(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-19
(45)【発行日】2023-12-27
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20231220BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20231220BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20231220BHJP
【FI】
G07G1/12 321N
G07G1/01 301D
G07G1/00 311E
G07G1/12 361E
(21)【出願番号】P 2022207055
(22)【出願日】2022-12-23
(62)【分割の表示】P 2018102768の分割
【原出願日】2018-05-29
【審査請求日】2023-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 敬行
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-021730(JP,A)
【文献】特開2012-014740(JP,A)
【文献】特開2010-061210(JP,A)
【文献】特開2009-245069(JP,A)
【文献】特開2012-150841(JP,A)
【文献】特開2013-229063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 5/00
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
客側で登録処理を実行し、客側で精算処理を実行するフルセルフモードにおいて、客に対応して情報の入力を行
う情報入力手段と、
クーポン券に対応す
る特典情報が前
記情報入力手段により入力された場合には、前記クーポン券が利用可能であるか否かについて判定し、利用可能であると判定した場合には前記特典情報の付与に対応する処理として前記クーポン券に応じた値引きが反映されるように処理するとともに
前記特典情報の利用に応じて回収が行われる媒体を店員に回収させるための店員呼び出しの処理を実行する処理手段と
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
コンピュータを、
客側で登録処理を実行し、客側で精算処理を実行するフルセルフモードにおいて、客に対応して情報の入力を行
う情報入力手段、
クーポン券に対応す
る特典情報が前
記情報入力手段により入力された場合には、前記クーポン券が利用可能であるか否かについて判定し、利用可能であると判定した場合には前記特典情報の付与に対応する処理として前記クーポン券に応じた値引きが反映されるように処理するとともに
前記特典情報の利用に応じて回収が行われる媒体を店員に回収させるための店員呼び出しの処理を実行する処理手段
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下のようなPOSシステムが知られている。つまり、タバコのように年齢制限のある商品に関して、客が発行端末にて購入予定の商品を選択する操作を行うことにより、発行端末から情報媒体を発行させる。客は、情報媒体を持ってPOS端末に移動し、店員に情報媒体を渡す。店員Aは、情報媒体に記載されている商品を商品棚から取り出すと、バーコードスキャナにより、商品の商品コードと、情報媒体に付された年齢確認済みコードとを読み取らせることで年齢確認を行うというものである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のタバコは、客に向けて設置された商品棚には陳列されず、例えばレジカウンタの店員側に設置された商品棚等に陳列されることで、客が購入する前の段階では、店員のみが扱い可能であり、客は扱い不可なようにされた商品(購入制限商品)である。
このような購入制限商品については、客が店員に向けて、購入したい商品名であるとか、商品に割り当てられた番号等を伝える必要があるが、この際に、例えば客が商品名や番号等をすぐに把握できないような場合には、商品の登録に手間取ることになり、会計に時間がかかってしまうことになる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、客が購入制限商品を購入するにあたっての会計の効率化が図られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための本発明の一態様は、店員に対応して情報の入力を行う第1情報入力手段と、客に対応して情報の入力を行う第2情報入力手段と、特定の情報が前記第1情報入力手段により入力された場合と前記第2情報入力手段により入力された場合とで異なる処理を実行する処理手段とを備える商品販売データ処理装置である。
【0007】
また、本発明の一態様は、コンピュータを、店員に対応して情報の入力を行う第1情報入力手段、客に対応して情報の入力を行う第2情報入力手段、特定の情報が前記第1情報入力手段により入力された場合と前記第2情報入力手段により入力された場合とで異なる処理を実行する処理手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、客が購入制限商品を購入するにあたっての会計の効率化が図られるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】POSシステムのネットワーク構成図である。
【
図5】POS端末の動作モードの概略を説明する図である。
【
図6】POS端末の動作モードの概略を説明する図である。
【
図7】POS端末の動作モードの概略を説明する図である。
【
図8】POS端末の動作モードの概略を説明する図である。
【
図9】動作モードの移行の一例を説明する図である。
【
図10】動作モードの移行の一例を説明する図である。
【
図11】商品の登録時における動作の一例を示すフローチャートである。
【
図14】店員側及び客側における他の表示例である。
【
図15】店員側及び客側における他の表示例である。
【
図16】変形例におけるフローチャートの一部である。
【
図19】本実施形態における商品登録状況画面と銘柄番号通知画面の一例を示す図である。
【
図20】本実施形態における銘柄番号情報の一例を示す図である。
【
図21】本実施形態におけるPOS端末が購入制限商品対応処理(第1例)に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図22】本実施形態における商品取出指示画面と商品受取待機画面との一例を示す図である。
【
図23】本実施形態におけるPOS端末が購入制限商品対応処理(第2例)に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図24】本実施形態における商品種別選択画面の一例を示すである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
[POSシステムの構成例]
図1は、本発明の一実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムのネットワーク構成図である。
図1に示すPOSシステム1は、3台のPOS端末20-1、POS端末20-2、POS端末20-3と、ストアコントローラ(ストアコンピュータ、管理装置)10を備え、夫々はLAN11を介して通信可能に接続されている。以下、POS端末20-1、20-2、20-3について特に区別しない場合には、POS端末20と総称する。
【0011】
POSシステム1は、種々の店舗に導入可能であるが、以下の説明では、POSシステム1がコンビニエンスストアに導入される場合を例に説明する。
【0012】
図2は、POS端末の設置例を示す図である。
図2(A)は、POS端末20等を客側から見た斜視図である。
図2(B)は、POS端末20等を店員側から見た斜視図である。
図2(A)に示すように客側から見てPOS端末20の右側にカウンタが置かれている。
【0013】
図3は、POS端末の外観例を示す図である。
図3(A)は、POS端末20を客側から見た斜視図である。
図3(B)は、POS端末20を店員側から見た斜視図である。
図4は、POS端末20の構成例を示す図である。
図3及び
図4において、同一部分には同一符号を付している。
【0014】
以下、
図3を参照しつつ、
図4に示したPOS端末20の構成例を説明する。POS端末20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カード決済部208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0015】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、POS端末20の動作を制御する。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0016】
RAM203は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、ストアコントローラ10から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報(例えば、登録処理において生成した登録情報、精算処理において生成した精算情報等)を記憶する。なお、以下の説明において、登録情報と精算情報のいずれか一方又は両方を取引情報と称する場合がある。
【0017】
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
【0018】
客側表示部205は、客用のタッチディスプレイであり、客に種々の情報を表示するとともに、客から種々の入力を受け付ける。
客側スキャナ部206は、客用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)等を光学的に読み取る。
【0019】
なお、客側スキャナ部206は、客が商品を登録する際に用いられるが、客は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、客側表示部205に、商品の注文ボタン等が表示されている場合、客は、注文ボタンを操作(押下)し、商品を登録することができる。
【0020】
カード決済部208は、各種カード(クレジットカード、交通系カード等)による決済機構である。本実施形態のカード決済部208は、カード認識部(読取部)や表示部や操作部を備えるが、少なくとも、カード認識部を備えるものであればよい。
【0021】
釣銭機209(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有し、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。
【0022】
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイであり、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。
キー操作部211は、各種のキー(ボタン)から構成され、店員から種々の入力を受け付ける。
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)や店員の名札に付された店員コード等を光学的に読み取る。
【0023】
なお、店員側スキャナ部212は、店員が商品を登録する際に用いられるが、店員は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、キー操作部211に、商品に対応するキー(例えば、スポーツ新聞に対応するキー等)が配置されている場合、店員は、当該キーを操作(押下)し、当該商品を登録することができる。また、店員側表示部210に、商品に対応するプリセットキーが表示されている場合、店員は、当該プリセットキーを操作し、当該商品を登録することができる。
【0024】
印刷部213は、媒体を排出する印刷部であり、例えば、レシート等の種々の媒体を印刷、発行する。印刷部213は、店員側から客側、客側から店員側に向き(媒体発行口の方向)を回転自在に変更可能な1台の印刷部である。印刷部の向きは、手動で変更してもよいし、例えば動作モードの移行に応じて自動的に変更(メカ的に制御等)してもよい。なお、印刷部の向きの正誤をセンサなどで検出してもよい。
【0025】
音声出力部214は、音声を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンス等を出力する。
通信部215は、他の装置(他のPOS端末20、ストアコントローラ10)との間において情報を送受信する。
【0026】
[各動作モードの概要]
続いて、POS端末20の動作モードについて説明する。POS端末20は、複数の動作モードを有する。具体的には、POS端末20は、4種類の動作モード(通常モード、フルセルフモード、ダブルスキャンモード、セミセルフモード)を有する。なお、以下の説明する動作モードは、通常業務中での会計に関する動作モード(商品登録処理や精算処理に係る動作モード)であり、売上や在高等を集計、照会等する集計モード、店員や保守員等が設定作業や保守作業を行う際のメンテナンスモード、新人がトレーニングを行う際のトレーニングモード等は含まない。
