(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】空気調和システム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/65 20180101AFI20231220BHJP
F24F 11/89 20180101ALI20231220BHJP
F24F 11/74 20180101ALI20231220BHJP
F24F 11/56 20180101ALI20231220BHJP
F24F 11/57 20180101ALI20231220BHJP
F24F 3/14 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
F24F11/65
F24F11/89
F24F11/74
F24F11/56
F24F11/57
F24F3/14
(21)【出願番号】P 2019219520
(22)【出願日】2019-12-04
【審査請求日】2022-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】竹中 啓
(72)【発明者】
【氏名】布 隼人
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 裕
(72)【発明者】
【氏名】堤 智彦
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 康史
【審査官】町田 豊隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-176944(JP,A)
【文献】特開2008-304096(JP,A)
【文献】特開2018-071905(JP,A)
【文献】特開2002-061996(JP,A)
【文献】特開2008-304124(JP,A)
【文献】特開2010-117112(JP,A)
【文献】特開2009-168409(JP,A)
【文献】特開2012-141109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/65
F24F 11/89
F24F 11/74
F24F 11/56
F24F 11/57
F24F 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気を取り入れて室内に送り込む外気導入機能と、
取り入れた外気を加湿する加湿機能と、を有する加湿ユニット(5)と、
前記加湿ユニット(5)で取り入れた外気を給気配管(35)を介して室内に搬送する給気ファン(54)と、
前記外気導入機能と前記加湿機能とを制御する制御部(16)と、
を備え、
前記制御部は、
前記加湿ユニットの加湿機能を実行して生成した加湿空気を室内へ送る加湿運転と、
前記加湿ユニットの加湿機能を実行せずに、室内の所定ガス濃度に基づいて外気を室内へ送る給気運転と、を切換可能に制御
し、
前記加湿ユニットは、
水分吸着部(51a)および脱離部(51b)を含む加湿ロータ(51)と、
前記加湿ロータを加熱するヒータ(52)と、
を有し、
前記制御部は、
前記加湿運転時は、前記ヒータをオンにし、回転する前記加湿ロータを通過する外気を加湿し、
前記給気運転時は、前記ヒータをオフにし、回転する前記加湿ロータを通過する外気を加湿しない制御を行い、
前記給気運転時の前記加湿ロータの回転数は、0よりも大きく、前記加湿運転時の前記加湿ロータの最低回転数以下である、
空気調和システム(100)。
【請求項2】
前記制御部は、
前記加湿運転または前記給気運転を実行していないときに、前記加湿運転の指示を受けたときは、前記給気配管の乾燥運転を含む加湿準備運転を行った後に、前記加湿運転を行い、
前記給気運転中に、前記加湿運転の指示を受けたときは、前記加湿準備運転を行わずに、加湿運転を行う、
請求項1に記載の空気調和システム。
【請求項3】
前記加湿ユニットは、前記加湿ロータに外気を導入して、前記加湿ロータに水分を吸着させるための吸着ファン(59)をさらに有し、
前記制御部は、
前記加湿運転時には、前記吸着ファンを回転させ、
前記給気運転時には、前記吸着ファンを停止させる、
請求項
1または2に記載の空気調和システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記加湿運転または前記給気運転を実行していないときに、前記給気運転の指示を受けたときは、外気温と室温の温度差に基づいて、前記給気配管の乾燥運転を行うか否かを判断する、
請求項
1~3のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項5】
前記加湿準備運転における給気量が、前記給気運転時の給気量よりも多い、
請求項
2に記載の空気調和システム。
【請求項6】
前記空気調和システムは、
室内に配置され、前記給気配管に接続された室内ユニット(10)と、
室内の前記所定ガスの濃度を測定するガスセンサ(15)と、
をさらに備え、
前記ガスセンサは、前記室内ユニットに内蔵される、
請求項1~
5のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項7】
