(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】キャリアパレット車及びパレット進入方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20231220BHJP
【FI】
G05D1/02 Q
G05D1/02 H
(21)【出願番号】P 2019176957
(22)【出願日】2019-09-27
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】溝口 英次
【審査官】影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-069598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物を載置する載置台と、載置台を支持する左右1対の脚部材とを有するパレットの前記載置台下部へ進入するキャリアパレット車であって、
前記キャリアパレット車が有する第1センサからレーザ光を走査し、前記パレットの前端部にある第1検出面及び第2検出面との距離を検出する第1センサ検出手段と、
前記キャリアパレット車が有する第2センサから前記レーザ光を走査し、前記第1検出面及び前記第2検出面との距離を検出する第2センサ検出手段と、
前記第1センサ検出手段で検出した前記第1検出面との距離及び前記第2検出面との距離と、前記第2センサ検出手段で検出した前記第1検出面との距離及び前記第2検出面との距離とに基づいて、前記キャリアパレット車を位置調整する位置調整手段とを有
し、
前記第1センサは、前記キャリアパレット車の前部の幅方向中央部に配置され、前記第2センサは、前記キャリアパレット車の後部の幅方向中央部に配置されており、
前記第1検出面と前記第2検出面とは、前記パレットの幅方向中央部に対して左右対称に配置されており、
前記位置調整手段は、
前記第1センサ検出手段で検出した前記第1検出面との距離と前記第2検出面との距離とが等しくなるように前記キャリアパレット車を位置調整する第1位置調整手段と、
前記第2センサ検出手段で検出した前記第1検出面との距離と前記第2検出面との距離とが等しくなるように前記キャリアパレット車を位置調整する第2位置調整手段とを有することを特徴とするキャリアパレット車。
【請求項2】
貨物を載置する載置台と、載置台を支持する左右1対の脚部材とを有するパレットの前記載置台下部へキャリアパレット車を進入させるパレット進入方法において、
前記キャリアパレット車が有する第1センサからレーザ光を走査し、前記パレットの前端部にある第1検出面及び第2検出面との距離を検出する第1センサ検出ステップと、
前記キャリアパレット車が有する第2センサから前記レーザ光を走査し、前記第1検出面及び前記第2検出面との距離を検出する第2センサ検出ステップと、
前記第1センサ検出ステップで検出した前記第1検出面との距離と前記第2検出面との距離と、前記第2センサ検出ステップで検出した前記第1検出面との距離と前記第2検出面との距離とに基づいて、前記キャリアパレット車を位置調整する位置調整ステップとを有
し、
前記第1センサは、前記キャリアパレット車の前部の幅方向中央部に配置され、前記第2センサは、前記キャリアパレット車の後部の幅方向中央部に配置されており、
前記第1検出面と前記第2検出面とは、前記パレットの幅方向中央部に対して左右対称に配置されており、
前記位置調整ステップは、
前記第1センサ検出ステップで検出した前記第1検出面との距離と前記第2検出面との距離とが等しくなるように前記キャリアパレット車を位置調整する第1位置調整ステップと、
前記第2センサ検出ステップで検出した前記第1検出面との距離と前記第2検出面との距離とが等しくなるように前記キャリアパレット車を位置調整する第2位置調整ステップとを有することを特徴とするパレット進入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば貨物を載置したパレットを搬送するキャリアパレット車及びパレット進入方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
製鉄所やコンテナ船の貨物運搬に使用されるキャリアパレット車は、自走可能であり、貨物を載置したパレットの下に進入した後、キャリアパレット車の荷台を上昇させて、貨物を載置したパレットごと搬送する。
【0003】
近年、キャリアパレット車の無人運転化により物流を合理化することが検討されている。キャリアパレット車を無人運転化するためには、貨物を載置したパレットの下にキャリアパレット車を自動的に進入させる必要があるが、キャリアパレット車をパレットの脚部材に衝突しないようにするためには、キャリアパレット車をパレットの前方において、キャリアパレット車の荷台の長手方向中心線をパレットの長手方向中心線と一致させる必要がある。
【0004】
無人運転が行われる無人搬送車として、車体フレームの中心線上の前部と後部に、パレットを検知して進入誘導するためのアプローチセンサが設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、無人搬送車が自立走行して、パレットの前方に定められた所定の位置にくると、アプローチセンサによりパレットの検知が行われる。
【0005】