なお、本実施形態において「会計」は、例えば一取引における商品登録から登録された商品についての精算(決済)までを含む概念である。
【0027】
図5~
図8は、POS端末20の動作モードの概略を説明する図である。
図5は、通常モードの概略を説明する図である。
図5(A)は通常モードにおける処理(商品登録処理、精算処理)の流れや人(店員、客)の動作を表した模式図であり、
図5(B)は通常モードにおけるPOS端末20の動作の基本的な流れを示したフローチャートである。
図6は、フルセルフモードの概略を説明する図である。
図6(A)はフルセルフモードにおける処理(商品登録処理、精算処理)の流れや人(客)の動作を表した模式図であり、
図6(B)はフルセルフモードにおけるPOS端末20の動作の基本的な流れを示したフローチャートである。
図7は、ダブルスキャンモードの概略を説明する図である。
図7(A)はダブルスキャンモードにおける処理(商品登録処理、精算処理)の流れや人(客)の動作を表した模式図であり、
図7(B)はダブルスキャンモードにおけるPOS端末20の動作の基本的な流れを示したフローチャートである。
図8は、セミセルフモードの概略を説明する図である。
図8(A)はセミセルフモードにおける処理(商品登録処理、精算処理)の流れや人(客)の動作を表した模式図であり、
図8(B)及び
図8(C)はセミセルフモードにおけるPOS端末20の動作の基本的な流れを示したフローチャートである。
【0028】
なお、以下の説明において、上述の4つの動作モードの分類とは別の切り口として、POS端末20が、商品登録処理を実行するモードを登録モード、精算処理を実行するモードを精算モードと称する場合がある。
【0029】
〔通常モード〕
通常モードは、
図5(A)に示すように、店員側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、
図5(B)に示すように、通常モードの場合、店員側が登録モードになり、客側が精算モードになる。つまり、POS端末20は、登録処理~精算処理の全体を通して見た場合、登録精算モードとして動作する。
【0030】
通常モードの場合、店員は、客の買上商品を店員側(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211)にて登録する。つまり、POS端末20は、店員の操作(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211等の操作)により、買上商品の登録処理を実行する(
図5(A)の上段)。
【0031】
店員による登録処理が完了した場合、客は、店員側表示部210において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(
図5(A)の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(
図5(A)の下段)。
【0032】
つまり、通常モードでは、
図5(B)に示すように、初めは店員側において、例えば店員側スキャナ部212により商品がスキャン等され(ステップS10:YES)、商品を登録する(ステップS11)。小計キー(例えば、店員側表示部210に表示された小計キー、又は、キー操作部211に配置された小計キー等)の押下後は(ステップS30:YES)、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、処理が完了する。
【0033】
なお、客は、店員による登録処理が完了するまで(合計金額が確定するまで)、待機していてもよいが、登録処理が完了する前に釣銭機209に貨幣を投入してもよい。つまり、POS端末20は、登録処理中において入金を受付可能である(
図5(A)の上段)。
【0034】
また、店員は、客による精算が完了するまで(客がお釣りやレシートを取るまで)、待機していてもよいが、次の客の買上商品を登録してもよい。つまり、POS端末20は、精算処理中において次客の買上商品を登録可能である(
図5(A)の下段)。また、店員は、客による精算中に不在であってもよい(
図5(A)の下段)。つまり、当該客の精算中には、当該客の応対を終えてもよい。
【0035】
また、POS端末20は、お釣りがある場合には、お釣りの取り忘れを防止するため、釣銭機209による釣銭・釣札の払出しを制御し、客が釣銭・釣札を取り除いたことをセンサ等で認識したうえで、印刷部213によるレシートの発行を制御する。他の動作モードにおいても同様である。なお、上述したように、通常モード(ダブルスキャンモードも同様)では、お釣りを受け取る客の前に店員がいる場合といない場合とがあるが、店員がいる場合は、必ずしも上述した制御を行わなくてもよい(即ち、釣銭・釣札の払出しとレシートの発行とを同時に行ってもよいし、先にレシートを発行してもよい)。また、現在の動作モードや店員の存在/不在(例えば、店員の存在/不在はセンサにより認識)に応じて、釣銭・釣札の払出しとレシートの発行のタイミング等を制御してもよい。
【0036】
〔フルセルフモード〕
フルセルフモードは、
図6(A)に示すように、客側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、
図6(B)に示すように、フルセルフモードの場合、客側が登録モードにも精算モードにもなる。つまり、POS端末20は、登録処理~精算処理の全体を通して見た場合、登録精算モードとして動作する。
【0037】
フルセルフモードの場合、客は、買上商品を客側(客側スキャナ部206、客側表示部205)にて登録する。つまり、POS端末20は、客の操作等(客側スキャナ部206によるスキャン、客側表示部205へのタッチ)により、買上商品の登録処理を実行する(
図6(A)の上段)。
【0038】
登録処理が完了した場合、客は、客側表示部205において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(
図6(A)の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(
図6(A)の下段)。
【0039】
つまり、フルセルフモードでは、
図6(B)に示すように、客側において、例えば客側スキャナ部206により商品がスキャン等され(ステップS20:YES)、商品を登録する(ステップS21)。登録完了キー(例えば、客側表示部205に表示された登録完了キー等)の押下後は(ステップS40:YES)、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、処理が完了する。
【0040】
なお、フルセルフモードは、上述したように、客側にて登録処理も精算処理も実行するが、店員側は何もできないという訳ではない。つまり、POS端末20は、フルセルフモードで動作しているときであっても、店員側スキャナ部212にて店員コードのスキャンが可能である。また、POS端末20は、フルセルフモードで動作しているときであっても、店員側表示部210における種々の情報(例えば、
図15において説明する一覧)の表示が可能である。
例えば、フルセルフモードでの動作中において、店員側表示部210には、客側にて行われている登録処理や精算処理に応じて客側表示部205に表示されているのと同様の画面が表示されるようにしてよい。つまり、店員側表示部210にて、客側表示部205にて表示される内容がミラーリングされるように表示されてよい。これにより、店員は、フルセルフモードにおいて、客がどのような操作を行っており、また、POS端末20がどのような処理状況にあるのかを把握できる。
【0041】
〔ダブルスキャンモード〕
ダブルスキャンモードは、
図7(A)に示すように、店員側及び客側の両側にて登録処理を実行し、客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、
図7(B)に示すように、ダブルスキャンモードの場合、店員側及び客側の両側が登録モードになり、客側が精算モードになる。つまり、POS端末20は、登録処理~精算処理の全体を通して見た場合、登録精算モードとして動作する。
【0042】
ダブルスキャンモードの場合、店員は、買上商品を店員側(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211)にて登録し、客は、買上商品を客側(客側スキャナ部206、客側表示部205)にて登録する。つまり、POS端末20は、店員の操作等(店員側スキャナ部212によるスキャン、店員側表示部210へのタッチ、キー操作部211等の押下)、及び、客の操作等(客側スキャナ部206によるスキャン、客側表示部205へのタッチ)により、買上商品の登録処理を実行する(
図7(A)の上段)。
【0043】
登録処理が完了した場合、客は、客側表示部205において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(
図7(A)の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(
図7(A)の下段)。
【0044】
つまり、ダブルスキャンモードでは、はじめは店員側及び客側において商品を登録する。例えば、
図7(B)に示すように、店員側スキャナ部212のスキャン等により(ステップS10:YES)、商品を登録し(ステップS11)、客側スキャナ部206のスキャン等により(ステップS20:YES)、商品を登録する(ステップS21)。小計キー(例えば、店員側表示部210に表示された小計キー、又は、キー操作部211に配置された小計キー等)、又は、登録完了キー(例えば、客側表示部205に表示された登録完了キー等)の押下後は(ステップS41:YES)、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、処理が完了する。
【0045】
なお、店員は、客による精算が完了するまで(客がお釣りやレシートを取るまで)、待機していてもよいが、次の客の買上商品を登録してもよい。つまり、POS端末20は、精算処理中において次客の買上商品を登録可能である(
図7(A)の下段)。また、店員は、客による精算中に不在であってもよい(
図7(A)の下段)。つまり、当該客の精算中には、当該客の応対を終えてもよい。
【0046】
〔セミセルフモード〕
セミセルフモードは、2台以上のPOS端末20による動作モードであって、
図8(A)に示すように、少なくとも1台のPOS端末20(
図8の例ではPOS端末20-1)の店員側にて登録処理を実行し、他の1台のPOS端末20(
図8の例ではPOS端末20-2、POS端末20-3のうちの1台)の客側にて精算処理を実行する動作モードである。即ち、セミセルフモードの場合、1台以上(
図8の例では
図8(B)に示すようにPOS端末20-1の1台)が登録専用モードになり、他の1台以上(
図8の例では
図8(C)に示すようにPOS端末20-2、20-3の2台)が精算専用モードになる。
【0047】
セミセルフモードの場合、店員は、登録専用モードのPOS端末20において、客の買上商品を店員側(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211)にて登録する。つまり、POS端末20は、店員の操作(店員側スキャナ部212、店員側表示部210、キー操作部211等の操作)により、買上商品の登録処理を実行する(
図8(A)の上段)。
【0048】
店員による登録処理が完了した場合、客は、精算専用モードのPOS端末20に移動し、店員側表示部210において買上商品の合計金額を確認し、釣銭機209に貨幣を投入、または、カード決済部208を操作し、精算する(
図8(A)の下段)。つまり、POS端末20は、客の操作等(釣銭機209への貨幣の投入、カード決済部208の操作)により、精算処理を実行する(
図8(A)の下段)。
【0049】
登録専用モードのPOS端末20(
図8の例ではPOS端末20-1)において登録処理が完了した場合、客は、登録専用モードのPOS端末20から精算専用モードのPOS端末20(
図8の例ではPOS端末20-2)に移動するが、移動先のPOS端末20には、精算処理に必要な情報(登録専用モードのPOS端末20において生成された登録情報等)が供給される。
【0050】
なお、移動先のPOS端末20(精算専用モードのPOS端末20のうち精算処理を実行させるPOS端末20)は、登録専用モードのPOS端末20において指定してもよい。あるいは、登録専用モードのPOS端末20において媒体(精算処理に必要な情報を取得するためのバーコード等が印刷された媒体)を発行し、当該媒体を読み取らせた精算専用モードのPOS端末20を移動先のPOS端末20としてもよい。
【0051】
つまり、セミセルフモードでは、はじめは、登録専用モードのPOS端末20(POS端末20-1)の店員側において商品を登録する。例えば、
図8(B)に示すように、店員側スキャナ部212のスキャン等により(ステップS10:YES)、商品を登録する(ステップS11)。小計キー(例えば、店員側表示部210に表示された小計キー、又は、キー操作部211に配置された小計キー等)の押下後に(ステップS30:YES)、例えば精算専用モードのPOS端末20(POS端末20-2のPOS端末20-3のいずれか一方)が指定されると(ステップS31:YES)、指定されたPOS端末20に登録情報が送信され(ステップS32)、登録専用モードのPOS端末20における、処理が完了する。
