IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニッサン ノース アメリカ,インクの特許一覧 ▶ ユニバーシティ オブ マサチューセッツの特許一覧

特許7406215自律走行車動作管理のための方向調整アクション
<>
  • 特許-自律走行車動作管理のための方向調整アクション 図1
  • 特許-自律走行車動作管理のための方向調整アクション 図2
  • 特許-自律走行車動作管理のための方向調整アクション 図3
  • 特許-自律走行車動作管理のための方向調整アクション 図4
  • 特許-自律走行車動作管理のための方向調整アクション 図5
  • 特許-自律走行車動作管理のための方向調整アクション 図6
  • 特許-自律走行車動作管理のための方向調整アクション 図7
  • 特許-自律走行車動作管理のための方向調整アクション 図8
  • 特許-自律走行車動作管理のための方向調整アクション 図9
  • 特許-自律走行車動作管理のための方向調整アクション 図10
  • 特許-自律走行車動作管理のための方向調整アクション 図11
  • 特許-自律走行車動作管理のための方向調整アクション 図12
  • 特許-自律走行車動作管理のための方向調整アクション 図13
  • 特許-自律走行車動作管理のための方向調整アクション 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】自律走行車動作管理のための方向調整アクション
(51)【国際特許分類】
   B60W 40/04 20060101AFI20231220BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20231220BHJP
   B60W 30/09 20120101ALI20231220BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
B60W40/04
B60W60/00
B60W30/09
G08G1/16 D
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022077832
(22)【出願日】2022-05-11
(62)【分割の表示】P 2020572659の分割
【原出願日】2019-06-25
(65)【公開番号】P2022119802
(43)【公開日】2022-08-17
【審査請求日】2022-05-23
(31)【優先権主張番号】16/023,710
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511257078
【氏名又は名称】ニッサン ノース アメリカ,インク
(73)【特許権者】
【識別番号】507088266
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ マサチューセッツ
【住所又は居所原語表記】One Beacon Street,31st Floor,Boston,Massachusetts 02108
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】レイ、 カイル ホリンズ
(72)【発明者】
【氏名】ウィトウィッキ、 ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ジルバーシュタイン、 シュロモ
(72)【発明者】
【氏名】セフキン、 メリッサ
【審査官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/013749(WO,A1)
【文献】特開2018-049445(JP,A)
【文献】特開2016-139163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00- 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両交通ネットワークの横断に使用される方法であって、
前記方法は、自律走行車によって、車両交通ネットワークを横断するステップを含み、
前記車両交通ネットワークを横断することは、前記自律走行車の1つ以上のプロセッサによって、
シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンスを動作させるステップであって、前記シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンスは、個別の車両動作シナリオのシナリオ固有の動作制御評価モデルのインスタンスを含み、前記シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンスを動作させることは、前記シナリオ固有の動作制御評価モデルを解くことによって生成されるポリシーを識別することを含むステップと、
前記シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンスに関する前記ポリシーからの候補車両制御アクションを受信するステップであって、前記個別の車両動作シナリオに関する不確実性値が定義された不確実性閾値を超えるという決定に応答して、前記候補車両制御アクションは方向調整車両制御アクションであるステップと、
前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断するステップであって、前記車両交通ネットワークの一部は前記個別の車両動作シナリオを含むステップと
行わせる命令を実行することを含み、
前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークを横断することは、
通行権を有する車両交通ネットワークユーザが正当に横断し得る経路と前記自律走行車の予測経路との交差点に近接した前記車両交通ネットワーク内の界位置を識別すること、及び
前記自律走行車と前記界位置との間の距離が定義された接近距離内にあるという決定に応答して、前記方向調整車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断するための最大度で前記車両交通ネットワークの一部を横断するように前記自律走行車を制御すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記最大度で前記車両交通ネットワークを横断するように前記自律走行車を制御することは、
前記最大度が前記自律走行車の現在の速度を超えるという決定に応答して、前記最大度まで加速するように前記自律走行車を制御すること、及び
前記自律走行車の前記現在の速度が前記最大度を超えるという決定に応答して、前記最大度まで減速するように前記自律走行車を制御すること
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークを横断することは、前記自律走行車と前記界位置との間の距離が予測される静止距離内にあるという決定に応答して、減速することによって前記車両交通ネットワークを横断するように前記自律走行車を制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークを横断することは、前記自律走行車の現在の位置が前記界位置に対応するという決定に応答して、停止するうに前記自律走行車を制御するステップを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記車両交通ネットワークを横断することは、
前記シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンスに関する前記ポリシーからの後続の候補車両制御アクションを受信することであって、前記個別の車両動作シナリオに関する前記不確実性値が定義された不確実性閾値内であるという決定に応答して、前記後続の候補車両制御アクションは、進行車両制御アクション又は停止車両制御アクションであること、及び
前記後続の候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの後続部分を横断することであって、前記車両交通ネットワークの前記後続部分は前記個別の車両動作シナリオを含むこと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記個別の車両動作シナリオに関する前記不確実性値が前記定義された不確実性閾値を超えるという決定は、遮蔽領域に対応し、前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断することは、前記遮蔽領域が減少するように、前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記個別の車両動作シナリオに関する前記不確実性値が前記定義された不確実性閾値を超えるという決定は、外部オブジェクトの予測される動作に関する不確実性に基づいており、前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断することは、前記外部オブジェクトの前記予測される動作に関する不確実性が減少するように、前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記個別の車両動作シナリオに関する前記不確実性値が前記定義された不確実性閾値を超えるという決定は、予測される外部不確実性に基づいており、前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断することは、前記自律走行車に対する予測される後続の車両制御アクション記号表現にして出力するように前記自律走行車を制御することによって、前記予測される外部不確実性が減少するように、前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記自律走行車に対する前記予測される後続の車両制御アクション前記記号表現にして出力するように前記自律走行車を制御することは、前記自律走行車の方向状態又は前記自律走行車の運動状態の少なくとも1つを制御することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記個別の車両動作シナリオは、交差点シナリオ、歩行者を含むシナリオ、合流シナリオ、車線変更シナリオ、車線重複シナリオである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
プロセッサを備える自律走行車であって、
前記プロセッサは、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されている命令を実行して、
シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンスを動作させるステップであって、前記シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンスは、個別の車両動作シナリオのシナリオ固有の動作制御評価モデルのインスタンスを含み、前記シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンスを動作させることは、前記シナリオ固有の動作制御評価モデルを解くことによって生成されるポリシーを識別することを含み、前記ポリシーは報酬最大化関数であるステップと、
前記シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンスに関する前記ポリシーからの候補車両制御アクションを受信するステップであって、前記個別の車両動作シナリオに関する不確実性値が定義された不確実性閾値を超えるという決定に応答して、前記候補車両制御アクションは方向調整車両制御アクションであるステップと、
前記候補車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断するステップであって、前記車両交通ネットワークの一部は前記個別の車両動作シナリオを含むステップと
を行うように構成され、
前記プロセッサは、前記非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶された前記命令を実行して、
通行権を有する車両交通ネットワークユーザが正当に横断し得る経路と前記自律走行車の予測経路との交差点に近接した前記車両交通ネットワーク内の境界位置を識別すること及び
前記自律走行車と前記界位置との間の距離が定義された接近距離内にあるという決定に応答して、前記方向調整車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断するための最大度で前記車両交通ネットワークの一部を横断するように前記自律走行車を制御すること
により、前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークを横断することを行うようにさらに構成される、自律走行車。
【請求項12】
前記プロセッサは、
遮蔽領域、外部オブジェクトの予測される動作、又は予測される外部不確実性のうちの少なくとも1つを示す情報に応答して、前記個別の車両作動シナリオに関する前記不確実性値が前記定義された不確実性閾値を超えるという決定を生成すること、及び
前記候補車両制御アクションに従って、前記車両交通ネットワークの一部を横断することであって、
前記外部オブジェクトの前記予測される動作に関する不確実性が減少するように、前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断すること、
前記自律走行車に関する予測される後続の車両制御アクション記号表現にして出力するように前記自律走行車を制御することによって、前記予測される外部不確実性が減少するように、前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断すること、及び
前記情報が前記遮蔽領域を示すことに応答して、前記遮蔽領域が減少するように、前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断すること
によって行われること
を行うように構成される、請求項11に記載の自律走行車。
【請求項13】
前記最大度で前記車両交通ネットワークを横断するように前記自律走行車を制御することは、
前記最大度が前記自律走行車の現在の速度を超えるという決定に応答して、前記最大度まで加速するように前記自律走行車を制御すること、及び
前記自律走行車の前記現在の速度が前記最大度を超えるという決定に応答して、前記最大度まで減速するように前記自律走行車を制御すること
を含む、請求項11に記載の自律走行車。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶された前記命令を実行して、前記自律走行車と前記界位置との間の距離が予測される静止距離内にあるという決定に応答して、減速することによって前記車両交通ネットワークを横断するように前記自律走行車を制御することにより、前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークを横断することを行うように構成される、請求項11に記載の自律走行車。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶された前記命令を実行して、前記自律走行車の現在の位置が前記界位置に対応するという決定に応答して、停止するうに前記自律走行車を制御することにより、前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークを横断することを行うように構成される、請求項11に記載の自律走行車。
【請求項16】
車両交通ネットワークの横断に使用される方法であって、
前記方法は、自律走行車によって、車両交通ネットワークを横断するステップを含み、
前記車両交通ネットワークを横断することは、前記自律走行車の1つ以上のプロセッサによって、
シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンスを動作させるステップであって、前記シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンスは、個別の車両動作シナリオのシナリオ固有の動作制御評価モデルのインスタンスを含み、前記シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンスを動作させることは、前記シナリオ固有の動作制御評価モデルを解くことによって生成されるポリシーを識別することを含み、前記ポリシーは報酬最大化関数であり、前記シナリオ固有の動作制御評価モデルは機械学習モデルであるステップと、
前記シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンスに関する前記ポリシーからの候補車両制御アクションを受信するステップであって、前記個別の車両動作シナリオに関する不確実性値が定義された不確実性閾値を超えるという決定に応答して、前記候補車両制御アクションは方向調整車両制御アクションであるステップと、
前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断するステップであって、前記車両交通ネットワークの一部は前記個別の車両動作シナリオを含み、前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断することは、
前記自律走行車と、通行権を有する車両交通ネットワークユーザが正当に横断し得る経路と前記自律走行車の予測経路との交差点に近接した境界位置との間の距離が予測される静止距離内にあるという決定に応答して、減速することによって前記車両交通ネットワークを横断するように前記自律走行車を制御すること、及び
前記自律走行車の現在の位置が前記界位置に対応するという決定に応答して、停止するうに前記自律走行車を制御すること
を含むステップと
行わせる命令を実行することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自律走行車の動作管理及び自律走行に関する。
【背景技術】
【0002】
自律走行車等の車両は、車両交通ネットワークの一部を横断する場合がある。車両交通
ネットワークの一部を横断することは、車両のセンサ等によって、車両の動作環境又はそ
の一部を表すデータ等のデータを生成又は捕捉することを含む場合がある。したがって、
自律走行車動作管理のための方向調整アクションのためのシステム、方法及び装置が有利
であり得る。
【発明の概要】
【0003】
本明細書には、自律走行車動作管理のための方向調整車両制御アクションの態様、特徴
、要素、実装、及び実施形態が開示されている。
【0004】
開示された実施形態の態様は、自律走行車によって車両交通ネットワークを横断する際
に使用される方法である。車両交通ネットワークを横断することは、シナリオ固有の動作
制御評価モジュールインスタンスを動作させるステップを含み、前記シナリオ固有の動作
制御評価モジュールインスタンスは、個別の車両動作シナリオのシナリオ固有の動作制御
評価モデルのインスタンスを含み、前記シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタ
ンスを動作させることは、前記シナリオ固有の動作制御評価モデルに関するポリシーを識
別することを含む。車両交通ネットワークを横断することは、前記シナリオ固有の動作制
御評価モジュールインスタンスに関するポリシーから後続の候補車両制御アクションを受
信するステップを含み、個別の車両動作シナリオに関する不確実性値が定義された不確実
性閾値を超えるという決定に応答して、候補車両制御アクションは、方向調整車両制御ア
クションである。車両交通ネットワークを横断することは、前記候補車両制御アクション
に従って前記車両交通ネットワークの一部を横断するステップを含み、前記車両交通ネッ
トワークの一部は前記個別の車両動作シナリオを含む。
【0005】
開示された実施形態の別の態様は、プロセッサを含む自律走行車であって、前記プロセ
ッサは、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶された命令を実行して、シナリオ固有の
動作制御評価モジュールインスタンスを動作させることを行うように構成され、前記シナ
リオ固有の動作制御評価モジュールインスタンスは、個別の車両動作シナリオのシナリオ
固有の動作制御評価モデルのインスタンスを含み、前記シナリオ固有の動作制御評価モジ
ュールインスタンスを動作させることは、前記シナリオ固有の動作制御評価モデルに関す
るポリシーを識別することを含む。前記プロセッサは、前記非一時的なコンピュータ可読
媒体に記憶された前記命令を実行して、前記シナリオ固有の動作制御評価モジュールイン
スタンスに関するポリシーから後続の候補車両制御アクションを受信することを行うよう
に構成され、個別の車両動作シナリオに関する不確実性値が定義された不確実性閾値を超
えるという決定に応答して、候補車両制御アクションは、方向調整車両制御アクションで
ある。前記プロセッサは、前記非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶された前記命令を
実行して、前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断
することを行うように構成され、前記車両交通ネットワークの一部は前記個別の車両動作
シナリオを含む。
【0006】
開示された実施形態の別の態様は、自律走行車によって車両交通ネットワークを横断す
る際に使用される方法である。車両交通ネットワークを横断することは、シナリオ固有の
動作制御評価モジュールインスタンスを動作させるステップを含み、前記シナリオ固有の
動作制御評価モジュールインスタンスは、個別の車両動作シナリオのシナリオ固有の動作
制御評価モデルのインスタンスを含み、前記シナリオ固有の動作制御評価モジュールイン
スタンスを動作させることは、前記シナリオ固有の動作制御評価モデルに関するポリシー
を識別することを含む。車両交通ネットワークを横断することは、前記シナリオ固有の動
作制御評価モジュールインスタンスに関するポリシーから後続の候補車両制御アクション
を受信するステップを含み、個別の車両動作シナリオに関する不確実性値が定義された不
確実性閾値を超えるという決定に応答して、候補車両制御アクションは、方向調整車両制
御アクションである。車両交通ネットワークを横断することは、前記候補車両制御アクシ
ョンに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断するステップを含み、前記車両交通
ネットワークの一部は前記個別の車両動作シナリオを含む。前記候補車両制御アクション
に従って前記車両交通ネットワークの一部を横断することは、前記自律走行車と前記通行
権境界位置との間の距離が予測される静止距離内にあるという決定に応答して、減速する
ことによって前記車両交通ネットワークを横断するように前記自律走行車を制御すること
を含む。前記候補車両制御アクションに従って前記車両交通ネットワークの一部を横断す
ることは、前記自律走行車の現在の位置が前記通行権境界位置に対応するという決定に応
答して、停止することによって前記車両交通ネットワークを横断するように前記自律走行
車を制御するステップを含む。
【0007】
以下では、本明細書に開示された方法、装置、プロシージャ及びアルゴリズムのこうし
た及び他の態様、特徴、要素、実装及び実施形態の変形がさらに詳細に記載される。
【0008】
本明細書に開示された方法及び装置の様々な態様は、以下の記載及び図面において提供
される例示を参照することでより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書に開示の態様、特徴及び要素が実装され得る車両の一例の図面である。
【0010】
図2】本明細書に開示の態様、特徴及び要素が実装され得る車両交通及び通信システムの一部の例示の図面である。
【0011】
図3】本開示による車両交通ネットワークの一部の図である。
【0012】
図4】本開示の実施形態による車両動作管理システムの例の図である。
【0013】
図5】本開示の実施形態による自律走行車の動作管理の例のフロー図である。
【0014】
図6】本開示の実施形態による通行権曖昧性を有する交差点シナリオを含む車両交通ネットワークの交差点シーン部分の一例を示す図である。
【0015】
図7】本開示の実施形態による方向調整車両制御アクション速度プロファイルの一例のグラフである。
【0016】
図8】本開示の実施形態による通行権曖昧性を有する交差点シナリオを含む車両交通ネットワークの別の交差点シーン部分の一例を示す図である。
【0017】
図9】本開示の実施形態による通行権曖昧性を有する交差点シナリオを含む車両交通ネットワークの別の交差点シーン部分の一例を示す図である。
【0018】
図10】本開示の実施形態による通行権曖昧性を有する歩行者シナリオを含む車両交通ネットワークの歩行者シーン部分の一例を示す図である。
【0019】
図11】本開示の実施形態による通行権曖昧性を有する譲る/停止歩行者シナリオを含む車両交通ネットワークの別の歩行者シーン部分の一例を示す図である。
【0020】
図12】本開示の実施形態による通行権曖昧性を有する合流シナリオを含む車両交通ネットワークの合流シーン部分の一例の図である。
【0021】
図13】本開示の実施形態による通行権曖昧性を有する車線変更シナリオを含む車両交通ネットワークの車線変更シーン部分の一例を示す図である。
【0022】
図14】本開示の実施形態による通行権曖昧性を有する車線重複車両動作シナリオを含む車両交通ネットワークの車線重複シーン部分の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
自律走行車又は半自律走行車等の車両は、車両交通ネットワークの一部を横断する場合
がある。車両は1つ以上のセンサを含んでもよく、車両交通ネットワークを横断すること
は、センサが車両の動作環境又はその一部に対応するデータ等のセンサデータを生成又は
捕捉することを含んでもよい。例えば、センサデータは、車両動作環境、車両交通ネット
ワーク形状、又はこれらの組み合わせの中の歩行者、遠隔車両、他のオブジェクト等の1
つ以上の外部オブジェクト対応する情報を含んでもよい。
【0024】
自律走行車は、自律走行車の動作管理システムを含んでもよく、これは、自律走行車に
関するセンサデータ等の動作環境データを処理し得る1つ以上の動作環境モニタを含んで
もよい。動作環境モニタは、自律走行車に時空的に近接している車両交通ネットワークの
一部に関する可用性確率情報を決定し得るブロックモニタを含んでもよい。自律走行車の
動作管理システムは、自律走行車の動作管理コントローラを含んでもよく、外部オブジェ
クトに対応する、歩行者シナリオ、交差点シナリオ、車線変更シナリオ、又は任意の他の
車両動作シナリオ又は車両動作シナリオの組み合わせ等の1つ以上の動作シナリオを検出
してもよい。自律走行車の動作管理システムは、1つ以上のシナリオ固有の動作制御評価
モジュールを含んでもよい。各シナリオ固有の動作制御評価モジュールは、各動作シナリ
オの、部分観測マルコフ決定過程(POMDP)等のモデルであってもよい。自律走行車
の動作管理コントローラは、対応する動作シナリオの検出に応答して、シナリオ固有の動
作制御評価モジュールの各インスタンスを作成してもよい。自律走行車の動作管理コント
ローラは、インスタンス化された各シナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンス
から候補車両制御アクションを受信してもよく、候補車両制御アクションから車両制御ア
クションを識別してもよく、識別された車両制御アクションに従って車両交通ネットワー
