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特許7406135情報処理装置、探索履歴記憶方法及び探索履歴記憶プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、探索履歴記憶方法及び探索履歴記憶プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/58 20190101AFI20231220BHJP
【FI】
G06F16/58
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022064173
(22)【出願日】2022-04-07
(62)【分割の表示】P 2018071294の分割
【原出願日】2018-04-03
(65)【公開番号】P2022082767
(43)【公開日】2022-06-02
【審査請求日】2022-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】猪子 敏行
【審査官】齊藤 貴孝
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-151896(JP,A)
【文献】特開2010-252258(JP,A)
【文献】国際公開第2007/119784(WO,A1)
【文献】特開2004-289856(JP,A)
【文献】特開2002-157275(JP,A)
【文献】特開2007-183858(JP,A)
【文献】特開2005-165838(JP,A)
【文献】特開2009-231999(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0195515(US,A1)
【文献】特開2012-114531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
コンテンツに含まれる複数の画像のうち少なくとも1つを画面に表示させ、
長押し操作に基づいて第1機能を実行開始する際に表示されている第1画像を、前記長押し操作を行っている間、前記複数の画像のうち、前記画面に表示されている前記第1画像とは異なる画像に変更し
前記第1画像と、前記長押し操作をタッチオフする操作を受け付けた際に前記画面に表示されている第2画像とを関連付けて記憶する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、複数のユーザの各々から、第1画像に対して異なる第2画像を関連付ける関連情報を受け付けると、第1画像に対して複数の第2画像を関連付けて記憶させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、複数のユーザの各々について設定された重み付けに基づいて選択された少なくとも一つの第2画像を、前記複数の第2画像の中から第1画像に関連付けて記憶させる、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンテンツは、夫々1以上の画像を含む複数のページを含み、
前記プロセッサは、前記画面に第1画像を表示した状態から、第3操作を受け付けると、第1画像に関連付けられた第2画像を多く含むページを前記画面に表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、第1画像を起点として第2画像を前記画面に表示した状態から、第4操作を受け付けると、第2画像に関連付けられた第1画像を前記画面に表示させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、第1画像が前記画面に表示された場合、第1画像に関連付けられた第2画像があることを示す情報を報知させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、第5操作を受け付けると前記画面に表示されている前記コンテンツを所定の進行方向に進行させ、前記第5操作を受け付けた時点で前記画面に第1画像が表示されていた場合に、前記コンテンツを進行させる速度を、第2画像の近傍において低下させる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサが、コンテンツに含まれる複数の画像のうち少なくとも1つを画面に表示させ、
プロセッサが、長押し操作に基づいて第1機能を実行開始する際に表示されている第1画像を、前記長押し操作を行っている間、前記複数の画像のうち、前記画面に表示されている前記第1画像とは異なる画像に変更し
プロセッサが、前記第1画像と、前記長押し操作をタッチオフする操作を受け付けた際に前記画面に表示されている第2画像とを関連付けて記憶させる、
情報処理方法。
【請求項9】
プロセッサに、コンテンツに含まれる複数の画像のうち少なくとも1つを画面に表示させ、
プロセッサに、長押し操作に基づいて第1機能を実行開始する際に表示されている第1画像を、前記長押し操作を行っている間、前記複数の画像のうち、前記画面に表示されている第1画像とは異なる画像に変更させ
プロセッサに、前記第1画像と、前記長押し操作をタッチオフする操作を受け付けた際に前記画面に表示されている第2画像とを関連付けて記憶させる、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、探索履歴記憶方法及び探索履歴記憶プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータネットワークを介して携帯端末等の情報処理装置に配信されるウェブサイト(Webページ,Webサービス)やオンラインゲーム、アプリケーションソフトウェア(以下「アプリ」という。)等のオンラインサービスによる各種サービスが広く普及している。
【0003】
アプリには、例えば、配信されたマンガを閲覧するためのアプリや、画像を編集するためのアプリ等がある。このようなアプリには、画面に表示されているマンガの進行を先送りしたり戻したりする機能(フリップ機能)や、マンガの一部画像を切り取って加工する機能(トリミング)機能等、複数の機能が付加されている。ユーザは、これら複数の機能のうち、所望の機能を適宜選択してアプリに実行させる。
【0004】
