一連のデクラッタレイアウト(a series of decluttered layouts)128をユーザデバイス122に提供してもよい。
【0038】
一例によれば、プロセッサ250は、物体104に対する一連の見込みレイアウト(a series of prospective layouts)をまず生成することにより一連のデクラッタレイアウト128を生成するためにレイアウトジェネレータ130を実行してもよい。これらの見込みレイアウトは、ワークスペース表面102上で様々な物体104をあちこちに動かすことにより生成される。この例では、物体104は、物体タイプ(コンピュータモニタ、キーボード、リーガルパッド等)の観点で分類されない。むしろ、レイアウトジェネレータ130は、単に、物体104の多数の異なる配置を試行してもよい。レイアウトジェネレータ130は、以前に拒絶された又は無視されたデクラッタレイアウト128に関するユーザプリファレンスに基づいてある見込みレイアウトを回避するように構成されてもよい。その後、各見込みレイアウトのエントロピレベルが決定され、最も低いエントロピレベルを有する見込みレイアウトが最終選考に残される(shortlisted)。その後、最終選考に残されたレイアウトは、以前に使用されたデクラッタレイアウト128に関するユーザプリファレンスに基づいてランク付け又は重み付けされてもよい。ユーザプリファレンスは、例えば、ユーザデバイス122を介して、ユーザによって明示的に提供されていてもよく、又はワークスペース表面102をモニタリングすることにより暗黙的に決定されていてもよい。その後、ランク付けされた最終選考に残されたレイアウトは、ユーザデバイス122を介して一連のデクラッタレイアウト128としてユーザに提供されてもよい。
【0039】
一例によれば、1つ以上のデクラッタレイアウト128は、ユーザデバイス122に関連するユーザインターフェース126でレンダリングされるためにネットワーク400を介してユーザデバイス122に送信されてもよい。さらに、ユーザデバイス122のユーザインターフェース126は、追加的に、デクラッタレイアウト128に関するユーザフィードバック134を受けるように構成されてもよい。その後、ユーザデバイス122は、ユーザフィードバック134をコントローラ110に提供するように構成されてもよい。一例として、ユーザは、提供されたデクラッタレイアウト128を承認又は拒絶するためにボタン又はキーボードを使用することができてもよい。この承認又は不承認は、コントローラ110によって、将来のデクラッタレイアウト128が、承認されたレイアウトのある特性を採用する及び拒絶されたレイアウトのある特性を回避するように、レイアウトジェネレータ130をトレーニングするために使用されてもよい。同様に、一例によれば、コントローラ110はさらに、ユーザフィードバック134及び閾値アジャスタ136に基づいてクラッタ閾値118を更新するように構成されてもよい。例えば、ユーザが提供されたデクラッタレイアウト128を拒絶する場合、閾値アジャスタ136は、クラッタ閾値118の値を増加させてもよい。
【0040】
一例によれば、コントローラ110はさらに、プロセッサ250によって実行される閾値アジャスタ136を介してワークスペース表面102に対応する捕捉されたデータ108に基づいてクラッタ閾値118を更新するように構成されてもよい。例えば、捕捉されたデータ108が、提供されたデクラッタレイアウト128にマッチするようにユーザが自身のワークスペース102を再配置していないことを示す場合、閾値アジャスタ136は、クラッタ閾値118の値を増加させてもよい。同様に、コントローラ110はさらに、ワークスペース表面102に対応する捕捉されたデータ108に基づいてレイアウトジェネレータ130を更新するように構成されてもよい。例えば、デクラッタレイアウト128の提供の後に捕捉されるデータ108が、提供されたデクラッタレイアウト128にマッチするようにユーザが自身のデスク102を再配置していないことを示す場合、コントローラ110は、将来のデクラッタレイアウト128が、承認されたレイアウトのある特性を採用する及び拒絶されたレイアウトのある特性を回避するように、レイアウトジェネレータ130をトレーニングしてもよい。したがって、改善されたレイアウトが提供されたにもかかわらず、ユーザが継続的に自身のデスク配置(desk arrangement)をそのままにしていることは、クラッタ閾値118があまりにも低く設定されていることのインディケーションであってもよい。デクラッタレイアウト128の拒絶を追跡することにより、システム100は、クラッタ閾値118をユーザに適切なレベルにトレーニングすることができる。
【0041】
図4aを参照して、1つ以上の物体が置かれているワークスペース表面を評価するための方法500が開示されている。方法は、1つ以上のセンサを介して、ワークスペース表面に対応するデータを捕捉すること510を含んでもよい。方法はさらに、捕捉されたデータに基づいてワークスペース表面の照度マップを生成すること520を含んでもよい。方法はさらに、照度マップ及びエントロピアセッサに基づいてクラッタエントロピレベルを生成すること530を含んでもよい。方法はさらに、クラッタエントロピレベルがクラッタ閾値を超えるかどうかを判断すること540を含んでもよい。方法はさらに、クラッタエントロピレベルがクラッタ閾値を超える場合、ワークスペース表面に関連するユーザデバイスにクラッタインディケーションを提供すること550を含んでもよい。方法500はさらに、ユーザデバイスのユーザインターフェースを介して、クラッタエントロピレベルを表示すること560を含んでもよい。
【0042】
図4bを参照すると、方法500はさらに、照度マップの少なくとも一部に対応するワークスペース表面上に置かれている1つ以上の物体を識別すること570を含んでもよい。方法はさらに、1つ以上の物体及びレイアウトジェネレータに基づいてデクラッタレイアウトを生成すること580であって、デクラッタレイアウトは、ワークスペース表面上に置かれている1つ以上の物体に対する提案された新しいロケーションを含む、ことを含んでもよい。方法はさらに、ユーザデバイスにデクラッタレイアウトを提供すること590を含んでもよい。方法500はさらに、ユーザデバイスのユーザインターフェースを介して、デクラッタレイアウトを表示すること600を含んでもよい。
【0043】
本明細書で定義及び使用されるような、全ての定義は、辞書定義、参照により組み込まれる文書中での定義、及び/又は定義される用語の通常の意味を支配するように理解されるべきである。
【0044】
不定冠詞「a」及び「an」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そうではないことが明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するように理解されるべきである。
【0045】
