(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】調理器
(51)【国際特許分類】
A47J 43/046 20060101AFI20231220BHJP
A47J 43/07 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
A47J43/046
A47J43/07
(21)【出願番号】P 2020083154
(22)【出願日】2020-05-11
【審査請求日】2022-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 智美
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-087683(JP,U)
【文献】特開平06-269365(JP,A)
【文献】米国特許第04487509(US,A)
【文献】特開2018-079295(JP,A)
【文献】実公昭50-008213(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 42/00-44/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケーシング内にモーターを内装し、前記本体ケーシングの上面に形成された挿通孔から前記モーターの回転軸が上方から臨出する本体と、
前記本体に載置され、食材が投入される調理カップと、
前記モーターの回転軸に接続され、前記調理カップ内で回転する回転部材と、
を具
え、
前記本体ケーシングは、前記挿通孔の周囲に上排水孔が形成されており、
前記本体ケーシングの下面には、下排水孔が形成されており、
前記本体ケーシングの内部には、前記上排水孔から前記下排水孔に液体を誘導する排水経路が形成されている、
調理器であって、
前記排水経路は、
前記上排水孔の下方には、前記モーターの上面を覆い、一方向に傾斜した第1低位置部分が前記モーターの側縁よりも外側に飛び出しており、前記第1低位置部分に第1排水部が形成された第1水受け部材と、
前記モーターよりも下方に位置し、前記第1排水部の下方に配置され、一方向に傾斜した第2低位置部分が前記下排水孔の上方に位置すると共に第2排水部が形成された第2水受け部材と、
を具える、
調理器。
【請求項2】
前記モーターを制御する電装部品を有し、
前記第1排水部は、前記電装部品を避ける位置に形成される、
請求項
1に記載の調理器。
【請求項3】
前記本体ケーシングの下部には、電源プラグを有する電源コードを巻き取るコードリールが設けられており、
前記第2排水部は、前記コードリールの周縁よりも外側に形成されている、
請求項
1又は請求項
2に記載の調理器。
【請求項4】
前記本体ケーシングの下部には、電源プラグを有する電源コードを巻き取るコードリールが設けられており、
前記第2排水部は、前記コードリールに収容された前記電源プラグを避ける位置に形成される、
請求項
1乃至請求項
3の何れかに記載の調理器。
【請求項5】
前記本体ケーシングの内部には、内向きにフランジが形成されており、前記フランジには、前記下排水孔の上方にフランジ排水孔が形成されており、
前記下排水孔と前記フランジ排水孔は、縦壁に囲まれた閉空間により連通している、
請求項
1乃至請求項
4の何れかに記載の調理器。
【請求項6】
前記回転軸の先端には、前記挿通孔を覆う傘部を有する軸カバーが装着されており、
前記挿通孔の外周には、前記傘部の外周よりも内側に環状壁が形成されている、
請求項
1乃至請求項
5の何れかに記載の調理器。
【請求項7】
前記上排水孔は、前記挿通孔と前記環状壁との間に形成される、
請求項
6に記載の調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フードプロセッサーのように調理カップの内部で回転部材が回転する調理器に関するものであり、具体的には回転部材をモーターでダイレクトドライブする調理器の排水構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フードプロセッサーのような調理器では、食材を調理カップに入れて本体に載置し、調理カップ内で回転刃などの回転部材を回転させて、食材をみじん切り等に調理している。回転部材は、調理カップを載置する本体に内装され、回転部材の直下に配置されたモーターにより減速機構を介さずにダイレクトドライブする構造のものがある(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