具体的には、無人搬送車の右側から左側へ一定の間隔でレーザ光を走査し、アプローチセンサの中心からパレットの両側面までの距離を計測し、パレットの両側面にそれぞれ沿った直線を求めて、無人搬送車の長手方向中心線がパレットの長手方向中心線に一致するように誘導してパレットの下に進入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の誘導方法では、パレットの両側面にそれぞれ沿った直線を求めるために、パレットの左側面について前端部とその前後方向中央部の2点の位置が必要であり、パレットの右側面について前端部とその前後方向中央部の2点の位置が必要である。
【0008】
しかしながら、例えば複数台のパレットが小さい間隔を隔てて横方向に隣接して配列されている場合には、パレットの前方にある無人搬送車のアプローチセンサからレーザ光を走査したとしても、そのレーザ光は、隣りにあるパレットの脚部材に反射してしまい、誤検出やパレットの左側面の前後方向中央部や右側面の前後方向中央部に到達しないことが考えられる。
【0009】
そのため、パレットの左側面の前後方向中央部や右側面の前後方向中央部の位置を検知できないため、パレットの両側面にそれぞれ沿った直線を求めることができない。よって、特許文献1の誘導方法では、例えばパレットの配列状態によって、無人搬送車をパレットの下に適正に進入させることが不可能である場合があり、無人搬送車の無人運転化が困難である。
【0010】
そこで本発明は、パレットの配列状態にかかわらず、無人運転化を可能とするキャリアパレット車及びパレット進入方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本発明に係るキャリアパレット車は、貨物を載置する載置台と、載置台を支持する左右1対の脚部材とを有するパレットの前記載置台下部へ進入するキャリアパレット車であって、前記キャリアパレット車が有する第1センサからレーザ光を走査し、前記パレットの前端部にある第1検出面及び第2検出面との距離を検出する第1センサ検出手段と、前記キャリアパレット車が有する第2センサから前記レーザ光を走査し、前記第1検出面及び前記第2検出面との距離を検出する第2センサ検出手段と、前記第1センサ検出手段で検出した前記第1検出面との距離及び前記第2検出面との距離と、前記第2センサ検出手段で検出した前記第1検出面との距離及び前記第2検出面との距離とに基づいて、前記キャリアパレット車を位置調整する位置調整手段とを有し、前記第1センサは、前記キャリアパレット車の前部の幅方向中央部に配置され、前記第2センサは、前記キャリアパレット車の後部の幅方向中央部に配置されており、前記第1検出面と前記第2検出面とは、前記パレットの幅方向中央部に対して左右対称に配置されており、前記位置調整手段は、前記第1センサ検出手段で検出した前記第1検出面との距離と前記第2検出面との距離とが等しくなるように前記キャリアパレット車を位置調整する第1位置調整手段と、前記第2センサ検出手段で検出した前記第1検出面との距離と前記第2検出面との距離とが等しくなるように前記キャリアパレット車を位置調整する第2位置調整手段とを有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係るパレット進入方法は、貨物を載置する載置台と、載置台を支持する左右1対の脚部材とを有するパレットの前記載置台下部へキャリアパレット車を進入させるパレット進入方法において、前記キャリアパレット車が有する第1センサからレーザ光を走査し、前記パレットの前端部にある第1検出面及び第2検出面との距離を検出する第1センサ検出ステップと、前記キャリアパレット車が有する第2センサから前記レーザ光を走査し、前記第1検出面及び前記第2検出面との距離を検出する第2センサ検出ステップと、前記第1センサ検出ステップで検出した前記第1検出面との距離と前記第2検出面との距離と、前記第2センサ検出ステップで検出した前記第1検出面との距離と前記第2検出面との距離とに基づいて、前記キャリアパレット車を位置調整する位置調整ステップとを有し、前記第1センサは、前記キャリアパレット車の前部の幅方向中央部に配置され、前記第2センサは、前記キャリアパレット車の後部の幅方向中央部に配置されており、前記第1検出面と前記第2検出面とは、前記パレットの幅方向中央部に対して左右対称に配置されており、前記位置調整ステップは、前記第1センサ検出ステップで検出した前記第1検出面との距離と前記第2検出面との距離とが等しくなるように前記キャリアパレット車を位置調整する第1位置調整ステップと、前記第2センサ検出ステップで検出した前記第1検出面との距離と前記第2検出面との距離とが等しくなるように前記キャリアパレット車を位置調整する第2位置調整ステップとを有することを特徴とする。
【0013】
これにより、本発明に係るキャリアパレット車及びパレット進入方法では、キャリアパレット車が有する第1センサによりパレットの前端部にある第1検出面及び第2検出面との距離を検出すると共に、キャリアパレット車が有する第2センサによりパレットの前端部にある第1検出面及び第2検出面との距離を検出し、それらの距離に基づいてキャリアパレット車を位置調整することにより、キャリアパレット車を無人運転化した場合でも、パレットの配列状態にかかわらず、キャリアパレット車をパレットの下に適正に進入させることが可能である。
【0016】