クの一部を横断するように自律走行車を制御してもよい。
【0025】
個別の車両動作シナリオは、車両交通ネットワークの通行権重複部分に対する通行権に
関する不確実性に対応する通行権曖昧性、例えば、遮蔽によって生じる不確実性、外部オ
ブジェクトの挙動に関する不確実性、又は自律走行車の見かけの挙動に関する不確実性を
含んでもよい。自律走行車は、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワー
クの一部を横断してもよく、これには、通行権の不確実性を低減し得るゆっくりとした前
進等により、例えば、車両交通ネットワークの通行権の重複部分に向かって少しずつ進む
等によって、定義された通行権パラメータ内で、遮蔽、外部オブジェクト、又はその両方
に対する車両の方向を変更するように、運動制御ユニット、軌道制御ユニット、又は制御
ユニットの組み合わせを制御することによって、車両交通ネットワーク又はその一部を横
断するように車両を制御することが含まれてもよい。
【0026】
本明細書では自律走行車を参照して記載されているが、本明細書に記載の方法及び装置
は、自律的又は半自律的動作が可能な任意の車両で実装されてもよい。車両交通ネットワ
ークを参照して記載されているが、本明細書に記載の方法及び装置は、車両によって走行
可能な任意の領域で自律走行車が動作することを含んでもよい。
【0027】
図1は、本明細書に開示の態様、特徴及び要素が実装され得る車両の一例の図面である
。図示のように、車両1000は、シャーシ1100と、パワートレイン1200と、コ
ントローラ1300と、車輪1400とを含む。簡潔のため、車両1000は4つの車輪
1400を含むように示されているが、プロペラ又はトレッド等の1つ以上の任意の他の
推進装置が使用されてもよい。図1において、パワートレイン1200、コントローラ1
300及び車輪1400等の要素を相互接続する線は、データ又は制御信号等の情報、電
力又はトルク等の力、又は情報及び電力の両方が各要素間で伝達され得ることを示してい
る。例えば、コントローラ1300は、パワートレイン1200から電力を受信して、車
両1000を制御するためにパワートレイン1200、車輪1400、又はその両方と通
信してもよく、これには、加速又は減速等による車両の運動状態の制御、ステアリング等
による車両の方向状態の制御、又はその他のやり方による車両1000の制御が含まれる
【0028】
図示のように、パワートレイン1200は、電源1210と、トランスミッション12
20と、ステアリング装置1230と、アクチュエータ1240とを含む。サスペンショ
ン、駆動シャフト、車軸、又は排気システム等のパワートレインの他の要素又は要素の組
み合わせを含んでもよい。別々に示されているが、車輪1400は、パワートレイン12
00に含まれてもよい。
【0029】
電源1210は、エンジン、バッテリ、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。電源
1210は、電気エネルギ、熱エネルギ又は運動エネルギ等のエネルギを提供するように
動作する任意の装置又は装置の組み合わせであってもよい。例えば、電源1210は、内
燃エンジン、電気モータ又は内燃エンジン及び電気モータの組み合わせ等のエンジンを含
んでもよく、1つ以上の車輪1210に原動力としての運動エネルギを提供するように動
作してもよい。電源1210は、ニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(Ni
Zn)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Li-ion)等の1つ以上の乾
電池、太陽電池、燃料電池、又はエネルギを提供することが可能な任意の他の装置等のポ
テンシャルエネルギ装置を含んでもよい。
【0030】
トランスミッション1220は、電源1210から運動エネルギ等のエネルギを受信し
てもよく、原動力を提供するために車輪1400にエネルギを送ってもよい。トランスミ
ッション1220は、コントローラ1300、アクチュエータ1240又は両方によって
制御されてもよい。ステアリング装置1230は、コントローラ1300、アクチュエー
タ1240又は両方によって制御され、車両を操縦するために車輪1400を制御しても
よい。アクチュエータ1240は、コントローラ1300から信号を受信してもよく、車
両1000を動作させるために電源1210、トランスミッション1220、ステアリン
グ装置1230又はこれらの任意の組み合わせを作動又は制御してもよい。
【0031】
図示のように、コントローラ1300は、位置決め装置1310、電子通信装置132
0、プロセッサ1330、メモリ1340、ユーザインターフェース1350、センサ1
360、電子通信インターフェース1370又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよ
い。単一の装置として示されているが、コントローラ1300の任意の1つ以上の要素が
任意の数の分離した物理装置に組み込まれてもよい。例えば、ユーザインターフェース1
350及びプロセッサ1330は、第1の物理装置に組み込まれてもよく、メモリ134
0は、第2の物理装置に組み込まれてもよい。図1には示されていないが、コントローラ
1300は、バッテリ等の電源1210を含んでもよい。個別の要素として示されている
が、位置決め装置1310、電子通信装置1320、プロセッサ1330、メモリ134
0、ユーザインターフェース1350、センサ1360、電子通信インターフェース13
70、又はこれらの任意の組み合わせは、1つ以上の電子装置、回路又はチップに組み込
まれてもよい。
【0032】
プロセッサ1330は、光プロセッサ、量子プロセッサ、分子プロセッサ又はこれらの
組み合わせを含む現存する又は今後開発される信号又は他の情報を操作又は処理すること
が可能な任意の装置又は装置の組み合わせを含んでもよい。例えば、プロセッサ1330
は、1つ以上の専用プロセッサ、1つ以上のデジタル信号プロセッサ、1つ以上のマイク
ロプロセッサ、1つ以上のコントローラ、1つ以上のマイクロコントローラ、1つ以上の
集積回路、1つ以上の特定用途向け集積回路、1つ以上のフィールド・プログラマブル・
ゲート・アレイ、1つ以上のプログラマブル・ロジック・アレイ、1つ以上のプログラマ
ブル・ロジック・コントローラ、1つ以上の状態機械、又はこれらの任意の組み合わせを
含んでもよい。プロセッサ1330は、位置決め装置1310、メモリ1340、電子通
信インターフェース1370、電子通信装置1320、ユーザインターフェース1350
、センサ1360、パワートレイン1200、又はこれらの任意の組み合わせと動作可能
に結合されてもよい。例えば、プロセッサは、通信バス1380を介してメモリ1340
と動作可能に結合されてもよい。
【0033】
メモリ1340は、プロセッサ1330によって使用される又はそれと接続される、機
械可読命令又はそれに関連付けられる任意の情報を、例えば、保持、記憶、伝達又は搬送
することが可能な任意の有形の非一時的なコンピュータ使用可能又はコンピュータ可読媒
体を含んでもよい。メモリ1340は、例えば、1つ以上の半導体ドライブ、1つ以上の
メモリカード、1つ以上のリムーバブル媒体、1つ以上の読み取り専用メモリ、1つ以上
のランダムアクセスメモリ、ハードディスク、フロッピーディスク、光学ディスクを含む
1つ以上のディスク、磁気若しくは光学カード、又は電子情報を記憶するのに適した任意
のタイプの非一時的な媒体、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0034】
通信インターフェース1370は、図示のような無線アンテナ、有線通信ポート、光学
通信ポート、又は有線若しくは無線電子通信媒体1500とインターフェース接続するこ
とが可能な任意の他の有線若しくは無線装置であってもよい。図1は単一の通信リンクを
介して通信を行う通信インターフェース1370が示されているが、通信インターフェー
スは、複数の通信リンクを介して通信を行うように構成されてもよい。図1は単一の通信
インターフェース1370を示しているが、車両は、任意の数の通信インターフェースを
含んでもよい。
【0035】
通信装置1320は、通信インターフェース1370等を介して、有線又は無線電子通
信媒体1500を介して信号を送信又は受信するように構成されてもよい。図1に明示さ
れていないが、通信装置1320は、無線周波数(RF)、紫外線(UV)、可視光、光
ファイバ、有線回線、又はこれらの組み合わせ等の任意の有線又は無線通信媒体を介して
送信、受信又は両方を行うように構成されてもよい。図1は、単一の通信装置1320及
び単一の通信インターフェース1370を示しているが、任意の数の通信装置及び任意の
数の通信インターフェースが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、通信装置13
20は、狭域通信(DSRC)装置、車載装置(OBU)、又はこれらの組み合わせを含
んでもよい。
【0036】
位置決め装置1310は、車両1000の経度、緯度、高度、進行方向又は速さ等の地
理情報を決定してもよい。例えば、位置決め装置は、広域補強システム(Wide Ar
ea Augmentation System;WAAS)対応米国海洋電子機器協会
(National Marine-Electronics Association
;NMEA)装置、無線三角測量装置、又はこれらの組み合わせ等の全地球測位システム
(GPS)装置を含んでもよい。位置決め装置1310は、例えば、車両1000の現在
の向き、2次元又は3次元での車両1000の現在地、車両1000の現在の角度方向、
又はこれらの組み合わせを表す情報を取得するために使用され得る。
【0037】
ユーザインターフェース1350は、仮想又は物理キーパッド、タッチパッド、ディス
プレイ、タッチディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、仮想ディスプレイ、拡張現実
ディスプレイ、触覚ディスプレイ、視線追跡装置等の特徴追跡装置、スピーカ、マイクロ
ホン、ビデオカメラ、センサ、プリンタ、又はこれらの任意の組み合わせ等、人物とイン
ターフェースすることが可能な任意の装置を含んでもよい。ユーザインターフェース13
50は、図示のようにプロセッサ1330と、又はコントローラ1300の任意の他の要
素と動作可能に結合されてもよい。単一の装置として示されているが、ユーザインターフ
ェース1350は、1つ以上の物理装置を含んでもよい。例えば、ユーザインターフェー
ス1350は、人物との音声通信を行うための音声インターフェース、及び人物との視覚
及びタッチに基づく通信を行うためのタッチディスプレイを含んでもよい。ユーザインタ
ーフェース1350は、複数の物理的に分離した装置、単一の物理装置の中の複数の定義
部分、又はこれらの組み合わせ等の複数のディスプレイを含んでもよい。
【0038】
センサ1360は、車両を制御するために使用され得る情報を提供するように動作し得
るセンサの配列等の1つ以上のセンサを含んでもよい。センサ1360は、車両1000
の現在の動作特徴に関する情報を提供してもよい。センサ1360は、例えば、速度セン
サ、加速度センサ、ステアリング角センサ、トラクション関連センサ、ブレーキ関連セン
サ、ハンドル位置センサ、視線追跡センサ、着座位置センサ、又は車両1000の現在の
動的状況の何らかの態様に関する情報を報告するように動作可能な任意のセンサ若しくは
センサの組み合わせを含み得る。
【0039】
センサ1360は、車両1000を取り囲む物理環境に関する情報を取得するように動
作可能な1つ以上のセンサを含んでもよい。例えば、1つ以上のセンサが、車線等の道路
の特徴及び形状、及び固定障害物、車両及び歩行者等の障害物を検出してもよい。センサ
1360は、既知の又は後に開発される、1つ以上のビデオカメラ、レーザ感知システム
、赤外線感知システム、音響感知システム、又は任意の他の適切なタイプの車載環境感知
装置、又は装置の組み合わせであるか、又はこれらを含み得る。いくつかの実施形態では
、センサ1360及び位置決め装置1310は、結合された装置であってもよい。
【0040】
別に示されてはいないが、車両1000は、軌道コントローラを含んでもよい。例えば
、コントローラ1300が、軌道コントローラを含んでもよい。軌道コントローラは、車
両1000の現在の状態及び車両1000に対して計画された経路を記述する情報を取得
し、この情報に基づいて、車両1000に対する軌道を決定及び最適化するように動作可
能であってもよい。いくつかの実施形態では、軌道コントローラは、車両1000が軌道
コントローラによって決定される軌道に従うように、車両1000を制御するように動作
可能な信号を出力してもよい。例えば、軌道コントローラの出力は、パワートレイン12
00、車輪1400又は両方に供給され得る最適化された軌道であり得る。いくつかの実
施形態では、最適化された軌道は、一組のステアリング角等の制御入力であってもよく、
各ステアリング角は1つの時点又は位置に対応する。いくつかの実施形態では、最適化さ
れた軌道は、1つ以上の経路、線、曲線、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0041】
1つ以上の車輪1400は、ステアリング装置1230の制御下でステアリング角に枢
動され得る操縦された車輪、トランスミッション1220の制御下で車両1000を推進
するためのトルクを与えられ得る推進された車輪、又は車両1000を操縦及び推進し得
る操縦及び推進された車輪であってもよい。
【0042】
図1には示されていないが、車両は、エンクロージャ、ブルートゥース(登録商標)モ
ジュール、周波数変調(FM)ラジオ装置、近距離無線通信(NFC)モジュール、液晶
表示(LCD)ディスプレイ装置、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ装置、
スピーカ、又はこれらの任意の組み合わせ等の図1に示されていない装置又は要素を含ん
でもよい。
【0043】
車両1000は、交通ネットワークの一部を横断するように、直接的な人間の介入なし
で、自律的に制御される自律走行車であってもよい。図1に別に示されていないが、自律
走行車は、自律走行車の経路指定、ナビゲーション及び制御を行い得る自律走行車制御装
置を含んでもよい。自律走行車制御装置は、車両の別の装置と一体化されてもよい。例え
ば、コントローラ1300は、自律走行車制御装置を含んでもよい。
【0044】
自律走行車制御装置は、現在の車両動作パラメータに従って車両交通ネットワークの一
部を横断するように車両1000を制御し又は動作させてもよい。自律走行車制御装置は
、車両の駐車等の定義された動作又は操縦を行うように車両1000を制御し又は動作さ
せてもよい。自律走行車制御装置は、車両情報、環境情報、車両交通ネットワークを表す
車両交通ネットワークデータ、又はこれらの組み合わせに基づいて車両1000の現在地
等の出発地から目的地への移動経路を生成してもよく、経路に従って車両交通ネットワー
クを横断するように車両1000を制御し又は動作させてもよい。例えば、自律走行車制
御装置は、軌道コントローラに移動経路を出力してもよく、軌道コントローラは、生成さ
れた経路を使用して出発点から目的地に移動するように車両1000を動作させてもよい
【0045】
図2は、本明細書に開示の態様、特徴及び要素が実装され得る車両交通及び通信システ
ムの一部の例示の図面である。車両交通及び通信システム2000は、図1に示される車
両1000等の1つ以上の車両2100/2110を含んでもよく、これは1つ以上の車
両交通ネットワーク2200の1つ以上の部分を移動してもよく、1つ以上の電子通信ネ
ットワーク2300を介して通信を行ってもよい。図2には明示されていないが、車両は
、オフロード領域等の車両交通ネットワークに明示的に又は完全には含まれていない領域
を横断してもよい。
【0046】
電子通信ネットワーク2300は、例えば、多重アクセスシステムであってもよく、車
両2100/2110と1つ以上の通信装置2400との間の音声通信、データ通信、映
像通信、メッセージング通信、又はこれらの組み合わせ等の通信を提供してもよい。例え
ば、車両2100/2110は、ネットワーク2300を介して通信デバイス2400か
ら車両交通ネットワーク2200を表す情報等の情報を受信してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、車両2100/2110は、有線通信リンク(図示せず)、
無線通信リンク2310/2320/2370、又は任意の数の有線若しくは無線通信リ
ンクの組み合わせを介して通信してもよい。例えば、図示のように、車両2110/21
10は、陸上無線通信リンク2310を介して、非陸上無線通信リンク2320を介して
、又はこれらの組み合わせを介して通信してもよい。陸上無線通信リンク2310は、イ
ーサネット(登録商標)リンク、シリアルリンク、ブルートゥース(登録商標)リンク、
赤外線(IR)リンク、紫外線(UV)リンク、又は電子通信を提供可能な任意のリンク
を含んでもよい。
【0048】
車両2100/2110は、別の車両2100/2110と通信してもよい。例えば、
ホスト又は目標の車両(HV)2100が、直接通信リンク2370を介して又はネット
ワーク2300を介して、遠隔又は目標車両(RV)2110から基本安全メッセージ(
basic safety message;BSM)等の1つ以上の自律走行車間メッ
セージを受信してもよい。例えば、遠隔車両2110は、300メートル等の定義された
ブロードキャスト範囲内のホスト車両にメッセージをブロードキャストしてもよい。いく
つかの実施形態では、ホスト車両2100は、信号リピータ(図示せず)又は別の遠隔車
両(図示せず)等のサードパーティを介してメッセージを受信してもよい。車両2100
/2110は、例えば、100ミリ秒等の定義された間隔に基づいて周期的に1つ以上の
自律走行車間メッセージを送信してもよい。
【0049】
自律走行車間メッセージは、車両識別情報、経度、緯度若しくは高度情報等の地理空間
状態情報、地理空間位置精度情報、車両加速度情報、ヨーレート情報、速度情報、車両方
位情報、制動システム状態情報、スロットル情報、ハンドル角度情報若しくは車両経路情
報等の運動状態情報、又は送信車両状態に関連する車両サイズ情報、ヘッドライト状態情
報、方向指示器情報、ワイパー状態情報、トランスミッション情報若しくは任意の他の情
報若しくは情報の組み合わせ等の車両動作状態情報を含んでもよい。例えば、トランスミ
ッション状態情報は、送信車両のトランスミッションがニュートラル状態、駐車状態、前
進状態又は後退状態に有るかどうかを示してもよい。
【0050】
車両2100は、アクセスポイント2330を介して通信ネットワーク2300と通信
してもよい。コンピュータ装置を含み得るアクセスポイント2330は、無線又は有線通
信リンク2310/2340を介して、車両2100と、通信ネットワーク2300と、
1つ以上の通信装置2400と、又はこれらの組み合わせと通信するように構成されても
よい。例えば、アクセスポイント2330は、基地局、BTS(base transc
eiver station)、Node-B、eNode-B(enhanced N
ode-B)、HNode-B(Home Node-B)、無線ルータ、有線ルータ、
ハブ、リレー、スイッチ、又は任意の類似の有線若しくは無線装置であってもよい。図2
には単一の装置として示されているが、アクセスポイントは、任意の数の相互接続要素を
含んでもよい。
【0051】
車両2100は、衛星2350又は他の非陸上通信装置を介して通信ネットワーク23
00と通信してもよい。コンピュータ装置を含み得る衛星2350は、1つ以上の通信リ
ンク2320/2360を介して、車両2100と、通信ネットワーク2300と、1つ
以上の通信装置2400と、又はこれらの組み合わせと通信するように構成されてもよい
図2には単一の装置として示されているが、衛星は、任意の数の相互接続要素を含んで
もよい。
【0052】
電子通信ネットワーク2300は、音声、データ、又は任意の他のタイプの電子通信装
置を提供するように構成される任意のタイプのネットワークであってもよい。例えば、電
子通信ネットワーク2300は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリア
ネットワーク(WAN)、仮想プライベートネットワーク(VPN)、モバイル若しくは
セルラ電話ネットワーク、インターネット、又は任意の他の電子通信システムを含んでも
よい。電子通信ネットワーク2300は、トランスミッション・コントロール・プロトコ
ル(TCP)、ユーザ・データグラム・プロトコル(UDP)、インターネット・プロト
コル(IP)、リアルタイム・トランスポート・プロトコル(RTP)、ハイパー・テキ
スト・トランスポート・プロトコル(HTTP)、又はこれらの組み合わせ等の通信プロ
トコルを使用してもよい。図2には単一の装置として示されているが、電子通信ネットワ
ークは、任意の数の相互接続要素を含んでもよい。
【0053】
車両2100は、車両交通ネットワーク2200の一部又は状態を識別車両してもよい
。例えば、車両2100は、速度センサ、車輪速度センサ、カメラ、ジャイロスコープ、
光学センサ、レーザセンサ、レーダセンサ、音響センサ、又は車両交通ネットワーク22
00の一部若しくは状態を決定若しくは識別することが可能な任意の他のセンサ若しくは
装置又はこれらの組み合わせを含み得る図1に示されたセンサ1360等の1つ以上の車
載センサ2105を含んでもよい。センサデータは、車線データ、遠隔車両位置データ、
又はその両方を含んでもよい。
【0054】
車両2100は、交通ネットワーク2200を表す情報、1つ以上の車載センサ210
5、又はこれらの組み合わせ等のネットワーク2300を介して伝達される情報を使用し
て、1つ以上の車両交通ネットワーク2200の一部又は複数の部分を横断してもよい。
【0055】
簡潔のため、図2は2つの車両2100、2110、1つの車両交通ネットワーク22
00、1つの電子通信ネットワーク2300及び1つの通信ネットワーク2400を示し
ているが、任意の数のネットワーク又はコンピュータ装置が使用されてもよい。車両交通
及び通信システム2000は、図2に示されていない装置、ユニット又は要素を含んでも
よい。車両2100は単一の装置として示されているが、車両は、任意の数の相互接続要
素を含んでもよい。
【0056】
ネットワーク2300を介して通信装置2400と通信する車両2100が示されてい
るが、車両2100は、任意の数の直接又は間接通信リンクを介して通信装置2400と
通信してもよい。例えば、車両2100は、ブルートゥース(登録商標)通信リンク等の
直接通信リンクを介して通信装置2400と通信してもよい。図2には別に示されていな
いが、遠隔車両又は他の外部オブジェクトは、通信リンクを省略し得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、車両2100/2210は、車両の運転者、オペレータ、又
は所有者等のエンティティ2500/2510に関連付けられてもよい。いくつかの実施
形態では、車両2100/2110に関連付けられるエンティティ2500/2510は
、スマートフォン2502/2512又はコンピュータ2504/2514等の1つ以上
のパーソナル電子装置2502/2504/2512/2514に関連付けられてもよい
。いくつかの実施形態では、パーソナル電子装置2502/2504/2512/251
4は、直接又は間接通信リンクを介して対応する車両2100/2110と通信してもよ
い。1つのエンティティ2500/2510が図2の車両2100/2110に関連付け
られるように示されているが、任意の数の車両が、エンティティに関連付けられてもよく
、任意の数のエンティティが、車両に関連付けられてもよい。
【0058】
図3は、本開示による車両交通ネットワークの一部の図である。車両交通ネットワーク
3000は、建物等の1つ以上の通行不能領域3100、駐車領域3200等の1つ以上
の部分的通行可能領域、道路3300/3400等の1つ以上の通行可能領域、又はこれ
らの組み合わせを含んでもよい。いくつかの実施形態では、図1に示される車両1000
等の自律走行車、図2に示される車両2100/2110の1つ、半自律走行車、又は自
律走行を実装する任意の他の車両が、車両交通ネットワーク3000の一部又は複数の部
分を横断してもよい。
【0059】
車両交通ネットワーク3000は、1つ以上の通行可能又は部分的通行可能エリア32
00/3300/3400の間に1つ以上のインターチェンジを含んでもよい。例えば、
図3に示される車両交通ネットワーク3000の部分は、駐車エリア3200と道路34
00との間にインターチェンジ3210を含む。駐車エリア3200は、駐車場3220
を含んでもよい。
【0060】
道路3300/3400等の車両交通ネットワーク3000の一部は、1つ以上の車線
3320/3340/3360/3420/3440を含んでもよく、1つ以上の進行方
向に関連付けられてもよく、これは図3の矢印で示されている。
【0061】
車両交通ネットワーク又はその一部、例えば、図3に示される車両交通ネットワーク3
000の部分は、車両交通ネットワーク情報として表されてもよい。例えば、車両交通ネ
ットワークデータは、マークアップ言語要素等の要素の階層として表されてもよく、これ
はデータベース又はファイルに記憶されてもよい。簡潔のため、本明細書の図面は、車両
交通ネットワークの一部を表す車両交通ネットワークデータを図又は地図として描いてい
るが、車両交通ネットワークデータは、車両交通ネットワーク又はその一部を表すことが
可能な任意のコンピュータ使用可能形態で表されてもよい。進行方向情報、速度制限情報
、料金所情報、傾斜又は角度情報等の勾配情報、表面材料情報、審美的情報、定義された
危険情報又はこれらの組み合わせ等の車両交通ネットワークデータを含んでもよい。
【0062】
車両交通ネットワークは、歩行者交通ネットワークに関連付けられ又はそれを含んでも
よい。例えば、図3は、歩行者交通ネットワークの一部3600を含み、これは歩行者の
歩道であってもよい。図3には別に示されていないが、歩行者横断歩道等の歩行者通行可
能領域は、車両交通ネットワークの通行可能領域又は部分的通行可能領域と対応してもよ
い。
【0063】
車両交通ネットワークの一部又は部分の組み合わせは、特定の場所又は目的地として識
別されてもよい。例えば、車両交通ネットワークデータは、通行不能エリア3100及び
隣接する部分的通行可能駐車エリア3200等の建物を特定の場所として識別してもよく
、車両は、特定の場所を目的地として識別してもよく、車両は、車両交通ネットワークを
横断することにより出発地から目的地に移動してもよい。図3には通行不能領域3100
に関連付けられる駐車領域3200が通行不能領域3100に隣接するように示されてい
るが、目的地は、例えば、建物に物理的に又は地理空間的に隣接していない建物及び駐車
領域を含んでもよい。
【0064】
目的地を識別することは、目的地に関する場所を識別することを含んでもよく、これは
個々の一意に識別可能な地理的位置であってもよい。例えば、車両交通ネットワークは、
目的地に関する所在地住所、住所、車両交通ネットワークアドレス、GPSアドレス、又
はこれらの組み合わせ等の定義された場所を含んでもよい。
【0065】
目的地は、図3に示される入口3500等の1つ以上の入口に関連付けられてもよい。
車両交通ネットワークデータは、目的地に関連付けられる入口の地理的位置を識別する情
報等の定義された入口位置情報を含んでもよい。
【0066】
目的地は、図3に示されるドッキング位置3700等の1つ以上のドッキング位置に関
連付けられてもよい。ドッキング位置3700は、乗客の乗り降り等のドッキング動作を