ここで、コンテンツを再生するコンテンツ再生装置の機能として、特許文献1には、ある再生区間に付与されたコメントが、その他のシーンと関係していないかどうかを判定することが開示されている。このコンテンツ再生装置は、例えば、コメント情報に含まれている参照情報や、内容的な類似度が高い他のコメントが付加された再生区間の情報を用いて、その他のシーンと関係しているか判定するものであり、例えば、ミステリなどのコンテンツでは、問題解決シーンに付いたコメントと、その解決方法発見の伏線となっているシーンに付いたコメントとの内容類似度から、問題解決シーンについたコメントと、伏線のシーンとは参照関係がある、と判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-267173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されているコンテンツ再生装置は、ある再生区間がその他のシーンと関係しているかどうか、すなわち、その他のシーンがある再生区間の伏線であるかどうかを、ユーザが付与したコメントを用いて判定する。しかしながら、コメントを用いた判定はその文脈等を解析するため正確性に欠ける可能性があり、また、ユーザも伏線であると感じた場合にはその旨をコメント入力する必要があり利便性に欠ける。そこで、コンテンツのシーンに対する伏線をユーザが簡易に記憶させる処理の開発が望まれる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、コンテンツのシーンに対して関連すると思う画像をユーザが簡易に記憶手段に記憶させることができる、情報処理装置、探索履歴記憶方法及び探索履歴記憶プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理装置、探索履歴記憶方法及び探索履歴記憶プログラムは以下の手段を採用する。
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「情報処理装置」は、動画又は複数の静止画からなる前記コンテンツを画面に表示する情報処理装置であって、画面に表示されているコンテンツの進行を戻す戻し機能、又は前記コンテンツの進行を先送りする送り機能を実行する機能実行手段と、前記機能実行手段による機能の実行開始時に前記画面に表示された第1画像に対して、前記機能実行手段による機能の実行終了時に画面に表示された第2画像を関連付けて記憶手段に記憶するように制御する記憶制御手段と、を備える。
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「探索履歴記憶方法」は、動画又は複数の静止画からなる前記コンテンツを画面に表示する情報処理装置で行われる探索履歴記憶方法であって、画面に表示されているコンテンツの進行を戻す戻し機能、又は前記コンテンツの進行を先送りする送り機能を機能実行手段によって実行する第1工程と、前記機能実行手段による機能の実行開始時に前記画面に表示された第1画像に対して、前記機能実行手段による機能の実行終了時に画面に表示された第2画像を関連付けて記憶手段に記憶するように制御する第2工程と、を有する。
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の一態様である「探索履歴記憶プログラム」は、動画又は複数の静止画からなるコンテンツを画面に表示する情報処理装置が備えるコンピュータを、画面に表示されている前記コンテンツの進行を戻す戻し機能、又は前記コンテンツの進行を先送りする送り機能を実行する機能実行手段と、前記機能実行手段による機能の実行開始時に前記画面に表示された第1画像に対して、前記機能実行手段による機能の実行終了時に画面に表示された第2画像を関連付けて記憶手段に記憶するように制御する記憶制御手段と、して機能させる。
【0012】
上記「情報処理装置」には、以下に例示するように、種々の技術的限定を加えてもよい。また、同趣旨の技術的限定を、「探索履歴記憶方法」が実行する処理ステップや「探索履歴記憶プログラム」の機能に加えてもよい。
【0013】
前記コンテンツは、他の情報処理装置から配信され、前記記憶制御手段は、前記他の情報処理装置が備える前記記憶手段に前記第1画像と前記第2画像との関連を示す関連情報を記憶させる。
【0014】
前記関連情報を付加された前記コンテンツが前記他の情報処理装置から配信される。
【0015】
前記コンテンツに付加された前記関連情報に基づいて、前記画面の表示状態を前記第1画像を表示した状態から前記第1画像に関連付けられた前記第2画像を表示する状態に変化させる関連画像表示手段を備える。
【0016】
前記関連画像表示手段は、前記第1画像が前記画面に表示された場合、前記第1画像に関連付けられた前記第2画像の存在を示す報知を行う。
【0017】
前記関連画像表示手段は、前記第2画像を前記画面に表示した場合、前記画面に表示する画像を前記第1画像に戻すためにユーザによって操作される画像を前記画面に表示する。
【0018】
前記第1画像は、異なる複数の前記第2画像との関連付けが可能とされる。
【0019】
複数のユーザによって前記第1画像に複数の前記第2画像が関連付けられた場合、前記第1画像に関連付けられる前記第2画像が前記他の情報処理装置で実行される統計処理によって取捨選択される。
【0020】
前記第1画像と前記第2画像とを関連付けて前記記憶手段に記憶させる処理をユーザが選択するための選択画像が、前記画面に表示される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、コンテンツのシーンに対して関連すると思う画像をユーザが簡易に記憶手段に記憶させることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係るマンガ配信システムの構成図である。
図2】本発明の実施形態に係るサーバの電気的構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る携帯端末の電気的構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態に係る携帯端末に表示される機能画像を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る携帯端末のマンガ閲覧機能に関する機能ブロック図である。