これにより、本発明に係るキャリアパレット車及びパレット進入方法では、キャリアパレット車の前方及び後方にそれぞれ配置された第1センサ及び第2センサを有し、キャリアパレット車の前端部と後端部とをそれぞれ位置調整することにより、キャリアパレット車を無人運転化した場合でも、キャリアパレット車をパレットの下に適正に進入させることが可能である。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明によれば、キャリアパレット車を無人運転化した場合でも、キャリアパレット車をパレットの下に適正に進入させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るキャリアパレット車の平面図及び側面図である。
【
図2】キャリアパレット車により搬送されるパレットの平面図及び側面図である。
【
図3】
図1のキャリアパレット車の制御ブロック図である。
【
図4】
図1のキャリアパレット車においてパレットの前端部までの距離を検出する方法を説明する図である。
【
図5】
図1のキャリアパレット車がパレットの下に進入する手順を示す図である。
【
図6】
図1のキャリアパレット車がパレットの下に進入する方法を説明する図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係るキャリアパレット車の平面図及び側面図である。
【
図8】
図7のキャリアパレット車の制御ブロック図である。
【
図9】
図7のキャリアパレット車がパレットの下に進入する手順を示す図である。
【
図10】
図7のキャリアパレット車がパレットの下に進入する方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
(第1実施形態)
キャリアパレット車1は、
図1に示すように、車体2と、車体2に対して昇降可能に設けられた荷台3とを有している。
【0024】
車体2は、左右一対の前側車輪5a及び左右一対の後側車輪5b(
図1では、車体2の左方を前部、右方を後部としている)の4つの車輪5を有している。4つの車輪5は、それぞれ、車体2に対する向きが変化することにより、車体2の進行方向を変更可能に設けられる。
【0025】
車体2には、距離を検出する第1センサ6aと第2センサ6bとが設けられている。第1センサ6aは、車体2の前部に配置されており、第2センサ6bは、車体2の後部に配置されている。第1センサ6a及び第2センサ6bは、レーザ光を走査して距離を検出するものである。第1センサ6aは、車体2の前部の幅方向中央部に配置され、第2センサ6bは、車体2の後部の幅方向中央部に配置される。
【0026】
第1センサ6a及び第2センサ6bとしては、レーザ光を発射する投光器と、その反射光を受ける受光器と、投光器および受光器を水平に円弧を描くように回動させるモータとを備えた光学スキャナが使用されている。
【0027】
パレット10は、
図2に示すように、貨物が載置される載置台11と、載置台11の下面の4隅において載置台11と一体に形成された4つの脚部材12とを有している。4つの脚部材12は、パレット10の前端部(
図2では、パレット10の左方を前端部、右方を後端部としている)の左側に配置された脚部材12aと、パレット10の前端部の右側に配置された脚部材12bとを含んでいる。脚部材12は、直方体形状であり、その水平断面は略矩形状である。また、本実施形態における脚部材12の形状は直方体形状に限らず、レーザ光を反射する検出面を有する形状であればよい。
【0028】
キャリアパレット車1の第1センサ6a及び第2センサ6bは、レーザ光をパレット10に向かって走査して、そのセンサからパレット10の前端部にある2つの脚部材12a、12bまでの距離を検出する。本実施形態では、パレット10の前端部に配置された2つの脚部材12a、12bまでの距離として、脚部材12a、12bの地上から所定高さにある内側端部までの距離が検出される。すなわち、脚部材12aの所定高さにある内側端部が、パレット10の前端部にある第1検出面Aであり、脚部材12bの所定高さにある内側端部が、パレット10の前端部にある第2検出面A’である。
【0029】
キャリアパレット車1は、荷台3を下降させた状態で、パレット10の載置台11の下へ進入し、荷台3を上昇させて、パレット10を荷台3上に搭載し、その状態でパレット10ごと搬送する。その後、パレット10を所定の場所まで搬送すると、キャリアパレット車1は、荷台3を下降させて、パレット10を所定の場所に設置する。
【0030】
キャリアパレット車1の制御部30は、
図3に示すように、例えば、マイクロコンピュータなどで構成されており、CPUと、キャリアパレット車1の動作を制御するプログラムが格納されたROMと、上記プログラムを実行する際に用いられるデータ等が一時的に記憶されるRAMとを備えている。キャリアパレット車1の運転動作は、この制御部30によって制御される。
【0031】
制御部30は、第1センサ検出部31と、第2センサ検出部32と、位置調整部33とを有している。位置調整部33は、第1位置調整部33aと、第2位置調整部33bとを有している。また、制御部30には、車体2の前部及び後部に配置された第1センサ6a及び第2センサ6bと、4つの車輪5とが接続されている。
【0032】
第1センサ検出部31は、キャリアパレット車1が有する第1センサ6aからレーザ光を走査し、パレット10の前端部にある第1検出面A及び第2検出面A’との距離を検出する。
【0033】
第1センサ6aから第1検出面A及び第2検出面A’までの距離の検出方法について、
図4に基づいて説明する。なお、第2センサ6bから第1検出面A及び第2検出面A’までの距離の検出方法についても同様である。
【0034】
第1センサ6aから、
図4に示すように、パレット10の前端部にある第1検出面A及び第2検出面A’を含むエリアに、レーザ光を走査して複数のデータを取得する。