【0052】
続いて、
図8(C)に示すように、登録情報の受信後(ステップS49:YES)、精算専用モードのPOS端末20(即ち、登録専用モードのPOS端末20によって指定されたPOS端末20)は、客側において、例えば釣銭機209により精算が行われ(ステップS50)、精算専用モードのPOS端末20における、処理が完了する。
【0053】
なお、店員は、登録情報を送信した後は、次の客の買上商品を登録可能である(
図8(A)の下段)。また、店員は、登録情報を送信した後は、不在であってもよい(
図8(A)の下段)。
【0054】
〔動作モードの報知〕
POS端末20は、現在の動作モードを報知する。例えば、店員側表示部210において現在の動作モードを表示してもよい。具体的には、店員側表示部210に動作モード表示欄を有する画面を表示し、該画面上の動作モード表示欄に現在の動作モードを表示してもよい。また、各動作モードに対応する画像(例えば、ボタン風の画像)を配置した画面を店員側表示部210に表示し、該画面上において現在の動作モードを対応する画像を、現在の動作モードを対応しない画像と異なる表示態様(例えば、他の画像の表示態様よりも目立つ表示態様)にて表示してもよい。なお、客側表示部205においても同様に動作モードを表示してもよい。
【0055】
また、POS端末20は、現在の動作モードに応じた情報を報知してもよい。例えば、客側表示部205において現在の動作モードに応じたメッセージを表示してもよい。具体的には、現在の動作モードがフルセルフモードである場合、例えば待機中であるときに、客自身が商品を登録する旨(「お客様にスキャンをお願いしております」等のメッセージ)を客側表示部205に表示(例えば、大きな文字でスクロール表示等)してもよい。
【0056】
〔動作モードの移行〕
続いて、POS端末20の動作モードの移行(切替)について説明する。POS端末20は、店員による明示的なモード移行操作(動作モードの設定画面上の入力や動作モードの設定ボタンの操作等)に従って動作モードが移行する。また、POS端末20は、店員による明示的なモード移行操作以外の他の操作(例えば、店員コードの読取等)に従って動作モードが移行する。また、POS端末20は、店員の操作等に拠らない所定の条件(経過時間や所定時刻(スケジュール)等の時間に関する条件、他の端末等との間における命令等の情報の送受信に関する条件等)に基づいて動作モードが移行する。
【0057】
図9及び
図10は、動作モードの移行の一例を説明する図である。
図9(A)は、通常モードからフルセルフモードへの移行の流れを示したフローチャートである。
図9(B)は、フルセルフモードからダブルスキャンモードへの移行の流れを示したフローチャートである。
図10(A)は、通常モードからセミセルフモード(登録専用モード)への移行の流れを示したフローチャートである。
図10(B)は、通常モードからセミセルフモード(精算専用モード)への移行の流れを示したフローチャートである。
【0058】
〔通常モードからフルセルフモードへの移行〕
図9(A)のフローチャートは、POS端末20(通常モード)が不使用中の状態になったときに開始する(つまり店員及び客のいずれも使用しなくなったときに開始する)。
【0059】
ステップS100:不使用時間の計時を開始する。
ステップS101:店員又は客により使用が開始されたか否か判断する。使用が開始されていない場合にはステップS102に進む。使用が開始された場合にはステップS104に進む。
【0060】
ステップS102:不使用時間が所定時間(例えば、予め設定した10分)を経過したか否かを判断する。所定時間を経過した場合にはステップS103に進む。所定時間を経過していない場合にはステップS101に戻る。
ステップS103:動作モードを通常モードからフルセルフモードに移行する。
ステップS104:不使用時間の計時を終了する。そして
図9(A)のフローチャートは終了する。
【0061】
なお、フルセルフモードに移行したときには、店員に対し、フルセルフモードに移行した旨を報知(例えば、店員が携帯する端末に対し、未引渡商品がある旨の情報を送信等)してもよい。また、フルセルフモードに移行したときには、客側表示部205にセルフでの登録を客に指示又は依頼するメッセージを表示してもよい。
【0062】
なお、
図9(A)は、通常モードからフルセルフモードへの移行に関する流れを示したものであるが、ダブルスキャンモードからフルセルフモードへの移行に関しても、
図9(A)の流れと同様であってもよい。
【0063】
〔フルセルフモードからダブルスキャンモードへの移行〕
図9(B)のフローチャートは、POS端末20(フルセルフモード)において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)、開始する。
【0064】
ステップS110:店員側スキャナ部212において店員コードが読み取られたか否かを判断する。店員コードが読み取られた場合にはステップS111に進む。店員コードが読み取られていない場合には
図9(B)のフローチャートは終了する。
【0065】
ステップS111:動作モードをフルセルフモードからダブルスキャンモードに移行する。そして
図9(B)のフローチャートは終了する。
【0066】
〔通常モードからセミセルフモード(登録専用モード)への移行〕
図10(A)のフローチャートは、POS端末20(通常モード)において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)、開始する。
【0067】
ステップS120:セミセルフモード(登録専用モード)への移行を宣言する操作があったか否かを判断する。例えば、店員側表示部210にセミセルフモード(登録専用モード)への移行を宣言するためのボタンを表示しておき、当該ボタンが押下(タッチ)されたか否かを判断してもよい。操作があった場合にはステップS121に進む。操作がなかった場合には
図10(A)のフローチャートは終了する。
【0068】
ステップS121:POSシステム1においてセミセルフモードにて動作している他のPOS端末20があるか否かを判断する。上述したように、セミセルフモードの場合、登録専用モードのPOS端末20と精算専用モードのPOS端末20が夫々1台以上必要であるため、例えば、当該POS端末20がPOS端末20-1である場合、POS端末20-2、20-3のうちの一方がセミセルフモード(登録専用モード)として動作し、他方がセミセルフモード(精算専用モード)として動作しているか否かを判断する。セミセルフモードにて動作している他のPOS端末20がない場合にはステップS122に進む。セミセルフモードにて動作している他のPOS端末20がある場合にはステップS124に進む。
【0069】
ステップS122:セミセルフモード(精算専用モード)へ移行させる他のPOS端末20の指定があったか否かを判断する。指定があった場合にはステップS123に進む。指定がなかった場合にはステップS122の処理を繰り返す。
ステップS123:指定された他のPOS端末20に対し、セミセルフモード(精算専用モード)への移行指示を送信する。
【0070】
ステップS124:処理中であるか否かを判断する。処理中でなければステップS125に進む。処理中であればステップS124の処理を繰り返す。
ステップS125:動作モードを通常モードからセミセルフモード(登録専用モード)に移行する。そして
図10(A)のフローチャートは終了する。
【0071】
なお、ステップS120の操作は、既にセミセルフモードにて動作している他のPOS端末20が存在しておらず、かつ、セミセルフモードにて移行可能な他のPOS端末20が存在していない場合には、行うことができないようにするとよい。
【0072】
〔通常モードからセミセルフモード(精算専用モード)への移行〕
図10(B)のフローチャートは、POS端末20(通常モード)において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)、開始する。
【0073】
ステップS130:セミセルフモード(精算専用モード)への移行指示を受信したか否かを判断する。移行指示を受信した場合にはステップS131に進む。移行指示を受信していなかった場合には
図10(B)のフローチャートは終了する。
【0074】
ステップS131:処理中であるか否かを判断する。処理中でなければステップS132に進む。処理中であればステップS131の処理を繰り返す。
ステップS132:動作モードを通常モードからセミセルフモード(精算専用モード)に移行する。そして
図10(B)のフローチャートは終了する。
【0075】
なお、
図10(B)は、通常モードからセミセルフモード(精算専用モード)への移行に関する流れを示したものであるが、フルセルフモードからセミセルフモード(精算専用モード)への移行に関しても、
図10(B)の流れと同様であってもよい。
【0076】
〔ダブルスキャンモードにおける店員側、客側の表示〕
ダブルスキャンモードは、店員側及び客側の両側にて登録処理を実行するモードであるが、以下、登録処理時における、店員側表示部210、客側表示部205の表示について説明する。
【0077】
図11は、商品の登録時における動作の一例を示すフローチャートである。
図11のフローチャートは、POS端末20(ダブルスキャンモード)において、常時(非常に短い時間間隔で定期的に)、開始する。なお、破線の矩形Pについては後述する。
【0078】
ステップS400:店員側スキャナ部212のスキャン等により商品がスキャン等されたか否かを判断する。つまり、店員による、店員側スキャナ部212によるスキャン、店員側表示部210へのタッチ、又は、キー操作部211等の押下があったか否かを判断する。商品がスキャン等された場合にはステップS401に進む。商品がスキャン等されていない場合にはステップS410に進む。
【0079】
ステップS401:商品を登録する。当該登録では、店員側で登録した旨を示す情報も登録(記憶)する。具体的には、登録区分「1(店員側)」を記憶する。
ステップS402:当該商品を店員側表示部210に通常の表示態様により表示する。
ステップS403:当該商品を客側表示部205に通常の表示態様よりも強調した表示態様により表示する。
【0080】
ステップS410:客側スキャナ部206のスキャン等により商品がスキャン等されたか否かを判断する。つまり、客による、客側スキャナ部206によるスキャン、又は、客側表示部205へのタッチがあったか否かを判断する。商品がスキャン等された場合にはステップS411に進む。商品がスキャン等されていない場合にはステップS400に戻る。
【0081】
ステップS411:商品を登録する。当該登録では、客側で登録した旨を示す情報も登録(記憶)する。具体的には、登録区分「2(客側)」を記憶する。
ステップS412:当該商品を店員側表示部210に通常の表示態様よりも強調した表示態様により表示する。
ステップS413:当該商品を客側表示部205に通常の表示態様により表示する。
【0082】
ステップS420:買い上げる全商品の登録が完了したか否かを判断する。即ち、店員側表示部210に表示された小計キー、又は、客側表示部205に表示された登録完了キーのいずれかが押下されたか否かを判断する。全商品の登録が完了した場合にはステップS421に進む。完了していない場合にはステップS400に戻る。
【0083】
ステップS421:精算する。
ステップS422:印刷部213によりレシートを発行する。そして
図11のフローチャートは終了する。なお、店員側にて登録された商品と客側にて登録された商品とを区別可能に印刷したレシートを発行してもよい。例えば、店員側又は客側にて登録された商品のいずれか一方に、米印や星印等のマーク、下線等を付してもよい。また例えば、客側にて登録された商品の印刷領域と店員側にて登録された商品の印刷領域とが分れたレシートを発行してもよい。つまり、客側にて登録された商品と店員側にて登録された商品とを異なる領域に印刷したレシートを発行してもよい。
【0084】
図12は、登録情報の一例である。POS端末20は、
図13に示した登録情報に代えて、例えば、
図12に示すような登録情報を生成してもよい。
図12に示した登録情報は、取引番号、取引日時、動作モード、商品登録者、商品コード、商品名、単価、個数、登録区分を記憶する。動作モードは、現在(当該登録情報の生成時)のPOS端末20の動作モードを示す情報である。商品登録者は、当該商品を登録した登録者である。登録区分は、店員側で登録したか客側で登録したかを示す情報である。店員側で登録した場合には登録区分「1」を記憶し、客側で登録した場合には登録区分「2」を記憶する。
【0085】
なお、
図12に示した登録情報は、
図11のステップS411(客側のスキャン等に基づく登録の処理)において商品コード「SC1111」の「和風大盛りやきそばA」が登録され、続いて、ステップS401(店員側のスキャン等に基づく登録の処理)において商品コード「SC1023」の「スター4(1mm)」が登録され、続いて、ステップS411において商品コード「SC4788」の「B山の天然水(1.5L)」が登録され、続いて、ステップS401において商品コード「SC6500」の「のり弁当」が登録され、続いて、ステップS411において商品コード「SC3620」の「Cチョコレート」が登録された場合に生成される登録情報の一例である。
【0086】