図6】本発明の実施形態に係るマンガ閲覧処理の流れを示すフローチャートである。
図7】本発明の実施形態に係る探索履歴記憶処理の流れを示すフローチャートである。
図8】本発明の実施形態に係る伏線ジャンプ処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係る情報処理装置、探索履歴記憶方法及び探索履歴記憶プログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、一例として、サーバから情報処理装置である携帯端末へマンガを配信し、配信されたマンガをユーザが携帯端末を用いて閲覧する形態について説明する。
【0024】
[1.マンガ配信システムの構成]
図1は、本実施形態に係るマンガ配信システム1の概略構成図である。マンガ配信システム1は、通信回線2、複数の携帯端末3、及びサーバ4を含んで構成される。
【0025】
通信回線2は、コンピュータネットワークを形成するものであり、例えば、電気事業者によって提供される広域通信回線である。
【0026】
携帯端末3は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、ノートパソコン等の情報処理端末であり、通信回線2を介して配信されるウェブサービスをユーザが利用するために用いられる。携帯端末3は、画像を表示するタッチパネルディスプレイ3a、音を出力するスピーカー3b、音が入力されるマイク3c、及び被写体を撮像するカメラ3d等を備える。ここで、タッチパネルディスプレイ3aは、例えばLCD(Liquid Crystal Display)及びタッチセンサを備える。LCDは、各種画像を表示し、タッチセンサは、指、スタイラス、又はペン等の指示体を用いて行われる各種入力操作を受け付ける。
【0027】
サーバ4は、通信回線2を介して、携帯端末3へウェブサービスを配信する情報処理装置である。
【0028】
本実施形態に係るマンガ配信システム1は、デジタルデータとされたマンガをサーバ4から通信回線2を介して携帯端末3へウェブサービスの一つとして配信する。ここでいう、マンガとは、連続した複数の静止画像によって形成されるコンテンツの一例であり、複数の静止画像が絵で構成され、全体としてストーリー性を有するものである。ユーザは、携帯端末3へ配信されたマンガを専用のアプリケーションソフト(以下「マンガ閲覧アプリ」という。)を用いて閲覧する。マンガ閲覧アプリは、携帯端末3に予めインストールされている。また、マンガ閲覧アプリは、一例として、携帯端末3に対してページ単位でマンガを表示したり、ページ単位で表示されたマンガの拡大、縮小等も可能とする。なお、マンガ閲覧アプリは、マンガデータがサーバ4から携帯端末3にダウンロードされていれば、携帯端末3とサーバ4とが通信していない状態(オフライン状態)でも機能する。
【0029】
[2.サーバの構成]
図2は、本実施形態に係るサーバ4の電気的構成を示すブロック図である。
【0030】
本実施形態に係るサーバ4は、サーバ4全体の動作を司る主制御部であるCPU(Central Processing Unit)20、各種プログラム及び各種データ等が予め記憶されたROM
(Read Only Memory)22、CPU20による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)24、各種プログラム及び各種データを記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)26を備えている。
【0031】
HDD26は、携帯端末3に配信するマンガを示すマンガデータを記憶する。なお、記憶手段は、HDD26に限らず、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等の他の記憶媒体であってもよい。
【0032】
さらに、サーバ4は、キーボード及びマウス等で構成されて各種操作の入力を受け付ける操作入力部28、各種画像を表示する例えば液晶ディスプレイ装置等のモニタ30、通信回線2を介して携帯端末3等の他の情報処理装置等と接続され、他の情報処理装置等との間で各種データの送受信を行う外部インタフェース32を備えている。
【0033】
これらCPU20、ROM22、RAM24、HDD26、操作入力部28、モニタ30、及び外部インタフェース32は、システムバス34を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU20は、ROM22、RAM24、及びHDD26へのアクセス、操作入力部28に対する操作状態の把握、モニタ30に対する画像の表示、並びに外部インタフェース32を介した他の情報処理装置等との各種データの送受信等を各々行なうことができる。
【0034】
[3.携帯端末の電気的構成]
図3は、携帯端末3の電気的構成を示す機能ブロック図である。
【0035】
携帯端末3は、図1に示される構成に加え、主制御部40、主記憶部42、補助記憶部44、通信部46、及び操作ボタン48を備える。
【0036】
主制御部40は、例えば、CPU、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)等であり、携帯端末3の全体の動作を制御する。
【0037】
主記憶部42は、例えば、RAMやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成されており、主制御部40による各種プログラムに基づく処理の実行時のワークエリア等として用いられる。
【0038】
補助記憶部44は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリであり、画像等の各種データ及び主制御部40の処理に利用されるプログラム等を保存する。補助記憶部44に記憶されるプログラムは、例えば、携帯端末3の基本的な機能を実現するためのOS(Operating System)、各種ハードウェアを制御するためのドライバ、電子メールやウェブブラウジング、その他各種機能を実現するためのプログラム等である。また、補助記憶部44には、サーバ4から配信されたマンガをタッチパネルディスプレイ3aに表示させるためのマンガ閲覧アプリが予め記憶されている。
【0039】
