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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】手術照明のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/30 20160101AFI20231220BHJP
【FI】
A61B90/30
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019547699
(86)(22)【出願日】2018-03-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-02
(86)【国際出願番号】 US2018020495
(87)【国際公開番号】W WO2018160864
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2021-03-01
(31)【優先権主張番号】62/465,248
(32)【優先日】2017-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519294310
【氏名又は名称】ディグニティ・ヘルス
(73)【特許権者】
【識別番号】504261103
【氏名又は名称】ザ テキサス エー アンド エム ユニバーシティー システム
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】モーガン,クリントン
(72)【発明者】
【氏名】ナカジ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】パーク,スン イル
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/050244(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0033519(US,A1)
【文献】特開2008-099718(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0101342(US,A1)
【文献】特開2000-217844(JP,A)
【文献】国際公開第2010/007785(WO,A1)
【文献】特表2011-510445(JP,A)
【文献】国際公開第2016/025251(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0317005(US,A1)
【文献】国際公開第2014/013665(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0291195(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術領域の手術照明用装置であって、該装置は:
外層であって、生体適合性があり、変形可能で、形状記憶保持性を有する外層;
前記外層内に封入される基板であって、変形可能で、形状記憶保持性を有する基板;
前記基板に沿って取付けられる光源;
前記光源と結合される電源;及び
前記光源から発光するために前記電源を作動するように構成される起動機構
を含み、
前記装置は、前記手術領域内の組織に沿って保護バリアを提供するために、前記手術領域内に移動可能な配置で構成されている、装置。
【請求項2】
前記外層は、ポリジメチルシロキサンを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記外層周りに定位される更なる層であって、前記装置が、手術領域から移動可能なように、身体組織への係合を減少するために、スポンジ材料を含む更なる層、を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記基板は、フレキシブルプリント回路基板を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電源は、前記外層内に封入される使い捨ての電池を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記光源と前記電源とを結合する、絶縁層に囲まれた電気導管を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記光源、電源、起動機構、及び前記外層は、まとまって、手術領域に沿って定位される個別の発光要素を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記光源は、前記外層内に密封される複数の発光ダイオードを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記複数の発光ダイオードの第1発光ダイオードは、第1波長で発光し、前記複数の発光ダイオードの第2発光ダイオードは、第2波長で発光する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記複数の発光ダイオードは、手術領域に沿って集光照明を提供するために、前記外層内で所定の配置で定位される、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記外層又は前記光源に沿って形成される複数の放射線不透過性マーカを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記装置を手術領域から除去するように構成される、前記外層に結合される回収テザーを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記電源に結合されるアンテナであって、前記起動機構が、該電源を作動させて、前記光源から発光するために、無線周波数信号を前記アンテナに送信するように構成されるアンテナを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記電源を係合するためのリードスイッチであって、前記光源から発光するために、磁石に対応して前記電源を作動するように構成されるリードスイッチを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の、手術領域の手術照明用装置を形成する方法であって、該方法は:
手術領域を照明するように構成された光源を提供するステップ;
生体適合性があり、変形可能で、形状記憶保持性を有する、外層内に前記光源を密封するステップ;及び
前記光源を電源と結合するステップ
を含む方法。
【請求項16】