モーターの回転軸は本体に形成された挿通孔を介して臨出しているから、食材に水分が多い或いは水や牛乳などの液体と共に食材を調理する場合、溢水時に液体が挿通孔をとおって本体内部に侵入してしまうことがある。その結果、本体内のモーターや制御基板などの電装部品が被水し、誤作動や故障の原因になることがある。
【0004】
そこで、特許文献1では、制御基板を防炎シートで覆い、本体内に侵入した水分に対して制御基板を保護するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ダイレクトドライブ構造の調理器の場合、調理カップの下方にモーターが位置しているから、モーターも被水してしまう。従って、制御基板のみならずモーターを含めた電装部品も被水から保護する必要がある。
【0007】
本発明の目的は、モーター等の電装部品の被水を防ぐ排水構造を具えたフードプロセッサーのような調理器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る調理器は、
本体ケーシング内にモーターを内装し、前記本体ケーシングの上面に形成された挿通孔から前記モーターの回転軸が上方から臨出する本体と、
前記本体に載置され、食材が投入される調理カップと、
前記モーターの回転軸に接続され、前記調理カップ内で回転する回転部材と、
を具えた調理器であって、
前記本体ケーシングは、前記挿通孔の周囲に上排水孔が形成されており、
前記本体ケーシングの下面には、下排水孔が形成されており、
前記本体ケーシングの内部には、前記上排水孔から前記下排水孔に液体を誘導する排水経路が形成されている、
【0009】
前記排水経路は、
前記上排水孔の下方には、前記モーターの上面を覆い、一方向に傾斜した第1低位置部分が前記モーターの側縁よりも外側に飛び出しており、前記第1低位置部分に第1排水部が形成された第1水受け部材と、
前記モーターよりも下方に位置し、前記第1排水部の下方に配置され、一方向に傾斜した第2低位置部分が前記下排水孔の上方に位置すると共に第2排水部が形成された第2水受け部材と、
を具える。
【0010】
前記モーターを制御する電装部品を有し、
前記第1排水部は、前記電装部品を避ける位置に形成することが望ましい。
【0011】
前記本体ケーシングの下部には、電源プラグを有する電源コードを巻き取るコードリールが設けられており、
前記第2排水部は、前記コードリールの周縁よりも外側に形成することが望ましい。
【0012】
前記本体ケーシングの下部には、電源プラグを有する電源コードを巻き取るコードリールが設けられており、
前記第2排水部は、前記コードリールに収容された前記電源プラグを避ける位置に形成することが望ましい。
【0013】
前記本体ケーシングの内部には、内向きにフランジが形成されており、前記フランジには、前記下排水孔の上方にフランジ排水孔が形成されており、
前記下排水孔と前記フランジ排水孔は、縦壁に囲まれた閉空間により連通している構成とすることが望ましい。
【0014】
前記回転軸の先端には、前記挿通孔を覆う傘部を有する軸カバーが装着されており、
前記挿通孔の外周には、前記傘部の外周よりも内側に環状壁が形成されていることが望ましい。
【0015】
前記上排水孔は、前記挿通孔と前記環状壁との間に形成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の調理器によれば、挿通孔に向かう液体を、上排水孔から排水経路を通じて下排水孔から排出できる構成としている。これにより、挿通孔から回転軸を伝ってモーターが被水することを防止できる。また、排水経路は、電装部品やコードリール、電源プラグを避ける経路とすることで、電装部品の被水も防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るフードプロセッサーの本体の斜視図である。
【
図2】
図2は、フードプロセッサーの本体の平面図である。
【
図3】
図3は、本体の内部構造を示す分解斜視図である。
【
図6】
図6は、上カバー及び中カバーを取り去った内部構造を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、上カバーを取り去った内部構造を示す平面図である。
【
図8】