通信部46は、例えばNIC(Network Interface Controller)であり、通信回線2に接続する機能を有する。なお、通信部46は、NICに代えて又はNICと共に、無線LAN(Local Area Network)に接続する機能、無線WAN(Wide Area Network)に接続する機能、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信、及び赤外線通信等を可能とする機能を有してもよい。
【0040】
操作ボタン48は、携帯端末3の側面に設けられ、携帯端末3を起動又は停止させるための電源ボタンやスピーカー3bが出力する音のボリューム調整ボタン等である。
【0041】
これら主制御部40、主記憶部42、補助記憶部44、通信部46、タッチパネルディスプレイ3a、スピーカー3b、マイクロフォン3c、カメラ3d、及び操作ボタン48は、システムバス49を介して相互に電気的に接続されている。従って、主制御部40は、主記憶部42及び補助記憶部44へのアクセス、タッチパネルディスプレイ3aに対する画像の表示、ユーザによるタッチパネルディスプレイ3aや操作ボタン48に対する操作状態の把握、マイクロフォン3cへの音の入力、スピーカー3bからの音の出力、カメラ3dに対する制御、及び通信部46を介した各種通信網や他の情報処理装置へのアクセス等を行える。
【0042】
[4.マンガ閲覧に関する各種機能]
ユーザは、サーバ4から配信されたマンガを、携帯端末3にインストールされたマンガ閲覧アプリを用いて閲覧する。このマンガ閲覧アプリには、種々の機能が搭載されており、ユーザは必要に応じて当該機能を選択してマンガ閲覧アプリに実行させる。以下では、ユーザがマンガ閲覧アプリの機能を選択し、実行させる場合について説明する。
【0043】
本実施形態に係るマンガ閲覧アプリは、ユーザが選択可能な機能を示す画像(以下「機能画像」という。)を、ユーザによるタッチパネルディスプレイ3a(画面3a)へのタッチ操作に応じて画面3aに表示する。そして、マンガ閲覧アプリは、ユーザが指示体を用いて機能画像を選択することにより、選択された機能画像に対応する機能を実行する。なお、以下の説明では、機能画像の表示に関する処理を機能画像表示処理といい、ユーザに選択された機能画像に対応する機能の実行を機能実行処理という。
【0044】
[4-1.機能画像の表示と機能の実行]
本実施形態に係る機能画像表示処理は、指示体を用いて画面3aが長押し(以下「第1長押し」という。)された場合に、第1長押し位置を基準位置として、機能画像を画面3aに表示する。なお、第1長押しとは、画面3aに対して指示体が接触していない状態から指示体が接触した状態となり、同じ位置での指示体の接触が所定時間以上継続された場合をいう。また、第1長押しがされた場合に画面3aに表示される機能画像は一つの機能画像だけではなく、各々異なる機能を示す複数の機能画像を有する機能画像グループであってもよい。また、第1長押しが行われる画面3a上の位置は限定されるものではない。すなわち、画面3aに表示される機能画像52の位置は、第1長押し位置に応じて変化する。
【0045】
図4は、第1長押し位置50Aと機能画像52との位置関係を示した図である。なお、図4の例は、表記がないもののマンガが画面3aに表示されている状態であり、表示されているマンガのページ又はコマは図4の右から左へスクロールする。すなわち、マンガは右から左に向けて進行する。
【0046】
本実施形態に係る機能画像表示処理は、画面3aに対する指示体(親指)の接触位置である第1長押し位置50Aを基準位置として複数の機能画像52を表示する。図4の例では、ユーザの親指が指示体とされており、この親指が第1長押しを行った画面3a上の位置を第1長押し位置50Aとする。そして、機能画像表示処理は、第1長押し位置50Aを基準位置(中心)とした四方(上下左右方向)に異なる4種類の機能画像52A,52B,52C,52Dを表示する。
【0047】
図4の例では、機能画像52Aは、第1長押し位置50Aの右側に表示され、画面3aに表示されているマンガの進行(ページ又はコマ)を所定速度で戻す戻し機能に対応している。機能画像52Bは、第1長押し位置50Aの左側に表示され、画面3aに表示されているマンガの進行を所定速度で先送りする送り機能に対応している。機能画像52Cは、詳細を後述する伏線ジャンプ機能に対応し、機能画像52Dは、詳細を後述する探索履歴記憶機能に対応している。
【0048】
ユーザが複数の機能画像52のうち何れかを選択する場合には、画面3aへの指示体の接触状態を保ちつつ、所望の機能画像52へ指示体を移動させる操作(以下「スライド操作」という。)を行う。そして、所望の機能画像52へ指がスライドされ、その状態を所定時間以上保つ第2長押しが行われた場合に、機能実行処理は当該機能画像52に対応する機能を実行する。なお、画面3aに対して第2長押しが行われた位置を第2長押し位置50Bという。
【0049】
なお、機能実行処理は、戻し機能に対応する機能画像52Aが第2長押しされている場合に、マンガの進行、換言するとページを所定速度で自動的に戻す。また、機能実行処理は、送り機能に対応する機能画像52Bが第2長押しされている場合に、マンガの進行(ページ)を所定速度で自動的に先送りする。
【0050】
そして、第2長押しを行っている指が画面3aから離間したり、第2長押しを行っている指が機能画像52からずれる等して、機能画像52に対する第2長押しが解除された場合、機能実行処理は実行している機能を停止する。なお、以下の説明において、ユーザが画面3aから指等の指示体を離間させることをタッチオフともいう。
【0051】
[4-2.探索履歴記憶機能]
本実施形態に係る探索履歴記憶機能は、マンガの進行を戻す戻し機能も有しており、戻し機能の実行開始時に画面3aに表示されたマンガのシーン(以下「原画像」という。)に対して、戻し機能の実行終了時に画面3aに表示されたシーン(以下「伏線画像」という。)を関連付けてサーバ4が備えるHDD26に記憶させるように制御する。
【0052】
すなわち、探索履歴記憶機能は、原画像に関連すると思われる伏線画像をユーザが探す
(探索する)ためにマンガの進行(ページ)を戻した履歴を自動的に記憶する機能である。なお、以下の説明では、原画像と伏線画像とを関連付けてサーバ4が備えるHDD26に記憶される情報を探索履歴情報という。