前記電源は、前記外層内に密封され、前記光源に隣接して位置する、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、手術処置中の照明領域に対する光源及び外層を画成する少なくとも1個の発光要素を含む、手術照明装置、及び関係する手術照明のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、従来の手術照明材料は、腔内部に定位され得る又は手術器具に取付けられ得る、解剖顕微鏡等の外部源から照明を提供する。照明手段を有する手術器具は、開創器、内視鏡、オルソスコープツール、吸引管等を含む。しかしながら、かかる従来の手段及び器具は、様々な手術処置中に適切な照明を提供しない。例えば、動脈瘤手術中等の深い手術アプローチは、唯一の光源が、身体外に位置する外部光源から成る低光量の条件下では、遥かに危険である。この例における視覚化は、限定され、傷害の危険性は、かなり増加する。別の例として、様々な神経系の処置は、深い切開を必要とするが、にもかかわらず、唯一の光源は、患者の外部に定位される顕微鏡光から成る場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
より一般的な手術処置も同様に、低光量条件に影響を受け易いことがある。また、腹腔鏡手術は、腹部内の光源のみが、内視鏡からの一点の光源であるという低光量条件を伴う。照明に関するそうした制限は、視界を限定する可能性があり、場合によっては、特定の処置を複雑化し得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
とりわけ、これらの知見を念頭に置いて、本開示の様々な態様は、想到され、開発された。
【0005】
対応する参照符号は、図面の各図中での対応する要素を示す。図式で使用される項目(heading)は、特許請求の範囲を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の態様による、手術照明用装置の簡略化されたブロック図である。
図2A】本開示の態様による、手術照明用装置の別の実施形態の平面図を示す説明図である。
図2B】本開示の態様による、図2Aの手術照明用装置の実施形態の複数の実施例の平面図である。
図3】本開示の態様による、複数の発光要素を含む手術照明用装置の別の実施形態の平面図を示すイラストである。
図4】本開示の態様による、埋め込み電池を有する個別の発光要素を画成する手術照明用装置の別の実施形態の平面図である。
図5】本開示の態様による、LEDテープを含む光源を画成する手術照明用装置の別の実施形態の平面図である。
図6】本開示の態様による、本明細書に記載された装置の実施形態のいずれかと共に使用するための光源の第1構成を図説する。
図7】本開示の態様による、本明細書に記載された装置の実施形態のいずれかと共に使用するための光源の第2構成を図説する。
図8】本開示の態様による、本明細書に記載された装置の実施形態のいずれかと共に使用するための光源の第3構成を図説する。
図9】本開示の態様による、本明細書に記載された装置の実施形態のいずれかと共に使用するための光源の第4構成を図説する。
図10】本開示の態様による、本明細書に記載された装置の実施形態のいずれかと共に使用するための光源の第5構成を図説する。
図11】本開示の態様による、複数の発光要素を使用する手術展開のための例示的な構成を図説する。
図12A】本開示の態様による、本明細書に記載された装置の実施形態のいずれかと共に使用するためのマスクレイアウトである。
図12B】本開示の態様による、図12Aのマスクレイアウトの断面図である。
図13A】本開示の態様による、本明細書に記載された装置の実施形態のいずれかと共に使用するための概略回路図である。
図13B】本開示の態様による、本明細書に記載された装置の実施形態のいずれかと共に使用するための概略回路図である。
図14A】本開示の態様による、本明細書に記載された装置の実施形態を形成するための1つの可能な加工フローを図説している。
図14B】本開示の態様による、本明細書に記載された装置の実施形態を形成するための1つの可能な加工フローを図説している。
図14C】本開示の態様による、本明細書に記載された装置の実施形態を形成するための1つの可能な加工フローを図説している。
図14D】本開示の態様による、本明細書に記載された装置の実施形態を形成するための1つの可能な加工フローを図説している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、手術照明器具、特に、発光要素を含む手術照明のための装置及び方法に関する。発光要素は、基板に沿って定位される光源、該光源を密封又は封入するための外層、光源に電力供給するための電源、及び手術領域を照らすために、電源から光源への電力を制御するための起動機構を画成する。幾つかの実施形態では、外層は、生体適合性があり、基板と外層の両方は、発光要素が様々な手術用途に適するように可鍛性がある。図面を参照すると、手術照明用装置の実施形態が図説されており、図1図14において、概して100、200、300、400、及び500として示されている。
【0008】
図1を参照すると、100で表された手術照明用装置の一実施形態は、発光要素102を含む。発光要素102は、本体104を画成し得、本体104は、0.2cmX0.2cm~4cmX4cmの範囲、又はそれ以上の寸法で形成され得る。幾つかの実施形態では、本体104は、マイクロメートル又はナノメートルスケールの寸法で形成され得る、或いは、異なる用途に対する所望に応じて、概ね極小(例えば、所定の数ミクロンの直径)とし得る。特定の一実施形態では、本体104は、概ね6mmの長さとし得る。幾つかの実施形態では、本体104は、立体的な略多角形、又は図示されたような長方形を、通常、画成し得るが、本明細書に記載されるような特定の照明機能を含む様々な手術用途により適する他の形状の形も取り得る。
【0009】
幾つかの実施形態では、本体104は、示されたように多層化され得る。具体的には、発光要素102の本体104は、本体104に沿って略中心位置に定位される基板106を画成し得る。幾つかの実施形態では、基板106は、略平坦な部材を含み得、該部材は、ポリイミドフィルム又は他の可撓性基板材料から、ポリイミドフィルムの表面に沿って複数の銅線又は他の導電線(図示せず)が形成された状態で、構成される。銅線は、基板106がフレキシブルプリント回路基板(PCB)として構成されるように所定のパターンで形成され得、基板106は、本明細書で更に記載されるような照明機能に適応するために、様々な電気部品(図1では図示されない、抵抗器、コンデンサ、スイッチ等)を画成し得る。
【0010】
本体104は、基板106に取付けられる、さもなければ基板106に沿って配置される光源108を、光源108が、基板106の電気部品(図1では図示せず)と電気通信する状態で、更に画成し得る。光源108は、発光ダイオード(LED)、LEDテープ、小型ハロゲン電球、無電極ランプ、低/高圧ナトリウム灯、蛍光灯、メタルハライドランプ、硫黄ランプ、白熱電球、放電ランプ、アーク灯、ガス放電ランプ等の中1個又は複数を含み得る。幾つかの実施形態では、光源108は、本体104の略中心に位置する照光層を画成する。光源108は、手術領域に内在する照明装置を提供するための様々な構成の形を取り得る。一態様では、光源108は、そのままでは暗い又は不十分に照明される恐れがある手術通路に対して、手術視野を改善するための、拡散照明を提供する。
【0011】