図8は、内部構造の一部と下カバーを示す分解側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の調理器について図面を参照しながら説明を行なう。なお、以下では、調理器としてフードプロセッサーを例示して説明を行なうが、モーターにより回転部材をダイレクトドライブする調理器であれば、ミキサー等であってもよい。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態によるフードプロセッサーの調理カップが載置される本体10の斜視図、
図2は平面図、また、
図3は分解斜視図である。また、
図4は
図2の線A-Aに沿う断面図、
図5は
図2の線B-Bに沿う断面図、
図6、
図7、
図8は本体ケーシング11の一部を取り去った内部構造を示す斜視図、平面図、分解平面図である。
【0020】
フードプロセッサーの本体10は、図示のとおり、外装に円筒型の本体ケーシング11を有し、内部にモーター70を内装して構成される。モーター70は、本体ケーシング11の上面の略中央から上向きに回転軸71が突出しており、回転軸71の先端には、軸カバー72が装着されている。本体10には本体ケーシング11の上面に図示しない調理カップが載置され、軸カバー72は、調理カップ内で回転する回転刃などの回転部材と連繋可能となっている。
【0021】
本体ケーシング11は、本実施形態では、上向き凸形状の上カバー20と、上カバー20の下方に配備され、側部を覆う円筒型の中カバー40、中カバー40の下方で本体ケーシング11の底面を構成する下向き凸形状の下カバー60から構成している。
【0022】
上カバー20には、
図3や
図5に示すように、略中央に回転軸71が貫通する挿通孔21が開設されている。回転軸71の先端には、軸カバー72が装着されており、軸カバー72には回転部材が取り付けられる。軸カバー72は、軸カバー72を伝って挿通孔21や後述する上排水孔23に液体が侵入しないように、下方が広がった鍔部73を有する。
【0023】
中カバー40は、内部にモーター70が配置される。モーター70は、回転軸71が上向きに延び、上カバー20の挿通孔21から臨出する。モーター70の上部には、モーター70の上面を覆う上部材30が配備されている。上部材30には、挿通孔21の直下に回転軸71が挿通する上挿通孔31が形成されている。
【0024】
また、モーター70の下部にはモーター70を指示する下部材50が装着されている。中カバー40は内向きにフランジ41が形成されており、下部材50は中カバー40のフランジ41に固定している。中カバー40内には、モーター70の制御基板などの電装部品51が配置される。図示では、電装部品51として、下部材50の下側に制御基板を配置している。
【0025】
その他、
図4、
図6乃至
図8に示すように、モーター70の側部には、スイッチ手段90を具える。スイッチ手段90は、本体10に調理カップが載置された状態でのみモーター70の駆動を許容するスイッチであり、
図1に示すようにスイッチ手段90の一部が上カバー20に形成されたスイッチ孔22に嵌まっており、調理カップ側に形成された操作片によってスイッチ手段90を押圧することで、モーター70が駆動するようにしている。
【0026】
下カバー60は、皿状の部材であり、内部に電源コード80を巻回したコードリール81が収容されている。電源コード80は、先端に電源プラグ82を有し、電源プラグ82は下カバーに形成されたプラグ用凹部61から引き出し可能となっている。
【0027】
上記構成のフードプロセッサーの本体10には、本体10内を通る排水経路(R1~R4)が形成されている。排水経路は、上カバー20に形成された1又は複数の上排水孔23から、下カバー60に形成された下排水孔62に至る排水用の通路である。
【0028】
上排水孔23は、
図3及び
図5に示すように、上カバー20の挿通孔21の周縁に1又は複数形成される。図示の実施形態では、上排水孔23は4つである。上カバー20には、挿通孔21の縁部及び上排水孔23の外周側に挿通孔21と同心に環状壁24,25が上向きに突設されている。環状壁24,25は、上カバー20の上面に垂れ落ちた液体が、上排水孔23や挿通孔21に浸入することを防止する堤である。環状壁24,25を二重に形成しているのは、万一外側の環状壁25を超えて液体が浸入した場合であっても、環状壁24,25間に形成された上排水孔23に液体を誘導し、挿通孔21には到達しないようにするためである。外側の環状壁25を超えて侵入する液体は、
図3、
図5等に示すように、上排水孔23から矢印R1に示すように本体ケーシング11内に入る。