【0053】
なお、ユーザは、図4に示される機能画像52Dを長押し(第2長押し)することで、原画像と伏線画像とを関連付けてHDD26に記憶させる処理、すなわち探索履歴記憶機能を携帯端末3に実行させる。
【0054】
原画像及び伏線画像は、例えばマンガを構成するページやコマである。また、サーバ4に記憶される探索履歴情報は、必ずしも原画像及び伏線画像そのものである必要はなく、例えば、原画像及び伏線画像が含まれるマンガのページやコマの位置(座標)等である。
【0055】
ここで、本実施形態に係る探索履歴記憶機能の使用方法について説明する。ユーザは、探索履歴記憶機能が有する戻し機能を実行させることによってマンガの進行を戻し、伏線画像を発見するまで戻し機能の実行を継続させる。ユーザは、自身が伏線画像と考える画像が画面3aに表示された場合、指をタッチオフすることで戻し機能を終了させる。そして、探索履歴記憶機能は、戻し機能の実行開始時に画面3aに表示されているシーン(画像)を原画像とし、タッチオフされたタイミングで画面3aに表示されているシーン(画像)を伏線画像とし、これらを関連付けた探索履歴情報を通信部46を介してサーバ4へ送信し、サーバ4に記憶させる。
【0056】
このように、探索履歴記憶機能は、原画像と伏線画像とを画面3aに対するタッチ操作のみで関連付けてサーバ4に記憶させる。従って、ユーザは、マンガのシーンに対する伏線を簡易にサーバ4のHDD26に記憶させることが可能となる。
【0057】
なお、探索履歴情報を記憶させたユーザのID(identification、以下「ユーザID」という。)を当該探索履歴情報に付加(登録)してもよい。ユーザIDは、探索履歴情報を記憶させたユーザの許可を得た場合にのみ、付加されてもよい。
【0058】
また、サーバ4は、HDD26に記憶した探索履歴情報を対応するマンガに付加し、当該マンガをHDD26に記憶する。探索履歴情報が付加されたマンガは、サーバ4から携帯端末3へ配信される。このため、マンガ閲覧アプリは、サーバ4に探索履歴情報を記憶させたユーザだけでなく他のユーザにも、原画像に関連付けられた伏線画像を示すことができる。なお、マンガ閲覧アプリは、一例として、後述する伏線ジャンプ機能によってユーザに伏線画像を示す。
【0059】
このように探索履歴記憶機能は、携帯端末3に配信されるマンガに対して探索履歴情報を付加し、伏線ジャンプ機能によって探索履歴情報をサーバ4に記憶させたユーザだけでなく、他のユーザも利用可能とされるので、サーバ4から配信されるマンガはCGM(Consumer Generated Media)として形成されることとなる。
【0060】
また、探索履歴情報は、マンガ閲覧アプリを利用しているユーザであれば誰でもサーバ4へ記憶させることが可能である。このため、原画像と伏線画像との解釈がユーザによって異なる可能性があり、複数のユーザが探索履歴情報をサーバ4に記憶させることで、結果的に一つの原画像に対して異なる複数の伏線画像が関連付けられる場合もある。
【0061】
このような場合、複数のユーザによる探索履歴情報に基づいて、一つの原画像に対して異なる複数の伏線画像の関連付けが可能とされてもよい。この場合、サーバ4は、一つの原画像に異なる複数の伏線画像を関連付けて記憶させる。これにより、ユーザは、後述する伏線ジャンプ機能によって、原画像に対する複数の伏線画像を閲覧することが可能となる。なお、一つの原画像に対して異なる複数の伏線画像が関連付けられた場合の処理は、マンガの配信者が設定する。
【0062】
また、これに限らず、複数のユーザによって原画像に複数の伏線画像が関連付けられた場合、原画像に関連付けられる伏線画像がサーバ4で実行される統計処理によって取捨選択されてもよい。統計処理は、予め定められた条件によって原画像に関連付けられる伏線画像を選択する処理であり、例えば、多数決や、現在時刻から所定時間までという条件でフィルタリングする等である。
【0063】
多数決では、例えば、原画像に対して最も多く関連付けられている同一の伏線画像が、当該原画像に関連付けられる伏線画像であるとして決定される。フィルタリングでは、マンガの配信が開始されてから時間が経過するほど、ユーザは原画像に対してより正確な伏線画像を探索できると考えられるため、より古い探索履歴情報は統計処理から除外される。なお、多数決とフィルタリング、又はその他の条件が組み合わされてもよい。
【0064】
また、探索履歴情報に対してユーザによる重み付けを行ってもよい。例えば、マンガを多数読んでいるユーザや繰り返し同じマンガを読んでいるユーザの探索履歴情報の重みを重くし、当該ユーザの探索履歴が上位となるように統計処理が行われてもよい。
【0065】
また、複数の探索履歴情報に基づく統計処理によって選別された上位複数の伏線画像を原画像に関連付けてもよい。
【0066】
[4-3.伏線ジャンプ機能]
上述のように、サーバ4は、探索履歴情報が付加されたマンガを携帯端末3へ配信する。
【0067】
本実施形態に係る伏線ジャンプ機能は、配信されたマンガに付加された探索履歴情報に基づいて、画面3aの表示状態を原画像を表示した状態から、当該原画像に関連付けられた伏線画像を表示する状態に変化させる。すなわち、伏線ジャンプ機能は、画面3aの表示を、原画像に関連付けられた伏線画像に瞬時に変化させる。これにより、ユーザは、原画像に関連付けられた伏線画像を簡易に確認することができる。
【0068】
伏線ジャンプ機能は、原画像が画面3aに表示された場合、原画像に関連付けられた伏線画像の存在を示す報知を行ってもよい。当該報知は、例えば、原画像が画面3aに表示された場合に「伏線あり」とのメッセージを画面3aに表示したり、原画像を含むページやコマの輪郭を強調表示する等である。これにより、ユーザは、原画像が画面3aに表示されている場合、伏線を確認すべく画面3aに伏線画像を瞬時に表示させることができる。なお、「伏線あり」とのメッセージが画面3aに表示されている場合に、伏線ジャンプ機能に対応する機能画像52Cが画面3aに表示されてもよい。
【0069】
また、伏線ジャンプ機能は、指示体(ユーザの指)が機能画像52Cに接触した場合に画面3aに伏線画像を表示すると共に、戻るボタンを画面3aに表示する。この戻るボタンは、伏線ジャンプ機能が伏線画像を画面3aに表示した場合、画面3aの表示を原画像に戻すためにユーザによって操作される画像である。
【0070】