行うことができるように自律走行車が停止、静止又は駐車し得る目的地に近接している指
定の又は未指定の場所又は領域であってもよい。
【0067】
車両交通ネットワークデータは、目的地に関連付けられる1つ以上のドッキング位置3
700の地理的位置を識別する情報等のドッキング位置情報を含んでもよい。図3には別
に示されていないが、ドッキング位置情報は、ドッキング位置3700に関連付けられる
ドッキング動作のタイプを識別してもよい。例えば、目的地は、乗客を乗せるための第1
のドッキング位置及び乗客を降ろすための第2のドッキング位置に関連付けられてもよい
。自律走行車はドッキング位置に駐車してもよいが、目的地に関連付けられるドッキング
位置は独立しており、目的地に関連付けられる駐車領域とは異なっていてもよい。
【0068】
図4は、本開示の実施形態による自律走行車の動作管理システム4000の例の図であ
る。自律走行車の動作管理システム4000は、図1に示される車両1000、図2に示
される車両2100/2110、半自律走行車、又は自律走行を実装する任意の他の車両
等の自律走行車において実装されてもよい。
【0069】
自律走行車は、車両交通ネットワーク又はその一部を横断してもよく、これは個別の車
両動作シナリオを横断することを含んでもよい。個別の車両動作シナリオは、自律走行車
の定義された時空的エリア又は動作環境内の自律走行車の動作に影響を及ぼし得る動作条
件の任意の明確に識別可能な集合を含んでもよい。例えば、個別の車両動作シナリオは、
自律走行車が定義された時空距離内を横断し得る道路、道路区分又は車線の数又は濃度に
基づいてもよい。別の例では、個別の車両動作シナリオは、自律走行車の定義された時空
的エリア又は動作環境内の自律走行車の動作に影響を及ぼし得る1つ以上の交通制御装置
に基づいてもよい。別の例では、個別の車両動作シナリオは、自律走行車の定義された時
空的エリア又は動作環境内の自律走行車の動作に影響を及ぼし得る1つ以上の識別可能な
規則、規制又は法律に基づいてもよい。別の例では、個別の車両動作シナリオは、自律走
行車の定義された時空的エリア又は動作環境内の自律走行車の動作に影響を及ぼし得る1
つ以上の識別可能な外部オブジェクトに基づいてもよい。
【0070】
簡潔性及び明瞭性のために、車両動作シナリオのタイプ又はクラスを参照して類似の車両動作シナリオが本明細書に記載されてもよい。車両動作シナリオのタイプ又はクラスは、シナリオの定義されたパターン又は定義されたパターンの集合を参照してもよい。例えば、交差点シナリオは、交差点を横断する自律走行車を含んでもよく、歩行者シナリオは、歩行者が自律走行車の予測経路を横切る又は近づいている場合等、人以上の歩行者を含むか又はその定義された近接内にある車両交通ネットワークの一部を自律走行車が横断することを含んでもよく、車線変更シナリオは、車線を変更することにより、自律走行車が車両交通ネットワークの一部を横断することを含んでもよく、合流シナリオは、最初の車線から合流車線に合流することにより、自律走行車が車両交通ネットワークの一部を横断することを含んでもよく、障害物通過シナリオには、自律走行車が障害物又は妨害物を通過することにより車両交通ネットワークの一部を通過することを含んでもよい。本明細書には歩行者の車両動作シナリオ、交差点の車両動作シナリオ、車線変更の車両動作シナリオ、合流の車両動作シナリオ、及び障害通過の車両動作シナリオが記載されているが、任意の他の車両動作シナリオ又は車両動作シナリオのタイプが使用されてもよい。
【0071】
図4に示されているように、自律走行車の動作管理システム4000は、自律走行車の
動作管理コントローラ4100(AVOMC)、動作環境モニタ4200、及び動作制御
評価モジュール4300を含む。
【0072】
AVOMC4100又は自律走行車の別の装置は、車両交通ネットワーク又はその一部
を横断するように自律走行車を制御してもよい。車両交通ネットワークを横断するように
自律走行車を制御することは、自律走行車の動作環境を監視すること、個別の車両動作シ
ナリオを識別又は検出すること、個別の車両動作シナリオに基づいて候補車両制御アクシ
ョンを識別すること、1つ以上の候補車両制御アクション又はそれらの組み合わせに従っ
て車両交通ネットワークの一部を横断するように自律走行車を制御することを含んでもよ
い。
【0073】
AVOMC4100は、自律走行車又はその1つ以上の態様に関する動作環境を表す動
作環境データを受信し、識別し、又は他のやり方でアクセスしてもよい。自律走行車の動
作環境は、自律走行車の定義された時空的エリアの中で、自律走行車に関して識別された
経路の定義された時空的エリアの中で、又はこれらの組み合わせで、自律走行車の動作に
影響を及ぼし得る動作条件の明確に識別可能な集合を含んでもよい。例えば、自律走行車
の動作に影響を及ぼし得る動作条件は、センサデータ、車両交通ネットワークデータ、経
路データ、又は車両について定義又は決定された動作環境を表す任意の他のデータ又はデ
ータの組み合わせに基づいて識別されてもよい。
【0074】
動作環境データは、自律走行車の地理空間的位置を示す情報、自律走行車の地理空間的
位置を車両交通ネットワークを表す情報と相関させる情報、自律走行車の経路、自律走行
車の速度、自律走行車の加速状態、自律走行車の乗客情報、又は自律走行車若しくは自律
走行車の動作に関する任意の他の情報等の自律走行車に関する車両情報を含んでもよい。
動作環境データは、識別された経路に沿った車両交通ネットワークの一部の300メート
ル等の自律走行車の定義された空間距離内等の自律走行車に関して識別された経路に近接
する車両交通ネットワークを表す情報を含んでもよく、これは、車両交通ネットワークの
1つ以上の側面の形状を示す情報、車両交通ネットワークの表面状態等の状態を示す情報
、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。動作環境データは、300メートル等
の自律走行車の定義された空間距離内等の自律走行車に近接する車両交通ネットワークを
表す情報を含んでもよく、これは、車両交通ネットワークの1つ以上の側面の形状を示す
情報、車両交通ネットワークの表面状態等の状態を示す情報、又はこれらの任意の組み合
わせを含んでもよい。動作環境データは、歩行者、非ヒト動物、自転車若しくはスケート
ボード等の非動力式移動手段、遠隔車両等の動力式移動手段、又は自律走行車の動作に影
響を及ぼす任意の他の外部オブジェクト若しくはエンティティを表す情報等の自律走行車
の動作環境内の外部オブジェクトを表す情報を含んでもよい。
【0075】
自律走行車の動作環境の側面が、それぞれ個別の車両動作シナリオの中で表されてもよ
い。例えば、相対的方向、軌道、予測経路又は外部オブジェクトが、それぞれの個別の車
両動作シナリオの中で表されてもよい。別の例では、車両交通ネットワークの相対的形状
が、それぞれ個別の車両動作シナリオの中で表されてもよい。
【0076】
一例として、第1の個別の車両動作シナリオは、歩行者が横断歩道を横断していること
に対応してもよく、右から左に横断することに対して、左から右に横断すること等、歩行
者の相対的方向及び予測経路が第1の個別の車両動作シナリオの中で表されてもよい。第
2の個別の車両動作シナリオは、歩行者が横断歩道のないところで道路を横断しているこ
とに対応してもよく、右から左に横断することに対して、左から右に横断すること等、歩
行者の相対的方向及び予測経路が第2の個別の車両動作シナリオの中で表されてもよい。
【0077】
自律走行車が動作環境の中で複数の個別の車両動作シナリオを横断してもよく、これは
複合車両動作シナリオの側面であってもよい。自律走行車動作管理システム4000は、
自律走行車の動作のために定義され又は生成され得る、安全制約、法的制約、物理的制約
、ユーザ受容制約、又は任意の他の制約若しくは制約の組み合わせ等、定義された制約を
受けて個別の車両動作シナリオを横断するように自律走行車を動作又は制御してもよい。
【0078】
AVOMC4100は、自律走行車の動作環境又はその定義された側面を監視してもよ
い。自律走行車の動作環境を監視することは、外部オブジェクトを識別及び追跡すること
、個別の車両動作シナリオを識別すること、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。例
えば、AVOMC4100は、自律走行車の動作環境で外部オブジェクトを識別及び追跡
してもよい。外部オブジェクトを識別及び追跡することは、自律走行車に対するものであ
り得る各外部オブジェクトの時空的位置を識別すること、外部オブジェクトに関する速さ
、軌道又は両方を識別することを含み得る各外部オブジェクトに関する1つ以上の予測経
路を識別することを含んでもよい。簡潔性及び明瞭性のために、本明細書に記載の位置、
予測位置、経路、予測経路及び同類は、対応する位置及び経路が地理空間的及び時間的成
分を意味する明示的な指示を省いている場合があるが、本明細書に明示されていなければ
、又はコンテキストから一義的に明確でなければ、本明細書に記載の位置、予測位置、経
路、予測経路及び同類は、地理空間的成分、時間的成分又は両方を含んでもよい。自律走
行車の動作環境を監視することは、動作環境モニタ4200から受信した動作環境データ
を使用することを含んでもよい。
【0079】
動作環境モニタ4200は、シナリオ非依存のモニタ、シナリオ固有のモニタ、又はこ
れらの組み合わせを含んでもよい。ブロックモニタ4210等のシナリオ非依存のモニタ
は、自律走行車の動作環境を監視し、自律走行車の動作環境の側面を表す動作環境データ
を生成し、動作環境データを1つ以上のシナリオ固有のモニタ、AVOMC4100、又
はそれらの組み合わせに出力してもよい。歩行者モニタ4220、交差点モニタ4230
、車線変更モニタ4240、合流モニタ4250、又は前方障害物モニタ4260等のシ
ナリオ固有のモニタは、自律走行車の動作環境をモニタし、自律走行車の動作環境のシナ
リオ固有の側面を表す動作環境データを生成し、動作環境データを1つ以上のシナリオ固
有の動作制御評価モジュール4300、AVOMC4100、又はこれらの組み合わせに
出力してもよい。例えば、歩行者モニタ4220は歩行者を監視するための動作環境モニ
タであってもよく、交差点モニタ4230は交差点を監視するための動作環境モニタであ
ってもよく、車線変更モニタ4240は車線変更を監視するための動作環境モニタであっ
てもよく、合流モニタ4250は合流のための動作環境モニタであってもよく、前方障害
物モニタ4260は前方障害物を監視するための動作環境モニタであってもよい。自律走
行車の動作管理システム4000が任意の数の動作環境モニタ4200を含み得ることを
示すために、動作環境モニタ4270は破線を使用して示されている。
【0080】
動作環境モニタ4200は、自律走行車の1つ以上のセンサによって生成された又は捕
捉された動作環境データ、車両交通ネットワークデータ、車両交通ネットワーク形状デー
タ、経路データ、又はそれらの組合せ等の動作環境データを受信するか、又は他のやり方
でそれにアクセスしてもよい。例えば、歩行者モニタ4220は、センサ情報等の情報を
受信し又は他のやり方でアクセスしてもよく、これは自律走行車の動作環境における1人
以上の歩行者を示し、それに対応し又は他のやり方で関連付けられてもよい。動作環境モ
ニタ4200は、動作環境データ又はその一部を動作環境、又はその側面と、例えば、歩
行者、遠隔車両等の外部オブジェクト、又は車両交通ネットワーク形状の側面と関連付け
てもよい。
【0081】
動作環境モニタ4200は、歩行者、遠隔車両等の外部オブジェクト、又は車両交通ネ
ットワーク形状の側面等によって、動作環境の1つ以上の側面を表す情報を生成し又は識
別してもよく、これは、動作環境データのフィルタリング、抽象化又は他の処理を含んで
もよい。動作環境モニタ4200は、例えば、AVOMC4100によってアクセス可能
な自律走行車のメモリ、例えば、図1に示されるメモリ1340に動作環境の1つ以上の
側面を表す情報を記憶すること、AVOMC4100に動作環境の1つ以上の側面を表す
情報を送ること、又はこれらの組み合わせによって、動作環境の1つ以上の側面を、AV
OMC4100に出力し、又はそれがアクセスするために出力してもよい。動作環境モニ
タ4200は、AVOMC4100等の自律走行車動作管理システム4000の1つ以上
の要素に動作環境データを出力してもよい。図4には示されていないが、シナリオ固有の
動作環境モニタ4220、4230、4240、4250、4260は、動作環境データ
を、ブロックモニタ4210等のシナリオ非依存の動作環境モニタに出力してもよい。
【0082】
行者モニタ4220は、1人以上の歩行者のアクションを識別、追跡又は予測するため
に、動作環境データを相関させ、関連付け又は他のやり方で処理してもよい。例えば、歩
行者モニタ4220は、1つ以上のセンサからセンサデータ等の情報を受信してもよく、
これは1人以上の歩行者に対応してもよく、歩行者モニタ4220は、1人以上の識別さ
れた歩行者とセンサデータを関連付けてもよく、これは1人以上の識別された歩行者の各
々に関する進行方向、予測経路等の経路、現在の又は予測される速度、現在の又は予測さ
れる加速度又はこれらの組み合わせを識別することを含んでもよく、歩行者モニタ422
0は、識別された、関連付けられた又は生成された歩行者情報を、AVOMC4100に
出力し又はそれがアクセスするために出力してもよい。
【0083】
交差点モニタ4230は、自律走行車の動作環境における1つ以上の遠隔車両のアクシ
ョンを識別、追跡又は予測すること、自律走行車の動作環境における交差点又はその側面
を識別すること、車両交通ネットワーク形状を識別すること、又はこれらの組み合わせを
行うように、動作環境データを相関させ、関連付け、又は他のやり方で処理してもよい。
例えば、交差点モニタ4310は、1つ以上のセンサからセンサデータ等の情報を受信し
てもよく、これは、自律走行車の動作環境における1つ以上の遠隔車両、自律走行車の動
作環境における交差点又はその1つ以上の側面、車両交通ネットワーク形状、又はこれら
の組み合わせに対応してもよく、交差点モニタ4310は、自律走行車の動作環境におけ
る1つ以上の識別された遠隔車両、自律走行車の動作環境における交差点又はその1つ以
上の側面、車両交通ネットワーク形状、又はこれらの組み合わせとセンサデータを関連付
けてもよく、これは1つ以上の識別された遠隔車両の各々に関する現在の又は予測される
進行方向、予測経路等の経路、現在の又は予測される速度、現在の又は予測される加速度
又はこれらの組み合わせを識別することを含んでもよく、交差点モニタ4230は、識別
された、関連付けられた又は生成された交差点情報を、AVOMC4100に出力し又は
それがアクセスするために出力してもよい。
【0084】
車線変更モニタ4240は、車線変更動作に地理空間的に対応して、自律走行車の予測
経路に沿って遅い又は静止している遠隔車両を示す情報等、自律走行車の動作環境におけ
る1つ以上の遠隔車両のアクションを識別、追跡又は予測すること、自律走行車の動作環
境における車両交通ネットワーク形状等の自律走行車の動作環境の1つ以上の側面を識別
すること、又はこれらの組み合わせを行うように動作環境データを相関させ、関連付け又
は他のやり方で処理してもよい。例えば、車線変更モニタ4240は、1つ以上のセンサ
からセンサデータ等の情報を受信してもよく、これは車線変更動作に地理空間的に対応し
て、自律走行車の動作環境における1つ以上の遠隔車両、自律走行車の動作環境における
自律走行車の動作環境の1つ以上の側面、又はこれらの組み合わせに対応してもよく、車
線変更を監視するための動作環境モニタ4240は、車線変更動作に地理空間的に対応し
て、自律走行車の動作環境における交差点又はその1つ以上の識別された遠隔車両、自律
走行車の動作環境の1つ以上の側面、又はこれらの組み合わせとセンサ情報を関連付けて
もよく、これは1つ以上の識別された遠隔車両の各々に関する現在の又は予測される進行
方向、予測経路等の経路、現在の又は予測される速度、現在の又は予測される加速度又は
これらの組み合わせを識別することを含んでもよく、車線変更モニタ4240は、識別さ
れた、関連付けられた又は生成された車線変更情報を、AVOMC4100に出力し又は
それがアクセスするために出力してもよい。
【0085】
合流モニタ4250は、合流動作に地理空間的に対応して、自律走行車の動作環境にお
ける1つ以上の遠隔車両のアクションを識別、追跡又は予測すること、自律走行車の動作
環境における車両交通ネットワーク形状等の自律走行車の動作環境の1つ以上の側面を識
別すること、又はこれらの組み合わせを行うように動作環境データを相関させ、関連付け
又は他のやり方で処理してもよい。例えば、合流モニタ4250は、1つ以上のセンサか
らセンサデータ等の情報を受信してもよく、これは合流動作に地理空間的に対応して、自
律走行車の動作環境における1つ以上の遠隔車両、自律走行車の動作環境における自律走
行車の動作環境の1つ以上の側面、又はこれらの組み合わせに対応してもよく、合流を監
視するための動作環境モニタ4250は、合流動作に地理空間的に対応して、自律走行車
の動作環境における交差点又はその1つ以上の識別された遠隔車両、自律走行車の動作環
境の1つ以上の側面、又はこれらの組み合わせとセンサ情報を関連付けてもよく、これは
1つ以上の識別された遠隔車両の各々に関する現在の又は予測される進行方向、予測経路
等の経路、現在の又は予測される速度、現在の又は予測される加速度又はこれらの組み合
わせを識別することを含んでもよく、合流モニタ4250は、識別された、関連付けられ
た又は生成された合流情報を、AVOMC4100に出力し又はそれがアクセスするため
に出力してもよい。
【0086】
前方障害物モニタ4260は、前方障害物通過動作に地理空間的に対応する自律走行車
の動作環境の1つ以上の態様を識別するために、動作環境データを相関させ、関連付け、
又は他のやり方で処理してもよい。例えば、前方障害物モニタ4260は、自律走行車の
動作環境における車両交通ネットワークの形状を識別してもよく、前方障害物モニタ42
60は、自律走行車の予測経路に沿った、又は自律走行車に関して識別された経路に沿っ
た低速の又は静止した遠隔車両等の自律走行車の動作環境における1つ以上の障害物又は
妨害物を識別してもよく、前方障害物モニタ4260は、自律走行車の動作環境における
1つ以上の遠隔車両のアクションを識別、追跡、又は予測してもよい。例えば、前方障害
物モニタ4250は、1つ以上のセンサからセンサデータ等の情報を受信してもよく、こ
れは障害物通過動作に地理空間的に対応して、自律走行車の動作環境における1つ以上の
遠隔車両、自律走行車の動作環境における自律走行車の動作環境の1つ以上の側面、又は
これらの組み合わせに対応してもよく、障害物通過を監視するための前方障害物モニタ4
250は、障害物通過動作に地理空間的に対応して、自律走行車の動作環境における交差
点又はその1つ以上の識別された遠隔車両、自律走行車の動作環境の1つ以上の側面、又
はこれらの組み合わせとセンサ情報を関連付けてもよく、これは1つ以上の識別された遠
隔車両の各々に関する現在の又は予測される進行方向、予測経路等の経路、現在の又は予
測される速度、現在の又は予測される加速度又はこれらの組み合わせを識別することを含
んでもよく、前方障害物モニタ4250は、識別された、関連付けられた又は生成された
前方障害物情報を、AVOMC4100に出力し又はそれがアクセスするために出力して
もよい。
【0087】
ブロックモニタ4210は、自律走行車に関する動作環境又はその側面を表す動作環境
データを受信してもよい。ブロックモニタ4210は、自律走行車に近接する車両交通ネ
ットワークの一部等の車両交通ネットワークの1つ以上の部分に関する各可用性確率又は
対応するブロック可能性を決定してもよく、部分は自律走行車の現在の経路に基づいて識
別される予測経路等の自律走行車の予測経路に対応する車両交通ネットワークの一部を含
んでもよい。可用性確率又は対応するブロック可能性は、自律走行車が、遠隔車両又は歩
行者等の外部オブジェクトによって妨げられない等、安全に交通ネットワークの一部又は
その中の空間的位置を横断し得る確率又は可能性を示してもよい。ブロックモニタ421
0は、継続的に又は周期的に可用性確率を決定又は更新してもよい。ブロックモニタ42
10は、可用性確率又は対応するブロック可能性をAVOMC4100に伝達してもよい
【0088】
AVOMC4100は、動作環境データによって表される動作環境の1つ以上の側面に
基づいて1つ以上の個別の車両動作シナリオを識別してもよい。例えば、AVOMC41
00は、1つ以上の動作環境モニタ4200によって示される動作環境データに基づいて
又はそれを識別することに応答して、個別の車両動作シナリオを識別してもよい。個別の
車両動作シナリオは、経路データ、センサデータ、又はそれらの組み合わせに基づいて識
別されてもよい。例えば、AVOMC4100は、経路の識別に応答して、識別された経
路に対応する地図データ等に基づいて、車両に関して識別された経路に対応する1つ以上
の個別の車両動作シナリオを識別してもよい。動作環境データによって表される動作環境
の1つ以上の側面に基づいて、複数の個別の車両動作シナリオが識別されてもよい。例え
ば、動作環境データは、歩行者が自律走行車に関する予測経路に沿って交差点に接近して
いることを表す情報を含んでもよく、AVOMC4100は、歩行者の車両動作シナリオ
、交差点の車両動作シナリオ、又は両方を識別してもよい。
【0089】
AVOMC4100は、動作環境データによって表される動作環境の1つ以上の側面に
基づいて1つ以上の動作制御評価モジュール4300の各インスタンスをインスタンス化
してもよい。動作制御評価モジュール4300は、歩行者SSOCEM4310、交差点
SSOCEM4320、車線変更SSOCEM4330、合流SSOCEM4340、障
害物通過SSOCEM4350、又はこれらの組み合わせ等のシナリオ固有の動作制御評
価モジュール(SSOCEM)を含んでもよい。自律走行車の動作管理システム4000
が任意の数のSSOCEM4300を含み得ることを示すために、SSOCEM4360
は破線を使用して示されている。例えば、AVOMC4100は、個別の車両動作シナリ
オを識別することに応答してSSOCEM4300のインスタンスをインスタンス化して
もよい。AVOMC4100は、動作環境データによって表される動作環境の1つ以上の
側面に基づいて1つ以上のAVOMC4300の複数のインスタンスをインスタンス化し
てもよい。例えば、動作環境データは、自律走行車の動作環境における2人の歩行者を示
してもよく、AVOMC4100は、動作環境データによって表される動作環境の1つ以
上の側面に基づいて各歩行者に関する歩行者SSOCEM4310の各インスタンスをイ
ンスタンス化してもよい。
【0090】
AVOMC4100は、ブロックモニタ4210等の自律走行車の別の装置又はSSO
CEM4300の1つ以上のインスタンスに動作環境データ又はその1つ以上の側面を送
信してもよい。例えば、AVOMC4100は、ブロックモニタ4210から受信した可
用性確率、又は対応するブロック確率を、SSOCEM4300のインスタンス化された
各インスタンスに伝達してもよい。AVOMC4100は、動作環境データ又はその1つ
以上の側面を、図1に示されるメモリ1340等の自律走行車のメモリ等に記憶してもよ
い。
【0091】
車両交通ネットワークを横断するように自律走行車を制御することは、個別の車両動作
シナリオに基づいて候補車両制御アクションを識別すること、1つ以上の候補車両制御ア
クション又はそれらの組み合わせに従って車両交通ネットワークの一部を横断するように
自律走行車を制御することを含んでもよい。例えば、AVOMC4100は、SSOCE
M4300の各インスタンスから1つ以上の候補車両制御アクションを受信してもよい。
AVOMC4100は、候補車両制御アクションから車両制御アクションを識別してもよ
く、車両制御アクションに従って車両交通ネットワークを横断するために、車両を制御し
てもよく、又は識別された車両制御アクションを別の車両制御装置に提供してもよい。
【0092】
車両制御アクションは、車両制御アクション又は操縦、例えば、車両交通ネットワーク
の一部を横断することと併せて自律走行車によって行われ得る、車両の加速、減速又は停
止等による車両の運動状態の制御、車両のステアリング又は旋回停止等による車両の方向
状態の制御、又は任意の他の車両動作若しくは車両動作の組み合わせを示してもよい。
【0093】
例えば、「停止」車両制御アクションは、車両を停止させるか、又は他のやり方で静止状態になるか若しくは静止状態を維持するように車両を制御するように、運動制御ユニット、軌道制御ユニット、又は制御ユニットの組み合わせを制御することによって、車両交通ネットワーク又はその一部を横断するように車両を制御することを含み得る。「譲る/停止」車両制御アクションは、車両を減速させるか、又はその他のやり方で定義された法定速度制限より低い又は以下であり得る定義された閾値又は範囲内の速度で移動するように車両を制御するように、運動制御ユニット、軌道制御ユニット、又は制御ユニットの組み合わせを制御することによって、車両交通ネットワーク又はその一部を横断するように車両を制御することを含み得る。「方向調整」車両制御アクションは、定義された通行権ラメータ内における遮蔽、外部オブジェクト、又はその両方に対して車両の方向を変更するように、運動制御ユニット、軌道制御ユニット、又は制御ユニットの組み合わせを制御することによって、車両交通ネットワーク又はその一部を横断するように車両を制御することを含んでもよい。「加速」車両制御アクションは、定義された加速率で、又は定義された範囲内の加速率で加速するように、運動制御ユニット、軌道制御ユニット、又は制御ユニットの組み合わせを制御することによって、車両交通ネットワーク又はその一部を横断するように車両を制御することを含んでもよい。「減速」車両制御アクションは、定義された減速率で、又は定義された範囲内の減速率で減速するように、運動制御ユニット、軌道制御ユニット、又は制御ユニットの組み合わせを制御することによって、車両交通ネットワーク又はその一部を横断するように車両を制御することを含んでもよい。「維持」車両制御アクションは、現在の速度、現在の経路若しくはルート、又は現在の車線方向を維持すること等により現在の動作パラメータを維持するように、運動制御ユニット、軌道制御ユニット、又は制御ユニットの組み合わせを制御することによって、車両交通ネットワーク又はその一部を横断するように車両を制御することを含んでもよい。「進行」車両制御アクションは、以前の識別された動作パラメータのセットを開始又は再開するように、運動制御ユニット、軌道制御ユニット、又は制御ユニットの組み合わせを制御することによって、車両交通ネットワーク又はその一部を横断するように車両を制御することを含んでもよい。いくつかの車両制御アクションが本明細書に記載されているが、他の車両制御アクションが使用されてもよい。
【0094】
車両制御アクションは、1つ以上の性能メトリックを含んでもよい。例えば、「停止」
車両制御アクションは、性能メトリックとして減速度を含んでもよい。別の例では、「進
行」車両制御アクションは、性能メトリックとして経路若しくは道情報、速度情報、加速
度又はこれらの組み合わせを明示的に示してもよく、又は現在若しくは過去の識別された
経路、速度、加速度又はこれらの組み合わせが維持され得ることを明示的又は暗示的に示
してもよい。車両制御アクションは、複合車両制御アクションであってもよく、これは車
両制御アクションのシーケンス、組み合わせ又は両方を含んでもよい。例えば、「方向調
整」車両制御アクションは、「停止」車両制御アクション、定義された加速度に関連付け
られる後続の「加速」車両制御アクション、及び定義された減速度に関連付けられる後続
の「停止」車両制御アクションを示してもよく、それによって「方向調整」車両制御アク