つまり、POS端末20は、店員側スキャナ部212でスキャン等された商品(スター4(1mm)、のり弁当)についてはステップS401の処理において登録区分「1(店員側)」の登録情報を生成する。一方、POS端末20は、客側スキャナ部206でスキャン等された商品(和風大盛りやきそばA、B山の天然水(1.5L)、Cチョコレート)についてはステップS411の処理において登録区分「2(客側)」の登録情報を生成する。
【0087】
図13は、店員側及び客側における表示例である。具体的には、
図13(A)は、店員側表示部210に表示される登録画面の一例である。
図13(B)は、客側表示部205に表示される登録画面の一例である。
【0088】
POS端末20は、例えば、
図11のステップS410において客側スキャナ部206で「Cチョコレート」がスキャンされた場合、
図12に示した登録情報(具体的には登録区分)を参照し、ステップS412において店員側表示部210に
図13(A)に示すような登録画面を表示し、ステップS413において客側表示部205に
図13(B)に示すような登録画面を表示する。
【0089】
図13(A)に示すように、店員側(店員側表示部210)には、店員側(自分側)にて登録された商品(スター4(1mm)、のり弁当)が通常態様(通常サイズ)で表示され、客側(相手側)にて登録された商品(和風大盛りやきそばA、B山の天然水(1.5L)、Cチョコレート)が強調態様(拡大サイズ)で表示されている。なお、上部において、当該店員側において最後に登録された商品(のり弁当)を表示している(符号NI)。また、下部において、現在のモード(ダブルスキャンモード)である旨を報知している(符号M)。
【0090】
図13(B)に示すように、客側(客側表示部205)には、客側(自分側)にて登録された商品(和風大盛りやきそばA、B山の天然水(1.5L)、Cチョコレート)が通常態様(通常サイズ)で表示され、店員側(相手側)にて登録された商品(スター4(1mm)、のり弁当)が強調態様(拡大サイズ)で表示されている。なお、上部において、当該客側において最後に登録された商品(Cチョコレート)を表示している(符号NI)。また、下部において、現在のモード(ダブルスキャンモード)である旨を報知している(符号M)。
【0091】
即ち、1つ目の商品である「和風大盛りやきそばA」が客側にてスキャン等されたことに基づいて(ステップS410;YES)、店員側(店員側表示部210)には「和風大盛りやきそばA」が強調表示され(ステップS412)、客側(客側表示部205)には「和風大盛りやきそばA」が通常表示される(ステップS413)。続いて、2つ目の商品である「スター4(1mm)」が店員側にてスキャン等されたことに基づいて(ステップS400;YES)、店員側(店員側表示部210)には「スター4(1mm)」が通常表示され(ステップS402)、客側(客側表示部205)には「スター4(1mm)」が強調表示される(ステップS403)。続いて、3つ目の商品である「B山の天然水(1.5L)」が客側にてスキャン等されたことに基づいて(ステップS410;YES)、店員側(店員側表示部210)には「B山の天然水(1.5L)」が強調表示され(ステップS412)、客側(客側表示部205)には「B山の天然水(1.5L)」が通常表示される(ステップS413)。続いて、4つ目の商品である「のり弁当」が店員側にてスキャン等されたことに基づいて(ステップS400;YES)、店員側(店員側表示部210)には「のり弁当」が通常表示され(ステップS402)、客側(客側表示部205)には「のり弁当」が強調表示される(ステップS403)。続いて、5つ目の商品である「Cチョコレート」が客側にてスキャン等されたことに基づいて(ステップS410;YES)、店員側(店員側表示部210)には「Cチョコレート」が強調表示され(ステップS412)、客側(客側表示部205)には「Cチョコレート」が通常表示される(ステップS413)。
【0092】
図13(A)に示すように、店員側には、店員側や客側にて登録された商品(和風大盛りやきそばA、スター4(1mm)、B山の天然水(1.5L)、のり弁当、Cチョコレート)が登録された順序(和風大盛りやきそばA→スター4(1mm)→B山の天然水(1.5L)→のり弁当→Cチョコレート)に従って表示されている。従って、当然に、店員側にて登録された商品(スター4(1mm)、のり弁当)のみに注目しても、当該商品(スター4(1mm)、のり弁当)が登録された順序(スター4(1mm)→のり弁当)に従って表示され、客側にて登録された商品(和風大盛りやきそばA、B山の天然水(1.5L)、Cチョコレート)のみに注目しても、当該商品(和風大盛りやきそばA、B山の天然水(1.5L)、Cチョコレート)が登録された順序(和風大盛りやきそばA→B山の天然水(1.5L)→Cチョコレート)に従って表示されている。客側(
図13(B)参照)においても同様である。また、
図14(後述)の表示例においても同様である。
【0093】
また、
図13(A)及び
図13(B)に示すように、店員側にて登録された商品(スター4(1mm)、のり弁当)と、客側にて登録された商品(和風大盛りやきそばA、B山の天然水(1.5L)、Cチョコレート)とは表示態様が異なるため、全体の登録順序(和風大盛りやきそばA→スター4(1mm)→B山の天然水(1.5L)→のり弁当→Cチョコレート)に加え、店員側における登録順序(スター4(1mm)→のり弁当)や客側における登録順序(和風大盛りやきそばA→B山の天然水(1.5L)→Cチョコレート)も認識しやすくなっている。
図14(後述)の表示例においても同様である。
【0094】
なお、
図13では、強調表示として、文字を拡大して表示しているが、文字を拡大して表示することに代えて又は加えて文字を太くして表示してもよい。
【0095】
〔他の表示例1〕
ダブルスキャンモードにおける店員側、客側の表示は、
図13の表示例を用いて説明したものに限定されない。
図14は、店員側及び客側における他の表示例である。具体的には、
図14(A)は、店員側表示部210に表示される登録画面の一例である。
図14(B)は、客側表示部205に表示される登録画面の一例である。
【0096】
POS端末20は、例えば、
図11のステップS410において客側スキャナ部206で「Cチョコレート」がスキャンされた場合、
図12に示した登録情報(具体的には登録区分)を参照し、ステップS412において店員側表示部210に
図14(A)に示すような登録画面を表示し、ステップS413において客側表示部205に
図14(B)に示すような登録画面を表示してもよい。
【0097】
図14(A)に示すように、店員側(店員側表示部210)には、店員側(自分側)にて登録された商品(スター4(1mm)、のり弁当)が通常態様(通常サイズ)で表示され、客側(相手側)にて登録された商品(和風大盛りやきそばA、B山の天然水(1.5L)、Cチョコレート)が強調態様(星印付、先頭1文字分繰上)で表示されている。なお、先頭1文字分繰上とは、表示開始位置を1文字分繰り上げる(左側に詰める、寄せる)ことである。
【0098】
図14(B)に示すように、客側(客側表示部205)には、客側(自分側)にて登録された商品(和風大盛りやきそばA、B山の天然水(1.5L)、Cチョコレート)が通常態様(通常サイズ)で表示され、店員側(相手側)にて登録された商品(スター4(1mm)、のり弁当)が強調態様(星印付、先頭1文字分繰上)で表示されている。
【0099】
なお、
図14では、強調表示として、3つの内容(文字サイズ、星印、文字繰上)を全て行っているが、3つ全部を行うのではなく、1つ又は2つを行うようにしてもよい。また、星印に代えて他の印(米印等)を付けるようにしてもよい。また、強調表示として、上記に代えて又は加えて、背景色による強調表示を行ってもよいし、下線を付けるようにしてもよい。
【0100】
なお、
図11のフローチャートや
図13及び
図14の表示例では、自分側にて登録された商品を通常態様で表示し、相手側にて登録された商品を強調態様で表示する例を説明したが、逆に、相手側にて登録された商品を通常態様で表示し、自分側にて登録された商品を強調態様で表示してもよい。
【0101】
また、店員側表示部210において、自分側にて登録された商品か、相手側にて登録された商品のうちのいずれか一方を強調表示するのではなく、単に、どちら側で登録されたかを識別可能に表示してもよい。例えば、自分側にて登録された商品の欄には商品名と価格との間に「店員」と表示し、相手側にて登録された商品の欄には商品名と価格との間に「客」と表示してもよい。なお、「店員」と表示したバッヂ風の画像や「客」と表示したバッヂ風の画像を用いてもよい。
【0102】
また、上記に代えて又は加えて客側表示部205において、自分側にて登録された商品か、相手側にて登録された商品のうちのいずれか一方を強調表示するのではなく、単に、どちら側で登録されたかを識別可能に表示してもよい。例えば、自分側にて登録された商品の欄には商品名と価格との間に「お客様」と表示し、相手側にて登録された商品の欄には商品名と価格との間に「店員」と表示してもよい。
【0103】
〔他の表示例2〕
ダブルスキャンモードにおける店員側、客側の表示は、
図13の表示例や
図14の表示例を用いて説明したものに限定されない。
図15は、店員側及び客側における他の表示例である。具体的には、
図15(A)は、店員側表示部210に表示される登録画面の一例である。
図15(B)は、客側表示部205に表示される登録画面の一例である。
【0104】
POS端末20は、5つ目の商品「Cチョコレート」が客側スキャナ部206でスキャンされた場合、店員側表示部210に
図15(A)に示すような登録画面を表示し、客側表示部205に
図15(B)に示すような登録画面を表示してもよい。
【0105】
図16は、他の表示例2に対応するフローチャートの一部である。具体的には、
図16(A)は、
図11のフローチャートにおける矩形Pの処理を入れ替えたものである。つまり、POS端末20は、
図11のフローチャートのステップS402に代えて
図16(A)のフローチャートのステップS1402を実行し、
図11のフローチャートのステップS403に代えて
図16(A)のフローチャートのステップS1403を実行し、
図11のフローチャートのステップS412に代えて
図16(A)のフローチャートのステップS1412を実行し、
図11のフローチャートのステップS413に代えて
図16(A)のフローチャートのステップS1413を実行してもよい。
【0106】
つまり、POS端末20は、例えば、ステップS410(
図11)において客側スキャナ部206で「Cチョコレート」がスキャンされた場合、
図12に示した登録情報(具体的には登録区分)を参照し、ステップS1412(
図16(A))において店員側表示部210に
図15(A)に示すような登録画面を表示し、ステップS1413(
図16(A))において客側表示部205に
図15(B)に示すような登録画面を表示してもよい。
【0107】
図15(A)に示すように、店員側(店員側表示部210)の第1領域H1には、店員側(自分側)にて登録された商品(スター4(1mm)、のり弁当)が通常態様(通常サイズ)で表示され、店員側(店員側表示部210)の第2領域H2には、客側(相手側)にて登録された商品(和風大盛りやきそばA、B山の天然水(1.5L)、Cチョコレート)が強調態様(拡大サイズ)で表示されている。また、夫々の領域(第1領域H1、第2領域H2)における表示内容を示すため、第1領域H1の上部には「店員登録商品」なるタイトルが表示され、第2領域H2の上部には「客登録商品」なるタイトルが表示されている。
【0108】
図15(B)に示すように、客側(客側表示部205)の第1領域H1には、客側(自分側)にて登録された商品(和風大盛りやきそばA、B山の天然水(1.5L)、Cチョコレート)が通常態様(通常サイズ)で表示され、客側(客側表示部205)の第2領域H2には、店員側(相手側)にて登録された商品(スター4(1mm)、のり弁当)が強調態様(拡大サイズ)で表示されている。また、夫々の領域(第1領域H1、第2領域H2)における表示内容を示すため、第1領域H1の上部には「お客様が登録した商品」なるタイトルが表示され、第2領域H2の上部には「店員が登録した商品」なるタイトルが表示されている。
【0109】
店員側においては、
図15(A)に示すように、第1領域H1において店員側にて登録された商品(スター4(1mm)、のり弁当)が登録された順序(スター4(1mm)→のり弁当)に従って表示され、第2領域H2において客側にて登録された商品(和風大盛りやきそばA、B山の天然水(1.5L)、Cチョコレート)が登録された順序(和風大盛りやきそばA→B山の天然水(1.5L)→Cチョコレート)に従って表示されている。客側(
図15(B)参照)においても同様である。
【0110】
なお、
図15では、自分側にて登録された商品を第1領域H1(左側領域)に表示し、相手側にて登録された商品を第2領域H2(右側領域)に表示する例を説明したが、逆に、
図16(B)の如く動作し、自分側にて登録された商品を第2領域H2(右側領域)に表示し、相手側にて登録された商品を第1領域H1(左側領域)に表示してもよい。
【0111】
なお、
図16(B)は、
図11のフローチャートにおける矩形Pの処理を入れ替えたものである。つまり、POS端末20は、
図11のフローチャートのステップS402に代えて
図16(B)のフローチャートのステップS2402を実行し、