【0029】
上排水孔23の下方には、第1水受け部材33が配備されている。第1水受け部材33は、モーター70の上面を覆う上記した上部材30に形成している。上部材30には、上記のとおり回転軸71が挿通される上挿通孔31を有し、第1水受け部材33は、上挿通孔31を囲むように形成される。具体的には、
図3、
図5乃至
図8に示すように、第1水受け部材33は、底面が一方向に傾斜した形状であり、上排水孔23から落下した液体は第1水受け部材33に落下して勾配に沿って矢印R2のように移動する。
【0030】
第1水受け部材33は、上挿通孔31の外周に環状の立壁34を形成することが望ましく、また、上部材30の上面に第1水受け部材33を区画する立壁35を形成することが望ましい。これら立壁34,35により、液体は第1水受け部材33から溢水してしまうことを防止できる。
【0031】
第1水受け部材33は、上部材30から側方に向けて下向き勾配しており、モーター70の側縁よりも外側に最も低くなる第1低位置部位分36を有する。第1低位置部位分36は、
図5に示すように傾斜する第1水受け部材33の中で最も低くなっており、当該第1低位置部位分36には第1排水部37が形成される。第1水受け部材33に液体の残留を防止するためである。第1排水部37は、図示の実施形態では樋形状であり、第1水受け部材33に落下した液体は、第1水受け部材33の勾配により第1低位置部位分36まで移動し、第1排水部37から下方に落下する(矢印R2)。なお、第1排水部37は孔形状としても構わない。
【0032】
第1排水部37は、電装部品51やスイッチ手段90を避ける位置に形成することが望ましい。図示では、電装部品51を下部材50の下に配置することで、第1排水部37からの被水を防止している。また、第1排水部37は、スイッチ手段90に対して約90°以上ずれた位置に設けている。また、第1排水部37から落下する液体によって、電装部品51やスイッチ手段90が被水しないようにするためである。また、第1排水部37は、電源プラグ82やモーター70の起動コンデンサ52への被水を防止するために、下カバー60のプラグ用凹部61や起動コンデンサ52とは異なる向きに形成することが望ましい。
【0033】
第1排水部37の下方には、第2水受け部材53が配備されている。第2水受け部材53は、
図3乃至
図8に示すように、モーター70の下面を覆う上記した下部材50に形成している。下部材50は、モーター70の外周よりも外側に突出した部分を有しており、第1排水部37の下方に形成された突出部分に第2水受け部材53が形成されている。第2水受け部材53も底面が一方向に傾斜した形状であり、第1排水部37から落下した液体は、第2水受け部材53に落下して勾配に沿って移動する(矢印R3)。
【0034】
第2水受け部材53も、下部材50の上面に第2水受け部材53を区画する立壁54を形成することが望ましい。この立壁54により、液体は第2水受け部材53から溢水してしまうことを防止できる。
【0035】
第2水受け部材53は、
図3、
図6及び
図7に示すように、電源プラグ82及びプラグ用凹部61を避け、また、コードリール81の周縁よりも外側の位置に、最も低くなる第2低位置部分56が形成されている。そして、当該第2低位置部分56に第2排水部57が形成されている。第2水受け部材53に液体の残留を防止するためである。第2排水部57も図示の実施形態では樋形状であるが、孔形状であってもよい。
【0036】
第2水受け部材53の第2排水部57の下方は、図示の実施形態では中カバー40のフランジ41が位置している。フランジ41には、
図4に示すようにフランジ排水孔42が開設されている。
【0037】
また、下カバー60の底面には、前記フランジ排水孔42と連通する下排水孔62が形成されており、フランジ排水孔42から侵入した液体は、下排水孔62から排出される(矢印R4)。下排水孔62は、フランジ排水孔42の直下に形成することが望ましいが、位置がずれていても構わない。下カバー60は、底面にクッションゴムなどからなる脚部63を設けることで、下排水孔62が直接テーブルなどに当たらず、また、テーブルなどで塞がれることを防止でき、排水効率を高めることができる。
【0038】
さらに、フランジ排水孔42と下排水孔62は、縦壁64に囲まれた閉空間により連通する構成とすることが望ましい。これにより、第2排水部57から落下した液体は、フランジ排水孔42から閉空間に浸入して、下排水孔62から排出されるので、電源コード80、電源プラグ82、コードリール81等が被水することも防止できる。