ションに従う自律走行車の制御は、数インチ又はフィート等の短距離だけゆっくりと前進
するように自律走行車を制御することを含む。
【0095】
AVOMC4100は、SSOCEM4300のインスタンスを非インスタンス化して
もよい。例えば、AVOMC4100は、自律走行車に関する個別の車両動作シナリオを
示すように動作条件の個別集合を識別し、個別の車両動作シナリオに関するSSOCEM
モジュール4300のインスタンスをインスタンス化し、動作条件を監視し、その後で1
つ以上の動作条件は満了している又は定義された閾値より低い自律走行車の動作に影響を
及ぼす可能性を有することを決定し、AVOMC4100は、SSOCEM4300のイ
ンスタンスを非インスタンス化してもよい。
【0096】
AVOMC4100は、危急メトリック、緊急性メトリック、ユーティリティメトリッ
ク、許容性メトリック、又はそれらの組み合わせ等の1つ以上の車両動作管理制御メトリ
ックに基づいて、SSOCEM4300のインスタンスをインスタンス化及び非インスタ
ンス化してもよい。危急メトリックは、車両が、車両の現在の位置から、識別された各車
両動作シナリオに対応する車両交通ネットワークの一部へと車両交通ネットワークを横断
するための、空間的、時間的、又は時空的な距離又は近接性を示し、それを表し、又はそ
れに基づいてもよい。緊急度メトリックは、識別された各車両動作シナリオに対応する車
両交通ネットワークの一部を横断するように車両を制御するために利用可能な空間的、時
間的、又は時空的距離の測定値を示し、それを表し、又はそれに基づいてもよい。ユーテ
ィリティメトリックは、識別された各車両動作シナリオに対応するSSOCEM4300
のインスタンスをインスタンス化する予測値を示し、表し、又はそれに基づいてもよい。
許容性メトリックは、例えば、衝突回避を示すメトリック等の安全メトリック、車両交通
ネットワークの規則及び規定への遵守を示すメトリック等の車両交通ネットワーク制御遵
守メトリック、車両の最大制動能力を示すメトリック等の物理能力メトリック、ユーザの
好み等のユーザ定義メトリックであってもよい。他のメトリック又はメトリックの組み合
わせを使用してもよい。車両動作管理制御メトリックは、定義された比率、範囲又は制限
を示してもよい。例えば、許容性メトリックは、定義された目標減速率、定義された減速
率の範囲、又は定義された最大減速率を示してもよい。
【0097】
SSOCEM4300は、それぞれ個別の車両動作シナリオの1つ以上のモデルを含ん
でもよい。自律走行車動作管理システム4000は、任意の数のSSOCEM4300を
含んでもよく、各SSOCEMは、それぞれ個別の車両動作シナリオのモデルを含む。S
SOCEM4300は、1つ以上のタイプのモデルからの1つ以上のモデルを含んでもよ
い。例えば、SSOCEM4300は、部分観測マルコフ決定過程(POMDP)モデル
、マルコフ決定過程(MDP)モデル、古典的プランニングモデル、部分観測確率ゲーム
(POSG)モデル、分散部分観測マルコフ決定過程(Dec-POMDP)モデル、強
化学習(RL)モデル、人工ニューラルネットワークモデル、又はそれぞれ個別の車両動
作シナリオの任意の他のモデルを含んでもよい。それぞれの異なるタイプのモデルは、精
度及びリソース使用率に関してそれぞれの特性を有してもよい。例えば、定義されたシナ
リオに関するPOMDPモデルは、定義されたシナリオに関するMDPモデルよりも精度
とリソース使用率が高くなり得る。SSOCEM4300に含まれるモデルは、精度等に
基づいて、例えば階層的に、順序付けられてもよい。例えば、SSOCEM4300に含
まれる最も精度の高いモデル等の指定モデルが、SSOCEM4300に関する一次モデ
ルとして識別されてもよく、SSOCEM4300に含まれる他のモデルが二次モデルと
して識別されてもよい。
【0098】
一例では、1つ以上のSSOCEM4300は、単一エージェントモデルであり得るPOMDPモデルを含んでもよい。POMDPモデルは、状態の集合(S)、アクションの集合(A)、観測の集合(Ω)、状態遷移確率の集合(T)、条件付き観測確率の集合(O)、報酬関数(R)、又はこれらの組み合わせを使用して、確実性のモデル化を含む、個別の車両動作シナリオをモデル化してもよい。POMDPモデルは、タプル<S,A,Ω、T,O,R>として定義又は記述されてもよい。
【0099】
状態の集合(S)からの1つの状態は、離散的な時間的位置における自律走行車の動作
に確率的に影響を与え得る自律走行車の動作環境の、外部オブジェクト及び交通制御装置
等のそれぞれ定義された側面の個別の状態を表してもよい。状態の各集合(S)は、個別
の車両動作シナリオの各々に関して定義されてもよい。状態の集合(S)からの各状態(
状態空間)は、1つ以上の定義された状態係数を含んでもよい。本明細書にはいくつかの
モデルのための状態係数のいくつかの例が記載されているが、本明細書に記載されている
任意のモデルを含むモデルは、任意の数又は濃度の状態係数を含んでもよい。各状態係数
は、各シナリオの定義された側面を表してもよく、定義された各値の集合を有してもよい
。本明細書にはいくつかの状態係数のための状態係数値のいくつかの例が記載されている
が、本明細書に記載される任意の状態係数を含む状態係数は、任意の数又は濃度の値を含
んでもよい。
【0100】
アクションの集合(A)からの1つのアクションは、状態の集合(S)における各状態
で利用可能な車両制御アクションを示してもよい。アクションの各集合は、個別の車両動
作シナリオの各々に関して定義されてもよい。アクションの集合(A)からの各アクショ
ン(アクション空間)は、1つ以上の定義されたアクション係数を含んでもよい。本明細
書にはいくつかのモデルのためのアクション係数のいくつかの例が記載されているが、本
明細書に記載されている任意のモデルを含むモデルは、任意の数又は濃度のアクション係
数を含んでもよい。各アクション係数は、利用可能な車両制御アクションを表してもよく
、定義された各値の集合を有してもよい。本明細書にはいくつかのアクション係数のため
のアクション係数値のいくつかの例が記載されているが、本明細書に記載される任意のア
クション係数を含むアクション係数は、任意の数又は濃度の値を含んでもよい。
【0101】
観測の集合(Ω)からの1つの観測は、状態の集合(S)からの各状態についての利用
可能な観測可能な、測定可能な又は決定可能なデータを示してもよい。観測の各集合は、
個別の車両動作シナリオの各々に関して定義されてもよい。観測の集合(Ω)からの各観
測(観測空間)は、1つ以上の定義された観測係数を含んでもよい。本明細書にはいくつ
かのモデルのための観測係数のいくつかの例が記載されているが、本明細書に記載されて
いる任意のモデルを含むモデルは、任意の数又は濃度の観測係数を含んでもよい。各観測
係数は、利用可能な観測を表してもよく、定義された各値の集合を有してもよい。本明細
書にはいくつかの観測係数のための観測係数値のいくつかの例が記載されているが、本明
細書に記載される任意の観測係数を含む観測係数は、任意の数又は濃度の値を含んでもよ
い。
【0102】
状態遷移確率の集合(T)からの1つの状態遷移確率は、T:S×A×S→[0、1]
として表され得るアクションの集合(A)によって表される自律走行車のアクションに応
答して、状態の集合(S)によって表される自律走行車の動作環境への変化を確率的に表
してもよい。状態遷移確率の各集合(T)は、各個別の車両動作シナリオに対して定義さ
れてもよい。本明細書にはいくつかのモデルのための状態遷移確率のいくつかの例が記載
されているが、本明細書に記載されている任意のモデルを含むモデルは、任意の数又は濃
度の状態遷移確率を含んでもよい。例えば、状態、アクション、及び後続の状態の各組合
せは、各状態遷移確率に関連付けられてもよい。
【0103】
条件付き観測確率の集合(O)からの1つの条件付き観測確率は、O:A×S×Ω→[
0、1]で表され得るアクションの集合(A)で表される自律走行車のアクションに応じ
て、状態の集合(S)で表される自律走行車の動作環境に基づいて、各観測(Ω)を行う
確率を表してもよい。条件付き観測確率の各集合(O)は、各個別の車両動作シナリオに
対して定義されてもよい。本明細書にはいくつかのモデルのための条件付き観測確率のい
くつかの例が記載されているが、本明細書に記載されている任意のモデルを含むモデルは
、任意の数又は濃度の条件付き観測確率を含んでもよい。例えば、アクション、後続の状
態及び観測の各組合せは、各状態付き観測確率に関連付けられてもよい。
【0104】
報酬関数(R)は、状態及びアクションの各組み合わせに関して獲得され得るそれぞれ
正又は負の(コスト)値を決定してもよく、これは対応する車両制御アクションに従って
対応する状態から自律走行車が後続の状態に車両交通ネットワークを横断する予測値を表
してもよく、これはR:S×A→Rと表されてもよい。
【0105】
簡潔及び明確化のために、本明細書に記載される状態係数値又は観測係数値等のモデル
の値の例は、{start,goal}又は{short,long}等のカテゴリ表現
を含む。カテゴリ値は、定義された離散値を表してもよく、相対値であってもよい。例え
ば、時間的側面を表す状態係数は、集合{short,long}からの値を有してもよ
く、値“short”は、例えば3秒等の定義された閾値内の又はそれ未満の時間距離等
の離散値を表してもよく、値“long”は、少なくとも定義された閾値と等しい又はそ
れを超える時間距離等の離散値を表してもよい。それぞれのカテゴリ値について定義され
た閾値は、関連付けられた係数に関連して定義されてもよい。例えば、時間係数について
の集合{short,long}に対する定義された閾値は、相対的な空間的位置係数値
に関連付けられてもよく、時間係数についての集合{short,long}に対する別
の定義された閾値は、別の相対的な空間的位置係数値に関連付けられてもよい。本明細書
には係数値のカテゴリ表現が記載されているが、他の表現又は表現の組み合わせを使用し
てもよい。例えば、時間状態係数値の集合は、{short(3秒未満の値を表す)、4
、5、6、long(少なくとも7秒の値を表す)}であってもよい。
【0106】
POMDPモデルを実装する実施形態等のいくつかの実施形態では、自律走行車動作制
御シナリオをモデル化することは、遮蔽をモデル化することを含んでもよい。例えば、動
作環境データは、自律走行車の動作環境において、センサ遮蔽等の1つ以上の遮蔽に対応
する情報を含んでもよく、それにより動作環境データは、自律走行車の動作環境において
遮蔽された1つ以上の外部オブジェクトを表す情報を省略してもよい。例えば、遮蔽は、
定義された時空的位置において自律走行車から外部オブジェクト等の1つ以上の他の動作
条件を遮蔽することが可能な、交通標識、建物、木、識別された外部オブジェクト、任意
の他の動作条件又は動作条件の組み合わせ等の外部オブジェクトであってもよい。いくつ
かの実施形態では、動作環境モニタ4200は、遮蔽を識別してもよく、識別された遮蔽
によって外部オブジェクトが遮蔽される又は隠される確率を識別又は決定してもよく、A
VOMC4100に出力され、AVOMC4100によって、各SSOCEM4300へ
と伝達される動作環境データにおける遮蔽された車両確率情報を含んでもよい。
【0107】
自律走行車の動作管理システム4000は、任意の数又は組み合わせのモデルのタイプ
を含んでもよい。例えば、歩行者SSOCEM4310、交差点SSOCEM4320、
車線変更SSOCEM4330、合流SSOCEM4340、及び障害物通過SSOCE
M4350は、POMDPモデルであってもよい。別の例では、歩行者SSOCEM43
10はMDPモデルであってもよく、交差点SSOCEM4320はPOMDPモデルで
あってもよい。AVOMC4100は、動作環境データに基づいてSSOCEM4300
の任意の数のインスタンスをインスタンス化してもよい。
【0108】
SSOCEM4300インスタンスをインスタンス化することは、SSOCEM430
0からモデルを識別すること、及び識別されたモデルのインスタンスをインスタンス化す
ることを含んでもよい。例えば、SSOCEM4300は、それぞれの個別の車両動作シ
ナリオのための一次モデル及び二次モデルを含んでもよく、SSOCEM4300をイン
スタンス化することは、一次モデルを現在のモデルとして識別し、一次モデルのインスタ
ンスをインスタンス化することを含んでもよい。モデルのインスタンス化には、モデルに
関してソリューション又はポリシーが使用可能かどうかを決定することが含まれてもよい
。モデルのインスタンス化には、モデルに関して利用可能なソリューション又はポリシー
が部分的に解決されているか、又は収束して解決されているかを決定することが含まれて
もよい。SSOCEM4300をインスタンス化することは、SSOCEM4300につ
いて識別されたモデルに関するソリューション又はポリシーのインスタンスをインスタン
ス化することを含んでもよい。
【0109】
POMDPモデル等のモデルを解くことは、モデルを定義する<S,A,Ω、T,O,R>等のタプルの要素の可能な組み合わせを評価することによって決定され得る、累積報酬を最大化する関数であり得るポリシー又はソリューションを決定することを含んでもよい。ポリシー又はソリューションは、識別された信頼状態データに基づいて、報酬が最大化された、又は最適な候補車両制御アクションを識別又は出力してもよい。識別された信頼状態データは、確率的であってもよく、各モデルに対する現在の状態値の集合、又は現在の状態値の集合に対する確率等の現在の状態データを示してもよく、各相対的時間位置に対応してもよい。例えば、MDPモデルを解くことには、状態の集合(S)からの状態の識別、アクションの集合(A)からのアクションの識別、状態遷移確率に従うアクションをシミュレートした後における状態の集合(S)からの後続又は継承の状態の決定が含まれてもよい。各状態は、対応する効用値に関連付けられてもよく、MDPモデルを解くことは、状態、アクション、及び後続の状態のそれぞれの可能な組み合わせに対応するそれぞれの効用値を決定することを含んでもよい。後続の状態の効用値は、報酬又はペナルティの対象となる識別された最大の効用値として識別されてもよく、これは割引された報酬又はペナルティであり得る。ポリシーは、それぞれの状態に対する最大効用値に対応するアクションを示してもよい。POMDPモデルを解くことは、それぞれの状態に対する確率を表し、それぞれの状態に対する観測の生成に対応する観測確率に従って、信頼状態に基づくことを除いて、MDPモデルを解くことと同様であり得る。したがって、SSOCEMモデルを解くことには、可能な状態-アクション-状態遷移の評価と、ベイズ規則の使用等、それぞれのアクションと観測に基づいたそれぞれの信頼状態の更新が含まれる。
【0110】
図5は、本開示の実施形態による自律走行車の動作管理5000の例のフロー図である
。自律走行車の動作管理5000は、図1に示される車両1000、図2に示される車両
2100/2110、半自律走行車、又は自律走行を実装する任意の他の車両等の自律走
行車において実装されてもよい。例えば、自律走行車は、図4に示される自律走行車の動
作管理システム4000等の自律走行車の動作管理システムを実装してもよい。
【0111】
図5に示すように、自律走行車動作管理5000は、自律走行車動作管理システムを実
装する又は動作させることを含み、自律走行車動作管理システムは、その1つ以上のモジ
ュール又はコンポーネントを含み、これは、例えば図4に示すAVOMC4100等の自
律走行車動作管理コントローラ(AVOMC)5100を動作させること、図4に示され
る1つ以上の動作環境モニタ4220,4230,4240,4250,4260,42
70等の動作環境モニタ5200を動作させること、及び図4に示されるSSOCEM4
300のインスタンス等のシナリオ固有の動作制御評価モジュールインスタンス(SSO
CEMインスタンス)5300を動作させることを含んでもよい。
【0112】
工程5110において、AVOMC5100は、自律走行車の動作環境又はその定義さ
れた側面を監視して、自律走行車の動作環境又はその側面を識別してもよい。例えば、動
作環境モニタ5200は、動作環境のシナリオ固有の側面を監視し、動作環境を表す動作
環境データをAVOMC5100に送信してもよい。自律走行車の動作環境を監視するこ
とは、工程5110で外部オブジェクトを識別及び追跡すること、工程5120で個別の
車両動作シナリオを識別すること、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、A
VOMC5100、動作環境モニタ5200、又はその両方は、センサデータ、車両デー
タ、経路データ、車両交通ネットワークデータ、以前に識別された動作環境データ、又は
動作環境の1つ以上の態様を記述する任意の他の利用可能なデータ、又はデータの組み合
わせに基づいて、動作環境データを識別してもよい。
【0113】
動作環境を識別することは、動作環境を表す動作環境データを識別すること、又はその
1つ以上の側面を識別することを含んでもよい。動作環境データは、自律走行車に関する
車両情報、自律走行車に近接している車両交通ネットワーク又はその1つ以上の側面を表
す情報、自律走行車に関して識別された経路に沿った又は近接した自律走行車の動作環境
内の外部オブジェクト又はその1つ以上の側面を表す情報、又はこれらの組み合わせを含
んでもよい。センサ情報は、自律走行車のセンサ情報処理装置から処理されたセンサ情報
等の処理されたセンサ情報であってもよく、これは自律走行車のセンサからセンサ情報を
受信してもよく、センサ情報に基づいて処理されたセンサ情報を生成してもよい。
【0114】
動作環境データを識別することは、図1に示されるセンサ1360又は図2に示される
車載センサ2105等の自律走行車のセンサから動作環境の1つ以上の側面を示す情報を
受信することを含んでもよい。自律走行車のセンサ又は別の装置は、自律走行車の図1
示されるメモリ1340等のメモリにセンサ情報を記憶してもよく、AVOMC5100
はメモリからセンサ情報を読み取ってもよい。
【0115】
動作環境データを識別することは、車両交通ネットワークデータから動作環境の1つ以
上の側面を示す情報を識別することを含んでもよい。例えば、AVOMC5100は、自
律走行車が交差点に接近していることを示す、又は他のやり方で自律走行車から300メ
ートル以内等の自律走行車に近接している車両交通ネットワークの形状又は構成を記述す
る車両交通ネットワークデータを読み取り又は他のやり方で受信してもよい。
【0116】
工程5110で動作環境データを識別することは、遠隔車両又は自律走行車の外部の他
の遠隔装置から動作環境の1つ以上の側面を示す情報を識別することを含んでもよい。例
えば、自律走行車は、無線電子通信リンクを介して、遠隔車両から、遠隔車両に関する遠
隔車両地理空間状態情報、遠隔車両運動状態情報又は両方を示す遠隔車両情報を含む遠隔
車両メッセージを受信してもよい。
【0117】
動作環境データを識別することは、自律走行車について識別された経路を表す経路デー
タから動作環境の1つ以上の側面を示す情報を識別することを含んでもよい。例えば、A
VOMC5100は、ユーザ入力に応答して識別された経路等、自律走行車について識別
された経路を表す車両交通ネットワークデータを読み取り又は他のやり方で受信してもよ
い。
【0118】
AVOMC5100及び動作環境モニタ5200は、工程5110、5112及び52
10に示すように、動作環境データを識別するために通信してもよい。代替的又は追加的
に、動作環境モニタ5200は、自律走行車のセンサ等の自律走行車の別のコンポーネン
トから、又は別の動作環境モニタ5200から、動作環境データを受信してもよく、又は
動作環境モニタ5200は、自律走行車のメモリから動作環境データを読み出してもよい
【0119】
AVOMC5100は、例えば、工程5120で識別された動作環境データによって表
される動作環境の1つ以上の側面に基づいて、工程5110において、1つ以上の個別の
車両動作シナリオを検出又は識別してもよい。
【0120】
AVOMC5100は、例えば、工程5120において個別の車両動作シナリオを識別
することに応答して、工程5130において動作環境データによって表される動作環境の
1つ以上の態様に基づいてSSOCEMインスタンス5300をインスタンス化してもよ
い。図5には1つのSSOCEMインスタンス5300が示されているが、AVOMC5
100は、複数のSSOCEMインスタンス5300を、工程5110で識別された動作
環境データによって表される動作環境の1つ以上の側面に基づいてインスタンス化しても
よく、各SSOCEMインスタンス5300は、工程5120で検出されたそれぞれの個
別の車両動作シナリオ、又は工程5110で識別された個別の外部オブジェクトと工程5
120で検出されたそれぞれの個別の車両動作シナリオとの組み合わせに対応する。工程
5130において、SSOCEMインスタンス5300をインスタンス化することは、工
程5132で示されるように自律走行車に関する動作環境を表す動作環境データをSSO
CEMインスタンス5300に送信することを含んでもよい。SSOCEMインスタンス
5300は、工程5310において、自律走行車に関する動作環境又はその1つ以上の側
面を表す動作環境データを受信してもよい。工程5130でSSOCEMインスタンス5
300をインスタンス化することは、個別の車両動作シナリオの一次モデル又は二次モデ
ル等のモデルを識別すること、モデルのインスタンスをインスタンス化すること、モデル
に対応するソリューション又はポリシーを識別すること、ソリューション又はポリシーの
インスタンスをインスタンス化すること、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0121】
動作環境モニタ5200は、図4に示すブロックモニタ4210等のブロックモニタを
含んでもよく、これは、工程5220において、自律走行車に近接する車両交通ネットワ
ークの一部等の車両交通ネットワークの1つ以上の部分に関する各可用性確率(prob
ability of availability;POA)又は対応するブロック可能
性を決定してもよく、部分は自律走行車の現在の経路に基づいて識別される予測経路等の
自律走行車の予測経路に対応する車両交通ネットワークの一部を含んでもよい。ブロック
モニタは、工程5220で識別された可用性確率を、工程5222においてSSOCEM
インスタンス5300に送信してもよい。代替的に又は追加的に、ブロックモニタは、自
律走行車のメモリに工程5220において識別された可用性確率を記憶してもよい。図5
には明示されていないが、ブロックモニタは、SSOCEMインスタンス5300に可用
性確率を送信することに加えて又はその代わりに、工程5222において、AVOMC5
100に工程5220において識別された可用性確率を送信してもよい。SSOCEMイ
ンスタンス5300は、工程5320において可用性確率を受信してもよい。
【0122】
SSOCEMインスタンス5300は、工程5330において、候補車両制御アクショ
ンを生成又は識別してもよい。例えば、SSOCEMインスタンス5300は、工程53
10における動作環境データの受信、工程5320における可用性確率データの受信、又
はその両方に応答して、工程5330において、候補車両制御アクションを生成又は識別
してもよい。例えば、個別の車両動作シナリオのモデルのために工程5310でインスタ
ンス化されたソリューション又はポリシーのインスタンスは、動作環境データ、可用性確
率データ、又はその両方に基づいて、候補車両制御アクションを出力し得る。SSOCE
Mインスタンス5300は、工程5330で識別された候補車両制御アクションを工程5
332でAVOMC5100に送信してもよい。代替的に又は追加的に、SSOCEMイ
ンスタンス5300は、自律走行車のメモリに工程5330において識別された候補車両
制御アクションを記憶してもよい。
【0123】
AVOMC5100は、ステップ5140において、候補車両制御アクションを受信し
てもよい。例えば、AVOMC5100は、工程5140において、SSOCEMインス
タンス5300から候補車両制御アクションを受信してもよい。代替的に又は追加的に、
AVOMC5100は、自律走行車のメモリから候補車両制御アクションを読み取っても
よい。
【0124】
AVOMC5100は、工程5150において、候補車両制御アクションを承認し、又
は他のやり方で車両交通ネットワークを横断するように自律走行車を制御するための車両
制御アクションとして候補車両制御アクションを識別してもよい。工程5150において
候補車両制御アクションを承認することは、候補車両制御アクションに従って車両交通ネ
ットワークの一部を横断するべきかどうかを決定することを含んでもよい。
【0125】
AVOMC5100は、工程5150において識別された車両制御アクションに従って
、工程5160において、車両交通ネットワーク又はその一部を横断するように自律走行
車を制御し又は別の車両装置に識別された車両制御アクションを提供してもよい。
【0126】
AVOMC5100は、工程5170で自律走行車の動作環境又はその側面を識別して
もよい。工程5170において動作環境又はその側面を識別することは、工程5110に
おいて自律走行車の動作環境を識別することに類似していてもよく、以前に識別された動
作環境データを更新することを含んでもよい。
【0127】
AVOMC5100は、工程5180において、個別の車両動作シナリオが解決された
か又は解決されていないかを決定又は検出してもよい。例えば、AVOMC5100は、
上記のように、連続的に又は周期的に動作環境情報を受信してもよい。AVOMC510
0は、動作環境データを評価して、個別の車両動作シナリオが解決たかどうかを決定して
もよい。
【0128】
AVOMC5100は、工程5180においてSSOCEMインスタンス5300に対
応する個別の車両動作シナリオが解決されていないことを決定してもよく、AVOMC5
100は、工程5170において識別された動作環境データを工程5185において示さ
れたSSOCEMインスタンス5300に送信してもよく、工程5180においてSSO
CEMインスタンス5300を非インスタンス化することが省略されるか又は異なっても
よい。
【0129】
AVOMC5100は、工程5180において、個別の車両動作シナリオが解決されて
いることを決定してもよく、工程5180において解決されると決定された個別の車両動
作シナリオに対応するSSOCEMインスタンス5300を、工程5190において非イ
ンスタンス化してもよい。例えば、AVOMC5100は、工程5120において、自律
走行車に関する個別の車両動作シナリオを形成する動作条件の個別集合を識別してもよく
、工程5180において、1つ以上の動作条件が満了した又は定義された閾値を下回る自
律走行車の動作に影響を及ぼす確率を有することを決定してもよく、対応するSSOCE
Mインスタンス5300を非インスタンス化してもよい。
【0130】
図5には明示されていないが、AVOMC5100は、工程5180において個別の車
両動作シナリオが解決されたかどうかを決定することが個別の車両動作シナリオが解決さ
れたこと決定することを含むまで、工程5170において、動作環境データを識別又は更
新すること、工程5180において、個別の車両動作シナリオが解決されたかどうかを決
定すること、及び工程5180において個別の車両動作シナリオが未解決であるという決
定に応答して、工程5185において示されたSSOCEMインスタンス5300に工程
5170において識別された動作環境データを送信することを連続的に又は周期的に反復
してもよい。
【0131】
図6は、本開示の実施形態による通行権曖昧性を有する交差点シナリオを含む車両交通
ネットワークの交差点シーン6000部分の一例を示す図である。自律走行車動作管理は
、自律走行車6100、例えば、図1に示す車両1000、図2に示す車両2100/2