本体104は、光源108及び基板106の周りに定位される外層110を更に画成し得る。この様に、外層110は、光源108及び基板106が、外層110内に少なくとも部分的に又は全体的に封入されて、光源108を、身体組織又は体液等の外因子から保護するように、光源108及び基板106を密封する。外層110は、基板106及び光源108の周りに均一な表面を形成し、それにより、外層110の実装時に、基板106及び光源108が、本体104の略中心位置に沿って位置し得るように、該基板及び光源の境界付近に織編された非吸収性繊維等の、1層又は複数の層、或いは更なる層を含み得る。幾つかの実施形態では、外層110は、ポリジメチルシロキサン(PDMS:polydimethylsiloxane)を含む、及び/又は、プラスチック、アクリル、パリレンコーティング、スポンジ材料、及び/又はシリコーン重合体を含み得る。幾つかの実施形態では、外層110は、外層110が様々な手術及び医療用途に適し、且つ手術処置中に身体組織で使用するのに適し得るように、非吸収性(又は吸収性)、耐流体性、可撓性、絶縁、及び生体適合性とし得る。外層110は、基板106及び光源108の周りに織編され得る、又は蒸着若しくは他の同様の方法によって形成され得る。幾つかの実施形態では、発光要素102の外層110は、発光要素102が、スポンジ又は綿材料を含み得るように、1つ又は複数の手術用パテ(図示せず)を使用して形成され得る。例えば、光源108は、手術用パテ(図示せず)内に位置し得る。これらの実施形態では、外層110は、本明細書で更に記載されるように、流体管理又は他の手術機能を提供するための、組織上又は組織の周辺に置くのに適する、使い捨ての繊維パッドを、更に含み得る。主題の発光要素102の実施形態は、神経系外科手術で使用され、手術空洞に沿って位置して、照明を強化し得、且つ正常で健康な神経組織を、複雑な手術切開中に、該要素を非吸収性とすることで、保護し得る。
【0012】
また、幾つかの実施形態では、外層110は、発光要素102の外層110(及び、概して、本体104)が、変形可能であるように、又は所定の形状構成に変化されて、展開中に係る構成を一時的に保持し得るように、可鍛性がある記憶保持材料も含み得る。外層110のかかる柔軟性は、難しく、狭い、又は起伏のある手術領域に嵌合するように変形される発光要素102に適応し得、変形される発光要素102を、例えば、手術領域に沿って流体に対するバリアを提供するのに適する、異なる構成を成形可能にし得る。加えて、発光要素102は、更に、コンパクトな設計で事前にパッケージ化され得、それにより、一般的手術、泌尿器科手術、又は婦人科手術用途のための腹腔鏡検査、膀胱鏡検査、又は子宮鏡検査のポートを使用した発光要素102の展開が可能になる。特定の一実施例として、発光要素102は、例えば、腹部又は骨盤腔内の腹腔鏡ポート(図示せず)を通して展開するのに適する折り畳み構造でパッケージ化され得る。展開中、外層110は、発光要素102を、発光要素102の移動又は操作中にかかる機械力又は応力から、更に保護する。例えば、外層110は、光源108を絶縁するのに、及び光源108を、例えば、発光要素102を把持、変形、及び/又は手術領域に沿って移動するのに使用され得る鉗子若しくは他の手術器具によって発生する機械的剪断から保護するのに、適する。一実施形態では、外層110は、照明を増大するために、光源108上方に配列し得る1つ又は複数の窓を含み得る。
【0013】
幾つかの実施形態では、発光要素102は、本体104に沿って、又は装置100に沿った、装置100上の、若しくは装置100内の任意の場所に設置される、放射線不透過性マーカ112A及び112Bで表された、1つ又は複数の放射線不透過性マーカ112又はインジケータを更に含み得る。放射線不透過性マーカ112は、所望に応じて、外層110及び/又は基板106の表面等、本体104に沿った任意の場所に位置し得る。放射線不透過性マーカ112は、外科医が、X線像(図示せず)を使用して、発光要素102を追跡し、手術領域から回収可能にする。放射線不透過性マーカ112は、図示されたような本体104に沿った個々の箇所で画成され得る、或いは、本体104に沿って適用されるテープ状部材又は層に沿って画成され得る。一態様では、放射線不透過性マーカ112は、手術通路内で発光要素102を置き間違える危険性を軽減するのに役立ち得る。
【0014】
図1で更に示されるように、発光要素102の光源108は、電源114及び起動機構116に電気的に結合(有線又は無線で)され得る。電源114は、様々な形を取り得、例えば、充電式又は使い捨てである電池を含み得る。幾つかの実施形態では、電源114は、発光要素102内に組込まれ得る、又は発光要素102に沿って位置し得る。或いは、電源114は、発光要素102の外部に定位され得、例えば、発光要素102の展開中に手術領域の外側に位置し得る。起動機構116は、電源114から光源108への電力を制御するための、1個又は複数のスイッチ、又は同様の電気機械装置を含み得る。可能な起動機構116のスイッチとして、押しボタンスイッチ、ロッカースイッチ、スライドスイッチ、加減抵抗器、変圧器、可変抵抗器、固体半導体式調光器、又は異なるレベルの電流を光源108等に提供するための同様の装置が挙げられる。また、電源114は、起動機構116によって無線でもトリガされ得る。例えば、特定の一実施形態では、起動機構116は、リードスイッチを含み得、該リードスイッチは、基板106に沿って画成され、磁気源が、起動機構116付近に定位されると、電源114からの電力を作動及び/又は停止するように構成される。別の実施形態では、起動機構116は、1つ又は複数の無線周波数信号を受信した際に、起動機構116が、電源114から光源108への電力を制御し得るように、受信機又はアンテナを含み得る。更にまた、光源108(及び/又は、電源114)は、ハーベスタ及びアンテナ(図示せず)を使用して、増幅された無線周波数(RF)エネルギ又は「無線電力」で駆動され得る、又は基地局からの誘導結合で駆動され得る。
【0015】
幾つかの実施形態では、装置100は、回収テザー118を更に含み得、回収テザー118は、紐、ロープを含み得る、さもなければ、発光要素102に接続される略長尺部材を画成し得る。回収テザー118は、外層110と同様の生体適合材料から構成され得、必要に応じて回収テザー118を引くことによって、発光要素102を手術領域から、外科医が物理的に回収可能にし得る。加えて、他の実施形態では、回収テザー118は、光源108を電源114に電気的に結合するために、絶縁された電気導管を含み得る。より具体的には、回収テザー118は、電源114及び/又は外部電源を光源108に電気的に接続する絶縁層によって囲まれる1つ又は複数の導電性の層、線、又はワイヤを含み得る。
【0016】
図2Aを参照すると、装置200で表され、図1に記載された一般概念及び機能性に基づく装置の別の実施形態は、本体204を画成する発光要素202を含み得る。発光要素202の本体204は、本体204に沿って略中心位置に定位される基板206を画成し得る。幾つかの実施形態では、基板206は、略平坦な部材を含み得、該部材は、ポリイミドフィルム又は他の可撓性基板材料から、ポリイミドフィルムの表面に沿って複数の銅線又は他の導電線(図示せず)が形成された状態で、構成される。銅線は、基板206がフレキシブルPCBとして構成されるように所定のパターンで形成され得、基板206は、本明細書で更に記載されるような照明機能に適応するために、様々な電気部品(図示されない、抵抗器、コンデンサ、スイッチ等)を画成し得る。
【0017】