前記空気調和システムは、
室内に配置され、前記給気配管に接続された室内ユニット(10)と、
室内の前記所定ガスの濃度を測定するガスセンサ(15a、15b)と、
をさらに備え、
前記ガスセンサは、前記室内ユニットとは別に室内に配置される、
請求項1~
5のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【請求項8】
前記ガスセンサと前記制御部とは、外部ネットワークを介して接続される、
請求項
7に記載の空気調和システム。
【請求項9】
前記空気調和システムは、さらに、室内熱交換器(14)を備える、
請求項1~
8のいずれか1項に記載の空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
室内の所定ガスの濃度に基づいて行う給気運転と、室内の加湿運転を行う空気調和システムに関する。
【背景技術】
【0002】
加湿機能を有する空気調和機において、加湿機能のうち、外気を加湿しないで加熱して室内に導入する換気運転を行うことにより、花粉等空気中の有害成分を低減することが特許文献1(特開2010-43848号公報)に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1においては、外気を加熱して室内に供給する加熱換気運転モードや、外気を加熱しないで室内に供給する非加熱換気運転モードを開示しているが、室内の所定ガスの濃度測定値に応じて、どのように換気運転、または、加湿運転を行うかについては開示が無い。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1観点の空気調和システムは、加湿ユニットと、給気ファンと、制御部とを備える。加湿ユニットは、外気を取り入れて室内に送り込む外気導入機能と、取り入れた外気を加湿する加湿機能と、を有する。給気ファンは、加湿ユニットで取り入れた外気を給気配管を介して室内に搬送する。制御部は、外気導入機能と加湿機能とを制御する。制御部は、加湿運転と、給気運転とを切換可能に制御する。加湿運転は、加湿ユニットの加湿機能を実行して生成した加湿空気を室内へ送る。給気運転は、加湿ユニットの加湿機能を実行せずに室内の所定ガス濃度に基づいて外気を室内へ送る。
【0005】
第1観点の空気調和システムは、所定ガスの濃度に基づく給気運転と、加湿運転とを、同一の給気配管を切り換えて実行することができる。
【0006】
第2観点の空気調和システムは、第1観点の空気調和システムであって、制御部は、加湿運転または給気運転を実行していないときに、加湿運転の指示を受けたときは、給気配管の乾燥運転を含む加湿準備運転を行った後に、加湿運転を行う。また、給気運転中に、加湿運転の指示を受けたときは、加湿準備運転を行わずに、加湿運転を行う。
【0007】
第2観点の空気調和システムは、給気運転中に、加湿運転の指示を受けたときは、加湿準備運転を行わずに、加湿運転を行うので、早く加湿運転を実行することができる。
【0008】
第3観点の空気調和システムは、第1観点または第2観点の空気調和システムであって、加湿ユニットは、加湿ロータと、ヒータとを有する。ヒータは、水分吸着部および脱離部を含む。ヒータは、加湿ロータを加熱する。制御部は、加湿運転時は、ヒータをオンにし、回転する加湿ロータを通過する外気を加湿するように制御する。制御部は、給気運転時は、ヒータをオフにし、回転する加湿ロータを通過する外気を加湿しないように制御する。
【0009】
第3観点の空気調和システムは、給気運転中も加湿ロータが回転を続けるため、加湿ロータの特定の領域だけに外気が通過して、特定の領域だけにごみが付着するのを避けられる。
【0010】
第4観点の空気調和システムは、第3観点の空気調和システムであって、給気運転時の加湿ロータの回転数は、0よりも大きく、加湿運転時の加湿ロータの最低回転数以下である。ここで、最低回転数とは、加湿運転時の加湿ロータの回転数が可変のときは最も低い回転数を意味し、加湿運転時の加湿ロータの回転数が一定のときはその一定の回転数を意味する。
【0011】
第4観点の空気調和システムは、給気運転時においても、給気される空気は加湿ロータを通過し、かつ、加湿ロータは回転しているので、加湿ロータの特定の部分だけにごみが付着するのを防止できる。回転速度は低速であるので、無駄なエネルギー消費は避けられる。
【0012】
第5観点の空気調和システムは、第3観点または第4観点の空気調和システムであって、加湿ユニットは、加湿ロータに外気を導入して、加湿ロータに水分を吸着させるための吸着ファンをさらに有する。制御部は、加湿運転時には、吸着ファンを回転させ、給気運転時には、吸着ファンを停止させる。
【0013】
第6観点の空気調和システムは、第2観点~第5観点のいずれかの空気調和システムであって、制御部は、加湿運転または給気運転を実行していないときに、給気運転の指示を受けたときは、外気温と室温の温度差に基づいて、給気配管の乾燥運転を行うか否かを判断する。
【0014】
第7観点の空気調和システムは、第2観点~第6観点のいずれかの空気調和システムであって、加湿準備運転における給気量が、給気運転時の給気量よりも多い。
【0015】