【0039】
然して、上記構成の排水経路(R1~R4)を有するフードプロセッサーは、本体10の上部に調理カップを載置し、軸カバー72に回転刃が装着される。そして、調理カップ内に食材を投入して蓋をする。また、電源コード80をコードリール81から引き出し、電源プラグ82を商用電源に接続し、調理カップを下方に押し下げることで、スイッチ手段90が押下され、モーター70が駆動して回転刃がダイレクトドライブし、みじん切りなどの調理が行なわれる。
【0040】
調理カップには、固形の食材だけでなく、水分を多く含む食材、水、ミルク、スープなどの液体が投入される。調理カップ内の液体が零れてしまうことがある。本発明では、軸カバー72に鍔部73を形成して液体が挿通孔21の方に流れないようにすると共に、上排水孔23の外周側に外側環状壁25を形成している。しかしながら、一部の液体が外側環状壁25を超えてしまうことがある。外側環状壁25を超えた液体は、
図5中矢印R1で示すように、上排水孔23を通って落下する。なお、挿通孔21の外周には内側環状壁24が形成されているため、外側環状壁25を超えた液体は、内側環状壁24よりも外側に位置する上排水孔23に吸い込まれることになり、挿通孔21から本体10内に侵入しないので、回転軸71を伝ってモーター70が被水することを防止できる。
【0041】
そして、液体は、上排水孔23から第1水受け部材33に落下し、落下した液体は、
図5、
図7等に矢印R2で示すように、第1水受け部材33の傾斜に沿って流れ、第1排水部37から流れ出し、下方に落下する。第1排水部37は、
図7等に示すように、モーター70よりも外側に形成し、スイッチ手段90や電源プラグ82、起動コンデンサ52とは異なる方向に形成しており、さらには、電装部品51は下部材50の下に配置して上側を下部材50で覆った形態としているから、第1排水部37から落下した液体が、モーター70、電装部品51、起動コンデンサ52、スイッチ手段90、電源プラグ82やコードリール81を被水させることはない。
【0042】
続いて、第1排水部37から落下した液体は、第1排水部37の直下に形成された第2水受け部材53に落下する。第1排水部37と第2水受け部材53との間を管等で連繋することも可能であるが、第1排水部37の液体を自由落下させて第2水受け部材に到達させる構成とすることで、部品点数の削減、構造の簡略化を達成できる。
【0043】
落下した液体は、
図3、
図4、
図7等に矢印R3で示すように、第2水受け部材53の傾斜に沿って流れ、第2排水部57から流れ出して、下方に落下する。第2排水部57も第1排水部37と同様、電源プラグ82とは異なる方向に形成されており、コードリール81よりも外側に形成されているから、電源プラグ82、コードリール81等が被水することはない。また、電装部品51は、下部材50の下に配置されているから、第2排水部57からの被水を避けることができる。
【0044】
最終的に、第2排水部57から落下した液体は、
図4,
図5等に矢印R4で示すように、フランジ排水孔42を通って下排水孔62から本体10の下方に排出される。フランジ排水孔42と下排水孔62を縦壁64に囲まれた閉空間により連通する構成とすることで、フランジ排水孔42から侵入した液体が、コードリール81等を被水させることもない。
【0045】
上記のように、本発明のフードプロセッサー(調理器)は、本体10の上排水孔23から下排水孔62に向かう排水の経路を設けているから、万一本体10内に液体が浸入しても、モーター70や電装部品51等を被水させることなく排出できる。本発明は、回転軸71を伝ってモーター70側に液体が浸入することを防止できるから、とくにダイレクトドライブの調理器に好適に適用される。
【0046】
上記説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或いは範囲を限縮するように解すべきではない。また、本発明の各部構成は、上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【0047】
たとえば、排水経路は一例であり、上記実施形態に限定されるものではなく、その他の経路としても構わない。
【符号の説明】
【0048】
10 本体
11 本体ケーシング
21 挿通孔
23 上排水孔
33 第1水受け部材
37 第1排水部
53 第2水受け部材
57 第2排水部
62 下排水孔
70 モーター
R1~R4 排水経路