本体204は、光源208を更に画成し得、光源208は、基板206に取付けられ、結合され、支持される、さもなければ基板206に沿って定位される。装置200では、光源208は、図示されたように、基板206に沿って配置され、基板206の電気部品(図示せず)と電気通信する複数のLED208A~208Fを画成し得る。図示された実施例では、複数のLED208A~208Fは、示されたような直線列に配置され得るが、本開示は、この点において限定されない。
【0018】
本体204は、複数のLED208A~208F及び基板206の周りに定位される外層210を更に画成し得る。この様に、外層210は、光源208及び基板206を少なくとも部分的に又は全体的に封入して、光源208を、身体組織又は体液等の外因子から保護する。外層210は、均一な表面を形成し、基板206及び光源208を、本体204の略中心位置内に封入するために、例えば、該基板及び光源の境界付近に織編された非吸収性繊維を含む、1層又は複数の層を含み得る。幾つかの実施形態では、外層210は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む、及び/又は、プラスチック、アクリル、及び/又はシリコーン重合体を含み得る。外層210は、外層210が様々な手術及び医療用途に適するように、非吸収性(又は吸収性)、耐流体性、可撓性、絶縁、及び生体適合性とし得る。また、幾つかの実施形態では、外層210は、発光要素202の外層210(及び、概して、本体204)が、変形可能であるように、又は所定の形状構成に変化されて、展開中に係る構成を一時的に保持し得るように、可鍛性がある記憶保持材料も含み得る。幾つかの実施形態では、発光要素202の外層210は、発光要素202が、スポンジ又は綿材料を含み得るように、1つ又は複数の手術用パテ(図示せず)を使用して形成され得る。例えば、光源208は、手術用パテ内に位置し得る。これらの実施形態では、外層210は、本明細書で更に記載されるように、流体管理又は他の手術機能を提供するために、組織上又は組織の周辺に置くのに適する、使い捨ての繊維パッドを、更に含み得る。主題の発光要素202は、神経系外科手術で使用され、手術空洞に沿って位置して、照明を強化し、且つ正常で健康な神経組織を、複雑な手術切開中に、該要素を非吸収性とすることで、保護し得る。
【0019】
図2Aで更に示されるように、発光要素202の光源208は、電源214に電気的に結合され得、電源214は、発光要素202の外部にある電池の形で実装され得、3~9ボルトの電池とし得るが、本開示は、この点において限定されない。この様に、電源214は、発光要素202の展開中に手術領域の外側に位置し得る。更に図示されるように、電源214は、電気導管215を通して、光源208に電気的に結合され得る。幾つかの実施形態では、電気導管215は、絶縁層によって囲まれた1本又は複数の導電線を略画成し得る。
【0020】
幾つかの実施形態では、装置200は、基板206に沿って又は電源214に近接して、電源214及び/又は光源208に電気的に結合される起動機構216を含む。起動機構216は、電源214から光源208への電力を制御するための、1個又は複数のスイッチ、又は同様の電気機械装置を含み得る。可能な起動機構216のスイッチとして、押しボタンスイッチ、ロッカースイッチ、スライドスイッチ、加減抵抗器、変圧器、可変抵抗器、固体半導体式調光器、又は異なるレベルの電流を光源208等に提供するための同様の装置が挙げられる。また、電源214は、起動機構216によって無線でもトリガされ得る。例えば、特定の一実施形態では、起動機構216は、磁気源が、起動機構216付近に位置すると電源214からの電力を作動及び/又は停止するように構成されたリードスイッチを含み得る。別の実施形態では、起動機構216は、1つ又は複数の無線周波数を受信した際に、起動機構216が、電源214から光源208への電力を制御するよう構成されるように、受信機を含み得る。更にまた、光源208(及び/又は、電源214)は、増幅された無線周波数(RF)エネルギ又は「無線電力」で駆動され得る、又は基地局からの誘導結合で駆動され得る。
【0021】
装置200は、図1に図説された更なる態様を含み得る。幾つかの実施形態では、例えば、装置200は、本体204又は電気導管215に沿って配置される、1つ又は複数の放射線不透過性マーカ(図示せず)を更に含み得る。加えて、図1で図説された回収テザー118と同様のテザー(図示せず)は、本体204に沿って画成され得る。一例として、図2Bは、展開前の、1組の装置200を図説している。
【0022】
図3を参照すると、300で表され、図1に記載された一般概念及び機能性に基づく装置の別の実施形態は、第1本体304Aを画成する第1発光要素302A、第2本体304Bを画成する第2発光要素302Bを含み得、それにより第1発光要素302A及び第2発光要素302Bは、鎖状構成で定位される。第1発光要素302Aの第1本体304Aは、第1本体304Aに沿った略中心位置に定位される第1基板306Aを画成し得る。同様に、第2発光要素302Bの第2本体304Bは、第2本体304Bに沿った略中心位置に定位される第2基板306Bを画成し得る。幾つかの実施形態では、基板306A及び306Bは其々、略平坦な部材を画成し得、該部材は、ポリイミドフィルム又は他の可撓性基板材料から、ポリイミドフィルムの表面に沿って複数の銅線又は他の導電線(図示せず)が形成された状態で、構成される。銅線は、基板306A及び306BがフレキシブルPCBとして構成されるように所定のパターンで形成され得る。加えて、基板306A及び306Bは、本明細書で更に記載されるような照明機能に適応するために、様々な電気部品(図示されない、抵抗器、コンデンサ、スイッチ等)を画成し得る。
【0023】
装置300は、第1基板306Aに取付けられる、さもなければ第1基板306Aに沿って定位される複数のLED308A~308F、及び第2基板306Bに取付けられる、さもなければ第2基板306Bに沿って定位される複数のLED308G~308Lとして表される、光源308を画成し得る。図示された実施例では、複数のLED308A~308F及び複数のLED308G~308Lは、示されたような直線列に配置され得るが、本開示は、この点において限定されない。
【0024】
第1本体304Aは、複数のLED308A~308F及び第1基板306Aの周りに位置する外層310Aを更に画成し得る。この様に、外層310Aは、複数のLED308A~308F及び第1基板306Aを、少なくとも部分的に又は全体的に封入して、複数のLED308A~308Fを、身体組織又は体液等の外因子から保護する。加えて、外層310Aは、均一な表面を形成し、第1基板306A及び複数のLED308A~308Fを、第1本体304Aに沿って略中間位置内に封入するために、例えば、該基板及びLEDの境界付近に織編された非吸収性繊維を含む、1層又は複数の層を含み得る。幾つかの実施形態では、外層310Aは、PDMSを含む、及び/又は、プラスチック、アクリル、及び/又はシリコーン重合体を含み得る。外層310Aは、外層310Aが様々な手術及び医療用途に適するように、非吸収性(又は吸収性)、耐流体性、可撓性、絶縁、及び生体適合性とし得る。また、幾つかの実施形態では、外層310Aは、第1発光要素302Aの外層310A(及び、概して、第1本体304A)が、変形可能であるように、又は所定の形状構成に変化されて、展開中に係る構成を一時的に保持し得るように、可鍛性がある記憶保持材料も含み得る。