【0035】
上述した複数のデータから、パレット10の左側に配置された脚部材12aの前面と、パレット10の右側に配置された脚部材12bの前面とにおいて、起点データ(データ点T、T’)を設定する。起点データの設定については、脚部材12a及び12bの前面において、上述した複数のデータから任意のデータを1つ選択すればよい。この選択のため、例えば第1センサ6aからの距離が所定範囲内にあることを基準とすることができる。
【0036】
脚部材12a及び脚部材12bのそれぞれについて、データ点T、T’を起点として、起点データを含む複数のデータの中から、脚部材12aの前面及び脚部材12bの前面の最端部に位置する最端データ点を探索する。具体的には、脚部材12aの前面及び脚部材12bの前面を内側へ順に探索をすることで、最内端部に位置する最端データ点を得る。本実施形態では、最端データ点の探索の際に、複数のデータの検出位置の内側へ順に走査間隔に基づいて探索される。
【0037】
まず、起点データに係るデータ点の番号が1に設定される。これにより、起点データの検出位置が「第1データ点」となる。その後、第1データ点からパレット10の内側方向に走査間隔分だけ隔たれた位置の近傍にデータが有るか無いかを判断する。データが有る場合、そのデータに係るデータ点を第2データ点に設定する共に、データ点の番号が2に設定される。
【0038】
パレット10の内側方向でデータが無くなるまでこれが繰り返され、最後のデータにおけるデータ点A、A’を最端データ点(最も内側のデータ点)として設定する。なお、最初に設定した起点データが最も内側のデータ点と判断されると、起点データが最端データ点(最も内側のデータ点)として設定される。
【0039】
第2センサ検出部32は、キャリアパレット車1が有する第2センサ6bからレーザ光を走査し、第1検出面A及び第2検出面A’との距離を検出する。
【0040】
第1位置調整部33aは、第1センサ検出部31で検出した第1検出面Aとの距離と第2検出面A’との距離とが等しくなるように、4つの車輪5を制御して、キャリアパレット車1を位置調整する。第1位置調整部33aは、4つの車輪5をそれぞれが独立して制御する
【0041】
第2位置調整部33bは、第2センサ検出部32で検出した第1検出面Aとの距離と第2検出面A’との距離とが等しくなるように、4つの車輪5を制御して、キャリアパレット車1を位置調整する。第2位置調整部33bは、4つの車輪5をそれぞれが独立して制御する
【0042】
本実施形態のキャリアパレット車1がパレット10の下に進入するときの手順について、
図5及び
図6に基づいて説明する。
【0043】
(ステップS1)
まず、
図6(a)に示すように、キャリアパレット車1がパレット10の前方に移動する。なお、キャリアパレット車1には、自立走行制御装置が別途搭載されており、パレット10の前方までの移動は、自立走行制御装置により行われる。また、自律走行させなくても、パレット10の前方までは運転手がキャリアパレット車1を運転してもよい。
【0044】
(ステップS2)
キャリアパレット車1の進行方向の前側にある第1センサ6aにより、パレット10の前端部に配置された2つの脚部材12a、12bまでの距離を検出する。
【0045】
(ステップS3)
パレット10の前端部の左側に配置された脚部材12aまでの距離T1と、パレット10の前端部の右側に配置された脚部材12bまでの距離T2とが同一であるか否かを判定する。
【0046】
(ステップS4)
ステップS3において距離T1と距離T2が同一でないと判定された場合、ステップS4に進んで、距離T1が距離T2より小さいか否かを判定する。
【0047】
(ステップS5)
ステップS4において距離T1が距離T2より小さいと判定された場合、ステップS5に進んで、距離T1と距離T2との差分に応じて、キャリアパレット車1の前部が右方向に移動するように、4つの車輪5をそれぞれ制御する。これにより、キャリアパレット車1は、進行方向の前側にある第1センサ6aが、脚部材12a及び脚部材12bから等距離T1となる位置に移動する。
【0048】
(ステップS6)
ステップS4において距離T
1が距離T
2より大きいと判定された場合、ステップS6に進んで、距離T
1と距離T
2との差分に応じて、キャリアパレット車1の前部が左方向に移動するように、4つの車輪5をそれぞれ制御する。これにより、キャリアパレット車1は、
図6(b)に示すように、進行方向の前側にある第1センサ6aが、脚部材12a及び脚部材12bから等距離T
2となる位置に移動する。
【0049】
(ステップS7)
その後、
図6(c)に示すように、キャリアパレット車1の進行方向の後側にある第2センサ6bにより、パレット10の前端部に配置された2つの脚部材12a、12bまでの距離を検出する。具体的には、パレット10の前端部に配置された2つの脚部材12a、12bまでの距離として、それぞれ、脚部材12a、12bの地上から所定高さにある内側端部までの距離が検出される。
【0050】
(ステップS8)
パレット10の前端部の左側に配置された脚部材12aまでの距離T3と、パレット10の前端部の右側に配置された脚部材12bまでの距離T4とが同一であるか否かを判定する。
【0051】
(ステップS9)
ステップS8において距離T3と距離T4が同一でないと判定された場合、ステップS9に進んで、距離T3が距離T4より小さいか否かを判定する。
【0052】
(ステップS10)