図11のフローチャートのステップS403に代えて
図16(B)のフローチャートのステップS2403を実行し、
図11のフローチャートのステップS412に代えて
図16(B)のフローチャートのステップS2412を実行し、
図11のフローチャートのステップS413に代えて
図16(B)のフローチャートのステップS2413を実行してもよい。
【0112】
図17は、店員側及び客側における表示例である。具体的には、
図17(A)は、店員側表示部210に表示される小計画面の一例である。
図17(B)は、客側表示部205に表示される小計画面の一例である。
【0113】
POS端末20は、例えば、
図11のステップS412において店員側表示部210に
図13(A)に示すような登録画面を表示し、ステップS413において客側表示部205に
図13(B)に示すような登録画面を表示した後に、ステップS420において買い上げる全商品の登録が完了したと判断した場合(ステップS420:YES)、店員側表示部210に
図17(A)に示すような精算画面を表示し、客側表示部205に
図17(B)に示すような精算画面を表示する。なお、客は、
図17(B)の精算画面上で合計金額を確認し、釣銭機209の投入口に現金を投入するか、カード決済部208のカード認識部にカードを認識させることにより、買い上げる全商品にういて精算する(ステップS421)。
【0114】
図17(A)に示すように、店員側(店員側表示部210)には、
図13(A)に示した登録画面と同様、店員側(自分側)にて登録された商品が通常態様で表示され、客側(相手側)にて登録された商品が強調態様で表示されている。なお、下部に、当該精算画面から登録画面に戻るためのボタン(符号TG)が配置されている。
【0115】
図17(B)に示すように、客側(客側表示部205)には、
図13(B)に示した登録画面と同様、客側(自分側)にて登録された商品が通常態様で表示され、店員側(相手側)にて登録された商品が強調態様で表示されている。
【0116】
なお、
図17(A)(B)の小計画面は、
図13(A)(B)の登録画面から遷移する小計画面であり、
図14(A)(B)の登録画面から遷移する小計画面や
図15(A)(B)の登録画面から遷移する小計画面は、
図17(A)(B)の小計画面とは異なる。具体的には、
図13(A)(B)の登録画面から遷移する小計画面における商品の表示態様が
図13(A)(B)の登録画面における商品の表示態様と同様であるように、
図14(A)(B)の登録画面から遷移する小計画面における商品の表示態様は、
図14(A)(B)の登録画面における商品の表示態様と同様であればよく、
図15(A)(B)の登録画面から遷移する小計画面における商品の表示態様は、
図15(A)(B)の登録画面における商品の表示態様と同様であればよい。
【0117】
図18は、レシートの一例である。POS端末20は、例えば、
図12のステップS215において、「スター4(1mm)」及び「特製フランクフルト」が共に未引渡商品であったときには、例えば、
図18(A)に示すようなレシートを発行してもよい。
図18(A)の示したレシートには、「スター4(1mm)」及び「特製フランクフルト」に米印が付いている。
【0118】
また、POS端末20は、例えば、
図11のステップS422において、
図18(B)に示すように、店員側において登録された「スター4(1mm)」及び「のり弁当」に米印を付したレシートを発行してもよい。また、POS端末20は、
図18(C)に示すように、客側にて登録された商品と店員側にて登録された商品とを異なる領域に印刷したレシートを発行してもよい。
【0119】
[購入制限商品対応処理の第1例]
コンビニエンスストアにおいて、タバコは、客に向けて設置された商品棚には陳列されず、例えばレジカウンタの店員側に設置された商品棚等に陳列されることで、客が購入する前の段階では、店員のみが扱い可能であり客は扱い不可なようにされた商品(購入制限商品)である。
このような購入制限商品であるタバコは、銘柄ごとに或る番号(銘柄番号)が割り当てられたうえで、レジカウンタの後ろの商品棚において、銘柄ごとに銘柄番号が標示された状態で陳列されている。このように標示される銘柄番号は、商品棚において対応の商品がどこにあるのかを示す情報(商品を特定するための情報の一例)である。
客は、タバコを購入する際には、レジカウンタの後ろの陳列棚に陳列される銘柄のうちで、自分が購入したい銘柄に対応して標示された銘柄番号を確認し、確認した銘柄番号を、購入数とともに店員に伝える。店員は、伝えられた銘柄番号に対応する銘柄のタバコを、伝えられた購入数の個数取り出し、取り出したタバコについての商品登録を行い、客に渡す。
しかしながら、客が、自分の購入したいタバコの銘柄をレジカウンタの後ろの陳列棚からなかなか見つけられなかったり、購入したいタバコの銘柄の陳列されている場所が見えにくかったりするなどして、番号の確認に遅れるような場合がある。このような場合には、客が番号を確認できるまでタバコの商品登録が滞ることになり、会計の効率が低下する。
そこで、本実施形態においては、客が既に自分で購入して所持しているタバコの箱に印刷されたバーコードを客側スキャナ部206により読み取らせる操作(銘柄情報入力操作)を行うことができるようにする。そのうえで、本実施形態のPOS端末20は、銘柄情報入力操作に応じた処理(購入制限商品対応処理)を以下のように実行することで、客がレジカウンタの後ろの陳列棚を確認しなくとも、客が購入したいタバコの銘柄に対応する銘柄番号が、客または店員により把握されるようにする。
【0120】
まず、本実施形態における購入制限商品対応処理の第1例について説明する。ここでの銘柄番号通知の第1例の説明にあたっては、POS端末20について通常モードが設定される場合を例に挙げる。
通常モードにおいて、例えばタバコを購入しようとする客は、タバコ以外の購入対象の商品があれば、タバコ以外の商品の登録を店員にしてもらうようにする。このようにタバコ以外の商品の登録が店員側にて行われている間、客は、既に自分が購入済みで所持しているタバコであって、これから購入しようとしているのと同じ銘柄のタバコの箱を、取り出す。客は、取り出したタバコの箱に印刷されているバーコードを、客側スキャナ部206により読み取らせる操作を行う。このような客側スキャナ部206にタバコの箱に印刷されたバーコードを読み取らせる操作は、客が、自分が購入しようとするタバコの銘柄の情報をPOS端末20に入力する銘柄情報入力操作となる。
【0121】
通常モードが設定されたPOS端末20の客側表示部205においては、店員側での商品登録操作に応じた商品登録状況を示す商品登録状況画面が表示される。
図19(A)は、商品登録状況画面の一例を示している。同図の商品登録状況画面においては、リンゴが1個、梨が1個の順で、商品登録が行われた段階にあることが示されている。
この場合、客は、同図の商品登録状況画面が標示されている状況のもとで銘柄情報入力操作を行った。銘柄情報入力操作に応じて、POS端末20は、客側スキャナ部206により読み取られたバーコードにより示される銘柄に応じた商品コードを取得する。
POS端末20は、タバコの銘柄ごとに応じた商品コードと、タバコの陳列棚への陳列にあたって銘柄ごとに割り当てた銘柄番号とを対応付けた銘柄番号情報を記憶する。
図20は、銘柄番号情報の一例を示している。
POS端末20は、銘柄情報入力操作に応じて取得した商品コードに対応付けられた銘柄番号を、銘柄番号情報から取得する。POS端末20は、取得された銘柄番号を客に通知する、銘柄番号通知画面を客側表示部205に表示する。
図19(B)は、銘柄番号通知画面WD11の表示態様例を示している。同図では、銘柄番号通知画面WD11は、商品登録状況画面の上に重畳して表示されるウィンドウ形式の例を示している。同図の銘柄番号通知画面WD11においては、銘柄情報入力操作の際に利用されたタバコの箱の銘柄に対応する銘柄番号が表示されるとともに、表示された銘柄番号を店員に伝えるように案内するメッセージが表示されている。
客は、客側表示部205に表示された銘柄番号通知画面WD11を見て、自分が購入しようとするタバコに付されている銘柄番号を確認できる。そこで、客は、店員に、銘柄番号通知画面WD11に表示された番号、購入個数とともに、タバコを購入したいことを伝える。銘柄番号通知画面WD11においては、確認ボタンBT11が配置されている。銘柄番号を確認した客は、確認ボタンBT11に対する操作を行う。確認ボタンBT11に対する操作が行われると、銘柄番号通知画面WD11が消去され、商品登録状況画面の表示に戻る。
店員は、客から伝えられた番号に対応付けられているタバコについて、陳列棚から伝えられた購入個数を取り出して、商品登録を行う。店員は、商品登録の際、取り出したタバコの箱に付されたバーコードを店員側スキャナ部212に読み取らせる操作を行う。
【0122】
このように銘柄番号通知が行われることで、客は、レジカウンタの後ろの陳列棚における銘柄番号の標示を確認しなくとも、自分が既に持っているタバコの箱を利用して、銘柄番号を把握し、店員に伝えることができる。これにより、タバコの購入を含む取引における会計の効率化が図られる。
【0123】
図21のフローチャートを参照して、本例におけるPOS端末20が購入制限商品対応処理に関連して実行する処理手順例について説明する。同図の処理は、商品登録処理中に実行される処理であって、商品登録処理の終了を指示する操作(例えば、小計操作)が行われるまで繰り返し実行される。
【0124】
ステップS501:POS端末20は、店員側スキャナ部212によるバーコードの読み取りが行われたか否かについて判定する。
ステップS502:店員側スキャナ部212によるバーコードの読取が行われたということは、店員の商品登録操作として、登録対象の商品のバーコードを店員側スキャナ部212により読み取らせる操作が行われたということである。そこで、POS端末20は、読み取られたバーコードが示す商品情報を利用して商品登録処理を実行する。
【0125】
ステップS503:ステップS502の処理の後、あるいはステップS501にて店員側スキャナ部212によるバーコードの読み取りが行われないことが判定された場合、POS端末20は、以下の処理を実行する。つまり、POS端末20は、客側スキャナ部206によりタバコとしての商品のバーコードの読み取りが行われたか否かについて判定する。
客側スキャナ部206によりバーコードの読み取りが行われなかった場合、あるいは、客側スキャナ部206によりバーコードの読み取りが行われたとしても、読み取られたバーコードがタバコとしての商品に該当するものではないことが判定された場合には、ステップS501に処理が戻される。
【0126】
ステップS504:一方、ステップS503にて、客側スキャナ部206によりタバコとしての商品のバーコードの読み取りの行われたことが判定された場合には、POS端末20は、以下の処理を実行する。つまり、POS端末20は、読み取られたバーコードにおいて示される商品コードに対応付けられた銘柄番号を、銘柄番号情報から取得する。
ステップS505:POS端末20は、ステップS504にて取得した銘柄番号を通知する銘柄番号通知画面WD11を、客側表示部205に表示させる。
【0127】
同図の処理のもとで、ステップS501により読み取られたバーコードがタバコとしての商品のものであれば、ステップS502によりタバコが購入対象の商品として登録されることになる。つまり、本実施形態のPOS端末20は、同じタバコの商品としてのバーコードを、店員側スキャナ部212により読み取った場合と、客側スキャナ部206により読み取った場合とで、POS端末20が実行する処理が異なるようにされている。
【0128】
なお、同図では処理が省略されているが、表示された銘柄番号通知画面WD11は、確認ボタンBT11に対する操作が行われたことに応じて消去される。
あるいは、銘柄番号通知画面WD11は、例えば表示を開始してから確認ボタンBT11に対する操作が行われないまま一定時間を経過したことに応じて消去されるようにしてよい。また、小計操作が行われるまで銘柄番号通知画面WD11が表示されていた場合、銘柄番号通知画面WD11は、小計操作が行われて商品登録状況画面から他の画面(例えば、小計結果を示す小計画面)が表示されることに伴って消去されてもよい。
【0129】
なお、銘柄番号通知画面WD11が消去された後において、銘柄番号通知画面WD11を再表示できるようにしてよい。このために、例えば銘柄番号通知画面WD11が消去されたことに応じて、商品登録状況画面において銘柄番号通知画面WD11の再表示を指示するボタン(再表示ボタン)等を設けるようにしてよい。この場合、客は、銘柄番号をもう一度確認したいような場合に、再表示ボタンを操作すればよい。
【0130】
なお、客側表示部205においては銘柄番号通知画面WD11が表示されるのと同期するようにして、店員側表示部210においても、銘柄番号通知画面WD11と同じ銘柄番号を通知する表示が所定の態様によって行われてよい。この場合、店員側表示部210においては、商品登録操作にできるだけ支障がないようにされた態様で表示されることが好ましい。
【0131】
なお、当該購入制限商品対応処理の第1例の構成は、ダブルスキャンモードにおいても適用されてよい。
【0132】
[購入制限商品対応処理の第2例]
続いて、購入制限商品対応処理の第2例について説明する。購入制限商品対応処理の第2例は、フルセルフモードが設定されているPOS端末20に対応する。