【0025】
加えて、第2本体304Bは、複数のLED308G~308L及び第2基板306Bの周辺に位置する外層310Bを更に画成し得る。この様に、外層310Bは、複数のLED308G~308L及び第2基板306Bの両方を少なくとも部分的に又は全体的に封入して、複数のLED308G~308Lを、身体組織又は体液等の外因子から保護する。外層310Bは、均一な表面を形成し、第2基板306B及び複数のLED308G~308Lを、第2本体304Bに沿って略中間位置内に封入するために、例えば、該基板及びLEDの境界付近に織編された非吸収性繊維を含む、1層又は複数の層を含み得る。幾つかの実施形態では、外層310Bは、PDMSを含む、及び/又は、プラスチック、アクリル、及び/又はシリコーン重合体を含み得る。外層310Bは、外層310Bが様々な手術及び医療用途に適するように、非吸収性、耐流体性、可撓性、絶縁、及び生体適合性とし得る。また、幾つかの実施形態では、外層310Bは、第2発光要素302Bの外層310B(及び、概して、第2本体304B)が、変形可能であるように、又は所定の形状構成に変化されて、展開中に係る構成を一時的に維持し得るように、可鍛性がある記憶保持材料も含み得る。幾つかの実施形態では、外層310A又は外層310Bは、発光要素302A及び302Bが、スポンジ又は綿材料を含み得るように、1つ又は複数の手術用パテ(図示せず)を使用して形成され得る。例えば、発光要素302A及び302B其々は、手術用パテ(図示せず)内に位置し得る。これらの実施形態では、外層310A又は外層310Bは、本明細書で更に記載されるように、流体管理又は他の手術機能を提供するために、組織上又は組織の周辺に置くのに適する、使い捨ての繊維パッドを、更に含み得る。
【0026】
更に図示されるように、装置300の光源308は、電源314に電気的に結合され得、電源314は、第1発光要素302A及び第2発光要素302Bの外部にある電池の形で実装され得、3~9ボルトの電池とし得るが、本開示は、この点において限定されない。この様に、電源314は、第1発光要素302A及び第2発光要素302Bの展開中に手術領域の外側に位置し得る。更に図示されるように、電源314は、電気導管315を通して、光源308に電気的に結合され得る。電気導管315は、絶縁層によって囲まれた1本又は複数の導電線を略画成し得る。より具体的には、電気導管315は、鎖状構成を作製し、電力へのアクセスを電源314及び第2発光要素302Bから第1発光要素302Aへと延伸するために、第1発光要素302A及び第2発光要素302Bに沿って電気的に結合され得る。他の実施形態では、電源314は、図示されたような直列よりは、並列で接続され得る。幾つかの実施形態では、第1発光要素302A及び第2発光要素302Bの其々は、個々の各電源(図示せず)に結合され得る。
【0027】
幾つかの実施形態では、装置300は、第1基板306A及び/又は第2基板306Bに沿って、或いは電源314に近接して、電源314及び/又は光源308に電気的に結合される、1つ又は複数の起動機構316を含む。起動機構316は、電源314から光源308への電力を制御するための、1個又は複数のスイッチ、又は同様の電気機械装置を含み得る。可能な起動機構316のスイッチとして、押しボタンスイッチ、ロッカースイッチ、スライドスイッチ、変圧器、可変抵抗器、又は固体半導体式調光器を含む調光装置等が挙げられる。また、電源314は、起動機構316によって無線でもトリガされ得る。例えば、特定の一実施形態では、起動機構316は、磁気源が、起動機構316付近に定位されると、電源314からの電力を作動及び/又は停止するように構成されたリードスイッチを含み得る。別の実施形態では、起動機構316は、1つ又は複数の無線周波数を受信した際に、起動機構316が、電源314から光源308への電力を制御するよう構成されるように、受信機を含み得る。更にまた、光源308(及び/又は、電源314)は、増幅されたRFエネルギ又は「無線電力」で駆動され得る、又は基地局からの誘導結合で駆動され得る。
【0028】
装置300は、図1に図説された更なる態様を含み得る。幾つかの実施形態では、例えば、装置300は、第1発光要素302A、第2発光要素302B、又は電気導管315に沿って配置される、1つ又は複数の放射線不透過性マーカ(図示せず)を更に含み得る。加えて、図1で図説された回収テザー118と同様のテザー(図示せず)は、装置300に沿って画成され得る。
【0029】
図4を参照すると、400で表され、図1に記載された一般概念及び機能性に基づく装置の別の実施形態は、本体404を画成する発光要素402を含み得る。発光要素402の本体404は、本体404に沿って略中心位置に定位される基板406を画成し得る。幾つかの実施形態では、基板406は、略平坦な部材を画成し得、該部材は、ポリイミドフィルム又は他の可撓性基板材料から、ポリイミドフィルムの表面に沿って複数の銅線又は他の導電線(図示せず)が形成された状態で、構成される。銅線は、基板406がフレキシブルPCBとして構成されるように所定のパターンで形成され得る。加えて、基板406は、本明細書で更に記載されるような照明機能に適応するために、様々な電気部品(図示されない、抵抗器、コンデンサ、スイッチ等)を画成し得る。
【0030】
本体404は、基板406に取付けられる、又はそうでなければ基板406に沿って定位される光源408を更に画成し得る。装置400では、光源408は、図示されたように、基板406に沿って配置され、基板406の電気部品(図示せず)と電気通信する、408A~408Fで表された1個又は複数のLEDを含み得る。図示された実施例では、複数のLED408A~408Fは、示されたような直線列に配置され得るが、本開示は、この点において限定されない。
【0031】
本体404は、複数のLED408A~408F及び基板406周りに定位される外層410を更に画成し得る。この様に、外層410は、光源408及び基板406を少なくとも部分的に又は全体的に密封して、光源408を、身体組織又は体液等の外因子から保護する。外層410は、均一な表面を形成し、基板406及び光源408を、本体404の略中間位置内に封入するために、例えば、該基板及び光源の境界付近に織編された非吸収性繊維を含む、1層又は複数の層を含み得る。幾つかの実施形態では、外層410は、PDMSを含む、及び/又は、プラスチック、アクリル、及び/又はシリコーン重合体を含み得る。外層410は、外層410が様々な手術及び医療用途に適するように、非吸収性(又は吸収性)、耐流体性、可撓性、絶縁、及び生体適合性とし得る。また、幾つかの実施形態では、外層410は、発光要素402の外層410(及び、概して、本体404)が、変形可能であるように、又は所定の形状構成に変化されて、展開中に係る構成を一時的に保持し得るように、可鍛性がある記憶保持材料も含み得る。幾つかの実施形態では、発光要素402の外層410は、発光要素402が、スポンジ又は綿材料を含み得るように、1つ又は複数の手術用パテ(図示せず)を使用して形成され得る。例えば、光源408は、手術用パテ内に位置し得る。これらの実施形態では、外層410は、本明細書で更に記載されるように、流体管理又は他の手術機能を提供するために、組織上又は組織の周辺に置くのに適する、使い捨ての繊維パッドを、更に含み得る。主題の発光要素402は、神経系外科手術で使用され、手術空洞に沿って位置して、照明を強化し、且つ正常で健康な神経組織を、複雑な手術切開中に、該要素を非吸収性とすることで、保護し得る。
