(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-18
(45)【発行日】2023-12-26
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20231219BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20231219BHJP
H10K 59/123 20230101ALI20231219BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20231219BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20231219BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H10K50/10
H10K59/123
H10K59/124
H10K59/131
(21)【出願番号】P 2023039264
(22)【出願日】2023-03-14
(62)【分割の表示】P 2022092286の分割
【原出願日】2012-07-12
【審査請求日】2023-04-10
(31)【優先権主張番号】P 2011161103
(32)【優先日】2011-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2011259828
(32)【優先日】2011-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】井上 聖子
(72)【発明者】
【氏名】三宅 博之
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-047410(JP,A)
【文献】特開2003-173612(JP,A)
【文献】特開2003-317961(JP,A)
【文献】特開2010-049056(JP,A)
【文献】特開2003-295793(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0243035(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
H05B 33/00-33/28
44/00
45/60
H10K 50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、発光素子と、を画素に有し、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と常に導通しており、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記発光素子の画素電極と常に導通しており、
前記配線と前記画素電極とが、少なくとも前記第1のトランジスタのチャネル形成領域及び前記第2のトランジスタのチャネル形成領域を介して導通しているとき、前記配線と前記画素電極との間に流れる電流は、前記第1のトランジスタのゲートに与えられる画像信号に応じた電位に従って制御される発光装置であって、
前記発光装置は、
前記第1のトランジスタのチャネル形成領域及び前記第2のトランジスタのチャネル形成領域を有する半導体膜と、
前記半導体膜上に配置され、かつ、前記第1のトランジスタのゲートとしての機能を有する第1の導電膜と、
前記半導体膜上に配置され、かつ、前記第2のトランジスタのゲートとしての機能を有する第2の導電膜と、
前記半導体膜上、前記第1の導電膜上及び前記第2の導電膜上に配置された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に配置され、かつ、前記第1の絶縁膜の第1の開口部において前記半導体膜と接する領域を有する第3の導電膜と、
前記第1の絶縁膜上に配置され、かつ、前記第1の絶縁膜の第2の開口部において前記半導体膜と接する領域を有する第4の導電膜と、を有し、
前記第3の導電膜は、前記配線としての機能を有し、
前記第4の導電膜は、前記第4の導電膜上に配置された前記画素電極と常に導通しており、
平面視において、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜は、互いに重なりを有さず、
前記半導体膜は、前記第1のトランジスタのチャネル形成領域において折れ曲がった形状を有する、
発光装置。
【請求項2】
配線と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、発光素子と、を画素に有し、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と常に導通しており、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記発光素子の画素電極と常に導通しており、
前記配線と前記画素電極とが、少なくとも前記第1のトランジスタのチャネル形成領域及び前記第2のトランジスタのチャネル形成領域を介して導通しているとき、前記配線と前記画素電極との間に流れる電流は、前記第1のトランジスタのゲートに与えられる画像信号に応じた電位に従って制御される発光装置であって、
前記発光装置は、
前記第1のトランジスタのチャネル形成領域、前記第2のトランジスタのチャネル形成領域及び不純物領域を有する半導体膜と、
前記半導体膜上に配置され、かつ、前記第1のトランジスタのゲートとしての機能を有する第1の導電膜と、
前記半導体膜上に配置され、かつ、前記第2のトランジスタのゲートとしての機能を有する第2の導電膜と、
前記半導体膜上、前記第1の導電膜上及び前記第2の導電膜上に配置された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に配置され、かつ、前記第1の絶縁膜の第1の開口部において前記半導体膜と接する領域を有する第3の導電膜と、
前記第1の絶縁膜上に配置され、かつ、前記第1の絶縁膜の第2の開口部において前記半導体膜と接する領域を有する第4の導電膜と、を有し、
前記不純物領域は、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方としての機能を有し、かつ、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方としての機能を有し、
前記第3の導電膜は、前記配線としての機能を有し、
前記第4の導電膜は、前記第4の導電膜上に配置された前記画素電極と常に導通しており、
平面視において、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜は、互いに重なりを有さず、
前記半導体膜は、前記第1のトランジスタのチャネル形成領域において折れ曲がった形状を有する、
発光装置。
【請求項3】
配線と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、発光素子と、を画素に有し、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と常に導通しており、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記発光素子の画素電極と常に導通しており、
前記配線と前記画素電極とが、少なくとも前記第1のトランジスタのチャネル形成領域及び前記第2のトランジスタのチャネル形成領域を介して導通しているとき、前記配線と前記画素電極との間に流れる電流は、前記第1のトランジスタのゲートに与えられる画像信号に応じた電位に従って制御される発光装置であって、
前記発光装置は、
前記第1のトランジスタのチャネル形成領域及び前記第2のトランジスタのチャネル形成領域を有する半導体膜と、
前記半導体膜上に配置され、かつ、前記第1のトランジスタのゲートとしての機能を有する第1の導電膜と、
前記半導体膜上に配置され、かつ、前記第2のトランジスタのゲートとしての機能を有する第2の導電膜と、
前記半導体膜上、前記第1の導電膜上及び前記第2の導電膜上に配置された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に配置され、かつ、前記第1の絶縁膜の第1の開口部において前記半導体膜と接する領域を有する第3の導電膜と、
前記第1の絶縁膜上に配置され、かつ、前記第1の絶縁膜の第2の開口部において前記半導体膜と接する領域を有する第4の導電膜と、を有し、
前記第3の導電膜は、前記配線としての機能を有し、
前記第4の導電膜は、前記第4の導電膜上に配置された前記画素電極と接する領域を有し、
平面視において、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜は、互いに重なりを有さず、
前記半導体膜は、前記第1のトランジスタのチャネル形成領域において折れ曲がった形状を有する、
発光装置。
【請求項4】
配線と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、発光素子と、を画素に有し、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と常に導通しており、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記発光素子の画素電極と常に導通しており、
前記配線と前記画素電極とが、少なくとも前記第1のトランジスタのチャネル形成領域及び前記第2のトランジスタのチャネル形成領域を介して導通しているとき、前記配線と前記画素電極との間に流れる電流は、前記第1のトランジスタのゲートに与えられる画像信号に応じた電位に従って制御される発光装置であって、
前記発光装置は、
前記第1のトランジスタのチャネル形成領域、前記第2のトランジスタのチャネル形成領域及び不純物領域を有する半導体膜と、
前記半導体膜上に配置され、かつ、前記第1のトランジスタのゲートとしての機能を有する第1の導電膜と、
前記半導体膜上に配置され、かつ、前記第2のトランジスタのゲートとしての機能を有する第2の導電膜と、
前記半導体膜上、前記第1の導電膜上及び前記第2の導電膜上に配置された第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に配置され、かつ、前記第1の絶縁膜の第1の開口部において前記半導体膜と接する領域を有する第3の導電膜と、
前記第1の絶縁膜上に配置され、かつ、前記第1の絶縁膜の第2の開口部において前記半導体膜と接する領域を有する第4の導電膜と、を有し、
前記不純物領域は、前記第1のトランジスタのソース又はドレインの一方としての機能を有し、かつ、前記第2のトランジスタのソース又はドレインの一方としての機能を有し、
前記第3の導電膜は、前記配線としての機能を有し、
前記第4の導電膜は、前記第4の導電膜上に配置された前記画素電極と接する領域を有し、
平面視において、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜は、互いに重なりを有さず、
前記半導体膜は、前記第1のトランジスタのチャネル形成領域において折れ曲がった形状を有する、
発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランジスタが各画素に設けられた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子を用いた表示装置は視認性が高く、薄型化に最適であると共に、視野角にも制限
が無いため、CRT(cathode ray tube)や液晶表示装置に替わる表示
装置として注目されている。発光素子を用いたアクティブマトリクス型の表示装置は、具
体的に提案されている構成がメーカーによって異なるが、通常、少なくとも発光素子と、
画素へのビデオ信号の入力を制御するトランジスタ(スイッチング用トランジスタ)と、
当該発光素子に供給する電流値を制御するトランジスタ(駆動用トランジスタ)とが、各
画素に設けられている。
【0003】
画素に設ける上記トランジスタをすべて同じ極性とすることで、トランジスタの作製工程
において、半導体膜に一導電性を付与する不純物元素の添加などの工程を、一部省略する
ことができる。下記の特許文献1には、nチャネル型トランジスタのみで画素が構成され
ている発光素子型ディスプレイについて、記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、発光装置では、駆動用トランジスタのドレイン電流が発光素子に供給されるた
め、画素間において駆動用トランジスタの閾値電圧にばらつきが生じると、発光素子の輝
度にもそのばらつきが反映されてしまう。従って、閾値電圧のばらつきを見越して駆動用