フルセルフモードにおいては、客が商品登録から精算までの会計に応じた操作を行う。しかしながら、フルセルフモードに際して、客がタバコを購入する場合には、タバコが購入制限商品であることから、タバコについては、客が店員に購入の意思を伝えたうえで、店員から受け取る必要がある。本例では、このような場合に対応して、客がレジカウンタの後ろ側の陳列棚における銘柄番号の標示を確認して店員に伝えなくとも、店員が的確に銘柄番号を把握して、客の希望する銘柄のタバコを客に手渡せるようにする。
【0133】
本例の場合、タバコを購入しようとする客は、フルセルフモードのもとで商品登録操作を行っているときに、自分が所持しているタバコの箱のバーコードを客側スキャナ部206により読み取らせる銘柄情報入力操作を行う。
POS端末20は、フルセルフモードのもとで商品登録処理中に読み取られたバーコードが購入制限商品でない場合には、読み取られたバーコードにより示される商品情報を利用して商品の登録を行う。
一方、POS端末20は、フルセルフモードのもとで読み取られたバーコードが、銘柄情報入力操作に対応するタバコ(購入制限商品)である場合には、商品登録を行わない。この場合、POS端末20は、読み取られたバーコードにおいて示される商品コードに対応付けられた銘柄番号を銘柄番号情報から取得する。
POS端末20は、銘柄番号の取得に応じて、例えば店員が所持する店員端末に商品取出指示を送信する。商品取出指示は、フルセルフモードで会計中の客が希望する銘柄のタバコを陳列棚から取り出して客に渡すことを指示するものであり、取り出しの対象となるタバコの銘柄として、取得された銘柄番号を示す情報を含む。店員端末は、商品取出指示の受信に応じて、例えば銘柄番号指定してタバコの取り出しを指示する画面の表示とともに、店員に商品取出指示の受信についての報知を行う。
【0134】
また、POS端末20は、銘柄番号の取得に応じて、自己の店員側表示部210にて、商品取出指示画面を表示させる。
図22(A)は、商品取出指示画面WD21の態様例を示している。同図の商品取出指示画面WD21は、客側の商品登録状況をミラーリングして示す商品登録状況画面の上に重畳されるようにして表示されるウィンドウ形式である例を示している。同図の商品取出指示画面WD21においては、取り出しの対象となるタバコの銘柄に付された銘柄番号とともに、店員にタバコを取り出して客に手渡すことを指示するメッセージが表示されている。
【0135】
店員は、店員端末による商品取出指示の受信報知、またはPOS端末20の店員側表示部210にて表示された商品取出指示画面WD21のいずれかに気付き、商品取出指示または商品取出指示画面により指示された銘柄番号の銘柄のタバコを陳列棚から取り出し、客に渡すようにされる。
店員は、タバコを取り出して客に渡す際に、商品取出指示画面WD21にて配置されている確認ボタンBT21を操作する。確認ボタンBT21が操作されたことに応じて、商品取出指示画面WD21は消去される。
【0136】
また、POS端末20は、店員側表示部210にて商品取出指示画面が表示されるのと同じタイミングで、客側表示部205において、商品受取待機画面を表示させる。商品受取待機画面は、客が行った銘柄情報入力操作に応じた銘柄のタバコを店員が持ってくるので、タバコの受け取りまで待機してもらうようにすることを客に伝える画面である。
図22(B)は、商品受取待機画面WD22の態様例を示している。同図の商品受取待機画面WD22は、客が行う商品登録操作に対応する商品登録画面の上に重畳されるようにして表示されるウィンドウ形式である例を示している。
商品受取待機画面WD22には、確認ボタンBT22が配置されている。客は、商品受取待機画面WD22に表示された内容を確認し、確認ボタンBT22を操作すればよい。確認ボタンBT22が操作されたことに応じて商品受取待機画面WD22は消去される。
【0137】
図23のフローチャートを参照して、本例におけるPOS端末20が購入制限商品対応処理に関連して実行する処理手順例について説明する。同図の処理は、フルセルフモードが設定されたPOS端末20により、商品登録処理中に実行される処理である。
【0138】
ステップS601:POS端末20は、客側スキャナ部206によりタバコとしての商品のバーコードの読み取りが行われるのを待機する。
ステップS602:POS端末20は、客側スキャナ部206によりタバコとしての商品のバーコードの読み取りの行われたことが判定されると、読み取られたバーコードにおいて示される商品コードに対応付けられた銘柄番号を、銘柄番号情報から取得する。
ステップS603:POS端末20は、店員側表示部210にて、商品取出指示画面WD21を表示させる。商品取出指示画面WD21においては、店員が取り出すべき銘柄のタバコに対応する銘柄番号として、ステップS602にて取得された銘柄番号が表示される。
ステップS604:POS端末20は、店員端末に商品取出指示を送信する。
ステップS605:POS端末20は、客側表示部205に、商品受取待機画面WD22を表示させる。
同図においては示されていないが、ステップS603にて表示された商品取出指示画面WD21は、前述のように、確認ボタンBT21に対する操作が行われたことに応じて消去される。また、ステップS605にて表示された商品受取待機画面WD22は、前述のように、確認ボタンBT22に対する操作が行われたことに応じて消去される。
【0139】
なお、フルセルフモードのもとで銘柄情報入力操作が行われたPOS端末20は、他のPOS端末20に対しても商品取出指示を送信してもよい。商品取出指示を受信した他のPOS端末20は、所定の態様で、商品取出指示に応じた報知を行う。これにより、他のPOS端末20を操作している店員がいれば、これらの店員が商品取出指示の報知に気付き、手が空いていれば自分がタバコを取り出せ、手が空かなければ、他の手が空いている店員に知らせることができる。
【0140】
<変形例>
以上、本発明の実施形態等について説明したが、機器の構成、データの構成、処理の流れ、表示及び出力の態様などは、例えば下記変形例のように、適宜、変更及び修正が可能である。
【0141】
[第1変形例]
例えば、タバコは、単品による販売と、カートンと呼ばれる複数個(例えば10個)を1箱にまとめた箱詰め品による販売とが行われる。つまり、たばこは、同じ銘柄であっても、販売の対象とする個数単位に応じて商品種別が異なるようにして販売が行われる。このように単品とカートンとで商品種別が異なる場合において、例えば単品とカートンとで異なる銘柄番号が付されている場合がある。
【0142】
そこで、本変形例のPOS端末20は、購入制限商品対応処理の第1例または購入制限商品対応処理の第2例のもとで以下のように構成される。つまり、POS端末20は、客による銘柄情報入力操作が行われことに応じて、単品とカートンとのいずれを購入するのかを客が選択する商品種別選択画面を客側表示部205に表示させる。商品種別選択画面は、購入制限商品対応処理の第1例との対応では、銘柄番号通知画面WD11(
図19(B))に先だって表示される。また、商品種別選択画面は、購入制限商品対応処理の第2例との対応では、商品取出指示画面WD21(
図22(A))及び商品受取待機画面WD22(
図22(B))に先だって表示される。
【0143】
図24は、商品種別選択画面の一例を示している。同図の商品種別選択画面においては、銘柄エリアAR30、単品ボタンBT31、及びカートンボタンBT32が配置されている。
銘柄エリアAR30には、銘柄情報入力操作により入力されたタバコのバーコードが示すタバコの銘柄が表示される。つまり、客が購入しようとするタバコの銘柄が表示される。
単品ボタンBT31は、銘柄エリアAR30にて表示される銘柄のタバコの商品に関して、客が単品を購入しようとする場合に操作するボタンである。
カートンボタンBT32は、銘柄エリアAR30にて表示される銘柄のタバコの商品に関して、客がカートンを購入しようとする場合に操作されるボタンである。
【0144】
客は、表示された商品種別選択画面における銘柄エリアAR30を見て、自分が行った銘柄情報入力操作により指定した銘柄であることを確認する。そのうえで、客は、商品種別選択操作として、単品を購入するつもりである場合には、単品ボタンBT31を操作し、カートンを購入するつもりである場合には、カートンボタンBT32を操作する。
【0145】
POS端末20は、商品種別選択操作に応じた動作として、購入制限商品対応処理の第1例のもとでは、客側表示部205に、商品種別選択操作により選択された単品またはカートンの銘柄番号が示された銘柄番号通知画面WD11を表示させる。
また、購入制限商品対応処理の第2例のもとでは、POS端末20は、商品種別選択操作に応じた動作として、店員側表示部210に、商品種別選択操作により選択された単品またはカートンの銘柄番号が示された商品取出指示画面WD21を表示させ、客側表示部205に、商品受取待機画面WD22を表示させる。
【0146】
なお、店舗によっては、カートンの商品については、銘柄情報が付与されておらず、客からの銘柄とカートンによる購入であることの申し出を受けて店員が商品を取り出すようにされている場合がある。
この場合、購入制限商品対応処理の第1例のもとでは、商品種別選択操作としてカートンボタンBT32の操作によりカートンが選択された場合には、銘柄番号通知画面WD11において、例えば単品の銘柄番号を示したうえで、客に対するメッセージとして、単品の銘柄番号を指定してカートンの購入を店員に伝えてもらうように案内するメッセージを表示させてよい。
購入制限商品対応処理の第2例のもとでは、商品取出指示画面WD21において、単品の銘柄番号を表示したうえで、店員に対するメッセージとして、表示させた単品の銘柄番号に対応する銘柄のカートンを商品棚から取り出すように指示するメッセージを表示させてよい。
【0147】
[第2変形例]
購入制限商品対応処理の第1例の構成は、例えば本実施形態の通常モードのみに対応する会計が可能なように構成されたPOS端末に適用できる。また、購入制限商品対応処理の第2例の構成は、本実施形態のフルセルフモードのみに対応する会計が可能なように構成されたPOS端末に適用できる。さらに、購入制限商品対応処理の第2例の構成は、店員が商品登録から精算までの操作を行うようにされたPOS端末に適用できる。
【0148】
[第3変形例]
また、本実施形態において対象となる商品は、タバコに限定されない。例えば、ドラッグストアなどで販売される医薬品等であってもよい。
【0149】
[第4変形例]
上記各実施形態は、タバコ等の購入制限商品に対応して、客側スキャナ部206により情報の読み取りが行われた場合と、店員側スキャナ部212により同じ情報の読み取りが行われた場合とで、POS端末20が実行する処理が異なるようにされていた。
しかしながら、上記のように同じ情報が店員側スキャナ部212により読み取られた場合と客側スキャナ部206により読み取られた場合とでPOS端末20が実行する処理を異ならせる構成(以下、入力対応処理切替ともいう)は、購入制限商品以外にも適用できる。
【0150】
本変形例としては、入力対応処理切替として、情報の読み込み対象がクーポン券である場合を例に挙げる。本変形例のもとでは、クーポン券においてバーコードが印刷されている。クーポン券のバーコードには、例えばクーポン券の種別を示す情報、クーポン券の仕様により客に与えられる特典の内容、有効期限等の利用条件の情報が含まれてよい。
【0151】
この場合、POS端末20は、客側スキャナ部206によりクーポン券のバーコードが読み取られた場合には、店員を呼び出す処理を実行し、店員側スキャナ部212によりクーポン券のバーコードが読み取られた場合には、バーコードから読み取った情報に基づく特典付与に対応する処理を実行してよい。この場合には、例えばクーポン券を利用しようとする客が客側スキャナ部206によりクーポン券のバーコードを読み取らせることで、店員呼び出しが行われ、客のいるPOS端末20に店員が赴く。店員は、客からクーポン券を受け取って店員側スキャナ部212によりバーコードを読み取らせて、クーポン券に応じた処理をPOS端末20に実行させることができる。
店員は、クーポン券が使用されたことに応じて、使用済みのクーポン券として回収を行うことができる。例えば、POS端末20にて、店員に向けてクーポン券の回収を忘れずに行ってもらうための報知が表示や音声により行われるようにされてよい。
【0152】
また、上記の例において、POS端末20は、例えば客側スキャナ部206によりクーポン券のバーコードが読み取られたことに応じて、まず、対応のクーポン券が利用可能であるか(利用条件を満たしているか)否かについて判定してよい。そのうえで、POS端末20は、対応のクーポン券が利用可能であると判定した場合には、店員呼び出しの処理を実行してよい。
【0153】
また、各種種別のクーポン券のうち、例えば値引きのクーポン券については、客側スキャナ部206によりバーコードの読み取りが行われたことに応じて、POS端末20が対応の取引にて値引きが反映されるように処理を行うようにしてよい。これにより、フルセルフモードのもとであっても、値引きのクーポン券を使用した精算を客側で済ませることができる。但し、使用されたクーポン券は店員が回収する必要があることから、POS端末20は、値引きのクーポン券のバーコードを読み取ったことに応じて、店員呼び出しの処理も実行する。
一方、POS端末20は、店員側スキャナ部212によりクーポン券のバーコードの読み取りが行われた場合には、値引きのクーポン券を含め、いずれの種別のクーポン券にも対応して、特典付与に応じた処理を実行する。