110の1つ、半自律走行車、又は図4に示す自律走行車動作管理システム4000又は
図5に示す自律走行車動作管理システム5000のような自律走行車動作管理システムを
動作させる自律走行を実装する任意の他の車両を含んでもよく、これは、自律走行車61
00が第1の道路6200に沿って第2の道路6400との交差点6300に接近する車
両交通ネットワークの一部を横断すること(交差点シナリオ)を含む自律走行車動作管理
シナリオのモデルを含んでもよい。簡潔及び明確のため、図6に示される交差点シーン6
000に対応する車両交通ネットワークの一部は、上側が北で右側が東の方位である。
【0132】
遠隔車両6500は、第2の道路6400内を西方向に横断するように示されている。
遠隔車両6500の現在の軌道6510は、実線の方向線を用いて示されている。第1の
道路6200は、交差点6300に近接する停止線6210を含んでもよい。他の交差点
の構成を使用してもよい。例えば、停止線6210を省略してもよい。
【0133】
自律走行車6100の自律走行車動作管理システムは、図4に示す交差点モニタ423
0のような交差点モニタを動作させてもよく、これは交差点モニタのインスタンス化を含
んでもよい。交差点モニタは、自律走行車6100について識別された経路に対応する部
分、自律走行車6100に空間的に近接する部分、又は自律走行車6100についての予
測経路6110、又はそれらの組み合わせ等、車両交通ネットワークの一部を表す、地図
データ、センサデータ、又はそれらの組み合わせ等の車両交通ネットワークデータを処理
又は評価し得る。交差点モニタは、自律走行車6100の動作環境又はその一側面を表す
動作環境情報を識別又は生成してもよく、これは、センサ情報を遠隔車両6500に関連
付けることを含んでもよく、動作環境情報を出力することを含んでもよく、これは自律走
行車動作管理コントローラに対して交差点シナリオを識別する情報を含んでもよい。
【0134】
自律走行車動作管理コントローラは、例えば、交差点モニタによって出力される動作環
境情報を含み得る動作環境情報によって表される動作環境に基づいて、交差点シナリオを
検出又は識別し得る。自律走行車動作管理コントローラは、交差点シナリオを検出又は識
別することに応答して、1つ以上の交差点SSOCEMインスタンスをインスタンス化し
、又は交差点SSOCEMインスタンスに動作環境情報を送信するか、又は他のやり方で
利用可能にし得る。追加的又は代替的に、自律走行車動作管理コントローラは、交差点シ
ナリオの検出又は識別に応答して、新しい又は更新された動作環境情報等の動作環境情報
を、以前にインスタンス化された若しくは動作中の1つ以上の交差点SSOCEMインス
タンスに送信するか、又は他のやり方で利用可能にし得る。
【0135】
交差点SSOCEMインスタンスをインスタンス化又は更新することは、センサ情報又
は可用性確率等の動作環境情報又はその一部を又はそれぞれの交差点SSOCEMインス
タンスに提供すること、例えば、動作環境情報又はその一部をそれぞれの交差点SSOC
EMインスタンスに送信すること、又はそれぞれの交差点SSOCEMインスタンスによ
るアクセスのために、動作環境情報又はその一部を記憶することを含んでもよい。それぞ
れの交差点SSOCEMインスタンスは、交差点シナリオに対応する動作環境情報を受信
するか、又は他のやり方でアクセスし得る。
【0136】
交差点SSOCEMは、交差点シナリオのPOMDPモデル等の交差点シナリオのモデルを含んでもよい。交差点シナリオのPOMDPモデルは、状態の集合(S)、アクションの集合(A)、観測の集合(Ω)、状態遷移確率の集合(T)、条件付き観測確率の集合(O)、報酬関数(R)、又はそれらの組み合わせを定義してもよく、これらはタプル<S,A,Ω、T,O,R>として表現し得る。個別の交差点車両動作シナリオのPOMDPモデルは、知覚の不確実性、挙動の不確実性、又はそれらの組み合わせを含み得る確実性をモデル化してもよい。知覚の不確実性のモデル化は、センサの不確実性のモデル化、遠隔車両が存在しない場合に遠隔車両を不正確に識別する等の遠隔車両識別の誤検出の確率のモデル化、遠隔車両が存在する場合に遠隔車両が存在しないことを不正確に識別する等の遠隔車両識別の検出漏れの確率のモデル化、又はその組み合わせを含んでもよい。挙動の不確実性のモデル化は、遠隔車両アクションのそれぞれの確率をモデル化することを含み得る。
【0137】
交差点SSOCEMインスタンスをインスタンス化することは、交差点SSOCEMから交差点車両動作シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することを含み得る。交差点SSOCEMから交差点車両動作シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することは、交差点SSOCEMモデルを解くことを含み得る。交差点SSOCEMインスタンスのインスタンス化には、ソリューション又はポリシーのインスタンスをインスタンス化することが含まれてもよい。
【0138】
交差点SSOCEMソリューションインスタンスは、モデル化された各シナリオ及び対
応する動作環境情報に基づいて、「停止」、「方向調整」、又は「進行」等の候補車両制
御アクションを生成してもよく、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コント
ローラに送信すること、又は自律走行車動作管理コントローラによるアクセスのために各
候補車両制御アクションを記憶すること等によって、各候補車両制御アクションを自律走
行車動作管理コントローラに出力してもよい。
【0139】
自律走行車動作管理コントローラは、インスタンス化された各交差点SSOCEMイン
スタンスから候補車両制御アクションを受信してもよく、対応する時間位置で自律走行車
6100を制御するために受信した候補車両制御アクションに基づいて車両制御アクショ
ンを識別してもよく、識別された車両制御アクションに従って車両交通ネットワーク又は
その一部を横断するように自律走行車を制御し得る。
【0140】
図6に示す交差点シーン6000では、自律走行車6100が交差点6300に接近し
てもよい。いくつかの実装では、自律走行車6100は、図示のように停止線6210に
対応し得る通行権境界位置6610から定義された接近距離において又はその近傍におい
て、定義された最大方向調整速度を下回る速度等の最小速度まで減速又は停止し得る。
【0141】
自律走行車6100は、車両交通ネットワークの一部を、通行権重複領域6600とし
て識別し得る。通行権重複領域6600は、自律走行車6100の予測経路6110が第
2の道路6400のような通行権経路と空間的に交差する車両交通ネットワークの一部を
表すことができる。通行権経路は、通行権を有する車両交通ネットワークユーザが正当に
横断し得る経路であってもよい。例えば、通行権経路は、歩行者用通路、交差点の横断道
路、合流車線、双方向道路セグメント、又は他の車両交通ネットワークユーザが自律走行
車6100の予測経路6110と交差する又は異なる経路上を横断し得る車両交通ネット
ワークの任意の他の部分に6100対応し得る。車両交通ネットワークユーザは、自律走
行車6100、遠隔車両、又は歩行者のような車両交通ネットワークの任意の部分を横断
し得る任意のエンティティ又はオブジェクトであってもよい。
【0142】
通行権重複領域6600を識別することは、通行権境界位置6610を識別することを含んでもよく、通行権境界位置6610は、自律走行車6100の現在の位置と通行権重複領域6600との間で自律走行車6100の予測経路6110に沿った車両交通ネットワーク内の位置であってもよく、それは通行権重複領域に近接した、例えば、通行権重複領域6600の間近に隣接又はそこから1メートルであり、これは、自律走行車6100が通行権重複領域6600に入らずに安全に横断し得る通行権重複領域6600への自律走行車6100に関する予測経路6110に沿った車両交通ネットワーク内で最も近い位置であってもよい。
【0143】
動作環境は、車両交通ネットワークの一部を含み得る遮蔽領域6700(斜線の背景を
使って示されている)を含んでもよい。例えば、動作環境は、(図示の)木又は他の車両
のような遮蔽6710を含んでもよく、これは、自律走行車6100が、遮蔽領域670
0(遮蔽オブジェクト)内で又は部分的にその中で、遠隔車両6500のような1つ以上
の外部オブジェクトを遮蔽し、例えば、正確に識別、検出、又は追跡することを制限、軽
減又は防止等し得る。自律走行車6100は、遮蔽領域6700を識別し得る。例えば、
自律走行車6100は、遮蔽6710を検出してもよく、遮蔽6710に基づいて遮蔽領
域6700を識別し得る。
【0144】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに対する現在
の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値を超えることを決定してもよい。例え
ば、遮蔽領域6700は、遠隔車両6500のような外部オブジェクトが遮蔽領域670
0内に存在することに関する不確実性を増大させ得る。
【0145】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、方向調整車両制御アクションを出力し
得る。自律走行車6100は、方向調整車両制御アクションに従って、車両交通ネットワ
ークの一部を横断し得る。方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの
一部を横断することは、遮蔽6710及び車両交通ネットワークに対する自律走行車61
00の相対的な方向を調整することによって、通行権重複領域6600に対する通行権に
関する不確実性を低減してもよく、これは、車両動作に対する遮蔽6710の遮蔽効果を
低減又は排除し得る。
【0146】
いくつかの実装では、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一
部を横断することは、予測される後続の通行権の自律走行車6100の方向調整モーショ
ン、及び自律走行車6100に関する対応する予測される後続の車両制御アクション、例
えば、通行権重複領域6600を横断する進行車両制御アクション等の記号表現を出力す
るように自律走行車6600を制御することによって、通行権重複領域の通行権に関する
不確実性を低減し得る。
【0147】
方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することは、
自律走行車6100の現在の位置から境界位置6610に向かって、毎秒2メートル等の
定義された最大方向調整速度以下等の範囲内の速度で車両交通ネットワークを横断するこ
とを含んでもよい。いくつかの実装では、自律走行車6100は、自律走行車6100と
通行権境界位置6610との間の現在の距離が定義された接近距離内にあるか否か、例え
ば、それ以下であるか否かを決定し得る。自律走行車6100と通行権境界位置6610
との間の距離は、定義された接近距離内にあってもよく、自律走行車6100は、方向調
整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークを横断してもよい。
【0148】
方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークを横断する前に、自律走行
車6100は静止していてもよく、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネット
ワークを横断することは、例えば、定義された加速度プロファイルに従って、最大方向調
整速度まで加速することを含んでもよい。例えば、自律走行車6100は、図示のように
停止線6210のような現在の位置で静止していてもよく、自律走行車は、現在の位置が
定義された接近距離に対応すると決定してもよく、自律走行車は、方向調整車両制御アク
ションに従って定義された最大方向調整速度まで加速してもよい。
【0149】
図6には明示されていないが、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワ
ークを横断する前に、自律走行車6100は、最大方向調整速度よりも速い速度で動作し
ていてもよく、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークを横断するこ
とは、定義された減速プロファイルに従って最大方向調整速度まで減速することを含んで
もよい。例えば、自律走行車6100は、停止線6210のような現在の位置において、
定義された最大方向調整速度よりも速い速度で動作していてもよく、自律走行車は、現在
の位置が定義された接近距離に対応すると決定してもよく、自律走行車は、方向調整車両
制御アクションに従って、定義された最大方向調整速度まで減速してもよい。
【0150】
方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークを横断することは、自律走
行車6100の現在の位置と通行権境界位置6610との間の距離が、予測される静止距
離以下等の範囲内であるか否かを決定することを含み得る。例えば、自律走行車6100
は、自律走行車6100の現在の位置と通行権境界位置6610との間の距離が予測され
る静止距離内にあると決定してもよく、自律走行車は、境界位置6610で又はその近く
に停止するように定義された減速プロファイルに従って減速することによって、車両交通
ネットワークを横断し得る。予測される静止距離は、自律走行車6100が動作中状態か
ら静止状態に移行するための決定された距離を示してもよい。いくつかの実装では、自律
走行車は、自律走行車6100の現在の位置が通行権境界線の位置に対応すると決定して
もよく、自律走行車は、静止(停止)するように自律走行車を制御することによって車両
交通ネットワークを横断し得る。
【0151】
図6には示されていないが、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワー
クの一部を横断した後で、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動
作シナリオに対する現在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内にあると決
定し得る。例えば、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を
横断した後で、自律走行車6100は、停止線6210よりも第2の道路に近接して、例
えば、通行権境界位置6610に近接して位置していてもよく、これは車両動作に関する
遮蔽6710の遮蔽効果を低減又は除去してもよく、シナリオ固有の動作制御評価モデル
ポリシーは、個別の車両動作シナリオに対する現在の信頼状態の不確実性が、定義された
不確実性閾値内にあると決定し得る。
【0152】
個別の車両動作シナリオの不確実性値が定義された不確実性閾値内にあると決定するこ
とに応答して、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、進行車両制御アクション
又は停止車両制御アクションを出力し得る。例えば、自律走行車は、遠隔車両6500が
静止しており、自律走行車に通行権があると決定し、シナリオ固有の動作制御評価モデル
ポリシーは、進行車両制御アクションを出力してもよい。別の例では、自律走行車は、遠
隔車両6500が通行権を有するか、又は他のやり方で交差点を進行中であり、自律走行
車は現在通行権を有していないと決定してもよく、シナリオ固有の動作制御評価モデルポ
リシーは、停止車両制御アクションを出力し得る。
【0153】
図7は、本開示の実施形態による方向調整車両制御アクション速度プロファイル700
0の一例のグラフである。自律走行車動作管理は、自律走行車、例えば、図1に示す車両
1000、図2に示す車両2100/2110の1つ、図6に示す自律走行車6100、
半自律走行車、又は図4に示す自律走行車動作管理システム4000のような自律走行車
動作管理システムを動作させる自律走行を実装する任意の他の車両を含んでもよく、これ
は、図6に示すような遮蔽を伴う交差点シナリオを含む車両交通ネットワークの一部を自
律走行車が横断することを含む自律走行車動作制御シナリオのモデルを含んでもよい。
【0154】
図7に示すグラフは、交差点に対する車両交通ネットワーク内の自律走行車の地理的位
置を表す横軸を含む。横軸の左端は、図6に示す停止線6210のように、定義された接
近距離に対応する。横軸に沿った左から右への移動は、自律走行車が交差点を横断するこ
とに対応する。横軸の右端は、自律走行車が交差点の横断を完了することに対応する。図
6に示す通行権境界位置6610に対応する位置は、縦破線7100で図7に示されてい
る。図7に示すグラフは、自律走行車の速度を表す縦軸を含む。縦軸の下端は静止速度を
示す。最大方向調整速度は、横破線7200で示されている。方向調整車両制御アクショ
ン速度プロファイル7000は、太線で示されている。
【0155】
自律走行車は、図6に示すような遮蔽を伴う交差点シナリオに接近してもよい。自律走
行車は、図示された車両交通ネットワークの交差点シーン部分のための個別の車両動作シ
ナリオを識別し得る。自律走行車は、個別の車両動作シナリオのシナリオ固有の動作制御
評価モデルに対するポリシーをインスタンス化してもよい。自律走行車は、図6に示され
るように、通行権境界位置から、停止線又は最小方向調整距離よりも大きい別の位置に近
接して、定義された最大方向調整速度を下回る速度等の最小速度まで停止又は減速し得る
。シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに対する現在
の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値を超えることを決定してもよい。シナ
リオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、方向調整車両制御アクションを出力し得る。
【0156】
自律走行車は、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横
断してもよく、これは、図7に示す速度プロファイル7000に示されるように、自律走
行車の現在の位置から境界位置に向かって車両交通ネットワークを横断することを含んで
もよい。図7の左側に示されるように、自律走行車は、定義された接近距離(停止線)で
静止していてもよく、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークを横断
することは、白菱形7300で示される静止状態から白丸7400で示される最大方向調
整速度7200まで加速することを含んでもよい。図7は、自律走行車が7200におい
て静止状態から加速していることを示しているが、自律走行車は、定義された接近距離(
停止線)において最大方向調整速度内で非静止速度から加速してもよく、定義された接近
距離(停止線)における最大方向調整速度であってもよく、最大方向調整速度を維持して
もよく、又は、定義された接近距離(停止線)において最大方向調整速度よりも大きい速
度であってもよく、最大方向調整速度まで減速してもよい。
【0157】
自律走行車は、最大方向調整速度7200で車両交通ネットワークの一部を横断し得る
。自律走行車は、予測される静止距離を決定してもよく、自律走行車の現在の位置と通行
権境界位置7100との間の現在の距離が、予測される静止距離以下等の範囲内にあるか
どうかを決定し得る。自律走行車は、自律走行車の現在の位置と通行権境界位置7100
との間の現在の距離が、予測される静止距離以下等の範囲内にあると決定してもよく、黒
菱形7500で示すように、通行権境界位置7600に従って、黒丸7600に示すよう
に、静止状態まで減速してもよい。
【0158】
その後、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに対
する現在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内であることを決定し得る。
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、進行車両制御アクションを出力し得る。
自律走行車は、進行車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断して
もよく、これは、黒丸7600の右側に示されるように加速することによって、自律走行
車の現在の位置から車両交通ネットワークを横断することを含み得る。
【0159】
図7には明示されていないが、自律走行車が黒丸7600で示される位置に到達する前
に、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに対する現
在の信頼状態の不確実性が定義された不確実性閾値内にあり、自律走行車は通行権を有す
ると決定してもよく、進行車両制御アクションを出力してもよく、自律走行車は、停止線
と境界との間の位置で加速することによって、進行車両制御アクションに従って、車両交
通ネットワークの一部を横断してもよい。
【0160】
図7には明示されていないが、自律走行車が黒菱形7500によって示された位置に到
達する前に、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに
対する現在の信頼状態の不確実性が定義された不確実性閾値内にあること、及び自律走行
車が通行権を持たないことを決定してもよく、停止車両制御アクションを出力してもよく
、自律走行車は、停止線と境界との間の位置で静止するように減速することによって、停
止車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断してもよい。
【0161】
図8は、本開示の実施形態による、通行権曖昧性を有する交差点シナリオを含む、車両
交通ネットワークの別の交差点シーン8000部分の例を示す図である。自律走行車動作
管理は、自律走行車8100、例えば、図1に示す車両1000、図2に示す車両210
0/2110の1つ、半自律走行車、又は図4に示す自律走行車動作管理システム400
0又は図5に示す自律走行車動作管理システム5000のような自律走行車動作管理シス
テムを動作させる自律走行を実装する任意の他の車両を含んでもよく、これは、自律走行
車8100が第1の車線で第1の道路8200に沿って第2の道路8400との交差点8
300に接近する車両交通ネットワークの一部を横断すること(交差点シナリオ)を含む
自律走行車動作管理シナリオのモデルを含んでもよい。第1の車線8210は、交差点8
300に近接する第1の停止線8212を含んでもよい。自律走行車8100の予測経路
8110は、破線方向線8110を用いて示されている。簡潔及び明確のため、図8に示
される交差点シーン8000に対応する車両交通ネットワークの一部は、上側が北で右側
が東の方位である。
【0162】
遠隔車両8500は、第1の道路8200の第2の車線8220を自律走行車8100
とは反対の南方向の進行方向に横断して示されている。第2の車線8220は、交差点8
300に近接する第2の停止線8222を含んでもよい。遠隔車両8500の予測経路8
510は、破線方向線を用いて示されている。
【0163】
自律走行車8100の自律走行車動作管理システムは、図4に示される交差点モニタ4
230のような交差点モニタを動作させてもよく、これは、交差点モニタをインスタンス
化することを含んでもよく、これは、本明細書に示されるか又はコンテキストから明らか
である場合を除いて、図6に関連して説明された交差点モニタを動作させることと類似し
てもよい。自律走行車動作管理コントローラは、例えば、交差点モニタによって出力され
る動作環境情報を含み得る動作環境情報によって表される動作環境に基づいて、交差点シ
ナリオを検出又は識別し得る。自律走行車動作管理コントローラは、交差点シナリオを検
出又は識別することに応答して、1つ以上の交差点SSOCEMインスタンスをインスタ
ンス化又は更新し、又は交差点SSOCEMインスタンスに動作環境情報を送信するか、
又は他のやり方で利用可能にし得る。交差点SSOCEMインスタンスは、本明細書に示
されているか又はコンテキストから明らかである場合を除いて、図6に関連して説明した
交差点SSOCEMインスタンスと類似してもよい。
【0164】
交差点SSOCEMインスタンスをインスタンス化することは、交差点SSOCEMから交差点車両動作シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することを含み得る。交差点SSOCEMから交差点車両動作シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することは、交差点SSOCEMモデルを解くことを含み得る。交差点SSOCEMインスタンスのインスタンス化には、ソリューション又はポリシーのインスタンスをインスタンス化することが含まれてもよい。交差点SSOCEMソリューションインスタンスは、モデル化された各シナリオ及び対応する動作環境情報に基づいて、「停止」、「方向調整」、又は「進行」等の候補車両制御アクションを生成してもよく、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コントローラに送信すること、又は自律走行車動作管理コントローラによるアクセスのために各候補車両制御アクションを記憶すること等によって、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コントローラに出力してもよい。
【0165】
自律走行車動作管理コントローラは、インスタンス化された各交差点SSOCEMイン
スタンスから候補車両制御アクションを受信してもよく、対応する時間位置で自律走行車
8100を制御するために受信した候補車両制御アクションに基づいて車両制御アクショ
ンを識別してもよく、識別された車両制御アクションに従って車両交通ネットワーク又は
その一部を横断するように自律走行車を制御し得る。
【0166】
図8に示す交差点シーン8000では、自律走行車8100が交差点8300に接近し
てもよい。自律走行車8100は、車両交通ネットワークの一部を、通行権重複領域86
00として識別し得る。通行権重複領域8600を識別することは、通行権境界位置87
00を識別することを含んでもよい。自律走行車8100は、図示のように停止線821
2に対応し得る通行権境界位置8700から定義された接近距離において又はその近傍に
おいて、定義された最大方向調整速度を下回る速度等の最小速度まで減速又は停止し得る
。遠隔車両8500は、交差点8300に接近してもよく、自律走行車8100が第1の
停止線8212に到着するのと実質的に同時に第2の停止線8222で停止し得る。
【0167】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに対する現在
の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値を超えることを決定してもよい。例え
ば、自律走行車8100は、第1の停止線8212に到着してもよく、実質的に同時に、
遠隔車両8500は、第2の停止線8222に到着してもよく、これは、通行権重複領域
8600に対する通行権に関する不確実性を増加させ得る。別の例では、遠隔車両850
0は、自律走行車8100が第1の停止線8212に到達する前に第2の停止線8222
に到達してもよく、これは、遠隔車両8500が通行権を有することを示してもよく、遠
隔車両8500は、自律走行車8100が第1の停止線8212に到達した後、2秒等の