第8観点の空気調和システムは、第1観点~第7観点のいずれかの空気調和システムであって、
さらに、室内ユニットと、ガスセンサを備える。室内ユニットは、室内に配置され、給気配管に接続される。ガスセンサは、室内の所定ガスの濃度を測定する。ガスセンサは、室内ユニットに内蔵される。
【0016】
第8観点の空気調和システムにおいては、ガスセンサは室内ユニットに内蔵されるので、ガスセンサと制御部の連携が容易である。
【0017】
第9観点の空気調和システムは、第1観点~第7観点のいずれかの空気調和システムであって、さらに、室内ユニットと、ガスセンサを備える。室内ユニットは、室内に配置され、給気配管に接続される。ガスセンサは、室内の所定ガスの濃度を測定する。ガスセンサは、室内ユニットとは別に室内に配置される。
【0018】
第9観点の空気調和システムにおいては、ガスセンサは室内ユニットとは別に室内に配置されるので、比較的自由に所定ガスの濃度を特に測定したいところにガスセンサを配置することができる。
【0019】
第10観点の空気調和システムは、第9観点の空気調和システムであって、ガスセンサと制御部とは、外部ネットワークを介して接続される。
【0020】
第11観点の空気調和システムは、第1観点~第10観点のいずれかの空気調和システムであって、さらに、室内熱交換器を備える。
【0021】
第11観点の空気調和システムは、室内熱交換器を備えているので、加湿運転、給気運転に加えて、暖房運転、冷房運転などの空気調和運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】第1実施形態の空気調和機1の外観図である。
【
図2】第1実施形態の空気調和機1(空気調和システム100)の冷媒回路2および給気経路3を示す図である。
【
図3A】第1実施形態の室内ユニット10の正面図である。
【
図3B】第1実施形態の室内ユニット10の側面図である。
【
図3C】第1実施形態の室内ユニット10を側面、やや下方から見た図である。
【
図4】第1実施形態のケーシング11内の給気配管19を示す図である。
【
図5】第1実施形態の制御の構成を示すブロック図である。
【
図6】第1実施形態の加湿運転の制御方法を示すフローチャートである。
【
図7】変形例1Aの空気調和システム100aの模式図である。
【
図8】変形例1Bの空気調和システム100bの模式図である。
【
図9】変形例1Cの空気調和機1c(空気調和システム100c)の冷媒回路2および給気経路3を示す図である。
【
図10】変形例1Dの空気調和システム100dの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1実施形態>
(1)空気調和機の全体構成
第1実施形態の空気調和システム100は、空気調和機1と、ガスセンサ15と、制御部16とを含む。空気調和機1は、室内ユニット10と、室外ユニット20と、室内ユニット10と室外ユニット20とを結ぶ冷媒配管2a、2b、給気配管35とを有している。空気調和機1の外観を
図1に、冷媒回路2および給気経路3を
図2に示す。
【0024】
室内ユニット10は、
図1、2、3A~3Cに示すように、室内熱交換器14、室内膨張弁17、室内ファン12を有している。室内ユニット10は、室内に配置する。
【0025】
室外ユニット20は、室外冷媒回路ユニット6と加湿ユニット5とを有している。室外ユニット20は、室外、通常、戸外に配置する。
【0026】
室外冷媒回路ユニット6は、圧縮機21、アキュムレータ22、四方切換弁23、室外熱交換器24、室外熱交換器用ファン26、室外膨張弁25と、それらを接続する配管を有している。
【0027】
本実施形態の空気調和機1は、室内ユニット10を配置する室内の、冷房、暖房、除湿、加湿、給気などの空気調和運転を行うことができる。
【0028】
本実施形態の空気調和機1おいて、冷房運転、暖房運転は、冷媒回路2を利用して実現される。冷房運転、暖房運転の切換は、四方切換弁23において、冷媒の流れの向きを切り換えることにより実現される。
【0029】
冷房運転時は、圧縮機21を吐出された冷媒は、四方切換弁23、室外熱交換器24、室外膨張弁25、室内熱交換器14、四方切換弁23、アキュムレータ22の順に流れ、圧縮機21に再び吸込まれる。この間、室外熱交換器24が放熱器として機能して、外気を加熱し、室内熱交換器14が蒸発器として機能して、室内空気を冷却する。
【0030】
暖房運転時は、圧縮機21を吐出された冷媒は、四方切換弁23、室内熱交換器14、室外膨張弁25、室外熱交換器24、四方切換弁23、アキュムレータ22の順に流れ、圧縮機21に再び吸込まれる。この間、室内熱交換器14が放熱器として機能して、室内空気を加熱し、室外熱交換器24が蒸発器として機能して、外気を冷却する。
【0031】
給気運転は、給気経路3を用いて、実施される。給気経路3は、室外ユニット20の給気経路58と、給気ファン54と、給気配管35と、室内ユニット10の給気配管19とを有する。給気ファン54が回転すると、室外ユニット20の加湿ユニット5の給気用空気取込口7cより、外気が、室外ユニット20内に取り込まれる。室外ユニット20に取り込まれた外気は、室外ユニット20の給気経路58、給気ファン54を経由して流れる。さらに、室外ユニット20と室内ユニット10を連絡する給気配管35内を外気は流れる。外気は、室内ユニット10の給気配管19を通過して、給気配管19の吹出口19aから、ケーシング11内に吹出され、さらに、ケーシング11の外の室内に至る。