トランジスタの電流値を補正することができる画素構成の提案は、発光装置の画質向上を
図る上で、重要な課題である。
【0006】
また、一般的に、発光素子の陽極として用いる導電膜は、発光素子の陰極として用いる導
電膜よりも、大気中においてその表面が酸化されにくい。なおかつ、発光素子の陽極とし
て用いる導電膜は、通常、スパッタリング法を用いて形成されるため、発光材料を含むE
L層上に陽極を形成すると、スパッタダメージによりEL層が損傷を受けやすい。よって
、陽極、EL層、陰極の順に積層された構造を有する発光素子は、作製プロセスも簡易で
あり、高い発光効率が得られやすい。しかし、上記構造の発光素子にnチャネル型の駆動
用トランジスタを組み合わせる場合、駆動用トランジスタのソースが発光素子の陽極に接
続される。よって、発光材料の劣化に伴って、発光素子の陽極と陰極間の電圧が増加する
と、駆動用トランジスタにおいてソースの電位が上昇し、ゲートとソース間の電圧(ゲー
ト電圧)が小さくなる。そのため、駆動用トランジスタのドレイン電流、すなわち、発光
素子に供給される電流が小さくなり、発光素子の輝度が低下する。
【0007】
上述したような技術的背景のもと、本発明は、駆動用トランジスタの閾値電圧のばらつき
による画素間の輝度のばらつきが抑えられる、発光装置の提供を課題の一つとする。或い
は、本発明は、EL層の劣化により、発光素子の輝度が低下するのを抑制できる発光装置
の提供を、課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発光装置の一態様は、トランジスタと、第1の配線と、第2の配線と、第1のス
イッチと、第2のスイッチと、第3のスイッチと、第4のスイッチと、容量素子と、発光
素子とを、少なくとも有する。第1のスイッチは、第1の配線と容量素子の一対の電極の
うちの一方との間の導通または非導通を選択する機能を有する。容量素子の一対の電極の
うちの他方は、トランジスタのソース及びドレインの一方に接続される。第2のスイッチ
は、第2の配線と、トランジスタのゲートとの間の導通または非導通を選択する機能を有
する。第3のスイッチは、容量素子の一対の電極のうちの一方と、トランジスタのゲート
との間の導通または非導通を選択する機能を有する。第4のスイッチは、トランジスタの
ソース及びドレインの一方と、発光素子の陽極との間の導通または非導通を選択する機能
を有する。
【0009】
或いは、本発明の発光装置の一態様は、トランジスタと、第1の配線と、第2の配線と、
第3の配線と、第1のスイッチと、第2のスイッチと、第3のスイッチと、第4のスイッ
チと、容量素子と、発光素子とを、少なくとも有する。第1のスイッチは、第1の配線と
容量素子の一対の電極のうちの一方との間の導通または非導通を選択する機能を有する。
容量素子の一対の電極のうちの他方は、トランジスタのソース及びドレインの一方及び発
光素子の陽極に接続される。第2のスイッチは、第2の配線と、トランジスタのゲートと
の間の導通または非導通を選択する機能を有する。第3のスイッチは、容量素子の一対の
電極のうちの一方と、トランジスタのゲートとの間の導通または非導通を選択する機能を
有する。第4のスイッチは、トランジスタのソース及びドレインの一方と、第3の配線と
の間の導通または非導通を選択する機能を有する。
【0010】
なお、上記スイッチは、電流または電位の供給を制御する機能を有する素子であり、例え
ば、電気的スイッチまたは機械的なスイッチなどを用いることができる。具体的には、ト
ランジスタ、ダイオードなどで構成すればよい。また、スイッチはトランジスタを組み合
わせた論理回路でもよい。
【0011】
本発明の一態様に係る発光装置では、上記構成により、駆動用トランジスタの閾値電圧よ
りも高く、なおかつ、駆動用トランジスタのソースとドレイン間の電圧に上記閾値電圧を
加算することで得られる電圧よりも低い電圧を、駆動用トランジスタのゲートとソース間
に印加することができる。上記電圧を印加した状態で、駆動用トランジスタのソースをフ
ローティング(浮遊状態)とすることで、駆動用トランジスタのゲートとソースの間に閾
値電圧を取得することができる。そして、ソースをフローティング(浮遊状態)としたま
ま、ゲートに画像信号の電圧を与えると、駆動用トランジスタのゲートとソース間に、画
像信号の電圧に閾値電圧を加算した電圧が与えられる。発光素子は、駆動用トランジスタ
のゲート電圧に見合った値の電流が供給され、階調の表示を行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様に係る発光装置では、画像信号の電圧に、トランジスタの閾値電圧を加算
することで得られる電位を、トランジスタのゲート電極に与えることができる。よって、
閾値電圧の補正と、陽極の電位の補正とを行うことで、発光装置の画質の向上を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は
以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び
詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明
は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0015】
なお、本明細書において発光装置とは、発光素子が各画素に形成されたパネルと、該パネ
ルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを、その範疇に含む。
【0016】
(実施の形態1)
図1(A)に、本発明の一態様に係る発光装置が有する、画素100の構成を一例として
示す。
【0017】
画素100は、トランジスタ11乃至トランジスタ15と、容量素子16と、発光素子1
7とを有する。なお、
図1(A)では、トランジスタ11乃至トランジスタ15がnチャ
ネル型である場合を例示している。
【0018】
トランジスタ12は、配線SLと、容量素子16の一対の電極のうちの一方との間の導通
または非導通を選択する機能を有する。容量素子16の一対の電極のうちの他方は、トラ
ンジスタ11のソース及びドレインの一方に接続される。トランジスタ13は、配線IL
と、トランジスタ11のゲートとの間の導通または非導通を選択する機能を有する。トラ
ンジスタ14は、容量素子16の一対の電極のうちの一方と、トランジスタ11のゲート
との間の導通または非導通を選択する機能を有する。トランジスタ15は、トランジスタ
11のソース及びドレインの一方と、発光素子17の陽極との間の導通または非導通を選
択する機能を有する。
【0019】
さらに、
図1(A)では、トランジスタ11のソース及びドレインの他方は配線VLに接
続されている。
【0020】
また、トランジスタ12における導通または非導通の選択は、トランジスタ12のゲート
に接続された配線G1の電位により定まる。トランジスタ13における導通または非導通
の選択は、トランジスタ13のゲートに接続された配線G1の電位により定まる。トラン
ジスタ14における導通または非導通の選択は、トランジスタ14のゲートに接続された
配線G2の電位により定まる。トランジスタ15における導通または非導通の選択は、ト
ランジスタ15のゲートに接続された配線G3の電位により定まる。
【0021】
なお、本明細書において接続とは電気的な接続を意味しており、電流、電圧又は電位が、
供給可能、或いは伝送可能な状態に相当する。従って、接続している状態とは、直接接続
している状態を必ずしも指すわけではなく、電流、電圧又は電位が、供給可能、或いは伝
送可能であるように、配線、導電膜、抵抗、ダイオード、トランジスタなどの素子を介し
て間接的に接続している状態も、その範疇に含む。
【0022】
また、回路図上は独立している構成要素どうしが接続されている場合であっても、実際に
は、例えば配線の一部が電極として機能する場合など、一の導電膜が、複数の構成要素の
機能を併せ持っている場合もある。本明細書において接続とは、このような、一の導電膜
が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
【0023】
発光素子17は、陽極と、陰極と、陽極と陰極の間に設けられたEL層とを有する。EL
層は、単層または複数の層で構成されていて、これらの層の中に、発光性の物質を含む発
光層を少なくとも含んでいる。EL層は、陰極を基準としたときの、陰極と陽極間の電位
差が、発光素子17の閾値電圧Vthe以上になったときに供給される電流により、エレ
クトロルミネッセンスが得られる。エレクトロルミネッセンスには、一重項励起状態から
基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光
)とが含まれる。
【0024】
なお、トランジスタが有するソースとドレインは、トランジスタの極性及びソースとドレ
インに与えられる電位の高低によって、その呼び方が入れ替わる。一般的に、nチャネル
型トランジスタでは、ソースとドレインのうち、低い電位が与えられる方がソースと呼ば
れ、高い電位が与えられる方がドレインと呼ばれる。また、pチャネル型トランジスタで
は、ソースとドレインのうち、低い電位が与えられる方がドレインと呼ばれ、高い電位が
与えられる方がソースと呼ばれる。本明細書では、便宜上、ソースとドレインとが固定さ
れているものと仮定して、トランジスタの接続関係を説明する場合があるが、実際には上
記電位の関係に従ってソースとドレインの呼び方が入れ替わる。
【0025】
次いで、
図1(B)に、本発明の一態様に係る発光装置が有する、画素100の別の一例
を示す。
【0026】
画素100は、トランジスタ11乃至トランジスタ15と、容量素子16と、発光素子1
7とを有する。なお、
図1(B)では、トランジスタ11乃至トランジスタ15がnチャ
ネル型である場合を例示している。
【0027】
トランジスタ12は、配線SLと、容量素子16の一対の電極のうちの一方との間の導通
または非導通を選択する機能を有する。容量素子16の一対の電極のうちの他方は、トラ
ンジスタ11のソース及びドレインの一方及び発光素子17の陽極に接続される。トラン
ジスタ13は、配線ILと、トランジスタ11のゲートとの間の導通または非導通を選択
する機能を有する。トランジスタ14は、容量素子16の一対の電極のうちの一方と、ト
ランジスタ11のゲートとの間の導通または非導通を選択する機能を有する。トランジス
タ15は、トランジスタ11のソース及びドレインの一方及び発光素子17の陽極と、配
線RLとの間の導通または非導通を選択する機能を有する。また、トランジスタ11のソ
ース及びドレインの他方は配線VLに接続されている。
【0028】
また、トランジスタ12における導通または非導通の選択は、トランジスタ12のゲート
に接続された配線G1の電位により定まる。トランジスタ13における導通または非導通
の選択は、トランジスタ13のゲートに接続された配線G1の電位により定まる。トラン
ジスタ14における導通または非導通の選択は、トランジスタ14のゲートに接続された
配線G2の電位により定まる。トランジスタ15における導通または非導通の選択は、ト
ランジスタ15のゲートに接続された配線G3の電位により定まる。
【0029】
なお、
図1(A)及び
図1(B)において、トランジスタ11乃至トランジスタ15は、
ゲートを半導体膜の片側において少なくとも有していれば良いが、半導体膜を間に挟んで
存在する一対のゲートを有していても良い。一対のゲートの一方をフロントゲート、他方
をバックゲートとすると、バックゲートはフローティングの状態であっても良いし、電位
が他から与えられている状態であっても良い。後者の場合、フロントゲート及びバックゲ
ートに同じ高さの電位が与えられていても良いし、バックゲートにのみ接地電位などの固
定の電位が与えられていても良い。バックゲートに与える電位の高さを制御することで、
トランジスタの閾値電圧を制御することができる。また、バックゲートを設けることで、
チャネル形成領域が増え、ドレイン電流の増加を実現することができる。また、バックゲ
ートを設けることで、半導体膜に空乏層ができやすくなるため、S値の改善を図ることが
できる。
【0030】
また、
図1(A)及び
図1(B)では、トランジスタ11乃至トランジスタ15が全てn
チャネル型である場合を例示している。トランジスタ11乃至トランジスタ15が全て同
じ極性である場合、トランジスタの作製工程において、半導体膜に一導電性を付与する不
純物元素の添加などの工程を、一部省略することができる。ただし、本発明の一態様に係
る発光装置では、必ずしもトランジスタ11乃至トランジスタ15が全てnチャネル型で
ある必要はない。発光素子17の陽極がトランジスタ15のソース及びドレインの一方に