【0032】
更に示されるように、発光要素402の光源408は、電源414に電気的に結合され得、電源414は、3~9ボルト電池の形で実装され得るが、本開示は、この点において限定されない。装置400のこの実施形態では、電源414は、発光要素402に沿って位置し得、外層410内に組込まれ、例えば、基板406に取付けられ得る。この様に、発光要素402は、略個別になっており、発光要素の適用時は、無線となる。
【0033】
幾つかの実施形態では、装置400は、基板406に沿って又は電源414に近接して、電源414及び/又は光源408に電気的に結合される起動機構416を更に含む。起動機構416は、電源414から光源408への電力を制御するための、1個又は複数のスイッチ、又は同様の電気機械装置を含み得、該装置は、基板406に沿って画成され得る。可能な起動機構416のスイッチとして、押しボタンスイッチ、ロッカースイッチ、スライドスイッチ、加減抵抗器、変圧器、可変抵抗器、固体半導体式調光器、又は異なるレベルの電流を光源408等に提供するための同様の装置が挙げられる。また、電源414は、起動機構416によって無線でもトリガされ得る。例えば、特定の一実施形態では、起動機構416は、磁気源が、起動機構416付近に位置すると電源414からの電力を作動及び/又は停止するように構成されたリードスイッチを含み得る。別の実施形態では、起動機構416は、1つ又は複数の無線周波数を受信した際に、起動機構416が、電源414から光源408への電力を制御するよう構成されるように、受信機を含み得る。更にまた、光源408(及び/又は、電源414)は、増幅されたRFエネルギ又は「無線電力」で駆動され得る、又は基地局からの誘導結合で駆動され得る。
【0034】
装置400は、図1に図説された更なる態様を含み得る。幾つかの実施形態では、例えば、装置400は、本体404に沿って配置される、1つ又は複数の放射線不透過性マーカ(図示せず)を更に含み得る。加えて、図1で図説された回収テザー118と同様のテザー(図示せず)は、本体404に沿って画成され得る。
【0035】
図5を参照すると、500で表され、図1に記載された一般概念及び機能性に基づく装置の第5実施形態は、本体504を画成する発光要素502を含み得る。発光要素502の本体504は、基板506を画成し得、基板506は、略長尺で平坦な部材であり、該部材は、ポリイミドフィルム又は他の可撓性基板材料から、ポリイミドフィルムの表面に沿って複数の銅線又は他の導電線(図示せず)が形成された状態で、構成される。銅線は、基板506がフレキシブルPCBとして構成されるように所定のパターンで形成され得、基板506は、本明細書で更に記載されるような照明機能に適応するために、様々な電気部品(図示されない、抵抗器、コンデンサ、スイッチ等)を画成し得る。
【0036】
本体504は、基板506に取付けられる、又はそうでなければ基板506に沿って定位される光源508を更に画成し得る。装置500では、光源508は、基板506の電気部品(図示せず)と電気通信するLEDストリップライト又はLEDテープを画成し得る。幾つかの実施形態では、光源508は、装置500にとって望ましい用途に応じて、異なる形状、寸法、及び電力レベルを含み得る、表面実装LED又は表面実装装置(SMD:surface mounted device)のLEDを含み得る。
【0037】
本体504は、光源508及び基板506周りに定位される外層510を更に画成し得る。この様に、外層510は、光源508及び基板506を少なくとも部分的に又は全体的に封入して、光源508を、身体組織又は体液等の外因子から保護する。外層510は、均一な表面を形成し、基板506及び光源508を、本体504に沿って略中間位置内に封入するために、例えば、該基板及び光源の境界付近に織編された非吸収性繊維を含む、1層又は複数の層を含み得る。幾つかの実施形態では、外層510は、PDMSを含む、及び/又は、プラスチック、アクリル、及び/又はシリコーン重合体を含み得る。外層510は、外層510が様々な手術及び医療用途に適するように、非吸収性(又は吸収性)、耐流体性、可撓性、絶縁、及び生体適合性とし得る。また、幾つかの実施形態では、外層510は、発光要素502の外層510(及び、概して、本体504)が、変形可能であるように、又は所定の形状構成に変化されて、展開中に係る構成を一時的に保持し得るように、可鍛性がある記憶保持材料も含み得る。幾つかの実施形態では、発光要素502の外層510は、発光要素502が、スポンジ又は綿材料を含み得るように、1つ又は複数の手術用パテ(図示せず)を使用して形成され得る。例えば、光源508は、手術用パテ(図示せず)内に位置し得る。これらの実施形態では、外層510は、本明細書で更に記載されるように、流体管理又は他の手術機能を提供するために、組織上又は組織の周辺に置くのに適する、使い捨ての繊維パッドを、更に含み得る。
【0038】
更に示されるように、発光要素502の光源508は、ドライバを含み得る電源514に電気的に結合され得る。図示された実施形態では、電源514は、発光要素502を無線とするように外層510内に組込まれるが、電源514は、また、USB装置、プラグも含み得る、さもなければ何らかの形で有線ともし得る。
【0039】
幾つかの実施形態では、装置500は、基板506に沿って又は電源514に近接して位置し、電源514及び/又は光源508に電気的に結合される起動機構516を更に含む。起動機構516は、電源514から光源508への電力を制御するための、1個又は複数のスイッチ、又は同様の電気機械装置を含み得る。可能な起動機構516のスイッチとして、押しボタンスイッチ、ロッカースイッチ、スライドスイッチ、変圧器、可変抵抗器、固体半導体式調光器等が挙げられる。また、電源514は、起動機構516によって無線でもトリガされ得る。例えば、特定の一実施形態では、起動機構516は、磁気源が、起動機構516付近に位置すると電源514からの電力を作動及び/又は停止するように構成されたリードスイッチを含み得る。別の実施形態では、起動機構516は、1つ又は複数の無線周波数を受信した際に、起動機構516が、電源514から光源508への電力を制御するよう構成されるように、受信機を含み得る。更にまた、光源508(及び/又は、電源514)は、増幅されたRFエネルギ又は「無線電力」で駆動され得る、又は基地局からの誘導結合で駆動され得る。
【0040】
装置500は、図1に図説された更なる態様を含み得る。幾つかの実施形態では、例えば、装置500は、本体504に沿って配置される、1つ又は複数の放射線不透過性マーカ(図示せず)を更に含み得る。加えて、図1で図説された回収テザー118と同様のテザー(図示せず)は、本体504に沿って画成され得る。
【0041】