従って、画面3aに伏線画像が表示されている状態で戻るボタンがタッチされた場合、画面3aの表示は、伏線ジャンプ機能の実行開始時に戻される。すなわち、ユーザは、機能画像52Cをタッチすることで原画像に対応する伏線画像を確認し、その後、戻るボタンをタッチするだけで画面3aに元の画像(原画像を含む画像)に戻すことができるので、伏線ジャンプ機能の利便性が向上する。
【0071】
なお、マンガ閲覧アプリは、画面3aに伏線画像が表示されている状態で、指示体によるスライド操作に応じてマンガをスクロール可能とし、ユーザが伏線画像の前後のシーンを確認可能とする。また、マンガ閲覧アプリは、画面3aに伏線画像が表示されている状態で、画面3aに対して長押しされた場合に機能画像52を表示してもよい。
【0072】
また、伏線ジャンプ機能は、探索履歴情報にユーザIDが付加されている場合には、画面3aに伏線画像を表示すると共にユーザIDも表示する。これにより、伏線画像を確認するユーザは、当該伏線画像を記憶させたユーザが誰であるかを把握できる。
【0073】
また、一つの原画像に対して異なる複数の伏線画像が関連付けられている場合、伏線ジャンプ機能は、複数の伏線画像を順番に画面3aに表示させる。
【0074】
[4-4.戻し機能と伏線ジャンプ機能との組み合わせ]
【0075】
機能画像52Cを長押しした場合にのみ伏線ジャンプ機能を実行させるのではなく、機能画像52Aを長押しして実行させる戻し機能に伏線ジャンプ機能と同様の機能を付加してもよい。換言すると、戻し機能に伏線ジャンプ機能を組み合わせてもよい。
【0076】
この一例として、伏線画像が関連付けられている原画像を含むページを起点として、ユーザが機能画像52Aを長押しして戻し機能を実行することで、画面3aの表示を当該原画像に関連付けられた画像(伏線画像)が最も多いページに瞬時に戻してもよい。また、機能画像52Aの長押し時間が所定時間を超えて長い場合に、原画像に関連付けられた画像(伏線画像)が最も多いページに瞬時に戻してもよい。機能画像52Aの長押し時間が所定時間を超える場合には、ユーザが伏線画像を探していると想定されるためである。
【0077】
また、伏線画像が関連付けられている原画像を含むページを起点として、ユーザが機能画像52Aを長押ししてマンガの進行を戻す場合、当該原画像に関連付けられた伏線画像の近傍までマンガのページが戻ると、マンガを戻す速度を相対的に低下させてもよい。さらに戻し機能は、伏線画像に近づくに連れてその速度をより低下させてもよい。
【0078】
このように戻し機能に伏線ジャンプ機能を組み合わせることで、ユーザは、原画像に関連する伏線画像を自身で探す楽しみを得ることができ、かつ他のユーザが記憶させた伏線画像も知ることができる。なお、戻し機能に伏線ジャンプ機能を組み合わせるか否かは、設定の切り替えによってユーザが選択可能としてもよい。
【0079】
[5.マンガ閲覧機能の機能ブロック]
図5は、本実施形態に係る携帯端末3にインストールされたマンガ閲覧アプリが実行するマンガ閲覧機能に関する機能ブロック図である。携帯端末3が備える主制御部40は、マンガ表示制御部60、スクロール制御部62、機能画像表示部64、及び機能実行部66を備える。主制御部40が備える各機能によって実行される処理は、補助記憶部44に記憶されているプログラムによって実現される。
【0080】
マンガ表示制御部60は、サーバ4から配信されたマンガを画面3aに表示させる。
【0081】
スクロール制御部62は、画面3aに表示されるマンガを指示体による画面3aに対する操作に応じてスクロールさせる。
【0082】
機能画像表示部64は、ユーザが選択可能な機能を示す画像として機能画像52を画面3aに表示する。
【0083】
機能実行部66は、画面3aに表示されている機能画像52に指示体が接触した場合に、指示体が接触した機能画像52に対応した機能を実行する。具体的には、機能実行部66は、送り機能を実行する送り機能実行部70、戻し機能を実行する戻し機能実行部72、探索履歴記憶機能を実行する探索履歴記憶機能実行部74、伏線ジャンプ機能を実行する伏線ジャンプ機能実行部76、及び他の機能を実行する各種実行部を備える。
【0084】
[6.各処理のフローチャート]
以下では、マンガ閲覧機能によるマンガ閲覧処理、探索履歴記憶機能による探索履歴記憶処理、及び伏線ジャンプ機能による伏線ジャンプ処理の流れをフローチャートを用いて説明する。なお、探索履歴記憶処理及び伏線ジャンプ処理は、マンガ閲覧処理の一部として実行される。
[6-1.マンガ閲覧処理のフローチャート]
図6は、携帯端末3が備える主制御部40によって実行されるマンガ閲覧処理の流れを示すフローチャートである。
【0085】
まず、ステップ100では、サーバ4から配信されたマンガをマンガ表示制御部60が画面3aに表示させる。
【0086】
次のステップ102では、画面3aに対してユーザによるスクロール操作が行われたか否かをスクロール制御部62が判定し、肯定判定の場合はステップ104へ移行する。
【0087】
ステップ104では、ユーザのスクロール操作に応じてスクロール制御部62が画面3aに表示されているマンガをスクロールさせる。
【0088】
ステップ106では、画面3aに対して長押しが行われているか否かを機能画像表示部64が判定し、肯定判定の場合はステップ108へ移行し、否定判定の場合はステップ118へ移行する。
【0089】
ステップ108では、機能画像表示部64が機能画像52を画面3aに表示する。
【0090】
次のステップ110では、ユーザが機能画像52Dを長押し(第2長押し)したか否かを判定することによって、ユーザが探索履歴記憶機能を選択したか否かを探索履歴記憶機能実行部74が判定し、肯定判定の場合はステップ112へ移行する。一方、否定判定の場合はステップ114へ移行する。
【0091】
ステップ112では、探索履歴記憶処理(探索履歴記憶機能)を探索履歴記憶機能実行部74が実行する。
【0092】
ステップ114では、ユーザが機能画像52Cを長押し(第2長押し)したか否かを判定することによって、ユーザが伏線ジャンプ機能を選択したか否かを伏線ジャンプ機能実行部76が判定し、肯定判定の場合はステップ116へ移行する。一方、否定判定の場合はステップ118へ移行する。なお、本実施形態に係るマンガ閲覧処理では、画面3aに「伏線あり」とのメッセージが表示されている場合のみ、ユーザは伏線ジャンプ機能を選択できる。