接続されている場合、少なくともトランジスタ11はnチャネル型であることが望ましく
、発光素子17の陰極がトランジスタ15のソース及びドレインの一方に接続されている
場合、少なくともトランジスタ11はpチャネル型であることが望ましい。
【0031】
また、電流を流すときにトランジスタ11を飽和領域で動作させる場合、チャネル長また
はチャネル幅を、トランジスタ12乃至トランジスタ15よりも長くすることが望ましい
。チャネル長またはチャネル幅を長くすることにより、飽和領域での特性がフラットにな
り、キンク効果を低減することができる。或いは、チャネル長またはチャネル幅を長くす
ることにより、トランジスタ11は、飽和領域においても、多くの電流を流すことができ
る。
【0032】
また、
図1(A)及び
図1(B)では、トランジスタ11乃至トランジスタ15が、単数
のゲートを有することで、単数のチャネル形成領域を有するシングルゲート構造である場
合を例示しているが、本発明はこの構成に限定されない。トランジスタ11乃至トランジ
スタ15のいずれかまたは全てが、電気的に接続された複数のゲートを有することで、複
数のチャネル形成領域を有する、マルチゲート構造であっても良い。
【0033】
次いで、
図1(A)に示す画素100の動作について説明する。
【0034】
図2に、
図1(A)に示す画素100に接続される、配線G1乃至配線G3の電位と、配
線SLに供給される電位Vdataとを、タイミングチャートで例示する。ただし、
図2
に示すタイミングチャートは、トランジスタ11乃至トランジスタ15がnチャネル型で
ある場合を例示している。
図2に示すように、
図1(A)に示す画素100の動作は、主
に期間1における第1の動作、期間2における第2の動作、期間3における第3の動作に
分けることができる。
【0035】
まず、期間1において行われる第1の動作について説明する。期間1では、配線G1にロ
ーレベルの電位が与えられ、配線G2にローレベルの電位が与えられ、配線G3にハイレ
ベルの電位が与えられる。よって、トランジスタ15が導通状態となり、トランジスタ1
2乃至トランジスタ14が非導通状態となる。
【0036】
また、配線VLには電位Vanoが与えられ、発光素子17の陰極には電位Vcatが与
えられる。電位Vanoは、発光素子17の閾値電圧Vtheを電位Vcatに加算した
電位よりも高いものとする。なお、以下、発光素子17の閾値電圧Vtheは0であるも
のと仮定する。
【0037】
図3(A)に、期間1における画素100の動作を示す。なお、
図3(A)では、トラン
ジスタ12乃至トランジスタ15をスイッチとして表記している。期間1では、上記動作
により、トランジスタ11のソース及びドレインの一方(ノードAとして図示する)が、
電位Vcatに発光素子17の閾値電圧Vtheを加算した電位となる。
図3(A)では
、閾値電圧Vtheが0であるものと仮定しているので、ノードAの電位は電位Vcat
となる。
【0038】
次いで、期間2において行われる第2の動作について説明する。期間2では、配線G1に
ハイレベルの電位が与えられ、配線G2にローレベルの電位が与えられ、配線G3にロー
レベルの電位が与えられる。よって、トランジスタ12及びトランジスタ13が導通状態
となり、トランジスタ14及びトランジスタ15が非導通状態となる。
【0039】
なお、期間1から期間2に移行する際、配線G1に与える電位がローレベルからハイレベ
ルに切り替えられてから、配線G3に与える電位をハイレベルからローレベルに切り替え
ることが望ましい。上記構成により、配線G1に与える電位の切り替えによって、ノード
Aにおける電位が変動するのを防ぐことができる。
【0040】
また、配線VLには電位Vanoが与えられ、発光素子17の陰極には電位Vcatが与
えられる。そして、配線ILには電位V0が与えられ、配線SLには画像信号の電位Vd
ataが与えられる。なお、電位V0は、電位Vcatにトランジスタ11の閾値電圧V
th及び発光素子17の閾値電圧Vtheを加算した電位よりも高く、電位Vanoにト
ランジスタ11の閾値電圧Vthを加算した電位より低いことが望ましい。
【0041】
図3(B)に、期間2における画素100の動作を示す。なお、
図3(B)では、トラン
ジスタ12乃至トランジスタ15をスイッチとして表記している。期間2では、上記動作
により、トランジスタ11のゲート(ノードBとして図示する)に電位V0が与えられる
ため、トランジスタ11が導通状態になる。よって、トランジスタ11を介して容量素子
16の電荷が放出され、電位VcatだったノードAの電位が上昇を始める。そして、最
終的には、ノードAの電位が電位V0-Vthとなると、すなわちトランジスタ11のゲ
ート電圧が閾値電圧Vthまで小さくなると、トランジスタ11が非導通状態となる。ま
た、容量素子16の一方の電極(ノードCとして図示する)には、電位Vdataが与え
られる。
【0042】
次いで、期間3において行われる第3の動作について説明する。期間3では、配線G1に
ローレベルの電位が与えられ、配線G2にハイレベルの電位が与えられ、配線G3にハイ
レベルの電位が与えられる。よって、トランジスタ14及びトランジスタ15が導通状態
となり、トランジスタ12及びトランジスタ13が非導通状態となる。
【0043】
なお、期間2から期間3に移行する際、配線G1に与える電位がハイレベルからローレベ
ルに切り替えられてから、配線G2及び配線G3に与える電位をローレベルからハイレベ
ルに切り替えることが望ましい。上記構成により、配線G1に与える電位の切り替えによ
って、ノードAにおける電位が変動するのを防ぐことができる。
【0044】
また、配線VLには電位Vanoが与えられ、発光素子17の陰極には電位Vcatが与
えられる。
【0045】
図3(C)に、期間3における画素100の動作を示す。なお、
図3(C)では、トラン
ジスタ12乃至トランジスタ15をスイッチとして表記している。期間3では、上記動作
により、ノードBに電位Vdataが与えられるため、トランジスタ11のゲート電圧が
Vdata-V0+Vthとなる。よって、トランジスタ11のゲート電圧を、閾値電圧
Vthが加味された値に設定することができる。上記構成により、トランジスタ11の閾
値電圧Vthのばらつきが、発光素子17に供給する電流値に影響を及ぼすのを防ぐこと
ができる。または、トランジスタ11が劣化して、閾値電圧Vthが変化しても、上記変
化が発光素子17に供給する電流値に影響を及ぼすのを防ぐことができる。よって、表示
ムラを低減でき、高い画質の表示を行うことができる。
【0046】
次いで、
図1(B)に示す画素100の動作について説明する。
【0047】
図4に、
図1(B)に示す画素100に接続される、配線G1乃至配線G3の電位と、配
線SLに供給される電位Vdataとを、タイミングチャートで例示する。ただし、
図4
に示すタイミングチャートは、トランジスタ11乃至トランジスタ15がnチャネル型で
ある場合を例示している。
図4に示すように、
図1(B)に示す画素100の動作は、主
に期間1における第1の動作、期間2における第2の動作、期間3における第3の動作に
分けることができる。
【0048】
まず、期間1において行われる第1の動作について説明する。期間1では、配線G1にロ
ーレベルの電位が与えられ、配線G2にローレベルの電位が与えられ、配線G3にハイレ
ベルの電位が与えられる。よって、トランジスタ15が導通状態となり、トランジスタ1
2乃至トランジスタ14が非導通状態となる。
【0049】
また、配線VLには電位Vanoが与えられ、発光素子17の陰極には電位Vcatが与
えられる。電位Vanoは、上述したように、発光素子17の閾値電圧Vtheを電位V
catに加算した電位よりも高いものとする。さらに、配線RLには、電位V1が与えら
れる。電位V1は、電位Vcatに発光素子17の閾値電圧Vtheを加算した電位より
も低いことが望ましい。電位V1を上記値に設定することで、期間1において発光素子1
7に電流が流れるのを防ぐことができる。
【0050】
図5(A)に、期間1における画素100の動作を示す。なお、
図5(A)では、トラン
ジスタ12乃至トランジスタ15をスイッチとして表記している。期間1では、上記動作
により、トランジスタ11のソース及びドレインの一方(ノードAとして図示する)に、
電位V1が与えられる。
【0051】
次いで、期間2において行われる第2の動作について説明する。期間2では、配線G1に
ハイレベルの電位が与えられ、配線G2にローレベルの電位が与えられ、配線G3にロー
レベルの電位が与えられる。よって、トランジスタ12及びトランジスタ13が導通状態
となり、トランジスタ14及びトランジスタ15が非導通状態となる。
【0052】
なお、期間1から期間2に移行する際、配線G1に与える電位がローレベルからハイレベ
ルに切り替えられてから、配線G3に与える電位をハイレベルからローレベルに切り替え
ることが望ましい。上記構成により、配線G1に与える電位の切り替えによって、ノード
Aにおける電位が変動するのを防ぐことができる。
【0053】
また、配線VLには電位Vanoが与えられ、発光素子17の陰極には電位Vcatが与
えられる。そして、配線ILには電位V0が与えられ、配線SLには画像信号の電位Vd
ataが与えられる。なお、電位V0は、上述したように、電位Vcatにトランジスタ
11の閾値電圧Vth及び発光素子17の閾値電圧Vtheを加算した電位よりも高く、
電位Vanoにトランジスタ11の閾値電圧Vthを加算した電位より低いことが望まし
い。ただし、
図1(A)に示す画素100の場合とは異なり、
図1(B)に示す画素10
0の場合は、発光素子17の陽極と、トランジスタ11のソース及びドレインの一方とが
接続されている。よって、期間2において発光素子17に供給される電流値を小さく抑え
るために、
図1(B)に示す画素100の場合は、
図1(A)に示す画素100の場合よ
りも、電位V0を低い値に設定することが望ましい。
【0054】
図5(B)に、期間2における画素100の動作を示す。なお、
図5(B)では、トラン
ジスタ12乃至トランジスタ15をスイッチとして表記している。期間2では、上記動作
により、トランジスタ11のゲート(ノードBとして図示する)に電位V0が与えられる
ため、トランジスタ11が導通状態になる。よって、トランジスタ11を介して容量素子
16の電荷が放出され、電位V1だったノードAの電位が上昇を始める。そして、最終的
には、ノードAの電位が電位V0-Vthとなると、すなわちトランジスタ11のゲート
電圧が閾値電圧Vthまで小さくなると、トランジスタ11が非導通状態となる。また、
容量素子16の一方の電極(ノードCとして図示する)には、電位Vdataが与えられ
る。
【0055】
次いで、期間3において行われる第3の動作について説明する。期間3では、配線G1に
ローレベルの電位が与えられ、配線G2にハイレベルの電位が与えられ、配線G3にロー
レベルの電位が与えられる。よって、トランジスタ14が導通状態となり、トランジスタ
12、トランジスタ13、及びトランジスタ15が非導通状態となる。
【0056】
なお、期間2から期間3に移行する際、配線G1に与える電位がハイレベルからローレベ
ルに切り替えられてから、配線G2に与える電位をローレベルからハイレベルに切り替え
ることが望ましい。上記構成により、配線G1に与える電位の切り替えによって、ノード
Aにおける電位が変動するのを防ぐことができる。
【0057】
また、配線VLには電位Vanoが与えられ、発光素子17の陰極には電位Vcatが与
えられる。
【0058】
図5(C)に、期間3における画素100の動作を示す。なお、
図5(C)では、トラン
ジスタ12乃至トランジスタ15をスイッチとして表記している。期間3では、上記動作
により、ノードBに電位Vdataが与えられるため、トランジスタ11のゲート電圧が
Vdata-V0+Vthとなる。よって、トランジスタ11のゲート電圧を、閾値電圧
Vthが加味された値に設定することができる。上記構成により、トランジスタ11の閾
値電圧Vthのばらつきが、発光素子17に供給する電流値に影響を及ぼすのを防ぐこと
ができる。または、トランジスタ11が劣化して、閾値電圧Vthが変化しても、上記変
化が発光素子17に供給する電流値に影響を及ぼすのを防ぐことができる。よって、表示
ムラを低減でき、高い画質の表示を行うことができる。
【0059】
なお、特許文献1に記載された発光素子型ディスプレイでは、有機EL素子に電流を供給
するためのトランジスタ(Tr12)のゲートとドレインを電気的に接続し、閾値電圧の
取得を行っている。よって、トランジスタ(Tr12)がノーマリオンの場合、トランジ
スタ(Tr12)のソースがゲートよりも高くなることはない。そのため、トランジスタ