ステップS9において距離T3が距離T4より小さいと判定された場合、ステップS10に進んで、距離T3と距離T4との差分に応じて、キャリアパレット車1の後部が右方向に移動するように、4つの車輪5をそれぞれ制御する。これにより、キャリアパレット車1は、進行方向の後側にある第2センサ6bが、脚部材12a及び脚部材12bから等距離となる位置に移動する。
【0053】
(ステップS11)
ステップS9において距離T
3が距離T
4より大きいと判定された場合、ステップS11に進んで、距離T
3と距離T
4との差分に応じて、キャリアパレット車1の後部が左方向に移動するように、4つの車輪5をそれぞれ制御する。これにより、キャリアパレット車1は、
図6(d)に示すように、進行方向の後側にある第2センサ6bが、脚部材12a及び脚部材12bから等距離となる位置に移動する。
【0054】
(ステップS12)
ステップS8において脚部材12aまでの距離T
3と脚部材12bまでの距離T
4が同一であると判定された場合、ステップS10においてキャリアパレット車1の後部が左方向に移動するように制御された場合、及び、ステップS11においてキャリアパレット車1の後部が左方向に移動するように制御された場合は、キャリアパレット車1の長手方向中心線とパレット10の長手方向中心線とが一致しているため、ステップS12に進んで、
図6(e)に示すように、キャリアパレット車1をパレット10の下に進入させる。
【0055】
以上のように、本実施形態のキャリアパレット車1は、貨物を載置する載置台11と、載置台11を支持する左右1対の脚部材12とを有するパレット10の載置台11下部へ進入するキャリアパレット車1であって、キャリアパレット車1が有する第1センサ6aからレーザ光を走査し、パレット10の前端部にある第1検出面A及び第2検出面A’との距離を検出する第1センサ検出部31と、キャリアパレット車1が有する第2センサ6bからレーザ光を走査し、第1検出面A及び第2検出面A’との距離を検出する第2センサ検出部32と、第1センサ検出部31で検出した第1検出面Aとの距離及び第2検出面A’との距離と、第2センサ検出部32で検出した第1検出面A及び第2検出面A’との距離とに基づいて、キャリアパレット車1を位置調整する位置調整部33とを有する。
【0056】
本実施形態のパレット進入方法は、貨物を載置する載置台11と、載置台11を支持する左右1対の脚部材12とを有するパレット10の載置台11下部へキャリアパレット車1を進入させるパレット進入方法において、キャリアパレット車1が有する第1センサ6aからレーザ光を走査し、パレット10の前端部にある第1検出面A及び第2検出面A’との距離を検出する第1センサ検出ステップと、キャリアパレット車1が有する第2センサ6bからレーザ光を走査し、第1検出面A及び第2検出面A’との距離を検出する第2センサ検出ステップと、第1センサ検出ステップで検出した第1検出面Aとの距離と第2検出面A’との距離と、第2センサ検出ステップで検出した第1検出面Aとの距離と第2検出面A’との距離とに基づいて、キャリアパレット車1を位置調整する位置調整ステップとを有する。
【0057】
これにより、本実施形態のキャリアパレット車1及びパレット進入方法では、キャリアパレット車1が有する第1センサ6aによりパレット10の前端部にある第1検出面A及び第2検出面A’との距離を検出すると共に、キャリアパレット車1が有する第2センサ6bによりパレット10の前端部にある第1検出面A及び第2検出面A’との距離を検出し、それらの距離に基づいてキャリアパレット車1を位置調整することにより、キャリアパレット車1を無人運転化した場合でも、パレット10の配列状態にかかわらず、キャリアパレット車1をパレット10の下に適正に進入させることが可能である。
【0058】
本実施形態のキャリアパレット車1において、第1センサ6a及び第2センサ6bは、キャリアパレット車1の前方及び後方にそれぞれ配置されており、位置調整部33は、第1センサ検出部31で検出した第1検出面Aとの距離と第2検出面A’との距離とが等しくなるようにキャリアパレット車1を位置調整する第1位置調整部33aと、第2センサ検出部32で検出した第1検出面Aとの距離と第2検出面A’との距離とが等しくなるようにキャリアパレット車1を位置調整する第2位置調整部33bとを有する。
【0059】
本実施形態のパレット進入方法において、第1センサ6a及び第2センサ6bは、キャリアパレット車1の前方及び後方にそれぞれ配置されており、位置調整ステップは、第1センサ検出ステップで検出した第1検出面Aとの距離と第2検出面A’との距離とが等しくなるようにキャリアパレット車1を位置調整する第1位置調整ステップと、第2センサ検出ステップで検出した第1検出面Aとの距離と第2検出面A’との距離とが等しくなるようにキャリアパレット車1を位置調整する第2位置調整ステップとを有する。
【0060】
これにより、本実施形態のキャリアパレット車1及びパレット進入方法では、キャリアパレット車1の前方及び後方にそれぞれ配置された第1センサ6a及び第2センサ6bを有し、キャリアパレット車1の前端部と後端部とをそれぞれ位置調整することにより、キャリアパレット車1を無人運転化した場合でも、キャリアパレット車1をパレット10の下に適正に進入させることが可能である。
【0061】
(第2実施形態)
本実施形態のキャリアパレット車101と第1実施形態のキャリアパレット車1とが異なる点は、キャリアパレット車1は、車体2の前部及び後部に配置された第1センサ6a及び第2センサ6bを有するのに対し、キャリアパレット車101は、車体2の前部の左右に配置された第1センサ6a及び第2センサ6bを有する点である。なお、キャリアパレット車101の構造において、キャリアパレット車1と同様の構造については詳細説明を省略する。