【0032】
(2)空気調和機1の詳細構成
(2-1)室内ユニット10
室内ユニット10の前面パネル42を取り外した正面図を
図3Aに、左側面図を
図3Bに、左側面やや下方から見た図を
図3Cに示す。室内ユニット10は、ケーシング11、室内ファン12、ガスセンサ15、制御部16、室内熱交換器14、フラップ18、室内給気配管19を有している。
【0033】
(2-1-1)ケーシング11
本実施形態の室内ユニット10においては、ケーシング11を配置し、ケーシング内部に、室内ファン12、ガスセンサ15、第1制御部16a、室内熱交換器14、室内給気配管19を収容している。フラップ18は、ケーシング11の下部に取り付けられている。
【0034】
ケーシング11は、後面が室内の壁にかけられている。ケーシング11の後面より、冷媒配管2a、2b、給気配管35などが接続され、壁を通過して、室外に配置されている室外ユニット20に接続される。
【0035】
ケーシング11の上面には、穴が開けられており、室内の空気の吸込口41となっている。
【0036】
(2-1-2)室内ファン12
室内ファン12は、
図3Bに示すように、ケーシング11内部、中央に配置されている。室内ファン12は、クロスフローファンである。室内ファン12は、
図3Bにおいては、時計回りに回転して、空気を時計回りの方向に移動させる。
【0037】
室内空気は、ケーシング11の上部の吸込口41より、ケーシング11の内部に取り込まれ、室内熱交換器14を通過して、ケーシング11の下部のフラップ18a、18bの部分より、室内に吹出される。室内ファン12が回転することにより、吹出す空気を生じ、空気を吹出すことにより、室内の空気はかき混ぜられる。
【0038】
(2-1-3)室内熱交換器14
室内熱交換器14は、
図3Bに示すように、ケーシング11の内部で、室内ファン12の外側の空間に配置されている。室内空気は、ケーシング11の上部の吸込口41より、ケーシング11の内部に取り込まれ、室内熱交換器14を通過して熱交換し、ケーシング11の下部のフラップ18a、18bの部分より、室内に吹出される。室内熱交換器14を通過する空気は、室内熱交換器14を通過する間に、加熱または冷却され、室内を暖房または冷房する。
【0039】
(2-1-4)フラップ18
フラップ18は、ケーシング11の下方に取り付けられている。本実施形態においては、フラップ18a、18bは2枚構成である。フラップ18は、空気調和機1の停止時は、通常、
図3Cに示すように、閉である。空気調和機1の運転時は、
図1に示すように、フラップ18a、18bは開となり、両フラップ18a、18bの間、ケーシング11とフラップ18aの間などから、空気は吹出される。フラップ18a、18bは、その開度の角度を変更することによって、吹出す空気の角度を変更する。
【0040】
(2-1-5)室内ユニット10内の外気の給気経路と給気配管19
室内ユニット10内の給気経路は、給気配管19の内部と、給気配管19の吹出口19aを出た後、ケーシング11内から外の室内に至る部分に分かれる。
【0041】
給気配管19は、
図4に示す形状を有している。給気配管19の一端は、接続口19bである。接続口19bは、室外ユニット20と室内ユニット10を接続する給気配管35に接続する。給気配管19の他端は、吹出口19aである。吹出口19aは、室内ユニット10の左側に配置されており、室内熱交換器14に対向して配置されている。給気配管19の接続口19bと吹出口19aの間の中央部分は、扁平な形状をしており、室内ユニット10の左側面の近傍に配置されている。
【0042】
外気は、室外ユニット20において取り込まれ、給気配管35を経由して、室内ユニット10に入る。室内ユニット10の給気配管19を流れた空気は、吹出口19aから室内熱交換器14の方向に吹出される。
【0043】
給気をするときは、室外ユニット20の給気ファン54を回転させる。給気ファン54は、給気経路3の別の場所に配置されていても良い。たとえば、室内ユニット10に配置されていても良い。
【0044】
(2-2)室外ユニット20
室外ユニット20は、(1)全体構成で説明したとおり、加湿ユニット5と、室外冷媒回路ユニット6とを有している。室外冷媒回路ユニット6については、(1)全体構成で既に説明したので説明を省略し、以下に加湿ユニット5について説明する。
【0045】
(2-2-1)加湿ユニット5
本実施形態の空気調和機1は、加湿ユニット5を利用して、加湿運転、または、給気運転を行うことができる。言い換えると、加湿ユニット5は、外気を取り入れて室内に送り込む外気導入機能と、前記取り入れた外気を加湿する加湿機能と、を有する。
【0046】
加湿ユニット5は、加湿ユニット5内の給気経路58と、水分吸着用空気経路57と、を有している。加湿ユニット5内の給気経路58は、全体の給気経路3の一部である。
【0047】
加湿ユニット5は、加湿ロータ51と、ヒータ52と、給気ファン54と、吸着ファン59とを有している。給気ファン54と吸着ファン59は一台で共用されていても良い。