(Tr12)がノーマリオンの場合、閾値電圧を取得することが困難である。
【0060】
一方、
図1(A)及び
図1(B)に示した画素を有する本発明の一態様に係る発光装置で
は、トランジスタ11のソース及びドレインの他方と、トランジスタ11のゲートとが電
気的に分離しているので、それぞれの電位を個別に制御することができる。よって、第2
の動作において、トランジスタ11のソース及びドレインの他方の電位を、トランジスタ
11のゲートの電位に、閾値電圧Vthを加算した電位よりも高い値に設定することがで
きる。そのため、トランジスタ11がノーマリオンである場合に、すなわち閾値電圧Vt
hがマイナスの値を有している場合に、トランジスタ11において、ソースの電位がゲー
トの電位V0よりも高くなるまで、容量素子16に電荷を蓄積することができる。よって
、本発明の一態様に係る発光装置では、トランジスタ11がノーマリオンであっても、上
記第2の動作において閾値電圧を取得することができ、第3の動作において、閾値電圧V
thを加味した値になるよう、トランジスタ11のゲート電圧を設定することができる。
【0061】
したがって、本発明の一態様に係る発光装置では、例えばトランジスタ11の半導体膜に
酸化物半導体を用いた場合などに、トランジスタ11がノーマリオンとなっても、表示ム
ラを低減でき、高い画質の表示を行うことができる。
【0062】
(実施の形態2)
図6に、
図1(A)に示した画素の上面図を、一例として示す。なお、
図6では、画素の
レイアウトを明確に示すために、各種の絶縁膜を省略して、画素の上面図を示す。また、
図6では、画素が有するトランジスタと容量素子のレイアウトを明確に示すために、陽極
と、EL層と、陰極とを省略して、画素の上面図を示す。
【0063】
また、
図7に、
図6に示す上面図の、破線A1-A2及び破線A3-A4における断面図
を示す。
【0064】
トランジスタ12は、絶縁表面を有する基板800上に、ゲートとして機能する導電膜8
01と、導電膜801上のゲート絶縁膜802と、導電膜801と重なる位置においてゲ
ート絶縁膜802上に位置する半導体膜803と、ソースまたはドレインとして機能し、
半導体膜803上に位置する導電膜804及び導電膜805とを有する。導電膜801は
配線G1としても機能する。導電膜804は、配線SLとしても機能する。
【0065】
トランジスタ13は、絶縁表面を有する基板800上に、ゲートとして機能する導電膜8
01と、導電膜801上のゲート絶縁膜802と、導電膜801と重なる位置においてゲ
ート絶縁膜802上に位置する半導体膜806と、ソースまたはドレインとして機能し、
半導体膜806上に位置する導電膜807及び導電膜808とを有する。導電膜807は
、コンタクトホールを介して、配線ILとして機能する導電膜809に接続されている。
【0066】
トランジスタ14は、絶縁表面を有する基板800上に、ゲートとして機能する導電膜8
10と、導電膜810上のゲート絶縁膜802と、導電膜810と重なる位置においてゲ
ート絶縁膜802上に位置する半導体膜811と、ソースまたはドレインとして機能し、
半導体膜811上に位置する導電膜805及び導電膜808とを有する。導電膜810は
、配線G2としても機能する。
【0067】
トランジスタ11は、絶縁表面を有する基板800上に、ゲートとして機能する導電膜8
12と、導電膜812上のゲート絶縁膜802と、導電膜812と重なる位置においてゲ
ート絶縁膜802上に位置する半導体膜813と、ソースまたはドレインとして機能し、
半導体膜813上に位置する導電膜814及び導電膜815とを有する。導電膜812は
、導電膜808に接続されている。導電膜814は配線VLとしても機能する。
【0068】
トランジスタ15は、絶縁表面を有する基板800上に、ゲートとして機能する導電膜8
16と、導電膜816上のゲート絶縁膜802と、導電膜816と重なる位置においてゲ
ート絶縁膜802上に位置する半導体膜817と、ソースまたはドレインとして機能し、
半導体膜817上に位置する導電膜815及び導電膜818とを有する。導電膜816は
配線G3としても機能する。
【0069】
容量素子16は、絶縁表面を有する基板800上に、導電膜819と、導電膜819上の
ゲート絶縁膜802と、導電膜819と重なる位置においてゲート絶縁膜802上に位置
する導電膜815とを有する。導電膜819は、導電膜805と接続されている。
【0070】
また、導電膜804、導電膜805、導電膜807、導電膜808、導電膜814、導電
膜815、導電膜818上には、絶縁膜820が形成されている。そして、絶縁膜821
上には、陽極として機能する導電膜822が設けられている。導電膜822は、絶縁膜8
20及び絶縁膜821に形成されたコンタクトホール823を介して、導電膜818に接
続されている。
【0071】
また、導電膜822の一部が露出するような開口部を有した絶縁膜824が、絶縁膜82
1上に設けられている。導電膜822の一部及び絶縁膜824上には、EL層825と、
陰極として機能する導電膜826とが、順に積層するように設けられている。導電膜82
2と、EL層825と、導電膜826とが重なっている領域が、発光素子17に相当する
。
【0072】
次いで、
図8に、
図1(A)に示した画素の上面図を、別の一例として示す。なお、
図8
では、画素のレイアウトを明確に示すために、各種の絶縁膜を省略して、画素の上面図を
示す。また、
図8では、画素が有するトランジスタと容量素子のレイアウトを明確に示す
ために、陽極と、EL層と、陰極とを省略して、画素の上面図を示す。
【0073】
また、
図9に、
図8に示す上面図の、破線A1-A2及び破線A3-A4における断面図
を示す。
【0074】
トランジスタ12は、絶縁表面を有する基板900上に、半導体膜901と、半導体膜9
01上のゲート絶縁膜902と、半導体膜901と重なる位置においてゲート絶縁膜90
2上に位置し、ゲートとして機能する導電膜903と、半導体膜901が有するソースま
たはドレインに接続された導電膜904及び導電膜905とを有する。導電膜903は配
線G1としても機能する。導電膜904は、配線SLとしても機能する。
【0075】
トランジスタ13は、絶縁表面を有する基板900上に、半導体膜906と、半導体膜9
06上のゲート絶縁膜902と、半導体膜906と重なる位置においてゲート絶縁膜90
2上に位置し、ゲートとして機能する導電膜903と、半導体膜906が有するソースま
たはドレインに接続された導電膜907及び導電膜908とを有する。導電膜907は、
コンタクトホールを介して、配線ILとして機能する導電膜909に接続されている。
【0076】
トランジスタ14は、絶縁表面を有する基板900上に、半導体膜901と、半導体膜9
01上のゲート絶縁膜902と、半導体膜901と重なる位置においてゲート絶縁膜90
2上に位置し、ゲートとして機能する導電膜911と、半導体膜901が有するソースま
たはドレインに接続された導電膜905及び導電膜908とを有する。導電膜911は、
配線G2としても機能する。なお、
図8では、トランジスタ12とトランジスタ14とが
一の半導体膜901を共有しているが、トランジスタ12とトランジスタ14とが互いに
独立した半導体膜を有していても良い。
【0077】
トランジスタ11は、絶縁表面を有する基板900上に、半導体膜912と、半導体膜9
12上のゲート絶縁膜902と、半導体膜912と重なる位置においてゲート絶縁膜90
2上に位置し、ゲートとして機能する導電膜913と、半導体膜912が有するソースま
たはドレインに接続された導電膜914とを有する。導電膜913は、導電膜908に接
続されている。導電膜914は配線VLとしても機能する。
【0078】
トランジスタ15は、絶縁表面を有する基板900上に、半導体膜912と、半導体膜9
12上のゲート絶縁膜902と、半導体膜912と重なる位置においてゲート絶縁膜90
2上に位置し、ゲートとして機能する導電膜915と、半導体膜912が有するソースま
たはドレインに接続された導電膜916とを有する。導電膜915は配線G3としても機
能する。
【0079】
容量素子16は、絶縁表面を有する基板900上に、半導体膜912と、半導体膜912
上のゲート絶縁膜902と、半導体膜912と重なる位置においてゲート絶縁膜902上
に位置する導電膜917とを有する。導電膜917は、導電膜905と接続されている。
【0080】
そして、導電膜904、導電膜905、導電膜907、導電膜908、導電膜914、導
電膜916上には、絶縁膜920が形成されている。絶縁膜920上には、陽極として機
能する導電膜921が設けられている。導電膜921は、絶縁膜920に形成されたコン
タクトホール922を介して、導電膜916に接続されている。
【0081】
また、導電膜921の一部が露出するような開口部を有した絶縁膜923が、絶縁膜92
0上に設けられている。導電膜921の一部及び絶縁膜923上には、EL層924と、
陰極として機能する導電膜925とが、順に積層するように設けられている。導電膜92
1と、EL層924と、導電膜925とが重なっている領域が、発光素子17に相当する
。
【0082】
なお、本発明の一態様では、トランジスタ11乃至トランジスタ15は、非晶質、微結晶
、多結晶又は単結晶である、シリコン又はゲルマニウムなどの半導体が半導体膜に用いら
れていても良いし、酸化物半導体などのワイドギャップ半導体が半導体膜に用いられてい
ても良い。
【0083】
トランジスタ11乃至トランジスタ15の半導体膜に、非晶質、微結晶、多結晶又は単結
晶である、シリコン又はゲルマニウムなどの半導体が用いられる場合、一導電性を付与す
る不純物元素を上記半導体膜に添加して、ソースまたはドレインとして機能する不純物領
域を形成する。例えば、リンまたはヒ素を上記半導体膜に添加することで、n型の導電性
を有する不純物領域を形成することができる。また、例えば、ボロンを上記半導体膜に添
加することで、p型の導電性を有する不純物領域を形成することができる。
【0084】
トランジスタ11乃至トランジスタ15の半導体膜に、酸化物半導体が用いられる場合、
ドーパントを上記半導体膜に添加して、ソースまたはドレインとして機能する不純物領域
を形成しても良い。ドーパントの添加は、イオン注入法を用いることができる。ドーパン
トは、例えばヘリウム、アルゴン、キセノンなどの希ガスや、窒素、リン、ヒ素、アンチ
モンなどの15族元素などを用いることができる。例えば、窒素をドーパントとして用い
た場合、不純物領域中の窒素原子の濃度は、5×1019/cm3以上1×1022/c
m3以下であることが望ましい。
【0085】
なお、シリコン半導体としては、プラズマCVD法などの気相成長法若しくはスパッタリ
ング法で作製された非晶質シリコン、非晶質シリコンをレーザーアニールなどの処理によ
り結晶化させた多結晶シリコン、単結晶シリコンウエハーに水素イオン等を注入して表層
部を剥離した単結晶シリコンなどを用いることができる。
【0086】
また、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二元系金属の酸化物
であるIn-Zn系酸化物、Sn-Zn系酸化物、Al-Zn系酸化物、Zn-Mg系酸
化物、Sn-Mg系酸化物、In-Mg系酸化物、In-Ga系酸化物、三元系金属の酸
化物であるIn-Ga-Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In-Al-Zn系酸
化物、In-Sn-Zn系酸化物、Sn-Ga-Zn系酸化物、Al-Ga-Zn系酸化
物、Sn-Al-Zn系酸化物、In-Hf-Zn系酸化物、In-La-Zn系酸化物
、In-Ce-Zn系酸化物、In-Pr-Zn系酸化物、In-Nd-Zn系酸化物、
In-Sm-Zn系酸化物、In-Eu-Zn系酸化物、In-Gd-Zn系酸化物、I
n-Tb-Zn系酸化物、In-Dy-Zn系酸化物、In-Ho-Zn系酸化物、In
-Er-Zn系酸化物、In-Tm-Zn系酸化物、In-Yb-Zn系酸化物、In-
Lu-Zn系酸化物、四元系金属の酸化物であるIn-Sn-Ga-Zn系酸化物、In
-Hf-Ga-Zn系酸化物、In-Al-Ga-Zn系酸化物、In-Sn-Al-Z
n系酸化物、In-Sn-Hf-Zn系酸化物、In-Hf-Al-Zn系酸化物を用い
ることができる。
【0087】
なお、例えば、In-Ga-Zn系酸化物とは、InとGaとZnを有する酸化物という
意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元
素が入っていてもよい。
【0088】
また、酸化物半導体として、InMO3(ZnO)m(m>0、且つ、mは整数でない)