語句「及び/又は」は、本明細書及び請求項において使用されるとき、そのように結合されている要素の「いずれか又は双方」、すなわち、一部の場合には接続的に存在し、他の場合には離接的に存在する要素を意味するように理解されるべきである。「及び/又は」で列挙されている複数の要素は、同じ方式で、すなわち、そのように結合されている要素のうちの「1つ以上」として解釈されるべきである。「及び/又は」の節によって具体的に特定されている要素以外の他の要素は、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよい。
【0046】
本明細書及び請求項において使用されるとき、「又は」は、上記で定義されたような「及び/又は」と同じ意味を有するように理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を分離する際、「又は」又は「及び/又は」は、包括的であるとして、すなわち、少なくとも1つを含むが、また、いくつかの要素又は要素のリストのうちの2つ以上を、オプションとして、列挙されていない追加項目も含むとして解釈されるものとする。その反対が明確に示される、「~のうちの1つのみ」若しくは「~のうちの厳密に1つ」、又は請求項で使用される場合の「~から成る」等の用語のみが、いくつかの要素又は要素のリストのうちの厳密に1つを含むことに言及する。一般に、用語「又は」は、本明細書で使用されるとき、「~のいずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つのみ」、又は「~のうちの厳密に1つ」等の、排他性の用語に先行する場合にのみ、排他的選択肢(すなわち、「一方又は他方であるが、双方ではない」)を示すとして解釈されるものとする。
【0047】
本明細書及び請求項において使用されるとき、1つ以上の要素のリストを参照する語句「少なくとも1つ」は、その要素のリスト内の要素の任意の1つ以上から選択された、少なくとも1つを意味するが、必ずしも、その要素のリスト内で具体的に列挙されているそれぞれの要素のうちの、少なくとも1つを含むものではなく、その要素のリスト内の要素の、任意の組み合わせを排除するものではないことが理解されるべきである。この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が言及する、その要素のリスト内で具体的に特定されている要素以外の要素が、具体的に特定されているそれらの要素に関連するか又は関連しないかにかかわらず、オプションとして存在してもよいことも可能にする。
【0048】
また、そうではないことが明確に示されない限り、2つ以上のステップ又は行為を含む、本明細書で特許請求されるいずれの方法においても、その方法のステップ又は行為の順序は、必ずしも、その方法のステップ又は行為が列挙されている順序に限定されるものではないことも理解されるべきである。
【0049】
特許請求の範囲においても上記明細書においても、「備える」、「含む」、「担持する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「~で構成される」等のすべての移行句は、非制限的、すなわち、含むがそれに限定されないことを意味すると理解されるべきである。「~からなる」及び「本質的に~からなる」といった移行句のみが、それぞれ、クローズド(closed)又は半クローズド(semi-closed)移行句である。
【0050】
述べられた主題の上述の例は、多数のやり方のいずれかで実施されることができる。例えば、いくつかの態様は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを使用して実装されてもよい。いずれかの態様が少なくとも部分的にソフトウェアで実装される場合、ソフトウェアコードは、単一のデバイス若しくはコンピュータに提供されるか、又は複数のデバイス/コンピュータ間で分散されるかにかかわらず、任意の適切なプロセッサ又はプロセッサの集合で実行されることができる。
【0051】
本開示は、任意の可能な技術的に詳細なレベルの統合でシステム、方法、及び/又はコンピュータプログラムプロダクトとして実装されてもよい。コンピュータプログラムプロダクトは、本開示の態様をプロセッサに実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体(又はメディア)を含んでもよい。
【0052】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のための命令を保持及び記憶することができる有形デバイスであることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定するものではないが、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、又は上述の任意の好適な組み合わせであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的リストには、以下のものが含まれる:ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュ(Flash)メモリ)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピー(登録商標)ディスク、命令が記録されているパンチカード又は溝内で隆起した構造物等の機械的に符号化されたデバイス、及び上述の好適な組み合わせ。本明細書で使用される、コンピュータ可読記憶媒体は、電波又は他の自由に伝播する電磁波、導波路又は他の伝送媒体を伝播する電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通過する光パルス)、又はワイヤを通って伝送される電気信号等、一過性の信号そのものであると解釈されない。
【0053】
本明細書で述べられるコンピュータ可読プログラム命令は、ネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク及び/又はワイヤレスネットワークを介して外部コンピュータ若しくは外部記憶デバイスに、又は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれの計算/処理デバイスにダウンロードされることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、ワイヤレス伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを含んでもよい。各計算/処理デバイスにおけるネットワークアダプタカード又はネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれの計算/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体における記憶のためにコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0054】