【0154】
[第5変形例]
入力対応処理切替は、情報の読み込み対象が公共料金等の払込票としての用紙や、チケット発行用の用紙等であってもよい。
この場合、POS端末20は、客側スキャナ部206により用紙のバーコードが読み取られた場合には、店員を呼び出す処理を実行し、店員側スキャナ部212により用紙のバーコードが読み取られた場合には、バーコードから読み取った情報に基づく対応の処理(例えば、払込票であれば精算処理、チケット発行用の用紙であればチケット代の精算処理、チケット発行のための処理)を実行してよい。
【0155】
あるいは、POS端末20は、客側スキャナ部206により用紙のバーコードが読み取られたことに応じて、客の操作に応じた精算までの処理を実行するとともに、店員呼び出しの処理を実行してよい。店員呼び出しに応じて客のいるPOS端末20にまで赴いた店員は、例えば、用紙に対する押印、用紙を切り取って客用控えを顧客に手渡し、店側控え等を保管する業務を行う。
この場合、POS端末20は、店員側スキャナ部212により用紙のバーコードが読み取られた場合には、店員の操作に応じて、公共料金の支払い、チケット発行等に応じた処理を実行してよい。
【0156】
[第6変形例]
入力対応処理切替は、例えば中華まんや唐揚げ等のように保温された総菜等の商品(保温商品)にも適用されてよい。このような保温商品も、客が購入する前の段階では、店員のみが扱い可能であり客は扱い不可なようにされた購入制限商品の1種である。
この場合には、例えば店舗において、保温商品に対応するバーコードが付されたカードを陳列しておくようにする。客は、自分が購入したい保温商品のカードを持って、POS端末20にまで赴くようにされる。
この場合、POS端末20は、客側スキャナ部206によりカードのバーコードが読み取られた場合には、店員呼び出しの処理を実行し、店員側スキャナ部212によりカードのバーコードが読み取られた場合には、バーコードから読み取った情報に基づく保温商品についての会計に対応する処理を実行する。
【0157】
あるいは、POS端末20は、客側スキャナ部206によりカードのバーコードが読み取られたことに応じて、保温商品に対応する商品登録から客の操作に応じた精算までの処理を実行してもよい。この場合、客は、自分のPOS端末20に対する操作によって、フルセルフモードのもとで支払いを済ませられる。そのうえで、POS端末20は、店員呼び出しの処理を実行する。店員呼び出しに応じて客のいるPOS端末20にまで赴いた店員は、客が読み込ませたバーコードに対応する保温商品を顧客に手渡す。
この場合にも、POS端末20は、店員側スキャナ部212によりカードのバーコードが読み取られた場合には、バーコードから読み取った情報に基づく保温商品についての会計(商品登録、精算)に対応する処理を実行してよい。
【0158】
[第7変形例]
なお、客側スキャナ部206によりバーコードが読み取られた場合の処理と、店員側スキャナ部212によりカードのバーコードが読み取られた場合の処理は、例えば、一部同じ処理を含んだうえで、さらに一方の場合において処理が付加される、もしくは、一部が同じ処理を含んだうえで、それぞれの場合において互いに異なる処理が付加されるものであってもよい。
また、情報の入力として、バーコードの読み取りに代えて、例えばRFIDタグを有するカード等との通信による情報の読み取りが行われてよい。
【0159】
[第8変形例]
〔動作モードについて〕
POS端末20は、不使用である状態が続くとフルセルフモードに移行するが(
図9(A)参照)、店員が使用(フルセルフモードに設定する操作を除く)しているときには、フルセルフモードへの移行を禁止してもよい。
【0160】
また、店員コードを読み取らせることによりフルセルフモードからダブルスキャンモードに移行するが(
図9(B)参照)、店員コードを読み取らせることに代えて、店員側表示部210の表示画面をタッチすることによりフルセルフモードからダブルスキャンモードに移行してもよい。なお、フルセルフモードで動作しているときは、店員側表示部210に各店員に対応するボタンを配置した画面を表示し、該画面においてタッチされたボタンに応じて店員を特定してもよい。また、キー操作部211を操作することによりフルセルフモードからダブルスキャンモードに移行してもよい。なお、キー操作部211に各店員に対応するボタンを配置し、キー操作部211において操作されたボタンに応じて店員を特定してもよい。
【0161】
また、通常モードで動作するPOS端末20は、他のPOS端末20に移行指示を送信した後、自POS端末20が処理中であれば処理終了後にセミセルフモード(登録専用モード)に移行するが(
図10(A)参照)、移行指示の送信後に強制的に(直ちに)セミセルフモード(登録専用モード)に移行してもよい。例えば、客側で客が精算処理を実行しているときに、移行指示を送信した場合、直ちに通常モードからセミセルフモード(登録専用モード)に移行する一方、実行中の精算処理については完了するまで、継続して実行できるようにしてもよい。
【0162】
また、通常モード等で動作するPOS端末20は、他のPOS端末20から移行指示を受信した後、自POS端末20が処理中であれば処理終了後にセミセルフモード(精算専用モード)に移行するが(
図10(B)参照)、移行指示の受信後に強制的に(直ちに)セミセルフモード(精算専用モード)に移行してもよい。例えば、店員側で店員が登録処理を実行しているときに、移行指示を受信した場合、直ちに通常モードからセミセルフモード(精算専用モード)に移行する一方、実行中の登録処理については完了するまで、継続して実行できるようにしてもよい。
【0163】
また、フルセルフモードで動作するPOS端末20をセミセルフモード(精算専用モード)として機能させるようにしてもよい。つまり、セミセルフモード(登録専用モード)で動作するPOS端末20は、セミセルフモード(精算専用モード)で動作するPOS端末20に対し、登録情報を送信し、当該セミセルフモード(精算専用モード)で動作するPOS端末20に精算処理を実行させるが、セミセルフモード(登録専用モード)で動作するPOS端末20は、フルセルフモードで動作するPOS端末20に対し、登録情報を送信し、当該フルセルフモードで動作するPOS端末20に精算処理を実行させるようにしてもよい。なお、フルセルフモードで動作するPOS端末20において客が操作を行っていない場合に、セミセルフモード(登録専用モード)で動作するPOS端末20から登録情報を送信できるようにしてもよい。客が操作を行っている場合には登録情報を送信できないようにしてもよいし、客が操作を行っている場合でも当該客の操作終了後に直ちに精算が行われるように登録情報を送信してもよい。
【0164】
また、登録情報の送信に関連し、登録情報の送信元となるPOS端末20の店員側表示部210には送信ボタンを表示してもよい。店員側表示部210には、LAN11上の他の全部のPOS端末分の送信ボタンを夫々のPOS端末を識別可能に表示(例えば、「レジ1」「レジ2」等の端末番号を付して表示等)してもよいし、送信先となり得るPOS端末分(セミセルフモード(精算専用モード)で動作するPOS端末20、フルセルフモードのPOS端末20)の送信ボタンを夫々のPOS端末を識別可能に表示してもよい。
当該POS端末20からの登録情報の送信先として許可する1以上のPOS端末20を予め決めておき(即ち、登録側と精算側のカップリングを予め決めておき)、これに基づいて、送信ボタンを表示してもよい。
【0165】
また、現在、登録情報を送信可能なPOS端末20に対応するボタンと、登録情報を送信不可能なPOS端末20に対応するボタンとを異なる表示態様により表示してもよい。例えば、登録情報を送信可能なPOS端末20に対応するボタンを通常の表示態様で表示し、登録情報を送信不可能なPOS端末20に対応するボタンを特別の表示態様(例えば、グレーダウン等)で表示してもよい。現在、登録情報を送信不可能なPOS端末20に対応するボタンは、操作不能や操作禁止としてもよい(例えば、タッチが効かないようにしてもよい)。
【0166】
また、登録情報の送信先となる夫々のPOS端末20の状況(例えば、待機中、使用中、ニアエンド、ニアフル、オフライン等)を報知してもよい。例えば、LAN11において夫々のPOS端末20の状況を共有(例えば、状況を示す情報の送受信、ストアコントローラ10や代表する一のPOS端末20等における一元管理等)化しておき、上述のボタン上に(又はボタンに対応付けて)、夫々のPOS端末20の状況を示す情報(例えば、「待機中」、「使用中」、「ニアエンド」等を表示したバッヂ風の画像)を表示してもよい。なお、フルセルフモードで動作するPOS端末20の場合は、客が操作していないときには待機中であり、客が登録を開始すると待機中から使用中になり、精算が終了すると使用中から再び待機中になる。使用中を登録完了キー(小計キー)の操作前後で登録中と精算中とに分けてもよい。
【0167】
また、フルセルフモードで動作するPOS端末20を客が使用しているときは、通常モードへの移行を制限してもよい。例えば、フルセルフモードにおいて客が精算処理をしているときには通常モードへの移行を許可し、フルセルフモードにおいて客が登録処理をしているときには、通常モードへの移行を禁止(少なくとも即時の移行を禁止)してもよい。
【0168】
また、POS端末20は、店員による明示的なモード移行操作に従って動作モードが移行すると説明したが、明示的なモード移行操作であっても、移行前の動作モード(現在の動作モード)、移行先の動作モード、動作状況等に応じて、操作が制限される場合があってもよい。
【0169】
店員の勤務状況(出勤状況、勤務予定、出勤予定)に従って、POS端末20の動作モードをスケジューリングしてもよい。但し、移行前の動作モード(現在の動作モード)、移行先の動作モード、動作状況等に応じて、スケジューリング通りに制御する場合とスケジューリング通りに制御しない場合とがあってもよい。
【0170】
動作モードの報知として、POS端末20が表示部(店員側表示部210、客側表示部205)において動作モードを表示する例を説明したが、動作モードの報知態様はこれに限定されない。例えば、POS端末20は、パトライト(登録商標)や表示板等を備え(又はパトライトや表示板等をPOS端末20に接続し)、パトライトや表示板等により、当該POS端末20の動作モードを報知してもよい。また、POSシステム1はパトライトや表示板等を備え(又はパトライトや表示板等をLAN11に接続し)、パトライトや表示板等により、店内の夫々のPOS端末20の動作モードを報知してもよい。パトライトや表示板等を用いることにより、遠く(店員側表示部210から離れた位置)からでも動作モードを視認できるようになる。
【0171】
[第9変形例]
〔ダブルスキャンモードにおける表示等について〕
上記フローチャートでは(
図11参照)、店員側表示部210に表示された小計キー、又は、客側表示部205に表示された登録完了キーのいずれかが押下された場合に(ステップS420:YES)、小計画面(
図17参照)を表示している。換言すれば、店員側(小計キー)、又は、客側(登録完了キー)のいずれか一方により商品登録を完了させている。しかしながら、商品登録を完了させる態様(小計画面を表示させる操作)は、これに限定されない。
【0172】
例えば、店員側の小計キーが押下された場合に限って小計画面を表示してもよい。つまり、客には商品登録の完了させる操作を行わせずに店員のみに商品登録を完了させる操作を行わせてもよい。当該態様では、客側表示部205には、操作が有効ではない旨の表示態様(例えばグレーダウン等)で登録完了キーを表示してもよいし、登録完了キーを表示しなくてもよい。
【0173】
また、店員側の小計キーも客側の登録完了キーも共に押下された場合に、小計画面を表示してもよい。即ち、先に店員側にて小計キーが押下された場合(小計キーが押下されている状態であるとき)には、客側にて登録完了キーが押下されたタイミングにて小計画面を表示し、先に客側にて登録完了キーが押下された場合(登録完了キーが押下されている状態であるとき)には、店員側にて小計キーが押下されたタイミングにて小計画面を表示してもよい。
【0174】
店員側の小計キーと客側の登録完了キーが共に押下された場合に小計画面を表示する態様においては、小計キーと登録完了キーのうち一方が押下された場合には、該押下された旨を他方に報知してもよい。例えば、先に小計キーが押下された場合には、小計キーが押下された旨(つまり、店員による商品登録の操作があった旨。例えば「店員による商品登録は終わりました」等のメッセージ等)を客側表示部205に表示してもよい。一方、先に登録完了キーが押下された場合には、登録完了キーが押下された旨(つまり、客による商品登録の操作があった旨。例えば「お客による商品登録は終わりました」等のメッセージ等)を店員側表示部210に表示してもよい。
【0175】
また、小計キーが押下された場合には、小計キーが押下された旨を客側表示部205に表示することに代えて又は加えて、客側表示部205に表示されている登録完了キーの表示態様を、当該登録完了キーが押下されるまで、強調態様(点滅等)によって表示するようにしてもよい。同様に、登録完了キーが押下された場合には、登録完了キーが押下された旨を店員側表示部210に表示することに代えて又は加えて、店員側表示部210に表示されている小計キーの表示態様を、当該小計キーが押下されるまで、強調態様(点滅等)によって表示するようにしてもよい。
【0176】