で表記される材料を用いてもよい。なお、Mは、Ga、Fe、Mn及びCoから選ばれた
一の金属元素または複数の金属元素を示す。また、酸化物半導体として、In2SnO5
(ZnO)n(n>0、且つ、nは整数)で表記される材料を用いてもよい。
【0089】
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)あるいはIn:G
a:Zn=2:2:1(=2/5:2/5:1/5)の原子比のIn-Ga-Zn系酸化
物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:
1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Sn:Zn=2:1:3(=1/3:1/
6:1/2)あるいはIn:Sn:Zn=2:1:5(=1/4:1/8:5/8)の原
子比のIn-Sn-Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
【0090】
また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気的特性のばらつきを減らすためのスタ
ビライザーとして、スズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ジルコ
ニウム(Zr)、チタン(Ti)を有することが好ましい。他のスタビライザーとして、
ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネ
オジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、
テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er
)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種あ
るいは複数種を有してもよい。
【0091】
なお、電子供与体(ドナー)となる水分または水素などの不純物が低減され、なおかつ酸
素欠損が低減されることにより高純度化された酸化物半導体(purified OS)
は、i型(真性半導体)又はi型に限りなく近い。そのため、上記酸化物半導体を用いた
トランジスタは、オフ電流が著しく低いという特性を有する。また、酸化物半導体のバン
ドギャップは、2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上であ
る。水分または水素などの不純物濃度が十分に低減され、なおかつ酸素欠損が低減される
ことにより高純度化された酸化物半導体膜を用いることにより、トランジスタのオフ電流
を下げることができる。
【0092】
具体的に、高純度化された酸化物半導体を半導体膜に用いたトランジスタのオフ電流が低
いことは、いろいろな実験により証明できる。例えば、チャネル幅が1×106μmでチ
ャネル長が10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電
圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定
限界以下、すなわち1×10-13A以下という特性を得ることができる。この場合、オ
フ電流をトランジスタのチャネル幅で除した数値に相当するオフ電流は、100zA/μ
m以下であることが分かる。また、容量素子とトランジスタとを接続して、容量素子に流
入または容量素子から流出する電荷を当該トランジスタで制御する回路を用いて、オフ電
流の測定を行った。当該測定では、上記トランジスタに高純度化された酸化物半導体膜を
チャネル形成領域に用い、容量素子の単位時間あたりの電荷量の推移から当該トランジス
タのオフ電流を測定した。その結果、トランジスタのソース電極とドレイン電極間の電圧
が3Vの場合に、数十yA/μmという、さらに低いオフ電流が得られることが分かった
。従って、高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、
オフ電流が、結晶性を有するシリコンを用いたトランジスタに比べて著しく低い。
【0093】
なお、特に断りがない限り、本明細書でオフ電流とは、nチャネル型トランジスタにおい
ては、ドレインをソースとゲートよりも高い電位とした状態において、ソースの電位を基
準としたときのゲートの電位が0以下であるときに、ソースとドレインの間に流れる電流
のことを意味する。或いは、本明細書でオフ電流とは、pチャネル型トランジスタにおい
ては、ドレインをソースとゲートよりも低い電位とした状態において、ソースの電位を基
準としたときのゲートの電位が0以上であるときに、ソースとドレインの間に流れる電流
のことを意味する。
【0094】
なお、例えば、酸化物半導体膜は、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、及びZn(
亜鉛)を含むターゲットを用いたスパッタ法により形成することができる。In-Ga-
Zn系酸化物半導体膜をスパッタリング法で成膜する場合、好ましくは、原子数比がIn
:Ga:Zn=1:1:1、4:2:3、3:1:2、1:1:2、2:1:3、または
3:1:4で示されるIn-Ga-Zn系酸化物のターゲットを用いる。前述の原子数比
を有するIn-Ga-Zn系酸化物のターゲットを用いて酸化物半導体膜を成膜すること
で、多結晶またはCAACが形成されやすくなる。また、In、Ga、及びZnを含むタ
ーゲットの充填率は90%以上100%以下、好ましくは95%以上100%未満である
。充填率の高いターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体膜は緻密な膜とな
る。
【0095】
なお、酸化物半導体としてIn-Zn系酸化物の材料を用いる場合、用いるターゲット中
の金属元素の原子数比は、In:Zn=50:1~1:2(モル数比に換算するとIn2
O3:ZnO=25:1~1:4)、好ましくはIn:Zn=20:1~1:1(モル数
比に換算するとIn2O3:ZnO=10:1~1:2)、さらに好ましくはIn:Zn
=15:1~1.5:1(モル数比に換算するとIn2O3:ZnO=15:2~3:4
)とする。例えば、In-Zn系酸化物である酸化物半導体膜の形成に用いるターゲット
は、原子数比がIn:Zn:O=X:Y:Zのとき、Z>1.5X+Yとする。Znの比
率を上記範囲に収めることで、移動度の向上を実現することができる。
【0096】
そして、具体的に酸化物半導体膜は、減圧状態に保持された処理室内に基板を保持し、処
理室内の残留水分を除去しつつ水素及び水分が除去されたスパッタガスを導入し、上記タ
ーゲットを用いて形成すればよい。成膜時に、基板温度を100℃以上600℃以下、好
ましくは200℃以上400℃以下としても良い。基板を加熱しながら成膜することによ
り、成膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物濃度を低減することができる。また、スパ
ッタリングによる損傷が軽減される。処理室内の残留水分を除去するためには、吸着型の
真空ポンプを用いることが好ましい。例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサ
ブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボポンプ
にコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて成膜室を排気
すると、例えば、水素原子、水(H2O)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭
素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該処理室で成膜した酸化物半導体膜に含
まれる不純物の濃度を低減できる。
【0097】
なお、スパッタ等で成膜された酸化物半導体膜中には、不純物としての水分または水素(
水酸基を含む)が多量に含まれていることがある。水分または水素はドナー準位を形成し
やすいため、酸化物半導体にとっては不純物である。そこで、本発明の一態様では、酸化
物半導体膜中の水分または水素などの不純物を低減(脱水化または脱水素化)するために
、酸化物半導体膜に対して、減圧雰囲気下、窒素や希ガスなどの不活性ガス雰囲気下、酸
素ガス雰囲気下、または超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法
)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で-55℃)以下
、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気)雰囲気下で、加熱処理を
施す。
【0098】
酸化物半導体膜に加熱処理を施すことで、酸化物半導体膜中の水分または水素を脱離させ
ることができる。具体的には、250℃以上750℃以下、好ましくは400℃以上基板
の歪み点未満の温度で加熱処理を行えば良い。例えば、500℃、3分間以上6分間以下
程度で行えばよい。加熱処理にRTA法を用いれば、短時間に脱水化または脱水素化が行
えるため、ガラス基板の歪点を超える温度でも処理することができる。
【0099】
なお、上記加熱処理により、酸化物半導体膜から酸素が脱離し、酸化物半導体膜内に酸素
欠損が形成される場合がある。よって、本発明の一態様では、酸化物半導体膜と接するゲ
ート絶縁膜などの絶縁膜として、酸素を含む絶縁膜を用いる。そして、酸素を含む絶縁膜
を形成した後、加熱処理を施すことで、上記絶縁膜から酸化物半導体膜に酸素が供与され
るようにする。上記構成により、ドナーとなる酸素欠損を低減し、酸化物半導体膜に含ま
れる酸化物半導体の、化学量論的組成比を満たすことができる。酸化物半導体膜には、化
学量論的組成比を超える量の酸素が含まれていることが好ましい。その結果、酸化物半導
体膜をi型に近づけることができ、酸素欠損によるトランジスタの電気的特性のばらつき
を軽減し、電気的特性の向上を実現することができる。
【0100】
なお、酸素を酸化物半導体膜に供与するための加熱処理は、窒素、超乾燥空気、または希
ガス(アルゴン、ヘリウムなど)の雰囲気下において、好ましくは200℃以上400℃
以下、例えば250℃以上350℃以下で行う。上記ガスは、水の含有量が20ppm以
下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは10ppb以下であることが望ましい。
【0101】
また、酸化物半導体は、アモルファス(非晶質)であってもよいし、結晶性を有していて
もよい。後者の場合、単結晶でもよいし、多結晶でもよいし、一部分が結晶性を有する構
成でもよいし、アモルファス中に結晶性を有する部分を含む構造でもよいし、非アモルフ
ァスでもよい。一部分が結晶性を有する構成の一例として、c軸配向し、かつab面、表
面または界面に垂直な方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂
直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列しており、a
b面においてはa軸またはb軸の向きが異なる(c軸を中心に回転した)結晶を含む酸化
物半導体(CAAC-OS:C Axis Aligned Crystalline
Oxide Semiconductorともいう。)を用いてもよい。
【0102】
CAAC-OSとは、広義に、非単結晶であって、そのab面に垂直な方向から見て、三
角形、六角形、正三角形または正六角形の原子配列を有し、かつc軸方向に垂直な方向か
ら見て、金属原子が層状、または金属原子と酸素原子が層状に配列した相を含む酸化物を
いう。
【0103】
CAAC-OSは単結晶ではないが、非晶質のみから形成されているものでもない。また
、CAACは結晶化した部分(結晶部分)を含むが、1つの結晶部分と他の結晶部分の境
界を明確に判別できないこともある。
【0104】
CAAC-OSを構成する酸素の一部は窒素で置換されてもよい。また、CAAC-OS
を構成する個々の結晶部分のc軸は一定の方向(例えば、CAAC-OSが形成される基
板面、CAAC-OSの表面などに垂直な方向)に揃っていてもよい。または、CAAC
-OSを構成する個々の結晶部分のab面の法線は一定の方向(例えば、CAAC-OS
が形成される基板面、CAAC-OSの表面などに垂直な方向)を向いていてもよい。
【0105】
CAAC-OSは、その組成などに応じて、導体であったり、半導体であったり、絶縁体
であったりする。また、その組成などに応じて、可視光に対して透光性を有していたり、