【0048】
水分吸着用空気経路57における空気の流れは次の通りである。室外ユニット20のケーシングの外の空気は、吸着ファン59の回転によって、ケーシングの吸着用空気取込口7aから取り込まれ、加湿ロータ51、吸着ファン59を通過して、吸着用空気排気口7bから、ケーシング外に排出される。
【0049】
加湿ロータ51は、ハニカム構造のセラミックロータであり、概ね円盤形状の外形を有している。また、加湿ロータ51は、回転可能に設けられており、ロータ駆動用モータによって回転駆動される。さらに、加湿ロータ51の主たる部分は、ゼオライト等の吸着剤から焼成されている。ゼオライト等の吸着剤は、接触する空気中の水分を吸着するとともに、吸着した水分を加熱されることによって脱着するという性質を有している。なお、本実施形態では、吸着剤としてゼオライトを用いているが、シリカゲルやアルミナ等を吸着剤として用いることも可能である。
【0050】
水分吸着用空気経路57においては、外気が加湿ロータ51を通過することにより、外気中の水分が、加湿ロータ51に吸着される。
【0051】
一方、加湿ユニット5内の給気経路58においては、空気の流れは次の通りである。室外ユニット20のケーシングの外の空気は、給気ファン54の回転によって、ケーシングの給気用空気取込口7cから取り込まれ、加湿ロータ51、ヒータ52、加湿ロータ51、給気ファン54を通過して、室外ユニット20と室内ユニット10を接続する給気配管35に至る。
【0052】
ヒータ52は、加湿ロータ51の上方に位置しており、加湿ロータ51に対向して配置されている。また、ヒータ52は、加湿ロータ51へ送られる空気を加熱することにより、加湿ロータ51を加熱することができる。
【0053】
以上をまとめ、本実施形態の空気調和機1の加湿運転を説明すると次の通りである。まず、水分吸着用空気経路57において、外気の水分が加湿ロータ51に吸着される。加湿ロータ51の水分吸着用空気経路57を通過している部分を水分吸着部51aと呼んでもよい。水分を吸着した加湿ロータ51は回転し、水分を吸着した部分が、給気経路58に移動する。給気経路58において、加湿用の空気が、ヒータ52によって加熱され、加湿ロータ51に吸着された水分を取り込み、給気経路58から、室内ユニット10へ送られる。加湿ロータ51の給気経路58を通過している部分を脱離部51bと呼んでもよい。
【0054】
このような加湿ロータ51の水分吸着脱離の機能を利用しなければ、加湿ユニットを単なる給気運転に用いるのは容易である。加湿運転を給気運転に変更するためには、吸着ファン59を停止させる、加湿ロータ51を停止または低速回転させる、ヒータ52で加熱しない、などの方法により、加湿しない給気運転とすることができる。
【0055】
(2-3)ガスセンサ15
本実施形態のガスセンサ15は、空気調和機1の室内ユニット10に配置されている。ガスセンサ15は、二酸化炭素(CO2)ガスセンサである。本実施形態の空気調和システム100は、CO2ガスセンサ15を備えているので、たとえば、室内を密閉した状態で空気の入れ替えをしないで冷暖房を行っていた場合に、CO2ガスセンサ15で室内のCO2ガス濃度を測定し、CO2ガス濃度が高い場合は、室内に、給気経路3を利用して外気を取り込み、室内のCO2ガス濃度を低下させるなどの対策をすることができる。
【0056】
ガスセンサ15は、光学式のガスセンサである。ガスセンサ15は、発光部と受光部とを有する。発光部は、赤外光を発する光源を含んでいる。受光部は、ディテクタとフィルタとを有する。ガスセンサの原理は、非分散赤外線吸収法である。原子間振動による分子エネルギーの共振により、ガス分子特有の周波数(波長)の光が吸収されることにより、ガス量を特定する。ガスセンサとしては、自己加熱サーミスタ方式のものであってもよい。
【0057】
ガスセンサ15は、
図3Aに示すように、ケーシング11の内側で、前面の近く、右端、上方に配置されている。ガスセンサ15の配置位置は、室内空気のガス濃度が測定できる位置であれば、特に限定されない。
【0058】
ガスセンサ15は、ガスセンサ15が配置された場所のガス濃度を測定する。本実施形態においては、ガスセンサ15は、空気調和機1の室内ユニット10のケーシング11内に配置されているので、床から、1.5m以上2m以下程度の室内空気のガス濃度を測定する。
【0059】
(2-4)制御部16
制御部16は、第1制御部16aと第2制御部16bとを有する。第1制御部16aは、室内ユニット10に配置されている。第2制御部16bは、室外ユニット20に配置されている。第1制御部16aと第2制御部16bは、制御部16として協働して空気調和システム100の各機器を制御する。第1制御部16aと第2制御部16bはそれぞれコンピュータを有する。第1制御部16aと第2制御部16bはそれぞれ、CPUと記憶部とを含んでいる。制御部16の制御の概略構成を示すブロック図を
図5に示す。制御部16は、空気調和機1による暖房運転、冷房運転、加湿運転、給気運転を制御する。制御部16は、四方切換弁23、圧縮機21、室外熱交換器用ファン26、室外膨張弁25、給気ファン54、加湿ロータ51、ヒータ52、吸着ファン59、室内ファン12、室内膨張弁17、ガスセンサ15を制御する。