定義された通行権期間の間、第2の停止線8222において静止したままであってもよく
、これは、通行権重複領域8600に対する通行権に関する不確実性を増大させ得る。
【0168】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、方向調整車両制御アクションを出力し
得る。自律走行車8100は、方向調整車両制御アクションに従って、車両交通ネットワ
ークの一部を横断し得る。方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの
一部を横断することにより、通行権重複領域8600に対する通行権に関する不確実性を
低減し得る。
【0169】
例えば、この不確実性は、遠隔車両8500(外部オブジェクト)が自律走行車810
0に対して通行権を譲るか(期待動作)どうかに関する不確実性に基づいてもよく、方向
調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することは、遠隔車
両8500が静止したままであることに応答して遠隔車両8500が通行権を譲る確率を
増加させることによって、又は遠隔車両8500が交差点8300を横断することに応答
して遠隔車両8500が通行権を譲る確率を減少させることによって、通行権重複領域8
600に対する通行権に関する不確実性を減少させ得る。
【0170】
別の例では、この不確実性は、予想される外部不確実性に基づいてもよく、これは、通
行権重複領域8600における通行権に対して、自律走行車8100に対する予測される
後続の車両制御アクションに関して、遠隔車両8500のような外部オブジェクトの予測
される不確実性を示してもよい。方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワ
ークの一部を横断することは、予測される後続の通行権の自律走行車8100の方向調整
モーション、及び自律走行車8100に関する対応する予測される後続の車両制御アクシ
ョン、例えば、通行権重複領域8600を横断する進行車両制御アクション等の記号表現
を出力するように自律走行車8100を制御することによって、通行権重複領域8600
の通行権に関する不確実性を低減し得る。
【0171】
方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することは、
自律走行車8100の現在の位置から境界位置8700に向かって、毎秒2メートル等の
定義された最大方向調整速度以下等の範囲内の速度で車両交通ネットワークを横断するこ
とを含んでもよい。
【0172】
方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークを横断することは、自律走
行車8100の現在の位置と通行権境界位置8700との間の距離が、予測される静止距
離以下等の範囲内であるか否かを決定することを含み得る。例えば、自律走行車8100
は、自律走行車8100の現在の位置と通行権境界位置8700との間の距離が予測され
る静止距離内にあると決定してもよく、自律走行車は、境界位置8700で又はその近く
に停止するように定義された減速プロファイルに従って減速することによって、車両交通
ネットワークを横断し得る。予測される静止距離は、自律走行車8100が動作中状態か
ら静止状態に移行するための決定された距離を示してもよい。いくつかの実装では、自律
走行車は、自律走行車の現在の位置が通行権境界線の位置に対応すると決定してもよく、
自律走行車は、静止(停止)するように自律走行車を制御することによって車両交通ネッ
トワークを横断し得る。
【0173】
図8には示されていないが、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワー
クの一部を横断した後で、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動
作シナリオに対する現在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内にあると決
定し得る。例えば、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を
横断した後で、自律走行車8100は、第1の停止線8400よりも第2の道路8212
に近接して、例えば、通行権境界位置8700に近接して位置してもよく、遠隔車両85
00は、第2の停止線8222において静止したままであってもよく、これは、通行権曖
昧性を低減又は排除してもよく、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の
車両動作シナリオに対する現在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内にあ
ることを決定してもよい。
【0174】
個別の車両動作シナリオの不確実性値が定義された不確実性閾値内にあると決定するこ
とに応答して、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、進行車両制御アクション
又は停止車両制御アクションを出力し得る。例えば、自律走行車は、遠隔車両8500が
静止しており、自律走行車に通行権があると決定し、シナリオ固有の動作制御評価モデル
ポリシーは、進行車両制御アクションを出力してもよい。別の例では、自律走行車は、遠
隔車両8500が通行権を有するか、又は他のやり方で交差点を進行中であり、自律走行
車は現在通行権を有していないと決定してもよく、シナリオ固有の動作制御評価モデルポ
リシーは、停止車両制御アクションを出力し得る。
【0175】
図9は、本開示の実施形態による、通行権曖昧性を有する交差点シナリオを含む、車両
交通ネットワークの別の交差点シーン9000部分の例を示す図である。自律走行車動作
管理は、自律走行車9100、例えば、図1に示す車両1000、図2に示す車両210
0/2110の1つ、半自律走行車、又は図4に示す自律走行車動作管理システム400
0又は図5に示す自律走行車動作管理システム5000のような自律走行車動作管理シス
テムを動作させる自律走行を実装する任意の他の車両を含んでもよく、これは、自律走行
車9100が第1の車線9210で第1の道路9200に沿って第2の道路9400との
交差点9300に接近する車両交通ネットワークの一部を横断すること(交差点シナリオ
)を含む自律走行車動作管理シナリオのモデルを含んでもよい。第1の車線9210は、
交差点9300に近接する停止線9212を含んでもよい。簡潔及び明確のため、図9
示される交差点シーン9000に対応する車両交通ネットワークの一部は、上側が北で右
側が東の方位である。
【0176】
第1の遠隔車両9500は、自律走行車9100とは反対の南向きの進行方向に第1の
道路9200の第2の車線9220内で交差点9300を横断している。第1の遠隔車両
9500の予測経路9510は、破線方向線を用いて示されている。第2の遠隔車両95
20が、第2の車線9220において交差点9300に接近して示されている。
【0177】
自律走行車9100の自律走行車動作管理システムは、図4に示される交差点モニタ4
230のような交差点モニタを動作させてもよく、これは、交差点モニタをインスタンス
化することを含んでもよく、これは、本明細書に示されるか又はコンテキストから明らか
である場合を除いて、図6に関連して説明された交差点モニタを動作させることと類似し
てもよい。自律走行車動作管理コントローラは、例えば、交差点モニタによって出力され
る動作環境情報を含み得る動作環境情報によって表される動作環境に基づいて、交差点シ
ナリオを検出又は識別し得る。自律走行車動作管理コントローラは、交差点シナリオを検
出又は識別することに応答して、1つ以上の交差点SSOCEMインスタンスをインスタ
ンス化又は更新し、又は交差点SSOCEMインスタンスに動作環境情報を送信するか、
又は他のやり方で利用可能にし得る。交差点SSOCEMインスタンスは、本明細書に示
されているか又はコンテキストから明らかである場合を除いて、図6に関連して説明した
交差点SSOCEMインスタンスと類似してもよい。
【0178】
交差点SSOCEMインスタンスをインスタンス化することは、交差点SSOCEMから交差点車両動作シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することを含み得る。交差点SSOCEMから交差点車両動作シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することは、交差点SSOCEMモデルを解くことを含み得る。交差点SSOCEMインスタンスのインスタンス化には、ソリューション又はポリシーのインスタンスをインスタンス化することが含まれてもよい。交差点SSOCEMソリューションインスタンスは、モデル化された各シナリオ及び対応する動作環境情報に基づいて、「停止」、「方向調整」、又は「進行」等の候補車両制御アクションを生成してもよく、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コントローラに送信すること、又は自律走行車動作管理コントローラによるアクセスのために各候補車両制御アクションを記憶すること等によって、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コントローラに出力してもよい。
【0179】
自律走行車動作管理コントローラは、インスタンス化された各交差点SSOCEMイン
スタンスから候補車両制御アクションを受信してもよく、対応する時間位置で自律走行車
9100を制御するために受信した候補車両制御アクションに基づいて車両制御アクショ
ンを識別してもよく、識別された車両制御アクションに従って車両交通ネットワーク又は
その一部を横断するように自律走行車を制御し得る。
【0180】
図9に示す交差点シーン9000では、自律走行車9100が交差点9300に接近し
てもよい。自律走行車9100は、車両交通ネットワークの一部を、通行権重複領域96
00として識別し得る。通行権重複領域9600を識別することは、通行権境界位置96
10を識別することを含んでもよい。自律走行車9100は、図示のように停止線921
2に対応し得る通行権境界位置9610から定義された接近距離において又はその近傍に
おいて、定義された最大方向調整速度を下回る速度等の最小速度まで減速又は停止し得る
。第1の遠隔車両9500は、自律走行車9100が第1の停止線9212に到着するの
と実質的に同時に交差点9300を横断してもよい。
【0181】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに対する現在
の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値を超えることを決定してもよい。例え
ば、自律走行車9100は、第1の停止線9212に到達し、実質的に同時に、第1の遠
隔車両9500は、通行権重複領域9600を横断していてもよく、これは、第1の遠隔
車両9500が通行権重複領域9600を出ることに関する不確実性に従って、通行権重
複領域9600に対する通行権境界線に関する不確実性を増加させ得る。他の例では、第
2の遠隔車両9520は、第1の遠隔車両9600が通行権重複領域9500を横断する
のと実質的に同時に第2の車線9220内の交差点9300に接近してもよく、これは通
行権重複領域9600に対する通行権境界線に関する不確実性を増大させ得る。
【0182】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、方向調整車両制御アクションを出力し
得る。自律走行車9100は、方向調整車両制御アクションに従って、車両交通ネットワ
ークの一部を横断し得る。方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの
一部を横断することにより、通行権重複領域9600に対する通行権に関する不確実性を
低減し得る。
【0183】
例えば、この不確実性は、第1の遠隔車両9500(外部オブジェクト)が交差点93
00を出るかどうか(予測される動作)、いつ出るか又はその両方に関する不確実性に基
づいてもよく、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断
することは、遠隔車両9500が交差点9300を出る確率を増加させることによって、
通行権重複領域9600に対する通行権境界線に関する不確実性を低減し得る。
【0184】
別の例では、不確実性は、第2の遠隔車両9520(外部オブジェクト)が自律走行車
9100に対して通行権を譲る(予測される動作)かどうかに関する不確実性に基づいて
もよく、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断するこ
とは、第2の遠隔車両9600が通行権を譲る確率を増加させることによって、通行権重
複領域9520に対する通行権に関する不確実性を低減し得る。
【0185】
別の例では、この不確実性は、予想される外部不確実性に基づいてもよく、これは、通
行権重複領域9600における通行権に対して、自律走行車9100に対する予測される
後続の車両制御アクションに関して、第2の遠隔車両9520のような外部オブジェクト
の予測される不確実性を示してもよい。方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネ
ットワークの一部を横断することは、予測される後続の通行権の自律走行車9100の方
向調整モーション、及び自律走行車9100に関する対応する予測される後続の車両制御
アクション、例えば、通行権重複領域9600を横断する進行車両制御アクション等の記
号表現を出力するように自律走行車9100を制御することによって、通行権重複領域9
600の通行権に関する不確実性を低減し得る。
【0186】
方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することは、
自律走行車9100の現在の位置から境界位置9610に向かって、毎秒2メートル等の
定義された最大方向調整速度以下等の範囲内の速度で車両交通ネットワークを横断するこ
とを含んでもよい。
【0187】
方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークを横断することは、自律走
行車9100の現在の位置と通行権境界位置9610との間の距離が、予測される静止距
離以下等の範囲内であるか否かを決定することを含み得る。例えば、自律走行車9100
は、自律走行車9100の現在の位置と通行権境界位置9610との間の距離が予測され
る静止距離内にあると決定してもよく、自律走行車は、境界位置9610で又はその近く
に停止するように定義された減速プロファイルに従って減速することによって、車両交通
ネットワークを横断し得る。予測される静止距離は、自律走行車9100が動作中状態か
ら静止状態に移行するための決定された距離を示してもよい。いくつかの実装では、自律
走行車は、自律走行車の現在の位置が通行権境界線の位置に対応すると決定してもよく、
自律走行車は、静止(停止)するように自律走行車を制御することによって車両交通ネッ
トワークを横断し得る。
【0188】
図9には示されていないが、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワー
クの一部を横断した後で、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動
作シナリオに対する現在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内にあると決
定し得る。例えば、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を
横断した後で、自律走行車9100は、停止線9212よりも第2の道路9400に近接
して、例えば、通行権境界位置9610に近接して位置してもよく、第1の遠隔車両95
00は、第2の停止線9222において静止したままであってもよく、これは、通行権曖
昧性を低減又は排除してもよく、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の
車両動作シナリオに対する現在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内にあ
ることを決定してもよい。
【0189】
個別の車両動作シナリオの不確実性値が定義された不確実性閾値内にあると決定するこ
とに応答して、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、進行車両制御アクション
又は停止車両制御アクションを出力し得る。例えば、自律走行車は、遠隔車両9700が
静止しており、自律走行車に通行権があると決定し、シナリオ固有の動作制御評価モデル
ポリシーは、進行車両制御アクションを出力してもよい。別の例では、自律走行車は、遠
隔車両9700が通行権を有するか、又は他のやり方で交差点を進行中であり、自律走行
車は現在通行権を有していないと決定してもよく、シナリオ固有の動作制御評価モデルポ
リシーは、停止車両制御アクションを出力し得る。
【0190】
図10は、本開示の実施形態による通行権曖昧性を有する歩行者シナリオを含む車両交
通ネットワークの歩行者シーン10000部分の一例を示す図である。自律走行車動作管
理は、自律走行車10100、例えば、図1に示す車両1000、図2に示す車両210
0/2110の1つ、半自律走行車、又は図4に示す自律走行車動作管理システム400
0又は図5に示す自律走行車動作管理システム5000のような自律走行車動作管理シス
テムを動作させる自律走行を実装する任意の他の車両を含んでもよく、これは、自律走行
車10100が第1の道路10200に沿って歩行者交通ネットワーク10400の重複
部分との交差点10300に接近する車両交通ネットワークの一部を横断すること(交差
点シナリオ)を含む自律走行車動作管理シナリオのモデルを含んでもよい。自律走行車1
0100の予測経路10110は、破線方向線10110を用いて示されている。簡潔及
び明確のため、図10に示される譲る/停止シーン10000に対応する車両交通ネット
ワークの一部は、上側が北で右側が東の方位である。
【0191】
歩行者10500が交差点10300に近接して示されている。歩行者10500のた
めの予測経路10510は、歩行者10500が自律走行車10100の動作に影響を与
え得ることを示す破線方向線を使用して示される。図10では、歩行者10500が歩行
者交通ネットワーク10400(横断歩道)の重複部分を横断するように示されているが
、歩行者シーン10000は、歩行者交通ネットワーク10400の重複部分を省略して
もよく、又は歩行者10500は、車両交通ネットワークの一部(横断歩道のない所)を
横断してもよい。
【0192】
自律走行車10100の自律走行車動作管理システムは、図4に示される歩行者モニタ
4220のような歩行者モニタを動作させてもよく、これは、歩行者モニタをインスタン
ス化することを含んでもよく、これは、本明細書に示されるか又はコンテキストから明ら
かである場合を除いて、図6に関連して説明された交差点モニタを動作させることと類似
してもよい。自律走行車動作管理コントローラは、例えば、交差点モニタによって出力さ
れる動作環境情報を含み得る動作環境情報によって表される動作環境に基づいて、歩行者
(譲る/停止)シナリオを検出又は識別し得る。自律走行車動作管理コントローラは、歩
行者シナリオを検出又は識別することに応答して、1つ以上の歩行者SSOCEMインス
タンスをインスタンス化又は更新し、又は歩行者SSOCEMインスタンスに動作環境情
報を送信するか、又は他のやり方で利用可能にし得る。歩行者SSOCEMインスタンス
は、本明細書に示されているか又はコンテキストから明らかである場合を除いて、図6
関連して説明した交差点SSOCEMインスタンスと類似してもよい。
【0193】
歩行者SSOCEMインスタンスをインスタンス化することは、歩行者SSOCEMから歩行者車両動作シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することを含み得る。歩行者SSOCEMから歩行者車両動作シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することは、歩行者SSOCEMモデルを解くことを含み得る。歩行者SSOCEMインスタンスのインスタンス化には、ソリューション又はポリシーのインスタンスをインスタンス化することが含まれ得る。歩行者SSOCEMソリューションインスタンスは、モデル化された各シナリオ及び対応する動作環境情報に基づいて、「停止」、「譲る/停止」、「方向調整」、又は「進行」等の候補車両制御アクションを生成してもよく、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コントローラに送信すること、又は自律走行車動作管理コントローラによるアクセスのために各候補車両制御アクションを記憶すること等によって、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コントローラに出力してもよい。
【0194】
自律走行車動作管理コントローラは、インスタンス化された各歩行者SSOCEMイン
スタンスから候補車両制御アクションを受信してもよく、対応する時間位置で自律走行車
10100を制御するために受信した候補車両制御アクションに基づいて車両制御アクシ
ョンを識別してもよく、識別された車両制御アクションに従って車両交通ネットワーク又
はその一部を横断するように自律走行車を制御し得る。
【0195】
図10に示す歩行者シーン10000では、自律走行車10100は、歩行者交通ネッ
トワーク10400の重複部分との交差点10300に接近し得る。自律走行車1010
0は、車両交通ネットワークの一部を、通行権重複領域10600として識別し得る。例
えば、通行権重複領域10600は、歩行者交通ネットワーク10400の重複部分を示
す車両交通ネットワーク情報、歩行者交通ネットワーク10400の重複部分を示すセン
サ情報、歩行者10500の予測経路10510を識別するセンサ情報、又はこれらの組
み合わせに基づいて特定し得る。通行権重複領域10600を識別することは、通行権境
界位置10610を識別することを含んでもよい。
【0196】
自律走行車10100は、通行権境界位置10610から定義された接近距離において
又はその近傍において、定義された最大方向調整速度を下回る速度等の最小速度まで減速
又は停止し得る。図10には停止線が示されていないが、車両交通ネットワークは停止線
を含んでもよく、これは、通行権境界位置10610から定義された接近距離に対応して
もよい。
【0197】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに対する現在
の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値を超えることを決定してもよい。例え
ば、自律走行車10100は、通行権境界位置10610から定義された接近距離に到達
してもよく、実質的に同時に、歩行者10500は、道路10200に近接する歩行者1
0500のための予測経路10510に沿って静止又は動作していてもよく、これは、通
行権重複領域10600のための通行権に関する不確実性を増加させ得る。
【0198】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、方向調整車両制御アクションを出力し
得る。自律走行車10100は、方向調整車両制御アクションに従って、車両交通ネット
ワークの一部を横断し得る。方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワーク
の一部を横断することにより、通行権重複領域10600に対する通行権に関する不確実
性を低減し得る。
【0199】
例えば、この不確実性は、歩行者10500(外部オブジェクト)が自律走行車101
00に対して通行権を譲るか(期待動作)どうかに関する不確実性に基づいてもよく、方
向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することは、歩行
者10500が静止したままであることに応答して歩行者10500が通行権を譲る確率
を増加させることによって、又は歩行者10500が交差点10300を横断することに
応答して歩行者10500が通行権を譲る確率を減少させることによって、通行権重複領
域10600に対する通行権に関する不確実性を減少させ得る。
【0200】
別の例では、不確実性は、予想される外部不確実性に基づいてもよく、これは、通行権
重複領域10600における通行権に対して、自律走行車10100に対する予測される
後続の車両制御アクションに関して、歩行者10500のような外部オブジェクトの予測
される不確実性を示してもよい。方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワ
ークの一部を横断することは、予測される後続の通行権の自律走行車10100の方向調
整モーション、及び自律走行車10100に関する対応する予測される後続の車両制御ア
クション、例えば、通行権重複領域10600を横断する進行車両制御アクション等の記
号表現を出力するように自律走行車10100を制御することによって、通行権重複領域
10600の通行権に関する不確実性を低減し得る。
【0201】
方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することは、
自律走行車10100の現在の位置から境界位置10610に向かって、毎秒2メートル
等の定義された最大方向調整速度以下等の範囲内の速度で車両交通ネットワークを横断す
ることを含んでもよい。方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークを横
断することは、自律走行車10100の現在の位置と通行権境界位置10610との間の
距離が、予測される静止距離以下等の範囲内であるか否かを決定することを含み得る。例
えば、自律走行車10100は、自律走行車10100の現在の位置と通行権境界位置1
0610との間の距離が予測される静止距離内にあると決定してもよく、自律走行車は、
境界位置10610で又はその近くに停止するように定義された減速プロファイルに従っ
て減速することによって、車両交通ネットワークを横断し得る。予測される静止距離は、
自律走行車10100が動作中状態から静止状態に移行するための決定された距離を示し
てもよい。いくつかの実装では、自律走行車は、自律走行車の現在の位置が通行権境界線
の位置に対応すると決定してもよく、自律走行車は、静止(停止)するように自律走行車
を制御することによって車両交通ネットワークを横断し得る。
【0202】
図10には示されていないが、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワ
ークの一部を横断した後で、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両
動作シナリオに対する現在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内にあると
決定し得る。例えば、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部
を横断した後で、自律走行車10100は、通行権境界位置10610から定義された接
近距離よりも歩行者10500のための予測経路10510に近接して、例えば、通行権
境界位置10610に近接して位置してもよく、歩行者10500は、図示されるように