有していなかったりする。
【0106】
このようなCAAC-OSの例として、膜状に形成され、膜表面または膜が形成される基
板面に垂直な方向から観察すると三角形または六角形の原子配列が認められ、かつその膜
断面を観察すると金属原子または金属原子及び酸素原子(または窒素原子)の層状配列が
認められる酸化物を挙げることもできる。
【0107】
CAAC-OSに含まれる結晶構造の一例について
図14乃至
図16を用いて詳細に説明
する。なお、特に断りがない限り、
図14乃至
図16は上方向をc軸方向とし、c軸方向
と直交する面をab面とする。なお、単に上半分、下半分という場合、ab面を境にした
場合の上半分、下半分をいう。また、
図14において丸で囲まれたOは4配位のOを示し
、二重丸で囲まれたOは3配位のOを示す。
【0108】
図14(A)に、1個の6配位のInと、Inに近接の6個の4配位の酸素原子(以下4
配位のO)と、を有する構造を示す。ここでは、金属原子が1個に対して、近接の酸素原
子のみ示した構造を小グループと呼ぶ。
図14(A)の構造は、八面体構造をとるが、簡
単のため平面構造で示している。なお、
図14(A)の上半分および下半分にはそれぞれ
3個ずつ4配位のOがある。
図14(A)に示す小グループは電荷が0である。
【0109】
図14(B)に、1個の5配位のGaと、Gaに近接の3個の3配位の酸素原子(以下3
配位のO)と、Gaに近接の2個の4配位のOと、を有する構造を示す。3配位のOは、
いずれもab面に存在する。
図14(B)の上半分および下半分にはそれぞれ1個ずつ4
配位のOがある。また、Inも5配位をとるため、
図14(B)に示す構造をとりうる。
図14(B)に示す小グループは電荷が0である。
【0110】
図14(C)に、1個の4配位のZnと、Znに近接の4個の4配位のOと、を有する構
造を示す。
図14(C)の上半分には1個の4配位のOがあり、下半分には3個の4配位
のOがある。または、
図14(C)の上半分に3個の4配位のOがあり、下半分に1個の
4配位のOがあってもよい。
図14(C)に示す小グループは電荷が0である。
【0111】
図14(D)に、1個の6配位のSnと、Snに近接の6個の4配位のOと、を有する構
造を示す。
図14(D)の上半分には3個の4配位のOがあり、下半分には3個の4配位
のOがある。
図14(D)に示す小グループは電荷が+1となる。
【0112】
図14(E)に、2個のZnを含む小グループを示す。
図14(E)の上半分には1個の
4配位のOがあり、下半分には1個の4配位のOがある。
図14(E)に示す小グループ
は電荷が-1となる。
【0113】
ここでは、複数の小グループの集合体を中グループと呼び、複数の中グループの集合体を
大グループ(ユニットセルともいう。)と呼ぶ。
【0114】
ここで、これらの小グループ同士が結合する規則について説明する。
図14(A)に示す
6配位のInの上半分の3個のOは、下方向にそれぞれ3個の近接Inを有し、下半分の
3個のOは、上方向にそれぞれ3個の近接Inを有する。
図14(B)に示す5配位のG
aの上半分の1個のOは下方向に1個の近接Gaを有し、下半分の1個のOは上方向に1
個の近接Gaを有する。
図14(C)に示す4配位のZnの上半分の1個のOは、下方向
に1個の近接Znを有し、下半分の3個のOは、上方向にそれぞれ3個の近接Znを有す
る。この様に、金属原子の上方向の4配位のOの数と、そのOの下方向にある近接金属原
子の数は等しく、同様に金属原子の下方向の4配位のOの数と、そのOの上方向にある近
接金属原子の数は等しい。Oは4配位なので、下方向にある近接金属原子の数と、上方向
にある近接金属原子の数の和は4になる。従って、金属原子の上方向にある4配位のOの
数と、別の金属原子の下方向にある4配位のOの数との和が4個のとき、金属原子を有す
る二種の小グループ同士は結合することができる。例えば、6配位の金属原子(Inまた
はSn)が下半分の4配位のOを介して結合する場合、4配位のOが3個であるため、5
配位の金属原子(GaまたはIn)、4配位の金属原子(Zn)のいずれかと結合するこ
とになる。
【0115】
これらの配位数を有する金属原子は、c軸方向において、4配位のOを介して結合する。
また、このほかにも、層構造の合計の電荷が0となるように複数の小グループが結合して
中グループを構成する。
【0116】
図15(A)に、In-Sn-Zn系酸化物の層構造を構成する中グループのモデル図を
示す。
図15(B)に、3つの中グループで構成される大グループを示す。なお、
図15
(C)は、
図15(B)の層構造をc軸方向から観察した場合の原子配列を示す。
【0117】
図15(A)においては、簡単のため、3配位のOは省略し、4配位のOは個数のみ示し
、例えば、Snの上半分および下半分にはそれぞれ3個ずつ4配位のOがあることを丸枠
の3として示している。同様に、
図15(A)において、Inの上半分および下半分には
それぞれ1個ずつ4配位のOがあり、丸枠の1として示している。また、同様に、
図15
(A)において、下半分には1個の4配位のOがあり、上半分には3個の4配位のOがあ
るZnと、上半分には1個の4配位のOがあり、下半分には3個の4配位のOがあるZn
とを示している。
【0118】
図15(A)において、In-Sn-Zn系酸化物の層構造を構成する中グループは、上
から順に4配位のOが3個ずつ上半分および下半分にあるSnが、4配位のOが1個ずつ
上半分および下半分にあるInと結合し、そのInが、上半分に3個の4配位のOがある
Znと結合し、そのZnの下半分の1個の4配位のOを介して4配位のOが3個ずつ上半
分および下半分にあるInと結合し、そのInが、上半分に1個の4配位のOがあるZn
2個からなる小グループと結合し、この小グループの下半分の1個の4配位のOを介して
4配位のOが3個ずつ上半分および下半分にあるSnと結合している構成である。この中
グループが複数結合して大グループを構成する。
【0119】
ここで、3配位のOおよび4配位のOの場合、結合1本当たりの電荷はそれぞれ-0.6
67、-0.5と考えることができる。例えば、In(6配位または5配位)、Zn(4
配位)、Sn(5配位または6配位)の電荷は、それぞれ+3、+2、+4である。従っ
て、Snを含む小グループは電荷が+1となる。そのため、Snを含む層構造を形成する
ためには、電荷+1を打ち消す電荷-1が必要となる。電荷-1をとる構造として、
図1
4(E)に示すように、2個のZnを含む小グループが挙げられる。例えば、Snを含む
小グループが1個に対し、2個のZnを含む小グループが1個あれば、電荷が打ち消され
るため、層構造の合計の電荷を0とすることができる。
【0120】
具体的には、
図15(B)に示した大グループが繰り返されることで、In-Sn-Zn
系酸化物の結晶(In
2SnZn
3O
8)を得ることができる。なお、得られるIn-S
n-Zn系酸化物の層構造は、In
2SnZn
2O
7(ZnO)
m(mは0または自然数
。)とする組成式で表すことができる。
【0121】
また、このほかにも、四元系金属の酸化物であるIn-Sn-Ga-Zn系酸化物や、三
元系金属の酸化物であるIn-Ga-Zn系酸化物(IGZOとも表記する。)、In-
Al-Zn系酸化物、Sn-Ga-Zn系酸化物、Al-Ga-Zn系酸化物、Sn-A
l-Zn系酸化物や、In-Hf-Zn系酸化物、In-La-Zn系酸化物、In-C
e-Zn系酸化物、In-Pr-Zn系酸化物、In-Nd-Zn系酸化物、In-Sm
-Zn系酸化物、In-Eu-Zn系酸化物、In-Gd-Zn系酸化物、In-Tb-
Zn系酸化物、In-Dy-Zn系酸化物、In-Ho-Zn系酸化物、In-Er-Z
n系酸化物、In-Tm-Zn系酸化物、In-Yb-Zn系酸化物、In-Lu-Zn
系酸化物や、二元系金属の酸化物であるIn-Zn系酸化物、Sn-Zn系酸化物、Al
-Zn系酸化物、Zn-Mg系酸化物、Sn-Mg系酸化物、In-Mg系酸化物や、I
n-Ga系酸化物の材料などを用いた場合も同様である。
【0122】
例えば、
図16(A)に、In-Ga-Zn系酸化物の層構造を構成する中グループのモ
デル図を示す。
【0123】
図16(A)において、In-Ga-Zn系酸化物の層構造を構成する中グループは、上
から順に4配位のOが3個ずつ上半分および下半分にあるInが、4配位のOが1個上半
分にあるZnと結合し、そのZnの下半分の3個の4配位のOを介して、4配位のOが1
個ずつ上半分および下半分にあるGaと結合し、そのGaの下半分の1個の4配位のOを
介して、4配位のOが3個ずつ上半分および下半分にあるInと結合している構成である
。この中グループが複数結合して大グループを構成する。
【0124】
図16(B)に3つの中グループで構成される大グループを示す。なお、
図16(C)は
、
図16(B)の層構造をc軸方向から観察した場合の原子配列を示している。
【0125】
ここで、In(6配位または5配位)、Zn(4配位)、Ga(5配位)の電荷は、それ
ぞれ+3、+2、+3であるため、In、ZnおよびGaのいずれかを含む小グループは
、電荷が0となる。そのため、これらの小グループの組み合わせであれば中グループの合
計の電荷は常に0となる。
【0126】
また、In-Ga-Zn系酸化物の層構造を構成する中グループは、
図16(A)に示し
た中グループに限定されず、In、Ga、Znの配列が異なる中グループを組み合わせた
大グループも取りうる。
【0127】
具体的には、
図16(B)に示した大グループが繰り返されることで、In-Ga-Zn
系酸化物の結晶を得ることができる。なお、得られるIn-Ga-Zn系酸化物の層構造
は、InGaO
3(ZnO)
n(nは自然数。)とする組成式で表すことができる。
【0128】
本実施の形態は、他の実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0129】
(実施の形態3)
本発明の一態様に係る発光装置では、白色などの単色の光を発する発光素子と、カラーフ
ィルタを組み合わせることで、フルカラー画像の表示を行う、カラーフィルタ方式を採用
することができる。或いは、互いに異なる色相の光を発する複数の発光素子を用いて、フ
ルカラー画像の表示を行う方式を採用することもできる。この方式は、発光素子が有する
一対の電極間に設けられるEL層を、対応する色ごとに塗り分けるため、塗り分け方式と
呼ばれる。
【0130】
塗り分け方式の場合、EL層の塗り分けは、通常、メタルマスクなどのマスクを用いて、
蒸着法で行われる。そのため、画素のサイズは蒸着法によるEL層の塗り分け精度に依存
する。一方、カラーフィルタ方式の場合、塗り分け方式とは異なり、EL層の塗り分けを
行う必要がない。よって、塗り分け方式の場合よりも、画素サイズの縮小化が容易であり
、高精細の画素部を実現することができる。
【0131】
また、発光装置には、トランジスタが形成された基板、所謂素子基板側から発光素子の光
を取り出すボトムエミッション構造と、素子基板とは反対の側から発光素子の光を取り出
すトップエミッション構造とがある。トップエミッション構造の場合、発光素子から発せ
られる光を、配線、トランジスタ、保持容量などの各種素子によって遮られることがない
ため、ボトムエミッション構造に比べて、画素からの光の取り出し効率を高めることがで
きる。よって、トップエミッション構造は、発光素子に供給する電流値を低く抑えても、
高い輝度を得ることができるため、発光素子の長寿命化に有利である。
【0132】
また、本発明の一態様に係る発光装置では、EL層から発せられる光を発光素子内で共振
させる、マイクロキャビティ(微小光共振器)構造を有していても良い。マイクロキャビ
ティ構造により、特定の波長の光について、発光素子からの取り出し効率を高めることが
できるので、画素部の輝度と色純度を向上させることができる。
【0133】
図10に、画素の断面図を、一例として示す。なお、
図10では、赤に対応する画素の断
面の一部、青に対応する画素の断面の一部と、緑に対応する画素の断面の一部とを示して
いる。
【0134】
具体的に、
図10では、赤に対応した画素140rと、緑に対応した画素140gと、青
に対応した画素140bとが示されている。画素140r、画素140g、画素140b
は、それぞれ陽極715r、陽極715g、陽極715bを有する。上記陽極715r、
陽極715g、陽極715bは、画素140r、画素140g、画素140bのそれぞれ
において、基板740に形成された絶縁膜750の上に設けられている。
【0135】
そして、陽極715r、陽極715g、及び陽極715b上には絶縁膜を有する隔壁73
0が設けられている。隔壁730は開口部を有し、上記開口部において、陽極715r、