【0060】
第1制御部16aは、
図3aに示すように、ケーシング11の内側で、右端の部分に配置されている。第1制御部16aは他の位置に配置されていても良い。
【0061】
(3)給気運転、および、加湿運転の制御方法
(3-1)給気運転の制御方法
本実施形態の空気調和システム100の給気運転についてさらに説明する。
【0062】
給気運転は、所定ガスのガス濃度に応じて実施される。給気運転は、ユーザの指示によって実施されてもよい。本実施形態においては、所定ガスはCO2(二酸化炭素)ガスである。ガスセンサ15は、CO2ガスセンサである。ガスセンサ15は、CO2ガスの濃度を測定し、測定結果を制御部16へ送る。制御部16は、取得したCO2ガスの濃度が所定の濃度以上のときに、給気運転を開始する。日本の戸外でのCO2ガスの濃度は、約410ppm(2018年)である。たとえば、測定したCO2ガスの濃度が1000ppm以上のときに、制御部16は、給気運転を開始する。
【0063】
給気運転においては、加湿ユニット5の給気ファン54を回転させることにより、室外ユニット20の給気用空気取込口7cから外気が取り込まれ、取り込まれた空気が、給気経路3を経由して、室内ユニット10から室内に供給される。
【0064】
給気運転の課題の1つは、室内ユニット10と室外ユニット20を結ぶ給気配管35において、結露水が発生することにより、給気配管内の比較的流速の早い空気(給気配管内は比較的管の内径が小さいため空気の流速が早くなる)と結露水が衝突して、異音が発生し、室内の空気調和機1のユーザに不快感を与えることがあることである。
【0065】
このような給気運転の課題に対応するため、必要に応じて、乾燥運転を行う。乾燥運転とは、給気配管35を乾燥させて結露水を取り除くための給気運転である。そのために、乾燥運転においては、ヒータ52によって、空気を加熱する。ヒータ52は、給気配管35を通過する空気を加熱すればよいのであって、加湿ユニット5内の給気経路58における別の位置に配置されたヒータであっても良い。
【0066】
給気運転において、乾燥運転を行う条件は、たとえば、(外気温-室温)が所定温度を超えているか否か、で判断する。所定温度とは、たとえば、3℃以上、10℃以下である。より具体的には、所定温度は、6℃である。制御部16は、(外気温-室温)が所定温度以下のときは、乾燥運転を行わない。通常の給気運転を行う。一方、制御部16は、(外気温-室温)が所定温度を超えるときは、乾燥運転を行う。
【0067】
(3-2)加湿運転の制御方法
本実施形態においては、加湿運転は、ユーザの指示で行う。ユーザの指示とは、より具体的には、たとえば、次の通りである。ユーザはリモートコントローラの加湿運転の入力ボタンを押す。リモートコントローラは赤外線通信によってユーザの命令を室内ユニット10に送る。制御部16はその命令を受け取り、加湿ロータ51等の各機器を制御する。加湿運転は、室内の湿度に応じて空気調和機1が自動で判断して実施してもよい。
【0068】
加湿運転は、「(2-2-1)加湿ユニット5」で説明したように、まず、吸着ファン59の回転によって、外気中の水分が加湿ロータ51に吸着される。次に、給気ファン54の回転よって、外気(空気)が取り込まれ、その空気がヒータ52で加熱され、加熱された空気が、加湿ロータ51に吸着された水分を含み、給気配管35から室内ユニット10、さらに室内へ送り出される。
【0069】
加湿運転においては、加湿準備運転は通常、必須である。加湿準備運転は、給気運転における乾燥運転と同様に、給気配管35を乾燥させて結露水を取り除くための給気運転である。加湿運転においては、空気の蒸気圧が高いため、給気配管35で結露する可能性が単なる給気運転より高く、より異音発生の可能性も高い。そのため、従来の空気調和機では、加湿運転において、必ず加湿準備運転を実施していた。
【0070】
(3-3)給気運転中の加湿運転の制御方法
本実施形態の給気運転中の加湿運転の制御方法について、
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0071】
まず、ここで、空気調和機1は、加湿運転を行っていないとする。暖房運転、冷房運転、除湿運転を行っているか否かは特に問わない。
【0072】
そして、ステップS101で、空気調和機1(制御部16)は、ユーザから加湿運転の指示を受ける。次に、ステップS102では、制御部16は、給気運転中か否かを判断する。給気運転中のときは、ステップS104へ進む。給気運転中で無いときは、ステップS103へ進む。ステップS103では、制御部16は、加湿準備運転を行う。言い換えると、ヒータ52をオンにして、給気ファン54をオンにし、給気配管35を乾燥させる運転(加湿準備運転)を行う。加湿準備運転が終了すると、次にステップS104に進む。
【0073】
ステップS104では、加湿運転を実施し、制御を終了する。
【0074】
図6に示す本実施形態のフローでは、給気運転中に制御部が加湿運転の指示を受けたときは、加湿準備運転を行わずに、いきなり加湿運転を実施する。加湿準備運転は、たとえば10分程度の時間を要する。したがって、加湿準備運転を行わないことにより、ユーザの加湿運転指示からすぐに加湿運転を実行することでユーザの快適性が向上する。