【0062】
キャリアパレット車101の車体2の前部の左右には、
図7に示すように、距離を検出する第1センサ6a及び第2センサ6bが設けられている。第1センサ6a及び第2センサ6bは、レーザ光を走査して距離を検出するものである。第1センサ6aは、車体2の前部の左端部(幅方向一端部)に配置されており、第2センサ6bは、車体2の前部の右端部(幅方向他端部)に配置されている。第1センサ6aと第2センサ6bとは、車体2の幅方向中心線に対して左右対称に配置される。
【0063】
制御部130は、
図8に示すように、第1センサ検出部131と、第2センサ検出部132と、位置調整部133とを有している。位置調整部133は、第1位置調整部133aと、第2位置調整部133bとを有している。また、制御部130には、車体2の左右に配置された第1センサ6a及び第2センサ6bと、4つの車輪5とが接続されている。
【0064】
第1センサ検出部131は、キャリアパレット車101が有する第1センサ6aからレーザ光を走査し、パレット10の前端部にある第1検出面A及び第2検出面A’との距離を検出する。本実施形態では、第1実施形態と同様に、脚部材12aの所定高さにある内側端部が、パレット10の前端部にある第1検出面Aであり、脚部材12bの所定高さにある内側端部が、パレット10の前端部にある第2検出面A’である。
【0065】
第2センサ検出部132は、キャリアパレット車101が有する第2センサ6bからレーザ光を走査し、第1検出面A及び第2検出面A’との距離を検出する。
【0066】
第1位置調整部133aは、第1センサ検出部131で検出した第1検出面Aとの距離と、第2センサ検出部132で検出した第2検出面A’との距離とが等しくなるように、4つの車輪5を制御して、キャリアパレット車101を位置調整する。
【0067】
第2位置調整部133bは、第1センサ検出部131で検出した第2検出面A’との距離と、第2センサ検出部132で検出した第1検出面Aとの距離とが等しくなるように、4つの車輪5を制御して、キャリアパレット車101を位置調整する。
【0068】
本実施形態のキャリアパレット車101がパレット10の下に進入するときの手順について、
図9及び
図10に基づいて説明する。
【0069】
(ステップS101)
まず、
図10(a)に示すように、キャリアパレット車101がパレット10の前方に移動する。
【0070】
(ステップS102)
キャリアパレット車101の前部の幅方向左端部にある第1センサ6aにより、パレット10の前端部の右側に配置された脚部材12bまでの距離T1を検出すると共に、キャリアパレット車101の前部の幅方向右端部にある第2センサ6bにより、パレット10の前端部の左側に配置された脚部材12aまでの距離T2を検出する。具体的には、パレット10の前端部に配置された2つの脚部材12a、12bまでの距離として、それぞれ、脚部材12a、12bの地上から所定高さにある内側端部までの距離が検出される。
【0071】
(ステップS103)
第1センサ6aから脚部材12bまでの距離T1と、第2センサ6bから脚部材12aまでの距離T2とが同一であるか否かを判定する。
【0072】
(ステップS104)
ステップS103において距離T1と距離T2が同一でないと判定された場合、ステップS104に進んで、距離T1が距離T2より小さいか否かを判定する。
【0073】
(ステップS105)
ステップS104において距離T
1が距離T
2より小さいと判定された場合、ステップS105に進んで、距離T
1と距離T
2との差分に応じて、キャリアパレット車101が移動するように、4つの車輪5をそれぞれ制御する。これにより、キャリアパレット車101は、
図10(b)に示すように、第2センサ6bから脚部材12aまでの距離と、第1センサ6aから脚部材12bまでの距離とが等距離T
1となる位置に移動する。
【0074】
(ステップS106)
ステップS104において距離T1が距離T2より大きいと判定された場合、ステップS106に進んで、距離T1と距離T2との差分に応じて、キャリアパレット車101が移動するように、4つの車輪5をそれぞれ制御する。これにより、キャリアパレット車101は、センサ6bから脚部材12aまでの距離と、センサ6aから脚部材12bまでの距離とが等距離T2となる位置に移動する。
【0075】
(ステップS107)
その後、
図10(c)に示すように、キャリアパレット車101の前部の幅方向左端部にある第1センサ6aにより、パレット10の前端部の左側に配置された脚部材12aまでの距離T
3を検出すると共に、キャリアパレット車101の前部の幅方向右端部にある第2センサ6bにより、パレット10の前端部の右側に配置された脚部材12bまでの距離T
4を検出する。具体的には、パレット10の前端部に配置された2つの脚部材12a、12bまでの距離として、それぞれ、脚部材12a、12bの地上から所定高さにある内側端部までの距離が検出される。
【0076】
(ステップS108)
第1センサ6aから脚部材12aまでの距離T3と、第2センサ6bから脚部材12bまでの距離とが同一であるか否かを判定する。
【0077】
(ステップS109)
ステップS108において距離T3と距離T4が同一でないと判定された場合、ステップS109に進んで、距離T3が距離T4より小さいか否かを判定する。