陽極715g、及び陽極715bが、それぞれ一部露出している。また、上記露出してい
る領域を覆うように、隔壁730上に、EL層731と、可視光に対して透光性を有する
陰極732とが、順に積層されている。
【0136】
陽極715rと、EL層731と、陰極732とが重なる部分が、赤に対応した発光素子
741rに相当する。陽極715gと、EL層731と、陰極732とが重なる部分が、
緑に対応した発光素子741gに相当する。陽極715bと、EL層731と、陰極73
2とが重なる部分が、青に対応した発光素子741bに相当する。
【0137】
また、基板742は、発光素子741r、発光素子741g、及び発光素子741bを間
に挟むように、基板740と対峙している。基板742上には、画素140rに対応した
着色層743r、画素140gに対応した着色層743g、画素140bに対応した着色
層743bが設けられている。着色層743rは、赤に対応した波長領域の光の透過率が
、他の波長領域の光の透過率より高い層であり、着色層743gは、緑に対応した波長領
域の光の透過率が、他の波長領域の光の透過率より高い層であり、着色層743bは、青
に対応した波長領域の光の透過率が、他の波長領域の光の透過率より高い層である。
【0138】
さらに、基板742上には、着色層743r、着色層743g、着色層743bを覆うよ
うに、オーバーコート744が設けられている。オーバーコート744は、着色層743
r、着色層743g、着色層743bを保護するための、可視光に対して透光性を有する
層であり、平坦性の高い樹脂材料を用いるのが好ましい。着色層743r、着色層743
g、及び着色層743bと、オーバーコート744とを合わせてカラーフィルタと見なし
ても良いし、着色層743r、着色層743g、及び着色層743bのそれぞれをカラー
フィルタと見なしても良い。
【0139】
そして、
図10では、陽極715rに、可視光の反射率が高い導電膜745rと、可視光
の透過率が上記導電膜745rよりも高い導電膜746rとを、順に積層して用いる。ま
た、陽極715gに、可視光の反射率が高い導電膜745gと、可視光の透過率が上記導
電膜745gよりも高い導電膜746gとを、順に積層して用いる。導電膜746gの膜
厚は、導電膜746rの膜厚よりも小さいものとする。また、陽極715bに、可視光の
反射率が高い導電膜745bを用いる。
【0140】
よって、
図10に示す発光装置では、発光素子741rにおいて、EL層731から発せ
られた光の光路長は、導電膜745rと陰極732の距離により調節することができる。
また、発光素子741gにおいて、EL層731から発せられた光の光路長は、導電膜7
45gと陰極732の距離により調節することができる。また、発光素子741bにおい
て、EL層731から発せられた光の光路長は、導電膜745bと陰極732の距離によ
り調節することができる。
【0141】
本発明の一態様では、発光素子741rと、発光素子741gと、発光素子741bにそ
れぞれ対応する光の波長に合わせて、上記光路長を調整することで、EL層731から発
せられた光を上記各発光素子内において共振させる、マイクロキャビティ構造としても良
い。
【0142】
上記マイクロキャビティ構造を、本発明の一態様に係る発光装置に採用することで、発光
素子741rから発せられる光において、赤に対応した波長を有する光の強度が、共振に
より高まる。よって、着色層743rを通して得られる赤の光の色純度及び輝度が高まる
。また、発光素子741gから発せられる光において、緑に対応した波長を有する光の強
度が、共振により高まる。よって、着色層743gを通して得られる緑の光の色純度及び
輝度が高まる。また、発光素子741bから発せられる光において、青に対応した波長を
有する光の強度が、共振により高まる。よって、着色層743bを通して得られる青の光
の色純度及び輝度が高まる。
【0143】
なお、
図10では、赤、緑、青の3色に対応する画素を用いる構成について示したが、本
発明の一態様では、当該構成に限定されない。本発明の一態様で用いる色の組み合わせは
、例えば、赤、緑、青、黄の4色、または、シアン、マゼンタ、イエローの3色を用いて
いても良い。或いは、上記色の組み合わせは、淡色の赤、緑、及び青、並びに濃色の赤、
緑、及び青の6色を用いていても良い。或いは、上記色の組み合わせは、赤、緑、青、シ
アン、マゼンタ、イエローの6色を用いていても良い。
【0144】
なお、例えば、赤、緑、及び青の画素を用いて表現できる色は、色度図上のそれぞれの発
光色に対応する3点が描く三角形の内側に示される色に限られる。従って、赤、緑、青、
黄の画素を用いた場合のように、色度図上の該三角形の外側に発光色が存在する発光素子
を別途加えることで、当該発光装置において表現できる色域を拡大し、色再現性を豊かに
することができる。
【0145】
また、
図10では、発光素子741r、発光素子741g、発光素子741bのうち、光
の波長λが最も短い発光素子741bにおいて、可視光の反射率が高い導電膜745bを
陽極として用い、他の発光素子741r、発光素子741gにおいては、膜厚が互いに異
なる導電膜746r及び導電膜746gを用いることにより、光路長を調整している。本
発明の一態様では、波長λが最も短い発光素子741bにおいても、可視光の反射率が高
い導電膜745b上に、導電膜746r及び導電膜746gのような、可視光の透過率の
高い導電膜を設けていても良い。ただし、
図10に示すように、波長λが最も短い発光素
子741bにおいて、可視光の反射率が高い導電膜745bで陽極を構成する場合、全て
の発光素子において、陽極に可視光の透過率が高い導電膜を用いる場合よりも、陽極の作
製工程が簡素化されるため、好ましい。
【0146】
なお、可視光の反射率が高い導電膜745bは、可視光の透過率が高い導電膜746r及
び導電膜746gに比べて、仕事関数が小さい場合が多い。よって、光の波長λが最も短
い発光素子741bでは、発光素子741r、発光素子741gに比べて、陽極715b
からEL層731への正孔注入が行われにくいため、発光効率が低い傾向にある。そこで
、本発明の一態様では、光の波長λが最も短い発光素子741bにおいて、EL層731
のうち、可視光の反射率が高い導電膜745bと接する層において、正孔輸送性の高い物
質に、当該正孔輸送性の高い物質に対してアクセプター性(電子受容性)を示す物質を含
有させた複合材料を用いることが好ましい。上記複合材料を、陽極715bに接して形成
することにより、陽極715bからEL層731への正孔注入が行われやすくなり、発光
素子741bの発光効率を高めることができる。
【0147】
アクセプター性を示す物質としては、7,7,8,8-テトラシアノ-2,3,5,6-
テトラフルオロキノジメタン(略称:F4-TCNQ)、クロラニル等を挙げることがで
きる。また、遷移金属酸化物を挙げることができる。また、元素周期表における第4族乃
至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸
化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガ
ン、酸化レニウムはアクセプター性が高いため好ましい。中でも特に、酸化モリブデンは
大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
【0148】
複合材料に用いる正孔輸送性の高い物質としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘
導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、
種々の化合物を用いることができる。なお、複合材料に用いる有機化合物としては、正孔
輸送性の高い有機化合物であることが好ましい。具体的には、10-6cm2/Vs以上
の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い
物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。
【0149】
また、可視光の反射率が高い導電膜745r、導電膜745g、導電膜745bとしては
、例えば、アルミニウム、銀、または、これらの金属材料を含む合金等を、単層で、或い
は積層することで、形成することができる。また、導電膜745r、導電膜745g、導
電膜745bを、可視光の反射率の高い導電膜と、膜厚の薄い導電膜(好ましくは20n
m以下、更に好ましくは10nm以下)とを積層させて、形成してもよい。例えば、可視
光の反射率の高い導電膜上に、薄いチタン膜やモリブデン膜を積層して、導電膜745b
を形成することにより、可視光の反射率の高い導電膜(アルミニウム、アルミニウムを含
む合金、または銀など)の表面に酸化膜が形成されるのを防ぐことができる。
【0150】
また、可視光の透過率が高い導電膜746r及び導電膜746gには、例えば、酸化イン
ジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物などを用いる
ことができる。
【0151】
また、陰極732は、例えば、光を透過する程度の薄い導電膜(好ましくは20nm以下
、更に好ましくは10nm以下)と、導電性の金属酸化物で構成された導電膜とを積層す
ることで、形成することができる。光を透過する程度の薄い導電膜は、銀、マグネシウム
、またはこれらの金属材料を含む合金等を、単層で、或いは積層して形成することができ
る。導電性の金属酸化物としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、インジウム錫
酸化物、インジウム亜鉛酸化物、またはこれらの金属酸化物材料に酸化シリコンを含ませ
たものを用いることができる。
【0152】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0153】
(実施の形態4)
本実施の形態では、ボトムエミッション構造、トップエミッション構造、デュアルエミッ
ション構造について説明する。デュアルエミッション構造とは、発光素子の光を、素子基
板側からと、素子基板とは反対の側からと、取り出す構造を意味する。
【0154】
図11(A)に、発光素子6033から発せられる光を陽極6034側から取り出す場合
の、画素の断面図を示す。トランジスタ6031は絶縁膜6037で覆われており、絶縁
膜6037上には開口部を有する隔壁6038が形成されている。隔壁6038の開口部
において陽極6034が一部露出しており、該開口部において陽極6034、EL層60
35、陰極6036が順に積層されている。
【0155】
陽極6034は、光を透過しやすい材料または膜厚で形成し、陰極6036は、光を透過
しにくい材料または膜厚で形成する。上記構成により、陽極6034側から白抜きの矢印
で示すように光を取り出す、ボトムエミッション構造を得ることができる。
【0156】
図11(B)に、発光素子6043から発せられる光を陰極6046側から取り出す場合
の、画素の断面図を示す。トランジスタ6041は絶縁膜6047で覆われており、絶縁
膜6047上には開口部を有する隔壁6048が形成されている。隔壁6048の開口部
において陽極6044が一部露出しており、該開口部において陽極6044、EL層60
45、陰極6046が順に積層されている。
【0157】
陽極6044は、光を透過しにくい材料または膜厚で形成し、陰極6046は、光を透過
しやすい材料または膜厚で形成する。上記構成により、陰極6046側から白抜きの矢印
で示すように光を取り出す、トップエミッション構造を得ることができる。
【0158】
図11(C)に、光素子6053から発せられる光を陽極6054側及び陰極6056側
から取り出す場合の、画素の断面図を示す。トランジスタ6051は絶縁膜6057で覆
われており、絶縁膜6057上には開口部を有する隔壁6058が形成されている。隔壁
6058の開口部において陽極6054が一部露出しており、該開口部において陽極60
54、EL層6055、陰極6056が順に積層されている。
【0159】
陽極6054及び陰極6056は、光を透過しやすい材料または膜厚で形成する。上記構
成により、陽極6054及び陰極6056側から白抜きの矢印で示すように光を取り出す
、デュアルエミッション構造を得ることができる。
【0160】
なお、陽極または陰極となる電極には、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの
混合物などを用いることができる。具体的には、酸化インジウム-酸化スズ(ITO:I
ndium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-