【0075】
(4)特徴
(4-1)
本実施形態の空気調和システム100は、室外ユニット20と、給気配管35と、制御部16と、ガスセンサ15とを備える。室外ユニット20は、外気を取り入れて加湿する加湿ユニット5を有する。給気配管35は、室外ユニット20で取り入れた外気を室内に搬送する。ガスセンサ15は、室内の所定ガスの濃度を測定する。
【0076】
本実施形態の空気調和機1(空気調和システム100)は、加湿運転が可能である。加湿運転は、加湿ユニット5によって加湿した外気を給気配管35を通して室内へ送る運転である。
【0077】
一方、制御部16は、ガスセンサ15から室内の所定ガスの濃度を取得する。取得した所定ガスの濃度が、所定範囲のときは、給気運転を行う。より具体的には、本実施形態では、所定ガスとは、CO2ガスであり、ガスセンサ15はCO2ガスセンサである。制御部16は、ガスセンサ15の測定したCO2ガス濃度が所定値を超えた場合には、給気運転を行う。給気運転は、加湿しない外気を給気配管を通して室内へ送る運転である。給気運転は、加湿ユニット5を利用する。
【0078】
空気調和システム100の制御部16は、同一の給気配管35と加湿ユニット5を利用して、加湿運転と給気運転を切換えて実行可能である。
【0079】
(4-2)
従来、加湿運転を行う空気調和機においては、給気配管を乾燥させる加湿準備運転を行ってから加湿運転を行っていた。加湿準備運転は、たとえば約10分の長時間を要している。本実施形態の空気調和システム100においては、給気運転中に加湿運転の指示を受けたときは、加湿準備運転を実施しない。給気運転中は、給気配管の乾燥を既に行っている、または、給気配管の乾燥の必要は無い、と考えられるからである。加湿準備運転をしないで、直ぐに加湿運転を行うことにより、ユーザの快適性が増す。
【0080】
(4-3)
本実施形態の加湿ユニット5は、水分吸着部51aおよび脱離部51bを含む加湿ロータ51を有する。加湿ロータ51の役割は、おもに加湿運転のためのものである。本実施形態の給気運転においては、加湿ロータ51を回転させた状態で行う。給気運転時の加湿ロータ51の回転速度は、0よりも大きく、加湿運転時の最低回転数以下である。
【0081】
本実施形態の空気調和システム100は、給気運転中も加湿ロータ51が回転を続けるため、加湿ロータ51の特定の領域だけに外気が通過して、特定の領域だけにごみが付着するのを避けられる。また、回転速度は低速であるので無駄なエネルギー消費は避けられる。
【0082】
(4-4)
本実施形態の加湿ユニット5は、加湿ロータ51を加熱するヒータ52をさら有する。
ヒータ52は、加湿ロータ51を加熱して、加湿ロータが吸着した水分を、給気する空気に含ませる役割を有する。制御部16は、加湿運転時にヒータ52をオンにし、給気運転時にヒータをオフにする。ただし、ヒータ52は、給気運転時においても、乾燥運転を行う場合には、利用する。言い換えると、乾燥運転時に、ヒータ52は空気を加熱し、加熱した空気を給気配管35に送ることによって、給気配管35を乾燥させる。
【0083】
(4-5)
本実施形態の加湿ユニット5は、加湿ロータ51に外気を導入して、加湿ロータ51に水分を吸着させるための吸着ファン59をさらに有する。制御部16は、加湿運転時には、吸着ファン59を回転させ、給気運転時には、吸着ファン59を停止させる。
【0084】
(4-6)
制御部16は、給気運転を実行する場合は、給気配管35の乾燥運転をするか否かを判断する。乾燥運転の判断は、外気温と室温の温度差に基づいて判断する。外気温と室温の温度差が所定温度を超えるときは、乾燥運転を実施し、外気温と室温の温度差が所定温度以下のときは、乾燥運転を実施しない。
【0085】
(4-7)
本実施形態の空気調和システム100は、加湿準備運転における給気量が、給気運転時の給気量よりも多い。
【0086】
(4-8)
本実施形態の空気調和システム100は、さらに、室内ユニット10を有している。室内ユニット10は給気配管35に接続されている。ガスセンサ15は、室内ユニット10に内蔵されている。
【0087】
ガスセンサ15は、室内ユニット10に内蔵されているので、制御部16との連携が取りやすい。
【0088】
(4-9)
本実施形態の空気調和システム100は、冷媒回路2を有しており、室内ユニット10は、室内熱交換器14を備えている。
【0089】
本実施形態の空気調和システム100は、加湿運転、給気運転に加えて、暖房運転、冷房運転などの空気調和運転を行うことができる。また、これら空気調和運転において、室内ファン12、フラップ18などを共用することができる。
【0090】
(5)変形例
(5-1)変形例1A
第1実施形態の空気調和システム100は、室内ユニット10のケーシング11の内部に、ガスセンサ15を配置していた。ガスセンサ15は、室内ユニット10または空気調和機1と別に配置されてもよい。
【0091】
変形例1Aの空気調和システム100aにおいては、
図7に示すように、ガスセンサ15aは、室内ユニット10aと別体である。ガスセンサ15aは、室内ユニット10aの第1制御部16aと無線通信可能である。ガスセンサ15aは、室内ユニット10aの第1制御部16aと有線通信可能であってもよい。ガスセンサ15aは、室内の所定ガスの濃度を測定する。ガスセンサ15aで測定した測定結果は、第1制御部16aに送信され、制御部16は、空気調和機1aの給気運転を制御する。