図1図5に記載された、様々な実施形態及び発光要素102、202、302、402、502の他の態様及び利点について、検討される。例えば、上記発光要素102、202、302、402、502のいずれか1つは、小型化された手術照明を提供し得、現代のμLEDが、25x25マイクロメートル程に小さくなり得るため、ミリメートル又はセンチメートルスケールで、低光量の手術環境に対して顕著な照明を提供し得る。更に、発光要素102、202、302、402、502は、固定された照明装置とは異なり、発光要素102、202、302、402、502が、手術領域に沿って可動であり得るように、身体組織に対する係合(engagement)を減少するために、スポンジ材料とし得る。幾つかの実施形態では、加減抵抗式調光器、変圧器、可変抵抗器、半導体装置の形をしたソリッドステート調光器、光源108、208、308、408、及び508に印加される電圧波形を制御するための他の装置を含む調光装置を実装することによって、上記光源108、208、308、408、及び508によって提供される照明は、展開中に必要に応じて、調光及び調整も可能であり得る。加えて、発光要素は、効率的に製造され得、完全に使い捨てであり得る。
【0042】
図6を参照すると、1つの可能な光源構成608Aが、示されており、該構成は、本明細書に記載された装置100、200、300、400、500のいずれか1つと共に実装され得る。この実施例では、光源構成608Aは、円柱状の照明を提供するのに理想的であり得る円柱状の構成又は列で配置される複数のLEDを画成する。他の実施形態では、光源構成608Aは、より拡散する照明を提供するための千鳥構成で、又はより集光された照明を提供するための密接な円形配列で配置された複数のLEDを含み得る。光源構成608AのLEDは、オフセット、交互、正方形、又は菱形の構成で更に配置され得る。
【0043】
図7を参照すると、本明細書に記載された装置100、200、300、400、500のいずれか1つと共に実装され得る別の光源構成608Bが、示されており、光源構成608Bは、単独のLED又は図1図5の装置実施形態と同様の発光要素内に配置される他の光源を含み得る。単一のLED又は光源の利用は、個々の発光要素102、202、302、402、502が、使い捨てであるのが望ましい場合、又はかかる発光要素の大きさが、マイクロメートルしかない場合に、適当であり得る。図6及び図7の各LEDは、必要な照度及び収容する発光要素の大きさに応じて、直径が、約数万ミクロンとし得る。
【0044】
図8を参照すると、本明細書に記載された装置100、200、300、400、500のいずれか1つと共に実装され得る別の光源構成608Cが、示されている。この実施形態では、光源構成608Cは、均一の波長を出す1つ若しくは複数のLED又は他の光源108、208、308、408、508を含む。対照的に、図9を参照すると、本明細書に記載された装置100、200、300、400、500のいずれか1つと共に実装され得る光源構成608Dの別の実施形態は、様々な波長を出す1つ若しくは複数のLED又は他の光源108、208、308、408、508を含む。図8及び図9は、様々な種類のLEDが、異なる所定の手術機能を提供するように、例えば、様々な利益を達成するために、特定の波長で手術領域を照明するように実装され得る。幾つかの実施形態では、光源108、208、308、408、508から出された光の波長は、調整され得、光源108、208、308、408、508によって画成される各LEDのp-n接合を形成する所定の半導体材料のバンドギャップエネルギに応じて決定され得る。つまり、異なる半導体材料が、光の異なる所望の波長に対応し得る光源108、208、308、408、508となるLEDを形成するのに使用され得る。波長は、例えば、腫瘍の可視化及び血流診断用の特定の波長、消毒効果を提供する波長、より良い視覚的区別を提供する波長、反射、グレアを軽減する波長、さもなければ視覚的弁別を向上する波長で、励起される染料を使用する特定の処置に対応し得る。染料に基づく用途に関して、染料は、癌組織や動脈を一層良好に可視化するために、脈管構造、神経組織、及び管を含む体内に注入又は摂取されることが多い。これらの染料は、特定の波長の光によって活性化されると、目視によって、又は様々な検出機器によって検出可能である光を出す分子を含有する。これにより、外科医は、流体の動き、分子の取込み、閉塞、切断等を検出できる。
【0045】
特定の可能な一実装では、375~440nm範囲の青色スペクトル照明は、癌組織を健常な組織から分離するために、患者が、5-アミノレブリン酸(5-ALA)を投与さ
れる際に、一般的に神経膠腫又は腫瘍を可視化するのに利用できる。494nm付近の波長の光は、健康な組織から癌組織を術中に分離するためにフルオレセインフルオロフォア(fluorescein fluorophore)を励起するのに使用できる。5-ALAとフルオレセインの両方は、米国及び欧州で、健常な組織から高悪性の神経膠腫を切除するのに広く試験されてきた。かかるアプローチにより、代替の又は補助的な励起可能な光源が、癌組織を視覚的に識別する際に、外科医を支援でき得る。上記発光要素102、202、302、402、502が、手術中に展開される場合、癌組織の識別は、大いに向上できる。例えば、耳、鼻、又は咽喉の癌のために深頭頚部を手術する際、本明細書に記載されるような、手術用発光要素を用いたフルオレセイン励起は、対象となる病変部に達するために、細い通路において役立ち得る。
【0046】
上記発光要素102、202、302、402、502の特定の実装に関する別の実施例は、患者に投与された際の、動脈血流を可視化するのに使用できるインドシアニングリーン(ICG:indocyanine green)を励起するために、600~900nm範囲のLED発光を伴う。本明細書に記載された5-ALA及びフルオレセインを使用する用途と同様に、ICGは、上記発光要素の形をした更なる補助光源によって励起され得、従来の照光式手術道具を超えて、光源からの光励起を可能にする。
【0047】
特定の実装の更に別の実施例は、伝統的に発癌性で白内障誘発性であると考えられてきた紫外線C領域における発光を伴う。しかしながら、紫外線C光は、ヒト細胞膜を貫通しないこと;従って、紫外線C光は、ヒト細胞に対する有意な作用を有さずに、高い殺菌性及び殺ウィルス性があることが、近年示された。紫外線C光は、細菌から手術領域を浄化するために、上記発光要素102、202、302、402、502のいずれか1つから展開され得る。抗生物質が効かない細菌でも、紫外線C領域で出された光には影響され易いであろう。
【0048】
図10を参照すると、発光要素702のための別の光源構成700が、1個又は複数の光源708と共に示されている。この実施形態は、発光要素702が、異なる形状の構成を取り得ること、及び発光要素702が、必要に応じて、可鍛性又は湾曲性があり得ることを図説している。この実施形態は、光源708が、必ずしも直線列に配置されない複数のLEDを含み得ることを更に図説している。
【0049】