酸化スズ、酸化インジウム-酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、酸化タ
ングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、金(Au)、白金(Pt)、ニッケ
ル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、
コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)の他、元素周期表
の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等の
アルカリ金属、およびカルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金
属、マグネシウム(Mg)、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピ
ウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金、その他
、グラフェン等を用いることができる。そして、上記材料を適宜選択し、その膜厚を最適
な値に設定することで、ボトムエミッション構造、トップエミッション構造、またはデュ
アルエミッション構造を作り分けることが可能となる。
【0161】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0162】
(実施の形態5)
図12は、本発明の一態様に係る発光装置の斜視図の一例である。
【0163】
図12に示す発光装置は、パネル1601と、回路基板1602と、接続部1603とを
有している。パネル1601は、画素が複数設けられた画素部1604と、複数の画素を
行ごとに選択する走査線駆動回路1605と、選択された行内の画素への画像信号の入力
を制御する信号線駆動回路1606とを有する。具体的に、走査線駆動回路1605では
、配線G1乃至配線G3に入力する信号を生成する。
【0164】
回路基板1602から、接続部1603を介して、各種信号と、電源の電位とが、パネル
1601に入力される。接続部1603には、FPC(Flexible Printe
d Circuit)などを用いることができる。また、接続部1603にCOFテープ
を用いる場合、回路基板1602内の一部の回路、或いはパネル1601が有する走査線
駆動回路1605や信号線駆動回路1606の一部などを別途用意したチップに形成して
おき、COF(Chip On Film)法を用いて当該チップをCOFテープに接続
しておいても良い。
【0165】
本実施の形態は、他の実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【0166】
(実施の形態6)
本発明の一態様に係る発光装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備え
た画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等
の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることが
できる。その他に、本発明の一態様に係る発光装置を用いることができる電子機器として
、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯情報端末、電子書籍、ビデオカメラ、デジタル
スチルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーショ
ンシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写
機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)
、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を
図13に示す。
【0167】
図13(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体5001、筐体5002、表示部5003、
表示部5004、マイクロホン5005、スピーカー5006、操作キー5007、スタ
イラス5008等を有する。本発明の一態様に係る発光装置は、表示部5003、表示部
5004に用いることができる。表示部5003または表示部5004に本発明の一態様
に係る発光装置を用いることで、高画質の携帯型ゲーム機を提供することができる。なお
、
図13(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部5003と表示部5004とを
有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
【0168】
図13(B)は表示機器であり、筐体5201、表示部5202、支持台5203等を有
する。本発明の一態様に係る発光装置は、表示部5202に用いることができる。表示部
5202に本発明の一態様に係る発光装置を用いることで、高画質の表示機器を提供する
ことができる。なお、表示機器には、パーソナルコンピュータ用、TV放送受信用、広告
表示用などの全ての情報表示用表示機器が含まれる。
【0169】
図13(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体5401、表示部5402
、キーボード5403、ポインティングデバイス5404等を有する。本発明の一態様に
係る発光装置は、表示部5402に用いることができる。表示部5402に本発明の一態
様に係る発光装置を用いることで、高画質のノート型パーソナルコンピュータを提供する
ことができる。
【0170】
図13(D)は携帯情報端末であり、筐体5601、表示部5602、操作キー5603
等を有する。
図13(D)に示す携帯情報端末は、モデムが筐体5601に内蔵されてい
ても良い。本発明の一態様に係る発光装置は、表示部5602に用いることができる。表
示部5602に本発明の一態様に係る発光装置を用いることで、高画質の携帯情報端末を
提供することができる。
【0171】
図13(E)は携帯電話であり、筐体5801、表示部5802、音声入力部5803、
音声出力部5804、操作キー5805、受光部5806等を有する。受光部5806に
おいて受信した光を電気信号に変換することで、外部の画像を取り込むことができる。本
発明の一態様に係る発光装置は、表示部5802に用いることができる。表示部5802
に本発明の一態様に係る発光装置を用いることで、高画質の携帯電話を提供することがで
きる。
【0172】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0173】
(実施の形態7)
本実施の形態では、実施の形態1において説明した
図1(A)に示す画素100の動作の
、期間3における、トランジスタ11のゲート電圧Vgsの値を、シミュレーションによ
り求めた。
【0174】
シミュレーションは、配線ILにおける電位V0の値が互いに異なる、条件Aまたは条件
Bを用いて行った。具体的に、条件Aと条件Bにおける各配線の電位の値を、下記の表1
に示す。電位GVDDは、配線G1、配線G2、及び配線G3にそれぞれ与えられるハイ
レベルの電位に相当する。また、電位GVSSは、配線G1、配線G2、及び配線G3に
それぞれ与えられるローレベルの電位に相当する。なお、表1では、電位Vcatを0V
とし、電位Vdata、電位Vano、電位V0、電位GVDD、電位GVSSの値を、
電位Vcatとの電位差で示している。
【0175】
【0176】
また、シミュレーションにおける各トランジスタのチャネル長Lとチャネル幅Wの比は、
トランジスタ11ではL/W=9μm/3μm、トランジスタ12乃至トランジスタ15
ではL/W=3μm/3μmとした。そして、
図1(A)に示した画素100が有する全
てのトランジスタにおいて、ソースまたはドレインとして機能する導電膜と半導体膜とが
接している領域を領域Aとすると、上記領域Aと、ゲート電極が形成されている領域とが
重なる領域における、チャネル長方向の長さ(Lov)を、1.5μmとした。
【0177】
期間3では、トランジスタ11のゲート電圧Vgsは、
図3(C)にて示したように、電
圧Vdata-V0+Vthとなる。よって、
図1(A)に示した画素100において、
Vgs-Vth=Vdata-V0となるため、Vgs-Vthは、理想的には、閾値電
圧Vthの値に関わらず一定の値を有する。
【0178】
図17に、条件Aを用いた場合における、シミュレーションにより得られたVgs-Vt
hの値を示す。
図17では、横軸が閾値電圧Vth(V)、縦軸がVgs-Vth(V)
の値を示す。
図17では、閾値電圧Vthの値を変化させても、Vgs-Vthの値がほ
ぼ均一であり、そのばらつきは25%~30%程度に抑えられていることが分かる。
【0179】
図18に、条件Bを用いた場合における、シミュレーションにより得られたVgs-Vt
hの値を示す。
図18では、横軸が閾値電圧Vth(V)、縦軸がVgs-Vth(V)
の値を示す。
図18では、閾値電圧Vthの値が正の値を有する場合だと、Vgs-Vt
hの値が均一である。しかし、閾値電圧Vthの値が負の値を有する場合、閾値電圧Vt
hの値が負の方向に大きくなるほど、Vgs-Vthの値が大きくなっており、Vgs-
Vthの値が閾値電圧Vthの値に依存していることが分かる。
【0180】
上記シミュレーションの結果から、本発明の一態様に係る発光装置では、トランジスタ1
1がノーマリオンであっても、すなわち閾値電圧Vthがマイナスの値を有していても、
トランジスタ11の閾値電圧Vthを加味した値になるよう、トランジスタ11のゲート
電圧Vgsを設定することができることが証明された。
【0181】
本実施の形態は、他の実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0182】
11 トランジスタ
12 トランジスタ
13 トランジスタ
14 トランジスタ
15 トランジスタ
16 容量素子
17 発光素子
100 画素
140b 画素
140g 画素
140r 画素
715b 陽極
715g 陽極
715r 陽極
730 隔壁
731 EL層
732 陰極
740 基板
741b 発光素子
741g 発光素子
741r 発光素子
742 基板
743b 着色層
743g 着色層
743r 着色層
744 オーバーコート
745b 導電膜
745g 導電膜
745r 導電膜
746g 導電膜
746r 導電膜
750 絶縁膜
800 基板
801 導電膜
802 ゲート絶縁膜
803 半導体膜
804 導電膜
805 導電膜
806 半導体膜
807 導電膜
808 導電膜
809 導電膜
810 導電膜
811 半導体膜
812 導電膜
813 半導体膜
814 導電膜
815 導電膜
816 導電膜
817 半導体膜
818 導電膜
819 導電膜
820 絶縁膜
821 絶縁膜
822 導電膜
823 コンタクトホール
824 絶縁膜
825 EL層
826 導電膜
900 基板
901 半導体膜
902 ゲート絶縁膜
903 導電膜
904 導電膜
905 導電膜
906 半導体膜
907 導電膜
908 導電膜
909 導電膜
911 導電膜
912 半導体膜
913 導電膜
914 導電膜
915 導電膜
916 導電膜
917 導電膜
920 絶縁膜
921 導電膜
922 コンタクトホール
923 絶縁膜
924 EL層
925 導電膜
1601 パネル
1602 回路基板
1603 接続部
1604 画素部
1605 走査線駆動回路
1606 信号線駆動回路
5001 筐体
5002 筐体
5003 表示部
5004 表示部
5005 マイクロホン
5006 スピーカー
5007 操作キー
5008 スタイラス
5201 筐体
5202 表示部
5203 支持台
5401 筐体
5402 表示部
5403 キーボード
5404 ポインティングデバイス
5601 筐体
5602 表示部
5603 操作キー
5801 筐体
5802 表示部
5803 音声入力部
5804 音声出力部
5805 操作キー
5806 受光部
6031 トランジスタ
6033 発光素子
6034 陽極
6035 EL層
6036 陰極
6037 絶縁膜
6038 隔壁
6041 トランジスタ
6043 発光素子
6044 陽極
6045 EL層
6046 陰極
6047 絶縁膜
6048 隔壁
6051 トランジスタ
6053 光素子
6054 陽極
6055 EL層
6056 陰極
6057 絶縁膜
6058 隔壁