、車両交通ネットワークに近接して静止したままであってもよく、又は歩行者交通ネット
ワーク10400の重複部分を横断してもよく、これは通行権曖昧性を低減又は除去して
もよく、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに対す
る現在の信頼状態の不確実性が定義された不確実性閾値内にあることを決定し得る。
【0203】
個別の車両動作シナリオの不確実性値が定義された不確実性閾値内にあると判断するこ
とに応答して、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、進行車両制御アクション
又は停止車両制御アクションを出力し得る。例えば、自律走行車は、歩行者10500が
図示されたように車両交通ネットワークに近接して静止しているか、又は歩行者交通ネッ
トワーク10400の重複部分を横断しており、自律走行車は通行権を有していると決定
してもよく、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは進行車両制御アクションを出
力してもよい。別の例では、自律走行車は、歩行者10500が通行権を有するか、又は
他のやり方で歩行者交通ネットワーク10400の重複部分を進行中であり、自律走行車
は現在通行権を有していないと決定してもよく、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリ
シーは、停止車両制御アクションを出力し得る。
【0204】
図11は、本開示の実施形態による通行権曖昧性を有する譲る/停止歩行者シナリオを
含む車両交通ネットワークの別の歩行者シーン11000部分の一例を示す図である。自
律走行車動作管理は、自律走行車11100、例えば、図1に示す車両1000、図2
示す車両2100/2110の1つ、半自律走行車、又は図4に示す自律走行車動作管理
システム4000又は図5に示す自律走行車動作管理システム5000のような自律走行
車動作管理システムを動作させる自律走行を実装する任意の他の車両を含んでもよく、こ
れは、自律走行車11100が第1の道路11200に沿って歩行者交通ネットワーク1
1400(横断歩道)の重複部分との交差点11300に接近する車両交通ネットワーク
の一部を横断すること(交差点シナリオ)を含む自律走行車動作管理シナリオのモデルを
含んでもよい。自律走行車11100の予測経路11110は、破線方向線11110を
用いて示されている。簡潔及び明確のため、図11に示される譲る/停止シーン1100
0に対応する車両交通ネットワークの一部は、上側が北で右側が東の方位である。
【0205】
第1の歩行者11500が、歩行者交通ネットワーク11400の重複部分を横断して
示されている。第1の歩行者11502のための予測経路11500が破線方向線を用い
て示されており、第1の歩行者11500が自律走行車11100の動作に影響を与え得
ることを示している。第2の歩行者11510が、歩行者交通ネットワーク11400の
重複部分に近接して示されている。第2の歩行者11510のための予測経路11512
は破線方向線を用いて示されており、第2の歩行者11510が自律走行車11100の
動作に影響を与え得ることを示している。図11では、歩行者11500、11510は
、歩行者交通ネットワーク11400の重複部分に関して示されているが、歩行者シーン
11000は、歩行者交通ネットワーク11400の重複部分を省略してもよく、又は歩
行者11500、11510は、他のやり方で車両交通ネットワークの一部(横断歩道で
はない所)を横断してもよい。
【0206】
自律走行車11100の自律走行車動作管理システムは、図4に示される歩行者モニタ
4220のような歩行者モニタを動作させてもよく、これは、歩行者モニタをインスタン
ス化することを含んでもよく、これは、本明細書に示されるか又はコンテキストから明ら
かである場合を除いて、図6に関連して説明された交差点モニタを動作させることと類似
してもよい。自律走行車動作管理コントローラは、例えば、交差点モニタによって出力さ
れる動作環境情報を含み得る動作環境情報によって表される動作環境に基づいて、歩行者
シナリオを検出又は識別し得る。自律走行車動作管理コントローラは、歩行者シナリオを
検出又は識別することに応答して、1つ以上の歩行者SSOCEMインスタンスをインス
タンス化又は更新し、又は歩行者SSOCEMインスタンスに動作環境情報を送信するか
、又は他のやり方で利用可能にし得る。歩行者SSOCEMインスタンスは、本明細書に
示されているか又はコンテキストから明らかである場合を除いて、図6に関連して説明し
た交差点SSOCEMインスタンスと類似してもよい。
【0207】
歩行者SSOCEMインスタンスをインスタンス化することは、歩行者SSOCEMから歩行者車両動作シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することを含み得る。歩行者SSOCEMから歩行者車両動作シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することは、歩行者SSOCEMモデルを解くことを含み得る。歩行者SSOCEMインスタンスのインスタンス化には、ソリューション又はポリシーのインスタンスをインスタンス化することが含まれ得る。歩行者SSOCEMソリューションインスタンスは、モデル化された各シナリオ及び対応する動作環境情報に基づいて、「停止」、「譲る/停止」、「方向調整」、又は「進行」等の候補車両制御アクションを生成してもよく、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コントローラに送信すること、又は自律走行車動作管理コントローラによるアクセスのために各候補車両制御アクションを記憶すること等によって、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コントローラに出力してもよい。
【0208】
自律走行車動作管理コントローラは、インスタンス化された各歩行者SSOCEMイン
スタンスから候補車両制御アクションを受信してもよく、対応する時間位置で自律走行車
11100を制御するために受信した候補車両制御アクションに基づいて車両制御アクシ
ョンを識別してもよく、識別された車両制御アクションに従って車両交通ネットワーク又
はその一部を横断するように自律走行車を制御し得る。
【0209】
図11に示す歩行者シーン11000では、自律走行車11100は、歩行者交通ネッ
トワーク11400の重複部分に接近し得る。自律走行車11100は、車両交通ネット
ワークの一部を、通行権重複領域11600として識別し得る。通行権重複領域1160
0を識別することは、通行権境界位置11610を識別することを含んでもよい。通行権
重複領域11600の識別は、車両交通ネットワーク情報、歩行者交通ネットワーク情報
、歩行者11500、11510を示すセンサデータ、又はこれらの組み合わせに基づい
て行うことができる。
【0210】
自律走行車11100は、通行権境界位置11610から定義された接近距離において
又はその近傍において、定義された最大方向調整速度を下回る速度等の最小速度まで減速
又は停止し得る。図11には停止線が示されていないが、車両交通ネットワークは停止線
を含んでもよく、これは、通行権境界位置11610から定義された接近距離に対応して
もよい。
【0211】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに対する現在
の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値を超えることを決定してもよい。例え
ば、自律走行車11100は、通行権境界位置11610から定義された接近距離に到達
してもよく、実質的に同時に、第1の歩行者11500は、歩行者交通ネットワーク11
502の重複部分を横断する第1の歩行者11500のための予測経路11400に沿っ
て静止又は動作中であってもよく、第2の歩行者11510は、道路11200に近接し
て静止又は動作中であってもよく、これは、通行権重複領域11600のための通行権に
関する不確実性を増加させ得る。
【0212】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、方向調整車両制御アクションを出力し
得る。自律走行車11100は、方向調整車両制御アクションに従って、車両交通ネット
ワークの一部を横断し得る。方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワーク
の一部を横断することにより、通行権重複領域11600に対する通行権に関する不確実
性を低減し得る。
【0213】
例えば、この不確実性は、第1の歩行者11500(外部オブジェクト)が歩行者交通
ネットワーク11400の重複部分を出るかどうか(期待される動作)、いつ出るか又は
その両方に関する不確実性に基づいてもよく、方向調整車両制御アクションに従って車両
交通ネットワークの一部を横断することは、第1の歩行者が歩行者交通ネットワーク11
400の重複部分を出る確率を増加させることによって、通行権重複領域11600に対
する通行権に関する不確実性を低減し得る。
【0214】
別の例では、この不確実性は、第2の歩行者11510(外部オブジェクト)が自律走
行車11100に対して通行権を譲るか(期待動作)どうかに関する不確実性に基づいて
もよく、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断するこ
とは、第2の歩行者11510が静止したままであることに応答して第2の歩行者115
10が通行権を譲る確率を増加させることによって、又は第2の歩行者11510が車両
交通ネットワーク11400の重複部分を横断することに応答して第2の歩行者1151
0が通行権を譲る確率を減少させることによって、通行権重複領域11600に対する通
行権に関する不確実性を減少させ得る。
【0215】
別の例では、この不確実性は、予想される外部不確実性に基づいてもよく、これは、通
行権重複領域11600における通行権に対して、自律走行車11100に対する予測さ
れる後続の車両制御アクションに関して、第2の歩行者11510のような外部オブジェ
クトの予測される不確実性を示してもよい。方向調整車両制御アクションに従って車両交
通ネットワークの一部を横断することは、予測される後続の通行権の自律走行車1110
0の方向調整モーション、及び自律走行車11100に関する対応する予測される後続の
車両制御アクション、例えば、通行権重複領域11600を横断する進行車両制御アクシ
ョン等の記号表現を出力するように自律走行車11100を制御することによって、通行
権重複領域11600の通行権に関する不確実性を低減し得る。
【0216】
方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することは、
自律走行車11100の現在の位置から境界位置10610に向かって、毎秒2メートル
等の定義された最大方向調整速度以下等の範囲内の速度で車両交通ネットワークを横断す
ることを含んでもよい。方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークを横
断することは、自律走行車11100の現在の位置と通行権境界位置10610との間の
距離が、予測される静止距離以下等の範囲内であるか否かを決定することを含み得る。例
えば、自律走行車11100は、自律走行車11100の現在の位置と通行権境界位置1
0610との間の距離が予測される静止距離内にあると決定してもよく、自律走行車は、
境界位置10610で又はその近くに停止するように定義された減速プロファイルに従っ
て減速することによって、車両交通ネットワークを横断し得る。予測される静止距離は、
自律走行車11100が動作中状態から静止状態に移行するための決定された距離を示し
てもよい。いくつかの実装では、自律走行車は、自律走行車の現在の位置が通行権境界線
の位置に対応すると決定してもよく、自律走行車は、静止(停止)するように自律走行車
を制御することによって車両交通ネットワークを横断し得る。
【0217】
図11には示されていないが、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワ
ークの一部を横断した後で、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両
動作シナリオに対する現在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内にあると
決定し得る。例えば、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部
を横断した後で、自律走行車11100は、通行権境界位置10610から定義された接
近距離よりも歩行者交通ネットワーク11400の重複部分に近接して、例えば、通行権
境界位置10610に近接して位置していてもよく、第1の歩行者11500は、歩行者
交通ネットワークの重複部分を横断してもよく、第2の歩行者11510は、図示のよう
に、車両交通ネットワークに近接して静止したままであってもよく、これは、通行権曖昧
性を低減又は排除してもよく、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車
両動作シナリオに対する現在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内にある
ことを決定してもよい。
【0218】
個別の車両動作シナリオの不確実性値が定義された不確実性閾値内にあると判断するこ
とに応答して、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、進行車両制御アクション
又は停止車両制御アクションを出力し得る。例えば、自律走行車は、第1の歩行者115
00が歩行者交通ネットワークの重複部分を横断し、第2の歩行者11510が図示のよ
うに車両交通ネットワークに近接して静止したままであり、自律走行車は通行権を有する
と決定し、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは進行車両制御アクションを出力
し得る。別の例では、自律走行車は、第1の歩行者11500が通行権を有しており、又
は他のやり方で歩行者交通ネットワークの重複部分を横断しているか、又は第2の歩行者
11510が歩行者交通ネットワークの重複部分を横断しており、自律走行車は現在、通
行権を有していないと決定してもよく、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、
停止車両制御アクションを出力し得る。
【0219】
図12は、本開示の実施形態による通行権曖昧性を有する合流シナリオを含む車両交通
ネットワークの合流シーン部分の一例の図である。自律走行車動作管理は、自律走行車1
2100、例えば、図1に示す車両1000、図2に示す車両2100/2110の1つ
、半自律走行車、又は図4に示す自律走行車動作管理システム4000又は図5に示す自
律走行車動作管理システム5000のような自律走行車動作管理システムを動作させる自
律走行を実装する任意の他の車両を含んでもよく、これは、自律走行車12100が合流
交差点に接近して第1の車線12210で第1の道路12200に沿って車両交通ネット
ワークの一部を横断すること(合流シナリオ)を含む自律走行車動作管理シナリオのモデ
ルを含んでもよい。自律走行車12100のための予測経路12110が破線方向線を用
いて示され、自律走行車12100のための現在の軌道が実線方向線12120を用いて
示される。簡潔及び明確のため、図12に示される合流シーン12000に対応する車両
交通ネットワークの一部は、上側が北で右側が東の方位である。
【0220】
図12に示す合流シーン12000に対応する車両交通ネットワークの一部は、自律走
行車12100が、第1の道路12200の第2の車線12220に隣接している、第1
の道路12200の第1の車線12210内の道路セグメントに沿って北方向に横断し、
合流交差点12300に接近している。第1の車線12210と第2の車線12220と
は合流交差点12300(車線縮小移行部)で合流し、第1の道路12200の後続の合
流車線12230を形成する。なお、第1の車線12210、第2の車線12220及び
合流車線12230は、別々に示されているが、第1の車線12210、第2の車線12
220及び合流車線12230の各部分は、合流交差点12300において重複していて
もよい。他の合流構成を使用することもできる。
【0221】
遠隔車両12400は、図示のように、自律走行車12100と実質的に同時に合流交
差点12300に接近して第2の車線12220を横断しており、又は他のやり方で自律
走行車12100の時空間位置に近接する時空間位置で合流交差点12300に接近して
もよく、これにより、遠隔車両は、例えば、自律走行車12100をブロックすることに
より、合流シナリオを横断する自律走行車12100の動作に影響を及ぼし得る。遠隔車
両12400のための予測経路12410が破線方向線を用いて示され、遠隔車両121
00のための現在の軌道12420が実線方向線12120を用いて示される。
【0222】
自律走行車12100の自律走行車動作管理システムは、図4に示される合流モニタ4
250のような合流モニタを動作させてもよく、これは、合流モニタをインスタンス化す
ることを含んでもよく、これは、本明細書に示されるか又はコンテキストから明らかであ
る場合を除いて、図6に関連して説明された交差点モニタを動作させることと類似しても
よい。自律走行車動作管理コントローラは、例えば、合流モニタによって出力される動作
環境情報を含み得る動作環境情報によって表される動作環境に基づいて、合流シナリオを
検出又は識別し得る。自律走行車動作管理コントローラは、遠隔車両12400を含む合
流シナリオを検出又は識別することに応答して、1つ以上の合流SSOCEMインスタン
スをインスタンス化又は更新し、又は合流SSOCEMインスタンスに動作環境情報を送
信するか、又は他のやり方で利用可能にし得る。合流SSOCEMインスタンスは、本明
細書に示されているか又はコンテキストから明らかである場合を除いて、図6に関連して
説明した交差点SSOCEMインスタンスと類似してもよい。
【0223】
合流SSOCEMインスタンスをインスタンス化することは、合流SSOCEMから合流車両動作シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することを含み得る。合流SSOCEMから合流車両動作シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することは、合流SSOCEMモデルを解くことを含み得る。合流SSOCEMインスタンスのインスタンス化には、ソリューション又はポリシーのインスタンスをインスタンス化することが含まれ得る。合流SSOCEMソリューションインスタンスは、モデル化された各シナリオ及び対応する動作環境情報に基づいて、「停止」、「方向調整」、又は「進行」等の候補車両制御アクションを生成してもよく、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コントローラに送信すること、又は自律走行車動作管理コントローラによるアクセスのために各候補車両制御アクションを記憶すること等によって、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コントローラに出力してもよい。
【0224】
自律走行車動作管理コントローラは、インスタンス化された各合流SSOCEMインス
タンスから候補車両制御アクションを受信してもよく、対応する時間位置で自律走行車1
2100を制御するために受信した候補車両制御アクションに基づいて車両制御アクショ
ンを識別してもよく、識別された車両制御アクションに従って車両交通ネットワーク又は
その一部を横断するように自律走行車を制御し得る。
【0225】
図12に示される合流シーン12000については、自律走行車12100は、例えば
、定義された速度制限に従った又は一般的な交通速度に従った速度で、合流部12300
に近づき得る。
【0226】
自律走行車12100は、車両交通ネットワークの一部を、通行権重複領域12500
として識別し得る。通行権重複領域12500を識別することは、通行権境界位置125
10を識別することを含んでもよく、これは、自律走行車12100の現在の位置と通行
権重複領域12500との間で自律走行車12100の予測経路12110に沿った車両
交通ネットワーク内の位置であってもよく、それは通行権重複領域に近接した、例えば、
通行権重複領域12500の間近に隣接しており、これは、自律走行車12100が通行
権重複領域12500に入らずに安全に横断し得る通行権重複領域12500への自律走
行車12100に関する予測経路12110に沿った車両交通ネットワーク内で最も近い
位置であってもよい。
【0227】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに対する現在
の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値を超えることを決定してもよい。例え
ば、自律走行車12100及び遠隔車両12400は、合流交差点12300に実質的に
同時に接近してもよく、これは、通行権重複領域12500に対する通行権に関する不確
実性を増加させ得る。
【0228】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、方向調整車両制御アクションを出力し
得る。自律走行車12100は、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワ
ークの一部を横断してもよく、これは、自律走行車12100の現在の位置から後続の合
流車線12230に向かって車両交通ネットワークを横断することを含んでもよい。方向
調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することにより、通
行権重複領域12500に対する通行権に関する不確実性を低減し得る。
【0229】
例えば、この不確実性は、遠隔車両12400(外部オブジェクト)が自律走行車1
2100に対して通行権を譲るかどうか(期待動作)に関する不確実性に基づいてもよく
、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することは、
遠隔車両12400が減速することに応答して遠隔車両12400が通行権を譲る確率を
増加させることによって、又は遠隔車両12400が加速することに応答して遠隔車両8
500が通行権を譲る確率を減少させることによって、通行権重複領域12500に対す
る通行権に関する不確実性を減少させ得る。
【0230】
別の例では、この不確実性は、予想される外部不確実性に基づいてもよく、これは、通
行権重複領域12500における通行権に対して、自律走行車12100に対する予測さ
れる後続の車両制御アクションに関して、遠隔車両12400のような外部オブジェクト
の予測される不確実性を示してもよい。方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネ
ットワークの一部を横断することは、予測される後続の通行権の自律走行車12100の
方向調整モーション、及び自律走行車12100に関する対応する予測される後続の車両
制御アクション、例えば、通行権重複領域12500を横断する進行車両制御アクション
等の記号表現を出力するように自律走行車12100を制御することによって、通行権重
複領域12500の通行権に関する不確実性を低減し得る。
【0231】
方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することは、
車両交通ネットワークに対する自律走行車12100の相対的な方向を、図示のように、
現在の車線12210の実質的に中央の方向から、現在の車線12210内の隣接車線1
2220に比較的近い方向に調整するように自律走行車12100の軌道を制御すること
によって、自律走行車12100の現在の位置から後続の合流車線12230に向かって
車両交通ネットワークを横断することを含んでもよく、これは、自律走行車12100が
通行権重複領域12500に入ることなく安全に横断し得る通行権重複領域1250に対
して、自律走行車12100の予測経路12110に沿った車両交通ネットワーク内の最
も近い位置であってもよい。自律走行車12100の車線の横方向の向きの制御は、定義
された横方向調整率プロファイルに従って実行されてもよい。方向調整車両制御アクショ
ンに従って車両交通ネットワークの一部を横断することは、加速又は減速等の速度の制御
によって、自律走行車12100の現在の位置から後続の合流車線12230に向かって
車両交通ネットワークを横断することを含んでもよい。
【0232】
図12には示されていないが、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワ
ークの一部を横断した後で、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両
動作シナリオに対する現在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内にあると
決定し得る。例えば、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部
を横断した後で、自律走行車12100は、遠隔車両12400よりも後続の合流車線1
2230の横方向中心により近接して位置してもよく、これは、通行権曖昧性を低減又は
排除してもよく、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリ
オに対する現在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内にあることを決定し
てもよい。
【0233】
個別の車両動作シナリオの不確実性値が定義された不確実性閾値内にあると決定するこ
とに応答して、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、進行車両制御アクション
又は減速車両制御アクションを出力し得る。例えば、自律走行車は、自律走行車1210
0が遠隔車両12400よりも後続の合流車線12230の横方向中心により近接して位
置しており、自律走行車が通行権を有していると決定し、シナリオ固有の動作制御評価モ
デルポリシーは、進行車両制御アクションを出力してもよい。別の例では、自律走行車は
、遠隔車両12400が通行権を有するか、又は他のやり方で合流交差点12300を進
行中であり、自律走行車は現在通行権を有していないと決定してもよく、シナリオ固有の
動作制御評価モデルポリシーは、減速車両制御アクションを出力し得る。
【0234】
図13は、本開示の実施形態による通行権曖昧性を有する車線変更シナリオを含む車両
交通ネットワークの車線変更シーン13000部分の一例を示す図である。自律走行車動
作管理は、自律走行車13100、例えば、図1に示す車両1000、図2に示す車両2
100/2110の1つ、半自律走行車、又は図4に示す自律走行車動作管理システム4
000又は図5に示す自律走行車動作管理システム5000のような自律走行車動作管理
システムを動作させる自律走行を実装する任意の他の車両を含んでもよく、これは、自律
走行車13100が第1の車線13210で第1の道路13200に沿って車両交通ネッ
トワークの一部を横断すること及び車線変更を行うために車線変更位置13300として