【0078】
(ステップS110)
ステップS109において距離T3が距離T4より小さいと判定された場合、ステップS10に進んで、距離T3と距離T4との差分に応じて、キャリアパレット車101が移動するように、4つの車輪5をそれぞれ制御する。これにより、キャリアパレット車101は、第1センサ6aから脚部材12aまでの距離と、第2センサ6bから脚部材12bまでの距離とが等距離となる位置に移動する。
【0079】
(ステップS111)
ステップS109において距離T
3が距離T
4より大きいと判定された場合、ステップS111に進んで、距離T
3と距離T
4との差分に応じて、キャリアパレット車1が移動するように、4つの車輪5をそれぞれ制御する。これにより、キャリアパレット車101は、
図10(d)に示すように、第1センサ6aから脚部材12aまでの距離と、第2センサ6bから脚部材12bまでの距離とが等距離となる位置に移動する。
【0080】
(ステップS112)
ステップS108において距離T
3と距離T
4が同一であると判定された場合、ステップS110においてキャリアパレット車101が移動するように制御された場合、及び、ステップS111においてキャリアパレット101が移動するように制御された場合は、キャリアパレット車101の長手方向中心線とパレット10の長手方向中心線とが一致しているため、ステップS112に進んで、
図10(e)に示すように、キャリアパレット車101をパレット10の下に進入させる。
【0081】
以上のように、本実施形態のキャリアパレット車101は、貨物を載置する載置台11と、載置台11を支持する左右1対の脚部材12とを有するパレット10の載置台11下部へ進入するキャリアパレット車101であって、キャリアパレット車101が有する第1センサ6aからレーザ光を走査し、パレット10の前端部にある第1検出面A及び第2検出面A’との距離を検出する第1センサ検出部131と、キャリアパレット車101が有する第2センサ6bからレーザ光を走査し、第1検出面A及び第2検出面A’との距離を検出する第2センサ検出部132と、第1センサ検出部131で検出した第1検出面Aとの距離及び第2検出面A’との距離と、第2センサ検出部132で検出した第1検出面A及び第2検出面A’との距離とに基づいて、キャリアパレット車1を位置調整する位置調整部133とを有する。
【0082】
本実施形態のパレット進入方法は、貨物を載置する載置台11と、載置台11を支持する左右1対の脚部材12とを有するパレット10の載置台11下部へキャリアパレット車101を進入させるパレット進入方法において、キャリアパレット車101が有する第1センサ6aからレーザ光を走査し、パレット10の前端部にある第1検出面A及び第2検出面A’との距離を検出する第1センサ検出ステップと、キャリアパレット車101が有する第2センサ6bからレーザ光を走査し、第1検出面A及び第2検出面A’との距離を検出する第2センサ検出ステップと、第1センサ検出ステップで検出した第1検出面Aとの距離と第2検出面A’との距離と、第2センサ検出ステップで検出した第1検出面Aとの距離と第2検出面A’との距離とに基づいて、キャリアパレット車101を位置調整する位置調整ステップとを有する。
【0083】
これにより、本実施形態のキャリアパレット車101及びパレット進入方法では、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0084】
本実施形態のキャリアパレット車において、第1センサ6a及び第2センサ6bは、キャリアパレット車101の左右にそれぞれ配置されており、位置調整部133は、第1センサ検出部131で検出した第1検出面Aとの距離と第2センサ検出部132で検出した第2検出面A’との距離とが等しくなるようにキャリアパレット車101を位置調整する第1位置調整部133aと、第1センサ検出部131で検出した第2検出面A’との距離と第2センサ検出部132で検出した第1検出面Aとの距離とが等しくなるようにキャリアパレット車101を位置調整する第2位置調整部133bとを有する。
【0085】
本実施形態のパレット進入方法において、第1センサ6a及び第2センサ6bは、キャリアパレット車101の左右にそれぞれ配置されており、位置調整ステップは、第1センサ検出ステップで検出した第1検出面Aとの距離と第2センサ検出ステップで検出した第2検出面A’との距離とが等しくなるようにキャリアパレット車101を位置調整する第1位置調整ステップと、第1センサ検出ステップで検出した第2検出面A’との距離と第2センサ検出ステップで検出した第1検出面Aとの距離とが等しくなるようにキャリアパレット車101を位置調整する第2位置調整ステップとを有する。
【0086】
これにより、本実施形態のキャリアパレット車101及びパレット進入方法では、キャリアパレット車101の左右にそれぞれ配置された第1センサ6a及び第2センサ6bを有し、キャリアパレット車101の左端部と右端部とをそれぞれ位置調整することにより、キャリアパレット車101を無人運転化した場合でも、キャリアパレット車101をパレット10の下に適正に進入させることが可能である。
【0087】
なお、具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0088】
例えば、上記第1実施形態のキャリアパレット車1は、車体2の前部及び後部に配置された第1センサ6a及び第2センサ6bを有し、上記第2実施形態のキャリアパレット車101は、車体2の前部の幅方向左端部及び幅方向右端部に配置された第1センサ6a及び第2センサ6bを有しているが、キャリアパレット車が有する距離を検出するセンサの数及び配置は任意である。