店員側の小計キーと客側の登録完了キーが共に押下された場合に小計画面を表示する態様において、小計キーが押下されるまでは登録完了キーの押下を禁止(例えば、グレーダウン、非表示等)し、小計キーが押下された後に登録完了キーの押下を許可(例えば、押下可能な表示態様で表示等)してもよい。あるいは、登録完了キーが押下されるまでは小計キーの押下を禁止し、登録完了キーが押下された後に小計キーの押下を許可してもよい。
【0177】
店員側の小計キーと客側の登録完了キーが共に押下された場合に小計画面を表示する態様において、店員側の小計キーの押下後であっても客側の登録完了キーの押下前であるときには、店員側における登録仮完了の状態とし、商品の登録を許容してもよい。つまり、店員側にて小計キーの押下があったときには、小計キーが押下された旨を相手側(客側)に報知するものの、小計キーの押下後であっても小計画面が表示されるまでの間(客側の登録完了キーの押下前)は、当該客の商品登録前の商品を店員側にて登録(追加登録)できるようにしてもよい。
【0178】
なお、店員側にて商品登録を完了させる操作を行った後に商品を追加登録した場合には(登録仮完了の状態において商品を追加登録した場合には)、小計画面を表示させるためには、店員側において再度の商品登録を完了させる操作(小計キーの押下)を必要とする。つまり、商品の追加登録後においては、店員側の再度の小計キーの押下と、客側の登録完了キーの押下の両方があった場合に、小計画面を表示する。なお、上記に代えて、店員側において再度の商品登録を完了させる操作を不要としてもよい。つまり、商品の追加登録後においては、店員側の再度の小計キーの押下がなくても客側の登録完了キーの押下があれば、小計画面を表示してもよい。
【0179】
なお、小計キーの押下後であって登録完了キーの押下前であるときには、上述の如く当該客の商品を店員側にて追加登録を可能としてもよいが、
図21(A)にて説明したように、次客の商品登録を可能としてもよい。なお、小計キーの押下後であって登録完了キーの押下前であるときには、店員側表示部210において、当該客の商品の追加登録を行うのか、次客の商品の登録を行うのかを宣言(指定)できるようにしてもよい。例えば、店員側表示部210に表示されたボタンなどによって宣言できるようにしてもよい。
【0180】
ダブルスキャンモードにおいて、客側と店員側とで同一商品がスキャンされた場合には、客側と店員側とで同一商品がスキャンされた旨を報知してもよい。例えば、表示部に、「同じ商品がスキャンされました」や「〇〇回目のスキャンです」等のメッセージを表示してもよい。なお、メッセージの表示先は、少なくとも店員側であってもよい。つまり、客側と店員側とで同一商品がスキャンされた場合、店員側表示部210には常にメッセージを表示するが、客側表示部205にはメッセージを表示する場合と表示しない場合とがあってもよい。例えば、客側で既にスキャンした商品と同一の商品を店員側にてスキャンした場合には、店員側表示部210にメッセージを表示し、店員側で既にスキャンした商品と同一の商品を客側にてスキャンした場合には、客側表示部205及び店員側表示部210にメッセージを表示してもよい。また、例えば、店員の設定操作(又は切替操作)に応じて、客側表示部205に上述のメッセージを表示させるか否かを制御してもよい。
【0181】
また、上記では、商品の登録中(登録画面)や登録後(小計画面)において、店員側表示部210では自分側(店員側)で登録された商品と相手側(客側)で登録された商品とを異なる表示態様で表示し(
図13(A)、
図14(A)、
図15(A)、
図17(A)参照)、客側表示部205では自分側(客側)で登録された商品と相手側(店員側)で登録された商品とを異なる表示態様で表示しているが(
図13(B)、
図14(B)、
図15(B)、
図17(B)参照)、店員側表示部210及び客側表示部205における表示態様は、これに限定されない。
【0182】
例えば、店員側表示部210では相手側(客側)で登録された商品を表示せずに自分側(店員側)で登録された商品を表示し、客側表示部205では相手側(店員側)で登録された商品を表示せずに自分側(客側)で登録された商品を表示してもよい。あるいは、店員側表示部210では
図13(A)等に示したように自分側(店員側)で登録された商品と相手側(客側)で登録された商品とを異なる表示態様で表示し、客側表示部205では相手側(店員側)で登録された商品を表示せずに自分側(客側)で登録された商品を表示してもよい。あるいは、店員側表示部210では相手側(客側)で登録された商品を表示せずに自分側(店員側)で登録された商品を表示し、客側表示部205では
図13(B)等に示したように自分側(客側)で登録された商品と相手側(店員側)で登録された商品とを異なる表示態様で表示してもよい。
【0183】
なお、店員側表示部210において、相手側(客側)で登録された商品を自分側(当該店員側表示部210)に表示させるのか(またはさせないのか)を宣言(指定)できるようにしてもよい。また、上記に代えて又は加えて、店員側表示部210において、自分側(店員側)で登録された商品を相手側(客側表示部205)に表示させるのか(またはさせないのか)を宣言(指定)できるようにしてもよい。また、上記に代えて又は加えて、客側表示部205において、相手側(店員側)で登録された商品を自分側(当該客側表示部205)に表示させるのか(またはさせないのか)を宣言(指定)できるようにしてもよい。いずれも、画面に表示されたボタンなどによって宣言できるようにしてもよい。
【0184】
また、商品の登録中には、例えば
図15に示すように、自分側で登録された商品と相手側で登録された商品とを異なる表示領域に表示し、商品の登録後には、例えば
図17に示すように、自分側で登録された商品と相手側で登録された商品とを共通の表示領域に表示してもよい。つまり、例えば小計キー等の押下により登録画面から小計画面に遷移したときには、小計キー等の押下前の登録画面において互いに異なる表示領域に表示されていた自分側で登録された商品と相手側で登録された商品とが、小計キー等の押下後の小計画面において共通の表示領域に表示されるようにしてもよい。また、登録画面ボタン(
図17(A)の符号TG)の押下により小計画面から登録画面に遷移したときには、登録画面ボタンの押下前の小計画面において共通の表示領域に表示されていた自分側で登録された商品と相手側で登録された商品とが、登録画面ボタンの押下後の登録画面において互いに異なる表示領域に表示されるようにしてもよい。
【0185】
なお、店員側表示部210において、当該店員側表示部210や客側表示部205における、商品の登録中や商品の登録後の表示態様に関し、自分側で登録された商品と相手側で登録された商品とを異なる表示領域に表示させるのか、共通の表示領域に表示させるのかを宣言(指定)できるようにしてもよい。また、上記に代えて又は加えて、客側表示部205において、当該客側表示部205における、商品の登録中や商品の登録後の表示態様に関し、自分側で登録された商品と相手側で登録された商品とを異なる表示領域に表示させるのか、共通の表示領域に表示させるのかを宣言(指定)できるようにしてもよい。いずれも、画面に表示されたボタンなどによって宣言できるようにしてもよい。
【0186】
[第10変形例]
〔分析等について〕
POSシステム1では、電子ジャーナルを記憶し、種々の分析等に活用してもよい。なお、電子ジャーナルは、
図13、
図14、
図12等に示した種々の情報等や、
図16や
図18等に示した出力情報等を含む(客に関する情報も含む)ものであってもよい。例えば、POS端末20(又は、ストアコントローラ10)は、取引ごとに電子ジャーナルを記憶し、各動作モードの稼働状況(例えば、時間帯曜日別、担当者別、又は、無条件の、各モードの稼働時間等)や、商品の販売実績(例えば、販売個数等)や、引換券の運用状況(例えば、引換券の発行枚数、商品の販売個数に対する引換券の発行割合、引換券の発行後における商品引渡しまでの所要時間等)や、ダブルスキャンモードにおける店員と客の登録状況(店員と客の商品登録数の割合等。店員別であってもよいし、会員番号等に基づいて客の属性(男女年齢)等を把握できる場合には客別であってもよい)を分析してもよい。分析結果は、リスト等に出力してもよい。
【0187】
また、電子ジャーナルに、例えば、各取引における1点目の商品の登録開始時刻(秒単位)と小計画面の表示開始時刻等を記憶することにより、動作モード別(例えば動作モード別買上点数別等)の所要時間(例えば登録処理完了まで(小計画面表示開始まで)の所要時間等)を分析できるようにしてもよい。
【0188】
[第11変形例]
なお、上記では、自POS端末20の現在の動作モードを表示しているが(例えば、
図17の符号M)、例えば、LAN11を介して他のPOS端末20における動作モードに関する情報を取得することにより、他のPOS端末20の現在の動作モードについても表示してもよい。
【0189】
[第12変形例]
上記実施形態のPOS端末20は、例えば店員側表示部210の表示面に対して客側表示部205が反対側に表示面を向けており、釣銭機209は、客側表示部205の表示面が向いた側にて操作が可能とされている。つまり、上記実施形態のPOS端末20は、店員と客とが対向する位置関係となるようにされている。
しかしながらPOS端末20は、例えば店員と客とがそれぞれ正面にたって顔を向けた際の方向がほぼ直交するような位置関係となるように、店員側表示部210、客側表示部205、及び釣銭機209等が配置される構成であってもよい。
【0190】
[実施形態の総括]
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、店員に対応して情報の入力を行う第1情報入力手段と、客に対応して情報の入力を行う第2情報入力手段と、特定の情報が前記第1情報入力手段により入力された場合と前記第2情報入力手段により入力された場合とで異なる処理を実行する処理手段とを備える商品販売データ処理装置(例えば、POS端末20)である。
上記構成によれば、例えばタバコ等の購入制限商品のバーコードにより示される情報を店員側スキャナ部212(第1情報入力手段の一例)により読み込んだ場合には商品登録処理が行われる。一方、同じ購入制限商品のバーコードにより示される情報を客側スキャナ部206(第2情報取得手段の一例)により読み込んだ場合には、店員や客に向けて、読み込んだ情報に対応する商品を準備するにあたっての案内となる内容を有する画面を表示させるようにすることができる。
これにより、客が購入制限商品を購入するにあたっての会計の効率化が図られる。
【0191】
(2)本実施形態の一態様は、上記(1)に記載の商品販売データ処理装置であって、前記処理手段は、第1情報入力手段と第2情報入力手段とのうちの少なくともいずれか一方は、所定の媒体から情報の読み取りを行うことによって情報の入力を行う。
上記構成によれば、上記のタバコのようにパッケージにバーコードが印刷されている購入制限商品に対応して、バーコードの読み取りによって情報を取得することができる。
【0192】
(3)本実施形態の一態様は、上記(1)または(2)に記載の商品販売データ処理装置であって、前記処理手段は、前記第2情報入力手段により前記特定の情報が入力された場合に、前記特定の情報に対応する商品を特定するための情報を店員用表示部に表示させる。
上記構成によれば、購入制限商品のバーコードにより示される情報を客側スキャナ部206(第2情報取得手段)により読み込んだ場合には、店員に向けて、読み込んだ情報に対応する商品を特定するための情報(例えば銘柄番号)を表示させることができる。
なお、商品を特定するための情報としては、銘柄番号に限定されない。商品を特定するための情報としては、商品棚自体に固定的に付された番号、記号等であってもよい。
【0193】
(4)本実施形態の一態様は、上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置であって、前記処理手段は、前記第2情報入力手段により前記特定の情報が読み取られた場合に、前記特定の情報に対応する複数の商品の選択に関する情報を客用表示部(例えば、客側表示部205)に表示させる。
上記構成によれば、購入制限商品のバーコードにより示される情報に対応する商品として複数がある場合に、客が複数の商品のうちから購入対象とする商品を選択する操作を行うことができる。
【0194】
(5)本実施形態の一態様は、コンピュータを、店員に対応して情報の入力を行う第1情報入力手段、客に対応して情報の入力を行う第2情報入力手段、特定の情報が前記第1情報入力手段により入力された場合と前記第2情報入力手段により入力された場合とで異なる処理を実行する処理手段として機能させるためのプログラムである。
【0195】
なお、以上に説明したPOSシステム1、POS端末20等の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のPOSシステム1、POS端末20等の処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0196】
1…POSシステム
10…ストアコントローラ
20…POS端末
201…CPU
202…ROM
203…RAM
204…ハードディスク
205…客側表示部
206…客側スキャナ部
208…カード決済部
209…釣銭機
210…店員側表示部
211…キー操作部
212…店員側スキャナ部
213…印刷部
214…音声出力部
215…通信部