【0093】
ステップ116では、伏線ジャンプ処理(伏線ジャンプ機能)を伏線ジャンプ機能実行部76が実行する。
【0094】
ステップ118では、画面3aに表示されているマンガが終了したか否かをマンガ表示制御部60が判定し、肯定判定の場合に本マンガ閲覧処理を終了し、否定判定の場合はステップ102へ移行し、マンガの表示を継続する。なお、一例として、マンガ表示制御部60は、画面3aに表示されているマンガがそれ以上スクロールできない場合にマンガが終了したと判定する。
【0095】
なお、図6に示すフローチャートでは、ユーザが探索履歴記憶機能及び伏線ジャンプ機能を選択した場合のステップを説明しているが、ユーザが戻し機能や送り機能等、他の機能を選択した場合にも機能実行部66が当該機能を適宜実行する。
【0096】
[6-2.探索履歴記憶処理のフローチャート]
図7は、上述したマンガ閲覧処理のステップ112で実行される探索履歴記憶処理の流れを示すフローチャートである。なお、探索履歴記憶処理は、上述したように探索履歴記憶機能実行部74によって実行される。
【0097】
まず、ステップ200では、原画像情報を取得する。具体的には、探索履歴記憶機能に対応する機能画像52Dをユーザが長押し(第2長押し)したタイミングで画面3aに表示されているページを原画像とし、探索履歴記憶機能実行部74が当該ページの番号を原画像情報として取得する。なお、これに限らず、第1長押しと重なるコマを原画像とし、当該コマを含むページの番号及びコマの位置が原画像情報として取得されてもよい。
【0098】
次のステップ202では、戻し機能を実行することによって、マンガの進行を戻す。このとき、画面3aに速度調節用のスライドバーが表示され、ユーザによる第2長押し操作に続くスワイプ操作の方向と大きさに応じて、戻りの速度を変化させてもよい。例えば、スライドバーに対して平行に右側へスワイプ操作を行うと、戻りの速度が相対的に速くなる。さらに、第2長押し位置50Bを基準に左側へスワイプ操作を行うことで送り機能が実行されてもよい。このような操作により、ユーザは、原画像に関係する伏線画像を探す。
【0099】
次のステップ204では、指示体が画面3aからタッチオフされたか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ206へ移行し、否定判定の場合はステップ202へ戻り、戻し機能の実行を継続する。
【0100】
次のステップ206では、タッチオフされたマンガのページの番号を伏線画像情報として取得する。なお、タッチオフされる直前に指示体が接触していたコマを伏線画像とし、当該コマを含むページの番号及びコマの位置が伏線画像情報として取得されてもよい。
【0101】
次のステップ208では、ステップ200で取得した原画像情報とステップ206で取得した伏線画像情報とを関連付けて探索履歴情報を生成する。
【0102】
次のステップ210では、探索履歴情報をサーバ4へ送信する処理を通信部46に実行させる。サーバ4へ送信された探索履歴情報は、HDD26へ記憶され対応するマンガを示すマンガデータに付加される。
【0103】
次のステップ212では、画面3aの表示を探索履歴記憶処理の実行開始時、すなわち原画像を含むページに戻し、本探索履歴記憶処理を終了する。
【0104】
[6-3.伏線ジャンプ機能のフローチャート]
図8は、上述したマンガ閲覧処理のステップ116で実行される伏線ジャンプ処理の流れを示すフローチャートである。なお、伏線ジャンプ処理は、上述したように伏線ジャンプ機能実行部76によって実行される。
【0105】
まず、ステップ300では、ユーザが選択した原画像に対応する伏線画像を示す伏線画像情報を取得する。具体的には、伏線ジャンプ機能に対応する機能画像52Cをユーザが長押し(第2長押し)したタイミングで画面3aに表示されているページを原画像とし、この原画像に関連付けられている伏線画像を示す伏線画像情報をマンガに付されている探索履歴情報から読み出す。
【0106】
次のステップ302では、伏線画像情報により示される伏線画像(伏線画像を含むページ)と共に戻るボタンを画面3aに表示する。すなわち、ステップ302では、画面3aの表示を原画像から伏線画像へ切り替える。なお、これに限らず、画面3aに表示されるマンガが原画像から伏線画像に変化することをユーザに明確に認識させるために、例えば、原画像から伏線画像に至るまでページの戻しを高速で行ってもよい。
【0107】
次のステップ304では、指示体が画面3aに表示されている戻るボタンをタッチしたか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ306へ移行し、否定判定の場合はステップ302へ戻り、伏線画像の表示を継続する。すなわち、戻るボタンへのタッチが行われるまで、画面3aには伏線画像が表示され続け、ユーザは伏線画像を確認することができる。
【0108】
ステップ306では、画面3aの表示を伏線ジャンプ処理の実行開始時、すなわち原画像を含むページに戻し、本伏線ジャンプ処理を終了する。
【0109】
以上説明したように、本実施形態に係るマンガ閲覧処理は、画面3aに表示されているマンガの進行を戻す戻し機能の実行開始時に画面3aに表示された原画像に対して、戻し機能の実行終了時に画面3aに表示された伏線画像を関連付けた探索履歴情報をサーバ4のHDD26に記憶させる。従って、マンガ閲覧処理は、マンガのシーンに対して関連すると思う画像、すなわち伏線をユーザが簡易にサーバ4に記憶させることを可能とする。
【0110】
また、本実施形態に係るマンガ閲覧処理は、マンガに付加された探索履歴情報に基づいて、画面3aの表示状態を原画像を表示した状態から当該原画像に関連付けられた伏線画像を表示する状態に変化させる。従って、マンガ閲覧処理は、原画像に関連付けられた伏線画像をユーザに簡易に確認させることができる。
【0111】
[7.他の実施形態]
以上、本発明を、上記各実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記各実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0112】