【0089】
上記実施形態のキャリアパレット車1、101は、前側車輪5a及び後側車輪5bを含む4つの車輪5を有しているが、キャリアパレット車の車輪の数及び配置は任意である。
【0090】
上記第1実施形態では、第1センサ6a及び第2センサ6bがキャリアパレット車1の長手方向に沿った中心線上に配置され、上記第2実施形態では、第1センサ6a及び第2センサ6bがキャリアパレット車101の前部の前面に沿った直線上に配置されているが、複数のセンサは、キャリアパレット車の長手方向に沿った中心線上、または、キャリアパレット車の前部の前面に沿った直線上に配置されてなくてよい。
【0091】
上記第1実施形態では、キャリアパレット車1の前部の第1センサ6aをパレット10の中心線上に配置するように車輪5を制御した後で、キャリアパレット車1の後部の第2センサ6bをパレット10の中心線上に配置するように車輪5を制御したが、その制御方法は、それに限られない。
【0092】
例えば、キャリアパレット車1の後部の第2センサ6bをパレット10の中心線上に配置するように車輪5を制御した後で、キャリアパレット車1の前部の第1センサ6aをパレット10の中心線上に配置するように車輪5を制御してもよい。キャリアパレット車1の前部の第1センサ6aをパレット10の中心線上に配置する車輪5の制御と、キャリアパレット車1の後部の第2センサ6bをパレット10の中心線上に配置する車輪5の制御とを同時に行ってもよい。上記第2実施形態についても同様である。
【0093】
上記実施形態では、距離を検出する第1センサ6a及び第2センサ6bとして、レーザ光を走査するものを使用したが、赤外線センサやCCDカメラを用いて画像処理を行うことで、キャリアパレット車に対するパレットの距離(位置)を検出するようにしてもよい。
【0094】
上記実施形態では、距離を検出する第1センサ6a及び第2センサ6bが、キャリアパレット車1、101の車体2の前部または後部に配置されているが、例えば荷台などの車体2以外の部分に配置されてよい。また、距離を検出する第1センサ6a及び第2センサ6bは、キャリアパレット車1、101の車体2の外周面から外側に向かって突出した突出部(例えばサイドミラー等)に配置されてよい。その場合、その突出部は、車体2の外周面より内側に収容可能に形成されてよい。
【0095】
上記実施形態では、パレット10が、載置台11の下面の4隅において載置台11と一体に形成された4つの脚部材12を有し、キャリアパレット車1、101の第1センサ6a及び第2センサ6bは、パレット10の前端部における2つの脚部材12a、12bまでの距離を検出しているが、それに限られない。
【0096】
すなわち、キャリアパレット車1、101の第1センサ6a及び第2センサ6bが、パレット10の前端部における任意の所定位置までの距離を検出する場合に、本発明の効果が得られる。よって、距離を検出する所定位置の数、及び、パレットの前端部における距離を検出する所定位置の配置は任意である。
【0097】
例えば、パレット10の前端部における2つの脚部材12a、12b以外の任意の所定位置までの距離を検出してよい。パレットの前端部(例えば2つの脚部材12a、12b)に検出面となる部材が取り付けられてよい。
【0098】
本発明において、パレットの前端部にある第1検出面及び第2検出面について、例えば、第1検出面及び第2検出面がパレット(車体や荷台など)の前面にある場合や、第1検出面及び第2検出面がパレット(車体や荷台など)の前面近傍において前面より後方に配置された前方を向いた面にあり且つパレットを前方から見たときに見える位置にある場合などを意味する。
【0099】
上記実施形態では、パレット10の前端部に配置された2つの脚部材12a、12bまでの距離として、脚部材12a、12bの所定高さにある内側端部までの距離が検出されるが、脚部材12a、12bの所定高さにある外側端部までの距離が検出されてよい。その場合、脚部材12aの外側端部が、パレット10の前端部にある第1検出面Aであり、脚部材12bの外側端部が、パレット10の前端部にある第2検出面A’である。第1検出面A及び第2検出面A’は、脚部材12a、12bの内側端部または外側端部に限られない。
【0100】
上記実施形態では、キャリアパレット車の車輪5が第1センサ6a及び第2センサ6bにより検出されたパレット10の前端部における2箇所までの距離の差分に基づいて制御されるが、それに限られない。すなわち、パレット10の前端部における2箇所までの距離に基づいて車輪5が制御されるときの車輪の制御方法は任意である。パレット10の前端部における2箇所までの距離の測定と、キャリアパレット車の位置調整を交互に行うフィードバック制御で制御してもよい。
【符号の説明】
【0101】
1、101 キャリアパレット車
2 車体
3 荷台
5 車輪
6a 第1センサ
6b 第2センサ
10 パレット
11 載置台
12 脚部材
31 第1センサ検出部(第1センサ検出手段)
32 第2センサ検出部(第2センサ検出手段)
33 位置調整部(位置調整手段)
33a 第1位置調整部(第1位置調整手段)
33b 第2位置調整部(第2位置調整手段)
131 第1センサ検出部(第1センサ検出手段)
132 第2センサ検出部(第2センサ検出手段)
133 位置調整部(位置調整手段)
133a 第1位置調整部(第1位置調整手段)
133b 第2位置調整部(第2位置調整手段)