【0092】
変形例1Aでは、ガスセンサ15aが室内ユニット10aと別体であるので、室内でのガスセンサ15aの配置が比較的自由に選択できる。たとえば、部屋が寝室であるとき、ガスセンサ15aをよりユーザに近い位置に配置することができる。また、高価なガスセンサ15aを室内ユニット10aの後付で取り付けることもできる。
【0093】
(5-2)変形例1B
変形例1Aの空気調和システム100aにおいては、ガスセンサ15aは室内ユニット10aと別体であり、ガスセンサ15aは、室内ユニット10aの第1制御部16aと直接通信可能であった。変形例1Bの空気調和システム100bにおいては、
図8に示すように、ガスセンサ15bは室内ユニット10と別体である。ガスセンサ15bは、室内ユニット10bの第1制御部16aとネットワークを経由して通信可能である。ネットワークは、そのネットワーク上にサーバ40を有していてもよい。サーバ40は、プロセッサ401と記憶部402とを有している。サーバ40は、ガスセンサ15bの測定データを蓄積したり、ガスセンサ15bを制御したり、ガスセンサ15bの測定データを空気調和機1bに送信したりしてもよい。
【0094】
変形例1Bの空気調和機1bは、ネットワーク接続機能を有していれば、特別にガスセンサ15bとの接続機能を有していなくても、ガスセンサ15bの測定データを利用した空気調和機1bの制御が可能である。
【0095】
(5-3)変形例1C
第1実施形態の空気調和システム100は、給気運転において、乾燥運転を行う条件は、(外気温-室温)が所定温度を超えているか否か、で判断する。給気運転において、乾燥運転を行うか否かは、別の判断基準で判断しても良い。変形例1Cの空気調和システム100cは、給気配管35内の空気の湿度によって判断する。
【0096】
図9に示すように、変形例1cの空気調和システム100cは、給気配管35内に、湿度センサ36を配置している。湿度センサ36の配置位置は、給気配管35外であって、加湿ユニット5の給気経路58の中で、給気配管35の近傍であっても良い。いずれにしても、湿度センサ36の配置位置は、給気配管35内を通る空気の湿度を測定することが可能な位置であれば良い。
【0097】
変形例1Cの制御部16は、給気配管35内の湿度センサ36の測定値を受け取り、湿度に応じて、給気運転時の乾燥運転を行うか否かを判断する。
【0098】
なお、第1実施形態と変形例1Aは、別々に、外気温、室温と、給気配管35内の湿度から、給気運転時の乾燥運転を行うか否かを判断するが、この二つの判断基準を組み合わせて用いて、給気運転時の乾燥運転を行うか否かを判断してもよい。
【0099】
(5-4)変形例1D
変形例1Dの空気調和システム100dにおいては、制御部16は、第3制御部16cを含んでいる。第3制御部16cは、
図10に示すように、サーバ40dに配置されている。サーバ40dは、プロセッサ401dと記憶部402dとを有している。サーバ40dと、空気調和機1d、ガスセンサ15dとは、ネットワークを介して通信可能に接続されている。第3制御部16cは、ガスセンサ15dの測定した所定ガスの濃度に基づき、空気調和機1dの加湿運転および給気運転を制御する。
【0100】
このとき、第3制御部16cは、空気調和機1dの第1制御部16a、または/および、第2制御部16bを介して、空気調和機1dを制御しても良いし、直接、空気調和機1dを制御しても良い。
【0101】
(5-5)変形例1E
第1実施形態においては、給気ファン54は、加湿ユニット5に配置されていた。本開示はそれに限定されない。給気ファン54は、給気経路3に配置されていれば、別の位置に配置されていてもよい。変形例1Eにおいては、給気ファン54は室内ユニット10に配置されている。
【0102】
(5-6)変形例1F
第1実施形態では、ガスセンサ15としてCO2ガスセンサを用いる例について説明した。ガスセンサは、他のガスを測定するセンサであってもよい。変形例1Fでは、ガスセンサは、VOC(揮発性有機化合物)を測定するセンサである。VOCとしては、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、アセトアルデヒドのいずれか、または、その組み合わせである。
【0103】
またガスセンサは、IAQ(室内空気質)センサであってもよい。
【0104】
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0105】
1、1a、1b、1c 空気調和機
2 冷媒回路
3 給気経路
5 加湿ユニット
6 室外冷媒回路ユニット
10、10a、10b 室内ユニット
14 室内熱交換器
15、15a、15b ガスセンサ
16 制御部
19 室内給気配管
20 室外ユニット
35 給気配管
51 加湿ロータ
51a 水分吸着部
51b 脱離部
52 ヒータ
54 給気ファン
59 吸着ファン
100、100a、100b、100c 空気調和システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0106】