例えば、上記実施形態では、コンテンツをマンガとする形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、コンテンツを動画としてもよいし、コンテンツを文章で構成された小説等としてもよい。コンテンツを動画とした場合、原画像情報及び伏線画像情報は、各々動画開始からの経過時間とされる。
【0113】
また、上記実施形態では、探索履歴情報として原画像及び伏線画像のページ番号やコマの位置等を記憶させる形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、原画像や伏線画像を示す画像データそのものを探索履歴情報としてサーバ4に記憶させてもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、伏線ジャンプ機能として画面3aの表示を原画像から伏線画像に切り替える形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、新たにウインドウを画面3aに表示し、当該ウィンドウに伏線画像を表示してもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、マンガを閲覧したユーザの操作によって探索履歴情報がサーバ4に記憶され、マンガに付される形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、ユーザによる操作にかかわらず、マンガに予め探索履歴情報が付されていてもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、機能画像52Cが長押しされた場合に伏線ジャンプ機能を実行する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、伏線画像が関連付けられている原画像又は原画像を含むページを表示している画面3aをユーザが長押しした場合に、伏線ジャンプ機能が実行されてもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、画面3aに伏線画像が表示されている状態で戻るボタンがタッチされた場合に、画面3aの表示を伏線ジャンプ機能の実行開始時に戻す形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、指示体が機能画像52Cに接触(第2長押し)している場合にのみ伏線画像が表示されるとし、指示体が機能画像52Cからタッチオフした場合に画面3aの表示が伏線ジャンプ機能の実行開始時に戻されてもよい。すなわち、ユーザは、機能画像52Cをタッチすることで原画像に対応する伏線画像を確認し、その後、タッチオフするだけで画面3aに元の画像(原画像を含む画像)に戻すことができるので、伏線ジャンプ機能の利便性が向上する。
【0118】
また、伏線画像が画面3aに表示されている状態で、マンガの進行を送り又は戻すためのスライドバーが画面3aに表示されてもよい。そして、ユーザによる第2長押し操作に続くスワイプ操作の方向と大きさに応じて、画面3aに表示されている伏線画像を起点としてマンガの進行の送り又は戻しが可能とされる。これにより、ユーザは、伏線画像の前後のシーンを確認できる。
【0119】
また、上記実施形態では、探索履歴情報をサーバ4に記憶させる形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、探索履歴情報を携帯端末3の補助記憶部44に記憶させ、配信されたマンガに付加してもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、探索履歴情報を携帯端末3で生成する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、原画像の情報と伏線画像の情報を携帯端末3からサーバ4へ送信し、これらの情報に基づいてサーバ4が探索履歴情報を生成してもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、画面3aをタッチパネルディスプレイとする形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、画面3aをタッチパネルディスプレイでないLCD等とし、LCDにカーソルが表示され、当該カーソルをマウス等で操作することでマンガを閲覧してもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、戻し機能の実行開始時に画面3aに表示された第1画像(原画像)に対して、戻し機能の実行終了時に画面3aに表示された第2画像(伏線画像)を関連付けてサーバ4が備えるHDD26に記憶させる形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。送り機能の実行開始時に画面3aに表示された第1画像に対して、送り機能の実行終了時に画面3aに表示された第2画像を関連付けてサーバ4が備えるHDD26に記憶させてもよい。この形態の場合、第1画像が伏線画像であり、第2画像が原画像となる。
【0123】
また、サーバ4から配信されるマンガが、複数のマンガデータ、換言すると複数の単行本に分かれていてもよい。この形態の場合、原画像に対応する伏線画像が異なるマンガデータに含まれている場合、原画像に伏線画像を関連付けるために、探索履歴情報には伏線画像が含まれるマンガデータの識別情報(単行本の巻数を示す情報)が付加される。異なるマンガデータ(異なる単行本)に含まれる伏線画像を画面3aに表示させる場合には、当該マンガデータが補助記憶部44又はサーバ4から読み出される。
【0124】
さらに、上記実施形態で説明したマンガ閲覧処理、探索履歴記憶処理、伏線ジャンプ処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【符号の説明】
【0125】
3 携帯端末(情報処理装置)
3a 画面
4 サーバ(他の情報処理装置)
26 HDD(記憶手段)
52D 機能画像(選択画像)
64 機能画像表示部(機能画像表示手段)
70 送り機能実行部(機能実行手段)
72 戻し機能実行部(機能実行手段)
74 探索履歴記憶機能実行部(記憶制御手段)
76 伏線ジャンプ機能実行部(関連画像表示手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8