車両交通ネットワークの一部を識別すること(車線変更シナリオ)を含む自律走行車動作
管理シナリオのモデルを含んでもよい。簡潔及び明確のため、図13に示される車線変更
シーン13000に対応する車両交通ネットワークの一部は、上側が北で右側が東の方位
である。
【0235】
図13に示す車線変更シーン13000に対応する車両交通ネットワークの一部は、自
律走行車13100が、第1の道路13200の第2の車線13220に隣接している、
第1の道路13200の第1の車線13210内の道路セグメントに沿って北方向に横断
し、識別された車線変更位置13300に接近している。車線変更位置13300は、自
律走行車13100の位置に対して相対的な位置であってもよい。
【0236】
遠隔車両13400は、図示のように、自律走行車13100と実質的に同時に車線変
更位置13300に接近して第2の車線13220を横断しており、又は他のやり方で自
律走行車13100の時空間位置に近接する時空間位置で識別された車線変更位置133
00に接近してもよく、これにより、遠隔車両13400は、例えば、自律走行車131
00をブロックすることにより、車線変更シナリオを横断する自律走行車13100の動
作に影響を及ぼし得る。
【0237】
自律走行車13100の自律走行車動作管理システムは、図4に示される車線変更モニ
タ4240のような車線変更モニタを動作させてもよく、これは、車線変更モニタをイン
スタンス化することを含んでもよく、これは、本明細書に示されるか又はコンテキストか
ら明らかである場合を除いて、図6に関連して説明された交差点モニタを動作させること
と類似してもよい。自律走行車動作管理コントローラは、例えば、車線変更モニタによっ
て出力される動作環境情報を含み得る動作環境情報によって表される動作環境に基づいて
、車線変更シナリオを検出又は識別し得る。自律走行車動作管理コントローラは、遠隔車
両13400を含む車線変更シナリオを検出又は識別することに応答して、1つ以上の車
線変更SSOCEMインスタンスをインスタンス化又は更新し、又は車線変更SSOCE
Mインスタンスに動作環境情報を送信するか、又は他のやり方で利用可能にし得る。車線
変更SSOCEMインスタンスは、本明細書に示されているか又はコンテキストから明ら
かである場合を除いて、図6に関連して説明した交差点SSOCEMインスタンスと類似
してもよい。
【0238】
車線変更SSOCEMインスタンスをインスタンス化することは、車線変更SSOCEMから車線変更車両動作シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することを含み得る。車線変更SSOCEMから車線変更車両運用シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することは、車線変更SSOCEMモデルを解くことを含み得る。車線変更SSOCEMインスタンスのインスタンス化には、ソリューション又はポリシーのインスタンスをインスタンス化することが含まれ得る。車線変更SSOCEMソリューションインスタンスは、モデル化された各シナリオ及び対応する動作環境情報に基づいて、「維持」、「方向調整」、又は「進行」等の候補車両制御アクションを生成してもよく、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コントローラに送信すること、又は自律走行車動作管理コントローラによるアクセスのために各候補車両制御アクションを記憶すること等によって、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コントローラに出力してもよい。
【0239】
自律走行車動作管理コントローラは、インスタンス化された各SSOCEMインスタン
スから候補車両制御アクションを受信してもよく、対応する時間位置で自律走行車131
00を制御するために受信した候補車両制御アクションに基づいて車両制御アクションを
識別してもよく、識別された車両制御アクションに従って車両交通ネットワーク又はその
一部を横断するように自律走行車を制御し得る。
【0240】
図13に示される車線変更シーン13000については、自律走行車13100は、例
えば、定義された速度制限に従った又は一般的な交通速度に従った速度で、車線変更位置
13300に近づき得る。自律走行車13100は、車両交通ネットワークの一部を、通
行権重複領域13500として識別し得る。通行権重複領域13500を識別することは
、通行権境界位置13510を識別することを含んでもよく、これは、自律走行車131
00の現在の位置と通行権重複領域13500との間で自律走行車13100の予測経路
13110に沿った車両交通ネットワーク内の位置であってもよく、それは通行権重複領
域に近接した、例えば、通行権重複領域13500の間近に隣接しており、これは、自律
走行車13100が通行権重複領域13500に入らずに安全に横断し得る通行権重複領
域13500への自律走行車13100に関する予測経路13110に沿った車両交通ネ
ットワーク内で最も近い位置であってもよい。
【0241】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに対する現在
の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値を超えることを決定してもよい。例え
ば、自律走行車13100及び遠隔車両13400は、車線変更交差点13300に実質
的に同時に接近してもよく、これは、通行権重複領域13500に対する通行権に関する
不確実性を増加させ得る。
【0242】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、方向調整車両制御アクションを出力し
得る。自律走行車13100は、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワ
ークの一部を横断してもよく、これは、自律走行車13100の現在の位置から隣接車線
13220に向かって車両交通ネットワークを横断することを含んでもよい。方向調整車
両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することにより、通行権重
複領域13500に対する通行権に関する不確実性を低減し得る。
【0243】
例えば、この不確実性は、遠隔車両13400(外部オブジェクト)が自律走行車13
100に対して通行権を譲るかどうか(期待動作)に関する不確実性に基づいてもよく、
方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することは、遠
隔車両13400が減速することに応答して遠隔車両13400が通行権を譲る確率を増
加させることによって、又は遠隔車両13400が加速すること又は他のやり方で自律走
行車13100に対してブロックする相対方向を維持することに応答して遠隔車両850
0が通行権を譲る確率を減少させることによって、通行権重複領域13500に対する通
行権に関する不確実性を減少させ得る。
【0244】
別の例では、この不確実性は、予測される外部不確実性に基づいてもよく、これは、通
行権重複領域13500における通行権に対して、自律走行車13100に対する予測さ
れる後続の車両制御アクションに関して、遠隔車両13400のような外部オブジェクト
の予測される不確実性を示してもよい。方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネ
ットワークの一部を横断することは、予測される後続の通行権の自律走行車13100の
方向調整モーション、及び自律走行車13100に関する対応する予測される後続の車両
制御アクション、例えば、通行権重複領域13500を横断する進行車両制御アクション
等の記号表現を出力するように自律走行車13100を制御することによって、通行権重
複領域13500の通行権に関する不確実性を低減し得る。
【0245】
方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することは、
車両交通ネットワークに対する自律走行車13100の相対的な方向を、図示のように、
現在の車線13210の実質的に中央の方向から、現在の車線13210内の隣接車線1
3220に比較的近い方向に調整するように自律走行車13100の軌道を制御すること
によって、自律走行車13100の現在の位置から隣接車線13220に向かって車両交
通ネットワークを横断することを含んでもよく、これは、自律走行車13100が通行権
重複領域13500に入ることなく安全に横断し得る通行権重複領域1350に対して、
自律走行車13100の予測経路13110に沿った車両交通ネットワーク内の最も近い
位置であってもよい。自律走行車13100の車線の横方向の向き(方向状態変更)の制
御は、定義された横方向調整率プロファイルに従って実行されてもよい。
【0246】
図13には示されていないが、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワ
ークの一部を横断した後で、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両
動作シナリオに対する現在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内にあると
決定し得る。例えば、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部
を横断した後で、自律走行車13100は、遠隔車両13400よりも隣接車線1322
0の横方向中心により近接して位置してもよく、これは、通行権曖昧性を低減又は排除し
てもよく、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに対
する現在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内にあることを決定してもよ
い。
【0247】
個別の車両動作シナリオの不確実性値が定義された不確実性閾値内にあると決定するこ
とに応答して、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、進行車両制御アクション
又は減速車両制御アクションを出力し得る。例えば、自律走行車は、自律走行車1310
0が遠隔車両13400よりも隣接車線13220の横方向中心により近接して位置して
おり、自律走行車が通行権を有していると決定し、シナリオ固有の動作制御評価モデルポ
リシーは、進行車両制御アクションを出力してもよい。別の例では、自律走行車は、遠隔
車両13400が通行権を有するか、又は他のやり方で車線変更交差点13300を進行
中であり、自律走行車は現在通行権を有していないと決定してもよく、シナリオ固有の動
作制御評価モデルポリシーは、減速車両制御アクションを出力し得る。
【0248】
図14は、本開示の実施形態による通行権曖昧性を有する車線重複車両動作シナリオを
含む車両交通ネットワークの車線重複シーン14000部分の一例を示す図である。自律
走行車動作管理は、自律走行車14100、例えば、図1に示す車両1000、図2に示
す車両2100/2110の1つ、半自律走行車、又は図4に示す自律走行車動作管理シ
ステム4000又は図5に示す自律走行車動作管理システム5000のような自律走行車
動作管理システムを動作させる自律走行を実装する任意の他の車両を含んでもよく、これ
は、自律走行車14100が反対の進行方向を有する第2の車線14220に隣接する第
1の車線14210で第1の道路14200に沿って車両交通ネットワークの一部を横断
し、車線が反対の進路重複の方向を有する(車線重複車両動作シナリオ)車両交通ネット
ワークの車線重複(2方向)位置14300に接近することを含む自律走行車動作管理シ
ナリオのモデルを含んでもよい。
簡潔及び明確のため、図14に示される車線重複シーン14000に対応する車両交通
ネットワークの一部は、上側が北で右側が東の方位である。
【0249】
図14に示す車線重複シーン14000に対応する車両交通ネットワークの一部は、自
律走行車14100が、第2の車線14220に隣接している、第1の道路14200の
第1の車線14210内の道路セグメントに沿って北方向に横断し、車線重複位置143
00に接近している。遠隔車両14400は、第2の車線14220を南向きに横断して
、車線重複位置14300に接近している。
【0250】
自律走行車14100の自律走行車動作管理システムは、車線重複モニタを動作させて
もよく、これは、車線重複モニタをインスタンス化することを含んでもよく、これは、本
明細書に示されるか又はコンテキストから明らかである場合を除いて、図6に関連して説
明された交差点モニタを動作させることと類似してもよい。自律走行車動作管理コントロ
ーラは、例えば、車線重複モニタによって出力される動作環境情報を含み得る動作環境情
報によって表される動作環境に基づいて、車線重複車両動作シナリオを検出又は識別し得
る。自律走行車動作管理コントローラは、遠隔車両14400を含む車線重複車両動作シ
ナリオを検出又は識別することに応答して、1つ以上の車線重複SSOCEMインスタン
スをインスタンス化又は更新し、又は車線重複SSOCEMインスタンスに動作環境情報
を送信するか、又は他のやり方で利用可能にし得る。車線重複SSOCEMインスタンス
は、本明細書に示されているか又はコンテキストから明らかである場合を除いて、図6
関連して説明した交差点SSOCEMインスタンスと類似してもよい。
【0251】
車線重複SSOCEMインスタンスをインスタンス化することは、車線重複SSOCEMから車線重複車両動作シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することを含み得る。車線重複SSOCEMから車線重複車両運用シナリオのモデルに対するソリューション又はポリシーを識別することは、車線重複SSOCEMモデルを解くことを含み得る。車線重複SSOCEMインスタンスのインスタンス化には、ソリューション又はポリシーのインスタンスをインスタンス化することが含まれ得る。車線重複SSOCEMソリューションインスタンスは、モデル化された各車両動作シナリオ及び対応する動作環境情報に基づいて、「停止」、「方向調整」、又は「進行」等の候補車両制御アクションを生成してもよく、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コントローラに送信すること、又は自律走行車動作管理コントローラによるアクセスのために各候補車両制御アクションを記憶すること等によって、各候補車両制御アクションを自律走行車動作管理コントローラに出力してもよい。
【0252】
自律走行車動作管理コントローラは、インスタンス化された各SSOCEMインスタン
スから候補車両制御アクションを受信してもよく、対応する時間位置で自律走行車141
00を制御するために受信した候補車両制御アクションに基づいて車両制御アクションを
識別してもよく、識別された車両制御アクションに従って車両交通ネットワーク又はその
一部を横断するように自律走行車を制御し得る。
【0253】
図14に示す車線重複シーン14000では、自律走行車14100が車線重複位置1
4300に接近してもよい。実質的に同時に、遠隔車両14400は、車線重複位置14
300に接近し得る。自律走行車14100は、車両交通ネットワークの一部を、通行権
重複領域14500として識別し得る。通行権重複領域14500を識別することは、通
行権境界位置14510を識別することを含んでもよく、これは、自律走行車14100
の現在の位置と通行権重複領域14500との間で自律走行車14100の予測経路14
110に沿った車両交通ネットワーク内の位置であってもよく、それは通行権重複領域に
近接した、例えば、通行権重複領域14500の間近に隣接しており、これは、自律走行
車14100が通行権重複領域14500に入らずに安全に横断し得る通行権重複領域1
4500への自律走行車14100に関する予測経路14110に沿った車両交通ネット
ワーク内で最も近い位置であってもよい。
【0254】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに対する現在
の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値を超えることを決定してもよい。例え
ば、自律走行車14100及び遠隔車両14400は、車線重複交差点14300に実質
的に同時に接近してもよく、これは、通行権重複領域14500に対する通行権に関する
不確実性を増加させ得る。
【0255】
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、方向調整車両制御アクションを出力し
得る。自律走行車14100は、方向調整車両制御アクションに従って、車両交通ネット
ワークの一部を横断し得る。方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワーク
の一部を横断することにより、通行権重複領域14500に対する通行権に関する不確実
性を低減し得る。
【0256】
例えば、不確実性は、遠隔車両14400(外部オブジェクト)が自律走行車1410
0に対して通行権を譲るかどうか(期待動作)に関する不確実性に基づいてもよく、方向
調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することは、遠隔車
両14400が静止したままである又は静止することに応答して遠隔車両14400が通
行権を譲る確率を増加させることによって、又は遠隔車両14400が車線重複位置14
300を横断することに応答して遠隔車両14400が通行権を譲る確率を減少させるこ
とによって、通行権重複領域14500に対する通行権に関する不確実性を減少させ得る
【0257】
別の例では、不確実性は、予測される外部不確実性に基づいてもよく、これは、通行権
重複領域14500における通行権に対して、自律走行車14100に対する予測される
後続の車両制御アクションに関して、遠隔車両14400のような外部オブジェクトの予
測される不確実性を示してもよい。方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネット
ワークの一部を横断することは、予測される後続の通行権の自律走行車14100の方向
調整モーション、及び自律走行車14100に関する対応する予測される後続の車両制御
アクション、例えば、通行権重複領域14500を横断する進行車両制御アクション等の
記号表現を出力するように自律走行車14100を制御することによって、通行権重複領
域14500の通行権に関する不確実性を低減し得る。
【0258】
方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部を横断することは、
自律走行車14100の現在の位置から境界位置14510に向かって、毎秒2メートル
等の定義された最大方向調整速度以下等の範囲内の速度で車両交通ネットワークを横断す
ることを含んでもよい。
【0259】
方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークを横断することは、自律走
行車14100の現在の位置と通行権境界位置14510との間の距離が、予測される静
止距離以下等の範囲内であるか否かを決定することを含み得る。例えば、自律走行車14
100は、自律走行車14100の現在の位置と通行権境界位置14510との間の距離
が予測される静止距離内にあると決定してもよく、自律走行車14100は、境界位置1
4510で又はその近くに停止するように定義された減速プロファイルに従って減速する
ことによって、車両交通ネットワークを横断し得る。予測される静止距離は、自律走行車
14100が動作中状態から静止状態に移行するための決定された距離を示してもよい。
いくつかの実装では、自律走行車14100は、自律走行車14100の現在の位置が通
行権境界線の位置に対応すると決定してもよく、自律走行車14100は、静止(停止)
するように自律走行車を制御することによって車両交通ネットワークを横断し得る。
【0260】
図14には示されていないが、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワ
ークの一部を横断した後で、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両
動作シナリオに対する現在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内にあると
決定し得る。例えば、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネットワークの一部
を横断した後で、自律走行車14100は、遠隔車両14400よりも車線重複交差点1
4300により近接して位置してもよく、これは、通行権曖昧性を低減又は排除してもよ
く、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、個別の車両動作シナリオに対する現
在の信頼状態の不確実性が、定義された不確実性閾値内にあることを決定してもよい。
【0261】
個別の車両動作シナリオの不確実性値が定義された不確実性閾値内にあると決定するこ
とに応答して、シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、進行車両制御アクション
又は減速車両制御アクションを出力し得る。例えば、自律走行車14100は、自律走行
車14100が遠隔車両14400よりも車線重複交差点14300の横方向中心により
近接して位置しており、自律走行車が通行権を有していると決定し、シナリオ固有の動作
制御評価モデルポリシーは、進行車両制御アクションを出力してもよい。別の例では、自
律走行車は、遠隔車両14400が通行権を有するか、又は他のやり方で車線重複交差点
14300を進行中であり、自律走行車は現在通行権を有していないと決定してもよく、
シナリオ固有の動作制御評価モデルポリシーは、停止又は待機車両制御アクションを出力
し得る。
【0262】
図4に示す自律走行車動作管理システム4000のような自律走行車動作管理システム
を含む自律走行車に関して説明したが、方向調整車両制御アクションに従って車両交通ネ
ットワークの一部を横断することは、他の自律走行車又は半自律走行車の構成で実装され
てもよい。
【0263】
本明細書で使用される場合、「コンピュータ」又は「コンピュータ装置」という用語は
、本明細書で開示の任意の方法を実行し得る任意のユニット又はユニットの組み合わせ、
又はその任意の部分若しくは複数の部分を含む。
【0264】
本明細書で使用される場合、「プロセッサ」という用語は、1つ以上の専用プロセッサ
、1つ以上のデジタル信号プロセッサ、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のコン
トローラ、1つ以上のマイクロコントローラ、1つ以上のアプリケーションプロセッサ、
1つ以上の特定用途向け集積回路、1つ以上の特定用途向け汎用集積回路、1つ以上のフ
ィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、任意の他のタイプ又は組み合わせの集積回
路、1つ以上の状態機械、又はこれらの任意の組み合わせ等の1つ以上のプロセッサを示
す。
【0265】
本明細書で使用される場合、「メモリ」という用語は、任意のプロセッサによって使用
され得る又はそれと関連している任意の信号又は情報を有形に保持、記憶、通信、又は搬
送し得る任意のコンピュータ使用可能又はコンピュータ可読媒体又は装置を示す。例えば
、メモリは、1つ以上の読み取り専用メモリ(ROM)、1つ以上のランダムアクセスメ
モリ(RAM)、1つ以上のレジスタ、低電力DDR(LPDDR)メモリ、1つ以上の
キャッシュメモリ、1つ以上の半導体メモリ装置、1つ以上の磁気媒体、1つ以上の光学
媒体、1つ以上の磁気光学媒体、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0266】
本明細書で使用される場合、「命令」という用語は、本明細書に開示の任意の方法を実
行するための指示若しくは表現、又はその任意の部分若しくは複数の部分を含んでもよく
、ハードウェア、ソフトウェア又はこれらの任意の組み合わせで実現されてもよい。例え
ば、命令は、本明細書に記載の各方法、アルゴリズム、態様又はこれらの組み合わせのい
ずれかを行うためにプロセッサによって実行され得るメモリに記憶されたコンピュータプ
ログラム等の情報として実装されてもよい。いくつかの実施形態では、命令又はその一部
は、本明細書に記載の任意の方法、アルゴリズム、態様又はその組み合わせを行うための
専用ハードウェアを含み得る専用プロセッサ又は回路として実装されてもよい。いくつか
の実装では、命令の部分は、直接的に又はローカル領域ネットワーク、ワイド領域ネット
ワーク、インターネット又はこれらの組み合わせ等のネットワークを介して通信し得る複
数の装置又は単一の装置上の複数のプロセッサに分散されてもよい。
【0267】
本明細書で使用される場合、「例示」、「実施形態」、「実装」、「態様」、「特徴」
又は「要素」という用語は、用例、例示又は実例としての役割を果たすことを示している
。明示されない限り、任意の例示、実施形態、実装、態様、特徴又は要素が、互いの例示
、実施形態、実装、態様、特徴又は要素から独立しており、任意の他の例示、実施形態、
実装、態様、特徴又は要素と組み合わせて使用されてもよい。
【0268】
本明細書で使用される場合、「決定」及び「識別」又はこれらの任意の変形の用語は、
図示の及び本明細書に記載の1つ以上の装置を使用するいかなるやり方で選択、確認、計
算、検索、受信、決定、確立、取得、又は他のやり方で識別又は決定することを含んでい
る。
【0269】
本明細書で使用される場合、「又は」という用語は、排他的な「又は」ではなく包含的
な「又は」を意味することが意図されている。すなわち、他に特に定めがない限り、又は
コンテキストから明確であれば、「XがA又はBを含む」は、任意の当然の包含的な並べ
替えを示すことが意図されている。すなわち、XがAを含む、XがBを含む、又はXがA
及びBの両方を含む場合、「XがA又はBを含む」は、上記の例示のいずれかによって満
たされる。さらに、本願及び添付の請求項の中で使用される“a”及び“an”という冠
詞は、一般に、単数形を指していることがコンテキストから明確であるか又は他に特段の
定めがない限り、「1つ以上の」を意味すると解釈されるべきである。
【0270】
さらに、説明の簡潔のため、本明細書の図面及び説明は一連のステップ又は段階又はシ
ーケンスを含み得るが、本明細書に開示の方法の要素は、様々な順番で又は同時に起こっ
てもよい。さらに、本明細書に開示の方法の要素は、本明細書に明示的に提示及び開示さ
れていない他の要素と共に起こってもよい。さらに、本明細書に記載の方法の全ての要素
が、本開示による方法を実装することを要求されるとは限らない。態様、特徴及び要素は
特定の組み合わせで本明細書に記載されているが、各態様、特徴又は要素は、他の態様、
特徴及び要素と共に又はそれらなしで独立して又は様々な組み合わせで使用されてもよい
【0271】
上記の態様、例示及び実装は、本開示の理解を容易にするために記載されており、限定
するものではない。対照的に、本開示は、添付の特許請求の範囲内に含まれる様々な修正
及び等価な構成を包含しており、特許請求の範囲は、法的に認められている全てのこのよ
うな修正及び均等構造を包含するように最も広く解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14