図11を参照すると、手術展開のための構成800が図説されており、該構成800は、複数の発光要素802A~802Eを含み、該発光要素は、本明細書に記載された他の発光要素102、202、302、402、502と同様であり得る。図示された構成では、発光要素802A~802Eは、其々、光源808A~808Eを含む。構成800は、複数の発光要素802A~802Eが、手術領域の特定部分に集光照明818を提供するために、図示されたこの例示的定位で手術領域に沿って配置され得る。本明細書に記載されるように、照光式手術用発光要素802A~802Eは、円柱形で焦点へと指向する光を提供するように配置され得る。光は、発光要素802A~802Eの発光要素の片面のみから、又は両面から発光し得る。発光要素802A~802Eが定位(及び移行又は移動)され得る、柔軟性があり都合が良い所定の配置又は方法により、特定方向への集光に適応し得、且つ所望に応じて、より広い照明に適応し得る。加えて、複数の発光要素802A~802Eは、手術領域周りに液密バリアを提供するために、図示されたように(又は他の構成で)、配置し得る。
【0050】
図12A図12B及び図13A図13Bを参照すると、上記発光要素102、202、302、402、502、702、802のいずれか1つの実施形態のために実装され得る様々な可能な電気特性が、図説されている。特に、図12Aは、発光要素902のための例示的なマスクレイアウト900を図説している。発光要素902は、複数の抵抗器、コンデンサ、リードスイッチ等の電気部品911を含む基板906、及び基板906に沿って形成及び/又は取付けられた1個又は複数のLEDを画成する。一実装では、電気部品911は、470kの抵抗器(0201)-各3個;1Mの抵抗器(0201)-各1個;10kの抵抗器(0201)-各1個;1uFのコンデンサ(0201)-各1個;リードスイッチ-各1個;白色LED(0201)-各2個又は4個;PMOS-各1個;及びNMOS-各2個を含む。幾つかの実施形態では、様々な電気部品911は、基板906に沿って形成された導電性又は銅(Cu)線916によって画成し得る。示されたように、基板906は、電池914に更に結合され得る。図12Bを参照すると、基板906に沿って形成された銅線916は、概して、約18マイクロメートルの直径を画成し得る。更に示されるように、幾つかの実施形態では、基板906を画成するポリイミド薄膜は、直径25マイクロメートルとし得、発光要素902は、直径約100マイクロメートルとし得る。マスクレイアウト900は、本明細書で記載された発光要素102、202、302、402、502、702、802、902のいずれかと共に使用され得ると理解されるべきである。
【0051】
図13A及び図13Bを参照すると、回路図950A及び950Bが、発光要素のLED又は他の光源(本明細書の実施形態のいずれかによる)が、本開示の実施形態により、ON又はOFFにされる際の、様々な電気部品の可能な連動を示すために、図説されている。特に、表1は、LEDがONにされる際の、回路図950Aの様々な電気部品について記載している。
【0052】
【表1】
【0053】
以下の表2は、LEDがOFFにされる際の、回路図950Bの様々な電気部品の連動について記載され得る。
【0054】
【表2】
【0055】
回路図950A及び950Bは、本明細書に記載された発光要素102、202、302、402、502、702、802、902のいずれかと共に使用され得ると理解されるべきである。
【0056】
図14A図14Dは、本明細書に記載された発光要素102、202、302、402、502、702、802、902と同様の発光要素を形成する1つの可能な加工フローを図説している。図14Aでは、第1構成1002Aが示されており、本明細書に記載されるように、ポリイミド薄膜で形成され、可撓性又は変形可能であり得る基板1006を図説している。示されたように、複数の電気部品1007は、はんだ付けされ得る、さもなければ基板1006に沿って形成され得る。電気部品1007は、図12A又は図13A及び図13Bに記載された部品を含み得るが、本開示は、この点において限定されない。
【0057】
図14Bに示された第2構成1002Bを参照すると、1個又は複数のSMDのLED1008又は他の光源が、基板1006に取付けされ得る。電線1009は、SMDのLED1008に電気的に結合されて、本明細書で更に記載されるように更なる電気接続を形成し得る。幾つかの実施形態では、SMDのLED1008は、基板1006に取付けされ得ると共に、SMDのLED1008は、本明細書に記載されるように光源の実施形態のいずれかの形を取り得る。更に示されるように、電気部品1007によって画成されるリードスイッチ1011は、基板1006に形成又は取付けされ、SMDのLED1008に電気的に結合され得る。
【0058】
図14Cに示される第3構成1002Cを参照すると、手術用パテ1012が、提供され、パテ1012の第1部分1012A及び第2部分1012Bを画成するために、少なくとも部分的に切断され得る。鉗子1014又は他の適当なツールを使用して、基板106は、示されたようにパテ1012の第1部分1012Aの表面に沿って配設され得る。幾つかの実施形態では、パテ1012の第1部分1012Aに対する定置位置で、基板1006を維持するために、接着剤(図示せず)が塗布され得る。更に示されるように、電線1009は、基板1006から延在し、電気接続のために利用可能な状態にしておく。
【0059】
図14Dで示された第4構成1002Dを参照すると、パテ1012の第1部分1012A及び第2部分1012Bは、一緒に接合されて、パテ1012内に基板1006(SMDのLED1008を含む)を密封して、本明細書で記載された他の発光要素と同様な発光要素1019を形成し得る。この様に、パテ1012で、基板1006が、例えば、体液又は他の可能性のある汚染物質から、完全に隔離されるように、外層(本明細書に記載された外層の実施形態と同様の)を提供する。本開示は、この実施形態で記載されたような手術用パテを実装することに限定されず、外層110、210、310、410、及び510は、手術用パテ無しでも形成され得ると、理解されるべきである。例えば、外層110、210、310、410、及び510は、蒸着、スパッタリング、エッチング、化学気相蒸着を使用して形成され得る、さもなけければ各基板及び光源の周りに織編され得る。或いは、他の実施形態では、手術用パテは、外層110、210、310、410、及び510の一部分として実装され得る。
【0060】
更に示されるように、電線1009は、電池、USBコネクタ、プラグ、又は他の適当な電源を含み得る電源1016に接続され得る。展開中、発光要素1019のSMDのLED1008は、発光要素1019上に磁石1020を通過させることによって、係合され、照明され得、それにより電気部品1007間で画成されるリードスイッチ1011を作動させて、電源1016から電力を引出す。SMDのLED1008を作動するための他の機構が、考えられ、上述された。幾つかの実施形態では、発光要素1019は、組立てられると、約0.8グラムの重さとなる。
【0061】
特定の実施形態について図説され、記載されたが、そうした実施形態に対して、当業者には明らかであるように、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、様々な変形を行うことができると、上記から理解されるべきである。かかる変更及び変形は、本明細書に付記された特許請求の範囲で規定される本発明に関する範囲及び教示内にある。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図14D