本開示の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路のための構成データ、又は、Smalltalk(登録商標)、C++等の物体指向プログラミング言語、「C」プログラミング言語等の手続き型プログラミング言語、若しくは類似のプログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されるソースコード若しくは物体コードであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータ上且つ部分的にリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ若しくはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)若しくはワイドエリアネットワーク(WAN:wide area network)を含めた任意のタイプのネットワークを通じて、ユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は、この接続は、外部コンピュータに対して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)実施されてもよい。いくつかの例では、例えば、プログラマブルロジック回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はプログラマブルロジックアレイ(PLA)を含む、電子回路は、本開示の態様を実行するために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を使用して電子回路を個別化することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行してもよい。
【0055】
本開示の態様は、本開示の例による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラムプロダクトのフローチャート図及び/又はブロック図を参照して本明細書で述べられている。フローチャート図及び/又はブロック図の各ブロック、並びに、フローチャート図及び/又はブロック図内のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実装されることができることが理解されるであろう。
【0056】
コンピュータ可読プログラム命令は、マシンを製造するために、特別な目的のコンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されてもよく、これにより、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行する、命令は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定される機能/行為を実施するための手段を生成する。また、コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、及び/又は他のデバイスに特定のやり方で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、これにより、命令が記憶されているコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定される機能/行為の態様を実施する命令を含む製造物品を含んでもよい。
【0057】
また、コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ実施プロセスを作り出すために、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上にロードされて、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させてもよく、これにより、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイス上で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の1つ以上のブロックで指定される機能/行為を実施してもよい。
【0058】
図におけるフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な例によるシステム、方法、及びコンピュータプログラムプロダクトの可能な実装のアーキテクチャ、機能性、及び動作を示す。この点に関して、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、指定されている論理関数を実施するための1つ以上の実行可能命令を含む、命令のモジュール、セグメント、又は部分を表してもよい。一部の代替的な実装形態では、ブロックに記されている機能は、それらの図に記されている順序と異なる順序で行われてもよい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、又は、それらのブロックは、関与している機能性に応じて、逆の順序で実行される場合があってもよい。また、ブロック図及び/又はフローチャート図の各ブロック、並びに、ブロック図及び/又はフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、指定されている機能若しくは行為を実行する又は専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する専用ハードウェアベースのシステムよって実施されることができる点にも留意されたい。
【0059】
他の実装形態は、以下の請求項、及び本出願人が権利を有し得る他の請求項の範囲内にある。
【0060】
種々の例が、本明細書で述べられ、図示されてきたが、当業者は、本明細書で述べられる機能を実行するための、並びに/又は、その結果及び/若しくは1つ以上の利点を得るための様々な他の手段及び/又は構造を容易に構想することとなり、このような変形態様及び/又は修正態様の各々は、本明細書で述べられる例の範囲内にあるものと見なされる。より一般的には、本明細書で述べられるすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成は、例示であることが意図され、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、教示が使用される特定の1つ以上のアプリケーションに依存することを、当業者は容易に理解するであろう。当業者は、通常の実験のみを使用して、本明細書で述べられる特定の例に対する多くの等価物を認識し、又は確認することが可能であろう。それゆえ、上述の例は、例としてのみ提示されており、添付の請求項及びその等価物の範囲内で、具体的に述べられ、特許請求されるもの以外の例が実践されてもよいことを理解されたい。本開示の例は、本明細書で述べられる各々の個別の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法を対象とする。さらに、2つ以上のこのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせは、このような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、本開示の発明の範囲内に含まれる。